(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】壁装材固定用枠材
(51)【国際特許分類】
E04F 13/07 20060101AFI20240910BHJP
E04F 21/18 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
E04F13/07 Z
E04F21/18 G
(21)【出願番号】P 2021069091
(22)【出願日】2021-04-15
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000148151
【氏名又は名称】株式会社川島織物セルコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 義久
(72)【発明者】
【氏名】茂永 健太
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-227218(JP,A)
【文献】特開2007-146500(JP,A)
【文献】特開2006-090126(JP,A)
【文献】実開昭49-073226(JP,U)
【文献】特開2002-242404(JP,A)
【文献】実開平2-85733(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/07
E04F 13/08
E04F 13/21
E04F 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の壁装材を取り付けるための長尺状の壁装材固定用枠材であって、
施工面に固定される合成樹脂製の固定板と、
前記壁装材の縁部を保持する保持部とを有し、
前記固定板の表面に、長手方向に延びるリブが設けられており、
前記固定板の厚みに対する前記リブの高さの比が0.05以上0.4未満である、
壁装材固定用枠材。
【請求項2】
前記リブが複数設けられている、
請求項1記載の壁装材固定用枠材。
【請求項3】
前記リブの断面形状が、高さ方向の外力を受けたときに他の部位より変形しやすい部位を有する、
請求項1または2に記載の壁装材固定用枠材
【請求項4】
前記固定板および保持部が一体成形されている、
請求項1から3のいずれかに記載の壁装材固定用枠材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁装材を壁面や天井等の施工面に貼設するために用いられる壁装材固定用枠材に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物の天井面、壁面などの施工面に織物などのシート状の壁装材を貼設する内装が知られている。このような内装は、施工面に壁装材固定用の枠体を取り付け、その壁装材固定用の枠体に壁装材の周縁を固定させることにより行われる。本出願人は、このようなシート状の壁装材を固定するための壁装材固定用枠材として、例えば、特許文献1、2に示すように、施工面に固定される合成樹脂製の固定板と、壁装材の縁を挟持する保持部とを有するものを提案している。また本出願人は、特許文献3に示すように、壁装材が固定された壁装材貼設パネルと、施工面に枠状に固定されるレール部材と、壁装材貼設パネルとレール部材とを連結する連結手段とを備えた壁装材貼設パネルの取付構造を提案している。
【0003】
このような壁装材固定用枠材あるいはレール部材は、固定板を施工面に重ね、次いで、固定板にタッカー等によってステープル等の締結部材を打設することにより施工面に固定される。特に、2本の針足とその上端を繋ぐ連結部からなるU字状の締結部材は、施工面に当接させた固定板を2点同時で固定できるため、固定板が傾きにくく、現場において好ましく用いられている。
【0004】
例えば、特許文献1の壁装材固定用枠材では、U字状の締結部材を打ち込む際の見当となるように長手方向に延びる2本の溝部が固定板の表面に設けられている。このように溝部を設けることにより、締結部材の打設箇所を知らせるだけでなく、打設箇所の厚みを薄くすることができ、打ち込まれる針足による固定板の割れを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3652613号
【文献】特許第4789782号
【文献】特許第5241170号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、U字状の締結部材を固定板に打設する場合、2本の針足の固定板の貫通に続いて、連結部も固定板に打ち付けられる。そのため、タッカー圧力が大きいと、連結部に打ち付けられた部分を中心に固定板が割れることがあった。現場では、そのような固定板の割れを防止するべく作業員がタッカー圧力の微調整を行いながら施工している。特に、寒冷地での施工には注意が必要であった。
【0007】
本発明は、このような問題を鑑みて開発されたものであり、U字状の締結部材の打設に対して十分な強度を有する壁装材固定用枠材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の壁装材固定用枠材は、シート状の壁装材を取り付けるための長尺状の壁装材固定用枠材であって、施工面に固定される合成樹脂製の固定板と、前記壁装材の縁部を保持する保持部とを有し、前記固定板の表面に、長手方向に延びるリブが設けられており、前記固定板の厚みに対する前記リブの高さの比が0.05以上0.4未満であることを特徴としている。本発明において、施工面とは、壁や天井等を言う。
本発明の壁装材固定用枠材であって、前記リブが複数設けられているものが好ましい。
本発明の壁装材固定用枠材であって、前記リブの断面形状が高さ方向の外力を受けたときに他の部位より変形しやすい部位を有するものが好ましい。
本発明の壁装材固定用枠材であって、前記固定プレートと保持部とが押出一体成形されているものが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の壁装材固定用枠材は、固定板の表面に長手方向に延びるリブが設けられているため、リブを打設箇所の目安とすることができる。そして、U字状の締結部材を固定板のリブの上から打設しても、リブが締結部材の連結部による固定板への衝撃を吸収し、固定板が割れにくい。そのため、現場において、作業員は容易に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1aは本発明の壁装材固定用枠材を用いて壁装材を壁面に貼設した状態の一部を示す断面図であり、
図1bはその締結部材と固定板の関係を示す拡大図である。
【
図2】
図2aは
図1の壁装材固定用枠材の第1の実施形態の一部を示す斜視図であり、
図2bはその断面図であり、
図2cは
図2bの一部の拡大図である。
【
図3】
図3aは
図1の壁装材固定用枠材1を壁面に枠状に取り付けた状態を示す正面図であり、
図3bは壁装材固定用枠材1を壁面に取り付けた状態を示す拡大正面図であり、
図3cは壁装材を貼設した状態を示す正面図である。
【
図4】
図4a、
図4bは、それぞれ本発明の壁装材固定用枠材の第1の実施形態に用いることができるリブの他の形状を示す拡大断面図である。
【
図5】
図5a、bは、それぞれ本発明の壁装材固定用枠材の第2、第3の実施形態を示す断面図である。
【
図6】実施例および比較例にステープルを打設した後を示す写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
初めに、本発明の壁装材固定用枠材1を用いてシート状の壁装材Dを壁面W(施工面)に貼設した状態について説明する。符号Uは、壁装材Dと壁面Wとの間に充填される下地材である。
壁装材固定用枠材1の固定板10の下面を壁面Wに当接させ、U字状のステープル(締結部材)Sを打設することにより、壁装材固定用枠材1を壁面Wに固定している。そして、壁装材固定用枠材1の保持部20に壁装材Dの縁部D1を挟持させることにより、壁装材Dを壁装材固定用枠材1に固定している。このように本発明の壁装材固定用枠材1は、壁面Wと壁装材Dとを連結するためのものである。
本発明の壁装材固定用枠材1に用いられる締結部材Sは、鉄、ステンレススチールや鋼線等の金属製のものが用いられる。締結部材Sの先端形状は、針足が真っすぐに打ち込まれるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、たがね状のチゼルポイントや、チゼルポイントに対して切り口が90度回転したスペシャルチゼルポイントや、両針足の切り口がそれぞれ前後逆方向にカットされたダイバージェントポイントなどが挙げられる。締結部材Sの線径は、幅が0.7mm~1.6mm、好ましくは1.0mm~1.3mmであり、厚みが0.5mm~1.4mm、好ましくは0.5mm~0.8mである。例えば、線径の幅が1.2mm、厚み0.6mmの締結部材としては、MAX(マックス)製10Jステープルなどが挙げられる。締結部材Sの高さは、取り付ける施工面に合わせて適宜選択することが可能であるが、例えば、5mm~30mm、好ましくは8mm~25mmである。例えば、MAX(マックス)製10Jステープルとしては、高さ13mm(品番1013J)、高さ16mm(品番1016J)、高さ22mm(品番1022J)などが好ましく使用される。
【0012】
次に、本発明の壁装材固定用枠材1について説明する。
壁装材固定用枠材1は、
図2a、bに示すように、長尺状のものであって、壁面Wに固定される固定板10と、壁装材Dの縁部D1を保持する保持部20とを有する。
【0013】
固定板10は、表面10aに長手方向に延びるリブ15が等間隔に5本形成されている。裏面10bは、平滑面としており、壁面Wと当接する。
【0014】
リブ15の断面形状は、
図2cに示すように、三角形となっている。しかし、特に限定されるものではない。
リブ15の数は、固定板10の幅に応じて適宜選択することができ、例えば、2~15個、好ましくは3~8個、特に好ましくは4~6個である。隣接するリブ15の間隔は、少なくともU字状の締結部材Sの2本の針足S1の間に2つ以上のリブ15が収まるように設定されていればよい。
図1bに示すように、少なくとも2本以上のリブ15が2本の針足S1の間に位置するように締結部材Sを打設することにより、締結部材Sの連結部S2を水平に打設することができる。つまり、締結部材Sが傾きにくい。
【0015】
固定板10の厚みXに対するリブの高さHの下限は、0.05以上、0.08以上、好ましくは0.1以上である。一方その上限は、0.4未満、0.35以下、好ましくは0.3以下である。0.05より小さいと、タッカーによって締結部材Sを打設したとき、締結部材の連結部S2から受ける打設力をリブ15が十分に吸収することができず、固定板10が割れるおそれがある。0.8より大きいと、針足S1を打設したときに割れるおそれがある。なお、固定板10の厚みXとしては、例えば、0.5~3mm、好ましくは1~2mmが挙げられる。そして、リブの高さHとしては、例えば、0.1~0.5mm、好ましくは0.2mm~0.4mmが挙げられる。
【0016】
固定板10の材質としては、自己消化性を有する合成樹脂や難燃性の合成樹脂が挙げられ、難燃性の合成樹脂が好ましい。難燃性の合成樹脂としては、例えば、塩化ビニル、難燃剤を添加されたABS等の合成樹脂が好ましく挙げられる。
固定板10のショアD硬度は、70~100、好ましくは80以上でありより好ましくは85以上である。ショアD硬度が70より小さいと、柔らかすぎて、タッカーによって締結部材Sを打設したとき、リブ15が潰れてしまう。一方、ショアD硬度が100より大きいと、打設力を十分に吸収することができない。
【0017】
図2に戻って、保持部20は、固定板10の幅方向の外側に設けられる内側壁21と、その内側壁21と所定の間隔を空けて設けられる外側壁22と、内側壁21の外面に設けられる突条部23とを有する。
固定板10の厚みXに対する内側壁21の厚みT1および外側壁22の厚みT2は1~1.5、好ましくは1.2以下、1.1以下である。内側壁21および外側壁22は、壁装材の縁を支持する部位であるため、厚く強度が高い方が好ましい。一方、内側壁21の厚みの固定板10の厚みに対する比が1.5より大きいと、押出成型によって固定板10と保持部20とを一体成形する際、溶融した合成樹脂を固定板10に行き渡らせにくくなり、生産性が低下する。
保持部20の突条部23以外は、難燃性の合成樹脂が用いられる。特に、固定板10と同じ合成樹脂が好ましく挙げられる。
【0018】
突条部23は、弾性を有しており、その先端と外側壁22の内面との間で壁装材Dの縁部D1を挟持する。突条部23の形状は、特に限定されるものではないが、この実施形態では、第1突条部23aおよび第2突条部23bを有する。第1突条部23aは、さらに、上下2つに分かれた断面Y字状を呈する。このように複数の突条の先端を設けることにより、壁装材の縁部D1の保持部20への挿入を容易にし、かつ、十分な摩擦を確保できる。
【0019】
突条部23の材質としては、弾性を有する合成樹脂またはゴムなどの弾性体が挙げられる。しかし、突条部23として弾性が確保できれば、他の部位と同じ材質を用いても良い。例えば、第1突条部23aおよび第2突条部23bを十分に薄くすることにより、弾性を得ることができれば、固定板10と同じ材質にしてもよい。同じ材質とすることにより、生産性が向上する。
【0020】
壁装材固定用枠材1は、固定板10と保持部20とを押出成型によって一体成形したものである。なお、突条部23の材質を他の部位と異ならせる場合は2色押出成型を用いる。
【0021】
次に、壁装材固定用枠材1を用いた壁装材Dの貼設方法について説明する。
初めに、
図3aに示すように、壁装材固定用枠材1を壁面Wに固定する。
図3aにおいて、符号Cは天井を指し、符号Fは床を指す。壁装材固定用枠材1を壁面Wの所定の領域を囲むように枠状に固定する。
図3aでは、上下3段の枠体を左右に並列している。壁装材固定用枠材1の固定は、固定板10の裏面10bを壁面Wに当接させ、
図3bに示すように、固定板10の表面10aからU字状の締結部材Sを打設することにより固定する。締結部材Sの打設は、針足S1の間に固定板10のリブ15が少なくとも2つ入るように、かつ、連結部S2がリブ15と略垂直となるように行う。このように打設することにより、締結部材Sの連結部S2の力はリブ15に吸収され、固定板10自体への衝撃を軽減し、固定板10が凹んだり、割れたりすることが防止される。また連結部S2は、2個以上のリブ15に支持されることになるため、壁面Wと平行に打設することができる。締結部材Sは、壁装材固定用枠材1の長手方向に、所定の間隔で打設する。
【0022】
壁装材固定用枠材1を壁面Wに固定した後、
図3cに示すように、壁装材Dを壁装材固定用枠材1に固定する。その固定は、壁装材の縁部D1を保持部20に挿入することにより行う。なお、
図3cは、壁装材固定用枠材1を用いて壁面Wに異なるデザインの壁装材DA、DBを格子状に貼設したものである。このように壁装材固定用枠材1を用いることにより、壁面Wに壁装材Dの貼設が簡単にできる。
【0023】
このように壁装材固定用枠材1は、固定板10の表面10aにリブ15を備えているため、締結部材Sを打設したとき、締結部材の連結部S2の打設力はリブ15に吸収され、固定板10の割れが生じにくい。そのため、現場の作業員にとって煩雑な作業であったタッカー圧力の微調整が不要もしくは軽減される。また締結部材Sの針足S1の間に少なくとも2つリブが介在できるようにしてあるため、連結部S2を壁面と水平にすることができる。さらに、リブ15が長手方向に形成されているため、固定板10の強度も確保できる。
【0024】
上記実施形態では、壁装材固定用枠材1のリブ15の断面形状を三角形としているが、その形状は特に限定されるものではない。しかし、高さ方向の外力を受けたときに他の部位より変形しやすい部位、言い換えると、高さ方向の外力を受けたときに他の部位より力を吸収できる部位を有する断面形状が好ましい。例えば、高さ方向の外力を受けたときに、その外力を吸収し変形する部位を有する断面形状が好ましい。そのような断面形状としては、例えば、
図4aのリブ15a、
図4bのリブ15bが挙げられる。
図4aのリブ15aは、断面形状が半円となっており、高さ方向の外力を受けたときに、上部が変形する。
図4bのリブ15bは、断面形状が全体として長方形状であり、高さ方向の略真ん中に幅小とした幅小部15b1を有する。このリブ15bは、高さ方向の外力を受けたときに幅小部15b1が変形する。リブの断面形状としては、特に、断面三角形(
図2c)や断面半円形(
図4a)など上方向にむかって幅が小さくなる形状が好ましい。
【0025】
図5aの壁装材固定用枠材2は、第1固定板51および内側壁52を備えた固定部材50と、外側壁61および第2固定板62を備えた外壁部材60とが別体に成形されている。第1固定板51を第2固定板62の上に重ね、ステープルSで施工面に固定されるものである。第1固定板51の表面に、複数のリブ15が形成されている。
このように第1固定板51の表面に複数のリブが形成されているため、
図2の壁装材固定用枠材1と同様に、タッカーでステープルSを打設する際、第1固定板51の割れが生じにくい。
【0026】
図5bの壁装材固定用枠材3は、壁装材保持部材70と、レール部材80と、壁装材保持部材とレール部材とを連結する連結手段90とを有する。
壁装材保持部材70は、壁装材Dの縁部D1を保持する保持部71を有し、下面に雄側連結部91を有する。
レール部材80は、壁面(施工面)に固定される固定板81と、その中央上面に雌側連結部92を有する。固定板81の両側の表面に、それぞれ複数のリブ15が形成されている。つまり、固定板81の両側に締結部材Sは打設される。
連結手段90は、雄側連結部91と雌側連結部92とからなる。これらを連結させることにより壁装材保持部材70とレール部材80とが結合する。
【0027】
この壁装材固定用枠材3は、壁装材保持部材70を枠状に組み立て、それに壁装材を固定させて壁装材貼設パネルを形成する。一方、レール部材80を施工面にステープルSで固定する。そして、パネルをレール部材80に結合することにより、壁装材Dを壁面に貼設する。
この場合も、レール部材80の固定板81の表面に複数のリブ15が形成されているため、タッカーでステープルSを打設する際、レール部材の割れが生じにくい。
【実施例】
【0028】
[実施例1]
5個のリブ15が形成された固定板10を有する硬質ポリ塩化ビニル(PVC)製の壁装材固定用枠材1を準備した。これを実施例1とする。固定板10の厚みは1.5mmとした。リブ15の断面形状は、幅が底辺0.2mm、高さ0.2mmの二等辺三角形とした。つまり、実施例1の固定板の厚みに対するリブの高さの比は0.13である。
【0029】
[実施例2]
9個のリブが形成された厚み1.5mmの硬質ポリ塩化ビニル製の固定板を準備した。これを実施例2とする。リブの断面形状は半径0.4mmの半円とした。つまり、実施例2の固定板の厚みに対するリブの高さの比は0.27である。
【0030】
[比較例1]
リブが形成されていない固定板を有する硬質ポリ塩化ビニル製の枠材を準備した。固定板10の厚みは1.5mmとした。
[比較例2]
9個のリブが形成された厚み1.5mmの硬質塩化ビニル製の固定板を準備した。リブの断面形状は半径0.6mmの半円とした。つまり、比較例2の固定板の厚みに対するリブの高さの比は0.4である。
【0031】
実施例1、2および比較例1、2の固定板に壁の下地となる石膏ボードを重ね、固定板の表面にMAX(マックス)製ステープル用エアネイラ(タッカー、品番TA-325/10J)を用いて、MAX(マックス)製10Jステープル(高さ13mm、1013J)を打設した。それをそれぞれ左から順番に8個(比較例2のみ9個)打設した。その結果を表1および
図6に示す。
【0032】
【0033】
実施例1、2の固定板は、割れることがなかった。一方、比較例1の枠材は、ステープルSに打設された部分が陥没し、ステープルSを中心に割れが生じた。比較例2は、ステープルSの針足S1の貫通部分を中心に割れが生じた。このように本発明はタッカーを用いたステープルSの打設に対して割れにくいことがわかった。
【符号の説明】
【0034】
1 壁装材固定用枠材
2 壁装材固定用枠材
3 壁装材固定用枠材
10 固定板
10a 表面
10b 裏面
15、15a、15b リブ
15b1 幅小部
20 保持部
21 内側壁
22 外側壁
23 突条部
23a 第1突条部
23b 第2突条部
50 固定部材
51 第1固定板
52 内側壁
60 外壁部材
61 外側壁
62 第2固定板
70 壁装材保持部材
71 保持部
80 レール部材
81 固定板
90 連結手段
91 雄側連結部
92 雌側連結部
C 天井
F 床
D、DA、DB 壁装材
D1 縁部
S 締結部材(ステープル)
S1 針足
S2 連結部
W 壁面