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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】データ読み書き装置及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/0045 20060101AFI20240910BHJP
   G11B 7/005 20060101ALI20240910BHJP
   G11B 7/125 20120101ALI20240910BHJP
【FI】
G11B7/0045 A
G11B7/005 A
G11B7/005 B
G11B7/125
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023513576
(86)(22)【出願日】2021-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2021093983
(87)【国際公開番号】W WO2022041855
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】202010901414.7
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ジィア
(72)【発明者】
【氏名】ゾォウ,ユィハオ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ジュン
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-093188(JP,A)
【文献】特開2001-184645(JP,A)
【文献】特開2002-367218(JP,A)
【文献】特開2007-272221(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0233329(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0151253(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0086005(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108899053(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/00 - 7/013
G11B 7/12 - 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号に基づいて第1の光パルスを出力するように構成された第1のレーザであって、前記制御信号は書き込まれるべきデータに基づいて得られる信号である、第1のレーザと;
第2の光パルスを出力するために前記第1の光パルスに分散補償を行うように構成された分散補償器と;

前記分散補償器に光ファイバを使用して接続され、前記書き込まれるべきデータを光記憶媒体に書き込むために前記第2の光パルスを前記光記憶媒体に集束するように構成された光ファイバレンズと;を有する、
データ読み書き装置。
【請求項2】
前記データ読み書き装置は、さらに:
第2のレーザ、光ファイバカプラ、及び検出器を有し、前記光ファイバカプラは、前記光ファイバを使用して、前記第2のレーザ、前記光ファイバレンズ、及び前記検出器に接続され;
前記第2のレーザは、第1の連続レーザ光を出力するように構成され;
前記光ファイバレンズはさらに:前記第1の連続レーザ光を受光し、前記第1の連続レーザ光を前記光記憶媒体に集束し、前記第1の連続レーザ光に基づいて前記光記憶媒体によって生成された第1の蛍光信号を受信するように構成され、前記第1の蛍光信号は読み取られるべきデータを示すために使用され;
前記検出器は、前記読み取られるべきデータを得るために、前記第1の蛍光信号の光強度を検出するように構成される、
請求項1に記載のデータ読み書き装置。
【請求項3】
前記第2のレーザ及び前記光ファイバカプラに光ファイバを使用して接続され、前記第1の蛍光信号が前記第2のレーザに伝達されることを防止するように構成されたアイソレータをさらに有する、
請求項2に記載のデータ読み書き装置。
【請求項4】
前記第1のレーザは、フェムト秒レーザ又はピコ秒レーザを含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【請求項5】
前記分散補償器はチャープ補償装置を含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【請求項6】
レーザ、光ファイバカプラ、光ファイバレンズ、及び検出器を有する、データ読み書き装置であって、前記光ファイバカプラは、前記レーザ、前記光ファイバレンズ、及び前記検出器に光ファイバを使用して接続され;
前記レーザは第1の連続レーザ光を出力するように構成され;
前記光ファイバレンズは:前記第1の連続レーザ光を受光し、前記第1の連続レーザ光を光記憶媒体に集束し、前記第1の連続レーザ光に基づいて前記光記憶媒体によって生成された第1の蛍光信号を受信するように構成され、前記第1の蛍光信号は読み取られるべきデータを示すために使用され;
前記検出器は、前記読み取られるべきデータを得るために、前記第1の蛍光信号の光強度を検出するように構成される、
データ読み書き装置。
【請求項7】
前記レーザ及び前記光ファイバカプラに光ファイバを使用して接続され、前記第1の蛍光信号が前記レーザに伝達されることを防止するように構成されたアイソレータをさらに有する、
請求項6に記載のデータ読み書き装置。
【請求項8】
前記検出器及び前記光ファイバカプラに別々に接続され、前記第1の蛍光信号を受信し、前記第1の蛍光信号をフィルタリングするように構成されたバンドパスフィルタをさらに有し、
前記検出器は、読み取られるべきデータを得るために、フィルタリングされた前記第1の蛍光信号の光強度を検出するように特別に構成される、
請求項2、6、又は7に記載のデータ読み書き装置。
【請求項9】
前記光ファイバレンズの位置を調整するために、前記光ファイバレンズを駆動して動かすように構成された圧電アクチュエータをさらに有し、前記光ファイバレンズの前記位置は前記光記憶媒体のデータ記録ポイントの位置に対応する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【請求項10】
前記光ファイバレンズは:勾配屈折率(GRIN)ファイバレンズ、メタマテリアルレンズ、又は光ファイバエンドボールレンズのいずれか1つを含む、
請求項2乃至8のいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【請求項11】
前記第1の連続レーザ光の波長範囲は400-500ナノメートルである、
請求項2、請求項3、請求項2又は3を引用する請求項4及び5、及び請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【請求項12】
前記第1の蛍光信号の波長は600ナノメートルから700ナノメートルの範囲である、
請求項2、請求項3、請求項2又は3を引用する請求項4及び5、及び請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【請求項13】
第1のレーザ、分散補償器、第1の光ファイバカプラ、N個の光スイッチ、Nチャネル光電コントローラ、及びN個の光ファイバレンズを有するデータ読み書き装置であって、前記第1の光ファイバカプラは、前記N個の光スイッチに光ファイバを使用して接続され、前記Nチャネル光電コントローラは前記N個の光スイッチに別々に接続され、前記N個の光スイッチは前記N個の光ファイバレンズに光ファイバを使用して接続され、Nは2以上の正の整数であり;
前記第1のレーザは第1の光パルスを出力するように構成され;
前記分散補償器は、第2の光パルスを出力するために、前記第1の光パルスに分散補償を実行するように構成され;
前記第1の光ファイバカプラは、光ファイバを使用して前記分散補償器に接続され、前記第2の光パルスをN個の光パルスのビームに分割するように構成され;
前記Nチャネル光電コントローラは、前記N個の光パルスのビームの光強度を調整するために、N個の制御信号に基づいて前記N個の光スイッチの状態を制御するように構成され、前記N個の制御信号は、書き込まれるべきデータのN個のピースに基づいてそれぞれ得られた信号であり、前記N個の光パルスのビームは、前記書き込まれるべきデータのN個のピースを示すために使用され;
前記N個の光ファイバレンズは、前記書き込まれるべきデータのN個のピースを光記憶媒体に書き込むために、前記N個の光パルスのビームを前記光記憶媒体に集束するように構成され、前記N個の光ファイバレンズは、前記N個の光パルスのビームと1対1で対応する、
データ読み書き装置。
【請求項14】
前記データ読み書き装置は、さらに、第2のレーザ、第2の光ファイバカプラ、N個の第3の光ファイバカプラ、及びNチャネル検出器を有し、前記N個の第3の光ファイバカプラは、前記第2の光ファイバカプラ、前記N個の光ファイバレンズ、及び前記Nチャネル検出器に光ファイバを使用して接続され;
前記第2のレーザは、第1の連続レーザ光を出力するように構成され;
前記第2の光ファイバカプラは、光ファイバを使用して前記第2のレーザに接続され、前記第1の連続レーザ光をN個の連続レーザ光のビームに分割するように構成され;
前記N個の光ファイバレンズはさらに:前記N個の連続レーザ光のビームを受光し、前記N個の連続レーザ光のビームを前記光記憶媒体に集束し、前記N個の連続レーザ光のビームに基づいて前記光記憶媒体によって生成されたN個の蛍光信号を受信するように構成され、前記N個の光ファイバレンズは前記N個の連続レーザ光のビームと1対1で対応し、前記N個の蛍光信号はそれぞれ読み取られるべきデータのN個のピースを示すために使用され;
前記Nチャネル検出器は、前記読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、前記N個の蛍光信号の光強度を個別に検出するように構成される、
請求項13に記載のデータ読み書き装置。
【請求項15】
第2のレーザ、第2の光ファイバカプラ、N個の第3の光ファイバカプラ、N個の光ファイバレンズ、及びNチャネル検出器を有するデータ読み書き装置であって、前記N個の第3の光ファイバカプラは、前記第2の光ファイバカプラ、前記N個の光ファイバレンズ、及び前記Nチャネル検出器に光ファイバを使用して接続され;
前記第2のレーザは、第1の連続レーザ光を出力するように構成され;
前記第2の光ファイバカプラは、前記第2のレーザに光ファイバを使用して接続され、前記第1の連続レーザ光をN個の連続レーザ光のビームに分割するように構成され;
前記N個の光ファイバレンズは:前記N個の連続レーザ光のビームを受光し、前記N個の連続レーザ光のビームを光記憶媒体に集束し、前記N個の連続レーザ光のビームに基づいて前記光記憶媒体によって生成されたN個の蛍光信号を受信するように構成され、前記N個の光ファイバレンズは、前記N個の連続レーザ光のビームと1対1で対応し、前記N個の蛍光信号はそれぞれ読み取られるべきデータのN個のピースを示すために使用され;
前記Nチャネル検出器は、前記読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、前記N個の蛍光信号の光強度を個別に検出するように構成される、
データ読み書き装置。
【請求項16】
前記第2のレーザと前記第2の光ファイバカプラに光ファイバを使用して接続され、前記N個の蛍光信号が前記第2のレーザに伝達されるのを防ぐように構成されたアイソレータをさらに有する、
請求項14又は15に記載のデータ読み書き装置。
【請求項17】
前記Nチャネル検出器及び前記N個の第3の光ファイバカプラに光ファイバを使用して接続され、前記N個の蛍光信号を受信し且つ前記N個の蛍光信号をフィルタリングするように構成されたN個のバンドパスフィルタをさらに有し、前記N個のバンドパスフィルタは前記N個の蛍光信号と一対一で対応し;
前記Nチャネル検出器は、読み取られるべきデータを得るために、フィルタリングされた前記N個の蛍光信号の光強度を個別に検出するように特別に構成される、
請求項14乃至16のいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【請求項18】
前記N個の光ファイバレンズの位置を調整するために、前記N個の光ファイバレンズを駆動して動かすように構成された圧電アクチュエータをさらに有し、前記N個の光ファイバレンズの位置は、それぞれ、前記光記憶媒体の異なるデータ記録ポイントの位置に対応する、
請求項13乃至17のいずれか1項に記載のデータ読み書き装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、データストレージ分野、特にデータ読み書き装置及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光ストレージ技術には、省エネルギーと長寿命という利点がある。光ストレージ技術を用いることで、データを光ディスクに書き込む又は光ディスクから読み取ることができる。
【0003】
現在では、データは、光学コンポーネント(反射鏡、対物レンズ、又はその他のコンポーネントを含む)を用いてレーザの光路を変えることで、書き込まれる又は読み取られる。光学コンポーネントは埃や湿度などの外的要因に比較的敏感であるため、光路の調整不良が発生しやすい。そのため、データの読み書き(data read/write)が影響を受け、データの読み書き性能の劣化につながる。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施形態は、データ読み書き装置と電子デバイスを提供し、その結果、データの読み書き性能を向上させることができる。
【0005】
上記の目的を達成するために、以下の技術的解決策が本出願の実施形態で用いられる。
【0006】
第1の態様によれば、本出願の実施形態は、データ読み書き装置を提供し:制御信号に基づいて第1の光パルスを出力するように構成された第1のレーザであって、制御信号は、書き込まれるべきデータに基づいて得られる信号である、第1のレーザと;第2の光パルスを出力するために第1の光パルスに分散補償を実行するように構成された分散補償器と;光ファイバを使用して分散補償器に接続され、書き込まれるべき(to-be-written)データを光記憶媒体に書き込むために、第2の光パルスを光記憶媒体に集束するように構成された光ファイバレンズと;を含む。
【0007】
本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置のコンポーネントは光ファイバコンポーネントであり、光ファイバコンポーネントは光ファイバを使用してカップリングによって接続される。光ファイバコンポーネントは、外部環境の影響を受けにくく、過酷な環境でも安定して動作するため、データ読み書き装置を使用してデータを読み書きすることは、データの読み書き性能を向上させることができる。さらに、上記コンポーネントは、光ファイバを使用して接続され、その結果、光路が高度に集積され、データ読み書き装置のサイズは、光学コンポーネントを使用して構築された従来のデータ読み書き装置のサイズよりも小さい。
【0008】
可能な実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに第2のレーザ、光ファイバカプラ、及び検出器を含む。光ファイバカプラは、光ファイバを使用して第2のレーザ、光ファイバレンズ、及び検出器に接続される。第2のレーザは、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。光ファイバレンズは、さらに:第1の連続レーザ光を受光し、第1の連続レーザ光を光記憶媒体に集束し、第1の連続レーザ光に基づいて光記憶媒体によって生成された第1の蛍光信号を受信するように構成され、第1の蛍光信号は、読み取られるべき(to-be-read)データを示すために使用される。検出器は、読み取られるべきデータを得るために、第1の蛍光信号の光強度を検出するように構成される。
【0009】
第1の連続レーザ光は、光記憶媒体に集束され、その結果、光記憶媒体の記録層内の炭素含有クラスタが、第1の蛍光信号が生成ように励起される。第1の蛍光信号は、光ファイバレンズに反射され、検出器に送信される。第1の蛍光信号の光強度は、読み取られるべきデータを取得するために、検出器を使用して検出される。次に、光ストレージシステム内の別のモジュールが、読み取られるべきデータに対して後続の信号処理及びデコード処理を実行する。
【0010】
オプションで、検出器は光電子増倍管(PMT)又はアバランシェフォトダイオード(APD)であり得る。
【0011】
可能な実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、光ファイバを使用して第2のレーザ及び光ファイバカプラに接続され、第1の蛍光信号が第2のレーザに送信されるのを防ぐように構成されたアイソレータを含む。
【0012】
データ読み取り処理では、光ファイバレンズを使用して収集された第1の蛍光信号が検出器に入る必要があり、第1の蛍光信号が第2のレーザに反射される場合、第2のレーザが損傷する可能性がある。アイソレータは、第1の蛍光信号が第2のレーザに入るのを防ぐために、第2のレーザの一方の端部に接続され、それによって第2のレーザの安全な動作を確実にする。
【0013】
可能な実装では、第1のレーザはフェムト秒レーザ又はピコ秒レーザを含む。フェムト秒レーザによって生成されるパルスレーザ光のパルス幅は、フェムト秒(10-15秒)スケールである。ピコ秒レーザによって生成されるパルスレーザ光のパルス幅は、ピコ秒(10-12秒)スケールである。
【0014】
可能な実装では、分散補償器はチャープ補償器を含む。チャープ補償器は、第1の光パルスに分散補償を行うための逆分散を提供するために、プリズム対又は格子対を使用して分散パラメータを調整し、それによって第2の光パルスを得る。
【0015】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、(第2の)レーザ、光ファイバカプラ、光ファイバレンズ、及び検出器を含むデータ読み書き装置を提供する。光ファイバカプラは、光ファイバを使用して第2のレーザ、光ファイバレンズ、及び検出器に接続される。第2のレーザは、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。光ファイバレンズは:第1の連続レーザ光を受光し、第1の連続レーザ光を光記憶媒体に集束し、第1の連続レーザ光に基づいて光記憶媒体によって生成された第1の蛍光信号を受信するように構成され、第1の蛍光信号は読み取られるべきデータを示すために使用される。検出器は、読み取られるべきデータを得るために、第1の蛍光信号の光強度を検出するように構成される。
【0016】
光記憶媒体に格納されたデータをどのように書き込むかは、本出願の本実施形態に限定されないことが留意されるべきである。
【0017】
第1の連続レーザ光は光記憶媒体に集束され、その結果、光記憶媒体の記録層の炭素含有クラスタが第1の蛍光信号を生成するように励起される。第1の蛍光信号は、光ファイバレンズに反射され、検出器に送信される。第1の蛍光信号の光強度は、読み取られるべきデータを取得するために、検出器を使用して検出される。次に、光ストレージシステム内の別のモジュールが、読み取られるべきデータに対して後続の信号処理及びデコード処理を実行する。
【0018】
オプションで、検出器は光電子増倍管(PMT)又はアバランシェフォトダイオード(APD)であり得る。
【0019】
本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置のコンポーネントは光ファイバコンポーネントであり、光ファイバコンポーネントは光ファイバを使用してカップリングにより接続される。光ファイバコンポーネントは外部環境の影響を受けにくく、過酷な環境でも安定して動作するため、データ読み書き装置を使用してデータを読み書きすることは、データの読み書き性能を向上させることができる。
【0020】
さらに、これらのコンポーネントは、光ファイバを使用して接続され、その結果、光路が高度に集積され、データ読み書き装置のサイズは、光学コンポーネントを使用して構築された従来のデータ読み書き装置のサイズよりも小さい。
【0021】
可能な実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、光ファイバを使用して第2のレーザ及び光ファイバカプラに接続され、第1の蛍光信号が第2のレーザに伝達されるのを防ぐように構成されたアイソレータを含む。
【0022】
データ読み取り処理では、光ファイバレンズを使用して収集された第1の蛍光信号が検出器に入る必要があり、第1の蛍光信号が第2のレーザに反射される場合、第2のレーザが損傷する可能性がある。アイソレータは、第1の蛍光信号が第2のレーザに入るのを防ぐために、第2のレーザの一方の端部に接続され、それによって第2のレーザの安全な動作を確実にする。
【0023】
第1の態様若しくは第1の態様の可能な実装、又は第2の態様若しくは第2の態様の可能な実装のいずれかに関連して、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、検出器と光ファイバカプラに別々に接続され、第1の蛍光信号を受信し、第1の蛍光信号をフィルタリングするように構成されたバンドパスフィルタを含む。検出器は、読み取られるべきデータを取得するために、フィルタリングされた第1の蛍光信号の光強度を検出するように特別に構成される。
【0024】
バンドパスフィルタのフィルタリング帯域は600-700nmである。波長が600-700nmの帯域外にある迷光及び反射光を、バンドパスフィルタを使用することによってフィルタ除去することができ、それによって第1の蛍光信号の信号対雑音比が増加し、その結果、検出器によって検出される読み取られるべきデータはより正確になる。
【0025】
第1の態様若しくは第1の態様の可能な実装、又は第2の態様若しくは第2の態様の可能な実装のいずれかに関連して、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、光ファイバレンズの位置を調整するために、光ファイバレンズを駆動して動かすように構成された圧電アクチュエータを含む。光ファイバレンズの位置は、光記憶媒体上のデータ記録ポイントの位置に対応する。光ファイバレンズの位置は、光記憶媒体上の異なるデータ記録ポイントでデータを読み取るために、光記憶媒体上で、光記憶媒体に集束された光スポットの位置を変更するよう圧電アクチュエータの入力電圧を調整することによって調整される。
【0026】
圧電アクチュエータは、3軸圧電アクチュエータである。具体的には、圧電アクチュエータは、3次元空間(例えば、x軸、y軸、及びz軸に沿って)で動くように光ファイバレンズを制御することができる。x軸及びy軸に沿って動く際、光ファイバレンズは、第2の光パルスを光記憶媒体の平面上の異なる位置に集束するように制御されることができる。z軸に沿って動く際、光ファイバレンズは、第2の光パルスを光記憶媒体の異なる記録層に集束するように制御されることができ、すなわち、光記憶媒体上の集束された光スポットの深さが、異なる記録層のデータを読み取るために、制御される。
【0027】
第1の態様若しくは第1の態様の可能な実装、又は第2の態様若しくは第2の態様の可能な実装のいずれかに関連して、光ファイバレンズは:GRINファイバレンズ、メタマテリアルレンズ、又は光ファイバエンドボールレンズのいずれか1つを含む。
【0028】
GRINファイバレンズについて、GRINファイバレンズの屈折率が連続的に変化し、したがって、GRINファイバレンズはセルフフォーカス(self-focusing(自己集束))機能を持ち、比較的良好な集束性能を持つ。加えて、GRINファイバレンズの端面は平面であるため、GRINファイバレンズは、その端面が平面である別の光学コンポーネントとの融合により容易に一体化することができる。これは、プローブの機械的強度及び安定性を向上させるのに役立つ。
【0029】
さらに、GRINファイバレンズの端子(光記憶媒体に隣接する端部)は、ミリメートルスケールに至り得る小さいサイズを有し、GRINファイバレンズは軽量であるため、GRINファイバレンズは、より高い周波数のサーボフィードバック信号をサポートすることができる。
【0030】
第1の態様若しくは第1の態様の可能な実装、又は第2の態様若しくは第2の態様の可能な実装のいずれかに関連して、第2のレーザによって出力される第1の連続レーザ光の波長範囲は400-500ナノメートルである。
【0031】
第1の態様若しくは第1の態様の可能な実装、又は第2の態様若しくは第2の態様の可能な実装のいずれかに関連して、第1の蛍光信号の波長範囲は600ナノメートルから700ナノメートルである。
【0032】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は、第1のレーザ、分散補償器、第1の光ファイバカプラ、N個の光スイッチ、Nチャネル光電コントローラ、及びN個の光ファイバレンズを含むデータ読み書き装置を提供する。第1の光ファイバカプラは、光ファイバを使用してN個の光スイッチに接続される。Nチャネル光電コントローラは、N個の光スイッチに個別に接続される。N個の光スイッチは、対応してN個の光ファイバレンズに光ファイバを使用して接続される。Nは2以上の正の整数である。第1のレーザは、第1の光パルスを出力するように構成される。分散補償器は、第2の光パルスを出力するために第1の光パルスに対して分散補償を実行するように構成される。第1の光ファイバカプラは、光ファイバを使用して分散補償器に接続され、第2の光パルスをN個の光パルスのビームに分割するように構成される。Nチャネル光電コントローラは、N個の光パルスのビームの光強度を調整するために、N個の制御信号に基づいてN個の光スイッチの状態を制御するように構成される。N個の制御信号は、書き込まれるべきデータのN個のピースに基づいてそれぞれ得られる信号である。N個の光パルスのビームは、書き込まれるべきデータのN個のピースを示すために使用される。N個の光ファイバレンズは、書き込まれるべきデータのN個のピースを光記憶媒体に書き込むために、光パルスのN個のビームを光記憶媒体に集束するように構成される。N個の光ファイバレンズは、N個の光パルスのビームと1対1で対応している。
【0033】
データ読み書き装置では、N個のデータを光記憶媒体から並列に読み取ることができ、それによって、データの読み取り効率を大幅に向上させる。
【0034】
可能な実装では、第1の光ファイバカプラは1×Nの光ファイバカプラであり、第1の光ファイバカプラはビームスプリッタとして使用される。書き込まれるべきデータがN個あるとき、第1の光ファイバカプラは第1の光パルスをN個の同一の光パルスに分割する。
【0035】
可能な実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに第2のレーザ、第2の光ファイバカプラ、N個の第3の光ファイバカプラ、及びNチャネル検出器を含む。N個の第3の光ファイバカプラは、光ファイバを使用して第2の光ファイバカプラ、N個の光ファイバレンズ、及びNチャネル検出器に接続される。第2のレーザは、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。第2の光ファイバカプラは、光ファイバを使用して第2のレーザに接続され、第1の連続レーザ光をN個の連続レーザ光のビームに分割するように構成される。N個の光ファイバレンズは、さらに:N個の連続レーザ光のビームを受け、N個の連続レーザ光のビームを光記憶媒体に集束し、N個の連続レーザ光のビームに基づいて光記憶媒体によって生成されたN個の蛍光信号を受信するように構成される。N個の光ファイバレンズは、N個の連続レーザ光のビームと1対1で対応している。N個の蛍光信号は、それぞれ読み取られるべきデータのN個のピースを示すために使用される。Nチャネル検出器は、読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、N個の蛍光信号の光強度を個別に検出するように構成される。
【0036】
第4の態様によれば、本出願の一実施形態は、第2のレーザ、第2の光ファイバカプラ、N個の第3の光ファイバカプラ、N個の光ファイバレンズ、及びNチャネル検出器を含むデータ読み書き装置を提供する。N個の第3の光ファイバカプラは、光ファイバを使用して第2の光ファイバカプラ、N個の光ファイバレンズ、及びNチャネル検出器に接続される。第2のレーザは、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。第2の光ファイバカプラは、光ファイバを使用して第2のレーザに接続され、第1の連続レーザ光をN個の連続レーザ光のビームに分割するように構成される。N個の光ファイバレンズは:N個の連続レーザ光のビームを受け、N個の連続レーザ光のビームを光記憶媒体に集束し、N個の連続レーザ光のビームに基づいて光記憶媒体によって生成されたN個の蛍光信号を受信するように構成される。N個の光ファイバレンズは、N個の連続レーザ光のビームと1対1で対応している。N個の蛍光信号は、それぞれ、読み取られるべきデータのN個のピースを示すために使用される。Nチャネル検出器は、読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、N個の蛍光信号の光強度を別々に検出するように構成される。
【0037】
本出願の実施形態で提供されるデータ読み書き装置では、光記憶媒体(透明な光ディスク)に格納されたデータのN個のピースを並列に読み取ることができ、それによってデータの読み取り効率が大幅に向上する。
【0038】
第3の態様若しくは第3の態様の可能な実装、又は第4の態様又は第4の態様の可能な実装のいずれかに関連して、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、光ファイバを使用して第2のレーザ及び第2の光ファイバカプラに接続され、N個の蛍光信号が第2のレーザに送信されることを防止するように構成されたアイソレータを含み、それによって、第2のレーザが蛍光信号によって損傷されないことを確実にする。
【0039】
第3の態様若しくは第3の態様の可能な実装、又は第4の態様若しくは第4の態様の可能な実装のいずれかに関連して、本出願の実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、光ファイバを使用してNチャネル検出器及びN個の第3の光ファイバカプラに接続され、N個の蛍光信号を受信し且つN個の蛍光信号をフィルタリングするように構成された、N個のバンドパスフィルタを含む。N個のバンドパスフィルタは、N個の蛍光信号と1対1で対応している。Nチャネル検出器は、読み取られるべきデータを取得するために、N個のフィルタリングされた蛍光信号の光強度を検出するように特別に構成される。N個のバンドパスフィルタは、それぞれ、N個の蛍光信号の迷光及び反射光をそれぞれフィルタ除去することができ、それによって、N個の蛍光信号の信号対雑音比を高め、読み取られるデータの精度を向上させる。
【0040】
第3の態様若しくは第3の態様の可能な実装、又は第4の態様若しくは第4の態様の実現可能な実装のいずれかに関連して、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、N個の光ファイバレンズの位置を調整するために、N個の光ファイバレンズを駆動して動かすように構成された圧電アクチュエータを含む。個の光ファイバレンズの位置は、それぞれ、光記憶媒体上の異なるデータ記録ポイントの位置に対応する。
【0041】
本出願の実施形態におけるデータ読み書き装置は、1つの圧電アクチュエータを含み、圧電アクチュエータは、同じ方向に沿って動かすようにN個の光ファイバレンズを同時に駆動することができる。オプションで、N個の光ファイバレンズは一緒に固定されてもよく、圧電アクチュエータは光ファイバレンズの1つの一方の側部に固定される。
【0042】
第5の態様によれば、本出願の一実施形態は電子デバイスを提供する。電子デバイスは、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる、光記憶媒体とデータ読み書き装置を含む。代替的には、電子デバイスは、第2の態様又は第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる、データ読み書き装置を含む。代替的には、電子デバイスは、第3の態様又は第3の態様の可能な実装のいずれか1つによる、データ読み書き装置を含む。代替的には、電子デバイスは、第4の態様又は第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる、データ読み書き装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本出願の一実施形態による光ストレージシステムのアーキテクチャの概略図である。
【0044】
図2】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第1の概略図である。
【0045】
図3】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第2の概略図である。
【0046】
図4】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第3の概略図である。
【0047】
図5】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第4の概略図である。
【0048】
図6】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第5の概略図である。
【0049】
図7】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第6の概略図である。
【0050】
図8】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第7の概略図である。
【0051】
図9】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第8の概略図である。
【0052】
図10】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第9の概略図である。
【0053】
図11】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第10の概略図である。
【0054】
図12】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第11の概略図である。
【0055】
図13】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構造の第12の概略図である。
【0056】
図14】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第13の概略図である。
【0057】
図15】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第14の概略図である。
【0058】
図16】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第15の概略図である。
【0059】
図17】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第16の概略図である。
【0060】
図18】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第17の概略図である。
【0061】
図19】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第18の概略図である。
【0062】
図20】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第19の概略図である。
【0063】
図21】本出願の一実施形態によるデータ読み書き装置の構成の第20の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本明細書の「及び/又は」という用語は、関連付けられたオブジェクト間の関連付け関係のみを記述し、3つの関係が存在する可能性があることを表す。例えば、A及び/又はBは、次の3つのケースを表し得る:Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、及びBのみが存在する。
【0065】
明細書及び本出願の実施形態における請求項では、「第1の」、「第2の」などの用語は、異なるオブジェクトの間を区別することを意図しているが、オブジェクトの特定の順序を示すものではない。例えば、第1の光パルス、第2の光パルスなどは、異なる光パルスの間を区別することを意図しているが、光パルスの特定の順序を記述することを意図していない。第1のレーザ、第2のレーザなどは、異なるレーザの間を区別することを意図しているが、レーザの特定の順序を記述することを意図していない。
【0066】
本出願の実施形態では、「例」又は「例えば」という表現は、例、図、又は説明を与えることを表すために使用される。本出願の実施形態で「例」又は「例えば」という表現によって記述されるいかなる実施形態又は設計スキームも、別の実施形態又は設計スキームよりも好ましい又はより多くの利点を持つとして説明されるべきではない。正確には、「例」又は「例えば」などの表現の使用は、特定の方法で相対的な概念を提示することを意図している。
【0067】
本出願の実施形態の説明において、特に断りのない限り、「複数の」は2つ以上を意味する。例えば、複数の処理ユニットは2つ以上の処理ユニットを指す。また、複数のシステムは2つ以上のシステムを指す。
【0068】
背景に存在する問題に対して、本出願の実施形態は、データ読み書き装置及び電子デバイスを提供する。データ読み書き装置の第1のレーザは、制御信号に基づいて第1の光パルスを出力し、第1の光パルスは、書き込まれるべきデータに基づいて得られる信号である。次に、分散補償器が、第1の光パルスに対して分散補償を実行し、第2の光パルスを出力する。さらに、分散補償器に接続された光ファイバレンズが、書き込まれるべきデータを光記憶媒体に書き込むために、第2の光パルスを光記憶媒体に集束する。データ読み書き装置のコンポーネント(例えば、分散補償器及び光ファイバレンズ)は光ファイバコンポーネントであり、光ファイバコンポーネントは光ファイバを使用してカップリングにより接続される。光ファイバコンポーネントは外部環境の影響を受けにくく、過酷な環境でも安定して動作するため、データ読み書き装置を使用することによるデータの読み書きは、データの読み書き性能を向上させることができる。
【0069】
本出願の実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、図1に示す光ストレージシステムに適用され得る。光ストレージシステムは、光記憶媒体101、読み書き光路モジュール102、信号処理モジュール103、コーデック104、主制御モジュール105、光路制御モジュール106、サーボ制御モジュール107、サーボモータシステム108、及び通信インターフェース109を含む。
【0070】
光記憶媒体101は、光ディスクであり得る。光ディスクは、読み取り専用光ディスク及び記録型光ディスクを含む。一般の光ディスクは、CD、DVD、Blu-ray光ディスク、透明光ディスクなどを含む。本出願の実施形態における光記憶媒体は透明光ディスクである。一般的に、光ディスクの厚さは約1.2ミリメートル(mm)、光ディスクの直径は120mmである。単一の光ディスクの容量はGBレベルからTBレベルに及ぶ。
【0071】
光ディスクは主に基板、記録層、及び保護層を含む。基板は光ディスクの各部分のキャリアであり、光ディスクの物理的ハウジングでもある。基板はポリカーボネート(PC)などの材料で作られ得る。記録層は光ディスクにおける信号記録層である。記録層は基板がコーティングされた有機材料(又は相変化材料)を含む。記録層は、データの書き込む又は読み取るためにレーザ光によって照射される。保護層は:記録層を保護し、記録層が損傷を受けることを防ぐように構成される。オプションで、保護層の材料は、光硬化性アクリル材料であってもよい。
【0072】
光ディスクは、複数の記録層を持ち得る。例えば、Blu-ray(商標)光ディスクは、4つの記録層を含み、その容量は300GBに達し得る。透明光ディスクは、30を超える記録層を持ち得、その容量はTBレベルに達し得る。
【0073】
オプションで、場合によっては、反射層が記録層と保護層の間にさらに含まれる。反射層は、光ディスク内のデータを読み取るためにレーザ光を反射するように構成される。保護層の外側には、印刷層がさらに含まれる。光ディスクの識別子や容量などの情報は、印刷層に印刷される。
【0074】
光ディスクの種類によって、光ディスクの層は異なる材料で作られ得ることが理解されるべきである。例えば、Blu-ray(商標)光ディスクの記録層は相変化材料で作られる;透明光ディスクの場合、透明光ディスクは均質な材料と基板(substrate)を含み、階層的な書き込みが、異なる深さに集束することで実現され、均質な材料はPC材料、ポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate、PMAA)、ポリジメチルシロキサン(polydimethyl siloxane、PDMS)などの材料であり得る。
【0075】
読み書き光路モジュール102は:光記憶媒体101に光信号(光信号は書き込まれるべきデータを示す)を書き込む、又は光記憶媒体101から光信号(光信号は読み取られるべきデータを示す)を読み取るように構成される。
【0076】
本出願の本実施形態では、読み書き光路モジュール102は、光学コンポーネント及び光ファイバコンポーネントを含む。本出願の実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、光ストレージシステムにおける読み書き光路モジュール102である。データ読み書き装置は、以下の実施形態で詳述する。
【0077】
信号処理モジュール103は:読み書き光路モジュール102によって出力される光信号(読み取られるべきデータを示す)を処理し、光信号から干渉信号を除去するように構成される。
【0078】
コーデック104は、書き込まれるべきデータをエンコードする又は読み取られるべきデータをデコードするように構成される。
【0079】
主制御モジュール105は:データ書き込み又はデータ読み取り処理において、トランザクション制御管理を実行し、書き込まれるべきデータに基づいて回路制御信号及びサーボ制御信号を生成するように構成される。回路制御信号は、光路制御モジュール106に入力され、サーボ制御信号はサーボ制御モジュール107に入力される。
【0080】
主制御モジュール105は、キャッシュ管理モジュール、アドレッシング管理モジュール、データレイアウトモジュール、及びキュー管理モジュールを含む。キャッシュ管理モジュールは、書き込まれるべきデータをキャッシュするように構成される。アドレッシング管理モジュールは、ディスクシート上のデータの対応する物理的位置を生成するように構成される。データレイアウトモジュールは、ルールに従って光ディスクの異なるパーティションにデータを配置するように構成される。キュー管理モジュールは、キャッシュキューを管理するように構成される。
【0081】
光路制御モジュール106は:回路制御信号に基づいて光制御信号(制御信号とも呼ばれる)を生成し、その光制御信号を読み書き光路モジュール102に入力するように構成される。
【0082】
サーボ制御モジュール107は、サーボモータシステム108に接続される。サーボ制御モジュール107は、サーボ制御信号の出力に基づいて、サーボモータシステム108内のモータを駆動して、データを読み取る又はデータを書き込むために使用され、読み書き光路モジュール内にある光学ヘッドの位置を制御する。
【0083】
通信インターフェース109は:データ書き込み命令及びデータ読み取り命令を受信し、書き込まれるべきデータを受信する又は読み取られるべきデータを出力するように構成される。
【0084】
前述の光ストレージシステムにおけるモジュールの機能について、以下は、光記憶媒体にデータを書き込む処理と、光記憶媒体からデータを読み取る処理について簡単に説明する。
【0085】
データ書き込み:書き込まれるべきデータとデータ書き込み命令が、通信インターフェース109を介して受信される。コーデック104は、書き込まれるべきデータをエンコードし、キャッシュにエンコーダされた書き込まれるべきデータを格納し、さらに書き込まれるべきデータを光路制御モジュール106に送信する。光路制御モジュール106は、書き込まれるべきデータと主制御モジュール105によって出力された回路制御信号に基づいて光路を調整及び制御して、光制御信号を生成する。読み書き光路モジュール102は、光制御信号に基づいてレーザ信号を生成し、光記憶媒体101にレーザ信号を集束し、それによって、データ書き込みを完了する。データ書き込み処理では、サーボ制御モジュール107とサーボモータシステム108は、主制御モジュール105によって出力されるサーボ制御信号に基づいてサーボモータシステム108のモータを制御して、読み書き光路モジュール内の光ヘッドを移動するように制御し、その結果、光ヘッドは、光記憶媒体101上の異なる位置(上下、左右、及び前後を含む3次元空間上の位置)に対応し、それによって、光記憶媒体101上の異なる位置に到達する。
【0086】
データ読み取り:データ読み取り命令が通信インターフェース109を介して受信される。次いで、主制御モジュール105は、サーボ制御信号と回路制御信号を生成し、その結果、光路制御モジュール106が回路制御信号に基づいて光制御信号を生成する。読み書き光路モジュール102は、光制御信号に基づいてレーザ信号を生成し(レーザ信号はデータ書き込み中に生成されるレーザ信号とは異なることが留意されるべきである)、光記憶媒体101にレーザ信号を集束する。加えて、読み書き光路モジュール102は、光記憶媒体101によって反射された蛍光信号を受信し、さらにその蛍光信号を検出して読み取られるべきデータを取得する。読み取られるべきデータが信号処理モジュール103によって処理された後、コーデック104は読み取られるべきデータをデコードして出力し、それによって、データの読み取りが完了する。
【0087】
前述の光ストレージシステムに関して、図2に示すように、本出願の一実施形態は、データを書き込むように構成されたデータ読み書き装置を提供する。データ読み書き装置は、第1のレーザ201、分散補償器202、及び光ファイバレンズ203を含む。第1のレーザ201は、分散補償器202の入力端に接続される。分散補償器202の出力端は、光ファイバレンズ203に接続される。
【0088】
第1のレーザ201は、制御信号に基づいて第1の光パルスを出力するように構成される。制御信号は、書き込まれるべきデータに基づいて得られる信号である。分散補償器202は、第2の光パルスを出力するために第1の光パルスに対して分散補償を実行するように構成される。光ファイバレンズ203は、分散補償器202に光ファイバを使用して接続され、光記憶媒体に書き込まれるべきデータを書き込むために、第2の光パルスを光記憶媒体に集束するように構成される。
【0089】
本出願の本実施形態では、第1のレーザ201は、データ読み書き装置において光源を生成するためのデバイスである。データ書き込み中、第1のレーザ201がオンにされ、光ストレージシステム内の光路制御モジュールによって出力された制御信号を受信した後、第1のレーザ201は、制御信号に基づいてパルスレーザ光(すなわち、第1の光パルス)を生成する。オプションで、第1のレーザ201はフェムト秒レーザ又はピコ秒レーザであり得る。フェムト秒レーザ又はピコ秒レーザは、一般に超高速レーザと呼ばれることもある。フェムト秒レーザによって生成されるパルスレーザ光のパルス幅は、フェムト秒(10-15秒) スケールである。ピコ秒レーザによって生成されるパルスレーザ光のパルス幅は、ピコ秒(10-12秒)スケールである。
【0090】
オプションで、第1のレーザ201はイッテルビウムドープファイバレーザであってもよい。イッテルビウムドープファイバレーザによって出力されるレーザ光は、波長1030ナノメートル(nm)、繰り返し周波数40メガヘルツ(MHz)、パルス幅200フェムト秒(fs)、出力電力5ワット(W)を有する。
【0091】
本出願の本実施形態では、光パルスが光ファイバ内で伝送されるとき、光ファイバは分散を起こす可能性があり、これは、光パルスのパルス幅の増大につながり、書き込まれるデータの精度に影響を与える。そのため、第1のレーザ201によって発生した第1の光パルスは、分散補償器202に入力されて、光ファイバによって生じる分散を補償し、パルス幅を必要なパラメータに調整する。
【0092】
オプションで、分散補償器202はチャープ補償器を含む。チャープ補償器は、第1の光パルスに対して分散補償を実行するように逆分散を与えるために、プリズム対又は格子対を使用して分散パラメータを調整し、それによって、第2の光パルスを得る。チャープ補償器は、光ファイバを使用して光ファイバレンズ203に接続されることが理解されるべきである。チャープ補償器は、集束レンズを含む。分散補償によって得られた第2の光パルスは、集束レンズを介して光ファイバに結合されて、光ファイバレンズ203に伝送される。
【0093】
本出願の本実施形態では、データ読み書き装置のプローブとして機能する光ファイバレンズ203は、第1の光パルスを光記憶媒体(光ディスク)に集束する。第1のレーザ201で発生した第1の光パルスは超短パルスレーザ光であるため、超短パルスレーザ光は光記憶媒体に集束され、その結果、光記憶媒体の記録層の透明材料中の炭素-酸素結合と炭素-炭素結合が破壊され、それによって、蛍光効果を持つ炭素含有クラスタを形成し、データ書き込みを完了する。
【0094】
光ファイバレンズ203は、勾配屈折率(gradient-index、GRIN)ファイバレンズであり得る。GRINファイバレンズの屈折率は、勾配を伴って変化する。具体的には、GRINファイバレンズの屈折率は、GRINファイバレンズの中心軸に沿って半径方向に徐々に減少する。第2の光パルスが、GRINファイバレンズに入った後、GRINファイバレンズ内に伝播すると、光線は連続的に偏向される。GRINファイバレンズの屈折率は連続的に変化するため、GRINファイバレンズはセルフフォーカス機能を持ち、比較的良好な集束性能を持つ。加えて、GRINファイバレンズの端面は平面であるため、GRINファイバレンズは、端面が平面である別の光学コンポーネントと、融合により容易に一体化することができる。これは、プローブの機械的強度と安定性を向上させるのに役立つ。
【0095】
さらに、GRINファイバレンズの端子(光記憶媒体に隣接する端部)は、ミリメートルスケールに至り得る小さいサイズを有し、GRINファイバレンズは軽量であるため、GRINファイバレンズは、より高い周波数のサーボフィードバック信号をサポートすることができる。
【0096】
オプションで、光ファイバレンズ203は、代替的に、メタマテリアルレンズ又は光ファイバエンドボールレンズなどの別のレンズであってもよい。具体的には、実際の使用要件に基づいて適切な光ファイバレンズが選択され得る。これは、本出願の本実施形態において限定されない。
【0097】
実装では、図3に示すように、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、圧電アクチュエータ204をさらに含む。光ファイバレンズ203は、圧電アクチュエータ204の一側部に固定される。圧電アクチュエータ204は、光ファイバレンズ203の位置を調整するために、光ファイバレンズ203を駆動して動かすように構成される。光ファイバレンズ203の位置は、光記憶媒体上のデータ記録ポイントの位置に対応する。
【0098】
本出願の本実施形態では、光ファイバレンズ203の位置は、光記憶媒体上の異なるデータ記録ポイントにデータを書き込むために、光記憶媒体に集束される光スポットの位置を光記憶媒体上で変更するように、圧電アクチュエータ204の入力電圧を調整することによって調整される。サーボフィードバック信号は、圧電アクチュエータ204の入力電圧を調整するために、光ストレージシステム内のサーボ制御システムを使用することによってリアルタイムで出力することができ、それによって、光ファイバレンズ203の位置をリアルタイムで調整する。
【0099】
図3を参照すると、圧電アクチュエータ204は3軸圧電アクチュエータである。具体的には、圧電アクチュエータ204は、光ファイバレンズ203を3次元空間内(例えば、x軸、y軸、及びz軸に沿って)で動くように制御することができる。x軸及びy軸に沿って動く際、光ファイバレンズ203は、光記憶媒体の平面上の異なる位置に第2の光パルスを集束するように制御されることができる。z軸に沿って動く際、光ファイバレンズ203は、光記憶媒体の異なる記録層に第2の光パルスを集束するように制御されることができ、すなわち、光記憶媒体上の集束光スポットの深さが、異なる記録層にデータを書き込むために、制御される。
【0100】
オプションで、チャープ補償器内の集束レンズは、紫外線接着剤を使用して光ファイバに固定され、光ファイバレンズ203は、紫外線接着剤を使用して圧電アクチュエータ204の一側部に固定される。
【0101】
オプションで、光ファイバレンズ203を駆動して動かすためのデバイスは、代替的にボイスコイルモータであってもよい。言い換えれば、圧電アクチュエータ204をボイスコイルモータに置き換えてもよい。
【0102】
図4に示すように、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、(第2の)レーザ205、光ファイバカプラ206、及び検出器207を含み、この検出器はデータを読み取るように構成され得る。光ファイバカプラ206は、光ファイバを使用して、第2のレーザ205、光ファイバレンズ203、及び検出器207に接続される。第2のレーザ205は、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。光ファイバレンズ203は、さらに:第1の連続レーザ光を受光し、第1の連続レーザ光を光記憶媒体に集束し、第1の連続レーザ光に基づいて光記憶媒体によって生成された第1の蛍光信号を受信するように構成され、第1の蛍光信号は、読み取られるべきデータを示すために使用される。検出器207は、読み取られるべきデータを得るために、第1の蛍光信号の光強度を検出するように構成される。
【0103】
本出願の実施形態において、光ファイバカプラは、光ファイバコンポーネント間の接続コンポーネントである。光ファイバカプラは、2つの端部(第1の端部と第2の端部と呼ばれることもある)を含む。第1の端部と第2の端部は、それぞれ異なるコンポーネントに接続される。光ファイバカプラの仕様は、1×Nで表され、1は第1の端部のポートの数量を表し、Nは第2の端部のポートの数量を表し、すなわち、第1の端部は1つのポートを含み、第2の端部はN個のコンポーネントに接続するように構成できるN個(Nは1以上の正の整数)のポートを含む。例えば、データ読み書き装置は1つの1×3の光ファイバカプラを含み、言い換えれば、図3の光ファイバカプラ206は1×3の光ファイバカプラである。光ファイバカプラ206の第1の端部のポートは、光ファイバレンズ203に接続される。第2の端部の第1のポートは分散補償器202に接続され、第2の端部の第2のポートは第2のレーザ205に接続され、第2の端部の第3のポートは検出器207に接続される。
【0104】
オプションで、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、代替的に、2つの1×2光ファイバカプラを含み得る。図5に示すように、光ファイバカプラ206aの第1の端部が光ファイバレンズ203に接続され、光ファイバカプラ206aの第2の端部の第1のポートが分散補償器202に接続され、光ファイバカプラ206bの第1の端部が光ファイバカプラ206aの第2の端部の第2のポートに接続され、光ファイバカプラ206bの第2の端部の第1のポートは第2のレーザ205に接続され、光ファイバカプラ206bの第2の端部の第2のポートは検出器207に接続される。
【0105】
実際の用途では、特定の要件に基づいて、異なる仕様及び異なる数量の光ファイバカプラが選択され得ることが留意されるべきである。これは、本出願の本実施形態において限定されない。
【0106】
データ読み取り処理では、第2のレーザ205は、オンにされて、光記憶媒体内の蛍光効果を持つ炭素含有クラスタを励起するための第1の連続レーザ光を生成する。具体的には、第1の連続レーザ光は、光ファイバを使用して光ファイバレンズ203に伝送される。光ファイバレンズ203は、第1の連続レーザ光を光記憶媒体に集束し、その結果、光記憶媒体の記録層内の炭素含有クラスタが励起されて第1の蛍光信号を発生する。第1の蛍光信号は、光ファイバレンズ203に反射されて検出器207に送信される。第1の蛍光信号の光強度が、検出器207を使用して検出されて、読み取られるべきデータを取得する。その後、光ストレージシステム内の別のモジュールが、後続の信号処理と読み取られるべきデータへのデコード処理を実行する。
【0107】
第2のレーザ205は、連続レーザ光を生成するように構成された連続光レーザパルサーである。オプションで、第2のレーザ205は連続光半導体レーザであってもよい。連続光半導体レーザで発生するレーザ光の波長は400nmから500nmに及び、連続光半導体レーザの出力は10ミリワット(mW)である。波長400nmから500nmに及ぶ連続レーザ光が光記憶媒体に集束され、その結果、波長が600nmから700nmに及ぶ第1の蛍光信号を発生させることができる。
【0108】
オプションで、検出器207は、光電子増倍管(photomultiplier tube、PMT)又はアバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode、APD)であってもよい。
【0109】
同様に、データ読み取りプロセスでは、圧電アクチュエータ204は、光ファイバレンズ203の位置を調整するために、光ファイバレンズ203を駆動して動かすことができ、それによって、光記憶媒体上の異なる位置のデータ記録ポイントに記録されたデータを読み取る。
【0110】
上記のデータ書き込み及びデータ読み取り処理では、光源(レーザ信号)を生成するためのレーザは、独立して動作する2つのレーザであることが理解できる。データ書き込み中、パルスレーザ光は超高速レーザを使用して生成される。データ読み取り中、連続レーザ光は連続光半導体レーザを使用して生成される。
【0111】
図4に関連して、図6に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、アイソレータ208をさらに含む。アイソレータ208は、第2のレーザ205及び光ファイバカプラ206に光ファイバを使用して接続される。アイソレータ208は、第1の蛍光信号が第2のレーザに伝達されることを防ぐように構成される。
【0112】
本出願の本実施形態では、データ読み取り処理において、光ファイバレンズ203を使用して収集された第1の蛍光信号は検出器207に入る必要があり、第1の蛍光信号が第2のレーザ205に反射される場合、第2のレーザ205が損傷する可能性がある。アイソレータ208は、第1の蛍光信号が第2のレーザ205に入るのを防ぐために、第2のレーザ205の一方の端部に接続され、それによって第2のレーザ205の安全な動作を確実にする。
【0113】
図6に関連して、図7に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、バンドパスフィルタ209をさらに含む。バンドパスフィルタ209は、検出器207と光ファイバカプラ206に別々に接続される。バンドパスフィルタ209は、第1の蛍光信号を受け、第1の蛍光信号をフィルタリングするように構成される。検出器207は、読み取られるべきデータを取得するために、フィルタリングされた第1の蛍光信号の光強度を検出するように特別に構成される。
【0114】
本出願の本実施形態では、バンドパスフィルタ209のフィルタリング帯域は600-700nmである。波長が600-700nm帯の外側にある迷光及び反射光をバンドパスフィルタ209を使用することでフィルタ除去することができ、それによって、第1の蛍光信号の信号対雑音比が増加し、その結果、検出器207によって検出される読み取られるべきデータはより正確になる。
【0115】
本出願の実施形態は、データ読み書き装置を提供する。データ読み書き装置の第1のレーザは、制御信号に基づいて第1の光パルスを出力し、第1の光パルスは、書き込まれるべきデータに基づいて得られる信号である。そして、分散補償器は、第1の光パルスに分散補償を実行し、第2の光パルスを出力する。さらに、分散補償器に接続された光ファイバレンズは、書き込まれるべきデータを光記憶媒体に書き込むために、第2の光パルスを光記憶媒体に集束する。データ読み書き装置のコンポーネントは光ファイバコンポーネントであり、光ファイバコンポーネントは光ファイバを使用してカップリングにより接続される。光ファイバコンポーネントは、外部環境の影響を受けにくく、過酷な環境でも安定して動作するため、データ読み書き装置を使用してデータを読み書きすることは、データの読み書き性能を向上させることができる。
【0116】
さらに、上記のコンポーネントは光ファイバを使用して接続され、その結果、光路が高度に集積され、データ読み書き装置のサイズは、従来の光学コンポーネントを使用して構築されたデータ読み書き装置のサイズよりも小さい。
【0117】
図8に示すように、本出願の一実施形態は、データを読み取るように構成されたデータ読み書き装置を提供する。データ読み書き装置は、第2のレーザ801、光ファイバカプラ802、光ファイバレンズ803、及び検出器804を含む。光ファイバカプラ802は、光ファイバを用いて第2のレーザ801、光ファイバレンズ803、及び検出器804に接続される。第2のレーザ801は、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。光ファイバレンズ803は:第1の連続レーザ光を受光し、第1の連続レーザ光を光記憶媒体に集束し、第1の連続レーザ光に基づいて光記憶媒体によって生成された第1の蛍光信号を受信するように構成され、第1の蛍光信号は、読み取られるべきデータを示すために使用される。検出器804は、読み取られるべきデータを得るために、第1の蛍光信号の光強度を検出するように構成される。
【0118】
オプションで、光ファイバカプラ802は1×2光ファイバカプラであり得る。光ファイバカプラ802の第1の端部のポートが光ファイバレンズ803に接続され、光ファイバカプラ802の第2の端部の第1のポートは第2のレーザ801に接続され、第2の端部の第2のポートは検出器804に接続される。
【0119】
光ファイバカプラ802は代替的に、別の仕様の光ファイバカプラ(例えば、1×Nの光ファイバカプラ)であってもよいことが留意されるべきである。異なる仕様の光ファイバカプラは、特定の要件に基づいて選択される。これは、本出願の本実施形態では限定されない。
【0120】
光記憶媒体(透明光ディスク)に格納されたデータは、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置を使用して読み取ることができる。光記憶媒体に格納されたデータがどのように書き込まれるかは、本出願の本実施形態では限定されないことが留意されるべきである。データ読み書き装置によるデータの読み込み処理の詳細や、データ読み書き装置における第2のレーザ801、光ファイバレンズ803、及び検出器804の説明については、上記実施形態の関連する説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0121】
図8に関連して、図9に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、アイソレータ805をさらに含む。アイソレータ805は、第2のレーザ801と光ファイバカプラ802に光ファイバを使用して接続される。アイソレータ805は、第1の蛍光信号が第2のレーザ801に伝達されることを防ぐように構成される。
【0122】
本出願の本実施形態では、第1の蛍光信号が第2のレーザ801に反射される場合、第2のレーザ801が損傷する可能性がある。アイソレータ805は、第1の蛍光信号が第2のレーザ801に入るのを防ぐために、第2のレーザ801の一方の端部に接続され、それによって第2のレーザ801の安全な動作を確実にする。
【0123】
図9に関連して、図10に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、バンドパスフィルタ806をさらに含む。バンドパスフィルタ806は、検出器804と光ファイバカプラ802に別々に接続される。バンドパスフィルタ806は、第1の蛍光信号を受信し、第1の蛍光信号をフィルタリングするように構成される。検出器804は、読み取られるべきデータを取得するために、フィルタリングされた第1の蛍光信号の光強度を検出するように特別に構成される。
【0124】
バンドパスフィルタ806は、第1の蛍光信号の迷光と反射光をフィルタ除去することができ、それによって、第1の蛍光信号の信号対雑音比を増加させ、その結果、検出器804によって検出される読み取られるべきデータはより正確になる。
【0125】
図10に関連して、図11に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、光ファイバレンズ803の位置を調整するために、光ファイバレンズ803を駆動して動かすように構成された圧電アクチュエータ807をさらに含む。光ファイバレンズ803の位置は、光記憶媒体上のデータ記録ポイントの位置に対応する。
【0126】
圧電アクチュエータ807は、光ファイバレンズ803の位置を調整するために、光ファイバレンズ803を駆動して3次元空間内で動かすことができ、それによって光記憶媒体上の異なる位置のデータ記録ポイントに記録されたデータを読み取る。
【0127】
アイソレータ805、バンドパスフィルタ806、及び圧電アクチュエータ807のその他の説明については、前述の各実施形態の内容を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0128】
本出願の本実施形態は、データ読み書き装置を提供する。データ読み書き装置の光ファイバレンズは、光記憶媒体に、第2のレーザによって出力された第1の連続レーザ光を集束し、第1の連続レーザ光に基づいて光記憶媒体によって生成された第1の蛍光信号を受信する。第1の蛍光信号は、読み取られるべきデータを示すために使用される。さらに、第1の蛍光信号の光強度は、読み取られるべきデータを得るために、検出器を使用して検出される。データ読み書き装置のコンポーネントは光ファイバコンポーネントであり、光ファイバコンポーネントは光ファイバを使用してカップリングにより接続される。光ファイバコンポーネントは、外部環境の影響を受けにくく、過酷な環境でも安定して動作するため、データ読み書き装置を使用してデータを読み書きすることは、データの読み書き性能を向上させることができる。
【0129】
さらに、上記のコンポーネントは光ファイバを使用して接続され、その結果、光路が高度に集積され、データ読み書き装置のサイズは、従来の光学コンポーネントを使用して構築されたデータ読み書き装置よりもが小さくなる。
【0130】
さらに、本出願の一実施形態は、データの並列書き込み及びデータの並列読み込みを実行するように構成され得る、データ読み書き装置を提供する。図12に示すように、データ読み書き装置は、第1のレーザ1201、分散補償器1202、第1の光ファイバカプラ1203、N個の光スイッチ1204、Nチャネル光電コントローラ1205、及びN個の光ファイバレンズ1206を含む。第1の光ファイバカプラ1203は、N個の光スイッチ1204に光ファイバを用いて接続される。Nチャネル光電コントローラ1205は、N個の光スイッチ1204に個別に接続される。N個の光スイッチ1204は、対応してN個の光ファイバレンズ1206に光ファイバを用いて接続される。Nは2以上の正の整数である。第1のレーザ1201は、第1の光パルスを出力するように構成される。分散補償器1202は、第2の光パルスを出力するために、第1の光パルスに対して分散補償を実行するように構成される。第1の光ファイバカプラ1203は、分散補償器1202に光ファイバを使用して接続され、第2の光パルスをN個の光パルスのビームに分割するように構成される。Nチャネル光電コントローラ1205は、N個の光パルスのビームの光強度を調整するために、N個の制御信号に基づいてN個の光スイッチ1204の状態を制御するように構成される。N個の制御信号は、それぞれ書き込まれるべきデータのN個のピースに基づいて得られる信号である。N個の光パルスのビームは、書き込まれるべきデータのN個のピースを示すために使用される。N個の光ファイバレンズ1206は、書き込まれるべきデータのN個のピースを光記憶媒体に書き込むために、N個の光パルスのビームを光記憶媒体に集束するように構成される。N個の光ファイバレンズは、N個の光パルスのビームと一対一で対応する。
【0131】
第1の光ファイバカプラ1203は1×Nの光ファイバカプラであり、第1の光ファイバカプラはビームスプリッタとして使用される。書き込まれるべきデータの複数のピースがあるとき、第1の光ファイバカプラ1203は第1の光パルスをN個の同一光パルスに分割する。
【0132】
本出願の本実施形態では、光ストレージシステムの光路制御モジュールが、書き込まれるべきデータのN個のピースそれぞれに基づいてN個の制御信号を生成し、N個の制御信号をNチャネル光電コントローラ1205に入力する。Nチャネル光電コントローラ1205は、書き込まれるべきデータのN個のピースに対応する光パルスにN個の光パルスを調整するために、N個の光パルスの光強度を調整するように、N個の制御信号それぞれに基づいてN個の光スイッチ1204のスイッチ状態を制御する。光スイッチのスイッチ状態は、光スイッチの閉鎖範囲を指す。例えば、Nチャネル光電コントローラは、第1の光スイッチによって出力される光パルスの光強度が第2の光スイッチによって出力される光パルスの光強度と異なるように、第1の光スイッチの閉鎖範囲を80%に制御し、第2の光スイッチの閉鎖範囲を50%に制御する。
【0133】
さらに、N個の光ファイバレンズ1206のそれぞれは、書き込むべきデータのグループを光記憶媒体に書き込むために、1つの対応する光パルスのビーム(光パルスのNビーム内)を光記憶媒体に集束する。例えば、第1の光ファイバレンズは、第1の光スイッチによって出力される光パルス(第1の光パルスのビームとも呼ばれる)を光記憶媒体に集束するように構成され、第2の光ファイバレンズは、第2の光スイッチによって出力される光パルス(第2の光パルスのビームとも呼ばれる)を光記憶媒体に集束するように構成される、等である。第Nの光ファイバレンズは、第Nの光スイッチによって出力される光パルス(第Nの光パルスのビームとも呼ばれる)を光記憶媒体に集束するように構成される。これにより、データのN個のピースを光記憶媒体に並列に書き込まれ、それによって、データの書き込み効率が大幅に向上する。
【0134】
図1に示すデータ読み書き装置と同様に、第1のレーザ1201は、フェムト秒レーザ又はピコ秒レーザであってもよく、分散補償器1202はチャープ補償器を含んでもよく、N個の光ファイバレンズ1206はGRINファイバレンズであってもよい。各コンポーネントの具体的な説明については、前述の各実施形態の関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0135】
図12に関連して、図13に示すように、本出願の実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらに、第2のレーザ1207、第2の光ファイバカプラ1208、N個の第3の光ファイバカプラ1209、及びNチャネル検出器1210を含む。N個の第3の光ファイバカプラ1209は、第2の光ファイバカプラ1208、N個の光ファイバレンズ1206、及びNチャネル検出器1210に光ファイバを使用して接続される。第2のレーザ1207は、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。第2の光ファイバカプラ1208は、第2のレーザ1207に光ファイバを使用して接続され、第1の連続レーザ光をN個の連続レーザ光のビームに分割するように構成される。N個の光ファイバレンズ1206は、さらに:N個の連続レーザ光のビームを受け、N個の連続レーザ光のビームを光記憶媒体上に集束し、N個の連続レーザ光のビームに基づいて光記憶媒体によって生成されたN個の蛍光信号を受信するように構成される。N個の光ファイバレンズ1206は、N個の連続レーザ光のビームと一対一で対応する。N個の蛍光信号は、それぞれ、読み取られるべきデータのN個のピースを示すために使用される。Nチャネル検出器1210は、読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、N個の蛍光信号の光強度を別々に検出するように構成される。
【0136】
N個の第3の光ファイバカプラ1209のすべては1×3光ファイバカプラである。第1の第3の光ファイバカプラを例にとると、第3の光ファイバカプラ1209の第1の端部のポートが第1の光ファイバレンズ1206に接続され、第2の端部の第1のポートは分散補償器1202に接続され、第2の端部の第2のポートは第2のレーザ1207に接続され、第2の端部の第3のポートはNチャネル検出器1210に接続される。
【0137】
オプションで、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、代替的に、2*N個の1×2の第3の光ファイバカプラを含んでもよい。2*N個の第3の光ファイバカプラは2つのグループに分けられ、各グループはN個の第3の光ファイバカプラを含む。第1のグループのN個の第3の光ファイバカプラは、第2のグループのN個の第3の光ファイバカプラと1対1で対応している。具体的には、第1のグループの第1の第3の光ファイバカプラと第2のグループの第1の第3の光ファイバカプラを例にとると、図14に示すように、第3の光ファイバカプラ1209aの第1の端部が第1の光ファイバレンズ1206に接続され、第3の光ファイバカプラ1209aの第2の端部の第1のポートは分散補償器1202に接続され、第3の光ファイバカプラ1209bの第1の端部が第3の光ファイバカプラ1209aの第2の端部の第2のポートに接続され、第3の光ファイバカプラ1209bの第2の端部の第1のポートは第2のレーザ1207に接続され、第3の光ファイバカプラ1209bの第2の端部の第2のポートはNチャネル検出器1210に接続される。
【0138】
具体的には、N個の光ファイバレンズ1206のそれぞれが、1つの対応する連続レーザ光のビームを光記憶媒体に集束し、1つの連続レーザ光のビームに対応する蛍光信号を受信し、次いでNチャネル検出器1210の1つのチャネルに蛍光信号を送信する。
【0139】
データ読み書き装置では、データのN個のピースを光記憶媒体から並列に読み取ることができ、それによって、データの読み取り効率が大幅に向上する。
【0140】
図13に関連して、図15に示すように、本出願の実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、さらにアイソレータ1211を含む。アイソレータ1211は、第2のレーザ1207及び第2の光ファイバカプラ1208に光ファイバを使用して接続される。アイソレータ1211は、N個の蛍光信号が第2のレーザに伝達されることを防ぐように構成される。
【0141】
同様に、アイソレータ1211は、N個の蛍光信号が第2のレーザ1207に入るのを防ぐことができ、第2のレーザ1207が蛍光信号によって損傷しないことを確実にすることができる。
【0142】
図15に関連して、図16に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、N個のバンドパスフィルタ1212をさらに含む。N個のバンドパスフィルタ1212は、Nチャネル検出器1210及びN個の第3の光ファイバカプラ1209に光ファイバを使用して接続される。バンドパスフィルタ1212は:N個の光ファイバレンズ1206によってそれぞれ出力されるN個の蛍光信号を受信し、N個の蛍光信号をフィルタリングするように構成される。N個のバンドパスフィルタは、N個の蛍光信号と一対一で対応する。Nチャネル検出器1210は、読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、N個のフィルタリングされた蛍光信号の光強度を個別に検出するように特別に構成される。
【0143】
N個のバンドパスフィルタ1212は、N個の蛍光信号中の迷光及び反射光をそれぞれフィルタ除去することができ、それによって、N個の蛍光信号の信号対雑音比を高め、読み取られるべきデータの精度を向上させる。
【0144】
図16に関連して、図17に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、圧電アクチュエータ1213をさらに含む。圧電アクチュエータ1213は、N個の光ファイバレンズ1206の位置を調整するために、N個の光ファイバレンズ1206を駆動して動かすように構成される。N個の光ファイバレンズ1206の位置は、それぞれ光記憶媒体上の異なるデータ記録ポイントの位置に対応する。
【0145】
圧電アクチュエータ1213は、N個の光ファイバレンズ1206の位置を調整するために、N個の光ファイバレンズ1206を駆動して3次元空間内を動かし得、それによって、光記憶媒体上の異なる位置のデータ記録ポイントにデータを書き込む又は光記憶媒体上の異なる位置のデータ記録ポイントに記録されたデータを読み取る。本出願の本実施形態におけるデータ読み書き装置は、1つの圧電アクチュエータを含むことが留意されるべきであり、圧電アクチュエータはN個の光ファイバレンズを同時に駆動して同じ方向に動かすことができる。オプションで、N個の光ファイバレンズは一緒に固定されてもよく、圧電アクチュエータは光ファイバレンズの1つの一側に固定される。
【0146】
なお、アイソレータ1211、バンドパスフィルタ1212、及び圧電アクチュエータ1213のその他の説明については、上記実施形態の関連する説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0147】
図18に示すように、この出願の一実施形態は、並列データの読み取りを実行するように構成され得るデータの読み書き装置を提供する。データ読み書き装置は、第2のレーザ1801、第2の光ファイバカプラ1802、N個の第3の光ファイバカプラ1803、N個の光ファイバレンズ1804、及びNチャネル検出器1805を含む。N個の第3の光ファイバカプラ1803は、第2の光ファイバカプラ1802、N個の光ファイバレンズ1804、及びNチャネル検出器1805に光ファイバを使用して接続される。第2のレーザ1801は、第1の連続レーザ光を出力するように構成される。第2の光ファイバカプラ1802は、第2のレーザ1801に光ファイバを使用して接続され、第1の連続レーザ光をN個の連続レーザ光のビームに分割するように構成される。N個の光ファイバレンズ1804は:N個の連続レーザ光のビームを受け、N個の連続レーザ光のビームを光記憶媒体に集束し、N個の連続レーザ光のビームに基づいて光記憶媒体によって生成されるN個の蛍光信号を受信するように構成される。N個の光ファイバレンズ1804は、N個の連続レーザ光のビームと一対一で対応する。N個の蛍光信号は、それぞれ、読み取られるべきデータのN個のピースを示すために使用される。Nチャネル検出器1805は、読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、N個の蛍光信号の光強度を別々に検出するように構成される。
【0148】
オプションで、N個の第3の光ファイバカプラ1803のすべてが1×2光ファイバカプラであってもよい。例えば、第1の第3の光ファイバカプラ1803の第1の端部のポートが第1の光ファイバレンズ1804に接続され、第2の端部の第1のポートは第2のレーザ1801に接続され、第2の端部の第2のポートはNチャネル検出器1805に接続される。
【0149】
第3の光ファイバカプラ1803は代替的には、別仕様の光ファイバカプラ(例えば、1×Nの光ファイバカプラ)であってもよいことが留意されるべきである。異なる仕様の光ファイバカプラは、特定の要件に基づいて選択される。これは、本出願の本実施形態では限定されない。
【0150】
本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置では、光記憶媒体(透明光ディスク)に格納されたデータのN個のピースを並列に読み取ることができ、それによってデータの読み取り効率が大幅に向上する。
【0151】
光記憶媒体に格納されたデータをどのように書き込むかは、本出願の本実施形態に限定されないことが留意されるべきである。データ読み書き装置によるデータの読み取り処理の詳細、データ読み書き装置における第2のレーザ1801、N個の光ファイバレンズ1804、及びNチャネル検出器1805の説明については、上記実施例の関連する説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0152】
図18に関連して、図19に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、アイソレータ1806をさらに含む。アイソレータ1806は、第2のレーザ1801及び第2の光ファイバカプラ1802に光ファイバを使用して接続される。アイソレータ1806は、N個の蛍光信号が第2のレーザ1801に伝達されることを防ぐように構成される。
【0153】
同様に、アイソレータ1806は、N個の蛍光信号が第2のレーザ1801に入ることを防ぐことができ、第2のレーザ1801が蛍光信号によって損傷しないことを確実にすることができる。
【0154】
図19に関連して、図20に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、N個のバンドパスフィルタ1807をさらに含む。N個のバンドパスフィルタ1807は、Nチャネル検出器1805及びN個の第3の光ファイバカプラ1803に光ファイバを使用して接続される。バンドパスフィルタ1807は:N個の蛍光信号を受信し、N個の蛍光信号をフィルタリングするように構成される。N個のバンドパスフィルタは、N個の蛍光信号と一対一で対応する。Nチャネル検出器1805は、読み取られるべきデータのN個のピースを得るために、N個のフィルタリングされた蛍光信号の光強度を個別に検出するように特別に構成される。
【0155】
N個のバンドパスフィルタ1807は、N個の蛍光信号中の迷光及び反射光をそれぞれフィルタ除去することができ、それによって、N個の蛍光信号の信号対雑音比を高め、読み取られるデータの精度を向上させる。
【0156】
図20に関連して、図21に示すように、実装では、本出願の本実施形態で提供されるデータ読み書き装置は、圧電アクチュエータ1808をさらに含む。圧電アクチュエータ1808は、N個の光ファイバレンズ1804の位置を調整するために、N個の光ファイバレンズ1804を駆動して動かすように構成される。N個の光ファイバレンズ1804の位置は、光記憶媒体上の異なるデータ記録ポイントの位置にそれぞれ対応する。
【0157】
圧電アクチュエータ1808は、N個の光ファイバレンズ1804の位置を調整するために、N個の光ファイバレンズ1804を駆動して3次元空間内を動かし得、それによって、光記憶媒体上の異なる位置のデータ記録ポイントで記録されたデータを読み取る。
【0158】
アイソレータ1806、バンドパスフィルタ1807、及び圧電アクチュエータ1808のその他の説明については、前述の各実施形態の内容を参照のこと。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0159】
本出願の一実施形態は、電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは、光記憶媒体と、図1から図7のデータ読み書き装置、図8から図11のデータ読み書き装置、図12から図17のデータ読み書き装置、又は図18から図21のデータ読み書き装置を含む。
【0160】
上記の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図していない。本出願で開示されている技術的範囲内の変更又は置換は、この出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、請求項の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19
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図21