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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】骨連結用のデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/86 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A61B17/86
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021522468
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 US2019059670
(87)【国際公開番号】W WO2020087086
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ペッパー,ジョン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ワイナー,ロン エス.
(72)【発明者】
【氏名】カチス,スチュアート ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デナム,グレゴリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シュロイターバック,ライアン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ホルトン,トーマス
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-518483(JP,A)
【文献】米国特許第05782918(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0285427(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の骨片を第2の骨片に接合するように構成された骨連結用デバイスであって、
第1の空洞部の境界を形成している内表面と第1の骨片に挿入するための第1のステム部分とを具備している第1の構成要素、及び
第2の骨片に挿入するための第2のステム部分と、第2のステム部分から伸びており第1の空洞部に挿入されるように構成された軸方向に伸びるコネクタとを具備している第2の構成要素
を具備し、
前記コネクタは外表面を有し、前記外表面及び前記内表面は、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを係合するために前記コネクタが前記空洞部に受承されたときに互いに対して回転するのを阻止するように相補的な形状に作られており、
前記外表面は複数の軸方向に伸びる突部を具備し、かつ前記内表面は、前記コネクタが第1の構成要素及び第2の構成要素を係合するために前記空洞部に受承された時に前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の回転を阻止するように、前記複数の軸方向に伸びる突部を受承するように構成された複数の受承凹部を具備し、
前記複数の軸方向に伸びる突部はロック用突部を含み、
前記コネクタは、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、前記第2のステム部分に最も近い第2の端部とを具備し、前記ロック用突部の一部は傾斜部を具備しており、前記傾斜部は、前記コネクタの前記第1の端部の最も近くにおいてより小さい周方向寸法及び/又はより小さい径方向寸法を有し、かつ前記コネクタの前記第1の端部とは反対側で前記第2の端部に近い前記傾斜部の反対側の端部においてより大きい周方向寸法及び/又はより大きい径方向寸法を有し、
前記軸方向に延びる突部の他の前記突部は、前記コネクタの前記第1の端部及び前記コネクタの前記第2の端部において、同じ周方向寸法及び/又は同じ径方向寸法を有する、デバイス。
【請求項2】
前記外表面及び前記内表面は六角形の断面形状を備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記外表面及び前記内表面の各々が、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素の軸の周りに周方向に延在する複数の長手方向に伸びるほぼ平坦な表面を具備して、前記外表面と前記内表面との間の接触により前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の互いに対する回転が阻止されるようになっている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の軸方向に伸びる突部は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素の軸の周りに周方向に均等な間隔を置いて配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記複数の軸方向に伸びる突部は非ロック用の突部を含み、かつ前記内表面は第1の凹部表面を具備して、前記非ロック用の突部及び前記第1の凹部表面はそれらの間の空間の境界を形成しており、該空間により前記非ロック用の突部と前記第1の凹部表面とが接触する前はそれらの間の移動が可能となっている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ロック用突部は、前記非ロック用の突部よりも大きな周方向寸法を有する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記傾斜部は、前記のより小さい周方向寸法と前記のより大きい周方向寸法との間に傾斜表面を具備し、前記傾斜表面は、前記ロック用突部が前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を係合する軸方向力に応じて内表面と接触して前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間に摩擦嵌めを提供するように、前記コネクタを方向付けるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記コネクタは、前記コネクタの径方向に内側にあるコネクタ空洞部を前記コネクタの外側につなぐ軸方向に伸びるスロットを具備し、前記スロットは前記コネクタの軸方向に伸びる表面によって境界が形成されており、前記コネクタは、前記第1の構成要素が前記空洞部内に前記コネクタを受承し前記傾斜部が前記内表面に接触するのに応じて前記軸方向に伸びる表面が互いに接近して摩擦嵌めを提供するように、変形可能である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記複数の突部は第2のロック用突部を含み、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は前記スロットに関して互いに反対側に位置している、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記複数の軸方向に伸びる突部はロック用突部を含み、かつ前記内表面は前記複数の受承凹部のうちある凹部の中にロック用空洞部を具備し、前記ロック用突部は、前記ロック用空洞部に受承されて前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するように構成されている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ロック用突部は、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、前記第2のステム部分に最も近い第2の端部とを具備し、前記第2の端部は径方向に伸びる表面を具備し、前記ロック用空洞部は前記内表面の径方向に伸びる境界表面によって境界が形成されていて、前記径方向に伸びる表面及び前記径方向に伸びる境界表面が互いに当接して前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するようになっている、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記外表面は前記外表面から外側に向かって伸びるロック用突部を具備し、前記コネクタは、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、第2のステム部分に最も近い第2の端部とを具備し、前記ロック用突部は、傾斜部であって前記コネクタの前記第1の端部の最も近くにおいてより小さい寸法を、及び前記コネクタの前記第1の端部とは反対側の前記傾斜部の反対側の端部においてより大きい寸法を有している傾斜部を具備し、前記傾斜部は、前記のより小さい周方向寸法と前記のより大きい周方向寸法との間に傾斜表面を具備し、前記傾斜表面は、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を係合する軸方向力に応じて前記第1の構成要素の前記内表面を前記傾斜表面に沿って前記傾斜部の前記のより大きい寸法まで移動させて、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間に摩擦嵌めを提供するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記コネクタは、前記コネクタの径方向に内側にあるコネクタ空洞部を前記コネクタの外側につなぐ軸方向に伸びるスロットを具備し、前記スロットは前記コネクタの軸方向に伸びる表面によって境界が形成されており、前記コネクタは、前記第1の構成要素が前記空洞部内に前記コネクタを受承し前記傾斜部が前記内表面に接触するのに応じて前記軸方向に伸びる表面が互いに接近して摩擦嵌めを提供するように、変形可能である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記外表面から外側に向かって伸びる第2のロック用突部をさらに具備しており、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は前記スロットに関して互いに反対側に位置しており前記スロットの境界を形成している、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記外表面から外側に向かって伸びる第2のロック用突部をさらに具備しており、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は、前記スロットの境界を形成している向かい合う長手方向のほぼ平坦な表面の上に位置している、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記外表面から外側に向かって伸びる第2のロック用突部をさらに具備しており、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は前記コネクタの軸に関して互いに径方向に位置合わせされている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記ロック用突部は前記コネクタの第1の部分に位置し、かつ前記第2のロック用突部は前記コネクタの第2の部分に位置しており、前記スロットは、側面から第2の側面へと前記コネクタを通り抜けて伸び、前記スロットは、前記コネクタの前記第1の部分及び前記コネクタの前記第2の部分によって境界が形成されており、前記コネクタは、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を係合する軸方向力に応じて前記ロック用突部又は前記第2のロック用突部のうち少なくとも一方に対して加えられた力に応じて、前記第1の部分及び前記第2の部分が互いに向かうように前記スロットの中へ偏向して前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間に摩擦嵌めを提供するように、弾性変形可能である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記内表面はロック用空洞部を具備し、前記ロック用突部、前記ロック用突部は、前記ロック用空洞部に受承されて前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するように構成されている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記ロック用突部は、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、前記第2のステム部分に最も近い第2の端部とを具備し、前記第2の端部は径方向に伸びる表面を具備し、前記ロック用空洞部は前記内表面の径方向に伸びる境界表面によって境界が形成されていて、前記径方向に伸びる表面及び前記径方向に伸びる境界表面が互いに当接して前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するようになっている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記コネクタの前記外表面及び前記第1の構成要素の前記内表面はねじ山を有していない、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/751,168号に基づく優先権を主張するものであり、仮特許出願第62/751,168号はその全体が本願に援用される。
【0002】
本出願は、2010年10月1日に出願され2016年10月18日に米国特許第9,468,465号として発行された米国非仮特許出願第13/632,337号の関連出願であり、この米国非仮特許出願第13/632,337号は、2010年2月19日に出願され2014年5月6日に米国特許第8,715,325号として発行された米国非仮特許出願第12/709,426号の一部継続出願であり、この米国非仮特許出願第12/709,426号は、2009年2月19日に出願された米国仮特許出願第61/153,907号の利益を主張するものである。米国非仮特許出願第13/632,337号、米国非仮特許出願第12/709,426号及び米国仮特許出願第61/153,907号はそれぞれ、その全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0003】
本出願は、概して、骨を接合するための装置、デバイス、及び方法に関し、より具体的には骨連結用のデバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
ハンマー状趾変形は母趾以外の足趾の最も一般的な変形であり、中足趾節(MTP)関節及び遠位指節間(DIP)関節の過伸展を伴う、足趾の近位指節間(PIP)関節の屈曲変形である。進行性のPIP関節の屈曲変形は、典型的にはMTP関節及びDIP関節の代償性の過伸展をもたらす。これによりPIP関節が足背側に突出する。この突出部が患者の靴に接触して擦れることにより疼痛が生じる。変形は、初めは可変的であるが、通常は時間と共に固定的となる。変形が可変的であるときは、患部の腱の手技療法を伴う様々な手法を利用することができる。しかしながら変形が固定的であるときは、多くの場合PIP関節固定術又は関節置換術が必要である。この目的に利用可能なインプラントには、Weil-Carver(商標)ハンマートゥ・インプラント(Hammertoe Implant)(米国インディアナ州ウォーソーのBiomet(登録商標)インコーポレーテッド)、フレキシブル・デジタル・インプラント(Flexible Digital Implant)(米国ミネソタ州エダイナのトルニエ・インコーポレーテッド(Tornier, Inc.))、エス・エイチ・アイ・ピー・インプラント(SHIP Implant)(米国カリフォルニア州キャンベルのスガルラト・ラボラトリーズ(Sgarlato Labs))、デジタル・コンプレッション・スクリュ(Digital Compression Screw)(米国ミシガン州ポートヒューロンのBioPro(登録商標))、スマート・トゥ(Smart Toe)(商標)イントラメデュラリー・メモリ・インプラント(Intramedullary Memory Implant)(米国テネシー州メンフィスのメモメタル・インコーポレーテッド(Memometal Inc.))、StayFuse(商標)イントラメデュラリー・フュージョン・デバイス(Intramedullary Fusion Device)(米国ミネソタ州エダイナのトルニエ・インコーポレーテッド(Tornier, Inc.))、及びプロ‐トゥ(Pro-Toe)(米国テネシー州アーリントンのライト・メディカル(Wright Medical))が挙げられる。最後の3つのインプラントは固定術が望ましい場合に使用されるが、これは他のインプラントでは関節にある程度の柔軟性がもたらされるからである。現行のどのインプラントを用いる場合も埋入位置は極めて重要である、というのも、取り付けが行われると、最初にインプラント埋入された後では連結されるべき2つの切削骨の間の屈曲角度を調整できないからである。
【0005】
よって、2つの骨片を連結するためのインプラント、例えば2つの骨片を可逆的に固着するインプラントの、別の設計案が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、第1の態様において、第1の骨片を第2の骨片に接合するように構成された骨連結用デバイスであって、第1の空洞部の境界を形成する内表面と、第1の骨片に挿入するための第1のステム部分とを有する第1の構成要素を備えたデバイスを提供する。第2の構成要素は、第2の骨片に挿入するための第2のステム部分と、第2のステム部分から伸びており第1の空洞部に挿入されるように構成された軸方向に伸びるコネクタとを備えている。コネクタは外表面を有する。外表面及び内表面は、第1の構成要素及び第2の構成要素を係合させるためにコネクタが空洞部内に受承された時にこれらの表面が互いに対して回転するのを阻止するために、相補的な形状に作られている。
【0007】
本発明は、第2の態様において、第1の骨片を第2の骨片に接合するのに使用する方法であって、第1の構成要素の第1のステム部分を第1の骨片に挿入することにより、第1の構成要素を第1の骨片と係合するステップを含む方法を提供する。第2の構成要素の軸方向に伸びるコネクタは、第1の構成要素の内表面により境界が形成された第1の空洞部内に受承される。第1の構成要素と第2の構成要素との間の回転は、コネクタを内表面と接触させることにより阻止される。コネクタは外表面を有する。内表面及び外表面は、第1の構成要素及び第2の構成要素を係合させるためにコネクタが空洞部内に受承された時にこれらの表面が互いに対して回転するのを阻止するために、相補的な形状に作られている。第2の構成要素は、第2の構成要素の第2のステム部分を第2の骨片に挿入することにより、第1の骨片と係合される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明と見なされる主題は、本明細書の最後にある特許請求の範囲において具体的に示されかつ明確に主張されている。本発明の先述及びその他の目的、特徴、及び利点は、本発明の態様についての以降の詳細な説明を添付図面と併せれば、容易に理解されるであろう。
【0009】
図1】本発明による骨癒合デバイスの側面斜視図。
【0010】
図2図1の骨癒合デバイスのオス型構成要素を示す斜視図。
【0011】
図3図1の骨癒合デバイスのメス型構成要素を示す斜視図。
【0012】
図4図3のメス型構成要素の端部を示す斜視図。
【0013】
図5図1のオス型構成要素の側面図。
【0014】
図6図2のオス型構成要素の一部を示す斜視図。
【0015】
図7】基本位置にあるスロットを示している非変形状態の図1のオス型構成要素を示す側面図。
【0016】
図8】変形した状態の図1のオス型構成要素のスロットがロック位置にあることを示している側面図。
【0017】
図9図1のメス型構成要素と係合可能なオス型構成要素の別の例を示す斜視図。
【0018】
図10】ロック用突部を備えた骨癒合デバイスのオス型構成要素の例を示す斜視図。
【0019】
図11図10のオス型構成要素と係合可能な、骨癒合デバイスのメス型構成要素を示す断面図。
【0020】
図12】互いに係合した図10のオス型構成要素及び図11のメス型構成要素を示す断側面図。
【0021】
図13】歯科用ポストに接続されたオス型構成要素及び該オス型構成要素と係合可能なメス型構成要素を示す側面図。
【0022】
図14】オス型構成要素が骨部分に接続された状態の図1の骨癒合デバイスを示す断側面図。
【0023】
図15】骨癒合デバイスのオス型構成要素の例を示す斜視図。
【0024】
図16図15のオス型構成要素のコネクタの一部分を示す長手方向断面図。
【0025】
図17図15のオス型構成要素と係合可能なメス型構成要素を示す斜視図。
【0026】
図18図17のメス型構成要素の断側面図。
【0027】
図19図17のメス型構成要素の側面図。
【0028】
図20図15のオス型構成要素及び図17のメス型構成要素の係合部を示す斜視断面図。
【0029】
図21図20のオス型構成要素及びメス型構成要素の係合部の断面を示す断側面図。
【0030】
図22】骨癒合デバイスのオス型構成要素の例を示す斜視図。
【0031】
図23図22のオス型構成要素のコネクタの一部分の側面斜視断面図。
【0032】
図24図22のオス型構成要素と係合可能なメス型構成要素の例を示す斜視図。
【0033】
図25図24のメス型構成要素の側面斜視断面図。
【0034】
図26図22のオス型構成要素及び図24のメス型構成要素の係合部を示す斜視断面図。
【0035】
図27】互いに係合した図1のオス型構成要素及びメス型構成要素の断面図。
【0036】
図28図1のメス型構成要素に係合しているオス型構成要素のコネクタ部分を示す斜視図。
【0037】
図29図15のオス型構成要素の側面図。
【発明の詳細な説明】
【0038】
本開示は、可逆的に係合する骨連結デバイスを用いて骨どうしを連結するためのデバイス及び方法に関する。いくつかの実施形態では、可逆的骨連結用デバイスは、2つの骨の連結を修正する助けとなるように可逆的に係合しているだけでなく、連結される2つの骨の間の角度の調整を容易にする。
【0039】
可逆的骨連結デバイスは第1の構成要素及び第2の構成要素を具備している。第1の構成要素は、第1の端部及び第1の端部の反対側の第1の上端部を具備している第1の長尺状ステム部分を備えている。第1の長尺状ステム部分は、第1の端部から長手方向に骨の第1の骨片の表面へと挿入するのに適している。第2の構成要素は、第2の端部及び第2の上端部を具備している第2の長尺状ステム部分を備えている。第2の長尺状ステム部分は、第2の端部から長手方向に骨の第2の骨片の表面へと挿入するのに適している。第2の構成要素は、第2の上端部から伸びるコネクタをさらに具備している。コネクタは、第1の構成要素及び第2の構成要素を連結するために、第1の構成要素と連結して第1の構成要素と共にロックすることが可能である。
【0040】
ある実施形態では、第1の構成要素はメス型構成要素であり、第2の構成要素はオス型構成要素である。メス型構成要素の第1の長尺状ステム部分は、第1の上端部から第1の端部に向かって軸方向に伸びる開口部を具備することができる。コネクタは、長尺状シャフト、基端部、基端部近くのシャフト上端部、及び先端部を具備してもよく、この場合コネクタは、オス型構成要素及びメス型構成要素を連結するために、第1の長尺状ステム部分の開口部への挿入及び該開口部内へのロックが可能である。
【0041】
該デバイスは任意の2つの骨片を連結するのに有用であり、かつ可逆的係合機構によって、該コネクタは、骨の切断面の連結又は癒合をさらに支援するためにデバイスの調整が必要であるか又は企図される状況において、コネクタの配置状態を調整するか又はコネクタを完全に取り外すために、逆方向に動かすことが可能である。その結果として、該デバイスは、あらゆる患者のあらゆる大きさ、形状、又は構成の骨に適合可能である。いくつかの実施形態では、該デバイスは、手指又は足指の切断端部のような骨の切断面を連結又は癒合させるのに特に有用である。これにより、ハンマー状趾、クロー趾、マレット趾、又は巻き趾の治療が容易になりうる。これらの実施形態では、第1の長尺状ステム部分は、第1の端部から長手方向に、骨切りされた指節骨、中足骨若しくは中手骨、又は切断された骨幹部の、切断面へ挿入するのに適しており、かつ第2の長尺状ステム部分は、第2の端部から長手方向に、骨切りされた指節骨、中足骨若しくは中手骨、又は切断された骨幹部の、切断面へ挿入するのに適している。
【0042】
本明細書中に記載され、本明細書と共に提示された図面に対応している様々な実施形態において、骨の固定又は癒合の方法及びシステムについて説明する。骨癒合デバイスの第1の構成要素は第1の骨片に挿入される。骨癒合デバイスの第2の構成要素は第2の骨片に挿入される。第2の構成要素のコネクタは第1の構成要素の空洞部に挿入される。コネクタは、癒合骨の形成を容易にするために、ロック機構によって第1の構成要素の空洞部内にロックされる。必要に応じて、ロック機構は、手術中又は手術後の調整又は改変を容易にするために、コネクタ及び対応する第2の構成要素が長手方向に調整されるか又は第1の構成要素から除去されることが可能であるように、調整可能である。
【0043】
図1は、本開示の実施形態による骨癒合デバイスを例証している。骨癒合デバイス10はメス型構成要素20及びオス型構成要素30を備えている。メス型構成要素20は、第1の端部21、第1の上端部22、及び空洞部29を備えた長尺状ステムである。ステム部分23は、第1の端部21から、空洞部29の境界を形成する接続用部分25まで伸びる。メス型構成要素20はさらに、外面上に、メス型構成要素20を骨又は骨片の中へねじ込むのに適した螺旋状のねじ山24も備えている。
【0044】
オス型構成要素30は、第2の端部31及び第2の上端部32を備えた長尺状ステムである。オス型構成要素30は、第2の上端部32からステム部分33まで伸びるコネクタ40をさらに備えている。コネクタ40は、メス型構成要素20に取り付けられるように構成される(例えば形状及び寸法が作られる)ことが可能である。オス型構成要素30はさらに、その外面上に、オス型構成要素30を骨又は骨片の中へねじ込むのに適した螺旋状のねじ山34も備えている。
【0045】
図14は、骨75の空洞部に受承されて螺旋状のねじ山24を介して骨に接続されているメス型構成要素20、及び該メス型構成要素に接続されてそこから伸びているオス型構成要素30の例を示している。一例において、オス型構成要素30は、図のようにメス型構成要素20に接続される前に、別の骨又は骨片(図示せず)に受承され、かつ接続されてもよい。
【0046】
メス型構成要素20及びオス型構成要素30は独立に、円筒形若しくは円錐形であってよく、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。図示された実施形態はオス型構成要素又はメス型構成要素を骨に固定する手段として螺旋状のねじ山を示しているが、代替の固定手段が使用されてもよい。螺旋状のねじ山が存在する場合、そのねじ山は、骨内にねじ留めするための当分野で既知の任意の種類のものであってよい。よって、いくつかの実施形態では、螺旋状のねじ山は一続きの螺旋状のねじ山である。他の実施形態では、螺旋状のねじ山は、セルフタッピング及び/又はセルフスレッディングが可能なものである。
【0047】
ある実施形態では、螺旋状のねじ山は一続きであってよい。さらに別の実施形態では、螺旋状のねじ山は、デバイスが対向する2つの骨表面にねじ込まれて連結されたときに骨内のねじ山のピッチが反対であることでデバイスのねじ抜けが防止されるように、同方向の螺旋状であるとよい。
【0048】
本明細書中に記載された実施形態は、一続きの螺旋状のねじ山について、いかなる特定の1回転のピッチにも限定されるものではない。例えば、ピッチは、5mm以上、4mm、3mm、2mm、1mm、又は先に挙げた距離どうしの間の任意の距離であってよい。
【0049】
コネクタ40は、図1~2に示されるように、オス型構成要素及びメス型構成要素を相互に係合又は接続するためにメス型構成要素20の受承凹部110(図3~4)に受承されるように構成された(例えば形状及び寸法が作られた)、複数のローブ、突部又は隆起部100を備えることができる。コネクタ40は、軸方向に伸びる表面42により境界が形成された軸方向に伸びるスロット120を備えていてもよい。隆起部100は、コネクタ40の内側円筒状部分44から径方向に外側に伸びることができる。
【0050】
受承凹部110(図3~4)は、空洞部29の中央空洞部115を取り囲んでいる互いに対称的に形作られた(例えば周方向に均等な間隔に配置された)複数の軸方向に伸びる部分を備えていてもよい。中央空洞部115は、コネクタ40から隆起部100を差し引いた部分(例えば内側円筒状部分44)を受承するように構成されてもよく、かつ受承凹部110は隆起部100を受承するように構成される(例えば形状及び寸法が作られる)ことが可能である。
【0051】
隆起部100は、上記に示されるような相補的形状を有する受承凹部110に受承されるように構成された(例えば形状及び寸法が作られた)丸形の上端部分120を備えてもよい。コネクタ40は、オス型構成要素30がメス型構成要素20と係合するのを容易にするために、受承凹部110のうち1以上に係合するように径方向に外側に突出している1以上の隆起部(例えば隆起部100)を備えることができる。図2、5及び6に示されるように、例えば、隆起部100のうち係合用隆起部105は、デバイス10の軸に関する断面の形状が互いに対称であってよく、かつ係合用隆起部105と受承凹部110の境界を形成する内表面109との間に間隙又は空間が存在しうるように受承凹部110に受承可能であってよい。隆起部100のうちロック用隆起部140は、スロット120の向かい合う周方向の側面(すなわち表面42)に位置付けられてもよい。ロック用隆起部140は、ロック用隆起部140がメス型構成要素20の内表面109と接触しうるように、係合用隆起部105と比較して異なる軸方向断面形状を有してもよい(例えば、より大きな周方向寸法を有してもよい)。各々のロック用隆起部140は、ロック用隆起部が係合用隆起部105よりも大きな断面を有するように、傾斜部145を備えることができる。
【0052】
図2、5及び6に示されるように、例えば、傾斜部145は、狭小部分147及び広大部分150を備えてこれらの間に斜面部分149を有してもよい。狭小部分147は、広大部分150の周方向及び/又は径方向の寸法よりも小さな周方向及び/又は径方向の寸法を有することができる。コネクタ40がメス型構成要素20と(例えば軸方向に)係合されて内側円筒状部分44及び隆起部100が空洞部29に受承されるようになるにつれ、各々のロック用隆起部140は、狭小部分147が最初に内表面109と接触し、次いで斜面部分149、さらに広大部分150が続くように、メス型構成要素20と係合することができる。ロック用隆起部140が内表面109とそのように接触することにより、それらの間には、上述のように凹部110の境界を形成する内表面109から距離をあけて配置可能な係合用隆起部105と比較して広大部分150の周方向及び/又は径方向の寸法がより大きいことに起因する、摩擦嵌め又は干渉嵌めがもたらされる。
【0053】
1以上のロック用隆起部140の1又は複数の実例の傾斜部145が内表面109と接触することにより、各々の実例の傾斜部145は凹部110のうち1又は複数の凹部の周方向の空間全体を占め、該凹部において傾斜部145の実例が受承されて摩擦嵌め又は干渉が提供されてもよい。こうしてコネクタ40が空洞部29の中へと移動することにより、コネクタ40が軸方向に移動するとともに大きな周方向寸法を有する部分(例えば広大部分150)が凹部110に徐々に受承されるにつれて、傾斜部145は1以上の内表面109と共に徐々に位置調整されて摩擦嵌合することが可能となりうる。
【0054】
さらに、傾斜部145の1以上の実例が1以上の内表面(例えば内表面109)と係合することにより、図7に示された基本位置から図8に示された変形状態へのコネクタ40の変形が引き起こされて、スロット120のスロット側面(すなわち軸方向に伸びる表面42)がコネクタ40の変形域46の変形により互いに近づいてスロット120の周方向の寸法を縮小するようになっていてもよい。そのような変形域は(例えば径方向に内側に)弾性変形してもよい一方、コネクタ40の残りの部分は非変形状態のままであってよい。例えば、基本状態のスロットの周方向の寸法122(図7)は、変形したスロットの周方向の寸法124(図8)よりも大きくてよい。
【0055】
コネクタ40は、周方向の寸法の(すなわち基本状態のスロットの周方向の寸法122と変形したスロットの周方向の寸法124との間の)縮小を可能にするために、そのような変形域(又は他の場所)において弾性変形可能であってよい一方、コネクタ40の弾性回復の位置エネルギーが、上述のようなコネクタ40とメス型構成要素20との間の(例えば内側円筒状部分44及び内表面109の係合による)摩擦嵌め又は干渉嵌めを提供するか又は一助となる場合もある。
【0056】
各々のロック用隆起部140は、各々のロック用隆起部140のスロット120とは反対の側に位置する傾斜部145の実例を備えて、各々の傾斜部145がスロット120から(例えば周方向かつ径方向に)離れるように伸びていてもよい。よって、傾斜部145の各々の実例が凹部110のうち特定の凹部の境界を形成する内表面109と係合することにより、ロック用隆起部140が周方向に互いに向かって移動し、かつコネクタ40が(例えば径方向に内側に)変形して、スロット120の周方向の寸法が上述のように縮小するようになっていてもよい。
【0057】
別例において、コネクタ40は、1個のロック用隆起部(例えばロック用隆起部140のうちの1つ)又は3個以上のそのようなロック用隆起部を、それ以外の小さな周方向寸法を有する隆起部(例えば隆起部100)とともに備えて、そのような隆起部とメス型構成要素20の凹部(例えば凹部110)の境界を形成する内表面(例えば内表面109)との間に空間又は間隙が存在しうるようになっていることも考えられる。コネクタ40は、メス型構成要素20及びオス型構成要素30のうち一方又は両方が骨部分と係合された後で、それらの構成要素の所望の配置状態へと設置又は回転されることが可能であり、かつ隆起部100は、そのような所望の位置で凹部110に受承されることができる。他の例では、骨癒合デバイス10は、オス型構成要素30及びメス型構成要素20を相互に、同時にそれらの構成要素が係合される骨部分も併せて、より微細に調整することが可能となるように、図示されたよりも多数の隆起部100及び凹部110を備えてもよい。
【0058】
図28は、オス型構成要素30のコネクタ40がメス型構成要素20の空洞部29に挿入された後の骨癒合デバイス10を示す。骨癒合デバイス10が図のような状態であるとき、オス型構成要素30及びメス型構成要素20がねじ込まれている骨どうしは有効に連結又は癒合されている。コネクタ40は、上述の摩擦嵌め又は干渉によってメス型構成要素の内部に保持及びロックされる。
【0059】
図示されていない別の例では、隆起部100に類似した隆起部が、メス型構成要素の、内表面109に類似した内部表面上に設けられる一方で、オス型構成要素は、オス型構成要素の、コネクタ40に類似したコネクタ上に凹部110に類似した凹部を備えて、オス型及びメス型の構成要素が上述の隆起部100及び凹部110に類似した摩擦嵌めによって可逆的に接続するように係合可能となっていることも考えられる。さらに、メス型構成要素20及びオス型構成要素は、ステンレス鋼、チタン、PEEK、又はその他の生体に優しい材料であって本明細書中に記載のようにして骨部分どうしを接続するのに必要な構造を有する材料で(例えばモールド成形、鋳込み成形、機械加工又は3D印刷によって)形成可能である。
【0060】
図示されていないさらなる例では、コネクタは、特に上述のような変形(例えば径方向の内側への変形)を可能とするがスロット120のようなスロットを必要としない低剛性材料の場合にはスロット120を省略可能であることを除き、コネクタ40に類似していてよい。
【0061】
メス型構成要素20とオス型構成要素30との間の上述の摩擦嵌めは、径方向力及び接線力によって移動に抵抗することができる。既述のように、傾斜部(例えば傾斜部45)はコネクタ(例えばコネクタ40)の周方向及び/又は径方向の移動及び変形を引き起こすことができる一方で、ユーザにより提供される軸方向力(例えば10ポンド以下の力)は、軸方向の抵抗を与えて摩擦嵌めを提供することができる。
【0062】
図9に示された例では、コネクタ40に類似したコネクタ140は、隆起部100に類似した隆起部1100を備えてもよく、隆起部1100には係合用隆起部1105が含まれ、係合用隆起部1105は、コネクタ140の軸方向長全体に伸びていることを除いて係合用隆起部105と同様である。ロック用隆起部1145はロック用隆起部145と同一であってよく、係合用隆起部1105よりも軸方向寸法が小さい。同様に、メス型構成要素30の凹部110に類似したメス型構成要素の凹部(図示せず)は、少なくとも隆起部1105の長さの軸方向長を有することができる。よってコネクタ140は、そのようなメス型構成要素と、上述のメス型構成要素20及びオス型構成要素と同じ方式で係合することができる。
【0063】
図10~12に示された別の例では、コネクタ140に類似した、オス型構成要素1030のコネクタ240は、隆起部1100に類似の隆起部1200を備えることが可能であり、該隆起部には係合用隆起部1105と同一の係合用隆起部1205が含まれる。ロック用隆起部1245は、ロック用隆起部145とは異なりロック用隆起部1245が逆刺付き端部又は逆戻り不能端部1247を備えうることを除き、隆起部145に類似していてよい。メス型構成要素20及びオス型構成要素30に関して上述したように、メス型構成要素1020及びオス型構成要素1030は、1以上のロック用隆起部1245が、隆起部100が上述の凹部110と係合するようにして1以上の凹部1250に受承されうるように、互いに係合することができる。各々の凹部1250は、そのような凹部(例えば凹部1250)の中に、ロック用隆起部1245のうち1つを受承するように構成された(例えば形状及び寸法が作られた)径方向に外側に広がる空洞部1255を有することができる。ロック用隆起部1245は、コネクタ240がメス型構成要素1020と係合してロック用隆起部が凹部1250に受承されるにつれて、径方向に内側に弾性変形されうる。コネクタ40がメス型構成要素1020に向かって軸方向に移動されるにつれて、各々のロック用隆起部1245は空洞部1255の実例の中に受承されるべく径方向に外側に弾性変形することが可能であり、空洞部1255は、単一の空洞部(例えば周溝部として形成されたもの)であってもよいし、各々の凹部(例えば凹部1250)の中の複数の個別の空洞部又は凹みであってもよい。各々のロック用隆起部1245の逆戻り不能端部1247は、径方向に伸びるか又は径方向に対して角度をなして伸びて、各々のロック用隆起部1245の逆戻り不能端部1247が、空洞部1255の境界を形成する内表面1209の相補的に形作られた(例えば径方向に位置合わせされた)停止面1248と接触して、メス型構成要素1020及びオス型構成要素1030を互いに引き離す逆の軸方向の移動を防止又は阻止することができるようになっていてもよい。例えば、コネクタ240がオス型構成要素1030とメス型構成要素1020との間にかけられている軸方向力によってメス型構成要素1020に係合した後、コネクタ240は、ロック用隆起部1245が軸方向に凹部1255のうち1以上の実例の位置に至るまでは径方向に内側に変形されることが可能であって、この場合コネクタ240は、ロック用隆起部1245が凹部1255のうち1以上の実例に受承されて逆戻り不能端部1247及び停止面1248が互いに当接してメス型構成要素1020及びオス型構成要素1030の分離を阻止するように、径方向に外側に弾性回復することが可能である。
【0064】
図15~21に示された例では、上述の骨癒合デバイス10に類似した骨癒合デバイス310はメス型構成要素320及びオス型構成要素330を備え、これらの構成要素は該構成要素に取り付けられた骨部分どうしを接続するために互いに係合可能である。メス型構成要素320は、第1の端部321、第1の上端部322、及び空洞部329を具備している長尺状ステムである。メス型構成要素320はさらに、その外面上に、メス型構成要素320を骨又は骨片の中へねじ込むのに適した螺旋状のねじ山324も備えている。ステム部分323は、第1の端部321から、空洞部329の境界を形成する接続用部分325まで伸びる。
【0065】
オス型構成要素330は、第2の端部331及び第2の上端部332を具備している長尺状ステムである。オス型構成要素330は、第2の上端部332からオス型構成要素ステム部分333まで伸びるコネクタ340を備えている。コネクタ340は、メス型構成要素320に取り付けられるように構成される(例えば形状及び寸法が作られる)ことが可能である。オス型構成要素330はさらに、その外面上に、オス型構成要素330を骨又は骨片の中へねじ込むのに適した螺旋状のねじ山334も備えている。
【0066】
コネクタ340は、上述のコネクタ40の外側に向かって伸びる隆起部(例えば隆起部100)を備えた円筒形状(例えば内側円筒状部分44)とは対照的に、デバイス310の軸方向に対する断面の形状が六角形であってもよい。コネクタ340は、第2の上端部332の近くに1以上のロック用突部又は楔350を備えてもよく、該突部又は楔は、コネクタ340の外表面344から径方向に外側に伸びるように、かつメス型構成要素320及びオス型構成要素330が係合した時に、外表面344と、空洞部329の境界を形成するメス型構成要素320の接続具部分325の内表面309との間に受承されるように、構成される(例えば形状及び寸法が作られる)ことが可能である。
【0067】
メス型構成要素320の内表面309は、コネクタ340を受承するように構成される(例えば形状及び寸法が作られる)ことが可能である。例えば、内表面309は、コネクタ340の外表面344を鏡に映したように六角形状を成した(例えば軸方向寸法に対する断面が六角形である)複数の表面311を備えていてもよい。
【0068】
コネクタ340は、軸方向に伸びる表面342により境界が形成された軸方向に伸びるスロット315を備えることができる。楔350は、スロット315の向かい合う周方向の側面(すなわち表面342)に位置付けられてもよい。各々の楔350は、図16に示されるように第2の上端部332に最も近い楔350の長手方向端部に傾斜部355、及び傾斜部355の反対側の端部に第2の傾斜部360を備えることができる。傾斜部355は、傾斜部355の径方向に最も外側の表面357をコネクタ340の外表面344に接続する傾斜した平面であってよい。同様に、傾斜部357は、第2の端部331に向かって伸びておりかつ径方向に最も外側の表面357を外表面344に接続する傾斜した平面であってよい。このような傾斜部は、内表面309が楔350の傾斜部を這い上がることを可能として、各々の楔350の径方向に最も外側の表面357が内表面309に接触してこれらの表面の間に摩擦嵌め又は干渉嵌めを提供するようにすることにより、メス型構成要素320及びオス型構成要素330が(例えばユーザが与えた軸方向力により)係合したときに該構成要素間の摩擦嵌め又は干渉を促進する。
【0069】
さらに、コネクタ40のスロット120に関して上述されたように、上述の楔350と内表面309との係合が、基本位置から変形状態へのコネクタ340の変形をもたらして、スロット315のスロット側面(すなわち軸方向に伸びる表面342)が互いに近づき、コネクタ340の変形域の変形によりスロット315の周方向寸法を縮小させるようになっていてもよい。そのような変形域は、(例えば径方向に内側に)弾性変形することができる一方、コネクタ340の残りの部分は非変形状態のままであってよい。例えば、空間316が、デバイス310のスロット315とは反対側において外表面344と内表面309との間に残っていてもよい。
【0070】
コネクタ340は、そのような変形域(又は他の場所)において、周方向の寸法の(すなわち基本状態のスロットの周方向の寸法と変形したスロットの周方向の寸法との間の)縮小が可能であるように弾性変形可能であってよい一方、コネクタ340の弾性回復の位置エネルギーは、コネクタ340とメス型構成要素320との間に上述のようにして位置付けられている楔350によって、コネクタ340とメス型構成要素320との間に摩擦嵌め又は干渉嵌めを提供することができる。
【0071】
図22~26、15~21に示された別の例では、上述の骨癒合デバイス310に類似した骨癒合デバイス410は、メス型構成要素420及びオス型構成要素430を備え、これらの構成要素は該構成要素に取り付けられた骨部分どうしを接続するために互いに係合可能である。メス型構成要素420(図24~25)は、第1の端部421、第1の上端部422、及び空洞部429を具備している長尺状ステムであってよい。ステム部分423は、第1の端部421から空洞部429の境界を形成する接続用部分425まで伸びる。メス型構成要素420はさらに、その外面上に、メス型構成要素420を骨又は骨片の中へねじ込むのに適した螺旋状のねじ山424も備えている。
【0072】
オス型構成要素330は、第2の端部431及び第2の上端部432を具備している長尺状ステムであってよい。オス型構成要素430は、第2の上端部432からステム部分433まで伸びるコネクタ440を備えている。コネクタ440は、メス型構成要素420に取り付けられるように構成される(例えば形状及び寸法が作られる)ことが可能である。オス型構成要素430はさらに、その外面上に、オス型構成要素430を骨又は骨片の中へねじ込むのに適した螺旋状のねじ山434も備えている。
【0073】
コネクタ440は、上述のコネクタ40の隆起部を備えた円筒形状とは対照的に、デバイス410の軸方向寸法に対する断面の形状が六角形であってよい。コネクタ440は、第2の上端部432の近くに、コネクタ440の外表面444と空洞部429の境界を形成するメス型構成要素420の接続具部分425の内表面409との間に受承されるように構成された(例えば形状及び寸法が作られた)1以上の楔450を備えることができる。
【0074】
メス型構成要素420の内表面409は、コネクタ440を受承するように構成される(例えば形状及び寸法が作られる)ことが可能である。例えば、接続用部分425の内表面409は、例えば図24~26に示されるような、コネクタ440の外表面444を鏡に映したように六角形状を成した(例えば軸方向寸法に対する断面が六角形である)複数の表面411を備えていてもよい。
【0075】
コネクタ440は、軸方向に伸びる面442により境界が形成された軸方向に伸びるスロット415を備えることができる。スロット415は、コネクタ440の第1の側417から第2の側419までコネクタ440を通り抜けて伸びることにより、コネクタ440の上側部分412と底側部分414との間に開放空間(すなわちスロット415)を作出することができる。楔450は、コネクタ440の上側部分412及び底側部分414に位置付けられて、例えば、楔350のうち1以上に対して(例えばメス型構成要素420及びオス型構成要素430の係合の際の軸方向力により)かけられた力に応じて上側部分412及び底側部分414が互いに向かってスロット415の中へと偏向するようになっていてもよい。コネクタ440は、上側部分412及び底側部分414が互いに向かって偏向することにより外側方向に位置エネルギーを生じ、この位置エネルギーにより、メス型部分420及びオス型部分430が互いに係合したときに楔450のうち1以上と内表面409との間に摩擦嵌め又は干渉嵌めがもたらされるように、弾性変形可能であるとよい。
【0076】
各々の楔450は、第2の上端部432に最も近い楔450の長手方向端部に傾斜部455を備えてもよく、かつ図22~23に示されるような逆刺付き端部又は逆戻り不能端部447を備えることができる。傾斜部455は、傾斜部455の径方向に最も外側の表面457をコネクタ440の外表面444に接続する傾斜した平面であってよい。このような傾斜部は、内表面409が該傾斜部を這い上がることを可能として、各々の楔350の径方向に最も外側の表面457が内表面309に接触してこれらの表面の間に摩擦嵌め又は干渉嵌めを提供するようにすることにより、メス型構成要素420及びオス型構成要素430が(例えばユーザが与えた係合の軸方向力により)係合したときに該構成要素間の摩擦係合又は干渉を促進することができる。
【0077】
さらに、コネクタ40のスロット120に関して上述されたように、上述の楔450と内表面409との係合が、基本位置から変形状態へのコネクタ440の変形をもたらして、スロット415のスロット側面(すなわち軸方向に伸びる表面442)が互いに近づいてコネクタ440の変形域(例えば上側部分412及び/又は底側部分414の変形域)の変形によりスロット415の周方向寸法を縮小させるようになっていてもよい。そのような変形域は、(例えば径方向に内側に)弾性変形することができる一方、コネクタ440の残りの部分は非変形状態のままであってよい。
【0078】
コネクタ440は、そのような変形域において、又はコネクタ440の長手方向寸法に沿った他の場所において、周方向の寸法の(すなわち基本状態のスロットの周方向の寸法と変形したスロットの周方向の寸法との間の)縮小を可能とするように弾性変形可能であってよい一方、コネクタ440の弾性回復の位置エネルギーは、上述のようにしてコネクタ440とメス型構成要素420との間に位置付けられている楔450によって、コネクタ440とメス型構成要素420との間に摩擦嵌め又は干渉嵌めを提供することができる。
【0079】
逆戻り不能端部447は、径方向に伸びるか又は径方向に対して角度をなして伸びて、各々の楔450の逆戻り不能端部447が空洞部429の境界を形成する内表面409と接触して、メス型構成要素420及びオス型構成要素430を互いに引き離す逆向きの軸方向の移動を防止又は阻止するようになっていてもよい。例えば、内表面409は、楔450を受承するように構成された(例えば形状及び寸法が作られた)周方向の溝、空洞部又は複数の空洞部を備え、かつそのような溝の上端部422に最も近い側面に径方向表面を有していて、逆戻り不能端部447がそのような溝のそのような側面と接触するように、かつそのような溝を通り過ぎる楔450及びコネクタ440の軸方向の移動が阻止されてメス型構成要素420及びオス型構成要素430をともにロックするようになっていてもよい。
【0080】
例えば、コネクタ440及び楔450は、コネクタ440がメス型構成要素420と係合して楔450が内表面409と外表面444との間に受承されるにつれて、径方向に内側に向かって弾性的に変形されることが可能である。コネクタ440がメス型構成要素420に向かって軸方向に移動されるにつれて、各々の楔450は空洞部456の実例の中に受承されるように径方向に外側に向かって弾性変形可能であり、空洞部456は、単一の空洞部(例えば周方向の溝として形成されたもの)であってもよいし、内表面409の複数の個別の空洞部又は凹みであってもよい。各々の楔450の逆戻り不能端部447は、径方向に伸びるか又は径方向に対して角度をなして伸びて、各々の楔450の逆戻り不能端部447が、空洞部429の境界を形成する内表面409の相補的に形作られた(例えば径方向に位置合わせされた)停止面448と接触して、メス型構成要素420及びオス型構成要素430を互いに引き離す逆の軸方向の移動を防止又は阻止することができるようになっていてもよい。例えば、オス型構成要素430とメス型構成要素420との間に与えられた軸方向力によってコネクタ440がメス型構成要素420と係合した後に、コネクタ440は、楔450が軸方向に凹部456の1以上の実例の位置になるまでは径方向に内側に向かって変形可能であり、ここでコネクタ440は径方向に外側に向かって弾性回復可能であって、楔450が凹部456の1以上の実例の中に受承され、かつ逆戻り不能端部447及び停止面448が互いに当接して、メス型構成要素1020及びオス型構成要素1030の係合についての上記の説明と同じように、メス型構成要素420及びオス型構成要素430の分離を阻止するようになっていてもよい。
【0081】
上述のコネクタ(例えばコネクタ40、コネクタ340、コネクタ440)は、互いに係合するように構成されたオス型構成要素(例えばオス型構成要素30、オス型構成要素330、オス型構成要素430)及びメス型構成要素(例えばメス型構成要素20、メス型構成要素320、メス型構成要素420)の接続具部分(例えば接続具部分425)を備えて、それらの間の軸方向の分離が防止又は阻止されるように、かつそのようなコネクタの部分間の移動又は回転が防止又は阻止されうるようになっていてもよい。例えば、上述のように、コネクタの楔又はロック用隆起部は、コネクタのオス型及びメス型の構成要素間の分離を阻止する摩擦嵌め又は干渉嵌めをもたらすことができる。さらに、そのような隆起部又は楔は、上述のようなオス型及びメス型の構成要素間の分離をさらに阻止するために、そのようなメス型コネクタの内表面の凹部の空洞部に受承されるように形作られた表面を備えてもよい。さらに、オス型構成要素の外側の断面形状は、メス型構成要素の空洞部又は受承凹部の境界を形成している内表面に対して相補的であって、メス型構成要素の内表面がオス型部分の外表面と接触してそれらの表面の間の移動を阻止するようになっていてもよい。そのようなメス型構成要素の内表面及びオス型構成要素の外表面は、ねじ山を持たず、かつねじを用いずに互いに係合可能であってよい。コネクタ、突部、及び凹部は長手方向に伸びて、軸方向の断面形状がほぼ一貫していてほぼ円筒形状を形成しているか、又はほぼ平坦な複数の表面であって多角形(例えば六角形)を形成しておりオス型及びメス型の構成要素が互いに係合するのを可能にするようになっていてもよい。従って、そのようなオス型及び/又はメス型部分に接続された骨又は骨部分の間の移動又は回転について防止又は阻止することが可能である。
【0082】
上記に起訴されたように、骨癒合デバイス(例えば骨癒合デバイス10、骨癒合デバイス310、骨癒合デバイス410)は中空であってよく、かつ、該デバイスが生体に対応した状態で悪影響を伴うことなく人体に移植可能であるように、また望ましい構造的特徴を保つことができるように、ステンレス鋼、チタン、又はポリエーテルエーテルケトン(すなわちPEEK)で形成されることが可能である。骨癒合デバイスの構成要素(例えばオス型構成要素30、オス型構成要素330、オス型構成要素430、メス型構成要素20、メス型構成要素320、メス型構成要素420)も、図示及び説明されたように中空であってもよいし、又はそのような構成要素のうち1以上が完全に中実であることも考えられるし中空部分と中実部分との組み合わせを含んでいてもよい。例えば、骨癒合デバイスの構成要素を位置調整するために、外科的処置の際にそのような構成要素の中空部又は空洞部の中にKワイヤが受承されてもよい。
【0083】
当然のことながら、上述の骨癒合デバイス(例えば骨癒合デバイス10、骨癒合デバイス310、骨癒合デバイス410)のオス型及びメス型の構成要素は、上述の足の関節の骨のような様々な骨部分を互いに接続するために使用可能である。例えば、そのような骨癒合デバイスの第1の構成要素(例えばオス型構成要素30、オス型構成要素330、オス型構成要素430)は、例えば足の基節骨のような第1の骨の空洞部内に、人の手又はドライバで(例えば、第1の構成要素の六角形状に形作られた凹部の中又は外側表面上に受承される六角レンチドライバを使用して)ねじ込まれることが可能である一方、第2の構成要素(例えばメス型構成要素20、メス型構成要素320、メス型構成要素420)は、例えば足の中節骨のような第2の骨の中に、人の手又はドライバで(例えば、第2の構成要素の六角形状に形作られた凹部の中又は外側表面上に受承される六角レンチドライバを使用して)ねじ込まれることが可能である。骨に接続された第1及び第2の構成要素は、様々な骨癒合デバイスの様々な構成要素に関して上述されたようにして相互に接続可能である。上述のように、上記の骨癒合デバイスを、ハンマー状趾変形及び類似の足の変形を矯正するために利用することが可能である。そのようなデバイスはさらに、歯科用ポスト、外科用器具の接続部、股関節ステム接続部、膝関節プラットフォーム接続部、及び回転を阻止しながら骨を接合する他の適用にも使用可能である。他の適用には、縫合糸アンカー、骨ねじ、骨プレートが挙げられる。一例において、図13は、歯に係合されたオス型構成要素と、該オス型構成要素に係合可能でありかつ人間又は動物の顎骨と係合するように構成されたメス型構成要素とを備えている歯科用ポストの適用を示している。
【0084】
本明細書中で言及されるような、円周(circumference)、周方向の(circumferential)、及び周方向に(circumferentially)、という用語は、円形又は円筒形に形作られた物体の円周を指し、かつ同じように、多角形に形作られた物体(例えば、六角形又は他の多角形の断面を有しているもの)の断面の周囲をそのような多角形に形作られた物体の軸に対して垂直に、指し示している。
【0085】
前述の[発明の詳細な説明]は、あらゆる面において例証かつ例示であって限定的ではないと理解されるものであり、本明細書中に開示された本開示の実施形態の範囲は、[発明の詳細な説明]からではなく特許請求の範囲から、特許法で認められる最大限の広さに従って解釈されるように決定されるべきである。本明細書中に示され説明された実施形態は本開示の原理の例証にすぎないこと、及び様々な改変が本開示の範囲及び思想から逸脱することなく当業者によって実装されうることが、理解される。当業者が本開示の範囲及び思想から逸脱することなく様々な他の特徴の組み合わせを実装することも考えられる。
態様(1)によれば、第1の骨片を第2の骨片に接合するように構成された骨連結用デバイスであって、
第1の空洞部の境界を形成している内表面と第1の骨片に挿入するための第1のステム部分とを具備している第1の構成要素、及び
第2の骨片に挿入するための第2のステム部分と、第2のステム部分から伸びており第1の空洞部に挿入されるように構成された軸方向に伸びるコネクタとを具備している第2の構成要素を具備し、
前記コネクタは外表面を有し、前記外表面及び前記内表面は、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを係合するために前記コネクタが前記空洞部に受承されたときに互いに対して回転するのを阻止するように相補的な形状に作られている、デバイスである。
態様(2)によれば、前記外表面及び前記内表面は六角形の断面形状を備えている。
態様(3)によれば、前記外表面及び前記内表面の各々が、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素の軸の周りに周方向に延在する複数の長手方向に伸びるほぼ平坦な表面を具備して、前記外表面と前記内表面との間の接触により前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の互いに対する回転が阻止されるようになっている。
態様(4)によれば、前記外表面は複数の軸方向に伸びる突部を具備し、かつ前記内表面は、前記コネクタが第1の構成要素及び第2の構成要素を係合するために前記空洞部に受承された時に前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間の回転を阻止するように、前記複数の軸方向に伸びる突部を受承するように構成された複数の受承凹部を具備している。
態様(5)によれば、前記複数の軸方向に伸びる突部は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素の軸の周りに周方向に均等な間隔を置いて配置されている。
態様(6)によれば、前記複数の軸方向に伸びる突部は非ロック用の突部を含み、かつ前記内表面は第1の凹部表面を具備して、前記非ロック用の突部及び前記第1の凹部表面はそれらの間の空間の境界を形成しており、該空間により前記非ロック用の突部と前記第1の凹部表面とが接触する前はそれらの間の移動が可能となっている
態様(7)によれば、前記複数の軸方向に伸びる突部は前記非ロック用の突部よりも大きな周方向寸法を有するロック用突部を含む。
態様(8)によれば、前記コネクタは、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、前記第2のステム部分に最も近い第2の端部とを具備し、前記ロック用突部は傾斜部を具備しており、前記傾斜部は、前記コネクタの前記第1の端部の最も近くにおいてより小さい周方向寸法及び/又はより小さい径方向寸法を有し、かつ前記コネクタの前記第1の端部とは反対側で前記第2の端部に近い前記傾斜部の反対側の端部においてより大きい周方向寸法を有している。
態様(9)によれば、前記傾斜部は、前記のより小さい周方向寸法と前記のより大きい周方向寸法との間に傾斜表面を具備し、前記傾斜表面は、前記ロック用突部が前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を係合する軸方向力に応じて内表面と接触して前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間に摩擦嵌めを提供するように、前記コネクタを方向付けるように構成されている。
態様(10)によれば、前記コネクタは、前記コネクタの径方向に内側にあるコネクタ空洞部を前記コネクタの外側につなぐ軸方向に伸びるスロットを具備し、前記スロットは前記コネクタの軸方向に伸びる表面によって境界が形成されており、前記コネクタは、前記第1の構成要素が前記空洞部内に前記コネクタを受承し前記傾斜部が前記内表面に接触するのに応じて前記軸方向に伸びる表面が互いに接近して摩擦嵌めを提供するように、変形可能である。
態様(11)によれば、前記複数の突部は第2のロック用突部を含み、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は前記スロットに関して互いに反対側に位置している。
態様(12)によれば、前記複数の軸方向に伸びる突部はロック用突部を含み、かつ前記内表面は前記複数の受承凹部のうちある凹部の中にロック用空洞部を具備し、前記ロック用突部は、前記ロック用空洞部に受承されて前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するように構成されている。
態様(13)によれば、前記ロック用突部は、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、前記第2のステムに最も近い第2の端部とを具備し、前記第2の端部は径方向に伸びる表面を具備し、前記凹部空洞部は前記内表面の径方向に伸びる境界表面によって境界が形成されていて、前記径方向に伸びる表面及び前記径方向に伸びる境界表面が互いに当接して前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するようになっている。
態様(14)によれば、前記外表面は前記外表面から外側に向かって伸びるロック用突部を具備し、前記コネクタは、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、第2のステム部分に最も近い第2の端部とを具備し、前記ロック用突部は、傾斜部であって前記コネクタの前記第1の端部の最も近くにおいてより小さい寸法を、及び前記コネクタの前記第1の端部とは反対側の前記傾斜部の反対側の端部においてより大きい寸法を有している傾斜部を具備し、前記傾斜部は、前記のより小さい周方向寸法と前記のより大きい周方向寸法との間に傾斜表面を具備し、前記傾斜表面は、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を係合する軸方向力に応じて前記第1の構成要素の前記内表面を前記傾斜表面に沿って前記傾斜部の前記のより大きい寸法まで移動させて、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間に摩擦嵌めを提供するように構成されている。
態様(15)によれば、前記コネクタは、前記コネクタの径方向に内側にあるコネクタ空洞部を前記コネクタの外側につなぐ軸方向に伸びるスロットを具備し、前記スロットは前記コネクタの軸方向に伸びる表面によって境界が形成されており、前記コネクタは、前記第1の構成要素が前記空洞部内に前記コネクタを受承し前記傾斜部が前記内表面に接触するのに応じて前記軸方向に伸びる表面が互いに接近して摩擦嵌めを提供するように、変形可能である。
態様(16)によれば、前記外表面から外側に向かって伸びる第2のロック用突部をさらに具備しており、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は前記スロットに関して互いに反対側に位置しており前記スロットの境界を形成している。
態様(17)によれば、前記外表面から外側に向かって伸びる第2のロック用突部をさらに具備しており、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は、前記スロットの境界を形成している向かい合う長手方向のほぼ平坦な表面の上に位置している。
態様(18)によれば、前記外表面から外側に向かって伸びる第2のロック用突部をさらに具備しており、前記ロック用突部及び前記第2のロック用突部は前記コネクタの軸に関して互いに径方向に位置合わせされている。
態様(19)によれば、前記ロック用部分は前記コネクタの第1の部分に位置し、かつ前記第2のロック用部分は前記コネクタの第2の部分に位置しており、前記スロットは、側面から第2の側面へと前記コネクタを通り抜けて伸び、前記スロットは、前記コネクタの前記第1の部分及び前記コネクタの前記第2の部分によって境界が形成されており、前記コネクタは、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を係合する軸方向力に応じて前記第1のロック用部分又は前記第2のロック用部分のうち少なくとも一方に対して加えられた力に応じて、前記第1の部分及び前記第2の部分が互いに向かうように前記スロットの中へ偏向して前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との間に摩擦嵌めを提供するように、弾性変形可能である。
態様(20)によれば、前記内表面はロック用空洞部を具備し、前記ロック用突部、前記ロック用突部は、前記ロック用空洞部に受承されて前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するように構成されている。
態様(21)によれば、前記ロック用突部は、前記第2のステム部分とは反対側の前記第1の構成要素に近い第1の端部と、前記第2のステム部分に最も近い第2の端部とを具備し、前記第2の端部は径方向に伸びる表面を具備し、前記凹部空洞部は前記内表面の径方向に伸びる境界表面によって境界が形成されていて、前記径方向に伸びる表面及び前記径方向に伸びる境界表面が互いに当接して前記コネクタと前記第1の構成要素との分離を阻止するようになっている。
態様(22)によれば、前記コネクタの前記外表面及び前記第1の構成要素の前記内表面はねじ山を有していない。
態様(23)によれば、第1の骨片を第2の骨片に接合するのに使用する方法であって、
第1の構成要素の第1のステム部分を第1の骨片に挿入することにより、第1の構成要素を第1の骨片に係合するステップと、
第2の構成要素の第2のステム部分を第2の骨片に挿入することにより、第2の構成要素を第2の骨片に係合するステップと、
第1の骨片及び第2の骨片を接続するために、第2の構成要素の軸方向に伸びるコネクタを第1の構成要素の内表面によって境界が形成された第1の空洞部に受承するステップと、
コネクタを内表面と接触させることにより第1の構成要素と第2の構成要素との間の回転を阻止するステップであって、コネクタは外表面を有し、外表面及び内表面は、第1の構成要素及び第2の構成要素を係合するためにコネクタが空洞部に受承された時に互いに対する回転を阻止するように相補的な形状に作られている、ステップと
を含む方法である。
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