(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240910BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240910BHJP
G08G 1/137 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G06Q50/40
G08G1/137
(21)【出願番号】P 2021121360
(22)【出願日】2021-07-26
【審査請求日】2024-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 もとこ
(72)【発明者】
【氏名】大鹿 智子
(72)【発明者】
【氏名】小湊 貴子
(72)【発明者】
【氏名】阿倉 佑樹
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/235252(WO,A1)
【文献】特開2014-130552(JP,A)
【文献】特表2020-531939(JP,A)
【文献】特開2021-077063(JP,A)
【文献】特開2016-018317(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0365717(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 50/40ー50/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客を輸送する各車両の運行実績を取得する取得部と、
取得された前記運行実績に基づいて、乗客が乗車した車両が当該乗客の乗車まで待機していたときの各待機種別の頻度を所定の地区ごとに算出する算出部と、
取得された前記運行実績に基づいて、各々の車両の運転者が乗客を待機するときに当該運転者が好む前記待機種別を推定する推定部と、
各々の地区について算出された前記待機種別の頻度と、各々の前記運転者について推定された前記待機種別とに基づいて、各々の前記運転者が運転する車両が走行する推奨場所を特定する特定部と
特定された前記推奨場所に関する情報を出力する出力部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記待機種別は、車両を駐車して乗客を待機する待機種別、車両を走行させながら乗客を待機する待機種別、又は、配車の連絡があるまで乗客を待機する待機種別のうち、いずれか2以上の待機種別を含む
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記地区における各待機種別の頻度を天候に応じて算出し、
前記推定部は、前記運転者が好む待機種別を天候に応じて推定し、
前記特定部は、前記推奨場所を天候に応じて特定する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記地区における各待機種別の頻度を日又は時の属性に応じて算出し、
前記推定部は、前記運転者が好む待機種別を日又は時の属性に応じて推定し、
前記特定部は、前記推奨場所を日又は時の属性に応じて特定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記時の属性は、運転者の継続運転時間に関する属性を含む
ことを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記地区における各待機種別の頻度を、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由に応じて算出し、
前記推定部は、前記運転者が好む待機種別を、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由に応じて推定し、
前記特定部は、前記推奨場所を、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由に応じて特定する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記運転者が乗客を待機していた時の待機種別の頻度に基づいて、当該運転者が好む各々の待機種別を推定し、
前記特定部は、各々の地区ごとに算出された前記待機種別の頻度と、各々の前記運転者について推定された前記待機種別とに基づいて、前記推奨場所を特定する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、特定された前記推奨場所において前記算出部により算出された待機種別の頻度に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者に乗客の乗車可能性が高い場所を案内するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
乗客を輸送する車両(タクシー)においては、乗客が乗車するまで車両を駐車して乗客を待機する場合(「待ち」という)、車両を走行させながら乗客を待機する場合(「流し」という)、又は、配車センタや乗客から配車の無線連絡があるまで乗客を待機する場合(「無線」という)といった具合に、乗客が乗車するまで待機するときの方法にいくつかの種別(以下、待機種別という)がある。例えば特許文献1には、タクシーの運行実績情報から待ち/流し/迎車のいずれのタクシーであるのかを識別することや、「流し」の運行実績情報のみに基づいて道路毎のタクシー需要を推定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば駅近郊、繁華街、ホテル、観光地、主要道路沿い又は郊外など、各々の地区の特性によって、どの待機種別で待機していれば乗客が乗車する可能性が高いかは異なると考えられる。また、車両の運転者によっても、どの待機種別を好むかは異なると考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、乗客を輸送する車両の運転者に合わせて乗客の乗車可能性が高い場所を推奨することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、乗客を輸送する各車両の運行実績を取得する取得部と、取得された前記運行実績に基づいて、乗客が乗車した車両が当該乗客の乗車まで待機していたときの各待機種別の頻度を所定の地区ごとに算出する算出部と、取得された前記運行実績に基づいて、各々の車両の運転者が乗客を待機するときに当該運転者が好む前記待機種別を推定する推定部と、各々の地区について算出された前記待機種別の頻度と、各々の前記運転者について推定された前記待機種別とに基づいて、各々の前記運転者が運転する車両の推奨場所を特定する特定部と特定された前記推奨場所に関する情報を出力する出力部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗客を輸送する車両の運転者に合わせて乗客の乗車可能性が高い場所を推奨することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】同実施形態に係るサーバ装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係る車載装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】サーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】各地区における待機種別の算出結果を例示する図である。
【
図7】各運転者について好みの待機種別の推定結果を例示する図である。
【
図8】サーバ装置30の動作を例示するフローチャートである。
【
図9】車載装置10に表示される画面を例示する図である。
【
図10】変形例における各地区の天候別の待機種別の算出結果を例示する図である。
【
図11】変形例における各運転者について天候別の好みの待機種別の推定結果を例示する図である。
【
図12】変形例における各地区の日又は時の属性別の待機種別の算出結果を例示する図である。
【
図13】変形例における各運転者について日又は時の属性別の好みの待機種別の推定結果を例示する図である。
【
図14】変形例における各地区のイベントの有無別の待機種別の算出結果を例示する図である。
【
図15】変形例における各運転者についてイベントの有無別の好みの待機種別の推定結果を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[構成]
図1は、本実施形態の情報処理システム1の一例を示す図である。情報処理システム1は、乗客を輸送する車両(タクシー)に搭載された車載装置10と、乗客を輸送するサービスを提供する企業(タクシー会社)において各車両の運行を管理する運行管理装置20と、本発明に係る情報処理装置として機能するサーバ装置30とを備える。ネットワーク2は、これら車載装置10、運行管理装置20及びサーバ装置30を相互に通信可能に接続する。ネットワーク2は、例えばLAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)、若しくはこれらの組み合わせであり、有線区間又は無線区間を含んでいる。ネットワーク2は、例えば第5世代移動通信システムに準拠したネットワークであることが望ましいが、必ずしもこれに限らない。なお、
図1において、車載装置10、運行管理装置20及びサーバ装置30をそれぞれ1つずつ図示しているが、これはあくまで例示であり、これらは複数あってもよい。
【0010】
本実施形態において、車両が乗客の乗車まで待機するときの方法の種別(待機種別という)として、乗客が乗車するまで車両を駐車して乗客を待機する場合(「待ち」という)、車両を走行させながら乗客を待機する場合(「流し」という)、及び、運行管理装置20や乗客から配車の無線連絡があるまで乗客を待機する場合(「無線」という)という、3つの待機種別を想定する。サーバ装置30は、運行管理装置20から各車両の運行実績を取得し、その運行実績に基づいて、乗客が乗車した車両が当該乗客の乗車まで待機していたときの各待機種別の頻度を所定の地区ごとに算出する。また、サーバ装置30は、その運行実績に基づいて、各々の車両の運転者が乗客を待機するときに当該運転者が好む待機種別を推定する。そして、サーバ装置30は、各々の地区ごとに算出された待機種別の頻度と、各々の運転者について推定された待機種別とに基づいて、各々の運転者が乗客を待機する場所を特定し、その場所に関する情報を車載装置10に出力する。運転者は車載装置10に表示される場所を参考にして乗客を待機する。
【0011】
図2は、サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ装置30のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0012】
サーバ装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0013】
プロセッサ3001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ3001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ3001によって実現されてもよい。
【0014】
プロセッサ3001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ3003及び通信装置3004の少なくとも一方からメモリ3002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。サーバ装置30の機能ブロックは、メモリ3002に格納され、プロセッサ3001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ3001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ3001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ3001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、ネットワーク2経由でサーバ装置30にダウンロードされてもよい。
【0015】
メモリ3002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ3002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ3002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0016】
ストレージ3003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ3003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0017】
通信装置3004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0018】
入力装置3005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ、GPSユニット、入力インタフェースなど)である。出力装置3006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプ、出力インタフェースなど)である。なお、入力装置3005及び出力装置3006は、一体となった構成(例えば、タッチスクリーン)であってもよい。
【0019】
プロセッサ3001、メモリ3002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0020】
また、サーバ装置30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ3001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0021】
図3は、車載装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。車載装置10は、例えばカーナビゲーション装置、タブレット、スマートホン又はノート型コンピュータのような、車両に一体化又は固定されたコンピュータ内蔵端末、もしくは、人間が携帯可能で車両に持ち込むことが可能なコンピュータ内蔵端末である。車載装置10のハードウェア構成は、
図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、車載装置10を構成してもよい。
【0022】
車載装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、測位装置1007、放音装置1008、表示装置1009及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。車載装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びこれらを接続するバスは、サーバ装置30について説明したプロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。 測位装置1007は、例えばGPS(Global Positioning System)等によって車載装置10、つまり車両の位置を測位する。なお、通信装置3004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。また、例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インタフェースなどは、通信装置3004によって実現されてもよい。
【0023】
運行管理装置20は、サーバ装置30と同様のハードウェアを備えるコンピュータ装置である。運行管理装置20は、車載装置10からネットワーク2経由で定期的に又は逐一送信されてくる、車両の位置や状態を含む運行実績を受信して蓄積する。運行管理装置20は、既存のタクシー会社が備える装置と同等のものであるから、詳細な説明を省略する。なお、運行管理装置20は、1つの筐体のコンピュータ装置によって構成されていてもよいし、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されてコンピュータ装置として構成されていてもよい。
【0024】
図4は、サーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置30においては、取得部31と、算出部32と、推定部33と、特定部34と、出力部35と、記憶部36という機能が実現される。
【0025】
取得部31は、サーバ装置30の外部から各種の情報を取得する。例えば、取得部31は、運行管理装置20から各車両の運行実績を取得する。取得された運行実績は、記憶部36に記憶される。
【0026】
ここで、
図5は、運行管理装置20から取得される運行実績を例示する図である。この運行実績においては、各車両を識別する車両IDと、その車両を運転する運転者を識別する運転者IDと、その車両のステータスと、そのステータスが変更されたときの日時と、そのステータスが変更されたときの車両の位置とが対応付けられている。なお、運行実績は、
図5の例示以外の情報、例えば車両の現在位置、運転者が業務を開始した日時、車両の走行距離、及び売り上げ等の情報を含んでいてもよい。
【0027】
運行実績に含まれるステータスは、乗客を車両に乗せていないという状態の「空車」、乗客を車両に乗せている状態の「乗車」、及び、乗客が乗車することが予約されている状態である「予約」という3つの状態を含む。「予約」というステータスは、例えば乗客がタクシー会社に電話をすることによって運行管理装置20が予約処理を行う場合や、乗客が利用するスマートホン等の通信端末から車両の車載装置10に対する要求に応じて予約処理を行う場合等を含む。
【0028】
算出部32は、取得部31により取得された運行実績に基づいて、乗客が乗車した車両がその乗客の乗車まで待機していたときの各待機種別の頻度を所定の地区ごとに算出する。算出された結果は、記憶部36に記憶される。
【0029】
ここで、
図6は、待機種別の頻度が所定の地区ごとに算出された例を示す図である。
図6に例示するように、識別子としての地区IDが割り当てられた地区ごとに、各地区において過去の所定期間(例えば過去4週間)にわたって乗客が乗車した車両がその乗客の乗車まで待機していたときの各待機種別の頻度が算出される。各地区を区分する基準はどのようなものであってもよく、例えば所定サイズで所定形状のメッシュ単位で各地区が区分されていてもよいし、市区町村等の行政区分に基づいて各地区が区分されていてもよい。
【0030】
算出部32は待機種別を次のようにして判定する。例えば或る車両の運行実績において、或る地区内で「空車」から「乗車」のステータスに変更されたときの過去所定期間(例えば乗車へと変更される直前10分間)の車両の位置の単位時間当たり変化量が閾値未満の場合には、算出部32は、その或る地区について、「待ち」という待機種別を1回カウントする。つまり、「空車」から「乗車」というステータスに変更される直前に車両がほぼ静止状態であったと想定される場合は、その車両は乗客の乗車まで「待ち」という待機種別で待機していたとみなされる。ここで、例えば過去4週間における待機種別「待ち」のカウント総数をWとする。
【0031】
また、運行実績において、或る地区内で「空車」から「乗車」のステータスに変更されたときの過去所定期間(例えば乗車へと変更される直前10分間)の車両の位置の単位時間当たり変化量が閾値以上の場合には、算出部32は、その或る地区について、「流し」という待機種別を1回カウントする。つまり、「乗車」というステータスに変更される直前に車両が走行している状態であったと想定される場合は、その車両は乗客の乗車まで「流し」という待機種別で待機していたとみなされる。ここで、例えば過去4週間における待機種別「流し」のカウント総数をMとする。
【0032】
また、運行実績において、或る地区内で或る車両のステータスが「予約」から「乗車」に変更された場合、算出部32は、その或る地区について、「無線」という待機種別を1回カウントする。ここで、例えば過去4週間における待機種別「無線」のカウント総数をRとする。
【0033】
算出部32は、このようにして各地区について待機種別をカウントした結果に基づいて、例えば過去4週間における各待機種別の頻度を算出する。具体的には、例えば待機種別「待ち」の頻度Wfは、Wf=W/(W+M+R)という数式で算出され、待機種別「流し」の頻度Mfは、Mf=M/(W+M+R)という数式で算出され、待機種別「無線」の頻度Rfは、Rf=R/(W+M+R)という数式で算出される。このようにして算出された結果において、例えば或る地区において、待機種別「流し」の頻度Mfが、待機種別「待ち」の頻度Wfや待機種別「無線」の頻度Rfよりも多い場合には、その地区において待機種別「流し」で待機したほうが乗客の乗車可能性が高いということになる。同様に、或る地区において、待機種別「待ち」の頻度Wfが、待機種別「流し」の頻度Mfや待機種別「無線」の頻度Rfよりも多い場合には、その地区において待機種別「待ち」で待機したほうが乗客の乗車可能性が高いということになる。同じく、或る地区において、待機種別「無線」の頻度Rfが、待機種別「待ち」の頻度Wfや待機種別「流し」の頻度Mfよりも多い場合には、その地区において待機種別「無線」で待機したほうが乗客の乗車可能性が高いということになる。
【0034】
図4の説明に戻り、推定部33は、取得部31により取得された運行実績に基づいて、各々の車両の運転者が乗客を待機するときにその運転者が好む待機種別を推定する。具体的には、推定部33は、乗客が車両に乗車した場合に運転者がその乗客を待機していたときの待機種別の頻度に基づいて、その運転者が好む待機種別を推定する。推定された結果は、記憶部36に記憶される。
【0035】
ここで、
図7は、各運転者について好みの待機種別の推定結果を例示する図である。
図7に例示するように、識別子としての運転者IDが割り当てられた運転者ごとに、その運転者が過去の所定期間(例えば過去4週間)にわたって乗客乗車時まで待機していたときの各待機種別の頻度が算出され、さらに、その頻度に基づいて運転者の好みの待機種別が推定される。各運転者が過去の所定期間にわたって乗客乗車時まで待機していたときの各待機種別の頻度については、
図6を用いて説明した方法と同様の方法を各々の運転者単位で用いて算出すればよい。
【0036】
そして、推定部33は、例えば或る運転者について過去4週間における待機種別「待ち」の頻度Wf、待機種別「流し」の頻度Mf、及び、待機種別「無線」の頻度Rfのうち、最も多い頻度の待機種別をその運転者の好みの待機種別として推定する。
図7の例では、運転者ID「D001」についての待機種別の頻度は「待ち」が「50%」で最も多いから、この運転者の好みの待機種別は「待ち」に推定されることになる。一方、運転者ID「D002」についての待機種別の頻度は「流し」が「50%」で最も多いから、この運転者の好みの待機種別は「流し」に推定されることになる。
【0037】
図4の説明に戻り、特定部34は、算出部32により各々の地区について算出された待機種別の頻度と、推定部33により各々の運転者について推定された待機種別とに基づいて、各々の運転者が運転する車両が走行するよう推奨する推奨場所を特定する。特定部34は、例えば
図7に例示するように運転者ID「D001」の運転者の好みの待機種別が「待ち」の場合、
図6に例示した各地区のうち、「待ち」の待機種別が最も多い地区である地区ID「A002」を、運転者ID「D001」の運転者が運転する車両が走行する推奨場所として特定する。また、特定部34は、
図7に例示するように運転者ID「D001」の運転者の好みの待機種別が「待ち」の場合において、「待ち」の待機種別が最も多い地区が複数ある場合には、これらの地区群の全てを運転者ID「D001」の運転者に対する推奨場所として特定するようにしてもよいし、「待ち」の待機種別の頻度が多い順から所定数の地区を運転者ID「D001」の運転者に対する推奨場所として特定するようにしてもよい。また、特定部34は、上記において、「待ち」の待機種別が最も多い地区群が地図上で偏在している場合には、そのような地区が偏っている場所全体を運転者ID「D001」の運転者に対する推奨場所として特定するようにしてもよい。また、特定部34は、上記において、
図6に例示した「待ち」の待機種別が最も多い各地区を推奨場所として特定するようにしてもよいし、その各地区に含まれる主要道路のみを推奨場所として特定するようにしてもよい。
【0038】
出力部35は、特定部34により特定された推奨場所に関する推奨場所情報をネットワーク2経由で車載装置10に出力する。具体的には、出力部35は、特定された推奨場所を示す位置情報と、その推奨場所において算出部32により算出された待機種別の頻度に関する情報(例えばその推奨場所において算出された最も多い頻度の待機種別)を車載装置10に出力する。さらに、出力部35は、車両の現在位置から上記推奨場所に移動するための経路や、現在位置から上記推奨場所に移動するのに要する所要時間等に関する情報を推奨場所情報としてネットワーク2経由で車載装置10に出力してもよい。
【0039】
[動作]
次に、サーバ装置30の動作について説明する。
図8に示す各処理の手順は、サーバ装置30に記憶されているプログラムに記述されている。
図8において、例えば毎日0時等の所定の時期が到来すると、取得部31は、運行管理装置20からネットワーク2経由で、
図5に例示したような各車両の運行実績を取得する(ステップS11)。
【0040】
算出部32は、取得部31により取得された運行実績に基づいて、乗客が乗車した車両がその乗客の乗車まで待機していたときの各待機種別の頻度を所定の地区ごとに算出する(ステップS12)。これにより、
図6に例示したような算出結果が記憶部36に記憶される。
【0041】
推定部33は、取得部31により取得された運行実績に基づいて、各々の車両の運転者が乗客を待機するときにその運転者が好む待機種別を推定する。具体的には、推定部33は、運転者が乗客を待機していたときの待機種別の頻度に基づいて、その運転者が好む待機種別を推定する(ステップS13)。これにより、
図7に例示したような推定結果が記憶部36に記憶される。
【0042】
特定部34は、算出部32により各々の地区について算出された待機種別の頻度と、推定部33により各々の運転者について推定された待機種別とに基づいて、各々の運転者が運転する車両が走行する推奨場所を特定する(ステップS14)。
【0043】
出力部35は、例えば車両の業務開始時期や、車載装置10からの要求があったときに、その車両について特定部34により特定された推奨場所の位置や、その推奨場所において算出部32により算出された待機種別の頻度に関する推奨場所情報を、ネットワーク2経由で車載装置10に出力する(ステップS15)。
【0044】
ここで、
図9は、上記推奨場所情報に応じて車載装置10の出力装置1006(ディスプレイ)に表示される画面を例示する図である。
図9において、Pnは地図上において車載装置10を搭載する車両の現在位置を示しており、rは主要な道路を示している。この例では、推奨場所A1、A2の位置と、その推奨場所において最も高い待機種別及びその頻度の値とが表示されている。例えば○○町に相当する推奨場所A1では、過去4週間において待機種別「待ち」で待機していた場合に乗客が乗車した確率が50%であり、××町に相当する推奨場所A2では、過去4週間において待機種別「待ち」で待機していた場合に乗客が乗車した確率が65%である。既に説明したように、このような推奨場所情報が提示された運転者は、待機種別「待ち」が自身の好みであるということになる。従って、運転者は、自身が好む待機種別で待機していれば乗車の可能性が高い場所を知ることができると共に、その可能性の高さも併せて知ることが可能となる。運転者はこれらの情報を参考にして、自身が運転する車両の位置を推奨場所へと移動させるなどして、乗客の乗車を待機する。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、車両の運転者の好みに合わせて乗客の乗車可能性が高い推奨場所を出力して運転者に提示することが可能となる。
【0046】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形したり、実施形態を以下のような変形例と組み合わせたりしてもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0047】
[変形例1]
上記実施形態においては、「待ち」、「流し」及び「無線」という3つの待機種別を用いていたが、これら3つの待機種別のうち、少なくともいずれか2以上の待機種別を含んでいればよい。また、待機種別は実施形態に開示したもの以外のものであってもよい。
【0048】
[変形例2]
本発明における待機種別として、乗客が車両に乗車するときの天候に応じた待機種別を用いてもよい。具体的には、算出部32は、
図10に例示するように、各地区において乗客乗車時の各待機種別の頻度を天候(ここでは晴、曇り、雨)に応じて算出する。乗客乗車時の天候は例えば各地の天候を記録する記録装置からサーバ装置30の取得部31が取得するようにすればよい。また、推定部33は、
図11に例示するように、各運転者が好む待機種別を天候に応じて推定する。そして、特定部34は、運転者に対する推奨場所を天候に応じて特定する。即ち、
図10,11の例では、運転者ID「D001」の運転者の好みの待機種別は「晴」の場合は「流し」であり、「曇り」及び「雨」の場合は「無線」であるから、特定部34は、「晴」の場合は「流し」の待機種別が最も多い地区を推奨場所として特定し(図示略)、「曇り」又は「雨」の場合は「無線」の待機種別が最も多い地区ID「A001」の地区を推奨場所として特定する。このようにすれば、天候に応じて適切な推奨場所を運転者に提示することが可能となる。
【0049】
[変形例3]
本発明における待機種別として、乗客が車両に乗車するとき日又は時の属性に応じた待機種別を用いてもよい。日又は時の属性とは、待機種別の発生頻度の影響を与えるような属性であり、例えば平日/休日、時間帯、曜日、月、季節、給料日直後か否か等の属性が考えられる。算出部32は、
図12に例示するように、各待機種別の頻度を日又は時の属性(ここでは、平日午前、平日午後、休日)に応じて算出する。また、推定部33は、
図13に例示するように、運転者が好む待機種別を日又は時の属性に応じて推定する。そして、特定部34は、運転者に対する推奨場所を日又は時の属性に応じて特定する。即ち、
図12,13の例では、運転者ID「D001」の運転者の好みの待機種別は「平日午前」の場合は「流し」であり、「平日午後」及び「休日」の場合は「無線」であるから、特定部34は、「平日午前」の場合は「流し」の待機種別が最も多い地区を推奨場所として特定し(図示略)、「平日午後」又は「休日」の場合は「無線」の待機種別が最も多い地区ID「A001」の地区を推奨場所として特定する。このようにすれば、日又は時の属性に応じて適切な推奨場所を運転者に提示することが可能となる。
【0050】
運転者による待機種別の好みは、業務日において業務を開始したときからの経過時間、つまり、運転者の継続運転時間によっても変わり得ると考えられる。例えば業務日において業務を開始したときからX時間までは「流し」を好む一方、X時間を超える長時間業務になった場合には、肉体的な負担が比較的小さい「無線」を好むといった例が考えられる。このように、上述した時の属性は、運転者の継続運転時間に関する属性であってもよい。この場合、算出部32は、各待機種別の頻度を運転者の継続運転時間(例えばX時間以内及びX時間超)に応じて算出する。また、推定部33は、運転者が好む待機種別を運転者の継続運転時間に応じて推定する。そして、特定部34は、運転者に対する推奨場所を運転者の継続運転時間に応じて特定する。このようにすれば、運転者の継続運転時間に応じて適切な推奨場所を運転者に提示することが可能となる。
【0051】
[変形例4]
本発明における待機種別として、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由に応じた待機種別を用いてもよい。乗車需要を一時的に増加させる事由とは、例えば各種交通機関の遅延や運休、事故、災害、悪天候、又は、コンサートや催事等の各種イベントの開催などである。この場合、算出部32は、例えば
図14に例示するように、地区における各待機種別の頻度を、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由(ここでは、規模が或る基準よりも大きい大イベント有、規模が基準よりも小さい小イベント有、イベント無し)に応じて算出する。また、推定部33は、
図15に例示するように、運転者が好む待機種別を、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由に応じて推定する。そして、特定部34は、推奨場所を、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由に応じて特定する。即ち、
図14,15の例では、運転者ID「D001」の運転者の好みの待機種別は「大イベント有」の場合は「流し」であり、「小イベント」及び「イベント無し」の場合は「無線」であるから、特定部34は、「大イベント有」の場合は「流し」の待機種別が最も多い地区を推奨場所として特定し(図示略)、「小イベント有」又は「イベント無し」の場合は「無線」の待機種別が最も多い地区ID「A001」の地区を推奨場所として特定する。このようにすれば、乗客の乗車需要を一時的に増加させる事由に応じて適切な推奨場所を運転者に提示することが可能となる。
【0052】
[変形例5]
上記実施形態において、推定部33は、各運転者について最も頻度が高い1つの待機種別をその運転者の好みの待機種別として推定し、特定部34は、各地区において最も頻度が多い1つの待機種別をその地区に対応する待機種別として、運転者の好みの待機種別と一致する地区を推奨場所としていた。ただし、各地区および各運転者についての待機種別の特定方法はこれに限らない。
【0053】
例えば、推定部33は、各運転者について頻度が高い順に2つの待機種別をその運転者の好みの待機種別として推定し、特定部34は、各地区において頻度が多い順から2つの待機種別をその地区に対応する待機種別として、運転者の好みの待機種別と少なくとも1つの待機種別が一致する地区を推奨場所としてもよい。
【0054】
また、例えば特定部34は、各地区について算出された各待機種別の頻度と、各運転者についての各待機種別の頻度とを比較し、両者の一致度が高い地区を推奨場所として特定するようにしてもよい。例えば或る運転者についての各待機種別の頻度が「待ち」50%:「流し」40%:「無線」10%である場合、特定部34は、そのような「待ち」50%:「流し」40%:「無線」10%という比に近い比で各待機種別が算出された地区を推奨場所として特定するようにしてもよい。具体的には、特定部34は、例えば3%を閾値として、47%<「待ち」<53%、37%<「流し」<43%、7%<「無線」<13%という条件に合致するような各待機種別が算出された地区を推奨場所として特定する。
【0055】
以上のようにすれば、各地区および各運転者についての多様な待機種別のパターンに応じて適切な推奨場所を提示することが可能となる。
【0056】
[変形例6]
本発明は、タクシーと呼ばれる車両に限定されず、乗客を待機するときの方法(つまり待機種別)が複数あるような乗客輸送用の車両について適用可能である。
【0057】
[変形例7]
本発明に係る情報処理装置の一例としてサーバ装置30を例示したが、
図4に例示した機能ブロックを実現するコンピュータであれば本発明を適用可能である。例えば、
図4に示した複数の機能のうち少なくとも一部を車載装置10が備えていてもよい。
【0058】
[そのほかの変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0059】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0060】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0061】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0062】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0063】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0064】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0065】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0066】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0067】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0068】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0069】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0070】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0071】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0072】
車載装置10は、送信装置、受信装置、通信装置、表示装置、放音装置などと呼ばれてもよい。
【0073】
「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0074】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」され経路考えることができる。
【0075】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0076】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0077】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0078】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0079】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…情報処理システム、2…ネットワーク、10……車載装置、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…測位装置、20…運行管理装置、30…サーバ装置、31…取得部、32…算出部、33…推定部、34…特定部、35…出力部、36…記憶部、3001…プロセッサ、3002…メモリ、3003…ストレージ、3004…通信装置。