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特許7553738情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240910BHJP
【FI】
G06Q30/015
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024066040
(22)【出願日】2024-04-16
(62)【分割の表示】P 2023149786の分割
【原出願日】2023-09-15
【審査請求日】2024-04-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-165054(JP,A)
【文献】特開2005-078206(JP,A)
【文献】特開2000-322646(JP,A)
【文献】特開2022-138779(JP,A)
【文献】特開2015-082134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報が関連付けられたトークンを、当該トークンの保有者と関連付けてブロックチェーン上に発行させるトークン管理部と、
前記トークンを特定する情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記トークンを特定する情報に対応する前記トークンに関連付けられた前記提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記トークン管理部は、前記商品を提供可能な複数の事業者を含む前記提供事業者情報を示す前記トークンを発行させ、
前記表示制御部は、前記商品を提供可能な事業者の情報を表示させるよう制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記トークンは、前記商品を購入した購入者又は前記購入者から前記トークンの譲渡を受けた譲受人を保有者として前記ブロックチェーン上に記録され、
前記表示制御部は、
(1)前記受付部が、前記トークンの保有者から前記トークンを特定する情報を受け付けた場合、前記トークンに含まれる前記提供事業者情報が示す事業者の情報を前記外部装置に表示させ、
(2)前記受付部が、前記トークンの保有者以外から前記トークンを特定する情報を受け付けた場合、前記トークンに含まれる前記提供事業者情報が示す事業者の情報を前記外部装置に表示させない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供事業者情報が示す事業者が提供可能な前記商品の在庫を示す在庫情報を取得する在庫情報取得部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記在庫情報に基づいて前記商品を提供可能な事業者の情報を表示させるよう制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記トークン管理部は、
(1)前記商品が購入され、かつ、前記商品の代金が支払われたこと、又は、
(2)前記商品の代金が支払われる前に前記商品が購入されたこと、
を契機として前記トークンを発行させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記トークン管理部は、前記商品を購入した購入者又は前記購入者から前記トークンの譲渡を受けた譲受人を前記トークンの保有者として前記ブロックチェーン上に記録し、
前記受付部は、前記トークンの保有者とは異なる者から前記トークンを特定する情報を受け付け、
前記表示制御部は、前記保有者とは異なる者が使用する端末に、前記トークンが示す前記提供事業者情報が示す事業者の情報を表示させるよう制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記トークンの保有者から表示の承認を受付けた場合、前記保有者とは異なる者が使用する端末に、前記トークンが示す前記提供事業者情報が示す事業者の情報を表示させるよう制御する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供事業者情報が示す事業者は、前記商品を提供可能な事業者であって、ブロックチェーン上のトークンを認証可能な事業者である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受付部が受け付けた前記トークンを特定する情報に基づいて前記ブロックチェーン上に記録された、特定された前記トークンにより示される前記提供事業者情報が示す事業者が前記トークンを認証可能な状態であるか否かを判定する状態判定部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記状態判定部が前記トークンを認証可能な状態であると判定した事業者の情報を前記外部装置に表示させるよう制御する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
発行済みのトークンについての提供事業者情報を更新するための情報である更新事業者情報を取得する更新事業者情報取得部をさらに有し、
前記トークン管理部は、更新事業者情報取得部が取得した前記商品を含む発行済みのトークンの提供事業者情報を、前記更新事業者情報が示す事業者に更新するよう前記ブロックチェーンに記録させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記提供事業者情報が示す事業者の情報を、地図上に重畳して表示させるよう制御する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記トークン管理部は、前記提供事業者情報が示す事業者から前記トークンが示す前記商品の提供が完了したことを示す通知を取得した場合、前記トークンが示す取引が完了したことを前記ブロックチェーンに記録させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記トークン管理部は、前記商品を購入した購入者を保有者として関連付けた前記トークンをブロックチェーン上に発行させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する、
商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報が関連付けられたトークンを、当該トークンの保有者と関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行ステップと、
前記トークンを特定する情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた前記トークンを特定する情報に対応する前記トークンに関連付けられた前記提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する表示制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報が関連付けられたトークンを、当該トークンの保有者と関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行ステップと、
前記トークンを特定する情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた前記トークンを特定する情報に対応する前記トークンに関連付けられた前記提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する表示制御ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
購入した商品をユーザが店舗で受け取れるようにするためのシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-58792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが店舗を指定せずに複数の事業者のいずれかから商品の提供を受けられるようにしたいというニーズがあり、このような形態で取引を行うためには、ユーザが商品の提供を受けられる事業者を把握できるようにする必要があるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、商品を提供可能な事業者をユーザが容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報が関連付けられたトークンを、当該トークンの保有者と関連付けてブロックチェーン上に発行させるトークン管理部と、前記トークンを特定する情報を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記トークンを特定する情報に対応する前記トークンに関連付けられた前記提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する表示制御部と、を有する。
【0007】
前記トークン管理部は、前記商品を提供可能な複数の事業者を含む前記提供事業者情報を示す前記トークンを発行させ、前記表示制御部は、前記商品を提供可能な事業者の情報を表示させるよう制御してもよい。
【0008】
前記トークンは、前記商品を購入した購入者又は前記購入者から前記トークンの譲渡を受けた譲受人を保有者として前記ブロックチェーン上に記録され、前記表示制御部は、(1)前記受付部が、前記トークンの保有者から前記トークンを特定する情報を受け付けた場合、前記トークンに含まれる前記提供事業者情報が示す事業者の情報を前記外部装置に表示させ、(2)前記受付部が、前記トークンの保有者以外から前記トークンを特定する情報を受け付けた場合、前記トークンに含まれる前記提供事業者情報が示す事業者の情報を前記外部装置に表示させないように構成されてもよい。
前記提供事業者情報が示す事業者が提供可能な前記商品の在庫を示す在庫情報を取得する在庫情報取得部をさらに有し、前記表示制御部は、前記在庫情報に基づいて前記商品を提供可能な事業者の情報を表示させるよう制御してもよい。
【0009】
前記トークン管理部は、(1)前記商品が購入され、かつ、前記商品の代金が支払われたこと、又は、(2)前記商品の代金が支払われる前に前記商品が購入されたこと、を契機として前記トークンを発行させてもよい。
【0010】
前記トークン管理部は、前記商品を購入した購入者又は前記購入者から前記トークンの譲渡を受けた譲受人を前記トークンの保有者として前記ブロックチェーン上に記録し、前記受付部は、前記トークンの保有者とは異なる者から前記トークンを特定する情報を受け付け、前記表示制御部は、前記保有者とは異なる者が使用する端末に、前記トークンが示す前記提供事業者情報が示す事業者の情報を表示させるよう制御してもよい。
【0011】
前記表示制御部は、前記トークンの保有者から表示の承認を受付けた場合、前記保有者とは異なる者が使用する端末に、前記トークンが示す前記提供事業者情報が示す事業者の情報を表示させるよう制御してもよい。
【0012】
前記提供事業者情報が示す事業者は、前記商品を提供可能な事業者であって、ブロックチェーン上のトークンを認証可能な事業者であってもよい。
【0013】
前記受付部が受け付けた前記トークンを特定する情報に基づいて前記ブロックチェーン上に記録された、特定された前記トークンにより示される前記提供事業者情報が示す事業者が前記トークンを認証可能な状態であるか否かを判定する状態判定部をさらに有し、前記表示制御部は、前記状態判定部が前記トークンを認証可能な状態であると判定した事業者の情報を前記外部装置に表示させるよう制御してもよい。
【0014】
発行済みのトークンについての提供事業者情報を更新するための情報である更新事業者情報を取得する更新事業者情報取得部をさらに有し、前記トークン管理部は、更新事業者情報取得部が取得した前記商品を含む発行済みのトークンの提供事業者情報を、前記更新事業者情報が示す事業者に更新するよう前記ブロックチェーンに記録させてもよい。
【0015】
前記表示制御部は、前記提供事業者情報が示す事業者の情報を、地図上に重畳して表示させるよう制御してもよい。
【0016】
前記トークン管理部は、前記提供事業者情報が示す事業者から前記トークンが示す前記商品の提供が完了したことを示す通知を取得した場合、前記トークンが示す取引が完了したことを前記ブロックチェーンに記録させてもよい。
前記トークン管理部は、前記商品を購入した購入者を保有者として関連付けた前記トークンをブロックチェーン上に発行させてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理装置においては、コンピュータが実行する、商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報が関連付けられたトークンを、当該トークンの保有者と関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行ステップと、前記トークンを特定する情報を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた前記トークンを特定する情報に対応する前記トークンに関連付けられた前記提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する表示制御ステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報が関連付けられたトークンを、当該トークンの保有者と関連付けてブロックチェーン上に発行させる発行ステップと、前記トークンを特定する情報を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた前記トークンを特定する情報に対応する前記トークンに関連付けられた前記提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する表示制御ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、商品を提供可能な事業者をユーザが容易に把握できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態にかかる情報処理システムの概要を説明するための図である。
図2】実施形態にかかる情報処理システムの概要を説明するための図である。
図3】情報処理装置1の構成を示す図である。
図4】トークン管理部131が発行するトークンのデータ構造の一例を示す図である。
図5】表示制御部133が表示する画面の一例を示す図である。
図6】トークン管理部131がトークンを発行する処理の一例を説明するための図である。
図7】トークン管理部131がブロックチェーンBに記録させるトークンの移転を示すトランザクションの一例を示す図である。
図8】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1及び図2は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、商取引を促進するためのシステムである。詳細は後述するが、情報処理システムSを用いた商取引においては、商品を受け取る権利を示すトークンを発行しておき、商品を提供可能な店舗においてトークンを提示したユーザに商品が提供される。情報処理システムSにおいては、サービスを取引してもよく、以下において「商品」という場合には、取引の目的がサービスである場合を含む。情報処理システムSにおいては、情報処理装置1、情報端末2及び店舗端末3を有する。
【0022】
情報処理装置1は、ブロックチェーンBにアクセス可能なノードである。ブロックチェーンBにおいては、取引された商品の提供を受ける権利を示すトークンが記録され、記録されたトークンの移転取引、商品の変更、商品の提供等に関するトランザクションが記録される。情報処理システムSにおいて発行されるトークンは、NFT(Non-Fungible Token)であってもよいし、SFT(Semi-Fungible Token)であってもよい。情報処理装置1は、ユーザが使用する情報端末2に対して商品の購入やトークンの移転等の取引を受付ける。情報処理装置1は、情報端末2からの要求に応じて、発行したトークンについての提供事業者に関する情報を情報端末2に表示させる。提供事業者は、トークンが示す取引の目的の商品を提供可能な事業者である。また、提供事業者は、ブロックチェーン上のトークンを認証可能な事業者である。
【0023】
情報端末2は、商品を購入したユーザが使用するスマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータである。ユーザは、ブロックチェーンBに記録されたトークンの保有者を識別するための情報であるアドレスを情報端末2に保有している。情報端末2は、ユーザの操作に応じてユーザが保有するトークンを画面に表示させる。情報端末2は、ユーザが保有するトークンを格納してもよいし、情報端末2にインストールされたウォレットアプリを管理するサーバからトークンを取得してもよいし、情報処理装置1を介してブロックチェーンBにアクセスしてユーザが保有するトークンを取得してもよい。
【0024】
店舗端末3は、提供事業者において使用される端末装置である。店舗端末3は、ネットワークを介してブロックチェーンBにアクセスする。店舗端末3は、例えばPOS(Point of Sale)レジである。
【0025】
図1を用いて情報処理システムSにおける取引の流れについて説明する。情報処理装置1は、情報端末2と連携して商品を購入するための処理をする(図1における(1))。一例として、情報端末2は、商品の購入を要求する情報を情報処理装置1に送信する。また、情報処理装置1は、情報端末2のユーザから商品の販売者へ商品購入の対価を支払う決済を処理してもよい。
【0026】
情報処理装置1は、商品を購入したユーザを関連付けたトークンをブロックチェーンBに記録し、トークンを発行する(図1における(2))。トークンにおいては、取引の目的の商品、提供事業者及びトークンの保有者が関連付けられている。トークンにおいては、提供事業者として複数の事業者が関連付けられていてもよい。
【0027】
ユーザは店舗にてトークンを提示する(図1における(3))。具体的には、ユーザは情報端末2を操作し、トークンを情報端末2に表示させる。一例として、情報端末2は、QR(Quick Response)コード(登録商標)の形式でトークンを表示する。店舗端末3は提示されたトークンを読み取る。
【0028】
情報処理装置1は、店舗端末3と連携して店舗端末3が取得したトークンを認証する(図1における(4))。一例として、情報処理装置1は、提示されたトークンの真正性を検証し、トークンを提示したユーザが提示されたトークンの保有者であるか否かを検証する。提示されたトークンを認証できた場合、情報処理装置1は、認証が完了したことを示す情報を店舗端末3に送信する。
【0029】
認証が完了した場合、店舗においては、取引の目的の商品がユーザに提供される(図1における(5))。情報処理装置1が商品を引換可能なトークンを発行することで、ユーザは発行したトークンに基づいて商品の提供を受け取ることが可能な店舗を自由に選択して商品の提供を受けることが可能となる。
【0030】
ここで、ユーザは、商品を提供可能な事業者についての情報を得たい場合がある。そこで、情報処理システムSにおいては、トークンに含まれる提供事業者に関する情報を情報端末2に表示させる処理(以下、「表示処理」と言う)を行う。以下、表示処理について説明する。
【0031】
情報端末2は、情報処理装置1に表示要求を送信する(図2における(1))。表示要求は、トークンに関連付けられた情報を表示する要求である。表示要求においては表示対象のトークンを識別するためのトークンID(IDentification)を含む。
【0032】
情報処理装置1は、表示要求に含まれるトークンIDにブロックチェーンB上で関連付けて記録された情報を参照し、トークンに関連付けられた提供事業者を特定する(図2における(2))。具体的には、情報処理装置1は、ブロックチェーンBに記録されたトークンの発行やトークンの内容を変更するトランザクションを参照し、表示要求に含まれるトークンIDに対応する提供事業者を特定する。
【0033】
情報処理装置1は、トークンに関連付けられた提供事業者の情報を情報端末2に表示させる(図2における(3))。一例として、情報処理装置1は、提供事業者の所在地を取得し、提供事業者の情報を地図上にプロットした画面を表示させる。
【0034】
情報処理装置1がこのように構成されることで、トークンに基づいて商品を提供可能な事業者をユーザが容易に把握できるようになり、取引を促進することができる。
【0035】
[情報処理装置1の構成]
図3は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、トークン管理部131、受付部132、表示制御部133、在庫情報取得部134、状態判定部135及び更新事業者情報取得部136を有する。
【0036】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0037】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、トークン管理部131、受付部132、表示制御部133、在庫情報取得部134、状態判定部135及び更新事業者情報取得部136として機能する。
【0038】
トークン管理部131は、購入された商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報を示すトークンをブロックチェーン上で該商品の購入者を保有者として発行させる。トークン管理部131は、トークンを発行する条件を満たした場合、商品を購入したユーザを関連付けたトークンをブロックチェーンBに記録させ、トークンを発行する。トークンを発行する条件は、商品の販売がされた場合であってもよいし、商品の販売に対応して対価の移転処理がされた場合であってもよい。トークン管理部131は、発行したトークンをユーザが使用する情報端末2に格納させてもよい。
【0039】
図4は、トークン管理部131が発行するトークンのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すトークンにおいては、「トークンID」、「保有者」、「商品」、「対価」、「発行日時」「有効期間」、「販売事業者」及び「提供事業者」が関連付けられている。なお、トークンに含まれる情報の一部(例えば、「商品」、「対価」、「発行日時」「有効期間」、「販売事業者」及び「提供事業者」)は、ブロックチェーンの外部において管理されていてもよい。この場合、トークンにおいては、ブロックチェーンの外部で管理されている情報に書くセスするためのURI(Universal Resource Identifier)を含む。「トークンID」はトークンを識別するIDである。トークンにおいては、提供事業者に関する詳細な情報(例えば、事業者の名称、住所、電話番号、営業時間等)を取得するためのURI(Universal Resource Identifier)がさらに関連付けられていてもよい。
【0040】
「保有者」は、当該トークンの保有者を示す。トークンの保有者は、商品を購入し、トークンの発行を受けた者又は保有者からトークンの譲渡を受けた者である。「保有者」は、例えば、当該トークンの保有者のアドレスを含む。「商品」は、当該トークンが対象とする取引における目的の商品を示す。
【0041】
「対価」は、当該商品の売買の対価の金額を示す。対価の金額は法定通貨の通貨単位で示されてもよいし、仮想通貨の通貨単位で示されていてもよい。「発行日時」は、当該トークンを発行した日時を示す。「有効期間」は、当該トークンの有効期間を示す。換言すれば、「有効期間」は、商品を提供可能な期間を示す。トークンにおいては「有効期間」に変えて、有効期限が含まれていてもよい。「販売事業者」は、商品を販売した事業者を示す。「提供事業者」は、商品を引き渡し可能な事業者を示す。「販売事業者」及び「提供事業者」においては、事業者のブロックチェーンBにおけるアドレスが含まれていてもよい。
【0042】
トークンにおいては、複数の異なる提供事業者が含まれていてもよい。取引の目的の商品を提供可能な提供事業者が複数ある場合、トークン管理部131は、商品を提供可能な複数の事業者を含む提供事業者情報を示すトークンを発行させる。
【0043】
受付部132は、トークンを特定する情報を外部装置から受け付ける。受付部132は、情報端末2から表示要求を受け付ける。表示要求においては、表示対象のトークンを特定するためのトークンID(IDentification)を含む。表示要求においては表示要求を送信する情報端末2の使用者のアドレスを含んでいてもよい。
【0044】
表示制御部133は、受付部132が受け付けたトークンを特定する情報に基づいてブロックチェーンBに記録されたトークンにより示される提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する。表示制御部133は、表示要求に含まれるトークンIDに対応するトークンに関するトランザクションをブロックチェーンBから取得し、情報端末2に表示させる。図5は、表示制御部133が表示させる事業者情報表示画面の一例を示す図である。図5に示す事業者情報表示画面においては、提供事業者の名称、所在地、電話番号及び営業時間が表示されている。表示制御部133は、表示要求に含まれるトークンIDに対応する提供事業者をブロックチェーンBのトランザクション情報を参照することで特定する。
【0045】
事業者情報表示画面において、トークンが対象とする商品が複数ある場合は、複数の商品のうち事業者情報を表示する対象の商品が選択可能に構成されてもよい。この場合、事業者情報表示画面における商品選択領域において、選択された商品が他の商品と異なる色や大きさ等の表示態様で表示されてもよい。また、トークンが対象とする商品の提供事業者が複数ある場合、事業者情報表示画面においては、複数の提供事業者のうち事業者情報の表示対象とする提供事業者を選択可能に構成されてもよい。この場合、事業者選択領域において選択された提供事業者が他の提供事業者と異なる態様で表示されてもよい。
【0046】
一例として、表示制御部133は、トークンに関連付けられたURIを参照し、特定された提供事業者に関する情報を取得する。表示制御部133は、取得した提供事業者に関する情報を含む事業者情報表示画面に表示させる。
【0047】
なお、表示制御部133は、提供事業者情報が示す事業者の情報を、地図上に重畳して表示させるよう制御してもよい。図5に示す事業者情報表示画面においては、提供事業者の所在地を地図上にプロットした画面が表示されている。
【0048】
なお、記憶部12は、事業者の事業者ID、名称、住所、電話番号、営業時間等の情報を関連付けた事業者情報を記憶していてもよい。この場合、表示制御部133は、特定した提供事業者に事業者情報において対応する情報を取得し、事業者情報表示画面に表示させる。
【0049】
トークンに対応する提供事業者が複数ある場合、表示制御部133は、提供事業者を選択可能に表示させてもよい。また、トークンに関連付けられた商品が複数ある場合、表示制御部133は、事業者情報を表示する対象の商品を選択可能に表示してもよい。
【0050】
情報処理装置1がこのように構成されることで、トークンに基づいて商品を可能な事業者をユーザが容易に把握できるようになり、取引を促進することができる。
【0051】
在庫状況に基づいて商品を提供可能な事業者を事業者情報表示画面に基づいて表示するよう構成されてもよい。
【0052】
在庫情報取得部134は、提供事業者情報が示す複数の事業者それぞれが提供可能な商品の在庫を示す在庫情報を取得する。在庫情報取得部134は、特定した提供事業者についての在庫情報を取得する。在庫情報においては、商品と、当該商品を提供する提供事業者と、商品の提供可否と、が含まれる。なお、在庫情報においては、商品の提供可否に変えて、商品の在庫数が含まれていてもよい。在庫情報取得部134は、不図示の外部装置から在庫情報を取得してもよいし、それぞれの提供事業者が使用する装置から在庫情報を取得してもよい。
【0053】
表示制御部133は、複数の事業者のうち、在庫情報に基づいて商品を提供可能な事業者の情報を表示させるよう制御する。一例として、表示制御部133は、取得した在庫情報に基づいて、それぞれの提供事業者における商品の提供可否を判定し、判定した提供可否を提供事業者それぞれと対応付けて表示させる。図5に示す事業者情報表示画面においては、在庫情報に基づいて特定された各事業者における商品の受取可否が表示されている。すなわち、図5に示す画面においては、表示対象の商品として、「商品A」が選択されており、商品Aを提供可能な提供事業者としてトークンに関づけられた「店舗A」、「店舗B」及び「店舗C」のうち、在庫情報に基づいて「店舗A」においては商品を受け取ることができず(「受取不可」)、「店舗B」及び「店舗C」においては、受取が可能であることが表示されている。なお、表示制御部133は、商品を受け取ることができない提供事業者については、グレーアウト等の態様により表示してもよい。図5に示す事業者情報表示画面においては、商品を提供可能な提供事業者のみを選択可能に構成されてもよい。
【0054】
情報処理装置1がこのように構成されることで、店舗における在庫に基づいてユーザが商品の提供可否を把握することができ、取引をスムーズに行うことができる。
【0055】
トークン管理部131は、以下のいずれかの契機が到来した場合にトークンを発行させる。トークンが発行される契機の第1は、商品が購入され、かつ、商品の代金が支払われたことである。トークンが発行される契機の第2は、商品の代金が支払われる前に商品が購入された場合である。
【0056】
図6を用いて情報処理システムSにおけるトークンの発行処理の一例について説明する。受付部132は、商品の購入の申し込みを情報端末2から取得する(図6における(1))。受付部132は、記憶部12に記憶された商品の提供可否を示す情報を参照し、取得した商品が販売可能な場合、申込があった商品の購入を承諾する(図6における(2))。
【0057】
受付部132は、商品を販売した対価として商品を購入したユーザに関連付けられた資産を、販売事業者の口座に移転させる(図6における(3))。商品購入の対価は法定通貨、電子マネー又は仮想通貨で支払われてもよい。なお、情報処理システムSにおいては、不図示の決済サーバを介してユーザの資産を販売事業者に移転させるように構成されてもよい。
【0058】
トークン管理部131は、商品の対価が支払われ、かつ、商品が販売されたことを条件として、トークンをブロックチェーンBに記録し、トークンを発行する(図6における(4))。なお、情報処理装置1においては、トークンの発行処理(図6における(4))の後に対価の移転処理(図6における(3))が実行されてもよい。
【0059】
商品の提供を受け取る権利を移転できるようにすることで、取引を促進することができる。この場合、トークンの保有者が変更されたことをブロックチェーン上に記録する必要がある。
【0060】
トークン管理部131は、購入者又は購入者からトークンの譲渡を受けた譲受人を保有者としてブロックチェーン上に記録する。トークン管理部131は、情報端末2からトークンの移転通知を取得する。移転要求は、トークンを移転することを要求する情報である。移転要求においては、トークンIDと、トークンの移転先のユーザを示す情報と、を含む。トークン管理部131は、移転通知を取得した場合、発行済みのトークンに関連付けて当該トークンが移転されたことをブロックチェーンBに記録する。
【0061】
なお、トークン管理部131は、トークンの譲渡を受けるユーザから移転要求を受け付けてもよい。この場合、トークン管理部131は、移転要求に含まれるトークンの保有者をブロックチェーンBに記録されたトランザクションを参照して特定し、特定したトークンの保有者に、移転を承認するか否かを確認するためのメッセージを送信する。保有者の情報端末2から移転を承認するメッセージを取得した場合、トークン管理部131は、トークンの移転をブロックチェーンBに記録する。
【0062】
トークンの移転取引をするためには、移転を希望するユーザがトークンの内容を確認できる必要がある。そこで、トークンの表示要求を保有者以外が使用する情報端末2から取得するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0063】
受付部132は、トークンの保有者とは異なる者からトークンを特定する情報を受け付ける。受付部132は、トークンの保有者以外のユーザが使用する情報端末2から表示要求を受け付ける。
【0064】
表示制御部133は、トークンの保有者とは異なる者が使用する端末に、トークンが示す提供事業者情報が示す事業者の情報を表示させるよう制御する。表示制御部133は、表示要求を送信した情報端末2であって、トークンの保有者以外のユーザが使用する情報端末2に事業者情報表示画面を表示させる。
【0065】
なお、保有者以外から表示要求を取得した場合、トークンを表示させるか否かをトークンの保有者に確認するよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合、受付部132は、ブロックチェーンBに記録された、表示要求に含まれるトークンIDが示すトークンのトランザクションを参照し、受付けた表示要求に含まれる送信者のアドレスが、表示対象のトークンの保有者と一致するか否かを判定する。受付部132は、表示要求に含まれる送信者のアドレスが、表示対象のトークンの保有者と一致する場合、表示要求を送信したユーザの情報端末2に事業者情報表示画面を表示させる。受付部132は、表示要求に含まれる送信者のアドレスが、表示対象のトークンの保有者と一致しない場合、事業者情報表示画面を表示してよいかの確認を促す画面を当該トークンの保有者の情報端末2に表示させる。
【0066】
表示制御部133は、トークンの保有者から表示の承認を受付けた場合、保有者とは異なる者が使用する端末に、トークンが示す提供事業者情報が示す事業者の情報を表示させるよう制御する。確認を促す画面において、事業者情報表示画面を表示することを承諾することを示す操作がされた場合、受付部132は、承諾されたことを示す情報をトークンの保有者が使用する情報端末2から取得する。承諾されたことを示す情報を受付部132が取得した場合、表示制御部133は、表示要求を送信した情報端末2に事業者情報表示画面を表示させる。
【0067】
情報処理装置1がこのように構成されることで、トークンの保有者がトークンに関する情報の表示をコントロールできるようにすることができる。
【0068】
なお、表示制御部133は、受付部132が、トークンの保有者以外からトークンを特定する情報を受け付けた場合、トークンに含まれる提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させないように情報処理装置1が構成されてもよい。具体的には、表示要求に含まれる送信者のアドレスが表示対象のトークンの保有者と一致しない場合、表示制御部133は、事業者情報表示画面を表示しない。また、表示要求を送信した情報端末2を使用するユーザをトークンの保有者の認証情報に基づいて認証し、認証できない場合に事業者情報表示画面を表示しないよう構成されてもよい。
【0069】
例えば店舗端末3が情報処理装置1又はブロックチェーンBと接続されていない場合、提示されたトークンを認証することができず店舗において商品の提供ができない場合がある。そこで、商品を提供可能な事業者の情報を表示するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0070】
状態判定部135は、受付部132が受け付けたトークンを特定する情報に基づいてブロックチェーン上に記録された、特定されたトークンにより示される提供事業者情報が示す事業者の状態を判定する。状態判定部135は、一例として、特定された提供事業者がトークンを認証可能な状態であるか否かを判定する。具体的には、状態判定部135は、表示要求に含まれるトークンIDに基づいて特定された提供事業者が使用する店舗端末3に対して認証可能か否かを問い合わせる情報を送信し、送信した情報に応答した店舗端末3から認証可否を示す情報を取得する。
【0071】
提供事業者がトークンを認証不可能な状態は、例えば、提供事業者がブロックチェーンにアクセスしていない状態又は何らかの原因によりアクセスできない状態である。一例として、プライベートブロックチェーン等である場合においては、ブロックチェーンの管理者がアクセスを制限する等の操作をしたことにより、ブロックチェーンにアクセスできない事象が発生し得るためである。また、提供事業者がブロックチェーンへの参加資格を喪失したことに伴い、提供事業者がブロックチェーンにアクセスできない事象が生じうる。
【0072】
状態判定部135は、取得した情報に基づいて、提供事業者の状態を判定する。例えば、状態判定部135は、認証可能であることを示す情報を取得した場合、提供事業者が認証可能であると判定する。状態判定部135は、店舗端末3から応答が得られない場合又は認証可能でないことを示す情報を取得した場合、提供事業者が認証可能ではないと判定する。なお、状態判定部135は、情報処理装置1にアクセス可能な店舗端末3が認証可能な状態であるか否かの死活監視を継続的に実施し、利用要求を受け付けた時点の直近に行われた死活監視の結果に基づいて提供事業者の状態を判定してもよい。
【0073】
表示制御部133は、状態判定部135がトークンを認証可能な状態であると判定した事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する。表示制御部133は、状態判定部135が判定結果に基づいて提供事業者の情報を表示させる事業者情報表示画面を表示させる。図5に示す事業者情報表示画面においては、状態判定部135の判定結果に基づいて、提供事業者ごとの受取可否が表示されており、トークンを認証できない状態にある提供事業者がグレーアウトされている。
【0074】
図5に示す画面においては、表示制御部133は、トークンを認証可能な事業者のみを選択可能に表示し、選択された提供事業者の情報を情報端末2に表示させる。なお、事業者情報表示画面においては、状態判定部135の判定結果に基づいて、認証可能と判定された提供事業者のみを表示してもよい。なお、図5に示す画面においては、状態判定部135の判定結果と、在庫情報取得部134が取得した情報とに基づいて店舗における提供可否を表示してもよい。
【0075】
情報処理装置1がこのように構成されることで、商品を受け取り可能な事業者をユーザが詳細に把握することができる。
【0076】
例えば事業者同士の取引等が行われ、提供事業者が変更された場合に、変更された提供事業者の情報がブロックチェーンBに記録される。具体的には、更新事業者情報取得部136は、更新事業者情報を取得する。更新事業者情報は、発行済みのトークンについての提供事業者情報を更新するための情報である。更新事業者情報は、発行済みのトークンのトークンIDと、変更前の提供事業者と、変更後の提供事業者と、を含む。更新事業者情報取得部136は、一例として、提供事業者の変更は、例えばトークンを発行した事業者から受付けることが可能である。すなわち、更新事業者情報取得部136は、販売事業者使用する装置から更新事業者情報を取得する。なお、提供事業者情報の変更は、提供事業者が使用する装置から受付けてもよい。
【0077】
トークン管理部131は、更新事業者情報取得部136が取得した商品を含む発行済みのトークンの提供事業者情報を、更新事業者情報が示す事業者に更新するようブロックチェーンBに記録させる。トークン管理部131は、取得した更新事業者情報に基づいて、提供事業者の変更を示すトランザクションをブロックチェーンBに記録させる。図7は、トークン管理部131がブロックチェーンBに記録させるトークンの移転を示すトランザクションの一例を示す図である。図7に示すトランザクションにおいては、トークンIDと変更前後の提供事業者を示す情報とが含まれている。より具体的には、図7に示すトランザクションは、トークンIDが「TK1234567」であるトークンの提供事業者の一部が「事業者B」から「事業者D」に変更されたことを示す。
【0078】
情報処理装置1がこのように構成されることで、トークンの内容が変更された場合においてもブロックチェーン上に変更された提供事業者の情報を記録することができ、ユーザが最新の情報にアクセスすることができる。
【0079】
トークンが示す取引の目的の商品がユーザに提供された場合、商品が提供され、取引が完了したことをブロックチェーンBにトランザクションとして記録するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0080】
トークン管理部131は、提供事業者情報が示す事業者から提供完了通知を取得した場合、トークンが示す取引が完了したことをブロックチェーンBに記録させる。提供完了通知は、店舗においてトークンが示す商品の提供が完了したことを示す。トークン管理部131は、商品を提供した事業者の店舗端末3から提供完了通知を取得する。トークン管理部131は、提供完了通知を取得した場合、取引対象のトークンのトークンIDに関連付けて商品の提供が完了したことをブロックチェーンBにトランザクションとして記録する。商品の提供が完了した場合、情報処理装置1は、商品を提供した対価を、商品を販売した事業者から商品を提供した提供事業者に支払う処理を実行してもよい。
【0081】
表示制御部133は、表示要求を取得した場合に、トークンが示す取引の目的の商品が提供済みか否かを判定し、当該商品が提供済みである場合、提供済みであることを情報端末2に表示させてもよい。具体的には、表示制御部133は、表示要求に含まれるトークンIDが示すトークンについてのトランザクションにおいて商品が提供された情報が含まれるか否かを判定する。ブロックチェーンBに記録されたトランザクションに商品が提供された情報が含まれる場合、表示制御部133は、当該商品が提供済みであることを情報端末2に表示させる。情報処理装置1がこのように構成されることで、取引の完了を管理することができる。
【0082】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図8は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、トークンを発行する条件を満たした時点から開始している。
【0083】
トークン管理部131は、トークンを発行する(S01)。受付部132は、トークンの表示要求を受け付ける(S02)。表示制御部133は、ブロックチェーンBを参照し、表示要求に含まれるトークンIDに対応する提供事業者を特定する(S03)。
【0084】
表示制御部133は、記憶部12に記憶された提供事業者情報を参照し、特定した提供事業者に関する情報を取得する(S04)。表示制御部133は、取得した提供事業者に関する情報を示す画面を情報端末2に表示させる(S05)。そして、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0085】
[情報処理装置1における効果]
以上説明したように情報処理装置1が構成されることで、トークンに基づいて商品を提供可能な事業者をユーザが容易に把握できるようになり、取引を促進することができる。
【0086】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理装置
2 情報端末
3 店舗端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 トークン管理部
132 受付部
133 表示制御部
134 在庫情報取得部
135 状態判定部
136 更新事業者情報取得部
【要約】
【課題】商品を提供可能な事業者をユーザが容易に把握できるようにする。
【解決手段】購入者に購入された商品を提供可能な事業者を示す提供事業者情報を示すトークンをブロックチェーン上で購入者を保有者として発行させるトークン管理部131と、トークンを特定する情報を外部装置から受け付ける受付部132と、受付部132が受け付けたトークンを特定する情報に基づいて、ブロックチェーン上に記録された、特定されたトークンにより示される提供事業者情報が示す事業者の情報を外部装置に表示させるよう制御する表示制御部133と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図3


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8