IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワンダーランド スイツァーランド アーゲーの特許一覧

特許7553711ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車
<>
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図1
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図2
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図3
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図4
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図5
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図6
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図7
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図8
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図9
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図10
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図11
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図12
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図13
  • 特許-ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ホイールセットブレーキ機構およびベビー運搬車
(51)【国際特許分類】
   B62B 9/08 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
B62B9/08
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023524666
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2021079357
(87)【国際公開番号】W WO2022084515
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202011143964.3
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】チュー、ワンクァン
(72)【発明者】
【氏名】グオ、チェンウェン
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111391910(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109466613(CN,A)
【文献】特開2015-202808(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218610(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0170015(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動フレームの車輪をロックするためのホイールセットブレーキ機構であって、
前記車輪は、ホイールスタンドを有し、前記ホイールスタンドは、全方向に回転できるように中空シャフトを介して前記可動フレームに取り付けられており、
前記ホイールセットブレーキ機構は、
前記可動フレームに取り付けられた駆動部材と、
駆動ピン、牽引部材およびロック部材を含むブレーキアセンブリと、を備え、
前記駆動ピンは前記駆動部材に操作可能に接続され、前記牽引部材は第1のケーブルと第2のケーブルを含み、前記第1のケーブルの第1の端部は前記駆動ピンに接続され、前記第1のケーブルの第2の端部は、前記中空シャフトの内部空洞内に延在して前記第2のケーブルの第1の端部に回転可能に接続され、そして、前記第2のケーブルの第2の端部は前記ロック部材に接続されており、
前記駆動部材は、前記駆動ピンをスライド駆動するように構成され、前記牽引部材が前記ロック部材をスライドさせて前記車輪をロック
前記ロック部材は、互いに直角に配置された横シャフトと縦シャフトを含み、前記縦シャフトは、前記ホイールスタンドにスライド可能に係合し、前記縦シャフトの軸は、前記車輪の回転軸と垂直であり、前記第2のケーブルの第2の端部は、前記縦シャフトに接続されている、
ホイールセットブレーキ機構。
【請求項2】
前記駆動部材は、スリーブ部と、該スリーブ部から延びるペダル部とを備え、前記可動フレームの水平チューブはスリーブ部にスリーブされ、前記水平チューブと前記スリーブ部の一方には長穴が設けられており、前記水平チューブと前記スリーブ部の他方にはシュートが設けられており、前記駆動部材は周方向に所定の角度で離間した初期位置およびブレーキ位置を有しており、
前記駆動ピンは前記水平チューブにスリーブされており、前記駆動ピンには長穴とシュートを通過する半径方向に突出するスライドシャフトが設けられており、
前記駆動部材は、初期位置とブレーキ位置との間の切り換えの際に、前記スライドシャフトを駆動して前記長穴および前記シュート内をスライドさせ、
これにより、前記駆動ピンが前記水平チューブの軸方向に沿って移動し、前記ロック部材が前記車輪をロック解除またはロックできるようにする、
請求項1に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項3】
前記駆動ピンに作用して、前記駆動ピンを介して前記駆動部材を初期位置に保持する第1の弾性部材をさらに備える、請求項2に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項4】
前記ブレーキアセンブリは、前記ロック部材を前記車輪のロックが解除されるロック解除位置に維持するように前記ロック部材に作用する第1の弾性リセット部材をさらに含む、請求項1に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項5】
前記スリーブ部には対称的に2つのシュートが設けられ、前記水平チューブには前記2つのシュートにそれぞれ対応する2つの長穴が設けられており、
前記ホイールセットブレーキ機構には2つのブレーキアセンブリが設けられており、前記2つのブレーキアセンブリの前記ロック部材は前記可動フレームの2つの車輪をロックするように構成されており、前記2つのブレーキアセンブリのそれぞれの前記スライドシャフトは、前記シュートと前記長穴の対応するセットにスリーブされており、
前記第1の弾性部材は、前記2つのブレーキアセンブリの駆動ピンの間にクランプされている、
請求項3に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項6】
前記第1のケーブルの第2の端部はコネクタを有し、該コネクタには接続溝が設けられており、
前記第2のケーブルの第1の端部には第1のピボットジョイントが設けられ、該第1のピボットジョイントは前記接続溝内に回転可能に配置されている、
請求項1に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項7】
前記可動フレームにはホイールシートが設けられており前記ホイールスタンドは垂直に配置された中空シャフトを介して前記ホイールシートに枢着されており、
記縦シャフトにはスライドスリーブが固定され、前記スライドスリーブは前記ホイールスタンドにスライド可能に係合し、前記スライドスリーブの軸は前記車輪の回転軸と垂直であり、前記横シャフトから離れた前記スライドスリーブの端部には収容溝が設けられており、
前記第2のケーブルの第2の端部には第2のピボットジョイントが設けられており、該第2のピボットジョイントは前記収容溝内に回転可能に配置されている、
請求項1に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項8】
前記ホイールスタンドと前記スライドスリーブとの間に第1の弾性リセット部材が配置されている、請求項7に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項9】
前記縦シャフトは、前記スライドスリーブ内に延在し、ピンシャフトを介して前記スライドスリーブに接続される、請求項7に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項10】
前記車輪のハブには周方向に沿って複数の係合穴が設けられ、前記横シャフトは、前記係合穴に進入して前記車輪をロックしたり、前記係合穴から出て前記車輪のロックを解除したりすることができる、請求項7に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項11】
前記可動フレームにはホイールシートが設けられており、前記車輪にはホイールスタンドが設けられており、該ホイールスタンドは垂直に配置された中空シャフトを介して前記ホイールシートに枢着されており、
前記ロック部材は、互いに直交して配置された横シャフトと縦シャフトとを含み、前記縦シャフトは前記ホイールスタンドにスライド可能に係合し、前記縦シャフトの軸は前記車輪の回転軸と直交しており、
前記第2のケーブルの前記第2の端部は前記縦シャフトに接続されており、
前記車輪のハブには周方向に沿って複数の係合穴が設けられており、前記横シャフトは、前記係合穴に進入して前記車輪をロックしたり、前記係合穴から出て前記車輪のロックを解除したりすることができる、
請求項1に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項12】
前記駆動部材は、スリーブ部と、該スリーブ部から延びるペダル部とを含み、前記可動フレームの水平チューブは前記スリーブ部にスリーブされ、前記駆動部材は、周方向に所定の角度で離間した初期位置とブレーキ位置とを有しており、
前記ホイールセットブレーキ機構は、前記駆動部材を前記ブレーキ位置にロックするように構成されたロックアセンブリをさらに含む、
請求項1に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項13】
前記ロックアセンブリは、前記水平チューブの外側に配置されたロック凸部を含み、
前記スリーブ部には前記ロック凸部に当接する端面が設けられ、該端面にはロック凹部が設けられており、そして、
前記ロック凸部が前記ロック凹部と係合すると、前記駆動部材はブレーキ位置でロックされる、
請求項12に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項14】
前記ロック凸部は弾性伸縮可能なロックピンからなり、該ロックピンの軸は前記水平チューブの軸方向と平行である、請求項13に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項15】
前記水平チューブの端部にはホイールシートが設けられており、該ホイールシートには取付穴が設けられており、該取付には第2の弾性部材と前記ロックピンが配置されており、そして、前記ロック凹部に係合するように構成された前記ロックピンの端部は、円弧状または円錐台状である、請求項14に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項16】
前記端面には、前記ロック凸部とスライド可能に係合するガイド溝がさらに設けられている、請求項14に記載のホイールセットブレーキ機構。
【請求項17】
可動フレームと、請求項1~16のいずれか一項に記載のホイールセットブレーキ機構とを備え、前記可動フレームは前輪と後輪とを備え、前記後輪は、該後輪が全方向に回転可能であり、前記ホイールセットブレーキ機構が前記後輪をロックするように、中空シャフトを介して前記可動フレームに取り付けられている、ベビー運搬車。
【請求項18】
前記可動フレームにはホイールシートが設けられ、前記後輪にはホイールスタンドが設けられ、前記ホイールスタンドは前記後輪が全方向に回転できるように前記ホイールスタンドに枢着されており、
前記ベビー運搬車はホイールセット配向機構をさらに含み、該ホイールセット配向機構は前記ホイールスタンドの回転をロックするように構成されている、
請求項17に記載のベビー運搬車。
【請求項19】
前記ホイールセット配向機構は、操作部、第3のケーブル、位置決めピン、および第2の弾性リセット部材を含み、前記操作部は前記第3のケーブルの第1の端部に接続され、前記第3のケーブルの第2の端部は前記位置決めピンに接続され、そして、前記位置決めピンの軸は前記ホイールスタンドの回転軸と平行であり、
前記ホイールスタンドには位置決め穴が設けられ、前記第2の弾性リセット部材は、前記位置決めピンを駆動して前記位置決め穴内に延在させるように構成されており、そして、前記操作部は、前記第3のケーブルを介して前記位置決めピンを前記位置決め穴の外に移動させるように構成されている。
請求項18に記載のベビー運搬車。
【請求項20】
前記可動フレームは一対の前輪と一対の後輪を含み、前記前輪と前記後輪のそれぞれは全方向に回転できるように前記可動フレームに取り付けられ、前記ホイールセット配向機構は、前記一対の後輪の両方のホイールスタンドの回転をロックするように構成されている、請求項18に記載のベビー運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月22日に出願された「ホイールセットブレーキ機構およびベビー搬送車」と題する中国特許出願第CN2020111439643号に対する優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、ホイールブレーキ技術に関し、特に、ホイールセットブレーキ機構およびその機構を備えたベビー搬送車(baby transport)に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ベビー運搬車にはブレーキ機構が付いている。使用者がブレーキ機構の駆動部材(drive member)を足で押すと、ブレーキ機構はベビー運搬車の後輪をロックして、ベビー運搬車の偶発的な動きを防止し、ベビー運搬車の使用の安全性を向上させることができる。一部のベビー運搬車では、個々の後輪のブレーキ機構が相互に切り離されている。ブレーキをかける場合、使用者は各ブレーキ機構の駆動部材を個別に操作する必要があり、各ブレーキ機構が対応する後輪をそれぞれロックする。このようなベビー運搬車は、より複雑なブレーキ操作を必要とする。他のいくつかのベビー運搬車では、個々の後輪のブレーキ機構が同じ駆動部材を共有している。使用者は、その同じ駆動部材を操作して、ブレーキ機構が同時に後輪をロックできるようにする。このようなベビー運搬車は、ブレーキ操作を単純化はするが、構造はより複雑になる。
【0003】
また、ベビー運搬車の前輪は、一般にユニバーサルホイール(universal wheel)であるが、ベビー運搬車が旋回する際にスムーズに走行できるように後輪もユニバーサルホイールとすることもできる。しかしながら、ベビー運搬車が普通に前進する場合、後輪が回転しやすくなり、ベビー運搬車が正常に前進しにくくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単な構造のホイールセットブレーキ機構およびそれを備えたベビー運搬車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、可動フレームの車輪(wheel)をロックするためのホイールセットブレーキ機構(wheel set brake mechanism)を提供する。車輪は、全方向に回転可能であるように中空シャフト(hollow shaft)を介して可動フレームに取り付けられ、ホイールセットブレーキ機構は、可動フレームに取り付けられた駆動部材(drive member)と、駆動ピン(drive pin)、牽引部材(traction member)、およびロック部材(locking member)を含むブレーキアセンブリ(brake assembly)とを含み、駆動ピンは駆動部材に動作可能に接続され、牽引部材は第1のケーブルおよび第2のケーブルを含み、第1のケーブルの第1の端部は駆動ピンに接続され、第1のケーブルの第2の端部は、中空シャフトの内部空洞(inner cavity)内に延びて第2のケーブルの第1の端部に回転可能に接続され、そして、第2のケーブルの第2の端部はロック部材に接続される。駆動部材は、駆動ピンを駆動してスライドさせ、牽引部材がロック部材をスライドさせて車輪をロックするように構成される。
【0006】
また、駆動部材は、スリーブ部(sleeve portion)と、スリーブ部から延びるペダル部(pedal portion)とを有しており、可動フレームの水平チューブ(horizontal tube)にはスリーブ部がスリーブされ(sleeved)、水平チューブとスリーブ部の一方には長穴(elongated hole)が設けられており、水平チューブとスリーブ部の他方にはシュート(chute)が設けられており、そして、駆動部材は、周方向に所定の角度で離間した初期位置(initial position)とブレーキ位置(braking position)を有する。駆動ピンには水平チューブがスリーブされており、駆動ピンには長穴とシュートを通過する半径方向に突出するスライドシャフト(sliding shaft)が設けられている。駆動部材は、初期位置とブレーキ位置との間の切り換えの際に、スライドシャフトを駆動して、長穴およびシュート内をスライドさせることにより、駆動ピンが水平チューブの軸方向に沿って移動し、ロック部材が車輪のロックを解除したりロックしたりできるようにする。
【0007】
また、本発明のホイールセットブレーキ機構は、駆動ピンに作用して駆動ピンを介して駆動部材を初期位置に保持する第1の弾性部材(first elastic member)をさらに備える。
【0008】
さらに、ブレーキアセンブリは、ロック部材に作用してロック部材を車輪のロックが解除されるロック解除位置に維持するように構成された第1の弾性リセット部材(first elastic reset member)をさらに含む。
【0009】
また、スリーブ部には対称的に2つのシュートが設けられ、水平チューブには2つのシュートにそれぞれ対応する2つの長穴が設けられている。ホイールセットブレーキ機構には2つのブレーキアセンブリが設けられており、2つのブレーキアセンブリのロック部材は可動フレームの2つの車輪をロックするように構成されており、2つのブレーキアセンブリのそれぞれのスライドシャフトには、シュートおよび長穴の対応するセットがスリーブされており、そして、第1の弾性部材は、2つのブレーキアセンブリの駆動ピンの間にクランプされる。
【0010】
さらに、第1のケーブルの第2の端部はコネクタを有し、コネクタには接続溝(connecting groove)が設けられている。そして、第2のケーブルの第1の端部には第1のピボットジョイント(pivot joint)が設けられ、第1のピボットジョイントは接続溝内に回転可能に配置されている。
【0011】
また、可動フレームにはホイールシート(wheel seat)が設けられ、車輪にはホイールスタンド(wheel stand)が設けられ、ホイールスタンドは、垂直に配置された中空シャフトを介してホイールシートに枢動可能に接続(枢着:pivotally connected)されている。ロック部材は、互いに直角に配置された横シャフト(traverse shaft)と縦シャフト(longitudinal shaft)を含み、スライドスリーブは縦シャフトに固定され、スライドスリーブはホイールスタンドにスライド可能に係合し、スライドスリーブの軸は車輪の回転軸(rolling axis)と垂直であり、横シャフトから離れたスライドスリーブの一方端部には収容溝(accommodating groove)が設けられている。第2のケーブルの第2の端部には第2の枢動ジョイント(pivot joint)が設けられ、第2の枢動ジョイントは収容溝内に回転可能に配置される。
【0012】
さらに、ホイールスタンドとスライドスリーブとの間に、第1の弾性リセット部材(elastic reset member)が配置される。
【0013】
さらに、横シャフトは、スライドスリーブ内に延在し、ピンシャフト(pin shaft)を介してスライドスリーブに接続される。
【0014】
また、車輪のハブには周方向に沿って複数の係合穴(engagement holes)が設けられており、横シャフトは係合穴に進入して車輪をロックしたり、係合穴から出て車輪のロックを解除したりすることができる。
【0015】
また、可動フレームにはホイールシートが設けられ、車輪はホイールスタンドを有しており、ホイールスタンドは、垂直に配置された中空シャフトを介してホイールスタンドに枢着されている。ロック部材は、互いに直交して配置された横シャフトと縦シャフトとを含み、縦シャフトはホイールスタンドにスライド可能に係合し、縦シャフトの軸は車輪の回転軸と直交する。第2のケーブルの第2の端部は横シャフトに接続される。そして、車輪のハブには周方向に沿って複数の係合穴が設けられ、横シャフトは係合穴に進入して車輪をロックしたり、係合穴から出て車輪のロックを解除したりすることができる。
【0016】
また、駆動部材は、スリーブ部と、スリーブ部から延びるペダル部とを含み、可動フレームの水平チューブはスリーブ部に嵌合され、駆動部材は、周方向に所定の角度で離間した初期位置とブレーキ位置とを有する。そして、ホイールセットブレーキ機構は、駆動部材をブレーキ位置にロックするように構成されたロックアセンブリ(locking assembly)をさらに含む。
【0017】
さらに、ロックアセンブリは、水平チューブの外側に配置されたロック凸部(locking protrusion)を含む。スリーブ部にはロック凸部に当接する端面(end surface)が設けられ、端面にはロック凹部(locking recess)が設けられる。そして、ロック凸部がロック凹部に係合すると、駆動部材がブレーキ位置にロックされる。
【0018】
また、ロック凸部は弾性的に伸縮可能なロックピン(locking pin)で構成されており、ロックピンの軸は水平チューブの軸方向と平行である。
【0019】
また、水平チューブの端部にはホイールシートが設けられ、ホイールシートには取付穴(mounting hole)が設けられ、第2の弾性部材とロックピンが取付穴に配置され、ロック凹部に係合するロックピンの端部は、円弧状または円錐台状である。
【0020】
また、端面には、ロック凸部とスライド可能に係合するガイド溝(guide groove)がさらに設けられている。
【0021】
別の態様では、本願は、可動フレームおよび上述のホイールセットブレーキ機構を含むベビー運搬車を提供し、ここで、可動フレームは前輪および後輪を含み、後輪は、中空シャフトを介して可動フレームに全方向に回転可能に取り付けられ、ホイールセットブレーキ機構が後輪をロックするように構成されている。
【0022】
さらに、可動フレームにはホイールシートが設けられ、後輪にはホイールスタンドが設けられ、ホイールスタンドは後輪が全方向に回転できるようにホイールシートに枢着されている。また、ベビー運搬車は、ホイールセット配向機構(wheel set orienting mechanism)をさらに含み、ホイールセット配向機構は、ホイールスタンドの回転をロックするように構成されている。
【0023】
さらに、ホイールセット配向機構は、操作部(operation portion)、第3のケーブル、位置決めピン(locating pin)、および第2の弾性リセット部材を含み、操作部は第3のケーブルの第1の端部に接続され、第3のケーブルの第2の端部は位置決めピンに接続され、そして、位置決めピンの軸はホイールスタンドの回転軸と平行である。また、ホイールスタンドには位置決め穴(locating hole)が設けられ、第2の弾性リセット部材は、位置決めピンを駆動して位置決め穴内に延在させるように構成され、そして、操作部は、第3のケーブルを介して位置決めピンを位置決め穴から移動させるように構成されている。
【0024】
また、可動フレームは一対の前輪と一対の後輪を備え、前輪と後輪はそれぞれ全方向に回転可能に可動フレームに取り付けられており、ホイールセット配向機構は、後輪の対の両方のホイールスタンドの回転をロックするように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の一実施形態によるベビー運搬車の正面斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態によるベビー運搬車の背面斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車におけるホイールセットブレーキ機構、後輪およびフレームの一部の斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車の側面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態によるベビー運搬車における後輪、ホイールセットブレーキ機構およびホイールセット配向機構の部分側断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車における後輪およびホイールセットブレーキ機構の部分斜視図であり、ここでは、説明を容易にするために駆動部材を省略している。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車における、ホイールセットブレーキ機構の駆動部材の一部を示す斜視図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車における、ホイールセットブレーキ機構の駆動部材の別の一部の斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車における、後輪およびホイールセットブレーキ機構の部分正面断面図であり、ここでは、第2のケーブルの構造が示されている。
図10図10は、本発明の一実施形態によるベビー運搬車における、後輪およびホイールセットブレーキ機構の部分斜視図であり、ここでは、説明を容易にするためにホイールスタンドは省略されている。
図11図11は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車における、駆動部材が初期位置にあるときのホイールセットブレーキ機構のロック部材の部分断面図である。
図12図12は、駆動部材がブレーキ位置にあるときの、本発明の一実施形態によるベビー運搬車におけるホイールセットブレーキ機構のロック部材の部分断面図である。
図13図13は、本発明の一実施形態に係るベビー運搬車における、後輪およびホイールセットブレーキ機構の部分正面断面図であり、ここでは、第2のケーブルの他の構造が示されている。
図14図14は、図13に示した第2のケーブルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の技術内容、構構造的特徴および得られる効果を詳細に説明するために、以下、実施例および添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1および図2に示すように、例えば、本発明の一実施形態によるベビー運搬車100は、ベビーカー(baby stroller)である。ベビー運搬車100は、可動フレーム1と、可動フレーム1に取り付けられるシート(図示せず)とを含み、ベビー運搬車100には、本発明の一実施形態によるホイールセットブレーキ機構が設けられている。ベビー運搬車100の種類はベビーカーに限定されないことは言うまでもない。また、本発明の実施形態に係るホイールセットブレーキ機構の適用範囲も、ベビー運搬車100に限定されるものではない。
【0028】
可動フレーム(以下、「フレーム」という)1は、一対の前輪2と一対の後輪3とを備えている。例えば、前輪2はユニバーサル旋回ホイール(universal swiveling wheel)であってもよく、後輪3もユニバーサル旋回ホイールであってもよい。具体的には、後輪3には例えばホイールスタンド31が設けられ、フレーム1の後端の下には水平チューブ12が配置され、そして、水平チューブ12の両側にはホイールシート11がそれぞれ設けられている。ホイールシート11は、それぞれ対応する後輪3のホイールシート31に枢着されており、ホイールスタンド31により後輪3を自在回転(universal rotation)するように駆動する。ホイールスタンド31の回転軸(rotation axis)は水平チューブ12の軸と直交し、後輪3のロール軸(rolling axis)はホイールスタンド31の回転軸と直交していることが理解できる。ベビー運搬車100が水平面内を走行するとき、ホイールスタンド31の回転軸は水平面に対して略垂直であり、後輪3のロール軸は水平面に対して略平行であることが理解できる。
【0029】
フレーム1には、ホイールセットブレーキ機構4が配置されている。本実施形態では、ホイールセットブレーキ機構4は、ベビー運搬車100のブレーキングを実現するために、2つの後輪3を同時にロックして後輪3のローリングを禁止してもよい。ホイールセットブレーキ機構4は、2つの後輪3のロックを同時に解除して、後輪3の転がりを可能にし、ベビー運搬車100が通常に走行できるようにすることができる。
【0030】
ホイールセット方向調整機構(wheel set orienting mechanism)5が、フレーム1上に配置されている。ホイールセット方向調整機構5は、2つの後輪3のホイールスタンド31の回転を同時に規制して、ホイールスタンド31の回転軸周りの自在な回転を禁止してもよい。ホイールセット方向調整機構5は、2つの後輪3のホイールスタンド31の回転規制を同時に解除して、ホイールスタンド31を回転軸の回りに自在回転させてもよい。
【0031】
以下に、図3から図12を参照して、本発明の一実施形態に係る輪軸ブレーキ機構4の構造について説明する。ホイールセットブレーキ機構4は、駆動部材41、ロックアセンブリ410(図9参照)、2つのブレーキアセンブリおよび第1の弾性部材44(図9参照)を含むことができる。ブレーキアセンブリは、例えば、駆動ピン42、牽引部材(第1のケーブルおよび第2のケーブル)、ロック部材43、および第1の弾性部材44を含む、ほぼ同じ構造を有してもよい。以下では、そのうちの1つのブレーキアセンブリを中心に詳細に説明する。
【0032】
図3を参照すると、駆動部材41は、スリーブ部412と、スリーブ部412から延びるペダル部411とを含んでもよい。スリーブ部412は、水平チューブ12の軸の周りに回転可能であるように、水平チューブ12の外側に配置されてもよい。図7および図8を参照すると、いくつかの実施形態では、スリーブ部412は、2つの半円筒構造(semi-cylindrical structure)412aおよび412bを突き合わせることによって形成され得る。図7を参照すると、スリーブ部412には2つのシュート41aが対称的に設けられてもよい。図6を参照すると、水平チューブ12に2つの長穴12aを設けてもよい。1つの長穴12aは1つのシュート41aに対応しており、この長穴12aの延在方向は水平チューブ12の軸方向と平行である。他の実施形態では、2つのシュート41aが水平チューブ12に配置され、2つの長穴12aがスリーブ部412に配置されてもよい。ペダル部411は、使用者が押し下げることができるように、半円筒構造412aから延在することができる。いくつかの実施形態では、ペダル部411は、使用者から押し下げ力(depression force)を受けると、スリーブ部412を下方に枢動させて、駆動部材41がブレーキ位置まで回転できるようにすることができる。この場合、後輪3はロックされて回転できない。ペダル部411は、使用者から上向きに持ち上げる力を受けると、スリーブ部412を上向きに枢動させて、駆動部材41が初期位置まで回転できるようにすることができる。この場合、後輪3はロックが解除され、自由に回転できるようになる。
【0033】
ロックアセンブリ410は、駆動部材41をブレーキ位置にロックするように構成されている。すなわち、駆動部材41がブレーキ位置まで回転すると、ロックアセンブリ410は、駆動部材41の回転を自動的にロックして、駆動部材41をブレーキ位置に維持することができる。使用者がペダル部411に上向きに持ち上げる力を加えると、ロックアセンブリ410によって駆動部材41に加えられるロック力が克服され、ペダル部411を初期位置に戻すことができることが理解されよう。ロックアセンブリ410の構造は、以下に詳細に説明される。
【0034】
図6から図9を参照すると、駆動ピン42は、水平チューブ12内で軸方向に移動可能に配置されており、駆動ピン42の軸は、例えば、水平チューブ12の軸と平行である。駆動ピン42には、径方向に突出するスライドシャフト(sliding shaft)42aが設けられている。すなわち、スライドシャフト42aの軸は、水平チューブ12の軸に対して直交している。スライドシャフト42aは、対応する長穴12aおよびシュート41aを貫通している。したがって、駆動部材41が初期位置とブレーキ位置との間で切り替わるとき、駆動部材41は、2つのブレーキアセンブリの2つの駆動ピン42が同時にスライドするように駆動することができる。具体的には、駆動部材41が回転すると、2つの駆動ピン42のスライドシャフト42aがシュート41aに駆動されて、長穴12aに沿って水平チューブ12の軸方向に互いに接近または離間してスライド可能となる。2つのスライドシャフト42aの動きにより、2つの駆動ピン42は、互いに近づくか離れるように駆動することができる。
【0035】
図9を参照すると、各ブレーキアセンブリの駆動ピン42は、牽引部材を介してロック部材43に接続されており、駆動ピン42とロック部材43は同期して動作することができる。牽引部材は、ワイヤロープなどの可撓性ケーブルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、牽引部材は単一のケーブルであってもよい。牽引部材は、一端が駆動ピン42に接続され、他端がロック部材43に接続されている。
【0036】
さらに図9を参照すると、この実施形態では、牽引部材は、連続的に接続された第1のケーブル48および第2のケーブル49を含むことができる。より具体的には、ホイールシート11には、ホイールシート11から下方に延びる中空シャフト47が設けられており、この中空シャフト47は略垂直(中空シャフト47の軸は水平チューブ12の軸と略直交)に配置されており、そして、後輪3のホイールスタンド31は、中空シャフト47を介してホイールシート11に枢着されている。第1のケーブル48の第1の端部は駆動ピン42に接続され、第1のケーブル48の第2の端部は中空シャフト47の内部空洞470内に延びて第2のケーブル49の第1の端部に回転可能に接続され、そして、第2のケーブル49の第2の端部はロック部材43に接続されている。
【0037】
図9において、第1のケーブル48の第2の端部には、例えば中空シャフト47とスライド可能に係合するコネクタ48aが設けられ、コネクタ48aには接続溝480aが設けられてもよい。第2のケーブル49は、第1のピボットジョイント49aを有する。第1のピボットジョイント49aは、接続溝480a内に回転可能に配置される。例えば、第1のピボットジョイント49aは、球面(spherical surface)を介して接続溝480aの溝壁(groove wall)に接触して接続溝480aの中に固着してもよく、これにより、第1のケーブル48と第2のケーブル49は張力を維持しながら両者の接合部で相対回転することができる。図9において、第1のピボットジョイント49aは球面頭部(spherical head)であり、コネクタ48aの貫通穴を通じて第2のケーブル49の牽引ライン(traction line)が導出される。第1のピボットジョイント49aは、接続溝480a内で自由に回転することができる。したがって、後輪3とともに第2のケーブル49が回転する際に、第1のケーブル48と第2のケーブル49とが捩じれたり傷つけられたりすることがなく、駆動ピン42や駆動部材41の動作に影響を与えることを防止できる。
【0038】
図13および図14を参照すると、いくつかの他の実施形態では、第2のケーブル49の第1のピボットジョイント49aは、例えば、円筒形(cylindrical)、円錐形(conical)、または弾丸形(bullet-shaped)の構造であってもよい。第1のピボットジョイント49aの下端にはボール49cが配置され得る。第2のケーブル49の牽引ラインは、ボール49cを通った後、コネクタ48aの貫通穴を通じて導出される。ボール49cが接続溝480aの溝壁に当接することにより、第1のピボットジョイント49aは接続ヘッド48aに対して低摩擦抵抗かつ低騒音で自由に回転することができる。
【0039】
図9から図12を参照すると、ロック部材43は、後輪3をロックするものである。上記から、駆動部材41は、ブレーキ位置まで回転するときに、駆動ピン42を駆動して水平チューブ12の軸に沿って移動することができ、そして、駆動ピン42は、牽引部材を介してロック部材43を駆動して、第1の弾性リセット部材46の弾性力に打ち勝ってロック動作を行うことができ、これにより、ロック部材43が後輪3をロックするロック位置に移動することが理解されよう。駆動部材41が初期位置まで回転すると、ロック部材43は、第1の弾性リセット部材46の作用により、後輪3のロックが解除されるロック解除位置に戻る。
【0040】
図10および図11を参照すると、いくつかの実施形態では、ロック部材43はT字型構造(T-shaped structure)であってもよい。より具体的には、ロック部材43は、互いに直交して配置された横シャフト431と縦シャフト432とを含むことができる。図10からわかるように、後輪3のハブには周方向に沿って複数の係合穴32が設けられ、後輪3をロックしたり後輪3をロック解除したりすることができるように、横シャフト431が後輪3の径方向に沿って移動して係合穴32に進入したり係合から離脱したりすることができる。いくつかの実施形態では、縦シャフト432は、ホイールスタンド31にスライド可能に直接係合することができ、縦シャフト432の軸は、後輪3の回転軸に対して垂直である。第2のケーブル49の第2の端部は、縦シャフト432に直接接続されている。第1の弾性リセット部材46は、ホイールスタンド31と縦シャフト432との間に配置されてもよい。このようにして、第2のケーブル49が縦シャフト432を直接引っ張って、横シャフト431を係合穴32に進入させることができる。逆に、第1の弾性リセット部材46が縦シャフト432を押して、横シャフト431が係合穴32から出ることができるようにしてもよい。
【0041】
さらに図10および図11を参照すると、この実施形態では、スライドスリーブ45を縦シャフト432に固定することができる。例えば、縦シャフト432は、スライドスリーブ45内に延びることができ、ピンシャフト451を介してスライドスリーブ45に接続される。スライドスリーブ45は後輪3のホイールスタンド31にスライド可能に係合しており、スライドスリーブ45の軸は後輪3の回転軸と直交していてもよい。第1の弾性リセット部材46は、ホイールスタンド31とスライドスリーブ45との間に配置されてもよい。加えて、スライドスリーブ45の横シャフト431から離れた一方の端部には収容溝45aが設けられ、第2のケーブル49の第2の端部には第2のピボットジョイント49bが設けられ、第2のピボットジョイント49bは、収容溝45a内に回転可能に配置されている。いくつかの実施形態では、第2のピボットジョイント49bは、スライドスリーブ45のエンドキャップ(end cap)と縦シャフト432との間に収容される球面頭部であってもよい。より具体的には、第2のピボットジョイント49bは、スライドスリーブ45のエンドキャップに当接して、スライドスリーブ45を第2のケーブル49に接続することができる。このようにして、第2のケーブル49がスライドスリーブ45を駆動して、ロック部材43の横シャフト431を係合穴32に突き刺す(stuck in)ことができる。このようにして、第1の弾性リセット部材46は、スライドスリーブ45を駆動して、ロック部材43の横シャフト431が係合穴32から出ることを可能にする。スライドスリーブ45と第2のピボットジョイント49bの配置により、ロック部材43と第2のケーブル49との間の相対的なねじれを防止することができる。いくつかの実施形態では、第2のケーブル49の第2のピボットジョイント49bとスライドスリーブ45のエンドキャップとの間にボールをクランプすることもできる。このボールの配置は、図13中のボール49cを参照して得ることができる。
【0042】
図9を参照すると、第1の弾性部材44は水平チューブ12内に配置され、2つのブレーキアセンブリの2つの駆動ピン42の間に配置される。第1の弾性部材44は、駆動部材41が初期位置からブレーキ位置に切り替わる際に圧縮される。第1の弾性部材44は、駆動部材41がブレーキ位置から初期位置に切り替わるときに、2本の駆動ピン42に同時に力を加え、2本の駆動ピン42の逆方向へのリセット動作を容易にする。そして、各駆動ピン42のスライドシャフト42aがシュート41aおよび長穴42aに係合することにより、駆動部材41が初期位置に保持される。第1の弾性リセット部材46は、後輪3の次のブレーキングを容易にするために、ロック部材43をロック解除位置に駆動する。
【0043】
図8および図9を参照すると、ロックアセンブリ410の実施形態が示されている。ロックアセンブリ410は、駆動部材41をブレーキ位置にロックすることも、ブレーキ位置から駆動部材41のロックを解除することもできる。ロックアセンブリ410は、水平チューブ12の外側に配置されたロック凸部410bを含むことができる。駆動部材41のスリーブ部412には、例えば、ロック凸部410bに当接する端面4101が設けられている。端面4101には、ロック凹部410aが設けられている。ロック凸部410bは、ペダル部411が押し下げられて駆動部材41が初期位置からブレーキ位置に移動する際に、端面4101に当接して弾性変形する。ロック凹部410aは、駆動部材41がブレーキ位置に到達した後に、ロック凸部410bと係合し、駆動部材41をブレーキ位置にロックする。これにより、使用者が駆動部材に力を加え続けることなく、駆動部材41をブレーキ位置に保持することができ、ブレーキ操作の利便性が向上する。駆動部材41をブレーキ位置から初期位置に切り替える場合には、ペダル部411を上げて駆動部材41を回転させ、ロック凹部410aとロック凸部410bとの係合を解除する。
【0044】
本実施形態において、ロック凸部410bは弾性的に伸張可能なロックピンで形成され、このロックピンの軸は水平チューブ12の軸方向と平行である。より具体的には、例えば、ホイールシート11に取付穴110が設けられ、取付穴110内に第2の弾性部材410cおよびロックピンが配置されてもよい。第2の弾性部材410cは、ロックピンを駆動して取付穴110の外に延出させるように構成されている。ロック凹部410aに係合するロックピンの一方端部は、円弧状または円錐台状であってもよい。
【0045】
図8を参照すると、端面4101には、ロック凸部410bとスライド可能に係合するガイド溝410dがさらに形成されており、ガイド溝410dの一方端部にはロック凹部410aが設けられている。ロック凸部410bは、駆動部材41が回転する際、ガイド溝410dに沿ってスライドして駆動部材41の回転をガイドする。
【0046】
以下において、図4および図5を参照すると、ホイールセット配向機構5は、操作部51と、第3のケーブル52と、位置決めピン53と、第2の弾性リセット部材54とを備える。第3のケーブル52は、ワイヤロープであってもよい。操作部5は、ベビート運搬車100のアームレストに配置され、第3のケーブル52の第1の端部に接続されてもよい。位置決めピン53の軸はホイールスタンド31の回転軸と平行であり、位置決めピン53はフレーム1のホイールシート11上にスライド可能に配置されている。第3のケーブル52の第2の端部は、位置決めピン53に接続されている。ホイールスタンド31には位置決め穴105が設けられており、第2の弾性リセット部材54は、位置決めピン53が位置決め穴105内に延びることを可能にする力を提供する。位置決めピン53が位置決め穴105に挿入されて車輪3が位置決めされ、ホイールスタンド31の回転がロックされる。操作部51を操作することにより、第3のケーブル52が位置決めピン53を位置決め穴105から引き抜き、ホイールスタンド31を回転させることができる。
【0047】
以下、本発明の実施形態に係るベビー運搬車100の操作プロセスについて説明する。
【0048】
ベビー運搬車にブレーキをかける必要がある場合には、ペダル部411を押し下げて水平チューブ12上の駆動部材41を回転させる。駆動部材41の2つのシュート41aは、2つのブレーキアセンブリのスライドシャフト42aを駆動して、互いに向かって移動する。次に、各ブレーキアセンブリの駆動ピン42が第1のケーブル48を駆動し、第1のケーブル48が第2のケーブル49を駆動し、第2のケーブル49がロック部材43を移動させる。そして、ロック部材43の横シャフト431が後輪3の係合穴32に入り込み、後輪3の回転をロックしてもよい。ロックアセンブリ410のロック凸部410bが駆動部材41のロック凹部410aに突き刺さることにより、駆動部材41はブレーキ位置に保持され、ベビー運搬車100はブレーキ状態に保持される。ベビー運搬車100のロックを解除する必要がある場合には、ペダル部411を上げて、駆動部材41のロック凹部410aとロックアセンブリ410のロック凸部410bとの係合を解除する。駆動部材41は、第1の弾性部材44の作用下でリセットされて、第1のケーブル48および第2のケーブル49を緩めることができる。この場合、第1の弾性リセット部材46の作用によりロック部材43が移動し、横シャフト431が係合穴32内にあり、車輪3のロックが解除され、ベビー運搬車100が走行できるようになる。
【0049】
ベビー運搬車100が方向転換する必要がある場合、操作部51を操作して、操作部51が第3のケーブル52を駆動して移動させることができ、第3のケーブル52は位置決めピン53を駆動して位置決め穴105から出て、車輪3のホイールスタンド31が中空シャフト47の軸の周りに回転できるようにする。この場合、ベビー運搬車100の前輪2および車輪3は全方向に回転することができ、ベビー運搬車100は自由に旋回することができる。ベビー運搬車が方向転換する必要がないときは、操作部51が解放され、第2の弾性リセット部材54の作用により位置決めピン53が位置決め穴105に再挿入され、後輪3のホイールスタンド31をロックする。この場合、ベビー運搬車100の後輪3は回転することのみが可能であり、全方向に回転することはできない。第3のケーブル52を駆動する操作部51の具体的な構造は公知の構造でよいので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0050】
本発明の実施形態によれば、1つの駆動部材41が2つの駆動ピン42をスライド駆動し、2つの駆動ピン42が2つの牽引部材を介して2つの後輪3の近傍に配置された2つのロック部材43を引っ張ることにより、1回の踏み込みでダブルブレーキの機能を実現する。また、ブレーキ構造も比較的シンプルである。さらに、車輪3のホイールスタンド31はフレーム1のホイールシート11に枢着されており、ベビー運搬車100は自由に旋回できるようになっている。加えて、車輪3のホイールスタンド31は、ホイールセット配向機構5によってロックまたはロック解除され、ホイールスタンド31の回転をロックまたはロック解除し、これにより、これにより、ベビー運搬車の使用の利便性と柔軟性が大幅に向上する。
【0051】
上記に開示されたものは、本発明のにすぎず、本発明の範囲を限定するために使用されるものではない。したがって、本願の特許請求の範囲に記載のものに行われた同等の変更は依然として本発明の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14