(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ディスクアレイ装置情報紐付け装置、方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/06 20060101AFI20240910BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G06F3/06 304J
G06F3/06 540
G06F13/10 340A
(21)【出願番号】P 2023038521
(22)【出願日】2023-03-13
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】安原 昌樹
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/093280(WO,A1)
【文献】特開2006-293460(JP,A)
【文献】国際公開第2001/063424(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06-3/08
G06F 13/10-13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクアレイ装置の管理ポートと接続し、ディスクアレイ装置との信号の入出力を行うように構成されるインターフェース手段と、
前記インターフェース手段を介して交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得する第1の情報取得手段と、
前記インターフェース手段を介して交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得する第2の情報取得手段と、
前記第1の識別情報および前記第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段であって、前記紐付け情報は、
前記第1の識別情報に紐付けられた前記第2の識別情報であり、
クライアントサーバが前記第1の識別情報を用いて前記交換先のディスクアレイ
装置を認識可能なように構成される、紐付け情報生成手段と、
前記インターフェース手段を介して前記紐付け情報を前記交換先のディスクアレイ装置に送信する送信手段と
を備える、ディスクアレイ装置情報紐付け装置。
【請求項2】
前記インターフェース手段に接続されたディスクアレイ装置が、前記交換元のディスクアレイ装置であるか、または前記交換先のディスクアレイ装置であるかを決定する接続装置判断手段と、
前記取得した第1および第2の識別情報を記録するように構成されるメモリと
をさらに備え、
前記接続装置判断手段が、
前記メモリにディスクアレイ装置の識別情報が存在しない場合、前記インターフェース手段に接続されたディスクアレイ装置が前記交換元のディスクアレイ装置であると決定し、
前記メモリにディスクアレイ装置情報の識別情報が存在する場合、前記インターフェース手段に接続されたディスクアレイ装置が前記交換先のディスクアレイ装置であると決定する、請求項
1に記載のディスクアレイ装置情報紐付け装置。
【請求項3】
前記第2の情報取得手段が前記第2の識別情報を取得した後に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けることを望むか否かを確認するための確認メッセージを表示する表示手段と、
ユーザとの対話を通じてユーザの指示を受け付けるように構成されるユーザインターフェース手段と
をさらに備え、
前記表示手段が前記確認メッセージを表示した後に、前記ユーザインターフェース手段が、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けを望むことを示す指示を受け付けたときに、前記紐付け情報生成手段は前記紐付け情報を生成し、
前記表示手段が前記確認メッセージを表示した後に、前記ユーザインターフェース手段が、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けを望まないことを示す指示を受け付けたときに、前記第1の識別情報を保持したまま前記第2の識別情報が削除される、請求項
1に記載のディスクアレイ装置情報紐付け装置。
【請求項4】
インターフェース手段を介して交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得するステップ
であって、前記インターフェース手段が、ディスクアレイ装置の管理ポートと接続し、ディスクアレイ装置との信号の入出力を行うように構成される、ステップと、
前記インターフェース手段を介して交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得するステップと、
前記第1の識別情報および前記第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成するステップであって、前記紐付け情報は、
前記第1の識別情報に紐付けられた前記第2の識別情報であり、
クライアントサーバが前記第1の識別情報を用いて前記交換先のディスクアレイ
装置を認識可能なように構成される、ステップと、
前記インターフェース手段を介して前記紐付け情報を前記交換先のディスクアレイ装置に送信するステップと
を含む、ディスクアレイ装置情報紐付け装置により実行される方法。
【請求項5】
コンピュータに、
インターフェース手段を介して交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得する動作
であって、前記インターフェース手段が、ディスクアレイ装置の管理ポートと接続し、ディスクアレイ装置との信号の入出力を行うように構成される、動作と、
前記インターフェース手段を介して交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得する動作と、
前記第1の識別情報および前記第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成する動作であって、前記紐付け情報は、
前記第1の識別情報に紐付けられた前記第2の識別情報であり、
クライアントサーバが前記第1の識別情報を用いて前記交換先のディスクアレイ
装置を認識可能なように構成される、動作と、
前記インターフェース手段を介して前記紐付け情報を前記交換先のディスクアレイ装置に送信する動作と
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置、方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクストレージシステムにおけるディスクアレイ装置では、装置ごとに固有のデバイス情報(Inquiry情報およびWWN情報等)を有しており、デバイス情報は、クライアントサーバが、ディスクアレイ装置を識別するために使用される。デバイス情報は、個々でクライアントサーバのOS上での見え方が異なるため、ディスクアレイ装置を交換した際にはクライアントサーバにあるデバイス情報の書換えや、再システム構成を実施する必要がある。
【0003】
ストレージシステムの切替えに関して、例えば下記参考文献1は、切替え前のシステムが、自機の装置IDおよびIPアドレスを切替え後のシステムに送信し、切替え後のシステムが、受信した装置IDおよびIPアドレスを設定すること、およびこれによりホストが切り替え後のシステムを認識できるようにすることを記載している。
【0004】
また、下記参考文献2は、クライアントサーバに相当するコンピュータに接続された2つの記憶装置間でデータの引継ぎを行う際に、コンピュータが、引継ぎ元および引継ぎ先の記憶装置の各々のアドレス領域に互いのディスク識別IDを書き込むこと、およびコンピュータがそれら記憶装置のアドレス領域を見ることで、2つの記憶装置がデータ引き継ぎ処理のペアであることを認識することができるが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-079678号公報
【文献】特開2014-182503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の技術では、クライアントサーバや、記憶装置において、例えば専用のソフトにより設定を行う必要があり、サーバ、OS、設定ソフトウェアに関する専門的な知識や操作が必要とされるとの課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題を解決する、ディスクアレイ装置情報紐付け装置、方法、およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、ディスクアレイ装置情報紐付け装置は、交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得する第1の情報取得手段と、交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得する第2の情報取得手段と、第1の識別情報および第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段であって、紐付け情報は、クライアントサーバが第1の識別情報を用いて交換先のディスクアレイを認識可能なように構成される、紐付け情報生成手段と、紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置に送信する送信手段とを備える。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、方法は、交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得するステップと、交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得するステップと、第1の識別情報および第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成するステップであって、紐付け情報は、クライアントサーバが第1の識別情報を用いて交換先のディスクアレイを認識可能なように構成される、ステップと、紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置に送信するステップとを含み、ディスクアレイ装置情報紐付け装置により実行される。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータプログラムは、交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得する動作と、交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得する動作と、第1の識別情報および第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成する動作であって、紐付け情報は、クライアントサーバが第1の識別情報を用いて交換先のディスクアレイを認識可能なように構成される、動作と、紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置に送信する動作とをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クライアントサーバ、交換元のディスクアレイ装置、および交換先のディスクアレイ装置の構成を変更することなく、交換後のディスクアレイ装置を認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置1の構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置1の処理フローを示す図である。
【
図3】第2の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置2の構成を示す図である。
【
図4】第2の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置2の処理フローを示す図である。
【
図5】第3の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置3の装置外観のイメージ図である。
【
図6】第3の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置3を用いた紐付け手順の概要図である。
【
図7】第4の実施形態に係る方法の処理フローを示す。
【
図8】第5の実施形態によるディスクアレイ装置情報紐付け装置5の最小構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置1について、
図1および2を参照しながら説明する。
【0014】
(ディスクアレイ装置情報紐付け装置1の機能構成)
図1は、第1の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置1の構成を示す図である。ディスクアレイ装置情報紐付け装置1は、交換元のディスクアレイ装置Aを交換先のディスクアレイ装置Bに交換する際に用いられ、クライアントサーバがディスクアレイ装置Bを認識することを補助する装置であってよい。交換前、ディスクアレイ装置のクライアントサーバには交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報が設定されており、これによりクライアントサーバはディスクアレイ装置Aにアクセスし、ディスクアレイ装置Aを使用可能な状態にある。デバイス情報とはクライアントサーバ上のOS(Operating System)がデバイスを一意に識別するために必要な識別情報であってよい。デバイス情報は、例えば、Inquiry情報およびWWN情報等を含む。ディスクアレイ装置情報紐付け装置1を用いることにより、ディスクアレイ装置の交換後に、クライアントサーバは、ディスクアレイ装置Aのデバイス情報を用いてディスクアレイ装置Bを認識することが可能になる。ディスクアレイ装置情報紐付け装置1は、専用のハードウェアとして実装されてよいが、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット、スマートフォン等において実装されてもよく、実施の態様は限定されない。
【0015】
図1が示すように、第1の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置1は、CPU(Central Processing Unit)10および記憶部20を備える。CPU10は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1全体の制御を司るプロセッサであって、例えば記憶部20に記録されたプログラムに従って動作する。記憶部20は、所定の情報を記録するためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってよい。説明を容易にするために第1の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置1は、その内部に記憶部20を備えるが、他の実施形態では、記憶部20がディスクアレイ装置情報紐付け装置1の外部記憶装置として実装され、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1が外部記憶装置から情報を取得することも可能である。
【0016】
CPU10は、プログラムに従って動作することで、交換元装置情報取得部101、交換先装置情報取得部102、紐付け情報生成部103、および紐付け情報送信部104として機能する。以下では、これらの機能構成について説明を行う。
【0017】
交換元装置情報取得部101は、交換元のディスクアレイ装置Aのディスクアレイ装置情報(以下、ディスクアレイ装置情報Aと呼ぶ)を取得する。交換元装置情報取得部101は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1に有線または無線で接続された交換元のディスクアレイ装置Aから、ディスクアレイ装置情報Aを読み取ることを想定して説明を行うが、ディスクアレイ装置情報の取得の仕方はこれに限定されない。例えば、ディスクアレイ装置情報Aが記憶部20に既に記録されている場合では、記憶部20からディスクアレイ装置情報Aを取得してもよい。または、外部装置から何らかの手段を用いてディスクアレイ装置情報Aを取得することも可能である。ディスクアレイ装置情報とは、デバイス情報および基本情報等を含む情報を意味する。ここにおいて基本情報とはディスクアレイ装置の型番や名称のことを示してよい。本明細書において、「ディスクアレイ装置A」や「ディスクアレイ装置B」がディスクアレイ装置の名称にあたる。上記の通り、本願実施形態においてクライアントサーバでは、ディスクアレイ装置情報Aが設定されていることが想定される。
【0018】
交換先装置情報取得部102は、ディスクアレイ装置Bのディスクアレイ装置情報(以下、ディスクアレイ装置情報Bと呼ぶ)を取得する。交換元装置情報取得部101の場合と同様に、例えば交換先装置情報取得部102は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1に有線または無線で接続された交換先のディスクアレイ装置Bから、ディスクアレイ装置情報Bを直接読み取ることができる。一方で、ディスクアレイ装置情報Bの取得の仕方は、ディスクアレイ装置Bからの直接的な読取りに限られず、記憶部20もしくは外部装置から取得することも可能である。取得する情報の違いから交換元装置情報取得部101および交換先装置情報取得部102を区別して説明しているが、これらの装置情報取得部は、ディスクアレイ装置情報を取得するとの機能で共通しているため実装においては同一の構成要素としてもよい。
【0019】
紐付け情報生成部103は、交換元装置情報取得部101が取得したディスクアレイ装置情報Aと、交換先装置情報取得部102が取得したディスクアレイ装置情報Bとに基づき、紐付け情報を生成する。紐付け情報は、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を有するクライアントサーバが、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を用いて交換先のディスクアレイ装置Bを認識可能なように構成される。例えば、紐付け情報は、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報に紐付けされた交換先のディスクアレイ装置Bのデバイス情報であってよい。
【0020】
紐付け情報送信部104は、紐付け情報生成部103により生成された紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置Bに送信する。例えば、紐付け情報送信部104は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1が備える送信手段(図示せず)に紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置Bに送信するように指示してよい。紐付け情報の送信動作は、ディスクアレイ装置の視点から見て、Import動作とも呼ばれる。Import動作により、ディスクアレイ装置Bは、ディスクアレイ装置Aのデバイス情報とディスクアレイ装置Bのデバイス情報との間の紐付け情報を有することになる。これにより、クライアントサーバは、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を用いて交換先のディスクアレイ装置Bを認識し、ディスクアレイ装置Bを利用することが可能となる。
【0021】
(ディスクアレイ装置情報紐付け装置1の処理フロー100)
図2は、第1の実施形態に係る、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1の処理フローを示す図である。
【0022】
S101にて、交換元装置情報取得部101が、交換元のディスクアレイ装置Aのディスクアレイ装置情報Aを取得する。上記の通り、ディスクアレイ装置情報は、クライアントサーバ上のOSがディスクアレイ装置を一意に識別するために必要な識別情報であるデバイス情報と、ディスクアレイ装置の型番や名称を示す基本情報とを含んでよい。S102にて、交換先装置情報取得部102が、交換先のディスクアレイ装置Bのディスクアレイ装置情報Bを取得する。S103にて、紐付け情報生成部103は、交換元装置情報取得部101が取得したディスクアレイ装置情報Aと、交換先装置情報取得部102が取得したディスクアレイ装置情報Bとに基づき、紐付け情報を生成する。紐付け情報は、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を有するクライアントサーバが、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を用いて交換先のディスクアレイ装置Bを認識可能なように構成される。例えば、紐付け情報は、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報に紐付けされた交換先のディスクアレイ装置Bのデバイス情報であってよい。S104にて、紐付け情報送信部104は、紐付け情報生成部103により生成された紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置Bに送信する。ディスクアレイ装置Bは、ディスクアレイ装置Aのデバイス情報とディスクアレイ装置Bのデバイス情報との間の紐付け情報を有することになり、これにより、クライアントサーバは、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を用いて交換先のディスクアレイ装置Bを認識し、利用することが可能となる。
【0023】
(第1の実施形態に係る効果)
以上のように、第1の実施形態では、交換元装置情報取得部101が、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を取得する。交換先装置情報取得部102が、交換先のディスクアレイ装置Bのデバイス情報を取得する。紐付け情報生成部103は、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報と、交換先のディスクアレイ装置Bのデバイス情報とに基づき、紐付け情報を生成する。紐付け情報は、クライアントサーバが交換先のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を用いてディスクアレイ装置情報Bを認識可能なように構成される。紐付け情報送信部104は、紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置Bに送信する。上記の構成により、第1の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置1を用いることで、クライアントサーバ、交換元のディスクアレイ装置、および交換先のディスクアレイ装置の構成を変更することなく、交換後のディスクアレイ装置を認識することが可能となる。また、デバイスアレイ装置の交換に際して別途管理サーバ等を使用した操作が不要なため、管理サーバ本体およびディスプレイなど管理サーバに纏わる機器の消費電力を削減でき省電力が見込まれる。
【0024】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置2について、
図3および4を参照しながら説明する。ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1のより詳細な実施態様に相当する。
【0025】
(ディスクアレイ装置情報紐付け装置2の機能構成)
図3は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2の構成を示す図である。ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、インターフェース(I/F)部201、ユーザインターフェース部202、表示部203、電源部204、演算部205、ランダムアクセスメモリ(RAM)部206、および記憶部207を備える。
【0026】
I/F部201は、ディスクアレイ装置AおよびB等のストレージ装置の管理ポートと接続し、ディスクアレイ装置との信号の入出力を行うように構成される。他の実施形態では、I/F部201は、例えば近距離無線通信等により、ディスクアレイ装置に無線で接続するように構成することも可能である。
【0027】
ユーザインターフェース部202は、ユーザとの対話を通じてユーザの指示を受け付けるように構成される。例えば、ユーザインターフェース部202は、物理的なボタン、タッチスクリーンディスプレイ、または音声認識システムを用いた音声入力デバイス等、任意の形態で実装されてよい。ユーザインターフェース部202を介して受け付けられるユーザの指示は、表示部203に表示されるメッセージに応じてユーザが入力する、肯定的な意思を示す指示、および否定的な意思を示す指示であってよい。このようなユーザの指示に応じて、演算部205は、特定の情報処理を実行することになる。一実施形態では、ユーザインターフェース部202は、物理的なボタン(以下、YES/NOボタンと呼ぶ)であってよい。この場合、ユーザは、YES/NOボタンを押下することによって、表示部203に表示される作業指示に対する回答を入力することができ、演算部205はユーザによる入力に応答して、対応する情報処理を実行する。
【0028】
表示部203は、ユーザに対して必要な情報を表示するように構成され、例えば、作業指示や作業の流れを表示してよい。なお、一実施形態では、ユーザインターフェース部202と表示部203は、例えばタッチスクリーンディスプレイにより一体として実装されてもよい。また、電源部204は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2内各部に給電を行うように構成される。
【0029】
演算部205は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1におけるCPU10に相当する構成要素である。演算部205は、ディスクアレイ装置との入出力通信、記憶部207からのプログラム受信、RAM部206とのデータ送受信、表示部203へのデータ送信/表示指示等を行い、それらの動作について目的に沿った適切な処理を実行するように構成される。演算部205は、所定のプログラムに従って動作することで、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1における、交換元装置情報取得部101、交換先装置情報取得部102、紐付け情報生成部103、および紐付け情報送信部104として機能することが可能である。
【0030】
RAM部206および記憶部207は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置1の記憶部20に相当する構成要素である。RAM部206は、ディスクアレイ装置に関する各種情報(例えば、ディスクアレイ装置情報)を一時的に記憶するように構成される。また、記憶部207は、演算部205で実行する各種のプログラムを記憶するように構成される。記憶部207は、例えば、ExportプログラムおよびImportプログラムを記憶する。Exportプログラムは、演算部205により実行されると、I/F部201を介して接続されたディスクアレイ装置からディスクアレイ装置情報を読取り、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2内のRAM部206に複製を作成する動作をディスクアレイ装置情報紐付け装置2に行わせるプログラムである。また、Importプログラムは、演算部205により実行されると、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2からI/F部201を介して接続されたディスクアレイ装置へ、紐付け情報(例えば、紐付け処理されたディスクアレイ装置情報)を交換先のディスクアレイ装置Bに送信する動作をディスクアレイ装置情報紐付け装置2に行わせるプログラムである。
【0031】
(ディスクアレイ装置情報紐付け装置2の処理フロー)
図4は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2の処理フローを示す図である。
【0032】
S201にて、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2をディスクアレイ装置Aに接続する。例えば、ユーザは、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2におけるI/F部201をディスクアレイ装置Aの管理ポートに接続することができる。ディスクアレイ装置Aは、交換されるディスクアレイ装置である。ディスクアレイ装置Aは、クライアントサーバと接続されており、クライアントサーバが、ディスクアレイ装置Aのデバイス情報によりディスクアレイ装置Aを認識していると想定してよい。一実施形態では、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2とディスクアレイ装置Aとが接続されたことに応答して、演算部205は、I/F部201に接続されたディスクアレイ装置が、交換元のディスクアレイ装置であるか、または交換先のディスクアレイ装置であるかを決定してもよい。演算部205は、RAM部206にディスクアレイ装置のディスクアレイ装置情報が存在しない場合、I/F部201に接続されたディスクアレイ装置が、交換元のディスクアレイ装置Aであると決定してよい。
【0033】
S202にて、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、記憶部207から演算部205にExportプログラムをダウンロードする。S203にて、演算部205は、Exportプログラムに従って動作することで
図1における交換元装置情報取得部101として機能し、ディスクアレイ装置Aからディスクアレイ装置情報Aを読み取る。続けて演算部205は、読み取ったディスクアレイ装置情報AをRAM部206に格納する。ディスクアレイ装置からディスクアレイ装置情報をディスクアレイ装置情報紐付け装置2に送信し、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2内に複製を作成する一連の動作は、ディスクアレイ装置の視点から見て、Export動作とも呼ばれる。S204にて、表示部203に、読み取りが完了したことを示すメッセージを表示する。メッセージの表示の仕方は特定の態様に限定されないが、例えば、表示部203に「交換元のディスクアレイ装置Aの情報を読み取りました。抜去してください。」とのメッセージを表示してよい。このメッセージに応じてユーザは、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2とディスクアレイ装置Aとの間の接続を解除する。
【0034】
S205にて、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2をディスクアレイ装置Bに接続する。S201と同様に、ユーザが、I/F部201をディスクアレイ装置Bの管理ポートに接続することができる。ディスクアレイ装置Bは、ディスクアレイ装置Aの交換先として使用されるディスクアレイ装置である。一実施形態では、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2とディスクアレイ装置Bとが接続されたことに応答して、演算部205は、I/F部201に接続されたディスクアレイ装置が、交換元のディスクアレイ装置であるか、または交換先のディスクアレイ装置であるかを決定してもよい。演算部205は、RAM部206にディスクアレイ装置のディスクアレイ装置情報が存在する場合、I/F部201に接続されたディスクアレイ装置が、交換先のディスクアレイ装置Bであると決定してよい。
【0035】
S206にて、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、記憶部207から演算部205にExportプログラムをダウンロードする。S207にて、演算部205は、Exportプログラムに従って動作することで
図1における交換先装置情報取得部102として機能し、ディスクアレイ装置Bからディスクアレイ装置情報Bを読み取る。続けて演算部205は、読み取ったディスクアレイ装置情報BをRAM部206に格納する。一実施形態では、ディスクアレイ装置情報Bを読み取った後に、演算部205は、表示部203に、ディスクアレイ装置情報Aとディスクアレイ装置情報Bとを紐付けてよいかユーザに確認を求めるメッセージを表示してもよい。ユーザインターフェース部202が紐付けを望むことを示す指示を受け付けたときに、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、S208に進んでよい。一方で、ユーザインターフェース部202が紐付けを望まないことを示す指示を受け付けたとき、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、ディスクアレイ装置情報AをRAM部206に保持したままディスクアレイ装置情報BをRAM部206から削除してよい。その後、S205から再度処理フローを再開することができる。
【0036】
S208にて、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、記憶部207から演算部205にImportプログラムをダウンロードし、実行する。演算部205は、Importプログラムに従って動作することで
図1における紐付け情報生成部103および紐付け情報送信部104として機能し、Import動作を開始する。S209にて、演算部205は、ディスクアレイ装置Aとディスクアレイ装置情報Bとに基づいて、紐付け情報を生成する。紐付け情報は、ディスクアレイ装置Aのデバイス情報に紐付けされたディスクアレイ装置Bのデバイス情報を含んでよい。
【0037】
S210にて、演算部205は、紐付け情報をディスクアレイ装置Bに送信する。S211にて、表示部203に交換先と交換元のディスクアレイ装置のデバイス情報が紐付けられたことを示すメッセージを表示する。メッセージの表示の仕方は特定の態様に限定されないが、例えば、表示部203に「交換先のディスクアレイ装置Bに、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を紐付けました。」とのメッセージを表示してよい。このメッセージに応じてユーザは、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2とディスクアレイ装置Aとの間の接続を解除する。
【0038】
上記の処理により、ディスクアレイ装置Bには、ディスクアレイ装置情報Aに紐付けられたディスクアレイ装置情報Bが設定される。クライアントサーバが、ディスクアレイ装置Bと接続した際には、ディスクアレイ装置情報Aに含まれるディスクアレイ装置Aのデバイス情報によりディスクアレイ装置Bを認識し、利用することが可能となる。
【0039】
(第2の実施形態に係る効果)
以上のように、I/F部201は、ディスクアレイ装置の管理ポートと接続し、ディスクアレイ装置との信号の入出力を行う。演算部205は、I/F部201を介して交換元のディスクアレイ装置Aからディスクアレイ装置Aのデバイス情報を取得する。また、演算部205は、I/F部201を介して交換元のディスクアレイ装置Bからディスクアレイ装置Bのデバイス情報を取得する。演算部205は、I/F部201を介して紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置Bに送信する。
【0040】
上記の構成により、第2の実施形態では、第1の実施形態に係る効果に加え、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2を、順次交換元および交換先のディスクアレイ装置に接続することで、デバイス情報の取得、紐付け、紐付け情報の交換先デバイスへの出力が可能となり、直感的な交換作業が可能となる。
【0041】
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態に係るディスクアレイ装置情報紐付け装置3について、
図5および6を参照しながら説明する。ディスクアレイ装置情報紐付け装置3は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2のより詳細な実施態様に相当する。
【0042】
図5は、第2の実施形態におけるユーザインターフェース部202がYES/NOボタンを用いて実施される場合におけるディスクアレイ装置情報紐付け装置3の装置外観のイメージ図を示す。ディスクアレイ装置情報紐付け装置3は、単体のハードウェア筐体301を備える。また、ディスクアレイ装置情報紐付け装置3は、ディスクアレイ装置等のストレージ製品の管理ポートと接続するI/F部302、発光部303および304、YES/NOボタン305および306、ならびに表示部307を備える。発光部303および304は、例えば発光ダイオード(LED)により実装されてよい。発光部303は、データ送信時に発光し、データ送信が行われていることを示すように構成される。また、発光部304は、データ受信時に発光し、データ受信が行われていることを示すように構成される。発光部303および304の発光の態様は、特に限定されないが、例えば、点灯または点滅が行われてよい。YES/NOボタン305および306は、独立した2つのボタンとして実装される。既に説明したように、ユーザは、YESボタンまたはNOボタンを押すことによって、表示部307に表示される作業指示に対する肯定的または否定的な回答を入力することができる。ただし、上記のような態様は、例示に過ぎず、例えば、発光部303および304ならびにYES/NOボタン305および306をタッチスクリーンディスプレイ上に仮想的に実装してもよく、この場合、タッチスクリーンディスプレイは、表示部307を含んでよい。
【0043】
図6は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置3を用いて、ディスクアレイ装置Aのデバイス情報(以下、デバイス情報A)を、ディスクアレイ装置Bのデバイス情報(以下、デバイス情報B)に紐付ける手順の概要図を示す。なお、デバイス情報とは、上記したように、クライアントサーバ上のOSがディスクアレイ装置を一意に識別するための識別情報であってよい。交換前において、クライアントサーバ上のデバイス情報は、接続されたディスクアレイ装置のデバイス情報と同期している。従って、クライアントサーバ上のデバイス情報として、クライアントサーバに接続されたディスクアレイ装置Aのデバイス情報Aが設定されている。
【0044】
ディスクアレイ装置の交換に際して、まず、ディスクアレイ装置情報紐付け装置3をディスクアレイ装置Aの管理ポートに接続する。これにより、ディスクアレイ装置情報紐付け装置3には、交換元のデバイス情報Aがエクスポートされる。次に、ディスクアレイ装置情報紐付け装置3をディスクアレイ装置Bの管理ポートに接続する。接続に応答してディスクアレイ装置情報紐付け装置3に交換先のデバイス情報Bがエクスポートされるとともに、ディスクアレイ装置情報紐付け装置3は、デバイス情報Aをデバイス情報Bに紐付けて、紐付け後のデバイス情報Bをディスクアレイ装置Bに対してインポートする。ディスクアレイ装置の交換に際して、クライアントサーバ上のデバイス情報の設定変更は不要である。
【0045】
ディスクアレイ装置の交換後、ディスクアレイ装置Bには、デバイス情報Aが紐付けられたデバイス情報Bが設定されている。この紐付け情報により、クライアントサーバは、デバイス情報Aによりディスクアレイ装置Bを利用することが可能となる。
【0046】
<第4の実施形態>
図7は、本発明の一実施形態に係る方法の処理フローを示す。当該方法は、発明の理解をより容易にするために、
図4で示された処理フローよりも詳細かつ具体的な処理内容を説明する。例えば、本実施形態における方法は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2により実行されてよい。
【0047】
S401にて、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2のI/F部201をディスクアレイ装置の管理ポートに接続する。S402にて、ディスクアレイ装置がI/F部201に接続されたことを検出したことに応答して、演算部205は、接続されたディスクアレイ装置が交換元のディスクアレイ装置Aであるか、交換先のディスクアレイ装置Bであるかを決定するために、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2内のRAM部206にディスクアレイ装置情報が存在するかを確認する。
【0048】
RAM部206にディスクアレイ装置情報が存在しないと演算部205が決定した場合、S403にて、演算部205は交換元のディスクアレイ装置Aに接続されたと決定し、交換元のディスクアレイ装置Aから、基本情報およびデバイス情報を含むディスクアレイ装置情報を読み取る。より詳細には、まず、記憶部207から演算部205に読取りプログラムをダウンロードする。演算部205は、読取りプログラムを実行することで、ディスクアレイ装置Aの基本情報を読み取り、読み取った基本情報をRAM部206に格納する。さらに演算部205は、記憶部207から演算部205にExportプログラムをダウンロードし、実行することでExport処理を開始する。Export処理では、まずディスクアレイ装置Aからデバイス情報Aを読取り、RAM部206に格納する。次に演算部205は、ディスクアレイ装置Aの基本情報に基づいて、読取完了メッセージを作成する。演算部205は表示部203に読取完了メッセージを送信し、表示を指示する。指示を受けた表示部203は、例えば、読取完了メッセージ「交換元のディスクアレイ装置Aの情報を読取りました。抜去してください。」を表示する。
【0049】
Export処理が完了したのち、ユーザはディスクアレイ装置情報紐付け装置2をディスクアレイ装置Aから抜去し、交換先のディスクアレイ装置Bに接続する。処理フローは再度S401に戻る。S402において、ディスクアレイ装置が接続されたことを検出したことに応答して、演算部205は、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2内のRAM部206にディスクアレイ装置情報が存在するかを確認する。この場合、RAM部206に読み取ったディスクアレイ装置情報Aが既に存在するため、以降の流れは、S402においてRAM部206にディスクアレイ装置情報が既に存在すると決定した場合の処理フローに対応する。
【0050】
RAM部206にディスクアレイ装置情報が存在すると演算部205が決定した場合、S404にて、演算部205は、RAM部206に格納されているディスクアレイ装置情報が、交換元のディスクアレイ装置Aのものであると決定するとともに、交換先のディスクアレイ装置Bに接続されたと決定する。その後、演算部205は、ディスクアレイ装置BからI/F部201を介して基本情報を読み取る。詳細には、まずディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、記憶部207から演算部205に読取りプログラムをダウンロードする。演算部205は、読取りプログラムを実行し、ディスクアレイ装置Bの基本情報を読み取る。演算部205は、読み取った基本情報をRAM部206に格納する。
【0051】
次に、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、記憶部207から演算部205にImportプログラムをダウンロードし、Import処理を開始する。なお、本実施形態におけるImportプログラムは、
図4に示された処理フローにおけるExportプログラムとImportプログラムを組み合わせたものに対応し、ディスクアレイ装置情報の読取り、紐付け、およびディスクアレイ装置Bへの送信の処理を行う。Import処理では、まずS405にて、ユーザに紐付け処理を望むか否かを確認する紐付け確認メッセージを表示する。より詳細には、まず演算部205がRAM部206にあるディスクアレイ装置Aの基本情報を読み取る。次に演算部205はRAM部206にあるディスクアレイ装置Bの基本情報を読み取る。演算部205は読取ったディスクアレイ装置Aとディスクアレイ装置Bの基本情報に基づいて、紐付け確認メッセージを作成する。演算部205は表示部203に紐付け確認メッセージを送信し、表示を指示する。指示を受けた表示部203は、例えば、紐付け確認メッセージ「交換先のディスクアレイ装置Bに、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を紐付けします。宜しいですか?」を表示する。ユーザは、この表示に応じて、ユーザインターフェース部202を介して、YESまたはNOを入力する。なお、以下では説明の簡便さのために、ユーザインターフェース部202が、
図5に示されるYES/NOボタンを用いて実装されるとして説明する。しかし、ユーザインターフェース部202の実施態様には、ユーザの肯定的な応答、および否定的な応答を受付可能なように構成される限り、任意の周知技術により実施されてよい。
【0052】
S406において、演算部205は、YESボタンを押されたか、またはNOボタンが押されたかを決定する。ディスクアレイ装置情報紐付け装置2のYESボタンが押された場合、S407にて、演算部205はディスクアレイ装置Bからデバイス情報Bを読取りRAM部206に格納する。S408にて、演算部205は、紐づけ情報を生成し、交換先のディスクアレイ装置Bに送信する。より具体的には、まず、演算部205は、RAM部206のディスクアレイ装置Aとディスクアレイ装置Bのデバイス情報を読み取る。演算部205は、読取ったディスクアレイ装置Aとディスクアレイ装置Bのデバイス情報の紐付け処理を行い、デバイス情報Aを紐付けたデバイス情報Bをディスクアレイ装置Bに送信する。演算部205は表示部203に紐付け完了メッセージを送信し表示を指示し、表示部203は、例えば、紐付け完了メッセージ「交換先のディスクアレイ装置Bに、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイス情報を紐付けしました。」を表示する。S409において、演算部205は、RAM部206から交換元および交換先のディスクアレイ装置のディスクアレイ装置情報を削除し、動作フローを終了する。
【0053】
S406において、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2のNOボタンが押された場合、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2は、記憶部207から演算部205に情報削除確認処理プログラムをダウンロードし、情報削除確認処理を開始する。情報削除確認処理において、S410にて、演算部205は、表示部203に、交換元のディスクアレイ装置Aのデバイスアレイ装置情報を削除することを望むか否かをユーザに確認するための交換元情報削除可否メッセージを表示する。より詳細には、演算部205は、交換元情報削除可否メッセージを表示部203に送信し表示を指示する。表示部203は、例えば、交換元情報削除可否メッセージ「紐付け作業を中断します。交換先のディスクアレイ装置Bの情報を削除します。交換元のディスクアレイ装置Aの情報を保存したままにしますか?」を表示する。ユーザは、この表示に応じて、YESまたはNOをユーザインターフェース部202に入力する。例えば、交換先のディスクアレイ装置として誤って別のディスクアレイ装置にディスクアレイ装置情報紐付け装置2を接続してしまった場合などに、ユーザは、YESを入力することで、再度交換元のディスクアレイ装置Aに接続を行うことなく、交換先のディスクアレイ装置の再接続が容易に可能となる。また、NOを入力することで、交換元のディスクアレイ装置の接続から再度処理を開始することができる。
【0054】
S411において、演算部205は、YESボタンを押されたか、またはNOボタンが押されたかを決定する。ディスクアレイ装置情報紐付け装置2のNOボタンが押された場合、S412において、演算部205はRAM部206にあるディスクアレイ装置Bの基本情報を削除する。演算部205は、表示部203に交換元情報削除メッセージを送信し表示を指示し、表示部203は、例えば、交換元情報削除メッセージ「交換元のディスクアレイ装置Aの情報を保存したまま交換先のディスクアレイ装置Bの情報を削除しました。抜去してください。」を表示する。ユーザは、指示に従ってディスクアレイ装置情報紐付け装置2をディスクアレイ装置Bから抜去する。ユーザが、再度ディスクアレイ装置情報紐付け装置2を交換先のディスクアレイ装置に接続することで、S401からの処理フローが開始される。
【0055】
S411において、ディスクアレイ装置情報紐付け装置2のYESボタンが押された場合、記憶部207から演算部205に情報削除処理プログラムをダウンロードして情報削除処理を開始し、S413にて演算部205はRAM部206にあるディスクアレイ装置Aのディスクアレイ装置情報とディスクアレイ装置Bの基本情報を削除する。削除後、演算部205は、表示部203に情報削除メッセージを送信し表示を指示する。それを受け表示部203は、例えば、情報削除メッセージ「ディスクアレイ装置の情報を削除しました。抜去してください。」を表示する。指示に従ってディスクアレイ装置情報紐付け装置2をディスクアレイ装置Bから抜去し、一連の動作を終了する。
【0056】
(第4の実施形態に係る効果)
以上のように、演算部205は、I/F部201に接続されたディスクアレイ装置が、交換元のディスクアレイ装置であるか、または交換先のディスクアレイ装置であるかを決定する。また、RAM部206は、ディスクアレイ装置Aとディスクアレイ装置Bのデバイス情報を記録するように構成される。演算部205は、RAM部206にディスクアレイ装置の識別情報が存在しない場合、I/F部201に接続されたディスクアレイ装置が交換元のディスクアレイ装置であると決定する。また、演算部205は、RAM部206にディスクアレイ装置情報の識別情報が存在する場合、I/F部201に接続されたディスクアレイ装置が前記交換先のディスクアレイ装置であると決定する。これらの構成により、ユーザはディスクアレイ装置に接続する際に、交換元であるかまたは交換先であるかを指定する等の、特別な操作をする必要がなくなり、直感的かつ容易にデバイス情報の紐付け操作をすることが可能となる。
【0057】
また、表示部203は、演算部205が前記第2の識別情報を取得した後に、ディスクアレイ装置Aとディスクアレイ装置Bのデバイス情報を紐付けることを望むか否かをユーザに確認するための確認メッセージを表示する。また、ユーザインターフェース部202は、ユーザとの対話を通じてユーザの指示を受け付けるように構成される。表示部203が確認メッセージを表示した後に、ユーザインターフェース部202が、紐付けを望むことを示す指示を受け付けたときに、演算部205は紐付け情報を生成する。表示部203が確認メッセージを表示した後に、ユーザインターフェース部202が、紐付けを望まないことを示す指示を受け付けたときに、ディスクアレイ装置Aのデバイス情報を保持したままディスクアレイ装置Bのデバイス情報が削除される。これらの構成により、ユーザが交換先のディスクアレイ装置にディスクアレイ装置情報紐付け装置2を接続する際に、間違って異なるディスクアレイ装置に接続した場合であっても、必要最小限の操作で、再接続が可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0058】
また、本発明のディスクアレイ装置情報紐付け装置は、クライアントサーバ、交換元のディスクアレイ装置、および交換先のディスクアレイ装置Aとは独立したハードウェアとして実装が可能である。これに伴い、デバイス情報の紐付け操作は、ディスクアレイ装置への接続操作、およびディスクアレイ装置情報紐付け装置上に表示されるメッセージに対するYESまたはNOの入力というシンプルな操作で完結することできる。従って、ユーザは、ディスクアレイ装置の交換に際して、専門的な知識を有することを要せず、直感的に交換作業が可能となる。また、本発明のディスクアレイ装置情報紐付け装置により紐付け処理を行うことで、ストレージ製品の交換作業で生じていたマシンタイム確保によるコスト増加や、誤設定による障害発生を回避することができる。
【0059】
<第5の実施形態>
図8は本実施形態によるディスクアレイ装置情報紐付け装置5の最小構成を示す図である。
【0060】
本実施形態によるディスクアレイ装置情報紐付け装置5は少なくとも、交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得する第1の情報取得手段501と、交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得する第2の情報取得手段502と、第1の識別情報および第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段503であって、紐付け情報は、クライアントサーバが第1の識別情報を用いて交換先のディスクアレイを認識可能なように構成される、紐付け情報生成手段503と、紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置に送信する送信手段504とを備えればよい。
【0061】
上記の構成により、クライアントサーバ、交換元のディスクアレイ装置、および交換先のディスクアレイ装置の構成を変更することなく、クライアントサーバが交換後のディスクアレイ装置を認識することが可能となる。
【0062】
<その他の実施形態>
上記した実施形態では、ディスクアレイ装置の交換に際して紐付け処理を行うことを説明したが、ディスクアレイ装置情報紐付け装置の機能を用いれば、ストレージ製品に限らず、個々でクライアントサーバのOS上での見え方が異なる製品全般においてサーバ、OS、設定ソフトウェアに関する専門的な知識や操作なくして設定変更等が可能である。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0064】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【符号の説明】
【0065】
1~3,5 ディスクアレイ装置情報紐付け装置
11 交換元装置情報取得部
12 交換先装置情報取得部
13 紐付け情報生成部
14 紐付け情報送信部
20 記憶部
103 紐付け情報生成部
104 紐付け情報送信部
201 インターフェース(I/F)部
202 ユーザインターフェース部
203 表示部
204 電源部
205 演算部
206 ランダムアクセスメモリ(RAM)部
207 記憶部
301 ハードウェア筐体
302 インターフェース(I/F)部
303 発光部
304 発光部
305 YESボタン
306 NOボタン
307 表示部
【要約】
【課題】専門的な知識や操作が必要とされることなくディスクアレイ装置の交換を行うことを可能とする。
【解決手段】ディスクアレイ装置情報紐付け装置は、交換元のディスクアレイ装置の第1の識別情報を取得する第1の情報取得手段と、交換先のディスクアレイ装置の第2の識別情報を取得する第2の情報取得手段と、第1の識別情報および第2の識別情報に基づいて、紐付け情報を生成する紐付け情報生成手段であって、紐付け情報は、クライアントサーバが第1の識別情報を用いて交換先のディスクアレイを認識可能なように構成される、紐付け情報生成手段と、紐付け情報を交換先のディスクアレイ装置に送信する送信手段とを備える。
【選択図】
図1