(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】亜鉛めっき多筒状ビーム及び亜鉛めっき多筒状ビームを連続的に成形する方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/32 20140101AFI20240910BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240910BHJP
B23K 26/244 20140101ALI20240910BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20240910BHJP
B21D 5/08 20060101ALI20240910BHJP
B21D 47/01 20060101ALI20240910BHJP
B21D 53/88 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B23K26/32
B23K26/21 G
B23K26/244
B23K26/34
B21D5/08 P
B21D47/01 A
B21D53/88 Z
(21)【出願番号】P 2021529270
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 US2019063186
(87)【国際公開番号】W WO2020112728
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-09-28
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591187162
【氏名又は名称】シェイプ・コープ
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORP.
【住所又は居所原語表記】1900 Hayes St., Grand Haven, Michigan 49417, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(72)【発明者】
【氏名】バース、ダグラス・エス
(72)【発明者】
【氏名】マテッキ、ジョゼフ・アール
(72)【発明者】
【氏名】ジャスマン、ショーン・アール
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/092058(WO,A1)
【文献】特表2013-530048(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2011-0011082(KR,A)
【文献】韓国登録特許第1334621(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0130166(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/32
B23K 26/21
B23K 26/244
B23K 26/34
B21D 5/08
B21D 47/01
B21D 53/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両構造又はバンパーレインフォースメントのための亜鉛めっき多筒状ビームであって、
前記亜鉛めっき多筒状ビームが、前記ビームの共通の中央壁部を共有する2つの隣接する筒状部分を有し、
前記2つの隣接する筒状部分を形成する
亜鉛めっき金属薄板の外側セクションが、前記ビームの前記共通の中央壁部を形成する前記
亜鉛めっき金属薄板の中央セクションの対向する側から延在し、
前記亜鉛めっき多筒状ビームが、溶接継手で、前記亜鉛めっき金属薄板の前記中央セクションに取り付けられた前記亜鉛めっき金属薄板の前記外側セクションのうちの1つの縁部分を含み、
前記溶接継手が、前記縁部分の平面を前記中央セクションの平面から分離する厚さを有し、
前記溶接継手の前記厚さが、前記金属薄板の前記外側セクション又は前記中央セクションの前記平面から突出する複数の突出部により形成され、
排気開口が、前記複数の突出部により、前記縁部分の平面と前記中央セクションの平面との間に設けられ、前記排気開口は、前記溶接継手の溶接から生じる酸化亜鉛煙が、前記溶接継手を出るように構成される、
亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項2】
前記ビームの前記それぞれの筒状部分の前記内部を囲むために、前記溶接継手が前記ビームに沿って連続的に延在する、請求項1に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項3】
前記複数の突出部が一貫性のある隔たりで配される、請求項1に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項4】
前記溶接継手が前記複数の突出部を相互連結させる、請求項3に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項5】
前記溶接継手がおよそ1mm~2mmの狭い熱影響部を有する、請求項1に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項6】
前記亜鉛めっき金属薄板の第2縁部分が、前記ビームの前記中央壁部に略垂直な前記ビームの前記筒状部分の側壁部に取り付けられる、請求項1に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項7】
前記第2縁部分及び前記側壁部がレーザー溶接された重ね継手で一緒に取り付けられる、請求項6に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項8】
前記レーザー溶接された重ね継手が前記第2縁部分の平面を前記側壁の平面から分離する第2厚さを含み、
前記溶接継手の前記厚さが、前記第2縁部分又は前記側壁の前記平面から突出する前記第2の複数の突出部により形成され、前記重ね継手の溶接から生じる酸化亜鉛煙が前記レーザー溶接された重ね継手を出るように構成される、請求項7に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項9】
前記溶接継手で形成された前記縁部分と前記中央セクションとの間の分離がおよそ50ミクロン~300ミクロンである、請求項1に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項10】
前記複数の突出部の各々の長さがおよそ2mm~5mmである、請求項1に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項11】
前記金属薄板の厚さがおよそ1mm~1.5mmである、請求項1に記載の亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項12】
亜鉛めっきレインフォースメントビームを連続的に成形する方法であって、
前記方法が、
略水平な平面において亜鉛めっき薄板ストックのロールを伸ばすステップと、
前記薄板ストックの上面にわたって突出部を形成するステップと、
前記薄板ストックの縁セクションが前記薄板ストックの中間セクションと接触している状態で筒状形状を成形するために、複数のロールステーションのセットを通じて前記薄板ストックをロール成形するステップであって、
前記薄板ストックの前記縁セクション又は前記中間セクションの少なくとも1つが前記突出部を含み、前記突出部が前記薄板ストックの前記縁セクションと前記中間セクションとの間に排気用間隙を形成する、ロール成形するステップと、
溶接継手を連続的に形成するためにレーザーヘッドステーションで前記薄板ストックの前記縁セクションを前記中間セクションにレーザー溶接するステップであって、前記溶接から生じた酸化亜鉛ガスが、前記溶接継手を出ることが可能である、レーザー溶接するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記突出部が略一貫性のある隔たりで配されるとともに前記薄板ストックの前記上面にわたって直線的に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記突出部が各々、前記排気用間隙の幅に略等しい高さだけ前記上面から突出する隆起した部分を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記突出部が、レーザーディンプリング、機械的変形、放電蒸着、又は付加材料のうちの少なくとも1つで形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記薄板ストックが、略一定の速度で長手方向に伸ばされ、ロール成形され、溶接される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記突出部が、前記複数のロールステーションの前記セットにおいて挿入されたステーションで連続的に形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記ロール成形プロセス中に前記突出部を形成するために、前記突出部が、前記複数のロールステーションの前記セットの第1ステーションと最終ステーションとの間に配置されたレーザーヘッドステーションで形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
亜鉛めっき多筒状ビームであって、前記亜鉛めっき多筒状ビームが、前記ビームの共通の中央壁部を共有する2つの隣接する筒状部分を有し、
前記亜鉛めっき多筒状ビームが、
溶接継手を介して、前記亜鉛めっき金属薄板の中央セクションに成形されたレインフォースメントリブに、取り付けられた前記亜鉛めっき金属薄板の外側セクションの縁部分であって、前記亜鉛めっき金属薄板の前記縁部分が前記ビームの前記共通の中央壁部を形成する、縁部分を含み、
前記溶接継手が、前記縁部分の平面を前記レインフォースメントリブの平面から分離する厚さを有し、
前記溶接継手の前記厚さが、前記縁部分又は前記レインフォースメントリブの少なくとも1つの前記平面から突出する複数の突出部により形成され、
排気開口が、前記複数の突出部により、前記縁部分の平面と前記中央セクションの平面との間に設けられ、前記排気開口は、前記溶接継手の溶接から生じる酸化亜鉛煙が、前記溶接継手を出るように構成される、
亜鉛めっき多筒状ビーム。
【請求項20】
前記薄板ストックが、前記ビームの共通の中央壁部を、前記筒状部分と共有する第2の筒状部分を含むようにロール成形され、
前記薄板ストックの外側セクションが、前記ビームの前記共通の中央壁部を形成する前記金属薄板の中央セクションの対向する側から延在する、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記突出部が、前記外側セクションのうちの1つの縁部分に、連続的に形成されるとともに、前記共通の中央壁部に沿って前記溶接継手を形成するために、前記亜鉛めっき薄板ストックの前記共通の中央壁部に接触する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記突出部が、前記複数のロールステーションのセットに配置されたレーザーヘッドステーションで、前記ロール成形プロセス中に、形成される、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年11月27日に出願された米国仮特許出願第62/771,843号明細書及び2019年3月1日に出願された米国仮特許出願第62/812,684号明細書に対する優先権を主張する。これらの先行出願の開示は、本願の一部とみなされるとともに、それら全体が参照により本明細書に含まれる。
【0002】
本開示は、車両構造及びレインフォースメントビーム並びにロール成形製造及び金属加工の関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両は政府規制及び保険認定により義務付けられている様々な試験、例えば衝撃エネルギーの管理及び吸収についての試験を受ける。これらの試験の結果は、バンパー組立体及び構造レインフォースメントビームを含む様々な車両コンポーネント及び構造設計に依存し得る。より具体的には、試験結果は、これらのビームの断面形状及び溶接の質の両方に依存し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さび又は酸化鉄が経時的に鋼コンポーネント上に形成するのを防ぐために、車両の鋼コンポーネントに亜鉛めっきする又は保護亜鉛コーティングを塗布することが知られている。いくつかの形式の溶接において使用される高熱によって溶接継手で又は溶接継手の近くで亜鉛層又はコーティングが鋼コンポーネントから焼失するか蒸発すると、亜鉛めっき金属の溶接は酸化亜鉛煙を生じることも一般に知られている。溶接中に生じた酸化亜鉛煙は溶接継手を囲む領域から排気され得る。しかし、そのような煙が適切に排気されない場合、例えば酸化亜鉛が溶接継手において溶融金属を通り抜ける場合、それらはオペレータにとって有害となり得るとともに溶接の品質が損なわれる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、亜鉛めっきレインフォースメントビームとビームを連続的に成形する方法とを提供する。初めに、亜鉛めっき薄板ストックのロールが、例えば、ロール成形機に向かって及びロール成形機内へ略一定の速度で伸ばされることにより、加工されるように、略水平な平面において伸ばされ得る。ロール成形機は、薄板を少なくとも1つの長手方向に延在する筒状部分を備えたビームに成形するように構成される。ロール成形機に入る又はロール成形機でインラインになる前のいずれかに、亜鉛めっき薄板ストックの表面に突出部が形成される。突出部は、薄板上の略直線に沿って略一貫性のある隔たりで隆起した部分を備えたディンプルを形成するレーザーにより形成され得る。薄板がロール成形されると、突出部は、突出部が対向する薄板ストックの表面に当接して突出部間に排気用間隙を形成するように、ビームの筒状部分を包囲する望ましい取付けシームで金属薄板の別のセクションと整合する。薄板ストックは、溶接継手を連続的に形成するために突出部に沿ってレーザー溶接される。溶接から生じた酸化亜鉛ガスは、形成されている溶接継手からロール成形ラインの上流で排気用間隙を通じて筒状形状の内部を出ることが可能となる。溶接継手が形成されると、溶接から生じた溶融金属は、ビームの筒状形状を閉鎖するように排気用間隙を充填し得る。したがって、突出部は亜鉛ガスピットもポケットもほぼ無い溶接継手をもたらし得るとともに、溶接継手において溶接継手に隣接する薄板ストックの平面をわずかに分離する厚さをもたらし得る。
【0006】
本開示の一態様によると、車両構造又はバンパーレインフォースメントのための亜鉛めっき多筒状ビームが、ビームの共通の中央壁部を共有する2つの隣接する筒状部分を成形するために亜鉛めっき金属薄板をロール成形することにより製造される。2つの隣接する筒状部分を形成する金属薄板の外側セクションは、ビームの共通の中央壁部を形成する金属薄板の中央セクションの対向する側から延在する。亜鉛めっき多筒状ビームは、溶接継手で亜鉛めっき金属薄板の中央セクションに取り付けられた亜鉛めっき金属薄板の外側セクションのうちの1つの縁部分を含む。溶接継手は、縁部分の平面を中央セクションの平面から分離する厚さを有する。溶接継手の厚さは、溶接継手を溶接するとき、複数の突出部間の長手方向間隔が、溶接から生じた酸化亜鉛煙がビームのそれぞれの筒状部分の内部を出るための排気開口を提供するように、金属薄板の外側セクション又は中央セクションの平面から突出する複数の突出部により形成される。
【0007】
薄板ストックに形成された突出部は略一貫性のある隔たりで配され得る。溶接継手は突出部を相互連結させる。溶接継手は、ビームのそれぞれの筒状部分の内部を囲むためにビームに沿って連続的に延在し得る。溶接継手は、例えばおよそ1mm~2mmの領域である狭い熱影響部を形成するためにレーザー溶接を介して形成され得る。
【0008】
本開示の別の態様によると、亜鉛めっきレインフォースメントビームを連続的に成形する方法は、略水平な平面において亜鉛めっき薄板ストックのロールを伸ばすことを含む。ディンプルは、亜鉛めっき薄板が第1レーザーヘッドステーションを連続的に通過するときに、第1レーザーヘッドステーションで薄板ストックの上面にわたってレーザーで形成される。薄板ストックの縁セクションが薄板ストックの中間セクションと接触した筒状形状を形成するように、薄板ストックはロールステーションのセットを通じてロール成形される。薄板ストックの縁セクション及び/又は中間セクションはディンプルを含む。ディンプルは薄板ストックの縁セクションと中間セクションとの間に排気用間隙を形成する。縁部分は、溶接継手を連続的に形成するために、第2レーザーヘッドステーションで薄板ストックの中間部分にレーザー溶接される。溶接から生じた酸化亜鉛ガスは、排気用間隙を通じて筒状形状の内部を出ることが可能である。
【0009】
本開示のなお別の態様によると、亜鉛めっき多筒状ビームは、ビームの共通の中央壁部を共有する2つの隣接する筒状部分を成形するために亜鉛めっき金属薄板をロール成形することにより製造される。亜鉛めっき多筒状ビームは、溶接継手を介して亜鉛めっき金属薄板の中央セクションに形成されたレインフォースメントリブに取り付けられた亜鉛めっき金属薄板の外側セクションの縁部分を有する。亜鉛めっき金属薄板の縁部分は、ビームの共通の中央壁部を形成する。溶接継手は、レインフォースメントリブの平面から縁部分の平面を分離する厚さを有する。溶接継手の厚さは、縁部分又はレインフォースメントリブの少なくとも1つの平面から突出する複数の突出部により形成される。溶接継手を溶接するとき、突出部間の長手方向間隔は、溶接から生じた酸化亜鉛煙がビームのそれぞれの筒状部分の内部を出るための排気開口を提供する。
【0010】
本開示のなお更なる態様によると、亜鉛めっきレインフォースメントビームを連続的に成形する方法は、略水平な平面において亜鉛めっき薄板ストックのロールを伸ばすことを含む。薄板ストックは、薄板ストックの縁部分が薄板ストックの中間部分から間をあけて配された状態の開断面形状を成形するために第1ロールステーションを通じてロール成形される。亜鉛めっき薄板ストックが第1レーザーヘッドステーションを連続的に通過する際に、ディンプルが、第1レーザーヘッドステーションで薄板ストックの縁部分及び/又は中間部分の表面にわたって形成される。薄板ストックは、薄板ストックの縁部分が薄板ストックの中間部分と接触している状態の筒状形状を成形するために、第2ロールステーションを通じて曲げられる。ディンプルは、薄板ストックの縁部分と中間部分との間に排気用間隙を形成する。溶接から生じた酸化亜鉛ガスが、排気用間隙を通じて筒状形状の内部を出ることが可能であるように、縁部分は、ディンプルに沿って溶接継手を連続的に形成するために、第2レーザーヘッドステーションで薄板ストックの中間部分にレーザー溶接される。任意選択的に、第2レーザーヘッドステーションには筒状形状の内部に内部マンドレルが配置されなくてもよい。
【0011】
本開示のこれらの及び他の目標、利点、目的、及び特徴は、図面と合わせて以下の明細書を検討すると明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本明細書において図示された1つ又は複数の実施形態による車両フレームでクラッシュカンにより支持されたバンパーレインフォースメントビームの上面図である。
【
図2】
図1の線II-IIに沿ったレインフォースメントビームの断面図である。
【
図2A】追加的なレインフォースメントビームの断面図である。
【
図3】本発明のレインフォースメントビームを製造するように構成された装置の概略立面図である。
【
図4A】S1~S24とラベル付けされた一連の断面図であり、
図2のビームをロール成形するときの様々な成形ステップでの金属薄板ストックの形状を示す。
【
図4B】S25~S46とラベル付けされた更なる一連の断面図であり、
図2のビームをロール成形するときの追加的な成形ステップでの金属薄板ストックの形状を示す。
【
図5A】金属薄板ストックの上面にわたってディンプルを形成するレーザーステーションの概略斜視図である。
【
図5B】
図5AのセクションVBで示された、形成されたディンプルの拡大図である。
【
図5C】
図5Bの線VC-VCに沿って示されたディンプルの断面図である。
【
図6A】
図4Bの成形ステップS25での、部分的に成形されたビームの一部の斜視図である。
【
図6C】
図6BのセクションVICで示されたディンプルの拡大図である。
【
図7A】
図4Bのレーザー溶接ステップS29で部分的に成形されたビームの一部の斜視図である。
【
図7B】
図7Aに示されたビームのセクションの別の斜視図である。
【
図7C】
図7BにおいてセクションVIICで示されたレーザー溶接の拡大図である。
【
図7D】
図7Aに示されたビームのセクションの断面図である。
【
図7E】
図7Dにおける線VIIE-VIIEに沿った、溶接して閉じられる前のシームに沿ったビームの断面図である。
【
図7F】
図7DにおけるセクションVIIFで形成された溶接部の拡大図である。
【
図7G】
図7Fの形成後の溶接部の拡大図であり、狭い熱影響部を示す。
【
図8A】
図4Bの成形ステップS37での、部分的に成形されたビームの一部の斜視図である。
【
図9A】
図4Bのレーザー溶接ステップS46での、部分的に成形されたビームの一部の斜視図である。
【
図10】追加的なレインフォースメントビームの断面図である。
【
図11】
図10に示されたビームの端部セクションの斜視図である。
【
図12A】
図10に示されたレインフォースメントビームを成形する際のある段階での、部分的に成形されたビームの斜視図である。
【
図12B】金属薄板の係合表面にわたってディンプルを形成するレーザーステーションでの、
図12Aの部分的に成形されたビームの断面図である。
【
図12C】金属薄板の縁を係合表面に溶接しているとともにレインフォースメントビームの筒状部分を囲んでいるレーザーステーションでの、
図12Bの部分的に成形されたビームの断面図である。
【
図13A】
図12Cの部分的に成形されたビームの斜視図である。金属薄板が、
図10に示されたレインフォースメントビームの形状を目指してさらに成形されている。
【
図13B】金属薄板の別の係合表面にわたってディンプルを形成しているレーザーステーションでの、
図13Aの部分的に成形されたビームの断面図である。
【
図13C】金属薄板の縁を係合表面に溶接しているとともにレインフォースメントビームの第2筒状部分を囲んでいるレーザーステーションでの、
図10の成形されたレインフォースメントビームの断面図である。
【
図14】追加的なレインフォースメントビームの断面図である。
【
図15】
図14に示されたビームの端部セクションの斜視図である。
【
図16A】
図14に示されたレインフォースメントビームを成形する際のある段階での、部分的に成形されたビームの斜視図である。
【
図16B】金属薄板の係合表面にわたってディンプルを形成しているレーザーステーションでの、
図16Aの部分的に成形されたビームの断面図である。
【
図16C】金属薄板の縁を係合表面に溶接しているとともにレインフォースメントビームの筒状部分を囲んでいるレーザーステーションでの、
図16Bの部分的に成形されたビームの断面図である。
【
図17A】
図16Cの部分的に成形されたビームの斜視図である。金属薄板が
図14に示されたレインフォースメントビームの形状を目指してさらに成形されている。
【
図17B】金属薄板の別の係合表面にわたってディンプルを形成しているレーザーステーションでの、
図17Aの部分的に成形されたビームの断面図である。
【
図17C】金属薄板の縁を係合表面に溶接しているとともにレインフォースメントビームの第2筒状部分を囲んでいるレーザーステーションでの、
図14の成形されたレインフォースメントビームの断面図である。
【
図18】なお追加的なレインフォースメントビームの断面図である。
【
図19A】
図18に示されたレインフォースメントビームを成形する際のある段階での、部分的に成形されたビームの断面図である。レインフォースメントビームの筒状部分を囲むためのレーザーステーションの位置を示している。
【
図19B】
図19Aの部分的に成形されたビームの断面図である。金属薄板が
図18に示されたレインフォースメントビームの形状を目指してさらに成形されており、レインフォースメントビームの第2筒状部分を囲むための別のレーザーステーションの位置を示している。
【
図20】追加的なレインフォースメントビームの断面図である。
【
図20A】
図20におけるセクションXXAで形成されている溶接部の拡大図である。
【
図21】金属薄板ストックの上面にわたって配置された突出部のある例の概略斜視図である。
【
図22】金属薄板ストックの上面にわたって配置された突出部の別の例の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで図面及びそこで表現された例示的実施形態を参照すると、亜鉛めっきビーム10が、ロール成形プロセスで概して連続的に成形され得る。このロール成形プロセスは、ビーム10を成形するために使用される亜鉛めっき薄板ストックの溶接時にビーム10の囲まれた領域内で生じた酸化亜鉛煙を排気するやり方で閉じられたビーム10の1つ又は複数のシームを連続的に溶接する方法を有する。亜鉛めっき多筒状ビーム10は、特定の車両のバンパーの設計と一致するようにビーム10が様々な屈曲度合いで長手方向に曲げられる、例えば
図1に示された車両構造レインフォースメント又はバンパーレインフォースメントのために使用され得る。バンパーレインフォースメントとして使用される場合、ビーム10は、車両フレームの前に配置されたクラッシュカンに、車両フレームの幅にわたるように取り付けられ得る。代替的に、本明細書において説明されたビームは、直線状であれ湾曲しているものであれ、様々な代替的な構造的又はレインフォースメント用途、例えば、他の考えられる車両及び非車両関連部材及びコンポーネントの中で特にリアバンパー、ドアインパクトビーム、フレーム部材(例えばルーフボウ、ヘッダー、ピラー、ロッカーレール、シート部材など)、及び車両バッテリトレー支持体のためのフレーム部材のために適合され得る。
【0014】
ビーム10は、ビーム10の共通の中央壁部18を共有する2つの隣接する筒状部分14、16を成形するために、例えば
図3においてロールから伸ばされている状態で示されている亜鉛めっき金属薄板12をロール成形することにより製造され得る。2つの隣接する筒状部分14、16を形成する金属薄板12の外側セクション12a、12cは、ビームの共通の中央壁部18を形成する金属薄板12の中央セクション12bの対向する側から延在する。そのようなセクションは初めに
図4Aの成形ステップS2で境界付けられ得る。ビーム10が成形されると、ビーム10の2つの隣接する筒状部分14、16は、前壁部20、22、後壁部24、26、上壁部28、及び下壁部30により、例えば
図1及び2において方向付けられたとおりに、画定される。隣接する筒状部分14、16の前壁部20、22は、バンパーレインフォースメントビームとして使用される場合にビームの外向き又は衝撃表面を形成するために互いに実質的に整列している。同様に、後壁部24、26は互いに略整列しているとともに前壁部20、22と実質的に平行である。さらに、上及び下壁部28、30は互いに且つ中央壁部18と実質的に平行であるとともに、前及び後壁部20、22、24、26と略垂直である。ビームの追加的な実施形態は
図2に示されたものから様々な形状及び向きをとることができ、例えばビームの異なる用途について代替的な寸法割合を含み得ることが理解される。
【0015】
ここで
図3を参照すると、亜鉛めっき薄板ストック12がロールから伸ばされると、突出部32が薄板ストック12の上面で、例えば、ロール成形ラインより前のレーザーヘッドステーション31で形成され得る。突出部は、例えば突出部を形成した後で薄板を再び巻き、次いで巻かれたロールをロール成形ラインへ移動させることにより、代替的にロール成形ラインから離れた加工ラインで形成され得ることもまた想定される。代替的に、突出部がロール成形機ステーションにより変形させられるリスクを低下させるために、突出部はインラインで又はロール成形プロセス中に、例えば溶接の直前に、形成され得る。
【0016】
図3に示されたレーザーヘッドステーション31は、突出部又はディンプル32を略一貫性のある隔たりで、成形されたビーム10の長さに沿って長手方向に略直線に沿って形成し得る。突出部間の間隔又は隔たりはビームに沿って変わり得ることが理解される。突出部が代替的デバイスにより、例えば鋸歯状円盤、スタンピングデバイス、又は他の考えられる手段で薄板を機械的に変形させることなどにより形成され得ることもまた考えられる。
【0017】
さらに、突出部は、例えば
図21に示された放電蒸着(ESD)(すなわち、パルス溶融肉盛り又はパルス電極肉盛り)で薄板に配置され得る。この放電蒸着(ESD)では、パルス微細溶接プロセスが、亜鉛めっき金属薄板12の平面に配置されるとともに亜鉛めっき金属薄板12の平面から突出する断続的ESD材料33を提供する。これらの突出部33は、同様に、溶接から生じた酸化亜鉛煙が、成形されたビームのそれぞれの筒状部分の内部を出るための排気開口を作り出す。また、突出部は薄板に、例えば
図22において示される付加製造(すなわち3D印刷)で配置され得る。固形材料35(例えばレーザー焼結又は溶融金属粉末)が亜鉛めっき金属薄板12の平面に配置されるとともに亜鉛めっき金属薄板12の平面から突出する。これらの突出部35は同様に、溶接から生じた酸化亜鉛煙が、成形されたビームのそれぞれの筒状部分の内部を出るための排気開口を作り出す。
【0018】
突出部又はディンプル32のラインは、薄板12が対応するビーム10の筒状部分を閉じるように成形されると取付けポイント又は溶接部シームと一致するように、薄板12上の又は薄板12に沿った位置に形成される。
図4AのステップS1で示されたとおり、レーザーヘッドステーション31は、2つの個別のレーザービーム34又はその均等物で2つの位置にディンプル32を形成し得る。ディンプル32の各ラインの選択された位置はビーム10の、後に形成される溶接継手36、38と一致する。これらの溶接継手36、38は、ビーム10のそれぞれの隣接する筒状部分14、16の内部領域を囲むように、ディンプル32に又はディンプル32に沿って形成される。
図5A及び5Bにおいてさらに示されているとおり、ディンプル32の2つのラインは互いに平行であるとともに、薄板12に長手方向に沿った各独立したディンプル32間で同じ大まかな間隔又は隔たりを有する。
【0019】
ディンプル32は陥凹部分40と隆起した部分42とを各々有し得る。これらの部分は、レーザーパルシング又はそうでなければ薄板12に断続的に接触すること(すなわち、レーザーディンプリング)から形成され得る。より具体的には、薄板材料、レーザー強度、及びレーザービーム34に対して薄板12が移動する速度は、レーザービームが薄板を貫通せず、代わりに、例えば
図5Bに示された望ましい深さの陥凹部分40、及び対応する望ましい高さの隆起した部分42を形成するように、校正及び構成され得る。そのようにするために、溶融金属の小さなプールが、薄板12に接触するレーザー34から生じた熱により薄板12の上面に形成され得る。レーザー34が停止するか、もはや薄板12と接触しなくなる(又はそうでなければ十分に強度が減少する)と、金属は、例えば
図5Cに示された隆起した部分42が金属薄板12の周りの上面を越えて延在する高さで突出した状態で冷えて固くなる。薄板の長さに長手方向に沿った各ディンプルの長さはおよそ2mm~5mmであり得る。ディンプルはまた又は代替的に、薄板の底部表面に、例えば薄板12の外側セクション12aの縁部分と接触する金属薄板の中央セクション12bに配置されるような位置に形成され得ることもまた想定される。
【0020】
図3にさらに言及すると、亜鉛めっき薄板ストックのロールが、例えば初めに突出部又はディンプル32を薄板12の上面に形成するレーザーステーション31で、例えばロール成形機又はロール成形装置に向かって及びロール成形機又はロール成形装置内へ略一定の速度で伸ばされることにより、加工されるように略水平な平面において伸ばされ得る。亜鉛めっき多筒状ビーム10は次いで、ロール成形ステーションにおいて一連の対になったロールを介して、単一の薄板12を加工しているロール成形装置によりその形状へ成形される。各ステーションは、例えば
図4A及び4Bに示された成形ステップS2~S28及びS30~S45のロール成形フラワー図により示された成形操作を実施する。ロール成形プロセス中、隣接する筒状部分14、16が単一の中央壁部18の両側に成形されるように金属薄板12が成形される。この場合も、排気溶接プロセスで成形されたビームは、B字形ビーム又はD字形ビームなど
図2に示されたものとは別のプロファイル又は形状を有し得ることが想定される。
【0021】
図3に示されるとおり、ロール成形機はステーションにおける成形ロールの第1シリーズ44を含み得る。このステーションにおける成形ロールの第1シリーズ44は、例えば
図4A及び4Bに示された成形ステップS2~S28に対応するように、薄板12の外側セクション12a及び薄板12の中央セクション12bを連続的に曲げる。したがって、成形ロールの第1シリーズ44は、ビーム10の対応する筒状部分14の形状を目指して及びビーム10の対応する筒状部分14の形状になるように薄板12を連続的に成形するとともに、ビーム10の中央壁部18を薄板12の他の外側セクション12cに対して略垂直の向きに向かって及び薄板12の他の外側セクション12cに対して略垂直の向きになるように方向付ける。そのようにする際、金属薄板12の外側セクション12aの縁部分が、
図6A及び6Bにおいてより詳細に示されたステップS25に示されたものなど、金属薄板12の中央セクション12bに接触するように構成された丸みが与えられた端部を備えて成形される。したがって、中央壁部の丸みが与えられた端部に当接した薄板の丸みが与えられた縁を備えた第1チューブ又は筒状部分を成形するために、成形ロールの第1シリーズ44は、(
図4A及び4Bにおいて反時計回りの方向として示された)第1方向において薄板の幅の「半分」をわずかに下回る分だけ変形し得る。成形ロールの第1シリーズは、亜鉛めっき薄板を溶接する準備のできた本明細書において開示されたとおりの排気シームを備えた筒状部分を概して提供するように、平らなセクションから薄板を成形するためにより多い又は少ない数のステーションを含み得ることが考えられる。
【0022】
第1レーザー溶接ステーション46(
図3)での溶接の前に、成形ロールの第1シリーズ44は、金属薄板12の外側セクション12aの突出部32のラインを、例えば
図7Eに示された薄板12の略平らな面と接触した状態に置き得る。薄板12の中央セクション12bに対する突出部32の接触のラインは中央壁部18の端部にあってもよい。中央壁部18の端部では中央壁部18は略平面的又は平らになる。突出部32間の長手方向間隔は、溶接から生じた酸化亜鉛煙がビーム10のそれぞれの筒状部分の内部を出るための排気開口48を提供する。突出部32により提供された外側セクション12aの縁部分と中央セクション12bとの間の分離はおよそ50ミクロン~300ミクロンである。したがって、
図7Eに示された突出部のラインは、筒状形状のビームに連続的にロール成形された亜鉛めっき薄板を連続的にレーザー溶接するよう構成された排気シームの例である。加圧された気体、例えば酸化亜鉛ガスで形成し得るガス開口もポケットも無い一貫性のある溶接部を有するように、亜鉛めっきされた鋼の溶接、特にチューブの囲まれた領域において捕捉された煙を排気することが有益である。
【0023】
図7A~7Fに示されるとおり、溶接継手36は、ビーム10の長さに沿って連続的に閉じられた溶接継手36を形成するために、第1溶接ステーション46で排気シームに沿ったレーザー溶接を介して形成される。排気開口48を形成する突出部32に起因して、溶接継手36は、外側セクション12aの縁部分の平面を中央セクション12bの平面からわずかに分離する(およそ50ミクロン~300ミクロンの)厚さを有する。溶接継手36を溶接するとき、突出部32間の長手方向間隔は、排気開口48を提供する。この排気開口48は、溶接から生じた酸化亜鉛煙50が溶接ステーション46からロール成形機における上流で(すなわち、溶接されている排気開口20が溶接ステーション46で閉鎖される前に)ビーム10の筒状部分14の内部を出るためのものである。
【0024】
図7Dで示されるとおり、溶接継手36を形成するために溶接ステーション46により生じたレーザービーム52は、中央壁部18の向きにおよそ垂直に位置付けられる。レーザービーム52のこの実質的に垂直な向きは、例えば
図7Gに示された比較的狭い熱影響部54を備えた溶接継手36をさらに形成する。熱影響部54は、例えばおよそ1mm~2mmであり得る。
【0025】
したがって、薄板12の外側セクション12cが中央壁部セクション12bに略垂直である場合、溶接継手36の位置は、ビーム10の第2筒状部分16の前壁部22において成形された強化リブ56の存在及び深さと釣り合いがとれている。代替的実施形態において、
図2Aに示されるとおり、ビーム110は同様に成形されるが、溶接継手136をビーム110の長さに沿って溶接するときにレーザー溶接機のより垂直な向きを可能にするために、薄板112の外側セクション112cは強化リブを有しない。
【0026】
図4Bを再び参照すると、溶接継手36の形成後、薄板12はステーションにおける成形ロールの第2シリーズ58へ続く。ステーションにおける成形ロールの第2シリーズ58は、例えば成形ステップS30~S45に対応するように、薄板12の残りの外側セクション12cを連続的に曲げる。したがって、成形ロールの第2シリーズ58は、薄板12を、ビーム10の対応する筒状部分16の形状を目指してビーム10の対応する筒状部分16の形状になるように連続的に成形し、ビーム10の形状を概ね仕上げる。そのようにする際、金属薄板12の外側セクション12cの縁部分は、例えば
図8A及び8Bにより詳細に示されたステップS37で示された第1ビーム10の筒状部分14の後壁部24と接触するとともに第1ビーム10の筒状部分14の後壁部24と重ね継手を形成するように構成される。重ね継手は、縁部分の平面を後壁部24の平面から分離する厚さを含む。溶接継手の厚さは、重ね継手を溶接するとき、酸化亜鉛煙50が突出部32により形成された排気開口48を通じてビームのそれぞれの筒状部分16の内部を出るように、後壁部24の平面(及び/又は縁部分)から突出する突出部32により形成される。突出部32により提供された外側セクション12cの縁部分と後壁部24との間の分離はおよそ50ミクロン~300ミクロンである。したがって、成形ロールの第2シリーズ58は、第2チューブ又は筒状部分を成形するために、薄板の幅の残りの「半分」を(
図4A及び4Bにおいて反時計回りの方向として示された)成形ロールの第1シリーズと同じ回転方向において変形し得る。この場合も、成形ロールの第2シリーズが、亜鉛めっき薄板を溶接する準備のできた本明細書において開示されたとおりの排気シームを備えた筒状部分を広く一般に提供するためにより多い又は少ない数のステーションを含み得ることが考えられる。
【0027】
例えば
図3に示されている成形ロールの第2シリーズ58は、金属薄板12の外側セクション12cの端部を、
図9Aに示されるとおり、後壁部24に沿って成形された陥凹領域60と接触した状態に置き得る。後壁部24の陥凹領域60は、突出部32の第2ラインのための領域を提供し得る。陥凹領域60は、ビームの後壁部24、26が互いに対して略平面的な整列で配置されることを可能にする。突出部32間の長手方向間隔はこの場合も溶接から生じた酸化亜鉛煙がビーム10のそれぞれの筒状部分の内部を出るための排気開口48を提供する。したがって、
図9Aに示された突出部のラインは、筒状形状のビームに連続的にロール成形された亜鉛めっき薄板を連続的にレーザー溶接するよう構成された排気シームの別の例である。
【0028】
図9A及び9Bにさらに示されるとおり、ビーム10の長さに沿って連続的に閉じられた溶接継手38を形成するために、第2溶接ステーション64(
図3)で排気シームに沿って、溶接継手38がレーザー溶接を介して形成される。排気開口48を形成する突出部32に起因して、溶接継手38は、外側セクション12cの縁部分の平面をそれが接している薄板の平面からわずかに分離する厚さを有する。溶接継手38を溶接するとき、突出部32間の長手方向間隔は、溶接から生じた酸化亜鉛煙50が、溶接ステーション64からロール成形機の上流でビーム10の筒状部分16の内部を出るための排気開口48を提供する。
図9Bで示されたとおり、溶接継手38を形成するために溶接ステーション64により生じたレーザービーム66は、後壁部24、26の向きにおよそ垂直に位置付けられる。この場合も、レーザービーム66のこの実質的に垂直な向きは、溶接継手38が比較的小さな熱影響部を備えて形成されることを可能にする。
【0029】
ロール成形機はさらに、例えばビームの前壁部で示された各筒状部分14、16の内部容積内へ突出するチャネル又は強化リブ56を成形するように構成され得る。強化リブ56(すなわち内部に向かって成形された窪み、「パワーリブ」と呼ばれるときもある)は、壁部セクションをさらに強化させ、したがって、
図2に示されたビーム10において、ビーム10の前面を強化させるとともに対応するチューブ部分14、16を強化させる。図示された強化リブ56は対応する壁部セクションの幅の約10%~40%(又はより好ましくは幅の約20%~30%)の幅直径を有するとともに、その幅直径にほぼ等しい深さを有する。図示されたチャネルリブの底部は半円形状である。それにもかかわらず、チャネルリブの深さ及びサイズは、ビームの特定の機能的要件を満たすために、より浅くすることも、より深くすることも、より幅広くすることも、より狭くすることも、平らな底部とすることも、又は他の方法で修正することもできることが想定される。
【0030】
ビーム10は、0.8mm~1.4mm又はおよそ1mm~1.5mmの厚さを有する鋼材料の薄板12から作られる。また、薄板12は、約800~2000Mpa(すなわち、約120~290ksi)の引張強度を有し得る。図示されたビームは(車両に取り付けられた位置において)約80mmの高さ及び40mmの奥行であり、2つのチャネルリブがビームの前面に成形される(各チューブの上に1つ)。各図示された強化リブは、約8mm~10mmの深さ及び8mm~10mmの幅であり、丸い形の底部を含む。しかしながら、本発明のビームはAHSS(先進高強度鋼)を含む異なる材料で作ることができること、並びにこの本発明のビームは約0.8mm~3.0mmの厚さ(又は例えば0.8mm~1.4mmの厚さ)を有する薄板から作ることができ、異なるビーム断面サイズ、例えば約80mm~150mmの高さ、及び30mm~60mmの奥行で作ることができ、車両取付具/バンパーフレームレール先端間の距離に等しいかそれよりわずかにより大きい長さを有することが想定される。
【0031】
ロール成形機で筒状レインフォースメントビーム10を製造するための関連装置が、インライン清掃ステーション68とカットオフ70とを含む。第1及び第2レーザー溶接ステーション46、64は、ビームに沿って、インライン清掃ステーション68でのビームの長手方向屈曲に耐えることができる溶接部を形成するように構成される。レーザー溶接ステーション46、64のレーザービームは、例えばビームより上、下、又はビームの側部に望ましい溶接を形成するために必要に応じてビームに対して様々な向きで位置付けられ得ることが理解される。ローラー成形機は成形ロールを支持する水平軸を備えたロールミルを用い得る、又は代替的に、成形ロールを支持する垂直軸を備えたロールミルを用い得ることにさらに留意されたい。
【0032】
図10~13Cをここで参照すると、ビーム210の共通の中央壁部218を共有する2つの隣接する筒状部分214、216を有する亜鉛めっき多筒状ビーム210の追加的な例が示されている。
図2において示されるビーム10とは違い、金属薄板212の外側セクション272は、薄板の中央セクションの反対にビーム210の共通の中央壁部218を形成する。
図10に示されたビーム210の中央壁部218は、筒状部分214のうちの1つを囲むためにビーム210の内部接触表面274に取り付けられた金属薄板212の外側セクション272の縁部分272aにより形成される。他方の筒状部分216は、金属薄板212の外側セクション276の縁部分276aが
図2に示されたビーム10の溶接継手38に示されたものと同様の重ね継手238で中央壁部218の対向する端部に取り付けられるように、第1筒状部分214から反対側の回転方向に形成されている金属薄板の対向する外側セクション276により形成される。
【0033】
図10及び11に示された成形されたビーム210は、例えばバンパーレインフォースメントビームとしての使用のために、
図2に示されたビーム10と同様に方向付けられるようにその長手方向軸を中心として回転させられてもよい。それによりビーム210のそれぞれの壁は前壁部220、222、後壁部224、226、上壁部228、及び下壁部230と呼ばれ得る。隣接する筒状部分214、216の前壁部220、222は、バンパーレインフォースメントビームとして使用される場合にビームの外向き又は衝撃表面を形成するために、互いに実質的に整列している。同様に、後壁部224、226は互いに略整列しているとともに、前壁部220、222と実質的に平行である。さらに、上及び下壁部228、230は互いに且つ中央壁部218と実質的に平行であるとともに、前及び後壁部220、222、224、226と略垂直である。ビーム210の追加的な例は、
図10及び11に示されたものから様々な向きをとることができ、例えばビームの異なる使用及び用途のための代替的断面形状及び寸法比率を含み得ることが理解される。
【0034】
ここで
図12Aを参照すると、亜鉛めっき薄板ストック212は、図示された例などの断面形状を成形するために、一連のロール金型を通じてロール成形され得る。この断面形状は、第1筒状部分214(
図10)を囲むために溶接されるシームを閉じる前に達成される。この図示された例において、シームで形成された突出部232(
図12B)は、ロール成形ライン上のいくつかのロール成形金型を通過した後でロール成形機でインラインで形成される。突出部232を形成する前にビーム210の中間断面形状を達成するために薄板ストック212をロール成形することにより、突出部はこのとき、溶接部シームで用いられる前にロール成形金型を通過することにより損傷を受ける又は平らにされるリスク無しに形成され得る。具体的には、
図12Aに示されるとおり、ビーム210の第1筒状部分214を成形するために使用される薄板212の外側縁部分272aは、突出部232を形成するためにレーザービーム234が薄板212の接触表面274に直線的にアクセスすることを可能にするように、薄板の望ましい接触表面274から上向きに間をあけて配される(
図12B)。
【0035】
図12Aにおいてさらに示されるとおり、望ましい溶接継手を形成するために使用される接触表面274からの筒状部分214の対向する側にある筒状部分214の後角部278は、薄板上の単一の関節点として使用されてもよい。薄板は、
図12Cに示されるとおり、薄板の縁部分272aを接触表面274に形成された突出部232と当接係合するように下に回転させるために、後角部278を中心として曲げられ得る。したがって、
図12Aに示されるとおり、第1筒状部分214の形状を閉じるとともに完成させるために後角部278で最終的な追加的屈曲のみが必要とされるように、断面形状は、突出部232を形成する前に金属薄板の外側セクション272において作られた第1筒状部分214の本質的に全ての望ましい形状及び構造を有するように成形され得る。追加的又は代替的関節点がビームの、
図12A~12Cに示されたものとは別の例、例えば代替的断面形状又はロール成形順序を備えたビームで用いられてもよいこともまた想定される。
【0036】
突出部232は、薄板212の、溶接継手を有することが望ましい部分と一致する表面で、例えば、
図12Bに示された、成形された金属薄板212の接触表面274で形成され得る。突出部232は、金属薄板が、ロール成形金型間で、ロール成形機上でインラインで配置されたレーザーヘッドステーションを連続的に通過するときに形成され得る。ロール成形機でインラインで形成された突出部232は、薄板212の長手方向延在部に沿って直線的に略一貫性のある隔たりで配置されてもよいとともに、そうでなければ
図5A~5Cに示され上で説明されたものと同じ又は同様のやり方で形成されてもよい。
【0037】
突出部232を形成するために、レーザービーム234は接触表面274に対してほぼ垂直の向きで角度が付いていてもよい。
図12Bに示されるとおり、接触表面274は、ビーム210の前壁部220に成形された強化リブ256の側面部分に配置されている。強化リブ256は、ビーム210の壁部セクションを強化するために各筒状部分214、216の内部容積内へ突出する。この場合も、強化リブの深さ及びサイズは、例えば、ビームの特定の機能要件を満たすためにリブをより浅く、より深く、より幅広く、より狭く、又は他の方法で修正するために
図10~13Cに示されたものから変更し得ることが想定される。したがって、ビーム10の第2筒状部分216(
図10~11)を成形するために使用される金属薄板212の外側セクション276において成形された他の強化リブ256は、突出部232を形成するときに対応する溶接継手236に対してレーザービーム234、252の略垂直の向きを可能にするように構成された深さを有し得る。
【0038】
ビーム210の第1筒状部分214のシームを溶接する前に、1つ又は複数の成形ロールは、
図12Cに示されるとおり、縁部分272aを後角部278を中心として曲げ及び回転させるとともに、外側縁272aを強化リブ256の接触表面274の突出部232のラインと接触した状態に置くために、金属薄板212の外側セクション272をさらに成形し得る。金属薄板212の縁部分272aに対する突出部232の接触のラインは、溶接から生じた酸化亜鉛煙がビーム210のそれぞれの筒状部分214の内部を出るための排気開口を作り出す突出部232間の長手方向間隔を提供する。突出部232により作り出された薄板の平面的な部分間の分離はおよそ50ミクロン~300ミクロンである。突出部232は、したがって、筒状形状のビーム210に連続的にロール成形された亜鉛めっき薄板を連続的にレーザー溶接するよう構成された排気シームを形成する。排気開口は、加圧された気体、例えば、酸化亜鉛ガスで形成し得るガス開口もポケットも無い一貫性のある溶接部を有するために、さもなければチューブの囲まれた領域において捕捉される煙が自由に出ることを可能にする。
【0039】
外側部分272aが接触表面274の近くにある又は接触表面274と係合した状態にあることで、金属薄板212は、溶接のための断面の形状を保持するために外部マンドレルを使用し得る溶接ステーションに入ることができる。しかしそうではない場合、第1筒状部分214の断面形状に起因して、内部マンドレルは無い。外部マンドレルは、突出部232と接触表面274との間の接触、並びに第1筒状部分214の前及び後壁部220、224に対する中央壁部218の略垂直の向きを妨げずに第1筒状部分214を囲む壁に力をかけ得る。具体的には、前及び後壁部220、224に力をかける対向するマンドレルは、縁部分272aの末端部272bが前壁部220へ戻るように移行する強化リブ256の湾曲形成部280の最初に位置付けられていることに起因して、筒状部分214の直角形状を妨げない。それにより、湾曲形成部280と組み合わされた外部マンドレルは、溶接継手236でせん断力を引き起こし得る末端部272bの移動を防ぐ。ロール成形機における内部マンドレルの結果としての削減又は照明は、亜鉛めっきコーティングをすり減らせることを不必要に招き得る金属薄板の表面での摩擦を減少させることを支援することができる。
【0040】
図12Cに示されるとおり、溶接継手236は、ビーム210の長さに沿って連続的に取り付けられるとともに閉じられるシームを提供するために、排気シームに沿ってレーザー溶接を介して形成される。排気開口を形成する突出部232に起因して、溶接継手236は、外側セクション272の縁部分272aの平面を接触表面274の平面からわずかに分離する、例えばおよそ50ミクロン~300ミクロンの厚さを有し得る。溶接継手236を溶接するとき、突出部232間の長手方向間隔は、溶接ステーションからロール成形機における上流で溶接から生じた酸化亜鉛煙250がビーム210の筒状部分214の内部を出るための排気開口を提供する。
図12Cに示されるとおり、溶接継手236を形成するために溶接ステーションにより生じたレーザービーム252は、中央壁部218の向きにおよそ垂直に位置付けられる。レーザービーム252のこの実質的に垂直な向きは、
図7Gに示されるとおり、およそ1mm~2mmなど比較的狭い熱影響部の溶接継手236をさらに形成する。
【0041】
溶接継手236を形成した後、薄板212はステーションにおける成形ロールの第2シリーズ内へ続く。ステーションにおける成形ロールの第2シリーズは、薄板212の他方の外側セクション276をビーム210の第2筒状部分216の形状を目指して連続的に曲げる。
図13Aに示されるとおり、断面形状はこの場合もビーム210の筒状部分のシームの近くに、しかしビーム210の筒状部分のシームが閉じられる前に成形される。
図13A及び13Bに示された中間断面形状において、突出部232はこの場合も、突出部に損害を与える又は突出部を扁平化するリスクを低下させるために、ロール成形機でインラインでシームで形成される。具体的には、
図13Aに示されるとおり、ビーム210の第2筒状部分216を成形するために使用される薄板212の外側縁部分276aは、レーザービーム284が、突出部232を形成するために薄板212の接触表面282に直線的にアクセスすることを可能にするために、薄板の望ましい接触表面282から上向きに間をあけて配される。
図10~13Cに示された例は、中央壁部218に隣接する第1筒状部分214の角部に後壁部224に沿って形成された陥凹領域260でレーザー溶接された重ね継手238を形成するために使用される接触表面282を示す。
【0042】
図13Aにおいてさらに示されるとおり、筒状部分216の、溶接継手236から対向する側にある第2筒状部分216の後角部286は、薄板上の単一の関節点として使用されてもよい。薄板は、
図13Cに示されるとおり、薄板の縁部分276aを接触表面282で形成された突出部232と当接係合するように下に回転させるために、後角部286を中心として曲げられ得る。したがって、
図13Aに示されるとおり、断面形状は、第2筒状部分216の形状を閉じるとともに完成させるために、後角部286で最終的な追加的屈曲のみが必要とされるように、接触表面282に突出部232を形成する前に、金属薄板の外側セクション276において作られた第2筒状部分216の本質的に全ての望ましい形状及び構造を有するように成形され得る。追加的又は代替的関節点がビームの、
図13A~13Cで示されたものとは別の例、例えば代替的断面形状又はロール成形順序を備えたビームで用いられてもよいこともまた想定される。
【0043】
図13Bに示されるとおり、突出部232は、金属薄板が、ロール成形金型間で、ロール成形機上でインラインで配置されたレーザーヘッドステーションを連続的に通過するときに形成され得る。
図13Bに示された突出部232は、この場合も、そうでなければ
図5A~5Cに示され上で説明されたものと同じ又は同様のやり方で形成されてもよい。突出部232を形成するために、レーザービーム284は、接触表面282に対して略垂直な向きで角度が付いていてもよい。同様に、対応する溶接継手236を形成する際に使用されるレーザービーム266は、接触表面282に実質的に垂直であり得る。
【0044】
ビーム210の第2筒状部分216のシームを溶接する前に、1つ又は複数の成形ロールは、
図13Cに示されるとおり、縁部分276aを後角部286を中心として曲げかつ回転させるとともに、外側縁276aを陥凹領域260における接触表面282の突出部232のラインと接触した状態に置くために、金属薄板212の外側セクション276をさらに成形し得る。陥凹領域260は、ビーム210の後壁部224、226が互いに対して略平面的な整列で配置されることを可能にする。金属薄板212の縁部分276aに対する突出部232の接触のラインは、溶接から生じた酸化亜鉛煙がビーム210のそれぞれの筒状部分216の内部を出るための排気開口を作り出す突出部232間の長手方向間隔を提供する。突出部232により作り出された薄板の平面的な部分間の分離はおよそ50ミクロン~300ミクロンである。突出部232は、したがって、筒状形状のビーム210に連続的にロール成形された亜鉛めっき薄板を連続的にレーザー溶接するよう構成された排気シームを形成する。排気開口は、加圧された気体、例えば、酸化亜鉛ガスで形成し得るガス開口もポケットも無い一貫性のある溶接部を有するために、さもなければチューブの囲まれた領域において捕捉される煙が自由に出ることを可能にする。
【0045】
外側部分276aが接触表面282の近くにある又は接触表面282と係合した状態にあることで、金属薄板212は、レーザービーム266での溶接のための断面の形状を保持するために外部マンドレルを使用し得る溶接ステーションに入ることができる。しかしそうではない場合、ビーム212の周りにかけられる外部マンドレル力により影響を受けない重ね継手での溶接継手の位置に起因して、内部マンドレルは無い。
図13Cに示されるとおり、レーザー溶接された重ね継手238は、縁部分の平面を後壁部224の平面から分離する厚さを含む。溶接継手238の厚さは、重ね継手を溶接するとき、酸化亜鉛煙250が、突出部232により形成された排気開口を通じてビームのそれぞれの筒状部分216の内部を出るように、後壁部224の平面(及び/又は縁部分)から突出する突出部232により形成される。したがって、第2筒状部分216を成形するために、成形ロールは残りのセクション276を、例えば、第1筒状部分214を成形した成形ロールから反対側の回転方向に薄板の幅の「半分」をわずかに下回る分だけ、変形させ得る。
【0046】
ビーム210は、0.8mm~1.4mm又はおよそ1mm~1.5mmの厚さを有する鋼材料の薄板212から作られる。また、薄板212は、約800~2000Mpa(すなわち、約120~290ksi)の引張強度を有し得る。しかしながら、本発明のビームはAHSS(先進高強度鋼)を含む異なる材料で作ることができること、並びにこの本発明のビームは約0.8mm~3.0mmの厚さ(又は例えば、0.8mm~1.4mmの厚さ)を有する薄板から作ることができ、異なるビーム断面サイズ、例えば約80mm~150mmの高さ、及び30mm~60mmの奥行で作ることができ、望まれる用途のために大きさが可変の長さを有することが想定される。
【0047】
ここで
図14~17Cを参照すると、ビーム310の共通の中央壁部318を共有する2つの隣接する筒状部分314、316を有する亜鉛めっき多筒状ビーム310の追加的な例が示されている。
図2に示されたビーム10と異なり、溶接継手336、338は両方とも重ね継手として形成されている。
図14に示されたビーム310のレーザー溶接された重ね継手336、338は、
図2に示されたビーム10の溶接継手38で示されたものと同様に、ビーム310のそれぞれの前壁部320、322及び後壁部324、326が互いに対して略平面的な整列で配置されることを可能にするために陥凹領域に形成される。
【0048】
図14及び15に示された成形されたビーム310は、例えばバンパーレインフォースメントビームとしての利用のために、
図2に示されたビーム10と同様に方向付けられるようにその長手方向軸を中心として回転させられ得る。それにより、ビーム310のそれぞれの壁は、前壁部320、322、後壁部324、326、上壁部328、及び下壁部330と呼ばれ得る。隣接する筒状部分314、316の前壁部320、322は、バンパーレインフォースメントビームとして使用される場合にビームの外向き又は衝撃表面を形成するために、互いに実質的に整列している。同様に、後壁部324、326は互いに略整列しているとともに前壁部320、322と実質的に平行である。さらに、上及び下壁部328、330は互いに且つ中央壁部318と実質的に平行であるとともに、前及び後壁部320、322、324、326と略垂直である。ビーム310の追加的な例は、
図14及び15に示されたものから様々な向きをとることができ、例えばビームの異なる使用及び用途のための代替的断面形状及び寸法比率を含み得ることが理解される。
【0049】
ここで
図16Aを参照すると、亜鉛めっき薄板ストック312は、図示の例などの断面形状を成形するために一連のロール金型を通じてロール成形され得る。この断面形状は、第1筒状部分314(
図14)を囲むために溶接されるシームを閉じる前に達成される。この図示された例において、シームで形成された突出部332(
図16B)は、ロール成形ラインのいくつかのロール成形金型を通過した後で、ロール成形機でインラインで形成される。突出部332を形成する前にビーム310の中間断面形状を達成するために薄板ストック312をロール成形することにより、突出部はこのとき、溶接部シームで用いられる前にロール成形金型を通過することにより損傷を受ける又は扁平になるリスク無しに形成され得る。具体的には、
図16Aに示されるとおり、ビーム310の第1筒状部分314を成形するために使用される薄板312の外側縁部分372aは、突出部332(
図16B)を形成するためにレーザービーム334が薄板312の接触表面374に直線的にアクセスすることを可能にするために、薄板の望ましい接触表面374から下向きに間をあけて配される。
【0050】
図16Aにおいてさらに示されるとおり、突出部332が形成された後、筒状部分314の前角部388は薄板上の単一の関節点として使用され得る。薄板は、
図16Cに示されるとおり、薄板の縁部分372aを、接触表面374で形成された突出部332と当接係合するように上に回転させるために、前角部388を中心として曲げられ得る。したがって、
図16Aに示されるとおり、第1筒状部分314の形状を閉じるとともに完成させるために前角部388で最終的な追加的屈曲のみが必要とされるように、断面形状は、突出部332を形成する前に金属薄板の外側セクション372において作られた第1筒状部分314の本質的に全ての望ましい形状及び構造を有するように成形され得る。追加的又は代替的関節点がビームの、
図16A~16Cで示されたものとは別の例、例えば代替的断面形状又はロール成形順序を備えたビームで用いられてもよいこともまた想定される。
【0051】
突出部332は、薄板312の、溶接継手を有するのに望ましい部分と一致する表面、例えば
図16Bに示された、成形された金属薄板312の接触表面374に形成され得る。レーザー溶接された重ね継手336を形成するのに使用される接触表面374は、中央壁部318に隣接する第2筒状部分316の角部で前壁部322に沿って成形された陥凹領域390に配置される。突出部332は、金属薄板が、ロール成形金型間で、ロール成形機上でインラインで配置されたレーザーヘッドステーションを連続的に通過するときに形成され得る。突出部332を形成するために、レーザービーム334は、接触表面374に対して略垂直の向きに角度が付いていてもよい。ロール成形機でインラインで形成された突出部332は、薄板312の長手方向延在部に沿って略一貫性のある隔たりで直線的に配置され得るとともに、そうでなければ
図5A~5Cに示されるとともに上で説明されたものと同じ又は同様のやり方で形成され得る。
【0052】
ビーム310の第1筒状部分314のシームを溶接する前に、1つ又は複数の成形ロールは、縁部分372aを前角部388を中心として曲げかつ回転させるとともに、
図16Cに示されるとおり、外側縁372aを接触表面374の突出部332のラインとした状態に置くために、金属薄板312の外側セクション372をさらに成形し得る。金属薄板312の縁部分372aに対する突出部332の接触のラインは、溶接から生じた酸化亜鉛煙350がビーム310のそれぞれの筒状部分314の内部を出るための排気開口を作り出す突出部332間の長手方向間隔を提供する(
図16C)。突出部332により作り出された薄板の平面的な部分間の分離はおよそ50ミクロン~300ミクロンである。
【0053】
外側部分372aが接触表面374の近くにある又は接触表面374と係合した状態にあることで、金属薄板312は溶接のための断面の形状を保持するために外部マンドレルを使用し得る溶接ステーションに入ることができる。しかしそうではない場合、第1筒状部分314の断面形状に起因して、内部マンドレルは無い。
図16Cに示されるとおり、溶接継手336は、ビーム310の長さに沿って連続的に取り付けられるとともに閉じられるシームを提供するために、排気シームに沿ってレーザー溶接を介して形成される。排気開口を形成する突出部332に起因して、溶接継手336は、例えばおよそ50ミクロン~300ミクロンの厚さを有し得る。このことは外側セクション372の縁部分372aの平面を接触表面374の平面からわずかに分離する。溶接継手336を溶接するとき、突出部332間の長手方向間隔は、溶接ステーションからロール成形機における上流で溶接から生じた酸化亜鉛煙350がビーム310の筒状部分314の内部を出るための排気開口を提供する。
図16Cで示されたとおり、溶接継手336を形成するために溶接ステーションにより生じたレーザービーム352は、中央壁部318の向きにおよそ垂直に位置付けられる。レーザービーム352のこの実質的に垂直な向きは、
図7Gに示されるとおり例えばおよそ1mm~2mmの比較的狭い熱影響部を備えた溶接継手336をさらに形成する。
【0054】
溶接継手336の形成後、薄板312はステーションにおける成形ロールの第2シリーズ内へと続く。ステーションにおける成形ロールの第2シリーズは、薄板312の他方の外側セクション376をビーム310の第2筒状部分316の形状を目指して連続的に曲げる。
図17Aに示されるとおり、断面形状はこの場合もビーム310の筒状部分のシームの近くに、しかしビーム310の筒状部分のシームを閉じる前に成形される。
図17A及び17Bに示された中間断面形状で、突出部332はこの場合も、突出部に損害を与える又は突出部を扁平化するリスクを低下させるためにロール成形機でインラインでシームに形成される。具体的には、
図17Aに示されるとおり、ビーム310の第2筒状部分316を成形するために使用される薄板312の外側縁部分376aは、突出部332を形成するためにレーザービーム384が薄板312の接触表面382に直線的にアクセスすることを可能にするように、薄板の望ましい接触表面382から上向きに間をあけて配される。
図14~17Cに示された例は、接触表面382であって。中央壁部318に隣接する第1筒状部分314の角部で後壁部24に沿って成形された陥凹領域360でレーザー溶接された重ね継手338を形成するために使用される接触表面382を示す。
【0055】
図17Aにさらに示されるとおり、筒状部分316の、溶接継手336から対向する側にある第2筒状部分316の後角部386が薄板上の単一の関節点として使用されてもよい。薄板は、薄板の縁部分376aを、
図17Cに示されるとおり接触表面382で形成された突出部332と当接係合するよう下向きに回転させるために後角部386を中心として曲げられ得る。したがって、
図17Aに示されるとおり、第2筒状部分316の形状を閉じるとともに完成させるために後角部386で最終的な追加的屈曲のみが必要とされるように、断面形状は、接触表面382に突出部332を形成する前に金属薄板の外側セクション376において作られた第2筒状部分316の本質的に全ての望ましい形状及び構造を有するように成形され得る。追加的又は代替的関節点がビームの、
図17A~17Cに示されたものとは別の例、例えば、代替的断面形状又はロール成形順序を備えたビームで用いられてもよいこともまた想定される。
【0056】
図17Bに示されるとおり、突出部332は、金属薄板が、ロール成形金型間で、ロール成形機上でインラインで配置されたレーザーヘッドステーションを連続的に通過するときに形成され得る。
図17Bに示された突出部332は、この場合もそうでなければ
図5A~5C及び上で説明されたものと同じ又は同様のやり方で形成され得る。突出部332を形成するために、レーザービーム384は接触表面382に対して略垂直の向きで角度が付いていてもよい。同様に、対応する溶接継手336を形成するときに使用されるレーザービーム366は接触表面382に実質的に垂直であり得る。
【0057】
ビーム310の第2筒状部分316のシームを溶接する前に、1つ又は複数の成形ロールは、
図17Cに示されるとおり、縁部分376aを後角部386を中心として曲げかつ回転させるとともに、外側縁376aを陥凹領域360における接触表面382の突出部332のラインと接触した状態に置くために、金属薄板312の外側セクション376をさらに成形し得る。陥凹領域360は、ビーム310の後壁部324、326が互いに対して略平面的な整列で配置されることを可能にする。金属薄板312の縁部分376aに対する突出部332の接触のラインは、溶接から生じた酸化亜鉛煙がビーム310のそれぞれの筒状部分316の内部を出るための排気開口を作り出す突出部332間の長手方向間隔を提供する。突出部332により作り出された薄板の平面的な部分間の分離はおよそ50ミクロン~300ミクロンである。突出部332は、したがって、筒状形状のビーム310に連続的にロール成形された亜鉛めっき薄板を連続的にレーザー溶接するよう構成された排気シームを形成する。排気開口は、加圧された気体、例えば、酸化亜鉛ガスで形成し得るガス開口もポケットも無い一貫性のある溶接部を有するために、さもなければチューブの囲まれた領域において捕捉される煙が自由に出ることを可能にする。
【0058】
外側部分376aが接触表面382の近くにある又は接触表面382と係合した状態にあることで、金属薄板312は、レーザービーム366での溶接のための断面の形状を保持するために外部マンドレルを使用し得る溶接ステーションに入ることができる。しかしそうではない場合、ビーム312の周りにかけられた外部マンドレル力により影響を受けない重ね継手での溶接継手の位置に起因して、内部マンドレルは無い。
図17Cに示されるとおり、レーザー溶接された重ね継手338は、縁部分の平面を後壁部324の平面から分離する厚さを含む。溶接継手338の厚さは、重ね継手を溶接するとき、酸化亜鉛煙350が、突出部332により形成された排気開口を通じてビームのそれぞれの筒状部分316の内部を出るように、後壁部324の平面(及び/又は縁部分)から突出する突出部332により形成される。したがって、第2筒状部分316を成形するために、成形ロールは残りのセクション376を、例えば、第1筒状部分314を形成した成形ロールから反対側の回転方向に薄板の幅の「半分」をわずかに下回る分だけ、変形させ得る。
【0059】
ビーム310は、0.8mm~1.4mm又はおよそ1mm~1.5mmの厚さを有する鋼材料の薄板312から成形される。また、薄板312は、約800~2000Mpa(すなわち、約120~290ksi)の引張強度を有し得る。しかしながら、本発明のビームはAHSS(先進高強度鋼)を含む異なる材料で作ることができること、並びにこの本発明のビームは約0.8mm~3.0mmの厚さ(又は例えば、0.8mm~1.4mmの厚さ)を有する薄板から作ることができ、異なるビーム断面サイズ、例えば約80mm~150mmの高さ、及び30mm~60mmの奥行で作ることができ、望まれる用途のために大きさが可変の長さを有することが想定される。
【0060】
図18~19Bをここで参照すると、ビーム410の共通の中央壁部418を共有する2つの隣接する筒状部分414、416を有する亜鉛めっき多筒状ビーム410の追加的な例が示されている。ビーム410は、ビーム410の後壁部424、426が互いに対して略平面的な整列で配置されることを可能にするために、陥凹領域において形成されたレーザー溶接された重ね継手436を有する。ビーム410はまた、第2筒状部分416を囲むために中央壁部418と前壁部422との間のシームにおいて形成された溶接継手438を有する。
【0061】
図18に示された成形されたビーム410は、例えばバンパーレインフォースメントビームとして使用されるために、
図2に示されたビーム10と同様に方向付けられるようにその長手方向軸を中心として回転させられ得る。それによりビーム410のそれぞれの壁は、前壁部420、422、後壁部424、426、上壁部428、及び下壁部430と呼ばれ得る。隣接する筒状部分414、416の前壁部420、422は、バンパーレインフォースメントビームとして使用される場合にビームの外向き又は衝撃表面を形成するために互いに実質的に整列している。同様に、後壁部424、426は互いに略整列しているとともに前壁部420、422と実質的に平行である。さらに、上及び下壁部428、430は互いに且つ中央壁部318と実質的に平行であるとともに、前及び後壁部420、422、424、426と略垂直である。ビーム410の追加的な例は
図18に示されたものから様々な向きをとることができ、例えばビームの異なる使用及び用途のための代替的断面形状及び寸法比率を含み得ることが理解される。
【0062】
ここで
図19Aを参照すると、亜鉛めっき薄板ストック412は、第1筒状部分414(
図18)を囲むために溶接されるシームを閉じる前に達成される、実線で示されるとおり断面形状を成形するように一連のロール金型を通じてロール成形され得る。この図示された例において、シームで形成された突出部432は、ロール成形ラインのいくつかのロール成形金型を通過した後でロール成形機でインラインで形成される。突出部432を形成する前にビーム410の中間断面形状を達成するために薄板ストック412をロール成形することにより、突出部はこのとき、溶接部シームで用いられる前にロール成形金型を通過することにより損傷を受ける又は扁平になるリスク無しに形成され得る。具体的には、
図19Aに示されるとおり、ビーム410の第1筒状部分414を成形するために使用される薄板412の外側縁部分472aは、レーザービーム434が突出部432を形成するために薄板412の接触表面474に直線的にアクセスすることを可能にするように、薄板の望ましい接触表面474から上向きに間をあけて配される。
【0063】
図19Aにおいてさらに示されるとおり、筒状部分414の後角部488は、突出部432が形成された後で薄板上の単一の関節点として使用されてもよい。破線で示されるとおり、薄板は、薄板の縁部分472aを接触表面474で突出部432と当接係合するように下向きに回転させるために後角部488を中心として曲げられ得る。したがって、第1筒状部分414の形状を閉じるとともに完成させるために後角部488で最終的な追加的屈曲のみが必要とされるように、断面形状は、突出部432を形成する前に金属薄板の外側セクション472において作られる第1筒状部分414の本質的に全ての望ましい形状及び構造を有するように成形され得る。
【0064】
突出部432は、薄板412の、溶接継手を有するのが望ましい部分と一致する表面で、例えば
図19Aに示された、成形された金属薄板412の接触表面474で形成され得る。レーザー溶接された重ね継手436を形成するのに使用される接触表面474は、中央壁部418に隣接する第2筒状部分416の角部で後壁部426に沿って成形された陥凹領域に配置される。突出部432は、金属薄板が、ロール成形金型間で、ロール成形機上でインラインで配置されたレーザーヘッドステーションを連続的に通過するときに形成され得る。突出部432を形成するために、レーザービーム434は、接触表面474に対して略垂直の向きに角度が付いていてもよい。ロール成形機でインラインで形成された突出部432は、薄板412の長手方向延在部に沿って略一貫性のある隔たりで直線的に配置され得るとともに、そうでなければ
図5A~5Cに示されるとともに上で説明されたものと同じ又は同様のやり方で形成され得る。
【0065】
ビーム410の第1筒状部分414のシームを溶接する前に、1つ又は複数の成形ロールは、破線で
図19Aに示されるとおり、縁部分472aを後角部488を中心として曲げかつ回転させるとともに、外側縁472aを接触表面474の突出部432のラインと接触した状態に置くために、金属薄板412の外側セクション472をさらに成形し得る。金属薄板412の縁部分472aに対する突出部432の接触のラインは、溶接から生じた酸化亜鉛煙がビーム410のそれぞれの筒状部分414の内部を出るための排気開口を作り出す突出部432間の長手方向間隔を提供する。
【0066】
外側部分472aが接触表面474の近くにある又は接触表面474と係合した状態にあることで、金属薄板412は、溶接のための断面の形状を保持するために外部マンドレルを使用し得る溶接ステーションに入ることができる。しかしそうではない場合、第1筒状部分414の断面形状に起因して、内部マンドレルは無い。
図19Aに破線で示されるとおり、溶接継手436は、ビーム410の長さに沿って連続的に取り付けられるとともに閉じられるシームを提供するために、排気シームに沿ったレーザービーム452で、レーザー溶接を介して形成される。溶接時、レーザービーム452は、突出部432を形成するために使用されるレーザービーム434に対して同じ又は同様の向きで配置され得る。排気開口を形成する突出部432に起因して、溶接継手436は例えばおよそ50ミクロン~300ミクロンの厚さを有することができ、外側セクション472の縁部分472aの平面を接触表面474の平面からわずかに分離する。レーザービーム452の実質的に垂直の向きは、
図7Gに示されるとおり例えばおよそ1mm~2mmの比較的狭い熱影響部を備えた溶接継手436をさらに形成する。
【0067】
図19Bを参照すると、溶接継手436の形成後、薄板412はステーションにおける成形ロールの第2シリーズ内へと続く。ステーションにおける成形ロールの第2シリーズは、薄板312(
図19A)の他方の外側セクション476をビーム410の第2筒状部分416の形状を目指してさらに連続的に曲げる。断面形状はビーム410の筒状部分416のシームの近くに、しかしビーム410の筒状部分416のシームを閉じる前に成形され得る。
図19Bに実線で示される中間断面形状で、突出部432は外側縁部分476aの、成形された先端領域に形成され得る。それにより、突出部に損害を与える又は突出部を扁平化するリスクを低下させるために、縁部分476aの形状が成形された後で突出部432が形成される。具体的には、
図19Bに示されるとおり、ビーム410の第2筒状部分416を成形するために使用される薄板412の外側縁部分476aは、レーザービーム484が、突出部432を形成するために薄板412の外側縁部分476aの先端領域の表面に直線的に及び略垂直に接触することを可能にするように、薄板の望ましい接触表面482から下向きに間をあけて配される。代替的に、突出部は、結果としての溶接継手の対向する接触表面の中央壁部のより低い領域に形成されてもよいことが想定される。
【0068】
図19Bにおいてさらに示されるとおり、第2筒状部分416の後角部486が薄板上の単一の関節点として使用されてもよい。薄板は、薄板の成形された縁部分476aを、
図19Bに破線で示されるとおり、接触表面482に形成された突出部432との当接係合へと下に回転させるように後角部486を中心として曲げられ得る。したがって、第2筒状部分416の形状を閉じるとともに完成させるために後角部486で最終的な追加的屈曲のみが必要となるように、断面形状は、突出部432を形成する前に金属薄板の外側セクション476において作られる第2筒状部分416の本質的に全ての望ましい形状及び構造を有するように成形され得る。追加的又は代替的関節点がビームの、
図19A及び19Bで示されたのとは別の例、例えば代替的断面形状又はロール成形順序を備えたビームで用いられてもよいこともまた想定される。
【0069】
図19Bに示されるとおり、突出部432は、金属薄板が、ロール成形金型間で、ロール成形機上でインラインで配置されるレーザーヘッドステーションを連続的に通過するときに形成され得る。
図19Bに示された突出部432はこの場合も、そうでなければ
図5A~5Cにおいて示されているものと同じ又は同様のやり方で形成され得る。ビーム410の第2筒状部分416のシームの溶接前に、1つ又は複数の成形ロールは、
図19Bに破線で示されるとおり、後角部486を中心として曲げかつ回転させるとともに、外側縁476aを中央壁部418に配置された接触表面482と接触した状態に置くために金属薄板412の外側セクション476をさらに成形し得る。この場合も、中央壁部418に対する金属薄板412の縁部分476aでの突出部432の接触のラインは、例えばレーザービーム466などによる、シーム438の溶接から生じた酸化亜鉛煙がそれぞれのビーム410の筒状部分416の内部を出るための排気開口を作り出す突出部432間の長手方向間隔を提供する。排気開口は、加圧された気体、例えば、酸化亜鉛ガスで形成し得るガス開口もポケットも無い一貫性のある溶接部を有するために、さもなければチューブの囲まれた領域において捕捉される煙が自由に出ることを可能にする。
【0070】
ビーム410は、0.8mm~1.4mm又はおよそ1mm~1.5mmの厚さを有する鋼材料の薄板412から作られ得る。また、薄板412は、約800~2000Mpa(すなわち、約120~290ksi)の引張強度を有し得る。しかしながら、本発明のビームは、AHSS(先進高強度鋼)を含む異なる材料で作ることができること、並びにこの本発明のビームは0.8mm~3.0mmの厚さ(又は例えば、0.8mm~1.4mmの厚さ)を有する薄板から作ることができ、異なるビーム断面サイズ、例えば、約80mm~150mmの高さ、及び30mm~60mmの奥行で作ることができ、望まれる用途のために大きさが可変の長さを有することができることが想定される。
【0071】
図20及び20Aを参照すると、ビーム510の共通の中央壁部518を共有する2つの隣接する筒状部分514、516を有する亜鉛めっき多筒状ビーム510の別の例が示されている。ビーム510は、筒状部分514、516を囲むために中央壁部518と前壁部520、522と後壁部524、526との間のシームにおいて形成されたレーザー溶接された割れ目継手537を有する。溶接継手537は、前及び後壁部520、522、524、526の向きに略垂直なそれぞれの割れ目シーム内へレーザーを向けることによりレーザービーム566により排気シームに沿ってレーザー溶接を介して形成される。また、溶接から生じた酸化亜鉛煙が、溶接ステーションからロール成形機における上流でビーム510の筒状部分の内部を出るための排気開口を形成するために、突出部が割れ目シームにおいて提供され得る。
【0072】
この開示の目的上、「上」、「下」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」という用語及びその派生語は
図1に示された向きに関連する。しかしながら、明確にそうではないと特定される場合を除き、様々な代替的な向きも提供され得ることを理解されたい。添付の図面において示されるとともにこの明細書において説明された特定のデバイス及びプロセスは、添付のクレームにおいて定義された発明性のあるコンセプトの例示的実施形態に過ぎないことも理解されるべきである。したがって、本明細書において開示された実施形態に関連する特定の寸法及び他の物理的特徴は、クレームが明確にそうではないと述べない限り限定とみなされるものではない。
【0073】
具体的に説明された実施形態の変更形態及び修正形態は、本発明の原理から逸脱すること無しに実施され得る。本発明は特許法の原理により解釈される添付のクレームの範囲によってのみ限定されることを意図されている。本開示は例示的なやり方で説明されており、使用されている用語法は、限定の言葉よりもむしろ説明の言葉の性質を帯びていることを理解されたい。本開示の多くの修正形態及び変更形態が上記の教示に照らして可能であり、本開示は具体的に説明されたもの以外の方法でも実施され得る。