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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】銅箔製造装置
(51)【国際特許分類】
   C25D 1/00 20060101AFI20240910BHJP
   C25D 1/04 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C25D1/00 A
C25D1/00 Z
C25D1/04 311
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023043224
(22)【出願日】2023-03-17
(65)【公開番号】P2023184426
(43)【公開日】2023-12-28
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0074192
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518133500
【氏名又は名称】エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】コ ス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒェ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム ドン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ユン ミン ソク
【審査官】隅川 佳星
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-087883(JP,A)
【文献】特開平11-302900(JP,A)
【文献】特開2019-099897(JP,A)
【文献】特開2020-200505(JP,A)
【文献】米国特許第05344538(US,A)
【文献】中国実用新案第207918976(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/00
7/06
21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液を利用して電気メッキ方式で銅箔を電着させる電着部(2);および
前記電着部(2)から供給される銅箔を巻き取る巻取部を含み、
前記電着部(2)は電解液を利用して電気メッキ方式で電解銅箔を電着させる陰極ドラム(3)、および電解液を通じて前記陰極ドラム(3)と通電される陽極部(4)を含み、
前記陽極部(4)は前記陰極ドラム(3)と離隔した陽極本体(5)、前記陽極本体(5)の上面に配置される複数個の陽極板(6)、および前記陽極板(6)それぞれを前記陽極本体(5)に締結させる複数個の締結部(7)を含み、
前記陽極板(6)は前記陽極本体(5)の左側端と前記陽極本体(5)の右側端の間に配置されるように前記陽極本体(5)に結合されるベース陽極板(60)、前記ベース陽極板(60)の一側に結合される第1陽極板(61)、および前記第1陽極板(61)と離隔するように前記ベース陽極板(60)の他側に結合される第2陽極板(62)を含み、
前記ベース陽極板(60)は前記締結部(7)のうちベース締結部材(73)により前記陽極本体(5)に結合され、
前記第1陽極板(61)は前記ベース締結部材(73)の上面を遮るように前記ベース陽極板(60)と部分的に重なり、
前記第2陽極板(62)は前記ベース締結部材(73)の上面を遮るように前記第1陽極板(61)と離隔した位置で前記ベース陽極板(60)と部分的に重なることを特徴とする、銅箔製造装置。
【請求項2】
前記ベース陽極板(60)は前記第1陽極板(61)と重なる第1ベース部(601)、前記第2陽極板(62)と重なる第2ベース部(602)、および前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)の間に配置されて前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)を連結する中間ベース部(603)を含み、
前記中間ベース部(603)の上面は前記第1ベース部(601)の上面より高い位置に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の銅箔製造装置。
【請求項3】
前記第1陽極板(61)は前記第1ベース部(601)の上側に配置された第1カバー部材(611)を含み、
前記第1カバー部材(611)は前記第1ベース部(601)の上面を遮るように配置されて前記中間ベース部(603)と同一の高さに配置されることを特徴とする、請求項2に記載の銅箔製造装置。
【請求項4】
前記第1陽極板(61)は第1ベース部(601)の上側に配置された第1カバー部材(611)、前記第1カバー部材(611)から離隔するように配置された第1結合部材(612)、および前記第1カバー部材(611)と前記第1結合部材(612)を連結する第1ベンディング部材(613)を含み、
前記第1ベンディング部材(613)は前記第1カバー部材(611)と前記第1結合部材(612)が互いに異なる高さに配置されるようにベンディングされたことを特徴とする、請求項2に記載の銅箔製造装置。
【請求項5】
前記ベース陽極板(60)は前記第1陽極板(61)と重なる第1ベース部(601)を含み、
前記第1陽極板(61)は前記第1ベース部(601)の上側に配置された第1カバー部材(611)を含み、
前記第1カバー部材(611)には前記締結部(7)が形成されないことを特徴とする、請求項1に記載の銅箔製造装置。
【請求項6】
前記第1ベース部(601)は前記第1ベース部(601)の一端が前記第1ベンディング部材(613)に接触するように前記第1カバー部材(611)と前記陽極本体(5)の間に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の銅箔製造装置。
【請求項7】
前記ベース陽極板(60)は、
前記第1陽極板(61)と重なる第1ベース部(601);
前記第2陽極板(62)と重なる第2ベース部(602);
前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)の間に配置されて前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)を連結する中間ベース部(603);および
前記第1ベース部(601)と前記中間ベース部(603)の間で前記第1ベース部(601)と前記中間ベース部(603)それぞれに結合された第1増加部材(604)を含み、
前記第1増加部材(604)は前記第1ベース部(601)から前記中間ベース部(603)に向かう方向に延びるほど大きさが増加するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の銅箔製造装置。
【請求項8】
前記第1陽極板(61)は前記第1ベース部(601)の上側に配置された第1カバー部材(611)、および前記第1カバー部材(611)に結合された第1カバー減少部材(614)を含み、
前記第1カバー減少部材(614)は前記第1陽極板(61)から前記ベース陽極板(60)に向かう方向に延びるほど大きさが減少するように形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の銅箔製造装置。
【請求項9】
前記陽極板(6)のうち一部は前記ベース陽極板(60)に対して前記第1陽極板(61)が配置された方向側に部分的に重なりながら連続的に配置され、
前記陽極板(6)のうち一部は前記ベース陽極板(60)に対して前記第2陽極板(62)が配置された方向側に部分的に重なりながら連続的に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の銅箔製造装置。
【請求項10】
前記ベース陽極板(60)は前記第1陽極板(61)と重なる第1ベース部(601)、前記第2陽極板(62)と重なる第2ベース部(602)、および前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)の間に配置されて前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)を連結する中間ベース部(603)を含み、
前記第1陽極板(61)は前記第1ベース部(601)に形成された前記ベース締結部材(73)の上面を遮るように前記第1ベース部(601)の上側に配置され、
前記第2陽極板(62)は前記第2ベース部(602)に形成された前記ベース締結部材(73)の上面を遮るように前記第2ベース部(602)の上側に配置され、
前記中間ベース部(603)は前記ベース締結部材(73)が形成されないことを特徴とする、請求項1に記載の銅箔製造装置。
【請求項11】
銅箔製造装置用陽極板(6)であって、
銅箔製造装置の陽極本体(5)に結合されるベース陽極板(60);
前記ベース陽極板(60)の一部の上面を遮るように前記ベース陽極板(60)と部分的に重なる第1陽極板(61);
前記ベース陽極板(60)の一部の上面を遮るように前記第1陽極板(61)と離隔した位置で前記ベース陽極板(60)と部分的に重なる第2陽極板(62)を含み、
前記第1陽極板(61)と前記第2陽極板(62)は前記ベース陽極板(60)に結合されたベース締結部材(73)の上面を遮るように配置されたことを特徴とする、銅箔製造装置用陽極板。
【請求項12】
前記ベース陽極板(60)は前記第1陽極板(61)と重なる第1ベース部(601)、前記第2陽極板(62)と重なる第2ベース部(602)、および前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)の間に配置されて前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)を連結する中間ベース部(603)を含み、
前記第1陽極板(61)は前記第1ベース部(601)の上側に配置された第1カバー部材(611)を含み、
前記中間ベース部(603)の上面は前記第1ベース部(601)の上面より高い位置に配置されることを特徴とする、請求項11に記載の銅箔製造装置用陽極板。
【請求項13】
前記第1カバー部材(611)は前記第1ベース部(601)の上面を遮るように配置されて前記中間ベース部(603)と同一の高さに配置されることを特徴とする、請求項12に記載の銅箔製造装置用陽極板。
【請求項14】
前記ベース陽極板(60)は、
前記第1陽極板(61)と重なる第1ベース部(601);
前記第2陽極板(62)と重なる第2ベース部(602);
前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)の間に配置されて前記第1ベース部(601)と前記第2ベース部(602)を連結する中間ベース部(603);および
前記第1ベース部(601)と前記中間ベース部(603)の間で前記第1ベース部(601)と前記中間ベース部(603)それぞれに結合された第1増加部材(604)を含み、
前記第1増加部材(604)は前記第1ベース部(601)から前記中間ベース部(603)に向かう方向に延びるほど大きさが増加するように形成されることを特徴とする、請求項11に記載の銅箔製造装置用陽極板。
【請求項15】
前記第1陽極板(61)は前記第1カバー部材(611)に結合された第1カバー減少部材(614)を含み、
前記第1カバー減少部材(614)は前記第1陽極板(61)から前記ベース陽極板(60)に向かう方向に延びるほど大きさが減少するように形成されたことを特徴とする、請求項12に記載の銅箔製造装置用陽極板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用陰極、軟性印刷回路基板などの多様な製品の製造に利用される銅箔を製造するための銅箔製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
銅箔は二次電池用陰極、軟性印刷回路基板(Flexible Printed Circuit Board:FPCB)等の多様な製品の製造に利用されている。このような銅箔は、陽極と陰極の間に電解液を供給した後に電流を流す電気メッキ方式を通じて製造される。
【0003】
このように、電気メッキ方式を通じて銅箔を製造するにおいて銅箔製造装置が利用される。銅箔製造装置は、電解液を利用して電気メッキ方式で銅箔を電着させる陰極ドラム、電解液を通じて前記陰極ドラムと通電される陽極板、および前記陽極板を支持する陽極本体を含む。前記陽極板はねじのようなベース締結部材を通じて前記陽極本体に結合される。
【0004】
ここで、従来技術に係る銅箔製造装置は、前記ベース締結部材と前記陽極板が組立段差によって前記陰極ドラムから互いに異なる距離だけ離隔するように前記陽極本体に結合され得る。したがって、従来技術に係る銅箔製造装置は、前記ベース締結部材と前記陽極板の周囲で電流密度が互いに異なるように形成されるので、電解液内の電流密度が均一に形成されない。これに伴い、従来技術に係る銅箔製造装置は、前記陰極ドラムに電着される銅箔の厚さが均一に形成されないため銅箔の品質が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述したような問題点を解決するために案出されたもので、ベース締結部材によって電流密度が均一に形成されないことにより銅箔の品質が低下することを防止できる銅箔製造装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような課題を解決するために、本発明は下記のような構成を含むことができる。
【0007】
本発明は、電解液を利用して電気メッキ方式で銅箔を電着させる電着部;および前記電着部から供給される銅箔を巻き取る巻取部を含み、前記電着部は電解液を利用して電気メッキ方式で電解銅箔を電着させる陰極ドラム、および電解液を通じて前記陰極ドラムと通電される陽極部を含むことができる。前記陽極部は前記陰極ドラムと離隔した陽極本体、前記陽極本体の上面に配置される複数個の陽極板、および前記陽極板それぞれを前記陽極本体に締結させる複数個の締結部を含むことができる。前記陽極板は前記陽極本体の左側端と前記陽極本体の右側端の間に配置されるように前記陽極本体に結合されるベース陽極板、前記ベース陽極板の一側に結合される第1陽極板、および前記第1陽極板と離隔するように前記ベース陽極板の他側に結合される第2陽極板を含むことができる。前記ベース陽極板は前記締結部のうちベース締結部材によって前記陽極本体に結合され得る。前記第1陽極板は前記ベース締結部材を遮るように前記ベース陽極板と部分的に重なり得る。前記第2陽極板は前記ベース締結部材を遮るように前記第1陽極板と離隔した位置で前記ベース陽極板と部分的に重なり得る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、次のような効果を図ることができる。
【0009】
本発明は、陽極板を陽極本体に結合させるための締結部が第1陽極板および第2陽極板によって遮られることによって、外部に直接的に露出しないように具現される。これに伴い、本発明は両極板の周囲に形成される電流密度の偏差を減らすことによって、電解液内の電流密度に対する均一性を向上させることができる。したがって、本発明は向上した品質を有する銅箔を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】

図1】本発明に係る銅箔製造装置の概略的な斜視図である。
図2】本発明に係る銅箔製造装置において陽極部の概略的な斜視図である。
図3】本発明に係る銅箔製造装置において陽極板の概略的な斜視図である。
図4】本発明に係る銅箔製造装置において陽極板の概略的な分解斜視図である。
図5図3のI-I線を基準とする本発明に係る銅箔製造装置において陽極板の概略的な断面図である。
図6図5の分解図である。
図7】本発明に係る銅箔製造装置においてベース陽極板と第1陽極板が結合される姿を示すための概念図である。
図8】本発明に係る銅箔製造装置において変形された実施例を示した概念図である。
図9図8の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明に係る銅箔製造装置に関する実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1を参照すると、本発明に係る銅箔製造装置1は、電気メッキ方式を利用して銅箔100を製造するものである。本発明に係る銅箔製造装置1は、電着部2、および巻取部8を含むことができる。
【0013】
図1を参照すると、前記電着部2は銅箔100を電着させるものである。前記電着部2は電解液を利用して電気メッキ方式で銅箔100を電着させることができる。前記電着部2は陰極ドラム3、および陽極部4を含むことができる。前記陰極ドラム3と前記陽極部4が電解液を通じて通電されて電流が流れると、電解液に溶解していた銅イオンは前記陰極ドラム3で還元され得る。これに伴い、前記電着部2は前記陰極ドラム3の表面に銅箔100を電着させることができる。
【0014】
前記陰極ドラム3は回転軸を中心に回転することができる。前記陰極ドラム3は前記回転軸を中心に回転しながら銅箔100を表面に電着させる電着作業と、電着された銅箔100を表面から離脱させる巻き出し作業と、を連続的に遂行できる。前記陰極ドラム3は全体としてドラム(Drum)の形態で形成され得るが、これに限定されず、回転軸を中心に回転しながら前記電着作業と前記巻き出し作業を連続的に遂行できる形態であれば、異なる形態で形成されてもよい。前記陰極ドラム3は陰極器具(図示されず)が発生させた駆動力によって回転することができる。前記陰極ドラム3はフレーム(図示されず)に結合され得る。図示されてはいないが、前記フレームは本発明に係る銅箔製造装置1が設置された作業場の底面に設置され得る。
【0015】
前記陽極部4は電解液を通じて前記陰極ドラム3と通電されるものである。前記陽極部4は前記陰極ドラム3に対して下側に配置され得る。前記陽極部4は前記陰極ドラム3の表面から離隔するように配置され得る。前記陽極部4の表面および前記陰極ドラム3の表面は互いに同一の形態で形成され得る。例えば、前記陰極ドラム3が円形の長方体の形態で形成されて表面が曲面をなすように形成された場合、前記陽極部4は半円の長方体で形成されて表面が曲面をなすように形成され得る。
【0016】
図1を参照すると、前記巻取部8は銅箔100を巻き取るものである。前記電着部2により製造された銅箔100は前記巻取部8に巻き取られ得る。前記巻取部8は前記フレームに結合され得る。
【0017】
前記巻取部8は巻取ローラ81を含むことができる。前記巻取ローラは回転軸を中心に回転しながら銅箔100を巻き取ることができる。前記巻取ローラ81は全体的にドラム(Drum)の形態で形成され得るが、これに限定されず、回転軸を中心に回転しながら銅箔100を巻き取る形態であれば、異なる形態で形成されてもよい。前記巻取ローラ81は巻取器具(図示されず)が発生させた駆動力によって回転することができる。
【0018】
前記巻取部8にはコア82が装着され得る。前記コア82は前記巻取ローラ81を囲むように前記巻取ローラ81に装着され得る。前記巻取ローラ81が回転することによって、銅箔100は前記コア82に巻き取られ得る。前記コア82は前記巻取部8に分離可能に装着され得る。これに伴い、前記コア82に対する銅箔100の巻き取りが完了したり不良が発生した場合、前記巻取部8から前記コア82を分離して新しいコア82を装着する交換作業がなされ得る。一方、前記コア82と前記巻取ローラ81は一体に形成されてもよい。この場合、前記コア82に対する銅箔100の巻き取りが完了すると、前記コア82と前記巻取ローラ81が一体で分離された後に後続工程のための設備に運搬され得る。
【0019】
銅箔100は運搬部80により前記電着部2から前記巻取部8に運搬され得る。前記運搬部80は銅箔100を運搬するものである。前記運搬部80により銅箔100が前記電着部2から前記巻取部8に運搬される過程で銅箔100を乾燥させる乾燥作業、銅箔100に対する防錆処理を遂行する防錆作業、銅箔100の一部を切断する切断作業がなされ得る。前記運搬部80は前記電着部2と前記巻取部8の間に配置され得る。前記運搬部80は前記フレームに結合され得る。前記運搬部80は運搬ローラを含むことができる。前記運搬ローラは回転軸を中心に回転しながら銅箔100を前記電着部2から前記巻取部8に運搬することができる。前記運搬ローラは全体としてドラム(Drum)の形態で形成され得るが、これに限定されず、回転軸を中心に回転しながら銅箔100を運搬できる形態であれば、異なる形態で形成されてもよい。前記運搬部80は前記運搬ローラを複数個含んでもよい。前記運搬ローラは互いに離隔した位置に配置されて銅箔100を運搬することができる。前記運搬ローラのうち少なくとも一つは運搬器具(図示されず)が発生させた駆動力によって回転することができる。
【0020】
ここで、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陰極ドラム3と前記陽極部4の間に位置した電解液内の電流密度に対する均一性を向上させるように具現され得る。このために、本発明に係る銅箔製造装置1において前記陽極部4は次のように具現され得る。
【0021】
図1図4を参照すると、前記陽極部4は陽極本体5、複数個の陽極板6、および複数個の締結部7を含むことができる。
【0022】
前記陽極本体5は前記陰極ドラム3と離隔されたものである。前記陽極本体5には前記陽極板6が結合され得る。前記陽極本体5は前記陽極板6を支持することができる。前記陽極本体5は前記陰極ドラム3の下側に前記陰極ドラム3と離隔するように配置され得る。前記陽極本体5は前記フレームに結合され得る。
【0023】
前記陽極板6は前記陽極本体5の上面に配置されるものである。前記陽極板6は前記陽極本体5の上面に配置されて電解液を通じて前記陰極ドラム3と通電され得る。前記陽極板6は前記陽極本体5と前記陰極ドラム3の間に配置され得る。前記陽極板6は前記陽極本体5の上面を覆うように配置され得る。この場合、前記陽極板6は前記陽極本体5の上面と対応する形態で設置され、前記陽極本体5の上面全体を覆うように配置され得る。本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陽極板6を加圧して前記陽極本体5に結合させる結合作業を通じて前記陽極部4が形成され得る。
【0024】
前記締結部7は前記陽極板6それぞれを前記陽極本体5に結合させるものである。
【0025】
前記締結部7は前記陽極板6を貫通するように形成され得る。前記締結部7は前記陽極板6を貫通して前記陽極本体5に結合されることによって、前記陽極本体5と前記陽極板6を結合させることができる。前記締結部7は前記陽極板6に複数個で形成され得る。前記締結部7は前記陽極板6の個数に対応する個数だけ形成され得る。例えば、前記ベース陽極板60、前記第1陽極板61、および前記第2陽極板62それぞれに少なくとも1個以上の締結部7が形成され得る。この場合、前記締結部7は第1締結部材71、第2締結部材72、およびベース締結部材73を含むことができる。前記第1締結部材71、前記第2締結部材72、および前記ベース締結部材73は締結孔74を貫通するように結合され得る。
【0026】
図3図6を参照すると、前記陽極板6は前記陽極本体5の左側端と前記陽極本体5の右側端の間に配置されるように前記陽極本体5に結合されるベース陽極板60、前記ベース陽極板60の一側に結合される第1陽極板61、および前記第1陽極板61と離隔するように前記ベース陽極板60の他側に結合される第2陽極板62を含むことができる。この場合、前記ベース陽極板60は前記締結部7のうちベース締結部材73により前記陽極本体5に結合され得る。前記第1陽極板61は前記ベース締結部材73を遮るように前記ベース陽極板60と部分的に重なって、前記第2陽極板62は前記ベース締結部材73を遮るように前記第1陽極板61と離隔した位置で前記ベース陽極板60と部分的に重なり得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記ベース締結部材73の付近に電流密度が高くなることを制限することによって、電解液内の電流密度に対する均一性を向上させることができる。したがって、本発明に係る銅箔製造装置1は、銅箔の厚さに対する均一性を向上させることによって、さらに向上した品質を有する銅箔を製造することができる。
【0027】
以下では、添付された図面を参照して前記陽極板6がベース陽極板60、第1陽極板61、および第2陽極板62を含むものを基準として説明する。前記陽極板6の個数はこれに限定されず、4個以上で構成されて前記陽極本体5の上面全体を覆うように構成されてもよい。
【0028】
図3図6を参照すると、前記ベース陽極板60は第1ベース部601、第2ベース部602、および中間ベース部603を含むことができる。
【0029】
前記第1ベース部601は前記第1陽極板61と重なるものである。前記第1ベース部601は前記第1陽極板61と部分的に重なり得る。前記第1ベース部601には前記締結孔74が形成され得る。この場合、前記ベース締結部材73は前記締結孔74を貫通して前記陽極本体5に結合され得る。これに伴い、前記ベース陽極板60は前記陽極本体5に結合され得る。
【0030】
前記第2ベース部602は前記第2陽極板62と重なるものである。前記第2ベース部602は前記第2陽極板62と部分的に重なり得る。前記第2ベース部602には前記締結孔74が形成され得る。この場合、前記ベース締結部材73は前記締結孔74を貫通して前記陽極本体5に結合され得る。これに伴い、前記ベース陽極板60は前記陽極本体5に結合され得る。このように、前記ベース陽極板60は両側に配置されたベース締結部材73により前記陽極本体5に結合されることによって、前記ベース締結部材73が一側に配置される場合に比べて堅固であり、前記陽極本体5に結合され得る。
【0031】
前記中間ベース部603は前記第1ベース部601と前記第2ベース部602の間に配置されて前記第1ベース部601と前記第2ベース部602を連結するものである。前記中間ベース部603は前記第1ベース部601および前記第2ベース部602より厚い厚さを有するように形成され得る。すなわち、前記中間ベース部603の上面は前記第1ベース部601の上面および前記第2ベース部602の上面よりさらに高い位置に配置され得る。前記第1陽極板61と前記第2陽極板62の間に配置され得る。
【0032】
前記ベース陽極板60は前記ベース締結部材73により前記陽極本体5に結合され得る。前記ベース締結部材73は前記ベース陽極板60を貫通するように形成された前記締結孔74に結合され得る。この場合、前記締結孔74は前記第1ベース部601と前記第2ベース部602に形成され得る。反面、前記中間ベース部603には前記締結孔74が形成されないことができる。前記ベース陽極板60は前記第1ベース部601と前記第2ベース部602に結合された前記ベース締結部材73によって前記陽極本体5に結合され得る。この場合、前記ベース締結部材73は前記第1陽極板61と前記第2陽極板62により遮られ得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記ベース締結部材73が外部に露出しないように具現され得る。したがって、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陽極板6の周囲に形成される電流密度の偏差を減らすことによって,電解液内の電流密度に対する均一性を向上させることができる。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記銅箔100の厚さに対する均一性を向上させることによって、向上した品質を有する銅箔100を製造することができる。
【0033】
図3図6を参照すると、前記第1陽極板61は第1カバー部材611、および第1結合部材612を含むことができる。
【0034】
前記第1カバー部材611は前記第1ベース部601の上側に配置されたものである。前記第1カバー部材611は前記第1ベース部601と重なるように前記陽極本体5に結合され得る。前記第1カバー部材611は前記第1ベース部601の上面を遮るように配置され得る。前記第1結合部材612は前記第1カバー部材611から離隔するように配置され得る。前記第1結合部材612は前記陽極本体5の上面に配置されて前記陽極本体5の一部を遮るように配置され得る。
【0035】
前記第1結合部材612には前記締結孔74が形成され得る。この場合、前記締結孔74には前記第1締結部材71が結合され得る。これに伴い、前記第1陽極板61は前記第1締結部材71により前記陽極本体5に結合され得る。前記第1締結部材71は前記陽極板6のうち一部によって遮られ得る。したがって、前記第1締結部材71が前記陰極ドラム3側に直接的に露出しないように具現され得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陽極板6の周囲に形成される電流密度の偏差を減らすことによって、電解液内の電流密度に対する均一性を向上させることができる。
【0036】
図3図6を参照すると、前記第1陽極板61は第1ベンディング部材613を含むことができる。
【0037】
前記第1ベンディング部材613は前記第1カバー部材611と前記第1結合部材612を連結するものである。前記第1ベンディング部材613は前記第1カバー部材611と前記第1結合部材612が互いに異なる高さに配置されるようにベンディングされ得る。したがって、前記第1陽極板61が前記陽極本体5に結合された場合、前記第1カバー部材611と前記第1結合部材612は前記陽極本体5から離隔した距離が互いに異なるように形成され得る。例えば、図7に図示されたように前記第1陽極板61が前記陽極本体5に結合された場合、前記第1結合部材612は前記陽極本体5に密着するように結合され得る。反面、前記第1カバー部材611は前記陽極本体5から一定の距離だけ離隔するように配置され得る。したがって、前記第1カバー部材611と前記陽極本体5の間に形成された空間に前記第1ベース部601が結合され得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1において、前記第1カバー部材611が前記第1ベース部601に結合された前記ベース締結部材73を遮るように配置され得る。したがって、本発明に係る銅箔製造装置1において前記ベース締結部材73が前記陰極ドラム3側に直接的に露出しないように具現され得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陽極板6の周囲に形成される電流密度の偏差を減らすことによって、電解液内の電流密度に対する均一性を向上させることができる。
【0038】
図7を参照すると、前記ベース陽極板60が前記陽極本体5に結合された後に前記第1陽極板61に前記陽極本体5に結合される。前記第1陽極板61は前記ベース陽極板60の一部を遮るように前記陽極本体5に結合され得る。この場合、前記第1カバー部材611は前記ベース陽極板60の一部を遮るように配置され得る。前記第1カバー部材611は前記第1ベース部601を遮るように配置されて前記中間ベース部603と同一の高さに配置され得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陽極板6の上面が評気楽に形成され得る。したがって、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記結合作業を通じて、高さ方向を基準とする前記陽極板6の全体的な厚さが均一に形成されるように具現され得る。また、前記ベース陽極板60が前記陽極本体5に結合された後前記第1陽極板61が結合される場合、前記ベース部は前記第1ベース部601の一端が前記ベンディング部材に接触するように前記第1カバー部材611と前記陽極本体5の間に配置され得る。すなわち、前記第1ベース部601は前記第1カバー部材611と前記陽極本体5の間に形成された空間をすべて満たす形態で形成され得る。これに伴い、前記陽極板6が前記結合作業を通じて前記陽極本体5に結合されると、前記陽極板6は高さ方向に厚さが均一に形成され得る。したがって、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陰極ドラム3と前記陽極板6の間に距離が均一に形成され得る。前記高さ方向は前記陽極本体5から前記陰極ドラム3に向かう方向である。
【0039】
図3図6を参照すると、前記第2陽極板62は前記第2カバー部材621、および前記第2結合部材622を含むことができる。
【0040】
前記第2カバー部材621は前記ベース陽極板60の一部と重なるように前記陽極本体5に結合され得る。前記第2カバー部材621は前記第2ベース部602を遮るように配置され得る。この場合、前記第2カバー部材621は前記ベース陽極板60の上面に配置され得る。前記第2結合部材622は前記第2カバー部材621から離隔して配置され得る。前記第2結合部材622は前記陽極本体5の一部を遮るように配置され得る。この場合、前記第2結合部材622は前記陽極本体5の上面に配置され得る。
【0041】
前記第2結合部材622には前記締結孔74が形成され得る。この場合、前記締結孔74には前記第2締結部材72が結合され得る。これに伴い、前記第2陽極板62は前記第2締結部材72により前記陽極本体5に結合され得る。前記第2締結部材72は前記陽極板6のうち一部によって遮られ得る。したがって、前記第2締結部材72が前記陰極ドラム3側に直接的に露出しないように具現され得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陽極板6の周囲に形成される電流密度の偏差を減らすことによって、電解液内の電流密度に対する均一性を向上させることができる。
【0042】
図3図6を参照すると、前記第2陽極板62は前記第2ベンディング部材623を含むことができる。
【0043】
前記第2ベンディング部材623は前記第2カバー部材621と前記第2結合部材622を連結するものである。前記第2ベンディング部材623は前記第2カバー部材621と前記第2結合部材622の間に配置されて前記第2カバー部材621と前記第2結合部材622を連結することができる。この場合、前記第2ベンディング部材623は前記第2カバー部材621と前記第2結合部材622を互いに異なる高さに配置されるようにベンディングされ得る。すなわち、前記第2カバー部材621と前記第2結合部材622は前記第2ベンディング部材623により前記陽極本体5から互いに異なる距離だけ離隔するように配置され得る。例えば、前記第2結合部材622は前記第2陽極板62が前記陽極本体5に結合された場合、前記陽極本体5に密着するように結合され得る。反面、前記第2カバー部材621は前記第2陽極板62が前記陽極本体5に結合された場合、前記陽極本体5と一定の距離だけ離隔するように配置され得る。前記第2カバー部材621と前記陽極本体5の間には前記第2ベース部602が配置され得る。
【0044】
前記第2陽極板62は前記ベース陽極板60を基準として前記第1陽極板61と交互になるように形成され得る。この場合、前記第2陽極板62は前記ベース陽極板60を基準として前記第1陽極板61と互いに対向するように前記陽極本体5に結合され得る。前記陽極板6のうち一部は前記ベース陽極板60に対して前記第1陽極板61が配置された方向側に部分的に重なりながら連続的に配置され得る。前記陽極板6のうち一部は前記ベース陽極板60に対して前記第2陽極板62が配置された方向側に部分的に重なりながら連続的に配置され得る。これに伴い、本発明に係る銅箔製造装置1は、前記陽極板6が前記陽極本体5の上面全体を覆うように前記陽極本体5に結合され得る。前述した通り、前記陽極板6は前記結合作業を通じて厚さが均一に形成されるので、前記陽極板6が前記陰極ドラム3と離隔した距離も均一に形成され得る。また、前記陽極板6が部分的に重なりながら前記陽極本体5の上面全体を覆うように配置されることによって、前記締結部7のすべてが外部に露出しないように具現され得る。したがって、本発明に係る銅箔製造装置1は、電解液内の電流密度が均一に形成され、銅箔の厚さに対する均一性を向上させることができる。
【0045】
以下では、図2図8、および図9を参照して前記陽極板6の変形された実施例を説明する。
【0046】
前記ベース部は第1増加部材604、および第2増加部材605を含むことができる。前記第1増加部材604は前記第1ベース部601と前記中間ベース部603の間で前記第1ベース部601と前記中間ベース部603それぞれに結合されたものである。前記第1増加部材604は前記第1ベース部601から前記中間ベース部603に向かう方向に延びるほど大きさが増加するように形成され得る。前記第2増加部材605は前記第2ベース部602と前記中間ベース部603の間で前記第2ベース部602と前記中間ベース部603それぞれに結合されたものである。前記第2増加部材605は前記第2ベース部602から前記中間ベース部603に向かう方向に延びるほど大きさが増加するように形成され得る。これに伴い、前記第1増加部材604、前記中間ベース部603、および前記第2増加部材605の上面は互いに連結されるように形成され得る。
【0047】
一方、前記第1陽極板61は第1カバー減少部材614と第1結合減少部材615を含むことができる。前記第1カバー減少部材614は前記第1陽極板61から前記ベース陽極板60に向かう方向に延びるほど大きさが減少するように形成されたものである。前記第1カバー減少部材614は前記第1増加部材604の上面を遮るように配置され得る。前記第1結合減少部材615は前記ベース陽極板60から前記第1陽極板61に向かう方向に延びるほど大きさが減少するように形成され得る。前記第1結合減少部材615は前記第1カバー減少部材614と互いに異なる方向で延長され得る。このように、前記第1増加部材604は一方向に延びるほど大きさが増加するように形成され、前記第1カバー減少部材614は前記第1増加部材604が延びる方向と反対方向に延びるほど大きさが減少するように形成されるにつれ、前記陽極板6の上面は評気楽に形成され得る。
【0048】
前記第2陽極板62は前記第2カバー減少部材624、および第2結合減少部材625を含むことができる。前記第2カバー減少部材624、および前記第2結合減少部材625は前記第1カバー減少部材614、および前記第1結合減少部材615それぞれと略一致するように形成されることがあるのでこれに対する具体的は説明は省略する。前記第2カバー減少部材624は前記第2増加部材605の上面を遮るように配置され得る。
【符号の説明】
【0049】
1:銅箔製造装置
2:電着部
3:陰極ドラム
4:陽極部
5:陽極本体
6:陽極板
60:ベース陽極板
601:第1ベース部
602:第2ベース部
603:中間ベース部
604:第1増加部材
605:第2増加部材
61:第1陽極板
611:第1カバー部材
612:第1結合部材
613:第1ベンディング部材
614:第1カバー減少部材
615:第1結合減少部材
62:第2陽極板
621:第2カバー部材
622:第2結合部材
623:第2ベンディング部材
624:第2カバー減少部材
625:第2結合減少部材
7:締結部
71:第1締結部材
72:第2締結部材
73:ベース締結部材
74:締結孔
8:巻取部
81:巻取ローラ
82:コア
80:運搬部
100:銅箔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9