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特許7553573車両対あらゆるモノ(V2X)によって支援されるローカルナビゲーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】車両対あらゆるモノ(V2X)によって支援されるローカルナビゲーション
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240910BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240910BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20240910BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/09 A
G08G1/09 H
H04W4/44
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2022542464
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 CN2020072778
(87)【国際公開番号】W WO2021142781
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-12-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】イー、ラン
(72)【発明者】
【氏名】パティル、シャイレシュ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホン
(72)【発明者】
【氏名】バッシロフスキー、ダン
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ、ジーン・ウェスリー
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-184593(JP,A)
【文献】国際公開第2019/245375(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106470383(CN,A)
【文献】特開2013-257268(JP,A)
【文献】特開2013-077051(JP,A)
【文献】特開2019-207155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
H04W 4/40- 4/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両対あらゆるモノ(V2X)デバイスにおけるナビゲーション支援を与える方法であって、前記方法は、
前記ナビゲーション支援のための目的地の入力を受信することと、
車両の車両情報を受信することと、前記車両情報が、前記車両の加速度、速度、および地理的ロケーションのうちの1つまたは複数を含む、
ワイヤレス通信リンクを介して前記車両情報と前記目的地とをV2X通信範囲内の1つまたは複数のエッジネットワークデバイスに送信することと、ここにおいて、前記V2X通信範囲は、指定された距離の範囲であり、前記V2X通信範囲は、前記V2Xデバイスに接続されたセンサーを使用して検出された非V2Xデバイスおよび他の物体の動き状態および/または他のプロパティに基づいて動的に決定される、
前記ワイヤレス通信リンクを介してV2X通信範囲内の前記1つまたは複数のエッジネットワークデバイスから、計算された推奨を受信することと、ここにおいて、前記計算された推奨が、交通条件データ、複数のV2Xデバイスから受信された、前記車両情報、および前記目的地のローカルクラウドソーシングに少なくとも部分的に基づいて決定される
前記計算された推奨を前記V2Xデバイスのディスプレイ上に表示することとを備える、方法。
【請求項2】
前記ワイヤレス通信リンクが直接PC5通信リンクである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ワイヤレス通信リンクがローカルUuインターフェースである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記計算された推奨がルート推奨を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ルート推奨が、運転時間と交差点待ち時間とを含む移動時間を最小限に抑えるように最適化される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ルート推奨が、燃料消費量を最小限に抑えるように最適化される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記計算された推奨がレーン推奨である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記計算された推奨が車両スピード推奨である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記車両情報が、前記車両へのワイヤードまたはワイヤレス接続を介して受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記V2Xデバイスがスマートフォンを備え、前記車両情報が前記スマートフォンの1つまたは複数のセンサーによって与えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
車両対あらゆるモノ(V2X)デバイスであって、前記V2Xデバイスは、
トランシーバと、
メモリと、
前記トランシーバおよび前記メモリに通信可能に結合された1つまたは複数の処理ユニットと、を備え、
前記1つまたは複数の処理ユニットが、
ナビゲーション支援のための目的地の入力を受信することと、
車両の車両情報を受信することと、前記車両情報が、前記車両の加速度、速度、および地理的ロケーションのうちの1つまたは複数を含む、
ワイヤレス通信リンクを使用する前記トランシーバを介して、前記車両情報と前記目的地とをV2X通信範囲内の1つまたは複数のエッジネットワークデバイスに送信することと、ここにおいて、前記V2X通信範囲は、指定された距離の範囲であり、前記V2X通信範囲は、前記V2Xデバイスに接続されたセンサーを使用して検出された非V2Xデバイスおよび他の物体の動き状態および/または他のプロパティに基づいて動的に決定される、
前記ワイヤレス通信リンクを使用する前記トランシーバを介してV2X通信範囲内の前記1つまたは複数のエッジネットワークデバイスから、計算された推奨を受信することと、ここにおいて、前記計算された推奨が、交通条件データ、複数のV2Xデバイスから受信された、前記車両情報、および前記目的地のローカルクラウドソーシングに少なくとも部分的に基づいて決定される
前記計算された推奨を表示することと、を行うように構成される、V2Xデバイス。
【請求項12】
前記トランシーバが直接PC5通信リンクを介して通信するように構成される、請求項11に記載のV2Xデバイス。
【請求項13】
前記トランシーバがローカルUuインターフェースを介して通信するように構成される、請求項11に記載のV2Xデバイス。
【請求項14】
前記1つまたは複数の処理ユニットは、前記計算された推奨からルート推奨を決定するように構成される、請求項11に記載のV2Xデバイス。
【請求項15】
前記ルート推奨が、運転時間と交差点待ち時間とを含む移動時間を最小限に抑えるように最適化される、請求項14に記載のV2Xデバイス。
【請求項16】
前記ルート推奨が、燃料消費量を最小限に抑えるように最適化される、請求項14に記載のV2Xデバイス。
【請求項17】
前記1つまたは複数の処理ユニットは、前記計算された推奨からレーン推奨を決定するように構成される、請求項11に記載のV2Xデバイス。
【請求項18】
前記1つまたは複数の処理ユニットは、前記計算された推奨から車両スピード推奨を決定するように構成される、請求項11に記載のV2Xデバイス。
【請求項19】
前記1つまたは複数の処理ユニットは、前記車両へのワイヤードまたはワイヤレス接続を介して前記車両情報を受信するように構成される、請求項11に記載のV2Xデバイス。
【請求項20】
前記V2Xデバイスがスマートフォンを備え、前記スマートフォンは、前記スマートフォンの1つまたは複数のセンサーを介して前記車両情報を受信するように構成される、請求項11に記載のV2Xデバイス。
【請求項21】
車両対あらゆるモノ(V2X)デバイスであって、前記V2Xデバイスは、
ナビゲーション支援のための目的地の入力を受信するための手段と、
車両の車両情報を受信するための手段と、前記車両情報が、前記車両の加速度、速度、および地理的ロケーションのうちの1つまたは複数を含む、
ワイヤレス通信リンクを介して、前記車両情報と前記目的地とをV2X通信範囲内の1つまたは複数のエッジネットワークデバイスに送信するための手段と、ここにおいて、前記V2X通信範囲は、指定された距離の範囲であり、前記V2X通信範囲は、前記V2Xデバイスに接続されたセンサーを使用して検出された非V2Xデバイスおよび他の物体の動き状態および/または他のプロパティに基づいて動的に決定される、
前記ワイヤレス通信リンクを介してV2X通信範囲内の前記1つまたは複数のエッジネットワークデバイスから、計算された推奨を受信するための手段と、ここにおいて、前記計算された推奨が、交通条件データ、複数のV2Xデバイスから受信された、前記車両情報、および前記目的地のローカルクラウドソーシングに少なくとも部分的に基づいて決定される
前記計算された推奨をディスプレイ上に表示するための手段と、を備えるV2Xデバイス。
【請求項22】
前記送信するための手段は、直接PC5通信リンクを介して送信するための手段を備える、請求項21に記載のV2Xデバイス。
【請求項23】
前記送信するための手段は、ローカルUuインターフェースを介して送信するための手段を備える、請求項21に記載のV2Xデバイス。
【請求項24】
前記計算された推奨からルート推奨を決定するための手段をさらに備える、請求項21に記載のV2Xデバイス。
【請求項25】
前記ルート推奨が、運転時間と交差点待ち時間とを含む移動時間を最小限に抑えるように最適化される、請求項24に記載のV2Xデバイス。
【請求項26】
前記ルート推奨が、燃料消費量を最小限に抑えるように最適化される、請求項24に記載のV2Xデバイス。
【請求項27】
前記計算された推奨からレーン推奨を決定するための手段をさらに備える、請求項21に記載のV2Xデバイス。
【請求項28】
前記計算された推奨から車両スピード推奨を決定するための手段をさらに備える、請求項21に記載のV2Xデバイス。
【請求項29】
前記車両へのワイヤードまたはワイヤレス接続を介して前記車両情報を受信するための手段をさらに備える、請求項21に記載のV2Xデバイス。
【請求項30】
車両対あらゆるモノ(V2X)デバイスにおけるナビゲーション支援を与える命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、プロセッサ上で実行されたとき、
前記ナビゲーション支援のための目的地の入力を受信することと、
車両の車両情報を受信することと、前記車両情報が、前記車両の加速度、速度、および地理的ロケーションのうちの1つまたは複数を含む、
ワイヤレス通信リンクを介して前記車両情報と前記目的地とをV2X通信範囲内の1つまたは複数のエッジネットワークデバイスに送信することと、ここにおいて、前記V2X通信範囲は、指定された距離の範囲であり、前記V2X通信範囲は、前記V2Xデバイスに接続されたセンサーを使用して検出された非V2Xデバイスおよび他の物体の動き状態および/または他のプロパティに基づいて動的に決定される、
前記ワイヤレス通信リンクを介してV2X通信範囲内の前記1つまたは複数のエッジネットワークデバイスから、計算された推奨を受信することと、ここにおいて、前記計算された推奨が、交通条件データ、複数のV2Xデバイスから受信された、前記車両情報、および前記目的地のローカルクラウドソーシングに少なくとも部分的に基づいて決定される
前記計算された推奨を前記V2Xデバイスのディスプレイ上に表示することと、を行うためのコードを備える動作を実施する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 既存のナビゲーションアプリケーションは、多数のユーザのための交通評価および予測を実施する、マクロレベルルートプランニングに焦点を当てる。これらの先在するシステムのためのアルゴリズムは、ローカル交通環境、たとえば、交差点(intersection)および交通信号フェーズ(TLP:traffic light phase)におけるローカルイベントの詳細を分析しない。マイクロレベル管理は、イベント報告のレイテンシ(latency)およびクラウドまたはアプリケーションサーバにおける処理遅延(processing delay)のために、既存のナビゲーションソリューションにとって非現実的である。
【0002】
[0002] 車両対あらゆるモノ(V2X:vehicle-to-everything)は、車両(vehicle)および関係するエンティティ(entity)が交通環境に関する情報を交換するための通信規格である。V2Xは、V2X対応車両間の車両対車両(V2V)通信、車両とインフラストラクチャベースデバイス(一般にいう路側ユニット(RSU:road-side unit))との間の車両対インフラストラクチャ(V2I)通信、車両と近くの人々(歩行者、サイクリスト、および他の道路利用者)との間の車両対人(V2P:vehicle-to-person)通信などを含むことができる。さらに、V2Xは、様々なワイヤレス無線周波数(RF)通信技術のいずれかを使用することができる。セルラーV2X(CV2X)は、たとえば、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))、第5世代新無線(5G NR)、および/または第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって定義される直接通信モードにおける他のセルラー技術など、セルラーベース通信を使用するV2Xの一形態である。車両上の構成要素またはデバイス、RSU、あるいはV2Xメッセージを通信するために使用される他のV2Xエンティティが、総称的に、V2XデバイスまたはV2Xユーザ機器(UE:user equipment)と呼ばれる。
【0003】
[0003] V2X能力は、本明細書で説明される拡張ナビゲーションシステム(enhanced navigation system)のために使用され得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本明細書で説明される技法は、V2Xデバイス(たとえば、V2Xチップセットを組み込んだスマートフォン(smartphone))のための拡張超ローカルナビゲーションサービス(enhanced ultra-local navigation service)を提供する。V2Xデバイスは、車両情報(vehicle information)をエッジネットワークデバイス(edge network device)(たとえば、路側ユニット)に送信することができる。路側ユニットは、様々なセンサー入力および複数の車両とのV2X通信を通して交通情報(traffic information)を収集するために、交差点において、または道路に沿って配備され得る。V2Xデバイスとエッジネットワークデバイスとの間の通信は、ワイヤレス通信(たとえば、直接PC5インターフェース(direct PC5 interface)を通して、またはエッジコンピューティングを用いるローカルUuインターフェース(local Uu interface)を通して、達成され得る。エッジネットワークデバイスは、ローカルルート最適化を実施し、1つまたは複数の推奨(recommendation)(たとえば、推奨ルート(recommend route)、推奨スピード(recommended speed)、推奨レーン(recommended lane))を算出することができる。エッジネットワークデバイスは、ワイヤレス通信を介して1つまたは複数の推奨をV2Xデバイスに送信することができる。V2Xデバイスは、推奨をユーザに表示することができる。
【0005】
[0005] これらおよび他の実施形態は以下で詳細に説明される。たとえば、他の実施形態は、本明細書で説明される方法に関連するシステム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体(computer readable media)を対象とする。
【0006】
[0006] 本開示の実施形態の性質および利点のより良い理解は、以下の発明を実施するための形態および添付の図面を参照して獲得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007] 既存のナビゲーション技法を示す図。
図2】[0008] V2Xデバイスを使用する拡張ナビゲーション技法を示す図。
図3】[0009] レーン推奨(lane recommendation)のための技法の例示的な図。
図4】[0010] ルート推奨(route recommendation)のための技法の例示的な図。
図5】[0011] 実施形態による、拡張ナビゲーション技法のための方法の流れ図。
図6】拡張ナビゲーション技法のための方法のプロセスフロー図。
図7】[0012] 拡張ナビゲーション技法のために使用される構成要素の基本アーキテクチャの例示的なブロック図。
図8】[0013] V2Xデバイスの一実施形態のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0014] 様々な図における同様の参照、記号は、いくつかの例示的な実装形態によれば、同様の要素を示す。さらに、要素の複数のインスタンスは、要素のための第1の番号の後に、文字、またはハイフンおよび第2の番号を続けることによって、示され得る。たとえば、要素110の複数のインスタンスは、110-1、110-2、110-3などとして、または、110a、110b、110cなどとして示され得る。第1の番号のみを使用してそのような要素を指すとき、要素の任意のインスタンスが理解されるべきである(たとえば、前の例における要素110は、要素110-1、110-2、および110-3を指すか、または、要素110a、110b、および110cを指す)。
【0009】
[0015] 次に、本出願の一部を形成する、添付の図面に関していくつかの例示的な実施形態が説明される。本開示の1つまたは複数の態様が実装され得る、特定の実施形態が以下で説明されるが、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲の趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が使用され得、様々な変更が行われ得る。
【0010】
[0016] 本明細書で言及される「V2Xデバイス」、「V2X車両」、および「V2Xエンティティ」は、それぞれ、V2Xメッセージを送信および受信することが可能なデバイス、車両、およびエンティティを指す。同様に、「非V2X車両」および「非V2Xエンティティ」は、V2X通信に関与しないかまたは関与することができない車両およびエンティティを指す。多くの実施形態が「V2X車両」および「非V2X車両」について説明したが、多くの実施形態は、歩行者、サイクリスト、道路危険、障害物、および/または他の交通関係物体など、非車両エンティティを含むように拡大され得ることを理解されよう。本明細書で一般に言及される、本明細書の実施形態において説明されるようにセンサー(sensor)によって検出された「物体(object)」は、道路上にあるかまたは道路の近くにあり得る、検出された車両または非車両物体を指し得る。さらに、本明細書の実施形態はV2X拡張ナビゲーション技法を対象とするが、代替実施形態は交通関係通信の代替形態を対象とし得ることを理解されよう。当業者は、そのような変形形態を諒解されよう。
【0011】
[0017] V2X通信では、1つのV2Xデバイスによって送信されたデータは、送信V2Xデバイスのある距離内のV2Xデバイスのみに関連し得る。たとえば、交差点をトラバースする(traverse)ことを試みる車両は、交差点までのある近接度内の関連するデータのみを見つけ得る。同様に、協調運転に参加している車両では、操作(maneuver)によって影響を及ぼされる車両のみが、関連するデータを見つけ得る。
【0012】
[0018] 述べられたように、(5G NR下の)V2Xは、距離ベース通信制御をサポートする。より詳細には、(本明細書では「V2X通信範囲」または単に「通信範囲」と呼ばれる)指定された距離内の受信V2Xデバイスが送信V2XデバイスからV2Xメッセージを受信する場合、受信V2Xデバイスは、それが指定された範囲内にあるがメッセージを復号することに失敗した場合、否定応答(NAK)を送信することになる。これは、送信V2Xデバイスがメッセージを再送信することを可能にする。この機構を通して、V2Xの受信信頼性は、指定された範囲内のV2Xデバイスについて増加され、基礎をなすV2X通信に依拠するデバイス操作についての性能を向上させる。
【0013】
[0019] さらに、V2X対応デバイスは、他のV2X車両、ならびにそれらの近傍にある非V2X車両(および他の物体)のロケーションおよび動き状態についてよく知っていることがある。前者では、これは、他のV2Xデバイスからのメッセージまたはシグナリング、たとえば、V2Xデバイスまたは車両のロケーション、基本安全メッセージ(BSM:Basic Safety message)あるいは協働アウェアネスメッセージ(CAM:Cooperative Awareness Message)を示す制御シグナリングの受信によって決定され得る。後者では、これは、非V2X車両および他の物体の動き状態および/または他のプロパティを検出することが可能なオンボードセンサーによって決定され得る。
【0014】
[0020] 本明細書で提供される実施形態は、V2Xメッセージのための通信範囲を動的に決定するために非V2X車両および他の物体のプロパティを決定するためにオンボードセンサーを使用するために、V2Xデバイスのこの能力を活用する。いくつかの実施形態では、たとえば、V2Xデバイスは、近くのV2Xデバイスに、検出された物体の1つまたは複数のプロパティを通知するのを助けるために、検出された物体の1つまたは複数のプロパティを決定し、1つまたは複数のプロパティに基づいてV2Xメッセージのための通信範囲を増加させることができる。この追加情報は、近くのV2Xデバイスに、ユーザの安全を保証するために考慮に入れられる必要を行った条件についてアラートすることができる。実施形態は、添付図に関して、以下で説明される。
【0015】
[0021] 図1は、既存のナビゲーションネットワーク100の例示的な実施形態を示す。既存のナビゲーション技法100によれば、電子デバイス102(たとえば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス)上のナビゲーションアプリケーションが、電子デバイス102を介して、車両106のためのルート104推奨と移動時間(travel time)推定とを与える。概して、既存のナビゲーションネットワーク100では、アプリケーション設計者は、サービスのために集中型機構を使用する。集中型機構は、ネットワーク(たとえば、インターネット)を通して到達されるリモートサーバにおいてクラウドコンピューティング108を使用して実施され得る。電子デバイス102とクラウドコンピューティング108との間の通信は、ワイヤードまたはワイヤレス手段を通して達成され得る。様々な実施形態では、通信は、Uu接続を通して達成され得る。
【0016】
[0022] 既存のナビゲーション技法100は、クラウドコンピューティング108に送られたクラウドソーシング報告(crowdsourcing report)およびセンサーデータから、ほぼリアルタイムの履歴データを与えることができる。クラウドコンピューティング108は、1つまたは複数のアルゴリズムを使用してルート最適化のためにデータアグリゲーションおよび分析を実施することができる。クラウドコンピューティング108は、運転支援情報とともにユーザにフィードバックを与えることができる。運転者が目的地(destination)を与える場合、クラウドコンピューティング108は、ワイヤレスネットワークを介して運転者に最善ルートを与えることができる。
【0017】
[0023] しかしながら、クラウドコンピューティング108は、概して、電子デバイス102の近傍に位置しない。さらに、クラウドコンピューティング108は、数千または数百万個の電子デバイスからの要求を処理することを必要とされ得る。したがって、リモートクラウドコンピューティング108システムによって与えられるサービスは、概して、マクロレベルルート選択、および交通量評価に基づく移動時間の概算推定のみを与える。したがって、個々の車両についての特定のナビゲーション要件を満たすことは困難である。さらに、ローカル交通データを処理するためのリモートクラウドシステムに固有のレイテンシは、ローカルイベントと結合するとき、不正確なまたは応答性のよくない結果を生じることがある。
【0018】
[0024] 車両情報および交通データのクラウドソーシング(crowdsourcing)を実施することができるエッジネットワークデバイスの分散型システムが、レイテンシを低減し、極めて応答性のよい推奨を生じることができる。
【0019】
[0025] 図2は、拡張ナビゲーションネットワーク200を示す。拡張ナビゲーションネットワークでは、電子デバイス202はV2Xデバイスである。複数のエッジネットワークデバイス210(たとえば、路側ユニット(roadside unit))が、エリア全体にわたって分散される。エッジネットワークデバイス210は、ワイヤレス通信リンク(wireless communication link)214(たとえば、PC5リンクまたはUuリンク)を介して1つまたは複数の電子デバイス202と通信することができる。電子デバイス202は、車両206から車両情報(たとえば、スピード、加速度(acceleration)、地理的ロケーション(geographic location))を受信することができる。電子デバイス202は、この情報をワイヤレス通信リンク214上で1つまたは複数のエッジネットワークデバイス210に送信することができる。エッジネットワークデバイス210は、複数のV2X装備デバイスから車両情報を受信することができる。エッジネットワークデバイス210は、交通、気象、イベント、およびインシデント情報を含むことになる他の情報をも受信することができる。車両とエッジネットワークデバイスとの間で、V2Xデバイスを介したナビゲーションのために交換されるメッセージは、SAEインターナショナルおよびETSI-ITS規格など、アプリケーションレイヤ規格において規格化されることになる。
【0020】
[0026] いくつかの実施形態では、エッジネットワークデバイス210は、Uuインターフェースを装備し得る。Uuインターフェースは、モバイルデバイスと無線アクセスネットワークとの間の無線接続である。様々な実施形態では、Uuインターフェースは、UMTS地上波無線アクセス(UTRA)と呼ばれる。このインターフェースは、ITUのIMT-2000の一部である。セルラー携帯電話のための現在最も普及している変形態では、W-CDMA(登録商標)(IMT直接拡散)が使用される。ただし、Uuインターフェースは、これらの3G説明に限定されない。それは、それがユーザ機器をUMTS地上波無線アクセスネットワークにリンクするので、「Uuインターフェース」とも呼ばれる。Uuインターフェースは、ユーザとエッジネットワークデバイス210(たとえば、エッジコンピューティング機能をもつローカル基地局)とを接続するために使用され得る。
【0021】
[0027] 拡張ナビゲーションネットワーク200は、レイテンシを著しく低減する。第1に、エッジネットワークデバイス210は、アプリケーションサーバ(図1に示されている、クラウドコンピューティング108)が決定のためにグローバルクラウドソース化データ(global crowdsourced data)に依拠する代わりに、道路条件とイベントとを直接検知する。第2に、エッジネットワークデバイス210は、ユーザから瞬時交通条件(instant traffic condition)を収集し、クラウドコンピューティング108を用いるよりも少ないレイテンシを伴ってローカルナビゲーションアルゴリズムを実施することができる。第3に、エッジネットワークデバイス210は、クラウドが、スマートフォンユーザにさらに送信されることになる命令(instruction)を基地局に配布する代わりに、最適ルートとレーンレベル運転推奨とをユーザに瞬時に配信する。
【0022】
[0028] エッジネットワークデバイス210は、車両通信システムのための通信ノードである。エッジネットワークデバイス210は、安全警告および交通情報など、情報を電子デバイス202に与える。それらは、事故および交通渋滞を回避する際に有効であり得る。様々な実施形態では、エッジネットワークデバイス210は、専用短距離通信(DSRC:dedicated short-range communication)デバイスである。ただし、本開示は、802.11に基づく直接車両通信に限定されない。様々な実施形態では、エッジネットワークデバイスは、75MHzの帯域幅と300メートルの近似範囲とを伴って5.9GHz帯域において動作する。車両通信は、通常、インテリジェントトランスポートシステム(ITS)の一部として展開される。
【0023】
[0029] V2Xデバイス支援ナビゲーションは、エッジネットワークデバイス210支援に基づいてマイクロレベルナビゲーションサービスを与えることができる。エッジネットワークデバイス210は、周囲のV2Xユーザのための運転ストラテジー最適化を実施する。センサー、およびスマートフォンとのV2I通信から、エッジネットワークデバイス210は、道路平均スピード、交差点横断時間、交通量、およびユーザの地理的ロケーション、スピード、目的地などの個々の車両情報など、通常の交通情報を収集する。
【0024】
[0030] V2Xデバイス支援ナビゲーションは、ローカル最適化と構成可能グローバル最適化の両方を与えることができる。道路条件および交通信号フェーズ(TLP)に従って、エッジネットワークデバイス210は、交通信号(traffic signal)における不要な待ちを低減するために運転者に送信するための推奨スピードを計算することができる。
【0025】
[0031] 予期しないイベント(たとえば、交通衝突または気象イベント)について、エッジコンピューティングデバイス210は、イベントを直ちに検出し、不要な遅延を回避するために、対応するルート推奨(route recommendation)を、影響を及ぼされたV2Xユーザに送信することができる。
【0026】
[0032] エッジネットワークデバイス210は交通信号情報にアクセスすることができ、交差点エッジネットワークデバイス210が、ルート選択およびタイミング計算のための連続した次のTLPの計算を可能にすることに限定されない。
【0027】
[0033] エッジネットワークデバイス210は、複数の交差点におけるTLPと平均道路スピード推定とに基づいて車両のための最適ルートを算出することができる。
【0028】
[0034] いくつかの実施形態では、電子デバイス202は、エッジネットワークデバイス210のストラテジー設定を支援するために動き情報と運転意図とを与えるためにV2Xチップセットを伴って配備されたスマートフォンであり得る。V2Xチップセットをもつスマートフォンは、ワイヤードまたはワイヤレス接続(wired or wireless connection)を通して関連する車両の動きおよびセンサーデータにアクセスすることができる。車両への直接接続がない場合、センサーとGPSとをもつスマートフォンは、推奨ルート、推奨スピード、および推奨レーンの計算のために、地理的ロケーション、スピード、加速度などの情報を与えることができる。
【0029】
[0035] PC5接続では、車両のほぼリアルタイムの動き状態が、エッジネットワークデバイス210とメッセージカバレージエリア内の他の車両とを含むすべてのV2Xデバイスに周期的にブロードキャストされ得る。Uu接続では、車両情報は、関連するエッジネットワークデバイス210に送信され得る。車両意図(たとえば、運転目的地、所望の方向、またはレーン変更意図)が、ワイヤレスリンクを介してエッジネットワークデバイス210に送信され得る。
【0030】
[0036] いくつかの実施形態では、電子デバイス202は、個々の運転者要件を満たすためのルート選択のためのユーザ入力を受信することができるV2Xアプリケーションを含むことができる。たとえば、V2Xアプリは、最適化された移動時間(traveling time)を計算することができる。最適化された移動時間は、全体的な運転時間(driving time)を低減するか、または待ち時間を低減することができる。V2Xアプリは、燃料消費量(fuel consumption)を最適化するためのルートを計算することができる。たとえば、頻繁なスピード変更は、不要な燃料損失を引き起こすことがある。V2Xアプリは、そのルートについての最適燃料消費量のための推奨スピードを計算することができる。いくつかの実施形態では、V2Xアプリは、運転時間、待ち時間、および燃料消費量の構成可能な重みを適用することによって、妥協されたソリューションを計算することができる。
【0031】
[0037] 図3は、その中の乗客の安全を保証するのを助けるために車両306によって使用され得る有用な情報を与えるために、V2X通信が(本明細書ではまとめておよび総称的に車両306と呼ばれる)車両306-1、306-2によってどのように使用され得るかを示すのを助けるために提供される、交通交差点318の俯瞰図を提供する図である。図3は、本明細書で提供される他の図の場合と同様に、非限定的な例として提供されることを理解されよう。当業者が諒解するように、V2X通信が有用であり得るシナリオの数は、この例をはるかに超えて広がる。シナリオは、より多いまたはより少ない車両、異なるタイプの車両、ならびに非車両エンティティ(V2X通信が可能であることも可能でないこともある、RSU、道路利用弱者(VRU:Vulnerable Road User)、道路危険および他の物体など)を含むことができることがわかる。
【0032】
[0038] ここで、各車両306は、交差点318に接近している。車両が交差点318に接近するにつれて、交差点318を通る安全なナビゲーションを保証するのを助けるために、各車両306が、他の車両の各々のスピード、方向、およびロケーションを知ることが役立つことがある。最終的に、交差点318が、専用RSUとの、または車両306自体の間のいずれかのV2X通信を使用して、車両のトラバーサル(traversal)を管理し得る。しかしながら、そのような管理がなくても、他の車両306のプロパティのこのアウェアネスは、車両(たとえば、自律および/または半自律車両)および/またはそれらの運転者が安全に交差点318を通ってナビゲートするのを助けることができる。
【0033】
[0039] 図3は、拡張ナビゲーションシステムのスピードおよびレーン推奨特徴を示す。図3は、各方向において2つのレーンをもつマルチレーン分割車道を示す。マルチレーン分割車道と第2の車道との間の交差点318において交通信号316が示されている。車両の運転意図がエッジネットワークデバイス310に送信され得る。たとえば、車両306-1の目的地がエッジネットワークデバイス310に送信され得る。この例では、車両306-1の目的地は、車両306-1が交差点318を通ってまっすぐに移動するべきであるようなものである。エッジネットワークデバイス310は、車両306-2の意図が交差点318において左折することであることを検出することができる。したがって、エッジネットワークデバイス310は、車両306-1が、車両306-2が方向転換する許可を有するのを待つ必要があるので、左レーンにとどまっている場合、車両306-1が車両306-2の後ろで遅延させられることになると決定する。
【0034】
[0040] 交差点において配備されるエッジネットワークデバイス310は、ローカルイベントを検出し、レーン推奨(lane recommendation)を車両306-1中の電子デバイス202に送ることができる。本例では、エッジネットワークデバイス310は、車両306-1が交差点を通ってまっすぐに移動することを可能にするために、右レーンにレーンを変更することを推奨する。
【0035】
[0041] レーン推奨に加えて、エッジネットワークデバイス310は、交通信号による不要な遅延を回避するためのスピード設定を推奨することができる。TLP情報と交通の推定された平均スピードとを用いて、エッジネットワークデバイス310は、車両が停止する必要なしに交差点318を横断するための最適なスピードを計算することができる。
【0036】
[0042] 図4は、多交差点シナリオのためのルート選択計算を示す。図4は、車両406がポイントAからポイントBに移動することを示す。示される4つの可能なルート404(たとえば、404-1、404-2、404-3、および404-4)がある。電子デバイス402は、目的地(ポイントB)を含む車両情報を送信することができる。車両情報は、1つまたは複数のエッジネットワークデバイス410によって受信され得る。
【0037】
[0043] エッジネットワークデバイス410は、ポイントBにおける目的地までのすべてのルートについての移動時間、待ち時間、および燃料消費量を計算することができる。エッジネットワークデバイスは、ルートに沿った車両から報告される交通のほぼリアルタイムのスピードと、交通量予測とに基づいて、あらゆる道路セグメントの移動時間を決定することができる。エッジネットワークデバイス410は、予測された到着時間とTLPとに基づいて、あらゆる交差点の待ち時間を決定することができる。総燃料消費量は、スピードと時間予測とによって推定され得る。エッジネットワークデバイス410は、周期的に、またはルートに沿った予期しないイベント(たとえば、交通衝突または気象イベント(たとえば、洪水)に続いて、最適なルートを更新することができる。ルート推奨およびスピード推奨は、電子デバイス402に送られ得る。
【0038】
[0044] 図5は、様々な実施形態による、拡張ナビゲーション技法のための方法500のプロセスフロー図を示す。代替実施形態は、図5に示されているブロックにおいて説明される機能を組み合わせるか、分離するか、またはさもなければ変化させることによって、機能において変動し得る。図5に示されているブロックのうちの1つまたは複数の機能を実施するための手段は、図8に示され、以下で説明されるV2Xデバイス810など、V2Xデバイスのハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素を備え得る。
【0039】
[0045] 502において、機能は、目的地の入力(input)を受信することを備える。いくつかの実施形態では、目的地は、電子デバイスのタッチスクリーンディスプレイを介して入力され得る。いくつかの実施形態では、目的地は、デバイスのメモリ(memory)に記憶された1つまたは複数の記憶された目的地のリストから選択され得る。いくつかの実施形態では、目的地は、スクリーン上にリストされたアドレス(たとえば、ウェブサイト上のロケーションのアドレス)を選択することから選択され得る。いくつかの実施形態では、目的地は、電子デバイス上のマイクロフォン上で受信されたボイスコマンドによって受信され得る。目的地は、電子デバイスのメモリに記憶され得る。いくつかの実施形態では、目的地は、1つまたは複数の前の目的地から推論され得る。
【0040】
[0046] 504において、機能は、車両情報を受信することを備える。車両情報は、車両の加速度、速度(velocity)、および地理的ロケーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、V2Xチップモジュールを備える。V2Xチップモジュールは、ワイヤードまたはワイヤレス接続を通して車両の動き情報およびセンサーデータをキャプチャすることができる。いくつかの実施形態では、方向指示灯およびブレーキ信号は、電子デバイスによって受信され得る。電子デバイスと車両との間に直接接続がない場合、地理的ロケーション、スピード、および加速度は、電子デバイス(たとえば、スマートフォン)上の1つまたは複数のセンサーによってキャプチャされ得る。たとえば、GPSセンサーは、電子デバイスの地理的ロケーション(およびしたがって、車両のロケーション)を計算することができる。
【0041】
[0047] 506において、機能は、車両情報と目的地とを1つまたは複数のエッジネットワークデバイス(たとえば、路側ユニット)に送信することを備える。車両情報は、ワイヤレスリンクを介して送信され得る。いくつかの実施形態では、ワイヤレスリンクは、車両のほぼリアルタイムの動き状態が、エッジネットワークデバイスとメッセージカバレージ中の他の車両とを含むV2Xデバイスに周期的にブロードキャストされる、PC5接続である。いくつかの実施形態では、ワイヤレスリンクは、車両統計値が関連するエッジネットワークデバイスに送信される、Uuコネクトである。
【0042】
[0048] エッジネットワークデバイスは、車両情報と目的地とを受信することができる。エッジネットワークデバイスはまた、他のV2Xデバイスから車両情報および目的地情報を受信することができる。エッジネットワークデバイスは、ワイヤードおよびワイヤレスリンクから、交通、インシデント、緊急、および気象情報を受信することができる。エッジネットワークデバイスは、V2Xデバイスへの1つまたは複数の推奨を生成するために、受信された情報をクラウドソーシングすることができる。1つまたは複数の推奨は、(複数の可能なルートのうちの)推奨ルートと、推奨スピードと、推奨レーンとを含むことができる。1つまたは複数の推奨は、エッジネットワークデバイスのプロセッサ(processor)によって計算され、エッジネットワークデバイスのメモリに記憶され得る。エッジネットワークデバイスは、ワイヤレスリンクを介して1つまたは複数の計算された推奨(calculated recommendation)を送信することができる。
【0043】
[0049] 508において、機能は、エッジネットワークデバイスから、計算された推奨を受信することを備える。計算された推奨は、交通条件データ(traffic condition data)、車両情報、および目的地データのローカルクラウドソーシング(local crowdsourcing)に部分的に基づき得る。計算された推奨は、ワイヤレスネットワークリンク(たとえば、PC5リンクまたはUuリンク)を介して受信され得る。計算された推奨は、最適化された移動時間(たとえば、運転持続時間(driving duration,)、交差点待ち時間(intersection waiting time))のためのルート推奨を含むことができる。計算された推奨は、最適化された燃料消費量のための推奨スピードを含む、最適化された燃料消費量のためのルート推奨を含むことができる。計算された推奨は、交通条件による不要な遅延を回避するためのレーン推奨を含むことができる。計算された推奨は、燃料消費量と移動時間との間の妥協を与えるために1つまたは複数の重みを使用する、妥協ソリューションを含むことができる。いくつかの実施形態では、計算された推奨は、交差点を通して維持すべき車両スピード(vehicle speed)である。
【0044】
[0050] いくつかの実施形態では、エッジネットワークデバイスは、目的地までの1つまたは複数のルートについての燃料消費量を計算することができる。いくつかの実施形態では、ガソリン駆動車両についての燃料消費量は、以下の通りである。
【0045】
【数1】
【0046】
ここで、aは、メートル毎秒毎秒(meters per second squared)単位の車両加速度に等しく、vは、メートル毎秒単位の車両のスピードであり、xは、ミリリットル毎秒単位の燃料消費量に等しい。
【0047】
[0051] 510において、機能は、計算された推奨をV2Xデバイスのディスプレイ(display)上に表示することを備える。いくつかの実施形態では、V2Xデバイスはスマートフォンであり得る。いくつかの実施形態では、V2Xデバイスは、車両(たとえば、車両ナビゲーションシステム)の電子デバイス部分であり得る。いくつかの実施形態では、推奨は、車両のヘッドアップディスプレイを介して表示され得る。いくつかの実施形態では、推奨は、オーディオ手段(たとえば、電子デバイスのスピーカーまたは車両エンターテインメントシステムのスピーカー)を介して運転者に提示され得る。
【0048】
[0052] 図5に示されている特定のステップが、本開示の様々な実施形態による、拡張ナビゲーション技法のための特定の技法を与えることを諒解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。たとえば、本発明の代替実施形態は、上記で概説されたステップを異なる順序で実施し得る。その上、図5に示されている個々のステップは、個々のステップに適したように様々なシーケンスにおいて実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の適用例に応じて、追加のステップが追加または削除され得る。当業者は、多くの変形形態、変更形態、および代替形態を認識されよう。
【0049】
[0053] 図6は、様々な実施形態による、拡張ナビゲーション技法のための方法600のプロセスフロー図を示す。代替実施形態は、図6に示されているブロックにおいて説明される機能を組み合わせるか、分離するか、またはさもなければ変化させることによって、機能において変動し得る。図6に示されているブロックのうちの1つまたは複数の機能を実施するための手段は、エッジネットワークデバイス(たとえば、路側ユニット)のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素を備え得る。
【0050】
[0054] 602において、エッジネットワークデバイスは、メモリから車両の目的地にアクセスする。エッジネットワークデバイスは、移動持続時間を計算するために、車両の現在位置から目的地までのあらゆるルートを電子的にトラバースする。
【0051】
[0055] 604において、エッジネットワークデバイスは、各ルートを、道路セグメントおよび交差点の個別要素に電子的にスプリットする。個別ルート要素は、個別識別番号によって識別され、エッジネットワークデバイスのメモリに記憶され得る。
【0052】
[0056] 606において、エッジネットワークデバイスは、第1の要素において開始するルートについてのシミュレートされた移動持続時間を始動する。
【0053】
[0057] 608において、エッジネットワークデバイスは、要素を道路セグメントまたは交差点のいずれかとして識別する。
【0054】
[0058] 610において、エッジネットワークデバイスは、要素を道路セグメントとして識別する。移動持続時間は、要素の道路の長さを道路の平均スピードで除算したものとして計算され得る。この要素についての移動持続時間は、エッジネットワークデバイスのメモリに記憶され得る。
【0055】
[0059] 612において、エッジネットワークデバイスは、要素を交差点として識別する。推定された時間は、(ブロック606における)現在時刻+交差点までの移動持続時間として計算され得る。交通信号フェーズ情報は、エッジネットワークデバイスによって受信され得る。推定された到着時間における交差点の信号フェーズが計算され得る。
【0056】
[0060] 614において、エッジネットワークデバイスは、交差点における信号が、赤であるのか黄であるのか青であるのかを決定する。
【0057】
[0061] 616において、信号が赤である場合、エッジネットワークデバイス移動持続時間は、赤信号の残り時間だけ増加される。
【0058】
[0062] 618において、信号が青である場合、エッジネットワークデバイスは、すべての要素が考慮されたかどうかを決定する。
【0059】
[0063] 620において、残っているルートの要素がある場合、エッジネットワークデバイスは、メモリからルートの次の要素を取り出し、ブロック608に進む。さらなる要素がない場合、技法はブロック622に進む。
【0060】
[0064] 622において、ルートについての総移動時間が、個々のルート要素についてのすべての時間を合計することによって計算され得る。
【0061】
[0065] 図6に示されている特定のステップが、本開示の様々な実施形態による、セグメント時間を計算するための特定の技法を与えることを諒解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。たとえば、本発明の代替実施形態は、上記で概説されたステップを異なる順序で実施し得る。その上、図5に示されている個々のステップは、個々のステップに適したように様々なシーケンスにおいて実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の適用例に応じて、追加のステップが追加または削除され得る。当業者は、多くの変形形態、変更形態、および代替形態を認識されよう。
【0062】
[0066] したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に記載された本開示のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および改変がそれに行われ得ることは明らかであろう。
【0063】
[0067] 他の変形形態が本開示の趣旨内に入る。したがって、開示される技法は様々な変更形態および代替構成が可能であるが、それらのいくつかの図示の実施形態は、図面において示され、上記で詳細に説明された。ただし、本開示を開示された1つまたは複数の特定の形態に限定するという意図はなく、反対に、意図は、添付の特許請求の範囲において定義されているように、本開示の趣旨および範囲内に入るすべての変更形態、代替構成および等価物をカバーすることであることを理解されたい。
【0064】
[0068] 図7は、一実施形態による、本明細書で説明される拡張ナビゲーション技法のために使用される構成要素の基本アーキテクチャのブロック図である。これらの構成要素は、アプリケーションレイヤ720および無線レイヤ730をもつV2Xデバイス702と、センサー処理ユニット740と、1つまたは複数のセンサー750とを備える。当業者が諒解するように、図7に示されている構成要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素を備え得、以下で示されるように、異なるデバイスによって実行され得る。
【0065】
[0069] V2Xデバイス702は、センサー情報を取得し、それに基づいて拡張通信範囲を決定し、拡張通信範囲を有するV2Xメッセージを送信するために使用されるデバイスまたは構成要素を備え得る。したがって、V2Xデバイス702は、送信車両(たとえば、前に説明されたように、図1の車両106)上に位置し得る。とはいうものの、いくつかの実施形態は、車両V2Xデバイスに限定されないことがある。およびしたがって、V2Xデバイス702は、(たとえば、RSU、VRUなどにおける)非車両、V2X対応デバイスを備え得る。
【0066】
[0070] V2Xデバイス702は、図8に示され、以下で説明されるものなど、ハードウェアおよびソフトウェア構成要素を備え得る。これらの構成要素は、図7に示されているアプリケーションレイヤ720および無線レイヤ730を実行することが可能な構成要素を含む。たとえば、アプリケーションレイヤは、V2Xデバイス702の(1つまたは複数の)処理ユニット(processing unit)およびメモリによって実行されるソフトウェアアプリケーションによって実装され得、無線レイヤ730は、V2Xデバイスのワイヤレス通信インターフェースにおいて実行されるソフトウェア(たとえば、ファームウェア)によって実装され得る。
【0067】
[0071] 要するに、アプリケーションレイヤ720は、センサーベース通信範囲が、センサー処理ユニット740を介して与えられる(たとえば、カメラ、レーダー、LIDARなどを備える)(1つまたは複数の)センサー750からの入力に基づいて決定され得る、レイヤであり得る。センサー処理ユニット740は、(1つまたは複数の)センサー750からセンサーデータを受信し、処理することによってセンサーデータのための中央ハブとして働く汎用または専用プロセッサを備え得る。いくつかの実施形態では、たとえば、センサー処理ユニット740は、より高次の情報を決定するために、(1つまたは複数の)センサー750からセンサーデータを受信し、融合させることが可能であり得る。およびしたがって、いくつかの実施形態では、センサー処理ユニット740は、(1つまたは複数の)センサー750によって検出された物体の1つまたは複数のプロパティ(物体タイプ、ロケーション、速度、加速度など)をV2Xデバイス702のアプリケーションレイヤ720に与えることができる。追加または代替として、生センサーデータが、この決定を行い得るV2Xデバイス702に与えられ得る。いくつかの実施形態では、したがって、センサー処理ユニット740の機能は、V2Xデバイス702に統合され得る。いくつかの実施形態では、述べられたように、(1つまたは複数の)センサー750は、V2Xデバイス702とは別個の車両またはデバイス上に位置し得る。いくつかの実施形態では、センサー処理ユニット740も、別個の車両またはデバイス上に位置し得る。そのような事例では、(1つまたは複数の)センサー750とセンサー処理ユニット740との間の通信、および/またはセンサー処理ユニット740とV2Xデバイス702との間の通信は、ワイヤレス通信手段を介したものであり得る。
【0068】
[0072] アプリケーションレイヤ720は、無線レイヤ730と(1つまたは複数の)センサー750との間の媒介として働く。述べられたように、それは、センサー処理ユニット740を介して与えられるセンサーデータに基づいて、無線レイヤ730を介してV2Xデバイス702から送られたV2Xメッセージのための通信範囲を決定することができる。V2Xメッセージを送信するように構成されたハードウェアおよびソフトウェア構成要素の物理レイヤを備える無線レイヤ730において、決定された通信範囲は、所望の範囲に基づいてハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック距離として実装され得る。当業者が諒解するように、HARQフィードバック距離を示すパラメータは、V2Xメッセージ自体中に含まれ得るか、あるいは、HARQフィードバック距離を示すパラメータは、V2Xメッセージに付随するかまたはそれを示すシグナリング、たとえば、サイドリンク制御情報中に含まれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、決定された通信範囲は、V2Xメッセージまたは対応するシグナリング中に、HARQフィードバック距離を示すパラメータを含めることによって実装され得る。
【0069】
[0073] ただし、HARQフィードバック距離が、決定された通信範囲と同じでないことがあることに留意されたい。いくつかの実施形態では、たとえば、HARQフィードバック距離は、ある程度のマージンに適応するために、決定された通信範囲よりもわずかに大きいことがある。したがって、いくつかの実施形態は、決定された通信範囲をHARQフィードバック距離に変換またはマッピングするための技法を利用し得る。これらは、たとえば、ある割合または最小距離だけ、決定された通信範囲を増加させることを含むことができる。別の例では、HARQフィードバック距離の指示は限定を有し(たとえば、限られた数の量子化された距離のみが示され得る)、決定された通信範囲は、量子化された距離のうちの1つにマッピングされる。
【0070】
[0074] いくつかの実施形態によれば、無線レイヤ730はまた、アプリケーションレイヤ720によって決定され、無線レイヤに渡された通信範囲に基づいて、適切な変調およびコーディング方式(MCS)を決定するために使用され得る。当業者が諒解するように、無線レイヤ730は、V2Xメッセージを送信するために異なる次数のMCSを使用し得る。一般的に言えば、より短い範囲においては、より精巧なコーディング方式(より高次のMCS)が使用され得るが、所望の範囲がより長い場合は、より基本的なコーディング方式が使用される。適切なMCS選択が、効率的なスペクトル使用を保証するのを助けるために使用され得る。
【0071】
[0075] 図8は、本明細書において上記で説明されたように利用され得る、V2Xデバイス810の一実施形態のブロック図である。いくつかの実施形態では、V2Xデバイス810は、車両のナビゲーションおよび/または自動運転に関係する1つまたは複数のシステムを管理するために使用される車両コンピュータシステムを備えるか、またはそれに統合され、ならびに、他のオンボードシステムおよび/または他の交通エンティティと通信し得る。いくつかの実施形態では、V2Xデバイス810は、車両(またはエンティティ)の他の構成要素/デバイスに通信可能に結合され得る、車両(または他のV2Xエンティティ)上のスタンドアロンデバイスまたは構成要素を備え得る。
【0072】
[0076] 述べられたように、V2Xデバイス810は、図3に示されているアプリケーションレイヤ820および無線レイヤ830を実装し得、前に説明された、図5の方法500の機能のうちの1つまたは複数をも実施し得る。図8は、様々な構成要素の一般化された図を与えるものにすぎず、それらの構成要素のいずれかまたはすべてが適宜に利用され得ることに留意されたい。いくつかの事例では、図8によって示されている構成要素が、単一の物理デバイスに局所化され、および/または、たとえば、車両上の異なる物理的ロケーションに位置し得る様々なネットワーク化されたデバイスの間で分散され得ることに留意されたい。
【0073】
[0077] バス805を介して電気的に結合され得る(または、適宜に、他の方法で通信していることがある)ハードウェア要素を備えるV2Xデバイス810が示されている。ハードウェア要素は、限定はしないが、1つまたは複数の汎用プロセッサ、(デジタル信号処理(DSP)チップ、グラフィックスアクセラレーションプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などの)1つまたは複数の専用プロセッサ、および/あるいは他の処理構造または手段を含むことができる、(1つまたは複数の)処理ユニット810を含み得る。図8に示されているように、いくつかの実施形態は、所望の機能に応じて別個のデジタル信号プロセッサ(DSP)820を有し得る。(図7に示され、前に説明されたような)センサー処理ユニット840がV2Xデバイス810に統合される実施形態では、(1つまたは複数の)処理ユニット810がセンサー処理ユニット840を備え得る。
【0074】
[0078] V2Xデバイス810は、ユーザインターフェース(たとえば、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロフォン、(1つまたは複数の)ボタン、(1つまたは複数の)ダイヤル、(1つまたは複数の)スイッチなど)に関係するデバイス、および/またはナビゲーション、自動運転などに関係するデバイスを含むことができる、1つまたは複数の入力デバイス870をも含むことができる。同様に、1つまたは複数の出力デバイス815は、(たとえば、ディスプレイ、(1つまたは複数の)発光ダイオード(LED)、(1つまたは複数の)スピーカーなどを介して)ユーザと対話すること、および/またはナビゲーション、自動運転などに関係するデバイスと対話することに関係し得る。
【0075】
[0079] V2Xデバイス810はまた、限定はしないが、(Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、IEEE802.15.4デバイス、WiFi(登録商標)デバイス、WiMax(登録商標)デバイス、WANデバイスおよび/または様々なセルラーデバイスなどの)モデム、ネットワークカード、赤外線通信デバイス、ワイヤレス通信デバイス、および/またはチップセットなどを備え得る、ワイヤレス通信インターフェース830を含み得る。ワイヤレス通信インターフェース830は、V2Xデバイス810が他のV2Xデバイスに通信することを可能にすることができ、決定された通信範囲をもつV2Xメッセージを送信するために、図7に示され、上記で説明された無線レイヤ830を実装するために(前記のように)使用され得る。ワイヤレス通信インターフェース830を使用する通信は、ワイヤレス信号834を送るおよび/または受信する1つまたは複数のワイヤレス通信アンテナ832を介して行われ得る。
【0076】
[0080] V2Xデバイス810はさらに、(1つまたは複数の)センサー840を含むことができる。センサー840は、限定はしないが、1つまたは複数の慣性センサーおよび/または他のセンサー(たとえば、(1つまたは複数の)加速度計、(1つまたは複数の)ジャイロスコープ、(1つまたは複数の)カメラ、(1つまたは複数の)磁力計、(1つまたは複数の)高度計、(1つまたは複数の)マイクロフォン、(1つまたは複数の)近接度センサー、(1つまたは複数の)光センサー、(1つまたは複数の)気圧計など)を備え得る。センサー840は、たとえば、ロケーション、速度、加速度など、車両のいくつかのリアルタイム特性を決定するために使用され得る。図8に示されている(1つまたは複数の)センサー840は、物体を検出するために使用されるセンサーデータが、V2Xデバイス810とともに車両(または他のV2Xエンティティ)上でコロケートされるセンサーから受信される事例では、(図7に示され、前に説明されたような)(1つまたは複数の)センサー850を含み得る。
【0077】
[0081] V2Xデバイス810の実施形態は、(アンテナ832と同じであり得る)アンテナ882を使用して1つまたは複数のGNSS衛星から信号884を受信することが可能なGNSS受信機880をも含み得る。GNSS信号測定に基づく測位は、V2Xデバイスの現在ロケーションを決定するために利用され得、検出された物体のロケーションを決定するための基礎としてさらに使用され得る。GNSS受信機880は、全地球測位システム(GPS)および/または同様の衛星システムなど、GNSSシステムのGNSS衛星から、従来の技法を使用して、V2Xデバイス810の位置を抽出することができる。
【0078】
[0082] V2Xデバイス810はさらに、メモリ860を備え、および/またはそれと通信していることがある。メモリ860は、限定はしないが、ローカルストレージおよび/またはネットワークアクセス可能ストレージと、ディスクドライブと、ドライブアレイと、光ストレージデバイスと、プログラム可能、フラッシュアップデート可能などであり得るランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読取り専用メモリ(ROM)などのソリッドステートストレージデバイスとを含むことができる。そのようなストレージデバイスは、限定はしないが、様々なファイルシステム、データベース構造などを含む、任意の適切なデータストアを実装するように構成され得る。
【0079】
[0083] V2Xデバイス810のメモリ860はまた、様々な実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを備え得、ならびに/あるいは、本明細書で説明される方法を実装し、および/またはシステムを構成するように設計され得る、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または1つまたは複数のアプリケーションプログラムなどの他のコードを含む、ソフトウェア要素(図8に図示せず)を備えることができる。メモリ860に記憶され、(1つまたは複数の)処理ユニット810によって実行されるソフトウェアアプリケーションは、図7に示され、前に説明されたアプリケーションレイヤ720を実装するために使用され得る。その上、本明細書で説明される(1つまたは複数の)方法に関して説明される1つまたは複数のプロシージャは、以下で説明される図5の方法500に示されている機能を含む、V2Xデバイス810(および/または、V2Xデバイス810内の(1つまたは複数の)処理ユニット810またはDSP820)によって実行可能である、メモリ860中のコードおよび/または命令として実装され得る。一態様では、次いで、そのようなコードおよび/または命令は、説明された方法に従って1つまたは複数の動作を実施するように汎用コンピュータ(または他のデバイス)を構成し、および/または適応させるために使用され得る。
【0080】
[0084] 実質的な変形形態が、特定の要件に従って行われ得ることが当業者には明らかであろう。たとえば、カスタマイズされたハードウェアも使用され得、ならびに/あるいは特定の要素が、ハードウェア、(アプレットなど、ポータブルソフトウェアを含む)ソフトウェア、またはその両方で実装され得る。さらに、ネットワーク入出力デバイスなど、他のコンピューティングデバイスへの接続が採用され得る。
【0081】
[0085] 添付の図を参照すると、メモリを含むことができる構成要素は、非一時的機械可読媒体(non-transitory machine-readable media)を含むことができる。本明細書で使用される「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の様式で動作させるデータを与えることに関与する任意の記憶媒体を指す。上記で与えられた実施形態では、様々な機械可読媒体が、実行のために処理ユニットおよび/または(1つまたは複数の)他のデバイスに命令/コードを与えることに関与し得る。追加または代替として、機械可読媒体は、そのような命令/コードを記憶および/または搬送するために使用され得る。多くの実装形態では、コンピュータ可読媒体は物理および/または有形記憶媒体である。そのような媒体は、限定はしないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、たとえば、磁気および/または光媒体、穴のパターンをもつ任意の他の物理媒体、RAM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、以下で説明されるような搬送波、あるいはコンピュータが命令および/またはコードをそれから読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0082】
[0086] 本明細書で説明される方法、システム、およびデバイスは例である。様々な実施形態は、適宜に、様々なプロシージャまたは構成要素を省略、置換、または追加し得る。たとえば、いくつかの実施形態に関して説明される特徴は、様々な他の実施形態において組み合わせられ得る。実施形態の異なる態様および要素が、同様にして組み合わせられ得る。本明細書で提供される図の様々な構成要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施され得る。さらに、技術は発展し、したがって、要素の多くは例であり、それらの例は本開示の範囲をそれらの特定の例に限定しない。
【0083】
[0087] 主に一般的な用法という理由で、そのような信号をビット、情報、値、要素、記号、文字、変数、項、数、数字などと呼ぶことが時々便利であることがわかっている。ただし、これらまたは同様の用語のすべては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、便宜的なラベルにすぎないことを理解されたい。別段に明記されていない限り、上記の説明から明らかなように、本明細書全体にわたって、「処理すること」、「算出すること」、「計算すること」、「決定すること」、「確認すること」、「識別すること」、「関連付けること」、「測定すること」、「実施すること」などの用語を利用する説明は、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスなど、特定の装置のアクションまたはプロセスを指すことを諒解されたい。したがって、本明細書のコンテキストでは、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスは、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、または他の情報記憶デバイス、送信デバイス、またはディスプレイデバイス内の電子的、電気的、または磁気的な物理量として一般に表される信号を操作または変換することが可能である。
【0084】
[0088] 本明細書で使用される「および」および「または」という用語は、そのような用語が使用されるコンテキストに少なくとも部分的に依存することも予想される様々な意味を含み得る。一般に、「または」がA、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合、ここで包含的な意味で使用されるA、B、およびCを意味し、ならびにここで排他的な意味で使用されるA、B、またはCを意味するものとする。さらに、本明細書で使用される「1つまたは複数」という用語は、単数形の任意の特徴、構造、または特性について説明するために使用され得るか、あるいは特徴、構造、または特性の何らかの組合せについて説明するために使用され得る。ただし、これは例示的な例にすぎないこと、および請求される主題がこの例に限定されないことに留意されたい。さらに、「のうちの少なくとも1つ」という用語は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合、A、AB、AA、AAB、AABBCCCなど、A、B、および/またはCの任意の組合せを意味すると解釈され得る。
【0085】
[0089] いくつかの実施形態について説明したが、本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な変更形態、代替構成、および等価物が使用され得る。たとえば、上記の要素は、より大きいシステムの構成要素にすぎないことがあり、他のルールが、様々な実施形態の適用例よりも優先するかまたはさもなければ様々な実施形態の適用例を変更し得る。さらに、上記の要素が考慮される前に、考慮されている間に、または考慮された後に、いくつかのステップが行われ得る。したがって、上記の説明は本開示の範囲を限定しない。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
車両対あらゆるモノ(V2X)デバイスにおけるナビゲーション支援を与える方法であって、前記方法は、
前記ナビゲーション支援のための目的地の入力を受信することと、
車両情報を受信することと、前記車両情報が、車両の加速度、速度、および地理的ロケーションのうちの1つまたは複数を含む、
ワイヤレス通信リンクを介して前記車両情報と前記目的地とを1つまたは複数のエッジネットワークデバイスに送信することと、
前記ワイヤレス通信リンクを介して前記1つまたは複数のエッジネットワークデバイスから、計算された推奨を受信することと、前記計算された推奨が、交通条件データのローカルクラウドソーシングに少なくとも部分的に基づく、
前記計算された推奨を前記V2Xデバイスのディスプレイ上に表示することと
を備える、方法。
[C2]
前記ワイヤレス通信リンクが直接PC5通信リンクである、C1に記載の方法。
[C3]
前記ワイヤレス通信リンクがローカルUuインターフェースである、C1に記載の方法。
[C4]
前記計算された推奨がルート推奨を含む、C1に記載の方法。
[C5]
前記ルート推奨が、運転時間と交差点待ち時間とを含む移動時間を最小限に抑えるように最適化される、C4に記載の方法。
[C6]
前記ルート推奨が、燃料消費量を最小限に抑えるように最適化される、C4に記載の方法。
[C7]
前記計算された推奨がレーン推奨である、C1に記載の方法。
[C8]
前記計算された推奨が車両スピード推奨である、C1に記載の方法。
[C9]
前記車両情報が、前記車両へのワイヤードまたはワイヤレス接続を介して受信される、C1に記載の方法。
[C10]
前記V2Xデバイスがスマートフォンであり、前記車両情報が前記スマートフォンの1つまたは複数のセンサーによって与えられる、C1に記載の方法。
[C11]
通信インターフェースと、メモリと、前記通信インターフェースおよび前記メモリに通信可能に結合された1つまたは複数の処理ユニットとを備えるV2Xデバイスであって、前記1つまたは複数の処理ユニットが、前記デバイスにC1から10のいずれかに記載の方法を実施させるように構成された、V2Xデバイス。
[C12]
メモリに記憶された複数の命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記複数の命令が、プロセッサ上で実行されたとき、C1から10のいずれかに記載の方法を備える動作を実施する、非一時的コンピュータ可読媒体。
図1
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図8