(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】フィルタリング機能を有する導電性基板、キャリアボード配線構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240910BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
H01L23/12 B
(21)【出願番号】P 2022184580
(22)【出願日】2022-11-18
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】202210307677.4
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】ク キオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ガオ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/129526(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0163295(US,A1)
【文献】国際公開第2020/079002(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12―23/14
H05K 1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)コア層を用意し、前記コア層内に、それぞれ高さ方向に沿って前記コア層を貫通する少なくとも1つの第1ビアホール及び少なくとも1つの第2ビアホールを形成するステップと、
(b)前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁及び前記コア層の表面に犠牲銅層をそれぞれ形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホールの内壁に金属層を形成するステップと、
(c)前記少なくとも1つの第1ビアホール内に金属ピラーを形成するステップと、
(d)前記コア層の下表面の犠牲銅層の一部をエッチングして前記金属ピラーの底端を露出させ、前記コア層の下表面に前記金属ピラーの底端を覆う下部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に下部絶縁ピラーを形成するステップと、
(e)前記コア層の上表面の犠牲銅層の一部及び前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁の犠牲銅層をエッチングして、前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁と前記金属ピラーとの間に、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石を形成して、第1導電性ピラー層を取得するステップと、
(f)引き続き前記コア層の上表面の犠牲銅層の一部をエッチングして、前記コア層の上表面に前記金属ピラーの頂端を覆う上部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に上部絶縁ピラーを形成し、前記上部絶縁ピラー及び前記下部絶縁ピラーが一緒に第2ビアホールを充填する絶縁ピラーを形成して、第2導電性ピラー層を取得するステップと、
(g)前記上部絶縁層、前記下部絶縁層及び前記コア層の上表面と下表面に残っている犠牲銅ピラー層を除去するとともに、前記第1導電性ピラー層の端部及び示されている第2導電性ピラー層の端部がそれぞれ前記コア層とが同じ高さになるように、前記第1導電性ピラー層及び前記第2導電性ピラー層の端部をそれぞれ研磨して、フィルタリング機能を有する導電性基板を取得するステップと、を含む、
フィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法。
【請求項2】
ステップ(d)は、
(d1)前記コア層の上表面と下表面に第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層をそれぞれ施し、前記第2フォトレジスト層を露光・現像して第2特徴パターンを形成するステップと、
(d2)前記第2特徴パターンにおいて、露出している前記コア層の下表面の犠牲銅層の一部をエッチングして、前記金属ピラーの底端を露出させるステップと、
(d3)前記第1フォトレジスト層及び前記第2フォトレジスト層を除去するステップと、
(d4)前記コア層の下表面に絶縁材料を積層して、前記金属ピラーの底端を覆う下部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に下部絶縁ピラーを形成するステップと、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ステップ(e)は、
(e1)前記コア層の上表面に第3フォトレジスト層を施し、前記第3フォトレジスト層を露光・現像して、前記少なくとも1つの第1ビアホールの頂端を露出する第3特徴パターンを形成するステップと、
(e2)前記第3特徴パターンにおいて、前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁の犠牲銅層をエッチングするステップと、
(e3)前記第3フォトレジスト層を除去するステップと、
(e4)前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁と前記金属ピラーとの間に、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石を形成するステップと、
(e5)前記磁石及び前記金属ピラーを平坦に研磨して、第1導電性ピラー層を取得するステップと、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
ステップ(e4)は、シルク印刷の方法により、前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁と前記金属ピラーとの間に、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石を形成するステップを含む、
請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
ステップ(f)は、
(f1)前記コア層の上表面と下表面に第4フォトレジスト層をそれぞれ施し、前記第4フォトレジスト層を露光・現像して第4特徴パターンを形成するステップと、
(f2)前記第4特徴パターンにおいて、露出している前記コア層の上表面の犠牲銅層の一部をエッチングするステップと、
(f3)前記第4フォトレジスト層を除去するステップと、
(f4)前記コア層の上表面に絶縁材料を積層して、前記金属ピラーの頂端を覆う上部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に上部絶縁ピラーを形成し、前記上部絶縁ピラー及び前記下部絶縁ピラーは一緒に第2ビアホールを充填する絶縁ピラーを形成し、金属層及び絶縁ピラーは一緒に第2導電性ピラー層を形成するステップと、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
(a)請求項1~請求項5のいずれか1項に記載フィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法を用いて、フィルタリング機能を有する導電性基板を製造するステップと、
(b)前記導電性基板の上表面と下表面に第1回路層及び第2回路層をそれぞれ形成し、前記第1回路層と前記第2回路層とは、前記第1導電性ピラー層又は前記第2導電性ピラー層を介して導電的に接続されるステップと、を含む、
キャリアボード配線構造の製造方法。
【請求項7】
(c)ステップ(b)に続いて、前記第1回路層及び前記第2回路層に第1ビルドアップ層及び第2ビルドアップ層をそれぞれ形成し、前記第1ビルドアップ層及び前記第2ビルドアップ層内に第1銅ピラー層及び第2銅ピラー層をそれぞれ形成し、かつ、前記第1ビルドアップ層及び前記第2ビルドアップ層の表面に第3回路層及び第4回路層をそれぞれ形成し、前記第1回路層と前記第3回路層とは前記第1銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第2回路層と前記第4回路層とは前記第2銅ピラー層を介して導電的に接続されるステップと、
(j)前記第3回路層及び前記第4回路層に第3ビルドアップ層及び第4ビルドアップ層をそれぞれ形成し、前記第3ビルドアップ層及び前記第4ビルドアップ層内に第3銅ピラー層及び第4銅ピラー層をそれぞれ形成し、かつ、前記第3ビルドアップ層及び前記第4ビルドアップ層の表面に第5回路層及び第6回路層をそれぞれ形成し、前記第3回路層と前記第5回路層とは前記第3銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第4回路層と前記第6回路層とは前記第4銅ピラー層を介して導電的に接続されるステップと、をさらに含む、
請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法を用いて製造する、
フィルタリング機能を有する導電性基板。
【請求項9】
コア層と、それぞれ高さ方向に沿って前記コア層を貫通する第1導電性ピラー層及び第2導電性ピラー層とを含み、前記第1導電性ピラー層内の導電性ピラーは、金属ピラーと、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石とを含み、前記第2導電性ピラー層内の導電性ピラーは、絶縁ピラーと、軸方向に沿って前記絶縁ピラーを包む金属層とを含み、ここで、前記第1導電性ピラー層はフィルタリング機能を有する、
請求項8に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板。
【請求項10】
前記第1導電性ピラー層の端部は、前記コア層と同じ高さであるか、又は前記コア層よりも高く、前記第2導電性ピラー層の端部は、前記コア層と同じ高さであるか、又は前記コア層よりも高い、
請求項9に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板。
【請求項11】
前記絶縁ピラーは、バージン樹脂又はガラス繊維含有樹脂から選択される、
請求項9に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板。
【請求項12】
前記コア層は、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリレート、プリプレグ、フィルム状有機樹脂、又はそれらの組み合わせを含む、
請求項9に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板。
【請求項13】
前記金属ピラーは、エッチング耐性があり、かつ、低電気抵抗率、高い熱伝導特性を有する混合金属を含む、
請求項9に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板。
【請求項14】
請求項
8に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板を含む、
キャリアボード配線構造。
【請求項15】
前記導電性基板の第1側に位置する第1回路層と、前記導電性基板の第2側に位置する第2回路層とをさらに含み、前記第1回路層と前記第2回路層とは前記第1導電性ピラー層又は前記第2導電性ピラー層を介して導電的に接続される、
請求項14に記載のキャリアボード配線構造。
【請求項16】
さらに、前記第1回路層上の第1ビルドアップ層と、前記第1ビルドアップ層内の第1銅ピラー層と、前記第1ビルドアップ層の表面上の第3回路層と、前記第3回路層上の第3ビルドアップ層と、前記第3ビルドアップ層内の第3銅ピラー層と、前記第3ビルドアップ層上の第5回路層とをさらに含み、前記第1回路層と前記第3回路層とは前記第1銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第3回路層と前記第5回路層とは前記第3銅ピラー層を介して導電的に接続される、
請求項15に記載のキャリアボード配線構造。
【請求項17】
さらに、前記第2回路層上の第2ビルドアップ層と、前記第2ビルドアップ層内の第2銅ピラー層と、前記第2ビルドアップ層の表面上の第4回路層と、前記第4回路層上の第4ビルドアップ層と、前記第4ビルドアップ層内の第4銅ピラー層と、前記第4ビルドアップ層上の第6回路層とをさらに含み、前記第2回路層と前記第4回路層とは前記第2銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第4回路層と前記第6回路層とは前記第4銅ピラー層を介して導電的に接続される、
請求項15に記載のキャリアボード配線構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの分野に関し、具体的には、フィルタリング機能を有する導電性基板、キャリアボード配線構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の急速な発展に伴い、各種の電子製品は、サイズがますます小さくなり、動作周波数もますます高くなり、帯電感知素子もサイズがますます小型化し、集積度がますます高まっている。埋め込み方法が広く適用されているが、従来の磁石付き配線の製造方法は、プロセスが複雑で、生産周期が長く、品質と歩留まりが低く、生産コストが高い。磁石の形成プロセスが複雑であるため、磁石付き配線の密度が低く、高集積化、小型化、高密度配線の要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、フィルタリング機能を有する導電性基板、キャリアボード配線構造及びその製造方法の提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1態様は、フィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法に関し、
(a)コア層を用意し、前記コア層内に、それぞれ高さ方向に沿って前記コア層を貫通する少なくとも1つの第1ビアホール及び少なくとも1つの第2ビアホールを形成するステップと、
(b)前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁及び前記コア層の表面に犠牲銅層をそれぞれ形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホールの内壁に金属層を形成するステップと、
(c)前記少なくとも1つの第1ビアホール内に金属ピラーを形成するステップと、
(d)前記コア層の下表面の犠牲銅層の一部をエッチングして前記金属ピラーの底端を露出させ、前記コア層の下表面に前記金属ピラーの底端を覆う下部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に下部絶縁ピラーを形成するステップと、
(e)前記コア層の上表面の犠牲銅層の一部及び前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁の犠牲銅層をエッチングして、前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁と前記金属ピラーとの間に、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石を形成して、第1導電性ピラー層を取得するステップと、
(f)引き続き前記コア層の上表面の犠牲銅層の一部をエッチングして、前記コア層の上表面に前記金属ピラーの頂端を覆う上部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に上部絶縁ピラーを形成し、前記上部絶縁ピラー及び前記下部絶縁ピラーが一緒に第2ビアホールを充填する絶縁ピラーを形成して、第2導電性ピラー層を取得するステップと、
(g)前記上部絶縁層、前記下部絶縁層及び前記コア層の上表面と下表面に残っている犠牲銅ピラー層を除去するとともに、前記第1導電性ピラー層の端部及び示されている第2導電性ピラー層の端部がそれぞれ前記コア層とが同じ高さになるように、前記第1導電性ピラー層及び前記第2導電性ピラー層の端部をそれぞれ研磨して、フィルタリング機能を有する導電性基板を取得するステップと、を含む。
【0005】
一部の実施形態において、ステップ(d)は、
(d1)前記コア層の上表面と下表面に第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層をそれぞれ施し、前記第2フォトレジスト層を露光・現像して第2特徴パターンを形成するステップと、
(d2)前記第2特徴パターンにおいて、露出している前記コア層の下表面の犠牲銅層の一部をエッチングして、前記金属ピラーの底端を露出させるステップと、
(d3)前記第1フォトレジスト層及び前記第2フォトレジスト層を除去するステップと、
(d4)前記コア層の下表面に絶縁材料を積層して、前記金属ピラーの底端を覆う下部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に下部絶縁ピラーを形成するステップと、を含む。
【0006】
一部の実施形態において、ステップ(e)は、
(e1)前記コア層の上表面に第3フォトレジスト層を施し、前記第3フォトレジスト層を露光・現像して、前記少なくとも1つの第1ビアホールの頂端を露出する第3特徴パターンを形成するステップと、
(e2)前記第3特徴パターンにおいて、前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁の犠牲銅層をエッチングするステップと、
(e3)前記第3フォトレジスト層を除去するステップと、
(e4)前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁と前記金属ピラーとの間に、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石を形成するステップと、
(e5)前記磁石及び前記金属ピラーを平坦に研磨して、第1導電性ピラー層を取得するステップと、を含む。
【0007】
一部の実施形態において、ステップ(e4)は、シルク印刷の方法により、前記少なくとも1つの第1ビアホールの内壁と前記金属ピラーとの間に、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石を形成するステップを含む。
【0008】
一部の実施形態において、ステップ(f)は、
(f1)前記コア層の上表面と下表面に第4フォトレジスト層をそれぞれ施し、前記第4フォトレジスト層を露光・現像して第4特徴パターンを形成するステップと、
(f2)前記第4特徴パターンにおいて、露出している前記コア層の上表面の犠牲銅層の一部をエッチングするステップと、
(f3)前記第4フォトレジスト層を除去するステップと、
(f4)前記コア層の上表面に絶縁材料を積層して、前記金属ピラーの頂端を覆う上部絶縁層を形成するとともに、前記少なくとも1つの第2ビアホール内に上部絶縁ピラーを形成し、前記上部絶縁ピラー及び前記下部絶縁ピラーは一緒に第2ビアホールを充填する絶縁ピラーを形成して、第2導電性ピラー層を取得するステップと、を含む。
【0009】
本発明の第2態様は、キャリアボード配線構造の製造方法に関し、
(a)本発明の第1態様に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法を用いて、フィルタリング機能を有する導電性基板を製造するステップと、
(b)前記導電性基板の上表面と下表面に第1回路層及び第2回路層をそれぞれ形成し、前記第1回路層と前記第2回路層とは、前記第1導電性ピラー層又は前記第2導電性ピラー層を介して導電的に接続されるステップと、を含む。
【0010】
一部の実施形態において、さらに、
(c)ステップ(b)に続いて、前記第1回路層及び前記第2回路層に第1ビルドアップ層及び第2ビルドアップ層をそれぞれ形成し、前記第1ビルドアップ層及び前記第2ビルドアップ層内に第1銅ピラー層及び第2銅ピラー層をそれぞれ形成し、かつ、前記第1ビルドアップ層及び前記第2ビルドアップ層の表面に第3回路層及び第4回路層をそれぞれ形成し、前記第1回路層と前記第3回路層とは前記第1銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第2回路層と前記第4回路層とは前記第2銅ピラー層を介して導電的に接続されるステップと、
(j)前記第3回路層及び前記第4回路層に第3ビルドアップ層及び第4ビルドアップ層をそれぞれ形成し、前記第3ビルドアップ層及び前記第4ビルドアップ層内に第3銅ピラー層及び第4銅ピラー層をそれぞれ形成し、かつ、前記第3ビルドアップ層及び前記第4ビルドアップ層の表面に第5回路層及び第6回路層をそれぞれ形成し、前記第3回路層と前記第5回路層とは前記第3銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第4回路層と前記第6回路層とは前記第4銅ピラー層を介して導電的に接続されるステップと、を含む。
【0011】
本発明の第3態様は、フィルタリング機能を有する導電性基板に関し、本発明の第1態様に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法を用いて製造する。
【0012】
一部の実施形態において、コア層と、それぞれ高さ方向に沿って前記コア層を貫通する第1導電性ピラー層及び第2導電性ピラー層とを含み、前記第1導電性ピラー層内の導電性ピラーは、金属ピラーと、軸方向に沿って前記金属ピラーを包む磁石とを含み、前記第2導電性ピラー層内の導電性ピラーは、絶縁ピラーと、軸方向に沿って前記絶縁ピラーを包む金属層とを含み、ここで、前記第1導電性ピラー層はフィルタリング機能を有する。
【0013】
一部の実施形態において、前記第1導電性ピラー層の端部は、前記コア層と同じ高さであるか、又は前記コア層よりも高く、前記第2導電性ピラー層の端部は、前記コア層と同じ高さであるか、又は前記コア層よりも高い。
【0014】
一部の実施形態において、前記絶縁ピラーは、バージン樹脂又はガラス繊維含有樹脂から選択される。
【0015】
一部の実施形態において、前記コア層は、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリレート、プリプレグ、フィルム状有機樹脂、又はそれらの組み合わせを含む。
【0016】
一部の実施形態において、前記金属ピラーは、エッチング耐性があり、かつ、低電気抵抗率、高い熱伝導特性を有する混合金属を含む。
【0017】
本発明の第4態様は、本発明の第1態様に記載のフィルタリング機能を有する導電性基板を含むキャリアボード配線構造を提供する。
【0018】
一部の実施形態において、前記導電性基板の第1側に位置する第1回路層と、前記導電性基板の第2側に位置する第2回路層とをさらに含み、前記第1回路層と前記第2回路層とは前記第1導電性ピラー層又は前記第2導電性ピラー層を介して導電的に接続される。
【0019】
一部の実施形態において、前記第1回路層上の第1ビルドアップ層と、前記第1ビルドアップ層内の第1銅ピラー層と、前記第1ビルドアップ層の表面上の第3回路層と、前記第3回路層上の第3ビルドアップ層と、前記第3ビルドアップ層内の第3銅ピラー層と、前記第3ビルドアップ層上の第5回路層とをさらに含み、前記第1回路層と前記第3回路層とは前記第1銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第3回路層と前記第5回路層とは前記第3銅ピラー層を介して導電的に接続される。
【0020】
一部の実施形態において、前記第2回路層上の第2ビルドアップ層と、前記第2ビルドアップ層内の第2銅ピラー層と、前記第2ビルドアップ層の表面上の第4回路層と、前記第4回路層上の第4ビルドアップ層と、前記第4ビルドアップ層内の第4銅ピラー層と、前記第4ビルドアップ層上の第6回路層とをさらに含み、前記第2回路層と前記第4回路層とは前記第2銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第4回路層と前記第6回路層とは前記第4銅ピラー層を介して導電的に接続される。
【0021】
上記から分かるように、本発明にて提供されるフィルタリング機能を有する導電性基板、キャリアボード配線構造及びその製造方法は、磁石内部配線を行う時に絶縁層を追加する必要がなく、金属ピラーの周囲に磁気空洞を直接形成して、磁石付き配線の密度を高め、高集積化、小型化、微細化の発展傾向に対応する。電気抵抗率が低く、熱伝導が高い混合金属材料を使用して磁石内の金属ピラーを使用して、導電性ピラーの抵抗値を低下させ、磁石内の熱を迅速に導出することができ、磁石埋め込み製品の信頼性を向上させる。フィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法により磁性基板の製造工程が短縮し、生産プロセスを簡素化し、生産歩留まりを向上させ、生産コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
よりよく本発明を理解させるとともに、本発明の実施形態を示すために、以下では、単に例として図面を参照する。
【0023】
具体的に図面を参照する際に、特定の図示は、例示的なものであり、本発明の好ましい実施形態を例示的に検討することを目的とするだけで、本発明の原理及び概念に関する説明に最も有用で、最も容易に理解できる図示として考えられる理由に基づいて示されたことを強調しなければならない。この点に関して、本発明に対する基本的な理解に必要である以上に本発明の構造の詳細を図示する試みはなされていない。当業者は、図面を参照する説明により、どのように本発明の幾つかの形態を実際に具現化できるかを認識することを可能である。
【0024】
【
図1】本発明の一実施例のフィルタリング機能を有する導電性基板100の断面の模式図である。
【
図2】本発明の一実施例のキャリアボード配線構造200の断面の模式図である。
【
図3-1】
図3(a)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(b)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(c)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(d)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
【
図3-2】
図3(e)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(f)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(g)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(h)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
【
図3-3】
図3(i)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(j)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(k)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(l)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
図3(m)本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
電子技術の急速な発展に伴い、各種の電子製品は、サイズがますます小さくなり、動作周波数もますます高くなり、帯電感知素子もサイズがますます小型化し、集積度がますます高まっている。
【0026】
従来技術では、埋め込み方法を用いて磁石付き配線の製造を実現し、例えば、必要に応じて、機械的ドリル加工、機械的ルータ加工及びレーザ切断の方法を使用して基板に穴を開け、詰め込みの方法を使用して基板の開口部に磁性材料を充填し、硬化した後、機械的研磨の方法を使用して、表面に突出した又は付着した余分なキャリアを除去し、必要な磁石を形成し、機械的ドリル又はレーザなどの加工方法を使用して磁石に第1貫通孔を形成し、詰め込みの方法を使用して第1貫通孔内に絶縁材料を充填し、同様の方法を使用して処理、研磨して、表面に突出した又は表面に付着した余分な絶縁体を除去し、引き続き、第2貫通孔を製造し、第2貫通孔に対して電気めっきを行って、磁石の内部導体を形成してから、第2貫通孔に絶縁体を充填して製造する。
【0027】
しかし、従来技術では、基板に磁石付き配線を完了する過程が複雑である。磁石を充填して基板の開口を製造し、磁石内に貫通孔を製造して絶縁層を充填し、絶縁体内に導体を製造し、再度絶縁体を充填し、貫通孔を複数回形成し、位置合わせ精度が高く、密集配線が実現できず、プロセスが複雑で、生産周期が長く、生産コストが高い。そして、磁石付き配線基板の製造において、複数回研磨するから、基板の膨張、収縮、変形が増加して、基板の品質と歩留まりに直接影響を与え、生産能力の負担が増加し、生産コストが高い。
【0028】
当該問題を解決するために、本発明は、フィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法を提供し、コア層を用意し、コア層内に少なくとも1つの第1ビアホール及び少なくとも1つの第2ビアホールを形成するステップと、第1ビアホールの内壁及びコア層の表面に犠牲銅層を形成するとともに、第2ビアホールの内壁に金属層を形成するステップと、第1ビアホール内に金属ピラーを形成するステップと、コア層の下表面に金属ピラーの底端を覆う下部絶縁層を形成するとともに、第2ビアホール内に下部絶縁ピラーを形成するステップと、第1ビアホールの内壁と金属ピラーとの間に、軸方向に沿って金属ピラーを包む磁石を形成して、第1導電性ピラーを取得するステップと、コア層の上表面に、金属ピラーの頂端を覆う上部絶縁層を形成するとともに、第2ビアホール内に上部絶縁ピラーを形成し、上部絶縁ピラー及び下部絶縁ピラーが一緒に第2ビアホールを充填する絶縁ピラーを形成して、第2導電性ピラーを取得するステップと、上部絶縁層、下部絶縁層及び残っている犠牲銅ピラー層を除去するとともに、第1導電性ピラー及び第2導電性ピラーの端部をそれぞれ平坦に研磨して、取得するステップと、を含む。
【0029】
本発明では、磁石内部配線を行う時に絶縁層を追加する必要がなく、導電性ピラーの周囲に磁気空洞を直接形成して、磁石付き配線の密度を高め、高集積化、小型化、微細化の発展傾向に対応する。電気抵抗率が低く、熱伝導が高い混合金属材料を使用して磁石内の導電性ピラーを製造することにより、導電性ピラーの抵抗値を低下させ、磁石内の熱を迅速に導出することができ、磁石埋め込み製品の信頼性を向上させる。フィルタリング機能を有する導電性基板の製造方法により磁性基板の製造工程が短縮し、生産プロセスを簡素化し、生産歩留まりを向上させ、生産コストを低減する。
【0030】
図1を参照すると、フィルタリング機能を有する導電性基板100の断面を示す模式図である。導電性基板100は、コア層101を含み、通常、コア層101は、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリレート、プリプレグ、フィルム状有機樹脂、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0031】
コア層101内に、それぞれ高さ方向に沿ってコア層を貫通する第1導電性ピラー層及び第2導電性ピラー層が設けられ、第1導電性ピラー層内の導電性ピラーは金属ピラー1015及び軸方向に沿って金属ピラー1015を包む磁石1019を含み、第1導電性ピラーはフィルタリング機能を有する。
【0032】
金属ピラー1015は、エッチング耐性があり、かつ、低電気抵抗率、高い熱伝導特性を有する混合金属、例えば銀の混合物又は金の混合物を含んでもよく、具体的には限定しない。
【0033】
通常、第1導電性ピラー層は、複数の導電性ピラーを含んでもよく、その断面サイズは同じであっても、異なってもよく、その断面形状は同じであっても、異なってもよい。好ましくは、第1導電性ピラー層断面の形状はいずれも円形であり、上下サイズが均一であり、フィルタリングにより優れ、磁石内の熱を導出することで、磁石埋め込み製品の信頼性を向上させる。
【0034】
第1導電性ピラー層の端部は、コア層101と同じ高さであっても、コア層101よりも高くてもよく、第1導電性ピラー層の端部がコア層101と同じ高さであることが好ましい。
【0035】
第2導電性ピラー層内の導電性ピラーは、絶縁ピラー1022及び軸方向に沿って絶縁ピラー1022を包む金属層1014を含み、ここで、絶縁ピラーは、バージン樹脂から選択されてもよいし、ガラス繊維を含む樹脂から選択されてもよい。
【0036】
通常、第2導電性ピラー層も、複数の導電性ピラーを含むことができ、その断面サイズは同じであっても、異なってもよく、その断面形状は同じであっても、異なってもよい。好ましくは、第2導電性ピラー層断面の形状はいずれも円形であり、上下のサイズが均一であり、安定した信号伝送により優れる。
【0037】
第2導電性ピラー層の端部は、コア層と同じ高さであってもよいし、コア層よりも高くてもよく、第2導電性ピラー層の端部がコア層と同じ高さであることが好ましい。
【0038】
図2を参照すると、キャリアボード配線構造200の断面を示す模式図である。キャリアボード配線構造200は、
図1に示すフィルタリング機能を有する導電性基板100を含み、さらに、導電性基板100の第1側に位置する第1回路層2011と、導電性基板100の第2側に位置する第2回路層3011とを含み、第1回路層2011と第2回路層3011とが、第1導電性ピラー層又は第2導電性ピラー層を介して導電的に接続される。
【0039】
第1回路層2011上に第1ビルドアップ層201が設けられ、第1ビルドアップ層201内に第1銅ピラー層2012が設けられ、第1ビルドアップ層201の表面上に第3回路層4011が設けられ、第1回路層2011と第3回路層4011とは第1銅ピラー層2012を介して導電的に接続される。
【0040】
第3回路層4011上に第3ビルドアップ層401が設けられ、第3ビルドアップ層401内に第3銅ピラー層4012が設けられ、第3ビルドアップ層401の表面上に第5回路層4013が設けられ、第3回路層4011と第5回路層4013とは第3銅ピラー層4012を介して導電的に接続される。
【0041】
第2回路層3011上に第2ビルドアップ層301が設けられ、第2ビルドアップ層301内に第2銅ピラー層3012が設けられ、第2ビルドアップ層301の表面上に第4回路層5011が設けられ、第2回路層3011と第4回路層5011とは第2銅ピラー層3012を介して導電的に接続される。
【0042】
第4回路層5011上に第4ビルドアップ層501が設けられ、第4ビルドアップ層501内に第4銅ピラー層5012が設けられ、第4ビルドアップ層501の表面上に第6回路層5013が設けられ、第4回路層5011と第6回路層5013とは第4銅ピラー層5012を介して導電的に接続される。
【0043】
第5回路層4013の外側に第1ソルダーレジスト層601が設けられ、第1ソルダーレジスト層601内に第1ソルダーレジスト窓6011が設けられ、第6回路層5013の外側に第2ソルダーレジスト層701が設けられ、第2ソルダーレジスト層701内に第2ソルダーレジスト窓7011が設けられている。
【0044】
図3(a)~3(m)を参照すると、本発明の実施形態のキャリアボード配線構造200の製造方法の各ステップにおける中間構造の断面を示す模式図である。
【0045】
前記製造方法は、下記のステップを含む。ステップ(a)、コア層101を用意し、コア層101内に、それぞれ高さ方向に沿ってコア層101を貫通する少なくとも1つの第1ビアホール1011及び少なくとも1つの第2ビアホール1012を形成し、
図3(a)に示すとおりである。
【0046】
通常、コア層101は、両面銅張コアボードであってもよいし、両面銅フリーコアボードであってもよい。
【0047】
コア層101は、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリレート、プリプレグ、フィルム状有機樹脂、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0048】
本実施形態に言及されたコア層は、両面銅張コアボードであってもよいし、両面銅フリーコアボードであってもよく、必要に応じて選択すればよい。両面銅フリーコアボードのみで後続のプロセスを示したが、当該方法が両面銅フリーコアボードのみに適用されると限定するものではない。
【0049】
次に、ステップ(b)、第1ビアホール1011の内壁及びコア層101の表面に、それぞれ犠牲銅層1013を形成し、第2ビアホールの1012の内壁に金属層1014を形成し、
図3(b)に示すとおりである。
【0050】
通常、無電解めっき又はスパッタリングの方法を用いて、第1ビアホール1011の内壁、コア層101の表面及び第2ビアホール1012の内壁のそれぞれに、金属シード層を形成し、その後、それぞれ所望の銅厚さまで電気めっきを行って、犠牲銅層1013及び金属層1014を取得することができる。
【0051】
その後、ステップ(c)、第1ビアホール1011内に金属ピラー1015を形成し、
図3(c)に示すとおりである。
【0052】
通常、エッチング耐性があり、かつ、低電気抵抗率、高い熱伝導特性を有する混合金属材料を選択して、金属ピラー1015を製造ことができ、混合金属材料は、銀の混合物又は金の混合物であってもよく、具体的には限定しない。
【0053】
本実施形態において、電気抵抗率が低く、熱伝導が高い混合金属材料を使用して磁石内の金属ピラーを製造することにより、金属ピラーの抵抗値を低下させ、磁石内の熱を迅速に導出でき、磁石埋め込み製品の信頼性を向上させる。
【0054】
本実施形態において、まず、シルク印刷の方法を使用して、第1ビアホール1011内に金属ピラー1015を形成し、その後硬化させ、最後に、金属ピラー1015の端部がコア層101と同じ高さになるように、ボードを機械的に研磨する。
【0055】
次に、ステップ(d)、コア層101の上表面と下表面に、第1フォトレジスト層1016及び第2フォトレジスト層1017をそれぞれ施し、第2フォトレジスト層1017を露光・現像して第2特徴パターンを形成し、第2特徴パターンにおいて露出しているコア層101の下表面の犠牲銅層の一部をエッチングして、金属ピラー1015の底端を露出させ、
図3(d)に示すとおりである。
【0056】
通常、フィルムを貼るか又は塗布する方法により、フォトレジスト層を施すことができる。
【0057】
その後、ステップ(e)、第1フォトレジスト層1016及び第2フォトレジスト層1017を除去し、コア層101の下表面に絶縁材料を積層して、金属ピラー1015の底端を覆う下部絶縁層1021bを形成するとともに、第2ビアホール1012内に下部絶縁ピラー1022bを形成し、
図3(e)に示すとおりである。
【0058】
通常、絶縁材料は、バージン樹脂から選択されてもよいし、ガラス繊維を含む樹脂から選択されてもよく、必要に応じて選択する。
【0059】
選択可能に、塗布又は圧着の方法により、絶縁材料を積層することができる。
【0060】
次に、ステップ(f)、コア層101の上表面に第3フォトレジスト層1018を施し、第3フォトレジスト層1018を露光・現像して、第1ビアホール1011の頂端を露出する第3特徴パターンを形成し、第3特徴パターンにおいて、第1ビアホール1011の内壁の犠牲銅層をエッチングし、
図3(f)に示すとおりである。
【0061】
その後、ステップ(g)、第3フォトレジスト層1018を除去し、第1ビアホール1011の内壁と金属ピラー1015との間に、軸方向に沿って金属ピラー1015を包む磁石1019を形成し、
図3(g)に示すとおりである。
【0062】
通常、シルク印刷の方法により、磁石1019を形成できる。
【0063】
本実施形態において、磁石内部配線に絶縁層を追加する必要がなく、金属ピラーの周囲に磁気空洞を直接形成して、磁石付き配線の密度を高め、高集積化、小型化、微細化の発展傾向に対応する。
【0064】
次に、ステップ(h)、磁石1019及び金属ピラー1015を平坦に研磨して、第1導電性ピラー層を取得し、
図3(h)に示すとおりである。通常、第1導電性ピラー層の頂端は、犠牲銅層1013と同じ高さになり得る。
【0065】
その後、ステップ(i)、コア層101の上表面と下表面に第4フォトレジスト層をそれぞれ施し、前記第4フォトレジスト層を露光・現像して第4特徴パターンを形成し、第4特徴パターンにおいて、露出しているコア層101の上表面の犠牲銅層の一部をエッチングして、第4フォトレジスト層を除去し、コア層101の上表面に絶縁材料を積層して、金属ピラー1015の頂端を覆う上部絶縁層1021aを形成するとともに、第2ビアホール1012内に上部絶縁ピラーを形成し、上部絶縁ピラー及び下部絶縁ピラー1022bは一緒に第2ビアホール1012を充填する絶縁ピラー1022を形成し、金属層1014及び絶縁ピラー1022は一緒に第2導電性ピラー層を形成し、
図3(i)に示すとおりである。
【0066】
次に、ステップ(j)、上部絶縁層1021a、下部絶縁層1021b及びコア層101の上表面と下表面に残っている犠牲銅ピラー層を除去するとともに、第1導電性ピラー層及び第2導電性ピラー層の端部をそれぞれ平坦に研磨し、第1導電性ピラー層の端部及び第2導電性ピラー層の端部は、それぞれコア層101と同じ高さになり、フィルタリング機能を有する導電性基板100を取得し、
図3(j)に示すとおりである。
【0067】
通常、ボードを機械的に研磨することにより、上部絶縁層1021a、下部絶縁層1021b及びコア層101の上表面と下表面に残っている犠牲銅ピラー層を除去することができる。
【0068】
本実施形態において、導電性基板を製造すると、磁性基板の製造工程を短縮し、生産プロセスを簡素化し、生産歩留まりを向上させ、生産コストを低減する。
【0069】
その後、ステップ(k)、導電性基板100の上表面と下表面に第1回路層2011及び第2回路層3011をそれぞれ形成し、第1回路層2011と第2回路層3011とが第1導電性ピラー層又は第2導電性ピラー層を介して導電的に接続されて、フィルタリング機能を有する基板配線構造を取得し、
図3(k)に示すとおりである。
【0070】
通常、
導電性基板100の上表面と下表面に、第1金属シード層及び第2金属シード層をそれぞれ形成するステップと、
第1金属シード層及び第2金属シード層に、第5フォトレジスト層及び第6フォトレジスト層をそれぞれ施し、露光・現像して第5特徴パターン及び第6特徴パターンを形成するステップと、
第5特徴パターン及び第6特徴パターンにおいて、それぞれ電気めっきして第1回路層2011及び第2回路層3011を形成するステップと、
第5フォトレジスト層及び第6フォトレジスト層を除去するとともに、露出している第1金属シード層及び第2金属シード層をエッチングするステップとにより製造できる。
【0071】
次に、ステップ(l)、第1回路層2011及び第2回路層3011に第1ビルドアップ層201及び第2ビルドアップ層301をそれぞれ形成し、第1ビルドアップ層201内及び第2ビルドアップ層301内に第1銅ピラー層2012及び第2銅ピラー層3012をそれぞれ形成し、かつ、第1ビルドアップ層201及び第2ビルドアップ層301の表面に第3回路層4011及び第4回路層5011をそれぞれ形成し、第1回路層2011と第3回路層4011とは第1銅ピラー層2012を介して導電的に接続され、第2回路層3011と第4回路層5011とは第2銅ピラー層3012を介して導電的に接続され、
図3(l)に示すとおりである。
【0072】
通常、ビルドアップ層内にレーザで穴を開ける→ビルドアップ層の表面及び穴の側壁及び下部にシード層を製造する→シード層にフォトレジスト層を施す→露光・現像して特徴パターンを形成する→特徴パターンにおいて電気めっきして回路層及び銅ピラー層を形成する→フォトレジスト層を除去するとともに、露出しているシード層をエッチングするプロセスにより、ビルドアップ層、ビルドアップ層内に位置する銅ピラー層、及びビルドアップ層の表面に位置する回路層を製造できる。
【0073】
最後に、ステップ(m)、第3回路層4011及び第4回路層5011に第3ビルドアップ層401及び第4ビルドアップ層501をそれぞれ形成し、第3ビルドアップ層401内及び第4ビルドアップ層501に第3銅ピラー層4012及び第4銅ピラー層5012をそれぞれ形成し、かつ、第3ビルドアップ層401及び第4ビルドアップ層501の表面に第5回路層4013及び第6回路層5013をそれぞれ形成し、第3回路層4011と第5回路層4013とは第3銅ピラー層4012を介して導電的に接続され、第4回路層5011と第6回路層5013とは第4銅ピラー層5012を介して導電的に接続され、第3ビルドアップ層401の外側に第1ソルダーレジスト層601を形成するとともに、第1ソルダーレジスト層601内に第1ソルダーレジスト窓6011を形成し、第4ビルドアップ層501の外側に第2ソルダーレジスト層701を形成するとともに、第2ソルダーレジスト層701内に第2ソルダーレジスト窓7011を形成して、キャリアボード配線構造200を取得し、
図3(m)に示すとおりである。
【0074】
当業者は、本発明は本明細書において具体的に図示及び説明された内容に限定されないことを認識するであろう。そして、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定され、以上で説明した各技術的特徴の組み合わせ及びサブ組み合わせ、並びにそれらの変形と改良を含み、当業者は、上記の説明を読んだ後、このような組み合わせ、変形及び改良を想到することができるだろう。
【0075】
特許請求の範囲において、用語「含む」及びその変形、例えば「備える」、「含有」等は、列挙された要素を含み、ただし他の要素を排除しないことを意味する。
【符号の説明】
【0076】
100:導電性基板
101:コア層
1011:第1ビアホール
1012:第2ビアホール
1013:犠牲銅層
1014:金属層
1014:金属層
1015:金属ピラー
1016:第1フォトレジスト層
1017:第2フォトレジスト層
1018:第3フォトレジスト層
1019:磁石
1021a:上部絶縁層
1021b:下部絶縁層
1022:絶縁ピラー
1022b:下部絶縁ピラー
200:キャリアボード配線構造
201:第1ビルドアップ層
2011:第1回路層
2012:第1銅ピラー層
301:第2ビルドアップ層
3011:第2回路層
3012:第2銅ピラー層
401:第3ビルドアップ層
4011:第3回路層
4012:第3銅ピラー層
4013:第5回路層
501:第4ビルドアップ層
5011:第4回路層
5012:第4銅ピラー層
5013:第6回路層
601:第1ソルダーレジスト層
6011:第1ソルダーレジスト窓
701:第2ソルダーレジスト層
7011:第2ソルダーレジスト窓