(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】取り外し可能なハンドルを有する調理容器
(51)【国際特許分類】
A47J 45/07 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A47J45/07 A
(21)【出願番号】P 2023544189
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 US2021052722
(87)【国際公開番号】W WO2022072548
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-04-28
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512054182
【氏名又は名称】マイヤー インテレクチュアル プロパティーズ リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】523113995
【氏名又は名称】チャン,ヒング,ファイ
(73)【特許権者】
【識別番号】518299806
【氏名又は名称】チェン,スタンリー,キン スイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヒング,ファイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,スタンリー,キン スイ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-210340(JP,A)
【文献】米国特許第06196115(US,B1)
【文献】実開昭59-105413(JP,U)
【文献】実開昭59-160038(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01925244(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00209461(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 45/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)底部を有する容器であって、前記底部が、リムで終端する略直立の側壁に囲まれることにより、食料品を保持するための内部空間が定められる、容器と、
(b)前記リムに隣接する略直立の側壁の外面に連結しているブラケットであって、前記ブラケットの下側における下部開口部から上向きに延在する溝が設けられている、ブラケットと、
(c)前記容器用の取り外し可能なハンドルと、
を備える調理容器であって、前記ハンドルに、
(i)遠位端および離隔された近位端を有する細長把持部分であって、前記遠位端と前記近位端が前記ハンドルの主軸を定めている細長把持部分と、
(ii)前記細長把持部分の少なくとも一部の内部に配置され、前記細長把持部分の近位端から前方外側に延在する細長プレートであって、前記細長プレートは前記細長プレートの下側に細長い凹状窪み部を有し、前記主軸と同じ方向に沿って延在する、細長プレートと、
(iii)底部で互いが接続されている外側垂直板と離隔された内側垂直板と、を有するU字状連結部であって、前記内側垂直板は上端を有しており、前記上端が前記細長プレートの近位端に連結し、前記外側垂直板は、前記ハンドルが前記容器に確実に係合しているとき、前記ブラケットの前記溝内に受け入れられるように構成されている、U字状連結部と、
(iv)前記細長い凹状窪み部の中で前記細長プレートの下側に沿って外側方に並進するように配置されている伸長ロッドであって、前記伸長ロッドが前方に移動すると、前記伸長ロッドの先端が前記内側垂直板の隙間部を通って延在することで、前記先端が前記内側垂直板と前記外側垂直板の間に配置されるように構成され、また前記伸長ロッドが後方に移動すると、前記伸長ロッドの先端が、前記内側垂直板の隙間部から後退するように構成されており、前記伸長ロッドの先端は非対称に面取りされた形状を有しており、当該形状は前記伸長ロッドの中心線よりも下に位置する頂点で合流する上側テーパー縁と下側テーパー縁によって定められ、前記伸長ロッドの主軸において、前記上側テーパー縁は前記下側テーパー縁よりも長い、伸長ロッドと、
(v)前記伸長ロッドに直接または間接的に連結され、ユーザーにより手動で動かされるように構成されているアクチュエータであって、前記アクチュエータはさらに、ユーザーにより動かされると、前記伸長ロッドの先端を前記内側垂直板内の前記隙間部から後退させるようにして、前記伸長ロッドを後方に直接的または間接的に移動させるようにして構成されている、アクチュエータと、
(vi)前記伸長ロッドに連結され、前記伸長ロッドが前方に移動するように前記伸長ロッドに力を及ぼすように構成されているバネであって、ユーザーにより前記アクチュエータが解除されると、前記伸長ロッドの先端が前記内側垂直板の隙間部を通って延在し、前記先端が前記内側垂直板と前記外側垂直板の間に配置されるように構成されている、バネと、
が備えられていることを特徴とする調理容器。
【請求項2】
前記ハンドルの前記外側垂直板と前記ブラケットの前記溝が、対向する2以上の側面に、相補的で内向きかつ上向きのテーパー部を有することを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項3】
前記ハンドルの前記外側垂直板と前記ブラケットの前記溝が、隣接する3以上の側面に、相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有することを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項4】
前記ハンドルの前記外側垂直板と前記ブラケットの前記溝が、隣接する4つの側面に、相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有することを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項5】
前記ブラケットに、隙間部を有する前面がさらに含まれ、前記ハンドルの前記外側垂直板が前記ブラケットの空洞の中に少なくとも部分的に配置されると、前記伸長ロッドの先端が、前記ブラケットの前記前面の隙間部を通って延在するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項6】
前記リムに隣接する前記略直立の側壁の外側に連結されたフランジに、前記ブラケットが一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項7】
前記アクチュエータの少なくとも一部が、前記細長把持部分の底部に接してまたは前記底部の中に配置されることを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項8】
前記アクチュエータの少なくとも一部が、前記細長把持部分の遠位端の位置または前記遠位端の中に配置されることを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項9】
前記ハンドルにさらにロッカー腕部と引張腕部が備えられ、
前記ロッカー腕部は前記アクチュエータに直接的に連結され、またさらに前記引張腕部に直接的に連結され、前記ロッカー腕部は旋回点の周りを回転するように構成され、
前記引張腕部は前記伸長ロッドに直接的に連結され、
前記アクチュエータは、ユーザーによって動かされると、前記ロッカー腕部の回転により、前記伸長ロッドを後方に間接的に移動させることで、前記引張腕部が前記伸長ロッドを後方に直接的に移動させるように構成されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の調理容器。
【請求項10】
前記非対称に面取りされた先端形状を有する前記伸長ロッドが、前記バネを介して前記ハンドルを上向きに付勢するように構成されていることで、前記ハンドルが前記ブラケットに自動的に係合することを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して調理容器に関し、より具体的には調理容器(深鍋や浅鍋等)から取り外し可能なハンドルに関し、また前記ハンドルを受け入れるように適合した調理容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、調理容器(深鍋や浅鍋等)には、調理容器に永続的に取付けられたハンドルが設けられている。他の従来型の調理容器には、調理容器から取り外し可能なハンドルが設けられている。しかしこの種の従来型の取り外し可能なハンドルには欠点がある場合がある。
【発明の概要】
【0003】
第1の実施形態によれば、調理容器に、容器と,ブラケットと,取り外し可能なハンドルと、が備えられる。容器には底部が設けられ、底部が、リムで終端する略直立の側壁に囲まれることにより、食料品を保持する内部空間が定められる。ブラケットは、リムに隣接する略直立の側壁の外面に連結している。ブラケットには、ブラケットの下側における下部開口部から上向きに延在する溝が設けられている。ハンドルには、細長把持部分と,細長プレートと、U字状連結部と、伸長ロッドと、アクチュエータと、バネと、が備えられる。細長把持部分には遠位端および離隔された近位端が設けられ、この遠位端と近位端がハンドルの主軸を定めている。細長プレートは細長把持部分の少なくとも一部分の中に配置されており、細長把持部分の近位端から、前方の方向で外側に向かって突出する。細長プレートは、細長プレートの下側に細長い凹状窪み部を有し、これは上記主軸と同じ方向に沿って延在する。U字状連結部は、外側垂直板と離隔された内側垂直板とを有しており、これらは何れも底部で互いに接続されている。内側垂直板は、細長プレートの近位端に連結される上端を有している。外側垂直板は、ハンドルが容器に確実に係合しているとき、ブラケットの溝内に受け入れられるようにして構成されている。伸長ロッドは、細長い凹状窪み部の中で細長プレートの下側に沿って外側方に並進するように配置されている。伸長ロッドが前に移動すると、伸長ロッドの先端が内側垂直板の隙間部を通って延在するように構成されていることで、内側垂直板と外側垂直板の間に配置されるようになっている。伸長ロッドが後方に移動すると、伸長ロッドの先端は、内側垂直板の隙間部から後退するように構成されている。伸長ロッドの先端は非対称に面取りされた形状を有しており、当該形状は伸長ロッドの中心線よりも下に位置する頂点で合流する上側テーパー縁と下側テーパー縁によって定められている。伸長ロッドの主軸において、上側テーパー縁は下側テーパー縁よりも長い。アクチュエータは、伸長ロッドに直接または間接的に連結されており、ユーザーにより手動で動かされるようにして構成されている。アクチュエータはさらに、ユーザーにより動かされると、伸長ロッドの先端を内側垂直板内の隙間部から後退させるようにして、伸長ロッドを後方に直接的または間接的に移動させるようにして構成されている。バネは伸長ロッドに連結されている。バネは伸長ロッドに力を及ぼすように構成されており、ユーザーによりアクチュエータが解除されると、伸長ロッドを前方に移動させることで、伸長ロッドの先端が内側垂直板の隙間部を通って延在し、内側垂直板と外側垂直板の間に配置されるようになっている。
【0004】
また別の実施例としては、ハンドルの外側垂直板とブラケットの溝が、対向する2以上の側面に相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有するか、隣接する3以上の側面に相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有するか、または隣接する4つの側面に相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有することを特徴とするあらゆる調理容器である。
【0005】
また別の実施例は、ブラケットに隙間部を有する前面がさらに含まれる、あらゆる調理容器である。ハンドルの外側垂直板がブラケットの空洞の中に少なくとも部分的に配置されると、伸長ロッドの先端が、ブラケットの前面の隙間部を通って延在するように構成されている。
【0006】
また別の実施例としては、リムに隣接する略直立の側壁の外側に連結されたフランジにブラケットが一体化されていることを特徴とするあらゆる調理容器である。
【0007】
また別の実施例としては、アクチュエータの少なくとも一部が、細長把持部分の底部の位置または底部の中に配置されることを特徴とするあらゆる調理容器である。
【0008】
また別の実施例としては、アクチュエータの少なくとも一部が、細長把持部分の遠位端に接してまたは遠位端の中に配置されることを特徴とするあらゆる調理容器である。
【0009】
また別の実施例としては、ハンドルにさらに、ロッカー腕部と引張腕部が備えられることを特徴とすることを特徴とするあらゆる調理容器である。ロッカー腕部はアクチュエータに直接的に連結されており、またさらに引張腕部に直接的に連結されている。ロッカー腕部は旋回点の周りを回転するように構成されている。引張腕部は伸長ロッドに直接的に連結している。アクチュエータは、ユーザーによって動かされると、ロッカー腕部の回転により伸長ロッドを後方に間接的に移動させ、これにより引張腕部が伸長ロッドを後方に直接的に移動させる。
【0010】
また別の実施例としては、ユーザーがアクチュエータを動かすことなく、ハンドルが容器から取り外されるように構成されていることを特徴とする、あらゆる調理容器である。
【0011】
第2の実施形態によれば、調理容器に、容器と、ブラケットと、取り外し可能なハンドルと、が備えられる。容器には底部が設けられ、底部が、リムで終端する略直立の側壁に囲まれることにより、食料品を保持する内部空間が定められる。ブラケットは、リムに隣接する略直立の側壁の外面に連結されている。ブラケットには垂直に相隔たる2つのロッドが設けられており、これら2つの垂直に相隔たるロッドは、ブラケットに沿って水平に延在する。これら2つのロッドは上側ロッドと下側ロッドを含むものである。ハンドルには、把持部分と、把持部分に固定されて取付けられた連結部と、ハンドルに回転自在に連結されたアクチュエータと、アクチュエータに連結されたバネと、が備えられている。連結部は、溝および窪み底部を備えている。溝は、上側ロッドに対面して配置されると、上側ロッドの少なくとも一部分を取り囲むように構成されている。窪み底部は、下側ロッドに対面して配置されると、下側ロッドの側面部分に接触するようにして構成されている。アクチュエータには、アクチュエータが前方に回転するとブラケットの上縁と係合するように構成された上部分が設けられ、上部分はさらに、アクチュエータがユーザーにより手動で後方に回転されると、ブラケットの上縁から取り外されるように構成されている。アクチュエータにはさらに一以上のフックが設けられ、前記一以上のフックは、アクチュエータが前方に回転すると、ブラケットの下側ロッドに係合するように構成されており、またアクチュエータがユーザーにより手動で後方に回転されると、ブラケットの下側ロッドから取り外されるようにさらに構成されている。バネは、ユーザーによりアクチュエータが解除されると、アクチュエータを前方に回転させるようにしてアクチュエータに力を及ぼし、これによりアクチュエータの上部分がブラケットの上縁に係合するように構成されており、またアクチュエータの一以上のフックをブラケットの下側ロッドに係合させるようにしてさらに構成されている。
【0012】
また別の実施形態は、ブラケットの対向する2つの側壁の間に、2つのロッドが水平に延在していることを特徴とするあらゆる調理容器である。また別の実施形態は、アクチュエータが、ハンドルの下側シェルまたはハンドルの連結部に、回転自在に連結されていることを特徴とするあらゆる調理容器である。また別の実施形態は、アクチュエータに係る一以上のフックが、水平方向に相隔たる2つのフックであること特徴とする、あらゆる調理容器である。また別の実施形態は、2つのロッドが何れも円筒形状を有し、連結部の溝が半円筒状の形状を有することを特徴とするあらゆる調理容器である。
【0013】
第3の実施形態によれば、調理容器に、容器と、ブラケットと、取り外し可能なハンドルと、が備えられる。容器には底部が設けられ、底部が、リムで終端する略直立の側壁に囲まれることにより、食料品を保持する内部空間が定められる。ブラケットは、リムに隣接する略直立の側壁の外面に連結されており、またブラケットの下側における下部開口部から上向きに延在する溝が、設けられている。ハンドルには、ハンドルに固定されて取付けられた連結部と、連結部に回転自在に連結されたアクチュエータと、アクチュエータに連結されたバネと、が備えられている。連結部には、ブラケットの溝内に受け入れるように構成されている外側垂直板が設けられる。アクチュエータには、アクチュエータが前方に回転するとブラケットの上縁と係合するように構成された上部分が設けられ、前記上部分はさらに、アクチュエータがユーザーにより手動で後方に回転されると、ブラケットの上縁から取り外されるように構成されている。バネはアクチュエータを前方に回転するようにしてアクチュエータに力を及ぼすように構成されており、ユーザーによりアクチュエータが解除されると、アクチュエータの上部分がブラケットの上縁に係合する。
【0014】
また別の実施形態は、連結部の外側垂直板に相隔たる2つの直立円錐部が設けられ、ブラケットの溝に相隔たる2つの円錐スロットが設けられることを特徴とするあらゆる調理容器である。また別の実施形態は、バネがハンドルに対して前方上向きに傾斜していることを特徴とするあらゆる調理容器である。
【0015】
第4の実施形態によれば、調理容器に、容器と、ブラケットと、取り外し可能なハンドルと、が備えられる。容器には底部が設けられ、底部が、リムで終端する略直立の側壁に囲まれることにより、食料品を保持する内部空間が定められる。ブラケットは、リムに隣接する略直立の側壁の外面に連結されている。ブラケットには、ブラケットの下側における下部開口部から上向きに延在する溝が、設けられている。ハンドルには、把持部分と、把持部分に連結されたU字状連結部と、ロッドと、アクチュエータと、バネと、が備えられている。U字状連結部には外側垂直板および離隔された内側垂直板が設けられ、何れも底部で互いが連結されている。外側垂直板はブラケットの溝内に受け入れられるように構成されており、内側垂直板には隙間部が設けられる。ロッドはハンドルに沿って外側方に並進するように構成されている。伸長ロッドが前に移動すると、伸長ロッドの先端が内側垂直板の隙間部を通って延在するようにして構成されており、これにより当該先端が内側垂直板と外側垂直板の間に配置される。伸長ロッドが後方に移動すると、伸長ロッドの先端が内側垂直板の隙間部から後退するようにして構成されている。ロッドには、ロッドから垂直に突出する2つの停止部が設けられる。アクチュエータは隙間部を備え、この隙間部にロッドを延在させることによって、アクチュエータの後方部分が、ロッド2つの停止部の前方部分に接触するようになっている。アクチュエータはユーザーが手動で動かせるように構成されており、またユーザーにより動かされるとロッドを後方に移動させるようにさらに構成され、これによりロッドの先端を内側垂直板の隙間部から後退させるようになっている。バネは隙間部を備え、この隙間部にロッドを延在させることによって、バネの前方部分が、ロッドの2つの停止部の後方部分に接触するようになっている。バネはロッドを前方に移動させるようにしてロッドに力を及ぼすように構成されており、ユーザーによりアクチュエータが解除されると、ロッドの先端が内側垂直板の隙間部の中に延在することで、当該先端が内側垂直板と外側垂直板の間に配置されるようになっている。
【0016】
第5の実施形態において調理容器には、底部を有する容器であって、前記底部が、リムで終端する略直立の側壁に囲まれることにより、流体を保持するための内部空間が定められる容器と、前記リムに近接する前記略直立の側壁の外面に連結しているブラケットであって、ハンドルの取り外し可能な部分を受け入れるための、前記ブラケットの下側における下部開口部から上向きに延在する溝が設けられている、ブラケットと、が備えられ、前記ハンドルは前記ブラケットから取り外し可能に構成されており、前記ハンドルには、遠位端および離隔された近位端を有する細長把持部分であって、前記遠位端と前記近位端が前記ハンドルの主軸を定めている細長把持部分と、前記細長把持部分の中に配置され、前記細長把持部分の近位端と遠位端の間の位置から、前記把持部分の近位端を越えて配置される近位端まで、延在する細長プレートであって、前記細長プレートは下側に細長い凹状窪み部を有し、前記主軸と同じ方向に沿って延在する、細長プレートと、底部で互いが側方部分により接続されている外側垂直板と離隔された内側垂直板とを有するU字状連結部であって、前記内側垂直板は上端を有しており、前記上端が前記細長プレートの前記近位端に連結し、前記外側垂直板は、前記ハンドルが前記調理容器に確実に係合しているとき、前記ブラケットの前記溝内に受け入れられるように構成されている、U字状連結部と、前記細長プレートの下側で前記細長プレートに沿って外側方に並進するように配置された伸長ロッドであって、前記伸長ロッドの近位端は、内側垂直板の貫通部を通過することによって、前記内側垂直板と前記外側垂直板との間から取り外し可能に配置されており、前記伸長ロッドの近位端は、前記伸長ロッドの中心線よりも下に位置する頂点で合流する上側テーパー縁と下側テーパー縁によって定められた、非対称に面取りされた形状を有しており、前記伸長ロッドの主軸において、前記上側テーパー縁は前記下側テーパー縁よりも長い、伸長ロッドと、前記伸長ロッドに連結され、前記把持部分の下側を越えて延在する下側部分を有するアクチュエータであって、前記伸長ロッドの近位端を前記内側垂直板の貫通部から引き抜く第1の位置で係合させるように構成されているアクチュエータと、前記伸長ロッドに連結されたバネであって、アクチュエータが解除されると、前記内側垂直板の前記貫通部から前記伸長ロッドの非対称な面取り部分を付勢するように動作するバネと、が備えられている。
【0017】
また別の実施形態は、前記ブラケットの前記外側垂直板と前記溝が、対向する2以上の側面に、相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有することを特徴とするあらゆる調理容器である。また別の実施形態は、前記ブラケットの前記外側垂直板と前記溝が、隣接する3以上の側面に、相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有することを特徴とするあらゆる調理容器である。また別の実施形態は、前記ブラケットの溝における前記外側垂直板が、隣接する4つの側面に、相補的な内向きかつ上向きのテーパー部を有することを特徴とするあらゆる調理容器である。また別の実施形態は、前記ハンドルの下側から上方に前記細長プレート内の貫通部を通って延在し、前記ハンドルの上部分の内部における相補的にねじ切りされた空洞の中に受け入れられる2以上のネジを用いて、前記ハンドルの前記 把持部分の中に細長プレートが固定されることを特徴とする。
【0018】
第6の実施形態において調理容器には、底部を有する容器であって、前記底部が、リムで終端する略直立の側壁に囲まれることにより、流体を保持するための内部空間が定められる容器と、前記リムに近接する略直立の側壁の外面に連結しているブラケットであって、ハンドルの取り外し可能な部分を受け入れるための、前記ブラケットの下側における下部開口部から上向きに延在する溝が設けられている、ブラケットと、が備えられ、前記ハンドルは前記ブラケットから取り外し可能に構成されており、前記ハンドルには、遠位端および離隔された近位端を有する細長把持部分であって、前記遠位端と前記近位端が前記ハンドルの主軸を定めている細長把持部分と、前記ブラケットの溝に進入するように構成された、前記細長把持部分の近位端に設けられた連結部と、ハンドルの少なくとも一部分の中で外側方に並進するように配置され、少なくとも2つの小平面が設けられた傾斜先端を有する、伸長ロッドと、前記伸長ロッドに連結され、前記連結部が前記溝に進入すると、前記ブラケットの隙間部に前記傾斜先端が進入するように付勢するように動作する、バネと、前記伸長ロッドに連結され、前記ハンドルの一部分から外側に延在するアクチュエータであって、前記ブラケット内の隙間部から前記先端を引き抜くように前記伸長ロッドを外側方に並進させるように構成された、アクチュエータと、が備えられている。
【0019】
また別の実施形態は、前記連結部が前記溝に挿入されて、前記先端の上側の面取り部および前記ロッドのうち一方の上部分が前記ブラケットを最初に迎えるときに、前記傾斜先端が伸長ロッドを後方に付勢することで、前記バネにエネルギーを蓄えるように構成されていることを特徴とするあらゆる調理容器である。また別の実施形態は、前記先端の下側の面取り部が、前記隙間部の下縁に接するくさび部として作用するように配置され、前記バネに残留しているエネルギーにより、前記連結部が、前記溝の中に向かってさらに上向きに付勢される、ことを特徴とするあらゆる調理容器である。
【0020】
第7の実施形態は、取り外し可能なハンドルを受け入れるために、外面側壁にブラケットが設けられて構成されている調理器具である。ブラケットには下側の 開口部から延在する内部溝が設けられ、これは前記U字状連結部の腕部または板部分を受け入れている。U字状連結部は前記ハンドルの把持部分の中に延在する細長プレートの末端に設けられている。細長プレートの下側には凹状窪み部が設けられ、これにより伸長ロッドが細長プレートに沿って並進するための摺動面が提供されることで、面取りされた先端が前記U字状連結部の貫通部を通って延在して、前記ブラケット内での連結が確実となる。前記ブラケットの内部溝とその内部に受け入れられているU字状連結部の一部分には、相補的な内向きかつ上向きのテーパー部が設けられており、面取りされた端部を付勢して、ブラケットを越えてU字状連結部を形成する対向する腕部の間に延在させるようなバネによって、これらが付勢されて確実に接触するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示、ならびに本開示の特徴および利点の1つまたは複数の例をより完全に理解するため、添付の図面と併せて、以下の説明を参照されたい。
【0022】
【
図1A】
図1Aは例示的な調理容器に取り付けられた例示的なハンドルの側面図であって、調理用容器は断面図で部分的に示されている。
【0023】
【
図1B】
図1Bは、
図1Aに係る調理容器の例示的なフランジとブラケットならびにハンドルの上平面図である。
【0024】
【
図1D】一方で
図1Dはハンドルおよびブラケットの対称中心からみた直交断面図である。
【0025】
図2Aは調理容器のフランジにブラケットを介して取付けられたハンドルの斜視図である。
【0026】
図2Bは調理容器の下の内側の位置に対応する別の斜視図であって、フランジと一体化されたブラケットの位置を表している。
【0027】
【
図2C】
図2Cは、ブラケットに係合し、フランジおよびそのブラケットの一部分を介して、ハンドルを調理容器に固定させる、ハンドルの一部分の斜視図である。
【0028】
【0029】
【
図3B】
図3Bは
図3Aの拡大側面図であって、伸長ロッドの先端の好ましい形状の例を表している。
【0030】
【0031】
【
図3D】
図3Dは、
図3Aにおける破線の境界線により定められた楕円領域内におけるハンドルの一部の拡大図であって、別の位置にあるアクチュエータを示している。
【0032】
【
図4A】
図4Aは、ブラケットとハンドルを緊密に係合させるように構成された、調理用ハンドルの伸長ロッドの代替的な面取りされた部分の拡大横断立面図である。
【0033】
【
図4B】
図4Bは、
図4Aにおける伸長ロッドの正面図であって、上記横断図に対して直交している。
【0034】
【
図4C】
図4Cは、ブラケットとハンドルを緊密に係合させるように構成された、ハンドルのロッドの別の代替的な面取りされた部分の拡大横断立面図である。
【0035】
【
図4D】
図4Dは、
図4Cにおける伸長ロッドの正面図であって、上記横断図に対して直交している。
【0036】
【
図5A】
図5Aは、他の例示的な取り外し可能な調理用ハンドルに係合した他の例示的な調理容器の側面横断立面図である。
【0037】
【0038】
【0039】
【
図6】
図6A~
図6Bには、調理用ハンドルを、調理容器の側壁にあるブラケットから取り外した後に、再び取り付けるための工程に係る例示的な手順が、横断立面斜視図で図示されている。
【
図7】
図7A~
図7Bには、調理用ハンドルを、調理容器の側壁にあるブラケットから取り外した後に、再び取り付けるための工程に係る例示的な手順が、横断立面斜視図で図示されている。
【
図8】
図8A~
図8Bには、調理用ハンドルを、調理容器の側壁にあるブラケットから取り外した後に、再び取り付けるための工程に係る例示的な手順が、横断立面斜視図で図示されている。
【0040】
【
図9】
図9A~
図9Cは、容器に着脱することのできるハンドルの別の実施例を表す。
【0041】
【
図10】
図10A~10Bは、容器に着脱することのできるハンドルのさらなる実施例を表している。
【0042】
【
図11】
図11A~11Eは、容器に着脱することのできるハンドルのさらなる実施例を表しており、また容器にハンドルを着脱するために使用することのできるブラケットの別の実施例を表している。
【0043】
【
図12】
図12A~
図12Jは、容器に着脱可能なハンドルの別の実施例を表しており、また容器にハンドルを着脱するために使用することのできるブラケットの別の実施例を表している。
【発明の詳細な説明】
【0044】
本開示に係る実施形態は、図面の
図1A~12Jを参照することにより最も良く理解され、各種図面における同様の或いは対応する部材には同じ符号が付される。
【0045】
上記の通り、調理容器(深鍋または浅鍋など)には、調理容器に永続的に取り付けられたハンドルが設けられている。他の通常の調理容器には、調理容器から取り外し可能なハンドルが備えられている。しかしこのような通常の取り外し可能なハンドルには欠点がある場合がある。例えば、このような従来型の取り外し可能なハンドルでは、相当程度の機械的な複雑さを必要とし、また取り外し可能なハンドルに係合させるための特別な構造が調理容器に必要となる。この特別な構造は、取り外し可能なハンドルの内部固定部に係合するように設計されたロック可能な篏合機能を有する、外側に延在するフランジとすることができる。また別の実施例として、従来型の取り外し可能なハンドルの、問題のある欠点としては、調理容器側の受け取り部材との緊密な係合が欠如している点がある。これによりいわゆるハンドルに「あそび」が生じ、ハンドルは、調理容器に対応するずれがなくとも、様々な方向にある程度動く可能性がある。これはハンドルが調理容器に確実に接続されているか否かについて不確実性を生じさせるため、ユーザーに不快であり気が散るものである。また「あそび」は初期動作の欠如を生じさせる可能性があり、このためにユーザーが余計な力を加える可能性があるため、ユーザーが調理容器を急に動かすと食材がこぼれる虞もある。しかしながら、僅かな遅延時間の後に、容器に所望とされる以上の加速度が生じる可能性がある。ユーザーが動いているハンドルを停止させたときの最終的な減速により、まだ動いている調理容器の内容物が縁から溢れ、こぼれる可能性がある。これに対して
図1A~
図12Jはこれらの欠点のうち一以上を解決することができる。
【0046】
図1A~8Bは調理容器1000の一実施例を表している。
図1Aに図示の通り、調理容器1000には調理または加熱される一以上の食料品(固形食品、液体、流体、等)を受け入れて保持するための容器100が設けられている。容器100には底部101と、底部101の周囲に接続されている側壁102とが備えられている。側壁102はリム104まで上向きに延在し、(一以上の)食料品を保持するための内部空間を定めている。容器100はあらゆる形状および/またはサイズを有することができる。また側壁102は鉛直上向きに(すなわち底部101に対して90度で)延在することができ、上向きに傾斜(例えば底部101に対して70度)することができ、および/または、曲線状とすることができる。鉛直上向きに延在する側壁102を有する容器100の実施例は、
図5A~5Cに図示されている。
【0047】
調理容器1000にはさらに、容器100から着脱可能なハンドル200が備えられる。このようにハンドル200が取り外し可能なことによりハンドル200を取り外すことが可能となり、(側部からハンドルが突出しないことにより)調理容器1000をコンパクト収納または移動させることができるようになっている。さらにハンドル200が取り外し可能なことにより2以上の調理容器1000のセットをコンパクトな収納のために一緒に入れ子状にすることができる。ハンドル200はあらゆる形状および/またはサイズを有することができる。例えば、ハンドル200は直線状または曲線状とすることができ、また容器100の底部101の鉛直基準面に対してあらゆる角度で配置することができる。
【0048】
ハンドル200の着脱を容易にするため、調理容器1000はブラケット120を備えており、ブラケット120は側壁102上のリム104より下の位置に位置決めされている。側壁102が傾斜している場合、ブラケット120は収納と収容に必要とされる幅が大きくならないように、リム104より十分下に配置することができる。別の実施例では、ブラケット120はリム104の外周を超えて(例えば外周より上に)横方向に延在することができる。ブラケット120は、容器100の側壁102に接続された(例えば直接的に接続された)フランジ115(
図1Bに図示)の外側と一体化されるかまたは配置され、例えばボルト、溶接、リベット、および/または、他のコネクタが用いられる。ハンドル200はブラケット120からの着脱が可能である。ブラケット120の実施例に関するさらなる詳細を以下に記載する。
【0049】
ハンドル200の着脱をさらに支援するため、ハンドル200はU字状連結部210(
図2Cに図示)を有することができ、U字状連結部210はその遠位端で細長プレート220に接続する。遠位端とは容器100からより離れる側の(例えば先端側の)端部のことを指し(例えば図中、右側に位置する端部のことである)、また近位端とは容器100により近い側の(例えば基端側の)端部のことを指す(例えば図中、左側に位置する端部のことである)。細長プレート220はしたがってハンドル200の把持部分230に向かって延在する。U字状連結部210の少なくとも一部は、ブラケット120に容易に係合または離脱するように構成される。実施例によっては、連結部210は厳密にはU字形状に限定されない。このような一以上の実施例において、(ブラケット120の空洞120cに進入する)外側鉛直面214は、ハンドル200の把持部230に対して様々な形状を有することができる。
【0050】
幾つかの実施例では、U字状連結部210(あるいは他の実施例ではその機能的な均等物)が、ハンドル200のアクチュエータ260によりブラケット120内で確実に係合するように構成されている。この構造によって、従来型のシステムにおける不所望な「あそび」に結びつくような部品間の潜在的な間隙を排除することができる。
【0051】
さらに調理容器1000は、調理容器100のブラケット120に取り付けるためのより簡便で信頼できる手段を提供することができる。例えば操作中において、調理器具100のユーザーは容器100からハンドル200を取り外すためにアクチュエータ260を使用するのみで、取り外されたハンドル200を容器100に取り付けるためにはアクチュエータ260を使用しないようにすることができる。これに対して、従来型の取り外し可能なハンドルでは、ユーザーが手動でアクチュエータ260を篏合させてハンドルを調理容器に取り付けることが必要とされている。例えばこれら従来型の取り外し可能なハンドルはより複雑なものであって、この取り外し可能なハンドルを再取り付けするためにユーザーが複数の機能を同時に実行することが必要とされている。
【0052】
また別の実施例として、
図1A~
図8Bの調理容器1000は、ユーザーが(従来型のハンドルとは対照的に)ハンドル200を再取り付けすることをさらに支援することができる。例えば、ハンドル200の再取り付けをユーザーが完全に完了させる必要はない。この実施例として、調理容器1000はハンドル200のロッドを前方に付勢し、またハンドル200がブラケット120の中に完全に入ってラッチ状態で篏合するように付勢するバネ駆動作動機構を含むことができる。これにより幾つかの実施例において、完全に再取り付けされたハンドル200が得られる。さらにハンドル200を取り外すためには、ユーザーは単にアクチュエータ260を掛け、容器100からハンドル200を引き離すことで、ハンドル200をラッチ状態から外すことができる。
【0053】
上記の通り、調理容器1000には、容器100の側壁102に位置決めされたブラケット120が設けられている。
図1C~1Dに図示の実施例において、ブラケット120に空洞120c(
図1Cに図示)が含まれる。空洞120cは下部開口部120oを有し、下部開口部120oは、側壁102に最も近いブラケット120の後部(例えば
図1Dの左側)から前方に、ブラケット120の略垂直な前面121の底部まで略延在することができる。前面121には、下部開口部120oよりも上の位置に位置決めされた隙間部122が含まれる。隙間部122はブラケット120の前面121を、前面121の下縁1211から延在する下部分121lsと、隙間部122よりも上に位置決めされた上部分121usとに、実質的に分割している。動作中、ハンドル200がブラケット120に取り付けられると、隙間部122はハンドル200の伸長ロッド240を受け入れて支持する(以下に説明する)。
【0054】
空洞120cを取り囲むブラケット120の隣接面は、対向して向かい合う側壁123、124(
図1Cに図示)により定められ、何れも間に配置されたブラケット120の前面121により互いに分離されている。ブラケット120の3つの面と側壁121,123、124の全ては、好ましくは開口部120oから内向きに傾斜しており、ハンドル200の一以上の相補部分を受け入れるくさび状の空洞120cが設けられるようになっている。例えば、U字状連結部210(
図2Cに図示)の一部は、ハンドル200がブラケット120に取り付けられたとき、空洞120cに進入するように、形成および/またはサイズ決め(あるいは他の方法で構成)されている。空洞120cの内部側壁は、曲線状、板状、または複数の曲線形状からなるあらゆる組み合わせ、とすることができる。
【0055】
図2Cに図示の実施例において、U字状連結部210には、外側垂直板214と内側垂直板211が設けられ、これらが下部で互いに連結されることにより、U字状連結部210のU字形状が定められている。この連結により横側に「C」字形状が形成され、図示の通り、U字状連結部210に溝が定められる。U字状連結部210の外側垂直板214は、ハンドル200が容器100に取り付けられたとき、ブラケット120の空洞120cの中に完全に受け入れられるように、形成および/またはサイズ決めすることができる。幾つかの実施例において、U字状連結部210の外側垂直板214は、好ましくはくさび状の形状を有しており、例えばブラケット120cの空洞120cのくさび状形状と同じ形状を有している。
【0056】
図3A~3Dに図示の実施例において、ハンドル200には、ハンドル200を容器100に着脱することを補助することのできるアクチュエータ260と、バネ250と、伸長ロッド240と、が備えられる。
【0057】
伸長ロッド240とはハンドル200に対し前後に動かすことのできる可動な構造体のことを指し、伸長ロッド240の傾斜先端240tをブラケット120の隙間部122の中に伸ばし、(また隙間部122の外に出して後退させる)ことができるようになっている。伸長ロッド240は、隙間部122の中に延びると、ハンドル200を容器100に固定することを支援することができる。さらに伸長ロッド240が隙間部122の外に出て後退すると、(例えばハンドル200を下向きに引くことによって)ハンドル200を容器100から取り外すことができる。伸長ロッド24が(隙間部122の中に延在するようにして)前に移動すると、傾斜先端240tは、U字状連結部210(
図2Cに図示)内の隙間部212から出て延在することができる。伸長ロッド240が(隙間部122から出て後退するようにして)後方に移動すると、傾斜先端240tはU字状連結部210内の隙間部212の中に、再び後退させることができる。
【0058】
伸長ロッド240は、ハンドル200の細長プレート220の下側表面221における凹状窪み部222に沿って並進するように配置することができ、
図3Cに図示の通りである(細長プレート220と伸長ロッド240が、ハンドル200の各部品の長手主軸に対して垂直な断面図で図示されている。)細長プレート220の一部を、把持部230の上側シェル231と下側シェル232の間に把持することができる。ネジで上側シェル231と下側シェル232を共に固定することができる。下側シェル232は伸長ロッド240を凹状窪み部222に向かって付勢することができ、これにより伸長ロッド240を凹状窪み部222に接触させ続けることができる。
【0059】
幾つかの実施例において、伸長ロッド240の傾斜先端240tは好ましくは3つの小平面で構成される。これら3つの小平面の例は、上側小平面241,中間小平面242,下側小平面243として
図4Aおよび
図4Bに図示されている。上側小平面241は伸長ロッド240の上面からその中心線を超えて延在しており、伸長ロッド240の上面に対して角度αで配置されている。角度αは、幾つかの実施例において、約(即ち,+/-5度で)20度から約60度までの範囲,好ましくは約25度から約55度までの範囲、より好ましくは約40度から約50度までの範囲にある。中間小平面242は上側小平面241との境界から伸長ロッド240の下側表面の近傍まで延在し、下側小平面243と同一平面にある底面に対して定められる角度βで配置されている。角度βは、幾つかの実施例において、約10度から約40度までの範囲、好ましくは約15度から約35度までの範囲、より好ましくは約18度から約30度までの範囲にある。下側小平面243は伸長ロッド240の下側表面に対して角度γで配置されており、角度γは、幾つかの実施例において、約0度から約15度までの範囲,好ましくは約1度から約10度までの範囲、より好ましくは約1度から約5度までの範囲である。これら小平面241,242,243は好ましくは、
図4Bに図示の通り、2つの平行な直線縁を定め、これらはブラケット120の底部と略平行に配置される。
【0060】
幾つかの実施例において、伸長ロッド240は
図4Cに図示の通り、容器100の底部101の水平面に対して鋭角θで傾斜させることができる。このような場合、角度θは約5度から約25度までにあって、角度α,角度β,角度γは最も好ましくは、それぞれ約45度、約20度、約3度である。先端240t付近の伸長ロッド240の上部分は、ブラケット120の下縁1211を迎えると、上側小平面241として機能することができる。幾つかの実施例において、傾斜先端240tは好ましくは最適な角度で配置された3つの小平面を備えている。傾斜先端240tはまた下側小平面241と中間小平面242との間に鈍角の角度ωを有することができる。
【0061】
幾つかの実施例において、傾斜先端240tの小平面241,242,243の傾斜によって、隙間部212および/または隙間部122に許容差の変化が可能となる。さらに、幾つかの実施例において、ブラケット120の相補的な空洞120c内における外側垂直板214の接触を完了させるようにバネ250が(伸長ロッド240を介して)作用するため、伸長ロッド240をブラケット120の隙間部122に案内するために凹状窪み部222を使用することによって、潜在的な「あそび」をなくすことを支援することも可能である。(小平面241,242、243により定めることのできる)傾斜先端240tの形状に関する機能および利点の他の実施例を、
図7A~8Bを参照して以下に説明する。
【0062】
伸長ロッド240は円形の断面積を有するものとして図示されているが、正方形、楕円、長方形、もしくは傾斜先端240tを隙間部122に挿入させることのできる他の形状(例えば溝の形状)、または上記いずれかの組み合わせなど、別の形状を有することができる。幾つかの実施例において、円形状でない伸長ロッド240に係る別の形状は、2以上の小平面が好ましい角度範囲で表され、容器100に対するハンドル200の確実で「あそび」のない結合を提供することを妨げない。さらに伸長ロッド240は、くさび状の部分をブラケット120に付勢する他の形状、例えば溝形状を有することができる。また、伸長ロッド240は直線状または曲線状とすることができる。
【0063】
幾つかの実施例において、伸長ロッド240の前側の小平面(またはブラケット120の面121に係合するハンドル200の他のあらゆる部分)は、好ましくはブラケット120の面121の外形に対して相補的なテーパー形状を有する。幾つかの実施例において、ブラケット120の外面と内面は、U字状連結部210(あるいはハンドル200の他の同様のあらゆる連結構造体)の2以上の間隔の空いた面の異なるセットに完全に篏合するような相補的な内向きまたは外向きのテーパー部を有することができる。
【0064】
上記の通り、ハンドル200にはさらにバネ250とアクチュエータ260とが備えられる。バネ250とは伸長ロッド240に弾性的に力を加える構造体または装置のことを指す。バネ250は伸長ロッド240の遠位端に力を加えることができ、これにより傾斜先端240tがブラケット120に向かって延在する。これにより傾斜先端240tがブラケット120内の隙間部122の中に延びると、伸長ロッド240を(少なくとも一時的に)所定位置に固定することができる。バネ250は伸長ロッド240に力を加えるものとして図示されているが、別の実施例では、伸長ロッド240ではなくアクチュエータ260に直接力を加えることができる。
【0065】
アクチュエータ260とは伸長ロッド240に対抗力を及ぼすことができる構造体または装置のことを指し、傾斜先端240tを一時的にブラケット120の隙間部122から出して後退させるようになっている。アクチュエータ260は、作動すると(或いは使用されると)、伸長ロッド240に力を及ぼすことができ、これにより伸長ロッド240がバネ250の力に逆らって押し戻される、これによりバネ250を圧縮することができ、傾斜先端240tがブラケット120内の隙間部122の外に後退する。アクチュエータ260は、作動が停止すると(または解除、あるいは使用されていないとき)、伸長ロッド240に力を及ぼさなくなり、バネ250が再び傾斜先端240tをブラケット120に向かって移動させる(或いは傾斜先端240tがハンドル200の把持部230から遠ざかるように延在する)。
【0066】
アクチュエータ260は伸長ロッド240に対抗力を及ぼすことのできるようなあらゆるサイズ、形状、および/または、位置決め、を有することができる。
図2Bおよび
図3Aに図示の実施例において、アクチュエータ260はボタン状の形状を有しており、把持部230の底部に位置決めされている。
図5A~5Cに図示の実施例では、アクチュエータ260は下向きに延在するトリガーのような形状をしており、これはまた把持部230の底部に位置決めされる。別の実施例では、アクチュエータ260はまた、任意選択的に把持部230の上部または側面に位置決めすることができる。幾つかの実施例において、アクチュエータ260は、後方停止部262を下側シェル232の一部分の上に被せて上向きに延在させるように屈曲することのできる部分261を有することができ、このような実施例は
図3Dに図示されている。このような可撓性によって当該部分261を下側シェル232内の空洞に上向きに移動させることができ、アクチュエータ260をさらに後方に移動させることができるようになっている。
図3Dにさらに図示されている通り、アクチュエータ260にはさらに、伸長ロッド240に(2つの篏合部材を介して)接続された上部分260uが備えられており、アクチュエータ260が伸長ロッド240に対抗力を及ぼすことができるようになっている。
【0067】
図6A~6Bは容器100からハンドル200を取り外すための例示的な工程が図示されている。
図6Aはハンドル200を解除するために使用されるアクチュエータ260の動きを概略的に表しており、
図6Bに図示される通り、把持部分230の下向きの動作により、容器100からこれを取り外せるようになっている。
【0068】
図6Aに図示されるように、アクチュエータ260はユーザーにより後方(矢印501の方向)に移動される。この動作により伸長ロッド240の先端240tがブラケット120内の隙間部122から取り外される。その後、
図6Bに図示の通り、ユーザーは矢印502の方向にハンドル200を下げることができ、これによりU字状連結部210がブラケット120から取り外されるようになっている。これによりハンドル200が容器100から分離する。
【0069】
図7A~
図8Bは容器100へのハンドル200の取付けのための例示的な工程を表している。
図7Aには、容器100のブラケット120に、ハンドル200の一部を挿入することにより、ハンドル200を再取り付けするために位置決めされているハンドル200が概略的に示されている。
図7Bにはハンドル200がまずブラケット120に係合する事と、ハンドル200が持ち上げられるときの伸長ロッド240の動作が示されている。
図8Aは伸長ロッド240がブラケット120内の隙間部122に進入を開始したときにハンドル200がブラケット120に篏合するその後の経過を示している。
図8Bは、ブラケット120に完全に篏合する前のハンドル部材の位置を表している。
【0070】
図7A~7Bに図示される通り、ユーザーはハンドル200の外側垂直板214をブラケット120の下に配置させ、より具体的にはブラケット120の開口部120oの下に配置させる。その後ユーザーはハンドル200に上向き(矢印502の方向)の動作を実行することができ、外側垂直板214(或いはハンドル200の別の均等物の構造体)がブラケット120内の空洞120cに挿入されるようになっている。
【0071】
外側垂直板214が空洞120cの中に挿入されると、伸長ロッド240の傾斜先端240tを、ブラケット120の下縁1211と底縁1212が、この順番で迎え(或いは接触し)、その後、伸長ロッド240がブラケット120内の隙間部122の中に完全に進入する。これは
図7Aと
図7Bに認められる。
【0072】
ユーザーがハンドル200を持ち上げると、
図7Bに認められる通り、上側小平面241がブラケット120の下縁1211を迎える。小平面241の角度によって、上向きの力の一部を伸長ロッド240に対して横向に変位させることができ、これにより伸長ロッド240がバネ250に対抗して(これを圧縮して)後方に移動する。その後、ハンドル200がさらに持ち上げられると、中間小平面242が底縁1212を迎え、これによって圧縮されたバネ250が、伸長ロッド240を、ブラケット120の方に前向きに進ませることを可能にする。これは
図8Aに図示されている。伸長ロッド240のこの前向きの動きによって、下側小平面243がその後、底縁1212を迎えると同時に、ハンドル200を上向きに付勢させることができる。例えば、外側垂直板214が空洞120cの中に完全に入る前に、ユーザーによりハンドル200が途中で解除された場合、(下側小平面243により生じた)上向きの動作が、ハンドル200を上向きに押し続けることによって、外側垂直板214がブラケット120の空洞120cの中に完全に進入する事が可能となる。これによりハンドル200が容器100に取付けられ、
図8Bに認められる通りとなる。これはまた幾つかの実施例において、ブラケット120に対するハンドル200の結合部または連結部における潜在的な「あそび」を取り除くことができる。さらにハンドル200の取付けは、ユーザーによるアクチュエータ260の作動を必要としない。
【0073】
幾つかの実施例において、バネ250の機能は、ただ単に傾斜先端240tをブラケット120の隙間部122に付勢させるだけでなく、傾斜先端240tを隙間部122の下縁1212に作用させることによって、外側垂直板214(またはその均等物)を空洞120cの中に上向きで完全に付勢させることにある(容器100とその内容物の重量が対抗力を及ぼしている)。これにより、ユーザーがハンドル200を上向きに動かしていなくても、容器100にハンドル200を完全に取り付けることができる。幾つかの実施例において、小平面241と小平面242の境界線をロッド240の中央線よりも下に設置することによって、伸長ロッド240がバネ250を介して作用を開始し、ユーザーがハンドルの把持部分230を解除した場合であってもハンドル200を上向きに付勢するため、ハンドル200はブラケット120に自動的に係合するようになっている。ユーザーは、ハンドル200を容器100に係合させるためにアクチュエータ260を使用する(または使用することを覚えておく)必要はない。
【0074】
図9A~
図9Cは容器100に着脱することのできるハンドル200の別の実施例を表す。
図9A~
図9Cに図示の実施例では、アクチュエータ260は、ハンドル200の把持部230の遠位端に位置決めされた、横向きに押圧可能なノブ(または他の押圧可能な構造体)である。ユーザーにより押圧されていないとき、アクチュエータ260はハンドル200の把持部230の遠位端から外に延在させることができる。場合によっては、ユーザーに押圧されると、アクチュエータ260は、ハンドル200の把持部230の遠位端にある空洞の中に横向きに移動することができる。
【0075】
図示の実施例において、ハンドル200にはさらに、ロッカー腕部280と,引張腕部270と,伸長ロッド240とが備えられる。アクチュエータ260はロッカー腕部280に連結されている。ロッカー腕部280は引張腕部270に連結されている。引張腕部270は伸長ロッド240に連結されている。操作例において、ユーザーがアクチュエータ260を押圧すると(例えば、
図9A~
図9Cの左側に向かってアクチュエータ260を押圧すると)、ロッカー腕部280は旋回点を中心に(例えば、
図9A~
図9Cでは時計回りに)回転する。これは引張腕部270を後方に(例えば、
図9A~
図9Cの右側に向かって)引張し、またこれにより伸長ロッド240が後方に(例えば、
図9A~
図9Cの右側に向かって)引張される。上で説明した通り、この動作によってブラケット120の隙間部122から傾斜先端240tを引き抜くことができる(これはまたバネ250を圧縮することができる)。その後容器100に対してハンドル200を下向きに動かすことで、U字状連結部210の外側垂直板214をブラケット120の空洞120cから取り外すことにより、ハンドル200をブラケット120から取り外すことができる。
【0076】
バネ250は、ロッド240の右上に配置された空洞に固定されるようにして図示されているが、バネ250は異なる位置に配置させることができる。さらに、幾つかの実施例において、バネ250は、ロッカー腕部280において、ねじりバネに置き換えることができる。
【0077】
図10A~10Bは、容器100に着脱することのできるハンドル200のさらなる実施例を表している。
図10Aはハンドル200の分解図であって、また
図10Bはハンドル200の対称軸に沿う半断面斜視図である。容器100、フランジ115、ブラケット120は、
図10A~
図10Bに図示されていない。
【0078】
幾つかの実施例において、ハンドル200は好ましくは、調理器用の短いハンドルまたは補助ハンドルである。短いハンドルの提供を支援するため、(上記の伸長ロッド200と比較して)ロッド240は短くすることができる。短いハンドルの提供をさらに支援するため、バネ250は(
図1A~
図9Cのバネ250の実施例として上で説明したような線形ばねではなく)、リーフスプリング、板ばね、またはプレートスプリングとすることができる。
図10A~10Bに図示の実施例では、バネ250はV字状に折り込まれ平坦な中心部を有する板バネである。
【0079】
さらに、アクチュエータ260は、ハンドル200の把持部230の近位端に隣接する位置における把持部230の上部に位置決めすることができる。アクチュエータ260は、ハンドル200内に含まれるスロットまたはトラック内で(ユーザーにより)直線状に動かすことができる。
【0080】
ハンドル200のロッド240はまた、ロッド240から垂直に突出する一以上の停止部245(例えば2つの停止部245a,245b)を含むことができる。バネ250は停止部245の先端部分(即ち、
図10A~
図10Bにおいて停止部245の右側部分)に力を及ぼすことができ、これによりロッド240が前に(
図10A~
図10Bにおいて左側に)付勢されるようになっている。これを支援するため、バネ250は隙間部を含むことができ、図示の通り、この隙間部からロッド240を挿入させることができる。これによってバネ250の前端を、停止部245の先端に、直接押圧させることができる。さらに、アクチュエータ260は、停止部245の近位部分(
図10A~
図10Bにおいて停止部245の左側部分)に対抗力を及ぼすことができ、これによりロッド240が後方(
図10A~
図10Bの右側)に付勢されるようになっている。これを支援するため、アクチュエータ260はまた隙間部を備えることができ、図示の通り、この隙間部からロッド240を挿入することができる。これによってアクチュエータ260の後ろ側を、停止部245の近位部分に、直接押圧させることができる。
【0081】
操作例として、
図10A~
図10Bに含まれる矢印で表されている通り、ユーザーはアクチュエータ260をトラック内で後方に押圧することができる。これによりアクチュエータ260に停止部245の近位部分に力を及ぼさせることが可能となり、これによりロッド240を後方(
図10A~
図10Bの右側)に動かすことができる。上に説明した通り、この動きによって傾斜先端240tをブラケット120の隙間部122から引き抜くことができる(これでバネを圧縮することもできる)。その後、ハンドル200を容器100に対して下向きに動かすことによって、U字状連結部210の外側垂直板214が、ブラケット120の空洞120cから取り外されて、ハンドルをブラケット120から取り外すことができる。ユーザーがアクチュエータ260の押圧を停止すると、圧縮されたバネ250が、ロッド240を前向き(
図10A~
図10Bの左側)に再び移動させることができる。
【0082】
図11A~11Eは容器100に着脱することのできるハンドル200のさらなる実施例を表しており、また容器100にハンドル200を着脱するために使用することのできるブラケット120の別の実施例を表している。
図11Aはブラケット120に取付けられたハンドル200の半透明斜視図である(容器は図示せず)。
図11Bはハンドル200の連結部210の斜視図である。
図11Cはブラケット120に取り付けられたハンドル200の垂直断面図である。
図11D~
図11Eは、容器100のブラケット120にハンドル200を取り付ける各工程に係る例示的な手順を示す垂直断面図である。
【0083】
図11A~
図11Eに図示の実施例では、ハンドル200に伸長ロッド240は含まれない。代わりにハンドル200のアクチュエータ260は、ブラケット120の一部分に係合する(例えば、留められる、または締め付け固定される)ことができる。幾つかの実施例において、これによりハンドル200を容器100に固定することを支援することができる。
【0084】
図11A~
図11Eに図示される通り、ハンドル200には、連結部210と、バネ250と、アクチュエータ260とが備えられる。連結部210はブラケットに容易に係合しまたブラケット120から容易に取り外されるように構成されている。例えば、連結部210には、ブラケット120内の空洞120cに進入する外側垂直板214が設けられる場合がある。外側垂直板214は、ブラケット120内の空洞120cの中に適合することのできるあらゆる形状および/またはサイズを有することができる。図示の実施例において、外側垂直板214は、隣接する2つの直立円錐部のように形成されている。これら円錐部は開口部120c(これは外側垂直板214の直立円錐部の形状およびサイズと実質的に適合するような隣接する2つの円錐スロットの形状をしている)と篏合することができる。幾つかの実施例において、隣接する2つの円錐部は任意選択的に分割されており(
図11Bに図示の通りである)、これにより、より圧縮しやすくなることで、ブラケット120内で篏合が提供されるようになっている。別の実施例では、外側垂直板214は単一の円錐部、U字状くさび部(上記のものに類似する)、或いは外側垂直板214をブラケット120の空洞120cの中に篏めることのできる他のあらゆる形状(およびあらゆるサイズ)とすることができる。幾つかの実施例において、連結部210と外側垂直板214は鋳造金属から作製することができる。
【0085】
図11Bに図示の通り、連結部210は、外側垂直板214の後ろで位置決めされた傾斜棚部をさらに含むことができる。この棚部は前方上向きに向いているシャフト279を含むことができる。このシャフト279はバネ250の位置を中心に位置決めさせて安定させることができる。アクチュエータ260は、バネ250の反対側を中心に位置決めさせて安定させるための、相補的な延在シャフト281を備えることができる。
【0086】
バネ250はアクチュエータ260に力を及ぼすことができる。図示の実施例において、バネ250はねじりバネまたは圧縮バネである。
図11A~
図11Eに図示されている通り、バネ250は傾斜して配置することができる。このため、バネ250からの力はアクチュエータ260を前向き(
図11A~
図11Eの左側)反時計回りの方向に回転させることができる。この回転によりアクチュエータ260がブラケット120の一部分に係合(例えば、留められる、または締め付け固定される)できるようになり、容器100に対するハンドル200の固定が支援されるようになっている。バネ250からの力はまた、アクチュエータ260の後方(
図11A~
図11Eの右側)で時計回りの方向の回転に抵抗することができる。
【0087】
上で説明した通り、アクチュエータ260は、ブラケット120の一部分に係合する(例えば、留められる、または締め付け固定される)ように構成されている。幾つかの実施例において、これによりハンドル200を容器100に固定することを支援することができる。例えば、容器100に対してハンドル200を所定位置にロックすることができ、これにより2部品間のあらゆる「あそび」が除去(または低減)される。
【0088】
アクチュエータ260はブラケット120のあらゆる部分と係合することができる。例えば、
図11A~
図11Eに図示の通り、アクチュエータ260はブラケット120の上縁128に係合することができる。この係合を支援するため、アクチュエータ260は外側に延在する一以上の構造体(例えば、リップ、突起部、等)を有することができ、この一以上の構造体は、ブラケット120の上縁128に設けられた対応する内側に延在する構造体(例えば、ディボット部、隙間部、等)に篏合することができる。この係合は上述の通り、アクチュエータ260の回転動作(例えば、反時計回りの回転動作により、締め付け動作を生じさせるもの)によってさらに支援することができる。
図11Cに図示される通り、この回転動作を創出するため、アクチュエータ260は一以上の回転連結部265を有することができ、この一以上の回転連結部265は、アクチュエータ260を連結部210に回転自在に連結させる。回転連結部265は2つの対向する穴を有する腕部とすることができる。
図11Bおよび
図11Cに図示される通り、これらの穴の各々は、それぞれ対応する円筒シャフト267を受け入れることができ、円筒シャフトは外側垂直板214の対向する直立円錐部から内側を向いている。幾つかの実施例において、アクチュエータ260の回転軸はしたがって、穴と円筒部267の共通軸によって定められている。
【0089】
幾つかの実施例において、アクチュエータ260はブラケット120の一部分に係合するものとして説明されてきたが、アクチュエータ260は代替的に(或いは追加で)フランジ115と係合することができる(上述の通り、フランジ115に対して、ブラケット120を取り付けることができるか、またはブラケット120と一体化することができる)。
【0090】
アクチュエータ260はさらに、後方下側を向くシャフト281を有することができる。連結部210のシャフト279と同様にして、アクチュエータ260のシャフト281は、バネ250の位置を中心に置き安定化することができる。
【0091】
図11D~
図11Eは、容器100のブラケット120にハンドル200を取り付ける各工程に係る例示的な手順を示す部分垂直断面図である。
図11Dに認められる通り、ユーザーによりハンドル200が上向きに移動すると、アクチュエータ260の前上縁(上述の一以上の小平面を含む場合がある)は、ブラケット120の下縁に接触することができる。この接触(がユーザーにより提供される上向きの力と組み合わさると)によりアクチュエータ260を時計回りで後方(
図11D~
図11Eの右側)に回転させることができる。これによりユーザーは、容器100にハンドル200を取り付けるためにアクチュエータ260を係合させる必要性をなくすことができる。その後ユーザーはハンドル200を上向きに継続して動かせばよく、これにより(隣接する2つの直立円錐部の形状を有する)外側垂直板214が空洞120c(外側垂直板214の直立円錐部の形状およびサイズに実質的に合致する隣接する2つの円錐スロットの形状を有する)内に進入する。
【0092】
図11Eに認められる通り、ハンドル200の上向きの動作によって、アクチュエータ260がブラケット120の上縁128を覆うように上向きに移動する。これが起こるとバネ250(
図11D~
図11Eに図示せず)からの力でアクチュエータ260を反時計回りの方向で前に(
図11D~
図11Eの左側に)回転させることができる。例えば、アクチュエータ260がブラケット120の上縁128に係合(例えば、留められる、または締め付け固定される)することで、ハンドル200を容器100に固定することを支援することができる。幾つかの実施例において、上記の通り、アクチュエータ260の回転締め付け動作によって、ユーザーがハンドル200を上向きに押圧することを停止しても、アクチュエータ260を継続して容器100に取り付けさせることができる。
【0093】
ハンドル200を取り外すため、ユーザーはアクチュエータ260を押し下げることができ、これにより時計回りの方向で後方に(
図11D~
図11Eの右側に)回転させることができる。その後ユーザーはハンドル200を容器100に対して下向きに動かし、外側垂直板214(隣接する2つの直立円錐部の形状を有する)を空洞120c(外側垂直板214の直立円錐部の形状およびサイズに実質的に合致する隣接する2つの円錐スロットの形状を有する)から出すことができる。これによりハンドル200を容器100から取り外すことができる。
【0094】
図12A~
図12Jは容器100に着脱可能なハンドル200の別の実施例を表しており、また容器100にハンドル120を着脱するために使用することのできるブラケット120の別の実施例を表している。
図12Aはブラケット120から取り外されたハンドル200の断面図である。
図12Bはブラケット120に取付けられたハンドル200の断面図である。
図12Cはブラケット120の斜視図である。
図12Dはハンドル200の連結部210の斜視図である。
図12Eはハンドル200のアクチュエータ260の斜視図である。
図12F~
図12Jは、ハンドル200を容器100から取り外すための各工程の例示的な手順を、横断立面斜視図で表している。
【0095】
図12A~
図12Jに図示の実施例において、ブラケット120に空洞120cと隙間部122(ならびに
図1A~
図8Bに示される他の一以上の部品)は含まれない。その代わり、ブラケット120には2つの側壁126と、この2つの側壁126の間を水平に延在する2つのロッド130と、が備えられる。この2つのロッド130には上側ロッド130aが含まれ、さらに上側ロッド130aから鉛直距離で相隔たる下側ロッド130bが含まれる。各ロッド130は、ロッド130を介してハンドル200をブラケット120に取り付けることを可能にするあらゆる形状および/またはサイズを有することができる。図示の実施例において、ロッド130は円筒形状を有しており、上側ロッド130aが下側ロッド130bよりも大きな外形を有している。
【0096】
図12A~
図12Jに図示される通り、ハンドル200には連結部210と、バネ250と、アクチュエータ260とが備えられる。連結部210はブラケット120に容易に係合しまたブラケット120から容易に取り外されるように構成されている。例えば、連結部210はロッド130突き当たるように配置することができ、これにより連結部210をブラケット210に係合させることができる。図示の実施例において、連結部210には、上側ロッド130aに篏合することのできる溝218が設けられ、上側ロッド130aを少なくとも部分的に取り囲むようになっている。溝218はあらゆる形状および/またはサイズを有することができる。図示の通り、溝218は半円筒状の溝として形成されており、上側ロッド130aを係合させるための上向きの開口部が設けられており、上側ロッド130aを少なくとも部分的に取り囲むようになっている。連結部210はさらに、下側ロッド130bの側面部に対面して配置することのできる窪み底部224を備えることができる。窪み底部224はアクチュエータ260の一以上のフック268と協働して動作することができ(以下に説明する)、下側ロッド130bを少なくとも部分的に取り囲むようになっている。
【0097】
バネ250はアクチュエータ260に力を及ぼすことができる。図示の実施例において、バネ250はねじりバネまたは圧縮バネである。
図12A~
図12Jに図示されている通り、バネ250は傾斜して配置することができる。このため、バネ250からの力はアクチュエータ260を前向き(
図12A~
図12Jの左側)で反時計回りの方向に回転させることができる。この回転によりアクチュエータ260がブラケット120の一部分に係合(例えば、留められる、または締め付け固定される)できるようになり、容器100に対するハンドル200の固定が支援されるようになっている。バネ250からの力はまた、アクチュエータ260の後方(
図12A~
図12Jの右側)で時計回りの方向の回転に抵抗することができる。
【0098】
バネを傾斜して配置するために、ハンドル200は、ハンドル200の空洞内に配置された前方上向きを向くシャフト279を備えることができる。シャフト279はバネ250の位置を中心に位置決めさせて安定化させることができる。アクチュエータ260は、バネ250の反対側を中心に位置決めさせて安定させるための、補完延在シャフト281を備えることができる。
【0099】
アクチュエータ260は、ブラケット120の一部分に係合する(例えば、留められる、または締め付け固定される)ように構成されている。幾つかの実施例において、これによりハンドル200を容器100に固定することを支援することができる。例えば、容器100に対してハンドル200を所定位置にロックすることができ、これにより2部品間のあらゆる「あそび」が除去(または低減)される。
【0100】
アクチュエータ260はブラケット120のあらゆる部分と係合することができる。例えば、
図12A~
図12Jに図示の通り、アクチュエータ260はブラケット120の上縁128に係合することができる。この係合を支援するため、アクチュエータ260は外側に延在する一以上の構造体(例えば、リップ、突起部、等)を有することができ、この一以上の構造体は、ブラケット120の上縁128に設けられた対応する内側に延在する構造体(例えば、ディボット部、隙間部、等)に篏合することができる。この係合は上述の通り、アクチュエータ260の回転動作(例えば、反時計回りの回転動作により、締め付け動作を生じさせるもの)によってさらに支援することができる。
図12Bに図示される通り、この回転動作を創出するため、アクチュエータ260は一以上の回転連結部265を有することができ、この一以上の回転連結部265は、アクチュエータ260をハンドル200の内側部分に回転自在に連結させる。幾つかの実施例において、回転連結部265は、アクチュエータ260をハンドル200の下側シェル232に回転自在に連結させることができる。別の実施例では、回転連結部265は、アクチュエータ260を連結部210の後ろ側に回転自在に連結させることができる。
【0101】
図示の実施例において、回転連結部265は1つの腕部であって、腕部には2つの対向する穴(または腕部を貫通して延在する1つの穴)が設けられる。これらの穴の各々は、内側を向くそれぞれの円筒シャフト267を受け入れることができる。幾つかの実施例において、アクチュエータ260の回転軸はしたがって、穴と円筒部267の共通軸によって定められている。
【0102】
幾つかの実施例において、アクチュエータ260はブラケット120の一部分に係合するものとして説明されてきたが、アクチュエータ260は代替的に(或いは追加で)フランジ115と係合することができる(上記の通り、フランジ115にブラケット120を取り付けることができるか、またはフランジ115をブラケット120と一体化することができる)。
【0103】
図示の通り、アクチュエータ260はさらに、ブラケット120の下側ロッド130bに係合するように構成されている。例えば、アクチュエータ260は、ブラケット120の下側ロッド130bに係合することのできる一以上のフック268を備えることができる。図示の実施例では、アクチュエータ260には、連結部210の溝218の垂直方向で下の位置に配置されている2つの前向きのフック268が、設けられている。図示の実施例において、フック268は互いに離間しており(例えばアクチュエータ260の対向する側面に設けられる)、底部において旋回軸にてアクチュエータ260の底部に配置される(または互いに隣接して配置される)。
【0104】
下側ロッド130bに係合すると、フック268が下側ロッド130bの前上側を覆うように延在することによって、アクチュエータ260のフック268の間の下側ロッド130bを圧迫し、また連結部210の窪み底部224を圧迫する。さらに、
図12Gに図示の通り、アクチュエータ260が後方(
図12A~
図12Jの右側)に反時計方向で回転すると、フック260が持ち上がること(および後方に回転すること)によって、下側ロッド130bから取り外すことができる。
【0105】
アクチュエータ260はさらに、後方下側を向くシャフト281を有することができる。ハンドル200のシャフト279と同様にして、アクチュエータ260のシャフト281は、バネ250の位置を中心に置き安定化することができる。バネ250は、ハンドル200のシャフト279とアクチュエータ260のシャフト281との間に収めることができる。
【0106】
アクチュエータ260をハンドル200に対して(上記の通り)回転可能にさせたまま、連結部210をハンドル200の所定位置に固定させることができる。例えば、ハンドル200のあらゆる動作(上向き、下向き、回転、等)は、連結部210をハンドル200と共に移動させる。
【0107】
図12F~
図12Jは、容器100からハンドル200を取り外すための各工程に係る例示的な手順を、横断立面斜視図で表している。
図12Fではハンドル200はブラケット120(ひいては図示しない容器100)に完全に取り付けられている。
図12Gでは、ユーザーがアクチュエータ260を押圧することによって、これを時計回りで後方(
図12F~
図12Jの右側)に回転させる。
これによりフック268が上に持ち上がり(また後方に回転することによって)、
図12Gに図示の通り、下側ロッド130bから外されるようになっている。
【0108】
図12Hでは、ブラケット120に対してハンドルが上向き(例えば、反時計回り)に回転する。ハンドル200のこの回転によって、
図12Hに図示の通り、下側ロッド130bの存在しない位置までフック268を回転させることができる。これにより上側ロッド130aに対して溝218を回転させることができる。
図12Hのハンドルを回転させる際、ユーザーによりアクチュエータ260を係合させた状態を維持することができる。つまりユーザーはアクチュエータ260を押し続けることができる。別の実施例では、ハンドル200は、アクチュエータ260を係合された位置に一時的に保持することのできるロック機能を有することができる。
【0109】
図12Iにおいて、ハンドル200は、ブラケット120から横向き下方向に遠ざかるように移動している。
図12Iに図示されている通り、これにより溝218を上側ロッド130aから取り外すことができる。これが行われると、幾つかの実施例において、ハンドル200は容器100から取り外される。
【0110】
ハンドル200を容器100に取り付けるためには、
図12F~
図12Jに図示の工程を逆にして繰り返すことができる。これを行うことによって、アクチュエータ260の上部分が、ブラケット120の上縁128よりも垂直方向上に配置され、また溝218が上側ロッド130a(
図12Gに認められる通り)に係合すると、ユーザーはアクチュエータ260を解除することができる。圧縮されたバネ250(
図12F~
図12Jには図示せず)はその後、アクチュエータ260を前向きに回転させることができる。これによりフック268を下側ロッド130bに係合させることができる。これによりまた、アクチュエータ260をブラケット120の上縁128に係合させることができる。幾つかの実施例において、これにより上側ロッド130aを連結部210の溝218に固く取り付けることができ、これによりハンドル200が容器100に取り付けられる。幾つかの実施例において、これはさらにハンドル200と容器100の部品の間に存在するあらゆる隙間を除去(または低減)することができ、これによりこれら部品間にある、あらゆる「あそび」が取り除かれる(または低減される)ようになっている。
【0111】
図1A~
図12Jのうち一以上の図面に係る調理容器1000、
図1A~
図12Jのうち一以上の図面に係る調理容器1000の各部品、および/または、
図1A~
図12Jのうち一以上の図面に係る調理容器1000の各機能に対して、明細書の範囲から逸脱することなく、変更、追加、および/または置換を行うことができる。例えば、
図1A~
図12Jのうち一以上の図面に係る調理容器1000の各部品は、あらゆる好適な形状を有することができ、またあらゆる好適な材料(例えば、鋳造金属)から作製することができる。さらには、
図1A~
図12Jに図示されている何れかの調理容器1000に対して、
図1A~
図12Jに図示されている一以上の部品を、追加または除去することができる。
【0112】
本明細書で使用される文法的な冠詞「1つ(one)」、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記(the)」は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」または「一以上」を含むことを意図している。したがって、本明細書では、冠詞は、冠詞の文法的な対象のうち、1つまたは複数(すなわち、「少なくとも1つ」)について言及するように使用される。例として、「部品」は、1つまたは複数の部品を意味し、したがって、可能性として、一以上の部品が考えられ、記載された実施形態の用途に適用または使用され得る。さらに、単数形の名詞の使用には複数形が含まれ、複数形の名詞の使用には、使用法の文脈で別段の定めがない限り、単数形が含まれる。さらに、受け入れられている使用法に従って、本明細書において文法的な接続詞「および」と「または」が使用される。例として、「xおよびy」は「x」および「y」を指し示す。一方、「xまたはy」は「x」、「y」を指すか、または「x」と「y」の両方を指す一方で、「xまたはyの何れか」は排他性を指し示す。
【0113】
本明細書は、種々の非限定的かつ非網羅的な実施形態または実施例を参照して記載されている。しかしながら、開示された実施形態または実施例(またはその一部)のいずれかに関する種々の置換、変更、または組み合わせを、本明細書の範囲内で行うことができることは、当業者によって認識されるであろう。したがって、本明細書は、本明細書に明示的には記載されていない追加の実施形態または実施例をサポートするものと考えられ、またそのように理解される。このような実施形態又は実施例は、例えば、本明細書に記載された様々な非限定的かつ非網羅的な実施形態又は実施例に関する開示された部品、要素、特徴、態様、特性、制限等のいずれかを組み合わせ、変更し、又は再編成することによって得ることができる。このように、出願人は、本明細書に様々に記載されているような特徴を追加するために、係属期間中に特許請求の範囲を補正する権利を留保する。