(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/00 20210101AFI20240910BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240910BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240910BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240910BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240910BHJP
H10K 50/842 20230101ALI20240910BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240910BHJP
H10K 50/858 20230101ALI20240910BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240910BHJP
【FI】
G02B7/00 F
G09F9/00 302
G09F9/30 308D
G09F9/30 365
G09F9/33
H10K50/10
H10K50/842
H10K50/844
H10K50/858
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2023072394
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2019022557の分割
【原出願日】2019-02-12
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0016676
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成 宇 ヨン
(72)【発明者】
【氏名】金 秀 燕
(72)【発明者】
【氏名】金 勝 勳
(72)【発明者】
【氏名】徐 政 漢
(72)【発明者】
【氏名】尹 昇 好
(72)【発明者】
【氏名】李 亨 燮
(72)【発明者】
【氏名】張 文 源
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0208241(US,A1)
【文献】特開2012-98726(JP,A)
【文献】特開2019-139232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/00
G02B 7/18 - 7/24
G09F 9/00
G09F 9/30
G09F 9/33
H05B 33/00 - 33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通ホールを有する表示パネルと、
前記表示パネル上に配置されたウィンドウガラスと、
前記貫通ホールを埋め尽くすように充填され、前記ウィンドウガラスに対向する充填部材と、を含み、
前記貫通ホールは少なくとも1個のレンズを含むカメラモジュールと重畳し、
前記充填部材は、前記少なくとも1個のレンズと接触し、
前記充填部材は、前記ウィンドウガラスの屈折率と前記レンズの屈折率の間の屈折率を有し、
前記
レンズの屈折率は1.7、前記ウィンドウガラスの屈折率は1.5である、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記充填部材の屈折率は1.2乃至2.0の範囲にある、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記充填部材は有機物質を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記充填部材の一端部と前記レンズ間の屈折率差は0.7以下であり、前記充填部材の他端部と前記ウィンドウガラス間の屈折率差は0.5以下である、ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記充填部材は、順次積層された第1無機物質、有機物質、及び第2無機物質からなり、前記第1無機物質は前記カメラモジュールに対向し、前記第2無機物質は前記ウィンドウガラスに対向する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1無機物質と前記レンズ間の屈折率差は0.7以下であり、前記第2無機物質と前記ウィンドウガラス間の屈折率差は0.5以下である、ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、
基板と、
前記基板上に配置され、第1ホールを有する画素回路部と、
前記画素回路部上に配置される共通電極と、
前記共通電極上に配置される密封部と、
前記密封部上に配置される偏光板と、を含み、
前記基板は、前記第1ホールと対応する溝を有する第1層、及び前記第1層と前記画素回路部の間に配置され、前記溝と前記第1ホールの間に配置された第2ホールを有する第2層を含み、
前記溝は前記第2ホールより大きな幅を有し、
前記貫通ホールは前記第1ホール、前記第2ホール、及び前記溝と対応するように配置され、前記基板、前記共通電極、前記密封部、及び前記偏光板を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルと前記ウィンドウガラスの間に配置される接着部をさらに含み、
前記貫通ホールは前記接着部を貫通する、ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記溝は前記第1層から前記第2層に向かう方向に漸進的に大きくなる幅を有する、ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置及びその製造方法に係り、より詳しくは、貫通ホールを有する表示パネルの信頼性(耐衝撃性)を向上させる表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平面表示装置は陰極線管(Cathode Ray Tube)の欠点である重さと専有体積を減らす利点を有する。このような平面表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)及び有機発光ディスプレイ装置(Organic Light Emitting Display Device)などがある。
【0003】
平面表示装置のうち有機発光ディスプレイ装置は電子と正孔の再結合によって光を発生する有機発光ダイオードを用いて映像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は貫通ホールを有する表示パネルの信頼性(耐衝撃性)を向上させる表示装置及びその製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するための本発明による表示装置は、貫通ホールを有する表示パネルと、前記表示パネル上に配置されたウィンドウガラスと、前記貫通ホールに充填され、前記ウィンドウガラスに対向する充填部材と、を含み、前記貫通ホールは少なくとも1個のレンズを含むカメラモジュールと重畳し、前記充填部材は前記カメラモジュールに対向し、前記充填部材の一端部と前記レンズ間の屈折率差は0.7以下であり、前記充填部材の他端部と前記ウィンドウガラス間の屈折率差は0.5以下である。
【0007】
また、前記のような目的を達成するための本発明による表示装置は、貫通ホールを有する表示パネルと、前記表示パネル上に配置されたウィンドウガラスと、前記貫通ホールに充填され、前記ウィンドウガラスに対向する充填部材と、を含み、前記貫通ホールは少なくとも1個のレンズを含むカメラモジュールと重畳し、前記充填部材は前記レンズと接触する。
【0008】
また、前記のような目的を達成するための本発明による表示装置の製造方法は、表示パネルを形成する段階と、前記表示パネルを貫通し、平面上でカメラモジュールと重畳する貫通ホールを形成する段階と、前記貫通ホールが形成された表示パネル上にウィンドウガラスを配置する段階と、前記形成された貫通ホールに充填部材を充填する段階と、を含み、前記貫通ホールに充填された前記充填部材は前記カメラモジュールと前記ウィンドウガラスとそれぞれ対向し、前記充填部材の一端部と前記カメラモジュールのレンズ間の屈折率差は0.7以下であり、前記充填部材の他端部と前記ウィンドウガラス間の屈折率差は0.5以下である。
【0009】
また、前記のような目的を達成するための本発明による表示装置の製造方法は、表示パネルを形成する段階と、前記表示パネルを貫通し、平面上でカメラモジュールと重畳する貫通ホールを形成する段階と、前記貫通ホールが形成された表示パネル上にウィンドウガラスを配置する段階と、前記形成された貫通ホールに充填部材を充填する段階と、前記貫通ホールに充填された充填部材と前記カメラモジュールのレンズを接触させる段階と、を含み、前記貫通ホールに充填された充填部材は前記カメラモジュールと前記ウィンドウガラスとそれぞれ対向する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による表示装置及びその製造方法は次のような効果を提供する。
本発明の表示装置によれば、表示パネルに形成された貫通ホールの内部に充填部材を充填する。したがって、貫通ホールを有する表示パネルの信頼性(耐衝撃性)を向上できる。
【0011】
充填部材によって、充填部材の一端部とカメラモジュールのレンズ間の屈折率差、そして充填部材の他端部と前記ウィンドウガラス間の屈折率差を低下させる。したがって、カメラモジュールのレンズに入射する光の歪曲を改善し、ひいては透過率及び視認性を向上できる。
【0012】
充填部材とカメラモジュールのレンズが接触する。したがって、充填部材とカメラモジュールのレンズ間にエアギャップ(air gap)が存在しなくなり、エアギャップの存在による追加的なインデックスマッチングなしにカメラモジュールのレンズに入射する光の歪曲を改善できる。
【0013】
充填部材が基板(又は画素回路部)の溝(又はホール)に充填される。したがって、貫通ホール周辺の密封部と基板間の結合力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は本発明の一実施例による表示装置のブロック構成図、(b)は本発明の一実施例による表示装置とカメラモジュールを示したブロック構成図である。
【
図2】本発明の一実施例による表示モジュールの平面図である。
【
図3】
図2に示したいずれか1個の画素に対する等価回路を示した図である。
【
図4】
図2に示したいずれか1個の画素及びこれに連結されたラインを含む表示装置の詳細平面図である。
【
図5】
図4の構成要素の一部のみを別に示した図である。
【
図6】
図4の構成要素の一部のみを別に示した図である。
【
図7】
図4の構成要素の一部のみを別に示した図である。
【
図8】
図4の構成要素の一部のみを別に示した図である。
【
図9】
図4の構成要素の一部のみを別に示した図である。
【
図10】
図4の構成要素の一部のみを別に示した図である。
【
図11】
図4の構成要素の一部のみを別に示した図である。
【
図15】本発明の表示装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図16】本発明の表示装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図17】本発明の表示装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図18】本発明の表示装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図19】本発明の一実施例による表示装置において充填部材とカメラモジュールのレンズ間にエアギャップが存在する場合、レンズに入射する光の透過率を示すグラフである。
【
図20】本発明の一実施例による表示装置において充填部材とカメラモジュールのレンズ間にエアギャップが存在しない場合、レンズに入射する光の透過率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すれば明らかになるであろう。しかし、本発明は以下に開示する実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態に具現できる。ただ、本実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求範囲の範疇によって定義されるだけである。したがって、いくつかの実施例において、よく知られた工程段階、よく知られた素子構造及びよく知られた技術は本発明があいまいに解釈されることを避けるために具体的に説明しない。明細書全般にわたって同じ参照符号は同一構成要素を指す。
【0016】
図面において、多くの層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全般にわたって類似の部分には同じ図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分‘‘上に’’あると言うとき、これは他の部分の‘‘直上に’’ある場合だけではなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分‘‘直上に’’あると言うときには中間に他の部分がないことを意味する。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分‘‘の下に’’あると言うとき、これは他の部分の‘‘直下に’’ある場合だけではなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の‘‘直下に’’あると言うときには中間に他の部分がないことを意味する。
【0017】
空間的に相対的な用語である‘‘下(below)’’、 ‘‘下(beneath)’’、‘‘下部(lower)’’、 ‘‘上(above)’’、‘‘上部(upper)’’などは、図面に示しているように、1個の素子又は構成要素と他の素子又は構成要素との相関関係を容易に記述するために使用する。空間的に相対的な用語は、図面に示している方向に加え、使用時又は動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語と理解しなければならない。例えば、図面に示しれている素子を覆す場合は、他の素子の‘‘下(below)’’又は‘‘下(beneath)’’に配置されていると記述された素子は、他の素子の‘‘上(above)’’に置かれる。したがって、例示的な用語である‘‘下’’は、下と上の方向のいずれも含む。素子は、他の方向にも配向され、よって空間的に相対的な用語は配向によって解釈されるべきである。
【0018】
本明細書において、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけではなく、その中間に他の素子を介して電気的に連結されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を含むというとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を排除するものではなくて他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
本明細書において、第1、第2、第3などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用するが、このような構成要素は前記用語に限定されるものではない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用する。例えば、本発明の権利範囲から逸脱しない範疇内で、第1構成要素を第2又は第3構成要素などと名付けることができ、同様に第2又は第3構成要素も取り替えて名付けることができる。
【0020】
他の定義がない限り、本明細書で使う全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解可能な意味である。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は、特に定義しない限り、理想的に又は過度に解釈されてはいけない。
【0021】
以下、
図1乃至
図20に基づいて本発明による表示装置及びその製造方法を詳細に説明する。
図1(a)は本発明の一実施例による表示装置のブロック構成図、
図1(b)は本発明の一実施例による表示装置とカメラモジュールを示したブロック構成図である。
【0022】
本発明の表示装置は、
図1(a)に示したように、表示モジュール1000、ウィンドウガラス1010、及び充填部材1003を含む。
【0023】
表示モジュール1000は、貫通ホール1001を有する表示パネルを含む。表示モジュール1000の詳細構成についての具体的な説明は後述する。
【0024】
ウィンドウガラス1010は表示モジュール1000上に配置され、透明なガラス素材からなり、表示モジュール1000から生成される映像を透過させる。
【0025】
充填部材1003は透明な物質からなり、表示モジュール1000を貫通する貫通ホール1001に充填され、ウィンドウガラス1010に対向する。
【0026】
図1(b)に示したように、貫通ホール1001は平面上で少なくとも1個のレンズを含むカメラモジュール1020と重畳し、充填部材1003はカメラモジュール1020に対向する。
【0027】
カメラモジュール1020は少なくとも1個のレンズを含み、レンズを介して入力される光を受信することによってイメージが入力される。カメラモジュール1020は、貫通ホール1001を介して光を受信する。
【0028】
一実施例において、充填部材1003はカメラモジュール1020のレンズと接触する。以下、本発明は充填部材1003がカメラモジュール1020のレンズと接触する場合を基にして説明する。
【0029】
充填部材1003は1.2乃至2.0の屈折率を有する。例えば、カメラモジュール1020の屈折率は約1.7、ウィンドウガラス1010は約1.5である。好ましくは、充填部材1003は、ウィンドウガラス1010の屈折率とカメラモジュール1020のレンズの屈折率の間の屈折率を有する。これにより、充填部材1003の一端部とカメラモジュール1020のレンズ間の屈折率差、そして充填部材1003の他端部とウィンドウガラス1010間の屈折率差を低下させることで、カメラモジュール1020のレンズに入射する光の歪曲を改善する。
【0030】
充填部材1003は有機物質からなる。例えば、有機物質はアクリルシリコン系有機物質であってもよい。
【0031】
充填部材1003の一端部とカメラモジュール1020のレンズ間の屈折率差は0.7以下、充填部材1003の他端部とウィンドウガラス1010間の屈折率差は0.5以下であり得る。
【0032】
充填部材1003は、順次積層された第1無機物質、有機物質、及び第2無機物質からなる。この場合、第1無機物質はカメラモジュール1020に対向し、第2無機物質はウィンドウガラス1010に対向する。例えば、第1無機物質及び第2無機物質は、窒化珪素(SiNx)、酸化珪素(SiO2)、酸窒化珪素(SiOxNy)の少なくとも1種であってもよい。有機物質はアクリルシリコン系有機物質であってもよい。
【0033】
第1無機物質とカメラモジュール1020のレンズ間の屈折率差は0.7以下、第2無機物質とウィンドウガラス1010間の屈折率差は0.5以下であり得る。
【0034】
このように、充填部材1003がカメラモジュール1020のレンズと接触する場合、充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズの間にエアギャップ(air gap)が存在しなくなるので、エアギャップが存在することによる追加的なインデックスマッチングが要求されない。言い換えれば、充填部材1003の一端部と空気間の屈折率差、そして空気とカメラモジュール1020のレンズ間の屈折率差を低下させるための屈折率調整が要求されない。
【0035】
他の実施例によって、充填部材1003はカメラモジュール1020のレンズと接触しないこともある。この場合、エアギャップが存在することによる追加的なインデックスマッチングが要求される。言い換えれば、充填部材1003の一端部と空気間の屈折率差、そして空気とカメラモジュール1020のレンズ間の屈折率差を低下させるための屈折率調整が要求される。
【0036】
本発明の表示装置は、表示モジュール1000とウィンドウガラス1010の間に配置される透明な接着部1030をさらに含む。この場合、貫通ホール1001は表示モジュール1000と接着部1030の両者を貫通する。
【0037】
接着部1030は表示モジュール1000とウィンドウガラス1010を接着し、例えばOCA(Optically Clear Adhesive)、OCR(Optically Clear Resin)などから具現される。
【0038】
図2は本発明の一実施例による表示モジュールの平面図である。
本発明の表示モジュール1000は、
図2に示したように、表示パネル1002、スキャンドライバー102、発光制御ドライバー103、データドライバー104及び電源供給部105を含む。
【0039】
表示パネル1002は、基板、基板上に配置されるi+2個のスキャンラインSL0乃至SLi+1、k個の発光制御ラインEL1乃至ELk、j個のデータラインDL1乃至DLj、及びixj個の画素PXを含む。ここで、i、j及びkはそれぞれ1より大きな自然数である。スキャンドライバー102、発光制御ドライバー103及びデータドライバー104は表示パネル1002上に配置される。
【0040】
表示パネル1002は、表示領域1002a及び非表示領域1002bを含む。表示領域1002aは実質的な映像を表示する画素を含む領域を意味し、非表示領域1002bは表示領域1002aを除いた残りの領域を意味する。
【0041】
表示パネル1002は、非表示領域1002bに配置され、表示パネル1002を貫通する貫通ホール1001を有する。貫通ホール1001は平面上でカメラモジュール1020と重畳し、その内部は充填部材1003で充填される。表示パネル1002を貫通する貫通ホール1001についての具体的な説明は後述する。
【0042】
複数の画素PXは表示パネル1002の表示領域1002aに配置される。
i+2個のスキャンラインSL0乃至SLi+1、k個の発光制御ラインEL1乃至ELk、j個のデータラインDL1乃至DLjは表示パネル1002の表示領域1002aに配置される。ここで、i+2個のスキャンラインSL0乃至SLi+1は非表示領域1002bに伸びてスキャンドライバー102に連結され、k個の発光制御ラインEL1乃至ELkは非表示領域1002bに伸びて発光制御ドライバー103に連結され、そしてj個のデータラインDL1乃至DLjは非表示領域1002bに伸びてデータドライバー104に連結される。
【0043】
スキャンドライバー102及び発光制御ドライバー103は画素PXと同じ工程で表示パネル1002の基板上に形成される。例えば、スキャンドライバー102のスイッチング素子、発光制御ドライバー103のスイッチング素子及び画素PXのスイッチング素子はフォトリソグラフィー(photolithography)工程で基板上に形成される。
【0044】
発光制御ドライバー103はスキャンドライバー102に内蔵される場合がある。例えば、スキャンドライバー102は発光制御ドライバー103の機能をさらに遂行する。このような場合、スキャンラインSL0乃至SLi+1及び発光制御ラインEL1乃至ELkはスキャンドライバー102によって一緒に駆動される。
【0045】
データドライバー104はチップ(chip)状に製造される。データドライバー104は表示パネル1002の基板上にチップボンディング方式で付着される。一方、データドライバー104は、表示パネル1002の基板の代わりに、別途のプリント基板(図示せず)に配置されることができる。このような場合、データラインDL1乃至DLjはそのプリント基板を介してデータドライバー104に連結される。
【0046】
一方、スキャンドライバー102及び発光制御ドライバー103はそれぞれチップ状に製造される。チップ状のスキャンドライバー102は表示パネル1002の非表示領域1002b又は別途のプリント基板(図示せず)に配置される。チップ状の発光制御ドライバー103は表示パネル1002の非表示領域1002b又は別途のプリント基板(図示せず)に配置される。
【0047】
スキャンラインSL0乃至SLi+1はY軸方向に配列され、各スキャンラインSL0乃至SLi+1はX軸方向に伸びる。発光制御ラインEL1乃至ELkはY軸方向に配列され、各発光制御ラインEL1乃至ELkはX軸方向に伸びる。データラインDL1乃至DLjはX軸方向に配列され、各データラインDL1乃至DLjはY軸方向に伸びる。
【0048】
前述したスキャンラインSL0乃至SLi+1のうちデータドライバー104に一番近くに配置されたスキャンラインSL0は第1ダミースキャンラインSL0と定義され、データドライバー104から一番遠くに配置されたスキャンラインSLi+1は第2ダミースキャンラインSLi+1と定義される。そして、第1ダミースキャンラインSL0と第2ダミースキャンラインSLi+1間のスキャンラインSL1乃至SLiはデータドライバー104の近くに配置されたスキャンラインから順に第1乃至第iスキャンラインSL1乃至SLiと定義される。
【0049】
スキャンドライバー102は、タイミングコントローラー(図示せず)から提供されたスキャン制御信号によってスキャン信号を生成し、生成されたスキャン信号を複数のスキャンラインSL0乃至SLi+1に順次供給する。スキャンドライバー102は第1乃至第iスキャン信号、第1ダミースキャン信号及び第2ダミースキャン信号を出力する。スキャンドライバー102から出力された第1乃至第iスキャン信号は第1乃至第iスキャンラインSL1乃至SLiにそれぞれ供給される。例えば、第nスキャン信号は第nスキャンラインSLnに供給される。ここで、nは1より大きいか同じでiより小さいか同じ自然数である。そして、スキャンドライバー102から出力された第1ダミースキャン信号は第1ダミースキャンラインSL0に供給され、スキャンドライバー102から出力された第2ダミースキャン信号は第2ダミースキャンラインSLi+1に供給される。
【0050】
1フレーム期間の間、スキャンドライバー102は第1乃至第iスキャン信号を第1スキャン信号から順次出力する。ここで、スキャンドライバー102は第1ダミースキャン信号を第1スキャン信号に先立って出力し、第2ダミースキャン信号を第iスキャン信号より遅く出力する。言い換えれば、スキャンドライバー102は第1ダミースキャン信号を1フレーム期間の間で一番先に出力し、第2ダミースキャン信号を1フレーム期間の間で一番遅く出力する。これにより、1フレーム期間の間、ダミースキャンラインSL0、SLi+1を含む全てのスキャンラインSL0乃至SLi+1は第1ダミースキャンラインSL0から順次駆動される。
【0051】
発光制御ドライバー103は、タイミングコントローラー(図示せず)から提供された制御信号によって発光制御信号を生成し、生成された発光制御信号を複数の発光制御ラインEL1乃至ELkに順次供給する。発光制御ドライバー103は第1乃至第k発光制御信号を出力する。発光制御ドライバー103から出力された第1乃至第k発光制御信号は第1乃至第k発光制御ラインにそれぞれ供給される。例えば、第m発光制御信号は第m発光制御ラインに供給される。ここで、mは1より大きいか同じであってもよく、kより小さいか同じ自然数である。1フレーム期間の間、発光制御ドライバー103は第1乃至第k発光制御信号を第1発光制御信号から順次出力する。これにより、1フレーム期間の間、全ての発光制御ラインEL1乃至ELkは第1発光制御ライン(EL1)から順次駆動される。
【0052】
データドライバー104は第1乃至第jデータラインDL1乃至DLjにそれぞれ第1乃至第jデータ電圧を供給する。例えば、データドライバー104はタイミングコントローラー(図示せず)から映像データ信号及びデータ制御信号を供給される。そして、データドライバー104はデータ制御信号によって映像データ信号をサンプリングした後、水平期間ごとに1水平ラインに相当するサンプリング映像データ信号を順次ラッチし、ラッチされた映像データ信号をデータラインDL1乃至DLjに同時に供給する。
【0053】
画素PXはマトリックス(matrix)状に表示パネル1002の表示領域1002a上に配置される。画素PXは相異なる色相の光を放出する。例えば、
図2の画素PXのうち記号‘‘R’’で指示した画素は赤色光を放出する赤色画素、記号‘‘G’’で指示した画素は緑色光を放出する緑色画素、そして記号‘‘B’’で指示した画素は青色光を放出する青色画素である。
【0054】
一方、図示していないが、本発明の表示モジュールは、白色光を放出する少なくとも1個の白色画素をさらに含むことができる。白色画素は表示パネル1002の表示領域1002a上に配置される。
【0055】
1個の画素は少なくとも1個のスキャンラインに連結される。例えば、
図2に示したように、第1データラインDL1に連結された複数の画素PXのうちデータドライバー104に一番近くに配置された青色画素は相異なる出力タイミングのスキャン信号を供給される3個のスキャンライン、すなわち第1ダミースキャンラインSL0、第1スキャンラインSL1及び第2スキャンラインSL2に接続される。他の例として、第2データラインDL2に連結された複数の画素PXのうちデータドライバー104から3番目に離れて配置された緑色画素は相異なる出力タイミングのスキャン信号を供給される3個のスキャンライン、すなわち第4スキャンラインSL4、第5スキャンラインSL5及び第6スキャンラインSL6に接続される。
【0056】
同じデータラインに共通して接続され、互いに隣接して配置された画素は少なくとも1個のスキャンラインに共通して接続される。言い換えれば、同じデータラインに連結された画素のうちY軸方向に互いに隣接した2個の画素は少なくとも1個のスキャンラインを共有する。例えば、第2データラインDL2に連結され、データドライバー104に一番近くに配置された緑色画素(以下、第1緑色画素)と、第2データラインDL2に連結され、データドライバー104から2番目に離れた緑色画素(以下、第2緑色画素)は互いに隣接して配置されるので、第1緑色画素と第2緑色画素は第2スキャンラインSL2に共通して接続される。他の例として、第2データラインDL2に連結され、データドライバー104から3番目に離れた緑色画素を第3緑色画素と定義するとき、第3緑色画素と前述した第2緑色画素は第4スキャンラインSL4に共通して接続される。
【0057】
同じデータラインに共通して接続された画素は少なくとも1個の相異なるスキャンラインに独立的に接続される。例えば、前述した第1緑色画素は第1スキャンラインSL1に独立的に接続され、前述した第2緑色画素は第3スキャンラインSL3に独立的に接続され、そして前述した第3緑色画素は第5スキャンラインSL5に独立的に接続される。
【0058】
このように、同じデータラインに接続された画素はそれぞれ少なくとも1個のスキャンラインに独立的に接続される。少なくとも2個の画素(例えば、第1画素PX1及び第2画素PX2)が相異なるスキャンラインに連結されるという意味は、第1画素PX1に連結されたスキャンラインの少なくとも1個が第2画素PX2に連結されたスキャンラインの少なくとも1個と違う場合を意味する。よって、同じデータラインに連結された画素はそれぞれ異なるスキャンラインに連結される。
【0059】
一方、少なくとも2個の画素(例えば、第1画素PX1及び第2画素PX2)が互いに同じスキャンラインに連結されるという意味は、第1画素PX1に連結されたスキャンラインが第2画素PX2に連結されたスキャンラインと全く同一であることを意味する。よって、同じ発光制御ラインに連結された画素はそれぞれ互いに同じスキャンラインに連結される。例えば、第2発光制御ラインEL2に共通して連結された画素は第2スキャンラインSL2、第3スキャンラインSL3及び第4スキャンラインSL4に共通して連結される。
【0060】
赤色画素及び青色画素は第(2p-1)データラインに接続され、緑色画素は第(2p)データラインに接続される。ここで、pは自然数である。例えば、赤色画素及び青色画素は第1データラインDL1に接続され、緑色画素は第2データラインDL2に接続される。
【0061】
第(2p-1)データライン(例えば、第1データラインDL1)に接続されたいずれか1個の画素(以下、第1特定画素)と他の第(2p-1)データライン(例えば、第3データラインDL3)に接続されたいずれか1個の画素(以下、第2特定画素)は同じスキャンラインに接続される。ここで、第1特定画素は第2特定画素と違う色相の光を放出する。例えば、第1特定画素は第1ダミースキャンラインSL0、第1スキャンラインSL1、第2スキャンラインSL2及び第1データラインDL1に接続された青色画素であり、第2特定画素は第1ダミースキャンラインSL0、第1スキャンラインSL1、第2スキャンラインSL2及び第3データラインDL3に接続された赤色画素である。
【0062】
同じデータライン(例えば、第(2p-1)データライン)に連結されて相異なる色相の光を放出する隣接した2個の画素と、2個の画素のいずれか1個に隣接した少なくとも1個の緑色画素は1個の単位映像を表示するための1個の単位画素を成す。例えば、第3データラインDL3及び第1スキャンラインSL1に連結された赤色画素と、第3データラインDL3及び第3スキャンラインSL3に連結された青色画素と、第2データラインDL2及び第1スキャンラインSL1に連結された緑色画素と、第4データラインDL4及び第1スキャンラインSL1に接続された緑色画素とは1個の単位画素を成す。
【0063】
各画素PXは、電源供給部140から高電位駆動電圧ELVDD、低電位駆動電圧ELVSS及び初期化電圧Vinitを共通して供給される。言い換えれば、1個の画素は、高電位駆動電圧ELVDD、低電位駆動電圧ELVSS及び初期化電圧Vinitの全てを供給される。
【0064】
表示モジュール1000はベンディング部77を基準に曲がる。例えば、データドライバー104が配置された表示モジュールの部分がベンディング部77を基準に表示モジュール1000の背面に向かって回転しながら曲がる。
【0065】
図3は
図2に示したいずれか1個の画素に対する等価回路を示した図である。
画素PXは、第1スイッチング素子T1、第2スイッチング素子T2、第3スイッチング素子T3、第4スイッチング素子T4、第5スイッチング素子T5、第6スイッチング素子T6、第7スイッチング素子T7、ストレージキャパシタCst及び発光素子LEDを含む。
【0066】
第1乃至第7スイッチング素子T1乃至T7は、
図3に示したように、それぞれP型トランジスタであってもよい。一方、第1乃至第7スイッチング素子T1乃至T7はそれぞれN型トランジスタであってもよい。
【0067】
第1スイッチング素子T1は第1ノードn1に連結されたゲート電極を含み、第2ノードn2と第3ノードn3の間に接続される。第1スイッチング素子T1のソース電極及びドレイン電極のいずれか1個は第2ノードn2に連結され、そのソース電極及びドレイン電極の他の1個は第3ノードn3に連結される。
【0068】
第2スイッチング素子T2は第nスキャンラインSLnに連結されたゲート電極を含み、データラインDLと第2ノードn2の間に接続される。第2スイッチング素子T2のソース電極及びドレイン電極のいずれか1個はデータラインDLに連結され、そのソース電極及びドレイン電極の他の1個は第2ノードn2に連結される。第nスキャンラインSLnに第nスキャン信号SSnが印加される。
【0069】
第3スイッチング素子T3は第nスキャンラインSLnに連結されたゲート電極を含み、第1ノードn1と第3ノードn3の間に接続される。第3スイッチング素子T3のソース電極及びドレイン電極のいずれか1個は第1ノードn1に連結され、そのソース電極及びドレイン電極の他の1個は第3ノードn3に連結される。
【0070】
第4スイッチング素子T4は第n-1スキャンラインSLn-1に連結されたゲート電極を含み、第1ノードn1と初期化ラインILの間に接続される。第4スイッチング素子T4のソース電極及びドレイン電極のいずれか1個は第1ノードn1に連結され、そのソース電極及びドレイン電極の他の1個は初期化ラインILに連結される。初期化ラインILに前述した初期化電圧Vinitが印加され、そして第n-1スキャンラインSLn-1に第n-1スキャン信号SSn-1が印加される。
【0071】
第5スイッチング素子T5は発光制御ラインELに連結されたゲート電極を含み、電源供給ラインの1個である高電位ラインVDLと第2ノードn2の間に接続される。第5スイッチング素子T5のソース電極及びドレイン電極のいずれか1個は高電位ラインVDLに連結され、そのソース電極及びドレイン電極の他の1個は第2ノードn2に連結される。この高電位ラインVDLに前述した高電位駆動電圧ELVDDが印加される。
【0072】
第6スイッチング素子T6は発光制御ラインELに連結されたゲート電極を含み、第3ノードn3と第4ノードn4の間に接続される。第6スイッチング素子T6のソース電極及びドレイン電極のいずれか1個は第3ノードn3に連結され、そのソース電極及びドレイン電極の他の1個は第4ノードn4に連結される。発光制御ラインELに発光制御信号ESが印加される。
【0073】
第7スイッチング素子T7は第n+1スキャンラインSLn+1に連結されたゲート電極を含み、初期化ラインILと第4ノードn4の間に接続される。第7スイッチング素子T7のソース電極及びドレイン電極のいずれか1個は初期化ラインILに連結され、そのソース電極及びドレイン電極の他の1個は第4ノードn4に連結される。第n+1スキャンラインSLn+1に第n+1スキャン信号SSn+1が印加される。
【0074】
ストレージキャパシタCstは高電位ラインVDLと第1ノードn1の間に接続される。ストレージキャパシタCstは第1スイッチング素子T1のゲート電極に印加された信号を1フレーム期間の間保存する。
【0075】
発光素子LEDは第1スイッチング素子T1を介して供給される駆動電流によって発光する。発光素子LEDはその駆動電流の大きさによって他の明るさで発光する。発光素子LEDのアノード電極は第4ノードn4に連結され、この発光素子LEDのカソード電極は電源供給ラインの他の1個である低電位ラインVSLに連結される。この低電位ラインVSLに前述した低電位駆動電圧ELVSSが印加される。発光素子LEDは有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)であってもよい。発光素子LEDのアノード電極は後述する画素電極に相当し、カソード電極は後述する共通電極に相当する。
【0076】
第n-1スキャン信号SSn-1が第n-1スキャンラインSLn-1に印加されるとき、第4スイッチング素子T4がターンオンされる。そのターンオンされた第4スイッチング素子T4を介して初期化電圧Vinitが第1ノード(n1;すなわち、第1スイッチング素子T1のゲート電極)に印加される。これにより、第1スイッチング素子T1のゲート電極の電圧が初期化される。
【0077】
第nスキャン信号SSnが第nスキャンラインSLnに印加されるとき、第2スイッチング素子T2及び第3スイッチング素子T3がターンオンされる。ターンオンされた第2スイッチング素子T2を介してデータ電圧DAが第1ノード(n1;すなわち、第1スイッチング素子T1のゲート電極)に印加され、これにより、第1スイッチング素子T1がターンオンされる。これにより、第1スイッチング素子T1の閾値電圧が検出され、この閾値電圧がストレージキャパシタCstに保存される。
【0078】
発光制御信号ESが発光制御ラインELに印加されるとき、第5スイッチング素子T5及び第6スイッチング素子T6がターンオンされる。ターンオンされた第5スイッチング素子T5、第1スイッチング素子T1及び第6スイッチング素子T6を介して駆動電流が発光素子LEDに供給される。これにより、発光素子LEDが発光する。
【0079】
第n+1スキャン信号SSn+1が第n+1スキャンラインSLn+1に印加されるとき、第7スイッチング素子T7がターンオンされる。このターンオンされた第7スイッチング素子T7を介して初期化電圧が第4ノード(n4;すなわち、発光素子LEDのアノード電極)に印加される。これにより、発光素子LEDが逆方向にバイアスされて発光素子LEDはターンオフされる。
【0080】
図4は
図2に示したいずれか1個の画素及びこれに連結されたラインを含む表示装置の詳細平面図、
図5乃至
図11は
図4の構成要素の一部のみを別に示した図、そして
図12は
図4のI-I’線に沿った断面図である。
【0081】
具体的に、
図5は
図4の半導体層321を示した図、
図6は
図4の第n-1スキャンラインSLn-1、第nスキャンラインSLn、第n+1スキャンラインSLn+1及び発光制御ラインELを示した図、
図7は
図4の初期化ラインIL及びキャパシタ電極201を示した図、
図8は
図4のデータラインDL及び高電位ラインVDLを示した図、
図9は
図4の画素電極PEを示した図、
図10は
図4の半導体層321、第n-1スキャンラインSLn-1、第nスキャンラインSLn、第n+1スキャンラインSLn+1及び発光制御ラインELを示した図、
図11は
図4の第1連結電極701、第2連結電極702、第3連結電極703、データラインDL、高電位ラインVDL及び遮光膜190を示した図である。
【0082】
本発明の一実施例による表示パネル1002は、
図4及び
図12に示したように、基板100、画素回路部200、遮光膜190、スペーサー422、発光素子LED、密封部750、及び偏光板800を含む。
【0083】
図4及び
図10に示したように、画素回路部200の第1スイッチング素子T1は、第1ゲート電極GE1、第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1を含む。
画素回路部200の第2スイッチング素子T2は、第2ゲート電極GE2、第2ソース電極SE2及び第2ドレイン電極DE2を含む。
画素回路部200の第3スイッチング素子T3は、第3ゲート電極GE3、第3ソース電極SE3及び第3ドレイン電極DE3を含む。
画素回路部200の第4スイッチング素子T4は、第4ゲート電極GE4、第4ソース電極SE4及び第4ドレイン電極DE4を含む。
画素回路部200の第5スイッチング素子T5は、第5ゲート電極GE5、第5ソース電極SE5及び第5ドレイン電極DE5を含む。
画素回路部200の第6スイッチング素子T6は、第6ゲート電極GE6、第6ソース電極SE6及び第6ドレイン電極DE6を含む。
画素回路部200の第7スイッチング素子T7は、第7ゲート電極GE7、第7ソース電極SE7及び第7ドレイン電極DE7を含む。
【0084】
図12に示した基板100は少なくとも2個の層を含む。例えば、基板100は、Z軸方向に配列された基底層110、第1層111、第2層112、第3層113及び第4層114を含む。第1層111は基底層110と第2層112の間に配置され、第2層112は第1層111と第3層113の間に配置され、第3層113は第2層112と第4層114の間に配置され、そして第4層114は第3層113と画素回路部200のバッファー層120の間に配置される。
【0085】
第1層111は第2層112より大きな厚さを有する。厚さはZ軸方向に測定された大きさを意味する。
第3層113は第4層114より大きな厚さを有する。厚さはZ軸方向に測定された大きさを意味する。
第1層111と第3層113は同じ厚さを有する。厚さはZ軸方向に測定された大きさを意味する。
第2層112と第4層114は同じ厚さを有する。厚さはZ軸方向に測定された大きさを意味する。
【0086】
基底層110はガラス基板又はフィルム(film)であってもよい。
第1層111はガラス及び透明な素材のプラスチックなどから製造される。また、第1層111は有機物質を含む。例えば、第1層111は、カプトン(kapton)、ポリエーテルスルホン(polyethersulphone、PES)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、ポリイミド(polyimide:PI)、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylenenaphthalate、PEN)、ポリアクリレート(polyacrylate、PAR)及び纎維強化プラスチック(fiber reinforced plastic:FRP)などからなる群から選択されたいずれか1種を含む。
【0087】
第2層112は無機物質を含む。例えば、第2層112は、窒化珪素(SiNx)膜、酸化珪素(SiO2)膜、酸窒化珪素(SiOxNy)膜のいずれか1種を含む。
第3層113は前述した第1層111と同じ物質からなる。
第4層114は前述した第2層112と同じ物質からなる。
【0088】
図12に示したように、画素回路部200は基板100上に配置される。例えば、画素回路部200は基板100の第4層114上に配置される。
【0089】
画素回路部200は、バッファー層120、半導体層321、第1ゲート絶縁膜140、第1ゲート電極GE1、第2ゲート電極GE2、第3ゲート電極GE3、第4ゲート電極GE4、第5ゲート電極GE5、第6ゲート電極GE6、第7ゲート電極GE7、第n-1スキャンラインSLn-1、第nスキャンラインSLn、第n+1スキャンラインSLn+1、発光制御ラインEL、第2ゲート絶縁膜150、初期化ラインIL、キャパシタ電極201、層間絶縁膜160、第1連結電極701、第2連結電極702、第3連結電極703、データラインDL、高電位ラインVDL及び平坦化膜180を含む。
【0090】
バッファー層120は基板100の第4層114上に配置される。バッファー層120は第4層114の全面に配置される。例えば、バッファー層120は第4層114の全面と重畳する。
【0091】
バッファー層120は不純元素の浸透を防止し、表面を平坦化する役目をするもので、このような役目をする多様な物質から形成される。例えば、バッファー層120は窒化珪素(SiNx)膜、酸化珪素(SiO2)膜、酸窒化珪素(SiOxNy)膜のいずれか1種からなる。しかし、バッファー層120は必ずしも必要なものではなく、基板100の種類及び工程条件によって省略することもできる。
【0092】
図12に示したように、半導体層321はバッファー層120上に配置される。
図5に示したように、半導体層321は、第1乃至第7スイッチング素子T1乃至T7の各チャネル領域CH1乃至CH7を提供する。また、半導体層321は、第1乃至第7スイッチング素子T1乃至T7の各ソース電極SE1乃至SE7及びドレイン電極DE1乃至DE7を提供する。
【0093】
このために、半導体層321は、第1チャネル領域CH1、第2チャネル領域CH2、第3チャネル領域CH3、第4チャネル領域CH4、第5チャネル領域CH5、第6チャネル領域CH6及び第7チャネル領域CH7、第1ソース電極SE1、第2ソース電極SE2、第3ソース電極SE3、第4ソース電極SE4、第5ソース電極SE5、第6ソース電極SE6、第7ソース電極SE7、第1ドレイン電極DE1、第2ドレイン電極DE2、第3ドレイン電極DE3、第4ドレイン電極DE4、第5ドレイン電極DE5、第6ドレイン電極DE6及び第7ドレイン電極DE7を含む。
【0094】
第1ソース電極SE1、第2ドレイン電極DE2及び第5ドレイン電極DE5は互いに連結される。例えば、第1ソース電極SE1、第2ドレイン電極DE2及び第5ドレイン電極DE5は一体になる。
【0095】
第1ドレイン電極DE1、第3ソース電極SE3及び第6ソース電極SE6は互いに連結される。例えば、第1ドレイン電極DE1、第3ソース電極SE3及び第6ソース電極SE6は一体になる。
第3ドレイン電極DE3及び第4ドレイン電極DE4は互いに連結される。例えば、第3ドレイン電極DE3及び第4ドレイン電極DE4は一体になる。
第6ドレイン電極DE6及び第7ソース電極SE7は互いに連結される。例えば、第6ドレイン電極DE6及び第7ソース電極SE7は一体になる。
【0096】
半導体層321は、多結晶珪素膜、非晶質珪素膜、及びIGZO(Indium-Gallium-Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)のような酸化物半導体のいずれか1種を含む。例えば、半導体層321が多結晶珪素膜を含む場合、その半導体層321は、不純物がドーフされていないチャネル領域と、チャネル領域の両側に配置され、不純物イオンでドーフされたソース電極及びドレイン電極とを含む。
【0097】
図12に示したように、第1ゲート絶縁膜140は半導体層321及びバッファー層120上に配置される。第1ゲート絶縁膜140は、オルト珪酸テトラエチル(TetraEthyl OrthoSilicate、TEOS)、窒化珪素(SiNx)、及び酸化珪素(SiO
2)の少なくとも1種を含む。一例として、第1ゲート絶縁膜140は40nmの厚さを有する窒化珪素膜と80nmの厚さを有するオルト珪酸テトラエチル膜が順次積層された二重膜の構造を有する。
【0098】
図12に示したように、第1ゲート電極GE1は第1ゲート絶縁膜140上に配置される。具体的に、第1ゲート電極GE1は第1ゲート絶縁膜140と第2ゲート絶縁膜150の間に配置される。
【0099】
図12には示していないが、第2ゲート電極GE2、第3ゲート電極GE3、第4ゲート電極GE4、第5ゲート電極GE5、第6ゲート電極GE6及び第7ゲート電極GE7も第1ゲート絶縁膜140上に配置される。具体的に、第2乃至第7ゲート電極GE2乃至GE7は第1ゲート絶縁膜140と第2ゲート絶縁膜150の間に配置される。
【0100】
図12には示していないが、スキャンライン及び発光制御ラインも第1ゲート絶縁膜140上に配置される。具体的に、第n-1スキャンラインSLn-1、第nスキャンラインSLn、第n+1スキャンラインSLn+1及び発光制御ラインELは第1ゲート絶縁膜140と第2ゲート絶縁膜150の間に配置される。
【0101】
図4及び
図10に示したように、第1ゲート電極GE1は半導体層321の第1チャネル領域CH1と重畳し、第2ゲート電極GE2は半導体層321の第2チャネル領域CH2と重畳し、第3ゲート電極GE3は半導体層321の第3チャネル領域CH3と重畳し、第4ゲート電極GE4は半導体層321の第4チャネル領域CH4と重畳し、第5ゲート電極GE5は半導体層321の第5チャネル領域CH5と重畳し、第6ゲート電極GE6は半導体層321の第6チャネル領域CH6と重畳し、そして第7ゲート電極GE7は半導体層321の第7チャネル領域CH7と重畳する。
【0102】
図6及び
図10に示したように、第4ゲート電極GE4は第n-1スキャンラインSLn-1に連結される。ここで、第4ゲート電極GE4はその第n-1スキャンラインSLn-1の一部であってもよい。例えば、その第n-1スキャンラインSLn-1のうち半導体層321と重畳する部分が第4ゲート電極GE4であってもよい。
【0103】
図6及び
図10に示したように、第3ゲート電極GE3は第nスキャンラインSLnに連結される。ここで、第3ゲート電極GE3はその第nスキャンラインSLnの一部であってもよい。例えば、その第nスキャンラインSLnのうち半導体層321と重畳する部分が第3ゲート電極GE3であってもよい。
【0104】
図6及び
図10に示したように、第7ゲート電極GE7は第n+1スキャンラインSLn+1に連結される。ここで、第7ゲート電極GE7はその第n+1スキャンラインSLn+1の一部であってもよい。例えば、その第n+1スキャンラインSLn+1のうち半導体層321と重畳する部分が第7ゲート電極GE7であってもよい。
【0105】
図6及び
図10に示したように、第5ゲート電極GE5及び第6ゲート電極GE6は1個の発光制御ラインELに共通して連結される。ここで、第5ゲート電極GE5及び第6ゲート電極GE6はその発光制御ラインELの一部であってもよい。例えば、その発光制御ラインELのうち半導体層321と重畳する2個の部分がそれぞれ第5ゲート電極GE5及び第6ゲート電極GE6であってもよい。
【0106】
スキャンライン(例えば、第n-1スキャンラインSLn-1、第nスキャンラインSLn及び第n+1スキャンラインSLn+1の少なくとも1個)はアルミニウム(Al)やアルミニウム合金のようなアルミニウム系金属、又は銀(Ag)や銀合金のような銀系金属、又は銅(Cu)や銅合金のような銅系金属、又はモリブデン(Mo)やモリブデン合金のようなモリブデン系金属からなる。もしくは、ゲートラインGLは、クロム(Cr)及びタンタル(Ta)のいずれか1種からなる。一方、スキャンラインは物理的性質の異なる少なくとも2個の導電膜を含む多重膜の構造を有することもできる。
【0107】
第1乃至第7ゲート電極GE1乃至GE7は前述したスキャンラインと同じ物質及び構造(多重膜構造)を有する。各ゲート電極GE1乃至GE7及びスキャンラインは同じ工程で同時に形成される。
【0108】
また、発光制御ラインELは前述したスキャンライン(例えば、SLn)と同じ物質及び構造(多重膜構造)を有する。発光制御ラインEL及びスキャンラインは同じ工程で同時に形成される。
【0109】
図12に示したように、第2ゲート絶縁膜150は第1ゲート電極GE1及び第1ゲート絶縁膜140上に配置される。第2ゲート絶縁膜150は第1ゲート絶縁膜140より大きな厚さを有する。第2ゲート絶縁膜150は前述した第1ゲート絶縁膜140と同じ物質からなる。
【0110】
図12には示していないが、第2ゲート絶縁膜150は、第2乃至第7ゲート電極GE2乃至GE7、各スキャンライン(例えば、SLn-1、SLn、SLn+1)及び各発光制御ラインEL上にも配置される。
【0111】
図12に示したように、キャパシタ電極201は第2ゲート絶縁膜150上に配置される。例えば、キャパシタ電極201は第2ゲート絶縁膜150と層間絶縁膜160の間に配置される。キャパシタ電極201は前述した第1ゲート電極GE1とともにストレージキャパシタCstを成す。例えば、第1ゲート電極GE1はストレージキャパシタCstの第1電極に相当し、キャパシタ電極201はそのストレージキャパシタCstの第2電極に相当する。具体的に、第1ゲート電極GE1のうちキャパシタ電極201と重畳する部分がそのストレージキャパシタCstの第1電極に相当し、キャパシタ電極201のうち第1ゲート電極GE1と重畳する部分がそのストレージキャパシタCstの第2電極に相当する。
【0112】
図12には示していないが、初期化ライン(
図4及び
図7のIL)も第2ゲート絶縁膜150上に配置される。具体的に、初期化ラインILは第2ゲート絶縁膜150と層間絶縁膜160の間に配置される。
【0113】
図4及び
図7に示したように、キャパシタ電極201はホール30を有する。このホール30は四角形の形状を成す。このホールの形態は四角形に限定されない。例えば、このホール30は円形及び三角形などの多様な形状を有する。
【0114】
図4及び
図7に示したように、互いに隣接した画素のキャパシタ電極201は互いに連結される。言い換えれば、X軸方向に隣接した画素のキャパシタ電極201は一体になる。
【0115】
図12に示したように、キャパシタ電極201、初期化ラインIL及び第2ゲート絶縁膜150上に層間絶縁膜160が配置される。層間絶縁膜160は第1ゲート絶縁膜140より大きな厚さを有する。層間絶縁膜160は前述した第1ゲート絶縁膜140と同じ物質からなる。
【0116】
図12に示したように、第1連結電極701、第2連結電極702、高電位ラインVDL及びデータラインDLは層間絶縁膜160上に配置される。具体的に、第1連結電極701、第2連結電極702、高電位ラインVDL及びデータラインDLは層間絶縁膜160と平坦化膜180の間に配置される。
【0117】
図12には示していないが、第3連結電極(
図4及び
図8の703)も層間絶縁膜160上に配置される。具体的に、第3連結電極703は層間絶縁膜160と平坦化膜180の間に配置される。
【0118】
図12に示したように、第1連結電極701は、層間絶縁膜160、第2ゲート絶縁膜150及び第1ゲート絶縁膜140を貫通する第1コンタクトホール11を介して第1ソース電極SE1に連結される。
【0119】
図12に示したように、第2連結電極702は、層間絶縁膜160及び第2ゲート絶縁膜150を貫通する第2コンタクトホール12を介して第1ゲート電極GE1に連結される。また、第2連結電極702は、
図4、
図5及び
図8に示したように、第3コンタクトホール13を介して第3ドレイン電極DE3に連結される。第3コンタクトホール13は層間絶縁膜160、第2ゲート絶縁膜150及び第1ゲート絶縁膜140を貫通して第3ドレイン電極DE3を露出させる。
【0120】
図4、
図5及び
図8に示したように、第3連結電極703は第4コンタクトホール14を介して第4ソース電極SE4に連結される。第4コンタクトホール14は層間絶縁膜160、第2ゲート絶縁膜150及び第1ゲート絶縁膜140を貫通して第4ソース電極SE4を露出させる。また、第3連結電極703は、
図3、
図4c及び
図4dに示したように、第5コンタクトホール15を介して初期化ラインILに連結される。第5コンタクトホール15は層間絶縁膜160を貫通して初期化ラインILを露出させる。
【0121】
図12に示したように、高電位ラインVDLは層間絶縁膜160を貫通する第6コンタクトホール16を介してキャパシタ電極201に連結される。また、高電位ラインVDLは、
図4、
図5及び
図8に示したように、第7コンタクトホール17を介して第5ソース電極SE5に連結される。第7コンタクトホール17は層間絶縁膜160、第2ゲート絶縁膜150及び第1ゲート絶縁膜140を貫通して第5ソース電極SE5を露出させる。
【0122】
図4、
図5及び
図8に示したように、データラインDLは第8コンタクトホール18を介して第2ソース電極SE2に連結される。第8コンタクトホール18は層間絶縁膜160、第2ゲート絶縁膜150及び第1ゲート絶縁膜140を貫通して第2ソース電極SE2を露出させる。
【0123】
データラインDLは、モリブデン、クロム、タンタル及びチタンなどの耐火性金属(refractory metal)又はこれらの合金からなる。データラインDLは耐火性金属膜と低抵抗導電膜を含む多重膜構造を有する。多重膜構造の例としては、クロム又はモリブデン(又はモリブデン合金)下部膜とアルミニウム(又はアルミニウム合金)上部膜の二重膜、モリブデン(又はモリブデン合金)下部膜とアルミニウム(又はアルミニウム合金)中間膜とモリブデン(又はモリブデン合金)上部膜の三重膜を有する。一方、データラインDLはその他にも多くの多様な金属又は導電体からなる。
【0124】
第1連結電極701、第2連結電極702、第3連結電極703及び高電位ラインVDLは前述したデータラインDLと同じ物質及び構造(多重膜構造)を有する。第1連結電極701、第2連結電極702、第3連結電極703、高電位ラインVDL及びデータラインDLは同じ工程で同時に形成される。
【0125】
図12に示したように、平坦化膜180は、第1連結電極701、第2連結電極702、第3連結電極703、高電位ラインVDL及びデータラインDL上に配置される。
平坦化膜180は、その上に形成される発光素子LEDの発光効率を高めるために、その平坦化膜180の下層の高低差を除去する。平坦化膜180は、アクリル系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides resin)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(polyphenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)、及びベンゾシクロブテン(benzocyclobutene、BCB)の1種以上の物質からなる。
【0126】
発光素子LEDは有機発光素子であってもよい。発光素子LEDは、
図12に示したように、発光層512、アノード電極(以下、画素電極)PE及びカソード電極(以下、共通電極)613を含む。
【0127】
発光層512は低分子有機物又は高分子有機物からなる。図示していないが、正孔注入層(Hole Injection Layer、HIL)及び正孔輸送層(Hole Transporting Layer、HTL)の少なくとも1種が画素電極PEと発光層512の間にさらに配置され、電子輸送層(Electron Transporting Layer、ETL)及び電子注入層(Electron Injection Layer、EIL)の少なくとも1個が発光層512と共通電極613の間にさらに配置される。
【0128】
図12に示したように、画素電極PEは平坦化膜180上に配置される。画素電極PEの一部又は全部は発光領域900内に配置される。すなわち、画素電極PEは後述する遮光膜190によって定義された発光領域900と対応するように配置される。画素電極PEは平坦化膜180を貫通する第9コンタクトホール19を介して第1連結電極701に連結される。
【0129】
図4及び
図9に示したように、画素電極PEは菱形を有する。画素電極PEは菱形の他にも多様な形状、例えば四角形の形状を有する。
【0130】
図12に示したように、遮光膜190は画素電極PE及び平坦化膜180上に配置される。遮光膜190はこれを貫通する開口部を有し、この開口部が発光領域900に相当する。
図4及び
図11に示したように、発光領域900は菱形状を有する。発光領域900は菱形の他にも多様な形状、例えば四角形の形状を有することができる。発光領域900の大きさは前述した画素電極PEの大きさより小さくてもよい。画素電極PEの少なくとも一部はこの発光領域900に配置される。ここで、発光領域900の全体が画素電極PEと重畳する。
【0131】
遮光膜190はポリアクリル系(polyacrylates resin)及びポリイミド系(polyimides)などの樹脂からなる。
【0132】
スペーサー422は遮光膜190上に配置される。スペーサー422は遮光膜190と同じ物質からなる。スペーサー422は基板100の表示領域1002aに配置された層とその基板100の非表示領域1002bに配置された層間の高低差を最小化する役目をする。
【0133】
発光層512は発光領域900内の画素電極PE上に配置され、共通電極613は遮光膜190及び発光層512上に配置される。
【0134】
画素電極PE及び共通電極613は、透過型電極、半透過型電極及び反射型電極のいずれか1個から製造される。
【0135】
透過型電極は透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conductive Oxide)を含む。透明導電性酸化物(TCO)は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモンスズ酸化物(ATO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、酸化亜鉛(ZnO)、及びその混合物からなる群から選択された少なくとも1種を含む。
【0136】
半透過型電極及び反射型電極は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、金(Au)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)のような金属又はこれらの合金を含む。ここで、半透過型電極と反射型電極は厚さによって区別される。一般に、半透過型電極は約200nm以下の厚さを有し、反射型電極は300nm以上の厚さを有する。半透過型電極は、厚さが薄くなるほど光の透過率が高くなるが抵抗が大きくなり、厚さが厚くなるほど光の透過率が低くなる。
【0137】
また、半透過型及び反射型電極は金属又は金属の合金からなる金属層と金属層上に積層された透明導電性酸化物(TCO)層を含む多層構造を有する。
【0138】
密封部750は共通電極613上に配置される。密封部750はガラス及び透明な素材のプラスチックなどからなる透明絶縁基板を含む。また、密封部750は1個以上の無機膜及び1個以上の有機膜がZ軸方向に交互に積層された薄膜封止構造に形成されることもできる。例えば、密封部750は、
図12に示したように、第1無機膜751、有機膜755及び第2無機膜752を含む。有機膜755は第1無機膜751と第2無機膜752の間に配置される。第1無機膜751、有機膜及び第2無機膜752のうち有機膜755が最大の厚さを有する。第1無機膜751と第2無機膜752は同じ厚さを有する。
【0139】
第1無機膜751及び第2無機膜752は前述した第2層112と同じ素材からなる。
有機膜755は第1層111と同じ素材からなる。また、有機膜755はモノマー(monomer)を含む。
偏光板800は密封部750上に配置される。
【0140】
【0141】
図13及び
図14に示したように、表示パネル1002は非表示領域1002bに配置されて表示パネル1002を貫通する貫通ホール1001を有する。貫通ホール1001は平面上でカメラモジュール1020と重畳し、その内部は透明な充填部材1003で充填される。
【0142】
充填部材1003は有機物質からなる。例えば、有機物質はアクリルシリコン系有機物質であってもよい。
【0143】
充填部材1003は、順次積層された第1無機物質、有機物質、及び第2無機物質からなる。例えば、第1無機物質及び第2無機物質は、窒化珪素(SiNx)、酸化珪素(SiO2)、酸窒化珪素(SiOxNy)の少なくとも1種であってもよい。有機物質はアクリルシリコン系有機物質であってもよい。
【0144】
非表示領域1002b内の貫通ホール1001を取り囲む所定の大きさの周辺領域で、表示パネル1002は、基板100、画素回路部200、共通電極613、密封部750の第1無機膜751及び第2無機膜752、及び偏光板800を含む。
【0145】
基板100及び画素回路部200は非表示領域1002bにおいて貫通ホール1001と対応する部分にホール又は溝を有する。例えば、
図14に示したように、基板100は貫通ホール1001と対応するように配置された第2ホール21及び溝20を含み、画素回路部200は貫通ホール1001と対応するように配置された第1ホール22を有する。
【0146】
基板100の溝20は、例えば基板100の第3層113に配置される。溝20は画素回路部200のスイッチング素子(例えば、T1乃至T7の少なくとも1個)よりも下部層に配置される。例えば、溝20はスイッチング素子より基底層110にもっと近くに配置される。より具体的な例として、Z軸方向に測定された溝20と基底層110間の距離はそのZ軸方向に測定されたスイッチング素子の半導体層321とその基底層110間の距離よりも小さい。
【0147】
基板100の第2ホール21は、例えば基板100の第4層114に配置される。
第1ホール22、第2ホール21、及び溝20は互いに対応するように配置される。また、第1ホール22、第2ホール21、及び溝20のうち互いに隣接したものは互いに連結される。
【0148】
第2ホール21は溝20と第1ホール22の間に配置される。
溝20は第3層113から第4層114に向かう方向(例えば、Z軸方向)に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。溝20の幅(又は直径)はX軸方向(又はY軸方向)に測定された値である。ここで、溝20の幅(又は直径)は溝20の最大幅(又は最大直径)又は平均幅(又は平均直径)を意味する。
【0149】
第2ホール21はZ軸方向に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。第2ホール21の幅(又は直径)はX軸方向(又はY軸方向)に測定された値である。ここで、第2ホール21の幅(又は直径)は第2ホール21の最大幅(又は最大直径)又は平均幅(又は平均直径)を意味する。
【0150】
第1ホール22はZ軸方向に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。第1ホール22の幅(又は直径)はX軸方向(又はY軸方向)に測定された値である。ここで、第1ホール22の幅(又は直径)は第1ホール22の最大幅(又は最大直径)又は平均幅(又は平均直径)を意味する。
【0151】
第1ホール22は画素回路部200に含まれた絶縁膜を連続的に貫通するホールを意味する。例えば、第1ホール22は、バッファー層120、第1ゲート絶縁膜140、第2ゲート絶縁膜150、及び層間絶縁膜160を連続的に貫通するホールを意味する。例えば、第1ホール22は、バッファー層120を貫通するホール(以下、バッファーホール)、第1ゲート絶縁膜140を貫通するホール(以下、第1ゲートホール)、第2ゲート絶縁膜150を貫通するホール(以下、第2ゲートホール)、及び層間絶縁膜160を貫通するホール(以下、層間ホール)を有する。
【0152】
バッファーホール、第1ゲートホール、第2ゲートホール、及び層間ホールは互いに異なる幅(又は直径)を有する。例えば、第1ホール22に含まれたホールは、基板100からZ軸方向に遠くなるほど大きくなる幅(又は直径)を有する。具体的な例として、バッファーホール、第1ゲートホール、第2ゲートホール、及び層間ホールのうち層間ホールが最大の幅(又は直径)を有する。第1ホール22に含まれた各ホールの幅(又は直径)はX軸方向(又はY軸方向)に測定された値である。ここで、第1ホール22に含まれた各ホールの幅(又は直径)は該当ホールの最大幅(又は最大直径)又は平均幅(又は平均直径)を意味する。
【0153】
第1ホール22に含まれた各ホール(バッファーホール、第1ゲートホール、第2ゲートホール、及び層間ホール)そのものもZ軸方向に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。
【0154】
溝20の幅(又は直径)は第2ホール21(又は直径)より大きい。
第1ホール22の幅(又は直径)は第2ホール21の幅(又は直径)より大きい。
【0155】
充填部材1003は、貫通ホール1001だけでなく、基板100、及び画素回路部200の第1ホール22、第2ホール21、及び溝20にも充填される。また、充填部材1003は密封部750と偏光板800の間に形成された空間にも充填される。
【0156】
ここで、溝20の幅(又は直径)が第2ホール21の幅(又は直径)より大きいため、第1ホール22、第2ホール21、及び溝20に充填された充填部材1003はZ軸方向になかなか分離されない。したがって、貫通ホール1001周辺の密封部750と基板100間の結合力が向上する。
【0157】
貫通ホール1001は第1ホール22、第2ホール21、及び溝20と対応するように位置し、第1ホール22、第2ホール21、及び溝20の上部及び下部の構造物を貫通する。例えば、貫通ホール1001は、基板100、共通電極613、密封部750、及び偏光板800を貫通する。
【0158】
表示パネル1002は、非表示領域1002bに配置され、貫通ホール1001に隣り合う第1溝1100を有する。第1溝1100の内部は透明な充填部材1003で充填される。第1溝1100に配置された充填部材1003は第1溝1100と同じ垂直位置で貫通ホール1001内に同一に配置される。
【0159】
第1溝1100に充填された充填部材1003は、貫通ホール1001に充填された充填部材1003と同様に、有機物質からなる。例えば、有機物質はアクリルシリコン系有機物質であってもよい。
【0160】
貫通ホール1001に充填された充填部材1003は、第1無機物質、有機物質、及び第2無機物質が順次積層されてなる。第1溝1100の内部はこれら充填部材1003の積層物質のいずれか1種以上を含む。例えば、第1無機物質及び第2無機物質は、窒化珪素(SiNx)、酸化珪素(SiO2)、酸窒化珪素(SiOxNy)の少なくとも1種であってもよい。有機物質はアクリルシリコン系有機物質であってもよい。
【0161】
非表示領域1002b内の第1溝1100を取り囲む所定の大きさの周辺領域で、表示パネル1002は、基板100、画素回路部200、共通電極613、密封部750の第1無機膜751及び第2無機膜752、及び偏光板800を含む。
【0162】
基板100及び画素回路部200は、非表示領域1002bで第1溝1100と対応する第2溝1120、第1ホール1122及び第2ホール1121を含む。第2溝1120、第1ホール1122及び第2ホール1121は互いに対応するように配置される。また、第1ホール1122、第2ホール1121、及び第2溝1120のうち互いに隣接したものは互いに連結される。第2ホール1121は第2溝1120と第1ホール1122の間に配置される。
【0163】
例えば、
図14に示したように、基板100は第1溝1100と対応するように配置された第2ホール1121及び第2溝1120を含み、画素回路部200は第1溝1100と対応するように配置された第2ホール1121を有する。第2溝1120は、例えば基板100の第3層113に配置される。第2溝1120は基板の下面を基準に貫通ホール1001の溝20と同じ垂直位置に配置される。
【0164】
第2溝1120は、溝20と同様に、第3層113から第4層114に向かう方向(例えば、Z軸方向)に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。
【0165】
第2ホール1121は、貫通ホール1001の第2ホール21と同様に、Z軸方向に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。
第1ホール1122は、貫通ホール1001の第1ホール22と同様に、Z軸方向に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。
【0166】
第1ホール1122は画素回路部200に含まれた絶縁膜を連続的に貫通するホールを意味する。例えば、第1ホール1122は、バッファー層120、第1ゲート絶縁膜140、第2ゲート絶縁膜150、及び層間絶縁膜160を連続的に貫通するホールを意味する。例えば、第1ホール1122は、バッファー層120を貫通するホール(以下、バッファーホール)、第1ゲート絶縁膜140を貫通するホール(以下、第1ゲートホール)、第2ゲート絶縁膜150を貫通するホール(以下、第2ゲートホール)、及び層間絶縁膜160を貫通するホール(以下、層間ホール)を有する。
【0167】
バッファーホール、第1ゲートホール、第2ゲートホール、及び層間ホールは互いに異なる幅(又は直径)を有する。例えば、第1ホール1122に含まれたホールは、基板100からZ軸方向に遠くなるほど大きくなる幅(又は直径)を有する。具体的な例として、バッファーホール、第1ゲートホール、第2ゲートホール、及び層間ホールのうち層間ホールが最大の幅(又は直径)を有する。第1ホール1122に含まれた各ホールの幅(又は直径)はX軸方向(又はY軸方向)に測定された値である。ここで、第1ホール1122に含まれた各ホールの幅(又は直径)は該当ホールの最大幅(又は最大直径)又は平均幅(又は平均直径)を意味する。
【0168】
第1ホール1122に含まれた各ホール(バッファーホール、第1ゲートホール、第2ゲートホール、及び層間ホール)そのものもZ軸方向に漸進的に大きくなる幅(又は直径)を有する。
【0169】
第2溝1120の幅(又は直径)は第2ホール1121(又は直径)より大きい。
第1ホール1122の幅(又は直径)は第2ホール1121の幅(又は直径)より大きい。
【0170】
充填部材1003は、貫通ホール1001だけでなく、基板100、及び画素回路部200の第1ホール1122、第2ホール1121、及び第2溝1120にも充填される。また、充填部材1003は密封部750と偏光板800の間に形成された空間にも充填される。
【0171】
ここで、第2溝1120の幅(又は直径)が第2ホール1121の幅(又は直径)より大きいため、第1ホール1122、第2ホール1121、及び第2溝1120に充填された充填部材1003はZ軸方向になかなか分離されない。したがって、貫通ホール1001周辺の密封部750と基板100間の結合力が向上する。
【0172】
図15乃至
図18は本発明の表示装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
図15乃至
図18は貫通ホール1001が配置される非表示領域1002b内の構造物の形成方法を主に説明する。
【0173】
まず、
図15に示したように、キャリア基板(図示せず)上に第1層111、第2層112、第3層113、第4層114、バッファー層120、第1ゲート絶縁膜140、第2ゲート絶縁膜150、及び層間絶縁膜160が順次形成される。
【0174】
図示していないが、表示領域1002aの場合、バッファー層120と第1ゲート絶縁膜140の間に半導体層321がさらに形成され、層間絶縁膜160上に平坦化膜180、画素電極PE、及び遮光膜190がさらに順次形成される。
【0175】
また、図示していないが、表示領域1002aの場合、キャリア基板(図示せず)上に第1ゲート電極GE1、第2ゲート電極GE2、第3ゲート電極GE3、第4ゲート電極GE4、第5ゲート電極GE5、第6ゲート電極GE6、第7ゲート電極GE7、第n-1スキャンラインSLn-1、第nスキャンラインSLn、第n+1スキャンラインSLn+1、発光制御ラインEL、初期化ラインIL、キャパシタ電極201、第1連結電極701、第2連結電極702、第3連結電極703、データラインDL及び高電位ラインVDLがさらに形成される。
【0176】
ついで、
図15に示したように、食刻工程によって層間絶縁膜160、第2ゲート絶縁膜150及び第1ゲート絶縁膜140の部分が選択的に除去される。これにより、バッファー層120を露出させる第1ホール22が形成される。
【0177】
前述した層間絶縁膜160、第2ゲート絶縁膜150及び第1ゲート絶縁膜140はそれぞれ食刻ガスを用いた乾式食刻(dry-etch)方式で除去される。
【0178】
ついで、
図15に示したように、食刻工程によってバッファー層120及び第4層114の部分が選択的に除去される。これにより、第3層113を露出させる第2ホール21が形成される。
【0179】
前述したバッファー層120及び第4層114はそれぞれ食刻ガスを用いた乾式食刻(dry-etch)方式で除去される。
バッファー層120及び第4層114は無機物質なので、これらは前述した乾式食刻で除去されるが、第4層114の下部に配置された第3層113は有機物質なので、一般的な乾式食刻ではなかなか除去されない。
【0180】
ついで、
図15に示したように、食刻工程によって第3層113の表面部分が選択的に除去される。これにより、第3層113の露出された表面に溝20が生成される。
【0181】
第3層113は有機物質からなるので、第3層113は酸素(O2)ガスを用いた食刻(例えば、酸素食刻又は酸素アッシング)によって除去される。よって、酸素食刻工程時、第4層114の側面(すなわち、第2ホール21によって露出された面)は除去されず、有機物質からなった第3層113のみ選択的に除去される。
【0182】
酸素食刻時間が長くなるほど第3層113が多く除去されて溝20の幅が増加する。一方、酸素食刻工程の際、第4層114は実質的に除去されないので、第2ホール21の幅は実質的にそのまま維持される。酸素食刻時間が充分に長くて第3層113の溝20の幅が第2ホール21の幅より大きくなれば、その溝20が第4層114の下部まで伸びるアンダーカット(under-cut)現象が発生する。言い換えれば、第3層113にアンダーカット現象が発生するほど、酸素食刻が長時間進めば、第3層113の溝20は第4層114の第2ホール21より大きな幅を有する。
【0183】
ついで、
図15に示したように、共通電極613が形成される。共通電極613は、第1ホール22、第2ホール21、及び溝20の内壁に沿って形成される。
【0184】
図示していないが、表示領域1002aの場合、共通電極613の形成前に画素電極PE上に発光層512が形成される。共通電極613は遮光膜190及び発光層512上に形成される。
【0185】
ついで、
図15に示したように、共通電極613上に密封部750が形成される。非表示領域1002bで密封部750は第1無機膜751及び第2無機膜752を含む。例えば、共通電極613上に第1無機膜751が形成され、第1無機膜751上に第2無機膜752が形成される。
【0186】
図示していないが、表示領域1002aの場合、第1無機膜751と第2無機膜752の間に有機膜755がさらに形成される。
【0187】
ついで、
図15に示したように、密封部750上に偏光板800が形成される。密封部750と偏光板800の間には空間が形成される。
【0188】
ついで、
図15に示したように、第1層111からキャリア基板(図示せず)が除去され、第1層111に基底層110が付着される。
【0189】
ついで、
図16に示したように、製造された表示パネル1002の偏光板800上に接着部1030が配置される。
【0190】
ついで、
図16に示したように、第1ホール22、第2ホール21、及び溝20に対応して位置するように第1ホール22、第2ホール21、及び溝20の上部及び下部の構造物を貫通する貫通ホール1001が形成される。例えば、基板100、共通電極613、密封部750、偏光板800、及び接着部1030を貫通する貫通ホール1001が形成される。
【0191】
本発明の一実施例で開示した貫通ホール1001の第1ホール22、第2ホール21、及び溝20のそれぞれの形成時に第1溝1100の第1ホール1122、第2ホール1121、及び第2溝1120も同様な方法で形成される。例えば、貫通ホール1001の第1ホール22の食刻時、第1溝1100の第1ホール1122も食刻される。貫通ホール1001の第2ホール21の食刻時、第1溝1100の第2ホール1121も食刻される。貫通ホール1001の溝20の食刻時、第1溝1100の第2溝1120も食刻される。
【0192】
ついで、
図17に示したように、接着部1030を介して、前記貫通ホール1001が形成された表示パネル1002とウィンドウガラス1010が接着される。
【0193】
ついで、
図17に示したように、前記形成された貫通ホール1001に充填部材1003が充填される。
図17の場合、充填部材1003が順次積層された第1無機物質1003-1、有機物質1003-2、及び第2無機物質1003-3からなるものとして示したが、充填部材1003は有機物質1003-2のみからなることもできる。例えば、第1無機物質1003-1及び第2無機物質1003-3は化学気相蒸着(CVD、chemical vapor deposition)工程で充填し、有機物質1003-2は気相工程で充填する。
【0194】
これにより、充填部材1003の一端部がウィンドウガラス1010に対向するようになる。
【0195】
充填部材1003は、貫通ホール1001だけでなく、基板100、及び画素回路部200の第1ホール22、第2ホール21、及び溝20にも充填される。また、充填部材1003は第1溝1100の第1ホール1122、第2ホール1121、及び第2溝1120にも充填される。
【0196】
また、充填部材1003は密封部750と偏光板800の間に形成された空間にも充填される。ついで、
図18に示したように、充填部材1003の他端部にカメラモジュール1020が配置される。これにより、充填部材1003の他端部がカメラモジュール1020に対向するようになる。
【0197】
貫通ホール1001に充填された充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズは充填部材1003とレンズの間にエアギャップが存在しないように接触する。充填部材1003が順次積層された第1無機物質1003-1、有機物質1003-2、及び第2無機物質1003-3からなる場合、第2無機物質1003-3とレンズが触れ合った状態で充填部材1003をUV硬化させることによって充填部材1003とレンズを接触させる。充填部材1003が有機物質1003-2のみからなる場合、有機物質が粘着特性を有するので、別途のUV硬化過程なしに有機物質1003-2とレンズが触れ合うようにすることによって充填部材1003とレンズを接触させる。
貫通ホール1001に充填された充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズは接触しないこともある。
【0198】
図19は本発明の一実施例による表示装置において充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズの間にエアギャップが存在する場合、レンズに入射する光の透過率を示すグラフ、
図20は本発明の一実施例による表示装置において充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズの間にエアギャップが存在しない場合、レンズに入射する光の透過率を示すグラフである。ここで、充填部材の屈折率は1.3を適用する。
【0199】
貫通ホール1001に充填部材1003が充填されているが充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズの間にエアギャップが存在する場合、
図19に示したように、レンズに入射する光の透過率の波長による変化が大きい。このように、充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズの間にエアギャップが存在する場合、貫通ホール1001に充填部材1003が充填されていない場合(Ref)と比較したとき、レンズに入射する光の歪曲の改善が大きくないことが分かる。
【0200】
一方、貫通ホール1001に充填部材1003が充填されているとともに充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズの間にエアギャップが存在しない場合、
図20に示したように、レンズに入射する光の透過率の波長による変化が相対的に小さい。波長による透過率は90%以上である。このように、充填部材1003とカメラモジュール1020のレンズの間にエアギャップが存在しない場合、貫通ホール1001に充填部材1003が充填されていない場合(Ref)と比較したとき、レンズに入射する光の歪曲の改善が大きいことが分かる。
【0201】
このように、本発明の表示装置によれば、表示パネルに形成された貫通ホールの内部に充填部材を充填する。したがって、貫通ホールを有する表示パネルの信頼性(耐衝撃性)を向上させる。
【0202】
また、充填部材によって、充填部材の一端部とカメラモジュールのレンズ間の屈折率差、そして充填部材の他端部と前記ウィンドウガラス間の屈折率差を低下させる。したがって、カメラモジュールのレンズに入射する光の歪曲を改善し、ひいては透過率及び視認性を向上させる。
【0203】
また、充填部材とカメラモジュールのレンズが接触する。したがって、充填部材とカメラモジュールのレンズの間にエアギャップ(air gap)が存在しなくなるので、エアギャップが存在することによる追加的なインデックスマッチングなしにカメラモジュールのレンズに入射する光の歪曲を改善できる。
【0204】
また、充填部材が基板(又は画素回路部)の溝(又はホール)に充填される。したがって、貫通ホール周辺の密封部と基板間の結合力が向上する。
【0205】
以上で説明した本発明は上述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で多様な置換、変形及び変更が可能であるのは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0206】
11 第1コンタクトホール
12 第2コンタクトホール
13 第3コンタクトホール
14 第4コンタクトホール
15 第5コンタクトホール
16 第6コンタクトホール
17 第7コンタクトホール
18 第8コンタクトホール
19 第9コンタクトホール
20 溝
21、1121 第2ホール
22、1122 第1ホール
30 ホール
100 基板
102 スキャンドライバー
103 発光制御ドライバー
104 データドライバー
105 電源供給部
110 基底層
111 第1層
112 第2層
113 第3層
114 第4層
120 バッファー層
140 第1ゲート絶縁膜
150 第2ゲート絶縁膜
160 層間絶縁膜
180 平坦化膜
190 遮光膜
200 画素回路部
201 キャパシタ電極
321 半導体層
422 スペーサー
512 発光層
613 共通電極(カソード電極)
701 第1連結電極
702 第2連結電極
703 第3連結電極
750 密封部
751 第1無機膜
752 2無機膜
755 有機膜
800 偏光板
900 発光領域
1000 表示モジュール
1001 貫通ホール
1002 表示パネル
1002a 表示領域
1002b 非表示領域
1003 充填部材
1003-1 第1無機物質
1003-2 有機物質
1003-3 第2無機物質
1010 ウィンドウガラス
1020 カメラモジュール
1030 接着部
1100 第1溝
1120 第2溝
DL データライン
LED 発光素子
PE 画素電極
VDL 高電位ライン