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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】餃子の丸型トレー詰め装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/08 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
B65B5/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023090886
(22)【出願日】2023-06-01
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】391005606
【氏名又は名称】トーセー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069213
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 功
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 とよの
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 好重
(72)【発明者】
【氏名】村上 政仁
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-046701(JP,U)
【文献】実開平03-053404(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
餃子用の間欠送りコンベアと、該餃子用の間欠送りコンベアに直交するよう配置されたトレー用の間欠送りコンベアと、両間欠送りコンベアの間に設置された旋回ホルダー装置と、該旋回ホルダー装置に連結し前記両間欠送りコンベア間の上方を往復旋回するチャックホルダーとを備え、前記チャックホルダーの下方に駆動機構を介して偏心回転可能となした複数個のチャックユニットとを配設するとともに、前記チャックユニットの下方に開閉駆動部によって開閉するチャックを配設してなり、前記餃子用の間欠送りコンベア上で搬送される複数個の餃子を前記チャックで掴み、これらチャックを配設した前記チャックユニットを適宜角度偏向回転させ、各チャックユニットの向きを前記餃子用の間欠送りコンベアの搬送方向あるいは該搬送方向に直交する方向に保持したチャックホルダーを、前記間欠送りコンベア上の丸型トレー上方に臨ませ、前記チャックを開放することで丸型トレー上面に複数個の餃子を放射状に移載させるようにしたことを特徴とする餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項2】
前記チャックホルダーは、前記旋回ホルダー装置に連結する天板と該天板下方に所要の間隔を置いて保持される底板とを有し、これら天板と底板間に前記チャックユニットを偏向回転させる駆動機構を具備してなることを特徴とする請求項1記載の餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項3】
前記チャックユニットは、前記チャックホルダーの底板下方に偏心レバーを介して偏心回転可能に保持されていることを特徴とする請求項1または2記載の餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項4】
前記チャックユニットは、前記チャックホルダーの底板下方に4個、矩形配置にて設置され、前記餃子用の間欠送りコンベアの上方に位置するとき、前記間欠送りコンベア上の複数個の餃子を掴めるように、当該間欠送りコンベアの搬送方向と直交する向きに配された複数個のチャックを具備していることを特徴とする請求項1記載の餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項5】
前記4個のチャックユニットは、その内の1個のチャックユニットが、下方に配されたチャックを前記餃子用の間欠送りコンベアの搬送方向と直交する向きで常時保持されるよう前記チャックホルダーの底板下方に固定されるとともに、残りの3個のチャックユニットが、前記チャックホルダーの底板下方へ固定された1個のチャック及び前記各チャックユニットが具備する3個のチャックにて掴まれた計4個の餃子を、底板下面において等間隔にして且つ略十字の平面形態を有するよう、偏心レバーを介して偏心回転可能に設定されていることを特徴とする請求項記載の餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項6】
前記チャックユニット下方に配置されたチャックは、可動ツメと固定ツメの組み合せによって形成されており、前記開閉駆動部により前記可動ツメが固定ツメに対して開閉可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項7】
前記駆動機構は、前記チャックホルダーの天板と底板の内側に水平状態に配設されたシリンダーと、該シリンダーのピストン軸の先端に連結されたピストン及びカムと、該カムに形成された長孔にスライド可能に係合されたカムフロアと、該カムフロアを介して回転軸に後端部が固定されたレバーと、該レバーの下側において前記回転軸に固定された平歯車とによって形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項8】
前記旋回ホルダー装置は、前記餃子用の間欠送りコンベア上と、丸型トレー用の間欠送りコンベアに載せられた丸型トレー上の間を90度水平に旋回可能なアーム部材を備えるとともに、該アーム部材の先端には、下端に連結した前記チャックホルダーを90度旋回可能にして且つ45度自転可能に保持した回転昇降手段とを具備していることを特徴とする請求項1または2記載の餃子の丸型トレー詰め装置。
【請求項9】
餃子用の間欠送りコンベア上の複数個の餃子を、チャックホルダーの底板下方に配置された複数個のチャックユニットのチャックで掴み、各チャックで掴んだ餃子をトレー正面に花弁状に載せるべく、前記チャックユニットを偏心レバーを介して適宜角度偏心回転させた後、前記チャックホルダーを丸型トレー用の間欠送りコンベア上の丸型トレー上面に臨ませ、前記チャックユニット下方に配された各チャックを開放することで前記餃子をトレー上面に放射状に移載させることを特徴とする餃子の丸型トレー詰め方法。
【請求項10】
前記複数個のチャックユニット下方のチャックで掴んだ複数個の餃子を、前記チャックホルダーの底板下方において、等間隔にして且つ略十字状の平面形態を有するよう偏心レバーを介して偏心回転させ、前記チャックホルダーを前記トレー用の間欠送りコンベア上のトレー上面に臨ませ、前記チャックユニット下方に配された各チャックを開放することで、前記餃子を前記トレー上面に所定の等間隔を保持しつつ略十字状に移載する第一工程と、前記チャックホルダーを45度自転させた後、該チャックホルダーの底板下方に配設されたチャックユニットを介して前記複数個の餃子を掴んだチャックを等間隔にして且つ略X字状の平面形態を有した状態でトレー用の間欠送りコンベア上のトレー上面に臨ませ、前記各チャックユニット下方に配されたチャックを開放することで、前記第一工程において前記餃子を前記トレー上面に略十字状に移載させた各餃子間に略X字に追加移載させ、これによって前記トレー上面に複数個の餃子が放射状に並列配置される第二工程を具備してなることを特徴とする請求項9記載の餃子の丸型トレー詰め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餃子の丸型トレー詰め装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、搬出コンベアによって所定の間隔をおいて搬送されてくる食品等を掴み上げて該搬出コンベアの側部に並設される間歇送りコンベアのトレーに詰める食品等の自動トレー詰め装置は公知である。
【0003】
この特許文献1に記載されている食品等の自動トレー詰め装置は下記の構成および機能を備えている。
【0004】
すなわち、コンベアの上方に、搬出コンベア上の長手方向に配列されている複数個の食品等を同時に掴む同数のフィンガー装置を旋回ホルダーに装着し、該フィンガー装置には固定ツメと可動ツメを具備するとともに旋回ホルダーに軸支される支軸に対して一定距離だけ上記ツメを偏心させ、上記旋回ホルダーに装着されたフィンガー装置の方向を変えることなく該旋回ホルダーを90°旋回させる旋回装置と、上・下動させる上・下動装置を具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平3-53404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した食品(餃子)等のトレー詰め装置は、矩形のトレーに複数の餃子を縦横に隣接配置して詰めるに過ぎないものであるから、トレーの平面形状が矩形状に限定されてしまい、丸型のトレーに餃子を詰めることはできないものであった。
【0007】
そこで、本発明は、複数の餃子を丸型トレーに詰めるにあたって、不揃いが無く、効率的且つ見栄えが良いように放射状(所謂花弁状)に隣接配置して詰めることが可能な餃子の丸型トレー詰め装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、餃子用の間欠送りコンベアと、該餃子用の間欠送りコンベアに直交するよう配置されたトレー用の間欠送りコンベアと、両間欠送りコンベアの間に設置された旋回ホルダー装置と、該旋回ホルダー装置に連結し前記両間欠送りコンベア間の上方を往復旋回するチャックホルダーとを備え、前記チャックホルダーの下方に駆動機構を介して偏心回転可能となした複数個のチャックユニットとを配設するとともに、前記チャックユニットの下方に開閉駆動部によって開閉するチャックを配設してなり、前記餃子用の間欠送りコンベア上で搬送される複数個の餃子を前記チャックで掴み、これらチャックを配設した前記チャックユニットを適宜角度偏向回転させ、各チャックユニットの向きを前記餃子用の間欠送りコンベアの搬送方向あるいは該搬送方向に直交する方向に保持したチャックホルダーを、前記間欠送りコンベア上の丸型トレー上方に臨ませ、前記チャックを開放することで前記丸型トレー上面に複数個の餃子を放射状に移載させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
前記チャックホルダーは、前記旋回ホルダー装置に連結する天板と該天板下方に所要の間隔を置いて保持される底板とを有し、これら天板と底板間に前記チャックユニットを偏向回転させる駆動機構を具備してなることを特徴とする。
【0010】
前記チャックユニットは、前記チャックホルダーの底板下方に偏心レバーを介して偏心回転可能に保持されていることを特徴とする。
【0011】
前記チャックユニットは、前記チャックホルダーの底板下方に4個、矩形配置にて設置され、前記餃子用の間欠送りコンベアの上方に位置するとき、前記間欠送りコンベア上の複数個の餃子を掴めるように、当該間欠送りコンベアの搬送方向と直交する向きに配された複数個のチャックを具備していることを特徴とする。
【0012】
前記4個のチャックユニットは、その内の1個のチャックユニットが、下方に配されたチャックを前記餃子用の間欠送りコンベアの搬送方向と直交する向きで常時保持されるよう前記チャックホルダーの底板下方に固定されるとともに、残りの3個のチャックユニットが、前記固定式のチャック及び前記各チャックユニットが具備する3個のチャックにて掴まれた計4個の餃子を、前記底板下面において等間隔にして且つ略十字の平面形態を有するよう、前記偏心レバーを介して偏心回転可能に設定されていることを特徴とする。
【0013】
前記チャックユニット下方に配置されたチャックは、可動ツメと固定ツメの組み合せによって形成されており、前記開閉駆動部により前記可動ツメが固定ツメに対して開閉可能に形成されていることを特徴とする。
【0014】
前記駆動機構は、前記チャックホルダーの天板と底板の内側に水平状態に配設されたシリンダーと、該シリンダーのピストン軸の先端に連結されたピストン及びカムと、該カムに形成された長孔にスライド可能に係合されたカムフロアと、該カムフロアを介して回転軸に後端部が固定されたレバーと、該レバーの下側において前記回転軸に固定された平歯車とによって形成されていることを特徴とする。
【0015】
前記旋回ホルダー装置は、前記餃子用の間欠送りコンベア上と、丸型トレー用の間欠送りコンベアに載せられた丸型トレー上の間を90度水平に旋回可能なアーム部材を備えるとともに、該アーム部材の先端には、下端に連結した前記チャックホルダーを90度旋回可能にして且つ45度自転可能に保持した回転昇降手段とを具備していることを特徴とする。
【0016】
餃子用の間欠送りコンベア上の複数個の餃子を、チャックホルダーの底板下方に配置された複数個のチャックユニットのチャックで掴み、各チャックで掴んだ餃子をトレー正面に花弁状に載せるべく、前記チャックユニットを偏心レバーを介して適宜角度偏心回転させた後、前記チャックホルダーを丸型トレー用の間欠送りコンベア上の丸型トレー上面に臨ませ、前記チャックユニット下方に配された各チャックを開放することで前記餃子を前記トレー上面に放射状に移載させることを特徴とする。
【0017】
前記複数個のチャックユニット下方のチャックで掴んだ複数個の餃子を、前記チャックホルダーの底板下方において、等間隔にして且つ略十字状の平面形態を有するよう偏心レバーを介して偏心回転させ、前記チャックホルダーを前記トレー用の間欠送りコンベア上のトレー上面に臨ませ、前記チャックユニット下方に配された各チャックを開放することで、前記餃子を前記トレー上面に所定の等間隔を保持しつつ略十字状に移載する第一工程と、前記チャックホルダーを45度自転させた後、該チャックホルダーの底板下方に配設されたチャックユニットを介して前記複数個の餃子を掴んだチャックを等間隔にして且つ略X字状の平面形態を有した状態で前記トレー用の間欠送りコンベア上のトレー上面に臨ませ、前記各チャックユニット下方に配されたチャックを開放することで、前記第一工程において前記餃子を前記トレー上面に略十字状に移載させた各餃子間に略X字に追加移載させ、これによって前記トレー上面に複数個の餃子が放射状に並列配置される第二工程を具備してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、餃子用の間欠送りコンベア上に搬送された複数個の餃子を、トレー用の間欠送りコンベア上の丸型トレー上面に、不揃いが無く、短時間で効率的且つ、見栄えが良いように放射状、すなわち所謂花弁状に高密度で詰めることが可能な小型、低コストのトレー詰め装置及びトレー詰め方法を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る丸型トレー用餃子詰め装置の正面図である。
図2】本発明に係る丸型トレー用餃子詰め装置の第一工程における概略平面図である。
図3】同上の第二工程における概略平面図である。
図4】本発明に係る丸型トレー用の餃子詰め装置におけるチャックホルダーの平面図である。
図5図4におけるA方向から見た正面図である。
図6図4におけるB方向から見た右側面図である。
図7図4におけるC方向から見た背面図である。
図8図4におけるD方向から見た左側面図である。
図9】本発明に係る丸型トレー用の餃子詰め装置の第一工程におけるチャックホルダーの平面図である。
図10図9におけるE方向から見た正面図である。
図11図9におけるF方向から見た右側面図である。
図12図9におけるG方向から見た背面図である。
図13図9におけるH方向から見た左側面図である。
図14】本発明における丸型トレー用餃子詰め装置の駆動機構におけるレバーの動作前の下方から見た斜視図である。
図15】同上のレバー動作後の下方から見た斜視図である。
図16】チャック開閉駆動部を示し、(a)はチャック解放時の正面図、(b)はチャック閉鎖時の正面図である。
図17】餃子を間欠送りコンベアからトレー用の間欠送りコンベアのトレー上面に移載した状態(第一工程)を示すチャックの断面図である。
図18】本発明に係る丸型トレー用の餃子詰め装置の第二工程(45度回転時)におけるチャックホルダーの平面図である。
図19】餃子を間欠送りコンベアからトレー用の間欠送りコンベアのトレー上面に移載した状態(第二工程)を示すチャックの断面図である。
図20】トレー上面に複数の餃子を載せた状態を示すもので、(a)は第一工程における同上平面図、(b)は第二工程における同上平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1乃至図3に示すように、餃子成形装置で成形された餃子Pを複数列(2列)に亘って各列毎に等間隔に順次搬送する餃子用の間欠送りコンベアAと、該間欠送りコンベアAの搬送方向終端と直交するように配置された丸型トレーRを等間隔に順次搬送する丸型トレー用の間欠送りコンベアBを備えてなる。
【0021】
前記餃子用の間欠送りコンベアAと丸型トレー用の間欠送りコンベアBの直交部内側の中間部位に、前記餃子用の間欠送りコンベアA上に載せられた複数個の餃子P(図示例ではコンベアの左右、前後に等間隔を置いて合計2列・4個)を同時に掴むチャック1によって、前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上に等間隔に載せられた丸型トレーR上面に前記複数(2列・4個)の餃子Pを移載させる旋回ホルダー装置2を備えてなる。
【0022】
前記旋回ホルダー装置2は、前記餃子用の間欠送りコンベアA上と、丸型トレー用の間欠送りコンベアBに載せられた丸型トレーR上の間を90度水平に旋回可能なアーム部材3を備えるとともに、該アーム部材3の先端には、その下端に45度回転可能に設定された回転昇降手段4を取付具4aを介して支持されたチャックホルダー5を備えてなる。
【0023】
前記旋回ホルダー装置2を図1に基づいてさらに詳細に説明すると、該旋回ホルダー装置2は、前記チャックホルダー5を前記餃子用の間欠送りコンベアAとトレー用の間欠送りコンベアB間を90度旋回させるホルダー旋回駆動装置Kと、前記チャックホルダー5を上下動及び所要角度回動させるホルダー上下左右駆動装置Nを備えている。
【0024】
前記ホルダー旋回駆動装置Kは、下部中央に回転駆動軸M1を有するモータMがカバーC内最上部に配設され、前記回転駆動軸M1の側方にアーム部材3が水平状態にて連結固定されている。このとき、前記カバーCの側面には前記アーム部材3が90度回転する横幅を有する開口部C1が形成されている。
【0025】
一方、前記ホルダー上下左右駆動装置Nは、下端中央に回転駆動軸M3を有するモータM2がカバーD内の最上部に配設され、前記回転駆動軸M3の下端にシリンダーSが前記カバー口内において回動可能な状態で連結固定されている。さらに、前記シリンダーSの下部において昇降するピストン軸S1の下端には取付具4aを介してチャックホルダー5が連結固定されている。
【0026】
こうして前記モータM2の回転駆動軸M3の回転力により前記カバーD内のシリンダーSが所要角度(例えば45度)回転するのに伴いピストン軸S1を介して前記チャックホルダー5が同角度回転するよう設定されている。
【0027】
ここにおいて、前記モータM2によって前記チャックホルダー5を回転するピストン軸S1を、図4以下において回転昇降手段4と称する。図中TはキャスターH付きの架台、Lは前記架台T上面に設置された餃子用の間欠送りコンベアAの支持板、L1は丸型トレー用の間欠送りコンベアBの支持板、Qは前記旋回駆動装置Kの支持台を各々示す。
【0028】
尚、前記旋回ホルダー装置2には、従来より産業用ロボットとして多用されている水平多関節型組立作業用ロボット(スカラロボット)を採用することができる。
【0029】
前記チャックホルダー5は、図4乃至図13に示すように、前記回転昇降手段4下端に取付具4aを介して上面中央で連結された平面形状が略横長矩形状の天板6と、該天板6の下方に所定の間隔を置いて同形状の底板7が配設されるとともに、前記底板7下面には4個のチャックユニット8a、8b、8c、8dが各配置され、且つ前記天板6と底板7間には、両者を所定の間隔に保持すべく角部に支軸8eが介在されている。さらに、前記基板6と底板7間には前記チャックユニット8a、8b、8c、8dの駆動機構9が介在されている。この駆動機構9の詳細は後述する。
【0030】
前記4個のチャックユニット中、2個のチャックユニット8aと8dとは前記底板7下面の先端側の両角部に配置されるとともに、残り2個のチャックユニット8bと8cとは前記底板7下面の左右両辺側の略中央部に配置されている。すなわち、前記2個のチャックユニット8aと8dとの間、及び8bと8cとの間の距離は前記底板7の左右方向に各等間隔に設定され、一方残り2個のチャックユニット8aと8bとの間、及び8cと8dとの間の距離は前記底板7の前後方向に各等間隔に設定され、斯くして前記チャックユニット8a、8b、8c、8dは、前記底板7の下面に矩形配置にて設置されている。
【0031】
この状態が前記間欠送りコンベアAに載置された複数個(本例では2列・4個)の餃子Pを掴むときの4個のチャック1の配置状態である。このとき、前記各チャック1は各チャックユニット8a乃至8dの下方に前記餃子P用の間欠送りコンベアAの搬送方向と直交する向きに設置される。
【0032】
また、図16(a)、(b)に示すように、前記チャックユニット8a、8b、8c、8dの下方に設置された、前記複数個の餃子Pを掴む4個のチャック1は可動ツメ1aと固定ツメ1bの組み合せにて形成されており、前記可動ツメ1aを固定ツメ1bに対して開閉する開閉駆動部10としてシリンダー10aが立設されている。そして、前記シリンダー10aは、上部に天蓋11が嵌着され、該天蓋11下面にバネ12を介して下方に押圧保持されるピストン13が内蔵されるとともに、前記ピストン13の下面中央には軸部14が垂設され、該軸部14の正面下方にピン15が突設されている。
【0033】
さらに、前記シリンダー10aの側壁下方にスリット16が形成され、該スリット16内部には支軸17を介して略逆L字型の揺動部材18の上端が軸支されており、前記揺動部材18の内側下方に、前記チャック1の可動ツメ1aが固定されている。
【0034】
一方、前記揺動部材18上方の内方突出部18aの先端に溝部18bが形成され、該溝部18b内に前記ピストン13の軸部14下方に突設されたピン15が摺動可能に嵌入され、これによって前記ピストン13の上下動により前記揺動部材18が揺動され、当該揺動部材18の下方内側に固定された支軸17を支点に、前記シリンダー10aの外面下方に固定された固定ツメ1bに対して前記可動ツメ1aが開閉するよう構成されている。
【0035】
また、前記シリンダー10aの中空部10bの側壁部には、前記ピストン13を前記バネ12の押圧力に抗して上昇もしくは前記ピストン13を前記バネ12の押圧力によって下降させるようエアの吸・排気口19が開設されている。
【0036】
而して、前記4個のチャックユニット8a、8b、8c、8dにおいて、その内の1個のチャックユニット8aは前記底板7の下面にL字型の固定具20を介して固定されているが、残り3個のチャックユニット8b、8c、8dは各チャック1によって掴まれた餃子Pを前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上の丸型トレーRに花弁状に載せるべく、偏心レバー21a、21b、8cを介して回転可能に各々軸支されている。
【0037】
前記各チャックユニット8a、8b、8c、8dの下面に設けられた全てのチャック1は、当初は図4及び図17に示すように、前記餃子用の間欠送りコンベアAの搬送方向と直交するよう設定されており、前記シリンダー10aを駆動させて前記全てのチャック1の可動ツメ1aと固定ツメ1bを閉じることによって、前記間欠送りコンベアA上の餃子P(2列・4個)全てを同時に掴めるよう構成されている(図16(b)参照)。
【0038】
前記駆動機構9は、図5乃至図12及び図14図15に示すように、前記チャックホルダー5の天板6と底板7の内側に水平状態に配設されたシリンダー22と、該シリンダー22のピストン軸23aの先端に連結されたピストン23及びカム24と、該カム24に形成された長孔24aにスライド可能に係合されたカムフロア24bと、該カムフロア24bを介して回転軸25aに後端部が固定されたレバー26と、該レバー26の下側において前記回転軸25aに固定された平歯車27aとによって形成されている。
【0039】
前記天板6と底板7間のチャックユニット8bの後方のやや内側に回転軸25bが介在され、該回転軸25bには、前記回転軸25aの平歯車27aと噛合する平歯車27bが固定されている。そして、前記回転軸25bの下端には前記底板7を貫通後に、前記偏心レバー21aの基端が固定されている。一方、前記偏心レバー21aの先端には、前記チャックユニット8bがほぼ90度内方へ回転し、前記餃子Pを掴んだチャック1が、前記チャックホルダー5の内側後方において、前記餃子用の間欠送りコンベアAの搬送方向と直交する方向に向かって転位されるよう前記チャックユニット8bを側面視略逆L字状の取付具28を介して連動連結している。
【0040】
また、前記天板6と底板7間のチャックユニット8cの後方のやや内側に回転軸25cが介在され、該回転軸25cには、前記回転軸25aの平歯車27bと噛合する平歯車27cが固定されている。そして、前記回転軸25cの下端に前記底板7を貫通後に、偏心レバー21bの基端が固定されている。一方、前記偏心レバー21bの先端には、前記チャックユニット8cがほぼ180度内方へ回転し、前記餃子Pを掴んだチャック1が、前記チャックホルダー5の内側後方において、前記餃子用の間欠送りコンベアAの搬送方向と同方向に向かって転位されるよう前記チャックユニット8cを前記と同形状の取付具28を介して連動連結している。
【0041】
さらに、前記天板6と底板7間のチャックユニット8dの後方に回転軸25dが介在され、該回転軸25dには、前記平歯車27cと中間歯車27d、27eを介して噛合する平歯車27fが固定されている。そして、前記回転軸25dの下端に前記底板7を貫通後に、偏心レバー21cの基端が固定されている。一方、且つ前記偏心レバー21cの先端に、前記チャックユニット8dがほぼ90度内方に回転し、前記餃子Pを掴んだチャック1が、前記チャックホルダー5の内側後方において、前記餃子用の間欠送りコンベアBの搬送方向と同方向に向かって転位されるよう前記チャックユニット8dを前記と同形状の取付具28を介して連動連結している。
【0042】
次に、本発明の作用について工程順に説明する。
先ず、第一工程について説明すると、前記旋回ホルダー装置2のアーム部材3を前記餃子用の間欠送りコンベアAの上方へ旋回させ、前記アーム部材3先端の回転昇降手段4に連動連結したチャックホルダー5を前記間欠送りコンベアAに載せられた複数個の餃子P(本実施例では2列・4個)の上方に位置させる。
【0043】
その後、前記アーム部材3先端のホルダー回転駆動装置Nの下端に設けられた回転昇降手段4(ピストン軸S1)によって、前記チャックホルダー5の4個のチャックユニット8a、8b、8c、8dの各チャック1を前記餃子用の間欠送りコンベアA上の各餃子Pの直上まで降下させ、各チャックユニット8a、8b、8c、8dのシリンダー10aを駆動し、これによって開閉自在の可動ツメ1aと固定ツメ1bから成る各チャック1を閉鎖させることにより4個の餃子P全てを同時に掴む(図16(b)参照)。
【0044】
このとき、前記各チャックユニット8a、8b、8c、8dの下方に配設されている各チャック1は、前記餃子用の間欠送りコンベアAの搬送方向と直交方向の向きに設定されているため、各チャック1に掴まれている全ての餃子Pも同方向の向きで保持される。
【0045】
次いで、前記旋回ホルダー装置2のアーム部材3先端の前記回転昇降手段4(ピストン軸S1)を上昇させた後、前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上へ90度旋回させ、前記アーム部材3先端の回転昇降部材4に連動連結したチャックホルダー5を前記間欠送りコンベアB上に載せられた丸型トレーRの上方に位置させる。
【0046】
ここにおいて、前記チャックホルダー5に保持される3個のチャックユニット8b、8c、8d中、チャックユニット8bは、前記駆動機構4の駆動力により回転する回転軸25bの下端の偏心レバー21aを介して内側へほぼ90度回転し、前記餃子Pを掴んでいるチャック1が、前記チャックホルダー5の内側やや後方において、前記丸型トレー用の間欠送りコンベアAの搬送方向と同一方向の向きで転位される。これによって前記チャックユニット8b下方のチャック1で掴まれた餃子Pは、前記チャックユニット8aのチャック1で掴まれた餃子Pと直交する所定の間隔を置いて保持される。
【0047】
次いで、前記チャックホルダー5に保持されるチャックユニット8cは、前記駆動機構9の駆動力により回転する回転軸23cの下端の偏心レバー21bを介して内側へほぼ180度回転し、前記餃子Pを掴んでいるチャック1が、前記チャックホルダー5の内側後方において、前記丸型トレー用の間欠送りコンベアBの搬送方向と直交方向の向きで転位される。これによって前記チャックユニット8cのチャック1で掴まれた餃子Pは、前記チャックユニット8bのチャック1で掴まれた餃子Pと直交するよう所定の間隔を置いて保持される。
【0048】
次いで、前記チャックホルダー5に保持されるチャックユニット8dは、前記駆動機構9の駆動力により回転する回転軸23dの下端の偏心レバー21cを介して内側上方へほぼ90度回転し、餃子Pを掴んでいるチャック1が、前記チャックホルダー5の内側後方において、前記丸型トレー用の間欠送りコンベアの搬送方向と同方向の向きで転位される。これによって前記チャックユニット8dで掴まれた餃子Pは、前記チャックユニット8cのチャック1で掴まれた餃子Pと直交するよう所定の間隔を置いて保持される。
【0049】
次いで、図16(a)、図17図20(a)に示すように、前記アーム部材3先端下方の回転昇降手段4を介して前記チャックホルダー5を降下させた後、前記チャックホルダー5下方に連結された4個のチャックユニット8a、8b、8c、8dの各チャック1を同時に開放すると、各チャック1に保持された4個の餃子Pは、前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上の丸型トレーR上面に等間隔にして且つ略十字状の平面形態を有して移載される。
【0050】
次に、第二工程について説明すると、既述の如く、第一工程において前記アーム部材3を90度旋回させることで前記餃子用の間欠送りコンベアA上に載せられた複数個(4個)の餃子Pを前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上のトレーR上面に移載した後、前記アーム部材3を餃子用の間欠送りコンベアAの上方位置に復帰させる。そして、前記餃子用の間欠送りコンベアAの上面において次に搬送されてきた複数個(4個)の餃子Pを前記チャックホルダー5下方に連結された4個のチャックユニット8a、8b、8c、8dの各チャック1で掴み、再度アーム部材3を旋回させることで前記各チャック1を前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上方に位置させる。これまでの工程は前記第一工程と同様である。
【0051】
しかし、第二工程では、この段階で、図9図19図20(b)に示すように、各チャック1を開放して各餃子Pを前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上の丸型トレーR上に移載させる前に、いったん各餃子Pを各チャック1に保持したままの状態で前記アーム部材3下端に連結された回転昇降手段4を、時計方向あるいは反時計方向に約45度回転させる。このようにして前記回転昇降手段4と連結されたチャックホルダー5が約45度自転し、当該回転位置で各チャックユニット8a、8b、8c、8d下方に設置された各チャック1を開放すると、各チャック1に保持された複数個(4個)の餃子Pは丸型トレー用の間欠送りコンベアB上の丸型トレーRの上面に移載される。これによって、第一工程でトレーR上面に略十字状に移載された複数個(4個)の餃子Pの4個の隙間部に略X字状の平面形態を有して追加移載される。その結果、丸型トレー用の間欠送りコンベアB上の丸型トレーRには複数個の餃子Pが放射状に配設される。
【0052】
以上の第一工程と第二工程において、チャック1及び該チャック1に掴まれた餃子Pは、いったん餃子用の間欠送りコンベアA、Bの上方に臨ませ、その後餃子Pあるいはチャック1を前記餃子用の間欠送りコンベアA上及び前記丸型トレー用の間欠送りコンベアB上の丸型トレーRの直上まで降下させるが、これらの動作は全て前記回転昇降手段4(ピストン軸S1)によって行なわれる。
【0053】
本実施例では、丸型トレーRの上面に合計8個の餃子Pを詰めた例を示しているが、大型の丸型トレーRを使うことで第一工程により移載された4個の餃子P同士の間隔を大きめに設定し、前記回転手段4を介して前記チャックホルダー5を約45度の半分ずつ2度に分けて自転させることで、さらに餃子Pを4個増し合計12個の餃子Pを詰めることも可能である。
なお、前記したシリンダーS、10a、22としては種々なものが考えられるが、本実施例ではエアシリンダーが適している。
【符号の説明】
【0054】
A 餃子用の間欠送りコンベア
B 丸型トレー用の間欠送りコンベア
C カバー
C1 開口部
D カバー
K ホルダー旋回駆動装置
L 支持板
L1 支持板
M モータ
M1 回転駆動軸
M2 モータ
M3 回転駆動軸
N ホルダー上下左右駆動装置
P 餃子
Q 支持台
R 丸型トレー
S シリンダー
S1 ピストン軸
T 架台
1 チャック
1a 可動ツメ
1b 固定ツメ
2 旋回ホルダー装置
3 アーム部材
4 回転昇降手段
4a 取付具
5 チャックホルダー
6 天板
7 底板
8a チャックユニット
8b チャックユニット
8c チャックユニット
8d チャックユニット
8e 支軸
9 駆動機構
10 開閉駆動部
10a シリンダー
10b 中空部
11 天蓋
12 バネ
13 ピストン
14 軸部
15 ピン
16 スリット
17 支軸
18 揺動部材
18a 内方突出部
18b 溝部
19 吸・排気口
20 固定具
21a 偏心レバー
21b 偏心レバー
21c 偏心レバー
21d 偏心レバー
22 シリンダー
23 ピストン
23a ピストン軸
24 カム
24a 長孔
24b カムフロア
25a 回転軸
25b 回転軸
25c 回転軸
25d 回転軸
25e 回転軸
25f 回転軸
26 レバー
27a 平歯車
27b 平歯車
27c 平歯車
27d 平歯車
27e 平歯車
27f 平歯車
28 取付具
【要約】
【課題】丸型トレーに複数の餃子を放射状(所謂花弁状)に詰める装置及び方法を提供する。
【解決手段】餃子用の間欠送りコンベアAと、該餃子用の間欠送りコンベアAに直交するよう配置されたトレー用の間欠送りコンベアBと、両間欠送りコンベアの間に設置された旋回ホルダー装置2と、該旋回ホルダー装置に連結し前記両間欠送りコンベア間の上方を往復旋回するチャックホルダー5とを備え、前記チャックホルダーの下方に駆動機構を介して偏心回転可能となした複数個のチャックユニット8a、8b、8c、8dとを配設するとともに、前記チャックユニットの下方に開閉駆動部によって開閉するチャック1を配設してなり、前記トレー用の間欠送りコンベア上のトレーR上面に複数個の餃子を放射状に移載させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20