(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】画素充電方法及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20240910BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G09G3/20 621A
G09G3/36
G09G3/20 611D
G09G3/20 611C
G09G3/20 621B
G09G3/20 622D
G09G3/20 623D
G09G3/20 624B
(21)【出願番号】P 2021568782
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2021129858
(87)【国際公開番号】W WO2023077535
(87)【国際公開日】2023-05-11
【審査請求日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】202111290435.0
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】潘 英一
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0304698(US,A1)
【文献】特開2007-310199(JP,A)
【文献】特表2020-524306(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0047351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素アレイ、第1データ線及び第2データ線を含み、前記第1データ線及び前記第2データ線が前記画素アレイにそれぞれ電気的に接続される表示パネル用の画素充電方法において、
第1フレーム画面において、正極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、負極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、第1所定時間が前記時間差の時間であるステップと、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップと、
前記第1データ線に正極性信号を入力し、その後、前記第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するステップと、
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップと、
第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、その後、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップと、を含
み、
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、
前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、
正極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップの時点に比べて第1時間遅延してオフにするステップと、
負極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが前記第1時間よりも大きく、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップの時点に比べて第2時間遅延してオフにするステップと、を含む画素充電方法。
【請求項2】
前記第1所定時間が前記第2所定時間に等しい請求項1に記載の画素充電方法。
【請求項3】
前記第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップは、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップと、
前記第1データ線に負極性信号を入力するステップと、
第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップと、
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップと、を含む請求項1に記載の画素充電方法。
【請求項4】
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップの前に、
負極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、正極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、前記第2所定時間が前記時間差の時間であるステップをさらに含む請求項
3に記載の画素充電方法。
【請求項5】
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、
前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、
負極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップの時点に比べて第1時間遅延してオフにするステップと、
正極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップの時点に比べて前記第1時間よりも大きい第2時間遅延してオフするステップと、
を含む請求項
3に記載の画素充電方法。
【請求項6】
前記第1所定時間及び前記第2所定時間が0.5ミリ秒~1ミリ秒である請求項1に記載の画素充電方法。
【請求項7】
第1フレーム画面において、正極性信号を入力する第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、負極性信号を入力する第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得し、第1所定時間が前記時間差の時間であり、現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにし、前記第1データ線に正極性信号を入力し、その後、前記第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力し、
前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止し、正極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップの時点に比べて第1時間遅延してオフにし、負極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが前記第1時間よりも大きく、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップの時点に比べて第2時間遅延してオフにするための第1充電モジュールと、
第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、その後、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するための第2充電モジュールと、を含む表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、具体的に画素充電方法及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、
図1は従来の表示パネルの画素充電を示す図である。
図1に示すように、従来の表示パネルは正極性、負極性の充電時間が同じである。正極性信号P及び負極性信号Nがデータ線に同時に送信されるが、ゲート信号Gateの立ち下がり時間が長いため、正極性信号Pが画素を充電する(V+)のに時間が不足し、負極性信号Nが画素を充電する(V-)のに誤充電が生じる恐れがある。これにより、正極性信号と負極性信号との出力に時間差があることで、充電の改善に役立てることができる。
【0003】
しかしながら、正極性信号と負極性信号との出力に時間差がある場合、極性方向に応じて電源電圧がずれて、電源ノイズが発生する。この電源ノイズが共通電極電圧に影響を与え、表示時に横クロストーク不良が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、全体としての充電率を高く保証しつつ、正極性信号と負極性信号との出力に時間差がある場合、極性方向に応じて電源電圧がずれて、電源ノイズが発生し、この電源ノイズが共通電極電圧に影響を与え、表示時に横クロストーク不良が発生するという技術的課題を解決するために、画素充電方法及び表示パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本発明は、画素アレイ、第1データ線及び第2データ線を含み、前記第1データ線及び前記第2データ線が前記画素アレイにそれぞれ電気的に接続される表示パネル用の画素充電方法において、
第1フレーム画面において、前記第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するステップと、
第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップと、を含み、
前記第1所定時間が前記第2所定時間に等しく、前記第1所定時間及び前記第2所定時間が0.5ミリ秒~1ミリ秒である画素充電方法を提供する。
【0006】
本発明に係る画素充電方法において、前記第1フレーム画面において、前記第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するステップは、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップと、
前記第1データ線に正極性信号を入力するステップと、
第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するステップと、
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップと、を含む。
【0007】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップの前に、
正極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、負極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、前記第1所定時間が前記時間差の時間であるステップをさらに含む。
【0008】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、
前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、
正極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間遅延してオフにするステップと、
負極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが前記第1時間よりも大きい第2時間遅延してオフにするステップと、を含む。
【0009】
本発明に係る画素充電方法において、前記第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップは、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップと、
前記第1データ線に負極性信号を入力するステップと、
第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップと、
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップと、を含む。
【0010】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップの前に、
負極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、正極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、前記第2所定時間が前記時間差の時間であるステップをさらに含む。
【0011】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、
前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、
負極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間遅延してオフにするステップと、
正極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが前記第1時間よりも大きい第2時間遅延してオフにするステップと、を含む。
【0012】
第2の態様において、本発明は、画素アレイ、第1データ線及び第2データ線を含み、前記第1データ線及び前記第2データ線が前記画素アレイにそれぞれ電気的に接続される表示パネル用の画素充電方法において、
第1フレーム画面において、前記第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するステップと、
第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップと、を含む画素充電方法を提供する。
【0013】
本発明に係る画素充電方法において、前記第1所定時間が前記第2所定時間に等しい。
【0014】
本発明に係る画素充電方法において、前記第1フレーム画面において、前記第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するステップは、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップと、
前記第1データ線に正極性信号を入力するステップと、
第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するステップと、
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップと、を含む。
【0015】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップの前に、
正極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、負極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、前記第1所定時間が前記時間差の時間であるステップをさらに含む。
【0016】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、
前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、
正極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間遅延してオフにするステップと、
負極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが前記第1時間よりも大きい第2時間遅延してオフにするステップと、を含む。
【0017】
本発明に係る画素充電方法において、前記第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップは、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップと、
前記第1データ線に負極性信号を入力するステップと、
第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するステップと、
前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップと、を含む。
【0018】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップの前に、
負極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、正極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、前記第2所定時間が前記時間差の時間であるステップをさらに含む。
【0019】
本発明に係る画素充電方法において、前記現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、
前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、
負極性信号を入力する前記第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間遅延してオフにするステップと、
正極性信号を入力する前記第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが前記第1時間よりも大きい第2時間遅延してオフにするステップと、を含む。
【0020】
本発明に係る画素充電方法において、前記第1所定時間及び前記第2所定時間が0.5ミリ秒~1ミリ秒である。
【0021】
第3の態様において、本発明は、
第1フレーム画面において、前記第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、前記第2データ線に負極性信号を入力するための第1充電モジュールと、
第2フレーム画面において、前記第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、前記第2データ線に正極性信号を入力するための第2充電モジュールと、を含む表示パネルをさらに提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画素充電方法及び表示パネルは、第1フレーム画面において、一部のデータ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に他のデータ線に負極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(正極性が前、負極性が後である)を変更し、第2フレーム画面において、一部のデータ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に他のデータ線に正極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(負極性が前、正極性が後である)を変更し、即ち、第1フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、1回目の電源ノイズが発生し、第2フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、2回目の電源ノイズが発生し、2回のノイズが互いに相殺されることにより、全体としての充電率を高く保証しつつ、表示時に横クロストーク不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例の技術的手段をより明確に説明するために、以下の実施例の説明で必要となる添付図面を簡単に紹介し、以下の説明における図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎなく、当業者にとっては創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
【
図1】
図1は従来の表示パネルの画素充電を示す図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例の画素充電方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は本発明の実施例の画素充電方法を示す第1の具体的なフローチャートである。
【
図4】
図4は本発明の実施例の表示パネルの第1の充電を示す図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例の画素充電方法を示す第2の具体的なフローチャートである。
【
図6】
図6は本発明の実施例の表示パネルの第2の充電を示す図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例の表示パネルの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を、明確かつ完全に説明する。説明した実施例はすべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例であることは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしに取得したすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属している。ここで記述された具体的な実施形態は本発明を説明や解釈するためのものであり、本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。本発明の特許請求の範囲及び明細書における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序を説明するためのものではない。
【0025】
図2を参照すると、
図2は本発明の実施例の画素充電方法を示すフローチャートである。本発明の実施例は、液晶表示パネルである表示パネル用の画素充電方法を提供する。
【0026】
表示パネルは、画素アレイと、画素アレイに電気的に接続されるデータ線とを含む。データ線は第1データ線及び第2データ線を含む。第1データ線及び第2データ線が画素アレイにそれぞれ電気的に接続される。本発明の実施例の画素充電方法は、
第1フレーム画面において、第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、第2データ線に負極性信号を入力するステップS1と、
第2フレーム画面において、第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、第2データ線に正極性信号を入力するステップS2と、を含む。
【0027】
本発明の実施例の画素充電方法は、第1フレーム画面において、一部のデータ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に他のデータ線に負極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(正極性が前、負極性が後である)を変更し、第2フレーム画面において、一部のデータ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に他のデータ線に正極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(負極性が前、正極性が後である)を変更し、即ち、第1フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、1回目の電源ノイズが発生し、第2フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、2回目の電源ノイズが発生し、2回のノイズが互いに相殺されることにより、全体としての充電率を高く保証しつつ、表示時に横クロストーク不良を防止することができる。
【0028】
具体的には、
図3を参照すると、
図3は本発明の実施例の画素充電方法を示す第1の具体的なフローチャートである。
図2、
図3に示すように、第1フレーム画面において、第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、第2データ線に負極性信号を入力するステップは、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップS11と、
前記第1データ線に正極性信号を入力するステップS12と、
第1所定時間経過後に、第2データ線に負極性信号を入力するステップS13と、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップS14と、を含む。
【0029】
ステップS11において、表示パネルは、表示基板と、表示基板上に設けられる複数行の走査線、複数列のデータ線、複数行複数列の画素と、を含むことができる。なお、各画素は、それぞれ1行の走査線と1列のデータ線とに電気的に接続され、ある行の走査線にゲート信号を入力して薄膜トランジスタスイッチをオンにし、ある列のデータ線に電圧信号を書き込む場合に、電圧信号をその行の走査線とその列のデータ線とに接続された画素にチャージすることができる。所望により、各画素の薄膜トランジスタのゲートが走査線に電気的に接続され、各画素の薄膜トランジスタのソース又はドレインがデータ線に電気的に接続される。
【0030】
ステップS12において、第1データ線及び第2データ線にそれぞれ入力する必要がある電圧信号の極性の確認結果に応じて、第1データ線に正極性信号を入力することができる。例えば、確認結果に応じて、第i画面フレーム(iは正の整数である)において、第1データ線に正極性信号を入力する必要があり、現在の行の薄膜トランジスタスイッチがオンにされる場合に、第1データ線に正極性信号を入力すればよい。
【0031】
ステップS13において、ステップS12における例に基づいて、前記確認結果に応じて、第2データ線に負極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、第2データ線に負極性信号を入力すればよい。所望により、第1所定時間が0.5ミリ秒(0.5ミリ秒を含む)~1ミリ秒(1ミリ秒を含む)であってもよい。本実施例において、第1所定時間が0.6ミリ秒、0.7ミリ秒、0.8ミリ秒又は0.9ミリ秒であってもよい。
【0032】
具体的には、
図4を参照すると、
図4は本発明の実施例の表示パネルの第1充電を示す図である。本発明の実施例の画素充電方法は、ゲート信号により薄膜トランジスタスイッチのオンオフを制御し、正極性信号を負極性信号よりも第1所定時間早めて対応するデータ線に入力して、正極性信号P及び負極性信号Nの位相(正極性が前、負極性が後である)を変更し、正極性信号Pの充電時間を増加させ、充電率を向上させ、負極性信号Nの充電時間を減少させ、誤充電を防止して、表示パネル全体の充電率を向上させる。
【0033】
ステップS14において、現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、正極性信号を入力する第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間遅延してオフにするステップと、負極性信号を入力する第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間よりも大きい第2時間遅延してオフにするステップと、を含む。
【0034】
具体的には、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップは、現在の行の走査線のゲート信号をオフにする。ゲート信号の立ち下がり時間が長く、正極性信号の電圧が高く、負極性信号の電圧が低いため、同じゲート信号であっても、正極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチは、負極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチよりも早くオフにする。
【0035】
さらに、現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップの前に、正極性信号を入力する第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、負極性信号を入力する第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、第1所定時間が時間差の時間であるステップをさらに含む。
【0036】
具体的には、画素は薄膜トランジスタスイッチと、薄膜トランジスタスイッチに電気的に接続される画素電極とを含む。薄膜トランジスタスイッチはP型トランジスタスイッチ又はN型トランジスタスイッチである。表示パネルの作動試験において、現在の行の画素のゲート信号をオフにすることにより、現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにする。薄膜トランジスタスイッチは、ゲート信号が対応するデータ線の電圧信号よりも小さい場合にオフとされる。薄膜トランジスタスイッチのオンオフの際に、ゲート信号の立ち下がり時間が長く、正極性の電圧が高く、負極性の電圧が低いため、同じゲート信号であっても、正極性に対応する薄膜トランジスタスイッチは、負極性に対応する薄膜トランジスタスイッチよりも早くオフにし、したがって、正極性信号と負極性信号とが対応するデータ線に同時に入力される場合に、正極の充電時間が負極の充電時間よりも短い。
【0037】
正極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチが、負極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチよりも早くオフにするため、両者の間にオフ時間差があり、本発明の実施例では該時間差の時間を取得する。所望により、時間差は現在の行の薄膜トランジスタスイッチを複数回オフにして取得した時間差の平均値又はメジアンであってもよいし、他の数であってもよい。
【0038】
所望により、時間差の時間が0.5ミリ秒(0.5ミリ秒を含む)~1ミリ秒(1ミリ秒を含む)である。本実施例において、時間差の時間が0.6ミリ秒、0.7ミリ秒、0.8ミリ秒又は0.9ミリ秒であってもよい。
【0039】
具体的には、
図5を参照すると、
図5は本発明の実施例の画素充電方法を示す第2の具体的なフローチャートである。
図2、
図5に示すように、第2フレーム画面において、第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、第2データ線に正極性信号を入力するステップは、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップS21と、
第1データ線に負極性信号を入力するステップS22と、
第2所定時間経過後に、第2データ線に正極性信号を入力するステップS23と、
現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップS24と、を含む。
【0040】
ステップS21において、表示パネルは、表示基板と、表示基板上に設けられる複数行の走査線、複数列のデータ線、複数行複数列の画素と、を含むことができる。なお、各画素は、それぞれ1行の走査線と1列のデータ線とに電気的に接続され、ある行の走査線にゲート信号を入力して薄膜トランジスタスイッチをオンにし、ある列のデータ線に電圧信号を書き込む場合に、電圧信号をその行の走査線とその列のデータ線とに接続された画素にチャージすることができる。所望により、各画素の薄膜トランジスタのゲートが走査線に電気的に接続され、各画素の薄膜トランジスタのソース又はドレインがデータ線に電気的に接続される。
【0041】
ステップS22において、第1データ線及び第2データ線にそれぞれ入力する必要がある電圧信号の極性の確認結果に応じて、第1データ線に負極性信号を入力することができる。例えば、確認結果に応じて、第i画面フレーム(iは正の整数である)において、第1データ線に負極性信号を入力する必要があり、現在の行の薄膜トランジスタスイッチがオンにされる場合に、第1データ線に負極性信号を入力すればよい。
【0042】
ステップS23において、ステップS12における例に基づいて、前記確認結果に応じて、第2データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、第2データ線に正極性信号を入力すればよい。所望により、第2所定時間が0.5ミリ秒(0.5ミリ秒を含む)~1ミリ秒(1ミリ秒を含む)であってもよい。本実施例において、第2所定時間が0.6ミリ秒、0.7ミリ秒、0.8ミリ秒又は0.9ミリ秒であってもよい。
【0043】
具体的には、
図6を参照すると、
図6は本発明の実施例の表示パネルの第2充電を示す図である。本発明の実施例の画素充電方法は、ゲート信号により薄膜トランジスタスイッチのオンオフを制御し、負極性信号を正極性信号よりも第2所定時間早めて対応するデータ線に入力して、正極性信号P及び負極性信号Nの位相(負極性が前、正極性が後である)を変更し、負極性信号Nの充電時間を増加させ、充電率を向上させ、正極性信号Pの充電時間を減少させ、誤充電を防止して、表示パネル全体の充電率を向上させる。
【0044】
ステップS24において、現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにするステップは、現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップと、負極性信号を入力する第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間遅延してオフにするステップと、正極性信号を入力する第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチが第1時間よりも大きい第2時間遅延してオフにするステップと、を含む。
【0045】
具体的には、前記現在の行の画素にゲート信号を送信することを一時中止するか又は停止するステップは、現在の行の走査線のゲート信号をオフにする。ゲート信号の立ち下がり時間が長く、正極性信号の電圧が高く、負極性信号の電圧が低いため、同じゲート信号であっても、正極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチは、負極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチよりも早くオフにする。
【0046】
さらに、現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオンにするステップの前に、負極性信号を入力する第1データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間と、正極性信号を入力する第2データ線に対応する薄膜トランジスタスイッチのオフ時間との時間差を取得するステップであって、第2所定時間が時間差の時間であるステップをさらに含む。
【0047】
具体的には、画素は薄膜トランジスタスイッチと、薄膜トランジスタスイッチに電気的に接続される画素電極とを含む。薄膜トランジスタスイッチはP型トランジスタスイッチ又はN型トランジスタスイッチである。表示パネルの作動試験において、現在の行の画素のゲート信号をオフにすることにより、現在の行の画素の薄膜トランジスタスイッチをオフにする。薄膜トランジスタスイッチは、ゲート信号が対応するデータ線の電圧信号よりも小さい場合にオフとされる。薄膜トランジスタスイッチのオフの際に、ゲート信号の立ち下がり時間が長く、正極性の電圧が高く、負極性の電圧が低いため、同じゲート信号であっても、正極性に対応する薄膜トランジスタスイッチは、負極性に対応する薄膜トランジスタスイッチよりも早くオフにし、したがって、正極性信号と負極性信号とが対応するデータ線に同時に入力される場合に、正極の充電時間が負極の充電時間よりも短い。
【0048】
正極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチが、負極性信号に対応する薄膜トランジスタスイッチよりも早くオフにするため、両者の間にオフ時間差があり、本発明の実施例では該時間差の時間を取得する。所望により、時間差は現在の行の薄膜トランジスタスイッチを複数回オフにして取得した時間差の平均値又はメジアンであってもよいし、他の数であってもよい。
【0049】
所望により、時間差の時間が0.5ミリ秒(0.5ミリ秒を含む)~1ミリ秒(1ミリ秒を含む)である。本実施例において、時間差の時間が0.6ミリ秒、0.7ミリ秒、0.8ミリ秒又は0.9ミリ秒であってもよい。
【0050】
本発明の実施例において、第1所定時間が第2所定時間に等しい。つまり、本発明の画素充電方法は、第1フレーム画面において、一部のデータ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に他のデータ線に負極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(正極性が前、負極性が後である)を変更し、第2フレーム画面において、一部のデータ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に他のデータ線に正極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(負極性が前、正極性が後である)を変更し、即ち、第1フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、1回目の電源ノイズが発生し、第2フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、2回目の電源ノイズが発生し、2回のノイズが互いに相殺されることにより、全体としての充電率を高く保証しつつ、表示時に横クロストーク不良を防止することができる。
【0051】
図7を参照すると、
図7は本発明の実施例の表示パネルの構造概略図である。
図7に示すように、本発明の実施例はさらに、第1充電モジュール1001及び第2充電モジュール1002を含む表示パネル1000に関する。第1充電モジュール1001は、第1フレーム画面において、第1データ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に、第2データ線に負極性信号を入力するためのものである。第2充電モジュール1002は、第2フレーム画面において、第1データ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に、第2データ線に正極性信号を入力するためのものである。なお、本発明の実施例における表示パネルは、以上に記述された画素充電方法を用いたものであり、具体的には、以上に示したものを参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0052】
本発明の表示パネルは、第1フレーム画面において、一部のデータ線に正極性信号を入力し、第1所定時間経過後に他のデータ線に負極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(正極性が前、負極性が後である)を変更し、第2フレーム画面において、一部のデータ線に負極性信号を入力し、第2所定時間経過後に他のデータ線に正極性信号を入力して、正極性信号と負極性信号との位相(負極性が前、正極性が後である)を変更し、即ち、第1フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、1回目の電源ノイズが発生し、第2フレーム画面において、極性方向に応じて電源電圧がずれて、2回目の電源ノイズが発生し、2回のノイズが互いに相殺されることにより、全体としての充電率を高く保証しつつ、表示時に横クロストーク不良を防止することができる。
【0053】
以上、本発明の実施例に係る画素充電方法及び表示パネルについて詳細に説明したが、本明細書では具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態について説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心的な思想を理解するためのものに過ぎず、一方、当業者であれば、本発明の構想に基づき、具体的な実施形態及び適用範囲に変更を加えることがあり、要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。