IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許7553133防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法
<>
  • 特許-防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法 図1
  • 特許-防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法 図2
  • 特許-防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法 図3
  • 特許-防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法 図4
  • 特許-防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/18 20060101AFI20240910BHJP
   B01D 46/681 20220101ALI20240910BHJP
   B01D 46/42 20060101ALI20240910BHJP
   H05K 1/02 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
B01D46/18 A
B01D46/681
B01D46/42 A
H05K1/02 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023025010
(22)【出願日】2023-02-21
(65)【公開番号】P2024118625
(43)【公開日】2024-09-02
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】門田 貴継
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-145018(JP,U)
【文献】特開2008-023413(JP,A)
【文献】実開平05-059121(JP,U)
【文献】中国実用新案第217773621(CN,U)
【文献】実開平01-156721(JP,U)
【文献】特開2002-001037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
F24F 13/08-13/32
H05K 1/00-1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントベゼル内の吸気経路と交差するように配置され、かつ当該吸気経路を挟むように位置する上部ローラ及び下部ローラを起点として一定周期で循環するベルトコンベア状の防塵フィルタであって、
前記フロントベゼルの下部位置に設置されて、前記防塵フィルタの下端部を収容するダストボックスと、
該ダストボックス内に設置されて前記防塵フィルタに付着した埃を除去する除塵ブラシと、を有し、
前記フロントベゼルの上部位置には、前記防塵フィルタの上端部を収容する無風ボックスが設置され、
前記ダストボックス及び無風ボックス内には前記防塵フィルタの表裏を180度反転させるベルト反転機構がそれぞれ設置されることを特徴とする防塵フィルタ自動除塵機構。
【請求項2】
前記除塵ブラシは回転ブラシにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の防塵フィルタ自動除塵機構。
【請求項3】
前記防塵フィルタの目詰まりを検出する塵埃センサと、該塵埃センサが前記防塵フィルタの目詰まりを検出した場合のみ、前記防塵フィルタ及び回転ブラシを回転駆動させる制御手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の防塵フィルタ自動除塵機構。
【請求項4】
前記フロントベゼルは電子機器を冷却するための吸気経路と直交する方向に設置されることを特徴とする請求項1に記載の防塵フィルタ自動除塵機構。
【請求項5】
前記ベルト反転機構は、
前記上部ローラに対して間隔をおいて配置された上部補助ローラと、これら上部ローラ及び上部補助ローラの間に配置されて前記防塵フィルタのベルト面を表裏反転させる上部回転ガイドと、
前記下部ローラに対して間隔をおいて配置された下部補助ローラと、これら下部ローラ及び下部補助ローラの間に配置されて前記防塵フィルタのベルト面を表裏反転させる下部回転ガイドと、を具備することを特徴とする請求項1に記載の防塵フィルタ自動除塵機構。
【請求項6】
フロントベゼル内の吸気経路と交差しかつ当該吸気経路を挟むように位置する2か所の回転ローラを起点として一定周期で循環するベルトコンベア状の防塵フィルタにおいて、前記フロントベゼルの下部位置に前記防塵フィルタの下端部を収容するダストボックスを設置した状態で、当該ダストボックス内にて前記防塵フィルタに付着した埃を除塵ブラシにより除去することを特徴とし、
前記フロントベゼルの上部位置において前記防塵フィルタの上端部を無風ボックスに収容するとともに、
前記ダストボックス及び無風ボックス内のそれぞれにおいてベルト反転機構により前記防塵フィルタの表裏を180度反転させる、
ことを特徴とする防塵フィルタ自動除塵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ、ネットワークシステムのサーバなどの発熱機器に適用されて、装置内にごみ、埃などの進入を防止する防塵フィルタの自動除塵機構及び自動除塵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の防塵フィルタ目詰まり防止に関する技術としては特許文献1~3が知られている。
特許文献1に示される自動フィルタ清掃装置では、一対の回転ローラに跨り巻回され、かつ室内から吸入された空気が通過する空気流路内に配置されたベルト形状の集塵フィルタを有している。
この集塵フィルタの端部でありかつ空気調和機の空気吸い込み能力に影響が出ない箇所には、除塵体であるブラシとともに、該ブラシで除去した塵埃を収納するダストボックスが設けられている。
【0003】
特許文献2に示される投射型映像表示装置では、筐体内部に取り入れる外気を濾過するフィルタ材と、フィルタ材が取り付けられるループ形状のフィルタ枠を、ループ形状の方向に回転移動させる駆動機構と、所定の位置で自転しつつフィルタ材と接触する除塵ブラシとを備える。
そして、この除塵ブラシにより除去された塵埃は、埃ボックス内に収納される。
【0004】
特許文献3に示されるフィルタ掃除機構では、空気をろ過するエアフィルタを取り付けたループ形状の帯状網体であるフィルタ枠を駆動軸及び案内軸により保持する。
除塵体であるブラシユニットは、駆動軸とともにフィルタ枠を挟むように配置されており、該フィルタ枠を駆動することで、エアフィルタに付着した塵埃を掻き取り除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-153761号公報
【文献】特開2011-180335号公報
【文献】特開2011-245460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1~3に示される塵埃除去に関する装置では、エアフィルタを通過する空気の流れが強い場合に、単純にブラシで除塵を行おうとしても、いったん除塵したはずの埃が再びフィルタに再吸着されてしまうという問題があり、このような問題解決のための具体的構成が示されていない。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、吸気の影響を受けない確実な塵埃除去を可能とする防塵フィルタ自動除塵機構及び防塵フィルタ自動除塵方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様に示される防塵フィルタ自動除塵機構では、フロントベゼル内の吸気経路と交差するように配置され、かつ当該吸気経路を挟むように位置する上部ローラ及び下部ローラを起点として一定周期で循環するベルトコンベア状の防塵フィルタと、前記フロントベゼル下部における吸気の影響を受けない位置に設置されて、前記防塵フィルタの下端部を収容するダストボックスと、該ダストボックス内に設置されて前記防塵フィルタに付着した埃を除去する除塵ブラシと、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の第2態様に示される防塵フィルタ自動除塵方法では、フロントベゼル内の吸気経路と交差しかつ当該吸気経路を挟むように位置する2か所の回転ローラを起点として一定周期で循環するベルトコンベア状の防塵フィルタにおいて、前記フロントベゼルの下部位置に前記防塵フィルタの下端部を収容するダストボックスを設置した状態で、当該ダストボックス内にて前記防塵フィルタに付着した埃を除塵ブラシにより除去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吸気の影響を受けない無風のダストボックス内に、防塵フィルタの埃除去を行う除塵ブラシを設置することにより、防塵フィルタからの塵埃除去及び塵埃の再付着を確実に防止して、当該防塵フィルタの交換を不要として長期のサーバ運用を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る防塵フィルタ自動除塵機構の最小構成を示す概略図である。
図2】第1実施形態に適用されるタワーサーバ及びフロントベゼルを示す斜視図である。
図3】第1実施形態として示されたタワーサーバに設置の防塵フィルタ装置及び防塵フィルタ自動除塵機構を示す図である。
図4図3に示される防塵フィルタ装置及び防塵フィルタ自動除塵機構の拡大図である。
図5】第2実施形態として示された防塵フィルタ装置及び防塵フィルタ自動除塵機構の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る防塵フィルタ自動除塵機構100の最小構成について図1を参照して説明する。
図1に示される防塵フィルタ自動除塵機構100において、符号1は防塵フィルタ、符号2はダストボックス、符号3は除塵ブラシを表している。
【0013】
防塵フィルタ1は、フロントベゼル4内の吸気経路5と交差するように配置され、かつ当該吸気経路5を挟むように位置する上部ローラ6及び下部ローラ7を起点として一定周期で循環するベルトコンベア状のフィルタである。
ダストボックス2は、フロントベゼル4の下部における吸気(符号Aで示す)の影響を受けない位置に設置されて、防塵フィルタ1の下端部を収容する。
除塵ブラシ3は、ダストボックス2内に設置されて防塵フィルタ1に付着した塵埃(符号Gで示す)を除去するものである。
【0014】
そして、以上のように構成された防塵フィルタ自動除塵機構100によれば、フロントベゼル4の下部位置にダストボックス2を設置し、該ダストボックス2内にて防塵フィルタ1の下端部とともに、当該防塵フィルタ1に付着した埃を除去する除塵ブラシ3を設けたので、吸気の影響を受けない除塵ブラシ3による塵埃除去を確実に実施することができる。
【0015】
また、上記防塵フィルタ自動除塵機構100によれば、吸気の影響を受けない無風のダストボックス2内にて、防塵フィルタ1の下端部とともに、当該防塵フィルタ1に付着した埃を除去する除塵ブラシ3を設置したので、いったん除塵したはずの埃が、再び防塵フィルタ1に吸着されるという事態を回避することが可能となる。
従って、上記防塵フィルタ自動除塵機構100では、防塵フィルタ1からの塵埃除去、塵埃の再付着を確実に防止することで、当該防塵フィルタ1の交換を不要として長期のサーバ運用を可能とする。
【0016】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図2図4を参照して説明する。
図2及び図3において符号10で示すものはタワーサーバであって、このタワーサーバ10内には前面側のフロントファン11により冷却用の外部空気が取り込まれ、後面側のリアファン12により排熱を含んだ内部空気が外部に排出される。
そして、これらファン11,12によりタワーサーバ10内に取り込まれた空気(エアフローを符号Aで示す)は、エアダクト13内を流通するとともに、その移動の途中で、制御装置Cとなるマザーボード14で発生した熱を吸収、排出する。
また、図3において、符号15で示すものは外部へ電力供給を行うためのマザーボード14上の電源コネクタである。
【0017】
タワーサーバ10の前面側に位置する吸気口16には、図2及び図3に示すように長方形状のフロントベゼル17が脱着自在に設置されている。
フロントベゼル17内には、空気中の塵埃を除去する防塵フィルタ装置20とともに、防塵フィルタ装置20の防塵フィルタ21に付着した塵埃を除去する防塵フィルタ自動除塵機構101(後述する)が設けられている。
【0018】
なお、本例では、図3に示されるようにフロントベゼル17内において、防塵フィルタ装置20が縦方向に3台、隣接するように配置されているが、その台数については限定されない。
また、この防塵フィルタ装置20は、フロントベゼル17内の吸気経路17Aと交差/直交するように配置され、かつ当該吸気経路17Aを挟むように位置する上部ローラ22及び下部ローラ23を起点として一定周期で循環するベルトコンベア状の防塵フィルタ21を有している。
また、本例に示される防塵フィルタ21は、フロントベゼル17内の空間において、タワーサーバ10に近い位置に配置されている。
【0019】
また、本例に示される防塵フィルタ21は、図示しない駆動モータにより上部ローラ22及び下部ローラ23を介して図中時計方向に回転する。
なお、上部ローラ22及び下部ローラ23は、マザーボード14上の電源コネクタ15を通じて電力供給される駆動モータにより回転される。
【0020】
次に、本発明に係る防塵フィルタ自動除塵機構101について図3及び図4を参照して説明する。
この防塵フィルタ自動除塵機構101は、防塵フィルタ装置20に設置されるものであって、ダストボックス30と除塵ブラシ31とを主な構成要素とする。
ダストボックス30は、フロントベゼル17の下部における吸気の影響を受けない位置に設置されて、防塵フィルタ21の下端部を収容する。
除塵ブラシ31は、ダストボックス30内に設置されて防塵フィルタ21に付着した埃を除去する回転ブラシにより構成されている。
なお、除塵ブラシ31は、マザーボード14上の電源コネクタ15を通じて電力供給される駆動モータ(図示略)により回転される。
【0021】
次に、本実施形態に係る動作について図2及び図3を参照して説明する。
まず、図2に示すように、タワーサーバ10の装置フロント側にフロントベゼル17を装着する。
タワーサーバ10はフロントファン11によりフロント側から吸気を行なう。このとき、フロントファン11により取り込まれた外気(符号A1で示す)は、フロントベゼル17内の吸気経路17Aを通過するとともに、その通過時に防塵フィルタ21を経由することで、外気中に含まれていた塵埃(符号Gで示す)が除去される。
【0022】
その後、タワーサーバ10内に取り込まれた外気は、エアフローAで示される流路を経由することでマザーボード14の熱を吸収した後、リアファン12により装置リア側へ排出される(排気を符号A2で示す)。
一方、防塵フィルタ21を経由することで除去された塵埃Gは当該防塵フィルタ21上に一時的に堆積された後、当該防塵フィルタ21が、フロントファン11の吸気の影響を受けないダストボックス30内にまで移動した場合に、回転ブラシからなる除塵ブラシ31でこそぎ取られその後の再吸着を防ぎつつ、下部のダストボックス30内に排出及び集積される。
【0023】
そして、以上のように構成された防塵フィルタ自動除塵機構101によれば、フロントベゼル17の下部位置にダストボックス30を設置し、該ダストボックス30内にて防塵フィルタ21の下端部とともに、当該防塵フィルタ21に付着した埃を除去する除塵ブラシ31を設けたので、吸気の影響を受けない除塵ブラシ31による塵埃除去を確実に実施することができる。
【0024】
また、上記防塵フィルタ自動除塵機構101によれば、吸気の影響を受けない無風のダストボックス30内にて、防塵フィルタ21の下端部とともに除塵ブラシ31を設置したので、いったん除塵したはずの埃が、再び防塵フィルタ21に吸着されるという事態を回避することができる。
従って、上記防塵フィルタ自動除塵機構101では、防塵フィルタ21からの塵埃除去及び塵埃の再付着を確実に防止することで、当該防塵フィルタ21の交換を不要として長期のサーバ運用を可能とする。
【0025】
また、上記防塵フィルタ自動除塵機構101では、防塵フィルタ21の交換を不要とすることで、作業員が現地に赴いての保守作業が不要となり、遠隔地からのサーバ運用の自動化が可能となり、さらには除塵のためのサーバの停止が不要となる。
【0026】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。
第2実施形態に係る防塵フィルタ自動除塵機構102が、第1実施形態に係る防塵フィルタ自動除塵機構101と構成を異にするのは、防塵フィルタ21の上端部に無風ボックス40を設けた点、ダストボックス30及び無風ボックス40内のそれぞれに防塵フィルタ21の表裏を180度反転させるベルト反転機構50,51を設けた点である。
【0027】
無風ボックス40は、フロントベゼル17の上部位置に設置されるものであって、防塵フィルタ21の上端部を収容することで、当該防塵フィルタ21の上端部を無風状態とする。エアフローAの影響を受けない無風ボックス40及び前述したダストボックス30内には、防塵フィルタの表裏を180度反転させるベルト反転機構50,51がそれぞれ設置されている。
【0028】
上側に位置するベルト反転機構50は、上部ローラ22に対して間隔をおいて配置された上部補助ローラ52と、これら上部ローラ22及び上部補助ローラ52間に配置されて防塵フィルタ21のベルト面を90°ずつ2回(すなわち、合計180°)捩じる上部回転ガイド53と、を具備している。
下側に位置するベルト反転機構51は、下部ローラ23に対して間隔をおいて配置された下部補助ローラ54と、これら下部ローラ23及び下部補助ローラ54間に配置されて防塵フィルタ21のベルト面を90°ずつ2回(すなわち、合計180°)捩じる下部回転ガイド55と、を具備している。
また、ベルト反転機構51の下部補助ローラ54は、ダストボックス30内において除塵ブラシ31に対して若干の下方位置に配置されている。
【0029】
そして、以上のように構成された防塵フィルタ自動除塵機構102では、まず、除塵ブラシ31で堆積した塵埃Gの除塵を行い、次に下部補助ローラ54と下部回転ガイド55の間で防塵フィルタ21を90度捩じった後、下部回転ガイド55と下部ローラ23の間でさらに90度捩じることにより防塵フィルタ21の面を反転させる。
これによりダストボックス30から送り出される防塵フィルタ21は埃堆積面(符号21Aで示す埃が堆積する側の面)がエアフローAの上流側、非堆積面(符号21Bで示す)がエアフローAの下流側に向く。
【0030】
次に、エアフローAの影響を受けない上部の無風ボックス40の中に防塵フィルタ21が至った場合には、無風ボックス40の中において、上部ローラ22と上側回転ガイド53の間で防塵フィルタ21を90度捩じった後、上側回転ガイド53と上部補助ローラ52の間でさらに90度捩じることにより防塵フィルタ21の面を反転させる。
これにより無風ボックス40から送り出される防塵フィルタ21は、埃堆積面(符号21Aで示す)がエアフローAの上流側、非堆積面(符号21Bで示す)がエアフローAの下流側に向く。
【0031】
これにより上記防塵フィルタ自動除塵機構102では、防塵フィルタ21の埃堆積面(符号21Aで示す)をエアフローAの上流側に常時位置させることができるので、例えば図4に符号G´で示すように塵埃の一部が、タワーサーバ10内に吸い込まれるという事態を未然に防止することができる。
また、上記防塵フィルタ自動除塵機構102では、防塵フィルタ21の埃堆積面と非堆積面を使い分けることが可能となるため、除塵しきれなかった塵埃G´のサーバ内部への流出を防ぐことが可能となる。
【0032】
(変形例)
なお、上記実施形態では、常時又は予め設定した所定時間毎に、上部ローラ22及び下部ローラ23を回転させる駆動モータ(図示略)、除塵ブラシ31を回転させる駆動モータを駆動することで、防塵フィルタ21及び除塵ブラシ31を稼働させる。
しかしこれに限定されず、上記防塵フィルタ自動除塵機構101/102では、防塵フィルタ21の目詰まりを検出する塵埃センサの検出信号に基づき、該塵埃センサが防塵フィルタ21の目詰まりを検出した場合のみ、防塵フィルタ21及び除塵ブラシ31を回転駆動させる制御を行っても良い。
【0033】
このとき、上記防塵フィルタ自動除塵機構101/102では、塵埃センサの検出値から求めた防塵フィルタ21の目詰まり度とともに、マザーボード14上に設置した風量センサ/温度センサなどで検出した検出値を加味して、防塵フィルタ21及び除塵ブラシ31の回転速度を制御しても良い。
【0034】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、コンピュータ、ネットワークシステムのサーバなどの発熱機器に適用されて、装置内にごみ、埃などの進入を防止する防塵フィルタの自動除塵機構及び自動除塵方法に関する。
【符号の説明】
【0036】
1 防塵フィルタ
2 ダストボックス
3 除塵ブラシ
4 フロントベゼル
5 吸気経路
6 上部ローラ
7 下部ローラ
10 タワーサーバ
11 フロントファン
12 リアファン
13 エアダクト
14 マザーボード
15 電源コネクタ
16 吸気口
17 フロントベゼル
17A 吸気経路
20 防塵フィルタ装置
21A 埃堆積面
21B 非堆積面
21 防塵フィルタ
22 上部ローラ
23 下部ローラ
30 ダストボックス
31 除塵ブラシ
40 無風ボックス
50 ベルト反転機構
51 ベルト反転機構
52 上部補助ローラ
53 上部回転ガイド
51 ベルト反転機構
54 下部補助ローラ
55 下部回転ガイド
A エアフロー
G 塵埃
図1
図2
図3
図4
図5