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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】施設管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240910BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020138605
(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公開番号】P2022034753
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 貴彦
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-063037(JP,A)
【文献】特開2012-079140(JP,A)
【文献】特開2004-178358(JP,A)
【文献】特開2011-180974(JP,A)
【文献】特開2017-182654(JP,A)
【文献】特開2016-184197(JP,A)
【文献】特許第6690070(JP,B1)
【文献】info! キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ネットワークカメラを活用しニューノーマル時代の安心安全なオフィス運営を支援する”オフィス密集アラートソリューション”を提供開始,月刊セキュリティ研究 AUG.2020,第23巻 第8号 通巻261号,一般社団法人セキュリティスペシャリスト協会,2020年07月25日,第38頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数の上限を記憶するように構成された記憶部と、
前記複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定するように構成された測定部と、
前記測定部が測定した利用者の人数が、前記記憶部に記憶されている上限に達したことをもとに、対応する区画が特定状態になったものと判定するように構成された判定部と、
前記判定部が特定状態になったものと判定した区画に警報を出力するように構成された警報部と
を備え
前記判定部は、前記測定部が測定する人数の単位時間あたりの変化量が、設定されている基準を超えると、対応する区画が特定状態になるものと判定する施設管理システム。
【請求項2】
施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数の上限を記憶するように構成された記憶部と、
前記複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定するように構成された測定部と、
前記測定部が測定した利用者の人数が、前記記憶部に記憶されている上限に達したことをもとに、対応する区画が特定状態になったものと判定するように構成された判定部と、
前記判定部が特定状態になったものと判定した区画の空調設備を制御して、外気を取り入れて換気する状態とする空調制御部と
を備え
前記判定部は、前記測定部が測定する人数の単位時間あたりの変化量が、設定されている基準を超えると、対応する区画が特定状態になるものと判定する施設管理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の施設管理システムにおいて、
前記複数の区画を利用する利用者を識別する利用者情報を、前記複数の区画ごとに記憶するように構成された利用者情報記憶部と、
利用者情報による認証情報をもとに、利用者情報で特定される利用者の前記複数の区画の各々における所在を管理するように構成された管理部と
を備え、
前記測定部は、前記管理部が所在を管理した利用者の前記複数の区画の各々における所在の状態をもとに、前記複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する
ことを特徴とする施設管理システム。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の施設管理システムにおいて、
前記複数の区画の各々に設けられて人間の所在を検知する人感センサを備え、
前記測定部は、前記人感センサによる人間の所在の検知により、前記人感センサが設けられている区画の人数を測定する
ことを特徴とする施設管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の区画を有する施設を管理する施設管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、施設の入出の管理では、個人を識別する情報の認証によりセキュリティ管理を実施しているが、例えば、生化学的な実験室や病院の施設等特定の部屋(区画)においては、入室権限を有しているユーザであっても、インフルエンザなどの病原体に感染している場合には入室を禁止するように制御を行っている(特許文献1)。
【0003】
インフルエンザなどの病原体による感染症の場合、病因となる病原体の潜伏期間がある。従って、感染者の潜伏期間に感染者と接触した者は、既に感染している可能性がある。従来の技術では、感染のおそれがある人を入室制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-200503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、症状が出ていない感染者を特定することができず、症状が出ている感染者が存在せず、症状が出ていない感染者が存在するなどの感染者が特定できない状況では、感染の拡大を防止することができない。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る施設管理システムは、施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数の上限を記憶するように構成された記憶部と、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定するように構成された測定部と、測定部が測定した利用者の人数が、記憶部に記憶されている上限に達したことをもとに、対応する区画が特定状態になったものと判定するように構成された判定部と、判定部が特定状態になったものと判定した区画に警報を出力するように構成された警報部とを備える。
【0008】
本発明に係る施設管理システムは、施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数の上限を記憶するように構成された記憶部と、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定するように構成された測定部と、測定部が測定した利用者の人数が、記憶部に記憶されている上限に達したことをもとに、対応する区画が特定状態になったものと判定するように構成された判定部と、判定部が特定状態になったものと判定した区画の空調設備を制御して、外気を取り入れて換気する状態とする空調制御部とを備える。
【0009】
上記施設管理システムの一構成例において、複数の区画を利用する利用者を識別する利用者情報を、複数の区画毎に記憶するように構成された利用者情報記憶部と、利用者情報による認証情報をもとに、利用者情報で特定される利用者の複数の区画の各々における所在を管理するように構成された管理部とを備え、測定部は、管理部が所在を管理した利用者の複数の区画の各々における所在の状態をもとに、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する。
【0010】
上記施設管理システムの一構成例において、複数の区画の各々に設けられて人間の所在を検知する人感センサを備え、測定部は、人感センサによる人間の所在の検知により、人感センサが設けられている区画の人数を測定する。
【0011】
上記施設管理システムの一構成例において、複数の区画毎に、存在人数の変化の履歴を時系列で記憶するように構成された履歴記憶部と、履歴記憶部が記憶する存在人数の時系列変化と、測定部が測定する現在の存在人数とをもとに、現時点から記憶部に記憶されている上限に達するまでの時間を求めるように構成された時間算出部とをさらに備え、判定部は、時間算出部が算出した時間が設定された値に達したことをもとに、対応する区画が特定状態になるものと判定する。
【0012】
上記施設管理システムの一構成例において、判定部は、測定部が測定する人数の単位時間あたりの変化量が、設定されている基準を超えると、対応する区画が特定状態になるものと判定する。
【0013】
本発明に係る施設管理システムは、施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数の上限を記憶するように構成された記憶部と、複数の区画毎に、存在人数の1日の変化を記憶するように構成された変化記憶部と、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定するように構成された測定部と、複数の区画毎に、測定部が測定した存在人数の履歴を時系列で記憶するように構成された履歴記憶部と、履歴記憶部に記憶されている最新の存在人数の履歴を元に、変化記憶部に記憶されている存在人数の1日の変化を更新するように構成された更新部と、変化記憶部が記憶する存在人数の変化が、記憶部に記憶されている上限に達する時刻に対し、設定されて時間の前に、対応する区画に警報を出力するように構成された警報部とを備える。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、測定されて利用者の人数が、記憶部に記憶されている上限に達したことをもとに、対応する区画が特定状態になったものと判定するので、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る施設管理システムの構成を示す構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態2に係る施設管理システムの構成を示す構成図である。
図3図3は、本発明の実施の形態3に係る施設管理システムの構成を示す構成図である。
図4図4は、本発明の実施の形態4に係る施設管理システムの構成を示す構成図である。
図5図5は、本発明の実施の形態5に係る施設管理システムの構成を示す構成図である。
図6図6は、変化記憶部202に記憶された存在人数の1日の変化を示すグラフである。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る施設管理システムのハードウエア構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る施設管理システムについて説明する。
【0017】
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1に係る施設管理システムについて、図1を参照して説明する。この施設管理システムは、記憶部101、測定部102、判定部103、警報部104を備える。また、実施の形態1において、施設管理システムは、利用者情報記憶部105および管理部106を備える。
【0018】
記憶部101は、施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数(所在人数)の上限を記憶する。測定部102は、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する。ここで、利用者情報記憶部105は、複数の区画を利用する利用者を識別する利用者情報を、複数の区画毎に記憶する。また、管理部106は、利用者情報による認証情報をもとに、利用者情報で特定される利用者の複数の区画の各々における所在を管理している。測定部102は、管理部106が所在を管理した利用者の複数の区画の各々における所在の状態をもとに、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する。
【0019】
判定部103は、測定部102が測定した利用者の人数が、記憶部101に記憶されている上限(閾値)に達したことをもとに、対応する区画が特定(密集)状態になったものと判定する。また、判定部103は、上限に達した時点から、この状態が設定されている時間以上継続したら、対応する区画が特定状態になったものと判定することもできる。
【0020】
また、判定部103は、測定部102が測定する人数の単位時間あたりの変化量が、設定されている基準を超えると、対応する区画が、近々に特定状態になるものと判定することもできる。例えば、測定部102が測定した現在から過去10分間の特定区画の人数の変化を1分周期で捉え、微分などを使用して、10分間の人の増加傾向を算出した値(変化量)が設定した基準以上の急激に増加となっている場合、すぐに密集状態となる可能性が高いため、近々に特定状態になるものと判定することができる。ここで、施設管理システムは、警戒状態の指示を受け付ける受付部107を備え、判定部103は、受付部107が警戒状態の指示を受け付けることにより動作を開始する。
【0021】
警報部104は、判定部103が特定状態になったものと判定した区画に警報を出力する。例えば、警報部104は、対応する区画に設置されている拡声器やディスプレイなどの放送設備により、警報を出力する。また、警報部104は、利用者情報記憶部105に記憶されている利用者情報に含まれている、利用者の電子メールアドレス宛に、警報の旨が示された電子メールを送信する。
【0022】
以上に説明したように、実施の形態1によれば、区画における存在人数が上限に達すると、警報が出力されるので、密集している状態が利用者に認識できるようになり、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できるようになる。
【0023】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る施設管理システムについて、図2を参照して説明する。この施設管理システムは、記憶部101、測定部102、判定部103、警報部104、および受付部107備える。これらは、前述した実施の形態1と同様である。実施の形態2において、施設管理システムは、複数の区画121の各々に設けられて、人間の所在を検知する人感センサ122を備える。測定部102は、人感センサ122による人間の所在の検知により、人感センサ122が設けられている区画121の人数を測定する。
【0024】
人感センサ122は、例えば、2次もとに配列された複数の赤外線センサから構成された赤外線アレイセンサである。この場合、人感センサ122が測定した温度情報から動く発熱体を人間と判定し、対応する区画121における人間の所在を検知する。また、人感センサ122は、よく知られた超音波センサから構成することもできる。
【0025】
実施の形態2においても、前述した実施の形態1と同様に、判定部103が、対応する区画が特定状態になったものと判定すると、警報部104が、対応する区画に警報を出力する。実施の形態2においても、区画における存在人数が上限に達すると、警報が出力されるので、密集している状態が利用者に認識できるようになり、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できるようになる。
【0026】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3に係る施設管理システムについて、図3を参照して説明する。この施設管理システムは、記憶部101、測定部102、判定部103、警報部104、管理部106、および受付部107備える。これらは、前述した実施の形態1と同様である。
【0027】
実施の形態3では、さらに、履歴記憶部108および時間算出部109を備える。履歴記憶部108は、複数の区画毎に、存在人数の変化の履歴を時系列で記憶する。履歴記憶部108は、測定部102が測定した結果を、例えば、1時間毎など、時系列に記憶する。時間算出部109は、履歴記憶部108が記憶する存在人数の時系列変化と、測定部102が測定する現在の存在人数とをもとに、現時点から記憶部101に記憶されている上限に達するまでの時間を求める。
【0028】
実施の形態3では、判定部103が、前述した判定に加え、時間算出部109が算出した時間が設定された値に達したことをもとに、対応する区画が、今後ある時間後に特定状態になるものと判定する。判定部103が、対応する区画が、今後ある時間後に特定状態になるものと判定すると、警報部104が、対応する区画に警報を出力する。この場合、警報部104は、対応する区画が、もうすぐ密集状態となるなどの情報を警報とともに出力する。
【0029】
実施の形態3においても、前述した実施の形態1と同様に、判定部103が、対応する区画が特定状態になったものと判定すると、警報部104が、対応する区画に警報を出力する。実施の形態3においても、区画における存在人数が上限に達すると、警報が出力されるので、密集している状態が利用者に認識できるようになり、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できるようになる。
【0030】
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4に係る施設管理システムについて、図4を参照して説明する。この施設管理システムは、記憶部101、測定部102、判定部103、空調制御部110を備える。また、実施の形態4において、施設管理システムは、利用者情報記憶部105および管理部106を備える。
【0031】
記憶部101は、施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数の上限を記憶する。測定部102は、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する。ここで、利用者情報記憶部105は、複数の区画を利用する利用者を識別する利用者情報を、複数の区画毎に記憶する。また、管理部106は、利用者情報による認証情報をもとに、利用者情報で特定される利用者の複数の区画の各々における所在を管理している。測定部102は、管理部106が所在を管理した利用者の複数の区画の各々における所在の状態をもとに、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する。
【0032】
判定部103は、測定部102が測定した利用者の人数が、記憶部101に記憶されている上限(閾値)に達したことをもとに、対応する区画が特定(密集)状態になったものと判定する。また、判定部103は、上限に達した時点から、この状態が設定されている時間以上継続したら、対応する区画が特定状態になったものと判定することもできる。
【0033】
また、判定部103は、測定部102が測定する人数の単位時間あたりの変化量が、設定されている基準を超えると、対応する区画が、近々に特定状態になるものと判定することもできる。例えば、測定部102が測定した現在から過去10分間の特定区画の人数の変化を1分周期で捉え、微分などを使用して、10分間の人の増加傾向を算出した値(変化量)が設定した基準以上の急激に増加となっている場合、すぐに密集状態となる可能性が高いため、近々に特定状態になるものと判定することができる。ここで、施設管理システムは、警戒状態の指示を受け付ける受付部107を備え、判定部103は、受付部107が警戒状態の指示を受け付けることにより動作を開始する。
【0034】
空調制御部110は、判定部103が特定状態になったものと判定した区画の空調設備151を制御して、外気を取り入れて換気する状態とする。実施の形態4では、区画における存在人数が上限に達すると、この区画では、外気が取り入れられて換気されるようになるので、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できるようになる。
【0035】
なお、上述では、測定部102が、管理部106が所在を管理した利用者の複数の区画の各々における所在の状態をもとに、存在する利用者の人数を測定しているが、これに限るものではない。例えば、実施の形態2と同様に、複数の区画の各々に、人間の所在を検知する人感センサを設ける構成とすることもできる。測定部102は、人感センサによる人間の所在の検知により、人感センサが設けられている区画の人数を測定する。
【0036】
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5に係る施設管理システムについて、図5を参照して説明する。この施設管理システムは、記憶部201、変化記憶部202、測定部203、履歴記憶部204、更新部205、および警報部206を備える。また、実施の形態5において、施設管理システムは、利用者情報記憶部207および管理部208を備える。
【0037】
記憶部201は、施設内の管理対象の複数の区画毎に、存在人数(所在人数)の上限を記憶する。変化記憶部202は、複数の区画毎に、存在人数の1日の変化を記憶する。変化記憶部202に記憶されている存在人数の1日の変化は、例えば、図6のグラフに示すように、時刻が変わるとともに人数が変化するものである。
【0038】
測定部203は、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する。ここで、利用者情報記憶部207は、複数の区画を利用する利用者を識別する利用者情報を、複数の区画毎に記憶する。また、管理部208は、利用者情報による認証情報をもとに、利用者情報で特定される利用者の複数の区画の各々における所在を管理している。測定部203は、管理部208が所在を管理した利用者の複数の区画の各々における所在の状態をもとに、複数の区画毎に、存在する利用者の人数を測定する。
【0039】
履歴記憶部204は、複数の区画毎に、測定部203が測定した存在人数の履歴を時系列で記憶する。更新部205は、履歴記憶部204に記憶されている最新の存在人数の履歴を元に、変化記憶部202に記憶されている存在人数の1日の変化を更新する。
【0040】
警報部206は、変化記憶部202が記憶する存在人数の変化が、記憶部201に記憶されている上限に達する時刻に対し、設定されて時間の前に、対応する区画に警報を出力する。例えば、設定されている時間が10分の場合、図6のグラフに示すように、上限を超える10分前の時刻tにおいて、警報部206は、対応する区画に警報を出力する。例えば、警報部206は、対応する区画に設置されている拡声器やディスプレイなどの放送設備により、警報を出力する。また、警報部206は、利用者情報記憶部207に記憶されている利用者情報に含まれている、利用者の電子メールアドレス宛に、警報の旨が示された電子メールを送信する。
【0041】
ここで、施設管理システムは、警戒状態の指示を受け付ける受付部209を備え、警報部206は、受付部209が警戒状態の指示を受け付けることにより動作を開始する。
【0042】
なお、上述では、測定部203が、管理部208が所在を管理した利用者の複数の区画の各々における所在の状態をもとに、存在する利用者の人数を測定しているが、これに限るものではない。例えば、実施の形態2と同様に、複数の区画の各々に、人間の所在を検知する人感センサを設ける構成とすることもできる。測定部203は、人感センサによる人間の所在の検知により、人感センサが設けられている区画の人数を測定する。
【0043】
以上に説明したように、実施の形態5によれば、区画における存在人数が上限に達すると、警報が出力されるので、密集している状態が利用者に認識できるようになり、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できるようになる。また、変化記憶部202が記憶する存在人数の1日の変化は、履歴記憶部204に記憶されている最新の存在人数の履歴を元に、更新部205により更新されるので、現時点における実際の利用者の状態がおおよそ反映されるようなり、実際の状態に対応した警報が出力できる。
【0044】
なお、上述した実施の形態に係る施設管理システムは、図7に示すように、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)301と主記憶装置302と外部記憶装置303とネットワーク接続装置304となどを備えたコンピュータ機器とし、主記憶装置302に展開されたプログラムによりCPU301が動作する(プログラムを実行する)ことで、上述した各機能が実現されるようにすることもできる。ネットワーク接続装置304は、ネットワーク305に接続する。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させることもできる。
【0045】
以上に説明したように、本発明によれば、測定されて利用者の人数が、記憶部に記憶されている上限に達したことをもとに、対応する区画が特定状態になったものと判定するので、感染者が特定できない場合でも、施設内における感染の拡大が抑制できるようになる。
【0046】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0047】
101…記憶部、102…測定部、103…判定部、104…警報部、105…利用者情報記憶部、106…管理部、107…受付部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7