(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報共有支援装置、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/101 20230101AFI20240910BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240910BHJP
【FI】
G06Q10/101
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2023522692
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2022020643
(87)【国際公開番号】W WO2022244799
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】P 2021085605
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】安達 ゆり
(72)【発明者】
【氏名】上野 悟己
(72)【発明者】
【氏名】青木 教之
(72)【発明者】
【氏名】河野 研二
(72)【発明者】
【氏名】高岡 真則
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175383(JP,A)
【文献】特開2020-052654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末と通信可能に接続されるとともに前記端末間での情報の共有を支援する情報共有支援装置であって、
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末のうち、チャットに参加している前記端末にチャット処理を行うように構成されたチャット処理部と、
前記情報共有支援装置に接続されている
前記端末
のうち、前記チャットに参加している前記端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成された情報付加部と、
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の
うち、前記チャットに参加している前記端末に対して、前記情報付加部によって付加処理された3次元点群データを同期して提供するように構成されたデータ提供部と、
を備える、
情報共有支援装置。
【請求項2】
前記3次元点群データの可視性を向上させる処理を行うように構成された可視性向上部をさらに備え、
前記情報付加部は、前記付加情報に基づいて、前記可視性向上部で処理された処理データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成され、
前記データ提供部は、前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の
うち、前記チャットに参加している前記端末に対して、前記
情報付加部によって付加処理された処理データを同期して提供するように構成されている、
請求項1記載の情報共有支援装置。
【請求項3】
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末
のうち、前記チャットに参加している前記端末のいずれかから取得した操作情報に基づいて、3次元点群データを操作処理するように構成された操作処理部をさらに備え、
前記情報付加部は、前記付加情報に基づいて、前記操作処理部で操作処理された処理データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成され、
前記データ提供部は、前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の
うち、前記チャットに参加している前記端末に対して、前記情報付加部によって付加処理された処理データを同期して提供するように構成されている、
請求項1記載の情報共有支援装置。
【請求項4】
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末
のうち、前記チャットに参加している前記端末のいずれかから取得した操作情報に基づいて、前記可視性向上部で処理された処理データを操作処理するように構成された操作処理部をさらに備え、
前記情報付加部は、前記付加情報に基づいて、前記操作処理部で操作処理された処理データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成され、
前記データ提供部は、前記情報共有支援装置に接続されている前記端末
のうち、前記チャットに参加している前記端末に対して、前記情報付加部によって付加処理された処理データを同期して提供するように構成されている、
請求項2記載の情報共有支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか一に記載の情報共有支援装置と、
前記情報共有支援装置と通信可能に接続される複数の端末と、
を備える、
情報共有支援システム。
【請求項6】
前記端末のいずれかに、眼鏡型ディスプレイを備える、
請求項
5記載の情報共有支援システム。
【請求項7】
前記端末のいずれかに、3次元ディスプレイ及び非接触UIデバイスを備える、
請求項
5記載の情報共有支援システム。
【請求項8】
ハードウェア資源を用いて情報の共有を支援する情報共有支援方法であって、
情報共有支援装置に接続されている端末のうち、チャットに参加している前記端末にチャット処理を行うステップと、
前記ハードウェア資源に接続されている端末
のうち、前記チャットに参加している前記端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加するステップと、
前記ハードウェア資源に接続されている前記端末
のうち、前記チャットに参加している前記端末に対して、付加処理された3次元点群データを同期して提供するステップと、
を含む、
情報共有支援方法。
【請求項9】
ハードウェア資源に情報の共有を支援する処理を実行させるプログラムであって、
情報共有支援装置に接続されている端末のうち、チャットに参加している前記端末にチャット処理を行う処理と、
前記ハードウェア資源に接続されている端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理と、
前記ハードウェア資源に接続されている前記端末
のうち、前記チャットに参加している前記端末に対して、付加処理された3次元点群データを同期して提供する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての記載]
本発明は、日本国特許出願:特願2021-085605号(2021年 5月20日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、情報共有支援装置、システム、方法、及びプログラムに関し、特に、3次元点群データの情報共有支援装置、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図、画像、写真、仮想空間等の情報を共有する方法として、地図、画像、写真、仮想空間等の情報だけでは事足りない付加情報を、地図、画像、写真、仮想空間等の所定の位置に関連付ける(紐付ける、貼り付ける)方法(例えば、付箋のような方法)がある。
【0003】
例えば、Google Mapでは、地図上の所定の位置に係る付加情報を、当該所定の位置に立てられたピンに関連付けている。また、特許文献1の装置では、プラントで使用している機器・計装品の保守管理に必要な設計、運転、保守、点検用の各データを、建屋配置図、機器配置図、電気単線結線図等の画像データや機器の写真、仕様書、部品構成図、リスト等の図形データや機器・計装品の点検周期、部品交換の時期、機器・計装品の過去のデータ、正常および異常の判定基準等の属性データの形で入力するようにしている。
【0004】
また、特許文献2のシステムでは、仮想空間に配置された3次元モデルに関する各種情報を、前記仮想空間に定められた極座標系における位置に関連付けている。また、特許文献3のシステムでは、現在位置における構造物の検査対象の検査結果を、構造物の設計時に生成された3次元モデルにおける検査対象の位置に関連付けている。さらに、特許文献4のシステムでは、実在する対象に関連する情報を、ライブビュー映像に重ねて対象に対応するマーク画像に対応付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平4-90099号公報
【文献】特開2018-88065号公報
【文献】特開2019-28595号公報
【文献】特開2020-98568号公報
【文献】特開2021-21671号公報
【文献】特開2021-56765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0007】
ここで、3次元点群データは、座標情報を有する点の集合体であり、かつ、情報が疎であるため、3次元点群データを表示装置に表示させたときに、一方向から見ただけでは3次元点群データにおける撮像対象物の区別・識別が困難な場合が多く、たとえ回転しても撮像対象物の区別・識別が困難であることに変わりはない。そのため、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の画面上で表示される3次元点群データは、熟練者にとっても撮影対象物の把握が難しい。そして、3次元点群データは、現場の人にとっては当たり前なことであっても、現場から離れた場所(遠隔地)にいる人にとっては、画面に表示したときに端の方にあって途切れやすい周囲(撮像対象物の周囲)の状態が分からないことが多い。すなわち、現場にいたことがない人が求める付加情報が、現場にいる人(又は現場にいた人)には分からなくて予め3次元点群データの所定の位置に付加情報が入力されない可能性がある。そのため、現場にいたことがない人と現場にいる人(又は現場にいた人)との間で、3次元点群データにおける撮影対象物の周囲の情報をリアルタイムで共有することができるシステムの構築が望まれる。
【0008】
この点、Google Mapや、特許文献1の装置や、特許文献2、3のシステムでは、地図、図形、仮想空間、3次元モデル等に予め付加情報が関連付けられており、3次元点群データにおける撮影対象物の周囲の情報をリアルタイムで共有することができる構成とはなっていない。また、特許文献4のシステムでは、所定空間における対象の位置を特定して、ライブビュー映像に重ねて対象に対応するマーク画像を付与して、対象に関連する情報を、マーク画像に対応付けているが、対象の位置が特定できても、ライブビュー映像の端の方にあって途切れやすい様々な形態の周囲(対象の周囲)の状態を特定することはできず、3次元点群データにおける撮影対象物の周囲の情報をリアルタイムで共有することはできない。
【0009】
本発明の主な課題は、3次元点群データにおける撮影対象物の周囲の情報をリアルタイムで共有することに貢献することができる情報共有支援装置、システム、方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の視点に係る情報共有支援装置は、複数の端末と通信可能に接続されるとともに前記端末間での情報の共有を支援する情報共有支援装置であって、前記情報共有支援装置に接続されている端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成された情報付加部と、前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の全てに対して、前記情報付加部によって付加処理された3次元点群データを同期して提供するように構成されたデータ提供部と、を備える。
【0011】
第2の視点に係る情報共有支援システムは、前記第1の視点に係る情報共有支援装置と、前記情報共有支援装置と通信可能に接続される複数の端末と、を備える。
【0012】
第3の視点に係る情報共有支援方法は、ハードウェア資源を用いて情報の共有を支援する情報共有支援方法であって、前記ハードウェア資源に接続されている端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加するステップと、前記ハードウェア資源に接続されている前記端末の全てに対して、付加処理された3次元点群データを同期して提供するステップと、を含む。
【0013】
第4の視点に係るプログラムは、ハードウェア資源に情報の共有を支援する処理を実行させるプログラムであって、前記ハードウェア資源に接続されている端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理と、前記ハードウェア資源に接続されている前記端末の全てに対して、付加処理された3次元点群データを同期して提供する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる。
【0014】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非一時的(non-transitory)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0015】
前記第1~第4の視点によれば、3次元点群データにおける撮影対象物の周囲の情報をリアルタイムで共有することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1に係る情報共有支援システムの構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る情報共有支援システムにおける現場端末の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【
図3】実施形態1に係る情報共有支援システムにおける現場端末の出力部に眼鏡型ディスプレイを用いたときのイメージ図である。
【
図4】実施形態1に係る情報共有支援システムにおける情報共有支援装置の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【
図5】実施形態1に係る情報共有支援システムにおける遠隔端末の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【
図6】実施形態1に係る情報共有支援システムにおける遠隔端末の出力部に3次元ディスプレイを用い、かつ、入力部に非接触UIデバイスを用いたときのイメージ図である。
【
図7】実施形態1に係る情報共有支援システムの動作を模式的に示したフローチャートである。
【
図8】実施形態1に係る情報共有支援システムの使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図9】実施形態1に係る情報共有支援システムにおける可視性向上処理の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図10】実施形態1に係る情報共有支援システムにおける付加処理の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図11】実施形態1に係る情報共有支援システムを物流業の積載量管理に適用した場合の動作の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図12】実施形態1に係る情報共有支援システムを小売業の在庫管理に適用した場合の動作の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図13】実施形態2に係る情報共有支援装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【
図14】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0018】
[実施形態1]
実施形態1に係る情報共有支援システムについて図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る情報共有支援システムの構成の一例を模式的に示したブロック図である。
図2は、実施形態1に係る情報共有支援システムにおける現場端末の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
図3は、実施形態1に係る情報共有支援システムにおける現場端末の出力部に眼鏡型ディスプレイを用いたときのイメージ図である。
図4は、実施形態1に係る情報共有支援システムにおける情報共有支援装置の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
図5は、実施形態1に係る情報共有支援システムにおける遠隔端末の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
図6は、実施形態1に係る情報共有支援システムにおける遠隔端末の出力部に3次元ディスプレイを用い、かつ、入力部に非接触UIデバイスを用いたときのイメージ図である。
【0019】
情報共有支援システム1は、情報共有支援装置300を介して、現場端末200と他の現場端末200との間、現場端末200と遠隔端末400との間、及び、遠隔端末400と他の遠隔端末400との間のいずれかで、センサ500で撮影された撮影対象物の周囲の付加情報及び3次元点群データを含む情報を共有することを支援するシステムである(
図1参照)。情報共有支援システム1は、センサ500で取得された撮影対象物に係る撮影データ(
図2の100)が3次元点群データであれば撮影データ100をそのまま用い、撮影データ100が3次元点群データでなければ現場端末200又は情報共有支援装置300で撮影データ100を3次元点群データに変換して用いる。情報共有支援システム1は、主な構成として、現場端末200と、情報共有支援装置300と、遠隔端末400と、センサ500と、ネットワーク600と、を備える。
【0020】
ここで、撮影データ100は、センサ500で撮影して作成されたデータである。撮影データ100には、座標情報を有する点の集合体である3次元点群データを用いてもよく、撮影データ100が3次元点群データ以外のデータ(例えば、画像データ、深度情報、その他のセンシング情報)である場合、3次元点群データに変換可能なデータを用いてもよい。撮影データ100を3次元点群データに変換する場合、変換は現場端末200又は情報共有支援装置300で行うようにすればよい。
【0021】
現場端末200は、撮影対象物(例えば、電柱)の撮影現場にいる人(又は撮影現場にいた人)が使用する情報通信端末である(
図1参照)。現場端末200は、ネットワーク600と通信可能(無線通信可能又は有線通信可能)に接続されている。現場端末200は、センサ500と通信可能(無線通信可能又は有線通信可能)に接続されている。現場端末200は、
図1では複数台存在するが、1台でもよい。また、現場端末200は、
図1では現場端末200の外部でセンサ500と接続された構成となっているが、現場端末200の内部にセンサ500を備える構成であってもよい。現場端末200には、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、VR(Virtual Reality:仮想現実)やAR(Augmented Reality:拡張現実)やMR(Mixed Reality:複合現実)を含むXR(cross reality)を実現する眼鏡型デバイス等を用いることができる。現場端末200は、主な機能部として、通信部210と、出力部220と、入力部230と、記憶部240と、制御部250と、を備える(
図2参照)。
【0022】
通信部210は、情報の通信(有線通信又は無線通信)を行う機能部である(
図2参照)。通信部210は、ネットワーク(
図1の600)と通信可能に接続されている。通信部210は、センサ(
図1の500)と通信可能に接続されている。通信部210は、制御部250の制御により、通信を行う。通信部210には、例えば、無線通信インタフェイスを用いてもよく、有線通信インタフェイスを用いてもよい。通信部210は、センサ500で撮影された撮影対象物に係る撮影データ100を取得することができる。通信部210は、付加情報や、撮影データ100を情報共有支援装置300に送信することができる。通信部210は、情報共有支援装置(
図4の300)の記憶部(
図4の320)に記憶されたデータを収集することができる。
【0023】
出力部220は、情報を出力(表示、音声出力等)する機能部である(
図2参照)。出力部220は、制御部250の制御により、情報を出力する。出力部220には、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ等の表示デバイス、通信部210と通信可能に接続された眼鏡型ディスプレイ、スピーカ、通信部210と通信可能に接続されたイヤホン、ヘッドホン、ヘッドセット、バイブレータ等を用いることができる。出力部220は、通信部210で取得したデータを表示することができる。出力部220として眼鏡型ディスプレイを用いる場合、
図3のように、監督が遠隔端末400から書き込み指示された情報を、現場作業員の眼鏡型ディスプレイ(出力部220)に表示される3次元点群データとともに実画像の世界にも反映するようにしてもよい。
【0024】
入力部230は、情報を入力(操作入力、音声入力等)する機能部である(
図2参照)。入力部230は、制御部250の制御により、操作や音声認識された情報を入力する。入力部230には、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、非接触UI(User Interface)、ジェスチャセンサ、マイク、ヘッドセット、カメラ等を用いることができる。入力部230は、ユーザの操作により、指定位置及び付箋情報を含む付加情報を入力することができる。付加情報の入力では、3次元点群データや可視性を向上させたデータにおける任意の位置(点群、オブジェクト)を指定した指定位置を入力して、付箋型の表示形態で付箋情報(コメント、測定結果等)を入力したり、指示棒や手を模したアイコンのような意思や意図を表す付箋情報を入力するようにしてもよい。ここで、オブジェクトは、撮影対象物(例えば、電柱全体)でもよく、その構成部(例えば、トランス(変圧器)、アーム(腕金)、電線、支線等)でもよく、撮影対象物以外のもの(例えば、車、家、荷物、棚等)をオブジェクトとして扱うようにしてもよい。入力部230は、ユーザによって操作された、画面の拡大・縮小・回転・視点移動等の操作情報を入力することができる。これにより、別の端末でも当該操作情報に同期して画面の拡大・縮小・回転・視点移動等の操作を共有することができる。
【0025】
記憶部240は、各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する機能部である(
図2参照)。記憶部240には、例えば、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部240は、制御部250の制御により、情報の書き込みや読み出しを行う。
【0026】
制御部250は、通信部210、出力部220、入力部230、及び記憶部240を制御する機能部である(
図2参照)。制御部250には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサを用いることができる。制御部250は、記憶部240に記憶された所定のプログラムを実行することにより、プログラムに記述された所定の処理(情報処理、音声認識処理、文字認識処理等)を行うことができる。制御部250の動作の詳細は、後述する。
【0027】
情報共有支援装置300は、現場端末200と他の現場端末200との間、現場端末200と遠隔端末400との間、及び、遠隔端末400と他の遠隔端末400との間で、センサ500で撮影された撮影対象物の周囲の付加情報及び3次元点群データを含む情報を共有することを支援する装置である(
図1参照)。情報共有支援装置300は、ネットワーク600と通信可能(無線通信可能又は有線通信可能)に接続されている。情報共有支援装置300として、例えば、物理サーバ、仮想サーバ、クラウドサーバ等を用いてもよい。情報共有支援装置300は、主な機能部として、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、を備える(
図4参照)。
【0028】
通信部310は、情報の通信(有線通信又は無線通信)を行う機能部である(
図4参照)。通信部310は、ネットワーク(
図1の600)と通信可能に接続されている。通信部310は、制御部330の制御により、通信を行う。通信部310には、例えば、無線通信インタフェイスを用いてもよく、有線通信インタフェイスを用いてもよい。通信部310は、現場端末200や遠隔端末400からデータ(例えば、付加情報)を収集することができる。
【0029】
記憶部320は、各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する機能部である(
図4参照)。記憶部320には、例えば、RAM、SSD、HDD等の記憶装置を用いることができる。記憶部320は、制御部330の制御により、情報の書き込みや読み出しを行う。記憶部320は、現場端末200や遠隔端末400からのデータを記憶することができる。記憶部320は、制御部330で処理されたデータを記憶することができる。記憶部320に記憶されたデータは、通信部310から現場端末200や遠隔端末400に送信することができる。
【0030】
制御部330は、通信部310及び記憶部320を制御する機能部である(
図4参照)。制御部330には、例えば、CPU、MPU等のプロセッサを用いることができる。制御部330は、記憶部320に記憶された所定のプログラムを実行することにより、プログラムに記述された所定の情報処理を行うことができる。制御部330は、3次元点群データに関する情報処理を行う。制御部330は、撮影データ100が3次元点群データでない場合、撮影データ100に基づいて3次元点群データに変換処理を行う。制御部330の動作の詳細は、後述する。
【0031】
制御部330は、プログラムを実行することで、仮想的に、データ提供部331と、可視性向上部332と、情報付加部333と、操作処理部334と、チャット処理部335と、を備えた構成とすることができる。データ提供部331は、情報共有支援装置300に接続された端末(現場端末200、遠隔端末400)に、データを同期させて提供する機能部である。提供されるデータとして、例えば、現場端末200からの撮影データ100、撮影データ100が3次元点群データでない場合は撮影データ100に基づいて変換された3次元点群データ、可視性向上処理を行った処理データ、操作処理を行った処理データ等が挙げられる。制御部330は、提供するデータを記憶部320に記憶(保存)させる。可視性向上部332は、撮影データ100(ここでは3次元点群データ)の可視性を向上させる処理を行う機能部である。ここで、可視性向上とは、視覚的に分かりにくい3次元点群データをオブジェクト化等することである。3次元点群データの可視性を向上させる方法として、例えば、オブジェクト化、メッシュ化、ボクセル化等のモデリング化が挙げられる。情報付加部333は、現場端末200や遠隔端末400から通信部310を通じて取得した付加情報(指定位置、付箋情報を含む)に基づいて、可視性向上部332で可視性向上処理を行ったデータ(3次元点群データでも可)における、前記付加情報に含まれた指定位置に、前記付加情報に含まれた付箋情報を付加する(関連付ける)ように処理を行う機能部である。操作処理部334は、現場端末200や遠隔端末400から通信部310を通じて取得した操作情報に基づいて可視性向上部332で可視性向上処理を行ったデータ(3次元点群データでも可)を操作処理する機能部である。チャット処理部335は、現場端末200と他の現場端末200との間、現場端末200と遠隔端末400との間、及び、遠隔端末400と他の遠隔端末400との間のいずれかでの音声会話、文字会話に関する情報処理を行う機能部である。
【0032】
遠隔端末400は、撮影現場から遠隔にいる人が使用する情報通信端末である(
図1参照)。遠隔端末400は、ネットワーク600と通信可能(無線通信可能又は有線通信可能)に接続されている。遠隔端末400は、
図1では複数台存在するが、1台でもよい。遠隔端末400には、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、VRやARやMRを含むXRを実現する眼鏡型デバイス等を用いることができる。なお、
図1では現場端末200と遠隔端末400とを区別しているが、現場端末200と遠隔端末400を共通化してもよい。遠隔端末400は、主な機能部として、通信部410と、出力部420と、入力部430と、記憶部440と、制御部450と、を備える(
図5参照)。
【0033】
通信部410は、情報の通信(有線通信又は無線通信)を行う機能部である(
図5参照)。通信部410は、ネットワーク(
図1の600)と通信可能に接続されている。通信部410は、制御部450の制御により、通信を行う。通信部410には、例えば、無線通信インタフェイスを用いてもよく、有線通信インタフェイスを用いてもよい。通信部410は、付加情報を情報共有支援装置300に送信することができる。通信部410は、情報共有支援装置(
図4の300)の記憶部(
図4の320)に記憶されたデータを収集することができる。
【0034】
出力部420は、情報を出力(表示、音声出力等)する機能部である(
図5参照)。出力部420は、制御部450の制御により、情報を出力する。出力部420には、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、3次元ディスプレイ等の表示デバイス、通信部410と通信可能に接続された眼鏡型ディスプレイ、スピーカ、通信部410と通信可能に接続されたイヤホン、ヘッドホン、ヘッドセット、バイブレータ等を用いることができる。出力部420は、通信部410で取得したデータを表示することができる。
【0035】
入力部430は、情報を入力(操作入力、音声入力等)する機能部である(
図5参照)。入力部430は、制御部450の制御により、操作や音声認識された情報を入力する。入力部430には、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、非接触UI、ジェスチャセンサ、マイク、ヘッドセット、カメラ等を用いることができる。入力部430は、ユーザの操作により、指定位置及び付箋情報を含む付加情報を入力することができる。入力部430は、操作情報を入力することができる。3次元点群データの扱いや付加情報の入力は、
図6のように、出力部420として裸眼立体視できる3次元ディスプレイを用い、かつ、入力部430として非接触UI(User Interface)デバイスを用いて実現してもよい。
【0036】
記憶部440は、各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する機能部である(
図5参照)。記憶部440には、例えば、RAM、SSD、HDD等の記憶装置を用いることができる。記憶部440は、制御部450の制御により、情報の書き込みや読み出しを行う。
【0037】
制御部450は、通信部410、出力部420、入力部430、及び記憶部440を制御する機能部である(
図5参照)。制御部450には、例えば、CPU、MPU等のプロセッサを用いることができる。制御部450は、記憶部440に記憶された所定のプログラムを実行することにより、プログラムに記述された所定の処理(情報処理、音声認識処理、文字認識処理等)を行うことができる。制御部450の動作の詳細は、後述する。
【0038】
センサ500は、撮影対象物(例えば、電柱)の表面をセンシングして撮影(撮像)するセンサである(
図1参照)。センサ500は、現場端末200と通信(有線通信又は無線通信)可能に接続されている。センサ500は、現場端末200に内蔵されたものであってもよい。センサ500は、撮影対象物を撮影して撮影データ(
図2の100)を作成する。センサ500は、作成された撮影データ100を現場端末200に向けて出力する。センサ500は、撮影対象物の検知に必要な撮影距離、画角、撮影対象物の大きさなどの撮影条件や顧客要望に応じて選択することができる。また、センサ500には、各種メーカーから販売されている製品を用いることができる。センサ500として、例えば、3次元センサ、3次元カメラ、ステレオカメラ、ToF(Time of Flight)カメラ、3D-lidar(Three Dimensions - light detection and ranging)、LIDAR(Laser Imaging Detection And Ranging)デプスセンサ、2D-lidar(Two Dimensions - light detection and ranging)、RGB(Red-Green-Blue)カメラ等を用いることができる。センサ500は、撮影範囲が広大で1つのセンサで撮影することが困難な場合には複数用いてもよい。センサ500は、1台の現場端末200に1台あればよいが複数台あってもよい。なお、センサ500が複数台ある場合には、種類やメーカーが異なっていてもよい。また、センサ500が複数ある場合には、各センサ500で撮影された各撮影データを情報共有支援装置300で合成すればよい。
【0039】
ネットワーク600は、現場端末200と情報共有支援装置300と遠隔端末400との間を通信可能に接続する有線又は無線の通信網である。ネットワーク600には、例えば、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等の通信網を用いることができる。
【0040】
次に、実施形態1に係る情報共有支援システムの動作について図面を用いて説明する。
図7は、実施形態1に係る情報共有支援システムの動作を模式的に示したフローチャートである。
図8は、実施形態1に係る情報共有支援システムをインフラ設備管理に適用した場合の動作の一例を模式的に示したイメージ図である。
図9は、実施形態1に係る情報共有支援システムにおける可視性向上処理の一例を模式的に示したイメージ図である。
図10は、実施形態1に係る情報共有支援システムにおける付加処理の一例を模式的に示したイメージ図である。
図11は、実施形態1に係る情報共有支援システムを物流業の積載量管理に適用した場合の動作の一例を模式的に示したイメージ図である。
図12は、実施形態1に係る情報共有支援システムを小売業の在庫管理に適用した場合の動作の一例を模式的に示したイメージ図である。ここでは、インフラ設備管理用(電柱管理用)の距離計測システム(例えば、特許文献5参照)に情報共有支援システムを適用した例を用いて説明する。なお、情報共有支援システムの構成については
図1、
図2、
図4及び
図5を参照されたい。
【0041】
まず、現場端末200及び遠隔端末400は情報共有支援装置300にアクセスしてチャット機能を開始する(
図7のステップA1)。これにより、
図8のように、現場端末200のユーザと遠隔端末400のユーザとの間で、ボイスチャットや文字チャットをリアルタイムで行うことが可能となる。なお、ステップA1では、現場端末200及び遠隔端末400が情報共有支援装置300に接続された状態(情報共有支援装置300が提供する情報共有サイトに現場端末200及び遠隔端末400が参加した状態)になればよく、チャット機能以外の機能の開始でもよい。
【0042】
次に、現場端末200の制御部250は、撮影者がセンサ500を用いて撮影対象物(
図8では電柱)を撮影して作成した撮影データ100(ここでは3次元点群データ)を取得する(
図7のステップA2)。なお、撮影データ100が3次元点群データでない場合は、情報共有支援装置300の制御部330で撮影データ100から3次元点群データに変換するようにしてもよい。
【0043】
次に、現場端末200の制御部250は、取得した撮影データ100を情報共有支援装置300に送信する(
図7のステップA3)。ここで、撮影データ100は、全て送信してもよいが、データ削減や品質向上のためにその一部もしくは加工・変換・処理されて送信してもよく、センサ500の付加情報を追加したり、あるいは、付加情報を用いて処理してから送信してもよい。
【0044】
次に、情報共有支援装置300の制御部330は、現場端末200からの撮影データ100を取得し、取得した撮影データ100を記憶部320に保存させる(
図7のステップA4)。
【0045】
次に、情報共有支援装置300の制御部330のデータ提供部331は、チャットに参加している現場端末200及び遠隔端末400に対して、保存された撮影データ100を同期させて送信する(
図7のステップA5)。
【0046】
次に、現場端末200の制御部250及び遠隔端末400の制御部450は、情報共有支援装置300からの撮影データ100を取得し、取得した撮影データ100を出力部220、420に表示させる(
図7のステップA6及びステップA7)。
【0047】
次に、情報共有支援装置300の制御部330の可視性向上部332は、保存された撮影データ100の可視性向上処理(例えば、
図9参照)を行う(
図7のステップA8)。ここで、可視性向上処理とは、3次元点群データで分かりにくい撮影データ100を処理してオブジェクト化、メッシュ化・ボクセル化、ノイズ除去、補正、他のセンサ情報との合成、点群の大きさや色などの表現方法の変更等を行うことである。可視性向上処理は、省略してもよい。可視性向上処理は、現場端末200や遠隔端末400で行ってもよい。
【0048】
次に、情報共有支援装置300の制御部330は、可視性向上処理を行った処理データを記憶部320に保存させる(
図7のステップA9)。
【0049】
次に、情報共有支援装置300の制御部330のデータ提供部331は、チャットに参加している現場端末200及び遠隔端末400に対して、保存された処理データ(ここでは可視性向上処理を行った処理データ)を同期して送信する(
図7のステップA10)。
【0050】
次に、現場端末200の制御部250及び遠隔端末400の制御部450は、情報共有支援装置300からの処理データ(ここでは可視性向上処理を行った処理データ)を取得し、取得した処理データを出力部220、420に表示させる(
図7のステップA11及びステップA12)。これにより、可視性向上処理を行った処理データを現場端末200及び遠隔端末400と共有することができる。
【0051】
次に、現場端末200の制御部250は、ユーザの操作により、付加情報機能(付箋機能)を起動し、可視性向上処理を行った処理データの任意の位置を指定した指定位置と付箋情報とを含む付加情報を入力する(
図7のステップA13)。なお、ここでは現場端末200で付加情報を入力する例を説明しているが、遠隔端末400で付加情報を入力するようにしてもよい。付箋情報には、例えば、撮影データ100における撮影対象物の周囲の情報の他、撮影者が入力した文字情報やカメラ(センサ500とは異なるもの)で撮影した写真画像、他のセンサ情報(位置情報、方位情報等)、計測・演算・処理した結果、監督者の問い合わせ、指示、意図を示す情報等を用いることができる。
【0052】
次に、現場端末200の制御部250は、入力された付加情報を情報共有支援装置300に送信する(
図7のステップA14)。
【0053】
次に、情報共有支援装置300の制御部330の情報付加部333は、現場端末200からの付加情報を取得し、取得した付加情報に基づいて、処理データ(可視性向上処理を行った処理データ)における、前記付加情報に含まれた指定位置に、前記付加情報に含まれた付箋情報を付加するように処理(付加処理;例えば、
図10参照)を行う(
図7のステップA15)。
【0054】
次に、情報共有支援装置300の制御部330は、付加処理を行った処理データを記憶部320に保存させる(
図7のステップA16)。
【0055】
次に、情報共有支援装置300の制御部330のデータ提供部331は、チャットに参加している現場端末200及び遠隔端末400に対して、保存された処理データ(ここでは付加処理を行った処理データ)を同期して送信する(
図7のステップA17)。
【0056】
次に、現場端末200の制御部250及び遠隔端末400の制御部450は、情報共有支援装置300からの処理データ(ここでは付加処理を行った処理データ)を取得し、取得した処理データを出力部220、420に表示させる(
図7のステップA18及びステップA19)。これにより、付加処理を行った処理データを現場端末200及び遠隔端末400で共有することができ、撮影データ100の詳細な情報を得ることができる。
【0057】
次に、遠隔端末400の制御部450は、ユーザの操作により、操作情報を入力する(
図7のステップA20)。なお、ここでは遠隔端末400で操作情報を入力する例を説明しているが、現場端末200で操作情報を入力するようにしてもよい。操作情報には、例えば、画面の拡大・縮小・回転・視点移動等の操作に関する情報を用いることができる。
【0058】
次に、遠隔端末400の制御部450は、入力された操作情報を情報共有支援装置300に送信する(
図7のステップA21)。
【0059】
次に、情報共有支援装置300の制御部330の操作処理部334は、遠隔端末400からの操作情報を取得し、取得した操作情報に基づいて、処理データ(可視性向上処理及び/又は付加処理を行った処理データ)を操作するように処理(操作処理)を行う(
図7のステップA22)。
【0060】
次に、情報共有支援装置300の制御部330は、操作処理を行った処理データを記憶部320に保存させる(
図7のステップA23)。
【0061】
次に、情報共有支援装置300の制御部330のデータ提供部331は、チャットに参加している現場端末200及び遠隔端末400に対して、保存された処理データ(ここでは操作処理を行った処理データ)を同期して送信する(
図7のステップA24)。
【0062】
次に、現場端末200の制御部250及び遠隔端末400の制御部450は、情報共有支援装置300からの処理データ(ここでは操作処理を行った処理データ)を取得し、取得した処理データを出力部220、420に表示させ(
図7のステップA25及びステップA26)、その後、終了する。これにより、操作処理を行った処理データを現場端末200及び遠隔端末400で共有することができ、撮影データ100を多角的に参照することができる。
【0063】
なお、
図7では1台の現場端末200、及び、1台の遠隔端末400がチャットに参加している例を示しているが、現場端末200及び遠隔端末400のうち少なくとも1台がチャットに参加していればよく、3台以上がチャットに参加していてもよい。また、
図7では最初から現場端末200及び遠隔端末400がチャットに参加している例を示しているが、他の現場端末200及び遠隔端末400のいずれかが途中からチャットに参加してもよく、途中からチャットに参加した端末には最新の処理データを提供するようにしてもよい。さらに、
図7では1回の付加処理、及び、1回の操作処理を行った例を示しているが、付加処理及び操作処理のいずれかを少なくとも1回行えばよく、3回以上行ってもよい。
【0064】
図8の例に用いているインフラ設備管理用の距離計測システムでは、広大な敷地において電柱等大きなものをセンサで撮影し、撮影した撮影データ(3次元点群データ)を用いて距離計測を行う。バーチャル空間(仮想空間、サイバースペース、デジタル空間等ともいう)の3次元点群データは、実空間および対象の実態の一部の情報のみ反映されるため、現場から離れてデータを確認すると周囲情報が分からない。そのため、計測対象物およびその周りの状況等を把握することは困難である。また、現場にいない人への情報共有も困難である。そこで、実施形態1では、事足りない情報(付加情報)をバーチャル空間の任意の位置に関連付け(紐付け、貼り付け)られる情報付加機能を設けている。
【0065】
実施形態1に係る情報共有支援システムは、
図8のようなインフラ設備管理の場面以外にも、
図11に示すような物流業の積載量管理(例えば、特許文献6参照)の場面にも適用することができる。
図11に示すように、センサを用いて物流における貨物の積載量を可視化する際に、付加情報を空間に記録し、遠隔地でも把握することができる。
【0066】
また、実施形態1に係る情報共有支援システムは、
図12に示すような小売業の在庫管理の場面にも適用することができる。また、
図12に示すように、商品の在庫を可視化する際に、付加情報を空間に記録し、遠隔地で把握することができる。
【0067】
さらに、実施形態1に係る情報共有支援システムは、広大な場所で、刻々と変化する状況を記録・表示する場面、あるいは、作業支援用途、遠隔で同じものをレビューする場面等で利用でき、例えば、以下のような場面にも適用することができる。
【0068】
ビルメンテナンスでは機器、空調、消防設備などのビル内の設備を24時間体制で保守・点検・監視する場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。また、清掃、水道や電気メーターの検針の場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。また、工場、プラント点検・監視、工場設備の消耗品(ホース、バネ、歯車など)の状態チェック、故障の予兆を察知の場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。インフラ点検では、現状を把握、損傷を発見し、処置し、効率的な維持管理を行い、修繕計画を立てるための基礎情報を蓄積し、維持管理する上での問題点・改点を洗い出す場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。不動産管理では、建物の経年劣化、防災対策、防犯対策の場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。商業施設では、消費者向けにキャンペーンを表示する場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。イベント会場では、来場者数の記録、プロクラムの表示、案内図の表示等の場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。オフィスでは、会議の内容、予定表の表示に実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。データセンタでは、サーバ等の情報機器の設置場所、情報機器のための空調管理、災害でシステムが停止しないための火災検知システム、耐震構造、サーバルームの入退室管理の場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。配送状況管理では、「発送」「中継・引受」「配達完了」といった貨物のステータスを管理する場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。組み立て設計では、遠隔で共有が難しい、立体的なもの(車など)のレビュー結果等を記録する場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。教育ツールでは、若手が立体的なものの整備をするときに、必要な情報や指示を表示する場面で実施形態1に係る情報共有支援システムを利用することができる。実施形態1に係る情報共有支援システムを利用すると、紙等アナログに記録したものより、ロケーション情報が分かりやすくなる。
【0069】
インフラ設備の点検監視や物流の管理においては、人が現場に足を運んで設備の点検や物の確認をし、帳票などの紙媒体に記録することが未だ多い。帳票が電子化されていても、実際の設備や物と記録データは独立のものとなっており、紐づいていない。そこで、3次元センサを利用した点検監視・保守管理が一般的に考えられる。3次元センサで得られる3次元点群データを利用することで、電柱等大きなものの距離を測定し点検を容易にできたり、物流における貨物の積載量可視化ができたりする。したがって、3次元センサで対象物や周囲の状況をデータ化することで、それらを遠隔にいる人と共有したり点検や管理などを遠隔で情報処理して行うことができる。しかし、3次元点群データは点の集合体であり、どれがどの建物なのかの識別が困難であるため、3次元点群データに情報を付与して分かりやすくする必要がある。
【0070】
付加情報を所定の位置に関連付ける付加機能として、例えば、Google Mapのように、付加情報を、2次元の地図の所定の位置に関連付ける機能がある。付加情報を所定の位置に関連付ける機能は、地球上の経緯度情報上にピンを立て、当該ピンに係る位置に付加情報を関連付けるのみである。例えば、3次元点群データを撮影し、撮影位置にピンを立て、当該撮影位置に、撮影された3次元点群データを関連付けること自体は可能だと考えられる。しかしながら、これでは3次元点群データが撮影位置から東西南北のどの方向を撮影したものか、仰俯角のどの角度なのかなどの情報は全く識別できない。また、Google Earthや広域3Dスキャナの合成データのように、撮影された周辺を広範囲で確認できるような広域データを、地図位置に紐づけるのであれば、問題ないかもしれないが、測定対象物を含めた狭域データのみを必要とする場合、無駄が大きい。そこで、実施形態1では、位置情報に対し付加情報を追加するのではなく、3次元データにおける建物や電柱といったオブジェクトそのものに対し位置情報やビル名等といった情報を貼付する機能が有効となる。
【0071】
実施形態1によれば、情報付加機能を用いて情報の同期を行っているので、3次元点群データにおける撮影対象物の周囲の情報をリアルタイムで共有することに貢献することができる。特に、撮影対象物が広大な場所にあるときに付加情報を貼り付けることで、刻々と変化する状況を記録することができる。
【0072】
また、実施形態1によれば、3次元点群データに付帯的な付加情報を追加することで、現地の状況がわからない遠隔地の人とも意思疎通が可能になる。また、現場で3次元点群データを撮って、3次元点群データを会社に持ち帰ったときに、当該3次元点群データの詳細が分からなくなってしまうことを防ぐことができる。また、今まで帳票などの紙媒体に記録していた情報を整理することができ、共有や報告が容易になる。さらに、現場に足を運ばなければ得られなかった情報が遠隔地でも得られるようになるため、作業者の負担を減らし、人手不足解消につながる。
【0073】
また、実施形態1によれば、3次元点群データの可視性を向上させることで、3次元点群データを把握しやすくなる。
【0074】
また、実施形態1によれば、立体視可能な3次元ディスプレイと非接触UIデバイスを使用すれば、3次元点群データがより把握しやすくなる。
【0075】
さらに、実施形態1によれば、操作処理によって端末に表示される画像を同期させているので、現場から離れた場所にいても3次元点群データを把握しやすくなる。
【0076】
[実施形態2]
実施形態2に係る情報共有支援装置について図面を用いて説明する。
図13は、実施形態2に係る情報共有支援装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0077】
情報共有支援装置300は、複数の端末700と通信可能に接続されるとともに端末700間での情報の共有を支援する装置である。情報共有支援装置300は、情報付加部333と、データ提供部331と、を備える。情報付加部333は、情報共有支援装置300に接続されている端末700のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成されている。データ提供部331は、情報共有支援装置300に接続されている端末700の全てに対して、情報付加部333によって付加処理された3次元点群データを同期して提供するように構成されている。
【0078】
実施形態2によれば、情報付加機能を用いて情報の同期を行っているので、3次元点群データにおける撮影対象物の周囲の情報をリアルタイムで共有することに貢献することができる。
【0079】
なお、実施形態1、2に係る情報提供支援装置、現場端末、遠隔端末、及び端末は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、
図14に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源1000は、内部バス1004により相互に接続される、プロセッサ1001、メモリ1002、ネットワークインタフェイス1003等を備える。
【0080】
なお、
図14に示す構成は、ハードウェア資源1000のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源1000は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ1001等のユニットの数も
図14の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ1001がハードウェア資源1000に含まれていてもよい。プロセッサ1001には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0081】
メモリ1002には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0082】
ネットワークインタフェイス1003には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0083】
ハードウェア資源1000の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ1002に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0084】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0085】
[付記1]
複数の端末と通信可能に接続されるとともに前記端末間での情報の共有を支援する情報共有支援装置であって、
前記情報共有支援装置に接続されている端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成された情報付加部と、
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の全てに対して、前記情報付加部によって付加処理された3次元点群データを同期して提供するように構成されたデータ提供部と、
を備える、
情報共有支援装置。
[付記2]
前記3次元点群データの可視性を向上させる処理を行うように構成された可視性向上部をさらに備え、
前記情報付加部は、前記付加情報に基づいて、前記可視性向上部で処理された処理データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成され、
前記データ提供部は、前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の全てに対して、前記情報付加部によって付加処理された処理データを同期して提供するように構成されている、
付記1記載の情報共有支援装置。
[付記3]
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末のいずれかから取得した操作情報に基づいて、3次元点群データを操作処理するように構成された操作処理部をさらに備え、
前記情報付加部は、前記付加情報に基づいて、前記操作処理部で操作処理された処理データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成され、
前記データ提供部は、前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の全てに対して、前記情報付加部によって付加処理された処理データを同期して提供するように構成されている、
付記1記載の情報共有支援装置。
[付記4]
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末のいずれかから取得した操作情報に基づいて、前記可視性向上部で処理された処理データを操作処理するように構成された操作処理部をさらに備え、
前記情報付加部は、前記付加情報に基づいて、前記操作処理部で操作処理された処理データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理を行うように構成され、
前記データ提供部は、前記情報共有支援装置に接続されている前記端末の全てに対して、前記情報付加部によって付加処理された処理データを同期して提供するように構成されている、
付記2記載の情報共有支援装置。
[付記5]
前記情報共有支援装置に接続されている前記端末間のチャット処理を行うように構成されたチャット処理部をさらに備える、
付記1乃至4のいずれか一に記載の情報共有支援装置。
[付記6]
付記1乃至5のいずれか一に記載の情報共有支援装置と、
前記情報共有支援装置と通信可能に接続される複数の端末と、
を備える、
情報共有支援システム。
[付記7]
前記端末のいずれかに、眼鏡型ディスプレイを備える、
付記6記載の情報共有支援システム。
[付記8]
前記端末のいずれかに、3次元ディスプレイ及び非接触UIデバイスを備える、
付記6又は7記載の情報共有支援システム。
[付記9]
ハードウェア資源を用いて情報の共有を支援する情報共有支援方法であって、
前記ハードウェア資源に接続されている端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加するステップと、
前記ハードウェア資源に接続されている前記端末の全てに対して、付加処理された3次元点群データを同期して提供するステップと、
を含む、
情報共有支援方法。
[付記10]
ハードウェア資源に情報の共有を支援する処理を実行させるプログラムであって、
前記ハードウェア資源に接続されている端末のいずれかから取得した、指定位置及び付箋情報を含む付加情報に基づいて、3次元点群データにおける前記指定位置に前記付箋情報を付加する処理と、
前記ハードウェア資源に接続されている前記端末の全てに対して、付加処理された3次元点群データを同期して提供する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【0086】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0087】
1 情報共有支援システム
100 撮影データ
200 現場端末
210 通信部
220 出力部
230 入力部
240 記憶部
250 制御部
300 情報共有支援装置
310 通信部
320 記憶部
330 制御部
331 データ提供部
332 可視性向上部
333 情報付加部
334 操作処理部
335 チャット処理部
400 遠隔端末
410 通信部
420 出力部
430 入力部
440 記憶部
450 制御部
500 センサ
600 ネットワーク
700 端末
1000 ハードウェア資源
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ネットワークインタフェイス
1004 内部バス