(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】不規則に離間したトウ房を有する掃除用品
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A47L13/16 A
A47L13/16 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022167305
(22)【出願日】2022-10-19
(62)【分割の表示】P 2020545474の分割
【原出願日】2019-03-22
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(72)【発明者】
【氏名】ポリチッチオ、ニコラ・ジョン
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-289867(JP,A)
【文献】特開2009-254536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
XY平面及び前記XY平面に垂直なZ方向を画定する縁部20、22によって境界が区切られ、長手方向軸LAが長手方向を画定し、横断方向軸TAが横断方向を画定し、前記長手方向軸LA及び前記横断方向軸TAが前記XY平面内にある、掃除用品10であって、
第1の側面と、前記第1の側面に対して反対側の第2の側面とを有するキャリアシートと、
前記キャリアシート内に配置された長手方向縁部220及び横方向縁部222によって画定された領域に配置された、トウ繊維からなる複数の離散的に離間した房15であって、前記房は、複数の前記横断方向に間隔をあけて配置された一次接合部32によって前記キャリアシートの前記第1の側面に接合され、前記房は、前記XY平面に垂直なZ方向に外向きに延在して前記Z方向にトウ厚さを有する、トウ繊維からなる複数の離散的に離間した房15と、
二次接合部34の対であって、前記Z方向の前記房の厚さを減少させ、前記Z方向の厚さの差を提供することによって、前記対の間にチャネルを形成する、二次接合部34の対とを備え、
前記二次接合部の前記対は、前記長手方向縁部220から長手方向軸LAに向かって延び、
前記二次接合部
の前記対によって形成された
前記チャネルにより、塵が前記掃除用品の前記長手方向軸LAに近づく方向に入ることを可能にすることを特徴とする掃除用品10。
【請求項2】
前記長手方向軸の各側に配置され、前記長手方向軸を横切らない、複
数の前記二次接合部34の前記対を備える、請求項1に記載の掃除用品10。
【請求項3】
前記二次接合部34の前記対が、概ね前記横断方向軸に平行である、請求項1又は2に記載の掃除用品10。
【請求項4】
前記二次接合部34の前記対が、概ね前記横断方向軸に対して斜めである、請求項1又は2に記載の掃除用品10。
【請求項5】
前記長手方向軸の各側に配置され、前記長手方向軸を横切らない、ヘリングボーン模様にて配列されている複数
の前記二次接合部34の前記対を備える、請求項1、2、4のいずれか一項に記載の掃除用品10。
【請求項6】
複数の前記二次接合部34の前記対がダイヤモンド模様で配列されている、請求項
1に記載の掃除用品10。
【請求項7】
前記複数の
前記二次接合部34の前記対が、前記長手方向軸を横切る連続したダイヤモンド模様で配列されている、請求項6に記載の掃除用品10。
【請求項8】
前
記二次接合部34が、2~12mmの一定幅を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の掃除用品10。
【請求項9】
前
記二次接合部34の前記対の各二次接合部が互いに平行である、請求項1~8のいずれか一項に記載の掃除用品10。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除のために差動高さのトウ繊維の房を有する掃除用品に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の掃除用品が、埃取り及び軽い掃除のために開発されてきた。例えば、乾燥した状態で、又は研磨及び洗浄組成物によって濡れた状態で使用される、布きれ及びペーパータオルが、調理台、シャワー、シンク、床などの比較的平らな表面で使用されてきた。米国特許第9,296,176号に開示されているように、薄層からなる拭き取り布が提案されてきた。しかし、布きれ、拭き取り布、及びペーパータオルには、衛生状態(使用者の手が、化学薬品、汚れ、又は掃除中の表面に触れることがある)、届く範囲(布きれ、拭き取り布、又はペーパータオルを持った状態で、使用者の手を、届きにくい場所に入れることが困難であることがある)、及び不便さ(密接に離間された物品の間を掃除する場合、通常、これらの物を移動させる必要がある)などの理由による問題がある。
【0003】
布きれ及びペーパータオルの使用に伴うこれらの問題を克服するために、Haydenによる米国特許第823,725号(1906年発行)に記載のフェルト及び毛を使用したデバイス、及び同第4,145,787号に記載の糸を使用したデバイスなどの、再利用可能な種々の集塵デバイスが、1世紀を超えて利用されてきた。再利用可能な集塵デバイスの問題に対処するため、限定的な再利用性を有する使い捨て掃除用品が開発されてきた。これらの使い捨て掃除用品は、米国特許出願公開第2006/0171764号、米国特許第6,143,393号、同6,241,835号、同6,319,593号、同6,329,308号、同6,554,937号、同6,774,070号、同6,813,801号、同6,830,801号、同6,984,615号、同7,003,856号、同7,566,671号、同7,712,178号、同7,779,502号、同7,870,635号、同7,937,797号、同8,146,197号、同8,151,402号、同8,161,594号、同8,186,001号、同8,225,453号、同8,245,349号、同8,646,144号、同8,528,151号、同8,617,685号、同8,646,144号、同8,752,232号、同8,756,746号、同8,763,197号、同8,793,832号、同9,113,768号、同9,198,553号及び本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,075,977号に示されるように、シートに取り付けられたトウ繊維と呼ばれる合成繊維の房を含んでもよい。
【0004】
米国特許第7,566,671号、及び本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第7,803,726号、及び本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2008/0028560号に開示されているように、トウ繊維を有する使い捨てダスターは、湿式掃除用に提供されてもよい。しかし、トウ繊維は濡れるともつれた状態になることがあるため、広い又はひどく濡れた表面(例えば、床)の掃除には好適ではない。したがって、ダスターは、極めて広い又はひどく汚れた表面の掃除には好適ではない場合がある。
【0005】
したがって、床などのより大きな標的表面を掃除するための種々のシートが提案されている。弾性挙動を有するウェブは、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第5,691,035号に提案されている。米国特許第6,245,413号、及び同第7,386,907号に開示されているように、くぼみを有するシートも提案されている。米国特許第6,550,092号に開示されているように、空洞を有するシートが提案されている。粘着性掃除シートは、米国特許第7,291,359号に提案されている。房は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第7,682,686号、同第7,838,099号、及び/又は同第8,075,977号に教示されている。更にその他の試みでは、ワックス及び/又は油のコーティングを使用する。ワックス及び油などのコーティングは、一般に、米国特許第6,550,092号、同6,777,064号、同6,797,357号、同6,936,330号、同6,984,615号、同7,386,907号、同7,560,398号、同7,786,030号、同8,536,074号、同9,204,775号及び同9,339,165号に開示されている。特定の両親媒性コーティングは、米国特許第8,851,776号に開示されている。
【0006】
一部の先行技術は、意図される収集対象の塵のサイズに基づいて、単純に大きい塵及び小さい塵に焦点を合わせる試みがなされている。しかし、これらの教示は、床を掃除する際に一般的に見出される範囲の塵を収集するための適切なトウ繊維の使用に必ずしも対処するものとはなっていない。掃除用シートにトウ繊維を組み込む先行技術の試みは、このような体積及び密度の差を考慮に入れていなかった。泥などの高密度で粒状の塵は、必ずしもトウ繊維によって捕捉されない。トウ繊維の間隔が広すぎると、高密度で粒状の塵と接触することすらできず、表面にあるこのような塵をほとんど掃除することができなくなる。また、トウ繊維の間隔が密接すぎると、より大きな体積でより低い密度の塵を捕えて保持することができない場合がある。このような塵が最初に捕捉された場合であっても、先行技術のシートは、そのような塵をシートによってどのように保持するかという問題に対処していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第9,296,176号
【文献】米国特許第823,725号
【文献】米国特許第4,145,787号
【文献】米国特許出願公開第2006/0171764号
【文献】米国特許第6,143,393号
【文献】米国特許第6,241,835号
【文献】米国特許第6,319,593号
【文献】米国特許第6,329,308号
【文献】米国特許第6,554,937号
【文献】米国特許第6,774,070号
【文献】米国特許第6,813,801号
【文献】米国特許第6,830,801号
【文献】米国特許第6,984,615号
【文献】米国特許第7,003,856号
【文献】米国特許第7,566,671号
【文献】米国特許第7,712,178号
【文献】米国特許第7,779,502号
【文献】米国特許第7,870,635号
【文献】米国特許第7,937,797号
【文献】米国特許第8,146,197号
【文献】米国特許第8,151,402号
【文献】米国特許第8,161,594号
【文献】米国特許第8,186,001号
【文献】米国特許第8,225,453号
【文献】米国特許第8,245,349号
【文献】米国特許第8,646,144号
【文献】米国特許第8,528,151号
【文献】米国特許第8,617,685号
【文献】米国特許第8,752,232号
【文献】米国特許第8,756,746号
【文献】米国特許第8,763,197号
【文献】米国特許第8,793,832号
【文献】米国特許第9,113,768号
【文献】米国特許第9,198,553号
【文献】米国特許第8,075,977号
【文献】米国特許第7,803,726号
【文献】米国特許出願公開第2008/0028560号
【文献】米国特許第5,691,035号
【文献】米国特許第6,245,413号
【文献】米国特許第7,386,907号
【文献】米国特許第6,550,092号
【文献】米国特許第7,291,359号
【文献】米国特許第7,682,686号
【文献】米国特許第7,838,099号
【文献】米国特許第6,777,064号
【文献】米国特許第6,797,357号
【文献】米国特許第6,936,330号
【文献】米国特許第7,560,398号
【文献】米国特許第7,786,030号
【文献】米国特許第8,536,074号
【文献】米国特許第9,204,775号
【文献】米国特許第9,339,165号
【文献】米国特許第8,851,776号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、掃除用シート上にトウ房を選択的に処理することにより、日常の掃除において遭遇する広範囲の塵を捕捉し保持するために、硬質表面掃除用品にトウ繊維をどのように組み込むかという問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、長手方向軸を有し、キャリアシートを含む縁部によって境界が区切られた掃除用品と、キャリアシートに接合された複数の離散的に離間されたトウ繊維の房と、を備える。房は、そこを通る二次接合部を有し、塵の蓄積のためのチャネルを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図では、掃除用品の接着線及び設置面積は、縮尺通りに描かれている。トウ繊維の房を概略的に示す。本発明で使用する場合、上面図は、標的表面に向かって面して接触する掃除用品の図である。底面図は上面図とは対照的であり、掃除用品がそこへと取り付けられた場合に掃除デバイスのヘッドに向かって面する。
【
図1A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、連続した対である二次接合部が横断方向軸に対して概ね平行に配向されている、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図1B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図1Aの掃除用品の上面図である。
【
図2A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、位置合わせされた、対状の、中断された二次接合部が横断方向軸に対して概ね平行に配向されている、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図2B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図2Aの掃除用品の上面図である。
【
図3A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、対である連続した二次接合部が横断方向軸に対して斜めに配向されている、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図3B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図3Aの掃除用品の上面図である。
【
図4A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、オフセットされた対状の中断された二次接合部が横断方向軸に対して斜めに配向されている、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図4B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図4Aの掃除用品の上面図である。
【
図5A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、対状の連続した山形の二次接合部が長手方向に配向されている、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図5B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図5Aの掃除用品の上面図である。
【
図6A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、対状の、中断された一定の幅の山形の二次接合部が、長手方向に配向されたヘリングボーンを形成する、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図6B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図6Aの掃除用品の上面図である。
【
図6D】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、対状の、中断された可変幅の山形の二次接合部が、集塵のためのオフセット領域を伴う長手方向に配向されたヘリングボーンを形成する、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図6E】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図6Dの掃除用品の上面図である。
【
図7A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、対状の連続した二次接合部がダイヤモンド模様を形成する、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図7B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図7Aの掃除用品の上面図である。
【
図8A】ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、対状の中断された二次接合部がジグザグのダイヤモンド模様を形成する、本発明による掃除用品の上面図である。
【
図8B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図8Aの掃除用品の上面図である。
【
図9A】本発明による掃除用品の上面図であり、ダイヤモンドとして表される別個の房を有し、対状の、可変間隔のS字状接合を有する。
【
図9B】各房に関して共通の近位端部で表される別個の房を有する、
図9Aの掃除用品の上面図である。
【
図10】本発明による掃除用品、及び明瞭性のために、任意の外辺接合部を有さず、かつ房を省略した、上述の二次接合部の種々の組み合わせの、概略上面図である。
【
図11A】請求項に係る本発明と共に使用するのに好適な、掃除用品が取り付け可能な床掃除器具の斜視図である。
【
図11B】本発明と共に使用するのに好適な、床上に液体洗浄剤を噴霧する床掃除器具の斜視図である。
【
図11C】請求項に係る本発明によるダスター型掃除用品と共に使用するのに好適なハンドルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
全般に
図1A~
図10を参照すると、掃除用品10は、概ね細長い長方形であり得るが、その他の形状も想到され、実行可能である。掃除用品10は、床の掃除に好適な掃除用品10を提供するために、積層形態で接合された2つ以上の構成要素を含むことができる。掃除用品10はキャリアシートを有してもよく、このシートは、その他の構成要素を取り付けるためのシャーシを形成している。掃除用品10は、トウ繊維製の複数の房15を有する。房15は、房15のグリッド又は領域を形成する列30内に配置されてもよい。房15は、第1の複数の一次接合部32によってキャリアシートに接合される。第2の複数の二次接合部34は、房15を通ってチャネル又は溝を形成して、その中に塵を蓄積させる。
【0012】
掃除用品10は、使い捨てであってもよい。「使い捨て」とは、掃除用品10が1回の掃除作業、あるいは概して数平方メートル以下に対して使用され、その後、廃棄され得ることを意味する。対照的に、再利用可能な掃除用品10は、使用後、洗濯されるか、別の方法で元の状態に戻される。
【0013】
本発明で使用する場合、本発明による掃除用品10、特にそのキャリアシートは、巨視的に平面状であり、XY平面を画定する。房15は、XY平面に垂直なZ方向に外向きに延在する。掃除用品10は、長手方向を画定する長手方向軸LAと、それに直交し、横断方向を画定する横断方向軸TAとを有してもよく、両方の軸LA、TAはXY平面内に位置する。掃除用品10及びその各構成要素は、長手方向軸LAに平行な2つの長手方向縁部20と、横断方向軸TAに平行な2つの横方向縁部22とを有してもよい。例えば、房15の領域は、キャリアシート内に配置された長手方向縁部220及び横方向縁部222を画定してもよい。
【0014】
掃除用品10の長さは、長手方向において測られる。掃除用品10の幅は、長さ方向に対して直角であり、かつ、シートの平面内に配置される横断方向に対応する。XY平面は、掃除用品10によって画定される平面によって定義される。掃除用品10のZ方向は、掃除用品10の平面に対して垂直な方向である。厚さは、Z方向の寸法として定義される。掃除用品10は、20~50cmの長さ及び10~30cmの幅を有してもよい。具体的には、掃除用品10は、後述するように、典型的な掃除器具70のヘッド74に適合するように、最大寸法で測定した際に、長さが30+/-2cmであり、幅が14+/-2cmであってもよい。当然のことながら、当業者であれば、その他の形状が実現可能であり、本発明の範囲内であることを理解するであろう。
【0015】
掃除用品10は、外向きの掃除面と、その反対側にある取り付け面とを有してもよい。掃除用品10は、乾燥した状態で使用されることが意図されるが、湿式掃除も想到され、本発明の範囲内である。掃除用品10はまた、湿式掃除のための任意の吸収性コアを有してもよい。任意のコアは、具体的には、幅が6.5+/-2cmであり、長さが26+/-2cmであってもよい。
【0016】
より具体的には、掃除用品10は、少なくとも1つのトウ繊維房15と、少なくとも1つのキャリアシートと、を有する構造を含んでもよい。トウ繊維房15及びキャリアは、向かい合わせの関係で、少なくとも1つの永続接合部38によって接合されて、積層体を形成している。トウ繊維房15(複数可)は、キャリアシートの平面から広がって外向きに突出して、Z方向の厚さを提供してもよい。房15は、キャリアシート上に直接配置されてもよい。所望により、房15は、前駆体シートに接合されてもよく、これは次に、キャリアシートに接合される。
【0017】
具体的には、キャリアシートは合成不織布を含んでもよい。合成繊維を有するキャリアシートは、それらへのトウ繊維の好都合な接合をもたらす。当技術分野で周知のように、不織布には、スパンボンド材料、カード加工材料、及びエアレイド積層材料が含まれ、不織布は、合成繊維から作製されている。好適な不織布シートは、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,797,357号に従って作製されてもよい。キャリアシートは、所望により、ポリオレフィンフィルム又はマイクロファイバーを含み、液体透過性又は不透過性であってもよい。
【0018】
キャリアシートは、セルロースを含んで吸収力を提供してもよい。当該技術分野において周知のように、セルロース系シートには、永続的な湿潤強度向上樹脂を添加してもよい。又はキャリアシートは、好ましくは、吸収特性及びバリア特性の両方を提供するために、セルロース及び合成繊維の混合物を含んでもよい。
【0019】
キャリアシートは、坪量が20~80gsmの水流交絡スパンボンド不織布を含んでもよい。Avgol Nonwovens(Tel-Aviv、イスラエル)の45gsmの不織布が好適であることが分かっている。キャリアシートは、当該技術分野において周知のように、接着材及び/又は熱接着部を使用して互いに接合された2つ、3つ、又はそれ以上の層の積層体を含んでもよい。ループ又は同様の材料の任意の取り付け用ストライプが、取り付け面に接合されて、掃除用品10をハンドル72又は器具70に取り外し可能に接合し得る。キャリアシートの1つ以上の層は、当該技術分野において周知のように、マイクロファイバー、特にナイロンマイクロファイバーを含んでもよい。
【0020】
掃除用品10は、任意の掃除ストリップ要素を有してもよい。掃除ストリップ要素は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,407,848号に開示されるような一体型突出部を有するポリオレフィンフィルムを含んでもよい、又はトウ繊維のロープであってもよい。掃除ストリップ要素は、好ましくは、スパンレース又は水流交絡法などのプロセスを使用して合成不織布に接合された薄織物(tissue)として形成された湿式堆積繊維の混合物を含んでもよい。掃除要素は、具体的には、Suominen(ヘルシンキ、フィンランド)によりGenesis tissueという名称で販売されている、17gsmのポリプロピレンスパンボンドの複合材料を伴う23gsmの薄織物を含んでもよい。あるいは、掃除ストリップ要素、前駆体シート及び/又はキャリアシートは、代替的に又は追加的に、ナイロンマイクロファイバーを含んでもよい。
【0021】
トウ繊維、及びそれにより形成される房15は、合成であってよく、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、生物由来ポリマー(例えば、ポリ乳酸、バイオポリエチレン、バイオポリエステルなど)などを含むポリマーを含んでいてよい。トウ繊維はまた、セルロース、アセチルセルロース、亜麻、麻、黄麻、及びこれらの混合物などの天然物由来の繊維を含んでもよく、この場合、個々の繊維は、束状に製造された比較的長いストランドである。好ましいトウ繊維は、ポリエチレンシースを有するポリプロピレン又はポリエチレンコアを有する二成分繊維である。トウ繊維は、フィラメント当たり1.5~8.0デニール、全捲縮で15,000~95,000デニールを有してもよい。トウ繊維は、本譲受人によって販売されているSwiffer(登録商標)Dusters(商標)の構成要素である。
【0022】
トウ繊維束15は、複数の永続一次接合部32によってキャリアシートに接合されてもよい。一次接合部32は、離れた又は離脱したトウ繊維がキャリアシートからほどけることを、最小限に抑える又は防ぐことを意図している。このようなシート12及びトウ繊維房15(複数可)は、典型的には、介在シート、介在部材又は介在構成要素をその間に挟んで又は挟まずに、互いに直接重畳されている場合がある。一次接合部32は、当該技術分野において周知のように、超音波接合部38、接着材接合部38、熱接着部38、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0023】
掃除用品10はまた、二次的な複数の二次接合部34を有する。二次接合部34は、典型的には、房15が一次接合部32によってキャリアシートに接合された後に形成される。二次接合部34は、概ね直線状であり、XY平面内のアスペクト比が少なくとも1、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも20である。二次接合部34は、Z方向における房15の厚さを低減する。二次接合部34の縁部と位置合わせされた房15の残部に対する二次接合部34の厚さの低減により、チャネルが塵を捕える。二次接合部34は、一定の幅であってもよい、又はその遠位端部に向かって収束してもよい。
【0024】
二次接合部34は、長手方向軸に対する均一なサイズ、配向、及び間隔であってもよい。あるいは、二次接合部34は、所望の場合、変更可能な幅、長さ、間隔、角度配向及び/又は幾何学的形状であってもよい。
【0025】
二次接合部34によって形成されたチャネルは、大きな塵が掃除用品10の長手方向軸LAに近づく方向で進入することを可能にする。特に、この配置は、通常の使用に間に、二次接合部によって形成されたチャネル内でより大きな塵を捕えることができる一方で、より小さい塵が房15によって捕えられる、という利点をもたらす。
【0026】
二次接合部34は、その上に配置された接着材を有してもよい。接着材は、二次接合部34によって形成されたチャネルに進入する塵の保持を補助する。好適な接着材は、接触接着材を含む。接着材は、噴霧、ローラ、及びゾーンコーティングに関する当該技術分野において周知のその他の技術によって、二次接合部34に適用されてもよい。
【0027】
房15の領域の横方向縁部222は、キャリアシートの横方向縁部22と並置されてもよい、又はそれと一致してもよい。好ましくは、外辺接合部34Pは、房15の領域のトウ繊維をそれぞれの横方向縁部22、222で接合する。この配置は、個々の掃除用品10を連続ウェブから分離する場合に、又は介在する一次接合部32を伴わずに横方向縁部22付近にスリット36がある場合に、トウ繊維の損失が発生することを防止する。本発明で使用する場合、スリット36は、2つの繊維及び下層のキャリアシートを貫通して切断され、それによって房15を形成する。
【0028】
本発明による掃除用品10は、キャリアシートを提供することによって作製されてもよい。トウ繊維は、キャリアシート上に配置される。本明細書に示される実施形態では、トウ繊維は、長手方向にほぼ整列しているが、本発明はそのように限定されるものではない。トウ繊維は、横方向に斜めに配置された一次接合部32を用いて、キャリアシートに接合される。一次接合部32は、横断方向に配向される。一次接合部32は涙滴形として示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。一次接合部32は、トウ繊維がそれによってキャリアシートに永続的に接合される限り、直線状又は任意の所望の形状及びサイズであってもよい。
【0029】
房15は、キャリアシート及び複数のスリットを有する接合部38間のトウ繊維を切断することによって作製される。房15を形成するトウ繊維の近位端部は、それぞれの一次接合部32によって画定される。2つの連続スリット36は、それぞれの房15のトウ繊維の近位端部を画定し、形成する。
【0030】
房15は、房15の厚さをZ方向に増加させるために、所望により毛羽立たせることができる。任意の毛羽立ちは、当該技術分野において周知のように、空気を吹き込むことによって達成され得る。
【0031】
スリット36が形成されて毛羽立ちが生じた後、二次接合部34が適用される。二次接合部34は、一次接合部32と同じ様式で形成されてもよい、又は異なる方法によって形成されてもよい。二次接合部34は、当該技術分野において周知のように、超音波接合部38、接着材接合部38、熱接着部38、又はこれらの組み合わせであってもよい。二次接合部34を形成する任意のこのような方法は、視覚的に識別可能な二次接合部34が形成され、二次接合部34とトウ繊維の少なくとも2つ以上の隣接する房15との間のZ方向の厚さ差を提供する限り、好適である。
【0032】
二次接合部34は、好ましくは、房15の領域の長手方向縁部220を遮る。この配置により、大きな塵のための開口部が長手方向軸に向かう方向に房15の領域へと入り、二次接合部に隣接して二次接合部の境界を形成する接着部及び/又は房15によって保持される。二次接合部34がなければ、大きな塵が房15の領域の長手方向縁部220上に捕捉され、追加の塵を捕えることから房15を遮蔽することができる。
【0033】
この幾何学的形状は、本譲受人によって販売されているSwiffer(登録商標)Sweeper(商標)器具70などの、共通サイズの掃除器具70と共に使用された場合に、房15及び二次接合部34が掃除器具のヘッド74の先端を包み込むことができるという利益を提供する。掃除器具70のヘッド74の先端を包み込むことは、壁及び幅木に沿った掃除を改善すると考えられる。先端上の房15の量は、二次接合部34によって制御することができ、二次接合部34の幅に反比例する。
【0034】
特に、二次接合部34は、不規則に離間していてもよい。不規則に離間されることにより、少なくとも1つの二次接合部34が隣接する二次接合部34に対して密接に離間され、別の隣接する二次接合部34から比較的更に遠く離間されていることを意味する。この配置は、二次接合部34の対であるように見え得る2つの隣接する二次接合部34を提供する。
【0035】
対である二次接合部34は、その対である二次接合部34間の最も近い点で測定した際に、2~15mm、特に5~10mm離間されていてもよい。一対の二次接合部34は、それらの間の最も近い点で測定した際に、一対の隣接する二次接合部34の対から少なくとも30、40又は50cm離間されていてもよい。二次接合部34の対は、視覚的に識別され得る。
【0036】
この配置は、少なくとも3つの異なる厚さの房15の利点を提供する。掃除用品10の最も厚い部分は、房15が二次接合部34によって遮られず、二次接合部34に機能的に近くない場所に対応する。掃除用品10の最も薄い部分は、房15が二次接合部34によって直接接合され、かつ二次接合部34の下に位置する場所に対応する。掃除用品10の中間厚さ部分は、対である二次接合部34間のチャネルに対応する。房15の差動厚さは、視覚的に識別され得る。
【0037】
複数の厚さの房15のこの配置は、掃除用品10の最も厚い部分が、小さな塵及び埃を捕えて保持することができるという利点を提供する。掃除用品の最も薄い部分は、より大きな粒子を捕えて保持することができる。掃除用品10の中間厚さ部分は、中間サイズの塵に好適であると考えられる。したがって、本発明による掃除用品10は、予想外にかつ有効に、種々の粒径の塵を掃除する。
【0038】
特に
図1A~
図2Cを参照すると、掃除用品10は、横断方向軸TAに平行な連続した二次接合部34を有してもよい。この幾何学的形状は、二次接合部34のチャネルにより、一般に、塵が前方及び後方運動の方向に進入することを可能にし得る一方で、大量の塵を収容するのに十分な容積を提供することができるという利点を提供する。
【0039】
横断方向に平行である二次接合部34の整列は、幅方向に概ね配向され、かつ縦方向に垂直である。熱接合及び超音波接合は、典型的には、任意の時点で幅方向に発生する。二次接合部34のサイズが幅方向に増大するにつれて、二次接合部34を形成するのに必要なアンペア数も同様に増大する。増大したアンペア数は、典型的には、機器コストの増加をもたらし、かつ製造コストの増加をもたらす。後述の特定の変形実施形態は、熱接合及び/又は超音波接合を使用して、横断方向に平行な同等の二次接合部34を形成するために必要なアンペア数に対して、二次接合部34を形成するのに必要なアンペア数を低減させるという利点を有する、と述べられる。
【0040】
概ね平行かつ等間隔の房15の列が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。等しい又は等しくない間隔、及び等しい又は等しくない可変幅、及び等しい又は等しくない房15密度を有する、予測的に2~15の列を使用することができる。房15の列は、横断方向軸に対して互いに平行であってもよく、横断方向軸に対して互いに斜めであってもよい、又はその他の列に対して互いに斜めであってもよい。所望により、接着材は、列30の間の空間部内に配置されてもよい。列30は横断方向にわたって延在してもよく、かつ長手方向軸で中断されてもよい。房15の間の、テーパ状の房内空間部は、房15が空間部によって中断されないという利点を提供する。したがって、全ての房15は、効果的な掃除に十分大きなサイズであるように選択することができる。
【0041】
このピッチ、即ち房15の密度は、長手方向縁部20からの任意の所定の間隔で一定であってもよい。房15は、長手方向軸及び横断方向軸に対して両側に互い違いに配置されてもよい。房15は、それらの間に適切な間隔を提供するために、及び前後の移動の掃除(back and for the sweeping)中に塵の保持力を提供するために、両方の方向に、隣接する房15の位置と完全に重なり合ってもよい。あるいは、最大直径、又は長手方向軸に平行に取られたその他の最大寸法を有する各房15、及び、特定の列の隣接する房15間のピッチは、その最大直径/寸法よりも大きくてもよい。
【0042】
このような掃除用品は、当該技術分野において一般的なように、前記長手方向軸に概ね平行に、3つ折りであってもよい。この配置は、掃除器具のヘッド74への取り付けに一般的に使用するための、三等分部のうち外側の2つを提供する。所望される場合、房15は、壁及び幅木に沿った掃除を提供するために、外側の三等分部のうちの少なくとも1つに、及び所望により両方に、配置されてもよい。
【0043】
この幾何学的形状は、本譲受人によって販売されているSwiffer(登録商標)Sweeper(商標)器具70などの、共通サイズの掃除器具70と共に使用された場合に、房15が掃除器具のヘッド74の先端を包み込むことができるという利益を提供する。掃除器具70のヘッド74の先端を包み込むことは、壁及び幅木に沿った掃除を改善すると考えられる。先端上の房15の量は、空間部31によって制御することができ、空間部31の幅に反比例する。
【0044】
掃除用品は、掃除を改善し、かつ回収された塵の保持性を増大させるために、所望により、接着剤、ろう、ニュートンオイル及び/若しくは非ニュートンオイル、又はこれらの組み合わせによって、完全に又は部分的にコーティングされてよい。特に、任意の構成のトウ繊維房15は、鉱油コーティングでコーティングされてもよい。コーティングは、油対界面活性剤の比が約90%~10%の、鉱油と界面活性剤との混合物を含んでもよい。界面活性剤は、表面エネルギーを低減させることによって、トウ繊維を湿潤させるように油を誘導する利点を提供する。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であってもよい。
【0045】
特に
図1A~
図1Cを参照すると、掃除用品10は、横断方向軸TAに平行な連続した対である二次接合部34を有してもよい。対になった二次接合部34により、ニつは、2つの二次接合部34が比較的密接かつ近接して離間され、対が、別の二次接合部の対34から離間していると表示すること意味する。
【0046】
対になった二次接合部34を有する本明細書に記載の各実施形態に関して、対になった二次接合部34は、二次接合部のために比較的広い幅を必要とせずに、集塵のためにチャネルを形成することができるという利点を提供する。二次接合部34は、典型的には、幅方向に形成される。二次接合部34の幅が(
図3A~
図3Bの水平方向に)増大するにつれて、熱封止又は超音波接合を使用して接合を達成するために必要なアンペア数も同様に増大する。2つの、より狭い対である二次接合部34を使用すると、単一のより広い二次接合部よりも少ないアンペア数のスパイクが必要である。
【0047】
対である二次接合部34のそれぞれは、11~20cmの長さC1、及び0.1~1.5cmの幅C2を有してもよい。二次接合部34の対は、それらの間に1~10cmの間隔C3を有してもよい。対である二次接合部34間のチャネルは、0.1~1cmの範囲であってもよい。これらの二次接合部34は、房15の領域の長手方向縁部220の両方を遮り、塵の便利な進入を可能にし得る。
【0048】
この幾何学的形状は、二次接合部34のチャネルにより、一般に、塵が前方及び後方運動の方向に進入することを可能にする一方で、大きな塵を保持するために、長手方向軸LA上及び長手方向軸LAに近接した房15を有することを可能にし得る、という利点を提供する。
【0049】
6対の等間隔の二次接合部34の対が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34を、より多く、又はより少なく利用してもよい。二次接合部34は、二次接合部34の対内で異なる厚さ、又は示されるような接合部の対間の異なる厚さを有してもよい。
【0050】
図2A~
図2Cを参照すると、対である連続した二次接合部34は、長手方向軸LAに近接して中断されてもよい。この幾何学的形状は、対である二次接合部34のチャネルにより、一般に、塵が前方及び後方運動の方向に進入することを可能にする一方で、大きな塵を保持するために、長手方向軸LA上及び長手方向軸LAに近接した房15を有することを可能にし得る、という利点を提供する。
【0051】
横方向に対向する二次接合部34の対の間の中断は、熱封止又は超音波接合中のアンペア数の低減を更に提供する。低減されたアンペア数は、製造コストを潜在的に低減させる可能性がある。
【0052】
これらの対である二次接合部34のそれぞれは、2~8cmの長さC1、及び0.05~0.5cmの幅C2を有してもよい。二次接合部34の対は、それらの間に1~10cmの間隔C3を有してもよい。対である二次接合部34間のチャネルC4は、0.1~1cmの範囲であってもよい。二次接合部34は、横断方向に1~6cmで長手方向軸LAにわたる間隔S3を有してもよい。これらの二次接合部34は、房15の領域の長手方向縁部220の両方を遮り、塵の便利な進入を可能にし得る。
【0053】
12対の等間隔の二次接合部34の対が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34の対を、より多く、又はより少なく利用してもよい。
【0054】
図3A~
図4Cを参照すると、二次接合部34は、長手方向軸LAに対して連続的かつ斜めに配向されてもよい。本明細書に記載及び特許請求される全てのこのような実施形態についての斜めの配向は、前後運動の間、二次接合部34によって形成されたチャネルに塵が進入すると、境界を形成する房15を捕え、それによって保持され得るという利点を提供する。更に、チャネルは、掃除中に発生する旋回運動及び横方向運動中塵を捕えることができる。
【0055】
更に、本明細書に記載及び特許請求される全ての斜め状の二次接合部34の実施形態では、製造中の接合工程の瞬間的なアンペア数引き込みは、超音波接合又は熱接合中に横断方向に配向された二次接合部34と比較して低減される。アンペア数の低減は、任意の時点で、より少ない接合面積が存在するために生じる。
【0056】
14個の概ね等間隔の二次接合部34が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34を、より多く、又はより少なく利用してもよい。
【0057】
図3A~
図3Cを参照すると、連続した斜め状の二次接合部34の線を対にしてもよい。この配置は、対である二次接合部34と斜め配向との有利な組み合わせに起因して、任意の時点における瞬間的なアンペア数要件の低減という利点を提供する。
【0058】
対である二次接合部34のそれぞれは、11~20cmの長さC1、及び0.05~0.5cmの幅C2を有してもよい。二次接合部34の対は、それらの間に1~10cmの間隔C3を有してもよい。二次接合部34は、対である二次接合部34から0.1~1cmの間隔を有してもよい。二次接合部34は、長手方向軸が30~75度の角度A1を形成してもよい。これらの二次接合部34は、房15の領域の長手方向縁部220の両方を遮り、塵の便利な進入を可能にし得る。
【0059】
7対の等間隔の二次接続部34が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34の対を、より多く、又はより少なく利用してもよい。
【0060】
図4A~
図4Cを参照すると、二次接合部34は対であり、斜めに配向され、中断され、かつ長手方向軸LAのその他方の側に配置された二次接合部34からオフセットされてもよい。この配置は、二次接合部34を超音波接合又は熱接合するために必要とされる瞬間的なアンペア数を、有利に更に低減させる。この場合もやはり、長手方向軸LAに近接する房15は保持され、有利には、塵の容量を増大させる。
【0061】
対である二次接合部34のそれぞれは、2~8cmの長さC1、及び0.5~5cmの幅C2を有してもよい。二次接合部34の対は、それらの間に1~10cmの間隔C3を有してもよく、また対である二次接合部34間に0.1~1cmの間隔C4を有してもよい。二次接合部34は、長手方向軸が30~75度の角度A1を形成してもよい。二次接合部34は、横断方向に1~6cmで長手方向軸LAにわたる間隔S3を有してもよい。これらの二次接合部34は、房15の領域の長手方向縁部220の両方を遮り、塵の便利な進入を可能にし得る。
【0062】
14対の概ね等間隔の二次接合部34の対が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34を、より多く、又はより少なく利用してもよい。
【0063】
図5A~
図6Cを参照すると、二次接合部34は、長手方向軸LAにまたがる連続した山形であってもよい。山形は、二次接合部34の熱接合及び超音波接合のための瞬間的なアンペア数要件の低減という利点を提供する。山形の斜めの脚部はそれぞれ、二次接合部34のチャネル内の塵の保持を提供する。山形は、有利には、2つの異なる方向に斜めに配向されたチャネルをもたらす。2つの異なる配向は、掃除運動が種々の方向に生じる際に、異なる方向に汚れを捕える利点を提供する。
【0064】
図5A~
図5Cを参照すると、二次接合部34は、対である連続した山形の形態であってもよい。この配置は、塵を捕えるために、頂点及びより多くの二次接合部34での保持という利点を提供する。二次接合部34は、10~18cmの横断方向スパンS2を有してもよく、山形の二次接合部34の各脚部は、5~10cmの長さのC1、0.1~1cmの二次接合部34の幅C2、0.1~10cmの二次接合部34の間の間隔C3、及び0.1~1cmの対内の二次接合部34間の間隔C4を有してもよい。二次接合部34は、長手方向軸LAに対して30~75度の角度A1で形成されてもよい。
【0065】
6つの等間隔の二次接合部34の対が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34を、より多く、又はより少なく利用してもよい。
【0066】
図6A~
図6Cを参照すると、塵を捕えるためのより多くのチャネルを提供するために、断続的な山形状の二次接合部34を対にしてもよい。二次接合部34は、1~6cmの長手方向軸LAにわたって距離S3だけ離間していてもよい。
【0067】
14個の概ね等間隔の二次接合部34の対が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34を、より多く、又はより少なく利用してもよい。
【0068】
図6D~
図6Fを参照すると、上述の実施形態のいずれかが、可変幅の二次接合部34を有してもよい。この配置は、二次接合部によって形成されるチャネル内のより多くの表面積という利点を提供する。予測理論的には、増大した表面積は、チャネル内の塵のより多くの捕捉を提供すると考えられる。同様に、二次接合部34の拡大部分及び比較的広い部分は、塵の蓄積のために利用可能なリザーバを増加させると考えられる。二次接合部34の拡大部分は、使用者が掃除用品を種々の方向に移動させた際に蓄積を提供する長手方向にオフセットされてもよい。
【0069】
図7A~
図8Cを参照すると、二次接合部34はダイヤモンド形状であってもよい。当然ながら、曲線側を有し、二次接合部34には頂点が使用されない類似の形状が使用されてもよいことを認識されたい。ダイヤモンド形状の二次接合部34は、より少ない接合面積が任意の時点で提示されていることに起因して、やはり、製造プロセスの接合工程中に、アンペア数引き込みの低減という利点を提供する。ダイヤモンド形状は、長手方向軸LAに対して反対方向に配向されたチャネルの二次接合部34の利益を提供し、屑を捕捉するより多くの機会を提供する。これは、前後の掃除運動中に塵を捕捉するための、対称な二次接合部34の模様である。上記の二次接合部34の寸法は、本実施形態に好適であると考えられ、隣接する接合部の頂点間の間隔C3が2~20cmであり、二次接合部34の長さC1は11~20cmである。
【0070】
図7A~
図7Cを参照すると、塵を捕えるためのより多くのチャネルを提供するために、連続したダイヤモンド形状の二次接合部34を対にしてもよい。この場合もやはり、上述の対称性が保持される。
【0071】
5個の完全に又は部分的に等間隔のダイヤモンド形状の二次接合部34の対が示されているが、本発明はそのように限定されるものではない。同様の又は異なるサイズ及び/若しくは間隔の二次接合部34を、より多く、又はより少なく利用してもよい。
【0072】
図9A~
図9Cを参照すると、二次接合部34はS字状であってもよい。この幾何学的形状は、これらが家具の周囲で操作された際に、多くの人が掃除作業中に利用するS字状の掃除模様に整合する、という利益を提供する。二次接合部34は、11~20cmの斜めの長さC1にわたることができる。
【0073】
図10を参照すると、二次接合部34は、隣接する二次接合部34から均等に又は不均等に離間されてもよい。二次接合部34は、同様の幾何学的形状、サイズ、角度配向及び形状であってもよい、又は相互に異なる幾何学的形状、サイズ、角度配向及び/又は形状であってもよい。掃除用品10は、所望により、ストリップ17を有してもよい。ストリップ17は、1を超える長さ対幅のアスペクト比を有する。所望により、長手方向軸LAに対して概ね平行に配向され、かつ所望により長手方向軸LAと一致する、細長いトウ繊維ロープを使用することができる。
【0074】
図1A~
図10を参照すると、種々の二次接合部34の対が、示されるように利用されてもよい。しかし、本発明はそのように限定されない。3つ、4つ又はそれ以上の二次接合部34は、密接して離間され、その他の密接に離間された二次接合部34から離れて配置されてもよい。対である二次接合部34、又は一般に緊密に離間された二次接合部34は、それらの間の房15の厚さが二次接合部の直下の厚さよりも太く、接合されていない房15の厚さよりも薄い、という利益を提供する。この配置は、掃除用品10のz方向に少なくとも3つの異なる厚さの領域が形成される、という利益を提供する。
【0075】
図11Aを参照すると、掃除用品10は、特定の作業に応じて、乾燥、湿潤、及び/又は予備湿潤掃除と共に使用するために、掃除器具70に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。掃除器具70は、掃除用品10を受容するためのヘッド74と、それに接合される細長ハンドル72とを有してもよい。典型的な床掃除器具70は、使用者によって把持されるハンドル72と、このハンドルに取り付けられた、好ましくは枢動可能にそれに取り付けられたヘッド74とを有する。ヘッド74は、床又はその他の標的表面に接触して移動する。掃除用品10は、ヘッド74の底部に取り外し可能に取り付けられてもよい。取り付けシステムは、好適で任意のハンドル72への掃除用品10の取り外し可能な取り付けをもたらすことができる。器具70への掃除用品10の取り外し可能な取り付けは、接着材32、フック及びループシステム、細長いスリーブ、グリッパ等を使用して達成することができる。グリッパ及び好適な掃除器具70は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,484,356号に開示されている。
【0076】
図11Bを参照すると、掃除用品10は、所望により、掃除溶液、又は外観のための表面処理などのその他の目的のために使用可能なその他の溶液、又は消毒剤と共に使用されてもよい。床掃除器具70は、使用者が直立している間に床を掃除することを可能にし得、また、1つ以上のノズル76を介してリザーバ75から床に掃除溶液又はその他の液体を噴霧することを提供してもよい。好適なスプレー器具70は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第5,888,006号、同5,988,920号、同6,842,936号、同7,182,537号、同7,536,743号、同7,676,877号及び同8,186,898号に開示されている。掃除溶液は、掃除用品10に予め適用されて、予め湿らせた掃除用品10を作ってもよい、又は掃除用品10及び/又は標的表面上に適用するために、別個のリザーバ75の内部に収容されてもよい。掃除溶液は、大部分が水であり、少なくとも約0.5、2、5若しくは10重量%の固体、又は少なくとも約30若しくは50重量%の水性溶媒、非水性溶液、あるいはその混合物を含んでもよい。任意の真空を有する好適な器具70は、米国特許第7,137,169号に開示されている。
【0077】
図11Cを参照すると、器具70は、固定された関係で使用され、かつ1つ以上の歯73を備える、ハンドル72及びヘッド74を有してもよい。歯73は、掃除用品10内のスリーブに挿入されてもよい。この配置により、掃除用品10は、小さな物体を掃除するためのダスターとして便利に使用することが可能になり、空間部31が締め付けられる。ダスター型掃除用品10のための好適な器具70は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,578,564号及び第D674,949 S号に開示されている。
【0078】
所望される場合、掃除用品10は、自律的に移動するロボットは無人機と共に使用され、かつそれに取り外し可能に取り付けられてもよい。本発明の掃除用品と共に使用するためのロボット及び無人機の好適な例は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,941,199号、同6,810,305号、同6,779,217号、同6,481,515号、同6,459,955号及び米国特許出願番号第14/992,195号(2016年1月11日出願、P&G案件14189)に見出される。湿式掃除及び乾式掃除による使用のためのロボットの例は、米国特許第7,389,156号、同第8,774,966号、及び同第8,855,813号に見出される。データ制御システムは、米国特許第7,431,524号に記載されているように、掃除用品10と共に利用されてもよい。
【0079】
掃除用品10はまた、ハンドル72又は器具70を使用せず、手動で使用してもよい。所望される場合、本明細書に記載された種々の掃除用品10を、キットとしてパッケージ化して販売してもよい。この措置は、使用者が、異なる作業に対して異なる掃除用品10の選択肢を有するという利益を提供する。例えば、所望される場合、複数サイズの掃除用品10を、単一のキットとしてまとめて販売してもよい。この措置により、使用者は、急な作業に対して最良に適した、特定の掃除用品10を選択することができる。
【0080】
掃除用品10は、それらの任意の組み合わせで、以下の非限定的な段落のいずれかに従って作製することができる。
A.XY平面及びXY平面に垂直なZ方向を画定する縁部20、22によって境界が区切られた掃除用品10であって、
第1の側面と、第1の側面に対して反対側の第2の側面とを有するキャリアシートと、
複数の一次接合部32によって前記キャリアシートの前記第1の側面に接合され、Z方向にそこから外向きに延在してZ方向にトウ厚さを有する、複数の別個のトウ繊維と、を備え、
少なくとも一対の細長い二次接合部34が、トウ繊維の少なくとも一部分上に配置され、前記部分を前記キャリアシートに接合し、各二次接合部は、Z方向において二次接合部厚さを有し、前記二次接合部厚さは、Z方向において前記トウ厚さ未満であり、二次接合部34の前記対は、少なくとも2つの隣接する複数のトウ繊維を架橋する掃除用品10。
B.前記二次接合部34の対がそれらの間に中間厚さを形成し、前記中間厚さは前記二次接合部厚さよりも大きく、前記二次接合部厚さ未満であることを特徴とする、段落Aに記載の掃除用品10。
C.それらの間に中間厚さ空間を形成し、前記チャネルが、前記XY平面内の前記複数の房15を少なくとも部分的に通るより薄い厚さを有することを特徴とする、段落Aに記載の掃除用品10。
D.複数対の二次接合部34を備える、段落A、B、及びCに記載の掃除用品10。
E.4~10対の二次接合部34を備える、段落A、B、C、及びDに記載の掃除用品10。
F.前記房15が、2つの対向する房長手方向縁部の中間の房15の領域を備える、段落A、B、C、D及びEに記載の掃除用品10。
G.前記房15が、2つの対向する房長手方向縁部の中間の房15の領域を備え、少なくとも一対の前記二次接合部34が、前記房長手方向縁部の両方を横切る、段落A、B、C、D、E及びFに記載の掃除用品10。
H.前記房15が、2つの対向する房長手方向縁部の中間の房15の領域を備え、少なくとも一対の前記二次接合部34が、それらの間で中断することなく前記房長手方向縁部の両方を横切る、段落A、B、C、D、E、F及びGに記載の掃除用品10。
I.前記房15が、2つの対向する房長手方向縁部の中間の房15の領域を備え、少なくとも一対の前記二次接合部34が、前記房長手方向縁部の両方に連続的に延在しない、段落A、B、C、D、E、F及びGに記載の掃除用品10。
J.二次接合部34の前記対の各二次接合部が互いに、前記その他の二次接合の対から0.5~10cm離間している、段落A、B、C、D、E、F、G、H及びIに記載の掃除用品10。
K.前記二次接合部34の対の各二次接合部が互いに平行である、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I及びJに記載の掃除用品10。
L.前記二次接合部34の対間のチャネルに配置された房15が、その他の前記房15の厚さの半分未満の厚さを視覚的に有する、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J及びKに記載の掃除用品10。
M.前記二次接合部34の少なくとも1つの前記対が、前記横断方向軸に概ね平行である、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K及びLに記載の掃除用品10。
N.前記二次接合部34の少なくとも1つの前記対が、概ね前記横断方向軸に対して斜めである、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K及びLに記載の掃除用品10。
O.前記長手方向軸の各側に配置され、前記長手方向軸を横切らない複数対の二次接合部34を備える、段落A、B、C、D、E、F、及びGに記載の掃除用品10。
P.前記長手方向軸の各側に配置され、前記長手方向軸を横切らない、ヘリングボーン模様にて配列されている複数対の二次接合部34を備える、段落A、B、C、D、E、F、G及びOに記載の掃除用品10。
Q.前記二次接合部34がテーパ状である、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O及びPに記載の掃除用品10。
R.前記二次接合部34が、2~12mmの一定幅を有する、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O及びPに記載の掃除用品10。
S.前記二次接合部34の前記対がダイヤモンドパターンで配置されている、段落A、B、C、D、E、F、G、H、及びIに記載の掃除用品10。
T.前記二次接合部34の前記対が、前記長手方向軸を横切る連続したダイヤモンド模様で配列されている、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I及びSに記載の掃除用品10。
【0081】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は「約40mm」を意味することが意図されており、「約1100kPa」と開示された圧力は、1103.2kPaを含むことが意図されている。
【0082】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、このような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれる文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。範囲を規定するものとして本明細書で示した全ての限定を、範囲を規定する任意のその他の限定と共に用いてもよい。即ち、ある範囲の上限を別の範囲の下限と共に用いてもよく、逆もまた同様である。
【0083】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくその他の種々の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが、意図されている。