IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドトロニック,インコーポレイテッドの特許一覧

特許7553472機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化
<>
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図1
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図2
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図3
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図4
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図5
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図6
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図7
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図8
  • 特許-機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】機械学習に基づく脱分極の識別および不整脈の位置特定の可視化
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/349 20210101AFI20240910BHJP
   A61B 5/339 20210101ALI20240910BHJP
   A61B 5/361 20210101ALI20240910BHJP
   A61B 5/363 20210101ALI20240910BHJP
   A61B 5/364 20210101ALI20240910BHJP
【FI】
A61B5/349
A61B5/339
A61B5/361
A61B5/363
A61B5/364
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021564708
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 US2020027954
(87)【国際公開番号】W WO2020226852
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】62/843,786
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/845,996
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ハダド,タレク・ディー
(72)【発明者】
【氏名】チャクラバーシー,ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】マスグローブ,ドナルド・アール
(72)【発明者】
【氏名】ラトケ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ワーマン,エデュアルド・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】カトラ,ロドルフェ
(72)【発明者】
【氏名】ペダルティ,リンゼイ・エイ
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/072250(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/162901(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2019/0130554(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0231947(US,A1)
【文献】特表2018-503885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0274624(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0328251(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/01
A61B 5/05 - 5/0538
A61B 5/24 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスシステムであって、
医療デバイスであって、
複数の電極を介して患者の心臓電位図を感知することと、
エピソードのエピソードデータを記憶することであって、前記エピソードが、ある期間に関連付けられ、前記エピソードデータが、前記期間中に前記医療デバイスによって感知された前記心臓電位図を含む、記憶することと、を行うように構成された、医療デバイスと、
処理回路であって、
前記エピソードデータを受信することと、
1つ以上の機械学習モデルを前記エピソードデータに適用することであって、前記1つ以上の機械学習モデルが、複数の不整脈タイプ分類の各々についてそれぞれの尤度値を出力するように構成され、前記尤度値の各々が、前記それぞれの不整脈タイプ分類が前記期間中の任意の時点において発生した尤度を表す、適用することと、
前記エピソードデータへの前記1つ以上の機械学習モデルの前記適用に基づいて、前記不整脈タイプ分類の各々について、前記期間にわたる前記それぞれの不整脈タイプ分類の様々な尤度を示すクラス活性化(class activation)データを導出することと、
前記期間にわたる前記不整脈タイプ分類の前記様々な尤度のグラフをユーザに表示することと、を行うように構成された、処理回路と、を備え、
前記1つ以上の機械学習モデルが、1つ以上の不整脈分類機械学習モデルを含み、前記
1つ以上の不整脈分類機械学習モデルが、前記複数の不整脈タイプ分類の各々について、不整脈タイプ尤度値のそれぞれのセットを出力するように構成され、前記セットの前記不整脈タイプ尤度値の各々が、前記それぞれの不整脈タイプ分類が前記期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表し、
前記処理回路は、
1つ以上の脱分極検出機械学習モデルを前記エピソードデータに適用することであって、前記1つ以上の脱分極検出機械学習モデルが、脱分極尤度値のセットを出力するように構成され、前記セットの前記脱分極尤度値の各々が、脱分極が前記期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す、適用することと、
前記不整脈タイプ尤度値および前記脱分極尤度値に基づいて、前記エピソード中に1つ以上の脱分極を識別することと、を行うように構成された、医療デバイスシステム。
【請求項2】
前記処理回路が、前記心臓電位図と併せて前記グラフを表示するように構成された、請求項1に記載の医療デバイスシステム。
【請求項3】
前記処理回路が、少なくとも1つの不整脈タイプ分類についての前記グラフ上の他の時間に対して、前記不整脈タイプ分類のうちの前記少なくとも1つについてのより高い尤度の少なくとも1つの時間を前記グラフ上に示すように構成された、請求項1または2に記載の医療デバイスシステム。
【請求項4】
前記処理回路が、
前記1つ以上の機械学習モデルの前記出力に基づいて、前記少なくとも1つの不整脈タイプ分類が前記期間中の任意の時点において発生したことを示すことと、
前記少なくとも1つの不整脈タイプ分類が前記期間中の任意の時点において発生したことを示すことに応答して、前記少なくとも1つの不整脈タイプ分類についてのより高い尤度の少なくとも1つの時間を前記グラフ上に示すことと、を行うように構成された、請求項3に記載の医療デバイスシステム。
【請求項5】
前記複数の不整脈タイプ分類が、複数の徐脈(bradycardia)、休止、心室性頻脈、心室
細動、上室性頻脈、心房細動、心房性フラッター(flutter)、洞性(sinus)頻脈、心室性期外収縮、心房性期外収縮、広範囲の複雑な頻脈、および房室ブロックを含む、請求項1~4のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の機械学習モデルの各々が、複数の層を含み、前記クラス活性化データを導出することが、前記複数の層のうちの中間層の出力から前記クラス活性化データを導出することを含む、請求項1~5のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項7】
前記中間層が、グローバル平均プーリング層(global average pooling layer)を含む、請求項6に記載の医療デバイスシステム。
【請求項8】
前記1つ以上の不整脈分類機械学習モデルの各々が、複数の層を含み、前記処理回路が、前記不整脈タイプ尤度値のセットを、前記複数の層のうちの中間層の出力から導出するように構成された、請求項1~7のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項9】
前記不整脈タイプ尤度値および前記脱分極尤度値に基づいて前記1つ以上の脱分極を識別するために、前記処理回路が、前記1つ以上の脱分極検出機械学習モデルを前記エピソードデータおよび前記不整脈タイプ尤度値に適用するように構成された、請求項1~8のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項10】
前記不整脈タイプ尤度値および前記脱分極尤度値に基づいて前記1つ以上の脱分極を識別するために、前記処理回路が、
前記不整脈タイプ尤度値のうちの1つ以上に基づいて前記脱分極尤度値のうちの1つ以上を変更すること、または
前記不整脈タイプ尤度値のうちの1つ以上に基づいて脱分極尤度閾値を変更すること、のうちの少なくとも1つを行うように構成された、請求項1~9のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項11】
前記処理回路が、前記不整脈タイプ尤度値に基づいて、複数の脱分極タイプのうちの1つとして、前記1つ以上の識別された脱分極の各々にラベル付けするように構成され、前記複数の脱分極タイプが、複数の正常、心室性期外収縮、心房性期外収縮、ノイズ、またはアーチファクトを含む、請求項1~10のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項12】
前記処理回路が、コンピューティングデバイスの処理回路を含む、請求項1~11のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項13】
前記医療デバイスが移植可能である、請求項1~12のいずれかに記載の医療デバイスシステム。
【請求項14】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、コンピューティングシステムの処理回路によって実行されたとき、前記コンピューティングシステムに、
患者の医療デバイスによって記憶されたエピソードのエピソードデータを受信することであって、前記エピソードが、ある期間に関連付けられ、前記エピソードデータが、前記期間中に前記医療デバイスによって感知された心臓電位図を含む、受信することと、
1つ以上の機械学習モデルを前記エピソードデータに適用することであって、前記1つ以上の機械学習モデルが、複数の不整脈タイプ分類の各々についてそれぞれの尤度値を出力するように構成され、前記尤度値の各々が、前記それぞれの不整脈タイプ分類が前記期間中の任意の時点において発生した尤度を表す、適用することと、
前記エピソードデータへの前記1つ以上の機械学習モデルの前記適用に基づいて、前記不整脈タイプ分類の各々について、前記期間にわたる前記それぞれの不整脈タイプ分類の様々な尤度を示すクラス活性化データを導出することと、
前記期間にわたる前記不整脈タイプ分類の前記様々な尤度のグラフを表示することと、を行わせ、
前記1つ以上の機械学習モデルが、1つ以上の不整脈分類機械学習モデルを含み、前記
1つ以上の不整脈分類機械学習モデルが、前記複数の不整脈タイプ分類の各々について、不整脈タイプ尤度値のそれぞれのセットを出力するように構成され、前記セットの前記不整脈タイプ尤度値の各々が、前記それぞれの不整脈タイプ分類が前記期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表し、
前記命令は、さらに前記コンピューティングシステムに、
1つ以上の脱分極検出機械学習モデルを前記エピソードデータに適用することであって、前記1つ以上の脱分極検出機械学習モデルが、脱分極尤度値のセットを出力するように構成され、前記セットの前記脱分極尤度値の各々が、脱分極が前記期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す、適用することと、
前記不整脈タイプ尤度値および前記脱分極尤度値に基づいて、前記エピソード中に1つ以上の脱分極を識別することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医療デバイス、より具体的には、医療デバイスによって感知された信号の分析に関する。
【背景技術】
【0002】
医療デバイスは、患者の生理学的信号を監視するために使用することができる。例えば、いくつかの医療デバイスは、電極を介して心臓の電気的活動を示す心臓電位図(EGM)信号、例えば心電図(ECG)信号を感知するように構成される。一部の医療デバイスは、心臓EGMと、場合によっては追加のセンサからのデータとに基づいて、エピソードと呼ばれることが多い心不整脈の発生を検出するように構成される。不整脈のタイプの例には、収縮不全、徐脈、心室性頻脈、上室性頻脈、広範囲の複雑な頻脈、心房細動、心房性フラッター、心室細動、房室ブロック、心室性期外収縮、および心房性期外収縮が含まれる。医療デバイスは、エピソードを含む期間中に収集された心臓EGMおよび他のデータをエピソードデータとして記憶することができる。医療デバイスはまた、例えば患者からの、ユーザ入力に応答して、ある期間のエピソードデータを記憶することができる。
【0003】
コンピューティングシステムは、医療デバイスからエピソードデータを取得して、臨床医または他のユーザがエピソードをレビューできるようにすることができる。臨床医は、エピソード内の心不整脈の識別された発生に基づいて、患者の病状を診断することができる。いくつかの例では、臨床医または他のレビューアは、エピソードデータをレビューして、医療デバイスによって検出された不整脈が実際に発生したかどうかの決定を含むエピソードに注釈を付けて、エピソードに優先順位を付け、患者のために医療デバイスを処方したかまたは他の方法で特定の患者のケアに責任がある臨床医によるさらなるレビューのためのレポートを生成することができる。
【発明の概要】
【0004】
一般に、本開示は、1つ以上の機械学習モデルを使用して、心臓EGMデータを含むエピソードデータを分類、注釈付け、報告するための技術を説明する。いくつかの例では、処理回路は、1つ以上の不整脈分類機械学習モデルをエピソードデータに適用する。1つ以上の機械学習モデルは、エピソード中の任意の時点においてそれぞれの不整脈タイプ分類が発生した尤度を表すそれぞれの尤度値を出力する。処理回路はまた、期間にわたる分類の様々な尤度を示す各不整脈タイプ分類のクラス活性化データを導出し、期間にわたる様々な尤度のグラフを表示することができる。経時的な尤度の表示されたグラフは、特に基礎となる心臓EGMと組み合わせて表示されたとき、エピソード中の不整脈検出の理由をユーザが理解するのに役立つ。
【0005】
いくつかの例では、処理回路は、1つ以上の脱分極検出機械学習モデルをエピソードデータに適用する。1つ以上の脱分極検出機械学習モデルは、エピソード中の様々な時間における脱分極の尤度を表す脱分極尤度値のセットを出力するように構成される。処理回路は、脱分極尤度値と不整脈タイプ分類尤度値の両方を使用して、エピソード中の脱分極を検出するその能力を強化することができる。
【0006】
一例では、本開示は、医療デバイスシステムの処理回路によって、患者の医療デバイスによって記憶されたエピソードのエピソードデータを受信することを含むコンピュータ実装方法を説明し、エピソードは、ある期間に関連付けられ、エピソードデータは、期間中に医療デバイスによって感知された心臓電位図を含む。この方法は、処理回路によって、1つ以上の機械学習モデルをエピソードデータに適用することをさらに含み、1つ以上の機械学習モデルは、複数の不整脈タイプ分類の各々についてそれぞれの尤度値を出力するように構成され、尤度値の各々は、それぞれの不整脈タイプ分類が期間中の任意の時点において発生した尤度を表す。この方法は、エピソードデータへの1つ以上の機械学習モデルの適用に基づいて、処理回路によって、不整脈タイプ分類の各々について、期間にわたる分類の様々な尤度を示すクラス活性化データを導出することをさらに含む。この方法は、処理回路によって、およびユーザに、期間にわたる不整脈タイプ分類の様々な尤度のグラフを表示することをさらに含む。
【0007】
別の例では、コンピュータ実装方法は、医療デバイスシステムの処理回路によって、患者の医療デバイスによって記憶されたエピソードのエピソードデータを受信することを含み、エピソードは、ある期間に関連付けられ、エピソードデータは、期間中に医療デバイスによって感知された心臓電位図を含む。この方法は、処理回路によって、1つ以上の不整脈分類機械学習モデルをエピソードデータに適用することをさらに含み、1つ以上の不整脈分類機械学習モデルは、複数の不整脈タイプ分類の各々について、不整脈タイプ尤度値のそれぞれのセットを出力するように構成され、セットの不整脈タイプ尤度値の各々は、それぞれの不整脈タイプ分類が期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す。この方法は、処理回路によって、1つ以上の脱分極検出機械学習モデルをエピソードデータに適用することをさらに含み、1つ以上の脱分極検出機械学習モデルは、脱分極尤度値のセットを出力するように構成され、セットの脱分極尤度値の各々は、脱分極が期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す。この方法は、処理回路によって、不整脈タイプ尤度値および脱分極尤度値に基づいて、エピソード中の1つ以上の脱分極を識別することをさらに含む。
【0008】
この要約は、本開示に記載されている主題の概要を提供することを目的としている。以下の添付の図面および説明の中で詳細に説明されている、装置および方法の排他的または包括的な説明を提供することを意図するものではない。1つ以上のさらなる詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の技法に従って、機械学習モデルを利用して心臓の脱分極および不整脈を検出するように構成された医療デバイスシステムの例を示す概念図。
図2図1の移植可能医療デバイス(IMD)の構成例を示すブロック図。
図3図1および図2のIMDの構成例を示す概念的な側面図。
図4図1のコンピューティングシステムの構成例を示す機能ブロック図。
図5】エピソード中の経時的な複数の不整脈分類の各々の尤度の可視化を提供するための動作例を示す流れ図。
図6】エピソード中の経時的な複数の不整脈分類の各々の尤度の可視化を含む、エピソードレビュー画面の例を示す図。
図7】エピソード中の経時的な複数の不整脈分類の各々の尤度の可視化を含む、別の例示的なエピソードレビュー画面を示す図。
図8】不整脈分類尤度と脱分極尤度の両方に基づいてエピソード中の脱分極を識別するための動作例を示す流れ図。
図9】不整脈分類尤度と脱分極尤度の両方に基づいてエピソード中の脱分極を識別するための例示的な技術を示す概念図。
【0010】
同様の参照文字は、図および説明全体で同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々なタイプの移植可能型および外部医療デバイスが、感知された心臓EGMと、場合によっては他の生理学的パラメータとに基づいて、不整脈エピソードを検出する。心臓EGMを非侵襲的に感知および監視するために使用できる外部デバイスには、パッチ、時計、ネックレスなど、患者の皮膚に接触するように構成された電極を備えたウェアラブルデバイスが含まれる。心臓EGMを感知するように構成されたウェアラブル生理学的モニタの一例は、Dublin,IrelandのMedtronic plcから入手可能なSEEQ(商標)モバイル心臓遠隔測定システムである。そのような外部デバイスは、通常の日常活動中の患者の比較的長期の監視を容易にし、収集されたデータ、例えば、検出された不整脈エピソードのエピソードデータを、Medtronic Carelink(商標)ネットワークなどの遠隔患者監視システムに定期的に送信し得る。
【0012】
移植可能医療デバイス(IMD)も、心臓EGMを感知および監視し、不整脈エピソードを検出する。心臓EGMを監視するIMDの例には、血管内または血管外リードに結合できるペースメーカーおよび移植可能除細動器、ならびに、リードレスであり得る、心臓内に移植するように構成されたハウジングを備えたペースメーカーが含まれる。治療を提供しない一部のIMD、例えば移植可能患者モニタは、心臓EGMを感知する。そのようなIMDの一例は、Medtronic plcから入手可能なReveal LINQ(商標)挿入可能心臓モニタ(ICM)であり、皮下に挿入することができる。そのようなIMDは、通常の日常活動中の患者の比較的長期の監視を容易にし、収集されたデータ、例えば、検出された不整脈エピソードのエピソードデータを、Medtronic Carelink(商標)ネットワークなどの遠隔患者監視システムに定期的に送信し得る。
【0013】
医療デバイスからエピソードデータをアップロードし、エピソードデータを様々なユーザに配布することにより、そのようなネットワークサービスは、集中型またはクリニックベースの不整脈エピソードのレビュー、注釈、およびレポートをサポートすることができる。エピソードデータは、医療デバイスがエピソード中に検出した1つ以上の不整脈の兆候を含み得る。エピソードデータはまた、医療デバイスが1つ以上の不整脈が発生したと判定した瞬間の前後の時間を含む期間中に医療デバイスによって収集されたデータを含み得る。エピソードデータは、その期間中のデジタル化された心臓EGM、その期間中のEGMから導出された心拍数または他のパラメータ、およびその期間中に医療デバイスによって収集された他の生理学的パラメータデータを含み得る。
【0014】
図1は、本開示の技法に従って、機械学習モデルを利用して心臓の脱分極および不整脈を検出するように構成された医療デバイスシステム2の例を示す概念図である。例示的な技術は、外部デバイス12と無線通信することができるIMD10とともに使用することができる。いくつかの例では、IMD10は、患者4の胸腔の外側に(例えば、図1に示される胸部の皮下に)移植される。IMD10は、患者4の心臓のレベルの近くまたはすぐ下の胸骨の近くに、例えば、少なくとも部分的に心臓のシルエット内に配置することができる。IMD10は、(図1には示されていない)複数の電極を含み、複数の電極を介して心臓EGMを感知するように構成される。いくつかの例では、IMD10は、LINQ(商標)ICMの形態をとる。エピソードデータを収集する医療デバイスがICMの形態をとる例の文脈で主に説明されているが、本開示の技術は、モニタ、ペースメーカー、または除細動器を含む、任意の1つ以上の移植可能型または外部医療デバイスを含むシステムに実装され得る。
【0015】
外部デバイス12は、IMD10との無線通信用に構成されたコンピューティングデバイスである。外部デバイス12は、ネットワーク25を介してコンピューティングシステム24と通信するように構成され得る。いくつかの例では、外部デバイス12は、ユーザインターフェースを提供し、ユーザがIMD10と対話することを可能にし得る。コンピューティングシステム24は、ユーザがネットワーク25を介してIMD10またはIMDから収集されたデータと対話することを可能にするように構成されたコンピューティングデバイスを含み得る。
【0016】
外部デバイス12は、IMD10からデータを検索するために使用され得、ネットワーク25を介してデータをコンピューティングシステム24に送信し得る。検索されたデータは、IMD10によって測定された生理学的パラメータの値、IMD10によって検出された不整脈または他の病気のエピソードの徴候、エピソードのために収集されたエピソードデータ、およびIMD10によって記録された他の生理学的信号を含み得る。エピソードデータは、例えば、IMD10がセグメント中に不整脈もしくは別の病気のエピソードが発生したと判定するために、または患者4もしくは別のユーザからのセグメントを記録するようにとの要求に応答して、IMD10によって記録されたEGMセグメントを含み得る。
【0017】
いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、1つ以上のハンドヘルドコンピューティングデバイス、コンピュータワークステーション、サーバ、または他のネットワーク化されたコンピューティングデバイスを含む。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、監視システム450を実装する、処理回路および記憶デバイスを含む1つ以上のデバイスを含み得る。コンピューティングシステム24、ネットワーク25、および監視システム450は、いくつかの例では、Medtronic Carelink(商標)ネットワークまたは他の患者監視システムによって実装され得る。
【0018】
ネットワーク25は、1つ以上の非エッジスイッチ、ルータ、ハブ、ゲートウェイ、ファイアウォール、侵入検知、および/または侵入防止デバイスなどのセキュリティデバイス、サーバ、コンピュータ端末、ラップトップ、プリンタ、データベース、携帯電話や携帯情報端末などのワイヤレスモバイルデバイス、ワイヤレスアクセスポイント、ブリッジ、ケーブルモデム、アプリケーションアクセラレータ、または他のネットワークデバイスなどの1つ以上のコンピューティングデバイス(図示せず)を含み得る。ネットワーク25は、サービスプロバイダによって管理される1つ以上のネットワークを含み得、したがって、インターネットなどの大規模なパブリックネットワークインフラストラクチャの一部を形成し得る。ネットワーク25は、コンピューティングデバイス24およびIMD10などのコンピューティングデバイスにインターネットへのアクセスを提供し得、コンピューティングデバイスが互いに通信することを可能にする通信フレームワークを提供し得る。いくつかの例では、ネットワーク25は、コンピューティングシステム24、IMD10、および/または外部デバイス12が互いに通信することを可能にするが、セキュリティ目的のためコンピューティングシステム24、IMD10、または外部デバイス12のうちの1つ以上をネットワーク25の外部のデバイスから分離する通信フレームワークを提供する、プライベートネットワークであり得る。いくつかの例では、コンピューティングシステム24、IMD10、および外部デバイス12の間の通信は暗号化される。
【0019】
例えば、コンピューティングシステム24の処理回路によって実装される監視システム450は、機械学習モデルをエピソードデータに適用して心臓の脱分極および不整脈を検出することを含む、本開示の技術を実装することができる。監視システム450は、不整脈および/またはユーザ入力の検出に応答してエピソードデータを記憶し得るIMD10を含む医療デバイスから、エピソードのエピソードデータを受信することができる。1つ以上の不整脈分類機械学習モデルの適用に基づいて、監視システム450は、いくつかの例では、エピソードデータを記憶した医療デバイスによって識別された不整脈を含む、1つ以上のタイプの1つ以上の不整脈がエピソード中に発生した尤度を判定することができる。
【0020】
監視システム450はまた、エピソードの期間にわたる様々な不整脈タイプ分類の尤度を示す活性化データを導出およびプロットし、1つ以上の脱分極検出機械学習モデルをエピソードデータに適用して、エピソード中の脱分極、例えば、R波またはQRS群の発生を識別する。監視システム450は、例えば、連携して、不整脈タイプ分類、不整脈タイプ分類尤度プロット、識別された脱分極の時間を示すマーカー、およびエピソードの心臓EGMのうちの1つ以上を表示することができ、これにより、ユーザが監視システム450によるエピソードデータ分類をレビューおよび理解することが容易になり得る。本技術は、監視システム450によって、したがってコンピューティングシステム24の処理回路によって実行されるものとして本明細書に記載されているが、本技術は、コンピューティングシステム24、外部デバイス12、またはIMD10など、医療デバイスシステムの任意の1つ以上のデバイスまたはシステムの処理回路によって実行され得る。機械学習モデルには、例として、ニューラルネットワーク、深層学習モデル、畳み込みニューラルネットワーク、または他のタイプの予測分析システムが含まれる場合がある。
【0021】
図2は、図1のIMD10の構成例を示すブロック図である。図2に示されるように、IMD10は、処理回路50、感知回路52、通信回路54、メモリ56、センサ58、スイッチング回路60、および電極16A、16B(以下、「電極16」)を含み、これらのうちの1つ以上はIMD10のハウジング上に配置される。いくつかの例では、メモリ56は、処理回路50によって実行されたとき、IMD10および処理回路50に、本明細書でIMD10および処理回路50に帰属する様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含む。メモリ56は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または任意の他のデジタル媒体など、任意の揮発性、不揮発性、磁気的、光学的、または電気的媒体を含んでもよい。
【0022】
処理回路50は、固定機能回路および/またはプログラム可能な処理回路を含み得る。処理回路50は、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または同等の個別またはアナログ論理回路のうちのいずれか1つ以上を含み得る。いくつかの例では、処理回路50は、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のコントローラ、1つ以上のDSP、1つ以上のASIC、または1つ以上のFPGAのいずれかの組み合わせなどの複数の構成要素、ならびに他の個別または集積論理回路を含み得る。本明細書の処理回路50に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらのいずれかの組み合わせとして具体化することができる。
【0023】
感知回路52は、処理回路50によって制御されるように、スイッチング回路60を介して電極16A、16Bに選択的に結合され得る。感知回路52は、図1の患者4の心臓の電気的活動を監視し、患者4の心臓EGMデータを生成するために、電極16A、16Bからの信号を監視することができる。いくつかの例では、処理回路50は、感知された心臓EGMの特徴を識別して、患者4の心不整脈のエピソードを検出することができる。処理回路50は、デジタル化された心臓EGMと、不整脈エピソードを検出するために使用されるEGMの特徴とを、検出された不整脈エピソードのエピソードデータとしてメモリ56に記憶することができる。いくつかの例では、処理回路50は、外部デバイス12からの命令に応答して(例えば、患者4が、不整脈の1つ以上の症状を経験し、外部デバイス12へのコマンドを入力して、監視センターまたは臨床医による分析のためにデータをアップロードするようにIMD10に命令したとき)、心臓EGMデータの1つ以上のセグメント、心臓EGMデータから導出された特徴、および他のエピソードデータを記憶する。
【0024】
いくつかの例では、処理回路50は、通信回路54を介して、患者4のエピソードデータを、図1の外部デバイス12などの外部デバイスに送信する。例えば、IMD10は、デジタル化された心臓EGMおよび他のエピソードデータを、図1の監視システム450による処理のためにネットワーク25に送信する。
【0025】
感知回路52および/または処理回路50は、心臓EGM振幅が感知閾値を超えたときに、心臓の脱分極(例えば、心房脱分極のP波または心室脱分極のR波)を検出するように構成され得る。心臓脱分極検出のために、感知回路52は、いくつかの例では、整流器、フィルタ、増幅器、比較器、および/またはアナログ-デジタル変換器を含み得る。いくつかの例では、感知回路52は、心臓の脱分極の感知に応答して、処理回路50に指示を出力することができる。このようにして、処理回路50は、それぞれの心腔における検出されたR波およびP波の発生に対応する検出された心臓脱分極インジケータを受信することができる。処理回路50は、検出されたR波およびP波のインジケーションを使用して、脱分極間間隔、心拍数を含む心臓EGMの特徴を判定し、頻脈性不整脈および心静止などの不整脈を検出することができる。感知回路52はまた、分析のために、例えば、心臓リズム弁別において使用するために、ならびに/あるいはQRS振幅および/もしくは幅などの心臓EGMの特徴、または他の形態学的特徴を識別および描写するために、処理回路50に1つ以上のデジタル化された心臓EGM信号を提供し得る。
【0026】
いくつかの例では、IMD10は、1つ以上の加速度計、マイクロフォン、光学センサ、および/または圧力センサなどの1つ以上のセンサ58を含む。いくつかの例では、感知回路52は、電極16A、16Bおよび/または他のセンサ58のうちの1つ以上から受信された信号をフィルタリングおよび増幅するための1つ以上のフィルタおよび増幅器を含み得る。いくつかの例では、感知回路52および/または処理回路50は、整流器、フィルタおよび/または増幅器、感知増幅器、比較器、および/またはアナログ-デジタル変換器を含み得る。処理回路50は、不整脈エピソードを識別するために使用され、かつメモリ56にエピソードデータとして記憶され得るセンサ58からの信号に基づいて、患者4の生理学的パラメータの値を判定することができる。
【0027】
通信回路54は、外部デバイス12などの別のデバイスと通信するための任意の好適なハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。処理回路50の制御下で、通信回路54は、内部または外部アンテナ、例えばアンテナ26の助けを借りて、外部デバイス12または別のデバイスからダウンリンクテレメトリを受信し、ならびにそれらにアップリンクテレメトリを送信することができる。いくつかの例では、処理回路50は、外部デバイス(例えば、外部デバイス12)およびコンピュータネットワーク、例えば、Dublin,IrelandのMedtronic、plcによって開発されたMedtronic CareLink(登録商標)ネットワークを介して、ネットワーク化されたコンピューティングデバイスと通信することができる。
【0028】
例示的なIMD10の文脈で本明細書に記載されているが、本明細書に開示された心不整脈の検出のための技法は、他のタイプのデバイスとともに使用されてもよい。例えば、本技法は、心臓血管系の外側の電極に結合された心臓外除細動器、アイルランドのダブリンのMedtronic PLCから市販されているMicra(商標)経カテーテルペーシングシステムなどの心臓内に移植されるように構成された経カテーテルペースメーカー、Medtronic PLCから同様に市販されているReveal LINQ(商標)ICMなどの挿入可能な心臓モニタ、神経刺激装置、薬物送達デバイス、患者4の外部の医療デバイス、ウェアラブル除細動器、フィットネストラッカ、もしくは他のウェアラブルデバイスなどのウェアラブルデバイス、携帯電話、「スマート」フォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)などのモバイルデバイス、または「スマート」グラス、「スマート」パッチ、もしくは「スマート」ウォッチなどの「スマート」アパレルで実装されてもよい。
【0029】
図3は、IMD10の構成例を示す概念的な側面図である。図3に示される例では、IMD10は、ハウジング14および絶縁カバー74を有する、リードレスの皮下に移植可能な監視デバイスを含み得る。電極16Aおよび電極16Bは、カバー74の外面上に形成または配置され得る。図2に関して上記で説明された回路50~56および60は、カバー74の内面上に、またはハウジング14内に形成または配置され得る。図示の例では、アンテナ26は、カバー74の内面上に形成または配置されているが、いくつかの例では、外面上に形成または配置され得る。センサ58はまた、いくつかの例では、カバー74の内面または外面上に形成または配置され得る。いくつかの例では、絶縁カバー74は、ハウジング14およびカバー74がアンテナ26、センサ58、ならびに回路50~56および60を囲み、アンテナおよび回路を体液などの流体から保護するように、開放ハウジング14上に配置され得る。
【0030】
アンテナ26、センサ58、または回路50~56のうちの1つ以上は、フリップチップ技術を使用することなどによって、絶縁カバー74上に形成され得る。絶縁カバー74は、ハウジング14上に裏返すことができる。裏返してハウジング14上に配置すると、絶縁カバー74の内側上に形成されたIMD10の構成要素は、ハウジング14によって規定されるギャップ76内に配置され得る。電極16は、絶縁カバー74を介して形成された1つ以上のビア(図示せず)を介してスイッチング回路60に電気的に接続することができる。絶縁カバー74は、サファイア(すなわち、コランダム)、ガラス、パリレン、および/または他の任意の好適な絶縁材料で形成することができる。ハウジング14は、チタンまたは他の任意の適切な材料(例えば、生体適合性材料)から形成することができる。電極16は、ステンレス鋼、チタン、白金、イリジウム、またはそれらの合金のいずれかから形成することができる。加えて、電極16は、窒化チタンまたはフラクタル窒化チタンなどの材料でコーティングすることができるが、そのような電極に他の好適な材料およびコーティングを使用することができる。
【0031】
図4は、コンピューティングシステム24の構成例を示すブロック図である。図示の例では、コンピューティングシステム24は、監視システム450または本明細書に記載の他の任意のアプリケーションを含むアプリケーション424を実行するための処理回路402を含む。コンピューティングシステム24は、ソフトウェア命令を実行するための処理回路または他の好適なコンピューティング環境を含む任意の構成要素またはシステムであってもよく、例えば、図4に示される1つ以上の要素を必ずしも含む必要はなくてもよい(例えば、入力デバイス404、通信回路406、ユーザインターフェースデバイス410、または出力デバイス412、および、記憶デバイス408などのいくつかの例示的な構成要素では、他の構成要素と同じシャーシ内と同位置に、または同じシャーシ内になくてもよい)。いくつかの例では、コンピューティングデバイス24は、複数のデバイスに分散されたクラウドコンピューティングシステムであり得る。
【0032】
図4の例では、コンピューティングデバイス24は、処理回路402、1つ以上の入力デバイス404、通信回路406、1つ以上の記憶デバイス408、ユーザインターフェース(UI)デバイス410、および1つ以上の出力デバイス412を含む。コンピューティングシステム24は、いくつかの例では、コンピューティングシステム24によって実行可能である監視システム450、およびオペレーティングシステム416などの1つ以上のアプリケーション424をさらに含む。構成要素402、404、406、408、410、および412の各々は、構成要素間通信のために(物理的に、通信可能に、および/または動作可能に)結合される。いくつかの例では、通信チャネル414は、システムバス、ネットワーク接続、プロセス間通信データ構造、またはデータを通信するためのいずれかの他の方法を含み得る。一例として、構成要素402、404、406、408、410、および412は、1つ以上の通信チャネル414によって結合され得る。
【0033】
処理回路402は、一例では、コンピューティングデバイス24内で実行するための機能および/または処理命令を実装するように構成される。例えば、処理回路402は、記憶デバイス408に記憶された命令を処理することが可能であり得る。処理回路402の例には、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または同等の個別または集積論理回路のうちのいずれか1つ以上が含まれ得る。
【0034】
1つ以上の記憶デバイス408は、動作中にコンピューティングデバイス400内に情報を記憶するように構成され得る。いくつかの例では、記憶デバイス408は、コンピュータ可読記憶媒体として説明されている。いくつかの例では、記憶デバイス408は一時メモリであり、これは、記憶デバイス408の主な目的が長期記憶ではないことを意味する。いくつかの例では、記憶デバイス408は、揮発性メモリとして説明され、これは、コンピュータがオフにされたときに、記憶デバイス408が記憶された内容を維持しないことを意味する。揮発性メモリの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、および当技術分野で知られている他の形態の揮発性メモリが含まれる。いくつかの例では、記憶デバイス408を使用して、処理回路402によって実行するためのプログラム命令を記憶する。記憶デバイス408は、一例では、プログラム実行中に情報を一時的に記憶するために、コンピューティングデバイス24上で実行されるソフトウェアまたはアプリケーション424によって使用される。
【0035】
いくつかの例では、記憶デバイス408はまた、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含む。記憶デバイス408は、揮発性メモリよりも大量の情報を記憶するように構成され得る。記憶デバイス408は、情報の長期記憶のためにさらに構成され得る。いくつかの例では、記憶デバイス408は、不揮発性記憶要素を含む。そのような不揮発性記憶要素の例には、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、フラッシュメモリ、または電気的プログラム可能メモリ(EPROM)もしくは電気的消去可能なプログラム可能(EEPROM)メモリの形態が含まれる。
【0036】
コンピューティングシステム24は、いくつかの例では、図1のIMD10および外部デバイス12などの他のデバイスおよびシステムと通信するための通信回路406も含む。通信回路406は、イーサネットカード、光トランシーバ、無線周波数トランシーバ、または情報を送受信することができるいずれかの他のタイプのデバイスなどのネットワークインターフェースカードを含み得る。そのようなネットワークインターフェースの他の例には、3GおよびWiFi無線が含まれ得る。
【0037】
コンピューティングシステム24は、一例では、1つ以上のユーザインターフェースデバイス410も含む。ユーザインターフェースデバイス410は、いくつかの例では、触覚、音声、または映像フィードバックを通して、ユーザからの入力を受信するように構成される。ユーザインターフェースデバイス410の例には、プレゼンスセンシティブディスプレイ、マウス、キーボード、音声応答システム、ビデオカメラ、マイクロフォン、またはユーザからのコマンドを検出するためのいずれかの他のタイプのデバイスが含まれる。いくつかの例では、プレゼンスセンシティブディスプレイはタッチスクリーンを含む。
【0038】
1つ以上の出力デバイス412もまた、コンピューティングデバイス24に含まれ得る。出力デバイス412は、いくつかの例では、触覚、音声、または映像刺激を使用してユーザに出力を提供するように構成される。出力デバイス412は、一例では、プレゼンスセンシティブディスプレイ、サウンドカード、ビデオグラフィックアダプタカード、または信号を人間もしくは機械が理解できる適切な形式に変換するためのいずれかの他のタイプのデバイスを含む。出力デバイス412の追加の例には、スピーカ、ブラウン管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、またはユーザに理解可能な出力を生成することができるいずれかの他のタイプのデバイスが含まれる。
【0039】
コンピューティングシステム24は、オペレーティングシステム416を含み得る。オペレーティングシステム416は、いくつかの例では、コンピューティングデバイス24の構成要素の動作を制御する。例えば、オペレーティングシステム416は、一例では、処理回路402、通信回路406、記憶デバイス408、入力デバイス404、ユーザインターフェースデバイス410、および出力デバイス412との、1つ以上のアプリケーション424および監視システム450の通信を容易にする。
【0040】
アプリケーション424はまた、コンピューティングデバイス400によって実行可能であるプログラム命令および/またはデータを含み得る。コンピューティングデバイス400によって実行可能な例示的なアプリケーション424は、監視システム450を含み得る。示されていない他の追加のアプリケーションは、本明細書に記載された他の機能を提供するために代替的にまたは追加的に含まれ得るが、簡素化にするために図示されていない。
【0041】
本開示の技法によれば、コンピューティングシステム24は、通信回路406を介して、IMD10などの医療デバイスによって記憶されたエピソードのエピソードデータを受信する。記憶デバイス408は、エピソードのエピソードデータを記憶デバイス408に記憶することができる。エピソードデータは、不整脈を検出する医療デバイスおよび/またはエピソードデータの記憶を指示するユーザ入力に応答して、医療デバイスによって収集された可能性がある。
【0042】
処理回路402によって実装される監視システム450は、エピソードをレビューおよび注釈付けし、臨床医または他のレビューアによるレビューのために、注釈に続いてエピソードのレポートまたは他の提示を生成することができる。監視システム450は、入力デバイス404、出力デバイス412、および/または通信回路406を利用して、エピソードデータ、不整脈タイプ分類、プロット、識別された脱分極、および本明細書に記載の他の情報をユーザに表示し、エピソードデータに関する注釈または他の入力をユーザから受信することができる。
【0043】
エピソードをレビューおよび注釈付けするために、監視システム450は、選択された1つ以上の機械学習モデルへの入力としてエピソードデータを適用することができる。図4に示される例では、監視システム450は、エピソードデータを1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452および/または1つ以上の脱分極検出モデル454に適用することができる。機械学習モデル452および454は、例として、畳み込みニューラルネットワーク、多層パーセプトロン、および/またはエコー状態ネットワークを例として含み得る、深層ニューラルネットワークなどのニューラルネットワークを含み得る。
【0044】
不整脈分類機械学習モデル452は、複数の不整脈タイプ分類の各々について、そのタイプの不整脈がエピソード中の任意の時点において発生した尤度を示す値を出力するように構成され得る。監視システム450は、構成可能な閾値(例えば、50%、75%、90%、95%、99%)を尤度値に適用して、例えば、その分類が閾値を満たすかまたは超える尤度に基づいて、1つ以上の不整脈タイプを含むものとしてエピソードに注釈付けすることができる。
【0045】
いくつかの例では、不整脈分類機械学習モデル452は、記述的メタデータでラベル付けされた複数の患者の心臓EGMまたは他のエピソードデータを含むトレーニングデータでトレーニングされる。例えば、トレーニング段階の間、監視システム450は、複数の心臓EGM波形を処理する。典型的には、複数の心臓EGM波形は、複数の異なる患者からのものであるが、単一の患者からのものであり得る。各心臓EGM波形は、1つ以上のタイプの不整脈の1つ以上のエピソードでラベル付けされる。
【0046】
例えば、トレーニング心臓EGM波形は、複数のセグメントを含み得、各セグメントは、特定の分類(例えば、徐脈、休止、頻脈、心房細動、心房フラッター、房室ブロック、または心室細動)の不整脈の不在または不整脈の存在を指定する記述子でラベル付けされる。いくつかの例では、臨床医は、各心臓EGM波形内で不整脈の存在を手でラベル付けする。いくつかの例では、各心臓EGM波形における不整脈の存在は、例えば、心臓EGMから導出された速度、間隔、および形態学的特徴に基づいて不整脈を識別するためにIMD10によって使用される技術と同様である、心臓EGM特徴描写アルゴリズムによる分類に従ってラベル付けされる。
【0047】
監視システム450は、トレーニングデータをベクトルおよび多次元配列に変換するように動作することができ、その上で、監視システム450は、線形代数、非線形、または代替の計算演算などの数学的演算を適用することができる。監視システム450は、トレーニングデータを使用して、1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452に、心臓EGMデータに示される異なる特徴を比較検討するように教える。いくつかの例では、監視システム450は、心臓EGMデータを使用して、特定の分類の心不整脈の発生に関して多かれ少なかれ重要性を有するものとして心臓EGMの1つ以上の特徴を表す異なる係数を適用するように機械学習モデルに教える。不整脈のエピソードでラベル付けされた多数のそのような波形を処理することによって、監視システム450は、1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452を構築およびトレーニングして、監視システム450が以前に分析していない図1の患者4などの患者からの心臓EGMデータを受信し、そのような心臓EGMデータを処理して、患者の様々な分類の不整脈タイプの有無を高い精度で検出することができる。典型的には、1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452がトレーニングされる心臓EGMデータの量が多いほど、新しい心臓EGMデータにおいて心不整脈を検出または分類する際の機械学習モデルの精度が高くなる。
【0048】
監視システム450が1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452をトレーニングした後、監視システム450は、患者4などの特定の患者の心臓電位図EGMデータなどのエピソードデータを受信することができる。監視システム450は、1つ以上のトレーニングされた不整脈分類機械学習モデル452をエピソードデータに適用して、1つ以上の不整脈タイプがエピソード中の任意の時点において発生したかどうかを判定する。
【0049】
いくつかの例では、監視システム450は、生の心臓EGMデータ自体の代わりに、またはそれに加えて、心臓EGMデータの1つ以上の特徴を処理することができる。1つ以上の特徴は、IMD10および/または監視システム450によって実行される特徴描写を介して取得することができる。特徴は、例えば、心拍数、脱分極間間隔、心臓EGMの特徴間の他の間隔、QRS波の1つ以上の振幅、幅もしくは形態学的特徴、または心臓EGMの他の特徴、これらの特徴のいずれかの変動性、T波オルタナンス、あるいは本明細書に明示的に記載されていない他のタイプの心臓特徴のいずれかのうちの1つ以上を含み得る。そのような例示的な実装形態では、監視システム450は、上記のように不整脈のエピソードでラベル付けされた複数の心臓EGM波形の代わりに、またはそれに加えて、不整脈のエピソードでラベル付けされた複数のトレーニング心臓特徴を介して1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452をトレーニングすることができる。
【0050】
さらなる例では、監視システム450は、心臓EGMデータから、心臓EGMデータの中間表現を生成することができる。例えば、監視システム450は、信号処理、ダウンサンプリング、正規化、信号分解、ウェーブレット分解、フィルタリング、ノイズリダクション、またはニューラルネットワークベースの特徴表現操作のうちの1つ以上を心臓電位図データに適用して、心臓電位図データの中間表現を生成することができる。監視システム450は、心臓EGMデータのそのような中間表現を処理して、患者4の様々なタイプの不整脈を検出および分類することができる。さらに、監視システム450は、上記のように不整脈のエピソードでラベル付けされた複数の生の心臓EGM波形の代わりに、不整脈のエピソードでラベル付けされた複数のトレーニング中間表現を介して1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452をトレーニングすることができる。心臓EGMデータのそのような中間表現の使用は、監視システム450による、より軽量で、計算がより複雑でない不整脈分類機械学習モデル452のトレーニングおよび開発を可能にし得る。さらに、心臓電位図データのそのような中間表現の使用は、機械学習モデルをトレーニングするための生の心臓EGMデータの使用とは対照的に、正確な機械学習モデルを構築するためにより少ない反復およびより少ないトレーニングデータを必要とし得る。
【0051】
いくつかの例では、1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452へのエピソードデータの適用に基づいて、監視システム450は、不整脈タイプ分類の各々について、エピソードの波形の期間にわたる分類の様々な尤度を示すクラス活性化データを導出することができる。所与の不整脈タイプについて、異なる時間におけるそのような尤度値の振幅は、その時間に不整脈が発生している確率に対応し、より高い値はより高い確率に対応する。
【0052】
クラス活性化マッピングは、1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452によって時系列に特定の分類が与えられる理由を構成する、例えば心臓EGMデータの、入力時系列の領域を識別することを可能にし得る。所与の分類のクラス活性化マップは、(例えば、入力時系列のサンプリング周波数での各タイムスタンプにおける)各要素が、ニューラルネットワークまたは他の機械学習モデルの中間層の出力から導出された加重和または他の値である、単変量時系列である可能性がある。中間層は、各分類の出力層ニューロンの前のグローバル平均プーリング層および/または最後の層である可能性がある。
【0053】
監視システム450は、例えば、出力デバイス412を介して、および/または通信回路406を介した別のデバイスとの通信を介して、エピソードの期間にわたる活性化データのグラフを表示することができる。いくつかの例では、監視システム450は、入力心臓EGMと連携して、例えば、入力心臓EGMと同じ画面上でおよび同時に、クラス活性化データを表示することができる。1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452は、エピソード全体の間に異なる不整脈タイプ分類が発生する尤度を示す出力を提供するように構成され得るが、クラス活性化データは、監視システム450および/またはユーザが、1つ以上のタイプの1つ以上の不整脈が発生した尤度が高いエピソード中の時間および心臓EGM中のポイントを識別することを可能にし得る。
【0054】
IMD10によって記憶されたエピソードデータの後処理は、心臓EGMデータ内の脱分極、例えば、R波および/またはQRS群の発生を識別することを含み得る。後処理中の脱分極の識別は、エピソードの検出およびエピソードデータの記憶中のIMD10によるものとは異なる場合があり、IMD10によるエピソードの起こり得る誤分類の証拠を提供する。識別された脱分極の発生のマーカーによる心臓EGMデータの注釈もまた、ユーザおよび/または監視システム450によるエピソードデータのレビューを容易にし得る。脱分極を検出するための特徴描写技術は、心臓EGMデータのフィルタリング、(例えば、整流された電力信号を使用する)特徴抽出、ピーク検出、および難治性分析または他のさらなる処理を含み得る。そのような機能の描写には、機能エンジニアリングおよび検出ルールの開発が必要になる場合がある。
【0055】
本開示の例示的な技術によれば、監視システム450は、1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454をエピソードデータ、例えば、心臓EGMデータに適用することができる。脱分極検出機械学習モデル454は、脱分極尤度値のセットを出力するように構成され得、セットの脱分極尤度値の各々は、脱分極が期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す。脱分極尤度のセットは、経時的な確率として表すことができ、例えば、QRS群が検出された場合はp(QRS(t))である。
【0056】
監視システム450は、不整脈分類機械学習モデル452のトレーニングに関して上記と同様の方法で、心臓EGMデータのトレーニングセットを使用して、1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454をトレーニングすることができる。心臓EGMデータのトレーニングセットは、例えば、ユーザおよび/または特徴描写アルゴリズムによって注釈付けされ、心臓EGMデータのどの部分が脱分極であるかを示す。例えば、患者4のIMD10によって記憶されたエピソードデータからの、新しい心臓EGMデータが提示されたとき、監視システム450は、1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454によって出力された脱分極尤度値に基づいて、心臓EGMにおける1つ以上の脱分極を識別し得る。例えば、監視システム450は、脱分極尤度値を、構成可能なおよび/または適応的な閾値と比較し、脱分極尤度値が閾値を満たすかまたは超えるときに脱分極を識別することができる。いくつかの例では、監視システム450は、尤度閾値に基づいて識別された脱分極発生時間をさらに後処理することができる。例えば、監視システム450は、識別された時間を、心臓EGM波形内で識別されたR波ピークと整合させることができる。別の例として、監視システム450は、例えば、別の候補時間から閾値時間間隔以下の時間を排除するために、識別された脱分極時間に難治性処理を適用することができる。
【0057】
場合によっては、例えば、脱分極注釈を有するトレーニングデータのより小さいセット、ならびに/または脱分極の形態および速度を変化させる可能性がある頻脈、休止、および心房細動などの不整脈の発生のために、監視システム450および1つ以上の1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454が、心臓EGMデータ内の特定の脱分極を高い尤度で検出することが困難な場合がある。脱分極を識別する監視システム450の能力を高めるために、監視システム450は、経時的な脱分極尤度値と不整脈タイプ尤度値の両方、例えば、活性化データに基づいて脱分極を識別することができる。例えば、不整脈タイプ尤度値は、心臓EGMデータにおいてある時間において心房頻脈の比較的高い確率を示し、監視システム450は、脱分極尤度値の効果的な増加、または脱分極検出閾値の減少をもたらす1つ以上のアクションをとることができ、脱分極検出閾値に対して、その時点において脱分極尤度値が比較される。そのようなアクションは、不整脈または特定の不整脈タイプの尤度に対して脱分極の尤度の効果的な調整をもたらす可能性がある。例えば、不整脈分類機械学習モデル452が、エピソード中に、例えば1秒の間隔で不整脈タイプ分類Xの確率p1(X(t))を提供し、脱分極検出機械学習モデル454が、確率p2(QRS(t))を提供する場合、不整脈尤度を考慮したときのQRSの確率は、p3(QRS(t)|p1&p2)として表すことができる。
【0058】
図5は、エピソード中の経時的な複数の不整脈分類の各々の尤度の可視化を提供するための動作例を示す流れ図である。説明を明確にするために、図5~9に示される動作および技法は、監視システム450によって、したがって、コンピューティングシステム24の処理回路402によって実行されるものとして説明されている。それにもかかわらず、これらの動作および技術、ならびに本明細書に記載される他の任意のものは、IMD10、外部デバイス12、およびコンピューティングデバイス24など、医療デバイスシステム2の任意の1つ以上のデバイスの処理回路によって実行され得る。
【0059】
図5に示される例によれば、監視システム450は、エピソードについてIMD10によって記録されたエピソードデータを受信する(500)。エピソードは、ある期間に関連付けられており、エピソードデータは、その期間中にIMD10によって感知された心臓EGMを含む。エピソードデータは、期間中にIMD10によって感知された他の信号、または心臓EGMもしくは他の信号から導出されたデータを含み得る。
【0060】
監視システム450は、1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452をエピソードデータ、例えば、心臓EGMデータに適用する(502)。1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452は、複数の不整脈タイプ分類の各々についてそれぞれの尤度値を出力し、尤度値の各々は、それぞれの不整脈タイプ分類が期間中の任意の時点において発生した尤度を表す。エピソードデータへの1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452の適用に基づいて、監視システム450はまた、各不整脈タイプ分類について、期間にわたる分類の様々な尤度を示すクラス活性化データを導出する(506)。本明細書で説明するように、監視システム450は、分類層の前の最終層および/またはグローバル平均プーリング層など、機械学習モデル452の中間層の出力から活性化データを導出することができる。
【0061】
監視システム450は、経時的な様々な不整脈タイプ分類の活性化データをプロットし(506)、活性化データプロットのグラフをユーザに表示する(508)。いくつかの例では、監視システム450は、エピソードの心臓EGMと併せてプロットを表示し、これにより、ユーザは、特定の不整脈タイプの比較的高い尤度の時間を、比較的高い尤度を引き起こす心臓EGMの部分と相関させることができる。いくつかの例では、監視システム450は、少なくとも1つの不整脈タイプ分類のプロットの他の時間に対して、不整脈タイプ分類のうちの少なくとも1つの尤度がより高い時間を示すことができ、例えば、注釈付けまたは強調することができる。いくつかの例では、監視システム450が、1つ以上の不整脈検出機械学習モデル452の出力に基づいて、特定のタイプの不整脈がエピソード中のある不特定の時点で発生したことを示すとき、監視システム450は、活性化データのプロット上でその不整脈タイプ分類のより比較的高い尤度の時間をさらに示すことができ、それにより、ユーザは、例えば、心臓EGMの対応する部分を参照することによって、1つ以上の不整脈検出機械学習モデル452による分類の理由を理解することができる。
【0062】
図6および7は、エピソード中の経時的な複数の不整脈分類の各々の尤度の可視化を含む、例示的なエピソードレビュー画面600、700を示す図である。画面600および700の各々は、不整脈タイプ分類活性化データのそれぞれのグラフ604、704と併せて、それぞれの心臓EGM602、702を表示する。グラフ604および704の各々は、プロット606、706のそれぞれのセット、およびそれぞれのキー608、708を含む。プロット606および706の各々は、それぞれの不整脈タイプ分類についての経時的な尤度値のプロットである。キー608および708は、プロットの各々について不整脈タイプ分類を識別する。
【0063】
グラフ604はさらに、グラフ604の領域を識別する注釈610を含み、ここで、不整脈タイプ分類のうちの1つ、例えば徐脈に関連するプロット606は、そのタイプの少なくとも1つの不整脈を有するものとして、関連するエピソードの分類に関連する、より比較的高い尤度値を有する。同様に、グラフ704は、注釈710、712、および714を含み、これらの各々は、グラフ704の領域を示し、ここで、不整脈タイプ分類のうちの1つ、例えば、PVC、心房細動、および洞性頻脈に関連するそれぞれのプロット606は、そのタイプの少なくとも1つの不整脈を有するものとして、関連するエピソードの分類に関連する、より比較的高い尤度値を有する。心臓EGM602、702、グラフ604、704、ならびに注釈610、710、712、および714を画面600、700上に組み合わせて表示することにより、監視システム450は、ユーザが、エピソードの監視システム450によって行われた不整脈の検出および分類をより容易にレビュー、理解、および確認(または拒否)することを可能にし得る。
【0064】
心臓EGM602、702、グラフ604、704、ならびに注釈610、710、712、および714を画面600、700に組み合わせて表示することにより、監視システム450は、ユーザが、不整脈の有無を識別/確認するためにエピソードをレビューするときに焦点を当てるべき心臓EGMの部分を迅速に識別することを可能にし得る。いくつかの例では、監視システム450はまた、活性化データを使用して、1つのエピソードからのエピソードデータのセグメント、例えば、心臓EGMのセグメントの識別を自動化して、ユーザによってレビューされるレポートに含めることができる。場合によっては、エピソードは、持続時間が長く(例えば、1分)、エピソード中の異なる時間に複数の不整脈を含むことがある。そのようなエピソードから生成されたレポートは、エピソードのために記憶された心臓EGM全体の提示を含み得るが、そのようなレポートは、追加的または代替的に、代表的なセグメントを含み得、各セグメントは、複数の連続する秒の心臓EGMデータを含み得る。
【0065】
監視システム450は、特定の不整脈タイプの活性化データが最も高いおよび/または閾値を超える(エピソード持続時間内の)1つ以上の時間を識別し得る。監視システム450は、識別された時間に基づいて、その不整脈タイプの検出の理由を表すものとしてユーザに提示する心臓EGMのセグメントを選択することができる。例えば、図7を参照すると、PVCクラス活性化マップの最も高い尤度値は、エピソードの開始から約18秒のスパイクにおいて発生する。監視システム450は、例えば、このエピソードについて代表的なPVCセグメントを報告する必要がある場合、15秒から21秒までの、心臓EGMの6秒セグメントを提示することができる。
【0066】
図8は、不整脈分類尤度と脱分極尤度の両方に基づいてエピソード中の脱分極を識別するための動作例を示す流れ図である。図8に示される例によれば、監視システム450は、エピソードについてIMD10によって記録されたエピソードデータを受信する(800)。エピソードは、ある期間に関連付けられており、エピソードデータは、その期間中にIMD10によって感知された心臓EGMを含む。エピソードデータは、期間中にIMD10によって感知された他の信号、または心臓EGMもしくは他の信号から導出されたデータを含み得る。
【0067】
監視システム450は、1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452をエピソードデータ、例えば、心臓EGMデータに適用する(802)。監視システム450はまた、不整脈タイプ分類ごとに、期間にわたる分類の様々な尤度を示すクラス活性化データを導出することができる。監視システム450はまた、1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454をエピソードデータに適用し、1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454は、脱分極尤度値のセットを出力するように構成され、セットの脱分極尤度値の各々は、脱分極が期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す(804)。監視システム450は、不整脈タイプ尤度値および脱分極尤度値に基づいて、エピソード中の1つ以上の脱分極を識別する(806)。
【0068】
監視システム450は、不整脈タイプ尤度値を使用して、様々な方法で脱分極を識別することができる。例えば、監視システムは、時系列不整脈タイプ尤度値、例えば、図7に示される活性化データプロット606および706によって示されるような活性化データを、エピソードデータ、例えば心臓EGMデータと一緒に、1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454への入力として適用することができる。1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454は、心臓EGM入力と1つ以上の不整脈タイプ分類の尤度値の両方に基づいて、エピソードの所与の時間における脱分極の尤度を判定するようにトレーニングされ得る。いくつかの例では、特定の不整脈タイプ分類の尤度値は、1つ以上の不整脈検出機械学習モデル452が尤度値を出力するすべての不整脈タイプ分類ではなく、1つ以上の脱分極検出機械学習モデル454への入力として選択される。
【0069】
いくつかの例では、監視システム450は、1つ以上の、例えば、選択された、不整脈タイプ分類の不整脈タイプ分類尤度値に、ヒューリスティックルールを適用することができる。エピソード中の特定の時間においてルールおよび不整脈タイプ分類尤度値に基づいて、監視システム450は、エピソード中の特定の時間に1つ以上の脱分極検出モデル454によって提供される脱分極尤度値を変更することができ、例えば、増加または減少させることができる。追加的または代替的に、監視システム450は、エピソード中の特定の時間においてルールおよび不整脈タイプ分類尤度値に基づいて、監視システムがエピソード中の特定の時間からの脱分極尤度値をそれと比較する脱分極尤度閾値を同様に変更することができる。脱分極尤度値および/または脱分極尤度閾値の変更は、いずれの場合も、他の方法では検出されなかったであろう監視システム450による脱分極の検出をもたらす可能性がある。ヒューリスティックルールは、特定のタイプの不整脈の比較的高い尤度の時間における、またはその時間の後の特定の時間における脱分極尤度値および/または脱分極尤度閾値の変更のために、そのタイプの不整脈中の脱分極のタイミングの理解に基づいて構成され得る。例えば、ヒューリスティックルールは、頻脈性不整脈の比較的高い尤度の時間に続く特定の時間における脱分極尤度値および/または脱分極尤度閾値の変更のために、頻脈性不整脈の典型的な脱分極率または脱分極間間隔に基づいて構成され得る。
【0070】
図9は、不整脈分類尤度と脱分極尤度の両方に基づいてエピソード中の脱分極を識別するための例示的な技術を示す概念図である。特に、図9は、脱分極902A~902C(総称して「脱分極902」)を含む心臓電位図900を示している。図9はまた、脱分極尤度値プロット904を示している。脱分極尤度値プロット904は、より比較的高い脱分極尤度値を有し、かつ時間的に脱分極902に対応する領域906A~906C(総称して「領域906」)を含む。脱分極尤度閾値908も示されている。領域906Bでのプロット904の脱分極尤度値は、脱分極尤度閾値908を超えない。結果として、監視システム450は、脱分極902Bを検出しないであろう。
【0071】
図9はまた、ベースライン912および閾値914と比較した頻脈性不整脈の不整脈分類尤度値910のプロットを示している。閾値914は、監視システム450によって適用されるヒューリスティックルールによって確立され得る。図9に示されるように、不整脈分類尤度値910は、時間916において閾値914を超える。
【0072】
図9はまた、より比較的高い脱分極尤度値を有し、かつ時間的に脱分極902に対応する領域922A~922C(総称して「領域922」)を含む脱分極尤度値プロット920を示している。領域922Aおよび922Cは、領域906Aおよび906Cと同じであり、すなわち、不整脈分類尤度値910およびヒューリスティックルールに基づいて監視システム450によって変更されていない。しかしながら、不整脈分類尤度値910およびヒューリスティックルールに基づいて、監視システム450は、閾値908を超えた不整脈分類尤度値910に基づいて、領域906Bに対して領域922Bを増加させている。結果として、監視システム450は、脱分極902Bを検出することができる。
【0073】
脱分極および不整脈の尤度データを使用して、本明細書に記載の技術を使用してエピソード内の脱分極を識別することに加えて、例えば、図8および9に関して、監視システム450は、脱分極および不整脈の尤度データを使用して、エピソード内の脱分極について脱分極のタイプを判定することができる。脱分極のタイプには、例として、正常、心室性期外収縮、心房性期外収縮、およびアーチファクト/ノイズが含まれる場合がある。エピソードを分類するために監視システムによって使用される1つ以上の不整脈分類機械学習モデル452は、分類の中でも、心室性期外収縮、心房性期外収縮、およびアーチファクト/ノイズとしてエピソードを分類するように構成され得る。結果として、監視システム450は、分類として、心室性期外収縮、心房性期外収縮、およびアーチファクト/ノイズについて、経時的にクラス活性化値を導出するように構成され得る。監視システム450は、これらの不整脈タイプのクラス活性化データを使用して、複数のタイプ、例えば、正常、心室性期外収縮、心房性期外収縮、およびアーチファクト/ノイズのどれを脱分極するかをさらに判定することができる。
【0074】
いくつかの例では、監視システム450は、ノイズ/アーチファクト分類の尤度値がアーチファクト/ノイズとしての閾値を満たす(例えば、超える)ときに発生する脱分極にラベル付けすることができる。監視システム450は、エピソード中の残りの(例えば、非アーチファクト/ノイズ)脱分極の脱分極間間隔を考慮し、これらの残りの脱分極のいずれかが「期外」であるかどうかを、それらの脱分極間間隔(例えば、R-R間隔)が閾値を満たす(例えば、それ未満である)ことに基づいて判定することができる。脱分極間間隔閾値は、エピソード中の脱分極間間隔の平均または中央値に基づいて判定することができ、例えば、閾値は、エピソード中の脱分極間間隔の平均または中央値の割合またはパーセンテージであり得る。監視システム450は、閾値を満たす(例えば、超える)期外脱分極に時間的に対応する尤度値に基づいて、期外脱分極を心室性期外収縮または心房性期外収縮としてラベル付けすることができる。監視システム450は、エピソード中に識別されたが、心室性期外収縮、心房性期外収縮、またはアーチファクト/ノイズのうちの1つであると判定されない脱分極に、正常としてラベル付けすることができる。
【0075】
いくつかの実施例では、本開示の技法は、本明細書に記載のいずれかの方法を実行するための手段を含むシステムを含む。いくつかの実施例では、本開示の技法は、処理回路に本明細書に記載のいずれかの方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体を含む。
【0076】
本明細書で開示される様々な態様は、説明および添付の図面に具体的に提示される組み合わせとは異なる組み合わせで組み合わせることができることを理解されたい。本明細書に記載のプロセスまたは方法のいずれかの特定の行為または事象は、実施例に応じて異なる順序で行われてもよく、追加、併合、または完全に省略されてもよい(例えば、全ての記載された行為または事象は、本技法を実行するために必要ではない場合がある)ことも理解されたい。加えて、本開示の特定の態様は、明確にするために、単一のモジュール、ユニット、または回路によって実行されるものとして説明されているが、本開示の技法は、例えば、医療デバイス置に関連するユニット、モジュール、または回路の組み合わせによって実行され得ることが理解されるべきである。
【0077】
1つ以上の実施例では、説明される技法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されることができる。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つ以上の命令またはコードとして記憶され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行されることができる。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用されることができ、かつコンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体)などの、有形媒体に対応する非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0078】
命令は、1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、または他の同等の集積もしくは離散論理回路などの、1つ以上のプロセッサによって実行されることができる。したがって、本明細書に使用される「プロセッサ」または「処理回路」という用語は、前述の構造のいずれか、または記載された技法の実施に適したいずれかの他の物理的構造を指すことができる。また、技法は、1つ以上の回路または論理要素で完全に実装されてもよい。
【0079】
以下の例は、本明細書に記載される技術の例示である。
【0080】
実施例1:コンピュータ実装方法であって、医療デバイスシステムの処理回路によって、患者の医療デバイスによって記憶されたエピソードのエピソードデータを受信することであって、エピソードが、ある期間に関連付けられ、エピソードデータが、その期間中に医療デバイスによって感知された心臓電位図を含む、受信することと、処理回路によって、1つ以上の機械学習モデルをエピソードデータに適用することであって、1つ以上の機械学習モデルが、複数の不整脈タイプ分類の各々についてそれぞれの尤度値を出力するように構成され、尤度値の各々が、それぞれの不整脈タイプ分類が期間中の任意の時点において発生した尤度を表す、適用することと、エピソードデータへの1つ以上の機械学習モデルの適用に基づいて、処理回路によって、不整脈タイプ分類の各々について、期間にわたる分類の様々な尤度を示すクラス活性化データを導出することと、処理回路によって、およびユーザに、期間にわたる不整脈タイプ分類の様々な尤度のグラフを表示することと、を含む、方法。
【0081】
実施例2:グラフを表示することが、心臓電位図と併せてグラフを表示することを含む、実施例1の方法。
【0082】
実施例3:処理回路によって、少なくとも1つの不整脈タイプ分類についてのグラフ上の他の時間に対して、不整脈タイプ分類のうちの少なくとも1つについてのより高い尤度の少なくとも1つの時間をグラフ上に示すことをさらに含む、実施例1または2の方法。
【0083】
実施例4:処理回路によって、1つ以上の機械学習モデルの出力に基づいて、少なくとも1つの不整脈タイプ分類が期間中の任意の時点において発生したことを示すことをさらに含み、少なくとも1つの不整脈タイプ分類についてのより高い尤度の少なくとも1つの時間をグラフ上に示すことが、少なくとも1つの不整脈タイプ分類が期間中に任意の時点において発生したことを示すことに応答して、少なくとも1つの不整脈タイプ分類についてのより高い尤度の少なくとも1つの時間をグラフ上に示すことを含む、実施例3の方法。
【0084】
実施例5:複数の不整脈タイプ分類が、複数の徐脈、休止、心室性頻脈、心室細動、上室性頻脈、心房細動、心房性フラッター、洞性頻脈、心室性期外収縮、心房性期外収縮、広範囲の複雑な頻脈、および房室ブロックを含む、実施例1~4のいずれかの方法。
【0085】
実施例6:1つ以上の機械学習モデルの各々が、複数の層を含み、活性化データを導出することが、複数の層のうちの中間層の出力から活性化層を導出することを含む、実施例1~5のいずれかの方法。
【0086】
実施例7:中間層が、グローバル平均プーリング層を含む、実施例6の方法。
【0087】
実施例8:クラス活性化データに基づいて心臓電気記録図からセグメントを選択することと、心臓電気記録図の選択されたセグメントを表示することと、をさらに含む、実施例1~7のいずれかの方法。
【0088】
実施例9:セグメントを選択することが、不整脈タイプ分類のうちの1つのクラス活性化データに基づいてエピソード中の時間を識別することと、識別された時間を含む心臓電位図のセグメントを選択することと、を含む、実施例8の方法。
【0089】
実施例10:コンピュータ実装方法であって、医療デバイスシステムの処理回路によって、患者の医療デバイスによって記憶されたエピソードのエピソードデータを受信することであって、エピソードが、ある期間に関連付けられ、エピソードデータが、その期間中に医療デバイスによって感知された心臓電位図を含む、受信することと、処理回路によって、1つ以上の不整脈分類機械学習モデルをエピソードデータに適用することであって、1つ以上の不整脈分類機械学習モデルが、複数の不整脈タイプ分類の各々について、不整脈タイプ尤度値のそれぞれのセットを出力するように構成され、セットの不整脈タイプ尤度値の各々が、それぞれの不整脈タイプ分類が期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す、適用することと、処理回路によって、1つ以上の脱分極検出機械学習モデルをエピソードデータに適用することであって、1つ以上の脱分極検出機械学習モデルが、脱分極尤度値のセットを出力するように構成され、セットの脱分極尤度値の各々が、脱分極が期間中のそれぞれの時間に発生した尤度を表す、適用することと、処理回路によって、不整脈タイプ尤度値および脱分極尤度値に基づいてエピソード中の1つ以上の脱分極を識別することと、を含む、方法。
【0090】
実施例11:1つ以上の不整脈分類機械学習モデルの各々が、複数の層を含み、この方法は、処理回路によって、不整脈タイプ尤度値のセットを、複数の層のうちの中間層の出力から導出することをさらに含む、実施例10の方法。
【0091】
実施例12:中間層が、グローバル平均プーリング層を含む、実施例11の方法。
【0092】
実施例13:1つ以上の脱分極検出機械学習モデルをエピソードデータに適用することと、不整脈タイプ尤度値および脱分極尤度値に基づいて1つ以上の脱分極を識別することとが、1つ以上の脱分極検出機械学習モデルをエピソードデータおよび不整脈タイプ尤度値に適用することを含む、実施例10~12のいずれかの方法。
【0093】
実施例14:不整脈タイプ尤度値および脱分極尤度値に基づいて1つ以上の脱分極を識別することが、不整脈タイプ尤度値のうちの1つ以上に基づいて脱分極尤度値のうちの1つ以上を変更することと、1つ以上の変更された脱分極尤度値に基づいて1つ以上の脱分極を識別することと、を含む、実施例10~13のいずれかの方法。
【0094】
実施例15:不整脈タイプ尤度値および脱分極尤度値に基づいて1つ以上の脱分極を識別することが、不整脈タイプ尤度値のうちの1つ以上に基づいて脱分極尤度閾値を変更することと、脱分極尤度値を変更された脱分極尤度閾値と比較することと、比較に基づいて、1つ以上の脱分極を識別することと、を含む、実施例10~14のいずれかの方法。
【0095】
実施例16:脱分極が、R波またはQRS群のうちの少なくとも1つを含む、実施例10~15のいずれかの方法。
【0096】
実施例17:不整脈タイプ尤度値に基づいて、1つ以上の識別された脱分極の各々に、複数の脱分極タイプのうちの1つとしてラベル付けすることをさらに含む、実施例10~16のいずれかの方法。
【0097】
実施例18:複数の脱分極タイプが、複数の正常、早期の心室性期外収縮、早期の心房収縮、ノイズ、またはアーチファクトを含む、実施例17の方法。
【0098】
実施例19:医療デバイスを含む医療デバイスシステムであって、医療デバイスは、複数の電極を介して患者の心臓電位図を感知することと、エピソードのエピソードデータを記憶することであって、エピソードが、ある期間に関連付けられ、エピソードデータが、その期間中に医療デバイスによって感知された心臓電位図を含む、記憶することと、を行うように構成された、医療デバイスシステム。医療デバイスシステムは、実施例1~18のいずれかの方法を実行するように構成された処理回路をさらに含む。
【0099】
実施例20:処理回路が、コンピューティングデバイスの処理回路を含む、実施例19の医療デバイスシステム。
【0100】
実施例21:医療デバイスが移植可能である、実施例19または20の医療デバイスシステム。
【0101】
実施例22:コンピューティングシステムの処理回路によって実行されたとき、コンピューティングシステムに実施例1~18のいずれかの方法を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【0102】
様々な実施例が記載された。これらおよび他の実施例は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9