(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】屋根材の固定構造
(51)【国際特許分類】
E04D 3/365 20060101AFI20240910BHJP
E04D 3/362 20060101ALI20240910BHJP
E04D 3/363 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
E04D3/365 A
E04D3/362 C
E04D3/363 A
(21)【出願番号】P 2019217388
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】分部 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】花井 大介
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-069228(JP,U)
【文献】登録実用新案第3063980(JP,U)
【文献】登録実用新案第3097726(JP,U)
【文献】特開2019-027124(JP,A)
【文献】特開2008-274571(JP,A)
【文献】登録実用新案第3153385(JP,U)
【文献】実開昭52-167816(JP,U)
【文献】特開2014-047461(JP,A)
【文献】特開2016-205120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 3/365
E04D 3/362
E04D 3/363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材と、台座と、屋根下地と、を備える屋根材の固定構造であって、
前記屋根材は、矩形の板部と、前記板部の軒棟方向に沿った一方の端部に設けられた嵌合部と、前記軒棟方向に沿った他方の端部に設けられた被嵌合部と、を備え、
前記板部には、前記嵌合部と前記被嵌合部との間に、前記軒棟方向に沿ったリブ部が設けられており、
前記リブ部は、一対のリブ傾斜片を有し、
前記一対のリブ傾斜片は、上方に行くほど間隔が狭くなるように形成されており、
前記台座は、支え部と一対の固定片とを備え、
前記支え部は、一対の台座傾斜片を備え、
前記一対の台座傾斜片は、上方に行くほど間隔が狭くなるように形成されており、
前記台座は、前記一対の固定片が前記屋根下地に固定されて前記屋根下地上に設けられており、
前記屋根材は、前記リブ部の下方に前記支え部を収容した状態で前記屋根下地上に配置され、
前記リブ部の下方に収容された前記支え部の前記一対の台座傾斜
片の上面が、前記リブ部の前記一対のリブ傾斜片の下面に接触した状態で前記リブ部が前記台座に固定されている、
屋根材の固定構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記一対のリブ傾斜片から前記一対の台座傾斜
片にまで固定具を打ち込むことにより、前記一対のリブ傾斜片が前記一対の台座傾斜
片に固定され、
前記固定具は、前記屋根下地を貫通しない、
屋根材の固定構造。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記台座は、前記リブ部の棟側端部近くに配置されている、
屋根材の固定構造。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
複数の前記屋根材が前記軒棟方向と前記軒棟方向と直交する横方向とに並んで前記屋根下地上に配置されており、
前記横方向で隣接している二つの前記屋根材は、一方の前記屋根材の前記嵌合部と他方の前記屋根材の前記被嵌合部とが嵌合しており、
棟側の前記屋根材の前記嵌合部の軒側端面と、軒側の前記屋根材の前記嵌合部の棟側端面とは前記軒棟方向に並んで配置されており、
棟側の前記屋根材の前記被嵌合部の軒側端面と、軒側の前記屋根材の前記被嵌合部の棟側端面とは前記軒棟方向に並んで配置されている、
屋根材の固定構造。
【請求項5】
請求項4において、
前記棟側の前記屋根材の前記嵌合部の軒側端面と、前記軒側の前記屋根材の前記嵌合部の棟側端面とが対向している、
屋根材の固定構造。
【請求項6】
請求項5において、
対向している前記軒側端面と前記棟側端面とが前記被嵌合部で覆われている、
屋根材の固定構造。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項において、
前記軒棟方向で隣接している2つの前記屋根材は、
前記軒棟方向における棟側の前記屋根材の前記板部の軒側接続部が、
前記軒棟方向における軒側の前記屋根材の前記板部の棟側接続部の表面側に重ねられている、
屋根材の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根材の固定構造に関する。詳しくは、本発明は、軒棟方向に沿ったリブ部が設けられた屋根材の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の屋根材を軒棟方向及び軒棟方向と直交する横方向とに並設することにより、屋根を形成することが行われている。このような屋根材の一例として、特許文献1には金属製の縦葺屋根材が提案されている。この縦葺屋根材は鋼板等の金属板を成形して形成されるものであって、矩形板状の屋根材本体と、屋根材本体の一方の長手方向の端部に設けられた上ハゼと、屋根材本体の他方の長手方向の端部に設けられた下ハゼとを備えて形成されている。上ハゼ及び下ハゼは屋根材本体の長手方向の全長にわたって設けられている。
【0003】
このような縦葺屋根材にあって、軒棟方向で隣接する二枚の縦葺屋根材は、軒側の縦葺屋根材の屋根材本体の棟側端部の上に、棟側の縦葺屋根材の屋根材本体の軒側端部を重ね、軒側の縦葺屋根材の上ハゼの棟側端部に、棟側の縦葺屋根材の上ハゼの軒側端部を嵌め込み、軒側の縦葺屋根材の下ハゼの棟側端部に、棟側の縦葺屋根材の下ハゼの軒側端部を嵌め込むことによって、接続される。また横方向で隣接する二枚の縦葺屋根材は、一方の縦葺屋根材の下ハゼに他方の縦葺屋根材の上ハゼを上から嵌め込むことにより接続される。
【0004】
このような縦葺屋根材では、軒棟方向に隣接する二枚の縦葺屋根材を上ハゼと下ハゼとで接続することにより、耐負圧性能を向上させようとしている。すなわち、複数の縦葺き屋根材を施工して屋根を形成した後に、各縦葺屋根材の表面に対して垂直上向きかかる負圧により、各縦葺屋根材を変形しにくくし、また軒棟方向に隣接する二枚の縦葺屋根材の接続を外れにくくするために、軒棟方向に隣接する二枚の縦葺屋根材を上ハゼと下ハゼとで接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、耐負圧性能を向上させることができる屋根材の固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一態様の屋根材の固定構造は、屋根材と、台座と、屋根下地と、を備える。前記台座は、前記屋根下地に設けられている。前記屋根材は、前記リブ部が前記台座に固定されて前記屋根下地上に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、耐負圧性能を向上させることができる屋根材の固定構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1Aは、本実施形態に係る屋根材を示す斜視図である。
図1Bは、本実施形態に係る屋根材を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る屋根材を固定する際に使用する台座を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る屋根材を固定する手順を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る屋根材を固定する手順を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る屋根材を固定する手順を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る屋根材を固定する手順を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る屋根材の接続構造を示す断面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る屋根材の固定構造を示す断面図である。
【
図9】
図9Aは、本実施形態に係る屋根材への面戸の取り付け方法を示す斜視図である。
図9Bは、本実施形態に係る面戸の取り付け構造を示す斜視図である。
図9Cは、本実施形態に係る面戸の取り付け構造を示す側面図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係る屋根材の積載状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0012】
(1)概要
本実施形態に係る屋根材10は、矩形の板部11と、嵌合部12と、被嵌合部13と、を備えている。嵌合部12は、板部11の軒棟方向Xに沿った一方の端部に設けられている。被嵌合部13は、板部11の軒棟方向Xに沿った他方の端部に設けられている。板部11には、嵌合部12と被嵌合部13との間に、軒棟方向Xに沿ったリブ部14が設けられている。
【0013】
本実施形態に係る屋根材10では、嵌合部12及び被嵌合部13に加えて、板部11に軒棟方向Xに沿ったリブ部14が設けられているため、リブ部14で板部11の補強をすることができる。したがって、屋根材10は、負圧による板部11の変形をリブ部14で抑えることができ、耐負圧性能を向上させることができる。またリブ部14の下側の空間部17に軒棟方向Xに沿って空気を流通させることができ、屋根の通気性を向上させることができる。
【0014】
また、軒棟方向Xに隣接する二つの屋根材10を接続している場合であっても、屋根材10が負圧により変形しにくいために、二つの屋根材10の接続は外れにくくなる。よって、屋根材10を施工した屋根の耐負圧性能を向上させることができる。なお、軒棟方向Xに隣接する二つの屋根材10を接続することを「縦継ぎ」という場合がある。また軒棟方向Xに隣接して接続される屋根材10を「縦葺き屋根材」又は「縦継ぎ屋根材」という場合がある。さらに複数の縦葺き屋根材を屋根下地30に葺いて施工した屋根を「縦葺き屋根」という場合がある。
【0015】
本実施形態に係る屋根材10では、リブ部14は、屋根下地30に設けられた台座20に固定可能に構成されている。そして、本実施形態に係る屋根材10の固定構造において、屋根材10は、リブ部14が台座20に固定されて屋根下地30上に配置されている。これにより、屋根材10がリブ部14の箇所で台座20に固定される。したがって、屋根材10は、台座20を介して、屋根下地30に固定することができ、施工後の屋根材10に負圧がかかっても、屋根材10が屋根下地30から外れにくくなる。よって、屋根材10を施工した屋根の耐負圧性能を向上させることができる。
【0016】
特に、本実施形態に係る屋根材10は、働き幅(嵌合部12と被嵌合部13との間の寸法)の大きな屋根材に有効である。
【0017】
ここで、「軒棟方向」とは、屋根勾配に沿った方向を意味し、いわゆる水流れ方向に平行な方向である。また、「横方向」とは、軒棟方向に直交する方向のうちの水平面上の方向を意味し、本実施形態では桁行方向に該当する。
【0018】
(2)詳細
(2.1)屋根材
本実施形態において、各屋根材10は、金属板を曲げ加工することで形成されており、例えば、ロールフォーミングを用いて成型される。屋根材10を構成する金属板としては、例えば、塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、ステンレス鋼板,ガルバリウム鋼板(登録商標),エスジーエル(登録商標)鋼板等により構成される。屋根材10は、例えば、1.0m以上4.0m以下に形成されており、可搬性に優れている。
【0019】
屋根材10は、板部11と、嵌合部12と、被嵌合部13とを備えている(
図1A及び
図1B参照)。
【0020】
板部11は、屋根材10の主体を構成する部分である。板部11は、軒棟方向に延びており、その長手方向が軒棟方向Xに平行となるような平面視略矩形状に形成されている。板部11は、屋根下地30に載るようにして設置される。板部11は、幅方向が横方向Yに平行に設置される。板部11の軒側端部は軒側接続部15として形成されている。板部11の軒側接続部15の軒側先端部は折り返し加工が行われていない切断端(切りっぱなし)である。板部11の棟側端部は棟側接続部16として形成されている。
【0021】
嵌合部12は、板部11の軒棟方向Xに沿った一方の端部に設けられている(
図1A参照)。
図1Bに示すように、嵌合部12は、板部11の幅方向(横方向Y)の端部のうちの一方の端部から立ち上げられた内側板部121と、内側板部121の上端部から板部11の方に向かって延びる内側突出部122と、内側突出部122の端部から板部11と反対側に向かって延びる内側傾斜部123と、内側傾斜部123から斜め下方に延びる外側傾斜部124と、外側傾斜部124の下端部からの板部11の方に向かって延びる外側突出部125と、外側突出部125から板部11と反対側に向かって延びる外側突出部126と、を備えている。また外側突出部126の下端部には板部11と反対側に向かって延びる敷き込み片127が設けられている。
【0022】
被嵌合部13は、板部11の軒棟方向Xに沿った他方の端部に設けられている(
図1A参照)。
図1Bに示すように、被嵌合部13は、板部11の幅方向(横方向Y)の端部のうちの他方(嵌合部12を設けた端部と略平行な端部)の端部から立ち上げられた内側板部131と、内側板部131の上端部から板部11の方に向かって延びる内側突出部132と、内側突出部132の端部から板部11と反対側に向かって延びる内側傾斜部133と、内側傾斜部133から斜め下方に延びる外側傾斜部134と、外側傾斜部134の下端部からの板部11の方に向かって延びる外側突出部135と、外側突出部135から板部11と反対側に向かって延びる外側突出部136と、を備えている。
【0023】
嵌合部12及び被嵌合部13は、それぞれ、板部11の長手方向(軒棟方向Xと同方向)に沿って長く形成されている。嵌合部12の長手方向の寸法は、板部11の長手方向の寸法よりも短く形成されている。被嵌合部13の長手方向の寸法は、板部11の長手方向の寸法よりも短く形成されている。嵌合部12の長手方向の寸法と被嵌合部13の長手方向の寸法とは同じである。
【0024】
嵌合部12の軒棟方向Xにおける端部と、被嵌合部13の軒棟方向Xにおける端部とは、軒棟方向Xに沿って位置ずれしている。すなわち、嵌合部12の軒側端面12aと、被嵌合部13の軒側端面13aとは、横方向Yと平行な方向で一直線上に位置していない。また嵌合部12の棟側端面12bと、被嵌合部13の棟側端面13bとは、横方向Yと平行な方向で一直線上に位置していない。言い換えると、被嵌合部13の軒側端面13aは、嵌合部12の軒側端面12aよりも、軒側に位置している。被嵌合部13の棟側端面13bは、嵌合部12の棟側端面12bよりも、軒側に位置している。
【0025】
軒棟方向Xにおいて、板部11に対する嵌合部12のずれた寸法と、板部11に対する被嵌合部13のずれた寸法とは、同じであることが好ましい。すなわち、板部11の軒側先端部と被嵌合部13の軒側端面13aとの間の寸法は、板部11の棟側先端部と嵌合部12の棟側端面12bとの間の寸法と同じであることが好ましい。また板部11の軒側先端部と嵌合部12の軒側端面12aとの間の寸法は、板部11の棟側先端部と被嵌合部13の棟側端面13bとの間の寸法と同じであることが好ましい。
【0026】
板部11の軒側接続部15の軒側先端は嵌合部12の軒側端面12aよりも軒側に突出している。また板部11の軒側接続部15の軒側先端は被嵌合部13の軒側端面13aと横方向Yと平行な方向で一直線上に位置している。軒側端面12aよりも軒側には切欠部101が形成されている。切欠部101は軒側接続部15の軒側先端の側方に位置している。
【0027】
また、板部11の棟側接続部16の棟側先端は被嵌合部13の棟側端面13bよりも棟側に突出している。また板部11の棟側接続部16の棟側先端は嵌合部12の棟側端面13bと横方向Yと平行な方向で一直線上に位置している。棟側端面13bよりも棟側にも切欠部102が形成されている。切欠部102は棟側接続部16の棟側先端の側方に位置している。
【0028】
被嵌合部13は、嵌合部12に対して上方から被せることで、嵌合部12に嵌合するように構成されている(
図7参照)。被嵌合部13は、嵌合部12を上方から覆うように形成されている。
【0029】
板部11は、リブ部14と底面部111とを備えている。リブ部14は、嵌合部12と被嵌合部13との間において、板部11に軒棟方向Xに沿って設けられている。リブ部14は板部11の横方向Yの略中央部に設けられている。リブ部14は軒側接続部15と棟側接続部16との間に連続して形成されている。リブ部14は板部11の表面に突出して形成されている。リブ部14は一対のリブ傾斜片141を有している。リブ部14は一対のリブ傾斜片141が上方に行くほど間隔が狭くなるようにして形成されている。すなわち、リブ部14は上方に行くほど先細りである。リブ部14は板部11の下面に開口する空間部17として形成されている。空間部17は軒側から見て断面略三角形を有している。軒側接続部15において、空間部17は軒側開口部171として開口している。また空間部17は棟側接続部16においても棟側開口部として開口している。リブ部14は、屋根下地30に設けられた台座20に固定可能に構成されている。台座20は空間部17に位置させた状態でリブ部14と結合される(
図4参照)。
【0030】
リブ部14は一対の底面部111の間に形成されている。一方の底面部111は一方のリブ傾斜片141の下端から嵌合部12の内側板部121にまで延びて形成されている。他方の底面部111は他方のリブ傾斜片141の下端から被嵌合部13の内側板部131にまで延びて形成されている。底面部111は、屋根下地30上に複数の屋根材10が設置された状態において、雨水等が流通する流路を構成する。すなわち、リブ部14は底面部よりも上方に突出しているために、軒棟方向Xにおいて雨水等が流通しにくい。各底面部111は軒側接続部15と棟側接続部16との間に連続して形成されている。
【0031】
(2.2)台座
台座20は屋根材10を屋根下地30に固定するものである。
図2に示すように、台座20は、支え部21と一対の固定片22とを備えている。支え部21は一対の台座傾斜片211を備えている。一対の台座傾斜片211は上方に行くほど間隔が狭くなるようにして形成されている。すなわち、支え部21は上方に行くほど先細りである。各固定片22は支え部21の下端(各台座傾斜片211の下端)から外側(支え部21と反対側)に向かって突出している。各固定片22には厚み方向に貫通する複数の固定孔23が設けられている。台座20の軒棟方向Xにおける寸法はリブ部14の軒棟方向Xにおける寸法よりも短い。
【0032】
支え部21は空間部17内に収容可能に形成されている。空間部17に収容された支え部21の上面はリブ部14の下面と接触される。すなわち、支え部21を構成する一対の台座傾斜片211の上面は、各々、リブ部14を構成する一対のリブ傾斜片141の下面に接触する。したがって、支え部21の一対の台座傾斜片211は、空間部17に対応するように、軒側から見て断面略三角形に形成されている。なお、台座20は屋根材10と同様に金属板を曲げ加工するなどして形成されている。
【0033】
(2.3)屋根材の施工
本実施形態の屋根材10は、屋根下地30上に台座20により固定されて施工される。この場合、複数の屋根材10を屋根下地30上に横方向Yで一列並べて施工した後、その棟側に、別の複数の屋根材10を横方向Yで並べて施工される。軒棟方向X及び横方向Yにおいて、屋根材10を並べる枚数は、特に限定されず、2つ以上であればよい。
【0034】
屋根下地30に施工される複数の屋根材10は、軒棟方向Xに並ぶように設置される。また他の複数の屋根材10は、軒棟方向と直交する横方向Yに並ぶように設置される。横方向Yで隣接する二枚の屋根材10aと10b又は屋根材10cと10dは、嵌合部12と被嵌合部13との嵌合により接続されている。また軒棟方向Xで隣接する二枚の屋根材10a、10c又は屋根材10bと10dは、縦継ぎにより接続されている。なお、複数の屋根材10は、屋根の軒を構成する屋根材10e以外は、すべて同じ構造である。
【0035】
屋根下地30は、屋根材10の下地となる部分であり、鉄骨造や木造等により構成されている。屋根下地30は、例えば、複数の横架材と、野地板と、下葺材とを備えている。複数の横架材は、横方向に沿って架け渡された構造材であり、例えば、母屋,梁,桁等により構成される。
【0036】
野地板は、複数の横架材の上方に配置される。野地板は、例えば、樹脂発泡材等の芯材を金属板で挟んだサンドイッチパネルや、木質板等により構成される。野地板は、屋根面に対応する部分の全面にわたって配置されている。
【0037】
下葺材は、防水性を有しており、屋内側への浸水を防ぐ。下葺材は、野地板の全面にわたって敷設される。下葺材は、例えば、アスファルトルーフィングや、改質ゴムアスファルトルーフィング等の防水シートにより構成される。
【0038】
なお、例えば、建物が木造の場合、屋根下地30は、野地板を下方から支持する複数の垂木を含む。複数の垂木は、各々の長手方向が軒棟方向に平行に配置されると共に、横方向に一定の間隔をおいて配置され、野地板と横架材(母屋)との間に配置される。
【0039】
そして、まず、
図3に示すように、複数の台座20を屋根下地30上に配置して固定する。横方向Yにおいて、複数の台座20のピッチは、横方向に並ぶ複数の屋根材10の各リブ部14のピッチと同じである。また台座20は屋根下地30上に配置される複数の屋根材10の各リブ部14の棟側端部近くに位置するように配置されている。台座20はビスや釘などの固定具24により屋根下地30に固定する(
図8参照)。この場合、固定具24は固定孔23に上方から差し込まれて屋根下地30に打ち込まれる。
【0040】
次に、一つの屋根材10aを屋根下地30に載置する(
図4参照)。このとき、リブ部14の棟側端部の下に屋根下地30に固定した一つの台座20を配置する。すなわち、一つの台座20が空間部17に下方から挿入される。台座20の固定片22は、リブ部14の両側の底面部111の下側に位置している。また屋根材10aの敷き込み片127が釘やビスなどの固定具18で屋根下地30に固定される(
図7参照)。
【0041】
次に、別の一つの屋根材10bを上記屋根材10aの横で屋根下地30に載置する。ここで、横方向Yで隣接する屋根材10は嵌合により接続される。すなわち、一方の屋根材10aの嵌合部12に他方の屋根材10bの被嵌合部13を上側から嵌め込んで嵌合する。このとき、被嵌合部13の外側突出部136が嵌合部12の内側突出部122の下側に引っかかる(
図7参照)。また被嵌合部13の内側突出部132が嵌合部12の外側突出部125の下側に引っかかる(
図7参照)。
【0042】
横方向Yで隣接する屋根材10は、各板部11の軒側接続部15の軒側先端が横方向Y上で略一直線上に配置される(
図4参照)。また横方向Yで隣接する屋根材10は、各板部11の棟側接続部16の棟側先端が横方向Y上で略一直線上に配置される(
図4参照)。嵌合された嵌合部12と被嵌合部13において、嵌合部12の棟側端面12bは、被嵌合部13の棟側端面13bよりも、棟側に位置している。すなわち、嵌合された嵌合部12と被嵌合部13において、屋根材10bの被嵌合部13の棟側の切欠部102に、屋根材10aの嵌合部12の棟側端部が位置する。また一方の屋根材10aの敷き込み片127が他方の屋根材10bの板部11の底面部111の下側に位置する。
【0043】
次に、屋根下地30上に設置した複数の屋根材10の棟側に、別の複数の屋根材10を横方向Yに一列に並べて施工していく。ここで、まず、軒側の屋根材10aの棟側接続部16の上に、棟側の屋根材10cの軒側接続部15を重ねる(
図5参照)。また、棟側の屋根材10cの嵌合部12の軒側にある切欠部101に、屋根材10aの嵌合部12の棟側端部と、屋根材10bの被嵌合部13の棟側にある切欠部102が位置する。さらに、軒側の屋根材10aの嵌合部12の棟側端面12bと、棟側の屋根材10cの嵌合部12の軒側端面12aとが対向して配置される。また屋根材10aのリブ部14の棟側端部に、屋根材10cのリブ部14の軒側端部が被さって重なる。
【0044】
次に、屋根材10bの棟側で、屋根材10cの横に、さらに別の屋根材10dを並べて施工していく(
図6参照)。ここで、軒棟方向Xで隣接する屋根材10bと屋根材10dは、屋根材10aと屋根材10cと同様にして接続される。すなわち、軒側の屋根材10bの棟側接続部16の上に、棟側の屋根材10dの軒側接続部15を重ねる。また、軒側の屋根材10bの嵌合部12の棟側端面12bと、棟側の屋根材10dの嵌合部12の軒側端面12aとが対向して配置される。また
また横方向Yで隣接する屋根材10cと屋根材10dは、屋根材10aと屋根材10bと同様にして接続される。すなわち、軒側の屋根材10bのリブ部14の棟側端部に、屋根材10dのリブ部14の軒側端部が被さって重なる。一方の屋根材10cの嵌合部12に他方の屋根材10dの被嵌合部13を上側から嵌め込んで嵌合する。このとき、被嵌合部13の外側突出部136が嵌合部12の内側突出部122の下側に引っかかる(
図7参照)。また被嵌合部13の内側突出部132が嵌合部12の外側突出部125の下側に引っかかる(
図7参照)。また横方向Yで隣接する屋根材10cと屋根材10dは、各板部11の軒側接続部15の軒側先端部が横方向Y上で略一直線上に配置される。また横方向Yで隣接する屋根材10cと屋根材10dは、各板部11の棟側接続部16の棟側先端部が横方向Y上で略一直線上に配置される。
【0045】
また、屋根材10dの被嵌合部13の軒側端面13aは、屋根材10bの被嵌合部13の棟側端面13bと対向配置される。屋根材10bの被嵌合部13の棟側端面13bと、屋根材10dの被嵌合部13の軒側端面13aとは、ほとんど隙間なく対向配置される(突き付ける)ことが好ましい。屋根材10dの被嵌合部13の軒側端部は、屋根材10bの嵌合部12の棟側端部と屋根材10cの嵌合部12の軒側端部にわたって嵌合される。すなわち、屋根材10dの被嵌合部13の軒側端部は、屋根材10bの切欠部102と屋根材10cの切欠部101との重なり合った部分の上方から屋根材10cの嵌合部12の軒側端部にわたって配置される。したがって、屋根材10aの嵌合部12の棟側端面12bと、屋根材10cの嵌合部12の軒側端面12aとの対向部分の上方が、屋根材10dの被嵌合部13で覆われることになる。
【0046】
このように屋根材10aの嵌合部12の棟側端面12bと、屋根材10cの嵌合部12の軒側端面12aとの対向部分の上方が、屋根材10dの被嵌合部13で覆われることにより、棟側端面12bと、軒側端面12aとの対向部分の隙間に雨水等が浸入しにくくなり、防水性が向上する。棟側端面12bと、軒側端面12aとの対向部分の隙間よりも下に通過した雨水等は敷き込み片127を通過して排水される。また、嵌合部12の軒側端面12aと棟側端面12bの対向する位置は、被嵌合部13の軒側端面13aと棟側端面13bの対向する部分よりも水上側に位置するので、浸入した水等が屋根下地30に侵入しにくい構造である。
【0047】
屋根材10dの被嵌合部13の軒側端部は、屋根材10bの切欠部102と屋根材10cの切欠部101との重なり合った部分の上方に配置されるから、屋根材10aの嵌合部12の棟側端部との二枚重ねで配置される。すなわち、4つの屋根材10a~10dが集まっている部分においても、切欠部101及び102の箇所では、屋根材10の重なりは2重となる。したがって、屋根材10の重なりによる隙間が生じにくくなり、防水性が向上する。
【0048】
また屋根材10はリブ部14の位置で台座20に固定される。すなわち、
図8に示すように、リブ部14の表面側からビスなどの固定具40を打ち込んで固定する。このとき、リブ傾斜片141から各台座傾斜片211にまで固定具40を打ち込むようにする。この固定具40は屋根下地30を貫通しないようにする。これにより、屋根下地30の防水性を向上させることができる。固定具40は屋根下地30を貫通しないばかりでなく、屋根下地30に達しないようにするのが好ましい。
【0049】
(2.4)面戸
最も軒側に配置される屋根材10(10e)には、面戸50が取り付けられる(
図9A~
図9C参照)。面戸50によりリブ部14の空間部17の軒側開口部171の少なくとも一部が覆われる。したがって、軒側開口部171が目立たなくなって、屋根の外観が向上する。
【0050】
面戸50は取付片51と被覆部52とを備えている。面戸50は屋根材10と同様の金属板を曲げ加工するなどして形成されている。取付片51は平板状に形成されている。取付片51は横方向Yにおいて被覆部52の側方に突出している。被覆部52は取付片51の横方向Yの略中央部に上方に突出して形成されている。被覆部52は前部521と一対の側部522とを有している。前部521の軒側から見た形状は軒側開口部171の軒側から見た形状とほぼ同じである。側部522はリブ傾斜片141の下面に沿うような傾斜面に形成されている。
【0051】
最も軒側に配置される屋根材10eは、軒側接続部15よりも軒側に突出する支持片151を有している。支持片151は各底面部111の軒側端部から突出して形成されており、一対の支持片151が屋根材10eに設けられている。一対の支持片151は軒側開口部171の軒側にある間隙152を挟んで設けられている。すなわち、一対の支持片151が、軒側開口部171の軒側にある間隙152を挟んで、横方向Yに並んで設けられている。
【0052】
最も軒側に配置される屋根材10eに面戸50を取り付けるにあたっては、まず、面戸50をリブ部14の軒側から軒側開口部171に近づける(
図9A参照)。そして、被覆部52は、軒側開口部171の両側に位置する一対の支持片151の間の間隙152を通すことによって、軒側開口部171の内側に差し込まれる。このとき、取付片51は板部11の下側に配置される。すなわち、リブ部14を挟んで両側に位置する底面部111の下側に取付片51が配置される。この後、支持片151を基部(底面部111と支持片151との境界部分)153で折り曲げるようにする。このとき、支持片151は底面部111の下側に位置するように折り曲げられる。これにより、支持片151と板部11との間に取付片51が挟まれて、屋根材10eの軒側端部に面戸50が取り付けられる(
図9B参照)。
【0053】
また
図9Cに示すように、屋根材10eの軒側端部には軒先唐草70が取り付けられる。軒先唐草70は水切り部71と、水切り部71よりも軒側に突出する保持部73と、水切り部71よりも棟側に突出する差込部72を備えている。保持部73は、折り曲げられた支持片151と取付片51又は板部11の間で保持される。差込部72は屋根下地30と板部11の間で保持される。そして水切り部71は屋根下地30の軒側に位置して配置される。
【0054】
(2.5)けらば部材
図10A及び
図10Bには、けらば部材60、61を示している。一方のけらば部材60と他方のけらば部材61とは、屋根の一方のけらばと他方のけらばとにそれぞれ取り付けられる。けらば部材60、61は屋根材10と同様に金属板を曲げ加工するなどして形成されている。
【0055】
けらば部材60は板状の主体部601の一端に被嵌合部603が形成されている。被嵌合部603は屋根材10の被嵌合部13と同様に形成されている。主体部601の他端には差し込み溝602が形成されている。
【0056】
けらば部材61は板状の主体部611の一端に嵌合部613が形成されている。嵌合部613は屋根材10の嵌合部12と同様に形成されている。主体部611の他端には差し込み溝612が形成されている。
【0057】
そして、
図10Cのように、けらば部材60は被嵌合部603を屋根材10の嵌合部12に嵌合して一方のけらばに取り付けられる。またけらば部材61は嵌合部613に屋根材10の被嵌合部13を嵌合して他方のけらばに取り付けられる。また各けらばには、水切り80がそれぞれ取り付けられる。
【0058】
(3)変形例
図11に示すように、屋根材10を積載する際には、上下に隣り合う屋根材10の表面同士あるいは裏面同士が向き合うようにするのが好ましい。これにより、複数の屋根材10が高く積載されにくくなって、搬送がしやすくなる。
【0059】
軒側接続部15の軒側先端部の形状は特に問わない。上記では、軒側接続部15の軒側先端部は切断した状態であったが、軒側接続部15の軒側先端部はヘミング折りで形成してもよい。すなわち、板部11の軒側端部を裏面側に折り返すように曲げた折り返し部を設けることにより、軒側接続部15の軒側先端部が形成されている。この場合、屋根材10が軒側先端部から錆びにくくなり、また屋根材10の軒側先端部の強度が向上し、負圧等の負荷に対する変形を抑制することができる。
【0060】
また、軒側接続部15の軒側先端部は立体形状で形成してもよい。すなわち、板部11の軒側端部を裏面側に2つ折りにした後、さらに断面略「く」字状となるように曲げることにより、軒側接続部15の軒側先端部が形成されている。この場合、屋根材10が軒側先端部から錆びにくくなり、また屋根材10の軒側先端部の強度が向上し、負圧等の負荷に対する変形を抑制することができる。
【0061】
上記では、嵌合部12と被嵌合部13との軒棟方向Xの長さが同じであったが、嵌合部12と被嵌合部13との軒棟方向Xの長さが異なっていてもよい。嵌合部12と被嵌合部13とのどちらが長くてもよいが、被嵌合部13が嵌合部12よりも長いほうが好ましく、この場合、軒棟方向Xで並ぶ嵌合部12の接続部分を被嵌合部13で覆うことができる。
【0062】
リブ部14は、屋根材10に一つだけでなく、複数設けてもよい。
【0063】
面戸50は、リブ部14の軒側開口部171だけでなく、嵌合部12の下方の空間及び被嵌合部13の下方の空間の各軒側の開口の少なくとも一部を覆うように配置してもよい。
【0064】
[まとめ]
本実施形態は以下の特徴を有する。
【0065】
第1の態様に係る屋根材(10)は、矩形の板部(11)と、板部(11)の軒棟方向(X)に沿った一方の端部に設けられた嵌合部(12)と、軒棟方向(X)に沿った他方の端部に設けられた被嵌合部(13)と、を備えている。板部(11)には、嵌合部(12)と被嵌合部(13)との間に、軒棟方向Xに沿ったリブ部(14)が設けられている。リブ部(14)は、屋根下地(30)に設けられた台座(20)に固定可能に構成されている。
【0066】
第1の態様に係る屋根材(10)では、屋根材(10)をリブ部(14)で補強することができ、また屋根材(10)を台座(20)に固定することができ、屋根材(10)の耐負圧性能が向上する、という利点がある。
【0067】
第2の態様に係る屋根材(10)は、第1の態様において、リブ部(14)は、屋根下地(30)を貫通しない固定具(40)で、台座(20)に固定可能に構成されている。
【0068】
第2の態様に係る屋根材(10)では、屋根材(10)を台座(20)に固定することができ、屋根材(10)の耐負圧性能が向上する、という利点がある。また屋根下地(30)の防水性が損なわれないようにすることができる、という利点がある。
【0069】
第3の態様に係る屋根材(10)は、第2の態様において、リブ部(14)の裏側に台座(20)が配置可能な空間部(17)を更に有する。固定具(40)は、リブ部(14)の表側から空間部(17)に配置された台座(20)にねじ込み可能なビスである。
【0070】
第3の態様に係る屋根材(10)では、屋根材(10)を台座(20)に固定することができ、屋根材(10)の耐負圧性能が向上する、という利点がある。
【0071】
第4の態様に係る屋根材(10)は、第1~3のいずれか1つの態様において、嵌合部(12)の軒棟方向(X)に沿った寸法及び被嵌合部(13)の軒棟方向(X)に沿った寸法は、それぞれ、板部(11)の軒棟方向(X)の寸法よりも短く形成されている。嵌合部(12)の軒棟方向(X)における端部と、被嵌合部(13)の軒棟方向における端部とは、軒棟方向Xに沿って位置ずれしている。
【0072】
第4の態様に係る屋根材(10)では、嵌合部(12)同士及び被嵌合部(13)同士の重なり合いが少なくなり、防水性が向上する、という利点がある。
【0073】
第5の態様に係る屋根材(10)の固定構造は、第1~4のいずれか(1)つの態様の屋根材(10)と、台座(20)と、屋根下地(30)と、を備える。台座(20)は、屋根下地(30)に設けられている。屋根材(10)は、リブ部(14)が台座(20)に固定されて屋根下地(30)上に配置されている。
【0074】
第5の態様に係る屋根材(10)の固定構造では、屋根材(10)を台座(20)に固定することができ、屋根材(10)の耐負圧性能が向上する、という利点がある。
【0075】
第6の態様に係る屋根材(10)の固定構造は、第5の態様において、複数の屋根材(10)が軒棟方向(X)と軒棟方向(X)と直交する横方向(Y)とに並んで屋根下地(30)上に配置されている。横方向(Y)で隣接している二つの屋根材(10)は、一方の屋根材(10)の嵌合部(12)と他方の屋根材(10)の被嵌合部(13)とが嵌合している。棟側の屋根材(10)の嵌合部(12)の軒側端面(12a)と、軒側の屋根材(10)の嵌合部(12)の棟側端面(12b)とは軒棟方向(X)に並んで配置されている。棟側の屋根材(10)の被嵌合部(13)の軒側端面(13a)と、軒側の屋根材(10)の被嵌合部(13)の棟側端面(13b)とは軒棟方向(X)に並んで配置されている。
【0076】
第6の態様に係る屋根材(10)の固定構造では、嵌合部(12)同士及び被嵌合部(13)同士の重なり合いが少なくなり、防水性が向上する、という利点がある。
【0077】
第7の態様に係る屋根材(10)の固定構造は、第6の態様において、棟側の屋根材(10)の嵌合部(12)の軒側端面(12a)と、軒側の屋根材(10)の嵌合部(12)の棟側端面(12b)とが対向している。
【0078】
第7の態様に係る屋根材(10)の固定構造では、嵌合部(12)同士の重なり合いが少なくなり、防水性が向上する、という利点がある。
【0079】
第8の態様に係る屋根材(10)の固定構造は、第7の態様において、対向している軒側端面(12a)と棟側端面(12b)とが被嵌合部(13)で覆われている。
【0080】
第8の態様に係る屋根材(10)の固定構造では、対向している軒側端面(12a)と棟側端面(12b)との間の防水性が向上する、という利点がある。
【0081】
第9の態様に係る屋根材(10)の固定構造は、第7又は8の態様において、軒棟方向(X)で隣接している2つの屋根材(10)は、棟側の屋根材(10)の板部(11)の軒側接続部(15)が、軒側の屋根材(10)の板部(11)の棟側接続部(16)の表面側に重ねられている。
【0082】
第9の態様に係る屋根材(10)の固定構造では、軒棟方向(X)で隣接している2つの屋根材(10)の接続部分の防水性が向上する、という利点がある。
【符号の説明】
【0083】
10 屋根材
11 板部
12 嵌合部
12a 軒側端面
12b 棟側端面
13 被嵌合部
13a 軒側端面
13b 棟側端面
14 リブ部
15 軒側接続部
16 棟側接続部
17 空間部
20 台座
30 屋根下地
40 固定具
X 軒棟方向
Y 横方向