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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】同軸スピーカボックス
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/26 20060101AFI20240910BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20240910BHJP
   H04R 9/02 20060101ALI20240910BHJP
   H04R 9/04 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
H04R1/26
H04R1/02 101B
H04R9/02 102Z
H04R9/04 103
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022577228
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2022106755
(87)【国際公開番号】W WO2024000691
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】202221691529.9
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】任 璋
(72)【発明者】
【氏名】▲鍾▼ 志威
(72)【発明者】
【氏名】王 奇
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203193868(CN,U)
【文献】中国実用新案第214960109(CN,U)
【文献】中国実用新案第215300909(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111405425(CN,A)
【文献】中国実用新案第214381369(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/20-1/36
H04R 1/02
H04R 9/02
H04R 9/04
H04R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたスピーカ単体と、前記スピーカ単体から発された音を前記ハウジングの側面から前記ハウジングの外に導出する導音チャネルとを含む同軸スピーカボックスであって、
前記スピーカ単体は、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動システムを取り囲んで設けられた第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システム、第2振動システムと前記ハウジングの間には、フロントチャンバが形成され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音を発するために用いられ、前記第1振動膜から発された高音は、前記フレームを通過して前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達され、前記第2振動膜は、低音を発するために用いられ、前記第2振動膜から発された低音は、前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達されることを特徴とする同軸スピーカボックス。
【請求項2】
前記フレームは、リング状構造であり、且つ、前記ハウジングに当接する上壁面、前記磁気回路システムに固定された下壁面、前記上壁面と前記下壁面とを接続する内壁面及び外壁面を含み、前記フレームは、前記上壁面から下壁面に向かう方向へ凹んで第1音波伝達孔を形成し、前記第1音波伝達孔は、前記下壁面まで貫通しないことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項3】
前記導音チャネルの長さは、前記フレームの第1音波伝達孔の長さより大きいことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項4】
前記スピーカ単体は、前記磁気回路システムによって囲まれるように設けられたインサートと、前記インサートに固定された第1回路基板とを更に含み、前記インサートには、それを貫通する第1端子が設けられ、前記第1ボイスコイルは、前記第1端子を介して前記第1回路基板に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項5】
前記スピーカ単体は、支持スタンドと、前記第2振動システムと前記支持スタンドとを接続する弾性アセンブリとを含み、前記弾性アセンブリは、第2回路基板と、前記第2回路基板に接続された支持振動膜とを含み、前記第2ボイスコイルは、前記第2回路基板に電気的に接続されることを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項6】
前記磁気回路システムは、磁性ヨークを含み、前記磁性ヨークは、収容空間を囲む側部と、前記側部の一端から折り曲げて延在して形成された底部とを含み、前記磁気回路システムは、前記磁性ヨークの一方側に設けられた第1磁性鋼アセンブリと、前記磁性ヨークの他方側に設けられた第2磁性鋼アセンブリとを更に含み、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼と前記磁性ヨークの側壁との間には、前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置し且つ前記第2磁性鋼とともに前記第2磁気ギャップを形成する第3磁性鋼とを含むことを特徴とする請求項5に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項7】
前記第1振動膜は、第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サスペンションとを含み、前記第1サスペンションには、第1固定部が設けられ、前記第1固定部は、前記フレームの内壁面に貼り合わせて固定されていることを特徴とする請求項6に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項8】
前記第1固定部の、前記フレームの第1音波伝達孔に対応する位置には、第2音波伝達孔が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項9】
前記第1固定部は、前記第2音波伝達孔を形成する部分が、前記フレームにおける前記第1音波伝達孔が形成された底壁に貼り合わせて固定されていることを特徴とする請求項8に記載の同軸スピーカボックス。
【請求項10】
前記第1磁性鋼アセンブリは、前記第1磁性鋼に設けられたポールプレートを含み、前記第1固定部は、前記フレームの内壁面と前記ポールプレートとの間に部分的に挟持されていることを特徴とする請求項7に記載の同軸スピーカボックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの分野に関し、特に同軸スピーカボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカとは、高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが統合され、且つ高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが同軸に設けられたスピーカを指す。同軸スピーカの高音スピーカユニットと低音スピーカユニットの音源は、同軸スピーカボックスの正面に位置してもよく(すなわち、2つのスピーカユニットの発音方向が同じであり)、同軸スピーカボックスの表裏面に位置してもよい(すなわち、2つのスピーカユニットの発音方向が異なる)。該同軸スピーカをハウジングに入れると同軸スピーカボックスを形成することができる。
【0003】
関連技術における同軸スピーカの高音スピーカユニット及び低音スピーカユニットはそれぞれ、独立した振動システム及び磁気回路システムを含み、構造が複雑であり、高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが同軸に構成された同軸スピーカ及び同軸スピーカボックスの全体の高さが増加するため、高さが高すぎて取り付けにくく、製品の適用性を低下させる。また、分離された高低音磁気回路も製造コストを向上させ、製品の市場競争力を低下させ、且つ関連技術において音出し面から離れたスピーカユニットにおける振動膜の有効面積が制限され、全音域の要求を満たすことができない。更に、該同軸スピーカを有するスピーカボックスの発音方向が一般的に頂部発音であるため、フロントチャンバの共振エネルギーが低く、高音の音響効果が良くない。
【0004】
したがって、上記技術的課題を解決する新たな同軸スピーカボックスを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高低音の音響効果が優れた全帯域同軸スピーカボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、同軸スピーカボックスを提供する。当該同軸スピーカボックスは、ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたスピーカ単体と、前記スピーカ単体から発された音を前記ハウジングの側面から前記ハウジングの外に導出する導音チャネルとを含み、前記スピーカ単体は、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動システムを取り囲んで設けられた第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システム、第2振動システムと前記ハウジングの間には、フロントチャンバが形成され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音を発するために用いられ、前記第1振動膜から発された高音は、前記フレームを通過して前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達され、前記第2振動膜は、低音を発するために用いられ、前記第2振動膜から発された低音は、前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達される。
【0007】
好ましくは、前記フレームは、リング状構造であり、且つ、前記ハウジングに当接する上壁面、前記磁気回路システムに固定された下壁面、前記上壁面と前記下壁面とを接続する内壁面及び外壁面を含み、前記フレームは、前記上壁面から下壁面に向かう方向へ凹んで第1音波伝達孔を形成し、前記第1音波伝達孔は、前記下壁面まで貫通しない。
【0008】
好ましくは、前記導音チャネルの長さは、前記フレームの第1音波伝達孔の長さより大きい。
【0009】
好ましくは、前記スピーカ単体は、前記磁気回路システムによって囲まれるように設けられたインサートと、前記インサートに固定された第1回路基板とを更に含み、前記インサートには、それを貫通する第1端子が設けられ、前記第1ボイスコイルは、前記第1端子を介して前記第1回路基板に電気的に接続される。
【0010】
好ましくは、前記スピーカ単体は、支持スタンドと、前記第2振動システムと前記支持スタンドとを接続する弾性アセンブリとを含み、前記弾性アセンブリは、第2回路基板と、前記第2回路基板に接続された支持振動膜とを含み、前記第2ボイスコイルは、前記第2回路基板に電気的に接続される。
【0011】
好ましくは、前記磁気回路システムは、磁性ヨークを含み、前記磁性ヨークは、収容空間を囲む側部と、前記側部の一端から折り曲げて延在して形成された底部とを含み、前記磁気回路システムは、前記磁性ヨークの一方側に設けられた第1磁性鋼アセンブリと、前記磁性ヨークの他方側に設けられた第2磁性鋼アセンブリとを更に含み、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼と前記磁性ヨークの側壁との間には、前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置し且つ前記第2磁性鋼とともに前記第2磁気ギャップを形成する第3磁性鋼とを含む。
【0012】
好ましくは、前記第1振動膜は、第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サスペンションとを含み、前記第1サスペンションには、第1固定部が設けられ、前記第1固定部は、前記フレームフレームの内壁面に貼り合わせて固定されている。
【0013】
好ましくは、前記第1固定部の、前記フレームの第1音波伝達孔に対応する位置には、第2音波伝達孔が設けられている。
【0014】
好ましくは、前記第1固定部は、前記第2音波伝達孔を形成する部分が、前記フレームにおける前記第1音波伝達孔が形成された底壁に貼り合わせて固定されている。
【0015】
好ましくは、前記第1磁性鋼アセンブリは、前記第1磁性鋼に設けられたポールプレートを含み、前記第1固定部は、前記フレームの内壁面と前記ポールプレートとの間に部分的に挟持されている。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べて、本発明の同軸スピーカボックスは、ハウジング、前記ハウジング内に収容されたスピーカ単体、及び、前記スピーカ単体から発された音を前記ハウジングの側面から前記ハウジング外に導出する導音チャネルを含み、前記スピーカ単体は、フレーム、前記フレームの下方に固定された磁気回路システム、前記フレームの内側に固定された第1振動システム、及び、前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動システムを取り囲んで設けられた第2振動システムを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システム、第2振動システムと前記ハウジングの間には、フロントチャンバが形成され、前記第1振動システムは、第1振動膜、及び、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜、及び、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップ、及び、第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音を発するために用いられ、前記第1振動膜から発された高音は、前記フレームを通過して前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達され、前記第2振動膜は、低音を発するために用いられ、前記第2振動膜から発された低音は、前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達される。本発明の同軸スピーカボックスは、リング状の低音振動システムを設けることにより、低音の音響効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設けられ、高音の音響効果を提供し、低音、高音は、同軸全帯域スピーカ単体を形成し、同軸スピーカボックスへ高品質の音響効果を提供し、高音、低音は、側導音チャネルを共用し、低音チャネルにフロントチャンバ共振を形成して高周波の音響効果を改善し、高音気流は、フレームの一側から音を出し、スピーカボックスの指向性を向上させる。
【0017】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、単に本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明における同軸スピーカボックスの立体構造を示す模式図である。
図2図1に示す同軸スピーカボックスの部分分解図である。
図3図1に示す同軸スピーカボックスにおけるスピーカ単体の部分分解図である。
図4図1に示す同軸スピーカボックスにおけるスピーカ単体の別の部分分解図である。
図5図1に示す同軸スピーカボックスにおけるスピーカ単体の一部の部品の分解図である。
図6図1におけるA-A線に沿った断面図である。
図7図1におけるB-B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0020】
同時に図1~7に示すように、本発明は、同軸スピーカボックス200を提供し、ハウジング300、前記ハウジング300内に収容されたスピーカ単体100、及び、前記スピーカ単体100から発された音を前記ハウジング300の側面から前記ハウジング300外に導出する導音チャネル400を含む。
【0021】
図2に示すように、前記ハウジング300は、下ハウジング301、及び、前記下ハウジング301に蓋設固定された上ハウジング302を含む。前記下ハウジング301の底壁には、貫通孔3011が設けられている。前記上ハウジング302は、枠体3021と、前記枠体3021に嵌合固定された鋼片3022とを含む。
【0022】
図3図7に示すように、前記スピーカ単体100は、フレーム1、前記フレーム1に固定された磁気回路システム2、前記フレーム1の内側に固定された第1振動システム3、前記フレーム1の外側に固定された第2振動システム4、インサート5、前記インサート5に固定された第1回路基板6、支持スタンド7、及び、弾性アセンブリ8を含み、前記第2振動システム4は、前記第1振動システム3の外側を周回し且つ前記第1振動システム3と同軸に設けられる。
【0023】
前記フレーム1の外周は、略矩形であり、前記ハウジング300に当接する上壁面11、前記磁気回路システム2に固定された下壁面12、前記上壁面11と前記下壁面12とを接続する内壁面13及び外壁面14を含み、具体的には、前記上壁面11は、前記鋼板に当接して固定される。前記フレーム1は、前記上壁面11から下壁面12に向かう方向へ凹んで第1音波伝達孔15を形成し、前記第1音波伝達孔15は、前記内壁面13及び外壁面14を貫通し、且つ前記下壁面12まで貫通しない。前記第1振動システム3は、フレーム1の内壁面13の一側に位置し、前記第2振動システム4は、フレーム1の外壁面14の一側に位置する。前記フレーム1の第1音波伝達孔15の長さは、前記導音チャネル400の長さより小さい。
【0024】
前記磁気回路システム2は、磁性ヨーク21、前記磁性ヨーク21の一方側に設けられた第1磁性鋼アセンブリ22、及び、前記磁性ヨーク21の他方側に設けられた第2磁性鋼アセンブリ23を含む。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、前記第2磁性鋼アセンブリ23と同軸に設けられる。前記磁性ヨーク21は、収容空間210を囲む側部211と、前記側部211の一端から折り曲げて延在して形成された底部212とを含む。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、第1磁性鋼221と、前記第1磁性鋼221に設けられたポールプレート222とを含み、前記第1磁性鋼221と前記磁性ヨーク21の側部211との間には、第1磁気ギャップ220が形成される。前記第1磁性鋼221が前記第2振動システム4に接近する表面の外縁には、切断面2211が設けられる。前記磁性ヨーク21の底部212は、前記第1磁性鋼221を支持する。前記第2磁性鋼アセンブリ23は、第2磁性鋼231、前記第2磁性鋼231とともに第2磁気ギャップ230を形成する第3磁性鋼232、前記第3磁性鋼232の上方に積層設置された導磁板233を含み、前記磁性ヨーク21の底部212は、前記第2磁性鋼231の上方に積層設置され、前記第1磁性鋼221は、前記第2磁性鋼232に正対して設けられる。前記磁気回路システム2は、前記第2磁性鋼231と前記第3磁性鋼232とを支持する磁気ヨーク24を更に含み、前記磁気ヨーク24の一部は、前記下ハウジング301の貫通孔3011を介して露出する。前記磁気ヨーク24の下面は、前記インサート5の下面と面一である。
【0025】
前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231、第3磁性鋼232は、前記スピーカ単体100の振動方向に沿って磁化され、且つ前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231が同極で対向して設けられ、すなわち第1磁性鋼221、第2磁性鋼231の磁化方向が逆であり、前記第2磁性鋼231、第3磁性鋼232の磁化方向が逆である。本実施例において、前記第1磁性鋼221、ポールプレート222、第2磁性鋼231、第3磁性鋼232、導磁板233は、いずれも中空環状構造である。
【0026】
前記第1振動システム3は、第1振動膜31、及び、前記第1振動膜31の振動発音を駆動する第1ボイスコイル32を含み、前記第1ボイスコイル32は、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ220内に挿設され、前記第1振動膜31は、高音を発するために用いられ、その発音方向は、振動方向に沿って上向きである。前記第1振動膜31は、第1ドーム311、及び、前記第1ドーム311を取り囲んで設けられた第1サスペンション312を含み、前記第1ドーム311は、前記第1サスペンション312の上方に位置する第1ドーム部分3111、及び、前記第1サスペンション312の下方に位置する第2ドーム部分3112を含み、前記第1サスペンション312は、中空環状構造であり、且つ前記第1サスペンション312は、振動方向に沿って上向きに突起する構造であり、前記第1ドーム部分3111の寸法は、前記第2ドーム部分3112より小さく、且つ前記第1ドーム部分3111は、前記第2ドーム部分3112に貼り合わせて固定され、前記第2ドーム部分3112は、前記第1サスペンション312に固定される。前記第1サスペンション312の外縁には、第1固定部313が設けられ、内縁には、第2固定部314が設けられ、前記第1固定部313は、前記フレーム1の内側壁11に貼り合わせて固定され、前記第2ドーム部分3112は、前記第2固定部314に貼り合わせて固定され、且つ前記第2固定部314と前記第1ボイスコイル32との間に介在され、更に、前記第1固定部313は、前記フレーム1と前記ポールプレート222との間に部分的に挟持される。前記第1固定部313の、前記フレーム1の第1音波伝達孔15に対応する位置には、第2音波伝達孔3131が設けられる。前記第1固定部313は、前記第2音波伝達孔3131を形成する部分が、前記フレーム1における前記第1音波伝達孔15が形成された底壁に貼り合わせ固定される。
【0027】
前記第2振動システム4は、第2振動膜41、前記第2振動膜41の振動発音を駆動する第2ボイスコイル42、及び、前記第2振動膜41と前記第2ボイスコイル42を接続するボイスコイルボビン43を含み、前記第2ボイスコイル42は、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ230内に挿設され、前記第2振動膜41は、低音を発するために用いられ、その発音方向は、振動方向に沿って上向きである。前記第2振動膜41は、第2サスペンション411、前記第2サスペンション411を取り囲んで設けられた第2ドーム412、前記第2ドーム412を取り囲んで設けられた第3サスペンション413を含む。前記第2サスペンション411、第2ドーム412、第3サスペンション413は、いずれも中空環状構造であり、且つ前記第2サスペンション411は、振動方向に沿って上向きに突起する構造であり、前記第3サスペンション413は、振動方向に沿って下向き凹む構造であり、前記ボイスコイルボビン43は、前記第2サスペンション411、第2ドーム412、第3サスペンション413、及び、前記第2ボイスコイル42に接続される。前記第2サスペンション411の前記第1振動膜31に近接する一端は、前記フレーム1の外壁面14又は/及び前記第1磁性鋼221に固定され、前記第3サスペンション413の外縁は、第3固定部4131を含む。
【0028】
前記第1振動システム3、第2振動システム4と前記ハウジング300の上ハウジング302との間には、フロントチャンバ303が形成され、第1振動システム3に対応するフロントチャンバ部分と第2振動システム4に対応するフロントチャンバ部分は、第1音波伝達孔15及び第2音波伝達孔3131により連通し、前記導音チャネル400の長さは、前記フレーム1の第1音波伝達孔15の長さよりも大きいため、高音部分は、徐々に拡散する方向に沿ってラッパ状に形成されて前記ハウジング300の外側まで発することができ、同軸スピーカボックス200の指向性を向上させるとともに、フロントチャンバ303の共振エネルギーを向上させる。
【0029】
前記磁気ヨーク24の前記第2ボイスコイル42に対応する位置には、退避窪み部241が設けられ、それにより第2ボイスコイル42の十分な振動空間を提供する。
【0030】
インサート5は、前記磁性ヨーク21の側部211で取り囲まれた収容空間210内に設けられ、第1回路基板6は、前記磁気ヨーク24の外面に密着され、前記インサート5には、それを貫通する第1端子91が設けられ、前記第1端子91は、第1回路基板6に接続され、前記第1ボイスコイル32は、前記第1端子91により前記第1回路基板6との電気的接続を実現する。前記インサート5には、それを貫通するリークチャネル51が設けられる。
【0031】
支持スタンド7は、リング状鋼リングであり、前記第3サスペンション413の第3固定部4131は、前記支持スタンド7に固定接続され、具体的には、第3固定部4131は、前記支持スタンド7の上面及び一部の外側面を被覆する。前記ポールプレート222は、前記支持スタンドの第2振動膜41から離れた一端に固定される。
【0032】
弾性アセンブリ8は、前記ボイスコイルボビン43と前記支持スタンド7に接続され、前記弾性アセンブリ8は、第2回路基板81と前記第2回路基板81に接続された支持振動膜82を含み、前記第2ボイスコイル42は、前記第2回路基板81に電気的に接続され、具体的には、前記スピーカ単体100は、更に前記第2回路基板81に接続された第2端子92を含み、前記第2ボイスコイル42は、前記第2端子92により前記第2回路基板81に電気的に接続される。本実施例において、弾性アセンブリ8の数は、2つであり、且つスピーカ単体100の短軸方向に設けられ、他の実施例において状況に応じて決定されてもよい。
【0033】
前記ボイスコイルボビン43は、前記第2ドーム412に貼り合わせる骨格平板部431、前記骨格平板部431の一端から前記第2回路基板81に向かって折り曲げて延在し且つ前記第2回路基板81に接続された第1延在部432、及び、前記骨格平板部431の他端から前記第2ボイスコイル42に向かって折り曲げて延在し且つ前記第2ボイスコイル42に接続された第2延在部433を含む。
【0034】
関連技術に比べて、本発明の同軸スピーカボックスは、ハウジング、前記ハウジング内に収容されたスピーカ単体、及び、前記スピーカ単体から発された音を前記ハウジングの側面から前記ハウジングの外に導出する導音チャネルを含み、前記スピーカ単体は、フレーム、前記フレームの下方に固定された磁気回路システム、前記フレームの内側に固定された第1振動システム、及び、前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動システムを取り囲んで設けられた第2振動システムを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動膜、及び、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜、及び、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップ、及び、第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音を発するために用いられ、前記第1振動膜から発された高音は、前記フレームを通過して前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達され、前記第2振動膜は、低音を発するために用いられ、前記第2振動膜から発された低音は、前記導音チャネルから前記ハウジングの外に伝達される。本発明の同軸スピーカボックスは、リング状の低音振動システムを設けることにより、低音の音響効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設けられ、高音の音響効果を提供し、低音、高音は、同軸全帯域スピーカ単体を形成し、同軸スピーカボックスへ高品質の音響効果を提供し、高音、低音は、側導音チャネルを共用し、低音チャネルにフロントチャンバ共振を形成して高周波音効果を改善し、高音気流は、フレームの一側から音を出し、スピーカボックスの指向性を向上させる。
【0035】
上述したのは、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、更に改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。


図1
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図5
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図7