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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】充電装置及び電気掃除装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240910BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20240910BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20240910BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H02J7/02 J
A47L9/28 U
A47L9/00 104
A47L5/24 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020133045
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029646
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】鹿山 俊洋
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-198232(JP,A)
【文献】特開平04-244742(JP,A)
【文献】特開2010-148277(JP,A)
【文献】特開2020-005349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
A47L 9/28
A47L 9/00
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器に対し着脱可能な二次電池を充電する充電装置であって、
電源部と、
前記電気機器に取り付けられている前記二次電池を充電する第一充電部と、
前記電気機器から取り外されている前記二次電池を充電する第二充電部と、
前記各二次電池の充電の可否と充電の要否との少なくともいずれかの情報に基づき、前記電源部から前記第一充電部と前記第二充電部とに供給される充電電流の配分を決定する充電制御部と、を備え、
前記充電制御部は、前記第一充電部による前記二次電池の充電を前記第二充電部による前記二次電池の充電より優先するとともに、前記各充電電流が、前記第一充電部と前記第二充電部とでそれぞれが受容可能な最大電流以下で、かつ、合計が前記電源部の最大出力電流以下となるように制御する
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記充電制御部は、前記各充電電流を、前記電気機器に取り付けられている前記二次電池と前記電気機器から取り外されている前記二次電池とがそれぞれ所定の割合の充電量に達するまでに必要な時間が短い側の充電を優先するように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項3】
前記充電制御部は、前記電気機器に取り付けられている前記二次電池の充電量が充電開始から所定時間となった時点で所定の割合に達し得る場合に前記第一充電部による前記二次電池の充電を優先し、達し得ない場合に前記第二充電部による前記二次電池の充電を優先するように前記充電電流を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電制御部は、前記二次電池の充電を待機し得る最大時間と、必要な前記二次電池の充電量の割合と、の少なくともいずれかに関する使用者の設定に応じて前記充電電流の配分を決定する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の充電装置。
【請求項5】
前記充電制御部は、使用者の利用履歴に基づき設定される前記二次電池の充電を待機し得る最大時間と、必要な前記二次電池の充電量の割合と、前記二次電池の着脱に対する抵抗感と、の少なくともいずれかに応じて前記充電電流の配分を決定する
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の充電装置。
【請求項6】
前記各二次電池の前記充電電流の配分に関する情報を使用者に報知する報知手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の充電装置。
【請求項7】
前記第一充電部と前記第二充電部との少なくともいずれかが非接触式充電方式である
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の充電装置。
【請求項8】
二次電池を着脱可能な電気掃除機である電気機器と、
前記二次電池を充電する請求項1ないしいずれか一記載の充電装置と、
を備えることを特徴とする電気掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電気機器に対し着脱可能な二次電池を充電する充電装置及びこれを備えた電気掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池を駆動源として用いるコードレス式の電気機器として、電気掃除機が知られている。電気掃除機は、充電電圧が印加されたプラグを本体に備えられたジャックに機械的に接続することで、本体に内蔵された二次電池を充電する。
【0003】
この種の電気掃除機の場合、二次電池の電力が低下すると、二次電池を再充電するまで使用できない。そのため、複数の二次電池を予め用意し、本体から取り外された二次電池を個別に充電可能とする取り外しバッテリ充電式を採用することで、電気掃除機の重量を抑制しつつ稼働時間を延ばすことが可能になる。この方式では、電気掃除機に取り付けられた二次電池の電力が低下したときに都度満充電の予備の二次電池に交換することで、稼働時間を延長することができ、かつ、個々の二次電池に必要な容量を抑制できるので電気掃除機の軽量化が可能になるからである。
【0004】
このような構成の場合、複数の二次電池を着脱しながら稼働時間を延ばすためには、本体に取り付けられている二次電池と、本体から取り外されている二次電池と、を同時期に充電できることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-131795号公報
【文献】特開2018-15325号公報
【文献】特開2019-80407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電気機器に取り付けられている二次電池と電気機器から取り外されている二次電池とを同時期に充電できる利点を最大化できる充電装置及びこれを備えた電気掃除装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の充電装置は、電気機器に対し着脱可能な二次電池を充電する。充電装置は、電源部と、第一充電部と、第二充電部と、充電制御部と、を備える。第一充電部は、電気機器に取り付けられている二次電池を充電する。第二充電部は、電気機器から取り外されている二次電池を充電する。充電制御部は、各二次電池の充電の可否と充電の要否との少なくともいずれかの情報に基づき、電源部から第一充電部と第二充電部とに供給される充電電流の配分を決定する。充電制御部は、第一充電部による二次電池の充電を第二充電部による二次電池の充電より優先するとともに、各充電電流が、第一充電部と第二充電部とでそれぞれが受容可能な最大電流以下で、かつ、合計が電源部の最大出力電流以下となるように制御する
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の充電装置を備える電気掃除装置の一部を模式的に示すブロック図である。
図2】同上電気掃除装置を示す斜視図である。
図3】同上電気掃除装置において二次電池を充電する状態の一例を示す側面図である。
図4】第2の実施形態の充電装置を備える電気掃除装置の一部を示し、(a)は一例の側面図、(b)は他の例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図2において、1は電気機器である。本実施形態において、電気機器1は、被掃除部の塵埃を掃除する電気掃除機である。本実施形態では、電気機器1は、スティック型の電気掃除機を例に挙げて説明する。
【0011】
電気機器1は、本体10を備えている。本体10には、本体吸込口100が形成されている。本体吸込口100には、風路体11が機械的及び流体的に接続されている。風路体11は、本実施形態において、吸気管110と、吸込口体111と、を有する。本実施形態において、吸気管110は、直管状のパイプであるが、これに限らず、ホース等を少なくとも一部に有するものでもよい。また、吸込口体111には、回転ブラシ等の清掃体、及び、清掃体を動作させるモータ等のアクチュエータが配置されていてもよい。
【0012】
本体10には、電動部12が内部に配置されている。電動部12は、モータ等のアクチュエータを備える。本実施形態において、電動部12は、モータによりファンを回転させる電動送風機である。また、本体10には、分離部13が配置されている。分離部13は本体吸込口100と連通し、電動部12は分離部13と連通する。本実施形態において、分離部13としては、サイクロン分離部が用いられるが、これに限らず、フィルタ等でもよい。図示される例では、分離部13は、本体10に対し着脱可能である。
【0013】
電動部12の動作は、設定手段14を用いて使用者によって設定される。本実施形態において、設定手段14は、本体10に配置されている。図示される例では、設定手段14は、本体10の把持部101に配置されている。本実施形態において、設定手段14は、押し釦等のスイッチである。把持部101は、電気機器1を使用者が操作する際に使用者により把持される。把持部101は、電気機器1の種類又は機種によっては風路体11等に配置されている場合もある。その場合には、設定手段14は、本体10、あるいは風路体11等に配置される。
【0014】
電動部12は、制御手段15により制御される。制御手段15は、設定手段14の操作に応じた信号を受け取り、その信号に基づいて電動部12を動作させる。制御手段15は、好ましくはマイコン等が用いられる。制御手段15は、プログラムあるいはパラメータ等が記憶される記憶部と、この記憶部に記憶されたプログラムをパラメータ等に基づき実行する演算部と、を有する。電動部12及び制御手段15等の電動部は、駆動源となる二次電池16により給電される。つまり、本実施形態の電気機器1は、コードレス式の電気掃除機である。二次電池16は、本体10に対し着脱可能となっている。図示される例では、二次電池16は、本体10において、本体吸込口100とは反対側の端部に着脱可能となっている。
【0015】
二次電池16は、充電装置2により充電可能となっている。これら電気機器1と、充電装置2と、により、電気掃除装置VCが構成されている。なお、図1においては、充電装置2の一部の構成のみを図示し、その他の部分を省略している。
【0016】
充電装置2は、電気機器1に取り付けられている二次電池16と、電気機器1から取り外されている二次電池16と、を充電可能である。以下、電気機器1に取り付けられている二次電池16を二次電池16a、電気機器1から取り外されている二次電池16を二次電池16bと言い、これらの少なくともいずれか、又は双方を単に二次電池16と称する。本実施形態において、二次電池16aと二次電池16bとは、電気機器1に取り付けられた状態であるか取り外されている状態であるかが異なっているのみであり、基本的に同容量、同性能のものであるが、これに限らず、容量及び/又は性能が互いに異なるものでもよい。
【0017】
図2に示すように、充電装置2は、第一取付部20を備える。第一取付部20は、二次電池16aが取り付けられている電気機器1が取り付けられる。また、充電装置2は、第二取付部21を備える。第二取付部21は、二次電池16bが取り付けられる。本実施形態において、充電装置2は、電気機器1を置いておく置き台の機能を有する。図示される例では、充電装置2は、床面等の載置面に載置される脚部である台座部22を備え、台座部22上に第一取付部20と第二取付部21とが配置されている。
【0018】
第一取付部20は、電気機器1の少なくとも本体10を支持可能に形成されている。本実施形態において、第一取付部20は、台座部22から上方に延びて形成され、上端部に対し、本体10を上方から取り付け可能となっている。図示される例では、第一取付部20は、筒状に形成され、風路体11が取り外された本体10の一部を内挿した状態で支持するように構成されている。
【0019】
第二取付部21は、第一取付部20の下端部にて台座部22上に配置されている。
【0020】
そして、図1及び図2に示すように、充電装置2は、第一充電部24を備える。第一充電部24は、第一取付部20に取り付けられた電気機器1に取り付けられている二次電池16aを充電可能である。また、充電装置2は、第二充電部25を備える。第二充電部25は、電気機器1から取り外されて第二取付部21に取り付けられている二次電池16bを充電可能である。第一充電部24は、本体バッテリ充電部であり、第二充電部25は、取り外しバッテリ充電部である。なお、第一充電部24は、電気機器1に配置されていてもよい。
【0021】
第一充電部24及び第二充電部25には、電源部26が電気的に接続されている。電源部26から供給された電流により、第一充電部24及び第二充電部25が二次電池16a及び二次電池16bを充電する。電源部26は、二次電池16a,16bの充電に適した電圧及び電流を作り出す部分である。電源部26は、接続線である電源コード27を介して商用電源等の外部電源と電気的に接続される。電源コード27の先端には、外部電源を取るための外部電源接続部であるコンセント部等と接続される電源プラグ部270が配置されている。本実施形態において、電源部26は、商用電源等の交流の外部電源を直流に変換するAC-DCコンバータである。電源部26と電源コード27とを一体的に備える充電アダプタを用いてもよい。
【0022】
電源部26により作り出された電流は、充電制御部28により第一充電部24と第二充電部25とに配分される。充電制御部28は、二次電池16a,16bの充電の可否と充電の要否との少なくともいずれかの情報に基づき、電源部26から第一充電部24と第二充電部25とに供給される充電電流の配分を決定する。充電制御部28は、好ましくはマイコン等が用いられる。充電制御部28は、プログラムあるいはパラメータ等が記憶される記憶部と、この記憶部に記憶されたプログラムをパラメータ等に基づき実行する演算部と、を有する。
【0023】
本実施形態において、充電制御部28と、第一充電部24及び第二充電部25と、は、相互通信可能に構成されている。第一充電部24及び第二充電部25では、二次電池16a及び二次電池16bが接続されているか否か、二次電池16a及び二次電池16bの端子間電圧、及び、二次電池16a及び二次電池16bの通信内容等に基づいて、二次電池16a及び二次電池16bのそれぞれの充電の可否又は要否を判断し、充電制御部28に通知する信号を出力する。この信号を受け取った充電制御部28では、この信号に応じて、充電電流の配分を算出する信号を生成し、出力する。又は、充電制御部28は、第一充電部24及び第二充電部25を介して、二次電池16a及び二次電池16bが接続されているか否か、二次電池16a及び二次電池16bの端子間電圧、及び、二次電池16a及び二次電池16bの通信内容等を信号として受け取り、二次電池16a及び二次電池16bのそれぞれの充電の可否又は要否を判断し、この判断に応じて、充電電流の配分を算出する信号を生成し、出力する。すなわち、二次電池16a及び二次電池16bのそれぞれの充電の可否又は要否は、第一充電部24及び第二充電部25、又は、充電制御部28において判断される。充電制御部28は、二次電池16aのみが充電装置2に接続されている場合、つまり二次電池16aのみが充電可能な状態である場合、電源部26からの電流を第一充電部24のみに供給させ、二次電池16bのみが充電装置2に接続されている場合、つまり二次電池16bのみが充電可能な状態である場合、電源部26からの電流を第二充電部25のみに供給させ、これら二次電池16a,16bの双方が充電装置2に接続されている場合、電源部26からの電流を配分し、第一充電部24及び/又は第二充電部25に供給させるように信号を出力する。充電制御部28による充電電流の配分の制御の詳細については、後述する。
【0024】
本実施形態において、充電制御部28は、充電電流を配分する際、スイッチを配分手段として用い、第一充電部24と第二充電部25との一方にのみ電流を流し、他方を遮断するようにしてもよいし、定電流ダイオード又は抵抗アレイのスイッチを配分手段として用い、予め決められた充電電流を流すようにしてもよい。また、第一充電部24に優先的に電流を流す時間と第二充電部25に優先的に電流を流す時間との比を調整することによって、充電電流の時間平均を調整してもよい。例えば、5秒周期で、第一充電部24に対し、1Aで4秒、0.5Aで1秒電流を流し、第二充電部25に対し、0.5Aで4秒、1Aで1秒電流を流すと、第一充電部24と第二充電部25との充電電流の合計は1.5Aで一定であり、充電電流の時間平均は、第一充電部24で0.9A、第二充電部25で0.6Aとなる。
【0025】
また、本実施形態においては、充電制御部28による充電電流の配分に関する情報を、報知手段Rにより使用者に報知する。例えば、充電電流の配分に関する情報としては、第一充電部24と第二充電部25とのいずれに多く充電電流が供給されているかを表示する。報知手段Rとしては、音声等、聴覚的に報知するものでもよいが、好ましくは、LED等の、視覚的に報知する表示手段が用いられる。報知手段Rでの報知方法としては、第一充電部24と第二充電部25とに供給されている充電電流に応じて、あるいは、二次電池16a,16bの充電完了までの時間に応じて、色や明るさ、点滅間隔、表示可能区域に対する表示部の長さ等を調節する表示方法等が考えられる。表示手段として、タッチパネル式の液晶等、入力手段の機能を兼ねるものを用いてもよい。この場合には、二次電池16の充電を待機し得る最大時間と必要な所定の割合との少なくともいずれかを使用者が入力するための入力手段をこの報知手段又は表示手段に設けたUI等としてもよい。
【0026】
報知手段Rは、第一充電部24に供給されている充電電流と第二充電部25に供給されている充電電流とを一括で報知するものでもよいし、それぞれの充電電流に関する情報を個別に報知するものでもよい。図示される例では、報知手段Rは、第一充電部24に供給されている充電電流を報知する第一報知部R1と、第二充電部25に供給されている充電電流を報知する第二報知部R2と、を備える。本実施形態において、第一報知部R1は電気機器1に配置され、第二報知部R2は充電装置2に配置される。これに限らず、双方の報知部を電気機器1又は充電装置2に備えていてもよい。また、報知手段Rは、電気機器1及び/又は充電装置2に配置されるものに限らず、充電電流に関する情報を充電制御部28、第一充電部24、及び/又は第二充電部25から有線接続、又は、無線接続により受け取ったスマートフォン等、外部の報知装置又は表示装置を用いて報知するものでもよい。無線接続としては、インターネット接続、Wi-Fi接続、あるいは、bluetooth(登録商標)接続等、既知の任意の接続手段を用いてよい。
【0027】
そして、本実施形態において、第一充電部24及び第二充電部25は、図3に示すように、第一充電受け部160a及び第二充電受け部160bに対し、それぞれ機械的に接続される。
【0028】
図示される例では、第一充電受け部160aは、二次電池16aに形成され、充電装置2に配置された給電部29により第一充電部24と電気的に接続される。本実施形態において、給電部29は、第一取付部20の上端部から延出される給電線であり、先端部に形成されたプラグ290を介して、第一充電受け部160aに機械的及び電気的に接続される。
【0029】
第二充電受け部160bは、二次電池16bに形成され、電気機器1に対して二次電池16を着脱する際に電気機器1側と機械的及び電気的に接続される部分を共用している。つまり、本実施形態の第二充電受け部160bは、電気機器1に形成された電池接続部と機械的及び電気的に接続される部分である。
【0030】
なお、第一充電受け部160aは、二次電池16aに直接形成されているものに限らず、電気機器1の本体10等、任意の位置に形成されているものでもよい。
【0031】
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
【0032】
電気機器1は、使用者が把持部101を把持し、設定手段14を操作することで、この操作に応じて制御手段15が二次電池16から電動部12への通電量を制御し、電動部12を駆動させる。電動部12の駆動により生じた負圧によって、本体吸込口100から直接、又は、本体吸込口100に機械的及び流体的に接続された風路体11を介して本体吸込口100から、空気とともに分離部13へと塵埃が吸い込まれ、分離部13で塵埃が分離捕集される。分離部13から排出された空気は、電動部12に吸い込まれ、電動部12を冷却した後、本体10の外部に排気される。掃除が終了すると、使用者が設定手段14を操作することで、制御手段15が電動部12等を停止させる。
【0033】
使用しない電気機器1は、充電装置2に設置する。二次電池16aを充電する際には、電源プラグ部270をコンセント部等に機械的及び電気的に接続して外部電源と電源部26とを電気的に接続するとともに、図3に示すように、電気機器1の本体10を第一取付部20に取り付け、第一充電受け部160aに給電部29のプラグ290を機械的及び電気的に接続することで、二次電池16aを第一充電部24と電気的に接続する。また、予備の二次電池16bを充電する場合には、二次電池16bを第二取付部21に取り付けることで、二次電池16bの第二充電受け部160bを第二充電部25と電気的に接続する。充電装置2による二次電池16a,16bの充電は、電気機器1の充電装置2への装着、使用者等の任意の開始操作、あるいは所定の時刻になったこと等、任意のトリガにより開始される。
【0034】
充電制御部28は、第一充電部24及び第二充電部25からの通知による二次電池16a,16bの充電の可否と充電の要否との少なくともいずれかの情報に基づき、電源部26から第一充電部24と第二充電部25とに供給される充電電流の配分を決定する。すなわち、充電制御部28は、二次電池16a,16bの充電の可否と充電の要否との少なくともいずれかの情報を示す信号を受け取ると、その信号に応じて、電源部26から第一充電部24と第二充電部25とに供給される充電電流の配分を決定する信号を生成し、出力する。又は、充電制御部28は、第一充電部24及び第二充電部25を介して受け取った二次電池16a,16bの情報についての信号に基づき二次電池16a及び二次電池16bのそれぞれの充電の可否又は要否を判断し、この判断に応じて、充電電流の配分を算出する信号を生成し、出力する。
【0035】
このように制御することで、電気機器1に取り付けられている二次電池16aと電気機器1から取り外されている二次電池16bとを、同時期に充電できる利点を最大化できる。つまり、複数の二次電池16a,16bを使用することによる電気機器1の本体10の軽量化と使用時間の確保との両立を図ることができる。
【0036】
このとき、第一充電部24及び第二充電部25のそれぞれに電流を供給することを考慮すると、電源部26から出力可能な最大出力電流Imaxは、第一充電部24の定格電流、つまり第一充電部24が受容可能な最大電流I1maxと、第二受電部25の定格電流、つまり第二充電部25が受容可能な最大電流I2maxと、の和以上、すなわちImax≧I1max+I2maxとなることが好ましい。しかしながら、これら最大電流I1max,I2maxの和を賄える最大出力電流Imaxを出力可能に構成するためには、電源部26が大型化することが懸念される。そのため、好ましくは、電源部26から出力可能な最大出力電流Imaxを、第一充電部24が受容可能な最大電流I1maxと第二充電部25が受容可能な最大電流I2maxとの和以下、つまりImax≦I1max+I2maxとすることで、電源部26の小型化を可能としつつ、第一充電部24及び第二充電部25のそれぞれに充電電流を供給可能となるように、充電制御部28により、電源部26から第一充電部24及び第二充電部25のそれぞれに供給される充電電流を配分する。
【0037】
すなわち、充電制御部28は、二次電池16a,16bのそれぞれの充電電流を、第一充電部24と第二充電部25とで受容可能な最大電流I1max,I2max以下で、かつ、合計が電源部26の最大出力電流Imax以下となるように制御することが好ましい。
【0038】
このように制御することで、電源部26の最大出力電流を拡大することなく、すなわち電源部26を大型化することなく、二次電池16aと二次電池16bとを効率よく同時期に充電可能となるので、充電装置2の大きさや部品コスト増を抑制できる。
【0039】
また、本実施形態において、充電制御部28は、二次電池16a,16bのそれぞれの充電電流を、必要充電時間が短い側の充電を優先するように制御することが好ましい。そのために、充電制御部28は、二次電池16a,16bの充電割合を測定又は計算する機能を有する。そして、充電制御部28は、二次電池16a,16bの充電電流と充電割合、容量、充電完了とする充電量の所定の割合の四つの情報に基づき、二次電池16a,16bの充電量が所定の割合に達するまでの時間、すなわち必要充電時間を第一充電部24及び第二充電部25に対して計算し、この計算に基づいて、必要充電時間が短い側の充電を優先するように充電電流の配分を制御する。
【0040】
充電割合及び二次電池16a,16bの容量の取得方法については、任意の方法を採用することが可能である。例えば、充電割合については、二次電池16a,16bの電圧及び/又は電流の積算を利用する。また、二次電池16a,16bの容量については、予め決められた固定値を制御プログラムに記録する方法、二次電池16a,16b内部に記憶されている情報を第一充電部24及び第二充電部25で読み取る方法、第一充電部24及び第二充電部25により、充電履歴から計算する方法、スマートフォン等の外部装置の記憶手段又はインターネット上のサーバ等の外部の記憶手段に記憶された数値を充電制御部28、あるいは第一充電部24及び第二充電部25により読み取ったり使用者がスマートフォン等の携帯端末又は入力装置を用いて入力したりする方法、等がある。
【0041】
このように制御することで、使用者が電気機器1を使用したいときに二次電池16a,16bの充電量が不足している状態となる確率を低減できるとともに、使用者が電気機器1を使用したいときに仮に充電量が不足していたとしても、二次電池16a,16bのいずれかが所定の割合に充電されるまでの待機時間を低減でき、使用したいときにすぐに使用できるようになる等、使い勝手が向上する。
【0042】
但し、実際に電気掃除装置VCを使用する際には、二次電池16bは満充電かそれに近い状態となっていることが多いため、二次電池16a,16bのそれぞれの充電電流を、必要充電時間が短い側の充電を優先するように配分すると、二次電池16bが優先的に充電されることが多くなる。その場合、使用者は二次電池16aと二次電池16bとを頻繁に交換しなければならなくなることが考えられる。
【0043】
そこで、一例として、充電制御部28は、第一充電部24による二次電池16aの充電を第二充電部25による二次電池16bの充電より優先するように充電電流を制御する。例えば、充電完了とする充電量の所定の割合について、二次電池16aを二次電池16bよりも小さく設定する方法が好適に用いられる。あるいは、充電完了とする充電量の所定の割合を厳密に設定しない場合には、第一充電部24による二次電池16aの充電時間を計算する際に、1未満の所定の係数を掛ける等の処理も可能である。
【0044】
充電制御部28は、第一充電部24による二次電池16aの充電を優先する場合、二次電池16aに対して第一充電部24が受容可能な最大電流I1maxを電源部26から供給させて充電し、電源部26の最大出力電流Imaxに余剰があればその範囲内で第二充電部25により二次電池16bを充電するように、つまりImax-I1max以下の充電電流で二次電池16bを充電するように、充電電流を制御する。
【0045】
一方、充電制御部28は、第二充電部25による二次電池16bの充電を優先する場合、二次電池16bに対して第二充電部25が受容可能な最大電流I2maxを電源部26から供給させて充電し、電源部26の最大出力電流Imaxに余剰があればその範囲内で第一充電部24により二次電池16aを充電するように、つまりImax-I2max以下の充電電流で二次電池16aを充電するように充電電流を制御する。なお、充電を優先しない側の充電電流は遮断してもよい。
【0046】
このように制御することで、仮に使用途中で二次電池16aの電力が不足した場合等でも、二次電池16aを優先して充電し、二次電池16aを取り外して二次電池16bに付け替える手間を減らすことができる。
【0047】
また、他の例として、充電制御部28は、充電開始から所定時間となった時点での二次電池16aの充電量が所定の割合に達し得る場合に第一充電部24による二次電池16aの充電を優先し、達し得ない場合に第二充電部25による二次電池16bの充電を優先するように充電電流を制御する。つまり、使用者には、通常、掃除状況や自らの都合によって、二次電池16の充電を待ち得る時間がある。そのため、この例では、二次電池16a,16bのうち、使用者が待ち得る所定時間までに必要な充電量を確保できるほうを優先的に充電する。
【0048】
この場合、充電制御部28は、二次電池16aの充電量が現在の充電割合から所定の割合となるまでに充電に要する時間をまず計算し、充電開始から所定時間となった時点で所定の割合となるまでの充電が可能であると判断した場合には第一充電部24による二次電池16aの充電を優先し、充電が不可能であると判断した場合には、第二充電部25による二次電池16bの充電を優先する。
【0049】
本実施形態では、上記の所定時間及び所定の割合について、例えば所定時間が充電開始から30分の場合には所定の割合を60%と設定したり、所定時間が充電開始から1時間の場合には所定の割合を80%と設定したり、所定時間が充電開始から1時間よりも長い時間の場合には所定の割合を90%と設定したりする等、両者を組み合わせた値であっても適用可能である。これら複数の組み合わせを予め充電制御部28の記憶部等の記憶手段に記憶しておき、使用者の指定に応じて選択するようにしてもよい。
【0050】
なお、充電制御部28が、二次電池16aの充電を優先した場合、二次電池16aの充電量が所定の割合になって以降の二次電池16a,16bの充電は、任意に制御してよい。例えば、二次電池16aは、充電量が所定の割合になった時点で充電を終了してもよいし、所定の割合になった後でも、例えば充電開始から所定時間まで、電気機器1を充電装置2から取り外すまで、満充電等の所定の終了充電量になるまで、あるいは、使用者等から充電終了の指令を受け取るまで、等、所定の状態となるまで充電を継続してもよい。また、二次電池16aの充電の終了後に二次電池16bの充電を開始してもよいし、二次電池16aの充電量が所定の割合になって以降、又は、所定時間が経過して以降の任意のタイミングで二次電池16bの充電を開始し、二次電池16aとともに充電してもよい。このように、二次電池16aの充電量が所定の割合に達して以降、又は、所定時間が経過して以降、二次電池16bを二次電池16aとともに充電する場合には、充電制御部28による充電電流の配分は、任意に設定してよい。充電制御部28が、二次電池16bの充電を優先した場合についても同様である。
【0051】
このように制御することで、使用者が二次電池16aを取り外して二次電池16bに付け替える必要性を最小限に抑制しつつ、使用者が電気機器1を使用したいときに二次電池16a,16bの充電量が不足している状態となる確率を低減できる。
【0052】
なお、充電制御部28は、第一充電部24による二次電池16aの充電を第二充電部25による二次電池16bの充電より優先する制御例と、充電開始から所定時間となる時点での二次電池16aの充電量が所定の割合に達し得るか否かに応じて第一充電部24による二次電池16aの充電と第二充電部25により二次電池16bの充電とを選択的に優先する制御例と、のいずれか一方のみを有していてもよいし、双方の制御を有し、使用者の選択等に応じて使い分けるように構成されていてもよい。
【0053】
一回当たりの掃除時間、あるいは掃除の頻度等、掃除の癖は、使用者に応じて大きく異なるので、二次電池16a,16bのいずれかを適切に充電しつつ、二次電池16a,16bの着脱回数を抑制するためには、上記の所定時間及び所定の割合の設定が適切でなければならない。
【0054】
そこで、一例として、本実施形態では、二次電池16の充電を待機し得る最大時間と必要な所定の割合との少なくともいずれかを使用者が設定可能とし、充電制御部28が、その設定に応じて充電電流の配分を決定する。使用者によるこれらの指定方法については任意の方法を用いてよい。例えば、待機し得る最大時間を使用者が直接操作して設定可能な押し釦等の入力手段を充電装置2、あるいは電気機器1に設けてもよいし、充電制御部28と有線接続、又は、無線接続されるスマートフォン上のアプリ等、外部の入力手段を用いて入力設定するものでもよい。無線接続としては、インターネット接続、Wi-Fi接続、あるいは、bluetooth(登録商標)接続等、既知の任意の接続手段を用いてよい。また、より直接的に、使用者が、第一充電部24と第二充電部25とのいずれによる充電を優先するかを指定可能としてもよい。二次電池16の充電を待機し得る最大時間、及び/又は、必要な所定の割合は、任意に設定できるようにしてもよいし、予め設定された複数の値から使用者が選択するようにしてもよい。使用者の設定は、電気機器1の制御手段15に備えられる記憶部等の記憶手段、充電装置2の充電制御部28に備えられる記憶部等の記憶手段、あるいは外部の記憶手段等に記憶されてもよい。
【0055】
このように、二次電池16の充電を待機し得る最大時間と必要な二次電池16の充電量の割合との少なくともいずれかに関し、使用者の設定に応じて充電制御部28が充電電流の配分を決定するため、二次電池16の着脱頻度の低減と充電不足の回避とを、使用者の所望に応じて両立可能となる。
【0056】
また、他の例として、使用者が二次電池16の充電を待機し得る最大時間と、必要な二次電池16の充電量の所定の割合と、の少なくともいずれかを使用者による電気機器1の一回当たりの使用時間、使用毎の間隔等の利用履歴から算出して設定可能とし、充電制御部28が、その設定に応じて充電電流の配分を決定する。また、充電制御部28は、一回当たりの使用時間、使用毎の間隔等の一般的な内容だけでなく、例えば使用時間の分散や周期性に基づき、「平日は短時間掃除、週末は念入りに掃除」等の使用者の使用モデルへの適合性を判定してもよい。さらに、二次電池16の着脱履歴から、使用者の二次電池16の着脱に対する抵抗感、つまり使用者が二次電池16の着脱をどの程度厭うか数値化し、この抵抗感をさらに加味して、充電制御部28が、充電電流の配分を決定してよい。
【0057】
電気機器1の利用履歴は、制御手段15に備えられる記憶部等の不揮発性の記憶手段、あるいは、制御手段15等と無線接続されるスマートフォン等の携帯端末やインターネット上のサーバ等の外部の記憶手段に記憶され、充電制御部28が必要に応じて有線、又は、無線接続により読み出し可能に構成する。また、使用者が二次電池16の充電を待機し得る最大時間、必要な二次電池16の充電量の所定の割合、使用時間の分散や周期性等は、使用者の利用履歴から充電制御部28により算出してもよいし、スマートフォン上のアプリ等、外部装置により算出した値を、充電制御部28により有線、又は、無線接続により読み出してもよい。また、充電制御部28は、電気機器1の利用履歴のすべてを利用してもよいし、直近の所定期間の利用履歴、あるいは、使用者により指定された所定期間の利用履歴等、利用履歴の一部のみを利用してもよい。
【0058】
このように、使用者の利用履歴に基づき設定される二次電池16の充電を待機し得る最大時間と、必要な二次電池16の充電量の割合と、二次電池16の着脱に対する抵抗感と、の少なくともいずれかに応じて、充電制御部28が充電電流の配分を決定することで、使用者が特に設定をすることなく、二次電池16の着脱頻度の低減と充電不足の回避とを、使用者の利用履歴に基づいて自律的に両立可能となる。
【0059】
充電制御部28は、使用者の設定に応じて充電電流の配分を決定する制御例と、使用者の利用履歴に応じて充電電流の配分を決定する制御例と、のいずれか一方のみを有していてもよいし、双方の制御を使用者の選択等に応じて使い分けるように構成されていてもよい。
【0060】
特に、電気機器1がスティック型の電気掃除機である場合、把持部101を把持して電気機器1全体を操作することから、軽量化が求められる一方、消費電力が大きいため、重量物である二次電池16の容量を確保する必要があり、二次電池16の軽量化と使用時間の確保とがトレードオフの関係にある。また、掃除の最中に二次電池16の電力が低下した場合には、すぐに掃除を再開したいというニーズがある。他方、二次電池16の電力が低下したときに都度二次電池16を着脱するのは煩雑である。そのため、上記のように、充電制御部28によって二次電池16a,16bの充電電流の配分を制御することで、複数の二次電池16を使い分けることによる本体10の軽量化と使用時間の確保との両立を図ることができるとともに、二次電池16の着脱の回数を抑制しつつ、充電が必要な状況ですぐに使用したいときの充電の待機時間を低減できる等、利便性が高い電気掃除装置VCを提供できる。
【0061】
そして、二次電池16a,16bの充電電流の配分に関する情報は、報知手段Rで使用者に報知することにより、使用者が充電制御部28による二次電池16a,16bの充電制御、及び、二次電池16a,16bの充電状況を知ることができる。そのため、使用者は、二次電池16の充電を待機し得る最大時間と必要な所定の割合との少なくともいずれかを設定する際に、二次電池16a,16bの充電制御、あるいは充電状況を加味して、より直感的に設定することが可能になる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、図4を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
本実施形態は、第一充電受け部160aが吸込口体111に配置されているものである。図示される例では、第一充電受け部160aは、吸込口体111の底部に配置されている。これに限らず、第一充電受け部160aは、吸込口体111の任意の位置に配置されていてよい。
【0064】
図4(a)に示す例では、第一充電受け部160aは、第一充電部24に対し機械的及び電気的に接続され、第一充電部24が接触式充電方式となっている。すなわち、図示される例では、第一充電受け部160aが端子として構成されている。この例では、第一充電受け部160aは、吸込口体111の底部に露出している。
【0065】
一方、図4(b)に示す例では、第一充電受け部160aは、第一充電部24に対し非接触結合され、第一充電部24が非接触式充電方式となっている。この例では、第一充電受け部160aは、吸込口体111の底部に近接して配置されている。本実施形態において、第一充電受け部160aは、第一充電部24に対し磁界結合される。図示される例では、第一充電受け部160aが受電コイルとして構成され、第一充電部24が送電コイルとして構成されて、これらが互いに近接して対向する位置に配置されることで磁気的に結合され、送電コイルに流れる電流により生じた磁界によって受電コイルに生じた誘導起電力により二次電池16aを充電可能となっている。
【0066】
このように、吸込口体111に第一充電受け部160aを配置した場合でも、電気機器1に取り付けられている二次電池16aと電気機器1から取り外されている二次電池16bとを、同時期に充電できる利点を最大化できる等、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0067】
また、第一充電部24を非接触式充電方式とする場合には、電気機器1を充電装置2に装着するだけで充電が可能になり、配線や端子の接続等の手間が不要で利便性が向上するとともに、第一充電部24に塵埃が付着して電気接触の不良が生じたり、水分が付着して電気的に問題が生じたりする等の不具合を回避できる。特に、電気機器1が電気掃除機である場合、掃除の際に塵埃の一部が巻き上げられることがあるため、非接触式充電方式を採用して外部に露出する端子部分をなくすことにより、巻き上げられた塵埃や水分を含んだ塵埃による端子部分の接触不良等を効果的に防止できる。
【0068】
一方、非接触式充電方式は、充電電力及び充電効率が接触式充電方式と比較して低く、充電に時間を要するため、充電制御部28によって、電源部26から第一充電部24と第二充電部25とに供給される充電電流の配分を制御し、充電に要する手間を最小限としながら、二次電池16の着脱の回数を抑制しつつ、充電が必要な状況ですぐに使用したいときの充電の待機時間を低減するように構成することが可能となり、利便性を向上できる。
【0069】
なお、第2の実施形態において、非接触式充電方式は、電界結合により非接触給電可能な構成としてもよい。
【0070】
また、非接触式充電方式の第一充電部24は、送電コイルとして構成される第一充電受け部160aを、電気機器1において、吸込口体111以外の本体10等の位置に配置してもよい。つまり、充電装置2に電気機器1を装着したときに、充電装置2に近接させることができる部位であれば、電気機器1の任意の位置に第一充電部24を配置してよい。
【0071】
また、各実施形態において、二次電池16bを充電する第二充電部25を、非接触結合を利用した非接触式充電方式としてもよい。つまり、第一充電部24と第二充電部25との少なくともいずれかを非接触式充電方式としてよい。このように、非接触式充電方式を用いることで、配線や端子の接続等の手間が不要で利便性が向上する。
【0072】
さらに、充電装置2は、第一充電部24、第二充電部25、電源部26、及び、充電制御部28を備えていれば、電気機器1の置き台としての機能を有していなくてもよい。
【0073】
また、電気機器1は、スティック型の電気掃除機に限らず、床走行式又はキャニスタ型、アップライト型、ハンディ型、自走式等の電気掃除機でもよい。
【0074】
さらに、電気機器1は、電気掃除機に限らず、電動工具等の電気機器でも同様の適用可能である。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
R 報知手段
VC 電気掃除装置
1 電気機器
2 充電装置
16 二次電池
24 第一充電部
25 第二充電部
26 電源部
28 充電制御部
図1
図2
図3
図4