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特許7553549発作予測および検出のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】発作予測および検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/369 20210101AFI20240910BHJP
【FI】
A61B5/369
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022517782
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 US2020048258
(87)【国際公開番号】W WO2021055154
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】16/578,032
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518344623
【氏名又は名称】セリベル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カモウシ, バハラン
(72)【発明者】
【氏名】ハジノルージ, メヘディ
(72)【発明者】
【氏名】カルナカラン, スガニャ
(72)【発明者】
【氏名】グラント, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】イー, ジアンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】パーヴィジ, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, シンジュアン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0101401(US,A1)
【文献】特開2015-061715(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0081347(US,A1)
【文献】国際公開第2019/122396(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/369-5/386
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発作検出のための方法であって、
発作検出モジュールが、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することと、
前記発作検出モジュールが、チャネル毎の前記複数のEEG信号を移動時間窓内の複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、前記複数のEEG信号を前処理することと、
前記発作検出モジュールが、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することと、
前記発作検出モジュールが、機械学習アルゴリズムを前記複数の特徴に適用することにより発作二項分類を実施してチャネル毎の各時間的データセグメントを発作陽性または発作陰性として分類することと
前記発作検出モジュールが、前記複数のEEG信号のうちの少なくとも1つのEEG信号内の重症度の程度または発作の尤度の測定値を提供する発作負荷を決定することであって、前記発作負荷は、発作陽性として分類されている前記移動時間窓内の時間的データセグメントの総持続時間に基づく、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
各時間的データセグメントは、タイムエポックと関連付けられる、請求項に記載の方法。
【請求項3】
各時間的データセグメントは、1秒~20秒に及ぶ持続時間を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各時間的データセグメントの持続時間は、10秒である、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記移動時間窓は、1分~10分に及ぶ、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記移動時間窓は、5分である、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記発作検出モジュールが、前記発作負荷が1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えると、1つまたはそれを上回る通知を発生させることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたはそれを上回る通知は、保健医療実践者によって、前記対象が発作を起こす恐れがあるかどうかを査定するために使用可能である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたはそれを上回る通知は、視覚的、オーディオ、および/またはテキストアラートの形態において発生される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
頻繁な発作活動を示す第1の通知は、前記発作負荷が、10%の第1の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
大量の発作活動を示す第2の通知は、前記発作負荷が、50%の第2の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
持続的発作活動を示す第3の通知は、前記発作負荷が、90%の第3の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のチャネルは、少なくとも3つのチャネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のチャネルは、8つのチャネルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の特徴は、前記複数のEEG信号内に固有の時間および/または周波数ドメイン特徴を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の特徴は、少なくとも20の異なる時間および/または周波数特徴を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の特徴は、前記時間および/または周波数ドメイン特徴と関連付けられる複数の離散値を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記機械学習アルゴリズムは、ランダムフォレスト、ブースト決定木、分類ツリー、回帰ツリー、バギングツリー、ニューラルネットワーク、または回転フォレストを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記機械学習アルゴリズムは、各チャネルが前記機械学習アルゴリズムの別個の反復を有するように、チャネル毎に抽出される前記複数の特徴に個々に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記発作検出モジュールによる前記複数のEEG信号の前処理はさらに、
前記複数のEEG信号のセグメント化に先立って、前記発作検出モジュールが、前記複数のチャネルを経由して、フィルタを前記複数のEEG信号に適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記フィルタは、1Hz~35Hzの前記複数のEEG信号をフィルタリングするように構成される帯域通過フィルタを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記発作検出モジュールが、各チャネル上の複数のタイムエポックを横断して、前記分類を順次比較することと、
前記発作検出モジュールが、前記分類のサブセットが3つより少ない発作陽性分類を連続して含む場合、前記サブセットを破棄することと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項23】
前記発作検出モジュールが、前記発作負荷をグラフィカル視覚的要素としてディスプレイ上に出力することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項24】
前記グラフィカル視覚的要素は、時系列プロット、棒グラフ、またはチャートを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記時系列プロットは、前記発作負荷が前記1つまたはそれを上回る閾値の閾値を越えるにつれて、色を変化させるように構成される、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本PCT出願は、その内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年9月20日に出願された、米国特許出願第16/578,032号の優先権を主張する。
【0002】
脳波記録(EEG)信号を監視することは、発作における早期診断のための重要なタスクである。EEG信号を分析することは、患者の脳活動を監視する際に重要な役割を果たすが、専門家は、全てのEEG記録を分析し、発作活動を検出することが必要とされる。これは、手間のかかり、かつ時間がかかり得、発作活動のタイムリーかつ正確な診断は、療法を開始し、将来的発作および発作関連合併症のリスクを低減させるために不可欠である。
【0003】
現在は、機械学習アルゴリズムが、EEG信号を分類し、専門家介入を最小限にするための手段を提供している。但し、機械学習アルゴリズムは、効果的分類結果を提供するために、良好な品質のEEG信号を要求する。多くの場合、機械学習アルゴリズムに提供されるEEG信号は、機械学習アルゴリズムを発作を予測する際により効果的にするために最適化される必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
機械学習アルゴリズムに提供されるEEG信号の品質を最適化し、それらを発作を防止する際により効果的にすることの必要性が存在する。EEG信号の品質を最適化するために、EEG信号は、特徴を構築するように使用されることができる。各導出された特徴は、機械学習アルゴリズムが測定されたEEG信号をより容易に判別することを可能にする、EEG信号の明確に異なる特性に焦点を当てることができる。特徴を使用し、次いで、機械学習アルゴリズムを使用して、それらを分類することの組み合わせを通して、発作を予測するためのより効果的手段が可能になる。さらに、分類後、制御方針および発作負荷計算を実装することによって、偽陽性または不正確な読取値を提供されるEEG信号から除去することにより、発作を正確に決定するさらに優れた手段が可能になる。
【0005】
本開示の側面は、発作検出のための方法を提供する。本方法は、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することを含んでもよい。本方法はさらに、チャネル毎の複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数のEEG信号を前処理することを含んでもよい。ある場合には、本方法は、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出してもよい。ある場合には、本方法は、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施してもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数のEEG信号の前処理はさらに、複数のEEG信号のセグメント化に先立って、複数のチャネルを経由して、フィルタを複数のEEG信号に適用することを含んでもよい。ある場合には、フィルタは、1Hz~35Hzの複数のEEG信号をフィルタリングするように構成される、帯域通過フィルタを含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、発作二項分類は、チャネル毎の各時間的データセグメントを(1)発作陽性または(2)発作陰性として分類することを含んでもよい。ある場合には、各時間的データセグメントは、タイムエポック(time epoch)と関連付けられてもよい。ある場合には、発作陽性分類のクラスタは、対応するタイムエポックにわたる潜在的電気記録発作を示し得る。ある場合には、本方法はさらに、各チャネル上の複数のタイムエポックを横断して、分類を順次比較することと、サブセットが、3つより少ない発作陽性分類を連続して含む場合、分類のサブセットを破棄することとを含んでもよい。ある場合には、本方法はさらに、複数のチャネルのサブセットに関する時間的データセグメントが、発作陽性として分類される場合、特定のタイムエポックを潜在的電気記録発作と関連付けられると分類することを含んでもよい。ある場合には、サブセットは、複数のチャネルの少なくとも半分を含んでもよい。ある場合には、サブセットは、複数のチャネルの少なくとも半分を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、移動時間窓にわたって、複数のチャネルに関して、複数の時間的データセグメントに関する発作二項分類を集約することを含んでもよい。ある場合には、移動時間窓は、約1分~10分に及び得る。ある場合には、移動時間窓は、約5分であってもよい。ある場合には、複数のチャネルは、少なくとも3つのチャネルを含んでもよい。ある場合には、複数のチャネルは、8つのチャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、各時間的データセグメントは、約1秒~20秒に及ぶ持続時間を有してもよい。ある場合には、各時間的データセグメントの持続時間は、約10秒であってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の特徴は、複数のEEG信号内に固有の時間および/または周波数ドメイン特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、少なくとも20の異なる時間および/または周波数特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、時間および/または周波数ドメイン特徴と関連付けられる、複数の離散値を含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、ランダムフォレスト、ブースト決定木、分類ツリー、回帰ツリー、バギングツリー、ニューラルネットワーク、または回転フォレストを含んでもよい。ある場合には、機械学習アルゴリズムは、各チャネルが機械学習アルゴリズムの別個の反復を有するように、チャネル毎に抽出される複数の特徴に個々に適用されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、集約された発作二項分類に基づいて、移動時間窓にわたる、発作負荷を決定することを含んでもよい。ある場合には、発作負荷は、発作陽性として分類される、タイムエポックのパーセンテージを含んでもよい。ある場合には、発作負荷を決定することは、発作陽性分類を移動時間窓にわたって平均することを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、発作負荷が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えると、1つまたはそれを上回る通知を発生させることを含んでもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回る通知は、保健医療実践者によって、対象が発作を起こす恐れがあるかどうかを査定するために使用可能であり得る。ある場合には、1つまたはそれを上回る通知は、視覚的、オーディオ、および/またはテキストアラートの形態において発生されてもよい。ある場合には、頻繁な発作活動を示す、第1の通知は、発作負荷が、10%の第1の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生されてもよい。ある場合には、大量の発作活動を示す、第2の通知は、発作負荷が、50%の第2の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生されてもよい。ある場合には、持続的発作活動を示す、第3の通知は、発作負荷が、90%の第3の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生されてもよい。
【0013】
別の側面では、本開示は、発作検出システムを提供する。発作検出システムは、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信するように構成される、前処理モジュールを含んでもよい。前処理モジュールはまた、チャネル毎の複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数のEEG信号を前処理するように構成されてもよい。発作検出システムはまた、前処理モジュールと通信する、処理モジュールを含んでもよい。処理モジュールは、複数のチャネルに対応する、複数の時間的データセグメントを受信するように構成されてもよい。処理モジュールはまた、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出するように構成されてもよい。処理モジュールはまた、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施するように構成されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、発作検出システムはさらに、前処理モジュールと通信する、出力モジュールを備えてもよい。出力モジュールは、移動時間窓にわたって、複数のチャネルに関して、複数の時間的データセグメントに関する発作二項分類を集約するように構成されてもよい。出力モジュールはまた、集約された発作二項分類に基づいて、移動時間窓にわたる、発作負荷を決定するように構成されてもよい。出力モジュールはまた、発作負荷が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えると、1つまたはそれを上回る通知を発生させるように構成されてもよい。
【0015】
別の側面では、本開示は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサを備える、システムを提供する。本システムはまた、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、発作検出のための方法を実装する、機械実行可能命令を備える、メモリを備えてもよい。本方法は、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することを含んでもよい。本方法はまた、チャネル毎の複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数のEEG信号を前処理することを含んでもよい。本方法はまたさらに、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することを含んでもよい。本方法はまたさらに、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施することを含んでもよい。
【0016】
別の側面では、本開示は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、発作検出のための方法を実装する、機械実行可能命令を備える、非一過性コンピュータ可読媒体を提供する。本方法は、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することを含んでもよい。本方法は、チャネル毎の複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数のEEG信号を前処理することを含んでもよい。本方法は、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することを含んでもよい。本方法はまた、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施することを含んでもよい。
【0017】
別の側面では、本開示は、発作検出のための方法を提供する。本方法は、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することを含んでもよい。本方法はまた、チャネル毎の複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数のEEG信号を前処理することを含んでもよい。本方法はまた、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することを含んでもよい。本方法はまた、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施することを含んでもよい。本方法はまたさらに、集約された発作二項分類に基づいて、移動時間窓にわたる、発作負荷を決定することを含んでもよい。本方法はまたさらに、発作負荷をユーザに提示することを含んでもよい。
【0018】
別の側面では、本開示は、発作検出のための方法を提供する。本方法は、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することを含んでもよい。本方法はさらに、チャネル毎の複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数のEEG信号を前処理することを含んでもよい。本方法はまた、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することであって、各時間的データセグメントは、タイムエポックと関連付けられる、ことを含んでもよい。本方法はさらに、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施し、それによって、複数の時間的データセグメントに関する複数の分類を発生させることであって、各時間的データセグメントに関する発作二項分類は、チャネル毎の各時間的データセグメントを(1)発作陽性または(2)発作陰性として分類することを含み、複数の分類は、各チャネルに関する複数のタイムエポックを横断して順次比較され、分類のサブセットは、サブセットが、3つより少ない発作陽性分類を連続して含む場合、破棄される、ことを含んでもよい。本方法はさらに、移動時間窓にわたって、複数のチャネルに関して、複数の時間的データセグメントに関する残りの破棄されない分類を集約することを含んでもよい。本方法はまた、集約された分類に基づいて、移動時間窓にわたる発作負荷を決定することであって、発作負荷は、発作陽性として分類される、時間的データセグメントのパーセンテージを含み、発作負荷は、重症度の程度または発作の尤度の測定値を提供する、計測値である、ことを含んでもよい。本方法はまた、発作負荷が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えると、1つまたはそれを上回る通知を発生させることであって、1つまたはそれを上回る通知は、異なる発作活動を示し、対象が発作を起こす恐れがあるかどうかを査定するために使用可能である、ことを含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、発作陽性分類のクラスタは、対応するタイムエポックにわたる潜在的電気記録発作を示す。ある場合には、各時間的データセグメントは、約1秒~20秒に及ぶ、持続時間を有する。ある場合には、各時間的データセグメントの持続時間は、約10秒である。ある場合には、移動時間窓は、約1分~10分に及ぶ。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る通知は、視覚的、オーディオ、および/またはテキストアラートの形態において発生される。ある場合には、頻繁な発作活動を示す、第1の通知は、発作負荷が、10%の第1の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される。ある場合には、大量の発作活動を示す、第2の通知は、発作負荷が、50%の第2の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される。ある場合には、持続的発作活動を示す、第3の通知は、発作負荷が、90%の第3の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルは、少なくとも3つのチャネルを含む。ある場合には、複数のチャネルは、少なくとも8つのチャネルを含む。ある場合には、複数の特徴は、複数のEEG信号内に固有の時間および/または周波数ドメイン特徴を含む。ある場合には、複数の特徴は、少なくとも20の異なる時間および/または周波数特徴を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数の特徴は、時間および/または周波数ドメイン特徴と関連付けられる、複数の離散値を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、ランダムフォレスト、ブースト決定木、分類ツリー、回帰ツリー、バギングツリー、ニューラルネットワーク、または回転フォレストを含む。ある場合には、機械学習アルゴリズムは、各チャネルが機械学習アルゴリズムの別個の反復を有するように、チャネル毎に抽出される複数の特徴に個々に適用される。
【0024】
いくつかの実施形態では、複数のEEG信号の前処理はさらに、複数のEEG信号のセグメント化に先立って、複数のチャネルを経由して、フィルタを複数のEEG信号に適用することを含む。ある場合には、フィルタは、1Hz~35Hzの複数のEEG信号をフィルタリングするように構成される、帯域通過フィルタを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、複数のチャネルのサブセットに関する時間的データセグメントが、発作陽性として分類される場合、特定のタイムエポックを潜在的電気記録発作と関連付けられると分類することを含んでもよい。ある場合には、サブセットは、複数のチャネルの少なくとも半分を含む。ある場合には、時間窓によって形成される、順次期間は、非重複する。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、発作負荷をグラフィカル視覚的要素としてディスプレイ上に出力することを含んでもよい。ある場合には、本方法は、1つまたはそれを上回る閾値をグラフィカル視覚的要素内に表示することを含んでもよい。ある場合には、グラフィカル視覚的要素は、時系列プロット、棒グラフ、またはチャートを含む。ある場合には、時系列プロットは、発作負荷が1つまたはそれを上回る閾値の閾値を越えるにつれて、色を変化させるように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、グラフィカル視覚的要素を使用して、(i)対象の条件を査定する、(ii)治療の過程を決定する、(iii)治療の過程が対象に提供されている場合、治療の過程の有効性を監視する、または(iv)対象の条件の進行度を経時的に監視することを含んでもよい。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
発作検出のための方法であって、
複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することと、
チャネル毎の前記複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、前記複数のEEG信号を前処理することと、
複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することと、
機械学習アルゴリズムを前記複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施することと
を含む、方法。
(項目2)
前記発作二項分類は、チャネル毎の各時間的データセグメントを(1)発作陽性または(2)発作陰性として分類することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
各時間的データセグメントは、タイムエポックと関連付けられる、項目2に記載の方法。
(項目4)
発作陽性分類のクラスタは、前記対応するタイムエポックにわたる潜在的電気記録発作を示す、項目3に記載の方法。
(項目5)
各時間的データセグメントは、約1秒~20秒に及ぶ持続時間を有する、項目1に記載の方法。
(項目6)
各時間的データセグメントの持続時間は、約10秒である、項目5に記載の方法。
(項目7)
移動時間窓にわたって、前記複数のチャネルに関して、前記複数の時間的データセグメントに関する前記発作二項分類を集約することをさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目8)
前記移動時間窓は、約1分~10分に及ぶ、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記移動時間窓は、約5分である、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記集約された発作二項分類に基づいて、前記移動時間窓にわたる発作負荷を決定することをさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記発作負荷は、発作陽性として分類される前記タイムエポックのパーセンテージを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記発作負荷を決定することは、前記発作陽性分類を前記移動時間窓にわたって平均することを含む、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記発作負荷が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えると、1つまたはそれを上回る通知を発生させることをさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記1つまたはそれを上回る通知は、保健医療実践者によって、前記対象が発作を起こす恐れがあるかどうかを査定するために使用可能である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記1つまたはそれを上回る通知は、視覚的、オーディオ、および/またはテキストアラートの形態において発生される、項目13に記載の方法。
(項目16)
頻繁な発作活動を示す第1の通知は、前記発作負荷が、10%の第1の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、項目13に記載の方法。
(項目17)
大量の発作活動を示す第2の通知は、前記発作負荷が、50%の第2の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、項目13に記載の方法。
(項目18)
持続的発作活動を示す第3の通知は、前記発作負荷が、90%の第3の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、項目13に記載の方法。
(項目19)
前記複数のチャネルは、少なくとも3つのチャネルを含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記複数のチャネルは、8つのチャネルを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記複数の特徴は、前記複数のEEG信号内に固有の時間および/または周波数ドメイン特徴を含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記複数の特徴は、少なくとも20の異なる時間および/または周波数特徴を含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記複数の特徴は、前記時間および/または周波数ドメイン特徴と関連付けられる複数の離散値を含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記機械学習アルゴリズムは、ランダムフォレスト、ブースト決定木、分類ツリー、回帰ツリー、バギングツリー、ニューラルネットワーク、または回転フォレストを含む、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記機械学習アルゴリズムは、各チャネルが前記機械学習アルゴリズムの別個の反復を有するように、チャネル毎に抽出される前記複数の特徴に個々に適用される、項目1に記載の方法。
(項目26)
前記複数のEEG信号の前処理はさらに、
前記複数のEEG信号のセグメント化に先立って、前記複数のチャネルを経由して、フィルタを前記複数のEEG信号に適用することを含む、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記フィルタは、1Hz~35Hzの前記複数のEEG信号をフィルタリングするように構成される帯域通過フィルタを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
各チャネル上の複数のタイムエポックを横断して、前記分類を順次比較することと、
前記サブセットが、3つより少ない発作陽性分類を連続して含む場合、前記分類のサブセットを破棄することと
をさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目29)
前記複数のチャネルのサブセットに関する前記時間的データセグメントが、発作陽性として分類される場合、特定のタイムエポックを潜在的電気記録発作と関連付けられると分類することをさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目30)
前記サブセットは、前記複数のチャネルの少なくとも半分を含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
発作検出のための方法であって、
(a)複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することと、
(b)チャネル毎の前記複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、前記複数のEEG信号を前処理することと、
(c)複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することであって、各時間的データセグメントは、タイムエポックと関連付けられる、ことと、
(d)機械学習アルゴリズムを前記複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施し、それによって、前記複数の時間的データセグメントに関する複数の分類を発生させることであって、各時間的データセグメントに関する前記発作二項分類は、チャネル毎の各時間的データセグメントを(1)発作陽性または(2)発作陰性として分類することを含み、前記複数の分類は、各チャネルに関する複数のタイムエポックを横断して順次比較され、前記分類のサブセットは、前記サブセットが、3つより少ない発作陽性分類を連続して含む場合、破棄される、ことと、
(e)移動時間窓にわたって、前記複数のチャネルに関して、前記複数の時間的データセグメントに関する前記残りの破棄されない分類を集約することと、
(f)前記集約された分類に基づいて、前記移動時間窓にわたる発作負荷を決定することであって、前記発作負荷は、発作陽性として分類される前記時間的データセグメントのパーセンテージを含み、前記発作負荷は、重症度の程度または発作の尤度の測定値を提供する計測値である、ことと、
(g)前記発作負荷が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えると、1つまたはそれを上回る通知を発生させることであって、前記1つまたはそれを上回る通知は、異なる発作活動を示し、前記対象が発作を起こす恐れがあるかどうかを査定するために使用可能である、ことと
を含む、方法。
(項目32)
発作陽性分類のクラスタは、前記対応するタイムエポックにわたる潜在的電気記録発作を示す、項目31に記載の方法。
(項目33)
各時間的データセグメントは、約1秒~20秒に及ぶ持続時間を有する、項目31に記載の方法。
(項目34)
各時間的データセグメントの持続時間は、約10秒である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記移動時間窓は、約1分~10分に及ぶ、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記1つまたはそれを上回る通知は、視覚的、オーディオ、および/またはテキストアラートの形態において発生される、項目31に記載の方法。
(項目37)
頻繁な発作活動を示す第1の通知は、前記発作負荷が、10%の第1の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、項目31に記載の方法。
(項目38)
大量の発作活動を示す第2の通知は、前記発作負荷が、50%の第2の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、項目31に記載の方法。
(項目39)
持続的発作活動を示す第3の通知は、前記発作負荷が、90%の第3の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生される、項目31に記載の方法。
(項目40)
前記複数のチャネルは、少なくとも3つのチャネルを含む、項目31に記載の方法。
(項目41)
前記複数のチャネルは、8つのチャネルを含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記複数の特徴は、前記複数のEEG信号内に固有の時間および/または周波数ドメイン特徴を含む、項目31に記載の方法。
(項目43)
前記複数の特徴は、少なくとも20の異なる時間および/または周波数特徴を含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記複数の特徴は、前記時間および/または周波数ドメイン特徴と関連付けられる複数の離散値を含む、項目42に記載の方法。
(項目45)
前記機械学習アルゴリズムは、ランダムフォレスト、ブースト決定木、分類ツリー、回帰ツリー、バギングツリー、ニューラルネットワーク、または回転フォレストを含む、項目31に記載の方法。
(項目46)
前記機械学習アルゴリズムは、各チャネルが前記機械学習アルゴリズムの別個の反復を有するように、チャネル毎に抽出される前記複数の特徴に個々に適用される、項目31に記載の方法。
(項目47)
前記複数のEEG信号の前処理はさらに、
前記複数のEEG信号のセグメント化に先立って、前記複数のチャネルを経由して、フィルタを前記複数のEEG信号に適用することを含む、項目31に記載の方法。
(項目48)
前記フィルタは、1Hz~35Hzの前記複数のEEG信号をフィルタリングするように構成される帯域通過フィルタを含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記複数のチャネルのサブセットに関する前記時間的データセグメントが、発作陽性として分類される場合、特定のタイムエポックを潜在的電気記録発作と関連付けられると分類することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目50)
前記サブセットは、前記複数のチャネルの少なくとも半分を含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記時間窓によって形成される順次期間は、非重複する、項目31に記載の方法。
(項目52)
前記発作負荷をグラフィカル視覚的要素としてディスプレイ上に出力することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目53)
前記1つまたはそれを上回る閾値を前記グラフィカル視覚的要素内に表示することをさらに含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記グラフィカル視覚的要素は、時系列プロット、棒グラフ、またはチャートを含む、項目52に記載の方法。
(項目55)
前記時系列プロットは、前記発作負荷が前記1つまたはそれを上回る閾値の閾値を越えるにつれて、色を変化させるように構成される、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記グラフィカル視覚的要素を使用して、(i)前記対象の条件を査定する、(ii)治療の過程を決定する、(iii)前記治療の過程が前記対象に提供されている場合、治療の過程の有効性を監視する、または(iv)前記対象の条件の進行度を経時的に監視することをさらに含む、項目52に記載の方法。
【0028】
本開示の付加的側面および利点は、本開示の例証的実施形態のみが、図示および説明される、以下の詳細な説明から当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他のおよび異なる実施形態も可能であって、そのいくつかの詳細は、全て、本開示から逸脱することなく、種々の明白である点において修正が可能である。故に、図面および説明は、性質上、例証的であって、制限的であると見なされないものとする。
(参照による組み込み)
【0029】
本明細書に述べられた全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的に、個々に、示され、参照することによって組み込まれる場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照によって組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書内に含有される本開示に矛盾する場合に限り、本明細書は、任意のそのような矛盾する資料に取って代わり、および/または優先されるものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の新規特徴が、添付の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解は、その中で本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する、以下の詳細な説明と、付随の図面(本明細書ではまた、「figure」および「FIG」)との参照によって取得されるであろう。
【0031】
図1図1は、本開示の実施形態による、EEG信号を発作検出モジュールに提供するように構成される、EEGデバイスを示す。
【0032】
図2図2は、本開示の実施形態による、発作検出のためのEEG信号ワークフローの例証を示す。
【0033】
図3図3は、本開示の実施形態による、発作負荷グラフを示す。
【0034】
図4図4は、本開示の実施形態による、発作検出出力のディスプレイ可視化を伴う、EEGデバイスの例証を示す。
【0035】
図5図5は、本開示の実施形態による、発作検出出力のディスプレイ可視化を伴う、EEGデバイスソフトウェアの例証を示す。
【0036】
図6図6は、本開示の実施形態による、本明細書に提供される方法を実装するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明
本発明の種々の実施形態が、本明細書に図示および説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、採用されてもよいことを理解されたい。
【0038】
用語「最大で約」または「少なくとも約」が、一連の2つまたはそれを上回る数値における第1の数値に先行するときは常に、用語「最大で約」または「少なくとも約」は、その一連の数値内の数値のそれぞれに適用される。例えば、最大で約3、2、または1は、最大で約3、最大で約2、または最大で約1に匹敵する。
概要
【0039】
脳波記録(EEG)脳信号の手動点検は、時間がかかり、労力を要するプロセスであり得る。貴重な時間が、患者が発作を被っている場合があるときに、そのようなEEG信号を手動で分析する際に失われ得る。EEG信号を分析し得る、自動技法は、発作活動のタイムリーかつ正確な診断を提供し、臨床医が、療法を開始し、将来的発作および発作関連合併症のリスクを低減させることを補助することに役立ち得る。
【0040】
機械学習アルゴリズムは、EEG信号を自動的に分類し、専門家介入を最小限にする手段を提供する。但し、機械学習アルゴリズムは、効果的分類結果を提供するために、良好な品質のEEG信号を要求する。加えて、機械学習アルゴリズムに提供されるEEG信号は、発作活動に関するEEG信号の特性を説明する、特徴として与えられる必要があり得る。さらに、機械学習アルゴリズムによる特徴の分類後、ルールのセットを備える、制御方針が、発作負荷計算とともに、方法および/またはシステムが、対象が、発作を被っている、または潜在的に被っていることをより正確に描写することを可能にする。
【0041】
本明細書に説明される発作検出システムおよび方法は、ユーザに、自動および正確な発作検出が可能な発作検出モジュールに結合される、EEG検出デバイスを提供する。加えて、発作検出モジュールは、ユーザに、差し迫った/活性発作を通知することが可能である。発作検出モジュールは、EEG信号をEEGデバイスから取り込み、前処理する。EEG信号は、次いで、分析され、貴重なEEG特徴が、抽出される。EEG特徴は、機械学習アルゴリズムモジュールを使用して分類される。所与のタイムエポックにわたる特徴の分類が、次いで、制御方針によって統制され、発作負荷値を計算する。発作負荷値が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超える場合、本方法および/またはシステムは、保健医療実践者によって、対象が発作を起こす恐れがあり得るかどうかを査定するために使用され得る、1つまたはそれを上回る通知を発生させる。発作負荷の値の増加は、保健医療実践者によって、発作の重症度の増加のインジケーションとして使用され得る。1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超える、発作負荷値は、保健医療実践者によって、ある医療条件、例えば、てんかん重積状態のインジケーションとして使用され得る。発作負荷の経時的変化、すなわち、発作負荷グラフの特性形状は、保健医療実践者によって、対象のための治療の過程を決定する、または対象のための治療の過程の有効性を評価するために使用され得る。
発作検出モジュール
I.信号入手および前処理
II.信号分析
III.発作負荷計算および出力
IV.発作検出後
V.コンピュータシステム
I.信号入手および前処理
(a)EEG信号/入手
【0042】
解説を容易にするために、図および対応する下記の説明は、生体対象の脳活動(例えば、脳波記録(EEG)信号)および/または心臓活動(例えば、心電図(ECG)信号)を表す信号の分析を参照して下記に説明される。しかしながら、当業者は、他の身体機能を表す信号(例えば、筋電図(EMG)信号、または電気眼振記録(ENG)信号、パルスオキシメトリ信号、カプノグラフィ信号、および/またはフォトプレチィスモグラフィ信号)が、脳活動および/または心臓活動を表す1つまたはそれを上回る信号に加え(例えば、それと併せて)、代用または使用され得ることを認識するであろう。
【0043】
生体電気信号を測定するためのシステムは、概して、対応する伝導性ワイヤを介して、コントローラおよび/または出力デバイスに電気的に結合される、1つまたはそれを上回る電極を備えてもよい。他の変形例では、電極は、コントローラおよび/または出力デバイスに無線で結合されてもよい。電極は、患者の頭部の周囲に固着される、電極担体システム内に含有されてもよい。電極担体システムは、頭部バンドとして構成される、または任意の数の他のプラットフォームまたは電極を患者身体に対して維持するための位置付け機構の中に組み込まれてもよい。個々の電極アセンブリは、頭部バンドが患者の頭部上に位置付けられると、電極アセンブリがEEG信号を受信するために最適に整合され得るように、相互から離間されてもよい。
【0044】
コントローラおよび/または出力デバイスは、概して、電気生理学的監視デバイス等、電気信号を受信するための任意の数のデバイスを備えてもよく、また、任意の数の脳撮像デバイス、例えば、fMRI、PET、NIRS等と組み合わせて使用されてもよい。1つの特定の変形例では、本明細書に説明される電極実施形態は、電気信号を電極から受信し、それらを処理するように構成されるもの等のデバイスと組み合わせて使用されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、脳電気活動に対応する、信号は、ヒトの脳から取得され、単一ニューロンから、または複数のニューロンから取得される、電気信号に対応する。いくつかの実施形態では、センサは、外部からヒト頭皮に添着される(例えば、テープ留めされる、取り付けられる、糊着される)、1つまたはそれを上回るセンサ(例えば、頭蓋外センサ)を含む。例えば、頭蓋外センサは、外部から頭皮に添着される(例えば、伝導性ゲルを介して、皮膚に糊着される)、またはより一般的には、頭皮の外部の個別の位置に位置付けられる、電極(例えば、脳波記録(EEG)電極)または複数の電極(例えば、脳波記録(EEG)電極)を含んでもよい。代替として、乾燥電極も、いくつかの実装では、使用されることができる(例えば、生体対象の身体内に埋め込まれる、または伝導性ゲルを用いて定位置に保持されるのではなく、生体対象の身体に対して機械的に設置される、伝導性センサ)。乾燥電極の実施例は、使用の間、生体対象によって装着される、1つまたはそれを上回る金属センサ(例えば、電極)を伴う、頭部バンドである。頭蓋外センサから取得される信号は、時として、EEG信号または時間ドメインEEG信号と呼ばれ得る。ある場合には、センサは、対象および/またはデバイスの機械的移動を測定し得る、加速度計または慣性測定ユニット(IMU)であってもよい(例えば、対象および/またはデバイスの機械的移動に対応する、1つまたはそれを上回る電気信号を生産する)。本システムは、1つまたはそれを上回るセンサを利用して、本明細書のいずれかの場所で説明されるような発作検出を補助するように構成されてもよい。
【0046】
ある側面では、本開示は、発作検出のための方法を提供する。ある場合には、本方法は、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の信号(例えば、EEG信号、EKG信号、EMG信号等)を受信することを含んでもよい。本方法は、複数のチャネルを経由して、対象に関する複数の脳波記録(EEG)信号を受信することを含んでもよい。複数のEEG信号は、発作検出モジュールに提供されてもよい。図1は、発作検出モジュール115に対するEEGデバイスモジュール110によるEEG信号収集のワークフローの例証を示す。図2は、発作予測のためのEEGデバイスモジュールおよび発作検出モジュールによるワークフローの詳細な例証を示す。図2に示されるように、発作検出モジュールは、前処理モジュールと、信号分析モジュールと、発作負荷計算および出力モジュールとを備えることができる。EEGデバイスモジュール110は、対象からのEEG信号入手のための複数のチャネル205を有することができる。ある場合には、複数のチャネルは、1~256のチャネルを有してもよい。ある場合には、複数のチャネルは、8~256のチャネルを有してもよい。ある場合には、複数のチャネルは、256を上回るチャネルを有してもよい。ある場合には、複数のチャネルは、8、10、16、20、32、64、128、または256のチャネルを有してもよい。
(b)EEG信号の前処理
【0047】
いくつかの実施形態では、EEGデバイスモジュールは、センサEEG信号をセンサから受信するように構成される、1つまたはそれを上回るアナログフロントエンドを有してもよい。EEG信号は、本明細書にいずれかの場所で説明されるように、前処理されてもよい。いくつかの実施形態では、別個の(例えば、独立)アナログフロントエンドが、センサのセットのそれぞれとインターフェースをとるために提供されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るアナログフロントエンドが、EEGセンサのセットとインターフェースをとるために提供されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、本方法は、チャネル毎の複数の信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数の信号を前処理することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、チャネル毎の複数のEEG信号を複数の時間的データセグメントにセグメント化することによって、複数のEEG信号を前処理することを含んでもよい。図2は、発作検出モジュール120の例証を示す。発作検出モジュールは、複数のチャネルからのEEG信号をEEGデバイスモジュールから取り込む。発作検出モジュールは、EEG信号を前処理するように構成される、前処理モジュール210を用いて、複数のチャネルからのEEG信号を前処理してもよい。図2に示されるように、前処理モジュールは、信号フィルタリングモジュール215と、信号セグメント化モジュール220と、信号調節モジュール225とを含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、フィルタリングモジュール215は、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、EEG信号をEEGデバイスモジュールからのチャネルの着信セットからフィルタリングするように構成されてもよい。ある場合には、前処理は、例えば、EEG信号をセグメント化すること、周波数に基づいて、EEG信号をフィルタリングすること、EEG信号を調節すること、または本明細書のいずれかの場所に説明されるようなこと等であってもよい。
【0050】
図2では、信号セグメント化モジュール220は、EEG信号をセグメント化するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数のEEG信号は、1~100,000個のデータセグメントにセグメント化されてもよい。ある場合には、EEGデータセグメントの数は、EEG記録の持続時間に依存し得る。ある場合には、EEGデータセグメントの数は、EEG記録の持続時間にかかわらず、固定されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、各時間的データセグメントは、約1秒~1時間の持続時間を有してもよい。ある場合には、各時間的データセグメントは、約1秒~30秒の持続時間を有してもよい。ある場合には、各時間的データセグメントは、約1秒~10秒の持続時間を有してもよい。ある場合には、各時間的データセグメントの持続時間は、EEG記録全体にわたって固定されてもよい。ある場合には、各時間的データセグメントの持続時間は、EEG記録の間、可変または適応性であってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、複数のEEG信号の前処理は、複数のチャネルを経由して、1つまたはそれを上回るフィルタリングステップを複数のEEG信号に適用することを含んでもよい。複数のEEG信号の前処理は、少なくとも1つのフィルタ、2つのフィルタ、3つのフィルタ、4つのフィルタ、5つのフィルタ、6つのフィルタ、7つのフィルタ、8つのフィルタ、9つのフィルタ、10のフィルタ、15のフィルタ、またはそれを上回るフィルタを使用することを含んでもよい。複数のEEG信号の前処理は、最大で約15のフィルタ、10のフィルタ、9つのフィルタ、8つのフィルタ、7つのフィルタ、6つのフィルタ、5つのフィルタ、4つのフィルタ、3つのフィルタ、2つのフィルタ、またはそれ未満のフィルタを使用することを含んでもよい。複数のEEG信号の前処理は、1~15のフィルタ、1~10のフィルタ、1~5つのフィルタ、または1~3つのフィルタの任意の数を使用することを含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るフィルタリングステップは、複数のEEG信号のセグメント化の前、間、および/または後に適用されてもよい。フィルタリングステップのうちの1つまたはそれを上回るものは、例えば、デジタルフィルタ、アナログフィルタ、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。フィルタリングステップのうちの1つまたはそれを上回るものは、例えば、帯域通過フィルタ、低域通過フィルタ、高域通過フィルタ、帯域除去フィルタ、全域通過フィルタ、カルマンフィルタ、適応フィルタ、またはノッチフィルタ等を含んでもよい。ある場合には、フィルタの低周波数カットオフは、0.1Hz~5Hzであってもよい。ある場合には、フィルタの高周波数カットオフは、5Hz~200Hzであってもよい。ある場合には、ノッチフィルタ周波数は、局所パワーライン周波数に合致してもよい。ある場合には、ノッチフィルタ周波数は、50Hzまたは60Hzであって、局所パワーライン周波数に合致してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、各時間的データセグメントは、タイムエポックと関連付けられてもよい。対応するタイムエポック毎に、発作陽性分類のクラスタは、潜在的電気記録発作を示し得る。ある場合には、発作陽性分類のクラスタは、約1~50の発作陽性分類を含んでもよい。ある場合には、発作陽性分類のクラスタは、1~10の発作陽性計算を含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、各チャネル上の複数のタイムエポックを横断して、分類を順次比較することを含んでもよい。ある場合には、各チャネル上の複数のタイムエポックを横断して、分類を順次比較する前/後/間、各チャネル上の複数のタイムエポックを横断した順次分類は、破棄されてもよい。ある場合には、分類のサブセットは、破棄されてもよい。ある場合には、約1~20より少ない分類のサブセットは、破棄されてもよい。ある場合には、3より少ない分類のサブセットは、破棄されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、発作陽性分類のサブセットは、例えば、それらが、無作為読取値、低信頼性、不正確な分類、正しくない分類、較正、システム誤差、接続解除された電極、アーチファクト信号、システム干渉、または他の信号等であり得るため、破棄されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、発作陽性分類のサブセットは、例えば、メモリ空間を保存する、処理速度を改善する、エネルギー使用量を低減させる、システムの熱を低減させる、計算コストを低減させる、処理パワーを保存する、処理時間を節約する、信頼性を増加させる、またはランダムアクセスメモリ使用量を減少させる等のために、破棄されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、連続したより多数の発作陽性分類は、高信頼性を示し得る。発作陽性分類の信頼性が高いほど、患者における発作を検出する決定がより正確になる。ある場合には、発作陽性分類の信頼性が高いほど、機械学習アルゴリズム正確度、データ(EEG信号)の品質、またはEEG検出システムの健全性ステータス等を示し得る。いくつかの実施形態では、複数のチャネルのサブセットに関する時間的データセグメントが、発作陽性として分類される場合、特定のタイムエポックが、潜在的電気記録発作と関連付けられると分類され得る。ある場合には、サブセットは、複数のチャネルの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはそれを上回るものであってもよい。ある場合には、サブセットは、複数のチャネルの最大で約50%、40%、30%、20%、10%、5%、またはそれ未満であってもよい。
(c)EEG信号調節
【0059】
図2は、EEG信号を調節するように構成される、信号調節モジュール225を示す。いくつかの実施形態では、本方法は、任意のEEG信号を調節してもよい。EEG信号を調節することは、例えば、EEG信号の振幅を増加および/または減少させること、EEG信号の雑音レベルを追加または減少させること、EEG信号のタイムエポックを増加および/または減少させること、EEG信号の強度を増加および/または減少させること、EEG信号の信号周波数を増加および/または減少させること、EEG信号の電圧を増加および/または減少させること、EEG信号の形態構造(例えば、EEG信号の形状)を変化させること、EEG信号の周期性を増加および/または減少させること、EEG波の同期性を増加または減少させること、スペクトル減算、標準化等を含んでもよい。
【0060】
ある場合には、EEG信号は、低減され得る。ある場合には、EEG信号は、より低いサンプリング周波数にダウンサンプリングされてもよい。例えば、500Hzのサンプリング周波数において記録されるEEGデータは、2分の1の250Hzにダウンサンプリングされてもよい。
【0061】
ある場合には、EEG信号は、ビット幅低減を受けてもよい。ある場合には、EEG信号が記録される、分解能のレベルは、正確な発作検出を達成するために、本方法によって要求されなくてもよい。ある場合には、ビット幅低減は、EEG信号の標準的量子化を通して、EEG信号をサンプルあたりより低い数のビットに、例えば、サンプルあたり32ビットからサンプルあたり12ビットに低減させ得る。ある場合には、ビット幅低減は、本方法がポータブルシステム内に実装される場合、減少された処理負荷に起因して、パワー消費を低減させることが有用であり得るため、有利であり得る。
【0062】
ある場合には、スペクトル減算は、EEG信号内の付加的雑音の量を低減させるために使用されてもよい。ある場合には、雑音は、外部周囲によって引き起こされ得る。ある場合には、雑音は、測定機器によって引き起こされ得る。ある場合には、雑音は、ユーザによって引き起こされ得る。ある場合には、非発作EEG信号の平均周波数スペクトルが、ある期間にわたって、雑音周波数スペクトルのベースレベル推定を提供するために算出されてもよい。ある場合には、EEG信号が記録されるにつれて、EEG信号は、周波数ドメインに変換されてもよい。ある場合には、平均雑音スペクトルは、次いで、EEG周波数スペクトルから減算されてもよい。ある場合には、元々の雑音信号から結果として生じるスペクトルおよび位相情報は、組み合わせられてもよい。ある場合には、結果として生じるスペクトルは、雑音除去された信号を生産するために、時間ドメインに戻るように転換されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、EEG信号は、EEG信号を集める際に使用されたモンタージュの効果を排除することによって、標準化されてもよい。ある場合には、独立成分分析(ICA)または主成分分析(PCA)方法が、モンタージュ排除を提供するために使用されてもよい。ある場合には、ICAまたはPCA方法は、EEG信号を、それらを記録するために使用されるモンタージュから独立して、源のセットに分離してもよい。ある場合には、標準化EEGデータを使用することは、臨床医の変動する実践によって導入される誤差を除去し得る。
【0064】
ある場合には、非負値行列因子分解(NMF)方法が、アーチファクト除去の形態として、各チャネルに適用されてもよい。ある場合には、信号のスペクトルは、抽出されたベースに分解され、加重を取得してもよい。ある場合には、スペクトルは、初期EEG信号から除去されるアーチファクトのベースおよび対応する加重を使用して、再構成されてもよい。
II.信号分析
(a)特徴抽出
【0065】
図2では、発作検出モジュールは、信号分析モジュールを備えてもよい。信号分析モジュールは、特徴抽出モジュール245と、機械学習分類モジュール250とを備えてもよい。特徴抽出モジュール245は、前処理された測定されたデータ(例えば、EEG信号)を前処理モジュール210から求め、導出された値(例えば、特徴)を構築するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、特徴抽出は、測定されたデータ(例えば、EEG信号、所与のタイムエポックのEEG信号等)の初期セットから開始してもよく、有益かつ非冗長であるように意図される、導出された値(例えば、特徴)を構築してもよい。ある場合には、特徴抽出モジュールは、個々に、複数の特徴をチャネル毎の各時間的データセグメントから抽出することを含んでもよい。ある場合には、特徴抽出モジュールは、全てのチャネルに関してともに、複数の特徴を各時間的データセグメントから抽出することを含んでもよい。ある場合には、特徴抽出モジュールは、複数の特徴を1つまたはそれを上回る群の各時間的データセグメントから抽出することを含んでもよく、各群化は、1つまたはそれを上回るチャネルから成る。図2に示されるように、抽出された特徴は、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、抽出された特徴を分析および分類するように構成され得る、機械学習分類モジュール250に中継されることができる。ある場合には、特徴抽出は、機械学習アルゴリズムの後続学習および一般化ステップを促進し得る。ある場合には、特徴抽出は、より良好なヒト解釈につながり得る。ある場合には、特徴抽出は、次元低減に関連し得る。
【0066】
ある場合には、機械学習アルゴリズムへの入力データ(例えば、EEG信号)が、処理するために大きすぎ、冗長(例えば、Hzおよび秒の両方における同一測定値または特性の反復性)であることが疑われるとき、データは、特徴の低減されたセットに転換されることができる。
【0067】
ある場合には、初期特徴のサブセットを決定することは、特徴選択と呼ばれ得る。ある場合には、選択された特徴は、入力データ(例えば、EEG信号)からの関連情報を含有することが予期され得る。ある場合には、選択された特徴は、所望のタスクが、完全な初期データの代わりに、本低減された表現を使用することによって実施され得るように、入力データからの関連情報を含有することが予期され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、特徴抽出は、大セットのデータ(例えば、EEG信号)を説明するために要求される、リソースの数を低減させることを伴ってもよい。ある場合には、多数の変数を伴う分析は、大量のメモリおよび算出パワーを要求し得る。ある場合には、これは、機械学習アルゴリズムに、訓練サンプルに過剰適合させ、新しいサンプルに対して不良に一般化させ得る。ある場合には、特徴抽出は、十分な正確度を伴って、データを正確に説明するために、変数の組み合わせを構築してもよい。ある場合には、特徴抽出は、過剰適合を防止しながら、十分な正確度を伴って、データを正確に説明するために、変数の組み合わせを構築してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、結果は、用途依存特徴の構築されたセットを使用して、改善され得る。ある場合には、構築されたセットは、専門家によって築かれてもよい。ある場合には、一般的次元低減技法が、使用されてもよい。ある場合には、一般的次元低減技法は、例えば、独立成分分析、アイソマップ、カーネルPCA、潜在的意味論分析、部分的最小2乗、主成分分析、多要因次元低減、非線形次元低減、多線形主成分分析、多線形部分空間学習、半正定値埋込、オートエンコーダ等であってもよい。
【0070】
ある場合には、数値特徴のセットは、特徴ベクトルによって説明されてもよい。ある場合には、特徴ベクトルは、あるオブジェクトを表す、数値特徴のn次元ベクトルであってもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、データ分析ソフトウェアパッケージが、特徴抽出を提供してもよい。ある場合には、データ分析ソフトウェアパッケージは、次元低減を提供してもよい。ある場合には、データ分析ソフトウェアパッケージは、MATLAB(登録商標)、SciLab、NumPy、またはR言語等のプログラミング環境を含んでもよい。ある場合には、プログラミング言語スクリプトが、特徴をEEG信号から抽出するために使用されてもよい。ある場合には、プログラミング言語スクリプトは、例えば、MATLAB(登録商標)、python、java(登録商標)、Javascript(登録商標)、Ruby、C、C++、またはPerl等であってもよい。
【0072】
ある場合には、複数の特徴は、複数のEEG信号内で固有であり得る。固有とは、測定され得る、EEG信号の特徴、例えば、EEG信号の振幅、EEG信号の持続時間、EEG信号の変動、EEG信号のパワー、EEG信号の局所最大値/最小値、EEG信号のパターン、EEG信号の規則性、EEG信号のスペクトルパワー分布、またはEEG信号の周波数等であり得る。ある場合には、複数の特徴は、特定の周波数を伴う信号のパワーの測定値であってもよい。周波数は、例えば、約0Hz~100Hzであってもよい。ある場合には、信号のパワーは、総パワーに正規化されてもよい。ある場合には、信号のパワーは、1つまたはそれを上回る信号間のパワーの比率であってもよい。ある場合には、特徴は、値を取得するために信号上で実施される関数であってもよい。例えば、関数は、信号(例えば、EEG信号)の二乗平均平方根(RMS)を測定し、信号のRMS値を取得し得る。ある場合には、特徴は、1つの信号(例えば、EEG信号)と1つまたはそれを上回る信号を比較してもよい。ある場合には、特徴は、1つまたはそれを上回る信号(例えば、EEG信号)と1つまたはそれを上回る信号を比較してもよい。ある場合には、特徴は、信号(例えば、EEG信号)の属性を測定してもよい。ある場合には、特徴は、信号(例えば、EEG信号)の1つまたはそれを上回る属性と信号の1つまたはそれを上回る属性を比較してもよい。属性は、例えば、EEG信号の固有の性質であってもよい。ある場合には、EEG信号の特徴は、持続的および/または離散時間であってもよい。
【0073】
ある場合には、複数の特徴は、少なくとも20の異なる時間および/または周波数特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、最大で1,000の時間および/または周波数特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、約10の特徴~200の特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、約10の特徴~100の特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、約10の特徴~50の特徴を含んでもよい。
【0074】
ある場合には、複数の特徴は、時間ドメイン、周波数ドメイン、時間-周波数ドメイン、情報理論、および非線形動態システム理論特徴と関連付けられる、複数の離散値を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、時間および/または周波数ドメイン特徴と関連付けられる、複数の離散値を含んでもよい。複数の特徴は、時間および/または周波数ドメイン特徴と関連付けられる、複数の持続的値を含んでもよい。
【0075】
ある場合には、複数の信号は、デジタル信号に変換されてもよい。ある場合には、複数の信号は、デジタル信号、次いで、アナログ信号に変換されてもよい。
【0076】
ある場合には、特徴は、EEG信号の一部からサンプリングされてもよい。特徴は、EEG信号の一部からサンプリングされ、要求される処理時間およびパワーを低減させてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、特徴は、ある加重値に関連してもよい。加重値は、発作を検出するために、1つの特徴により高いスコアを与えてもよい。より高いスコアは、特徴が発作活動を予測する際により関連し得ることを示し得る。本方法は、任意の所与の時間において、任意の特徴の加重値を調節してもよい。本方法は、増加および/または減少させることによって、任意の所与の時間において、任意の特徴の加重値を調節してもよい。
(b)機械学習を使用した分類
【0078】
いくつかの実施形態では、本方法は、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、個々に、チャネル毎の各時間的データセグメントの発作分類を実施することを含んでもよい。ある場合には、機械学習分類モジュールは、全てのチャネルに関してともに、各時間的データセグメントに関する発作分類を実施することを含んでもよい。ある場合には、機械学習分類モジュールは、1つまたはそれを上回る群の各時間的データセグメントに関する発作分類を実施することを含んでもよく、各群は、1つまたはそれを上回るチャネルから成る。図2は、前処理ステップから収集された/抽出される特徴を求め、特徴を分類し得る、機械学習分類モジュール250を示す。ある場合には、特徴は、前処理ステップを伴わずに、抽出されてもよい。
【0079】
ある場合には、機械学習アルゴリズムは、従来の統計的技法が十分ではない場合があるため、特徴間の関係を抽出し、引き出す必要があり得る。ある場合には、機械学習アルゴリズムは、従来の統計的技法と併用されてもよい。ある場合には、従来の統計的技法は、機械学習アルゴリズムに、前処理された特徴を提供してもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、複数の特徴は、任意の数のカテゴリに分類されてもよい。時間的セグメントは、例えば、発作陽性、発作陰性、発作様、不確実性発作活動等として分類され得る。ある場合には、複数の特徴は、1~20カテゴリに分類されてもよい。個々のカテゴリはまた、サブカテゴリに分割されてもよい。例えば、発作陽性として分類される時間的セグメントはさらに、焦点対一般化された発作事象に細分割されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、本方法は、機械学習アルゴリズムを複数の特徴に適用し、チャネル毎の各時間的データセグメントに関する発作二項分類を実施することを含んでもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、収集された1つまたはそれを上回る特徴は、機械学習分類に先立って、またはその間、破棄されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、ヒトは、機械学習分類に先立って/その間、特徴を選択および破棄してもよい。ある場合には、コンピュータが、特徴を選択および破棄してもよい。ある場合には、特徴は、閾値に基づいて、破棄されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、任意の数の特徴は、機械学習アルゴリズムによって分類されてもよい。機械学習アルゴリズムは、少なくとも10の特徴を分類してもよい。ある場合には、複数の特徴は、約10の特徴~200の特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、約10の特徴~100の特徴を含んでもよい。ある場合には、複数の特徴は、約10の特徴~50の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、例えば、教師なし学習アルゴリズム、教師あり学習アルゴリズム、またはそれらの組み合わせであってもよい。教師なし学習アルゴリズムは、例えば、クラスタ化、階層的クラスタリング、k平均法、混合モデル、DBSCAN、OPTICSアルゴリズム、異常検出、局所外れ値因子法、ニューラルネットワーク、オートエンコーダ、ディープビリーフネットワーク、ヘブ学習、敵対的生成ネットワーク、自己編成マップ、期待値最大化アルゴリズム(EM)、モーメント法、ブラインド信号源分離技法、主成分分析、独立成分分析、非負値行列因子分解、特異値分解、またはそれらの組み合わせであってもよい。教師あり学習アルゴリズムは、例えば、サポートベクトルマシン、線形回帰、ロジスティック回帰、線形判別分析、決定木、k-最近傍法アルゴリズム、ニューラルネットワーク、類似性学習、またはそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、深層ニューラルネットワーク(DNN)を含んでもよい。深層ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含んでもよい。CNNは、例えば、U-Net、ImageNet、LeNet-5、AlexNet、ZFNet、GoogleNet、VGGNet、ResNet18またはResNet等であってもよい。他のニューラルネットワークは、例えば、ディープフィードフォワードニューラルネットワーク、回帰型ニューラルネットワーク、LSTM(長短期メモリ)、GRU(ゲート付回帰型ユニット)、オートエンコーダ、変分オートエンコーダ、敵対的オートエンコーダ、デノイジングオートエンコーダ、スパースオートエンコーダ、ボルツマンマシン、RBM(制限BM)、ディープビリーフネットワーク、敵対的生成ネットワーク(GAN)、ディープ残差ネットワーク、カプセルネットワーク、またはアテンション/トランスフォーマネットワーク等であってもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、例えば、ランダムフォレスト、ブースト決定木、分類ツリー、回帰ツリー、バギングツリー、ニューラルネットワーク、または回転フォレストであってもよい。機械学習アルゴリズムは、各チャネルが、機械学習アルゴリズムの別個の反復を有し得るように、個々に、チャネル毎に抽出される複数の特徴に適用されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたはそれを上回る機械学習アルゴリズムを適用してもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、チャネルあたり1つまたはそれを上回る1つの機械学習アルゴリズムを適用してもよい。
【0087】
図2では、機械学習分類モジュール250は、任意の数の機械学習アルゴリズムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ランダムフォレスト機械学習アルゴリズムは、バギング決定木のアンサンブルであってもよい。ある場合には、バギング決定木のアンサンブルは、チャネル毎の各時間的データセグメントを(1)発作陽性または(2)発作陰性として分類してもよい。アンサンブルは、少なくとも約1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、500、1,000、またはそれを上回るバギング決定木であってもよい。アンサンブルは、最大で約1,000、500、250、200、180、160、140、120、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、4、3、2、またはそれ未満のバギング決定木であってもよい。アンサンブルは、約1~1,000、1~500、1~200、1~100、または1~10のバギング決定木であってもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、本方法は、機械学習分類子を任意の数のチャネルに適用することを含んでもよい。本方法は、機械学習分類子を少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、500、1,000、またはそれを上回るチャネルに適用することを含んでもよい。本方法は、機械学習分類子を最大で約1,000、500、100、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ未満のチャネルに適用することを含んでもよい。本方法は、機械学習分類子を約1~1,000、1~100、1~25、または1~5つのチャネルに適用することを含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、本方法は、機械学習分類子をチャネルのサブセットに適用することを含んでもよい。チャネルのサブセットは、チャネルの総セットの少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはそれを上回るものであってもよい。チャネルのサブセットは、チャネルの総セットの最大で約50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、またはそれ未満であってもよい。チャネルのサブセットは、チャネルの総セットの約1%~50%、1%~40%、1%~30%、1%~20%、1%~10%、または1%~5%であってもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、種々のパラメータを有してもよい。種々のパラメータは、例えば、学習率、小型バッチサイズ、訓練するためのエポックの数、運動量、学習加重減衰率、またはニューラルネットワーク層等であってもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、学習率は、約0.00001~0.1であってもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、小型バッチサイズは、約16~128であってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークは、ニューラルネットワーク層を備えてもよい。ニューラルネットワークは、少なくとも約2~1,000またはそれを上回るニューラルネットワーク層を有してもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、訓練するためのエポックの数は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、500、1,000、10,000、またはそれを上回るものであってもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、運動量は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、またはそれを上回るものであってもよい。いくつかの実施形態では、運動量は、最大で約0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、またはそれ未満であってもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、学習加重減衰率は、少なくとも約0.00001、0.0001、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、またはそれを上回ってもよい。いくつかの実施形態では、学習加重減弱は、最大で約0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0001、0.00001、またはそれ未満であってもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、損失関数を使用してもよい。損失関数は、例えば、回帰損失、平均絶対誤差、平均バイアス誤差、ヒンジ損失、Adamオプティマイザ、および/またはクロスエントロピであってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムのパラメータは、ヒトおよび/またはコンピュータシステムの助けを借りて、調節されてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、ある特徴を優先順位化してもよい。機械学習アルゴリズムは、発作を検出するためにより関連し得る、特徴を優先順位化してもよい。特徴は、特徴が別の特徴より頻繁に分類される場合、発作を検出するためにより関連し得る。ある場合には、特徴は、加重システムを使用して、優先順位化されてもよい。ある場合には、特徴は、特徴の頻度および/または発生数に基づいて、確率統計上で優先順位化されてもよい。機械学習アルゴリズムは、ヒトおよび/またはコンピュータシステムの助けを借りて、特徴を優先順位化してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、特徴のうちの1つまたはそれを上回るものは、機械学習または従来の統計的技法と併用され、セグメントがアーチファクトを含有する可能性が高いかどうかを決定してもよい。図2は、アーチファクト除斥モジュール255を示し、これは、アーチファクトを含有する、セグメントを識別する。識別されたアーチファクトは、電気干渉、電極不安定性または移動、対象移動、対象眼移動または瞬目、対象咀嚼、対象筋肉緊張、対象心電図アーチファクト等の結果であり得る。ある場合には、移動センサまたは他のセンサが、アーチファクト除斥モジュールへの付加的入力として使用されてもよい。ある場合には、識別されたアーチファクトは、発作分類において使用されないように除斥されることができる。ある場合には、識別されたアーチファクトは、低減、消去、または排除されることができ、残りの信号は、依然として、発作分類のために処理されてもよい。
【0101】
ある場合には、機械学習アルゴリズムは、ある特徴を優先順位化し、計算コストを低減させる、処理パワーを節約する、処理時間を節約する、信頼性を増加させる、またはランダムアクセスメモリ使用量を減少させる等してもよい。
III.発作負荷計算および出力
(a)制御方針および発作負荷
【0102】
いくつかの実施形態では、発作二項分類は、チャネル毎の各時間的データセグメントを(1)発作陽性または(2)発作陰性として分類することを含んでもよい。発作二項分類は、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、機械学習アルゴリズムを使用してもよい。本方法は、移動時間窓にわたって、複数のチャネルに関して、複数の時間的データセグメントに関する発作二項分類を集約することを含んでもよい。集約された発作分類は、図2に示されるように、発作負荷計算および出力モジュール270の制御方針モジュール275に従ってもよい。図2は、発作負荷計算および出力モジュール270を示す。図2に示されるように、発作負荷計算および出力モジュール270は、制御方針モジュール275と、発作負荷計算モジュール280と、発作負荷プロットモジュール285と、発作負荷通知モジュール290とを備えてもよい。それぞれ、本明細書のいずれかの場所に説明されるように、制御方針モジュール275は、制御方針を実装するように構成されてもよく、発作負荷計算モジュール280は、発作負荷値を計算するように構成されてもよく、発作負荷プロットモジュール285は、発作負荷値をプロットするように構成されてもよく、発作負荷通知モジュール290は、通知を提供するように構成されてもよい。
【0103】
ある場合には、移動窓は、1分~1時間の期間を有してもよい。ある場合には、移動窓の期間は、固定される代わりに、動的または調節可能であってもよい。ある場合には、移動窓の期間は、対象に依存し得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るチャネル上の発作陽性分類のクラスタは、制御方針モジュール275に従って、対応するタイムエポックにわたる患者の発作の全体的決定をもたらしてもよい。
【0105】
制御方針は、対応するタイムエポックにわたる患者に関する発作の全体的決定をもたらす、ルールのセットであってもよい。制御方針は、パラメータのセットを入力としてとり、ルールのセットに従って、パラメータのセットに作用し、対応するタイムエポックにわたる患者に関する発作の全体的決定をもたらしてもよい。ルールのセットは、本明細書のいずれかの場所で説明される通りであってもよい。ルールのセットは、任意の時点において調節され、より多くのパラメータに作用する、またはより少ないパラメータに作用してもよい。ルールのセットは、任意の時点において調節され、より多いルールを含む、またはルールを除去してもよい。ルールのセットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、500、1,000、またはそれを上回るルールであってもよい。ルールのセットは、最大で約1,000、500、100、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ未満のルールであってもよい。ルールのセットは、約1~1,000、1~500、1~100、1~25、1~10、1~5、または1~3つのルールであってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、制御方針のためのパラメータの入力は、発作陽性としてのチャネルの分類数、発作陰性としてのチャネルの分類数、発作陽性としてのチャネルの分類、発作陰性としてのチャネルの分類、対応するタイムエポック、チャネル数、分類のために使用される機械学習アルゴリズム、移動窓時間長、各チャネルの接続の品質、EKG信号から導出される情報、EMG信号から導出される情報、患者の人口統計に関する情報、患者の現在または以前の条件に関する情報、患者に適用される治療または投薬療法に関する情報、移動センサ(例えば、加速度計または慣性測定ユニット)から導出される情報等を含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、制御方針は、任意の数のパラメータの入力を有してもよい。制御方針は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、50、100、500、1,000、またはそれを上回るパラメータの入力を有してもよい。制御方針は、最大で約1,000、500、100、50、25、20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ未満のパラメータの入力を有してもよい。制御方針は、約1~1,000、1~500、1~100、1~50、1~25、1~15、1~10、または1~5つのパラメータの入力を有してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、ルールのセットは、制御方針がチャネルの分類を破棄することを決定付けてもよい。例えば、制御方針が、対応するタイムエポックにわたって、単一発作陽性分類の入力を受信する場合、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる発作陽性分類を破棄してもよい。ある場合には、制御方針は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、50、100、500、またはそれを上回る発作陽性分類を受信してもよく、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる各発作陽性分類を破棄してもよい。ある場合には、制御方針は、最大で約500、100、50、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ未満の発作陽性分類を受信してもよく、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる各発作陽性分類を破棄してもよい。ある場合には、制御方針は、約1~500、1~100、1~50、1~10、または1~5つの発作陽性分類を受信してもよく、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる各発作陽性分類を破棄してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、ルールのセットは、制御方針が、タイムエポックに対応するチャネルのセットに関する発作陽性分類を出力することを決定付けてもよい。例えば、制御方針が、それぞれ、対応するタイムエポックにわたって、発作陽性分類を登録する、4つまたはそれを上回るチャネルのセットを受信する場合、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる発作陽性分類を出力してもよい。ある場合には、制御方針は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、1,000、またはそれを上回るチャネルの発作陽性分類のセットを受信してもよく、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる発作陽性分類のセットに関する発作陽性分類を出力してもよい。ある場合には、制御方針は、最大で約1,000、100、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ未満のチャネルの発作陽性分類のセットを受信してもよく、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる発作陽性分類のセットに関する発作陽性分類を出力してもよい。ある場合には、制御方針は、約1~1,000、1~500、1~100、1~50、1~25、1~10、または1~5つの発作陽性分類のセットを受信してもよく、ルールのセットは、対応するタイムエポックにわたる発作陽性分類のセットに関する発作陽性分類を出力してもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、本方法は、患者の発作負荷を規定された期間内の発作陽性分類のパーセンテージとして計算することを含んでもよい。図2に示されるように、発作負荷計算モジュール280は、患者の発作負荷を計算するように構成されてもよい。ある場合には、発作負荷計算のために使用される期間は、1分~1時間であってもよい。ある場合には、発作負荷計算のために使用される期間は、記録セッションの全体であってもよい。ある場合には、発作負荷計算のために使用される期間は、固定される代わりに、動的または調節可能であってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、発作負荷は、ある時間の移動窓にわたる発作負荷を計算し、個々の順次期間にわたる発作負荷値をもたらすことによって、持続的出力測定値を形成してもよい。ある場合には、移動窓の期間は、1分~1時間であってもよい。ある場合には、移動窓の期間は、固定される代わりに、動的または調節可能であってもよい。ある場合には、移動窓によって形成される順次期間は、重複してもよい。ある場合には、移動窓によって形成される順次期間は、非重複してもよい。ある場合には、移動窓は、1秒~1時間の時間インクリメントにおいて移動してもよい。ある場合には、移動窓は、結果として生じる発作負荷値が持続的ではないまたは順次時間ではないように、期間を休止またはスキップしてもよい。
【0112】
図2は、対象の発作負荷をプロットするように構成される、発作負荷プロットモジュール285を示す。図3に示されるように、発作負荷出力は、各点がある期間にわたる発作負荷を表す、時系列プロット310として、ユーザに表示されてもよい。いくつかの実施形態では、発作負荷出力は、1つまたはそれを上回る閾値(例えば、10%、50%、90%等)をユーザに時系列プロット上で表示してもよい。いくつかの実施形態では、発作負荷出力は、時系列プロット、棒グラフ、またはチャート等として、ユーザに表示されてもよい。いくつかの実施形態では、時系列プロットは、ある色で描写され、超えた閾値に着目してもよい。図3に示されるように、発作負荷の時系列プロットが、ある期間にわたって、50%閾値を超えると、時系列プロットは、灰色から橙色に変化してもよい。ある場合には、時系列プロットが、90%を超えると、時系列プロットは、橙色から赤色に変化してもよい。時系列プロットは、任意の色であってもよく、閾値の超過は、任意の色で図示されてもよい。ある場合には、発作負荷プロットモジュールは、様々な情報、例えば、測定された期間、日付、または初期入手時間等を表示してもよい。ある場合には、発作負荷プロットは、保健医療実践者によって、対象の条件を査定し、治療の過程を決定するために使用可能であり得る。発作負荷プロットはまた、保健医療実践者によって、対象の条件の経時的進行度を監視する、または治療の過程の有効性を監視するために使用可能であり得る。
【0113】
図2は、通知を発生させるように構成される、発作負荷通知モジュール290を示す。いくつかの実施形態では、本方法は、発作陽性分類が、行われると、または発作負荷値が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えると、1つまたはそれを上回る通知を発生させることを含んでもよい。図4に示されるように、発作負荷値が、閾値に等しいかまたはそれを超える(例えば、90%閾値)と、本システムは、対象(例えば、患者)またはユーザ(例えば、保健医療実践者、医師、看護士等)に、本システムが持続的発作活動を検出していることの通知410を表示してもよい。通知はまた、任意の色を含んでもよい。例えば、通知を表示する画面の背景は、赤色であってもよい。通知のテキストは、任意の色、例えば、白色であってもよい。画面の背景の色は、発作負荷計算の値と相関してもよい。例えば、発作負荷が、閾値に等しいかまたはそれを上回る場合、画面の背景の選択された色は、発作負荷が、閾値に等しいかまたはそれを上回ることを示し得る。通知のテキストの色は、発作負荷計算の値と相関してもよい。例えば、発作負荷が、閾値に等しいかまたはそれを上回る場合、通知のテキストの選択された色は、発作負荷が、閾値に等しいかまたはそれを上回ることを示し得る。
【0114】
本システムはまた、検出された持続的発作活動の通知に加え、様々な情報を対象またはユーザに表示してもよい。本システムは、発作負荷プロット415、計算される発作負荷のパーセンテージ420、それにわたって持続的発作活動が検出された期間(例えば、7:40pm~7:50pm)等を表示してもよい。1つまたはそれを上回る通知は、保健医療実践者によって、対象の条件を査定し、治療の過程を決定するために使用可能であり得る。ある場合には、1つまたはそれを上回る通知は、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、発作負荷値が、1つまたはそれを上回る閾値に等しいかまたはそれを超えるとき、発生されてもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回る通知は、視覚的、オーディオ、および/またはテキストアラートの形態において発生されてもよい。デバイスは、スピーカ425を含み、オーディオ通知を提供してもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回る通知は、インターネット、電話、ファックス、ポケベル、ショートメッセージサービス等のネットワーク化された通信技術を介して、送達されてもよい。ある場合には、発生される1つまたはそれを上回る通知の形態、コンテンツ、または送達機構は、発作負荷値に依存し得る。ある場合には、ユーザは、発生される1つまたはそれを上回る通知の形態、コンテンツ、または送達機構を選択することが可能であり得る。
【0115】
図5は、本明細書に説明される方法およびシステムによって提供される発作検出出力510を示す、例証を示す。インターフェースは、EEGデバイスモジュール110からの複数のチャネルに関するEEG信号活動のインジケーションを提供してもよい。図5は、例えば、時間表示、スケール、高域通過周波数、低域通過周波数、またはノッチ値等、ユーザが調節し得る、パラメータの実施例を示す。インターフェースはまた、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、発作負荷プロットを提供してもよい。インターフェースはまた、異なる期間にわたる発作負荷結果を提供してもよい。インターフェースはまた、時間セグメント毎に、発作決定を描写してもよい。インターフェースはまた、ユーザが、アルゴリズム導出発作決定または発作負荷計算を承認または否認するための機構を提供してもよい。インターフェースはまた、ユーザが、セグメントまたは発作負荷を含有する、発作のその独自の決定を入力するための機構を提供してもよい。ある場合には、発作負荷は、発作エピソードまたは発作負荷に関するユーザが打ち込んだ情報の結果として、調節されてもよい。表示される発作負荷および発作負荷通知は、アルゴリズム導出発作決定のみ、ユーザが打ち込んだ発作決定のみ、またはアルゴリズムとユーザ発作決定の組み合わせに基づいてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、発作負荷計算モジュールは、発作負荷値を計算してもよい。発作負荷通知モジュールは、発作負荷値が閾値を超える場合、通知を出力してもよい。例えば、発作負荷値が、10%の閾値を超える場合、通知が、発生されてもよい。別の実施例では、発作負荷値が、50%の閾値を超える場合、通知が、発生されてもよい。別の実施例では、発作負荷値が、90%の閾値を超える場合、通知が、発生されてもよい。ある場合には、頻繁な発作活動を示す、第1の通知は、発作負荷が、10%の第1の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生されてもよい。ある場合には、大量の発作活動を示す、第2の通知は、発作負荷が、50%の第2の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生されてもよい。ある場合には、持続的発作活動を示す、第3の通知は、発作負荷が、90%の第3の閾値に等しいかまたはそれを超えるときに発生されてもよい。ある場合には、通知は、本方法が通知するようにプログラムされる、具体的人物に発生されてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、通知のための閾値は、任意のパーセンテージであってもよい。通知のための閾値は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれを上回ってもよい。通知のための閾値は、最大で約99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、1%、またはそれ未満であってもよい。通知のための閾値は、約0%~100%、1%~99%、5%~95%、10%~90%、20%~80%、30%~70%、または40%~60%であってもよい。通知のための閾値はまた、ユーザ調節可能であってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、発作負荷通知モジュールは、任意の数の閾値を有してもよい。発作負荷通知モジュールは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、500、1,000、5,000、またはそれを上回る閾値を有してもよい。発作負荷通知モジュールは、最大で約5,000、1,000、500、100、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ未満を有してもよい。発作負荷通知モジュールは、約1~5,000、1~1,000、1~500、1~100、1~50、1~25、1~10、または1~5の閾値を有してもよい。閾値の数量は、任意の時点で増加または減少されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、発作負荷通知モジュールは、任意の数の通知を提供してもよい。発作負荷通知モジュールは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、100、500、1,000、またはそれを上回る通知を提供してもよい。発作負荷通知モジュールは、最大で約1,000、500、100、50、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ未満の通知を提供してもよい。発作負荷通知モジュールは、約1~1,000、1~500、1~100、1~50、1~25、1~10、または1~5つの通知を提供してもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、発作負荷計算および出力モジュールは、発作負荷閾値に加え、通知を出力するための基準を適用してもよい。ある場合には、発作負荷が閾値を上回る持続時間が、通知が出力されるかどうかを決定するために使用されてもよい。ある場合には、発作負荷閾値の以前の超過以降の時間量が、通知が出力されるかどうかを決定するために使用されてもよい。ある場合には、動的基準が、時間ベース、発作負荷ベース、および他の方針の組み合わせとともに適用され、通知が出力されるかどうかを決定してもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、本システムは、他のシステムと結合されてもよい。ある場合には、本システムは、眼追跡器、移動センサ(例えば、加速度計または慣性測定ユニット)、筋電図(EMG)、心電図(ECGまたはEKG)等であってもよい。
IV.発作検出後
【0122】
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、1つまたはそれを上回る通知を発生させることを含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、本方法は、ユーザに、検出された発作を最小限にする、または防止するための応答を提供してもよい。本方法は、発作の発症のリスクを最小限にする、または低減させるための応答を提供してもよい。ある場合には、療法薬が、対象に、予測される発作を防止および/または緩和するために送達されてもよい。ある場合には、神経変調信号パターンが、対象に印加され、予測される発作を防止および/または緩和してもよい。ある場合には、本方法は、対象に送達される神経変調または療法薬の数量を調節してもよい。
V.コンピュータシステム
【0124】
本開示は、発作検出システムの制御を含む、本開示の方法を実装し、ハードウェア構成要素を制御すること、データを受信および処理すること、ユーザとインターフェースをとること等を行うようにプログラムされる、コンピュータシステムを提供する。発作検出システムおよびその種々の構成要素は、コンピュータ制御システムに電気的に接続され得る、コンピュータハードウェア(および関連付けられるファームウェア)を含んでもよい。制御ユニットは、そのようなコンピュータシステムを含んでもよい。
【0125】
図6は、EEGデバイスモジュールおよび発作検出モジュールを動作および/または制御するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステム601を示す。コンピュータシステム601は、例えば、EEG信号を処理する、EEG信号をセグメント化する、特徴を抽出する、機械学習アルゴリズムを用いて特徴を処理する、制御方針および発作負荷を実装する、発作負荷値を計算する、発作負荷をプロット化する、通知を提供する等の本開示の発作検出システムの種々の側面を調整することができる。コンピュータシステム601は、ユーザの電子デバイスまたは電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムであることができる。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであることができる。
【0126】
コンピュータシステム601は、中央処理ユニット(CPU、本明細書ではまた、「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)605を含み、これは、シングルコアまたはマルチコアプロセッサまたは並列処理のための複数のプロセッサであることができる。コンピュータシステム601はまた、メモリまたはメモリ場所610(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット615(例えば、ハードディスク)と、1つまたはそれを上回る他のシステムと通信するための通信インターフェース620(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス625とを含む。メモリ610、記憶ユニット615、インターフェース620、および周辺デバイス625は、マザーボード等の通信バス(実線)を通して、CPU605と通信する。記憶ユニット615は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であることができる。コンピュータシステム601は、通信インターフェース620の助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)630に動作可能に結合されることができる。ネットワーク630は、インターネット、インターネットおよび/またはエクストラネット、またはインターネットと通信する、イントラネットおよび/またはエクストラネットであることができる。ネットワーク630は、ある場合には、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク630は、1つまたはそれを上回るコンピュータサーバを含むことができ、これは、クラウドコンピューティング等の分散型コンピューティングを可能にすることができる。ネットワーク630は、ある場合には、コンピュータシステム601の助けを借りて、ピアツーピアネットワークを実装することができ、これは、コンピュータシステム601に結合されるデバイスが、クライアントまたはサーバとして挙動することを可能にし得る。
【0127】
CPU605は、機械可読命令のシーケンスを実行することができ、これは、プログラムまたはソフトウェア内に具現化されることができる。命令は、メモリ610等のメモリ場所内に記憶されてもよい。命令は、CPU605に指向されることができ、これは、続いて、CPU605が、本開示の方法を実装するようにプログラムまたは別様に構成することができる。CPU605によって実施される動作の実施例は、フェッチ、デコーディング、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0128】
CPU605は、集積回路等の回路の一部であることができる。システム601の1つまたはそれを上回る他の構成要素は、回路内に含まれることができる。ある場合には、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0129】
記憶ユニット615は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラム等のファイルを記憶することができる。記憶ユニット615は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選好およびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム601は、ある場合には、イントラネットまたはインターネットを通してコンピュータシステム601と通信する、遠隔サーバ上に位置するようなコンピュータシステム601の外部にある、1つまたはそれを上回る付加的データ記憶ユニットを含むことができる。
【0130】
コンピュータシステム601は、ネットワーク630を通して、1つまたはそれを上回る遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム601は、ユーザの遠隔コンピュータシステム(例えば、発作検出システム管理装置、発作検出システムユーザ、発作検出データ入手装置、発作検出システムスクライブ等)と通信することができる。遠隔コンピュータシステムの実施例は、サーバ、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標) iPad(登録商標)、Samsung(登録商標) Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標) iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス、BlackBerry(登録商標))、または携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク630を介して、コンピュータシステム601にアクセスすることができる。ある場合には、EEGデバイスモジュールおよび発作検出モジュールは、同一コンピュータシステム内に位置するであろう。ある場合には、EEGデバイスモジュールは、1つのコンピュータシステム内に位置し、これは、発作検出モジュールを含有する、遠隔コンピュータシステムにネットワーク化される。発作検出を実施後、遠隔コンピュータシステムは、次いで、発作検出結果を、EEGデバイスモジュールを含有する、コンピュータシステムに、および発作検出結果表示のために使用され得る、他の遠隔コンピュータシステムに伝送することができる。ある場合には、発作検出モジュールの異なる部品は、異なるコンピュータシステム内に位置してもよく、これは、ともにネットワーク化されている。
【0131】
本明細書に説明されるような方法は、例えば、メモリ610または電子記憶ユニット615上等、コンピュータシステム601の電子記憶場所上に記憶される、機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装されることができる。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態において提供されることができる。使用の間、コードは、プロセッサ605によって実行されることができる。ある場合には、コードは、プロセッサ605による容易なアクセスのために、記憶ユニット615から読み出され、メモリ610上に記憶されることができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット615は、除外されることができ、機械実行可能命令は、メモリ610上に記憶される。
【0132】
コードは、コードを実行するように適合されるプロセッサを有する機械と併用するために、事前にコンパイルおよび構成されることができる、またはランタイムの間にコンパイルされることができる。コードは、コードが事前にコンパイルまたはコンパイルされたままの方式において実行されることを可能にするように選択され得る、プログラミング言語で供給されることができる。
【0133】
コンピュータシステム601等の本明細書に提供されるシステムおよび方法の側面は、プログラミングにおいて具現化されることができる。本技術の種々の側面は、典型的には、機械可読媒体のタイプ上で搬送される、またはその中に具現化される、機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連付けられるデータの形態における、「製品」または「製造品」と見なされ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)等の電子記憶ユニットまたはハードディスク上に記憶されることができる。「記憶装置」タイプ媒体は、種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、および同等物等、コンピュータ、プロセッサ、または同等物、またはその関連付けられるモジュールのあらゆる有形メモリを含むことができ、これは、随時、ソフトウェアプログラミングのための非一過性記憶装置を提供し得る。ソフトウェアの全部または一部は、随時、インターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを通して、通信されてもよい。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のもの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を担持し得る、別のタイプの媒体は、ローカルデバイス間の物理的インターフェースを横断して、有線および光学地上ネットワークを通して、および種々の無線リンクを経由して使用されるような光学、電気、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光学リンク、または同等物等のそのような波を搬送する、物理的要素もまた、ソフトウェアを担持する媒体と見なされ得る。本明細書で使用されるように、非一過性有形「記憶装置」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のために命令をプロセッサに提供することに関わる、任意の媒体を指す。
【0134】
故に、コンピュータ実行可能コード等の機械可読媒体は、限定ではないが、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む、多くの形態をとってもよい。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベース等を実装するために使用され得るような任意のコンピュータまたは同等物内の記憶デバイスのいずれか等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリ等の動的メモリを含む。有形伝送媒体は、コンピュータシステム内にバスを備えるワイヤを含む、同軸ケーブル、銅ワイヤ、および光ファイバを含む。担体波伝送媒体は、無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信の間に発生されるもの等の電気または電磁信号または音響または光波の形態をとってもよい。コンピュータ可読媒体の一般的形態は、したがって、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、可撓性ディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を搬送する搬送波、そのような担体波を搬送するケーブルまたはリンク、またはそこからコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り得る、任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行のために、1つまたはそれを上回る命令の1つまたはそれを上回るシーケンスをプロセッサに搬送する際に関わり得る。
【0135】
コンピュータシステム601は、例えば、発作検出システムおよび機能性を制御するようにプログラムされる、管理者がソフトウェアにアクセスするためのログイン画面を提供するための、および/または発作検出システムの動作ステータス健全性を提供するためのユーザインターフェース(UI)640を備える、電子ディスプレイ635を含む、またはそれと通信することができる。UIの実施例は、限定ではないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0136】
本開示の方法およびシステムは、1つまたはそれを上回るアルゴリズムを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット605による実行に応じて、ソフトウェアを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、例えば、本明細書のいずれかの場所に説明されるソフトウェアの構成要素であることができ、発作検出システムパラメータ(例えば、EEG信号の処理、機械学習アルゴリズム、制御方針、発作負荷、通知等)を変調させてもよい。
【0137】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に図示および説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。本発明が、本明細書内に提供される具体的実施例によって限定されることを意図するものではない。本発明は、前述の明細書を参照して説明されているが、本明細書の実施形態の説明および例証は、限定的意味において解釈されることを意図するものではない。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面は、本明細書に記載される具体的描写、構成、または相対的割合に限定されず、これは、種々の条件および変数に依存することを理解されたい。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。したがって、本発明はまた、任意のそのような代替、修正、変形例、または均等物を網羅するものとすることが検討される。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項およびその均等物の範囲内の方法および構造が、それによって網羅されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6