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特許7553637ドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリア
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240910BHJP
   B65D 85/30 20060101ALI20240910BHJP
   B65D 45/34 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/30 500
B65D45/34
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023065156
(22)【出願日】2023-04-12
(65)【公開番号】P2023174528
(43)【公開日】2023-12-07
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/346,426
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520256488
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】ミン-チエン チウ
(72)【発明者】
【氏名】ユン-チン パン
(72)【発明者】
【氏名】チェン-エン チュン
(72)【発明者】
【氏名】チー-ミン リン
(72)【発明者】
【氏名】ポー-ティン リー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ-チエン リウ
(72)【発明者】
【氏名】ツー-ニン フアン
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-306411(JP,A)
【文献】特開平10-070184(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0230398(US,A1)
【文献】米国特許第05711427(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/30
B65D 45/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体キャリアにおいて適用されるドア体ロック機構であって、前記ドア体ロック機構は、ドア板と、蓋体と、ロックモジュールと、を含み、
前記ドア板は、少なくとも一つの第一ストッパ構造を有することと、
前記蓋体は、前記ドア板に対応して合わせて組み立てられることで、収容空間を画定することと、及び、
前記ロックモジュールは、前記収容空間内に設置され、前記ロックモジュールは、回転要素と、保持要素と、弾性要素と、を含み、
前記保持要素は、前記回転要素上に設置され、前記保持要素は、第一ストッパ構造の位置に対応する第二ストッパ構造を有し、
前記弾性要素は、前記保持要素と前記回転要素との間に位置し、前記弾性要素は、前記保持要素が受けた力に基づいて、弾性圧縮を呈することで、前記保持要素の前記第二ストッパ構造が、前記第一ストッパ構造の限定位置から脱離し、さらに、前記回転要素の回転動作を制御し、反対に、前記保持要素が力を受けない時、前記弾性要素は弾性復帰を呈し、前記第一ストッパ構造は、前記第二ストッパ構造に対し、限定位置状態を呈し、さらに、前記回転要素が回転動作をしないように制御することと、を特徴とするドア体ロック機構。
【請求項2】
前記ドア体ロック機構のうち、前記ドア板は、上、下表面を貫通する鍵穴を有し、前記第一ストッパ構造は、前記鍵穴の周縁に位置すること、を特徴とする請求項1に記載のドア体ロック機構。
【請求項3】
前記ドア体ロック機構のうち、前記回転要素は、取付け溝を含み、前記取付け溝は、前記鍵穴の位置に対応し、前記取付け溝は、前記保持要素を取り付けることに用いられること、を特徴とする請求項2に記載のドア体ロック機構。
【請求項4】
前記ドア体ロック機構のうち、前記保持要素は、本体と、前記本体に設置される少なくとも一つの取付部を含み、前記第二ストッパ構造は、前記本体の端部に接続され、且つ、前記ドア板の方向に向かって突出し、前記取付部は前記弾性要素を取り付けることに用いられ、且つ突出方向は、前記第二ストッパ構造と反対であること、を特徴とする請求項1に記載のドア体ロック機構。
【請求項5】
前記ドア体ロック機構のうち、前記回転要素は、取付け溝と、前記取付け溝内に位置する少なくとも一つの貫通孔を含み、前記保持要素の前記本体は、前記取付け溝内に設置され、前記取付部の一部は前記貫通孔内に装着され、前記弾性要素は前記取付溝の内底面と前記本体の表面との間に位置すること、を特徴とする請求項4に記載のドア体ロック機構。
【請求項6】
前記ドア体ロック機構のうち、前記取付部の一端は弾性ピンを有し、前記弾性ピンはフランジを有し、前記フランジの外径は前記貫通孔の直径より大きく、それにより前記弾性ピンは前記貫通孔に穿設され、且つ前記取付け溝の外底面に固定され、前記弾性ピンは、前記取付け溝に、取外しと取付けすることに用いられること、を特徴とする請求項5に記載のドア体ロック機構。
【請求項7】
前記ドア体ロック機構のうち、前記収容空間にラッチ要素が設置され、前記ラッチ要素は前記ロックモジュールに結合され、前記ロックモジュールの前記回転要素は前記ラッチ要素を回転制御して前記半導体キャリアのキャリア本体に対してロックとアンロック動作を行うことに用いられること、を特徴とする請求項1に記載のドア体ロック機構。
【請求項8】
前記ドア体ロック機構のうち、前記蓋体は、さらに、ピボットベースを含み、其れは前記ロックモジュールに結合され、前記ピボットベースは、前記ロックモジュールのピボット動作を提供すること、を特徴とする請求項1に記載のドア体ロック機構。
【請求項9】
半導体キャリアであって、キャリア本体と、請求項1に記載のドア体ロック機構と、を含み、
前記キャリア本体は、半導体素子を収納するための支持空間と、前記支持空間の開口部に隣接する箇所に位置する少なくとも一つのラッチ部を有することと、及び、
前記ドア体ロック機構は、前記キャリア本体に配置され、そのうち、前記ドア板及び前記蓋体で画定された前記収容空間にラッチ要素が設置され、前記ラッチ要素は、前記ロックモジュールの操作に基づき、前記ラッチ要素が、前記キャリア本体の前記ラッチ部に対してロックとアンロック動作を行い、さらに前記ドア体ロック機構を制御して前記支持空間を被覆及び開放することに用いられることと、を特徴とする半導体キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願案は、2022年05月27日に出願され、番号がUS 63/346,426であり、名称が「DOOR LATCH MECHANISM OF SUBSTRATE POD」である米国仮特許出願案の国際優先権を主張するものであり、前記案件の内容は、引用により本明細書に組込み、本明細書の一部分とする。
【0002】
本発明はドア体ロック機構に関し、且つ特に半導体分野に応用されるドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリアに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体科学技術の発展に伴い、半導体ウェハ、キャリアプレート(PCB板)、フォトマスク等の半導体素子の寸法は絶えず進化し、その上の回路パターンの密度もますます高くなっている。半導体製造工程の関連処理において、半導体素子に付着するいかなる粒子またはその他の汚染物も、半導体素子表面を損傷する可能性があるだけでなく、異なる半導体製造工程を行う時に、製造工程の品質上の問題を発生させる可能性もある。パターンの高密度化に伴い、光学リソグラフィに用いられる光源の短波長化が進み、製造工程におけるパーティクル数や空間清浄度に対する要求が厳しくなっている。
【0004】
このような状況において、半導体デバイスを輸送および保管するために使用されるコンテナまたはキャリアにとって、如何にして内部空間の高度な清浄度を維持するかということは、非常に重要な課題である。業界では、前面開放型ウェハ容器(FOUP)が開発されており、ウェハケースのドアには、ドアをカセット本体にロックするためのラッチ機構が設けられ、ドアの外側には、ラッチ機構のロックおよび解除を制御するためのカギを挿入するための鍵穴が設けられている。このようなラッチ機構は、回転盤を利用してラッチ部材の移動を駆動し、ラッチ部材を箱体にロックし又は解除することが知られている。
【0005】
製造工程またはウェハ容器を搬送するプロセスにおいて、搬送する自動化機台または他の外力によりウェハ容器が振動を受け、ウェハ容器が振動を受けるとラッチ機構における回転盤が微動して回転する。回転盤の回転角度が大きくない場合、カギをカギ穴に正確に挿入することができず、ウェハ容器のドアを正常に開閉することができない。回転盤の回転角度が大きすぎる場合、ラッチ部材を駆動して箱体とのロックを解除し、ドアが脱落するという問題が発生する。ウェハ容器が上述の問題を有することに加えて、同様の問題が、フォトマスク容器またはキャリアプレートキャリアに適用されるラッチ機構にも生じる。
【0006】
そのため、回転盤の予期せぬ回転による様々な問題をどのように回避するかは、関連業界が早急に解決しようとする問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに鑑み、本発明はドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリアを提供し、ドア板上のストッパ構造と保持素子上のストッパ機構との相互位置制限を利用し、回転素子が回転操作できないようにし、従来の製造工程またはキャリアの搬送プロセスにおいて、振動による回転素子の予期しない回転による多くの問題を回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に基づき、ドア体ロック機構を提供し、半導体キャリアに適用される。ドア体ロック機構は、ドア板と、蓋体と、ロックモジュールと、を含む。ドア板は、少なくとも一つの第一ストッパ構造を有する。蓋体は、ドア板に対応して合わせて組み立てられることで、収容空間を画定する。ロックモジュールは、収容空間内に設置され、ロックモジュールは、回転要素と、保持要素と、弾性要素と、を含む。保持要素は、回転要素上に設置され、保持要素は、第一ストッパ構造の位置に対応する第二ストッパ構造を有する。弾性要素は、保持要素と回転要素との間に位置し、弾性要素は、保持要素が受けた力に基づいて、弾性圧縮を呈することで、保持要素の第二ストッパ構造が、第一ストッパ構造の限定位置から脱離し、さらに、回転要素の回転動作を制御し、反対に、保持要素が力を受けない時、弾性要素は弾性復帰を呈し、第一ストッパ構造は、第二ストッパ構造に対し、限定位置状態を呈し、さらに、回転要素が回転動作をしないように制御する。
【0009】
一実施例において、ドア板は上、下面を貫通する鍵穴を有し、第一ストッパ構造は、鍵穴の周縁に位置する。
【0010】
一実施例において、回転要素は、取付け溝を含み、取付け溝は、鍵穴の位置に対応し、取付け溝は、保持要素を取り付けることに用いられる。
【0011】
一実施例において、保持要素は、本体と、本体に設置される少なくとも一つの取付部を含み、第二ストッパ構造は、本体の端部に接続され、且つ、ドア板の方向に向かって突出し、取付部は弾性素子を取り付けることに用いられ、且つ突出方向は、第二ストッパ構造と反対である。
【0012】
一実施例において、回転要素は、取付け溝と、取付け溝内に位置する少なくとも一つの貫通孔を含み、保持要素の本体は、取付け溝内に設置され、取付部の一部は貫通孔内に装着され、弾性要素は取付溝の内底面と本体の表面との間に位置する。
【0013】
一実施例において、取付部の一端は弾性ピンを有し、弾性ピンはフランジを有し、フランジの外径は貫通孔の直径より大きく、それにより弾性ピンは貫通孔に穿設され、且つ取付け溝の外底面に固定され、弾性ピンは、取付け溝に、取外しと取付けをすることに用いられる。
【0014】
一実施例において、そのうち、収容空間にラッチ要素が設置され、ラッチ要素はロックモジュールに結合され、ロックモジュールの回転素子はラッチ要素を回転制御して半導体キャリアのキャリア本体に対してロックとアンロック動作を行うことに用いられる。
【0015】
一実施例において、そのうち、蓋体は、さらに、ピボットベースを含み、其れはロックモジュールに結合され、ピボットベースは、ロックモジュールのピボット動作を提供する。
【0016】
本発明の別の態様によれば、半導体キャリアを提供し、キャリア本体および前述したドア体ロック機構を含む。キャリア本体は、半導体素子を収容するための支持空間と、支持空間の開口部に隣接して配置された少なくとも一つのラッチ部と、を有する。ドア体ロック機構は、キャリア本体に配置され、そのうち、ドア板および蓋体で画定される収容空間にラッチ要素が設置され、ラッチ要素はロックモジュールの操作に基づき、ラッチ要素が、キャリア本体のラッチ部に対応してロックとアンロック動作を行い、さらにドア体ロック機構を制御して支持空間を被覆及び開放することに用いられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリアは、そのうち、ドア板表面に第一ストッパ構造が凸設され、回転要素に設置される保持要素は第二ストッパ構造を有し、保持要素が力を受けない時、弾性要素は弾性復帰を呈する際、この時に第二ストッパ構造は、第一ストッパ構造に位置制限され、さらに回転要素が回転操作できないように制御する。保持要素が力を受けて、弾性要素が弾性圧縮を呈する際、第二ストッパ構造は、第一ストッパ構造の限定位置から脱離し、さらに、回転要素の回転動作を制御する。本発明実施例のドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリアは、その構造がシンプルであり、回転要素の位置を維持する効果を有し、製造工程または伝送過程において、振動による回転要素の予期しない回転が発生せず、鍵穴の位置ずれによりロボットアームがドア体を正常に開閉できないという問題を回避することができ、またドア体が予想外に脱落するという問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の上記及び他の特徴、利点及び実施例をより分かりやすくするために添付する図面の説明は以下のとおりである。
図1】本発明の一実施例による半導体キャリアの概略図である。
図2】ドア体ロック機構の内部構造の概略図である。
図3】本発明の一実施例によるドア体ロック機構の分解図である。
図4】本発明の一実施例による保持要素の立体図である。
図5】ロックモジュールの分解図である。
図6図5の他の視点を示す概略図である。
図7】ロックモジュールの組立図である。
図8図7の他の視点を示す概略図である。
図9図2のドア体ロック機構の部分分解図である。
図10】第二ストッパ構造と第一ストッパ構造の位置限定状態を示す概略図である。
図11】本発明の一実施例によるドア体ロック機構の側視断面図である。
図12】第二ストッパ構造の離脱と第一ストッパ構造の位置限定状態を示す概略図である。
図13図11の保持要素をドア板から一定の距離を離れるように押された後の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリアであって、半導体キャリアはウェハキャリア、フォトマスク容器、プレートキャリア等の半導体素子を搭載可能な任意の容器であってもよい。ドア体ロック機構は半導体キャリアの開口部に取り付けることに用いられ、主な特徴は以下のとおりである。ドア板における第一ストッパ構造と保持要素における第二ストッパ構造の両者が位置限定状態を呈することを利用し、回転要素が回転動作できないように制御し、それによりドア体が正常に開閉できず又は脱落が発生するという問題を解決する。保持要素が力を受けると弾性素子は力を受けて圧縮され、第二ストッパ構造を第一ストッパ構造の限定位置から離脱させ、さらに回転要素の回転動作を制御することができ、それにより鍵の位置合わせ精度と簡易操作の利便性を達成する。以下の実施例は、本発明の図面を参照しながら、本発明のドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリア本体を詳細に説明する。
【実施例
【0020】
同時に図1から図3を参照されたい。図1は、本発明の一実施例による半導体キャリアの概略図であり、図2は、ドア体ロック機構の内部構造の概略図であり、図3は、本発明の一実施例によるドア体ロック機構の分解図である。
【0021】
本発明の半導体キャリア30は、キャリア本体20及びドア体ロック機構10を含む。キャリア本体20は、半導体素子を収容するための支持空間20aと、支持空間20aの開口部に隣接して配置された少なくとも一つのラッチ部21と、を有する。ドア体ロック機構10は、キャリア本体20上に配置され、そのうち、ドア板110および蓋体190が画定する収容空間10aにラッチ要素180が設置される。本実施例において、ラッチ要素180の数は2つであり、ロックモジュール100の対向する両側に配置され、ラッチ要素180はロックモジュール100のロック解除及びロック操作に基づき、ラッチ要素180をキャリア本体20のラッチ部21に対応して内向きに収縮し、ロック解除状態を呈し、またはラッチ要素180をキャリア本体20のラッチ部21に対応して外向きに突出し、ロック状態を呈し、さらにドア体ロック機構10を制御して支持空間20aを被覆及び開放することに用いられる。そのうち、ラッチ要素180の配置数は制限されず、ニーズに応じて調整することができ、半導体素子は例えばウェハ、フォトマスク又は他の半導体製造工程に必要な半導体基板であってもよいがそれに限定されず、水分、微粒子等の侵入を防止し、半導体素子の清潔さを維持し、且つ搬送に便利である。
【0022】
ドア体ロック機構10は、ドア板110と、蓋体190と、ロックモジュール100と、を含む。ドア板110は、少なくとも一つの第一ストッパ構造111を有し、蓋体190は、ドア板110に対応して合わせて組み立てられることで、収容空間10aを画定する。ロックモジュール100は、収容空間10a内に設置される。ドア体ロック機構10は、ロックモジュール100及びそれに結合されるラッチ要素180を介して分離可能な方式でキャリア本体20にロックされ、それによりドア体ロック機構10は必要な時にキャリア本体20から離脱することができ、ロボットアームは半導体キャリア30内に搭載される半導体素子(図示せず)をピックアップすることができる。ドア板110は上、下表面を貫通する鍵穴110aを有し、第一ストッパ構造111は鍵穴110aの周縁に位置する。鍵穴110aは、カギを挿入するためのものである。本発明の実施例のロックモジュール100及びラッチ要素180は確実なロックを提供し、ドア体ロック機構10及びキャリア本体20を確実にロックすることができ、同時に鍵は鍵穴110a及びロックモジュール100に正確に入ってドアを開閉する動作を行うことができる。
【0023】
本実施例のロックモジュール100は、収容空間10a内に設置される。ロックモジュール100は、回転要素170と、保持要素150と、弾性要素130と、を含む。保持要素150は、回転要素170上に設置され、保持要素150は、第一ストッパ構造151の位置に対応する第二ストッパ構造111を有する。弾性要素130は、保持要素150と回転要素170との間に位置し、弾性要素130は、保持要素150が受けた力に基づいて、弾性圧縮を呈することで、保持要素150の第二ストッパ構造151が、第一ストッパ構造111の限定位置から脱離し、さらに、回転要素170の回転動作を制御する。反対に、保持要素150が力を受けない時、弾性要素130は弾性復帰を呈し、第一ストッパ構造111は、第二ストッパ構造151に対し、限定位置状態を呈し、さらに、回転要素170が回転動作をしないように制御する。
【0024】
本実施例のドア体ロック機構10は一対のロックモジュール100を有することを例とし、それぞれドア体ロック機構10内の左右両側に位置し、図2に示すとおりである。この一対のロックモジュール100は同一の要素と構造を有する。本発明の特徴を明確に示すために、以下では一つのロックモジュール100を例として説明する。
【0025】
図3図4を参照されたい。図4は、本発明の一実施例による保持要素の立体図である。
【0026】
保持要素150は本体153及び本体153に設置される少なくとも一つの取付部155を含み、第二ストッパ構造151は本体153の端部に接続され、且つドア板110の方向に向かって突出(すなわち図3及び図4における方向Zに沿って延伸)し、第二ストッパ構造151は本体153から垂直に延伸して形成されてもよい。取付部155は、弾性素子130を取り付けることに用いられ、且つ取付部155の突出方向は第二ストッパ構造151の突出方向と反対である。本実施例において、本体153は平板状構造であり、両側の端部にそれぞれ一つの第二ストッパ構造151が接続される。第二ストッパ構造151は、本体153に垂直な一対の直立アームを含む。注意すべきことは、本発明における第二ストッパ構造151の形状及び寸法は、図4に示すものに限定されるものではなく、その目的は第一ストッパ構造111に制限されることであり、従って構造に十分な強度を有する設計であれば、いずれも本発明の実施例の保持要素150に適用することができる。
【0027】
図4及び図5から図8を参照されたい。図5は、ロックモジュールの分解図であり、図6は、図5の他の視点を示す概略図であり、図7は、ロックモジュールの組立図であり、図8は、図7の他の視点を示す概略図である。
【0028】
本実施例の保持要素150は、さらに取付部155を含み、本体153に接続され、取付部の突出方向は第二ストッパ構造151と反対である。保持要素150は、取付部155を介して回転要素170上に移動可能に設けられている。回転要素170は取付け溝170aを有し、取付け溝170aは鍵穴110a(鍵穴110aは図3に示される)の位置に対応し、取付け溝170aは保持要素150を取り付けることに用いられる。回転要素170はさらに取付け溝170a内に位置する少なくとも一つの貫通孔170bを含み、保持要素150の本体153は取付け溝170a内に設置され、取付部155の一部は貫通孔170b内に装着され、弾性要素130は取付け溝170aの内底面171と本体153の表面との間に位置する。
【0029】
弾性要素130は、取付部155に装着され、弾性要素130の両端はそれぞれ保持要素150の本体153の表面及び取付け溝170aの内底面171に当接する。弾性要素130は、例えば、鋼製コイルばね、または、その他のばね圧縮およびばね復位が可能な要素である。
【0030】
さらに言えば、取付部155の一端は弾性ピン156を有し、弾性ピン156はフランジ157を有し、フランジ157の外径は貫通孔170bの直径より大きく、それにより弾性ピン156は貫通孔170bに穿設され、且つ取付け溝170aの外底面に固定され、弾性ピン156は、取付け溝170aに、取外しと取付けをすることに用いられる。取付部155が貫通孔170bに穿設される際、弾性ピン156はまず圧縮されて貫通孔170bを貫通した後に弾性回復し、フランジ157を取付け溝170aの外底面に当接させる。保持要素150は、弾性弾性ピン156を介して回転要素170上に取り外し可能に設けられている。
【0031】
次に本実施例のロックモジュール100における要素をより詳細に説明する。図2及び図9を参照されたい。図9は、図2のドア体ロック機構の部分分解図である。
【0032】
ドア体ロック機構10の収容空間10aにラッチ要素180が設置され、ラッチ要素180はロックモジュール100に結合され、ロックモジュール100の回転素子170はラッチ要素180を回転制御することに用いられ、それを外向きに蓋体190に突出させ又は蓋体190に収縮させ、それによりドア体ロック機構10のアンロック及びロック動作を行う。同時に、図1を参照されたい。一実施形態では、ラッチ要素180は、格納位置とロック位置との間で移動可能である。ラッチ要素180がロック位置にあるとき、ラッチ要素180の一端は、スナップロックのためにキャリア本体20のラッチ部21まで突出して延伸する。ラッチ要素180が格納位置に位置する際、キャリア本体20のラッチ部21とのスナップロックから離脱し、この時にドア体ロック機構10はキャリア本体20から離脱し、キャリア本体20から取り外すことができる。
【0033】
本実施例のドアラッチ機構10はさらにピボットアセンブリ160を含み、ロックモジュール100を枢着し、且つロックモジュール100の枢動動作を提供することに用いられる。蓋体190は、さらに、ピボットアセンブリ160に結合されたピボットベース191を含み、ロックモジュール100は、ピボットアセンブリ160を介してピボットベース191に固定される。ピボットアセンブリ160の一側はピボットベース191に接続され、他側は回転要素170に接続され、ロックモジュール100を回転可能な方式で蓋体190に設置することに用いられる。
【0034】
以下に第二ストッパ構造151と第一ストッパ構造111の位置限定状態を説明する。
【0035】
図10から図13を参照されたい。図10は、第二ストッパ構造と第一ストッパ構造の位置限定状態を示す概略図であり、図11は、本発明の一実施例によるドア体ロック機構の側視断面図であり、図12は、第二ストッパ構造の離脱と第一ストッパ構造の位置限定状態を示す概略図であり、図13は、図11の保持要素をドア板から一定の距離を離れるように押された後の概略図である。
【0036】
図10及び図11に示すように、保持要素150が力を受けない時、弾性要素130は、弾性復位を呈し、弾性素子130は回転要素170と保持要素150との間に位置するため、この時にそれは保持要素150を弾性で支持し、保持要素150はこの時にドア板110に隣接する。このとき、第二ストッパ構造151は、第一ストッパ構造111によって位置制限され、それによって、回転要素170が回転しないように制御する。本実施例において、ドア板110上の第一ストッパ構造111はバンプ(凸ブロック)であり、ドア板110の表面から高さHだけ突出する。第一ストッパ構造111は、当接面111aを有し、第二ストッパ構造151が当接してストッパ効果を生成することに用いられる。より詳細には、第一ストッパ構造111の一対のバンプは、それぞれ第二ストッパ構造151を制限できる箇所に対応して設置される。
【0037】
図12及び図13に示すとおり、保持要素150がZ方向の逆方向に力を受けてドア板110から離れてバンプの高さHを超えると、この時に弾性要素130は弾性圧縮を呈し、第一ストッパ構造111と第二ストッパ構造151は位置限定状態から離脱する。この時、保持要素150及びそれに連動する回転要素170は制御されて回転動作を行うことができ、第一ストッパ構造111の制限を受けない。実際の操作では、ロボットアーム又はカギ50を鍵穴110aから挿入し、且つ保持要素150を押してドア板110から離れる方向(Z方向の反対方向)に移動させる時、第二ストッパ構造151を第一ストッパ構造111から離脱させて非制限状態にする。次に、カギ50により回転力を付与して回転要素170を回転させる。このとき、弾性要素130は、弾性的に圧縮された状態で位置エネルギーを蓄える。カギ50が鍵穴110aから移動した後、弾性要素130は弾性復位を呈し、保持要素150をロック位置に回復でき、第一ストッパ構造111は第二ストッパ構造151に対して図10及び図11に示す位置限定状態に戻る。
【0038】
以上のように、本発明の実施例のドア体ロック機構および其れを応用する半導体キャリアは、ドア板における第一ストッパ構造とロックモジュールにおける保持要素の第二ストッパ構造が位置限定状態を呈することを利用し、回転要素の位置を維持する効果を達成し、製造工程又は伝送過程において振動による回転要素の予期しない回転が発生することがなく、それによりカギを正確に挿入することができ、鍵穴の位置ずれによるロボットアームがドアを正常に開閉できないという問題を回避し、さらにドアが予想外に脱落するという問題を回避することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 ドア体ロック機構
10a 収容空間
20 キャリア本体
20a 支持空間
21 ラッチ部
30 半導体キャリア
50 カギ
100 ロックモジュール
110 ドア板
110a 鍵穴
111 第一ストッパ構造
111a 当接面
130 弾性要素
150 保持要素
151 第二ストッパ構造
153 本体
155 取付部
156 弾性ピン
157 フランジ
160 ピボットアセンブリ
170 回転要素
170a 取付け溝
170b 貫通孔
171 内底面
180 ラッチ要素
190 蓋体
191 ピボットベース
H 高さ
Z 方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11
図12
図13