(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】潮流発電システム
(51)【国際特許分類】
F03B 13/26 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
F03B13/26
(21)【出願番号】P 2024079032
(22)【出願日】2024-05-14
【審査請求日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2024069587
(32)【優先日】2024-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522029350
【氏名又は名称】株式会社ノワール
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 隆明
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/218750(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3146908(JP,U)
【文献】特開2013-245670(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0020675(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上に浮かべられる浮体と、前記浮体に設けられて海中に配置される流路形成室と、前記流路形成室に設けられる水車部と、前記水車部と接続される発電装置と、前記流路形成室に海水を導入する導入路を形成可能な導入路形成手段と、を備え、
前記流路形成室は、前記海水の流入及び流出開口が設けられた略筒形状に構成され、
前記水車部は、潮流によって回動する略筒形状の水車部本体と、前記水車部本体の回動軸を形成する軸部と、を有し、
前記発電装置は、前記流路形成室から延びる前記軸部と接続され、前記水車部本体の回動に伴う前記軸部の回転動力を電力に変換し、
前記導入路形成手段は、前記流路形成室における流入開口側に設けられ、前記流入開口側の海上の所定領域を、平面視で前記浮体と共に区画して導入口を形成する、一対の区画体を有し、
前記導入路は、前記各区画体が前記導入口に向かって互いに離間して延びて構成されることで、前記導入口から前記流入開口に向かうに伴って、平面視で幅狭となるように構成されている、潮流発電システム。
【請求項2】
前記浮体は、船体である、請求項1に記載の潮流発電システム。
【請求項3】
前記水車部が設けられた前記流路形成室は、前記浮体の左方及び右方それぞれに設けられている、請求項1に記載の潮流発電システム。
【請求項4】
前記各区画体の間には、前記浮体が介在し、
前記導入路は、前記各区画体と、前記浮体の左方及び右方とにより、一対形成されている、請求項1に記載の潮流発電システム。
【請求項5】
前記浮体における前記導入口側の端部は先細り形状を呈している、請求項4に記載の潮流発電システム。
【請求項6】
前記各区画体は、略板状体である、請求項1に記載の潮流発電システム。
【請求項7】
前記導入路形成手段は、前記各区画体を、前記流入開口側を軸として揺動させる揺動手段を有する、請求項6に記載の潮流発電システム。
【請求項8】
前記各区画体は、船体である、請求項1に記載の潮流発電システム。
【請求項9】
前記導入路形成手段は、前記流入開口を開閉可能に設けられた開閉手段を有し、
前記開閉手段は、蓋部と、前記蓋部による前記流入開口の開閉度合いを調整する調整部と、を含み、
前記蓋部は、開状態において、前記流入開口の下部から斜め下方に延びて配置される、請求項1に記載の潮流発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潮流の運動エネルギーを利用して発電を行う、潮流発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、潮の満ち引きを利用した潮流(潮力)発電が、世界的に注目されている。
【0003】
潮流発電とは、潮流そのもの、若しくは潮汐に伴う潮位差を利用してタービンを回し、発電する方式の発電方法である。
【0004】
また、潮流発電は、上記の通り、燃料を利用しないため、環境負荷の少ない発電方法である。
さらに、潮流発電は、太陽光発電や風力発電といった方式と比較して、天候に左右されず、潮の満ち引きは定期的に来るため、発電量予測やコントロールがしやすく、電気の安定供給が可能、といった種々のメリットを有している。
【0005】
このような潮流発電に係る発明として、特許文献1には、船を利用した潮流発電装置(発電船)に係る発明が記載されている。
【0006】
特許文献1に記載の発電船は、船体の下部に、スクリューの回転力によって発電する潮流発電設備が設けられた構成である。
これにより、潮流でもってスクリューが回転し、これに接続された発電機を駆動させ、発電が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の発電船の潮流発電設備は、略筒状体に構成されているところ、その開口端周縁(船体端部)には、錨が設けられているのみであり、内部も、その略全長に亘って一本のスクリューが配置されているのみである。
このような構成とすると、潮流が弱い状況にあっては、スクリューが十分に回動せず、効率的な発電が行えないことが懸念される。
【0009】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであって、潮流が弱い状況であっても、効率的に発電することが可能な、潮流発電システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、海上に浮かべられる浮体と、前記浮体に設けられて海中に配置される流路形成室と、前記流路形成室に設けられる水車部と、前記水車部と接続される発電装置と、前記流路形成室に海水を導入する導入路を形成可能な導入路形成手段と、を備え、
前記流路形成室は、前記海水の流入及び流出開口が設けられた略筒形状に構成され、
前記水車部は、潮流によって回動する略筒形状の水車部本体と、前記水車部本体の回動軸を形成する軸部と、を有し、
前記発電装置は、前記流路形成室から延びる前記軸部と接続され、前記水車部本体の回動に伴う前記軸部の回転動力を電力に変換し、
前記導入路形成手段は、前記流路形成室における流入開口側に設けられ、前記流入開口側の海上の所定領域を、平面視で前記浮体と共に区画して導入口を形成する、一対の区画体を有し、
前記導入路は、前記各区画体が前記導入口に向かって互いに離間して延びて構成されることで、前記導入口から前記流入開口に向かうに伴って、平面視で幅狭となるように構成されている。
【0011】
本発明によれば、潮流が弱い状況であっても、導入口に流入した海水の流速(潮流の速度)が、流入開口に向かうに伴って、平面視で幅狭となるように構成された導入路でもって、流入開口に到達するまでに増速される。
これにより、流速が増速した海水が、流入開口から流出開口に至るまで流路形成室を通過することで、内部の水車部本体を回動させ、これに伴って軸部が回動する。
そして、発電装置が、この軸部の回転動力を電力に変換することで、弱い潮流であっても効率的に発電作業が行われる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記浮体は、船体である。
【0013】
このような構成とすることで、船体を、潮流の方向に応じて、海水が導入口に流入するような向きとなるように操舵・移動させることができるため、潮流の方向が変化した場合であっても、継続して効率的な発電作業を行うことができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記水車部が設けられた前記流路形成室は、前記浮体の左方及び右方それぞれに設けられている。
【0015】
このような構成とすることで、海水を各流路形成室に流入させ、それぞれの水車部を並行して回転させることができ、より効率的な発電作業を行うことができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記各区画体の間には、前記浮体が介在し、前記導入路は、前記各区画体と、前記浮体の左方及び右方とにより、一対形成されている
【0017】
このような構成とすることで、各流路形成室に対応した導入路が形成されるため、海水をより効率的に各流路形成室に流入させることができ、より効率的な発電作業を行うことができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記浮体における前記導入口側の端部は先細り形状を呈している。
【0019】
このような構成とすることで、潮流により浮体が受ける抵抗を軽減しつつ、海水をよりスムーズに各流路形成室に流入させることができ、より効率的な発電作業を行うことができる。
【0020】
前記各区画体は、略板状体である。
【0021】
このような構成とすることで、各区画体を浮体と一体化することができ、本潮流発電システムの運用や導入路の形成が容易となる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記導入路形成手段は、前記各区画体を、前記流入開口側を軸として揺動させる揺動手段を有する。
【0023】
このような構成とすることで、浮体を他の場所に移動させる場合等、必要に応じて、揺動手段により各区画体を揺動させて、互いに略平行とすることで、移動時の抵抗を低減させることができる。
また、揺動手段により、各区画体の端部間の距離を可変させて、導入路に流入する海水の量を増減させることで、各流路形成室に流入する海水の流速を調整することができる。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記各区画体は、船体である。
【0025】
このような構成とすることで、浮体を簡素化できると共に、潮流が激しい環境下でも、安定的に海水を流入開口に導入することができる。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記導入路形成手段は、前記流入開口を開閉可能に設けられた開閉手段を有し、前記開閉手段は、蓋部と、前記蓋部による前記流入開口の開閉度合いを調整する調整部と、を含み、前記蓋部は、開状態において、前記流入開口の下部から斜め下方に延びて配置される。
【0027】
このような構成とすることで、発電作業を行わない場合には、開閉手段により流入開口を閉状態とし、異物の流入等を抑制できる上、発電作業を行う場合には、流入開口を開状態とすることで、蓋部により、海上側に向かう流路が部分的に形成され、海水をよりスムーズに流路形成室に流入させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、潮流が弱い状況であっても、効率的に発電することが可能な、潮流発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施形態に係る潮流発電システムを示す図であって、(a)側面図、(b)平面図である。
【
図2】本実施形態に係る潮流発電システムを示す図であって、(a)背面図、(b)、(c)流路形成室等の部分拡大図である。
【
図3】本実施形態に係る潮流発電システムを示す図であって、(a)水車部等の部分拡大図である。
【
図4】本実施形態に係る潮流発電システムの水車部本体を示す斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る潮流発電システムにおける各水車部本体の接続部分を示す部分拡大図である。
【
図6】本実施形態に係る潮流発電システムの使用態様を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る潮流発電システムの使用態様を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る潮流発電システムの使用態様を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る潮流発電システムの使用態様を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る潮流発電システムの使用態様を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る潮流発電システムの変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、
図1~
図11を用いて、本発明の実施形態に係る潮流発電システムについて説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において、符号Xは、本実施形態に係る潮流発電システムを示す。
【0031】
<構成>
以下、
図1~
図5を用いて、潮流発電システムXの構成について説明する。
なお、以下、説明の便宜上、後述する浮体1の船首側を前方とする。
また、
図2(b)は、
図2(a)におけるk3枠の拡大図、
図2(c-1)、(c-2)は、
図1(a)におけるk1枠の拡大図を、それぞれ示している。
また、
図3は、
図1(a)におけるk2枠の拡大図を示している。
また、
図5は、
図3におけるk4枠の拡大図を示している。
【0032】
図1~
図3に示すように、潮流発電システムXは、海上に浮かべられる浮体1と、浮体1に設けられて海中に配置される流路形成室2と、流路形成室2に設けられる水車部3と、水車部3と接続される発電装置4と、流路形成室2に海水を導入する導入路R(
図6等参照)を形成可能な導入路形成手段5と、ゴミ回収手段6と、送電鉄塔Vと、を備えている。
【0033】
<<浮体1>>
浮体1は、本実施形態においては、船体であり、船首を構成する船体本体11と、船体本体11の後端に連接される船尾構成体12と、船尾構成体12の上部に連接される支持台13と、を有している。
【0034】
船体本体11は、一般的な貨物船や旅客船等と同様に、操舵可能であり、その甲板や内部に貨物を積載、収容しておくことができ、バラストタンクやアンカー等が備えられている。
【0035】
船尾構成体12は、後述する導入口E(後方側)に向かうに伴って、平面視で先細りとなる形状を呈しており、全体として略三角柱状体として構成されている。
【0036】
支持台13は、全体として略四角柱状体として構成され、船体本体11の後端及び船尾構成体12の上部に連接されることで、その上面が船体本体11の上面(甲板)と略同一平面状に配置されるように構成されている。
【0037】
<<流路形成室2>>
流路形成室2は、船体本体11の左舷及び右舷それぞれに設けられている。
また、流路形成室2は、海水の流入開口Ti(後方側)及び流出開口To(前方側)が設けられた、前後方向に延びる略四角筒形状に構成されている。
さらに、流路形成室2は、その内部空間を上部空間Saと下部空間Sbとに区画する階床部f(
図3参照)が設けられており、二階層の内部構造となされている。
【0038】
なお、階床部fは、適宜貫通孔が設けられる、或いは部分的に切除されることで、流路形成室2内部における海水の挿通性を向上させても良い。
また、流路形成室2は、船体本体11の左舷及び右舷に限られず、船体本体11の内部に組込まれる形で、船体本体11の左方及び右方に設けられていても良い。
【0039】
<<水車部3>>
水車部3は、特に
図3に示すように、潮流によって回動する略円筒形状の水車部本体Wと、水車部本体Wの回動軸を形成する軸部31と、軸部31を支持する支持部32と、を有している。
なお、水車部3は、各流路形成室2の上部空間Sa及び下部空間Sbそれぞれに、同様に設けられている。このように、二階層の内部構造とした流路形成室2の各空間Sa、Sbに水車部3を設けることで、より効率的な発電作業が可能となる。
【0040】
水車部本体Wは、各上部空間Sa及び各下部空間Sbにおいて、各空間Sa、Sbの延びる方向(前後方向)に沿って、略同軸上に複数(本実施形態においては5つ)配置されている。
なお、水車部本体Wのより具体的な構成については、
図4及び
図5を用いて後述する。
【0041】
軸部31は、各空間Sa、Sbの長さ方向の略全長に亘って延び、流出開口Toから突出して、発電装置4(後述する増速機42及び発電装置本体43)に接続されている。
【0042】
支持部32は、軸部31が回動可能に挿通支持される軸受け部32aと、軸受け部32aを支持する支持柱32bと、を含む。
軸受け部32aは、各水車部本体Wの両端側に配置されている。
支持柱32bは、
図2(b)や
図4に示すように、各空間Sa、Sbを構成する左右側面、及び底面(階床部f)からそれぞれ突設され、各軸受け部32aに連接されることで、各軸受け部32aが略同軸上に配置されるように、これらを支持している。
なお、
図3においては、手前側の支持柱32bの図示を省略している。
【0043】
<<発電装置4>>
発電装置4は、各流路形成室2の流出開口To側に、流出開口Toから所定の間隔を空けて設けられ、各流路形成室2から延びる軸部31と接続され、水車部本体Wの回動に伴う軸部31の回転動力を電力に変換する。
詳述すれば、発電装置4は、船体本体11の左舷及び右舷それぞれに、流出開口Toからやや離間して配置されており、特に
図3に示すように、発電室41と、増速機42と、発電装置本体43と、を有している。
【0044】
各発電室41は、各流路形成室2と同様に、その内部空間を上部空間41aと下部空間41bとに区画する階床部fが設けられており、二階層の内部構造となされている。
また、各発電室41は、水密となされているが、各軸部31の貫通箇所については、各軸部31の滑らかな回動動作を担保するために、転がり軸受け等の軸受けが設けられている。
さらに、各発電室41は、各流出開口Toから流出した海水の流れを円滑とするために、その上部後方及び下部後方が丸みを帯びた形状となされている。
【0045】
なお、各発電室41の上端及び下端は、各流路形成室2の上端及び下端と一致して(各流路形成室2と前後方向で整列するように配置されて)おり、各発電室41の階床部fも、各流路形成室2の階床部fと同様の高さとなるように配置されている。
また、各発電室41には、作業者が船体本体11の内部に出入りするための、開閉扉が設けられている。
【0046】
増速機42及び発電装置本体43は、各発電室41の上部空間41a及び下部空間41bそれぞれに、同様に設けられている。
なお、増速機42及び発電装置本体43は、例えば風力発電機等において広く用いられているような、中心軸の回動を利用した、一般的な増速機及び発電装置である。
【0047】
<<導入路形成手段5>>
導入路形成手段5は、一対の区画体51と、各区画体51を、流入開口Ti側を軸として揺動させる揺動手段52と、各流入開口Tiを開閉可能に設けられた開閉手段53と、を有している。
【0048】
各区画体51は、流入開口Ti側(後方側)に設けられ、流入開口Ti側の海上の所定領域を、平面視で浮体1と共に区画して導入口Eを形成する。
詳述すれば、各区画体51は、前後方向に延びる略長方形の板状体であり、後方端部(導入口E)に向かって互いに離間して延びて構成されている。換言すれば、各区画体51は、後方端部(導入口E)に向かって末広がりとなるように、平面視で略ハの字を構成可能となされている。
また、各区画体51は、それぞれ、剛性素材で形成された区画体本体51aと、これの両側面に設けられた、略長方形状の補助浮体51bと、を含む。これにより、海中に配置された各区画体51の、揺動手段52による支持状態、及び揺動動作が安定化される。
【0049】
ここで、各区画体51の間には、浮体1(船体本体11の後方側、及び船尾構成体12と支持台13)が介在している。
これにより、導入路Rは、各区画体51と、浮体1の左方及び右方(左舷及び右舷)とにより、一対形成されており、各導入路Rは、各導入口Eから各流入開口Tiに向かうに伴って、平面視で、左右方向の幅について幅狭となるように構成されている(
図1(b)、
図6(b)等参照)。
【0050】
揺動手段52は、各区画体51を吊下げ支持する区画体支持手段52aと、各区画体51を、流入開口Tiの開口端を基端として揺動可能に軸支する軸支部52bと、各区画体支持手段52aの前後方向に沿った円滑な移動を可能とするレール部52cと、を含む。
【0051】
区画体支持手段52aは、本実施形態においては、前後方向に沿って整列された3台のクレーンである。
詳述すれば、各区画体支持手段52aは、レール部52cに載置された基部m1と、基部m1から左右に延びる一対のアームm2と、を含む。
各基部m1は、レール部52cに沿った移動を可能とする駆動源等を備えており、遠隔或いは乗車して、各アームm2も含めて制御が可能である。
各アームm2は、例えば油圧シリンダ等によりスライド伸縮が可能となされ、各基部m1との連結部分(基端)において旋回可能に構成されている。
【0052】
そして、各アームm2の先端のフックが、各区画体51の内側面上部から突設され、係止孔が設けられた突設部nに係止されることで、各区画体51は、その上部三点で支持されている。
なお、突設部nは、各区画体51の内側面中程から突設されていても良い。
【0053】
各軸支部52bは、各流路形成室2の側方に設けられたヒンジである。
【0054】
レール部52cは、船尾構成体12の後端側から船体本体11の途中(流入開口Tiに隣接して配置された水車部本体Wの前方端部)まで延びて敷設されている。
【0055】
各開閉手段53は、蓋部53aと、蓋部53aによる流入開口Tiの開閉度合いを調整する調整部53bと、調整部53bを支持する支持柱53cと、を含む。
なお、各開閉手段53は、流出開口Toを開閉するために、流出開口To側に設けられていても良く、この場合、軸部31の回動を阻害しないように、流出開口Toを部分的に閉じるような、例えば略U字状等の蓋部53aが採用され得る。
【0056】
蓋部53aは、略長方形状の板状体であり、特に
図2(b)や
図2(c-1)に示すように、流入開口Tiの開口端下部に、左右方向を軸に回動可能となるようにヒンジ結合されている。
また、蓋部53aは、特に
図2(b)や
図2(c-1)に示すように、その内側面と流路形成室2の内周天面にて端部が固定されたチェーンcにより、開き度合いが最大となった際(開状態となった際)に、流入開口Tiの下部から斜め下方に延びて配置されるように支持される。
なお、
図2(b)においては、水車部本体Wを簡略化して示している。
【0057】
調整部53bは、例えば、遠隔操作により、電動で支持ワイヤーtの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置が格納された筐体であり、一の流路形成室2(流入開口Ti)に対して一対設けられている。
なお、支持ワイヤーtは、筐体の連通孔から外部へ引出され、各蓋部53aの端面に固定されている。
【0058】
これにより、各調整部53bによる支持ワイヤーtの巻取り動作でもって、
図2(c-1)及び
図2(c-2)に示すように、各蓋部53aがその下端部を軸に回動し、流入開口Tiを閉状態とする。
なお、このとき、チェーンcは、各流路形成室2の内部に格納される。
【0059】
支持柱53cは、各調整部53bに対応して各流路形成室2の上面に設けられた、上下方向に延びる支柱であり、その上端部に各調整部53bが固定されている。
これにより、各調整部53bが水没する事態を防いでいる。
【0060】
<<ゴミ回収手段6>>
ゴミ回収手段6は、各流路形成室2に対応して設けられており、背面視において流入開口Tiに重畳するように配置される回収ネット61と、回収ネット61を支持するネット支持手段62と、を有している。
【0061】
各回収ネット61は、浮体1の上部から下部まで延びる略長方形状の網部材である。
【0062】
各ネット支持手段62は、船体本体11上に載置された、例えば小型のクレーンであり、各回収ネット61を平面視で左右方向に突設されるように支持している。
また、各ネット支持手段62は、特に
図1に示すように、各区画体51により導入口Eが構成された状態で、最も前方に配置された区画体支持手段52aの前方に隣接して配置されている。
さらに、各ネット支持手段62は、上記の通り、例えば小型のクレーンであるから、各回収ネット61の平面視での突設方向を自由に可変させることができるし、浮体1の上面を移動することも可能である。
【0063】
<<送電鉄塔V>>
送電鉄塔Vは、船体本体11上に設置され、発電装置4(発電装置本体43)と電気的に接続されることで、発電装置4により発電された電気エネルギーを外部に送出することが可能である。
また、送電鉄塔Vは、一般的なものと同様、鉄骨や碍子を用いて組上げられているが、浮体1が潮流の方向に応じて操舵される点を考慮して、碍子が設けられた頭部が、360度回動可能に構成されていることが好ましい。
なお、
図9を除き、送電鉄塔Vから延びる送電線Lの図示を省略している。
【0064】
<<水車部本体W>>
水車部本体Wは、
図4に示すように、略円筒状の管状体W1と、管状体W1の内周面及び外周面それぞれに、軸方向に間隔を置いて複数設けられた水受け部W2と、管状体W1の回動軸を構成する軸部構成体W3と、軸部構成体W3が、管状体W1の中心軸を構成するように固定支持する軸支持部W4と、を有している。
なお、
図4(a)は、水車部本体W(管状体W1)の内部を示す斜視図、
図4(b)は、水車部本体Wの外観を示す斜視図である。
また、
図4(a)において、外周面に設けられた水受け部W2、及び管状体W1の内部の軸部構成体W3については、省略して示している。
【0065】
管状体W1は、ステンレス等の金属素材により形成されることが好ましいが、塩化ビニール等のプラスチック素材を用いても良い。
【0066】
各水受け部W2は、管状体W1の内周面及び外周面それぞれに固定された、略薄板且つ略リング状の支持板W21と、支持板W21に、その周方向に所定の間隔を置いて複数固定された、略長方形薄板状の水受け部本体W22と、を含む。
【0067】
支持板W21は、例えば、ステンレス等の金属素材により形成され、内周面の支持板W21と外周面の支持板W21とは、管状体W1を介して対向するように配置されている。
【0068】
各水受け部本体W22は、例えば、ステンレス等の金属素材により形成され、中心軸方向から垂直な方向で見たときに、中心軸(回動軸)方向に対して、60~80度程度の角度(迎え角)を持つように、支持板W21に連結されている。
【0069】
各軸部構成体W3は、各水車部本体W(各管状体W1)の両端側に配置された軸受け部32aに挿通された状態で、
図5(a)に示すように、隣接する軸部構成体W3と連結される。
即ち、各軸部構成体W3は、その一方の端部同士が、挿通パイプpの各開口端から挿通され、この挿通パイプpを介して、各端部にボルト等の連結部材bが打ち込まれることで、略同軸上に配置されるように連結される。
これにより、各軸部構成体W3が連結されることで、一の上部空間Sa或いは下部空間Sbについて、一の軸部31が構成される。
【0070】
ここで、各軸部構成体W3は、実際上、
図5(b-1)、(b-2)に示す流れでもって、連結される。
なお、
図5(b-1)、(b-2)においては、手前側の支持柱32bの図示を省略している。
【0071】
即ち、作業者は、挿通パイプpを軸部構成体W3の一方の端部に摺動させ、軸受け部32aに当接させた状態で、各水車部本体W(及び支持部32)を設置し、
図5(b-1)に示す状態とする。
その後、作業者は、挿通パイプpを隣接する軸部構成体W3側に摺動させることで、この軸部構成体W3の一方の端部に挿通させ、
図5(b-2)に示す状態とする。
最後に、作業者は、上記の通り、挿通パイプpを介して、各端部にボルト等の連結部材bを打ち込むことで、各軸部構成体W3が連結される。
【0072】
軸支持部W4は、管状体W1の両端それぞれに設けられ、軸部構成体W3が挿通されて固定される円筒体W41と、円筒体W41から放射状に延び、管状体W1の内周面に連結される複数の連結板W42と、を含む。
【0073】
各水車部本体Wは、上記構成となされることで、各水受け部W2(各水受け部本体W22)が潮流によって流入した海水を受けて、管状体W1及びこれに連結された各軸支持部W4に回動力が付与される。
これにより、軸部構成体W3(軸部31)が回動することとなる。
【0074】
<使用態様>
以下、
図6~
図10を用いて、潮流発電システムXの使用態様について説明する。
なお、
図7(a)は、
図6(a)におけるk5枠の拡大図、
図7(b)は、
図6(a)におけるk6枠の拡大図を、それぞれ示している。
また、
図6(b)及び
図8において、導入口E及び導入路Rを明確に示すために、後方側及び中央の区画体支持手段52aや前方側の各アームm2、各回収ネット61、支持台13を透過して示している。
また、
図6(b)においては、導入口Eを、仮想的に二点鎖線で示している。
また、
図6~
図10においては、潮流を、灰色の矢印で示している。
【0075】
<<発電の流れ>>
図1及び
図2に示した潮流発電システムXが海上に配置されることで、
図6に示す状態となる。
なお、
図6(a)において、直線Kは喫水線を示している。
【0076】
即ち、
図6(a)に示すように、各流路形成室2や発電装置4、各区画体51等が、海中に配置され、各流路形成室2の内部は海水で満たされることとなる。
このとき、作業者は、潮流の方向に合わせて、各導入口E及び各流入開口Tiが、潮流の方向と対向するように、浮体1を操舵して配置する。
また、作業者は、適宜バラストタンクを用いて、浮体1の海中への沈み度合いを調整することができる。
【0077】
そして、
図6(b)に示すように、海水が、潮流によって各導入口Eから各導入路Rを通り、各流入開口Tiに流入する。
【0078】
ここで、上記の通り、各導入路Rは、各導入口Eから各流入開口Tiに向かうに伴って、平面視で、左右方向の幅について幅狭となるように構成されている。
このため、各導入口Eから各導入路Rに流入した海水の流速(潮流の速度)は、各流入開口Tiに向かうに伴って増速され、各流入開口Tiに流入する。
これは、各導入路Rに流入した海水(潮流)を集めるイメージで、各導入路Rが所謂漏斗のような役割を果たすことによる効果である。
【0079】
上記の通り、増速された潮流により、以下の流れで発電が行われる。
【0080】
即ち、
図7(a)に示すように、海水は、各流入開口Tiから各上部空間Sa及び各下部空間Sbに流入する。
なお、このとき、各開閉手段53における蓋部53aにより、各流入開口Tiの下方に流れる海水も、各流入開口Tiに集められる。
【0081】
そして、
図7(b)に示すように、海水は、各上部空間Sa及び各下部空間Sbを通って、各流出開口Toから流出する。
このとき、各水車部本体Wにおける各水受け部W2が海水を受けることで、各水車部本体Wが一挙に回動し、このトルクを各軸部31に伝達させる。
【0082】
これにより、各増速機42を介して、各発電装置本体43による発電が行われる。
【0083】
以上の通り発電された電気エネルギーは、例えば、
図8に示すような態様で、外部に送出される。
【0084】
即ち、潮流発電システムXは、海港Zから所定の距離離れた、潮流が安定して発生している海上の領域において発電作業を行っており、潮流発電システムXと海港Zとの間に、中継船Yが配置されている。
また、中継船Y及び海港Zには、潮流発電システムXと同様の送電鉄塔Vが設置されており、各送電鉄塔V間に送電線Lが懸架されている。
【0085】
これにより、潮流発電システムXにより発電された電気エネルギーは、潮流発電システムXの送電鉄塔Vから、中継船Yの送電鉄塔Vを介して、海港Zの送電鉄塔Vに送出される。
そして、電気エネルギーは、海港Zの送電鉄塔Vから延びる送電線Lにより、変電所等他の施設に送出され、配電や蓄電等が行われる。
なお、海港Zの送電鉄塔Vを用いずに、電気エネルギーが、中継船Yの送電鉄塔Vから直接変電所等他の施設に送出されても良い。
【0086】
<<他の使用態様>>
本実施形態における浮体1は、操舵可能な船体であるため、作業者は、潮流の方向が変化した場合、
図9に示すように、各導入口E及び各流入開口Tiが、潮流の方向と対向するよう、浮体1を操舵することができる。
【0087】
また、作業者は、発電を行わない場合や、浮体1を長距離で移動させるような場合等には、潮流発電システムを、
図10に示すような態様とすることができる。
【0088】
即ち、作業者は、各開閉手段53について、調整部53bを制御し、支持ワイヤーtを巻取り、蓋部53aを回動させ、各流入開口Tiを閉状態とする。
また、作業者は、各ゴミ回収手段6について、ネット支持手段62を制御し、回収ネット61を浮体1側に回動させ、左舷及び右舷に近接させる。
そして、作業者は、各揺動手段52について、各区画体支持手段52aを制御して、各アームm2を適宜伸長させつつ、各基部m1を、レール部52cに沿って前方に摺動させることで、各区画体51を、浮体1側に回動させて互いに略平行とする。
【0089】
<効果>
以上の通り、本実施形態によれば、潮流が弱い状況であっても、各導入路Rの形態でもって、海水の流速が各流入開口Tiに到達するまでに増速され、この海水でもって、軸部31が回転させられることで、効率的に発電作業が行われる。
【0090】
また、浮体1が船体であることで、潮流の方向が変化した場合であっても、継続して効率的な発電作業を行うことができる。
【0091】
また、流路形成室2が、浮体1の左舷及び右舷それぞれに設けられていることで、海水を各流路形成室2に流入させ、それぞれの水車部3を並行して回転させることができ、より効率的な発電作業を行うことができる。
【0092】
また、導入路Rが、各区画体51と、浮体1の左舷及び右舷とにより、一対形成されていることで、各流路形成室2に対応した導入路Rが形成されるため、海水をより効率的に各流路形成室2に流入させることができ、より効率的な発電作業を行うことができる。
【0093】
また、船尾構成体12が先細り形状を呈していることで、潮流により浮体1が受ける抵抗を軽減しつつ、海水をよりスムーズに各流路形成室2に流入させることができ、より効率的な発電作業を行うことができる。
【0094】
また、揺動手段52により、浮体1を他の場所に移動させる場合等、必要に応じて、各区画体51を揺動させて、互いに略平行とすることで、移動時の抵抗を低減させることができるし、各区画体51の後端部間の距離を可変させて、導入路Rに流入する海水の量を増減させることで、各流路形成室2に流入する海水の流速を調整することができる。
【0095】
また、開閉手段53により、発電作業を行わない場合には、各流入開口Tiを閉状態とし、異物の流入等を抑制できる上、発電作業を行う場合には、各流入開口Tiを開状態とすることで、蓋部53aにより、海上側に向かう流路が部分的に形成され、海水をよりスムーズに各流路形成室2に流入させることができる。
【0096】
<変更例>
なお、上述の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0097】
例えば、本実施形態において、浮体1を操舵可能な船体とした例を示したが、駆動源等を有さない単なる浮体であっても良い。
【0098】
また、流路形成室2は、必ずしも二階層である必要はなく、一階層や三階層以上であっても良い。
【0099】
また、流路形成室2は、必ずしも左右一対設けられる必要はなく、浮体1の後方中央に一つ設けられていても良く、浮体1の内部を利用して形成さていても良い。
この場合、区画体51は、例えば、この流路形成室2の流入開口Tiの左右端部から一対延びていても良く、これにより導入路Rは一つのみとなる。
【0100】
また、発電装置4は、軸部31についてギア等を用いて上方に延ばすことで、船体本体11の上面に配置されても良い。
【0101】
また、発電装置4は、各発電室41に流入した海水を外部に排出するための、ポンプ装置等を有していても良い。
【0102】
また、発電装置4は、各流出開口To側に設けられている必要はなく、各流入開口Ti側に設けられていても良く、この場合、各開閉手段53は必ずしも必須ではない。
【0103】
また、揺動手段52は、各区画体51を安定的に支持し、揺動させられる構成であれば、その具体的な手段は特に限定されない。
例えば、区画体支持手段52aは、本実施形態においてはごく概略的に図示しているが、一般的な重機としてのクレーンを用いて良く、一のアームm2に対して一の基部m1とし、計6台のクレーンとしても良いし、その台数は問わない。
この他、区画体支持手段52a(クレーン)により、ワイヤーロープで吊下げる態様で、各区画体51を支持する構成としても良い。
【0104】
また、発電された電気エネルギーの外部への送出は、必ずしも
図8に示すような態様で送出される必要はなく、例えば、洋上風力発電のように、浮体1から海底に送電ケーブルを這わせて送出しても良い。
この他、送電鉄塔Vを用いず、浮体1に、発電装置4と電気的に接続された蓄電池を積載し、これに電気エネルギーを蓄えることで、潮流発電システムXが、海港Zまで電気エネルギーを運搬する態様とすることもできる。
【0105】
ここで、上記実施形態では、各区画体51を略板状体とした例を示したが、
図11に示すように、各区画体51は、船体であっても良い。
【0106】
詳述すれば、
図11に示す変更例において、各区画体51は、それぞれ浮体1と同様の船体であり、それぞれの船頭(及び船尾構成体12の後端)により導入口Eが形成されるように配置されている。
なお、このような配置状態は、浮体1に加え、他の作業者が、別途各区画体51を操舵することで、実現される。
【0107】
また、各区画体51の上面には、各区画体51の延びる方向に所定の間隔を置いて突設された係止突起hが設けられている。
さらに、本変更例においては、区画体支持手段52aのアームm2の先端が、各係止突起hに係止可能なリング状に構成されている。
【0108】
これにより、各アームm2の先端が各係止突起hに係止することで、各区画体51の配置状態を安定化することができる。
なお、本変更例においては、区画体支持手段52aが2台設けられ、各区画体51の中央の係止突起hには、各アームm2が係止されていないが、
図1等に示した実施形態のように、区画体支持手段52aを3台設け、中央の係止突起hにも、中央の区画体支持手段52aの各アームm2を係止させる構成としても良い。
【0109】
その他、本変更例においては、
図1等に示した実施形態と異なり、各軸支部52bが設けられておらず、代わりに、各流路形成室2の側方に、各区画体51の後端と各流路形成室2との接触を防止するクッション体uが設けられている。
【0110】
出願書類中の「略」は、その後に続く形状に面取りや丸め加工がなされていること、また形状を構成する要素がその形状の目的を阻害しない範囲内で変形や長さ変更されているものを含むことを意味する概念である。
【符号の説明】
【0111】
X 潮流発電システム
1 浮体
2 流路形成室
Ti 流入開口
To 流出開口
3 水車部
W 水車部本体
4 発電装置
5 導入路形成手段
6 ゴミ回収手段
V 送電鉄塔
E 導入口
R 導入路
【要約】 (修正有)
【課題】潮流が弱い状況であっても、効率的に発電することが可能な、潮流発電システムを提供する。
【解決手段】海上に浮かべられる浮体に設けられて海中に配置される流路形成室2と、水車部3と、発電装置4と、流路形成室2に海水を導入する導入路形成手段と、を備え、流路形成室2は、海水の流入及び流出開口Ti、Toが設けられた略筒形状に構成され、水車部3は、水車部本体と、軸部と、を有し、発電装置4は、流路形成室2から延びる軸部と接続され、軸部の回転動力を電力に変換し、導入路形成手段は、流路形成室2における流入開口Ti側に設けられ、流入開口Ti側の海上の所定領域を、平面視で浮体と共に区画して導入口Eを形成する、一対の区画体51を有し、導入路Rは、各区画体51が導入口Eに向かって互いに離間して延びて構成されることで、導入口Eから流入開口Tiに向かうに伴って、平面視で幅狭となるように構成されている。
【選択図】
図6