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特許7553617撮像レンズモジュール、撮像装置及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】撮像レンズモジュール、撮像装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20240910BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023007316
(22)【出願日】2023-01-20
(65)【公開番号】P2024103140
(43)【公開日】2024-08-01
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】柿本 剛
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-039915(JP,A)
【文献】特開平10-062684(JP,A)
【文献】特開2010-266577(JP,A)
【文献】特開2011-013469(JP,A)
【文献】特開2011-053663(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0203205(US,A1)
【文献】特開平9-281578(JP,A)
【文献】特開2006-064829(JP,A)
【文献】特開2021-033180(JP,A)
【文献】特開昭50-008527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズモジュールであって、
物体側から像側へ順に、
1レンズ群(100)と、第2レンズ(200)、第3レンズ(300)、第4レンズ(400)と、第5レンズ(500)とからなり、
前記第1レンズ群(100)は正の屈折力を有し、第1光軸上に位置し、
前記第2レンズ(200)と、前記第3レンズ(300)と、前記第4レンズ(400)と、前記第5レンズ(500)とは、第2光軸上に順に配置され、
ここで、前記第2レンズ(200)は、前記第1レンズ群(100)の光線射出面の後に位置し、正の屈折力を有し、前記第3レンズ(300)は、負の屈折力を有し、
ここで、前記第1光軸と前記第2光軸は、前記撮像レンズモジュールの屈曲光軸であり、
前記第1レンズ群(100)は、
物体側に凸面を有する第1レンズ(101)と、
前記第1レンズ(101)の平面に接着されて前記第1光軸からの光を全反射により前記第2光軸へリダイレクトするためのプリズムである光路折り曲げ機構(102)と、からなる、ことを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像レンズモジュールであって、
前記撮像レンズモジュールは、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
F34/EFLが負の値であり、かつ0.2<|F34/EFL|<0.7
ここで、F34は、前記第3レンズ(300)と前記第4レンズ(400)の合成焦点距離を表し、EFLは、前記撮像レンズモジュールの有効焦点距離の長さを表す。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像レンズモジュールであって、
前記撮像レンズモジュールは、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
|F34/F5|<0.4
ここで、F34は、前記第3レンズ(300)と前記第4レンズ(400)の合成焦点距離を表し、F5は、前記第5レンズ(500)の焦点距離を表す。
【請求項4】
請求項に記載の撮像レンズモジュールであって、
前記撮像レンズモジュールは、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
0.2<r1/EFL<0.45
0.4<F12/EFL<105
ここで、r1は、前記第1レンズの最も物体側の曲率半径を表し、EFLは、前記撮像レンズモジュールの有効焦点距離の長さを表し、F12は、前記第1レンズ群(100)と前記第2レンズ(200)の合成焦点距離を表す。
【請求項5】
請求項に記載の撮像レンズモジュールであって、
前記撮像レンズモジュールは、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
VDF1-VDP>25
ここで、VDF1は、前記第1レンズ(101)のアッベ数を表し、VDPは、前記光路折り曲げ機構(102)のアッベ数を表す。
【請求項6】
請求項1に記載の撮像レンズモジュールであって、
前記第2レンズ(200)、前記第3レンズ(300)、前記第4レンズ(400)及び前記第5レンズ(500)の少なくとも1つは、前記第2光軸に沿って移動可能であることを特徴とする。
【請求項7】
請求項1に記載の撮像レンズモジュールであって、
前記第2レンズ(200)は、前記第1レンズ群(100)の像側の表面に接着されていることを特徴とする。
【請求項8】
結像用の撮像素子(600)と、請求項1~のいずれか一項に記載の撮像レンズモジュールを含むことを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項に記載の撮像装置を含むことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光学素子の技術分野に係り、特に撮像レンズモジュール、撮像装置及び電子機器に係る。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどに代表される薄型化の携帯情報端末に搭載された撮像装置には、画角を変化させて撮影するカメラシステムが採用されてきており、とりわけ撮像レンズにおいて望遠画角のレンズが求められている。しかし、現在の望遠画角のレンズは、小さい撮像素子であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願実施例の目的は、現在の望遠画角のレンズに存在する小さい撮像素子であるという問題を解決するために、撮像レンズモジュール、撮像装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した技術課題を解決するために、本発明は、下記のように実現される。
【0005】
第1の態様として、本願実施例は、撮像レンズモジュールを提供し、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1光軸上の第1レンズ群と、第2光軸上に順に配置された第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ及び第5レンズを含む。ここで、前記第2レンズは、前記第1レンズ群の光線射出面の後に位置し、正の屈折力を有し、前記第3レンズは、負の屈折力を有する。ここで、前記第1光軸と前記第2光軸は、前記撮像レンズモジュールの屈曲光軸である。
【0006】
第2の態様として、本願実施例は、結像用の撮像素子と、上述した撮像レンズモジュールを含む撮像装置を提供する。
【0007】
第3の態様として、本願実施例は、上述した撮像装置を含む電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0008】
従来技術と比べ、本願実施例による撮像レンズモジュールは、屈曲光軸の第1光軸に正の屈折力を有する第1レンズ群を設けることにより、低背化と大口径化を実現し、屈曲光軸の第2光軸に正の屈折力を有する第2レンズを設けることにより、更に低背化を実現し、第2レンズの後ろに負の屈折力を有する第3レンズを設けることにより、色収差、球面収差、コマ収差、非点収差、歪曲収差を効果的に補正し、第3レンズの後ろに第4レンズ及び第5レンズを設けることにより、色収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差を効果的に補正することで、大きな撮像素子を使用し、小型低背で良好な収差補正能力を有する望遠レンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願実施例に係る撮像レンズモジュールの概略図その1である。
図2図1に示す撮像レンズモジュールに用いられる470nm~650nmの可視光における球面収差、非点収差、歪曲収差のカーブのグラフである。
図3】本願実施例に係る撮像レンズモジュールの概略図その2である。
図4図3に示す撮像レンズモジュールに用いられる470nm~650nmの可視光における球面収差、非点収差、歪曲収差のカーブのグラフである。
図5】本願実施例に係る撮像レンズモジュールの概略図その3である。
図6図5に示す撮像レンズモジュールに用いられる470nm~650nmの可視光における球面収差、非点収差、歪曲収差のカーブのグラフである。
図7】本願実施例に係る撮像レンズモジュールの概略図その4である。
図8図7に示す撮像レンズモジュールに用いられる470nm~650nmの可視光における球面収差、非点収差、歪曲収差のカーブのグラフである。
図9】本願実施例に係る撮像レンズモジュールの概略図その5である。
図10図9に示す撮像レンズモジュールに用いられる470nm~650nmの可視光における球面収差、非点収差、歪曲収差のカーブのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願実施例における添付図面を参照して、本願実施例における技術手段を明確且つ完全的に記載する。明らかに、記載される実施例は、本願の実施例の一部であり、全てではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造性のある作業をしなくても為しえる全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。
【0011】
本願の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」などは、類似した対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順序又は優先順位を説明するためのものではない。このように使用されたデータは、本願の実施例がここでの図示又は説明以外の順序でも実施できるように、適宜入れ替えてもよいと理解すべきであり、なおかつ、用語「第1」、「第2」などにより区別される対象は、通常同種なものであり、対象の数を限定しない。例えば、第1の対象は、1つでもよく、複数でもよい。なお、明細書及び特許請求の範囲における「及び/又は」は、接続対象の少なくとも1つを表す。文字「/」は、一般に、前後の関連対象が「又は」の関係となることを示す。
【0012】
本願実施例で提供される撮像レンズモジュールは、良好な収差補正能力を有し、大きな撮像素子を使用し、小型低背な望遠レンズを実現することができる。具体的には、図1に示すように、この撮像レンズモジュールは、屈曲光軸を含み、この屈曲光軸は、第1光軸と第2光軸を含む。ここで、この撮像レンズモジュールは、物体側から像側へ順に、第1光軸上の第1レンズ群100、及び第2光軸上に順に配置された第2レンズ200、第3レンズ300、第4レンズ400、第5レンズ500を含む。この第1レンズ群100は、正の屈折力を有する。この第1レンズ群100の正の屈折力を強めることで、低背化と大口径化を図る。この第2レンズ200は、第1レンズ群100の光線射出面の後に位置し、正の屈折力を有する。このように、更に低背化を図る。この第3レンズ300は、負の屈折力を有し、色収差、球面収差、コマ収差、非点収差、歪曲収差を良好に補正することができる。また、第3レンズ300の後ろに、第2光軸に沿って第4レンズ400及び第5レンズ500が順に設けられている。第4レンズ400及び第5レンズ500は、色収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差を更に良好に補正することができる。
【0013】
本願実施例の撮像レンズモジュールは、物体側から像側へ、屈曲光軸の第1光軸上に正の屈折力を有する第1レンズ群100が設けられ、第2光軸上に正の屈折力を有する第2レンズ200、負の屈折力を有する第3レンズ300、及び第4レンズ400、第5レンズ500が順に設けられている。これにより、対角長8mm程度の大きな撮像素子を用いて、低背、大口径なレンズを実現することができる。
【0014】
ここで、この撮像レンズモジュールは、以下の条件式を満たす。
F34/EFLが負の値であり、かつ0.2<|F34/EFL|<0.7
ここで、F34は、第3レンズ300と第4レンズ400の合成焦点距離を表し、EFLは、撮像レンズモジュールの有効焦点距離の長さを表す。
【0015】
上記条件式は、第3レンズ300と第4レンズ400を合わせた屈折力を規制する条件式である。第3レンズ300と第4レンズ400の合成焦点距離が上記条件式の下限を越えると、負の屈折力が大きくなりすぎ、球面収差、コマ収差、非点収差、歪曲収差などが悪化する。第3レンズ300と第4レンズ400の合成焦点距離が上記条件式の上限を超えると、撮像レンズモジュールの光学全長が大きくなり、小型化が困難になる。本選択可能な実現方式は、この条件式に求められる範囲を満足するようにF34とEFLを限定することにより、撮像レンズモジュールの小型化が実現しやすくなる。
【0016】
ここで、この撮像レンズモジュールは、以下の条件式を更に満たす。
|F34/F5|<0.4
ここで、F34は、第3レンズ300と第4レンズ400の合成焦点距離を表し、F5は、第5レンズ500の焦点距離を表す。
【0017】
上記条件式は、第3レンズ300と第4レンズ400の屈折力と、第5レンズ500の屈折力との関係を調整するためのものである。上限を超えると、第5レンズ500の屈折力が大きくなりすぎ、色収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差が悪化する。本選択可能な実現方式は、この条件式を限定することにより、本願実施例の撮像レンズモジュールの色収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差などが効果的に補正される。
【0018】
代替的な実施形態として、図1に示すように、この第1レンズ群100は、物体側に凸面を有する凸形状の第1レンズ101と、第1レンズ101の平面に接着されて第1光軸からの光を第2光軸へリダイレクトするための光路折り曲げ機構102を含む。ここで、この第1レンズ101は、正の屈折力を有する。このように、撮像レンズモジュールの低背化と大口径化を実現することができる。この光路折り曲げ機構102は、具体的にプリズムである。この第2レンズ200は、このプリズムの光線射出面の後ろに位置する。
【0019】
ここで、この撮像レンズモジュールは、以下の条件式を満たす。
0.2<r1/EFL<0.45
0.4<F12/EFL<105
ここで、r1は、第1レンズ101の最も物体側の曲率半径を表し、EFLは、撮像レンズモジュールの有効焦点距離の長さを表し、F12は、第1レンズ群100と第2レンズ200の合成焦点距離を表す。
【0020】
上記条件式0.2<r1/EFL<0.45は、第1レンズ群100の凸面を有する第1レンズ101の屈折力を規制する条件式である。下限を越えると、第1レンズ101の屈折力が大きくなり、プリズム長は小さくできるが、色収差、球面収差、コマ収差、非点収差、歪曲収差が悪化する。上限を超えると、プリズム長が大きくなり、撮像レンズモジュールの低背化が困難になり、撮像レンズモジュールの光学全長も大きくなり、撮像レンズモジュールの小型化が困難になる。したがって、r1が上記条件式を満たすことが好ましい。
【0021】
上記条件式0.4<F12/EFL<105は、第1レンズ群100と第2レンズ200を合わせた屈折力を規制する条件式である。下限を越えると、色収差、球面収差、コマ収差、非点収差、歪曲収差が悪化する。上限を超えると、撮像レンズモジュールの光学全長が大きくなり、小型化が困難になる。したがって、F12が上記条件式を満たすことが好ましく、本願実施例の撮像レンズモジュールの小型化が実現しやすくなる。
【0022】
代替的に、この撮像レンズモジュールは、更に以下の条件式を満たす。
VDF1-VDP>25
ここで、VDF1は、第1レンズ101のアッベ数を表し、VDPは、前記光路折り曲げ機構102のアッベ数を表す。
【0023】
上記条件式は、第1レンズ群101の最も物体側に接着された第1レンズ101のアッベ数とプリズム(光路折り曲げ機構102)の関係を規制する条件式である。第1レズ101とプリズムが上記条件を満足することで、本願実施例の撮像レンズモジュールは、良好な色収差を達成することが可能となる。
【0024】
代替的な実現形態として、この第2レンズ200,第3レンズ300、第4レンズ400及び第5レンズ500の少なくとも1つは、第2光軸に沿って移動可能である。又は、上記少なくとも1つは、光センサー位置での画像の集束を伴う可動式に構成され、記載されたシーンを調整する。
【0025】
本代替的な実施形態は、第2光軸に沿って上記少なくとも1つのレンズを移動することにより、合焦時のレンズ移動量が少なくなり、アクチュエータの小型化が期待でき、撮像レンズモジュール全体の小型化が達成できる。
【0026】
具体的な実施形態として、第2レンズ200は、第1レンズ群100の像側の表面に接着されている。具体的に、第2レンズ200は、光路折り曲げ機構102の像側の表面に接着されている。すなわち、第2レンズ200は、プリズムの像側の表面(プリズムの射出面)に接着されている。
【0027】
上述したように、本願実施例の撮像レンズモジュールの各レンズ面は、非球面で形成される。これらのレンズ面に採用される非球面形状は、光軸方向をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA,B,C,D,E,Fとしたとき、次の非球面式により表される。
【数1】
ここで、zは、Z軸に平行な表面のサグ量を表し、Rは、非球面表面の曲率半径を表す。
【0028】
以下、本願実施例の撮像レンズモジュールの実施例を示す。各実施例に係る基本的なレンズデータ及び関係式は、以下の表1及び表2に示す。
【0029】
【表1】
ここで、表1の2行目は、撮像レンズモジュールにおいて、物体側から像側へ各レンズの屈折力の極性を表し、Pは、正の屈折力を表し、Nは、負の屈折力を表す。「PPNNP」の場合、第1レンズ~第5レンズの屈折力が順に正の屈折力、正の屈折力、負の屈折力、負の屈折力、正の屈折力であることを表す。Imgは、像高を表し、TTLは、撮像レンズモジュールの光学全長を表し、Fnoは、撮像レンズモジュールの開口を表す。
【0030】
【表2】
【0031】
表2から、以下の5つの実施例における条件式の具体的な数値は、本願実施例の前述した対応する条件式を満足することが分かる。
実施例1
【0032】
図1の撮像レンズモジュールの構造を参照する。このレンズモジュールの各パラメータ及び関係式は、上記の表1及び表2に示されている。ここで、表3は、図1の撮像レンズモジュールのレンズデータに対応し、表4は、図1の撮像レンズモジュールの各レンズの非球面係数に対応する。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
図2は、実施例1の撮像レンズモジュールについて、縦球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。縦球面収差の図は、650nm、610nm、555nm、510nm、470nmの波長に対する収差量を示す。そして、非点収差線には、サジタル像面S上のd線の収差量(実線)と、子午像面T上のd線の収差量(破線)がそれぞれ示されている。図2に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
実施例2
【0036】
図3の撮像レンズモジュールの構造を参照する。このレンズモジュールの各パラメータ及び関係式は、上記の表1及び表2に示されている。ここで、表5は、図3の撮像レンズモジュールのレンズデータに対応し、表6は、図3の撮像レンズモジュールの各レンズの非球面係数に対応する。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
図4は、実施例2の撮像レンズモジュールについて、縦球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。図4に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
実施例3
【0040】
図5の撮像レンズモジュールの構造を参照する。このレンズモジュールの各パラメータ及び関係式は、上記の表1及び表2に示されている。ここで、表7は、図5の撮像レンズモジュールのレンズデータに対応し、表8は、図5の撮像レンズモジュールの各レンズの非球面係数に対応する。
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
図6は、実施例3の撮像レンズモジュールについて、縦球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。図6に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
実施例4
【0044】
図7の撮像レンズモジュールの構造を参照する。このレンズモジュールの各パラメータ及び関係式は、上記の表1及び表2に示されている。ここで、表9は、図7の撮像レンズモジュールのレンズデータに対応し、表10は、図7の撮像レンズモジュールの各レンズの非球面係数に対応する。
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
図8は、実施例4の撮像レンズモジュールについて、縦球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。図8に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
実施例5
【0048】
図9の撮像レンズモジュールの構造を参照する。このレンズモジュールの各パラメータ及び関係式は、上記の表1及び表2に示されている。ここで、表11は、図9の撮像レンズモジュールのレンズデータに対応し、表12は、図9の撮像レンズモジュールの各レンズの非球面係数に対応する。
【0049】
【表11】
【0050】
【表12】
【0051】
図10は、実施例5の撮像レンズモジュールについて、縦球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。図10に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0052】
上記の撮像レンズモジュールに基づいて、本願実施例は、更に撮像装置を提供する。この撮像装置は、図1に示す撮像素子600と、上述した撮像レンズモジュールを含む。このように、撮像装置は、小型化ができ、良好な収差補正能力を有する。
【0053】
上記の撮像装置に基づいて、本願実施例は、更に電子機器を提供する。この電子機器は、上述した撮像装置を採用することにより、電子機器の薄型化を実現する。この電子機器は、具体的にスマートフォン、ノートパソコン、PDAなどの機器である。
【0054】
本願実施例の上記撮像レンズモジュールは、小型化とともに良好な収差補正能力が要求される機器、例えば携帯電話機やデジタルカメラ等に搭載される望遠レンズに適用することができ、特に携帯端末機器の薄型化を達成することができる。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて記載したが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではない。上記の具体的な実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。本発明の示唆を受け、当業者が本発明の趣旨及び特許請求の範囲から逸脱することなくなしえる多くの形態は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10