IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セルーラ・ロボティクス・リミテッドの特許一覧

特許7553523地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム
<>
  • 特許-地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム 図1
  • 特許-地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム 図2
  • 特許-地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム 図3
  • 特許-地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム 図4
  • 特許-地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/40 20060101AFI20240910BHJP
   G01V 1/02 20060101ALI20240910BHJP
   G01V 1/00 20240101ALI20240910BHJP
【FI】
G01V1/40
G01V1/02 D
G01V1/00 Z
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022144828
(22)【出願日】2022-09-12
(65)【公開番号】P2023041657
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/243,622
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/399,120
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519328936
【氏名又は名称】セルーラ・ロボティクス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CELLULA ROBOTICS, LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ウッドロフ,エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】デヴォー,メラニー
(72)【発明者】
【氏名】オールデン,ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ラストーギ,ナマン
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0146673(US,A1)
【文献】国際公開第2021/006735(WO,A2)
【文献】特開2018-127207(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0212259(US,A1)
【文献】特開2002-071823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌特性を評価するためのシステムであって、システムは試験ツールを含み、
試験ツールは、
第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を含む細長いハウジングと、
感知部と、を含み、
感知部は、
ハウジングの第1の端部から突出するコーン貫入試験機テスト(CPT)ツールと、
ハウジングに収容され、地震波を感知する第1の地震センサと、
ハウジングに収容され、第1の地震センサの出力を処理する1つ以上の回路と、
ハウジングに収容され、1つ以上の回路に結合され、感知部によって感知されたデータを格納するメモリと、
ハウジングに収容され、感知部に電力を供給する電源と、を含み、
システムは、回転式のスロットを備えるドリルカルーセルを含むドリルをさらに含み、
調査のために、試験ツールはドリルカルーセルの特定のスロットから離れ、調査後に特定のスロットに戻り、
システムは、第1の地震センサによって感知される地震波を発生させる、少なくとも1つの地震源をさらに含み、
ドリルは、格納式脚を含み、少なくとも1つの地震源が、格納式脚の少なくとも1つの格納式脚に取り付けられる、
システム。
【請求項2】
感知部は、1つ以上の回路に結合され、ハウジングの第2の端部に配置された通信インターフェイスをさらに含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
通信インターフェイスは、光トランシーバを含み、ハウジングの第2の端部は、光トランシーバが光を送受信する開口を含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
光トランシーバは、青色光モデムを含む、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの地震源は、P波を発生する第1の地震源と、S波を発生する第2の地震源とを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの格納式脚は、第1の格納式脚と第2の格納式脚とを含み、第1の地震源は、第1の格納式脚に搭載され、第2の地震源は、第2の格納式脚に搭載される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第2の地震源は、第1の方向に進むS波と、第1の方向から実質的に180度オフセットした第2の方向に進むS波とを生成する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
ドリルは、地震波生成プロファイルに基づいて地震源を制御するコントローラを含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
地震波生成プロファイルは、テストツールの任意の深さで少なくとも1つの地震源を何回作動させるかを支配する情報を含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
感知部は、地震波を感知する第2の地震センサであって、ハウジング内にあり、ハウジングの長手方向において第1の地震センサから間隔をあけて配置されている第2の地震センサをさらに含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
第1の地震センサ及び第2の地震センサによって感知された地震波を発生する少なくとも1つの地震源をさらに含み、1つ以上の回路は第1のクロックを含み、少なくとも1つの地震源は第1のクロックと同期した第2のクロックに結合される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
ハウジングは、第1セクション、第2セクション、第3セクション、及び第4セクションを含み、第1セクションと第2セクションは着脱可能に接続され、第2セクションと第3セクションは着脱可能に接続され、第3セクションと第4セクションは着脱可能に接続される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
第1セクションは、通信インターフェイスを含み、第2セクションは、電源を含み、第3セクションは、1つ以上の回路及びメモリを含み、第4セクションは、第1の地震センサ及び第2の地震センサを含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
CPTツールがそこから突出するハウジングの第1の端部は、第4セクションの端部にあり、ハウジングの第2の端部は、第1セクションの端部にある、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ハウジングが水密である、
請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
土壌特性を評価するためのシステムであって、システムは試験ツールを含み、
試験ツールは、
第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を含む細長いハウジングと、
感知部と、を含み、
感知部は、
ハウジングの第1の端部から突出するコーン貫入試験機テスト(CPT)ツールと、
ハウジングに収容され、地震波を感知する第1の地震センサと、
ハウジングに収容され、第1の地震センサの出力を処理する1つ以上の回路と、
ハウジングに収容され、1つ以上の回路に結合され、感知部によって感知されたデータを格納するメモリと、
1つ以上の回路に結合した通信インターフェイスと、
ハウジングに収容され、感知部に電力を供給する電源と、を含み、
システムは、回転式のスロットを備えるドリルカルーセルを含むドリルをさらに含み、
調査のために、試験ツールはドリルカルーセルの特定のスロットから離れ、調査後に特定のスロットに戻り、
システムは、第1の地震センサによって感知される地震波を発生させる、少なくとも1つの地震源をさらに含み、
ドリルは、格納式脚を含み、少なくとも1つの地震源が、格納式脚の少なくとも1つの格納式脚に取り付けられる、
試験ツール。
【請求項17】
土壌特性を評価するためのシステムであって、システムは試験ツールを含み、
試験ツールは、
第1セクション、第2セクション、第3セクション、及び第4セクションを含む細長いハウジングを含み、
第1セクションと第2セクションが着脱可能に接続され、第2セクションと第3セクションが着脱可能に接続され、第3セクションと第4セクションが着脱可能に接続され、
試験ツールはまた、
感知部を含み、
感知部は、
第4セクションから突出するコーン貫入試験機テスト(CPT)ツールと、
第4セクションに収容され、地震波を感知する第1及び第2の地震センサと、を含み、
第1及び第2の地震センサは、第4セクションの長手方向に互いに離間し、
感知部はまた、
第3セクションに収容され、第1の地震センサの出力を処理する1つ以上の回路と、
第3セクションに収容され、1つ以上の回路に結合され、感知部によって感知されたデータを格納するメモリと、
第2セクションに収容され、感知部に電力を供給する電源と、
第1セクションに収容され、1つ以上の回路に結合される通信インターフェイスと、を含み、
通信インターフェイスは、テストツールを配備するドリル上の、対応する通信インターフェイスと無線通信を行い、
システムは、回転式のスロットを備えるドリルカルーセルを含むドリルをさらに含み、
調査のために、試験ツールはドリルカルーセルの特定のスロットから離れ、調査後に特定のスロットに戻り、
システムは、第1および第2の地震センサによって感知される地震波を発生させる、少なくとも1つの地震源をさらに含み、
ドリルは、格納式脚を含み、少なくとも1つの地震源が、格納式脚の少なくとも1つの格納式脚に取り付けられる、
試験ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月13日に出願された米国仮出願第63/243,322号及び2022年8月18日に出願された米国仮出願第63/399,120号に基づく優先権を主張し、それぞれの内容全体は参照によりここに組み込まれるものとする。
【0002】
本技術は、概して、地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
コーン貫入試験(CPT)ツール及び/又は地震センサは、構造物基礎、土工、及び他の構造物の設計及び建設を支援する目的で、土壌の様々な地盤工学的特性を決定するために使用される場合がある。海底土壌測定のためのCPTツール及び地震センサは、ツール/センサが水中環境内で動作することに起因する設計上の課題を呈する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の例示的な態様は、以下を含む。
【0005】
土壌特性を評価するためのシステムであって、システムは試験ツールを含み、
試験ツールは、
第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を含む細長いハウジングと、
感知部と、を含み、
感知部は、
ハウジングの第1の端部から突出するコーン貫入試験機テスト(CPT)ツールと、
ハウジングに収容され、地震波を感知する第1の地震センサと、
ハウジングに収容され、第1の地震センサの出力を処理する1つ以上の回路と、
ハウジングに収容され、1つ以上の回路に結合され、感知部によって感知されたデータを格納するメモリと、
ハウジングに収容され、感知部に電力を供給する電源と、を含む。
【0006】
本明細書のいずれかの態様において、感知部は、1つ以上の回路に結合され、ハウジングの第2の端部に配置された通信インターフェイスをさらに含む。
【0007】
本明細書のいずれかの態様において、通信インターフェイスは、光トランシーバを備え、ハウジングの第2の端部は、光トランシーバが光を送受信する開口を含む。
【0008】
本明細書のいずれかの態様において、光トランシーバは、青色光モデムを含む。
【0009】
本明細書のいずれかの態様において、テストツールがそこから配備(deploy)されるカルーセルを含むドリルをさらに含む。
【0010】
本明細書のいずれかの態様において、第1の地震センサによって感知される地震波を発生させる少なくとも1つの地震源をさらに含む。
【0011】
本明細書のいずれかの態様において、ドリルは、格納式脚を含み、少なくとも1つの地震源が、格納式脚の少なくとも1つの格納式脚に取り付けられる。
【0012】
本明細書のいずれかの態様において、少なくとも1つの地震源は、P波を発生する第1の地震源と、S波を発生する第2の地震源とを含む。
【0013】
本明細書のいずれかの態様において、少なくとも1つの格納式脚は、第1の格納式脚と第2の格納式脚とを含み、第1の地震源は、第1の格納式脚に搭載され、第2の地震源は、第2の格納式脚に搭載される。
【0014】
本明細書のいずれかの態様において、第2の地震源は、第1の方向に進むS波と、第1の方向から実質的に180度オフセットした第2の方向に進むS波とを生成する。
【0015】
本明細書のいずれかの態様において、ドリルは、地震波生成プロファイルに基づいて地震源を制御するコントローラを含む。
【0016】
本明細書のいずれかの態様において、地震波生成プロファイルは、テストツールの任意の深さで少なくとも1つの地震源を何回作動させるかを支配する情報を含む。
【0017】
本明細書のいずれかの態様において、感知部は、地震波を感知する第2の地震センサであって、ハウジング内にあり、ハウジングの長手方向において第1の地震センサから間隔をあけて配置されている第2の地震センサをさらに含む。
【0018】
本明細書のいずれかの態様において、第1の地震センサ及び第2の地震センサによって感知された地震波を発生する少なくとも1つの地震源をさらに含み、1つ以上の回路は第1のクロックを含み、少なくとも1つの地震源は第1のクロックと同期した第2のクロックに結合される。
【0019】
本明細書のいずれかの態様において、ハウジングは、第1セクション、第2セクション、第3セクション、及び第4セクションを含み、第1セクションと第2セクションは着脱可能に接続され、第2セクションと第3セクションは着脱可能に接続され、第3セクションと第4セクションは着脱可能に接続されている。
【0020】
本明細書のいずれかの態様において、第1セクションは、通信インターフェイスを含み、第2セクションは、電源を含み、第3セクションは、1つ以上の回路及びメモリを含み、第4セクションは、第1の地震センサ及び第2の地震センサを含む。
【0021】
本明細書のいずれかの態様において、CPTツールがそこから突出するハウジングの第1の端部は、第4セクションの端部にあり、ハウジングの第2の端部は、第1セクションの端部にある。
【0022】
本明細書のいずれかの態様において、ハウジングが水密である。
【0023】
第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を含む細長いハウジングと、
感知部と、を含み、
感知部は、
ハウジングの第1の端部から突出するコーン貫入試験機テスト(CPT)ツールと、
ハウジングに収容され、地震波を感知する第1の地震センサと、
ハウジングに収容され、第1の地震センサの出力を処理する1つ以上の回路と、
ハウジングに収容され、1つ以上の回路に結合され、感知部によって感知されたデータを格納するメモリと、
ハウジングに収容され、感知部に電力を供給する電源と、を含む、試験ツール。
【0024】
試験ツールであって、
第1セクション、第2セクション、第3セクション、及び第4セクションを含む細長いハウジングを含み、
第1セクションと第2セクションが着脱可能に接続され、第2セクションと第3セクションが着脱可能に接続され、第3セクションと第4セクションが着脱可能に接続され、
試験ツールはまた、
感知部を含み、
感知部は、
第4セクションから突出するコーン貫入試験機テスト(CPT)ツールと、
第4セクションに収容され、地震波を感知する第1及び第2の地震センサと、を含み、
第1及び第2の地震センサは、第4セクションの長手方向に互いに離間し、
感知部はまた、
第3セクションに収容され、第1の地震センサの出力を処理する1つ以上の回路と、
第3セクションに収容され、1つ以上の回路に結合され、感知部によって感知されたデータを格納するメモリと、
第2セクションに収容され、感知部に電力を供給する電源と、
第1セクションに収容され、1つ以上の回路に結合される通信インターフェイスと、を含み、
通信インターフェイスは、テストツールを配備するドリル上の、対応する通信インターフェイスと無線通信を行う、試験ツール。
【0025】
任意の1つ以上の他の態様と組み合わせた任意の態様。
【0026】
本明細書に開示された特徴のうちの任意の1つ以上。
【0027】
本明細書に実質的に開示された特徴のうちの任意の1つ以上。
【0028】
本明細書に実質的に開示された任意の1つ以上の特徴と組み合わせた、本明細書に実質的に開示された特徴のうちの任意の1つ以上。
【0029】
任意の1つ以上の他の態様/特徴/実施形態と組み合わせた、任意の1つの態様/特徴/実施形態。
【0030】
本明細書に開示された任意の1つ以上の態様又は特徴の使用。
【0031】
本明細書に記載される任意の特徴は、特徴が同じ記載された実施形態に由来するかどうかにかかわらず、本明細書に記載される任意の他の特徴と組み合わせて請求することができることは明らかである。
【0032】
本開示の1つ以上の態様の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。本開示に記載された技術の他の特徴、目的、及び有利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【0033】
フレーズ「少なくとも1つ」、「1つ以上」、及び「及び/又は」は、機能において接続的及び分離的であるオープンエンドな表現である。例えば、表現「A、B、及びCの少なくとも1つ」、「A、B、又はCの少なくとも1つ」、「A、B、及びCの1つ以上」、「A、B、又はCの1つ以上」、及び「A、B、及び/又はC」の各々は、A単独、B単独、C単独、A及びB、A及びC、B及びC、又はA、B及びCを意味する。上記表現におけるA、B、及びCの各1つが、X、Y、及びZなどの要素、又はX~X、Y~Y、及びZ~Zなどの要素のクラスを指す場合、この表現は、X、Y、及びZから選ばれる単一の要素、同じクラスから選ばれる要素の組み合わせ(例えば、X及びX)、ならびに2以上のクラスから選ばれる要素の組み合わせ(例えば、Y及びZ)を指すことを意図するものである。
【0034】
単数表現された対象物は、その対象物の1つ以上を指す。そのため、用語「或る」、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。また、表現「Xから構成される」、「Xを備える」、「Xを含む」、及び「Xを有する」は、互換的に使用することができることに留意されたい。
【0035】
上の記載は、本開示のいくつかの態様の理解を提供するために、本開示の簡略化された要約である。この要約は、本開示及びその様々な態様、実施形態、及び構成の広範な概観でも網羅的な概観でもない。意図するのは、本開示のキーとなる又は重要な要素を特定することでも、本開示の範囲を画定することでもなく、以下に提示されるより詳細な説明への導入として、本開示の選択された概念を簡略化して提示することを意図する。理解されるように、本開示の他の態様、実施形態、及び構成は、単独で又は組み合わせて、上記に規定された又は以下に詳細に説明される特徴の1つ以上を利用することが可能である。
【0036】
本発明の多数の追加の特徴及び利点は、本明細書以下に提供される実施形態の説明を考慮すると、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
添付の図面は、本開示のいくつかの実施例を説明するために、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。これらの図面は、説明と一緒に、本開示の原理を説明する。図面は、本開示がどのように作られ、使用され得るかの好ましい例及び代替例を単に例示するものであり、本開示を例示及び説明された例のみに限定するものと解釈されるべきではない。さらなる特徴及び利点は、以下で参照される図面によって例示される、本開示の様々な態様、実施形態、及び構成の、以下の、より詳細な、説明から明らかになるであろう。
【0038】
図1図1は、本願開示の少なくとも1つの実施形態に係るシステムのブロック図である。
図2図2は、本願開示の少なくとも1つの実施形態に係る図1のSCPTツールの様々な断面図を示す。
図3図3は、本願開示の少なくとも1つの実施形態に係る図1および2のSCPTツールの2つのセクションを連結するためのコネクタを例示する。
図4図4は、本願開示の少なくとも1つの実施形態にしたがって地震源をドリルに取り付ける例を示す。
図5図5は、本願開示の少なくとも1つの実施形態に係るドリルの平面図を示し、脚が伸びた状態で、地震源が図4に示すものと異なる位置に取り付けられた構成を有している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書に開示された様々な態様は、説明及び添付の図面に具体的に示された組み合わせとは異なる組み合わせで組み合わされ得ることが理解されるべきである。また、例又は実施形態に応じて、本明細書に記載されるプロセス又は方法のいずれかの特定の行為又は事象は、異なる順序で実行されてもよく、追加されてもよく、合併されてもよく、又は完全に省かれてもよい(例えば、記載されたすべての行為又は事象は、技術を遂行するのに必要でないかもしれない)ことも理解されるべきである。さらに、本開示の特定の態様は、明確化のために単一のモジュール又はユニットによって実行されるものとして説明されるが、本開示の技法は、例えば、コンピューティングデバイス及び/又は医療デバイスに関連するユニット又はモジュールなどとの組み合わせによって実行されてもよいことが理解されるべきである。
【0040】
1つ以上の例において、説明された方法、プロセス、及び技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして格納され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行されてもよい。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体又はメモリ(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は、命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを格納するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体)などの有形媒体に相当する非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0041】
命令は、1つ以上のプロセッサ、例えば、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ(例えば、Intel Core i3、i5、i7、又はi9プロセッサ;Intel Celeronプロセッサ;Intel Xeonプロセッサ;Intel Pentiumプロセッサ;AMD Ryzenプロセッサ;AMD Athlonプロセッサ;AMD Phenomプロセッサ;Apple A10又は10X Fusionプロセッサ;Apple A11、A12、A12X、A12Z、又はA13 Bionicプロセッサ、又はその他の汎用マイクロプロセッサ)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又はその他の同等の集積又はディスクリートロジック回路、などで実行されてもよい。したがって、本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、前述の構造のいずれか、又は記載された技術の実装に適した他の任意の物理構造を指す場合がある。また、技法は、1つ以上の回路又は論理要素に完全に実装され得る。
【0042】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用が、以下の説明で述べられた、又は図面に例示された構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行されることが可能である。また、本明細書で使用される言い回し及び用語は、説明のためのものであり、限定的なものと見なすべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む」、「備える」、又は「有する」及びそのバリエーションの使用は、その後に列挙された項目及びその等価物、ならびに追加の項目を包含することを意図するものである。さらに、本開示は、その1つ以上の態様を説明するために例を使用することができる。明示的に別段の記載がない限り、1つ以上の例(「例えば」、「例示として」、「例として」、「など」、又は同様の言語によって示され得る)の使用又は記載は、本開示の範囲を限定することを意図せず、限定もしない。
【0043】
発明的概念は、地震コーン貫入試験ツール及びそれを含むシステム(例えば、ドリル)に向けられる。地震コーン貫入試験(SCPT)は、CPTツールを地震波速度測定と組み合わせ、ひずみせん断弾性率及び/又は土壌液状化潜在指数(liquefaction potential index)の評価に有用であると考えられる。基本原理は、地震源が、土壌中又は海底下に設置されたダウンホールSCPTツール内の1つ以上の地震センサ(例えば、ジオフォン)から水平及び垂直オフセットされた位置でせん断波と圧縮波を発生させることである。検出された波形は、1つ以上の地震センサによって捕捉され、バックグラウンドノイズをフィルタリングし、減少する信号強度を補償するためにデータが分析される。データ解析の主な任務は、地震波が震源によって発生した時点と、地震センサによって感知された時点の時間差を特定することであり、これにより様々な土壌特性を知ることができる。SCPTに関連する標準規格が2つあり、ISO 19901-8とASTM D7400である。
【0044】
発明的概念によるSCPTツール(ダウンホールツールとも呼ばれる)の注目すべき特徴は、ダウンホールツール自体での信号処理、配備の典型的な時間延長に対応して記録するためのダウンホールツールの十分なオンボード電池貯蔵量(例えば、掘削トラブルがあった場合)、地震源が海底で発射されるとき及び地震波が検出されたときに正確に記録するためのドリルとダウンホールとの間の精密なタイミング、また、ダウンホールツールが海底にあるときにすべてを記録し、トリガ信号のタイムスタンプを使用して、関心のあるデータを選択すること、ダウンホールツールに高ダイナミックレンジのADコンバータを搭載し、オペレータが正しいゲイン設定を選択する必要性を減らす(ユーザがゲインを間違って設定すると、センサに過負荷をかけたり、ノイズから信号を分離できなかったりする)、地震源の発射を自動化して操作時間を大幅に減らす、及び/又はダウンホールツールとドリルに光モデムを使用してドリルが海中にあるうちに通信とデータ転送を行う、などを含むが、これらに限定されない。
【0045】
上記の利点/特徴及び他の利点/特徴を達成するために、発明的概念は、CPTノーズコーンと結合された地震センサ(例えば、ジオフォン)のデュアルアレイを有するカスタムダウンホールツールを提案する。SCPTツールは、電力用の1つ以上のバッテリと、ツール上のデータ保存用のメモリカードを含む。SCPTツールを押すドリルが水没している間にデータ検証を可能にするために、例えば、プッシュとプッシュの間にツールがドリルカルーセルにあるとき、データアップロードのために青色光モデムが組み込まれる。青色光モデム又は他の適切な通信インターフェイスは、SCPTツールがカルーセルの特定のスロットにあるとき、ツールが上側(海面上)コンピュータとシリアルデータ接続できるように、SCPTツール及びメインドリルカルーセルに統合されている。一旦接続すると、シリアルプロトコルでデータを送信することができる。さらに、接続が行われると、ドリル及び/又はSCPTツールに上側のネットワークタイムプロトコル(NTP)サーバから時刻同期データが送られ、SCPTツールの時刻がドリルの時刻と一致することが確かとなる。
【0046】
SCPTツールによる検出のために地震波を発生させる地震源(例えば、パルス発生器)は、ドリルの構造からトリガの切り離しを確実にするために、ドリルのアウトリガ(outrigger:舷外浮材)脚に接続され、それによって配備される場合がある。地震源は、ドリルが海底にあるとき、地震源も、SCPTツールのために作られた穴から所定の距離離れて、かつ、ドリル脚及び/又はドリルフレームから所定の距離離れて海底に静止するように、ゴムマウントを介してアウトリガ脚に結合されてもよい。しかしながら、本発明の概念は、地震源をドリル脚に取り付けることに限定されず、地震源は、ドリルの他の部分に取り付けられてもよいし、ドリルに繋がれていない別のデバイスとして存在してもよい。地震源は、圧縮波(P波)及びせん断波(例えば、左右のS波)を発生させることができる。上側コンソール(例えば、海上船舶上)は、地震源の制御ソフトウェアを含んでもよく、後処理のためにドリルから地震データ及び深度データを受信してもよい。
【0047】
次に、発明的概念によるシステムの様々な実施態様を説明する。一般に、データを通信するためには少なくとも2つの方法がある。CPTデータは音響トランスミッタを介して送信され、地震データは青色光(又は水中環境で使用される他の適切な無線通信)を介して送信されてもよい。青色光は、工具の側面から照射してもよいし、ねじ部を通して端部から照射してもよい。ツールは、マイクロコントローラを含み、データの保存、記録の開始、上側とツール間のデータ転送の処理を担当する電子機器セクションを含んでもよい。電子機器は、地震データの記録が必要なときを感知する能力を含む。例えば、電子機器は、ツールが動いているかどうかを感知するか、又はドリルプラットフォームからのトリガ信号を待ち受けることができる。
【0048】
ツールは、バッテリとツールのためのバッテリ管理システムを含むセクションを含んでもよい。このセクションは、電子機器及び他の構成要素に電力を分配する。このセクションは、ドリルのカルーセル上の特定のスロットにあるとき、ユニットへの電力がオフになるような磁気読み取りスイッチの形態の電力オフスイッチを含んでもよい。
【0049】
ツールは、高品質の3軸アナログ装置としての2つのジオフォン、又はS波とP波を記録するための2つの3軸加速度計などの2つの地震センサを有するセクションを含んでいてもよい。CPTプローブと音響発信器の間には、長さを設定できる(すなわち、動的に変更可能な)スペーサを配置することもできる。CPTプローブは工具の底部に組み込まれ、ドリル工具の構造を介した音響遷移によって上側と常時通信している。
【0050】
工具の各セクションは、雄/雌ねじ部及びOリング溝又は同様の機械的装置で互いに機械的に接続され、2つのセクション間に圧力バリアを形成することができる。摩擦嵌合接続、ディテント接続、及び/又は同様のものなど、他のタイプの機械的接続が可能である。データ及び電力が構成要素に伝達されるため、構成要素間の電気的接続のタイプは、各セクションによって異なる場合がある。一般に、電気的接続は、工具のセクションと統合されてもよく、及び/又は工具のセクションとは別個のものであってもよい。統合された電気的接続の例は、工具のセクションに組み込まれた導電層(例えば、工具の円筒形部分の層又は内面に組み込まれた導電材料)を含んでもよい。少なくとも1つの例では、2つのセクションを互いに機械的に接続すると、2つのセクションの構成要素間の電気的接続が自然に生じるように、電気接続は、工具のセクションに組み込まれている。工具のセクションと統合されていない電気接続の例(すなわち、工具のセクションとは別個の接続)は、工具の組み立て中に互いに接続される各セクション内に収容された(しかし統合されていない)配線及び/又はコネクタを含んでもよい。
【0051】
システムは、SCPTツールを収容し、押し出すドリルをさらに含むことができる。ドリルは既存の電子機器キャニスタを有し、可能な場合、これらは、データの通信及びSCPTダウンホールツールの制御をサポートするために必要な任意の余分な通信電子機器及び/又はソフトウェアを処理するために利用される。
【0052】
ドリルは、適切な可視光通信技術及び/又はプロトコルに従って通信するための適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを有する青色光インターフェイスを含んでもよい。ダウンホールツールが送信機を含み、ドリルが受信機を含んでもよいが、ダウンホールツールが受信機を含み、ドリルが送信機を含んでもよいことが理解されるべきである。言い換えれば、ドリル及びダウンホールツールの両方が青色光トランシーバを含んでもよい。ドリルの青色光トランシーバは、カルーセルの動きから分離されたドリルのフレームに配置されてもよい。ダウンホールツールがドリル内の特定のカルーセル位置に配置されるか、又は移動可能であることを条件として、ドリルは、通信リンクを可能にするために2つの青色光トランシーバを位置合わせすることができる。少なくとも1つの実施例では、青色光トランシーバは、電子部によるデータ信号及び/又は制御信号に従ってパルス化される又は変調される青色LEDを有する送信機を採用してもよい。さらに、青色光トランシーバは、送信機から放射された光を検出する光検出器と、光検出器によって生成された信号からデータ信号及び/又は制御信号を回復する処理回路を含む受信機を採用してもよい。
【0053】
システムは、ドリルに機械的及び電気的に接続され、地震波(例えば、P波及びS波)を生成するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含むバングボックス(bang box)などの1つ以上の地震源をさらに含んでもよい。
【0054】
上記の特徴及びそれ以上を含む発明的概念によるシステムを、図を参照して以下に追加的に詳細に説明する。
【0055】
図1は、少なくとも1つの例示的な実施形態によるシステム100のブロック図である。システム100は、1つ以上のSCPTツール(又はテストツール)102と、SCPTツール102を表面(例えば、海底面)に押し込むためのドリル104と、ドリル104と通信し、海面上、例えば、ドリル104を配備する海上船舶上に位置する上側コンソール106と、を含む。図2は、SCPTツール102の様々な断面図を示している。図1及び図2については、以下でより詳細に説明される。
【0056】
図1及び図2を参照すると、SCPTツール102は、第1の端部202と、第1の端部202の反対側の第2の端部204とを有する細長いハウジング200を含んでもよい。非限定的な一例では、ハウジング200は円筒形であり、直径約44mmであり約2670mmの長さを有する。しかしながら、例示的な実施形態はこれに限定されず、ハウジング200は、設計上の好みに応じて(例えば、ドリルカルーセルのサイズに応じて)他のサイズ及び形状を有していてもよい。
【0057】
SCPTツール102は、ハウジング200の第1の端部202から突出するCPTツール又はCPTプローブ108と、ハウジング200に収容され、地震波を感知する第1の地震センサ110と、ハウジング200に収容され、地震波を感知する第2の地震センサ112とを含む。SCPTツール102は、ハウジング200に収容され、地震センサ110及び112の出力を処理する電子機器114として具現化された1つ以上の回路と、ハウジング200に収容され、SCPTツール102の構成要素に電力を提供する、バッテリ116などの電源とをさらに含んでもよい。SCPTツール102は、任意に、電子機器114に結合され、ハウジングの第2の端部204に配置された青色光モデム118のような通信インターフェイスを含む。さらに、SCPTツール102は、地震センサ110及び112の間にオプションのスペーサ120を含んでもよい。
【0058】
構成要素108、110、112、114、116、及び118のグループは、ハウジング202内に完全に又は少なくとも部分的に収容されてもよく、集合的に感知部と呼ばれることがある。図2に示すように、センシングセクションは、着脱可能に接続されたセクション1、2、3、及び4を含む。セクション1は通信インターフェース(例えば、青色光モデム118)を含み、セクション2はバッテリ116のような電源を含み、セクション3は電子機器114に含まれる1つ以上の回路及びメモリを含み、セクション4は第1の地震センサ110及び第2の地震センサ112を含む。CPTツール108が突出するハウジング200の第1の端部202はセクション4の端部にあり、ハウジング200の第2の端部202はセクション1の端部にある。
【0059】
図示のように、セクション1とセクション2はコネクタ206によって着脱自在に接続され、セクション2とセクション3はコネクタ208によって着脱自在に接続され、セクション3とセクション4はコネクタ210によって着脱自在に接続される。コネクタ206、208、210とハウジング200は、一緒に組み立てられると、ハウジング200に収容された部品を外部環境から保護するように、水密構造を形成する。図3を参照して、例示的なコネクタを図示し、より詳細に説明する。
【0060】
なお、図1及び図2を参照すると、CPTツール108は、コーン貫入試験機テストを行うのに適した構成要素を含んでいてもよく、これには、コーン、ロードセル、摩擦スリーブ、真空センサ、音響トランスミッタ、及び/又は音響、力、摩擦、並びにコーン貫入試験機テストに役立つ他のパラメータを測定する他の構成要素が含まれていてもよいがこれに限定はされない。ここで、いくつかの実施形態において、CPTツール108は、システム100から除外されてもよいし、含まれているが使用されなくてもよいことを理解されたい。この場合、ツール102は、1つ以上の地震センサを用いた地震測定のため専用のものである。
【0061】
地震センサ110及び112はそれぞれ、3軸ジオフォン、3軸加速度計、及び/又は地震波を感知することができる他のデバイスで構成されてもよい。各地震センサ110及び112は、生の信号を電子機器114への送信に適した信号に変換する電子機器を内蔵したIEPE(集積電子圧電)センサであってもよい。例示的な実施形態は、2つの地震センサ110及び112を含むSCPTツール102に関して説明されているが、より多くの又はより少ない地震センサが含まれてもよい(例えば、1つの地震センサ又は3つの地震センサ)。
【0062】
電子機器114は、SCPTツール102の構成要素を制御するため、及び/又は地震センサ110及び112からのデータを処理するための適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。電子機器114は、ハウジング200内に固定されたプリント回路基板(PCB)上に搭載されてもよい。電子機器114は、マイクロコントローラユニット(MCU)、プロセッサ、マイクロプロセッサ、又は他の処理回路などの1つ以上の回路を含んでもよい。電子機器114は、1つ以上の回路に結合され、データ(例えば、感知部によって感知される)及び/又は1つ以上の回路のプロセッサによって実行されてSCPTツール102の機能性を制御する命令を格納するメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ)を含んでもよい。電子機器114は、地震センサ110及び112からのアナログ信号を、メモリによって記憶するためのデジタルデータに変換するための高ダイナミックレンジアナログ・デジタル変換器(ADC)をさらに含んでもよい。少なくとも1つの実施例では、デジタル信号は、ドリル104を介して上側海面(topside surface)へデータを通信するために、青色光モデム118の出力を制御するために使用される。理解され得るように、SCPTツール102は少なくとも2つの方法でデータを通信する:CPTデータはCPTツール108の音響送信機を介して送信される、または、地震データはSCPTツール102の側面から又はSCPTツール102の第2の端部204(図1ではツールの端部204から光を発するものとして示されている)から出る青色光モデム118を介して送信される。
【0063】
バッテリ116は、SCPTツール102の構成要素(例えば、モデム118、電子機器114、地震センサ110、112)に電力を供給するための適切な電力源を含んでもよい。電池116は、再充電可能であってもよいし、本質的に再充電不可能であってもよい。電池116は、互いに直列又は並列に接続された複数の電池を含んでもよい。少なくとも1つの非限定的な例では、電池116は、直列に接続された1組の単1電池(例えば、8個の電池)を含む。
【0064】
青色光モデム118は、光トランシーバを含んでいてもよい。少なくとも1つの実施例では、ハウジングの第2の端部204は、光トランシーバが光を送信および受信する開口部を含む。明示的に示されていないが、そのような光トランシーバは、光を放出するための光源(例えば、青色光を放出する発光ダイオードLED)及び光を検出するための光検出器(例えば、フォトダイオード又はフォトダイオードのアレイ)を含んでもよいことが理解されるべきである。青色光モデム118及び/又は光検出器の光源は、少なくとも部分的に、SCPTツール102の浸水部分内に配置されてもよく、浸水部分は、ハウジング200の残りの部分から密閉される。
【0065】
スペーサ120は、地震センサ110及び112間の所望の間隔に応じて、約0.5mから約1m又はそれ以上の長さであってよい。スペーサ120は、ドリル104の押し引き力に耐えることができる鋼又は他の剛性材料などの適切な材料を含んでもよく、少なくとも部分的に中空であってもよく、又は全体的に中実であってもよい。地震センサ110及び112は、スペーサ120の対向する端部に配置または取り付けられてもよい。少なくとも1つの実施形態において、スペーサ120の長さは調節可能であり(例えば、上側で)、それによって地震センサ110及び112の間の距離を変化させ得る。いくつかの例では、スペーサ120は、地震センサ110と112との間のハウジング200のセクション4における単なる中空の空気空間(すなわち、空気空洞)である。
【0066】
図1及び図2は、SCPTツール102の構成要素がツール内の特定の順序にあるように図示しているが、CPTツール108が一端にあり青色光モデム118が反対端にある限り、構成要素110、112、114、116及び120の順序はツール102内で再配置できることを理解されたい。
【0067】
一般に、ドリル104は、ドリル104の異なる側面を制御するための様々なコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)を含んでいる。例えば、ドリル104は、ペイロードCAN122、CPT CAN124、及び拡張CAN126を含む。
【0068】
ペイロードCANは、制御/電力ブロック126、データ取得(DAQ)及びデジタル入力/出力(DIO)デバイス128、及び通信インターフェイス130を含む。制御/電力ブロック126は、DAQ/DIOデバイス128、ドリル104の青色光モデム132、及び圧縮波源138a及びせん断波源138b、138cに接続されたジャンクションボックス136などの少なくとも1つの地震源138の構成要素など、他の構成要素を制御し電力を供給するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。制御/電力ブロック126は、青色光モデム132を介して受信されたSCPTツール102からの地震データなどのデータを処理することもできる。DAQ/DIOデバイス128は、拡張CAN126と制御/電力ブロック126との間でデータ及び制御信号を処理及び/又は中継するための適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。通信インターフェイス130は、DAQ/DIOデバイス128と青色光モデム132との間で伝達される信号を変換及び/又は処理するための適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを含む。ここで、SCPTツール102とドリル104との間の青色光通信に関して例示的な実施形態を説明したが、水中環境に適した他の無線通信インターフェイスを用いてもよいことを理解されたい。
【0069】
CPT CAN124は、音響通信インターフェイス140を介してドリル104のマイクロフォン142によって受信されたCPTデータを収集及び/又は処理するための適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを含む。上述したように、CPTツール108は、ツール108の配備中に音響信号を発する音響トランスミッタを含み、これは、次に、CPT CAN124によって受信及び処理されるべきCPTデータとしてマイクロフォン142によって検出される。したがって、マイクロフォン142は、CPTツール108からの水中音響信号を検出するための任意の適切なマイクロフォンを含んでもよい。
【0070】
拡張CAN126は、ドリル104の構成要素(例えば、ペイロードCAN122及びCPT CAN124)と上側コンソール106との間で伝達される信号を処理及び/又は変換するための適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを含む。示されるように、拡張CAN126と上側コンソール106との間の接続は、光ファイバー接続で構成されてもよい。一般に、ドリル104の構成要素とドリル104に取り付けられた構成要素(例えば、地震源138)との間の通信は、本質的に電気的であり、様々なイーサネット接続を介して行われる。したがって、拡張CAN126は、ペイロードCAN122及びCPT CAN124からの電気信号を、上側コンソール106に送信するための光信号に変換してもよい。また、拡張CAN126は、上側コンソール106からの光信号を、ペイロードCAN122に送信するための電気信号に変換してもよい。拡張CAN126は、ドリル104の構成要素に電力を分配するための電子構成要素を含む変圧器ボックス144にさらに結合されてもよい。拡張CAN126は、ユーザが他のタスクを実行するためにドリル104の機能を拡張することを可能にする構成要素として機能することもできる。
【0071】
図1には明示されていないが、ドリル104は、カルーセル(そこからSCPTツール102が配備される(図4参照))を含んでもよい。
【0072】
少なくとも1つの地震源138は、ジャンクションボックス136内のコントローラの制御下で、地震センサ110及び112によって感知される地震波を発生させる。上記で言及したように、少なくとも1つの地震源138は、P波を生成する第1の地震源138aと、S波を生成する第2の地震源を含む。第2の震源は、反対方向に進むS波を発生させる2つの震源138b、138cを含んでもよい。例えば、地震源138bは、第1の方向に進むS波を発生させる一方、地震源138cは、第1の方向から実質的に180度オフセットした第2の方向に進むS波を発生させる。一例では、第1の方向は水平に左方向に対応し、一方、第2の方向は水平に右方向に対応する。ジャンクションボックス136及び地震源138a、138b、138cは、同じハウジングに統合されてもよく、又は独立したハウジングに存在してもよい。少なくとも1つの実施例では、地震源138の1つ以上は、ドリル104のアウトリガ脚に取り付けられている(図4及び図5参照)。1つの非限定的な具体例では、地震源138aは1つのアウトリガ脚に取り付けられ、一方、地震源138b及び138cは別のアウトリガ脚に取り付けられる。各地震源138a、b、cは、ジャンクションボックス136の対応するモータ制御装置によって制御される独自のモータを含んでもよい。他の例では、各地震源138a、b、cは、地震波を引き起こすために操作される油圧装置を含む。ジャンクションボックス136は、ドリル104内(例えば、ペイロードCAN122内)及び/又は地震源138a、138b、138cの1つ以上を含むハウジング内に含まれてもよい。
【0073】
地震データ収集は、ツールの深さ及び地震源と地震センサとの間の土壌のタイプによって異なる場合がある。このため、地上ツールのための関連技術の地震源は、有用な地震データが収集されるまで、上側海面におけるコントローラへのユーザ入力に基づいて手動で起動される。しかしながら、SCPTツール102は、ボアホール内にある間、ドリル104と通信していない。したがって、少なくとも1つの例示的な実施形態では、制御/電力ブロック126及び/又はジャンクションボックス136は、地震波生成プロファイルに基づいて地震源138を自動的に制御するようにプログラムされる。地震波生成プロファイルは、高品質の地震データを生成することを目的として、SCPTツール102の任意の深さで個々の地震源138a、138b、及び138cを何回及びいつ起動するかを支配する情報を含んでもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、地震波生成プロファイルは、地震データの品質をSCPTツール102の深さ、予想される土壌特性、及び/又は地震波の数、周波数、及び/又は種類と相関させる他のSCPT調査から収集された履歴情報に基づいて行われる。別の言い方をすれば、地震波生成プロファイルは、以前の調査からの結果又は他の知識を踏まえて、SCPTツール102によって収集された高品質の地震データをもたらすと予測される方法で、地震源138a、b、cの発射を自動的に引き起こすように実施されてもよい(高品質のデータは、最善の又は改善された信号対雑音比を達成する地震記録を含んでもよい)。少なくとも1つの実施形態において、初期地震波生成プロファイルは、調査の開始時に実装されるが、調査中に変化する要因を考慮するために、調査の進行に応じて動的に調整され得る。
【0074】
図1は、ペイロードCAN122と電子機器114との間の一時的な有線接続をさらに示し、これは、上側海面からのドリル104の配備の前に、ドリル104とSCPTツール102のクロックを同期させるために使用されている。有線接続は、上側海面からの配備の前に除去される。一般に、タイミング精度は、S波と比較してP波の速度がより高いことを踏まえると、P波地震データを記録するのに有用である。特に、正確なタイミングは、センサ110及び112によって収集された地震ツールデータと、少なくとも1つの地震源138の発射時に生成される地震トリガデータとの間で有用である。SCPTツール102及びドリル104は、通常、調査中に通信しないので、各装置は、例えば、電子機器114及び制御/電源ブロック126内に、それぞれ独立したクロック146及び148を含む。各クロック146及び148は、30ppbより優れた精度を有するオーブン制御水晶発振器(OCXO)で構成されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、各クロック146及び148は、セシウム原子時計を含む。各クロック146及び148は、ドリル104の配備前に上側サーバクロックと同期されてもよい。時間オフセットは、調査の開始時に同期され、任意の相対的な変化は、調査の終了時に測定され、伝達される。センサ110及び112によって感知された地震データ及び震源138をトリガする震源トリガ信号データはタイムスタンプされ、これにより、センサ110及び112によって感知された地震データを震源138からの特定の地震波に正確にマッチングさせることができる。
【0075】
調査の開始時に、SCPTツール102とドリル104との間で通信が確立されると、時間関係はシリアル通信を通じて定量化されることがある。調査の終了時には、通信が再確立され、時間関係は再びシリアル通信を通じて測定される。調査開始時と調査終了時の時間関係を知ることで、ドリル104とSCPTツール102の両者間のデータの正確な調整が可能になる。クロック146及び148の両方は、タイミング精度をさらに向上させるために、できるだけ頻繁に上側サーバの時刻に一致するように更新されてもよい。タイミング精度を各ボアホールの前後に実証する必要がある限りにおいて、これは、ツールが初めてドリル104のカルーセルから離れる前と、ツールが調査の終わりにカルーセルに戻ったときのSCPTツール102の時刻を比較することによって達成することができる。この方法では、ツールがカルーセルから戻り、離れるたびに精度が実証され得て、収集されるデータの品質の信頼性が高まる。
【0076】
図1の参照を続けると、システム100の上側海面構成要素は、SCPTデータプロセッサ150及びグラフィカルユーザインターフェース(GUI)152に結合された上側コンソール106を含んでもよい。上側コンソール106は、ドリル104の制御を可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。例えば、上側コンソール106は、ディスプレイと、タッチスクリーン、マウス、キーボード、マイクロフォン、及び/又は同様のもののような1つ以上のユーザ入力デバイスを含んでもよい。SCPTデータプロセッサ150は、ドリル104を介して受信されたSCPTツール102からのデータ、又は海底から回収された後のSCPTツール102自体から読み込んだデータを処理するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。GUI152は、プロセッサによって実行可能であり、ディスプレイ上にレンダリングされる様々なソフトウェアモジュールを含んでもよい。ソフトウェアモジュールは、(例えば、地震波生成プロファイルのユーザ入力を介して)地震源138に対するユーザ制御及び/又は地震源からのフィードバックを可能にする地震源制御モジュール154と、(青色光モデム118及び132を介してドリルと通信する場合)SCPTツール102に対するユーザ制御及び/又はSCPTツールからのフィードバックを可能にするSCPTツール制御モジュール156を含むことができるがそれだけ限定されない。
【0077】
例えば、GUI152は、SCPT制御モジュール154を通じて、SCPTツール102のバッテリ状態情報及び利用可能なメモリの詳細をユーザに提供し得て、SCPTツール102から選択的又は完全なデータを要求する能力をユーザに提供し得て(ドリル104によって提供される、地震トリガパルスタイミングに基づく)、及び/又はSCPTツール102のモード(例えば、睡眠モード、アクティブモード、またはデータ転送モード)を選択する能力をユーザに提供し得る。GUI152は、地震源制御モジュール156を介して、地震源138の制御、地震波生成プロファイルの選択、生成する波のタイプの選択(P波生成、左S波生成、又は右S波生成)、生成するP波、左S波又は右S波の総数の選択、及び波の生成をトリガするための、電子キャニスタへのインターフェイスを可能にし得る。
【0078】
典型的な関連技術の有線SCPT操作の間、地盤工学エンジニアは、取り込まれたデータが良質であることを確実にするために、地震センサからのフィードバックを常時有する。システム100におけるような無線SCPTシステムでは、常時のフィードバックがなく、これでは、SCPT調査中に収集されたデータが許容されないものである可能性が発生する。したがって、少なくとも1つの実施形態では、システム100は、SCPTツール102が適切に機能していること、及び/又は許容可能な品質のデータを収集していることを保証するためにデータ品質チェックを実行する。ここで、SCPTツール102は、定期的にドリル104に回収され、青色光モデム118及び132を介して上側コンソール106にデータを渡してもよい。SCPTツールをカルーセルに回収する2つの主な理由は、1)地震データを積み重ねるプロセスによって所望の信号対雑音比を達成するために必要な地震波の記録数を理解し、良質のデータを保証するためにデータプロセッサ150上で実行されるデータ処理ソフトウェアの適切な設定を理解することによって操作方法を改善し技術を改良するため、及び、2)技術的障害(地震源、SCPTシステムなど)によるデータギャップの拡張を回避するため、及び、震源トリガデータとSCPTツールの102のロギングデータとの間の同期を検証することである。データをチェックする頻度は、標準的な作業手順を実施することにより低減することができる。少なくとも1つの実施例において、SCPTツール102は、以下の状況においてデータ品質チェックのために回収されてもよい:システムが正しく動作していることを確認するための新しいボアホールの第1又は第2のテスト深度の後;地質の変化がCPTコーンによって記録された後-これは典型的には設定を変更する必要があるときである;CPT拒否後-これはデータ品質をチェックする良い機会である;及び/又は動作手順の信頼性に応じて6~10m深さの後。地質の理解が深まれば、データチェックの回数をさらに減らして作業時間を短縮することも可能である。
【0079】
次に、SCPTツール102の2つのセクションを接続するための例示的なコネクタを示す図3を参照する。具体的には、図3は、図2におけるコネクタ210のための例示的な構造の斜視図及び断面図を示している。理解され得るように、コネクタ210は、4つの半径方向ピンを含み、そのうちの3つは、300a、300b、及び300cとして図示されている。しかしながら、より多くの又はより少ない半径方向ピン300が含まれてもよい(例えば、6つの半径方向ピン)。半径方向ピン300は、セクション3とコネクタ210との間に水密シールを作成するためにガスケットを含み得るスレッド302でセクション3にねじ込まれると、コネクタ210をハウジング200のセクション3に固定し得る。図3に示すように、電子機器114が搭載されたPCBは、ハウジング200のセクション3内のコネクタ210の端部に固定されてもよい。
【0080】
コネクタ210は、セクション4とコネクタ210との間に水密シールを形成するために、スレッド302と同じ又は類似のガスケットを含み得るスレッド304を用いてセクション4にねじ込まれると、ハウジング200のセクション4をコネクタ210にロックする少なくとも1つのラジアルねじ306を更に含む。理解され得るように、少なくとも1つの半径方向ねじ306は、コネクタ210に着座している。しかしながら、より多くの又はより少ない半径方向のねじ306が含まれてもよい。
【0081】
コネクタ210は、コネクタ210を貫通する貫通孔308をさらに含んでもよい(例えば、コネクタ210の中心部において)。貫通孔308は、電子機器114と地震センサ110、112との間の配線を通過させることを可能にする。
【0082】
理解され得るように、コネクタ210は、コネクタ210が各セクションに固定されると、ハウジング200のセクション3及び4に当接する環状突出部310を更に含む。ドリル104からの押し力は、環状突出部310及び/又はコネクタ210の端面312及び/又は環状部分314によって少なくとも部分的に吸収され得る。一方、ドリル104からの引っ張り力は、ピン300によって少なくとも部分的に吸収される。
【0083】
明示的に示されていないが、コネクタ206及び208は、スレッドと半径方向のピンと少なくとも1つの半径方向のねじの組み合わせが、導電性配線がそこを通過できる貫通孔又は他の通路を含む各コネクタでハウジング200のそれぞれのセクションを互いに接続するために用いられる、コネクタ210と同じ又は同様の構造を有することができる。
【0084】
図4は、少なくとも1つの例示的な実施形態によるドリルへの地震源の取り付けのための例を示す図である。
【0085】
図4に示すように、ドリル104は、格納可能なアウトリガ脚と、そこからSCPTツール102が配備されるカルーセル406とを含む。ドリル104は、海底と接触するように延び、ドリル104が回収されるときに引っ込む4つの引き込み可能な脚を含んでもよい。図4では、3つの脚400、402、及び404が見えている。上述したように、少なくとも1つの地震源138は、格納可能な脚の少なくとも1つに取り付けられる。図4は、地震源138aが、脚400が一旦伸長されると、ドリル104から最も離れた脚の端部で脚400の外縁に取り付けられる非限定的な例を示している。一方、地震源138b及び138cは、近隣の脚402の先端部に取り付けられる。なお、地震源138b、138cは、地震源138aが取り付けられた脚400のすぐ隣の脚402に取り付けられているように示されているが、例示した実施形態はこれに限定されず、地震源138aは脚402の斜め前に位置する図示しない脚に取り付けられていてもよい。さらに、地震源138a、138b、138cは、別々の脚に取り付けられてもよいし、全てが単一の脚に取り付けられてもよい。しかしながら、本発明の概念は、地震源138a、b、cをドリルの脚に取り付けることに限定されず、地震源138a、b、cは、ドリル104の他の部分に取り付けられてもよいし、ドリル104に繋がれていない完全に別のデバイスとして存在してもよい。
【0086】
各地震源138a、b、cは、ピン、ナット、ボルト、ばねなどを含んでもよい適切な機械的接続を介して脚に取り付けられてもよい。各震源138は、配備されたときに海底との接触を改善するために、ばねでドリルの脚に取り付けられるベースプレートによって支持されてもよい。マウントは、地震源138を発射するときにドリル104に付与される振動を減衰させる減衰部材(例えば、ゴムマウント)を含んでもよい。注目すべきは、地震源138a、138b、及び138cは、脚が延びたとき、地震波がドリル104に干渉しないように、脚が地震波に干渉しないように、及び/又は地震波が地震センサ110及び112によって適切に感知されるように、各地震源がSCPTツール102が押し込まれたボーリング穴から少なくとも最小距離離れるように脚又は脚に取り付けられることが望ましい。一例として、図5は、脚を伸ばしたドリル104の平面図であり、図4に示したものとはわずかに異なる取り付け位置を有する地震源138のための構成を有するものである。図5に示すように、地震源138aはボアホールから2.56m離れており、震源138b及び138cはボアホールから3.00m離れている。しかしながら、ボアホールからの距離は、設計上の好みに応じて調整することができる(例えば、5mから10mまで)。少なくとも1つの実施形態において、各震源138は、脚が拡張状態に配備されたときに震源138を脚からさらに遠ざけることができる方法で、対応する脚に接続される。例えば、地震源138は、脚が配備されるときに制御されるか又は自然に伸長し、脚が後退するとき又はその前に後退するロッド又は他の構造物に接続されてもよい。
【0087】
図4は、カルーセル406の上方にあるものとして、青色光モデム132のおよその位置をさらに示している。図の性質上明示されていないが、青色光モデム132は、カルーセル406の特定のスロットと整列して、ツール102が特定のスロットにあるときにSCPTツール102との通信を可能にする。
【0088】
上記を考慮すると、例示的な実施形態は、少なくとも以下の特徴及び利点を有するSPCTツール及びシステムを提供することが理解されるべきである。特徴及び利点とは、ダウンホールツール自体における信号処理、典型的な時間延長配備に対して記録するのに十分なダウンホールツールのオンボード電池ストレージ(例えば、掘削トラブルがあった場合)、海底で地震源が発射したときに正確に記録するためのドリルとダウンホールツールの間の正確なタイミング、ダウンホールツールが海底にあるときにすべてを記録し、トリガ信号のタイムスタンプを使用して関心のあるデータを選択すること、ダウンホールツールに高ダイナミックレンジのADCを搭載し、オペレータが正しいゲイン設定を選択する必要性を減らす(ユーザがゲインを間違って設定すると、センサに過負荷をかけたり、ノイズから信号を分離できなかったりする)、操作時間を大幅に減らすために地震源の発射を自動化すること、及び/又はダウンホールツールとドリルに光モデムを使用してドリルが海中にあるうちに通信とデータ転送を行うこと、を含む。
【0089】
前述は、本開示を本明細書に開示された態様又は形態に限定することを意図していない。前述の詳細な説明において、例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、及び/又は構成にまとめられる。本開示の側面、実施形態、及び/又は構成の特徴は、上述した以外の代替の側面、実施形態、及び/又は構成で組み合わされてもよい。この開示方法は、特許請求の範囲が各請求項に明示的に記載されている以上の特徴を必要とする意図を反映していると解釈されることはない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明的側面は、単一の前述の開示された態様、実施形態、及び/又は構成のすべての特徴よりも少ない特徴に存在する。したがって、以下の請求項は、本詳細説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の好ましい実施形態としてそれ自体で存在する。
【0090】
さらに、上記は、1つ以上の態様、実施形態、及び/又は構成、並びに特定の変形及び修正の説明を含んでいるが、他の変形、組み合わせ、及び修正は、例えば、本開示を理解した後に、当業者の技術及び知識の範囲内にあり得るように、本開示の範囲内である。そのような代替、交換可能及び/又は同等の構造、機能、範囲又はステップが本明細書に開示されているか否かにかかわらず、また、特許可能な主題を公に献呈することを意図することなく、請求されるものと代替、交換可能及び/又は同等の構造、機能、範囲又はステップを含む代替態様、実施形態及び/又は構成を許される範囲内で含む権利を取得することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5