IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

特許7553282タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法
<>
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図1
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図2
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図3
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図4
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図5
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図6
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図7
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図8
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図9
  • 特許-タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】タービンエンジンのための動作制限装置および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20240910BHJP
   F02K 3/06 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
F02C7/00 E
F02K3/06
F02C7/00 F
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020135882
(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公開番号】P2021050732
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】16/537,976
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スタネスク, エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジエリンスキ, ジェニファー ベンダー
(72)【発明者】
【氏名】フォイ, マイケル パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ゲルツァー, ダニエル エフ.
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0362173(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0167586(US,A1)
【文献】特開2005-030394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0127107(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102018206650(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/00
F02C 7/00
F02K 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジン(10)のための動作制限装置(100)であって、
保持部材(210)を含む第1の取付具(200)であって、タービンエンジンファンブレードシステム(20)を取り囲むファンケース(30)に係合された第1の取付具(200)と、
前記ファンケース(30)の半径方向外向きに配置されたファンカウル(40)に係合された第2の取付具(300)であって、前記第1の取付具(200)の前記保持部材(210)によって受容されるように配置された拘束部材(310)を含む第2の取付具(300)と、を備え、
前記保持部材(210)は、前記拘束部材(310)との係合を介して、前記ファンカウル(40)の半径方向外向きの動作を制限するように配置され、前記拘束部材(310)は、前記第1の取付具(200)に対して、前記保持部材(210)の横方向の動作を制限するように配置され、(i)前記ファンカウル(40)に対して、前記第1の取付具(200)の半径方向内向きの動作を制限するように配置されたフック部材(360)、または、(ii)対向する端部(320、325)と、前記対向する端部(320、325)の一または複数と係合されたフランジ(330、335)とを有する横方向に延在するシャフト(315)、のうちの一または複数を備える、動作制限装置(100)。
【請求項2】
前記保持部材(210)は支持レッジ(225)を備え、前記拘束部材(310)は、対向する端部(320、325)と、前記対向する端部(320、325)の一または複数と係合された前記フランジ(330、335)とを有する前記横方向に延在するシャフト(315)を備え、前記シャフト(315)は、前記支持レッジ(225)によって受容されるように配置され、前記フランジ(330、335)は、前記シャフト(315)と前記支持レッジ(225)との間の横方向の動作を制限するように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記保持部材(210)は、前記支持レッジ(225)まで延在するランプ部分(215)と、前記ランプ部分(215)と前記支持レッジ(225)との間の戻り止め(220)とを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の取付具(200)は隣接する保持部材(210a、210b)を含み、各保持部材(210a、210b)は支持レッジ(225a、225b)を備え、前記拘束部材(310)は、対向する端部(320、325)と、前記対向する端部(320、325)の各々に係合されたフランジ(330、335)とを有する横方向に延在するシャフト(315)を備え、前記シャフト(315)は、前記隣接する保持部材(210a、210b)の前記支持レッジ(225a、225b)によって受容されるように配置され、前記フランジ(330、335)は、前記支持レッジ(225a、225b)に対して、前記シャフト(315)の横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材(210a、210b)間の横方向の分離を制限するように配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
各保持部材(210a、210b)は、前記支持レッジ(225a、225b)まで延在するランプ部分(215a、215b)、および前記ランプ部分(215a、215b)と前記支持レッジ(225a、225b)との間の戻り止め(220a、220b)を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記拘束部材(310)はさらに、前記ファンカウル(40)に係合され、そこからそれぞれの遠位端部(340a、345a)へ外向きに延在する離間された取付部材(340、345)と、前記遠位端部(340a、345a)の周りで、前記取付部材(340、345)の間に配置される補強部材(350)とを備え、前記取付部材(340、345)と前記補強部材(350)は協働して、そこを通って延在するボアを画定し、前記ボアは前記シャフト(315)を内部に受容するように配置され、前記シャフト(315)は前記取付部材(340、345)間の距離よりも大きい長さを有する、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記保持部材(210)はループ構成体(230)を備え、前記フック部材(360)は、前記拘束部材(310)に係合された逆向きのフック部材であって、前記ファンカウル(40)に対して、前記ファンケース(30)に係合された前記第1の取付具(200)の半径方向内向きの動作を制限するため、前記ループ構成体(230)を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の取付具(200)は、前記ファンケース(30)に係合され、それぞれの遠位端部(235a、240a)まで外向きに延在する離間されたストラット(235、240)と、前記遠位端部(235a、240a)間に延在してループ構成体(230)を形成するクロス部材(245)とを含み、前記第1の取付具(200)はさらに隣接する保持部材(210a、210b)を含み、各保持部材(210a、210b)は、前記ストラット(235、240)のうちの1つの前記遠位端部(235a、240a)に係合され、そこから横方向に延在する支持レッジ(225a、225b)を備え、前記拘束部材(310)は、対向する端部(320、325)を有する横方向に延在するシャフト(315)と、前記対向する端部(320、325)の各々に係合されたフランジ(330、335)とを備え、前記シャフト(315)は、前記隣接する保持部材(210a、210b)の前記支持レッジ(225a、225b)によって受容されるように配置され、前記フランジ(330、335)は、前記支持レッジ(225a、225b)に対して、前記シャフト(315)の横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材(210a、210b)間の横方向の分離を制限するように配置され、前記拘束部材(310)はさらに、前記ループ構成体(230)を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材(360)を含み、前記第1の取付具(200)は、前記第2の取付具(300)との係合を介して、前記ファンカウル(40)の半径方向外向きの動作を制限するように配置され、前記第2の取付具(300)は、前記ファンケース(30)に係合された前記第1の取付具(200)の半径方向外向きの動作を可能にし、前記ファンカウル(40)に対して、前記ファンケース(30)に係合された前記第1の取付具(200)の半径方向内向きの動作を制限するように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ファンカウル(40)は、前記ファンケース(30)の一部に沿って長さ方向に延在し、前記ファンケース(30)の一部を覆う半円筒形部材(50)を備え、前記半円筒形部材(50)は、前記ファンケース(30)に沿って長さ方向に延在する軸(60)の周りで枢動可能に配置され、上方の四分円の周りに配置された第1の角端部(55)と、対向する第2の角端部(65)とを有し、前記半円筒形部材(50)が前記ファンケース(30)の前記一部を覆うように枢動されると、前記第1の取付具(200)は、下方の四分円の周りで前記ファンケース(30)に係合され、前記第2の取付具(300)は、前記第1の取付具(200)と係合可能になるように、前記第2の角端部(65)の周りで前記ファンカウル(40)に係合される、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の取付具(200)は隣接する保持部材(210a、210b)を含み、各保持部材(210a、210b)は支持レッジ(225a、225b)を備え、前記拘束部材(310)は、対向する端部(320、325)と、前記端部(320、325)の各々に係合されたフランジ(330、335)とを有する横方向に延在するシャフト(315)を備え、前記半円筒形部材(50)が前記ファンケース(30)の前記一部を覆うように枢動されると、前記シャフト(315)は、前記隣接する保持部材(210a、210b)の前記支持レッジ(225a、225b)と相互作用するように配置され、前記フランジ(330、335)は、前記隣接する保持部材(210a、210b)に対して、前記シャフト(315)の横方向の動作を制限し、両者の間の横方向の分離を制限するように配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
各保持部材(210a、210b)は、支持レッジ(225a、225b)まで延在するランプ部分(215a、215b)を備え、前記ランプ部分(215a、215b)と前記支持レッジ(225a、225b)との間には戻り止め(220a、220b)があり、前記半円筒形部材(50)が前記ファンケース(30)の前記一部を覆うように枢動されると、前記シャフト(315)は、前記ランプ部分(215a、215b)と相互作用し、誘導され、前記戻り止め(220a、220b)を越え、前記隣接する保持部材(210a、210b)の前記支持レッジ(225a、225b)と相互作用するように配置される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
保持部材(210)は、前記ファンケース(30)に係合され、それぞれの遠位端部(235a、240a)まで外向きに延在する、離間されたストラット(235、240)と、前記遠位端部(235a、240a)間に延在してループ構成体(230)を形成するクロス部材(245)とを備え、前記拘束部材(310)は、前記ループ構成体(230)を通って受容され、前記半円筒形部材(50)が前記ファンケース(30)の前記一部を覆うように枢動されると、前記ファンカウル(40)に対して、前記ファンケース(30)に係合された前記第1の取付具(200)の半径方向内向きの動作を制限するように配置された逆向きのフック部材(360)を備える、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
保持部材(210)を有し、タービンエンジンファンブレードシステム(20)を取り囲むファンケース(30)に係合された第1の取付具(200)を含むタービンエンジン(10)の動作を制限する方法であって、前記方法は、
前記ファンケース(30)に半径方向外向きに配置されたファンカウル(40)に係合された第2の取付具(300)の拘束部材(310)を、前記第1の取付具(200)の前記保持部材(210)に係合することを含み、それによって、前記保持部材(210)は、前記拘束部材(310)との係合を介して、前記ファンカウル(40)の半径方向外向きの動作を制限するように配置され、また、前記拘束部材(310)は、前記ファンカウル(40)に対して、前記第1の取付具(200)の半径方向内向きの動作を制限するように、あるいは、前記第1の取付具(200)に対して、前記保持部材(210)の横方向の動作を制限するように配置され
前記拘束部材(310)は、対向する端部(320、325)と、前記対向する端部(320、325)の各々に係合されたフランジ(330、335)とを有する横方向に延在するシャフト(315)を備え、かつ前記第1の取付具(200)に対して、前記保持部材(210)の横方向の動作を制限するように配置され、
前記拘束部材(310)は、前記ファンカウル(40)に対して、前記第1の取付具(200)の半径方向内向きの動作を制限するように配置された逆向きのフック部材(360)を備える、方法。
【請求項14】
前記第1の取付具(200)は隣接する保持部材(210a、210b)を含み、各保持部材(210a、210b)は支持レッジ(225a、225b)を備え、前記拘束部材(310)は、前記対向する端部(320、325)と、前記対向する端部(320、325)の各々に係合された前記フランジ(330、335)とを有する横方向に延在する前記シャフト(315)を備え、前記拘束部材(310)を前記保持部材(210)に係合することは、前記隣接する保持部材(210a、210b)の前記支持レッジ(225a、225b)に前記シャフト(315)を係合することを含み、それによって、前記フランジ(330、335)は、隣接する前記支持レッジ(225a、225b)に対して、前記シャフト(315)の横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材(210a、210b)間の横方向の分離を制限するように配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記保持部材(210)はループ構成体(230)を備え、前記拘束部材(310)は前記逆向きのフック部材(360)を備え、前記拘束部材(310)を前記保持部材(210)に係合することは、前記ファンカウル(40)に対して、前記ファンケース(30)に係合された前記第1の取付具(200)の半径方向内向きの動作を制限するように、前記ループ構成体(230)を通って前記逆向きのフック部材(360)を受容することを含む、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はタービンエンジンに関し、より具体的には、回転ファンブレードシステムを有する航空機タービンエンジンのための動作制限装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
例えば、航空機用のタービンエンジンは概して、ファンケースによって囲まれた回転ファンブレードシステムを含む。回転タービンエンジンファンブレードシステムの性質により、ファンブレードシステムを取り囲むファンケースは概して円筒形である。さらに、ファンケースは必ずしも所望の空力を提供し得ないため、また、タービンエンジンの他のシステムが取り付けられるか、ファンケースの外表面にルーティングされるため、タービンエンジンのファンケースはファンカウルによって取り囲まれるか、さもなければ、その半径方向外向きに配置されたファンカウルを有する。
【0003】
このような例では、ファンカウルはファンケースの周囲に固定的な方法で取り付けられるが、ファンケースの外表面に取り付けまたはルーティングされたタービンエンジンのシステムに、あるいはファンケース内のファンブレードシステムにまで、アクセスできるようにするため、取外し可能であるか、少なくとも部分的に取外し可能であることが望ましい。したがって、いくつかのタービンエンジンは、技術者が保守整備を実施し、修理を行うことなどが可能になるように、ファンカウルにアクセスできるよう、ファンケースに向かって、またファンケースから離れるように枢動可能なファンカウルの部分を有する。いくつかの例では、枢動部分が、ファンケースの対応する部分を覆う閉鎖位置まで枢動されると、ファンカウルの枢動部分は、取付システムによってファンケースに固定される。このような取付システムは多くの場合、ファンケースに係合された第1の取付具、およびファンカウルの枢動部分に係合された第2の取付具を含む。第1および第2の取付具は一般的に、閉じられたときには、枢動部分がファンケースに対して正しく配置可能であるが、必要なときに枢動部分を回転させて開くことができるように、互いに開放可能に係合するように構成されている。
【0004】
しかしながら、いくつかの既存の取付システムは、互いに強固に接続するように係合する、第1および第2の取付具を有する。例えば、第1の取付具は、ファンケースに取り付けられた強固なブラケットを含み得、第2の取付具はファンカウルに取り付けられた強固なブラケットを含み得、第2の取付具は強固なブラケットに取り付けられた接続ピンを含み、第1の取付具の強固なブラケットは、ファンカウルの枢動部分が閉鎖位置まで枢動されるとき、接続ピンを受容するための受入孔を画定する。したがって、接続ピンと受入孔との係合は、ファンカウルの枢動部分をファンケースに対して正しい関係で配置する役割を果たし、それによって、枢動部分はそうでない場合に閉鎖位置にラッチされ得る。
【0005】
ファンブレードが稼働していないときに、ファンブレードシステム内のファンブレードを不用意に分離すると、最適な性能を満たさない結果になり得る。いくつかの実施例では、ファンケース(または、その一部)は、ファンカウルに対して、半径方向外向きに運動しうる。既存の取付システムによるファンケースとファンカウルとの間の強固な接続は、係合システムによって、ファンケースからファンカウルへの力の負荷の伝達を引き起こし、最適な性能に満たない結果になり得る。
【0006】
したがって、枢動部分が閉鎖位置まで枢動されているときには、下部のファンケースに対して、枢動部分を適切に配置することができる、タービンエンジンのファンカウルの枢動部分用の取付システムが必要になる。このような取付システムは、枢動部分が閉鎖位置まで枢動されると、枢動部分の適切な配置を促すため、第2の取付具を第1の取付具との係合に誘導するように配置されることが望ましい。さらに、枢動部分が閉鎖位置にある状態では、取付システムは、ファンカウルの望ましくない位置ずれ、あるいはファンカウルへの損傷を抑制するため、ファンケースからファンカウルへの半径方向外向きの力の負荷を弱め、ファンカウル取付具に対するファンケース取付具の動作を制限するように構成され、配置されていることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
一態様において、保持部材を含む第1の取付具であって、タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースに係合される第1の取付具を備えるタービンエンジン用の動作制限装置を提供する、本開示の態様によって上述およびその他の要求が満たされる。第2の取付具は、ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合され、第2の取付具は、第1の取付具の保持部材によって受容されるように配置された拘束部材を含む。保持部材は、拘束部材との係合を介して、ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、拘束部材は、(i)ファンカウルに対して、第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置されたフック部材、または、(ii)対向する端部と対向する端部の少なくとも1つに係合され、第1の取付具に対して、保持部材の横方向の動作を制限するように配置されたフランジとを有する横方向に延在するシャフト、のうちの少なくとも1つを備える。
【0008】
本開示の別の態様は、タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースを有するタービンエンジンに、動作制限装置を提供する。このような装置は、ファンケースに係合され、各遠位端部に向かって外向きに延在する離間されたストラットと、ループ構成体(arrangement)を形成するため遠位端部の間に延在するクロス部材とを含む第1の取付具を備える。第1の取付具はさらに、隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジを備える。各保持部材の支持レッジは、ストラットの1つの遠位端部に係合され、横方向に延在する。第2の取付具は、ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合され、第2の取付具は、対向する端部を有する横方向に延在するシャフトと、対向する端部の各々に係合されたフランジとを含む。シャフトは、隣接するランプ部材の支持レッジによって受容されるように配置され、フランジは、隣接する支持レッジに対して、シャフトの横方向の動作を制限し、隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置されている。第1の取付具は、第2の取付具との係合によって、ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置されている。
【0009】
本開示のさらなる態様は、タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースを有するタービンエンジンに、動作制限装置を提供する。このような装置は、ファンケースに係合され、各遠位端部に向かって外向きに延在する離間されたストラットと、ループ構成体を形成するため遠位端部の間に延在するクロス部材とを含む第1の取付具を備える。第1の取付具はさらに、隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジを備える。各保持部材の支持レッジは、ストラットの1つの遠位端部に係合され、横方向に延在する。第2の取付具は、ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合されており、ファンカウルに対して、ファンケースに係合された第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するため、第2の取付具は、ループ構成体を通って受容される逆向きのフック部材を含む。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースを有するタービンエンジンに、動作制限装置を提供する。このような装置は、ファンケースに係合され、各遠位端部に向かって外向きに延在する離間されたストラットと、ループ構成体を形成するため遠位端部の間に延在するクロス部材とを含む第1の取付具を備える。第1の取付具はさらに、隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジを備える。各保持部材の支持レッジは、ストラットの1つの遠位端部に係合され、横方向に延在する。第2の取付具は、ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合され、第2の取付具は、対向する端部を有する横方向に延在するシャフトと、対向する端部の各々に係合されたフランジとを含む。シャフトは、隣接するランプ部材の支持レッジによって受容されるように配置され、フランジは、隣接する支持レッジに対して、シャフトの横方向の動作を制限し、隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置されている。第2の取付具はさらに、ループ構成体を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材を含む。第1の取付具は、第2の取付具との係合によって、ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置されている。第2の取付具は、ファンカウルに対して、ファンケースに係合された第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置されている。
【0011】
本開示のさらに別の態様は、保持部材を有し、タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースに係合されている第1の取付具を含むタービンエンジンに、動きを制限する方法を提供する。このような方法は、第2の取付具の拘束部材を第1の取付具の保持部材に係合することを含み、第2の取付具は、ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合されている。拘束部材と保持部材とは係合されており、それによって、保持部材はファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、また、拘束部材はファンケースに係合された保持部材の半径方向外向きの動作を可能にするように配置される。
【0012】
本開示のこれらの特徴およびその他の特徴、態様、および利点は、以下で簡潔に説明される添付の図面と共に、下記の詳細な説明を参照することによって明らかになろう。本開示は、本書に記載の特定の例示的な実装において本開示に明記する2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多くの特徴又は要素が明示的に組み合わされている、あるいは列挙されているか否かにかかわらず、上記特徴又は要素の任意の組み合わせを含む。本開示のいかなる分離可能な特徴または要素も、その態様および実施形態のいずれにおいても、本開示の文脈がそうでないことを明確に指示していない限り、意図されるように、すなわち組合せ可能であるように見なされるように、この開示は総合的に読まれるように意図されている。
【0013】
本明細書に記載の概要は、本開示の基本的な理解を提供するため、いくつかの例示的な態様を要約することのみを目的として提供されていることを理解されたい。そのため、上述した例示的な態様は例に過ぎず、いかなる意味においても、本開示の範囲又は本質を狭めると解釈すべきではないことを理解されたい。本開示の範囲は、可能性のある多くの態様を包含し、そのうちのいくつかは、本明細書で要約されているものに加えて、以下でさらに説明されることを理解されたい。さらに、本明細書に開示の他の態様、およびこのような態様の利点は、下記の詳細な記載を添付図面と組み合わせることにより明らかとなるであろう。添付図面は本開示の態様の原理を例として示したものである。
【0014】
本開示は、ここまで一般論として説明されており、これから添付の図面を参照するが、それらは必ずしも正しい縮尺で描かれている訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】航空機用の代表的なタービンエンジンを概略的に示す。
図2】航空機用の代表的なタービンエンジンを概略的に示す。
図3】航空機のタービンエンジンのファンカウルの一部を概略的に示す。
図4】本開示の例示的な態様による、タービンエンジンのファンケース-ファンカウル配列のための動作制限装置の一部を概略的に示す。
図5】本開示の例示的な態様による、タービンエンジンのファンケース-ファンカウル配列のための動作制限装置を概略的に示す。
図6図5に示した本開示の例示的な態様による、タービンエンジンのファンケース-ファンカウル配列のための動作制限装置の拡大図を概略的に示す。
図7】本開示の別の例示的な態様による、タービンエンジンのファンケース-ファンカウル配列のための動作制限装置を概略的に示す。
図8図7に示した本開示の例示的な態様による、タービンエンジンのファンケース-ファンカウル配列のための動作制限装置の一部を概略的に示す。
図9】本開示の別の例示的な態様による、タービンエンジンのファンケース-ファンカウル配列のための動作制限装置の一部を概略的に示す。
図10】本開示の一態様による、タービンエンジンの動作を制限する方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示のすべてとは限らないが、いくつかの態様が示される添付の図面を参照して、本開示は以下でより詳しく説明される。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の態様に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本開示が適用可能な法的要件を満たすように、これらの態様が提供される。類似の番号は、全体を通じて、類似の要素を指す。
【0017】
図1および図2は、例えば、航空機用のタービンエンジン10を概略的に示す。概して、一態様では、タービンエンジン10は、ファンケース30に囲まれた回転ファンブレードシステム20を含む。回転タービンエンジンファンブレードシステムの性質により、ファンブレードシステムを取り囲むファンケース30は概して円筒形である。ファンケース30は、いくつかの例では、ファンカウル40によって取り囲まれているか、半径方向外向きに配置されたファンカウル40を有する。
【0018】
例えば、図3図7に示したように、場合によっては保持部材210を含む第1の取付具200はファンケース30に係合され、第2の取付具300はファンカウル40に係合され、第1の取付具200および第2の取付具300は全体として、タービンエンジンのファンケース-ファンカウルのための動作制限装置100を画定する。いくつかの態様では、第2の取付具300は、特に、ファンケース30を取り囲むように設置および配置されたファンカウル40の上で、第1の取付具200の保持部材210によって受容されるように配置された拘束部材310を含む。このような態様では、保持部材210は、拘束部材310との係合によって、ファンカウル40の半径方向外向きの動作(例えば、図5および図7のエレメント400を参照)を制限するように配置されており、拘束部材310は、ファンケース30と係合された保持部材210の半径方向外向きの動作を可能にするように配置されている(例えば、第1の取付具はファンカウルを垂直に支持するが、ファンカウルに対してファンケースの半径方向外向きの動作に関連するエネルギーの一部を、第2の取付具/ファンカウルが吸収するのを阻止するように配置されている)。
【0019】
一態様では、例えば、図4に示したように、保持部材210は、少なくとも支持レッジ225を備える。別の態様では、保持部材210は、支持レッジ225へ延在するランプ部分215を含む。また別の態様では、保持部材210は、支持レッジ225に係合された戻り止め220を含む。さらに別の態様では、保持部材210は、支持レッジ225まで延在するランプ部分215を備え、両者の間には戻り止め220がある。このような任意の態様に関連して、拘束部材310は、対向する端部を有する横方向に延在するシャフト315(図4に示したものの一部)と、対向する端部(例えば、図4のエレメント320)の少なくとも1つに係合されたフランジ330とを備える。したがって、シャフト315は、支持レッジ225によって受容されるように配置され、フランジ330は、シャフト315と支持レッジ225との間の横方向の動作(例えば、図5のエレメント450を参照)を制限するように配置されている。
【0020】
別の態様では、例えば、図5および図6に示したように、第1の取付具200は保持部材210a、210bを含む。一例では、各保持部材210a、210bはそれぞれ、少なくとも支持レッジ225a、225bを備える。別の例では、各保持部材210a、210bは、支持レッジ225a、225bへ延在するランプ部分215a、215bを含む。また別の例では、各保持部材210a、210bは、支持レッジ225a、225bに係合された戻り止め220a、220bを含む。さらに別の例では、各保持部材210a、210bはそれぞれ、支持レッジ225a、225bまで延在するランプ部分215a、215bを備え、両者の間には戻り止め220a、220bがある。このような任意の例では、拘束部材310は、対向する端部320、325を有する横方向に延在するシャフト315(例えば、図6を参照)と、対向する端部320、325の各々に係合されたフランジ330、335とを備える。シャフト315は、隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225b(例えば、支持レッジ225a、225bは互いに平行に延在し、シャフト315は双方の支持レッジ225a、225bを横切って延在する)によって受容されるように配置されている。シャフト315が支持レッジ225a、225bによって受容された状態にあり、シャフト315の端部320、325に係合されたフランジ330、335は、支持レッジ225a、225bが両者の間に置かれるように、配置される。この配置では、シャフト315の横方向の動作は、そこに隣接する支持レッジ225a、225bに対して制限されている。したがって、シャフト315の端部320、325に係合され、支持レッジ225a、225bの外に向かって配置されているフランジ330、335は少なくとも、隣接する保持部材210a、210b間の横方向のあらゆる分離を制限するのに役立つ。
【0021】
この態様によれば、例えば、図6に示したように、拘束部材310はさらに、ファンカウル40に係合され、それぞれの遠位端部340a、345aへ外向きに延在する、離間された取付部材340、345を備える。取付部材340、345は、例えば、離間された平行な平面プレートなど、さまざまな構成で配置される。いくつかの例では、平行な平面プレートは、1つの端部に接続されて、オープンチャネルを形成する。加えて、補強部材350は、その遠位端部340a、345aの周りで、取付部材340、345の間に配置される。取付部材340、345と補強部材350は協働して、そこを通って延在するボア(例えば、取付部材と補強部材を通って延在するボア)を画定し、ボアはその中にシャフト315を受容するように配置され、シャフト315は、取付部材340、345間の距離を超える(例えば、シャフトは取付部材340、345の各々を通り、それらを超えて延在する)長さを有する。したがって、取付部材340、345と補強部材350は協働して、少なくともシャフト315が内部を通って延在する範囲まで、シャフト315を支持し、補強する。
【0022】
本開示の別の態様では、例えば、図7および図8に示したように、保持部材210はループ構成体230を備え、拘束部材310は、ループ配列230を通って受容されるように配置されたフック部材360を備える。一実施例では、フック部材360は逆向きのフック部材である。ループ構成体230によって、およびループ構成体230を介して、逆向きのフック部材360を受容することで、ファンカウル40に対して、ファンケース30に係合された保持部材210の半径方向内向きの動作(例えば、図5および図7のエレメント500を参照)を制限するための構成体を形成する。例えば、第1の取付具200/保持部材210は、いくつかの実施例で、ファンケース30に係合され、それぞれの遠位端部235a、240aに向かって外向きに延在する、離間されたストラット235、240を含む。ストラット235、240とクロス部材245は協働してループ構成体230を形成するように、クロス部材245は、遠位端部235a、240aの間に延在する。
【0023】
いくつかの態様では、第1の取付具は、保持部材とループ構成体を含む(例えば、図5図7を参照)。すなわち、いくつかの態様では、保持部材210は、ファンケース30に係合され、それぞれの遠位端部235a、240aに向かって外向きに延在する、離間されたストラット235、240と、遠位端部235a、240aの間に延在するクロス部材245とを含み、それによって、ストラット235、240とクロス部材245は協働してループ構成体230を形成する。加えて、第1の取付具200はさらに、隣接する保持部材210a、210bを含み、各保持部材210a、210bは、少なくとも支持レッジ225a、225b、または、支持レッジ225a、225bまで延在するランプ部分215a、215bを備え、両者の間には戻り止め220a、220bがある。このような態様では、各保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bは、ストラット235、240の1つの遠位端部235a、240aに係合され、そこから横方向に延在する。一般的に、支持レッジ225a、225bは、ストラット235、240の遠位端部235a、240aの各々に向かって、また各々からほぼ垂直に延在する。このように、隣接する保持部材210a、210bはほぼ平行に配置され、支持レッジ225a、225bと、支持レッジ225a、225bに対してほぼ垂直に延在するストラット235、240の遠位端部235a、240aとの間の係合まで延在する。
【0024】
このような態様では、例えば、図9に示したように、第2の取付具の拘束部材はまた、シャフト/フランジ、並びに逆向きのフック部材を含む。すなわち、第1の取付具が保持部材とループ構成体とを含むいくつかの態様では、第2の取付具は、シャフト/フランジおよび逆向きのフック部材を含む。より具体的には、拘束部材310は、対向する端部320、325(例えば、図6を参照)と、対向する端部320、325の各々に係合されたフランジ330、335とを有する、横方向に延在するシャフト315を含む。例えば、図5および図6に示したように、シャフト315は、隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225b(例えば、互いに平行に延在する支持レッジ225a、225bと、2つの支持レッジ225a、225bを横切って延在するシャフト315)によって受容されるように、配置されている。シャフト315が支持レッジ225a、225bによって受容された状態で、シャフト315の端部320、325に係合されたフランジ330、335は、支持レッジ225a、225bが両者の間にあるように配置される。この配置では、シャフト315の横方向の動作は、そこに隣接する支持レッジ225a、225bに対して制限されている。したがって、シャフト315の端部320、325に係合され、支持レッジ225a、225bの外に向かって配置されているフランジ330、335は少なくとも、隣接する保持部材210a、210b間の横方向のあらゆる分離を制限するのに役立つ。例えば、図9に示したように、拘束部材310はさらに、例えば、図7に示したようにループ構成体230を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材360を含む。このような構成体では、第1の取付具200は、第2の取付具300との係合を介して、ファンカウル40の半径方向外向きの動作を制限するように配置されている。さらに、第2の取付具300は、ファンケース30に係合された第1の取付具200の半径方向外向きの動作を(例えば、シャフト/フランジと保持部材との間の相互作用によって)可能にし、ファンカウル40に対して、ファンケース30に係合された第1の取付具200の半径方向内向きの動作を(例えば、ループ構成体と逆向きのフック部材との間の相互作用によって)制限するように配置されている。
【0025】
本開示の特定の態様では、例えば、図3に示したように、ファンカウル40は、一般的に円筒形のファンケース30の長さ方向に沿って、その上に延在し、一部を覆う半円筒形部材50を備える。半円筒形部材50は、ファンケース30に沿って長さ方向に延在する軸60の周りに枢動可能に配置され、上方の四分円の周りに設置された第1の角端部55と、対向する第2の各端部65とを有する。このような態様では、第1の取付具200は、下方の四分円の周りでファンケース30(例えば、ファンケース内に収納されたタービンエンジンファンブレードシステムに対向するファンケースの外表面)に係合されている。第2の取付具300は、第2の角端部65の周りでファンカウル40に係合されている。このような配置では、第2の取付具300は、半円筒形部材50がファンケース30の一部を覆うように枢動されると(例えば、半円筒形部材が、ファンケースの対応部分の上に延在して覆う閉鎖位置まで枢動されると)、第1の取付具200に係合されるように配置されている。
【0026】
タービンエンジンのファンケース30に関して、ファンカウル40がこのような構成と配置にある場合、本開示の様々な態様は、本明細書に開示されている第1の取付具200と第2の取付具300の様々な配置を対象としている。例えば、一態様では、第1の取付具200は保持部材を含み、第2の取付具300はシャフト/フランジ(例えば、図4図6に示された例示的な実施形態を参照)を含む。別の態様では、第1の取付具200はループ構成体を含み、第2の取付具300は逆向きのフック部材(例えば、図7図8の例示的な実施形態を参照)を含む。また別の態様では、第1の取付具200は保持部材とループ構成体を共に含み、第2の取付具300はシャフト/フランジと逆向きのフック部材(例えば、図9に示した例示的な実施形態を参照)を共に含む。
【0027】
したがって、一態様では、ファンカウル40の半円筒形部材50が、ファンケース30の一部覆うように枢動されると、シャフト315は、隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bと相互作用するように、構成され配置されている。別の態様では、シャフト315は、ランプ部分215a、215bと相互作用し、これらによってガイドされ、それぞれの戻り止め220a、220bを通過し、隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bと相互作用するように、構成され配置されている。このように、フランジ330、335は、隣接する保持部材210a、210bに対して、シャフト315の横方向の動作を制限し、隣接する保持部材210a、210b間の横方向の分離を制限するように配置されている。
【0028】
しかも、ファンカウル40の半円筒形部材50が、ファンケース30の一部を覆うように枢動されると、逆向きのフック部材360は、ループ構成体230を通って受容されるように構成され配置されている。このように、逆向きのフック部材360は、ファンカウル40に対して、ファンケース30に係合された第1の取付具200の半径方向内向きの動作を制限するように配置されている(例えば、ループ構成体と相互作用する逆向きのフック部材によって、ファンカウルは、ファンカウルに関するファンケースの半径方向内向きの動作に関連するエネルギーの一部を吸収する)。
【0029】
上述によれば、本開示の他の態様は、例えば、図10に示したように、タービンエンジンの動作を制限する方法を提供し、タービンエンジン10は、保持部材210を有する第1の取付具200を含み、第1の取付具200は、タービンエンジンファンブレードシステム20を取り囲むファンケース30に係合されている。このような態様では、本方法は、第2の取付具300の拘束部材310を第1の取付具200の保持部材210に係合することを含み、第2の取付具300は、ファンケース30の半径方向外向きに配置されたファンカウル40に係合され、それによって、保持部材210は、拘束部材310との係合を介して、ファンカウル40の半径方向外向きの動作400を制限するように配置され、また、拘束部材310は、ファンケース30に係合された保持部材210の半径方向外向きの動作400を可能にするように配置される。
【0030】
いくつかの例では、第1の取付具200は隣接する保持部材210a、210bを含み、各保持部材210a、210bは、少なくとも支持レッジ225a、225bを備える。他の例では、各保持部材210a、210bは、支持レッジ225a、225bまで延在するランプ部分215a、215bを備え、両者の間には戻り止め220a、220bがある。いずれの例においても、拘束部材310は、対向する端部320、325を有する横方向に延在するシャフト315と、対向する端部320、325の各々に係合されたフランジ330、335とを備える。したがって、拘束部材を保持部材に係合する方法のステップは、シャフト315を隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bに係合することを含み、それによって、フランジ330、335は、隣接する支持レッジ225a、225bに対して、シャフト315の横方向の動作450を制限するように配置され、また、フランジ330、335は、隣接する保持部材210a、210bの間の横方向の分離を制限するように配置される。
【0031】
他の例では、保持部材210はループ構成体230を備え、拘束部材310は逆向きのフック部材360を備え、拘束部材を保持部材に係合する方法のステップは、ループ構成体230を通って逆向きのフック部材360を受容し、ファンカウル40に対して、ファンケース30に係合された第1の取付具200の半径方向内向きの動作500を制限することを含む。
【0032】
さらなる例では、第1の取付具200は、ループ構成体230を形成するため、ファンケース30に係合され、それぞれの遠位端部235a、240aに向かって外向きに延在する、離間されたストラット235、240と、遠位端部235a、240aの間に延在するクロス部材245とを含む。第1の取付具200はさらに、隣接する保持部材210a、210bを含み、一態様では、各保持部材210a、210bは少なくとも支持レッジ225a、225bを備える。別の態様では、各保持部材210a、210bは、支持レッジ225a、225bまで延在するランプ部分215a、215bを備え、両者の間には戻り止め220a、220bがある。いずれの態様でも、各保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bは、ストラット235、240の1つの遠位端部235a、240aに係合され、そこから横方向に延在する。いずれの態様でも、拘束部材310は、対向する端部320、325と、対向する端部320、325の各々に係合されたフランジ330、335とを有する、横方向に延在するシャフト315とを備える。拘束部材310はさらに、逆向きのフック部材360を含む。このような例では、拘束部材を保持部材に係合する方法のステップは、シャフト315を隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bに係合することを含み、それによって、隣接する支持レッジ225a、225bに対して、シャフト315の横方向の動作450を制限し、かつ、隣接する保持部材210a、210bの間の横方向の分離を制限するように、フランジ330、335が配置される。加えて、拘束部材を保持部材に係合する方法のステップはさらに、ループ構成体230を通って逆向きのフック部材360を受容することを含み、それによって、第1の取付具200は、第2の取付具300との係合を介して、ファンカウル40の半径方向外向きの動作400を制限するように配置され、かつ、第2の取付具300は、ファンケース30に係合された第1の取付具200の半径方向外向きの動作400を可能にし、ファンカウル40に対して、ファンケース30に係合された第1の取付具200の半径方向内向きの動作500を制限するように配置される。
【0033】
さらに別の例では、ファンカウル40は、ファンケース30の長さ方向に沿って延在し、その一部を覆う半円筒形部材50を備え、半円筒形部材50は、ファンケース30に沿って長さ方向に延在する軸60の周りで枢動可能に配置され、上方の四分円の周りに設置された第1の角端部55と、対向する第2の角端部65とを有する。加えて、第1の取付具200は、下方の四分円の周りでファンケース30に係合され、第2の取付具300は、その第2の角端部65の周りでファンカウル40に係合される。このような例では、方法はさらに、第2の取付具300を第1の取付具200に係合するため、ファンケース30の一部を覆うように半円筒形部材50を枢動させることを含む。
【0034】
このような例では、第1の取付具200は隣接する保持部材201a、210bを含み、一態様では、各保持部材210a、210bは少なくとも支持レッジ225a、225bを備える。別の態様では、各保持部材210a、210bは、支持レッジ225a、225bまで延在するランプ部分215a、215bを備え、両者の間には戻り止め220a、220bがある。いずれの態様でも、拘束部材310は、対向する端部320、325を有する横方向に延在するシャフト315と、対向する端部320、325の各々に係合されたフランジ330、335とを備える。このように、ファンケースの一部を覆うため、半円筒形部材を枢動させる方法のステップは、シャフト315を隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bと相互作用させること、または、シャフト315をランプ部分215a、215bと相互作用させ、それによって、シャフト315がフランジ330、335によって誘導され、戻り止め220a、220bを越え、隣接する保持部材210a、210bの支持レッジ225a、225bと相互作用することを含み、それによって、フランジ330、335は、隣接する保持部材210a、210bに対して、シャフト315の横方向の動作450を制限し、隣接する保持部材210a、210bの間の横方向の分離を制限するように配置される。
【0035】
しかも、このような例では、保持部材210は、ループ構成体230を形成するため、ファンケース30に係合され、それぞれの遠位端部235a、240aに向かって外向きに延在する、離間されたストラット235、240と、遠位端部235a、240aの間に延在するクロス部材245とを含む。拘束部材310は、逆向きのフック部材360を備える。このように、半円筒形部材を枢動してファンケースの一部を覆う方法のステップは、ファンカウル40に対して、ファンケース30に係合された第1の取付具200の半径方向内向きの動作500を制限するため、ループ構成体230を通って、逆向きのフック部材360を受容することを含む。いくつかの態様では、逆向きのフック部材360とループ構成体230との相互作用はまた、タービンエンジン10のファンブレードシステム20/ファンケース30が最適な性能に満たない場合に、(例えば、ファンケース30の一部を覆っていない)開放位置に半円筒形部材50が枢動するのを防止する。
【0036】
したがって、本明細書に開示の動作制限システムは、枢動部分が閉鎖位置に枢動されると、下方のファンケースに対して、ファンカウルの枢動部分を適切に配置することができる。動作制限システムは、枢動部分が閉鎖位置まで枢動されると、枢動部分の適切な配置を促すように、第2の取付具を第1の取付具との係合まで誘導するように配置されている。しかも、枢動部分が閉鎖位置にあると、動作制限システムは、ファンケースからファンカウルまでの半径方向外向きの力の負荷(例えば、荷重伝達)を減衰させるように構成され、配置されている。枢動部分が閉鎖位置にあると、動作制限システムは、第2の取付具に対する第1の取付具の動作を制限する。本明細書に開示の動作制限システムは、したがって、ファンカウルの変位またはファンカウルへの損傷を、抑制または減衰し得る。
【0037】
したがって、本開示は、以下の例示的な実行形態を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0038】
条項1. 保持部材を含む第1の取付具であって、タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースに係合された第1の取付具と、
前記ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合された第2の取付具であって、前記第1の取付具の前記保持部材によって受容されるように配置された拘束部材を含む第2の取付具と、
を備えるタービンエンジンのための動作制限装置であって、前記保持部材は、前記拘束部材との係合を介して、前記ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、前記拘束部材は、(i)前記ファンカウルに対して、前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置されたフック部材、または、(ii)対向する端部と前記対向する端部の一または複数と係合されたフランジとを有し、前記第1の取付具に対して、前記保持部材の横方向の動作を制限するように配置された、横方向に延在するシャフト、のうちの一または複数を備える、動作制限装置。
【0039】
条項2. 前記保持部材は支持レッジを備え、前記拘束部材は、対向する端部と一または複数の前記対向する端部に係合されたフランジとを有する前記横方向に延在するシャフトを備え、前記シャフトは、前記支持レッジによって受容されるように配置され、前記フランジは、前記シャフトと前記支持レッジとの間の横方向の動作を制限するように配置されている、先行する任意の条項、または先行する条項の任意の組み合わせに記載の装置。
【0040】
条項3. 前記保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備える、条項2、または先行する条項の任意の組み合わせに記載の装置。
【0041】
条項4. 前記第1の取付具は隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジを備え、前記拘束部材は、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジとを有する、横方向に延在するシャフトを備え、前記シャフトは、前記隣接する保持部材の前記支持レッジによって受容されるように配置され、前記フランジは、前記支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置される、先行する任意の条項、または先行する条項の任意の組み合わせに記載の装置。
【0042】
条項5. 各保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備える、条項4に記載の装置。
【0043】
条項6. 前記拘束部材はさらに、前記ファンカウルに係合され、そこからそれぞれの遠位端部へ外向きに延在する離間された取付部材と、前記遠位端部の周りで、前記取付部材の間に配置される補強部材とを備え、前記取付部材と前記補強部材は協働して、そこを通って延在するボアを画定し、前記ボアは前記シャフトを内部に受容するように配置され、前記シャフトは前記取付部材間の距離よりも大きい長さを有する、条項4または5に記載の装置。
【0044】
条項7. 前記保持部材はループ構成体を備え、前記フック部材は、前記拘束部材に係合された逆向きのフック部材であって、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するため、前記ループ構成体を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材を備える、先行する任意の条項、または先行する条項の任意の組み合わせに記載の装置。
【0045】
条項8. 前記第1の取付具は、前記ファンケースに係合され、それぞれの遠位端部まで外向きに延在する、離間されたストラットと、前記遠位端部間に延在してループ構成体を形成するクロス部材とを含み、前記第1の取付具はさらに隣接する保持部材を含み、各保持部材は、前記ストラットの1つの前記遠位端部に係合され、そこから横方向に延在する支持レッジを備え、前記拘束部材は、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジとを有する横方向に延在するシャフト備え、前記シャフトは、前記隣接する保持部材の前記支持レッジによって受容されるように配置され、前記フランジは、前記支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置され、前記拘束部材はさらに、前記ループ構成体を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材を含み、前記第1の取付具は、前記第2の取付具との係合を介して、前記ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、前記第2の取付具は、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向外向きの動作を可能にし、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置される、条項1に記載の装置。
【0046】
条項9. 各保持部材は支持レッジまで延在するランプ部分を備え、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間に戻り止めがある、条項8に記載の装置。
【0047】
条項10. 前記ファンカウルは、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在し、前記ファンケースの一部を覆う半円筒形部材を備え、前記半円筒形部材は、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在する軸(60)の周りで枢動可能に配置され、上方の四分円の周りに配置された第1の角端部と、対向する第2の角端部とを有し、前記第1の取付具は、下方の四分円の周りで前記ファンケースに係合され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記第2の取付具は、前記第1の取付具と係合可能になるように、前記第2の角端部の周りで前記ファンカウルに係合される、先行する任意の条項、または先行する条項の任意の組み合わせに記載の装置。
【0048】
条項11. 前記第1の取付具は隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジを備え、前記拘束部材は、対向する端部と前記端部の各々に係合されたフランジとを有する横方向に延在するシャフトを備え、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記シャフトは、前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置され、前記フランジは、前記隣接する保持部材に対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、両者の間の横方向の分離を制限するように配置される、条項10に記載の装置。
【0049】
条項12. 各保持部材は、支持レッジまで延在するランプ部分を備え、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間には戻り止めがあり、前記半円筒形部材が前記ファンケースの一部を覆うように枢動されると、前記シャフトは、前記ランプ部分と相互作用し、誘導され、前記戻り止めを越え、前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置される、条項10または11に記載の装置。
【0050】
条項13. 前記保持部材は、前記ファンケースに係合され、それぞれの遠位端部まで外向きに延在する、離間されたストラットと、前記遠位端部間に延在してループ構成体を形成するクロス部材とを備え、前記拘束部材は、前記ループ構成体を通って受容され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置された逆向きのフック部材を備える、条項10から12のいずれか一項に記載の装置。
【0051】
条項14. 前記拘束部材は、前記ファンケースに係合された前記保持部材の半径方向外向きの動作を可能にするように配置されている、条項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【0052】
条項15. タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースを有するタービンエンジン用の動作制限装置であって、前記装置は、前記ファンケースに係合され、各遠位端部に向かって外向きに延在する離間されたストラットと、ループ構成体を形成するため前記遠位端部の間に延在するクロス部材とを含む第1の取付具であって、各保持部材が前記ストラットの1つの前記遠位端部に係合されて横方向に延在する支持レッジを備え、隣接した保持部材をさらに含む第1の取付具と、前記ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合された第2の取付具であって、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジを有し、前記支持レッジによって受容されるように配置された横方向に延在するシャフトを含む第2の取付具とを備え、前記フランジは、前記支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置され、前記第1の取付具は、前記第2の取付具との係合を介して前記ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置される、動作制限装置。
【0053】
条項16. 各保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備える、条項15に記載の装置。
【0054】
条項17. 前記ファンカウルは、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在し、前記ファンケースの一部を覆う半円筒形部材を備え、前記半円筒形部材は、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在する軸の周りで枢動可能に配置され、上方の四分円の周りに設置された第1の角端部と、対向する第2の角端部とを有し、前記第1の取付具は、下方の四分円の周りで前記ファンケースに係合され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記第2の取付具は、前記第1の取付具と係合可能になるように、前記第2の角端部の周りで前記ファンカウルに係合される、条項15または16に記載の装置。
【0055】
条項18. 前記第2の取付具の前記シャフトは、前記第1の取付具の前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記フランジは、前記第1の取付具の前記支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限するように配置される、条項17に記載の装置。
【0056】
条項19. 各保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備え、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記第2の取付具の前記シャフトは、前記ランプ部分と相互作用し、前記ランプ部分によって誘導され、前記戻り止めを越え、前記第1の取付具の前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置され、前記フランジは、前記第1の取付具の前記ランプ部分、戻り止め、および支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限するように配置されている、条項17または18に記載の装置。
【0057】
条項20. 前記第2の取付具はさらに、前記ループ構成体を通って受容され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースと係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置された逆向きのフック部材を備える、条項17から19のいずれか一項に記載の装置。
【0058】
条項21. 前記第2の取付具は、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向外向きの動作を可能にするように配置される、条項15から20のいずれか一項に記載の装置。
【0059】
条項22. タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースを有するタービンエンジン用の動作制限装置であって、前記ファンケースに係合され、各遠位端部に向かって外向きに延在する離間されたストラットと、ループ構成体を形成するため前記遠位端部の間に延在するクロス部材とを含む第1の取付具であって、各保持部材が前記ストラットの1つの前記遠位端部に係合されて横方向に延在する支持レッジを備え、隣接した保持部材をさらに含む第1の取付具と、前記ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合された第2の取付具であって、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するため、前記ループ構成体を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材を含む第2の取付具とを備える、動作制限装置。
【0060】
条項23. 各保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備える、条項22に記載の装置。
【0061】
条項24. 前記ファンカウルは、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在し、前記ファンケースの一部を覆う半円筒形部材を備え、前記半円筒形部材は、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在する軸の周りで枢動可能に配置され、上方の四分円の周りに設置された第1の角端部と、対向する第2の角端部とを有し、前記第1の取付具は、下方の四分円の周りで前記ファンケースに係合され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記第2の取付具は、前記第1の取付具と係合可能になるように、前記第2の角端部の周りで前記ファンカウルに係合される、条項22または23に記載の装置。
【0062】
条項25. 前記第2の取付具はさらに、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジを有する横方向に延在するシャフトを備え、前記シャフトは、前記隣接する保持部材の前記支持レッジによって受容されるように配置され、前記フランジは、前記隣接する支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置され、前記第1の取付具は、前記第2の取付具との係合を介して、前記ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、前記第2の取付具は、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向外向きの動作を可能にするように配置されている、条項22から24のいずれか一項に記載の装置。
【0063】
条項26. 前記第2の取付具の前記シャフトは、前記第1の取付具の前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記フランジは、前記第1の取付具の前記隣接する支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限するように配置される、条項25、または、先行する条項の任意の組み合わせに記載の装置。
【0064】
条項27. 各保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備え、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記第2の取付具の前記シャフトは、前記ランプ部分と相互作用し、前記ランプ部分によって誘導され、前記戻り止めを越え、前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置され、前記フランジは、前記第1の取付具の前記隣接するランプ部分、戻り止め、および支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限するように配置されている、条項25または26に記載の装置。
【0065】
条項28. タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースを有するタービンエンジンのための動作制限装置であって、前記装置は、前記ファンケースに係合され、各遠位端部に向かって外向きに延在する離間されたストラットと、ループ構成体を形成するため前記遠位端部の間に延在するクロス部材とを含む第1の取付具であって、各保持部材が前記ストラットの1つの前記遠位端部に係合されて横方向に延在する支持レッジを備え、隣接した保持部材をさらに含む第1の取付具と、前記ファンケースの半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合された第2の取付具であって、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジを有する横方向に延在するシャフトを含む第2の取付具とを備え、前記シャフトは、前記隣接する保持部材の前記支持レッジによって受容されるように配置され、前記フランジは、前記隣接する支持レッジに対して前記シャフトの横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置され、前記第2の取付具は、前記ループ構成体を通って受容されるように配置された逆向きのフック部材をさらに含み、前記第1の取付具は、前記第2の取付具との係合を介して前記ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、前記第2の取付具は、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置される、動作制限装置。
【0066】
条項29. 各保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備える、条項28、または先行する条項の任意の組み合わせに記載の装置。
【0067】
条項30. 前記ファンカウルは、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在し、前記ファンケースの一部を覆う半円筒形部材を備え、前記半円筒形部材は、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在する軸の周りで枢動可能に配置され、上方の四分円の周りに設置された第1の角端部と、対向する第2の角端部とを有し、前記第1の取付具は、下方の四分円の周りで前記ファンケースに係合され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記第2の取付具は、前記第1の取付具と係合可能になるように、前記第2の角端部の周りで前記ファンカウルに係合される、条項28または29に記載の装置。
【0068】
条項31. 前記第2の取付具の前記シャフトは、前記第1の取付具の前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置され、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記フランジは、前記第1の取付具の前記支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限するように配置される、条項30に記載の装置。
【0069】
条項32. 各保持部材は、前記支持レッジまで延在するランプ部分と、前記ランプ部分と前記支持レッジとの間の戻り止めとを備え、前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記第2の取付具の前記シャフトは、前記ランプ部分と相互作用し、前記ランプ部分によって誘導され、前記戻り止めを越え、前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用するように配置され、前記フランジは、前記第1の取付具の前記隣接するランプ部分、支持レッジ、および戻り止めに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限するように配置されている、条項30または31に記載の装置。
【0070】
条項33. 前記半円筒形部材が前記ファンケースの前記一部を覆うように枢動されると、前記逆向きのフック部材は、前記ループ構成体を通って受容されるように配置される、条項30から32のいずれか一項に記載の装置。
【0071】
条項34. 前記第2の取付具は、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向外向きの動作を可能にするように配置される、条項28から33のいずれか一項に記載の装置。
【0072】
条項35. 保持部材を有し、タービンエンジンファンブレードシステムを取り囲むファンケースに係合された第1の取付具を含むタービンエンジンの動作を制限する方法であって、前記方法は、前記ファンケースに半径方向外向きに配置されたファンカウルに係合された第2の取付具の拘束部材を、前記第1の取付具の前記保持部材に係合することを含み、それによって、前記保持部材は、前記拘束部材との係合を介して、前記ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、また、前記拘束部材は、前記ファンカウルに対して、前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように、あるいは、前記第1の取付具に対して、前記保持部材の横方向の動作を制限するように配置される、方法。
【0073】
条項36. 前記第1の取付具は隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジを備え、前記拘束部材は、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジとを有する横方向に延在するシャフトを備え、前記拘束部材を前記保持部材に係合することは、前記隣接する保持部材の前記支持レッジに前記シャフトを係合することを含み、それによって、前記フランジは、前記隣接する支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置される、条項35に記載の方法。
【0074】
条項37. 前記保持部材はループ構成体を備え、前記拘束部材は逆向きのフック部材を備え、前記拘束部材を前記保持部材に係合することは、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するため、前記ループ構成体を通って前記逆向きのフック部材を受容することを含む、条項35または36、あるいは先行する条項の任意の組み合わせに記載の方法。
【0075】
条項38. 前記第1の取付具は、前記ファンケースに係合され、それぞれの遠位端部まで外向きに延在する、離間されたストラットと、前記遠位端部間に延在してループ構成体を形成するクロス部材とを備え、前記第1の取付具はさらに隣接する保持部材を含み、各保持部材は、前記ストラットの1つの前記遠位端部に係合され、そこから横方向に延在する支持レッジを備え、前記拘束部材は、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジとを有する横方向に延在するシャフトを備え、前記拘束部材はさらに逆向きのフック部材を含み、前記拘束部材を前記保持部材に係合することは、前記フランジが、前記隣接する支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、前記隣接する保持部材間の横方向の分離を制限するように配置されるよう、前記シャフトを前記隣接する保持部材の前記支持レッジに係合することと、前記第1の取付具が、前記第2の取付具との係合を介して、前記ファンカウルの半径方向外向きの動作を制限するように配置され、前記第2の取付具が、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向外向きの動作を可能にし、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように配置されるよう、前記ループ構成体を通って前記逆向きのフック部材を受容することとを含む、条項35から37のいずれか一項に記載の方法。
【0076】
条項39. 前記ファンカウルは、前記ファンケースに沿って長さ方向に延在し、前記ファンケースの一部を覆う半円筒形部材を備え、前記第1の取付具は前記ファンケースに係合され、前記第2の取付具は前記ファンカウルに係合され、前記方法はさらに、前記第2の取付具を前記第1の取付具に係合するため、前記ファンケースの前記一部を覆うように前記半円筒形部材を枢動させることを含む、条項35から38のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
条項40. 前記第1の取付具は隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジを備え、前記拘束部材は、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジとを有する横方向に延在するシャフトを備え、前記ファンケースの前記一部を覆うため前記半円筒形部材を枢動させることは、前記シャフトを前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用させることを含み、それによって、前記フランジは、前記隣接する支持レッジに対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、両者間の横方向の分離を制限するように配置される、条項39に記載の方法。
【0078】
条項41. 前記第1の取付具は隣接する保持部材を含み、各保持部材は支持レッジまで延在するランプ部分を備え、両者の間には戻り止めがあり、前記拘束部材は、対向する端部と前記対向する端部の各々に係合されたフランジとを有する横方向に延在するシャフトを備え、前記ファンケースの前記一部を覆うように前記半円筒形部材を枢動させることは、前記シャフトを前記ランプ部分と相互作用させることを含み、それによって、前記シャフトは前記フランジによって誘導され、前記戻り止めを越え、前記隣接する保持部材の前記支持レッジと相互作用し、また、それによって、前記フランジは、前記隣接する保持部材に対して、前記シャフトの横方向の動作を制限し、両者の間の横方向の分離を制限するように配置される、条項39または40に記載の方法。
【0079】
条項42. 前記保持部材は、前記ファンケースに係合され、それぞれの遠位端部まで外向きに延在する、離間されたストラットと、前記遠位端部間に延在してループ構成体を形成するクロス部材とを備え、前記拘束部材は逆向きのフック部材を備え、前記ファンケースの前記一部を覆うように前記半円筒形部材を枢動させることは、前記ファンカウルに対して、前記ファンケースに係合された前記第1の取付具の半径方向内向きの動作を制限するように前記ループ構成体を通って逆向きのフック部材を受容することを含む、条項39から41のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
本明細書に記載の発明の多数の修正例および他の実施形態は、開示した実施形態が上述の説明および添付図面に提示された教示の恩恵を有することに関わる当業者には想起されるであろう。したがって、本発明の実施形態は開示された特定の実施形態に限定されないこと、および、変形例および他の実施形態は発明の範囲に含まれると意図されることを、理解されたい。さらに、上記の説明及び添付図面は、要素および/または機能の特定の実施例の組み合わせに照らして例示の実施形態を説明しているが、本開示の範囲から逸脱することなく、要素および/または機能の異なる組み合わせが、代替的な実施形態によって提供されてもよいことを、理解されたい。すなわち、本開示の範囲に明記されうるように、例えば、明示的に上述されたものとは異なる要素および/又は機能の組み合わせも想定される。本明細書では特定の用語が用いられているが、それらは、一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。
【0081】
様々なステップまたは計算を記述するために第1、第2などの用語が本明細書で使用され得るが、これらのステップまたは計算は、これらの用語に制限されるべきでないことを理解されたい。これらの用語は、1つの操作または計算を他のものと区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱しない限り、第1の計算は、第2の計算と称されてもよく、同様に、第2のステップは、第1のステップと称されてもよい。本明細書で使用されている「および/または(and/or)」という表現は、関連して列挙されたアイテムのうちの一または複数の任意の組み合わせおよびすべての組み合わせを含む。
【0082】
本明細書で使用されているように、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限りは、複数形も含むことが意図されている。さらに、「備える(comprises、comprising)」および/または「含む(includes、including)」という用語は、本明細書中で使用される場合、記載されている特徴、全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、その他の一または複数の特徴、全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが理解されよう。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定することは意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10