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特許7553168認知機能に係るゲーム装置、プログラム及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】認知機能に係るゲーム装置、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/00 20140101AFI20240910BHJP
【FI】
A63F13/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024079622
(22)【出願日】2024-05-15
【審査請求日】2024-05-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522202229
【氏名又は名称】一般社団法人UDe-スポーツ協会
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】池田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】柏野 知亮
(72)【発明者】
【氏名】園田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】鷹巣 孝之
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特許第7455443(JP,B2)
【文献】特開2023-105406(JP,A)
【文献】特開2024-029853(JP,A)
【文献】特開2023-133897(JP,A)
【文献】特開2023-133891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知機能に係る能力の度合いを測定する複数のゲームを実行するゲーム実行部と、
前記測定に係る測定対象がプレイした前記ゲームの成績に基づいて、前記測定対象に係る前記度合いを測定する測定部と、
前記測定対象、前記ゲームの成績、及び前記測定の結果である測定結果を関連付けた結果データを管理する結果管理部と、
前記結果データの閲覧を希望する者である閲覧希望者を特定する閲覧希望者特定部と、
前記結果データのうち少なくとも一部の表示を指令するデータ表示指令部と、
を備え、
前記データ表示指令部は、
前記閲覧希望者が前記測定対象本人であると特定された場合に、前記ゲームの成績を含み、前記測定結果を含まない画面である第1画面の表示を指令し、
前記閲覧希望者が前記測定対象の関係者であると特定された場合に、前記測定結果を少なくとも含む画面である第2画面の表示を指令
前記ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた大規模言語モデルに、前記ゲームのプレイ状況を入力し、前記第1助言を生成させる第1助言生成部と、
前記ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた大規模言語モデルに、前記ゲームのプレイ状況を入力し、前記第2助言を生成させる第2助言生成部と、
をさらに備え、
前記データ表示指令部は、
前記閲覧希望者が前記測定対象本人であると特定された場合に、前記第1助言をさらに含む第1画面の表示を指令し、
前記閲覧希望者が前記測定対象の関係者であると特定された場合に、前記第2助言をさらに含む第2画面の表示を指令する、
認知機能に係るゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム実行部は、通信ネットワークを介して接続された端末からプレイするゲームを実行する、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記データ表示指令部は、前記ゲームの成績として、少なくとも、前記ゲームにおいて前記測定対象が獲得した得点及び前記得点に係る測定対象内での順位の表示を指令する、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
コンピュータに、
認知機能に係る能力の度合いを測定する複数のゲームを実行するゲーム実行ステップと、
前記測定に係る測定対象がプレイした前記ゲームの成績に基づいて、前記測定対象に係る前記度合いを測定する測定ステップと、
前記測定対象、前記ゲームの成績、及び前記測定の結果である測定結果を関連付けた結果データを管理する結果管理ステップと、
前記結果データの閲覧を希望する者である閲覧希望者を特定する閲覧希望者特定ステップと、
前記結果データのうち少なくとも一部の表示を指令するデータ表示指令ステップと、
を実行させ、
前記データ表示指令ステップは、
前記閲覧希望者が前記測定対象本人であると特定された場合に、前記ゲームの成績を含み、前記測定結果を含まない画面である第1画面の表示を指令する手順と、
前記閲覧希望者が前記測定対象の関係者であると特定された場合に、前記測定結果を少なくとも含む画面である第2画面の表示を指令する手順と、
を含
前記ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた大規模言語モデルに、前記ゲームのプレイ状況を入力し、前記第1助言を生成させる第1助言生成ステップと、
前記ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた大規模言語モデルに、前記ゲームのプレイ状況を入力し、前記第2助言を生成させる第2助言生成ステップと、
を実行させ、
前記データ表示指令部は、
前記閲覧希望者が前記測定対象本人であると特定された場合に、前記第1助言をさらに含む第1画面の表示を指令する手順と、
前記閲覧希望者が前記測定対象の関係者であると特定された場合に、前記第2助言をさらに含む第2画面の表示を指令手順と、
実行させる、
認知機能に係るゲームのプログラム。
【請求項5】
請求項2に記載のゲーム装置と、
前記ゲーム装置と通信ネットワークを介して接続される複数の端末と、
を含んで構成され、
前記ゲーム実行部は、前記複数の端末に係る測定対象それぞれが、他の測定対象との協力及び対戦のうち、少なくとも何れか一方を行うゲームを実行し、
前記測定部は、前記端末から受信された前記ゲームの成績に基づいて、前記測定対象に係る前記度合いを測定し、
前記データ表示指令部は、前記第1画面及び前記第2画面の表示を、前記端末に指令する、
認知機能に係るゲームのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知機能に係るゲーム装置、プログラム及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢者において、加齢に伴う認知機能の低下が課題としてある。認知機能の低下に対応するためには、認知機能を測定し、測定結果に応じた適切な処置を行うことが重要である。しかしながら、認知機能が低下したことを測定対象に告げることは、当人の尊厳、アイデンティティ等を傷つけ得る。さらに、そのように告げることは、測定対象にストレスを与え、かえって測定対象の認知機能を低下させてしまうことも懸念される。加えて、認知機能が低下したと診断され得るとの重圧から、測定対象が測定を忌避することも懸念される。そのため、測定対象に気づかせずに認知機能を測定する手段が求められている。
【0003】
従来技術等における測定対象に気づかせずに認知機能を測定する手段に関し、特許文献1は、テスト対象の第1のユーザに関連するイベントを知り得る第2のユーザに関連するイベントをデータベースに登録する登録部と、登録された前記イベントに基づいて前記第1のユーザに対する第1の質問を生成し、前記第1のユーザに対して前記第1の質問を実施するための処理を行う質問処理部と、前記第1の質問に対する前記第1のユーザの回答と、前記第1の質問に対する回答として前記第2のユーザが期待する回答とを照合することによって認知機能障害の度合いを表す数値を判定する予兆判定処理部と、を具備するテスト装置を開示している。
【0004】
特許文献1の技術は、対話型インタフェース等において、ユーザに認知機能障害テストと感じさせないような自然なやりとりがされつつも、認知機能障害テストに類するテストを実施し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-068204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、認知機能は、日々変化し得る。そのため、認知機能の測定においては、継続的な測定が求められる。一方、特許文献1の技術は、データベースに登録された、限られた数のイベントに関する自然なやりとりを通じて認知機能障害テストに類するテストを実施し得るに留まる。そのため、当該技術により継続的な測定を行おうとすると、話題となるイベントが尽きて繰り返しとなり、測定対象が飽きてしまうことが懸念される。よって、特許文献1の技術は、継続的な測定における測定対象の意欲を維持する点において、さらなる改良の余地がある。
【0007】
本発明の課題は、測定対象に認知機能の測定であると気づかせず、かつ、測定対象の意欲を長期に渡って維持し得る認知機能の測定手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ゲームを通じて認知機能を測定した上で、測定対象にはゲームの結果のみを通知し、測定対象の関係者には認知機能の測定結果を通知すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明は、認知機能に係る能力の度合いを測定する複数のゲームを実行するゲーム実行部と、前記測定に係る測定対象がプレイした前記ゲームの成績に基づいて、前記測定対象に係る前記度合いを測定する測定部と、前記測定対象、前記ゲームの成績、及び前記測定の結果である測定結果を関連付けた結果データを管理する結果管理部と、前記結果データの閲覧を希望する者である閲覧希望者を特定する閲覧希望者特定部と、前記結果データのうち少なくとも一部の表示を指令するデータ表示指令部と、を備え、前記データ表示指令部は、前記閲覧希望者が前記測定対象本人であると特定された場合に、前記ゲームの成績を含み、前記測定結果を含まない画面である第1画面の表示を指令し、前記閲覧希望者が前記測定対象の関係者であると特定された場合に、前記測定結果を少なくとも含む画面である第2画面の表示を指令する、認知機能に係るゲーム装置を提供する。
【0010】
本発明は、ゲーム実行部により、認知機能に係る能力の度合いを測定する。ゲームは、通常、認知機能を測定するものではないため、測定対象に認知機能の測定であると気づかせないようにできる。また、ゲームは、話題が限定された対話等と異なり、長期に渡って楽しめるものであるため、測定対象の意欲を長期に渡って維持し得る。
【0011】
上述のようにゲームを通じて認知機能に係る能力の度合いの測定結果を得た後に、本発明は、結果管理部により管理された結果データのうち、ゲームの成績を含み、測定結果を含まないデータを測定対象に向けて表示する。これにより、測定対象は、認知機能が測定されていることに気づいてしまうことなく、ゲームの成績を改善するとの意欲を得ることができる。
【0012】
また、本発明は、結果データのうち、認知機能に係る能力の度合いの測定結果を含むデータを、測定対象の関係者に向けて表示する。本発明は、測定対象であるか関係者であるかの特定結果に基づいて測定結果を表示するか否かを切り替える。そのため、関係者は、測定対象に対してゲームの結果を見ているように装いながら、測定結果を確認できる。これにより、本発明は、ゲームを通じて認知機能が測定されていることを測定対象に気づかせることなく、その測定結果を必要としている家族等の関係者に、測定結果を知らせることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上より、本発明は、測定対象に認知機能の測定であると気づかせず、かつ、測定対象の意欲を長期に渡って維持し得る認知機能の測定手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、利用者リスト121の一例である。
図3図3は、結果データベース122の一例である。
図4図4は、本実施形態のゲーム装置1で実行される測定処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図5図5は、前図から続くフローチャートである。
図6図6は、前図から続くフローチャートである。
図7図7は、ゲーム画面V0の一例である。
図8図8は、第1画面V1の一例である。
図9図9は、第2画面V2の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず初めに、以下の開示、図表、及び/又は請求項等が、単独であるか、又は1つ以上の他の側面との組合せとして記述されていると説明されているものの、即時開示の主題はそのように限定されることを意図していない。つまり、即時開示、図表、及び請求項は、ここで記載されている様々な側面を、それぞれ単独であるか、又はお互いと1つ以上の組合せで包含することを意図する。例えば、即時開示が第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態を、第1実施形態が特に第2実施形態に関連して記述及び図示されるか、第2実施形態が第3実施形態に関連してのみ記述及び図示されるような方法で記述及び図示する場合でも、即時開示と図示はそのように限定されるものではなく、第1実施形態のみ、第2実施形態のみ、第3実施形態のみ、又は第1、第2及び/又は第3実施形態の1つ以上の組み合わせ、例えば第1実施形態と第2実施形態、第1実施形態と第3実施形態、第2実施形態と第3実施形態、又は第1、第2、及び第3実施形態が含まれることがある。
【0016】
本文中でのフレーズ「又は」の使用は、明示的に指定されていない限り、「排他的ではない」取決めを意味するものとする。例えば、「項目xがA又はBである」と言う場合、次のいずれかを意味するものとする:(1)項目xがA又はBのどちらか一方のみである、(2)項目xがAとBの両方である。言い換えれば、単語「又は」は、「排他的」な取決めを定義するために使用されない。
【0017】
また、本文中で用いられるフレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、システム又は要素と組み合わせて使用される場合、そのシステム又は要素がフレーズの後に列挙された要素の1つ以上を含むことを意味する。例えば、要素が第1要素から第3要素の3種類である場合、フレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、次のような構造的配置のいずれかとして解釈する:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0018】
本文中で「以下の少なくとも1つで使用されている」というフレーズが使用される場合も同様の解釈が意図されている。さらに、本文中で使用される「及び/又は」は、言語的な接続詞として用いられ、記載された要素や条件の1つ以上が含まれるか発生することを示すために使用されている。例えば、第1要素、第2要素、及び/又は第3要素を含むデバイスは、次の構造的配置のいずれかとして解釈される:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0019】
なお、本文中でのフレーズ「及び/又は」の使用が「排他的ではない」取決めを意味することは、日本産業規格(JIS)の「規格票の様式及び作成方法 JIS Z 8301」にも規定されている。
【0020】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0021】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。システムSは、認知機能に係る能力の度合いを測定するゲーム装置1を含んで構成される。ゲーム装置1は、上述の測定に係る測定対象が利用する測定対象端末(第1測定対象端末T1、第2測定対象端末T2等)とネットワークNを介して通信するよう構成される。また、ゲーム装置1は、上述の測定に係る測定対象の関係者が、測定結果を確認するために用いる関係者端末T3とネットワークNを介して通信するよう構成される。
【0022】
〔ゲーム装置1〕
コンピュータであるゲーム装置1は、制御部11、記憶部12及び通信部13を備える。ゲーム装置1の種類は、特に限定されない。当該種類は、例えば、各種のサーバ装置、クラウドサーバ等でよい。ゲーム装置1は、ゲームの成績、測定結果等が含まれる結果データが格納されるデータベースと一体に構成されてもよく、別体に構成されてもよい。
【0023】
[制御部11]
制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0024】
制御部11は、必要に応じて、記憶部12及び通信部13のうち、少なくとも何れか一方と協働する。そして、制御部11は、ゲーム装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、ゲーム実行部111、測定部112、結果管理部113、閲覧希望者特定部114、データ表示指令部115、第1助言生成部116、第2助言生成部117等を実現する。
【0025】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。記憶部12には、マイクロコンピュータで実行されるプログラム、利用者リスト121、結果データベース122等が格納されている。
【0026】
(利用者リスト121)
利用者リスト121には、利用者を識別する情報(アカウント名等)と、当該利用者に係るニックネーム、認証情報、測定対象であるか関係者であるかを特定する情報、関係者一覧等が関連付けられて格納される。認証情報は、特に限定されず、例えば、パスワード、パスワードのハッシュ値、外部の認証システムにおけるアカウント名等の従来公知のものでよい。
【0027】
図2は、利用者リスト121の一例である。当該例には、アカウント名「@USR01」「@USR02」「@USR03」等により識別される利用者に係る利用者情報が格納されている。
【0028】
アカウント名「@USR01」に関し、当該例には、当該アカウントに係る認証情報と、当該アカウントに係る測定対象の関係者として、測定対象の子である「@FAM01」、測定対象の子の配偶者である「@FAM02」、測定対象の担当医である「@DOC01」、測定対象のケースワーカーである「@CAS01」等を含む利用者情報が格納されている。
【0029】
また、アカウント名「@USR02」に関し、当該例には、当該アカウントに係る認証情報と、当該アカウントに係る測定対象の関係者として、測定対象の担当医である「@DOC01」、測定対象のケースワーカーである「@CAS02」等を含む利用者情報が格納されている。
【0030】
さらに、アカウント名「@USR03」に関し、当該例には、当該アカウントに係る認証情報と、当該アカウントに係る測定対象の関係者として、測定対象の子である「@FAM03」、測定対象の担当医である「@DOC01」、測定対象のケースワーカーである「@CAS01」等を含む利用者情報が格納されている。
【0031】
また、当該例には、関係者に係る同様の利用者情報が格納されている(図示せず)。これにより、ゲーム装置1は、利用者リスト121に格納された利用者情報等を用いてログイン処理を行い、測定対象に係る測定結果を適切な関係者の端末にのみ表示させることができる。
【0032】
(結果データベース122)
結果データベース122には、測定対象、測定対象に係るゲームの成績、及び測定対象に係る測定の結果である測定結果を関連付けた結果データが格納される。ゲームの成績は、ゲームの種類、プレイ日時、スコア、プレイ状況、順位等を含む。測定結果は、認知機能に係る能力の度合いを示す指標等を含む。また、ゲーム及び認知機能に係る助言を提供すべく、結果データは、ゲームの上達に係る助言であるゲーム関連助言(第1助言)、認知機能の改善に係る助言である認知機能関連助言(第2助言)をさらに含むことが好ましい。
【0033】
図3は、結果データベース122の一例である。当該例には、アカウント名「@USR01」と、ゲームの種類「だるま落とし」であるゲームに係るプレイ日時「YYYY/MM/DD HH:mm」、スコア「32」、リプレイデータ1.datの態様のプレイ状況、認知能力(反射能力)「A」、第1助言「同じ色が続くところは・・・」、第2助言「だるま落としのスコアは・・・」等のゲームの成績及び測定結果が関連付けられた結果データが格納されている。また、当該例には、ゲームの種類「玉入れ」「もぐらたたき」「シューティング」「だるま落とし」「太鼓演武」等についても、同様のゲームの成績及び測定結果が格納されている。
【0034】
これにより、ゲーム装置1は、ゲームの成績に基づいて測定結果、第1助言、第2助言等を生成し、結果データベース122に格納し、測定対象又は関係者の要望に応じて提供することができる。
【0035】
(大規模言語モデル)
記憶部12には、ゲームのプレイ状況その他のプロンプトが入力されたときに、ゲームのプレイ又は認知機能の改善に係る各種助言を生成するよう事前学習が行われた大規模言語モデルが格納されることが好ましい。大規模言語モデルは、自然言語処理において用いられる確率モデルの一種であり、与えられた単語・文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測するためのモデルである。
【0036】
当該大規模言語モデルは、少なくとも500GB以上の大量のテキストで学習が行われ、少なくとも100億以上の多数のパラメータを有するモデルであることが好ましい。このようなモデルとして、例えば、OpenAI(登録商標)のGPT-3.5、GPT-4、Meta AI(登録商標)のLLaMa等が挙げられる。大量のテキストで学習が行われること及び多数のパラメータを有することにより、当該大規模言語モデルは、自然な表現を有する助言の生成に利用できる。
【0037】
記憶部12に格納される大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた言語モデルであることが好ましい。これにより、当該大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況その他のプロンプトが入力されたときに、ゲームの上達を促す点で適切な第1助言を生成できる。
【0038】
また、記憶部12に格納される大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた言語モデルであることが好ましい。これにより、当該大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況その他のプロンプトが入力されたときに、認知機能の改善を促す点で適切な第2助言を生成できる。
【0039】
ここで言う「プレイ状況」は、本実施形態のゲーム装置1に係るゲームをプレイした結果データである。結果データは、例えば、ボタンを押す反射速度、どういった場合に間違うか等を示すデータを含む。プレイ状況は、例えば、結果データベース122等に蓄積される。そして、本実施形態のゲーム装置1は、大規模言語モデルによりプレイ状況を分析し、ゲームのプレイヤー(測定対象)への表示、測定対象を見守る者(見守り人)等の関係者への表示、認知機能に係る研究等での活用を可能とする。
【0040】
[通信部13]
通信部13は、ゲーム装置1をネットワークNに接続して通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード、無線LANに対応した通信機器等が挙げられる。
【0041】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、ゲーム装置1等を通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0042】
〔測定対象端末〕
第1測定対象端末T1、第2測定対象端末T2等の測定対象端末は、認知機能に係る能力の度合いを測定される測定対象により利用される。測定対象端末は、ログイン処理、ゲーム装置1から提供された指令・プログラム等に基づいてゲームを実行し、ゲームの結果等をゲーム装置1に提供する処理、ゲームの結果に係る第1画面を表示する処理等を実行する。
【0043】
測定対象端末の種類は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の携帯端末、デスクトップパソコン等の据置端末等である。直観的な操作を可能とすべく、測定対象端末の種類は、なかでも、スマートフォン、タブレット端末等によって例示される、タッチパネルディスプレイを備えた端末であることが好ましい。なかでも、測定対象端末の種類は、タブレット端末等によって例示される、スマートフォンより大型の端末であることが好ましい。これにより、大きな画面を用いた直観的な操作が可能となる。
【0044】
測定対象端末の数は、特に限定されない。当該数は、1以上の任意の数でよい。複数の測定対象が同じゲームを同時にプレイする場合、当該ゲームに係る測定対象端末の数は、2から8の範囲内であることが好ましい。このとき、当該ゲームに係る測定対象端末の数は、2から4の範囲内であることがよりいっそう好ましい。これにより、複数人プレイを実現することと、タブレット端末等の限られた表示スペースにゲームの参加者全てに係る状況を表示することとが両立される。
【0045】
〔関係者端末T3〕
関係者端末T3は、上述の測定対象の関係者により利用される。関係者端末T3は、ログイン処理、ゲーム装置1から提供された第2画面を表示する処理等を実行する。関係者端末T3の種類は、例えば、タブレット端末、ノートパソコン等の携帯端末、デスクトップパソコン等の据置端末等である。関係者端末T3の数は、特に限定されない。
【0046】
〔測定処理のメインフローチャート〕
図4は、本実施形態のゲーム装置1で実行される測定処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図5は、前図から続くフローチャートである。図6は、前図から続くフローチャートである。以下は、図4から図6を用いた、本実施形態のゲーム装置1で実行される測定処理の好ましい流れの一例である。
【0047】
利用者が測定対象本人であるか関係者であるか等の判別を容易にすべく、測定処理は、利用者を特定する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS1からステップS2は、当該処理の一例である。
【0048】
[ステップS1:ログイン処理を行うか判別]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、利用者を認証するログイン処理を行うか判別する処理を実行する(ログイン判別ステップ)。行うと判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。行うと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0049】
ログイン判別ステップにおいて、ログイン処理を行うか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、ログインを行いたいとの要請を端末から受信した場合に、ログイン処理を行うと判別する手順を含む。
【0050】
[ステップS2:ログイン処理]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、利用者を認証するログイン処理を実行する(ログイン処理ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。ログイン処理は、例えば、端末から受信したアカウント名及びパスワードを照合する処理、外部の認証サーバに認証を指令し、認証結果を受信する処理等の従来公知の手順でよい。
【0051】
[ステップS3:ゲームを実行するか判別]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、ゲーム実行部111を実行する。そして、制御部11は、ゲーム実行部111により、ゲームを実行するか判別する処理を実行する(ゲーム実行判別ステップ)。実行すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS4に移す。実行すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0052】
ゲーム実行判別ステップにおいて、ゲームを実行するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、ゲームを実行したいとの要請を端末から受信した場合に、ゲームを実行すると判別する手順を含む。当該要請は、実行したいゲームの種類を含むことが好ましい。
【0053】
[ステップS4:ゲームを実行]
制御部11は、ゲーム実行部111により、ゲームを実行する処理を実行する(ゲーム実行ステップ)。ゲームの終了後、制御部11は、処理をステップS5に移す。ゲーム実行ステップは、ゲームを実行するプログラムを実行させる手順を含む。
【0054】
当該プログラムは、例えば、ゲーム装置1で実行され、各端末から測定対象からの入力を取得し、各端末に実行結果の表示を指令するプログラムでよい。また、当該プログラムは、各端末で実行されるプログラムでよい。当該プログラムは、ゲーム装置1で実行されるプログラムと、当該プログラムと協働するよう構成され、各端末で実行されるプログラムとの組合せでもよい。各端末で実行されるプログラムは、例えば、端末上で実行中のウェブブラウザにプログラムを実行させることでゲームを実行させる、いわゆるブラウザゲームとしてゲームを実現するものでよい。
【0055】
ゲーム実行ステップにおいて、ゲーム実行部111は、ネットワークN等の通信ネットワークを介して接続された端末からプレイするゲームを実行することが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、スマートフォン等の汎用の端末に、ゲームのプレイ及び認知機能測定を行わせることができる。
【0056】
(ゲームについて)
ゲーム実行ステップにおいて実行されるゲームは、認知機能に係る能力の度合いを測定するゲームであれば、特に限定されない。ゲーム実行ステップは、上述の要件を満たす複数のゲームから測定対象により選択された1のゲームを実行する。認知機能又は視力が低下している者であってもプレイできるようにすべく、当該ゲームは、色等が異なる複数の押しボタン様のユーザインタフェースを介してプレイされるゲームであることが好ましい。当該ユーザインタフェースは、例えば、赤緑青黄に塗り分けられた4つの大きな押しボタン様で画面に表示されたユーザインタフェースである。
【0057】
ゲームの種類は、例えば、太鼓演武、玉入れゲーム、だるま落としゲーム、もぐらたたきゲーム、シューティングゲーム等である。また、ゲームの種類は、上述の各種ゲームをプレイする人数、複数人での協力プレイであるか否か、複数人での対戦プレイであるか否か、複数人のグループ間で対戦するチーム対戦プレイであるか否かの指定をさらに含むことが好ましい。1人でプレイされるゲームは、測定対象端末(例えば、第1測定対象端末T1又は第2測定対象端末T2)において実行されてもよく、関係者端末T3において実行されてもよい。複数人でプレイされるゲームは、任意の数の測定対象端末(例えば、第1測定対象端末T1及び第2測定対象端末T2)において実行されてもよく、任意の数の測定対象端末(例えば、第1測定対象端末T1又は第2測定対象端末T2)と任意の数の関係者端末T3とにおいて実行されてもよく、任意の数の関係者端末T3において実行されてもよい。
【0058】
玉入れゲームは、画面上に表示された指示に対応するボタンを押すことで、操作キャラクターに玉入れを行わせるゲームである。当該ゲームは、指示を素早く理解し、指示通りのボタンを押すよう素早く判断して手指を動かす認知機能(判断力等)の測定に役立つ。
【0059】
だるま落としゲームは、画面上に表示された一連の指示に沿った順番でボタンを押すことで、操作キャラクターにだるま落としを行わせるゲームである。このとき、間違ったボタンが押されると、得点が減点される。当該ゲームは、一連の指示を理解及び記憶し、記憶した通りの順番で正確にボタンを押すよう手指を動かす認知機能(記憶力等)の測定に役立つ。
【0060】
もぐら叩きゲームは、画面上に表示された指示に対応するボタンを素早く押すことで、操作キャラクターにもぐら叩きを行わせるゲームである。当該ゲームは、指示を瞬時に理解し、指示通りのボタンを注意深く正確に、かつ、迅速に押すよう手指を動かす認知機能(注意力等)の測定に役立つ。
【0061】
シューティングゲームは2つのボタンを使用して、画像表示される自動的に弾を発射する操作キャラクターを左右に動かすゲームである。このゲームでは、弾が破壊目標に的中することによりスコアが加算される。よって、このゲームは、視た状況を瞬時に把握し、適切なボタンを押す認知機能(動体視力等)の測定に役立つ。また、シューティングゲームの難しいモードでは、弾が護衛対象に的中することによりスコアが減点される。これにより、当該ゲームは、動体視力等に加え、判断力、注意力等の総合的な測定に寄与する。
【0062】
太鼓演武ゲームは、移動する色付きの玉が画面上に表示された白線に重なり、線上で止まったタイミングで、当該色に対応するボタンを押すことで、太鼓を演奏するゲームである。一般的なリズムゲームと異なり、玉が線上で止まるため、測定対象は、ゆっくりボタンを選んで押すことができる。当該ゲームは、ボタンの色を理解し、タイミングよく手指を動かす認知機能(判断力等)の測定に役立つ。
【0063】
これらのゲームは、スコアによってプレイ結果を評価することにより、認知機能の測定であることを測定対象に意識させることなく、測定対象におけるゲームをプレイする動機を強化する。また、複数人での協力プレイ及び対戦プレイは、他の測定対象との交流により、測定対象におけるゲームをプレイする動機をさらにいっそう強化する。
【0064】
[ステップS5:認知機能に係る能力の度合いを測定]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、測定部112を実行する。そして、制御部11は、測定部112により、当該ゲームの成績に基づいて、当該測定対象に係る認知機能に係る能力の度合いを測定する処理を実行する(測定ステップ)。制御部11は、処理をステップS6に移す。測定ステップにおける測定は、例えば、ゲームの成績と認知機能に係る能力の度合いとを対応付ける所与のデータテーブルを参照して実現される。
【0065】
当該所与のデータテーブルは、事前に用意されたエビデンスに基づいて構成されていることが好ましい。当該エビデンスは、例えば、統計上有意な結果を得られるサンプル集団について算出された、従来技術の測定手段で測定された認知機能の測定結果と、ゲーム実行ステップにおいて実行されたゲームの成績との相関関係を含む。
【0066】
[ステップS6:ゲームの成績等を格納]
制御部11は、結果管理部113により、ゲーム実行ステップにおいて実行されたゲームの成績等を結果データベース122に格納する処理を実行する(成績等格納ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。成績格納ステップは、ゲームを実行した端末からゲームの成績を取得し、当該成績を結果データベース122に格納する手順を含むことが好ましい。
【0067】
成績格納ステップは、ログイン処理ステップにおいてログインを行った測定対象、当該測定対象に係るゲームの成績、及び当該測定対象に係る測定の結果である測定結果を関連付けた結果データを結果データベース122に格納する手順を含む。成績格納ステップは、測定対象、ゲームの成績、及び認知機能に係る能力の測定の結果である測定結果を関連付けた結果データを管理する結果管理ステップの一例である。
【0068】
また、成績格納ステップは、ゲームを実行した端末からプレイ状況を取得し、当該プレイ状況を結果データベース122に格納する手順を含むことが好ましい。プレイ状況は、例えば、ゲームの成績、ゲーム中で提示された一連の指示と一連の入力とを対応付けたデータ、又は、指示の提示から入力までの平均時間等によって例示される統計値等の1以上を含む。
【0069】
測定処理は、結果データの閲覧を希望する者である閲覧希望者を特定する閲覧希望者特定ステップと、結果データベース122に格納された結果データのうち少なくとも一部の表示を指令するデータ表示指令ステップを含む。ステップS8及びステップS12は、閲覧希望者特定ステップの一例である。ステップS11及びステップS15は、データ表示指令ステップの一例である。
【0070】
[ステップS7:結果データを表示するか判別]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、閲覧希望者特定部114を実行する。そして、制御部11は、閲覧希望者特定部114により、上述の結果データの少なくとも一部を表示するか判別する処理を実行する(表示判別ステップ)。表示すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS8に移す。表示すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS15の処理を繰り返す。
【0071】
表示判別ステップにおいて、表示するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、ゲームのスコアを表示したいとの要請又は測定された認知機能に係る能力を表示したいとの要請を端末から受信した場合に、表示すると判別する手順を含む。
【0072】
[ステップS8:閲覧希望者が測定対象本人であるか判別]
制御部11は、閲覧希望者特定部114により、結果データの少なくとも一部の表示を希望する者である閲覧希望者が測定対象本人であるか判別する処理を実行する(本人判別ステップ)。本人であると判別したならば、制御部11は、処理をステップS9に移す。本人であると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS12に移す。本人判別ステップにおける判別は、例えば、ログイン処理ステップにおいて測定対象本人がログインしていた場合に、閲覧希望者が測定対象本人であると判別する手順を含む。
【0073】
必須の態様ではないが、測定処理は、ゲームの上達に係る助言を大規模言語モデルに生成させる一連の処理を含むことが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、多様なプレイ状況に応じたゲームの上達に係る助言をプレイヤーに与えてよりいっそうゲームを楽しく遊べるようにできる。以下のステップS9からステップS10は、当該処理の一例である。
【0074】
[ステップS9:第1助言を生成するか判別]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、第1助言生成部116を実行する。そして、制御部11は、第1助言生成部116により、ゲームの上達に係る助言である第1助言(ゲーム関連助言)を生成するか判別する処理を実行する(第1助言生成判別ステップ)。生成すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS10に移す。生成すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0075】
第1助言生成判別ステップにおいて、生成するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、ゲームに関するアドバイスを受けたいとの要請を端末から受信した場合に、生成すると判別する手順を含む。
【0076】
[ステップS10:第1助言を生成]
制御部11は、第1助言生成部116により、上述のプレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言(ゲーム関連助言)を大規模言語モデルに生成させる処理を実行する(第1助言生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS11に移す。第1助言生成ステップは、大規模言語モデルに、ゲームのプレイ状況その他のプロンプトを入力し、第1助言(ゲーム関連助言)を生成させる。上述のプロンプトは、ゲームのプレイ状況に加えて、第1助言を生成させる指示を含んでいることが好ましい。
【0077】
上述の通り、当該大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた言語モデルである。これにより、当該大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況その他のプロンプトが入力されたときに、ゲームの上達を促す点で適切な第1助言を生成できる。
【0078】
[ステップS11:第1画面を表示]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、データ表示指令部115を実行する。そして、制御部11は、データ表示指令部115により、ゲームの成績を含み、認知機能に係る能力の度合いの測定結果を含まない画面である第1画面を表示する処理を実行する(第1画面表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS15の処理を繰り返す。
【0079】
第1画面表示ステップにおいて表示される第1画面の態様は、ゲームの成績を含み、認知機能に係る能力の度合いの測定結果を含まないものであれば、特に限定されない。当該態様は、例えば、従来公知のゲームにおける結果表示画面、ランキング表示画面等と同様でよい。
【0080】
なかでも、第1画面表示ステップにおいて表示される第1画面の態様は、ランキング表示画面と同様の態様を含むことが好ましい。すなわち、第1画面表示ステップにおいてデータ表示指令部115は、ゲームの成績として、少なくとも、ゲームにおいて測定対象が獲得した得点及び当該得点に係る測定対象内での順位の表示を指令することが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、得点及び順位によるモチベーションをプレイヤーに与え、よりいっそう楽しくゲームを遊べるようにできる。
【0081】
第1助言生成判別ステップにおいて第1助言が生成されている場合、第1画面表示ステップにおいて表示される第1画面は、第1助言をさらに含むことが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、多様なプレイ状況に応じたゲームの上達に係る助言をプレイヤーに与えてよりいっそうゲームを楽しく遊べるようにできる。なお、第1助言の表示に係る手順は、第1助言を含まない第1画面を介して第1助言の生成を指示された場合に、第1助言を生成し、ゲームの成績と共に第1助言を表示する第1画面を表示する手順でもよい。
【0082】
[ステップS12:閲覧希望者が関係者であるか判別]
制御部11は、閲覧希望者特定部114により、結果データの少なくとも一部の表示を希望する者である閲覧希望者が測定対象の関係者であるか判別する処理を実行する(関係者判別ステップ)。関係者であると判別したならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。本人であると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS15の処理を繰り返す。関係者判別ステップにおける判別は、例えば、ログイン処理ステップにおいてログインした者が結果データに係る測定対象の関係者として利用者リスト121に登録されていた場合に、閲覧希望者が測定対象の関係者であると判別する手順を含む。
【0083】
[ステップS13:第2助言を生成するか判別]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、第2助言生成部117を実行する。そして、制御部11は、第2助言生成部117により、上述のプレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言(認知機能関連助言)を生成するか判別する処理を実行する(第2助言生成判別ステップ)。生成すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。生成すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0084】
第2助言生成判別ステップにおいて、生成するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、認知機能の改善に関するアドバイスを受けたいとの要請を端末から受信した場合に、生成すると判別する手順を含む。
【0085】
[ステップS14:第2助言を生成]
制御部11は、第2助言生成部117により、上述のプレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言(認知機能関連助言)を大規模言語モデルに生成させる処理を実行する(第2助言生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS15に移す。第2助言生成ステップは、大規模言語モデルに、ゲームのプレイ状況その他のプロンプトを入力し、第2助言(認知機能関連助言)を生成させる。上述のプロンプトは、ゲームのプレイ状況に加えて、第2助言を生成させる指示を含んでいることが好ましい。第2助言生成ステップは、現在の認知機能の状態を含む第2助言を生成してもよい。
【0086】
上述の通り、当該大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況を説明変数として含み、当該プレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた言語モデルである。これにより、当該大規模言語モデルは、ゲームのプレイ状況その他のプロンプトが入力されたときに、認知機能の改善を促す点で適切な第2助言を生成できる。
【0087】
[ステップS15:第2画面を表示]
制御部11は、記憶部12、通信部13等と協働し、データ表示指令部115を実行する。そして、制御部11は、データ表示指令部115により、上述の測定結果を少なくとも含む画面である第2画面を表示する処理を実行する(第2画面表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS15の処理を繰り返す。
【0088】
第2画面表示ステップにおいて表示される第2画面の態様は、測定ステップにおいて測定された認知機能に係る能力の度合いを含むものであれば、特に限定されない。当該態様は、ゲームの成績を含んでもよい。
【0089】
第2助言生成判別ステップにおいて第2助言が生成されている場合、第2画面表示ステップにおいて表示される第2画面は、第2助言をさらに含むことが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、多様なプレイ状況に応じた認知機能の改善に係る助言を関係者に与え、測定対象の認知機能の改善に寄与できる。なお、第2助言の表示に係る手順は、第2助言を含まない第2画面を介して第2助言の生成を指示された場合に、第2助言を生成し、測定結果と共に第2助言を表示する第2画面を表示する手順でもよい。
【0090】
第1助言及び第2助言に係る一連の処理が共に行われることにより、ゲーム装置1は、多様なプレイ状況に応じたゲームの上達に係る助言をプレイヤーに与えてよりいっそうゲームを楽しく遊べるようにしつつ、プレイヤー自身に気づかせないよう、関係者のみに認知機能の改善に係る助言を与えることができる。
【0091】
[コミュニケーションステップ]
測定処理は、測定対象端末又は関係者端末T3にテキストメッセージを送信するコミュニケーションステップを含むことが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、測定対象及び関係者に係るコミュニケーション機能を実現する。当該コミュニケーションは、測定対象間でのコミュニケーション(例えば、測定対象端末T1と測定対象端末T2との間でのコミュニケーション)又は測定対象と関係者との間でのコミュニケーション(例えば、測定対象端末T1と関係者端末T3との間でのコミュニケーション)を含む。このとき、当該テキストメッセージは、測定対象端末から送信されたメッセージを含むことが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、測定対象にコミュニケーションをとらせ、その認知機能低下を抑制し得る。また、当該テキストメッセージは、関係者端末から測定対象端末に向けて送信されたメッセージを含むことが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、測定対象と関係者との間でコミュニケーションをとらせ、関係者が認知機能低下を早期に発見することを可能とする。加えて、当該テキストメッセージは、ゲーム装置1から測定対象端末に向けて送信されたメッセージを含むことが好ましい。当該メッセージは、例えば、認知機能の測定結果、ゲームのプレイ状況、第2助言と同様の助言等を含む。これにより、ゲーム装置1は、関係者が認知機能低下を早期に発見することを可能とする。
【0092】
[活動量測定ステップ]
測定処理は、測定対象端末が備えるセンサによって測定対象の活動量を測定する活動量測定ステップを含むことが好ましい。これにより、ゲーム装置1は、測定対象に係る活動量を測定し、測定対象端末又は関係者端末等から閲覧することを可能とする。活動量測定ステップにおいて測定される活動量は、例えば、慣性センサ等を用いて測定された歩数である。これにより、歩数計と連動した歩数計連動が実現される。活動量の測定結果は、測定値、他の測定対象を含めた中におけるランキング等の態様で表示される。活動量測定ステップにより、ゲーム装置1は、関係者が脳(認知機能)と体(活動量)の両方を見守れるよう支援できる。
【0093】
[ポイント付与ステップ]
測定処理は、ゲームをプレイした回数、上述の活動量等に応じて測定対象又は関係者にポイントを付与するポイント付与ステップを含むことが好ましい。ここで言う「ポイント」は、優良顧客に向け特典を提供するサービスであるいわゆるロイヤルティプログラムに係るロイヤルティポイントを指す。ポイントは、ゲーム装置1に係る各種のサービス/特典等と引き換え可能な価値を有する。また、ポイントは、法定通貨、企業通貨、又は仮想通貨等と引き換え可能な価値を有してもよい。ポイントが付与されることにより、ゲーム装置1は、測定対象におけるゲーム装置1の持続的な利用を促す。
【0094】
[測定処理の効果]
測定処理において、本実施形態のゲーム装置1は、ゲーム実行部111及び測定部112により、認知機能に係る能力の度合いを測定する(ステップS3からステップS6)。言うまでもなく、ゲームは、通常、認知機能を測定するものではない。そのため、本実施形態のゲーム装置1は、測定対象に認知機能の測定であると気づかせないように認知機能を測定できる。また、ゲームは、話題が限定された対話等と異なり、長期に渡って楽しめるものである。そのため、本実施形態のゲーム装置1は、測定対象の意欲を長期に渡って維持し得る。
【0095】
上述のようにゲームを通じて認知機能に係る能力の度合いの測定結果を得た後に、測定処理は、結果管理部113により管理された結果データのうち、ゲームの成績を含み、測定結果を含まないデータを測定対象に向けて表示する(ステップS8からステップS11)。これにより、測定対象は、認知機能が測定されていることを気づいてしまうことなく、ゲームの成績を改善するとの意欲を得ることができる。
【0096】
また、測定処理は、結果データのうち、認知機能に係る能力の度合いの測定結果を含むデータを、測定対象の関係者に向けて表示する(ステップS12からステップS15)。上述の通り、測定処理は、測定対象であるか関係者であるかの特定結果に基づいて測定結果を表示するか否かを切り替える。そのため、関係者は、測定対象に対してゲームの結果を見ているように装いながら、測定結果を確認できる。これにより、本実施形態のゲーム装置1は、ゲームを通じて認知機能が測定されていることを測定対象に気づかせることなく、その測定結果を必要としている家族等の関係者に、測定結果を知らせることができる。また、本実施形態のゲーム装置1は、関係者にのみ測定結果を知らせることにより、認知機能に係る能力の度合いの測定結果という、測定対象のプライバシーに関わる情報を保護できる。
【0097】
また、ゲーム実行部111は、通信ネットワークを介して接続された端末からプレイするゲームを実行するよう構成され得る(ステップS4)。当該構成において、測定処理は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の汎用の端末に、ゲームのプレイ及び認知機能測定を行わせることができる。
【0098】
加えて、データ表示指令部115は、ゲームの成績として、少なくとも、ゲームにおいて測定対象が獲得した得点及び当該得点に係る測定対象内での順位の表示を指令するよう構成され得る(ステップS11)。これにより、測定処理は、得点及び順位によるモチベーションをプレイヤーに与え、よりいっそう楽しくゲームを遊べるようにできる。
【0099】
さらに、測定処理は、大規模言語モデルによって生成された、上述のゲームに係る特定のプレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言及び当該プレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言を提供するよう構成され得る(ステップS9からステップS11及びステップS13からステップS15)。これにより、測定処理は、多様なプレイ状況に応じたゲームの上達に係る助言をプレイヤーに与えてよりいっそうゲームを楽しく遊べるようにしつつ、プレイヤー自身に気づかせないよう関係者のみに、多様なプレイ状況に応じた認知機能の改善に係る助言を与えることができる。
【0100】
測定処理を実行するハードウェア構成要素に関し、システムSは、ゲーム装置1及びゲーム装置1と通信ネットワーク(ネットワークN等)を介して接続される複数の端末(第1測定対象端末T1、第2測定対象端末T2等)を含んで構成され得る。
【0101】
このとき、測定処理において、ゲーム実行部111は、当該複数の端末に係る測定対象それぞれが、他の測定対象との協力及び対戦のうち、少なくとも何れか一方を行うゲームを実行できる(ステップS4)。このとき、測定部112は、当該端末から受信されたゲームの成績に基づいて、測定対象に係る前記度合いを測定する(ステップS5)。そして、データ表示指令部115は、上述の第1画面及び上述の第2画面の表示を、当該端末に指令する(ステップS7からステップS15)。
【0102】
これにより、測定処理は、複数人での協力プレイ及び対戦プレイを行うゲームを実行できる。よって、本実施形態のゲーム装置1は、他の測定対象との交流により、測定対象におけるゲームをプレイする動機をさらにいっそう強化できる。
【0103】
以上より、上述の測定処理を実行するゲーム装置1は、測定対象に認知機能の測定であると気づかせず、かつ、測定対象の意欲を長期に渡って維持し得る認知機能の測定手段を提供できる。
【0104】
<使用例>
以下は、本実施形態のゲーム装置1の使用例である。
【0105】
〔測定対象のログイン〕
ゲーム装置1により認知機能を測定される測定対象の一人である第1測定対象(プレイヤー1)は、第1測定対象端末T1を介してゲーム装置1にログインする。また、ゲーム装置1により認知機能を測定される測定対象の別の一人である第2測定対象(プレイヤー2)は、第2測定対象端末T2を介してゲーム装置1にログインする。ゲーム装置1は、それぞれのログイン処理を実行する。
【0106】
〔ゲームをプレイ〕
第1測定対象及び第2測定対象は、それぞれの端末を介してゲームをプレイするとの指令をゲーム装置1に送信する。ゲーム装置1は、当該指令を受信し、それぞれの端末にゲームを実行させる。第1測定対象及び第2測定対象は、それぞれの端末上で実行されたゲームをプレイする。
【0107】
図7は、ゲーム画面V0の一例である。当該例では、第1測定対象が利用する第1測定対象端末T1に、だるま落としゲームの画面であるゲーム画面V0が表示されている。当該画面には、第1測定対象であるプレイヤー1について、ゲームが終了するまでの残り時間「54」秒、現時点におけるゲームのスコア「2」、第1ボタンB1から第4ボタンB4までの4色のボタン、及び、この後に押すべき一連のボタンの色を示す目標画像O1が表示されている。目標画像O1により、第1測定対象は、第2ボタンB2、第2ボタンB2、第3ボタンB3、第2ボタンB2の順に押せば良いことがわかる。また、当該画面により、第1測定対象は、自らの残り時間及び正しい操作に伴って増加するスコアを把握し、ゲームをプレイする意欲を強化される。
【0108】
また、当該画面には、プレイヤー1の対戦相手であり、第2測定対象でもあるプレイヤー2について、ゲームが終了するまでの残り時間「54」秒、現時点におけるゲームのスコア「0」、及び、この後に押すべき一連のボタンの色を示す目標画像O2が表示されている。これにより、第1測定対象は、対戦相手のスコアを把握し、ゲームをプレイする意欲を強化される。
【0109】
ゲームが終了すると、第1測定対象端末T1及び第2測定対象端末T2は、プレイされたゲームに係る結果データ等をゲーム装置1に送信する。そして、ゲーム装置1は、測定対象を特定可能な態様で、送信された結果データを結果データベース122に格納する。一態様において、結果データは、同じ色が続くところで押し間違うことが多かったとのプレイ状況に係るデータを含む。
【0110】
〔結果を確認〕
第1測定対象は、第1測定対象端末T1を介してゲーム装置1にゲームの結果を表示するよう指令する。ゲーム装置1は、当該指令を受信し、指令を行った者が測定対象であると特定する。そして、ゲーム装置1は、ゲームの成績を含み、認知機能に係る能力の度合いの測定結果を含まない画面である第1画面V1を第1測定対象端末T1に表示させる。加えて、ゲーム装置1は、上述のゲームに係るプレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言を生成し、第1画面V1に表示させる。
【0111】
図8は、第1画面V1の一例である。当該例には、「だるま落としゲーム」の結果として、第1測定対象(プレイヤー1)を含む5人のプレイヤーの順位、名前、得点を関連付けたランキングリストが表示されている。このリストにより、プレイヤー1は、得点32点を獲得し、2位を得たことを把握できる。また、このリストにより、プレイヤー1は、対戦相手であったプレイヤー2が、得点30点を獲得し、3位を得たことを把握できる。さらに、このリストにより、プレイヤー1は、得点40点を獲得し、1位を得たプレイヤー3がいることを把握できる。
【0112】
これらの表示により、プレイヤー1は、対戦相手を上回ったという達成感を得て、ゲームをプレイする意欲を強化される。また、これらの表示により、プレイヤー1は、目標とすべきプレイヤー3がいることを知り、ゲームをプレイする意欲を強化される。
【0113】
また、図8に示された例には、上述のゲームに係るプレイ状況のプレイヤーにおける当該ゲームの上達に係る助言である第1助言が「アドバイス」と題されて表示されている。大規模言語モデルにより生成されたこの「アドバイス」は、「同じ色が続くところは押しまちがえやすいよ。押しまちがえるとスコアが下がるから、あわてずしっかりボタンを押していこう! 青と緑のような似た色にも気をつけてね。」との内容である。プレイヤー1は、当該助言により、ゲームの上達を目指すことができる。
【0114】
〔関係者のログイン〕
第1測定対象の関係者は、関係者端末T3を介してゲーム装置1にログインする。ゲーム装置1は、当該ログイン処理を実行する。
【0115】
〔結果を確認〕
関係者は、関係者端末T3を介してゲーム装置1にゲームの結果を表示するよう指令する。ゲーム装置1は、当該指令を受信し、指令を行った者が関係者であると特定する。そして、ゲーム装置1は、ゲームの成績を含み、認知機能に係る能力の度合いの測定結果を含む第2画面V2を関係者端末T3に表示させる。加えて、ゲーム装置1は、上述のゲームに係るプレイ状況のプレイヤーにおける認知機能の改善に係る助言である第2助言を生成し、第2画面V2に表示させる。
【0116】
図9は、第2画面V2の一例である。「プレイヤー1さんのご家族の方へ」と題された当該例には、ゲームの結果として、「だるま落としのスコアは32点、施設内で2位でした。」とのメッセージが表示されている。また、当該例には、認知機能に係る能力の度合いの測定結果として、「ゲームにより測定された反射能力スコアは「A」です。今月は高い水準の反射能力を維持しております。」とのメッセージが表示されている。
【0117】
これにより、第1測定対象の関係者は、第1測定対象本人に知らせることなく、第1測定対象に係る認知機能に係る能力の度合いの測定結果を把握できる。そして、関係者は、この測定結果に基づいて、第1測定対象の日々の生活をサポートできる。
【0118】
加えて、当該例には、上述のゲームに係るプレイ状況に関する第2助言として、「ただし、同色のボタンが続く箇所で押し間違えており数を数える能力が衰えてきている恐れもあります。普段の生活で数に触れる機会を増やすと良いかもしれません。次のゲームで遊ぶ機会を増やすのはいかがでしょうか。 ・もぐら叩き」とのメッセージが表示されている。
【0119】
これにより、第1測定対象の関係者は、第1測定対象本人に知らせることなく、第1測定対象が数に触れる機会をそれとなく増やし、また、もぐら叩きゲームを遊ばせて認知機能の改善を図ることができる。
【0120】
上述の一連の手順により、第1測定対象自身がゲームをプレイして認知機能を維持・改善することと、関係者が第1測定対象の認知機能の改善を含めた生活サポートを行うこととが実現される。そして、第1測定対象の生活の質(QoL)が改善される。
【0121】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
S システム
1 ゲーム装置
11 制御部
111 ゲーム実行部
112 測定部
113 結果管理部
114 閲覧希望者特定部
115 データ表示指令部
116 第1助言生成部
117 第2助言生成部
12 記憶部
121 利用者リスト
122 結果データベース
13 通信部
N ネットワーク
T1 第1測定対象端末
T2 第2測定対象端末
T3 関係者端末
V0 ゲーム画面
V1 第1画面
V2 第2画面
【要約】
【課題】測定対象に認知機能の測定であると気づかせず、かつ、測定対象の意欲を長期に渡って維持し得る認知機能の測定手段を提供する。
【解決手段】本発明の認知機能に係るゲーム装置1は、認知機能に係る能力の度合いを測定する複数のゲームを実行するゲーム実行部111と、測定に係る測定対象がプレイしたゲームの成績に基づいて、測定対象に係る度合いを測定する測定部112と、結果データを管理する結果管理部113と、閲覧希望者を特定する閲覧希望者特定部114と、結果データのうち少なくとも一部の表示を指令するデータ表示指令部115と、を備え、データ表示指令部115は、測定対象本人に、ゲームの成績を含み、測定結果を含まない画面である第1画面D1の表示を指令し、関係者に、測定結果を少なくとも含む画面である第2画面D2の表示を指令する。
【選択図】図1

図1
図2
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図8
図9