(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】コップ準備法
(51)【国際特許分類】
B65H 67/08 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
B65H67/08 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020047655
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】10 2019 107 378.2
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】523378985
【氏名又は名称】リーター オートマティック ワインダー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Rieter Automatic Winder GmbH
【住所又は居所原語表記】Karl-Arnold-Strasse 34, 52525 Heinsberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エンリコ バザウアー
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ-ペーター リンデマン
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-133070(JP,A)
【文献】特開2009-161327(JP,A)
【文献】特開平11-049433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 67/00-67/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コップにおいて予め規定された捕捉位置に糸端部を配置することにより巻返しプロセスのためにコップを準備する方法であって、以下のステップ、すなわち
-サクション空気を提供するサクション装置によって切断装置の方向に糸端部を吸い込むステップと、
-糸センサにより前記切断装置において前記糸端部を検出するステップと、
-遮断装置により前記サクション空気を遮断
するステップと、
-前記コップに糸ブレーキを当て付けるステップと、
-前記糸端部を切断するステップと、
-前記捕捉位置に前記糸端部を置くステップと
を含んでいる、コップを準備する方法において、
前記糸端部の前記吸込み前に、前記糸ブレーキ(3)を、前記コップ(2)からの糸繰出しを阻止する保持位置へと移動させ、前記糸ブレーキ(3)を前記サクション空気の提供と同時に、または前記サクション空気の提供後に、前記糸センサ(6)により前記糸端部が検出されるまで、一回または複数回、糸繰出しを解放する繰出し位置へと短時間移動させることを特徴とする、コップを準備する方法。
【請求項2】
前記糸端部を、ブロー装置により提供されたブロー空気により前記切断装置(4)の方向に移動させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記糸ブレーキ(3)を、1ms~100ms、好適には3ms~60ms、特に好適には5ms~30msだけ前記保持位置から前記繰出し位置へと移動させる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記繰出し位置における前記糸ブレーキ(3)の滞留時間を、前記糸ブレーキ(3)に連結された制御装置により調節し、該制御装置が、前記切断装置(4)において前記糸端部が検出されるまで、前記糸ブレーキ(3)の繰出し位置の回数を検出する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記制御装置が、プロセス最適化工程において、前記糸端部が検出されるまでの前記糸ブレーキ(3)の繰出し位置の回数を減少させるために、前記繰出し位置における前記糸ブレーキ(3)
の滞留期間を、予め規定された期間を起点としてステップ式に変更する、請求項
4記載の方法。
【請求項6】
前記制御装置が、前記プロセス最適化工程を、コップタイプおよび/または前記コップ(2)上に配置された糸種類の変更後に繰り返す、請求項
5記載の方法。
【請求項7】
前記サクション空気の前記遮断と同時に前記糸端部を切断する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コップにおける予め規定された捕捉位置に糸端部を配置することにより、巻返しプロセスのためにコップを準備する方法であって、以下のステップ、すなわち
-サクション空気を提供するサクション装置により切断装置の方向に糸端部を吸い込むステップと、
-糸センサにより切断装置において糸端部を検出するステップと、
-遮断装置によりサクション空気を遮断するステップと、
-糸端部を切断するステップと、
-捕捉位置に糸端部を置くステップと
を含む方法に関する。
【0002】
リング紡績機で製造される紡績コップは、引き続き加工するために通常は巻取り機において大容量の綾巻きパッケージに巻き返される。このためには、巻取り機の巻取りユニットにおいて常に綾巻きパッケージから戻された上糸と、給糸ボビンから来る下糸とが必要とされる。給糸ボビンを交換する場合に、該当する巻取りユニットの巻取りユニット計算器を介して、作業ユニット固有の自動糸継ぎ機が作動させられる。
【0003】
しかし紡績コップは、主に技術的な理由から、通常は巻取り機の巻取りユニットにおいて特別な準備なくしては操作することができないように、糸端部を置かれている。したがって、紡績コップは、紡糸ユニットから巻取りユニットへの途中で、まずは対応する準備装置に供給され、この準備装置において、糸端部が解かれて、後続の巻取り工程のために準備される。糸端部を準備しておくことは、たとえば紡績コップから予め巻き出され、切断された糸端部が紡績コップの予め規定された箇所に定義されて置かれるように、行われる。
【0004】
巻取り機のコップ準備装置は、たとえば独国特許発明第19650934号明細書により開示されている。準備すべき紡績コップは、サクション装置においてサクション管の隣に位置決めされる。このサクション管は、紡績コップに面した側に、巻き管先端部に置かれるまで糸を吸い込みかつ収容するためのスリットを有している。糸端部の捕捉を支援するために、紡績コップは、巻き取り方向とは反対方向に回転させられる。サクション管内には、サクション空気の供給および遮断のための遮断装置が配置されている。この遮断装置は、サクション空気の負圧の強さを調節可能である絞りに連結されている。したがって、サクション空気の強さは、たとえば種々異なるロットのために種々異なって調節することができるか、または毛状の繊細な糸のためには、平滑で粗い糸に比べて低く選択することができる。
【0005】
同様に、糸を吸い込むためのサクション装置が紡績コップの隣ではなく、紡績コップの上に配置されていることも公知である。過剰な/制御されていない糸の吸取りを阻止するために、サクション装置は、さらにセンサを含んでいる。このセンサは、正常な糸収容を検出する。サクション装置内での糸の検出により、紡績コップにおける糸ブレーキが接近するように旋回させられ、これにより、紡績コップからの糸のさらなる引出しを阻止することができる。
【0006】
したがって、基本的には、糸端部をサクションノズルによりコップから吸い込み、糸端部の存在をセンサにより検出し、糸を次いで過多な糸長さを分離することによって短く切断し、次いで切断された糸端部を、捕捉位置に、たとえば、糸端部を巻取りユニットにおいて簡単に再び捕捉することができるコップの内部に、またはコップの先端部に位置決めすることが公知である。
【0007】
しかし、コップを準備するための公知の方法は、比較的制御されていない糸吸込みにより、糸端部の切断時に発生する糸屑量が極めて大量になるという欠点を有している。糸端部のセンサによる検出後にコップに接近するように旋回させられる糸ブレーキの使用は、サクション流に基づく糸端部の引込み速度に基づいて相変わらず大量の糸屑量を発生させるので、良好な結果を有していない。
【0008】
このことを起点として、本発明の根底を成す課題は、コップ準備法を改良して、糸端部の切断時に極めて僅かでしかない糸屑を保証することにある。
【0009】
本発明はこの課題を請求項1に記載の特徴を備えたコップ準備法により解決する。方法の有利な別の態様は、従属請求項に記載されている。
【0010】
巻返しプロセスのためにコップを準備するための本発明に係る方法にとって特徴的であるのは、コップからの糸端部の吸込み前に、糸ブレーキを、コップからの糸繰出しを阻止する保持位置に移動させ、サクション空気の供給と同時にまたはサクション空気の供給後に、糸センサにより糸端部が検出されるまで、糸ブレーキを一回または複数回、糸繰出しを解放する繰出し位置へと短時間移動させることにある。
【0011】
先行技術から公知の方法とは異なり、糸ブレーキは、糸端部の吸込み前にコップに当て付けられ、この場合に、コップにサクション空気の影響が与えられると同時的にまたは与えられた後に、糸端部は糸ブレーキによりコップに留まる。サクション装置により切断装置の方向へ糸端部を移動させることは、糸繰出しを解放する繰出し位置への糸ブレーキの短時間の移動により行われる。この場合、サクション空気とは関係なく、繰出し位置における糸ブレーキの滞留時間を介して、コップから引き出される糸長さが決定可能である。したがって、繰出し位置への糸ブレーキの短時間の、場合によっては断続的な移動により、糸端部をステップ式に切断装置へと小刻みに供給することを達成することができる。繰出し位置への短時間だけの移動により、その都度単に僅かな糸繰出しが確保されるので、糸端部を検出した場合に、切断装置によって短い糸区分しか分離されず、これにより全体的に糸屑量を極めて少なく維持することができる。
【0012】
糸の切断に次いで、糸は、コップにおいてその捕捉位置で置かれる。この捕捉位置において、糸は次いで巻返し機内で問題なく捕捉され得る。捕捉位置とは、基本的にコップにおける任意の位置であってよく、糸端部は特に好適には中空のコップ本体内にまたはコップ先端部に置かれる。
【0013】
本発明に係る方法にとって重要であるのは、糸ブレーキをサクション空気の提供前にコップに当て付け、この場合に、糸端部の糸繰出しが阻止されていることにある。本発明に係る方法の実施のために、コップからの糸ブレーキの繰り返される短時間の上昇は、サクション空気の提供後またはサクション空気の提供と同時に糸端部を解放する目的で行われる。糸ブレーキの、サクション空気の提供とまずは同時的な移動が、特に省エネルギであることが判った。
【0014】
糸センサにより糸端部が検出されるまで切断装置の方向に糸端部をステップ式に移動させることによって(糸端部はその都度コップから僅かな程度しか繰り出されない)、糸端部の検出後かつこれに続く糸の切断後には、より僅かな糸屑量しか発生しないことが保証される。切断装置の方向に糸端部を移動させるためには、サクション装置により提供されるサクション空気が働く。
【0015】
本発明の有利な別の構成によれば、サクション空気に対して補足的に、糸端部が、ブロー装置により提供されたブロー空気により切断装置の方向に移動させられることが規定されている。ブロー装置は、たとえば、このブロー装置がブロー空気を中空のコップ本体を通してかつ側方でコップの傍らをガイドさせ、したがってサクション装置に対して補足的に糸端部を切断装置の方向に移動させるように、構成されていてよい。ブロー装置の使用は、特に、糸端部がコップ準備の枠内でコップから解かれて、信頼性よく切断装置内に至るまで搬送されることを保証する。糸センサによる糸端部の検出後に、遮断装置によるサクション空気の遮断と同様に、提供されたブロー空気の非作動化が行われるので、切断された糸端部をコップに戻すことができる。1つの別の構成によれば、このためにはブロー装置の作用方向が反転させられるので、糸端部は次いで吸い込みするブロー装置によって中空のコップ本体内へとガイドされる。
【0016】
繰出し位置における糸ブレーキの滞留時間に基づいて、その都度コップから巻き出される糸の長さが規定される。糸ブレーキの、保持位置から繰出し位置へのその都度短時間だけの移動は、その都度常に短い糸片だけがコップから繰り出されて、切断装置の方向に移動させられるので、糸センサにより糸端部が検出された場合に単に極めて短い糸片が切断されることが確実にされている。
【0017】
本発明の特に有利な別の構成によれば、糸ブレーキは、1ms~100ms、好適には3ms~60ms、特に好適には5ms~30msだけ保持位置から繰出し位置へと移動させられることが規定されている。繰出し位置における糸ブレーキの滞留時間を可変に調節する可能性は、方法をそれぞれの糸種類およびコップタイプに最適に適合させることを可能にする。1ms~5msの範囲での繰出し位置への糸ブレーキの単に短時間の移動は、特に高い程度で、単に僅かな糸屑量を保証する。しかし、必要な場合には、繰出し位置における期間の延長によって、糸ブレーキにより占めるべき繰出し位置の回数を減少することによって、方法を加速することができるので、次いで場合によっては僅かにだけ高い糸屑量で準備されたコップをより迅速に提供することができる。したがって、繰出し位置における糸ブレーキの滞留期間を変更する可能性は、方法のフレキシビリティを補足的な形式で高める。
【0018】
簡単な構成では、繰出し位置における糸ブレーキの滞留時間の調節が、滞留期間を決定することができる、ユーザにより操作すべき適切な手段を介して行われる。しかし、本発明の特に有利な構成によれば、繰出し位置における糸ブレーキの滞留期間は、糸ブレーキに連結された制御装置を介して決定されることが規定されている。この制御装置は、切断装置において糸端部が検出されるまでの糸ブレーキの繰出し位置の回数を検出する。糸センサにより糸端部が検出されるまで糸ブレーキの繰出し位置の回数を検出する可能性を提供する制御装置の使用は、場合によっては、繰出し位置における糸ブレーキの滞留期間の延長を実施することを可能にし、これによりプロセス最適化を達成することができる。したがって、たとえば、制御装置が、切断装置における糸端部の検出に至るまで糸ブレーキの繰出し位置の高い回数を検出した場合のために、制御装置を介して、繰出し位置における糸ブレーキの滞留期間の延長を実施することができる。これにより、方法期間の短縮を達成し、同時に僅かな糸屑量しか生じない。この場合、糸ブレーキの滞留位置におけるこれにより減少した回数を連続的に検出することを介して検査が行われるので、簡単な形式で方法の最適化を実施することができる。ユーザは、繰出し位置における糸ブレーキの滞留期間の選択を自由に行うことができるので、方法をそれぞれの状況に最適な形式で適合させることができる。
【0019】
基本的には、滞留期間の調節を手動で行うことができ、特に好適な別の構成による制御装置により検出された、切断装置において糸端部が検出されるまでの糸ブレーキの繰出し位置の回数を考慮しながら行うことができる。しかし、本発明の特に有利な構成によれば、制御装置が、プロセス最適化工程において、糸端部が検出されるまでの糸ブレーキの繰出し位置の数を減少させるために、繰出し位置における糸ブレーキの滞留期間を、予め規定された期間を起点として、自動的にステップ式に変更することが予定されている。本発明のこの構成によれば、自動的に、制御装置により、プロセス最適化が行われる。このプロセス最適化において、制御装置は、場合によってはユーザにより設定された、糸ブレーキの繰出し位置の数に到達するまで、糸ブレーキの滞留期間がステップ式に適合させられるか、もしくは最適化させられる。制御装置は、準備法の間に、各加工されたコップに応じて滞留期間の適合を連続的に実施する。
【0020】
できるだけ僅かな糸屑量を伴う最適化された結果を保証するために、制御装置は、コップ準備を、第1の加工すべきコップでは、繰出し位置における糸ブレーキの規定された期間で開始する。次いで制御装置は、滞留時間を加工すべきコップから次の加工すべきコップへとステップ式に適合させる。本発明の有利な別の構成によれば、制御装置は、このプロセス最適化工程を、コップタイプおよび/またはコップに配置された糸種類の変更に応じて繰り返す。繰返しとは、コップタイプまたはコップ上の糸タイプが交換された後に、プロセス最適化工程が改めて予め規定された期間で開始され、これに基づいて変更された繰出し時間が生じ得ることであると理解される。したがって、本発明のこの構成によれば、種々異なる糸タイプおよびコップタイプのために自動的に新たな適合が実施され、これにより、コップタイプまたは糸タイプの変更時にも、コップ準備の枠内において単に僅かな糸屑量が保証され得ることが保証される。
【0021】
準備工程を最適化するために、本発明の別の構成によれば、サクション空気の遮断と同時に、糸端部が切断されることが規定されていてよい。本発明のこの構成により、方法は補足的な形式で最適化されかつ加速される。このためには、たとえば、サクション空気を遮断する遮断絞りが、切断装置に連結されていることが規定されていてよく、これによりサクション空気の遮断と同時に糸端部の切断が行われる。
【0022】
本発明の実施例を以下に図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】コップ準備装置を概略的に示す斜視図である。
【0024】
図1は、概略図でコップ準備装置1を示している。このコップ準備装置1では、糸を備えたコップ2が巻返しプロセスのために準備される。コップ2上に配置された糸(図示せず)の糸端部は、サクション装置5を介して切断兼遮断装置4に向かう方向に移動させられる。
【0025】
サクション装置5のサクション空気を作動させる前に、糸ブレーキ3がコップ2に当て付けられ、この場合にコップ2に配置された糸端部は、サクション空気が加えられているにもかかわらず、糸ブレーキ3により阻止されている。糸ブレーキ3は、サクション空気の提供後にまたはサクション空気の提供と同時に、コップ2から、つまり糸繰出しを阻止する保持位置から、糸繰出しを解放する繰出し位置へと短時間移動させられる。繰出し位置における糸ブレーキ3の滞留期間中に、糸端部は、切断兼遮断装置4の方向に向かって移動させられ、この場合に繰り出される糸の長さは、繰出し位置における糸ブレーキ3の滞留期間に依存する。
【0026】
保持位置へと糸ブレーキ3を断続的に移動させることは(この場合に、滞留時間は単に数ミリ秒までである)、コップ2から過剰に長い糸端部が引き出されることを阻止する。繰出し位置への糸ブレーキ3の、間隔を置いて行われる短時間だけの移動は、糸の存在が糸センサ6によって検出されるまで、糸が小刻みに切断兼遮断装置4の方向に移動させられることにつながる。
【0027】
これに続いて、切断兼遮断装置4によって、サクション空気の遮断が、規定された長さへの糸端部の切断と同時に行われるので、これに続いて規定の糸端部をコップ2において捕捉位置に、好適には中空のコップ2の内部に移動させることができる。繰出し位置への糸ブレーキ3の短時間だけの移動によって、コップ2から糸端部をその都度小刻みに繰り出すことにより、糸の切断時に大量の糸屑量の発生が阻止される。コップ2の準備に続いて、コップ2を支持する搬送装置8による、たとえば巻返し機へのコップ2の移動が行われる。
【0028】
図示されていない制御装置を介して、
図1に図示された繰出し位置における糸ブレーキ3の滞留期間が調節可能である。制御装置は、プロセス最適化の枠内で、加工すべきコップ2から次の加工すべきコップ2へと、滞留期間を更に適合させることで、予め規定された最適な値が得られるまで実施する。次いで、同じ種類のコップ2が、制御装置により最適化された方法によって準備される。
【0029】
コップタイプまたはコップ2上に配置された糸タイプを変更した場合は、制御装置がプロセス最適化工程を改めて開始し、その際に、繰出し位置における糸ブレーキ3の最小の滞留期間から始めて、この滞留時間を、予め規定された値に至るまで加工すべきコップ2から次の加工すべきコップ2へと段階的に延長させる。この値は、方法時間と糸屑量との間での最適解である。
【符号の説明】
【0030】
1 コップ準備装置
2 コップ
3 糸ブレーキ
4 切断兼遮断装置
5 サクション装置
6 糸センサ
7 ベローズ
8 搬送装置