(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】圧力脈動に対応するフィルタ減衰デバイス
(51)【国際特許分類】
B01D 29/11 20060101AFI20240910BHJP
F16K 15/14 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B01D29/10 510C
F16K15/14 D
(21)【出願番号】P 2022527836
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(86)【国際出願番号】 US2020054997
(87)【国際公開番号】W WO2021096621
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-05-12
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リース、ジェフリー アール.
(72)【発明者】
【氏名】イメル、ジョン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス、ハビエル エー.
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-289395(JP,A)
【文献】特開平08-173714(JP,A)
【文献】特開昭55-111809(JP,A)
【文献】特開平07-243575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-29/96,33/00-35/05,35/10-37/04
F16L 51/00-55/48
F02M 37/00-37/54
F16K 15/00-15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に円筒形の構成を含み、長手方向軸(216)及び半径方向(218)を規定する交換可能なフィルタ要素(200’)であって、前記フィルタ要素(200’)が、
中央通路(219)を規定する環状フィルタ媒体(202)と、
中央リザーバ(204)を規定する前記環状フィルタ媒体(202)の前記中央通路(219)内に配設されたセンターチューブ(206)(前記環状フィルタ媒体(202)は、前記センターチューブ(206)及び前記中央リザーバ(204)を取り囲む)と、
前記長手方向軸(216)に沿って配設された前記センターチューブ(206)に結合された頂部開放端部(220)であって、流体が前記中央リザーバ(204)から前記フィルタ要素(200’)の外部に流れることを可能にする開口部(210)を含む、頂部開放端部(220)と、
前記長手方向軸(216)に沿って配設された前記頂部開放端部(220)の反対側の前記センターチューブ(206)に結合された底部開放端部(222)と、
前記センターチューブ(206)の前記中央リザーバ(204)内に配設されたバルブ自由端(246)を規定する可撓性バルブ(244)を含むフィルタ脈動減衰デバイス(224’)と、を備え
、
前記底部開放端部(222)から前記センターチューブ(206)に挿入され、前記長手方向軸(216)に沿って延在するハウジングボルト(300’)をさらに含み、前記ハウジングボルト(300’)が、ハウジングボルト(300’)から長手方向上方及び半径方向外方に延び、前記バルブ自由端(246)の半径方向外方及び長手方向下側に配設されて0mmから10.0mmの範囲にある最小ギャップ距離(266)を有するギャップ(264)を規定する内側バッフル自由端(324)で終端する半径方向内側バッフル(322)をさらに備える、交換可能なフィルタ要素(200’)。
【請求項2】
前記可撓性バルブ(244)が、前記フィルタ要素(200’)の前記センターチューブ(206)又は前記頂部開放端部(220)から半径方向内方及び長手方向下方に延びる、請求項1に記載の交換可能なフィルタ要素(200’)。
【請求項3】
前記可撓性バルブ(244)が、前記センターチューブ(206)から延びる、請求項2に記載の交換可能なフィルタ要素(200’)。
【請求項4】
前記可撓性バルブ(244)の長手方向下側に配設された前記センターチューブ(206)から延びる半径方向外側バッフル(256)をさらに備える、請求項3に記載の交換可能なフィルタ要素(200’)。
【請求項5】
前記半径方向外側バッフル(256)が、前記センターチューブ(206)から長手方向下方及び半径方向内方に延び、前記半径方向外側バッフル(256)が、前記バルブ自由端(246)から長手方向下側及び半径方向外方に離間している外側バッフル自由端(258)で終端し、
前記半径方向外側バッフル(256)が、熱可塑性材料を備え、前記可撓性バルブ(244)が、エラストマー材料を備え、前記半径方向外側バッフル(256)が、0.1mmから5.0mmの範囲にある外側バッフル厚さ(260)を有する、請求項4に記載の交換可能なフィルタ要素(200’)。
【請求項6】
パルスを軽減するように構成されたキャニスターフィルタシステム(100’)であって、前記キャニスターフィルタシステム(100’)が、
少なくとも部分的に円筒形の構成を含み、長手方向軸(216)及び半径方向(218)を規定するフィルタ要素(200’)であって、前記フィルタ要素(200’)が、
中央通路(219)を規定する環状フィルタ媒体(202)と、
中央リザーバ(204)を規定する前記環状フィルタ媒体(202)の前記中央通路(219)内に配設されたセンターチューブ(206)(前記環状フィルタ媒体(202)は、前記センターチューブ(206)及び前記中央リザーバ(204)を取り囲む)と、
前記長手方向軸(216)に沿って配設された前記センターチューブ(206)に結合された頂部開放端部(220)であって、流体が前記中央リザーバ(204)から前記フィルタ要素(200’)の外部に流れることを可能にする開口部(210)を含む、頂部開放端部(220)と、
前記長手方向軸(216)に沿って配設された前記頂部開放端部(220)の反対側の前記センターチューブ(206)に結合された底部開放端部(222)と、を備える、フィルタ要素(200’)と、
前記底部開放端部(222)から前記センターチューブ(206)に挿入され、前記長手方向軸(216)に沿って延在するハウジングボルト(300’)と、
前記流体が前記キャニスターフィルタシステム(100’)に入る流入口チャネル(106)と、前記流体が前記キャニスターフィルタシステム(100’)から出る流出口チャネル(108)を含み、前記長手方向軸(216)に沿って、少なくとも前記フィルタ要素(200’)の一部を覆うように配設されたベース(102)と、
前記ベース(102)に保持され、前記フィルタ要素(200’)を内包するキャニスター(104)と、
フィルタ脈動減衰デバイス(224’)と、を備え、
前記フィルタ脈動減衰デバイス(224’)が、前記ハウジングボルト(300’)から延び、第1のバッフル自由端(240’’)で終端する第1のバッフル(226’’)と、前記第1のバッフル自由端(240’’)の半径方向内方及び長手方向上側に配設されたバルブ自由端(246)を規定する、前記フィルタ要素(200’)から延びる、可撓性バルブ(244)と、を含み、前記バルブ自由端(246)と前記可撓性バルブ(244)との間にシャットオフギャップ距離(248)が規定される、キャニスターフィルタシステム(100’)。
【請求項7】
前記可撓性バルブ(244)が、前記フィルタ要素(200’)の前記センターチューブ(206)又は前記頂部開放端部(220)から半径方向内方及び長手方向下方に延び、前記シャットオフギャップ距離(248)が、0.1mmから5.0mmの範囲にある、請求項
6に記載のキャニスターフィルタシステム(100’)。
【請求項8】
前記可撓性バルブ(244)が、前記センターチューブ(206)から延び、前記フィルタ要素(200’)の前記中央リザーバ(204)で終端する、請求項
7に記載のキャニスターフィルタシステム(100’)。
【請求項9】
前記頂部開放端部(220)、又は可撓性バルブ(244)の長手方向下側にある前記フィルタ要素(200’)の前記センターチューブ(206)のいずれかから延びる支持バッフル(250)(前記支持バッフル(250)は、前記バルブ自由端(246)の半径方向外方及び長手方向下側に配設された支持バッフル自由端(252)で終端する)と、
前記フィルタ要素(200’)の前記頂部開放端部(220)の長手方向下側に延びる蛇行形状を含み、前記バルブ自由端(246)の長手方向上側に配設された第2のバッフル自由端(254)で終端する第2のバッフル(228’)と、をさらに備える、請求項
8に記載のキャニスターフィルタシステム(100’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、交換可能なフィルタ要素を使用するキャニスタースタイルのフィルタシステムに関する。より具体的には、本開示は、汚れた流体がフィルタ要素の濾過媒体によって濾過されることを確実にするのを助けるシールを提供しながら、フィルタ要素を軸方向及び半径方向に所望の位置に位置決めするための位置決め機能及びシール機能を含むフィルタ要素に関する。
【背景技術】
【0002】
液体フィルタシステムは、ガス、オイル、ディーゼル燃料などの種々の流体を濾過して、これらの流体から汚染物質を除去するものとして知られている。場合によっては、フィルタは、流体にパルスを生成し得るポンプ、エンジン、又は他の同様のデバイスと流体連通していて、フィルタに到達し得る流体が濾過される。圧力パルスは、フィルタが動作する環境に応じて、実際の使用でフィルタの効率を低下させる可能性があることが示されている。
【0003】
米国特許第8,479,712号は、圧力パルスによって引き起こされる上流の燃料通路内の燃料圧力の上昇に起因してバルブチャンバー内で変位するピストンを含む脈動低減装置を開示している。バルブチャンバーと下流の燃料通路との間の流体連通は遮断され、バルブチャンバーと戻り通路との間の流体連通は遮断されていないため、流体のバイパス流が可能になる。したがって、圧力パルスは、戻り通路に伝導され、複数の流れ制限オリフィスを含む脈動低減メカニズムによって減衰される。燃料は、いったんオリフィスを通過すると、戻り通路を通って上流の燃料通路に戻される。
【0004】
明らかなように、’712特許は、圧力パルス保護を提供するために、フィルタの外部に追加のメカニズムを必要としている。この追加のメカニズムは、システムの総コストを増加させ、メンテナンス自体が必要になる場合がある。
【0005】
したがって、複雑性の低い、低コストで、保守がより容易な圧力パルス保護メカニズムを開発することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一実施形態による、少なくとも部分的に円筒形の構成を含み、長手方向軸及び半径方向を規定する交換可能なフィルタ要素が提供される。フィルタ要素は、中央通路を規定する環状フィルタ媒体と、中央リザーバを規定する環状フィルタ媒体の中央通路内に配設されたセンターチューブ(環状フィルタ媒体は、センターチューブ及び中央リザーバを取り囲む)と、長手方向軸に沿って配設されたセンターチューブに結合された頂部開放端部であって、流体が中央リザーバからフィルタ要素の外部に流れることを可能にする開口部を含む、頂部開放端部と、長手方向軸に沿って配設された頂部開放端部の反対側のセンターチューブに結合された底部開放端部と、を備え得る。センターチューブの中央リザーバ内に配設されたバルブ自由端を規定する可撓性バルブを含むフィルタ脈動減衰デバイスも提供され得る。
【0007】
本開示の一実施形態による、フィルタ脈動減衰デバイスを提供するためのフィルタ要素と共に使用するためのハウジングボルトが提供される。ハウジングボルトは、円筒軸及び半径方向を規定する少なくとも部分的に円筒形の本体を備え得、ヘッド直径を規定するヘッドと、ヘッドから軸方向に延びるシャフト部分であって、ヘッド直径より小さいシャフト部分直径を規定し、フィルタ要素の一部分と接触するように構成された支持面を形成する、シャフト部分と、を含み得る。第1のバッフルは、シャフト部分から延び得、ヘッドから軸方向に離れて、そしてシャフト部分から半径方向に離れて延び得る。
【0008】
本開示の一実施形態による、パルスを軽減するように構成されたフィルタとフィルタベースとの間のパルス減衰インターフェースが提供される。インターフェースは、少なくとも部分的に円筒形の構成を含み、長手方向軸及び半径方向を規定するフィルタ要素を備え得る。フィルタ要素は、中央通路を規定する環状フィルタ媒体と、中央リザーバを規定する環状フィルタ媒体の中央通路内に配設されたセンターチューブを備え得、環状フィルタ媒体は、センターチューブ及び中央リザーバを取り囲む。頂部開放端部は、長手方向軸に沿って配設されたセンターチューブに結合され得、頂部開放端部は、流体が中央リザーバからフィルタ要素の外部に流れることを可能にする開口部を含み、底部開放端部は、長手方向軸に沿って配設された頂部開放端部の反対側のセンターチューブに結合され得る。ハウジングボルト及びベースも提供され得る。フィルタ脈動減衰デバイスは、ハウジングボルトから延び、第1のバッフル自由端で終端する第1のバッフルと、第1のバッフル自由端の半径方向内方及び長手方向上側に配設されたバルブ自由端を規定する、フィルタ要素から延びる可撓性バルブと、を含み得、第1のバッフルバルブ自由端と可撓性バルブとの間にシャットオフギャップ距離が規定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】圧力パルスが本開示の一実施形態によるフィルタ要素に到達するのを防ぐために小さな通路及びバッフルを使用する濾過脈動減衰デバイスを示すフィルタアセンブリの正面断面図である。
【
図2】
図1のフィルタアセンブリの濾過脈動減衰デバイスの拡大詳細図である。
【
図3】圧力パルスが本開示の別の実施形態によるフィルタ要素に到達するのを防ぐためにゴムバルブを使用する濾過脈動減衰デバイスを示すフィルタアセンブリの正面断面図である。
【
図4】
図3のフィルタアセンブリの濾過脈動減衰デバイスの拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を、添付の図面に示す。可能な限り、図面全体にかけて同一の参照番号が同一又は類似の部分を指すために使用されるであろう。いくつかの場合、参照番号が本明細書に表示され、図面は、後に文字が続く参照番号、例えば100a、100b、又はプライム表示、例えば100’、100’’などを示すであろう。参照番号のすぐ後に文字又はプライムを使用することは、これらの特徴が類似した形状であり、類似した機能を有し得ていることを示し、これは、幾何形状が対称面を中心に鏡像をなす場合によく行われる。本明細書では説明の便宜のために、文字又はプライムが本明細書に含まれない場合も多くあるが、記述された本明細書内で論じられる特徴の重複を表示するために図面に示す場合もある。
【0011】
まず、本開示の様々な実施形態がどのように使用されるかを理解するための適切な文脈を読者に与えるために、フィルタシステムについて説明する。この説明は例示として与えられており、限定的な意味ではないことを理解されたい。本明細書に記載の装置又は方法の任意の実施形態は、任意のフィルタシステムと併用することができる。
【0012】
次に、様々な実施形態による脈動減衰デバイスを含み得るフィルタ要素について論じる。デバイスは、フィルタ要素、センターチューブ、頂端部キャップ、ベースなどの様々な構成要素に取り付けられるバッフル、バッフル及び/又はバルブなどの組み合わせを含み得る。
【0013】
図1~
図4は、本開示の様々な実施形態によるフィルタ要素200、200’を使用し得るキャニスターフィルタシステム100、100’を示す。このシステムは、パルスを軽減するように構成された、フィルタとフィルタベースとの間のパルス減衰インターフェースとも呼ばれることがある。
【0014】
図1及び
図3から始めて、ベース102、キャニスター104、及びフィルタ要素200、200’を有するキャニスターフィルタシステム100、100’を含み得る。キャニスターフィルタシステム100は、ディーゼル又はガソリンあるいは他の液体燃料、潤滑油、油圧動力システム用の油圧作動油、トランスミッション液、あるいはおそらくエンジン用の吸入空気などの流体を濾過するために使用することができる。キャニスターフィルタシステム100はまた、燃料/水分離器フィルタとして使用され得る。本明細書に記載の特徴を備えたキャニスターフィルタシステム100は、多くの異なる目的を果たし、他の多くの用途に適合するように、当業者によって適合させることができるであろう。
【0015】
ベース102は、流体がキャニスターフィルタシステム100に入る流入口チャネル106と、流体がキャニスターフィルタシステム100から出る流出口チャネル108と、を含む。ベース102はまた、ベースねじ110を含む。ねじ以外の他の取り付け構造が使用され得る。
【0016】
キャニスター104は、頂部開放端部112及び底部閉塞端部114を含む。頂部開放端部112に隣接するのは、キャニスター104をベース102に保持するためにベースねじ110と係合し得るボルトねじ116である。ねじは、ベース102上に含まれ得る係合構造の一例であり、ボルト300、300’は解除可能な係合を形成するためのものである。当業者によって認識されるように、他の係合構造も使用され得る。
【0017】
フィルタ要素200、200’は、特定の用途に合わせるために多くの異なる形態をとることができる。例示の実施形態では、フィルタ要素200、200’は、燃料又は潤滑油を濾過するのに非常に適している。フィルタ要素200、200’は、センターチューブ206によって規定される中央リザーバ204を円周方向に取り囲む環状フィルタ媒体202を含み得る。環状フィルタ媒体202の軸方向端部は、端部キャップによって密封されるように示されている。
【0018】
頂端部キャップ208は、フィルタ要素200の軸方向の開放端部を規定し得る。頂端部キャップ208は、センターチューブ206によって規定される中央リザーバ204から流出口チャネル108への流体の通過を可能にする開口部210を含むので、「開放」と称される。
【0019】
一方では、底端部キャップ212は、フィルタ要素200の軸方向の閉塞端部を規定する。底端部キャップ212は、環状フィルタ媒体202の軸方向端部に隣接するフィルタ要素200の外部の任意の流体が濾過されないままセンターチューブ206に流入するのを防ぐので、「閉塞」と称される。底端部キャップ212は、ハウジングボルト300、300’と嵌合することによって閉塞されることがあり、ハウジングボルト300、300’は、その結果として、センターチューブ206と嵌合する。これは、本開示の他の実施形態においては当てはまらない場合がある。
【0020】
頂端部キャップ208及び底端部キャップ212はそれぞれ、溶接、接着剤などを介してセンターチューブ206に結合され得る。代替的に、センターチューブ206、頂端部キャップ208、及び底端部キャップ212のいくつか又はすべては、一体の構成要素として構築され得る。他の構成も可能である。
【0021】
動作中、濾過される流体は、流入口チャネル106に入り、キャニスター104と環状フィルタ媒体202との間の環状空洞118に流れる。次に、流体は、フィルタ媒体202内を貫通した後、センターチューブ206内に、
図1及び
図2中のその内部に示されている穿孔214を通って流入する。
【0022】
次に、流体は、センターチューブ206から出て、頂端部キャップ208及び開口部210を通って流出口チャネル108に入る。フィルタ要素200、200’の底部の密封構成は、環状フィルタ媒体202に出入りする流体チャネルを規定するのに役立ち、任意の流体が流出口チャネル108に直接流れることと、環状フィルタ媒体202をバイパスすることと、を防ぐ。同じ目的のために、バッフル、バッフル及びバルブなどが、キャニスターフィルタシステム100、100’の頂部に提供され得る。バッフル、バッフル及びバルブなどについては、本明細書の後半で詳細に論じることとし、同様のシールを提供し、本開示の様々な実施形態による脈動減衰デバイスを提供し、防ぐこともできる。
【0023】
ここで、
図1及び
図2を参照しながら、脈動減衰デバイスを提供する、本開示の様々な実施形態によるキャニスターフィルタシステム100について論じる。
【0024】
キャニスターフィルタシステム100は、少なくとも部分的に円筒形の構成を含み、長手方向軸216及び半径方向218を規定するフィルタ要素200を備え得る。フィルタ要素200は、中央通路219を規定する環状フィルタ媒体202と、中央リザーバ204を規定する環状フィルタ媒体220の中央通路219内に配設されたセンターチューブ206と、を備え得る。したがって、環状フィルタ媒体202は、センターチューブ206及び中央リザーバ204を取り囲む。
【0025】
図1に最もよく見られるように、フィルタ要素200は、長手方向軸216に沿って配設されたセンターチューブ206に結合された頂部開放端部220をさらに含み得る。頂部開放端部220は、流体が中央リザーバ204からフィルタ要素200の外部に流れることを可能にする開口部210を含む。
【0026】
同様に、再び
図1を参照すると、フィルタ要素200は、長手方向軸216に沿っても配設される頂部開放端部220の反対側のセンターチューブ206に結合された底部開放端部222を含み得る。したがって、底部開放端部222は、ハウジングボルト300の挿入を可能にする。
【0027】
キャニスターフィルタシステム100はまた、長手方向軸216(本明細書で前述したように、
図1及び
図3を参照)を基準にして頂部開放端部112(
図1を参照)及び底部閉塞端部114を含むキャニスター104と、
図1及び
図3に示すようにキャニスター104の底部閉塞端部114(シール(単数又は複数)を提供する)又は底部閉塞端部114の頂部上の側面を貫通し得るハウジングボルト300と、を含み得る。これは、肩部またはそのヘッドがフィルタ要素とキャニスターなどとの間に挟まれているようにキャニスターの底部閉塞端部上に載るスタッドスタイルのボルトと呼ばれることがある。
【0028】
図1及び
図2を見ると、脈動減衰デバイス224は、ハウジングボルト300から延びる第1のバッフル226と、ベース102又はフィルタ要素200のいずれかから延び、第1のバッフル226に近接して配設される第2のバッフル228と、を含み得、第1のバッフル226と第2のバッフル228との間に最小距離232を有する流路230を規定する。本開示の特定の実施形態では、最小距離232は、0.1mmから5.0mmの範囲にある。
【0029】
この構成の結果として、環状フィルタ媒体202の下流の圧力脈動(単数又は複数)120は、環状フィルタ媒体202に到達する前に大幅に低減され得る。その結果、これにより、エンジン又は別の下流デバイスへの出力など、フィルタ要素200の性能の任意の劣化が低減される可能性がある。最小距離232は、所望の効果を達成するために変えることができ、本開示の他の実施形態において先に言及した範囲とは異なる場合がある。即座に説明するように、本開示の他の実施形態では、第1のバッフル226及び第2のバッフル228の構成を逆にしてもよい。
【0030】
図1及び
図2に示すように、第1のバッフル226は、フィルタ要素200の頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)を通り越してハウジングボルト300から半径方向外方及び長手方向上方に延び得る。第2のバッフル228は、ベース102に取り付けられてもよく、フィルタ要素200の頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)を通り越してベース102から長手方向下方及び半径方向内方に延びる。
【0031】
第2のバッフル228は、S字形部分234を規定し得る。第3のバッフル236は、第2のバッフル228のS字形部分234から頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)まで又はセンターチューブ206まで純粋に長手方向に延び得、第2のバッフル228と共に下方に面するV字形領域239を形成する。第1のバッフル226は、第2のバッフル228と第3のバッフル236との間に配設され得、蛇行形状の流路230を規定する(一貫した最小距離232を有する場合もあれば有しない場合もある)。他の実施形態では、他の構成も可能である。例えば、第2のバッフルは、他の構成、例えば直線形状などを有し得る。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態では、例えば
図1に示されるように、第2のバッフル228はベース102に取り付けられ、第1のバッフル226はハウジングボルト300に取り付けられ、第3のバッフル236はフィルタ要素200に取り付けられる(第3のバッフル236は、頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)に又はセンターチューブ206などに取り付けられてもよい)。組み立て中、ハウジングボルト300をキャニスター104及びフィルタ要素200に取り付けて、サブアセンブリを形成してもよい。次に、キャニスター104、フィルタ要素200、及びハウジングボルト300を、ベース102に取り付ける。次に、第3のバッフル236は、第2のバッフル228に接触し、それらの間にシールを形成し、第2のバッフル228は、第1のバッフル226と第2のバッフル228との間に篏合して蛇行状の流路230を形成する。
【0033】
他の実施形態では、第2のバッフル228及び第3のバッフル236は一体であってもよく、これらのバッフルがベース102に接触するようにフィルタ要素200に取り付けられてもよい。他の変形も可能である。
【0034】
第1のバッフル226、第2のバッフル228、及び第3のバッフル236はすべて、熱可塑性材料(例えば、ポリウレタン、ナイロンなど)を備え得る。他の実施形態で金属などの他の材料を使用してもよく、種々のバッフルの材料は互いに異なっていてもよい。第1のバッフル226、第2のバッフル228、及び第3のバッフル236はすべて、特定の実施形態では0.1mmから45.0mmの範囲にある同じ厚さ238(最小寸法)を有してもよい。本開示の他の実施形態では、他の厚さ及び範囲を使用してもよい。
【0035】
第1のバッフル226、第2のバッフル228、及び第3のバッフル236は、長手方向軸216を中心に同心であってもよい(例えば、長手方向軸の周りで
図1に示される断面を回転させることによって幾何学的に形成され得る)。同様に、フィルタ要素200は、キャニスター104及びハウジングボルト300と同心であってもよい。本開示の他の実施形態では、他の構成も可能である。ハウジングボルト300は、キャニスター104又はベース102に取り付けられてもよく、キャニスター104及び/又はベース102に対するハウジングボルト300の位置を固定する。
【0036】
先に説明したキャニスターフィルタシステム100と共に使用され得る、本開示の一実施形態による交換部品として提供され得るフィルタ要素200について、
図1及び
図2を参照して以下に論じる。フィルタ要素200は、頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)から、又はフィルタ要素200のセンターチューブ206から長手方向上方に延びるフィルタ要素バッフル236’を有するフィルタ脈動減衰デバイス224を含み得る。
【0037】
フィルタ要素200は、フィルタ要素200の頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)を通り越してハウジングボルト300から半径方向外方及び長手方向上方に延び、フィルタ要素バッフル236’に対して近接しているが間隔を置いて配置されたボルトバッフル自由端240で終端するボルトバッフル226’と共にハウジングボルト300をさらに備え得、フィルタ要素バッフル236’とボルトバッフル226’との間の最小距離232を有する流路230を規定する。最小距離232は、0.1mmから5.0mmの範囲にあり得る。この距離は、前述したように変えられてもよい。
【0038】
図1及び
図2に示される実施形態では、フィルタ要素バッフル236’は、フィルタ要素200の頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)に、センターチューブ206に、又はその両方に取り付けられ得る。ボルトバッフル226’は、フィルタ要素200の頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)の長手方向下側に配設された点242においてハウジングボルト300に結合され得る。
【0039】
本明細書で先に示唆したように、フィルタ要素バッフル236’及びボルトバッフル226’は熱可塑性材料を備え、0.1mmから54.0mmの範囲にある同じ厚さを有する。本明細書で前述したように、他の変形も可能である。
【0040】
同様に、フィルタ要素バッフル236’、及びボルトバッフル226’は、長手方向軸216を中心に同心であり得る(例えば、長手方向軸216を中心に
図1の断面幾何形状を回転させることによって形成され得る)。
【0041】
センターチューブ206及びハウジングボルト300は、別個の構成要素であり得るか、又は一体の構成要素として形成され得る。
【0042】
次に、ハウジングボルト300については、引き続き
図1及び
図2を参照してさらに詳細に説明する。
【0043】
ハウジングボルトは、円筒軸302及び半径方向304を規定する少なくとも部分的に円筒形の本体300を備え得る。ハウジングボルト300は、ヘッド直径308を規定するヘッド306と、ヘッド306から軸方向に延びるシャフト部分310と、を有し得る。シャフト部分310は、ヘッド直径308よりも小さいシャフト部分直径312を規定し、フィルタ要素200の一部分と接触するように構成された支持面314を形成する。第1のバッフル226(本明細書で前述したように)は、シャフト部分310から延び得る。より具体的には、第1のバッフル226は、シャフト部分310の側面から、ヘッド306から軸方向に離れて、そしてシャフト部分310から半径方向に離れて延び得る。
【0044】
第1のバッフル226は、ヘッド306から軸方向に取り付け点軸方向距離316だけ離間している取り付け点242においてシャフト部分310から延び得、取り付け点軸方向距離316は、フィルタの長さの50%から100%の範囲にある。第1のバッフル226は、0.1mmから54.0mmの範囲の第1のバッフル厚さ238’を規定し得る。本開示の他の実施形態では、他の構成及び寸法範囲が可能である。
【0045】
第1のバッフル226は、ヘッド306からやはり軸方向に自由端軸方向距離318だけ離間している自由端240’で終端し得、自由端軸方向距離318は、フィルタの長さの50%から120%の範囲にある。自由端240’はまた、シャフト部分310から半径方向に自由端半径方向距離320だけ離間していてもよく、自由端半径方向距離320は、センターチューブの内径の10%から98%の範囲にある。繰り返すが、本開示の他の実施形態では、他の構成及び寸法範囲が可能である。
【0046】
ここで、
図3及び
図4を参照すると、本開示の他の実施形態によるフィルタ脈動減衰デバイス224’を使用するキャニスターフィルタシステム100’(キャニスターフィルタシステム100と同様)について論じる。
【0047】
濾過脈動減衰デバイス224’は、ハウジングボルト300’から延び、第1のバッフル自由端240’’で終端する第1のバッフル226’’と、第1のバッフル自由端240’’の半径方向内方及び長手方向上側に配設されたバルブ自由端246を規定する、フィルタ要素200’から延びる可撓性バルブ244と、を含み得る。この構成は、第1のバッフルバルブ自由端240’’と可撓性バルブ244との間のシャットオフギャップ距離248を規定する。シャットオフギャップ距離248は、0.1mmから5.0mmの範囲にあり得る。
【0048】
この構成の結果として、環状フィルタ媒体202の下流の圧力脈動(単数又は複数)120は、環状フィルタ媒体202に到達する前に大幅に低減され得る。その結果、これにより、エンジン又は別の下流デバイスへの出力など、フィルタ要素200’の性能の任意の劣化が低減される可能性がある。シャットオフギャップ距離248は、本開示の他の実施形態において先に言及した範囲とは異なるようにして所望の効果を達成するために変えることができる。可撓性バルブ244は、下流に圧力脈動がないときに開き、濾過された流体の正常な流れを可能にする。
【0049】
可撓性バルブ及び第1のバッフルのこの配設は、本開示の他の実施形態では逆にしてもよい。
図3及び
図4において、可撓性バルブ244(例えば、ダイヤフラム、フラップなど)は、フィルタ要素200’’のセンターチューブ206又は頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)から半径方向内方及び長手方向下方に延びる。特定の実施形態では、可撓性バルブ244は、センターチューブ206から延び、フィルタ要素200’の中央リザーバ204で終端する。
【0050】
脈動減衰デバイス224’はまた、頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)、又は可撓性バルブ244の長手方向下側にあり、かつ、それに平行したフィルタ要素200’のセンターチューブ206のいずれかから延びる支持バッフル250を有し得る。
【0051】
第1のバッフル226’’及び支持バッフル250は、同じ材料(本明細書で先に説明したものと同様)を備え得、同じ厚さ238’’を有し得る。支持バッフル250は、バルブ自由端246から半径方向外方及び長手方向上側に配設された支持バッフル自由端252で終端する。支持バッフル250は、可撓性バルブ244を支持するのを助けることができ、それにより可撓性バルブ244は、第1のバッフル226上で開閉するときに、裂けたり、過度に変形したり、さもなければ非効率的になったりしない。
【0052】
第2のバッフル228’は、フィルタ要素200’の頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)の長手方向下側に延びる蛇行形状(例えば、S字形の曲線、うねり曲線など)を含み得、バルブ自由端246の長手方向上側に配設された第2のバッフル自由端254で終端する。第2のバッフル228’は、ベース102からずっと先まで延びるか、又は頂端部キャップから延びるボトムピースと、ベースからフィルタ要素まで延びるトップピースと、を含む2つのピースに分割され得、これらの構成要素など間にシールを生成する。支持バッフル及び第2のバッフルはまた、フィルタ要素から延びてベースに接触する一体のバッフルに統合され得る。本開示の他の実施形態では、他の構成も可能である。
【0053】
第2のバッフル228’は、可撓性バルブ244が開くときにその上方の動きを制限することができ、これにより可撓性バルブ244は、開閉するときに裂けたり、過度に変形したり、さもなければ非効率的になったりしない。
【0054】
本明細書で以前に説明したものと同様に、第1のバッフル226’’、第2のバッフル228’、支持バッフル250、及び可撓性バルブ244は、長手方向軸216を中心に同心である。すなわち、これらの構成要素を、断面幾何形状を長手方向軸216を中心に回転させることによって生成することができる。同様に、フィルタ要素200’は、キャニスター104及びハウジングボルト300’と同心であってもよい。ハウジングボルト300’は、キャニスター104又はベース102に取り付けられてもよく、キャニスター104及び/又はベース102に対するハウジングボルト300の位置を固定する。本開示の他の実施形態では、他の構成も可能である。
【0055】
ここで、先に説明したキャニスターフィルタシステム100’と共に使用され得る、本開示の一実施形態による交換部品として提供され得るフィルタ要素200’について、
図3及び
図4を参照して以下に論じる。フィルタ要素200’は、センターチューブ206の中央リザーバ204内に配設されたバルブ自由端246を規定する可撓性バルブ244を有するフィルタ脈動減衰デバイス224’を含む。可撓性バルブ246は、フィルタ要素200’のセンターチューブ206又は頂部開放端部220(例えば、頂端部キャップ208)から半径方向内方及び長手方向下方に延びる。
図3及び
図4に示されるように、可撓性バルブ246は、示される実施形態において実際にはセンターチューブ206から延びる。
【0056】
脈動減衰デバイス224’は、可撓性バルブ244の長手方向下側に配設されるセンターチューブ206から延びる半径方向外側バッフル256を含み得る。半径方向外側バッフル256は、センターチューブ206から長手方向下方及び半径方向内方に延びる。半径方向外側バッフル256は、バルブ自由端246から長手方向上側及び半径方向外方に離間している外側バッフル自由端258で終端する。
【0057】
半径方向外側バッフル256は、本明細書で先に論じたように、熱可塑性材料又は他の適切な材料を備え得る。半径方向外側バッフル256は、0.1mmから5.0mmの範囲にある外側バッフル厚さ260を有する。可撓性バルブ244は、ゴム材料又は他の適切な材料を備え得る。可撓性バルブ244は、0.01mmから5.0mmの範囲にあるバルブ厚さ262を有する(シールに使用されるようなエラストマーから作製され得、その範囲は、より具体的には、0.1mmから5.0mmの範囲などであり得る)。これらの寸法範囲は、本開示の他の実施形態では異なる場合がある。
【0058】
可撓性バルブ244及び半径方向内側バッフル256は、本明細書で以前に示唆されたように、長手方向軸216を中心に同心であり得る。これは、他の実施形態においては当てはまらない場合がある。
【0059】
ハウジングボルト300’は、ハウジングボルト300’から長手方向上方及び半径方向外方に延び、内側バッフル自由端324で終端する半径方向内側バッフル322を有し得る。内側バッフル自由端324は、バルブ自由端246から半径方向外方及び長手方向下側に配設されて0mmから10.0mmの範囲にある最小ギャップ距離266でギャップ264を規定し得る。この距離の範囲は、本開示の他の実施形態では異なる場合がある。
【0060】
次に、ハウジングボルト300’については、引き続き
図3及び
図4を参照してさらに詳細に説明する。ハウジングボルト300’は、
図1に関して本明細書で先に論じたものと同様に構成され得る。さらに、ハウジングボルト300’は、シャフト部分310から延びる第1のバッフル226’’を含み得る。第1のバッフル226’’は、ヘッド306から軸方向に離れて、そしてシャフト部分310から半径方向に離れて延び得る。
【0061】
より具体的には、第1のバッフル226’’は、ヘッド306から軸方向に取り付け点軸方向距離316’だけ離間している取り付け点242’においてシャフト部分310から延び得、取り付け点軸方向距離316’は、フィルタの長さの50%から100%の範囲にあり、第1のバッフル226’’は、0.1mmから5.0mmの範囲にある第1のバッフル厚さ238’を規定する。これらの寸法範囲は、本開示の他の実施形態では異なる場合がある。
【0062】
また、第1のバッフル226’’は、ヘッド306から軸方向に自由端軸方向距離318’だけ離間している自由端240’’’で終端し得、自由端軸方向距離318’は、5.0mmから15.0mmの範囲にある。自由端240’’’はまた、シャフト部分310から半径方向に自由端半径方向距離320’だけ離間していてもよく、自由端半径方向距離320’は、5.0mmから15.0mmの範囲にある。
【0063】
前述の寸法及び構成のいずれも、本明細書に具体的に記載されているものとは異なる場合がある。さらに、上記の様々な構成要素の材料は、具体的に言及したものとは異なる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0064】
実際には、フィルタ要素、ハウジングボルト、又はキャニスターフィルタシステムは、本開示の様々な実施形態に従って、OEM(相手先商標製造会社)又はアフターマーケットコンテキスト(aftermarket context)で取得又は提供され得る。
【0065】
センターチューブ及びハウジングボルトは、プラスチック、金属などを含む任意の適切な材料から作製され得る。濾過されている流体と化学的に適合性のある材料を選択することが望ましい場合がある。
【0066】
特定の用途について本明細書で論じられる実施形態のいずれかの有効性を決定するために、様々なパラメータを測定することができる。例えば、
図1及び
図3の点Aにおいて、圧力脈動120の大きさをモニターすることができ、流出流体の圧力及び流量をモニターすることができる。また、
図1及び
図3の点Bにおいて、圧力パルスのベースライン圧力をがモニターすることができ、流体の圧力を測定することができる。したがって、流体の圧力降下とともに流量を、対抗する圧力脈動の関数として決定することができる。脈動減衰メカニズムの幾何形状は、所望の流出流体の流れ及び/又はフィルタ媒体などに加えられる所望の脈動圧力を達成するように調整され得る。
【0067】
実際の試験に加えて、又はその代わりに、これらのパラメータは、FEA(有限要素解析)を使用して特別に調整された脈動減衰デバイスの幾何形状を決定することができる。中央リザーバ、流出口及びこれらの領域同士間で流体連通している任意の領域(バッフルによって規定される)だけは、モデル化する必要があり得る。
【0068】
上述の説明は、開示されたアセンブリ及び技法の例を提供するということが理解されよう。しかしながら、本開示の他の実装は、前述の例とは細部において異なる可能性があることが考慮される。本開示又はその例へのすべての参照は、その時点で論じられている特定の例を参照することを意図しており、より一般的に本開示の範囲に関する任意の制限を暗示することを意図していない。特定の特徴に関する区別及び非難のすべての文言は、それらの特徴に対する好みの欠如を示すことを意図しているが、別段の指示がない限り、そのような特徴を本開示の範囲から完全に除外するものではない。
【0069】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各別々の値を個別的に参照する略記法として機能することを単に意図し、各別々の値は、本明細書に個別的に列挙されているかのように本明細書に組み込まれている。
【0070】
本発明(単数又は複数)の範囲又は精神から逸脱することなく、本明細書で論じられるような装置及び組み立て方法の実施形態に対して様々な変更及び変形が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。本開示の他の実施形態は、本明細書、及び本明細書に開示した様々の実施形態の実施を考慮することから、当業者には明らかになるであろう。例えば、一部の装備は、本明細書で説明されたものとは異なるように構築され、かつ機能する場合があり、任意の方法の特定のステップが省略されたり、具体的に述べたものとは異なる順序で実行されたり、場合によっては同時に又はサブステップで実行される場合がある。さらに、様々な実施形態の特定の態様又は特徴に対する変形又は変更が行われて、さらなる実施形態を生成し得、さらなる実施形態を提供するために、様々な実施形態の特徴及び態様が、他の実施形態の他の特徴又は態様に追加又は置換され得る。
【0071】
したがって、本開示は、適用法によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての変更及び同等物を含む。さらに、すべての可能な変形における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本開示に包含される。