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特許7553546境界モデルを使用してパーツの摩耗を判定するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】境界モデルを使用してパーツの摩耗を判定するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240910BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240910BHJP
   E02F 9/28 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06Q50/08
E02F9/28
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022507896
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020042494
(87)【国際公開番号】W WO2021030005
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-02-08
(31)【優先権主張番号】16/537,269
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カンポマーヌ、パトリック エス.
(72)【発明者】
【氏名】ハルツーニアン、グラハム アール.
(72)【発明者】
【氏名】マカフリー、ブランドン エイチ.
【審査官】▲高▼橋 真之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/099337(WO,A1)
【文献】特表2016-504643(JP,A)
【文献】特開2015-052555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06Q 50/00-50/20
E02F 9/28
G06T 7/00- 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに実装された方法であって、
パーツ(116)の表面(206)に対応するセンサデータを受信するステップであって、前記センサデータは前記表面(206)上の複数のポイント(208、310)についての情報を含む、ステップと、
前記パーツ(116)に対応する未摩耗パーツに関する第1のモデル(214)を受信するステップであって、前記第1のモデル(214)は前記未摩耗パーツの第1の輪郭を画定する、ステップと、
前記パーツ(116)に対応する摩耗限度パーツに関する第2のモデル(216)を受信するステップであって、前記第2のモデル(216)は前記摩耗限度パーツの第2の輪郭を画定する、ステップと、
前記表面(206)、前記第1の輪郭、および前記第2の輪郭、から離間した境界輪郭(222)を生成するステップと、
前記複数のポイント(208、310)のうち1つのポイント(208c)について:
前記ポイント(208c)と前記第1の輪郭上の第1の位置(228)の間の第1の距離(d1)、または
前記ポイント(208c)と前記第2の輪郭上の第2の位置(230)の間の第2の距離(d2)、のうち少なくとも1つの距離を判定するステップであって、前記ポイント(208c)、前記第1の位置(228)、および前記第2の位置(230)は、前記境界輪郭(222)から垂直方向に延びる同一直線上に存在する、ステップと、
前記第1の距離(d1)または前記第2の距離(d2)のうち前記少なくとも1つの距離に基づいて、前記パーツ(116)に関する摩耗メトリックを判定するステップと、
を含む、コンピュータに実装された方法。
【請求項2】
前記ポイント(208c)は第1のポイントであり、および前記摩耗メトリックは前記第1のポイント(208c)に関する第1の摩耗メトリックであり、コンピュータに実装された前記方法は、
前記複数のポイント(208、310)のうち第2のポイント(310b)について:
前記第2のポイント(310b)と前記第1の輪郭上の第3の位置(314b)の間の第3の距離、または
前記第2のポイント(310b)と前記第2の輪郭上の第4の位置(312b)の間の第4の距離、のうち少なくとも1つの距離を判定するステップであって、前記第2のポイント(310b)、前記第3の位置(314b)、前記第4の位置(312b)は、前記境界輪郭(222)から垂直方向に延びる同一直線上に存在する、ステップと、
前記第2のポイント(310b)に関する第2の摩耗メトリックを判定するステップと、をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項3】
前記第1の摩耗メトリックおよび前記第2の摩耗メトリックに少なくとも部分的に基づいて前記パーツ(116)についての全般的摩耗メトリックを判定するステップをさらに含む、請求項2に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項4】
前記全般的摩耗メトリックは、前記第1の摩耗メトリックおよび前記第2の摩耗メトリックを使用して判定された平均値、または前記第1の摩耗メトリックまたは前記第2の摩耗メトリックの最大値、のうちの1つの値である、請求項3に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項5】
摩耗メトリックしきい値を満たすかまたは上回る前記第2の摩耗メトリックに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の摩耗メトリックを除外して前記パーツの全般的摩耗メトリックを判定するステップ、をさらに含む、請求項2に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項6】
前記境界輪郭(222)は第1の形状を備え、および前記第1の輪郭は前記第1の形状とは異なる第2の形状を備える、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項7】
座標系において、前記パーツ(116)の前記表面(206)の表現、前記第1の輪郭、および前記第2の輪郭、を位置合わせするステップと、
前記座標系において、前記表面、前記第1の輪郭、および前記第2の輪郭の少なくとも一部分を囲む前記境界輪郭(222)を生成するステップと、をさらに含み、
前記第1の距離(d1)および前記第2の距離(d2)は、前記座標系における距離である、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項8】
前記パーツ(116)のグラフィカル表現(404)および前記摩耗メトリックの視覚的表現(408)に関する表示データを生成するステップと、
前記パーツの前記グラフィカル表現(404)および前記視覚的表現(408)を、表示のためディスプレイデバイス(108)に提供するステップと、をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項9】
前記第1の輪郭は前記未摩耗パーツの第1の三次元モデルに少なくとも部分的に基づき、
前記第2の輪郭は前記摩耗限度パーツの第2の三次元モデルに少なくとも部分的に基づき、
前記境界輪郭(222)は三次元輪郭である、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項10】
前記摩耗メトリックは、前記第1の距離(d1)または前記第2の距離(d2)のうち前記少なくとも1つの距離の、前記第1の輪郭上の前記第1の位置と前記第2の輪郭上の第2の位置の間の第3の距離に対する比率を含む摩耗パーセントである、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。
【請求項11】
システムであって:
1つ以上のプロセッサ(510)と、
命令を保存するコンピュータ可読メディア(512)であって、この命令は実行された場合に、前記1つ以上のプロセッサ(510)に:
パーツ(116)の表面についての情報を受信するステップと、
前記情報に少なくとも部分的に基づいて前記パーツ(116)の第1のモデル(206)を生成するステップと、
前記第1のモデル(206)を:
前記パーツ(116)に対応する未摩耗パーツの表面についての情報を含む第2のモデル(214)と、
前記パーツ(116)に対応する摩耗限度パーツの表面についての情報を含む第3のモデル(216)と、
前記第1のモデル(206)、前記第2のモデル(214)、および前記第3のモデル(216)の少なくとも一部分を囲む境界面に関する第4のモデル(222)と、比較するステップと、
前記比較するステップに基づいて前記パーツに関する摩耗メトリックを判定するステップと、
を含む処理を実行させるコンピュータ可読メディア(512)と、を含むシステム。
【請求項12】
前記比較するステップは:
前記パーツ(116)の前記表面上の複数のポイント(208)について、前記複数のポイント(208)の各ポイントと、前記境界面からの垂直方向に沿ったおよび前記各ポイントを通る前記未摩耗パーツの前記表面との間の複数の第1の距離(d1)、または前記各ポイントと、前記垂直方向に沿った前記摩耗限度パーツの前記表面との間の複数の第2の距離(d2)、のうち少なくとも1つの距離を判定するステップ、を含み、
前記摩耗メトリックは、前記複数の第1の距離(d1)または前記複数の第2の距離(d2)のうち前記少なくとも1つの距離に少なくとも部分的に基づく、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記摩耗メトリックは、前記複数の第1の距離(d1)または前記複数の第2の距離(d2)のうち前記少なくとも1つの距離の、前記複数の第1の距離(d1)のいずれか1つの距離と前記第2の距離(d2)のいずれか1つの距離の合計である第3の距離に対する比率に少なくとも部分的に基づく摩耗パーセントである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
さらに前記処理は:
前記パーツ(116)のグラフィカル表現(404)および前記摩耗メトリックの視覚的表現(408)に関する表示データを生成するステップと、
前記パーツの前記グラフィカル表現(404)および前記視覚的表現(408)を、表示のためディスプレイデバイス(108)に提供するステップと、を含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概してパーツの摩耗判定に関し、およびより具体的には使用されたパーツまたは摩耗したパーツのセンサデータおよび該パーツに関するモデルを使用して、パーツの摩耗を判定する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
土木事業(たとえば採掘、建設、浚渫、または同種のもの)をスムーズにするため、機械は地面係合ツールを装備している。たとえばツース、シュラウド、および/またはリップを含むがこれらに限定されないツールが、過度の摩耗から下層機器を保護するため、および/または他の機能を実行するため、一般に提供され得る。非限定的実施例として掘削用バケットには掘削用のツースおよび/またはシュラウドがバケットのリップに取り付けられて、たとえばバケットのリップより前に地面との接触を開始し得る。使用の際、そのような地面係合製品は、重負荷のおよび/または摩耗の激しい条件に遭遇し得る。このような条件は地面係合製品を摩耗させ、および最終的にはすり減りまたは故障を引き起こす。過度の摩耗は、地面係合ツールの破壊および/または喪失を招き得、これは生産性の減少、修理および/またはメンテナンスのコストの増加、および他のトラブルを招き得る。したがって、たとえば故障する前に交換するパーツを交換することを含む摩耗パーツを把握および/または数量化するなど、パーツの摩耗をモニターすることが望ましい。
【0003】
システムは、パーツに関する摩耗の判定を図る観点から設計されている。たとえばHasselbusch外による米国特許第9の,613,413号(「’413特許」)は、モバイルデバイスを使用してパーツの摩耗を判定するためのシステムおよび方法を記載している。たとえば、該’413特許は、モバイルデバイス上のカメラを使用してデジタル画像をキャプチャするステップと、およびたとえばピクセル数に基づいて、未摩耗パーツおよび/または使用済み/摩耗したパーツのシミュレートされた面の表面から、画像化されたパーツの摩耗面の距離を判定するステップと、を記載している。’413特許の実施例において、摩耗度はこのような距離に基づいて判定され得る。
【0004】
’413特許において記載されたシステムは摩耗を数量化し得るが、ここに記載された技法に従って計算された距離は摩耗パターンを正確に反映し得ない。たとえば摩耗は異なる表面に不規則に起り得、および’413特許の技法はそのような摩耗を適切に説明し得ない。非限定的実施例として、’413特許において記載された技法は摩耗の方向を含まない距離を測定し得、それによって不正確な摩耗パーセントを返す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、既存技術の1つ以上の改良に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
該開示の一態様は、パーツ表面に対応するセンサデータを受信するステップを含むコンピュータに実装された方法に関する。該センサデータは、表面上の複数のポイントについての情報を含む。該方法はまた、該パーツに対応する未摩耗パーツに関する第1のモデルを受信するステップ、および該パーツに対応する摩耗限度パーツに関する第2のモデルを受信するステップを含み得る。該第1のモデルは未摩耗パーツの第1の輪郭を画定し得、および該第2のモデルは摩耗限度パーツの第2の輪郭を画定し得る。該方法はまた、表面、第1の輪郭、および第2の輪郭から離れた境界輪郭を生成するステップ、および複数ポイントのうち1ポイントについて、該ポイントと該第1の輪郭上の第1の位置の間の第1の距離の少なくとも1つの距離と、または該ポイントと該第2の輪郭上の第2の位置の間の第2の距離と、を判定するステップ、を含み得る。該方法はまた、第1の距離または第2の距離のうち少なくとも1つの距離に基づいて、該パーツに関する摩耗メトリックを判定するステップを含み得、該第1の距離および該第2の距離は境界輪郭から延びおよび該ポイントを通るラインに沿っている。
【0007】
該開示の別の態様は、1つ以上のプロセッサ、および実行された場合に1つ以上のプロセッサに処理を実行させる命令を保存するコンピュータ可読メディア、を含むシステムに関する。該処理は、パーツ表面についての情報を受信するステップ、および該情報に少なくとも一部分基づいて該パーツの第1のモデルを生成するステップ、を含み得る。該処理はまた、該第1のモデルを、該パーツに対応する未摩耗パーツの表面についての情報を含む第2のモデル、該パーツに対応する摩耗限度パーツの表面についての情報を含む第3のモデル、および該第1のモデル、該第2のモデル、および該第3のモデルを少なくとも部分的に包絡する境界表面に関する第4のモデル、と比較するステップを含み得る。該処理はまた、該比較するステップに基づいて、該パーツに関する摩耗メトリックを判定するステップを含み得る。
【0008】
本開示の別の態様は、実行された場合に1つ以上のプロセッサに操作を実行させる命令を保存する非一時的コンピュータ可読メディアに関する。該操作は、摩耗パーツの外表面についての情報を受信するステップを含み得る。該情報は、三次元座標系中の複数のポイントを含む。該操作はまた、該摩耗パーツに対応する未摩耗パーツの表面の第1の三次元表現に関する第1のモデルを受信するステップ、該摩耗パーツに対応する摩耗限度パーツの表面の第2の三次元表現に関する第2のモデルを受信するステップであって、該摩耗限度パーツの該表面は該パーツに関する摩耗限度に対応するところの第2のモデルを受信するステップ、および該未摩耗パーツの表面を少なくとも部分的に包絡する境界輪郭に関する第3のモデルを受信するステップ、を含み得る。該操作はまた、複数ポイントのうち個々のポイントについて、境界輪郭上の第1の位置と該個別ポイントの間の第1の距離のうち少なくとも1つの距離、該境界輪郭上の該第1の位置と該未摩耗パーツの表面上の第2の位置の間の第2の距離、または該境界輪郭上の該第1の位置と該摩耗限度パーツの表面上の第3の位置の間の第3の距離を、判定するステップを含み得る。第2の距離および第3の距離は、境界輪郭上の第1のポイントから個々のポイントを通って延びる方向に沿って測定される。該操作はまた、第1の距離、第2の距離、または第3の距離、のうち少なくとも1つ距離に少なくとも一部分基づいて、該パーツの摩耗メトリックを判定するステップを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の態様に従ってパーツ摩耗を判定する実施例の環境の表現である。
図2図2は、本開示の態様に従って摩耗パーツに対する摩耗メトリックを判定するプロセスを説明し、および図示するテキストおよび図によるフローチャートを示す。
図3図3は、本開示の態様に従って摩耗パーツの摩耗メトリックを判定する技法を示すために使用する概略図である。
図4図4は、本開示の追加的態様に従って図2で図示されたパーツなど、摩耗パーツについての摩耗メトリックを描写する実施例のユーザーインターフェースの概略図である。
図5図5は、本開示の態様に従って摩耗パーツについての摩耗メトリックを判定する実施例のコンピューティング環境である。
図6図6は、本開示の態様に従って摩耗パーツの摩耗メトリックを判定する実施例の方法のフローチャートである。
図7図7は、本開示の態様に従って摩耗パーツの摩耗メトリックを判定するステップに応答して処理を実行する実施例の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は概してパーツの摩耗を判定するための方法、システム、および技法に関する。ここに記載する特定のパーツは、たとえば地面係合機械、土木機械、または同種のものなどの機械のパーツであり得るが、ここに記載する技法はたとえば摩滅、腐食または同種のものなど時間とともに摩耗する任意の数のパーツに適用可能である。可能であれば、図面全体で同じ参照番号が同一または類似の特徴を参照するために使用される。
【0011】
図1は、本開示の実施形態に従ってセンサまたはパーツのイメージデータに基づいて、パーツ摩耗を判定するための実施例の環境100を図示する。該環境100のコンポーネントは相互に接触し、たとえば機械オペレータ、サイトマネージャーまたは同種のものなどのユーザーは、たとえばイメージングセンサなどを使用してキャプチャされたパーツに関するセンサデータに基づいて、たとえば摩耗パーツなどの機械パーツの摩耗度を容易に判定し得る。図示されているように該環境100は、ジョブまたは機械サイト102を含み得、そのサイトでは機械104は、土木機能または掘削機能を含むがこれらに限定されない1つ以上の機能を実施する。該機械サイト102はまた、ユーザー106、該ユーザーに関連するユーザーデバイス108、および/またはイメージングセンサ110、を含み得、このセンサはまたユーザー106に関連し得る(つまりユーザーに操作され得る)。該機械サイト102は任意の場所を示し得、その場所では該機械104および/またはユーザー106が存在し得る。たとえばおよび制限なしで、該機械サイト102は、職場、修理工場、販売店、住居、鉱山、採石場、高速道路または道路、または同種のもの、を含み得る。ここでさらに詳述されるように該ユーザー106は、センサ110を使用して機械サイト102で、たとえばパーツを表すポイントクラウドデータなどのセンサデータをキャプチャし得、そのデータはユーザーデバイス108に組み込まれ得る(いくつかの実施例において該センサ110またはイメージャは、ユーザーデバイス108から分離され得るが)。
【0012】
該機械104は、多様な機械のうち任意のもののうち1つであり得るが、しかし概してたとえば該機械104の操作時にそのようなパーツに作用する力により摩耗しやすく、およびそのような摩耗の結果として時間とともに交換する必要がある、1つ以上のパーツを備える機械を含む。該機械104は、バケットのリップ近くに固定されたツースを備え得るバケットローダーとして図示される。たとえば機械104の描写を伴う拡大図112は、ツースである新しいパーツ114および摩耗したパーツ116を示し、この摩耗したパーツは、該機械104(および該新しいパーツ114)によって実施された若干の量の作業後の該新しいパーツ114に相当する。言い替えれば、該摩耗したパーツ116はセニョール110を使用して撮像された使用中のパーツを示し得、他方該新しいパーツ114は「製造後」のパーツまたは公称パーツを示す。図1は該機械104としてバケットローダーを使用し、該図示パーツ116として地面係合ツースを使用するが、他の実施例も考えられる。たとえばおよび制限なしで、該機械104はトラックタイプトラクター、ホイールローダー、発電設備、石油ドリル、または集約的作業任務を実施する他の任意の機械など、作業機械を表し得る。該図示されたツースに加えてまたはその代わりに、作業機械は、個々のトラックリンクから作られたトラックを含む他の高応力パーツ、材料を移動させるエッジを備えるブレード、および/または該機械が様々なタスクを実施するために使用されると時間とともに摩耗する他のパーツを含み得る。該機械104の他の実施例として、機関車、運搬トラック、バス、航空機、または他の人や積荷を運搬する機械など、産業用輸送機械が含まれ得る。非限定的実施例として航空機は、タービンファンブレード、ブリードポート、または時間とともにパーツの摩耗を引き起こす高応力がかかる恐れがあり、および定期的に交換する必要のある他のパーツ、を備え得る。該機械104はまた、乗用車または客車などの車両を具現し得る。そのような機械はまた、車軸またはタイヤなどの高応力パーツを備え、そのパーツは使用に伴って摩耗しおよび最終的に交換が必要となる。なおさらなる実施形態において、該機械104は、使用に伴って時間とともに摩耗するツースまたはビットなどの1つ以上のパーツを備えるのこぎりまたはドリルなどの作業ツールであり得る。本開示において、使用に伴って時間とともにパーツの摩耗を引き起こす応力にさらされる恐れのある該機械104のパーツは、「摩耗パーツ」と呼ばれ得る。ここに記載された技法は、そのような摩耗パーツの摩耗を判定し得る。
【0013】
ユーザー106は、該機械104に関連する任意の個人またはエンティティであり得る。非限定的実施例として該ユーザー106は、所有者、オペレータ、技術者、修理工、顧客サービス担当者、販売店担当者、または該機械104に関わる他の任意の関係者、であり得る。上述のように、およびここで詳細に説明するように、該ユーザー106はセンサ110を操作して、該摩耗したパーツ116などの摩耗パーツのセンサデータをキャプチャし得る。実施例において、該センサ110は三次元カメラ、またはレーダーセンサ、LiDARセンサ、または同種のものを含むがこれらに限定されない測距センサ、であり得る。非限定的実施例として該センサ110は、各々のキャプチャされたピクセルに関する深さを生成するように構成され飛行時間センサであり得る。実施例において該センサ110は、たとえば画像キャプチャステーションに関連して取り付けられ得、および該摩耗したパーツ116は、検知および/または画像キャプチャのため該センサ110に相対して配置され得る。他の実施形態において、該センサ110は、非限定的実施例として、たとえば該機械104に取り付けられた摩耗したパーツなどの該摩耗したパーツ116のセンサデータおよび/またはイメージデータをキャプチャするため、該ユーザー106によって操作可能である。非限定的実施例として該センサ110は、ハンドヘルドまたは他の方法で移動可能なイメージャまたはセンサであり得、および該ユーザー106は該センサ110をたとえば機械サイト102に配置して該摩耗したパーツ116の画像をキャプチャし得る。
【0014】
ユーザーデバイス108は、該ユーザー106が携帯するモバイルデバイスであり得、あるいは機械サイト102で該ユーザー106によるアクセスが可能なモバイルデバイスであり得る。実施形態において、該ユーザーデバイス108は、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ、携帯情報端末、ネットワーク対応カメラまたはセンサ、または他のコンピューティングデバイスとして具現され得る。さらにおよびここで記載のように該ユーザーデバイス108は、たとえば新しいパーツ114に対して該摩耗したパーツ116の摩耗度を判定する機能を含み得る。非限定的実施例として該ユーザーデバイス108は、該センサ110によって生成されるたとえばポイントクラウドデータなどのセンサデータを受信し得る。いくつかの実施例において該センサ110および該ユーザーデバイス108の機能は、たとえば該ユーザーデバイス108は統合型センサ110を備え得るなど、シングルデバイスに統合され得る。他の実施例において該ユーザーデバイス108は、たとえば物理的接続、ワイヤレス接続、および/またはネットワーク118を経由して、該センサ110からセンサデータを受信し得る。
【0015】
図1にも示すように該環境100は、1つ以上のデータ処理システム120および1つ以上の販売店コンピューティングデバイス122を含み得る。図に示すように該データ処理システム120および該販売店コンピューティングデバイス122は、ネットワーク118を介して機械104、ユーザーデバイス108、および/またはセンサ110の1つ以上と通信するように構成され得る。該データ処理システム120および該データ処理システム120は相互に離れて、および機械104、ユーザーデバイス108、およびセンサ110から離されて示されているが、いくつかの実施例においてこのようなコンポーネントの1つ以上の機能は、いくつかのデバイスに渡って実行され得る。非限定的実施例として該ユーザーデバイス108は、該データ処理システム120の一部または全部の機能を含み得る。さらに、ここに記載された機能および図示されたコンポーネントの1つ以上に帰す機能は、さらにコンポーネントのうち異なる1つ以上のコンポーネントによって、および/または完全に異なるコンポーネントによって実施され得る。
【0016】
該データ処理システム120は概して、摩耗したパーツ116のセンサ110によって生成されたセンサデータを受信し、およびそれに関する摩耗メトリックを判定するように構成される。ここで使用される「摩耗メトリック」は、パーツ摩耗の任意の数量化を指し得る。たとえば摩耗メトリックは、たとえば新しいパーツ114などの新しいパーツに対する摩耗パーセント、および/または使用済みまたは「摩滅」パーツに対する摩耗パーセントであり得、この摩滅パーツは、想定される故障の前または他のいくらかの摩耗限度の前に許容される最大摩耗に相当し得る。該摩耗メトリックも同様にまたは代わりに、さらにここに詳述されるように、たとえば該摩耗に関連する距離に相当する距離として測定され得る。図1に示すように該データ処理システム120は、摩耗判定コンポーネント124、1つ以上のパーツモデル126、および境界面判定コンポーネント128、を含み得る。
【0017】
実施例において、該摩耗判定コンポーネント124は、たとえばセンサ110によってキャプチャされたセンサデータを受信し得、および該センサデータをパーツモデル126と比較し得る。たとえば摩耗判定コンポーネントは、たとえばセンサが測距型センサである場合、センサ110によってキャプチャされた深さに関するいくつかのポイントを含むポイントクラウドデータを受信し得る。該摩耗判定コンポーネント124は、深さに相当する座標系中の位置を判定し得る。非限定的実施例として、該摩耗判定コンポーネント124は、三次元(たとえばx,y,x)座標系において測定された深さに関する位置を判定し得る。たとえば該測定された深さは、摩耗したパーツ114の表面に関連し得、およびいくつかの実施形態において、該摩耗判定コンポーネント124は該測定された摩耗したパーツ114の三次元モデルを生成し得、および座標系に該モデルを配向し得る。
【0018】
該摩耗判定コンポーネント124はまた、センサデータをパーツモデル126と位置合わせするように構成され得る。ここに記載された実施例において、該パーツモデル126は、たとえば新しいパーツ114のモデルおよび/または摩耗限度パーツモデルなど、新しいパーツモデルの1つ以上のモデルを含み得る。さらにここに詳述されるように、新しいパーツモデルは、実質的に新しいパーツの表面の座標、および/または該新しいパーツ114に関する公称パーツの表面の座標、を含み得る。該摩耗限度パーツモデルは、たとえば表面上のポイントなど最大限に摩耗したパーツに関する表面の座標を含み得る。たとえば該摩耗限度パーツモデルは、故障寸前のパーツ、あるいは今にも故障すると想定されるパーツ、に関する外側の輪郭を記述し得る。他の実施例において、該パーツモデル126は、摩耗パーツの摩耗の他段に関する1つ以上の追加モデルを含み得る。非限定的実施例としてパーツモデルは、10%の残存寿命(つまり90%摩耗)または同種のものを備える摩耗パーツに関する構成を含むがそれに限定されない他の摩耗度、に相当する表面を記述し得る。ここに記載された実施例において、摩耗したパーツ116上の測定ポイントが摩耗限度モデル上のポイントに相当する場合、該摩耗したパーツ116は交換する必要があり得る。さらにここに詳述されるように、摩耗限度パーツモデルを選択するステップは、パーツを交換する時期を指令し得、およびこれにより該摩耗限度パーツモデルの選択は、交換を示唆する所望の条件に少なくとも一部分基づき得る。
【0019】
摩耗判定コンポーネント124は、たとえば測定された摩耗したパーツ116の表面上の測定ポイントの位置などのセンサデータを、パーツモデル126と比較し得る。実施形態においてデータ処理システム120は、たとえばセンサ110によって生成されたポイントなど測定された摩耗したパーツ116を表すセンサデータをパーツモデル126の1つ以上のモデルと位置合わせして、測定ポイントと該パーツモデル126の位置つまり場所の間の距離を判定し得る。一実施例において摩耗メトリックは、新しいパーツモデル上の位置と測定された位置(たとえば摩耗したパーツ116上の位置)の間の第1の距離と、新しいパーツモデル上の該位置と使用済みパーツモデル上の位置の間の同一線上の第2の距離と、の比率に相当するパーセントであり得る。
【0020】
境界面判定コンポーネント128は、本開示の実施形態に従って、境界面または境界輪郭を生成、受信、あるいはアクセスし得る。さらにここに詳述されるように、境界面または境界輪郭は、摩耗メトリックを判定するための、摩耗判定コンポーネント124によって使用されるパーツモデル126などのモデルであり得る。実施例において、境界面判定コンポーネント128は、たとえばパーツモデル126および/または測定された摩耗したパーツ116より大きいなど少なくとも部分的に包絡する、境界面、モデル、または輪郭を生成または選択し得る。ここで記載のように該境界面判定コンポーネント128によって判定される境界面は、摩耗を判定するため距離が測定される向きを画定し得る。非限定的実施例として、境界輪郭は追加的モデルの役割を果たし得、そのモデルは、該摩耗判定コンポーネント124によってパーツモデル126および摩耗したパーツ116の測定ポイント(または測定ポイントに基づく摩耗したパーツ116のモデル)と位置合わせされ得る。いくつかの適用例において境界面の法線は、たとえば測定ポイントとパーツモデル126上の1つ以上のポイントの間の距離などの距離が測定される際の方向の役割を果たし得る。このように境界面は、測定方向を合わせるように機能し得る。ここで記載の任意の実施形態によれば、このように方向付けするステップは、従来モデルと比較してより正確な結果を与え得る。たとえばいくつかの従来モデルは、パーツモデル上の測定ポイントと近接するポイントの間の距離を測定し得る。ただし、そのようなプロセスでは摩耗の計算が不正確になり得、そのためたとえばパーツの使いすぎを招き得てたとえば破壊的故障を引き起こし、および/またはパーツの使用不足を招き得てコストを増加させる。
【0021】
データ処理システム120は環境100の構成に基づいて、該開示技法の実行において異なる役割または異なる参加度を備え得る。たとえば環境100の態様は、サーバーベースの環境としてまたはクラウドベースの環境として構成され得、その環境は、ネットワーク上のサービス118の一部として開示された摩耗判定技法を実施する。そのようなサーバーベースまたはクラウドベースの環境において、データ処理システム120(たとえばサーバーまたはクラウド)は、センサ110および/またはユーザーデバイス108(ユーザーデバイスはセンサ110からセンサデータを受信し得る)からセンサデータを受信し得る。本実施例において、つぎに該データ処理システム120は該センサデータを処理してパーツの摩耗度を判定し得、および該処理の結果をネットワーク118経由で該ユーザーデバイス108に返し得る。このようにサーバーベースまたはクラウドベースの環境において、該データ処理システム120はコンピューティング操作の大半を実施し得、他方該ユーザーデバイス108はポータルとして機能し得(たとえばアプリケーションまたはブラウザ経由)、このポータルはユーザー106がネットワーク118経由で該データ処理システム120のサービスにアクセスすることを可能にする。いくつかの実施例において該ユーザーデバイス108は、たとえばダウンロードするなどソフトウェアアプリケーションにアクセスし得、このアプリケーションはさらにここに詳述されるように、該ユーザー106が該データ処理システム120にアクセスする、および/または該データ処理システム120から受信したデータ2対話することを可能にする。
【0022】
該環境100はまた販売店コンピューティングデバイス122を含み、このデバイスは、機械104および/または新しいパーツ114を含む該機械104用パーツを販売またはレンタルする販売店に関連する1つ以上のコンピューティングシステムを表し得る。いくつかの実施形態において、該販売店は該ユーザー106と関係を持ち得る。たとえば該ユーザー106は、カスタマーまたは潜在的カスタマーおよび/または該機械104のステータスを知ることに関心を持っている誰かほかの個人であり得る。いくつかの実施形態において該販売店は、図示のツースなどの機械104の摩耗パーツが十分に摩耗した結果、該機械104を点検または修理したり、および/または該機械104に交換パーツまたは修理を提供したりする時期を知ることを所望し得る。環境100の他の要素として、該販売店コンピューティングデバイス122は、通信、保存、および該開示の技法を実行する処理、を可能にする任意の数または任意の組み合わせのコンピューティング要素を含み得る。とりわけ該販売店コンピューティングデバイス122は履行コンポーネント130を含み得、このコンポーネントは、たとえば新しいパーツ114など交換パーツを自動的に発注したり、および/または摩耗パーツが摩耗してほぼしきい値になったと判定するデータ処理システム120に応答して該機械104に関する定期メンテナンスを発注するように構成され得る。少なくともいくつかの実施例において、該販売店コンピューティングデバイス122はまた、該データ処理システム120を組み込み得る。たとえば該販売店コンピューティングデバイス122は、パーツが摩耗したことを判定し、およびそのような摩耗判定に応答して交換パーツの提供を含む処理を実行することの可能な、集中型のモニタリングプロバイダおよび/またはサービスプロバイダであり得る。少なくともいくつかの実施例において、該販売店コンピューティングデバイス122は、たとえば該データ処理システム120および/または該ユーザーデバイス108など該環境の他の要素から、たとえば摩耗メトリックが摩耗メトリックしきい値を満たすかまたは上回るなど、機械の摩耗パーツが完全に摩耗したことを示す、電子メールまたはテキストメッセージなどの通知を受信し得る。そのような通知への応答において、該販売店コンピューティングデバイス122はたとえば履行コンポーネント130を使用して、適切または適正な交換パーツを判定し得、および機械サイト102で該ユーザー106に提示する交換パーツのプレゼンテーションを手配し得る。他の適用例において、該販売店コンピューティングデバイス122は、該ユーザーデバイス108に、たとえば摩耗メトリックの判定に応答してユーザーに実行すべき1つ以上の処理で命令するなどの他の命令を与え得る。そのような命令は、ユーザー106が該機械104に検査、修理、または同種のものを受けさせることであり得、および/または該販売店に関連し得る技術者を手配して機械の場所102を訪問させることであり得る。該販売店コンピューティングデバイス122はまた、たとえばメッセージまたは他の該ユーザーデバイス108への伝達を介して、ユーザーを促して交換パーツを発注させ得る。
【0023】
図1において、ネットワーク118は、該ネットワーク118に接続されたノード間でデータを通信するように構成された電子的通信ネットワークの任意のタイプの組み合わせを表し得る。たとえばおよび制限なしで、該ネットワーク118は、インターネット、イーサネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク、電話ネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせ、を表し得る。少なくともいくつかの実施形態において、該ネットワーク118は、2G、3G、4G、5G、および/またはLTE通信ネットワークによる接続などのインターネット接続をユーザーデバイス108に提供するよう動作可能な、モバイルネットワークおよび関連するインフラストラクチャを含み得る。
【0024】
図2は、本開示による技法を記述しおよび図示するキストおよび図によるフローチャートを含む。より具体的には図2は、図1の拡大図112で示される摩耗したパーツ116などの摩耗パーツについて、摩耗メトリックを判定するためのプロセス200を記述し、および図示する。たとえば図2で記述されおよび図示されたプロセス200は、図1で図示された該ユーザーデバイス108、該センサ110、および/または該データ処理システム120、を含む、環境100のコンポーネントによって全体または一部を実装され得る。ただし図2の技法は、このようなコンポーネントによって実施されることに限定されず、およびこのようなコンポーネントは、図2で記述されおよび図示された該技法を実施することに限定されない。
【0025】
操作202で、該プロセス200は摩耗パーツについてのセンサデータを受信するステップを含み得る。たとえば図1に関連して前述された実施例の環境100において、ユーザー106はセンサ110を使用して、摩耗したパーツ116などの摩耗パーツに関するセンサデータを生成し得る。操作202を伴う実施例204において図示されたように、該センサデータは該摩耗したパーツ116などのパーツの表面206を示し得る。明確にするため、該摩耗したパーツ116は、たとえば該摩耗したパーツ116の二次元表現のプロファイルで示される。ただし、二次元座標系で示されているが、図2に関連して記載された技法は、三次元座標系を含むがこれらに限定されない代替座標系に等しく適用可能である。明らかなように、該センサ110によってキャプチャされたセンサデータなどの該センサデータは、複数の測定ポイントを含み得、そのポイントのうち第1の測定ポイント208a、第2の測定ポイント208b、第3の測定ポイント208c、第4の測定ポイント208d、および第5の測定ポイント208e(一括して「測定ポイント208」と呼ぶ)は、実施例204中に図示される。実施例において該測定ポイント208は、該センサ110によって生成されたポイントクラウドまたは深さまたは位置測定値の他の集合を備え得る。該摩耗したパーツ116に関する追加表面もまた実施例204において図示されているが、当業者であれば、パーツの該センサデータは表面206を記述する測定ポイント208のみ含み得ることを理解するであろう。追加表面は、参考のため、および該摩耗したパーツ116のアウトラインを図示するため実施例204に示される。非限定的実施例として、たとえば該摩耗したパーツ116の取付け面など測定面206に対向する表面は、最小限の摩耗を経験すると想定され得、このためここに記載された実施形態において検出され得ない。
【0026】
操作210においてプロセス200は、1つ以上のパーツモデルを受信するステップを含み得る。たとえば該パーツモデルは、新しいパーツモデルおよび摩耗したつまり摩耗限度パーツモデル、を含み得る。該新しいパーツモデルは、新しいパーツ114など新しいつまり未使用のパーツと関連し得る。該摩耗したつまり摩耗限度パーツモデルは、該摩耗したパーツ114に関する最低限受け入れ可能な表面に相当し得る。該操作210を伴う実施例212は、新しいパーツモデル214および摩耗限度パーツモデル216、を図示する。実施例204の描写と同様、該新しいパーツモデル214および該摩耗限度パーツモデル216は、明確にするため二次元モデルとして図示される。しかし明らかなように、該新しいパーツモデル214および該摩耗限度パーツモデル216は、本開示の実施形態において三次元モデルであり得る。該新しいパーツモデル214および該摩耗限度パーツモデル216の各々は概して、同一ではあるがただしパーツの有効寿命において異なる時間のパーツに関する表面または表面の輪郭を記述する。たとえば該新しいパーツモデル214は概して、まったく新しいパーツつまり公称パーツに相当する。たとえば該新しいパーツモデルに関するまたは該新しいパーツモデルによって画定される表面は、パーツの技術仕様および/またはレンダリングによって算出され得る。一方、該摩耗限度パーツモデル216は概して、対応する摩耗したパーツの輪郭を記述する。実施形態において該摩耗限度パーツモデル216は、たとえば今にも故障すると想定され得るパーツの輪郭または表面を記述するなど、使用済みつまり完全に摩耗したパーツを記述し得る。他の実施形態において、該摩耗限度パーツモデル216は、オリジナルパーツの他の何らかの摩耗度にある他の何らかの輪郭に相当し得る。非限定的実施例として、該摩耗限度パーツモデル216は、該ユーザー106または該機械104に関する誰かほかの個人によって、該パーツの有効寿命の終了に相当する輪郭の態様を指定するように構成され得る。単純な実施例において該新しいパーツモデル214はすぐに使えるパーツに相当し得、他方該摩耗限度パーツモデル216は今にも故障すると想定されおよび即時交換すべきパーツに相当し得る。いくつかの実施例において該新しいパーツモデル214は、該新しいパーツ114など新しいパーツの製造仕様つまり公称記述に相当する。一方該摩耗限度パーツモデル216は、たとえば外側など地面係合面上の各ポイントはそれ以上摩耗にさらされるべきでない輪郭に相当し得る。
【0027】
操作218において該プロセス200は、境界モデルを生成するステップを含み得る。本開示の態様は、ここにさらに記述されるように、境界モデルを使用して摩耗が測定され得る向きおよび/または方向を判定し得る。該操作218を伴う実施例220は、多数の代表的な境界モデルを模式的に図示する。より具体的には該実施例220は、第1の境界モデル222a、第2の境界モデル220b、および第3の境界モデル222c、の表現を含む。該第1の境界モデル222a、該第2の境界モデル222b、および該第3の境界モデル222cはここでは、まとめて境界モデル222として参照される。概して該境界モデル222は、たとえば新しいパーツモデル214および摩耗限度パーツモデル216などのパーツモデル、ならびに該摩耗したパーツ116の測定面206、を少なくとも部分的に包括する表面を表す。実施形態において該境界面222は、測定されたパーツのタイプ、該測定パーツに関する想定される摩耗パターン、および/または他の要因、に依存し得る。
【0028】
操作224において該プロセス200は、パーツデータを、境界モデルを使用するパーツモデルと比較することで摩耗を判定するステップを含み得る。該操作224を伴う実施例226は、検出データ、パーツモデル、および境界モデル、を使用して摩耗メトリックを判定するための技法を実証する。実施例226において構想されたように、該操作224は、新しいパーツモデル214、摩耗限度パーツモデル216、摩耗したパーツ116の表面206、および該境界モデル222、を位置合わせするステップを含み得る。たとえばそのような位置合わせは、取付け穴、取付け面、または同種のものなど、モデルの共通特徴を使用して実施され得る。実施例226においては第1の境界モデル222aが使用され、および該実施例226は具体的に、表面206上の第3の測定ポイント208cに関する摩耗メトリックを判定するステップを実証する。前述のように、第3の測定ポイント208cはたとえばセンサ110によって測定されたなど既知の深さを備え、および該第3の測定ポイント208cに関する該深さは、座標系に位置付けられ得る。該新しいパーツモデル214に沿った位置228を含む位置、該摩耗限度パーツモデル216上の位置230を含む位置、および境界モデル222a上の位置232を含む位置はまた、座標系において判定され得る。該実施例226において、ライン234は、境界モデル222a上の位置232から摩耗限度パーツモデル上の位置230に延びる。本実施例において該ライン234は、位置232において該境界モデル222aに垂直、つまり該境界モデル222aの法線である。
【0029】
いくつかの実施例において、第3の測定ポイント208cに関する摩耗メトリックは、該第3の測定ポイント208cと、新しいパーツモデル214上の位置228および/または摩耗限度パーツモデル216上の位置230のうち一つまたは両方の位置との間の距離に、少なくとも一部分基づいてあり得る。たとえば該実施例226は、第1の距離d1を新しいパーツモデル214上の位置228と測定ポイント208cの間の距離として図示し、および第2の距離d2を測定ポイント208cと摩耗限度パーツモデル216上の位置230の間の距離として図示する。実施形態において、該第3の測定ポイント208cに関する摩耗メトリックは、組み合わせた距離d1+d2に対する第1の距離d1の比率であり得る。この比率は、たとえばそれは、摩耗した材料(第3の測定ポイント208cでの)の全材料に対する比率であるから、パーツの摩耗限度に対する摩耗のパーセントに相当する。明らかなように、たとえば該新しいパーツモデル214および該摩耗限度パーツモデル216は固定されているから、d1とd2の合計は定数であるから、d1が相対的に小さい場合、たとえばパーツのより少ない部分が摩耗するなど摩耗パーセントは相対的に小さくなるが、他方d1が相対的に大きい場合、たとえばパーツのより多い部分が摩耗するなど摩耗パーセントは相対的に大きくなる。他の摩耗メトリックもまた考えられる。たとえば他の実施形態において、合計d1+d2に対するd2の比率は、該パーツの残りであるパーツのパーセントを表し得る(測定ポイント208cでの)。なおさらなる実施形態において、該摩耗メトリックは、距離d1、d2に関する(または距離d1、d2から判定される)他の何らかの数量化であり得る。たとえば残存する(または摩耗した)パーツの量は、パーツを続けて使用した回数に関し得る。たとえば該摩耗パーツは時間で測定された有効パーツ寿命を有し得、および残存パーツ寿命のパーセント(たとえばd1+d2に対するd2の比率)は、パーツ116について想定される使用を残りの時間数で表し得る。ここに記載された実施例は、摩耗メトリックを判定するための技法として比率を考え得るが、他の技法もまた考えられる。たとえば、一部の摩耗パーツの使用に対する経験的データは、摩耗特性または他の摩耗パターンを告知し得、および距離d1、d2の一つまたは両方は、そのような経験的に展開された情報に基づいて摩耗パーセントまたは他の摩耗メトリックを調べるために使用され得る。図2のいくつかの実装例は、該新しいパーツモデル214および該摩耗限度パーツモデル216の両方を使用するが、他の実施形態はこのようなモデルのうち1つのみ使用し得る。非限定的実施例として、該摩耗メトリックは、測定されたポイントから1つの新しいポイント228までの距離または摩耗限度ポイント230までの距離として判定され得る。たとえば該新しいポイント228から該摩耗限度ポイント230までの距離が既知の場合、該摩耗パーセントはd1またはd2のうち1つのみ使用して判定され得る。
【0030】
実施例226において、ライン234の向きは境界モデル222aの特徴に基づく。たとえばいくつかの実施例においてライン234は、ポイント232における該境界モデル222aの法線である。装置において、該境界モデルは、パーツについての想定される摩耗パターンに基づいて選択され得る。非限定的実施例として、該境界モデル222は、ライン234などのラインを、本開示で詳しく記述したように、パーツの摩耗を最もよく示す方法で方向付けするために選択され得る。
【0031】
図3は、操作224を伴う実施例226と同様、摩耗メトリックを判定する追加の実施例を図示する。より具体的には図3は、測定された摩耗パーツ面302を、該新しいパーツモデル214であり得る新しいパーツモデル304と、該摩耗限度パーツモデル216であり得る摩耗限度パーツモデル306と、および境界モデル308と、位置合わせする表現300を図示する。上述のように該表現300は、図2中の実施例226の表現と非常によく似ている。ただし該表現300では、該境界モデル308の形状は異なり得る。いくつかの実施例において、該境界モデル308は、図2の実施例220中の該第3の境界モデル222cに似得る。図2の実施例について、図解のしやすさおよび明確にするため、図3はパーツを二次元で示し、ただし実施形態において、測定面302、新しいパーツモデル304、摩耗限度モデル306、および/または境界モデル308の各々は、三次元であり得る。
【0032】
図3においてさらに図示されたように、第1の測定ポイント310a、第2の測定ポイント310b、第3の測定ポイント310c、および第4の測定ポイント310d(一括して測定ポイント310)は、測定面302上の事例ポイントである。該測定ポイント310は、該摩耗したパーツ116を検知するセンサ110からのリターンに相当し得、および/または該センサデータから生成されたモデル面上のポイントであり得る。該測定ポイント310の各々と該摩耗限度パーツモデル306の外表面上の対応するポイントの間の距離は、該測定ポイント近くの使用中パーツ(たとえば該摩耗したパーツ116)の残存厚さを表し得る。たとえば図3はまた、それぞれ該測定ポイント310に対応する、第1の摩耗限界ポイント312a、第2の摩耗限界ポイント312b、第3の摩耗限界ポイント312c、および第4の摩耗限界ポイント312d(まとめて摩耗限界ポイント312)を含む。図3でも図示したように、該測定ポイント310の各々と該新しい限度パーツモデル304の外表面上の対応するポイントとの間の距離は、すり減った、減少した、摩滅した、あるいは新しいパーツから除去された材料の量を表し得る。たとえば図3はまた、それぞれ該測定ポイント310に対応する、第1の新しいポイント314a、第2の新しいポイント314b、第3の新しいポイント314c、および第4の新しいポイント314d(まとめて新しいポイント314)を含む。もちろん、該測定ポイント310、該摩耗限界ポイント312、および該新しいポイント314は、一例にすぎない。実施形態において、各測定ポイント310は、対応する摩耗限界ポイント312および対応する新しいポイント314を備えよう、ここで関連する測定ポイント310、摩耗限界ポイント312、および新しいポイント314は、ここで記載のように同一線上にある。
【0033】
またここで記載のように、ポイントの対応関係は、該境界モデル308に少なくとも一部分基づいて判定される。より具体的には該境界モデル308は、測定ポイント310を通り抜けるラインの向きを告知し得、そのラインは代わって、摩耗メトリックを判定する場合に考慮されるべき摩耗限界ポイント312および新しいポイント314を判定する。該実施例において、第1の境界ポイント316a、第2の境界ポイント316b、第3の境界ポイント316c、および第4の境界ポイント316d(一括して該境界ポイント316)は、境界モデル308に図示される。第1のライン318aは第1の境界ポイント316aから第1の測定ポイント310aを通って延び、第2のライン318bは第2の境界ポイント316bから第2の測定ポイント310bを通って延び、第3のライン318cは第3の境界ポイント316cから第3の測定ポイント310cを通って延び、および第4のライン318dは第4の境界ポイント318dから第4の測定ポイント310dを通って延びる。該第1のライン318a、該第2のライン318b、該第3のライン318c、および該第4のライン318dは、まとめてライン318と呼ばれ得る。図示された実施例において、該ライン318の各々は、該境界モデル308によって画定された境界面の法線として延びる。いくつかの実施例においてここに記載された技法は、ライン318に沿った場所(たとえばポイントの場所)を判定し得、およびこの場所を測定ポイント310と照合して測定ポイント310の境界ポイント316との対応関係を判定し得る。摩耗限界ポイント312および新しいポイント314は、それぞれ該ライン318上にある摩耗限度モデル306上および新しいパーツモデル304上のポイントを同定することで、同様に判定され得る。この実施例において該ライン318の各々は該境界モデル308の法線、つまり該境界モデル308に垂直であるが、他の実施形態では該ライン318は他の方向に向き得る。非限定的実施例として、該ライン318は、該境界モデル308によって画定された表面に対して90度をのぞくある角度だけ傾斜し得る。
【0034】
上述のように該境界モデル308は、パーツ摩耗の予測を向上させるために、該ライン318の各々に対して向きを提供し得る。たとえばいくつかの技法は、該新しいパーツモデル304および/または該摩耗限度モデル306などのモデルを使用して摩耗メトリックを判定し得るが、しかしそのようなモデルは摩耗した距離(たとえば測定ポイント302のうち1つのポイントの、該新しいパーツモデル304までの距離)を、測定ポイント310のうちそれぞれ1つのポイントと該新しいパーツモデル308上の最近接ポイントの間の距離として計算し得る。たとえば該第3の測定ポイント310cを検討してみよう。図3の実施例において、該摩耗した距離は、たとえば該第3のライン318cに沿った該新しいパーツモデル304上の該第3の新しいポイント314cとの間の距離であり得る。しかし該境界モデル308を使用しない実施例において、該測定されたポイントは、該第3の新しいポイント314cより、該新しいパーツモデル304上の他のいくつかのポイントに近い。該非限定的実施例として、該第3の測定ポイント310cは、該第3の新しいポイント314cより第2の新しいポイント314bに近い。該「最近接」ポイントを使用して摩耗を判定する他の技法は、現在の技法より低い摩耗値を返すであろうが、現在の技法は該境界モデル308を使用して該ライン318cの方向を方向付け、およびこれにより摩耗を測定するための該第3の新しいポイント314cおよび該第3の摩耗限界ポイント312cを判定する。
【0035】
さらに該境界モデル308の形状および/または輪郭を同定することで、異なる結果が得られ得る。いくつかの実施例において、該境界モデルの任意の法線ラインが、測定面302、新しいモデル304、および摩耗限度モデル306の各々を通過することが望ましい。そのような配置を実現するために、該境界モデル308は、該摩耗限度モデル306と実質的に同一の形状を備え得る。もちろんおよびここで論じられたように、半球および/または他の凹形形状を含む他の形状が考えられ、および使用され得る。
【0036】
図2に関して前述のように、パーツについての該摩耗メトリックは、ライン318に沿った距離に基づき得る。たとえば図示された実施例において、第1の測定ポイント310aについての該摩耗メトリックは、第1の測定ポイント310aと第1の新しいポイント314aの間の距離、第1の測定ポイント310aと第1の摩耗限界ポイント312aの間の距離、および/または第1の新しいポイント314aと第1の摩耗限界ポイント312aの間の距離、の1つ以上の距離に少なくとも一部分基づき得る。たとえば図3はまた摩耗メトリックテーブル320を含み、このテーブルは、測定ポイントの各々に関する摩耗メトリックまたは摩耗値を視覚的に示す。該テーブルにおいて、該摩耗メトリックは摩耗パーセント(摩耗%)として数量化され、このパーセントは、(1)測定ポイント310の1つから新しいポイント316に関連する1つのポイントまでの距離の、(2)該新しいポイント316に関連する1つのポイントから摩耗限界ポイント312に関連する1つのポイントまでの距離に対する比率、の数値表現(パーセントとして)であり得る。該第1の測定ポイント310aを実施例として使用すると、第1の測定ポイントから第1の新しいポイント314aまでの距離は、該第1の新しいポイント314aから第1の摩耗限界ポイント312aまでの距離の約55%であり得る。このようにテーブル320で示されるように、該測定ポイント310aに関する該摩耗メトリックは、55%であり得る。同様に、第2の測定ポイント310bでの摩耗は約65%と数量化され得(つまり、該第2の測定ポイント310bと第2の新しいポイント314b間の距離は、該第2の新しいポイント314bから第2の摩耗限界ポイント312bまでの距離の約65%)、第3の測定ポイント310cでの摩耗は約85%と数量化され得(たとえば、該第3の測定ポイント310cと第3の新しいポイント314c間の距離は、該第3の新しいポイント314cから第3の摩耗限界ポイント312cまでの距離の約85%)、および第4の測定ポイント310dでの摩耗は約45%と数量化され得る(たとえば、該第4の測定ポイント310dと第4の新しいポイント314d間の距離は、該第4の新しいポイント314dから第4の摩耗限界ポイント312dまでの距離の約45%)。該4つの測定ポイント310は、例示のためのみ-該摩耗メトリックテーブル320は、該測定面302上の追加ポイントおよび/または他のポイントを含む任意の数のポイントを含み得る。さらに、ここでは「測定ポイント」という用語であるが、いくつかの実施例において、該ポイントは、直接測定されたか、またはセンサデータから外挿されたか、または他の方法で算出されたにせよ、該測定面302上の任意のポイントであり得る。
【0037】
さらに該摩耗メトリックテーブル320は摩耗を摩耗パーセントとして表しているが、該テーブル320は追加のまたは代替のメトリックを含み得る。たとえば図示されたパーセントの逆数が、「残存パーツパーセント」または類似のメトリックとして含まれ得る。他の実施例において、該摩耗メトリックテーブル320は、パーセントとして表されるメトリック以外のメトリックを含み得る。非限定的実施例として、該摩耗メトリックは、除去された材料(たとえば個々の測定ポイント310から新しいポイント314のうち対応する1つのポイントまでの距離に関する長さ)または残存する材料(たとえば個々の測定ポイント310から摩耗限界ポイント312のうち対応する1つのポイントまでの距離に関する長さ)の厚さ(たとえばミリメートル単位、センチメートル単位、インチ単位、または同種のもの)として表され得る。いくつかの実施例において、摩耗パーセント以外のメトリックは、いくつかの機械オペレータおよび/または技術者にとって、特に興味を惹かれるものであり得、および/またはより直観的であり得る。たとえば、該摩耗メトリックテーブル320は、たとえば45%~85%など比較的広範囲の摩耗パーセントを示し、他方測定ポイント310の各々のポイントでの材料の厚さ(たとえば摩耗限度モデル306から測定)は比較的均一である。言いかえればおよび図3の特定ポイントを使用すると、第3の測定ポイント310cから第3の摩耗限界ポイント312cまでの距離は、第4の測定ポイント312dと第4の摩耗限界ポイント312a間の該距離に非常に近い、それぞれの摩耗パーセントは85%および45%であるのに。本実施例において、第3のライン318cに沿った摩耗は、第4のライン318dに沿った摩耗より早く、これにより摩耗パーセントの差が生じる。しかし技術者は、該パーセントより残存材料の厚さを知ることにより興味を惹かれ得る。なおさらなる実施例において、該摩耗メトリックテーブル320も同様にまたは代わりに、該パーツの予想寿命の表示を含み得る。たとえば該摩耗パーツは、時間単位の予想有効寿命を備え得る。実施形態において、該摩耗パーセントは、パーツの残存寿命に対応し得る。こうしてたとえば、検討中のパーツが100時間の寿命が予想されると仮定する。この実施例において、第3の測定ポイント310cに関する85%の摩耗は、該パーツが交換される前に15時間の寿命が残っていることを示し得る。他の実施例において残存寿命は、別途ポイントごとに判定され得る。たとえば摩耗したパーツの経験的研究は、参照テーブルまたは他のデータベースを開発するために使用され得、このデータベースはたとえば残存パーツ寿命などのパーツ寿命を、たとえば図3に図示された技法から判定されるように、摩耗距離、残存パーツの厚さ、および/または摩耗パーセントの1つ以上に関連させる。そのような計算はまた、実施されるタスク、材料の組成または摩耗を引き起こす他の条件、ユーザー106に関するメトリック(たとえばユーザーが機械104のオペレータである場合)、または該パーツの摩耗に影響する他の情報、を含むがこれらに限定されない条件を考慮し得る。
【0038】
ここに記載された技法は、図2および/または図3に関連して記載された実施形態に従って判定された該摩耗についての情報をユーザー106などのユーザーに提供するステップを含み得る。非限定的実施例として、データ処理システム120は、たとえば摩耗メトリックについての情報を含む信号をユーザーデバイス108に送信して、機械104上の摩耗パーツについての情報をユーザー106に提供し得る。たとえば図4は、摩耗パーツステータスインターフェース400を図示する。該インターフェース400は、ユーザーデバイス108上でたとえば該ユーザー106に表示するために表示されて図示される。該インターフェース400は、該ユーザー106に、たとえば地面係合ツースなど摩耗したパーツ116などの摩耗パーツのステータスについての情報を提供するまたはその情報を制御することを可能にする1つ以上のユーザーインターフェース要素を備え得る。該インターフェース400は、たとえば分析中など検討中のパーツの表現を表示するパーツID領域402を含み得る。該実施例において、該パーツID領域402は、たとえば測定パーツ(摩耗したパーツ116)に対応する新しいパーツ(新しいパーツ114であり得る)のデジタル画像など該パーツの視覚的表現、およびたとえばテキスト「バケットツース」など該パーツのテキストの記述、の両方を含む。他の実施例において、該パーツID領域402は、代替情報または追加情報を含み得る。たとえばおよび制限なしで、該パーツID領域402はまた、パーツ品番号ID、および該パーツが関連する機械104のID、該機械104上の該パーツの場所、および/または追加情報、を含み得る。
【0039】
該インターフェース400はさらに摩耗表現404を含み得、この表現は、たとえばセンサ110によって生成されたセンサデータに対応するなど検知されたパーツの視覚的描写であり得、ここに記載された技法に従って該データ処理システム120によって判定された摩耗についての情報が伴う。該実施例において、該摩耗表現404は、色分けされたヒートマップまたは概して摩耗量を示す類似の表現を含む。より具体的には、該摩耗表現は、摩耗を展示するために色分けされた多数のポイント406を含む。より具体的には、摩耗の多いパーツ部分に関連するポイント406は、該摩耗表現404において相対的に暗いポイントとして示され、他方摩耗の少ないパーツ部分に関連するポイント406は相対的に明るい。該画像はモノクロで示されるが、他の実施形態は他のカラーコーディングスキームを使用し得る。非限定的実施例として、該摩耗表現404は赤色の陰影を使用して65%超の摩耗に関するポイント406を、緑色の陰影を使用して35%以下の摩耗のポイント406を、および黄色の陰影を使用して35%と65%の間の摩耗に関するポイント406を、表示し得る。もちろん、このような色および値は一例にすぎない、他の色および/または値も使用され得る。さらに該ポイント406は、たとえばピクセルサイズなど相対的に小さくあり得、および/または他の何らかの図式表現で取り替えられ得る。いくつかの実施例において、該ポイント406の各々は、1つのまたは複数の測定ポイント208、310に相当し得るが、これは必須ではない。概して該摩耗表現404は、ユーザー106が即座に測定されたパーツの健康を理解できるような直感的な図を提供し得る。
【0040】
該インターフェース400はまた、ユーザー106が測定されたパーツの健康を理解するために役立つ追加情報を含み得る。図4に図示するように該インターフェース400はまた、パーツについての情報を含むステータスバー408を含み得る。該イラストにおいて、該ステータスバー408は、パーツの残存寿命の表示(実施例では36時間)、パーツの全般的摩耗の表示(62%)、およびパーツの最大摩耗の表示(85%)、を含む。実施形態において、該インターフェース400は、追加情報またはステータスバー408で示されたものとは異なる情報を含み得る。非限定的実施例として、該インターフェース400はここに記載された他の摩耗メトリックについての情報を含み得る。さらにおよび図4では図示されていないが、該インターフェース400は、ユーザー106が測定されたパーツについての追加情報を収集し得る対話型特徴を含み得る。非限定的実施例として、ユーザー106は摩耗表現404上のポイントを選択し得、およびこのような特定のポイントについての情報を受信し得る。たとえば該インターフェース400上には、ポイント406または領域のうち選択されたものについての摩耗メトリックの情報を含むポップアップウィンドウが表示され得る。
【0041】
また実施例において、該インターフェース400はさらに、測定されたパーツに対する処理を実行または指令する対話型コントロールを備え得る。たとえば「交換の発注」ユーザーインターフェース要素410は、該インターフェース400上に表示された選択可能領域であり得、この領域はユーザー106によって選択された場合に交換パーツを発注する。たとえば該ユーザーデバイス108は、信号を生成しおよび該販売店コンピューティングデバイス122に送信して、販売店から交換パーツを発注し得る。いくつかの実施例において、該交換の発注ユーザーインターフェース要素の選択は、新しいユーザーインターフェース(図示せず)を開き得、このインターフェースにより、該ユーザー106は注文し、在庫を確認し、および/または何らかの追加操作を実行し得る。該インターフェース400はまた、「新しいパーツの分析」インターフェース要素412を含むように図示される。この要素は該インターフェース400上に表示された選択可能領域であり得、この領域はユーザー106によって選択された場合に、該インターフェース400に似ているが、しかし異なる測定されたパーツに関わるインターフェースをレンダリングし得る。たとえば該機械104などの機械が複数のツースを含む場合、ユーザー106は該要素412を選択することで異なるツースについての情報を受信し得る。非限定的実施例として、該要素412の選択は、ユーザー106によって調査され得る摩耗パーツをリストするポップアップメニューまたは類似のビジュアルをレンダリングし得る。図示されていないが該インターフェース400はまた、ユーザー106による摩耗パーツに対する異なる処理を推進または有効にし得る。たとえば、センサ110がユーザーデバイス108に統合されている、または該ユーザーデバイス108と通信する適用例において、該インターフェース400は該センサ110を使用したセンサデータのキャプチャをスムーズにし得る。さらにおよび前述のように、いくつかの実施例において、摩耗判定コンポーネント124に関連する機能は、該ユーザーデバイス108によって実施され得る。このような実施例において、該インターフェース400は1つ以上のインターフェース要素を含み得、この要素は摩耗パーツに関する摩耗メトリックを判定する命令を該ユーザーデバイス108に実行させる。
【0042】
図5は、ここに記載された実施形態に従ってパーツの摩耗を数量化するため、実施例システム500を図示する図である。少なくとも1つの実施例において該システム500は、1つ以上のネットワーク504を通してユーザーデバイス508と通信する1つ以上のリモートコンピューティングデバイス502を含み得、このデバイスは該ユーザー506と関連し得る。いくつかの実施例において該リモートコンピューティングデバイス502は、該データ処理システム120であり得る。たとえば該ユーザーデバイス508は該ユーザーデバイス108であり得、および該ユーザー506は該ユーザー106であり得る。該ユーザーデバイス508のいくつかの非限定的実施例は、タブレットコンピューティングデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、ラップトップコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、またはグラフィカルユーザーインターフェースにアクセスしおよびそれをレンダリングし、およびリモートコンピューティングデバイス502と通信し得る他の任意のデバイス、を含み得る。該ネットワーク504は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット含むがこれらに限定されないネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせを含み得、および任意の好適なプロトコルおよび通信技術を使用する有線およびワイヤレス両方の通信技術を含み得る。
【0043】
該リモートコンピューティングデバイス502は、プロセッサ510および該プロセッサ510と通信可能に連結されたメモリ512、を含み得る。図示された実施例において、該リモートコンピューティングデバイス502の該メモリ512は、摩耗判定システム514、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)生成システム516、および境界モデル生成システム518、を格納する。このようなシステムは分かれたコンポーネントとして図示されおよび以下に記述されるが、該様々なシステムの機能は論じられたものとは異なると考えられ得る。さらに、ここに記載された様々な機能を実施するために、より多くまたはより少ないシステムおよびコンポーネントが利用され得る。該メモリ512はまたデータストア520を含み得、このストアはモデル522を含み得る。図5では説明目的のため該メモリ512中に存在すると示されているが、摩耗判定システム514、GUI生成システム516、境界モデル生成システム518、および/またはデータストア520の任意のものまたはすべては、加えてまたは代替としてリモートコンピューティングデバイス502にアクセス可能であり得ると考えられる(たとえば、該リモートコンピューティングデバイス502からリモートのメモリに保存されあるいはそのメモリによってアクセス可能)。
【0044】
少なくとも1つの実施例において、該摩耗判定システム514は、摩耗したパーツ116などの摩耗パーツに関する摩耗メトリックを判定する機能を含み得る。たとえば該摩耗判定システム514は、既に論じられた該摩耗判定コンポーネント124と実質的に同一であり得る。実施例において、該摩耗判定システム514は、測定されたパーツのセンサデータを受信し得、該センサデータをデータストア520に保存されている1つ以上のモデル522と位置合わせし得る。該モデル522は、新しいパーツモデルおよび摩耗したパーツモデルを含み得る。実施例の実施形態において、該摩耗したパーツモデルはパーツの摩耗限度に相当し得る。
【0045】
いくつかの実施例において、該GUI生成システム516は、ユーザーデバイス508上に表示するためのGUI400など1つ以上の対話型インターフェースを生成する機能を含み得る。いくつかの実施例において、該GUI生成システム516は、該摩耗判定システム514から情報を、および/またはGUIを生成するためのモデル522を受信し得る。非限定的実施例としておよび図4に関連して、該GUI生成システム516は、それぞれ該表現404および描写402を生成するため、該摩耗判定システム514から摩耗量についての情報を、および該モデル522から新しいパーツモデルについての詳細を、受信し得る。
【0046】
該境界モデル生成システム518は、ここで記載のように摩耗メトリックを判定する参照として使用され得る、境界モデル、構造または輪郭、を判定する機能を含み得る。実施例において、該境界モデル生成システムは、境界面判定コンポーネント128と同一であり得る。たとえば該境界モデル生成システム518は、検討中のパーツおよび/または他の要因に基づいて境界構造を判定し得る。ここに詳述されているように、該境界モデルは、摩耗を判定するために使用される測定を方向付ける参照輪郭として使用され得る。いくつかの実施例において、該境界モデル生成システム518は、たとえば該モデル522の一つなどのメモリから該境界モデルを取得し得る。他の実施例において、該境界モデル生成システム518は、摩耗限度パーツモデルなどのモデルを使用して該境界モデルを判定し得る。
【0047】
該リモートコンピューティングデバイス502はまた通信接続524を含み得、この接続は該リモートコンピューティングデバイス502と、販売店コンピューティングデバイス122を含むがこれらに限定されない他のローカルまたはリモートのデバイスとの間の通信を可能にする。たとえば該通信接続524は、ネットワーク504経由などでユーザーデバイス508との通信をスムーズにし得る。該通信接続524は、IEEE802.11規格に規定された周波数、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線周波数、他の無線通信を介してなどのWi-Fiベースの通信、またはそれぞれのコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインターフェースすることを可能にする任意の好適な有線または無線通信プロトコル、を有効にし得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、該リモートコンピューティングデバイス502は、GUIを生成する命令などの情報をネットワーク504経由でユーザーデバイス508に送信し得る。該ユーザーデバイス508は、該リモートコンピューティングデバイス502からそのような情報を受信し得、および該GUIを該ユーザーデバイス508上のディスプレイ528に表示し得る。いくつかの実施形態において、該ユーザーデバイス508は、たとえばGUIの生成を含む、該リモートコンピューティングデバイス502に起因する機能のいくつかを実行し得る。GUIの作成をスムーズにするため、該ユーザーデバイス508は、該リモートコンピューティングデバイス502から情報を受信し得る。少なくとも1つの実施例において、該ユーザーデバイス508は、1つ以上のプロセッサ530および該プロセッサ530と通信可能に接続されたメモリ532を含み得る。図示された実施例において、該ユーザーデバイス508の該メモリ532は、該摩耗判定コンポーネント534を格納し、および/または該データストア536を含み得る。実施例において、該摩耗判定コンポーネント534は、該摩耗判定システム514と実質的に同一であり得、および該データストア536は該データストア520に保存されていた一部または全部の同じ情報を含み得る。
【0049】
該ユーザーデバイス508はまた通信接続538を含み得、この接続は該ユーザーデバイス508と他のローカルまたはリモートのデバイスの間の通信を有効にする。たとえば該通信接続538は、ネットワーク504経由などで該リモートコンピューティングデバイス502との通信をスムーズにし得る。該通信接続538は、IEEE802.11規格に規定された周波数、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線周波数、他の無線通信を介してなどのWi-Fiベースの通信、またはそれぞれのコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインターフェースすることを可能にする任意の好適な有線または無線通信プロトコル、を有効にし得る。
【0050】
図5でも図示されているように、該ユーザーデバイス508はまたセンサ526を含み得る。たとえば該センサ526はセンサ110と同一であり得、および該ユーザーデバイス508に統合され得、あるいは該ユーザーデバイス508と通信し得る。実施例において該センサ526は、ここで記載のように摩耗したパーツに関する三次元センサデータをキャプチャするように構成されたイメージングデバイスであり得る。該センサ526は、レーダーセンサ、LiDARセンサ、飛行時間センサ、または同種のものなどの測距センサであり得る。他の実施例において該センサ526は、三次元カメラであり得る。
【0051】
該リモートコンピューティングデバイス502の該プロセッサ510および該ユーザーデバイス508の該プロセッサ530は、ここで記載のようにデータを処理し、および操作を実施するため命令を実行可能な任意の好適なプロセッサであり得る。限定ではなく実施例として、該プロセッサ510、530は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、または他の任意のデバイス、または電子的データを処理してその電子的データをレジスタおよび/またはメモリに保存され得る他の電子的データに変換するデバイスの部分、を備え得る。いくつかの実施例において、集積回路(たとえばASICなど)、ゲートアレイ(たとえばFPGAなど)、および他のハードウェアデバイスはまた、それらが符号化された命令を実施するように構成されている限りでプロセッサと見なされ得る。
【0052】
該メモリ512および該メモリ532は、非一時的コンピュータ可読メディアの実施例である。該メモリ512、532は、オペレーティングシステムおよび1つ以上のソフトウェアアプリケーション、命令、プログラム、および/またはここに記載された方法を実施するためのデータおよび様々なシステムに起因する機能を格納し得る。様々な実施形態において該メモリは、スタティックRAM(SRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発/フラッシュ形メモリ、または情報を保存可能な他の任意のメモリタイプなどの任意の好適なメモリ技術を使用して実装され得る。ここに記載されたアーキテクチャ、システム、および個々の要素は、他の多くのロジカル、プログラマブル、および物理的なコンポーネント、を含み得、そのうち付属する図中に示されたコンポーネントは、ここでの議論に関わる単なる一例にすぎない。
【0053】
様々なシステムおよびコンポーネントが個別システムとして図示されているが、該イラストは一例にすぎず、およびより多いまたはより少ない個別システムがここに記載された様々な機能を実施し得る。さらにリモートコンピューティングデバイス502に帰せられる機能は、ユーザーデバイス508で実施され得、および/または該ユーザーデバイス508に帰せられる機能は、該リモートコンピューティングデバイス502によって実施され得る。
【0054】
図6図7は、本開示の実施例のプロセス600、700を描写するフローチャートを図示し、このプロセスはここで記載のようにパーツ摩耗の判定に関わり得る。実施例のプロセス600、700(ならびに図2に図示されおよび既に論じられたプロセス200)は、論理フロー図においてステップの集合として図示され、そのステップは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせに実装され得る処理または操作を表す。ソフトウェアのコンテキストにおいて、該ステップは、メモリに保存されたコンピュータで実行可能な命令を示す。そのような命令がたとえばプロセッサ510、530によって実行された場合、そのような命令は、該プロセッサ510、530、および/またはコンピューティングデバイス502および/またはユーザーデバイス508の様々なコンポーネントに、記載された処理または操作を実行させ得る。概してコンピュータで実行可能な命令は、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、および同種のものを含み、それらは、特定の機能を実施し、または特定の抽象的なデータタイプを実装する。該操作が記述される順序は、制限として解釈されることを意図したものではなく、および記述されたブロックのうち任意の数のブロックが任意の順序でおよび/または並列して組み合わされてプロセスを実施し得る。いくつかの実施例において、該プロセスの1つ以上のブロックは完全に省略され得る。さらに該プロセス600、700は、全体または一部を他の方法と組み合わせ得る。
【0055】
より詳細には図6は、摩耗したパーツ116など摩耗パーツの摩耗を判定するための実施例のプロセス600を示し、そのパーツは、該機械104などの機械と関連付けされ得る。該プロセス600は、該データ処理システム120、該リモートコンピューティングデバイス502、および/または該ユーザーデバイス108、508によって実施され得るが、他のコンポーネントは該プロセス600の操作の一部または全部を実施し得る。加えて該プロセス600の操作は、必ずしも図6に示された順序で実施される必要はなく、および開示された実施形態に整合する異なる順序で実施され得る。
【0056】
操作602で、該プロセス600は摩耗パーツのセンサデータを受信するステップを含み得る。たとえば該データ処理システム120は、機械104の使用中に摩耗したパーツ116など、センサ110によって生成された摩耗パーツのセンサデータを受信し得る。実施例において、ユーザー106は、該センサ110を使用して該摩耗したパーツ116の特定ビューをキャプチャするよう促され得る。非限定的実施例として、該センサ110はスタンションまたは他のフレームに取り付けられ得、そのスタンションまたは他のフレームは該摩耗したパーツ116に相対して該センサ110を配置するように構成される。少なくともいくつかの実施例において、該センサデータは、複数のポイントおよび該ポイントに関する深さ(たとえばセンサ110に対する深さ)を含むポイントクラウドデータであり得る。実施例において該センサ110は、飛行時間センサ、LiDARセンサ、レーダーセンサ、3Dスキャナー、または同種のものなどの測距センサであり得る。
【0057】
操作604において該プロセス600は、未摩耗パーツおよび/または摩耗限度パーツのためのモデルを受信するステップを含み得る。たとえば該データ処理システム120は、たとえば該摩耗したパーツ116を記述するまたはそれに関連する1つ以上のパーツモデルの形式で情報を取得し、アクセスし、あるいは受信し得る。いくつかの実施例において該パーツモデルは、新しいパーツモデル214、304などの新しいパーツモデルを含み得、このモデルは新しいパーツ114の代表であり得る。そのような新しいパーツモデルは、新しいたとえば実質的に未使用のパーツの表面の座標または範囲を含み得る。実施例において、該新しいパーツモデルは、公称つまり「仕様通り」の測定値によって特徴付けられ得る。該パーツモデルも同様にまたは代わりに、摩耗限度パーツモデル216、306などの摩耗限度パーツモデルを含み得る。そのような摩耗限度パーツモデルは、摩耗限度にまで摩耗したパーツの表面の座標または範囲を含み得、その限度は所定の摩耗限度であり得る。実施例において、該摩耗限度は、パーツの差し迫った故障または他の何らかの摩耗限度に関する限度に相当し得る。少なくともいくつかの実施例において、該摩耗限度は経験的に判定され得る。
【0058】
操作606において、該プロセス600は、境界輪郭つまり該モデルを包絡する境界モデルを判定するステップを含み得る。たとえばデータ処理システム120は、境界モデル222、308などの境界モデルを取得、アクセス、生成、あるいは判定し得る。ここで記載のように該境界モデルは、摩耗判定コンポーネント124、514、534によって、それに沿って摩耗が判定される向きつまり方向を画定し得る。実施例において、該境界モデルは概して任意の凸面の形状、構造、または表面であり得、それは操作604で受信したモデルによって規定された測定ポイントおよび表面を少なくとも部分的に包絡する。いくつかの適用例において、該境界モデルは大きいけれども該摩耗限度パーツモデルの形状に密に近似し得る。
【0059】
操作608において、該プロセス600は、センサデータ中の個々のポイントについて摩耗メトリックを判定するステップを含み得る。たとえば該操作608は、検知されたポイント(または検知されたポイントまたは他のセンサデータを表すモデル)、モデル、およびたとえば三次元座標系などの座標系中の境界輪郭、および境界モデルに従って方向付けされたラインに沿ったモデル間の測定距離、を位置合わせするステップを含み得る。たとえば測定ポイント208、310の各々について、該ポイントから、たとえば新しいポイント228、314のうち1つなど新しいモデル上のポイント、および/またはたとえば摩耗限度ポイント230、312のうち1つなど摩耗限度モデル上のポイント、のうち一つまたは両方のポイントまでの距離が判定され得る。そのような距離はライン234、318に沿って測定され、このラインは境界構造222、308に従って方向付けされる。少なくともいくつかの実施例において、該ライン234、318はここで記載のように、境界構造またはモデルの法線であり、および該測定ポイント208、310を通過するラインであり得る。該摩耗メトリックはさらに、このような距離に少なくとも一部分基づいて判定され得る。たとえば図3の実施例において、該摩耗メトリックは摩耗パーセントであり得、このパーセントは第1の距離(測定ポイントから新しいポイントまで)と第2の距離(新しいポイントから対応する摩耗限度ポイントまで、ここで該新しいポイント、該測定ポイント、および該摩耗限度ポイントは同一線上にある)の比率であり得る。
【0060】
操作610において該プロセス600は、個々の測定ポイントに関する該摩耗メトリックが摩耗限度しきい値を満たすかまたは上回るかどうかを判定し得る。たとえば該操作610は、異常値を除去するフィルタータイプであり得る。非限定的実施例として、センサデータ中のポイントは、周辺コンポーネントまたは対象の摩耗パーツの環境中のオブジェクトと関連し得、およびそのようなリターンは、たとえば100%より大きいなど所定のしきい値を上回る摩耗メトリックを返し得る。たとえば、100%以下および100%超の値を含む摩耗パーセントを返す全ポイントを保持することが望ましい。いくつかの実施例において、たとえば摩耗限度がパーツ交換を示唆する摩耗パーツの表面座標に相当するが、しかしパーツ故障には関連し得ない場合など、摩耗したパーツの一部分は、該摩耗限度を超えて摩耗し得る。同様に取付け穴、取付けフィーチャー、摩耗すると想定されないフィーチャー、または他の開口、の位置に関するリターンは、過度の摩耗を備えると計算され得、操作610によって除去され得る。
【0061】
実施例において、操作610において個々のポイントが該摩耗しきい値を満たすかまたは上回ると判定された場合、操作612は該ポイントを無視するステップを含み得る。前述のように、いくつかの実施例においてたとえば125%以上など例外的に高い摩耗メトリックを有するポイントは、異例であると仮定され得、このためさらなる検討を省略され得る。
【0062】
あるいは操作610で該摩耗メトリックが該しきい値を満たさないまたは上回らないと判定される場合、プロセス600は操作614でポイントごとの摩耗メトリックによるパーツの表現を生成するステップを含み得る。つまり、操作610で除外されなかった該測定ポイントは、ユーザー106にパーツに関する摩耗を明らかにするために使用され得る。既に論じられた図4は実施例の摩耗パーツの表現404を含み、この表現は、たとえばヒートマップなどポイントごとに摩耗パーツ上の摩耗を視覚化する。
【0063】
操作616において該プロセス600は、該表現を含むグラフィカルユーザーインターフェースを表示させるステップを含み得る。たとえばデータ処理システム120は、グラフィカルユーザーインターフェース400などのグラフィカルユーザーインターフェースを生成し得、および情報を送信し得、この情報はユーザーデバイス108にグラフィカルユーザーインターフェース400をディスプレイ上でレンダリングさせる。実施例において該インターフェース400は、1つ以上の追加摩耗メトリックを含む摩耗パーツについての追加情報、たとえばタイプまたはモデルなど該摩耗パーツについての情報、交換パーツを発注するための命令および/またはコントロール、または他の情報、を表示し得る。
【0064】
図7は、たとえば摩耗パーツまたは該摩耗パーツの一部分が、該パーツはもはや有効でないおよび/または故障するおそれがあることを示す場合に、該摩耗パーツを交換するための実施例のプロセス700を示す。いくつかの実施例において、該プロセス700は、該環境100において1つ以上のコンポーネントによって実施され得る、他のコンポーネントも該プロセス700の操作の一部または全部を実施し得るが。該プロセス700の操作は、必ずしも図7に示された順序で実施される必要はなく、および開示された実施形態に整合する異なる順序で実施され得る。
【0065】
操作702で、該プロセス700は摩耗パーツについての摩耗メトリックを判定するステップを含み得る。たとえば該操作702は、ここに記載されたプロセス200、600の全体または一部分を含み得る。実施形態において、該摩耗メトリックは、たとえば複数の測定ポイントの個々のメトリックなどポイントごとの摩耗メトリックであり得、またはパーツ全体に関する単一のメトリックであり得る。非限定的実施例として、パーツ全体を記述する摩耗メトリックは、ポイントごとの摩耗メトリックの全体または全体のサブセット、の平均または加重平均であり得る。少なくとも1つの実施例において、パーツについての摩耗メトリックは、判定された摩耗メトリックのうちある所定の数(たとえば最高値から30個)またはパーセント(たとえば全ポイントのトップ10%)の平均であり得る。他の実施例においてパーツについての該摩耗メトリックは、測定ポイント全体について計算された摩耗メトリックの最大値であり得る。ここでは他のメトリックもまた考慮され、および本開示の利益を得た当業者によって評価されよう。
【0066】
操作704で、該プロセス700は、該摩耗メトリックが摩耗しきい値を満たすかまたは上回るかどうかを判定するステップを含み得る。たとえばオペレータ、現場監督、管理者、製造業者、技術者、または該摩耗パーツまたは該摩耗パーツを使用する機械に関連する他のエンティティは、たとえば85%超、90%超、95%超の摩耗など所定しきい値を超える摩耗を有するパーツは交換する必要があることを判定し得る。これにより操作704は、該操作702で判定された摩耗メトリックがこのしきい値を満すかまたは上回るかどうかを判定し得る。
【0067】
操作704で該摩耗メトリックがしきい値を満さないまたは上回らないと判定された場合、該プロセス700は操作702に戻ってパーツ摩耗の判定を続行する。具体的には、このシナリオでは該パーツはまだ使用可能である。
【0068】
一方、操作704で該摩耗メトリックが摩耗しきい値を満すまたは上回ると判定された場合、プロセス700は操作706で交換パーツを発注するステップを含み得る。たとえばデータ処理システム120および/またはユーザーデバイス108は、信号または他の情報を販売店コンピューティングデバイス122に送信して、該販売店コンピューティングデバイス122に指示して交換パーツを送信させ得、および/または該新しい交換パーツを取り付けるためのメンテナンスの予定を決めさせ得る。他の実施例において、該販売店コンピューティングデバイス122は、摩耗メトリックについての情報を受信し得、および該摩耗パーツは交換した方がよいと判定し得る。いくつかの他の実施例において、該摩耗メトリックのしきい値は、交換摩耗パーツを取得する時間の長さに少なくとも一部分基づいて判定され得る。たとえば機械が運転されている職場に近い場所に交換摩耗パーツが在庫されている場合、たとえば故障した場合にただちに交換され得るため、該パーツは相対的に高い摩耗パーセントに近づくことが可能となり得る。あるいは、現場で交換パーツが利用できない場合、交換パーツを受け取る時間を追加可能にするため、該摩耗メトリックのしきい値は相対的に低くあり得る。
【0069】
操作708で、該プロセス700は該摩耗パーツを交換するステップを含み得る。たとえば技術者または他のエンティティは、該摩耗パーツを操作706で発注した交換パーツと交換する予定を立て得る。ここで記載のように、摩耗限度を超えないような摩耗パーツで機械を保守することは、機械の効率および性能を増加させ得る。
【0070】
図7中に明示的に含まれてはいないけれども、ここでの技法は、該摩耗メトリックが該しきい値(たとえば操作704で)を満たすまたは上回るという判定に基づいて、たとえば以下の処理の任意の組み合わせを含む、1つ以上の追加の処理または代替の処理を実行し得る:
【0071】
オペレータが摩耗パーツは今にも故障する恐れがあり得ることに気づくように、信号を送って機械104のオペレータステーション内の表示灯を緑色(動作の継続)から赤色(動作の停止)に変更する。その結果該オペレータは手動で該機械104を制御して該パーツを使用した現在の土木動作を停止させ得、および/または該摩耗を究明し、および/または該摩耗したパーツを交換する処理を実行し得る。
【0072】
ユーザーデバイス108に、摩耗パーツは交換する必要があることを示す信号を送る。代わって該ユーザーデバイス108は、たとえばインターフェース400を介してディスプレイ上に視覚的表示(たとえば「使用の停止」メッセージ)を表示し、オペレータに該摩耗パーツは今にも故障する恐れがあり得ること知らせる。その結果該オペレータは手動で該機械104を制御して該パーツを使用した現在の土木動作を停止させ得、または他の何らかの処理を実行し得る。
【0073】
該機械104に含まれるモジュールに、摩耗パーツは今にも故障する危険があることおよび/または交換する必要があることを示す信号を送る。代わって該機械モジュールは、車両上のコンポーネントに信号を送って、該機械104を停止させ得、あるいは該摩耗パーツのそれ以上の摩耗を制限し得る。
【0074】
スピード制御モジュールに、摩耗パーツは交換する必要があることを示す信号を送る。該信号に応答して、該スピード制御モジュールは、機械104のスピードを低下させたり、該機械104を停止させたり、該機械に関する動力源のスロットルまたはスピードを低下させたり、または同種の処理によって、該機械104の使用を制限するように構成され得る。
【0075】
該機械104に関する自律制御モジュールに、摩耗パーツは交換する必要があることを示す信号を送る。該信号に応答して、該自律制御モジュールはたとえば、該信号に応答して、機械104の現在の動作モードを変更し得、またはそれ以上の摩耗を減少させるまたは禁止する他の機能を実行し得る。
【産業上の利用可能性】
【0076】
該開示されたシステムおよび方法は、ユーザーが摩耗パーツの摩耗度を判定しようと求める任意の環境において適用例を見出す。センサを使用してたとえば摩耗パーツの表面上でのポイントの深さなど該摩耗パーツのセンサデータをキャプチャし、および該センサデータから摩耗度を判定することで、該開示されたシステムおよび方法は、該パーツ、該パーツの摩耗特性、または該機械について詳細な知識がない場合でも、ユーザーが容易に該パーツを評価することを可能にする。
【0077】
たとえばおよび図1に関して、ユーザー106は機械サイト102で機械104を操作し得る。シフトの完了後または他の多少の間隔で、該ユーザー106は該機械104を取り外し得、およびセンサ110を使用してたとえば該機械104のバケット上のツースなど摩耗したパーツ116についてのセンサデータをキャプチャし得る。次に該ユーザー106は、該センサ110と通信するモバイルデバイス108を使用して、データ処理システム120などのリモートコンピューティングシステムに該センサデータを送信し得る。次に該データ処理システム120は、境界面222を使用して1つ以上のパーツモデル126に対して検知されたポイントの摩耗量を判定し得る。より詳細には該データ処理システム120は、摩耗判定コンポーネント124を使用して、検知されたパーツ上の測定ポイントと、新しいパーツモデル214および/または摩耗したつまり摩耗限度パーツモデル216上の対応する位置との間の距離を判定し得る。このような測定された距離は、境界面222に一致した向きのラインに沿い得る。少なくともいくつかの実施例において、該ラインは境界面の法線の向きであり得る。実施例において、検知されたパーツに関する該摩耗メトリックが該パーツは交換する必要があることを示すと判定された場合、該データ処理システム120はそのような必要を販売店コンピューティングデバイス122に通信し得、このコンピューティングデバイスは、たとえば履行コンポーネント130を使用して新しいパーツ114の発注など何らかの処理を実行し得る。
【0078】
ここに記載された技法は、機械サイト102など職場での効率を改善し得、および/または機械104など機械の効率を改善し得る。限定ではなく実施例として、ここに記載された技法は、摩耗パーツが適切に保守されおよび/または交換されることを保証し得、それは燃費の減少および/または他の付属パーツの摩耗の減少を含むがこれらに限定されない該機械104の効率的使用に導き得る。たとえば図1中の拡大図112内で示されたツースなどのツースが交換されず、代わりに放置されて故障する場合、ツースが取り付けられているバケットは摩耗あるいは劣化し始め得る。本実施例において、該バケットの交換または修理は、摩耗したパーツ116を新しいパーツ114に適切に交換することより、財政的および機械のダウンタイムという両方の意味ではるかに高くつく。さらに、過度に摩耗していないまたは使用されていないパーツの使用は、摩耗したり、故障したり、および/または欠品したりしたパーツを使用する場合よりタスクをより早く完了し得る。
【0079】
当業者であれば、開示された技法を実装するためのコンピュータプログラムがコンピュータ可読ストレージメディアに保存され得、および/またはそのストレージメディアから読み取られ得ることを理解しよう。該コンピュータ可読ストレージメディアは、そこにコンピュータで実行可能な命令を保存しており、この命令はプロセッサによって実行された場合に、該コンピュータにとりわけここに開示されたプロセスを実行させる。実施例のコンピュータ可読ストレージメディアは、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープまたは当業者には周知の他の磁気ストレージデバイスなどの磁気ストレージデバイス、CD-ROM、DVD-ROM、当業者には周知の他のオプティカルストレージデバイスなどのオプティカルストレージデバイス、および/またはEPROM、フラッシュドライブ、または当業者には周知の他のICストレージデバイスなどの電子的ストレージデバイス、を含み得る。該コンピュータ可読ストレージメディアは、環境100の1つ以上のコンポーネントによって具現され得る。
【0080】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたペイロード過負荷制御システムに様々な修正および変形を加えられ得ることは、当業者に明らかであろう。本明細書および本願に開示した実施形態の実施を考慮することから、他の実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書および例は、単に例示的なものと見なされるべきであり、本開示の真の範囲が以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示されることが意図されている。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7