(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】乗り物用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/30 20060101AFI20240911BHJP
A47C 1/025 20060101ALI20240911BHJP
B60N 2/20 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B60N2/30
A47C1/025
B60N2/20
(21)【出願番号】P 2020026415
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2019030941
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕二
(72)【発明者】
【氏名】林 昌男
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-022550(JP,A)
【文献】特開2009-067310(JP,A)
【文献】特開2018-052435(JP,A)
【文献】特開2004-359115(JP,A)
【文献】特開2008-068721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/02 - A47C 1/037
B60N 2/00 - B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバック及びシートクッションを有するシート本体と、
前記シートバックに対して前記シートクッションを回動可能に連結するとともに、前記シート本体が着座者を着座させることが可能な着座可能状態のときに前記シートクッションの回動動作をロックするクッションロック装置と、を備え、
前記着座可能状態と、前記シート本体を前記着座可能状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、
前記クッションロック装置は、
前記シートクッション及び前記シートバックの一方側に取り付けられるロック部材と、
前記シートクッション及び前記シートバックの他方側に取り付けられ、前記シートクッションの回動動作をロックするために前記ロック部材と係合する被ロック部材と、
前記ロック部材の周辺位置にそれぞれ取り付けられ、前記ロック部材と前記被ロック部材とのロック状態を解除するために、ロック可能位置とロック解除可能位置との間で移動する第1ロック解除レバー及び第2ロック解除レバー、とを有し、
前記着座可能状態においては、前記第1ロック解除レバー又は前記第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときに、前記ロック状態を解除し、
前記移動状態においては、前記第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときには前記ロック状態が解除されず、前記第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときに前記ロック状態を解除するように構成し、
前記第1ロック解除レバー及び前記第2ロック解除レバーが、上下方向又はシート前後方向において互いに異なる位置に配置され、前記ロック部材を間に挟むように設けられ
、
前記クッションロック装置は、前記ロック部材及び前記被ロック部材の周辺位置に取り付けられ、前記着座可能状態のときに前記ロック部材及び前記被ロック部材の少なくとも一方の位置を保持する位置保持部材を有し、
前記着座可能状態において前記第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときに、前記第1ロック解除レバーが、前記位置保持部材を介して前記ロック部材を押圧し、該ロック部材のロック状態を解除することを特徴とする乗り物用シート。
【請求項2】
前記位置保持部材は、前記着座可能状態のときに前記ロック部材に設けられた係合部と、前記被ロック部材に設けられた被係合部との間に隙間が形成された状態を保持するために、前記ロック部材及び前記被ロック部材の少なくとも一方の位置を保持することを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
【請求項3】
前記移動状態とは、前記シートバックに対して前記シートクッションを上方に回転移動させたチップアップ状態であって、
前記乗り物用シートは、前記着座可能状態と、前記チップアップ状態と、前記シート本体を車体フロア側に収納移動させた収納状態との間で切り替え可能であって、
前記車体フロアに対して前記シートバックを回動可能に連結するとともに、前記着座可能状態のときに前記シートバックの回動動作をロックするリクライニング装置を備え、
該リクライニング装置は、
前記シートバックの上方部分に取り付けられ、前記シートバックのロック状態を解除するために操作されるリクラ用操作レバーと、
該リクラ用操作レバーと前記リクライニング装置の本体部分とを連結し、前記リクラ用操作レバーの操作に牽引されて前記シートバックをロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用するリクラ用ケーブルと、を有し、
前記クッションロック装置は、
前記リクラ用操作レバーと前記第1ロック解除レバーを連結し、前記リクラ用操作レバーの操作に牽引されて前記第1ロック解除レバーをロック可能位置からロック解除可能位置へ切り替える第1クッション用ケーブルと、
前記シートクッションに取り付けられ、前記シートクッションのロック状態を解除するために操作されるクッション用操作レバーと、
該クッション用操作レバーと前記第2ロック解除レバーを連結し、前記クッション用操作レバーの操作に牽引されて前記第2ロック解除レバーをロック可能位置からロック解除可能位置へ切り替える第2クッション用ケーブルと、を有し、
前記第1ロック解除レバーは、前記第2ロック解除レバーよりも上方位置に配置されていることを特徴とする請求項
1又は2に記載の乗り物用シート。
【請求項4】
前記シートクッションの骨格となるクッションフレームを備え、
前記クッションロック装置は、前記シートバックに対して前記シートクッションを回動可能となるように連結するクッション回動軸を有し、
前記第1ロック解除レバーは、
シート幅方向において前記クッションフレームの側面に前記クッション回動軸を介して回動可能となるように連結されており、
前記第1クッション用ケーブルの一端が取り付けられるケーブル取り付け部と、該ケーブル取り付け部とは前記クッション回動軸を間に挟んで反対側に配置され、前記ロック部材を押圧するための押圧部と、を有していることを特徴とする請求項
3に記載の乗り物用シート。
【請求項5】
前記第1ロック解除レバー及び前記位置保持部材は、シート幅方向において同じ位置に配置され、かつ、それぞれ前記被ロック部材とシート幅方向において異なる位置に配置され、
前記被ロック部材は、該被ロック部材の側面からシート幅方向において前記位置保持部材側に突出する当接突起を有し、
該当接突起は、
前記被ロック部材の位置を保持するために前記位置保持部材に設けられた当接部によって当接されるように配置され、かつ、
前記第1ロック解除レバーの回動を規制するために該第1ロック解除レバーに設けられた当接部によって当接されるように配置されていることを特徴とする請求項
4に記載の乗り物用シート。
【請求項6】
前記ロック部材及び前記被ロック部材は、シート幅方向において同じ位置に配置され、
前記ロック部材は、該ロック部材の側面からシート幅方向において前記位置保持部材側に突出する嵌合突起を有し、
該嵌合突起は、
前記ロック部材をロック可能位置からロック解除可能位置へ移動させるために前記位置保持部材に設けられた押圧部によって押圧されるように配置され、かつ、
前記第1ロック解除レバーの回動範囲とは異なる範囲に配置されていることを特徴とする請求項
5に記載の乗り物用シート。
【請求項7】
前記第2ロック解除レバーは、シート幅方向において前記クッションフレームの側面にレバー回動軸を介して回動可能となるように連結され、かつ、シート幅方向において前記ロック部材及び前記位置保持部材とは異なる位置に配置され、
前記第2ロック解除レバーは、前記第2クッション用ケーブルの一端が取り付けられるケーブル取り付け部と、該ケーブル取り付け部とは前記レバー回動軸を間に挟んで反対側に配置され、前記ロック部材を移動させるために前記嵌合突起に嵌合する嵌合溝と、を有していることを特徴とする請求項
6に記載の乗り物用シート。
【請求項8】
前記ロック部材及び前記位置保持部材は、シート幅方向に並ぶように配置され、かつ、シート幅方向において前記クッションフレームの側面にロック回動軸を介して回動可能となるように連結され、
該ロック回動軸と前記クッション回動軸は、前記クッションフレームの側面において互いに異なる位置に配置され、
前記クッションロック装置は、前記ロック回動軸と前記クッション回動軸を連結するために前記クッションフレームの側面に沿って延びている軸連結部材を有していることを特徴とする請求項
7に記載の乗り物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物用シートに係り、特に、シートバック及びシートクッションを有するシート本体を着座可能状態から切り替えることが可能な乗り物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート本体を構成するシートバック及びシートクッションを車体フロアよりも低位置に収納可能な車両用シートは既に知られており、その中には、シート本体を前倒れさせてシート前方に設けられた収納フロアに収納可能な車両用シートが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の自動車用シートは、着座者が着座可能な着座可能状態と、シート本体を収納フロアに収納させた収納状態と、シート本体を上方に跳ね上げたチップアップ状態との3種類の形態のシートアレンジが可能なシートである。
当該自動車用シートは、車体フロアに対しシートバックを回動可能に連結するリクライニング装置と、シートバックに対しシートクッションを回動可能に連結するクッションロック装置とのほか、上下方向に延びて上端がシートクッションの前方部分を支持し、下端が収納フロアに固定された脚保持部材に対し回動可能に保持される脚部材と、を備えている。
シート本体の収納操作時には、シートバックの肩口に設けられたリクラ用操作レバーを操作することで、シートバックが車体フロアに対してシートクッションを収納フロアへ移動させるように回転し、シート本体を収納フロアに収納可能な構成となっている。
具体的には、リクラ用操作レバーを操作することで、リクライニング装置によるシートバックのロック状態を解除するとともに、クッションロック装置によるシートクッションのロック状態も解除することができる。
また、シート本体のチップアップ操作時には、シートクッションの前端に設けられたチップアップ用操作レバーを操作することで、シートクッションがシートバックに対して上方に回転移動する構成となっている。
具体的には、チップアップ用操作レバーを操作することで、リクライニング装置によるシートバックのロック状態を維持しながら、クッションロック装置によるシートクッションのロック状態のみ解除することができる。
上記構成により、着座者にとって好適なシート切り替え操作を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のような乗り物用シートでは、好適なシート切り替え操作を実現すべく、リクラ用操作レバー及びチップアップ用操作レバーの双方からの操作によって、クッションロック装置のロック状態を解除できる構成となっている。そのため、当該クッションロック装置の本体部分においてロック部材や複数のロック解除部材、複数のケーブル部材が複雑に配置されてしまい、クッションロック装置が大型化してしまう虞があった。
したがって、着座者にとって好適なシート切り替え操作を確保しながらも、シンプルな構成によって、クッションロック装置を含むシート全体の大型化を抑制することが可能な乗り物用シートが望まれていた。
【0006】
また、乗り物用シートを量産するにあたっては、通常、構成部品の製品誤差を考慮して、構成部品同士を好適に組み付けるための隙間設定を行っている。
そうすると、シート本体を収納可能な乗り物用シートでは、比較的複雑な構成となるクッションロック装置において当該隙間設定を行う必要があって、その結果、シートバックに対してシートクッションに多少の遊びが発生することになる。
上記において特許文献1のような乗り物用シートでは、シートクッションを脚部材によって固定支持させているため、車両走行時におけるシートクッションの揺れを抑制することができるものの、構成部品数を削減したいという要望を満たすことができなかった。
そのため、構成部品数を抑えながらも、車両走行時におけるシートクッションの揺れ(ガタつき)を抑制可能な乗り物用シートが望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、シート本体を着座可能状態から切り替え可能なシートにおいて、着座者にとって好適なシート切り替え操作を確保し、シンプルな構成からなる乗り物用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の乗り物用シートによれば、シートバック及びシートクッションを有するシート本体と、前記シートバックに対して前記シートクッションを回動可能に連結するとともに、前記シート本体が着座者を着座させることが可能な着座可能状態のときに前記シートクッションの回動動作をロックするクッションロック装置と、を備え、前記着座可能状態と、前記シート本体を前記着座可能状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、前記クッションロック装置は、前記シートクッション及び前記シートバックの一方側に取り付けられるロック部材と、前記シートクッション及び前記シートバックの他方側に取り付けられ、前記シートクッションの回動動作をロックするために前記ロック部材と係合する被ロック部材と、前記ロック部材の周辺位置にそれぞれ取り付けられ、前記ロック部材と前記被ロック部材とのロック状態を解除するために、ロック可能位置とロック解除可能位置との間で移動する第1ロック解除レバー及び第2ロック解除レバー、とを有し、前記着座可能状態においては、前記第1ロック解除レバー又は前記第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときに、前記ロック状態を解除し、前記移動状態においては、前記第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときには前記ロック状態が解除されず、前記第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときに前記ロック状態を解除するように構成し、前記第1ロック解除レバー及び前記第2ロック解除レバーが、上下方向又はシート前後方向において互いに異なる位置に配置され、前記ロック部材を間に挟むように設けられ、前記クッションロック装置は、前記ロック部材及び前記被ロック部材の周辺位置に取り付けられ、前記着座可能状態のときに前記ロック部材及び前記被ロック部材の少なくとも一方の位置を保持する位置保持部材を有し、前記着座可能状態において前記第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときに、前記第1ロック解除レバーが、前記位置保持部材を介して前記ロック部材を押圧し、該ロック部材のロック状態を解除すること、により解決される。
上記のように、シート本体を着座可能状態から切り替え可能なシートにおいて、クッションロック装置の構成部品となる第1ロック解除レバー及び第2ロック解除レバーが、上下方向又はシート前後方向において互いに異なる位置に配置され、ロック部材を間に挟むように設けられているため、着座者にとって好適なシート切り替え操作を確保し、シンプルな構成(ロック部材、被ロック部材、位置保持部材)からなる乗り物用シートを実現することができる。
【0009】
このとき、前記位置保持部材は、前記着座可能状態のときに前記ロック部材に設けられた係合部と、前記被ロック部材に設けられた被係合部との間に隙間が形成された状態を保持するために、前記ロック部材及び前記被ロック部材の少なくとも一方の位置を保持すると良い。
上記構成により、従来と比較してシンプルな構成によって構成部品数を抑えながら、車両走行時にシートクッションが揺れてしまう(ガタついてしまう)ことを抑制可能な乗り物用シートを実現できる。そして、車両走行時においてシートクッションの揺れを抑制できるため、クッションロック装置の内部で構成部品同士の接触による雑音が発生することも抑制できる。
このとき、前記移動状態とは、前記シートバックに対して前記シートクッションを上方に回転移動させたチップアップ状態であって、前記乗り物用シートは、前記着座可能状態と、前記チップアップ状態と、前記シート本体を車体フロア側に収納移動させた収納状態との間で切り替え可能であって、前記車体フロアに対して前記シートバックを回動可能に連結するとともに、前記着座可能状態のときに前記シートバックの回動動作をロックするリクライニング装置を備え、該リクライニング装置は、前記シートバックの上方部分に取り付けられ、前記シートバックのロック状態を解除するために操作されるリクラ用操作レバーと、該リクラ用操作レバーと前記リクライニング装置の本体部分とを連結し、前記リクラ用操作レバーの操作に牽引されて前記シートバックをロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用するリクラ用ケーブルと、を有し、前記クッションロック装置は、前記リクラ用操作レバーと前記第1ロック解除レバーを連結し、前記リクラ用操作レバーの操作に牽引されて前記第1ロック解除レバーをロック可能位置からロック解除可能位置へ切り替える第1クッション用ケーブルと、前記シートクッションに取り付けられ、前記シートクッションのロック状態を解除するために操作されるクッション用操作レバーと、該クッション用操作レバーと前記第2ロック解除レバーを連結し、前記クッション用操作レバーの操作に牽引されて前記第2ロック解除レバーをロック可能位置からロック解除可能位置へ切り替える第2クッション用ケーブルと、を有し、前記第1ロック解除レバーは、前記第2ロック解除レバーよりも上方位置に配置されていると良い。
上記構成により、着座可能状態と収納状態とチップアップ状態との3種類の形態のシートアレンジが可能なシートにおいて、リクラ用操作レバー側にある第1ロック解除レバーが、クッション用操作レバー側にある第2ロック解除レバーよりも上方位置に配置されているため、一層好適なシート切り替え操作を実現し、かつ、一層シンプルな構成からなるクッションロック装置となる。
【0010】
このとき、前記シートクッションの骨格となるクッションフレームを備え、前記クッションロック装置は、前記シートバックに対して前記シートクッションを回動可能となるように連結するクッション回動軸を有し、前記第1ロック解除レバーは、シート幅方向において前記クッションフレームの側面に前記クッション回動軸を介して回動可能となるように連結されており、前記第1クッション用ケーブルの一端が取り付けられるケーブル取り付け部と、該ケーブル取り付け部とは前記クッション回動軸を間に挟んで反対側に配置され、前記ロック部材を押圧するための押圧部と、を有していると良い。
上記構成により、第1ロック解除レバーの周辺において第1クッション用ケーブルとロック部材との干渉を抑制することができ、クッションロック装置の構成部品をコンパクトに配置することができる。
【0012】
このとき、前記第1ロック解除レバー及び前記位置保持部材は、シート幅方向において同じ位置に配置され、かつ、それぞれ前記被ロック部材とシート幅方向において異なる位置に配置され、前記被ロック部材は、該被ロック部材の側面からシート幅方向において前記位置保持部材側に突出する当接突起を有し、該当接突起は、前記被ロック部材の位置を保持するために前記位置保持部材に設けられた当接部によって当接されるように配置され、かつ、前記第1ロック解除レバーの回動を規制するために該第1ロック解除レバーに設けられた当接部によって当接されるように配置されていると良い。
上記のように被ロック部材の当接突起を配置することによって、クッションロック装置の構成部品数を抑えることができる。
【0013】
このとき、前記ロック部材及び前記被ロック部材は、シート幅方向において同じ位置に配置され、前記ロック部材は、該ロック部材の側面からシート幅方向において前記位置保持部材側に突出する嵌合突起を有し、該嵌合突起は、前記ロック部材をロック可能位置からロック解除可能位置へ移動させるために前記位置保持部材に設けられた押圧部によって押圧されるように配置され、かつ、前記第1ロック解除レバーの回動範囲とは異なる範囲に配置されていると良い。
上記のようにロック部材の嵌合突起を配置することによって、シンプルな構造からなるクッションロック装置を実現できる。
【0014】
このとき、前記第2ロック解除レバーは、シート幅方向において前記クッションフレームの側面にレバー回動軸を介して回動可能となるように連結され、かつ、シート幅方向において前記ロック部材及び前記位置保持部材とは異なる位置に配置され、前記第2ロック解除レバーは、前記第2クッション用ケーブルの一端が取り付けられるケーブル取り付け部と、該ケーブル取り付け部とは前記レバー回動軸を間に挟んで反対側に配置され、前記ロック部材を移動させるために前記嵌合突起に嵌合する嵌合溝と、を有していると良い。
上記構成により、第2ロック解除レバーの周辺において第2クッション用ケーブルとロック部材との干渉を抑制することができ、クッションロック装置の構成部品をコンパクトに配置することができる。
そして、既存の構成部品となる嵌合突起を利用することで、クッションロック装置の構成部品数を抑えることができる。
【0015】
このとき、前記ロック部材及び前記位置保持部材は、シート幅方向に並ぶように配置され、かつ、シート幅方向において前記クッションフレームの側面にロック回動軸を介して回動可能となるように連結され、該ロック回動軸と前記クッション回動軸は、前記クッションフレームの側面において互いに異なる位置に配置され、前記クッションロック装置は、前記ロック回動軸と前記クッション回動軸を連結するために前記クッションフレームの側面に沿って延びている軸連結部材を有していると良い。
上記構成により、比較的剛性が必要となる構成部品(ロック回動軸及びクッション回動軸)をシンプルな構成で補強することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シート本体を着座可能状態から切り替え可能なシートにおいて、着座者にとって好適なシート切り替え操作を確保しながらも、シンプルな構成でクッションロック装置の大型化(シートの大型化)を抑制することが可能な乗り物用シートを実現することができる。
また本発明によれば、着座可能状態と収納状態とチップアップ状態との3種類の形態のシートアレンジが可能なシートにおいて、一層好適なシート切り替え操作を実現し、かつ、一層シンプルな構成からなるクッションロック装置となる。
また本発明によれば、クッションロック装置の構成部品をコンパクトに配置できる。
また本発明によれば、従来と比較してシンプルな構成によって構成部品数を抑えながら、車両走行時にシートクッションが揺れてしまう(ガタついてしまう)ことを抑制可能な乗り物用シートを実現できる。そして、車両走行時においてシートクッションの揺れを抑制できるため、クッションロック装置の内部で構成部品同士の接触による雑音が発生することも抑制できる。
また本発明によれば、クッションロック装置の構成部品数を抑えることができる。
また本発明によれば、比較的剛性が必要となる構成部品(ロック回動軸及びクッション回動軸)をシンプルな構成で補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態の乗り物用シートの斜視図である。
【
図2】乗り物用シートの骨格となるシートフレームの斜視図である。
【
図4】シートフレームの側面図であって、リクライニング装置を示す図である。
【
図5】シートフレームの側面図であって、クッションロック装置を示す図である。
【
図6】乗り物用シートの側面図であって、着座可能状態を示す図である。
【
図7】着座可能状態から収納状態へ移動する動作を説明する図である。
【
図10】チップアップ状態から着座可能状態へ復帰する動作を説明する図である。
【
図12A】着座可能状態においてロック部材と被ロック部材とがロック位置に配置された状態を示す図である。
【
図12B】着座可能状態において第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動した状態を示す図である。
【
図13A】着座可能状態においてロック部材と被ロック部材とがロック位置に配置された状態を示す図である。
【
図13B】着座可能状態において第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動した状態を示す図である。
【
図14A】チップアップ状態においてロック部材と被ロック部材とがロック位置に配置された状態を示す図である。
【
図14B】チップアップ状態において第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動した状態を示す図である。
【
図15A】チップアップ状態においてロック部材と被ロック部材とがロック位置に配置された状態を示す図である。
【
図15B】チップアップ状態において第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動した状態を示す図である。
【
図16】
図12AのA-A断面図であって、クッションロック装置を示す図である。
【
図17】第2実施形態の乗り物用シートの斜視図である。
【
図18】第2実施形態の乗り物用シートの斜視図であって、オットマン装置が基準位置から可動位置へ移動した状態を示す図である。
【
図19A】以下、第3実施形態の乗り物用シートの斜視図である。
【
図19B】乗り物用シートにおいてレール用操作レバーがロック位置からロック解除位置へ移動した状態を示す図である。
【
図21】シートフレームの要部拡大図であって、パンフレーム及び後方連結フレームを示す側面断面図である。
【
図22】サイドフレーム及び後方連結フレームを示す斜視図である。
【
図23A】クッションロック装置の分解斜視図である。
【
図24A】着座可能状態においてロック部材と被ロック部材とがロック位置に配置された状態を示す図である。
【
図24B】着座可能状態において第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る乗り物用シートについて、
図1~
図24A,Bを参照しながら説明する。
本実施形態は、シートバック及びシートクッションを有するシート本体と、シートバックに対してシートクッションを回動可能に連結するとともに、シート本体が着座者を着座させることが可能な着座可能状態のときにシートクッションの回動動作をロックするクッションロック装置とを備え、シート本体を着座可能状態とチップアップ状態の間で切り替え可能な乗り物用シートであって、クッションロック装置は、シートクッション側に取り付けられるロック部材と、シートバック側に取り付けられ、シートクッションの回動動作をロックするためにロック部材と係合する被ロック部材と、ロック部材と被ロック部材とのロック状態を解除するために、ロック可能位置とロック解除可能位置との間で移動する第1ロック解除レバー及び第2ロック解除レバーとを有し、着座可能状態においては、第1ロック解除レバー又は第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときにロック状態を解除し、チップアップ状態においては、第1ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときにはロック状態が解除されず、第2ロック解除レバーがロック可能位置からロック解除可能位置へ移動したときにロック状態を解除するように構成し、第1ロック解除レバー及び第2ロック解除レバーが、上下方向又はシート前後方向において互いに異なる位置に配置され、ロック部材を間に挟むように設けられていることを特徴とする乗り物用シートの発明に関するものである。
なお、乗り物用シートのシートバックに対して乗員が着座する側がシート前方側となる。
【0019】
本実施形態の乗り物用シートSは、例えば車両の後部座席に相当するリアシートである。なお、車両前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシートとしても利用可能である。
乗り物用シートSは、着座者が着座可能な着座可能状態と、シート本体を収納フロアに収納させた収納状態と、シート本体を上方に跳ね上げたチップアップ状態との3種類の形態のシートアレンジが可能なシートである。
具体的には、乗り物用シートSは、
図6に示す着座可能状態から、着座者がシート本体の上端部にあるリクラ用操作レバー54を引っ張ると、シート本体が前倒れして折り畳まれ(
図7参照)、収納フロアに収納された
図8に示す収納状態に切り替わる。そして、収納状態から、着座者が手動でシート本体を上方に起こすことで
図9に示すチップアップ状態に切り替わる。さらに、チップアップ状態から、着座者がシート本体(シートクッション)の前端部にあるクッション用操作レバー64を引っ張ると(
図10参照)、シート本体の一部(シートクッション)が下方に回転し、
図11に示す着座可能状態に復帰する。詳細は後述する。
【0020】
乗り物用シートSは、
図1、
図2に示すように、シートバック1と、シートクッション2と、ヘッドレスト3とを備えるシート本体と、車体フロア上に取り付けられ、シート本体を前後方向に移動可能に支持する左右のレール装置4と、レール装置4上に取り付けられ、シート本体を支持する支持ベース30と、支持ベース30を上方から覆うベースカバー40と、から主に構成されている。
また、乗り物用シートSは、
図2に示すように、支持ベース30に対してシートバック1を回動可能に連結するとともに、着座可能状態及びチップアップ状態のときにシートバック1の回動動作をロックするリクライニング装置50と、シートバック1に対してシートクッション2を回動可能に連結するとともに、着座可能状態、収納状態及びチップアップ状態のときにシートクッション2の回動動作をロックするクッションロック装置60と、を備えている。
なお、乗り物用シートSのシート前方側には、車体フロアよりも低位置に形成された凹型の収納フロアが設けられている。
【0021】
シートバック1は、
図1に示すように、乗員の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる
図2に示すバックフレーム10に、クッションパッド1aを載置して、表皮1bで被覆されて構成されている。
シートクッション2は、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる
図2に示すクッションフレーム20に、クッションパッド2aを載置して、表皮2bで被覆されて構成されている。
ヘッドレスト3は、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となる不図示のピラーにクッションパッドを載置して表皮で被覆されて構成されている。
【0022】
レール装置4は、
図2に示すように、上下方向においてシート本体と車体フロアとの間に配設されており、車体フロアに固定され、シート前後方向に延びる左右のロアレール4aと、ロアレール4aに沿って摺動可能に支持される左右のアッパレール4bと、ロアレール4aに対してアッパレール4bを摺動不能にロックする不図示のロック装置と、当該ロック装置のロック状態を解除するために操作される
図1に示すレール用操作レバー4cと、から主に構成されている。
左右のアッパレール4bの上面には、支持ベース30が架設されている。
【0023】
バックフレーム10は、
図2に示すように、シートバック1の骨格となる略矩形状の枠状体からなり、バックフレーム10のシート幅方向の外側面においてその下方部分には、支持ベース30と連結するための左右の連結ブラケット11が取り付けられている。
連結ブラケット11は、上下方向に延出する弓形状の板金部材からなり、連結ブラケット11の上端がバックフレーム10に取り付けられ、その下端が支持ベース30に取り付けられている。
右側の連結ブラケット11の下端部には、支持ベース30に対してバックフレーム10を回動可能に連結するリクライニング装置50(リクライニング本体51)が取り付けられており、左側の連結ブラケット11の下端部には、シート幅方向において支持ベース30に軸支されたバック回動軸52が設けられている。
【0024】
クッションフレーム20は、
図2、
図3に示すように、シートクッション2の骨格となる略矩形状の枠状体からなり、シート幅方向の側方に配置された左右のサイドフレーム21と、各サイドフレーム21の前方部分を連結する前方連結パイプ22と、各サイドフレーム21の後方部分を連結する後方連結パイプ23と、前方連結パイプ22と後方連結パイプ23を連結する板状フレームとしてのパンフレーム24と、から主に構成されている。
【0025】
サイドフレーム21は、シート前後方向に延出する板金部材からなり、左側のサイドフレーム21の前端部分には、取り付けワイヤ25を介して
図1に示すレール用操作レバー4cが取り付けられており、右側のサイドフレームの前端部分には、取り付けワイヤ25を介して
図1に示すクッション用操作レバー64が取り付けられている。
またサイドフレーム21のシート幅方向の外側面においてその後端部分には、クッションロック装置60が取り付けられている。
左右のサイドフレーム21は、
図3に示すように、シート幅方向において左右のレール装置4とは異なる位置、具体的には左右のレール装置4よりも右側にオフセット配置されている。当該オフセット配置によって、左側のサイドフレーム21の外側面においてスペースを確保することができ、当該スペースにおいてクッションロック装置60のほか、
図1に示すアームレスト5、シートベルト用のバックル6が取り付けられている。その結果、乗り物用シートSのシート幅方向の大型化を抑制することができる。
【0026】
取り付けワイヤ25は、
図2、
図3に示すように、略U字形状からなり、前方連結パイプ22のシート幅方向の端部と、サイドフレーム21の前端部分とに架け渡されるように配置されている。
具体的には、取り付けワイヤ25は、レール用操作レバー4c(クッション用操作レバー64)が取り付けられるワイヤ本体部25aと、ワイヤ本体部25aのシート幅方向の内側端部から連続して下方に屈曲し、前方連結パイプ22に取り付けられるワイヤ取り付け部25bと、ワイヤ本体部25aのシート幅方向の外側端部から連続して下方に屈曲し、サイドフレーム21に取り付けられるワイヤ取り付け部25c、とを有している。
ワイヤ取り付け部25bは、略L字形状からなり、その一部分が前方連結パイプ22に沿ってシート幅方向に延びている。
【0027】
支持ベース30は、
図2に示すように、シート本体を支持する部材であって、シート幅方向の側方部分に設けられ、アッパレール4bに沿って配置される左右のサイドベース部31と、各サイドベース部31の前方部分を連結する前方ベース連結部32と、各サイドベース部31の略中央部分を連結する後方ベース連結部33と、各サイドベース部31の上面に取り付けられる左右の補強ベース部34と、を備えている。
前方ベース連結部32、後方ベース連結部33それぞれの左右両端部は、サイドベース部31と補強ベース部34とで挟まれて連結されている。
【0028】
ベースカバー40は、
図1に示すように、支持ベース30全体及びレール装置4を上方から覆う樹脂成形品である。
ベースカバー40は、支持ベース30及びレール装置4を外部から保護する機能のほか、シート本体が着座可能状態から収納状態に切り替わるときにシート本体(シートクッション2)の移動をガイドする機能を備えている。
ベースカバー40は、シート幅方向の側方部分に設けられ、シートクッション2に向かって上方に突出するように形成される左右のカバー突出部41と、左右のカバー突出部41の間に設けられ、カバー突出部41よりも下方に窪むように形成され、収容物を収容するためのカバー収容凹部42と、を主に備えている。
カバー突出部41は、そのシート前後方向の中央部分が最も高い上面を有しており、シート前方にある傾斜面の延長線上には、収納フロアが配置されている。
カバー突出部41は、シート本体が着座可能状態から収納状態へ移動するときに、
図11に示すように、シートクッション2を保護する不図示のクッションカバーと当接し、当該クッションカバーを収納フロア側へ摺動させる(滑走させる)機能を有している。つまり、シートクッション2がベースカバー40によってガイドされて収納フロアへ円滑に向かうように構成されている。
【0029】
リクライニング装置50は、
図2、
図4に示すように、シート幅方向において右側の連結ブラケット11の内側面に配置されており、シート幅方向においてクッションフレーム20との干渉を抑制している。
リクライニング装置50は、バックフレーム10を回動させるときに駆動するリクライニング本体51と、バック回動軸52と、バックフレーム10をバック回動軸52を中心として前方回転させるように付勢する渦巻きバネ53と、バックフレーム10のロック状態を解除するために操作される
図1のリクラ用操作レバー54と、リクラ用操作レバー54とリクライニング本体51を連結するリクラ用ケーブル55と、から主に構成されている。
【0030】
リクライニング本体51は、公知なロック機構を有し、バックフレーム10の状態を、支持ベース30に対して固定されたロック状態と、支持ベース30に対して回動可能なロック解除状態との間で切り替えることが可能である。
バック回動軸52は、シート幅方向においてバックフレーム10側と支持ベース30側とに軸支され、渦巻きバネ53は、その一端がバックフレーム10側に係止され、他端が支持ベース30側に係止されている。
リクラ用ケーブル55は、リクラ用操作レバー54の操作に牽引されてシートバック1をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する。
【0031】
上記構成において、リクライニング装置50は、バックフレーム10を
図6の起立姿勢にロックし、リクラ用操作レバー54が操作されることでロック状態を解除し、渦巻きバネ53の付勢力によってバックフレーム10を前方側に回転させて車体フロア側に折り畳むことができる(
図7参照)。
【0032】
クッションロック装置60は、
図2、
図5に示すように、シート幅方向において左側のサイドフレーム21の外側面に配置されている。
クッションロック装置60は、クッションフレーム20の回動動作をロックするためのロック本体61と、クッション回動軸62と、クッションフレーム20をクッション回動軸62を中心として下方側に付勢する渦巻きバネ63と、クッションフレーム20のロック状態を解除するために操作される
図1のクッション用操作レバー64と、上述のリクラ用操作レバー54とロック本体61を連結する第1クッション用ケーブル65と、クッション用操作レバー64とロック本体61を連結する第2クッション用ケーブル66と、から主に構成されている。
ロック本体61の詳細については後述する。
【0033】
クッション回動軸62は、シート幅方向においてバックフレーム10側とクッションフレーム20側とに軸支され、渦巻きバネ63は、その一端がバックフレーム10側に係止され、他端がクッションフレーム20側に係止されている。
クッション用操作レバー64は、クッションフレーム20の前方端部に取り付けられており、かつ、クッションフレーム20の右側端部、言い換えれば乗り物用シートSにおける車両ドア側の端部に配置されている。そのため、車両ドアを開いた状態で車外から乗員がクッション用操作レバー64を操作することが可能である。
【0034】
第1クッション用ケーブル65は、バックフレーム10の外側面に沿って上下方向に延びており、リクラ用操作レバー54の操作に牽引されてクッションフレーム20をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する。
また、第2クッション用ケーブル66は、クッションフレーム20の外側面に沿ってシート前後方向に延びており、クッション用操作レバー64の操作に牽引されてクッションフレーム20をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する。
【0035】
クッションロック装置60は、クッションフレーム20を
図6の水平姿勢にロックし、リクラ用操作レバー54が操作されることでバックフレーム10と連動してロック状態を解除し、渦巻きバネ63の付勢力によってクッションフレーム20を前方側に付勢しながら車体フロア側に折り畳むことができる(
図7参照)。
また、クッションロック装置60は、着座可能状態においてクッション用操作レバー64が操作されることで、クッションフレーム20のロック状態を解除し、渦巻きバネ63の付勢力に抗してクッションフレーム20を上方に起こすことで、
図9に示すチップアップ状態に移動させることができる。そして、チップアップ状態においてクッション用操作レバー64が再度操作されることで(
図10参照)、渦巻きバネ63の付勢力によってバックフレーム10に対しクッションフレーム20を下方側に回転させて
図11に示す着座可能状態に復帰させることができる。
【0036】
上記構成において、
図2に示すように、リクライニング装置50がシート本体のシート幅方向の右側に配置される一方で、クッションロック装置60がシート本体の左側に配置されている。そのため、比較的大型な構成部品をバランス良く配置することとなり、シート本体全体のバランスが良くなる。
【0037】
<シート収納動作>
次に、
図6-
図8に基づいてシート本体を着座可能状態から収納状態へ移動させる動作を説明する。なお、
図6-
図8において、リクライニング装置50及びクッションロック装置60は、黒丸で図示されるときにロック状態を示し、白丸で図示されるときにロック解除状態を示すものとする。
図9-
図10も同様である。
【0038】
乗り物用シートSが
図6に示す着座可能状態にあるとき、シートバック1は、支持ベース30によって支持され、リクライニング装置50によって起立姿勢にロックされている。また、シートバック1に連結されたシートクッション2は、ベースカバー40(支持ベース30)によって下方から支持されている。
【0039】
乗り物用シートSを着座可能状態から収納状態へ移動させるときには、シートバック1上面に設けられたリクラ用操作レバー54を操作する。
着座者がリクラ用操作レバー54を操作することで、リクラ用ケーブル55及び第1クッション用ケーブル65がそれぞれ牽引され、
図7に示すように、リクライニング装置50及びクッションロック装置60のロック状態が解除される。
そして、シートバック1は、渦巻きバネ53の付勢力によって、シートクッション2を収納フロアまで移動させるようにバック回動軸52を中心としてシート前方側に回転を開始する。
【0040】
シートバック1が、
図7に示すように、所定の回転位置に到達したときに、シートクッション2がベースカバー40(カバー突出部41)の表面に当接し、ベースカバー40の表面上を摺動しながら収納フロアに向かって移動する。
そして、
図8に示すように、シートバック1及びシートクッション2が収納フロアに到達したときに、リクラ用操作レバー54の操作を終了することで、シートクッション2がクッションロック装置60によって再びロックされることになる。
なお、リクライニング装置50については、シートバック1が車体フロアに対して所定の角度までシート前方に回転したときに、リクライニング装置50のロック解除状態が維持される公知なロック解除キャンセラー機構を有している。そのため、リクラ用操作レバー54の操作を終えた後も、シートバック1が車体フロアに対して回動可能となっている。
上記一連の動作によって、シート本体が収納フロアに収納され、乗り物用シートSが収納状態に切り替わる。
【0041】
<シートチップアップ動作>
次に、
図9、
図10に基づいてシート本体を収納状態からチップアップ状態へ移動させる動作を説明する。
乗り物用シートSが
図8に示す収納状態にあるときに、例えば、乗員が手動でシート本体を上方に起こすことで
図9に示すチップアップ状態に切り替わる。
このとき、クッションロック装置60がシートクッション2の回動動作をロックしているため、シートバック1を上方に起こすことでシートクッション2も一体的に上方に起こすことができる。
なお、チップアップ状態のときに、アッパレール4bをロアレール4aに対してシート後方側に摺動させることによって、シート前方側に一層広い荷室スペースを確保することができる。
【0042】
乗り物用シートSが
図9に示すチップアップ状態に切り替わったとき、シートバック1は、着座可能状態の位置と同じ位置に復帰し、リクライニング装置50によって起立姿勢でロックされることになる。
【0043】
最後に、乗り物用シートSをチップアップ状態から着座可能状態へ移動させるときには、
図9に示すクッション用操作レバー64を引く操作をすることで、第2クッション用ケーブル66が牽引され、
図10に示すように、クッションロック装置60のロック状態が解除される。
シートクッション2は、クッションロック装置60の解除に伴い、渦巻きバネ63の付勢力によって、シートバック1に対して下方側に回転する。
上記一連の動作により、乗り物用シートSが
図11に示す着座可能状態に復帰する。
【0044】
なお、上記切り替え操作のほか、乗り物用シートSを着座可能状態からチップアップ状態へ移動させることもできる。
具体的には、着座者がクッション用操作レバー64を操作することで、第2クッション用ケーブル66が牽引され、クッションロック装置60のロック状態が解除される。
そして、シートバック1に対してシートクッション2を渦巻きバネ63の付勢力に抗して上方側に回転させることで、チップアップ状態へ直接移動させることができる。このとき、リクライニング装置50によるシートバック1のロック状態は維持されたままとなる。
【0045】
<クッションロック装置の詳細>
次に、クッションロック装置60(ロック本体61)の具体的な構成について
図12A,B-
図13A,Bに基づいて説明する。
クッションロック装置60は、
図12Aに示すように、クッションフレーム20側(サイドフレーム21)に取り付けられるロック部材70と、バックフレーム10側に取り付けられ、ロック部材70に係合する被ロック部材71と、ロック部材70と被ロック部材71のロック状態を解除するために動作する第1ロック解除レバー72及び第2ロック解除レバー73と、を備えている。
また、クッションロック装置60は、着座可能状態のときにロック部材70に設けられた係合部70aと、被ロック部材71に設けられた被係合部71aとの間に隙間Cが形成された状態を保持するために、被ロック部材71の位置を保持する位置保持部材74をさらに備えている。
上記において、クッションロック装置60は、
図12Aに示すように、ロック部材70が被ロック部材71に係合するロック位置にいるときに、クッションフレーム20をロック状態にする。一方で、
図12Bに示すように、ロック部材70が被ロック部材71に係合しないロック解除位置にいるときに、クッションフレーム20をロック解除状態にする。
【0046】
ロック部材70は、
図12A,Bに示すように、シート幅方向に沿って延びるロック回動軸75を中心として、ロック位置と、ロック位置よりも下方に移動したロック解除位置との間で回転する部材である。そして、着座可能状態にいるときに第2ロック解除レバー73及び第2付勢バネ78によって上方へ付勢され、ロック位置に配置されている。
具体的には、ロック部材70は、係合部70aと、係合部70aとはロック回動軸75を間に挟んで反対側に配置され、そのシート幅方向の外側面から第2ロック解除レバー73側に突出する嵌合突起70bと、を有している。
嵌合突起70bは、第2ロック解除レバー73の側面に形成された嵌合溝73bと嵌合する配置となっている。
すなわち、ロック部材70は、シート幅方向において被ロック部材71と同じ位置に配置されており、かつ、第2ロック解除レバー73よりも内側に配置されている。
【0047】
被ロック部材71は、
図12A,Bに示すように、上下方向に延びてバックフレーム10とクッションフレーム20を連結する部材であって、その上端部分がバックフレーム10の外側面に固定され、その下端部分がサイドフレーム21の外側面にクッション回動軸62を介して取り付けられている。
また、被ロック部材71は、シート幅方向においてロック部材70と同じ位置に配置されている。
【0048】
被ロック部材71は、被係合部71aと、被係合部71a及びクッション回動軸62の間に配置され、そのシート幅方向の外側面から第1ロック解除レバー72及び位置保持部材74側に突出する当接突起71bと、当接突起71bとはクッション回動軸62を間に挟んで反対側に配置される補助突起71cと、を有している。
当接突起71bは、第1ロック解除レバー72の回動を規制すべく、第1ロック解除レバー72(当接部72a)に当接するように配置され、かつ、被ロック部材71の位置を保持すべく、位置保持部材74(当接部74a)に当接するように配置されている。
すなわち、被ロック部材71は、シート幅方向において第1ロック解除レバー72及び位置保持部材74よりも内側に配置されている。一方で、第1ロック解除レバー72及び位置保持部材74は、シート幅方向において同じ位置に配置されている。
【0049】
第1ロック解除レバー72は、クッションフレーム20の外側面にクッション回動軸62を介して回動可能となるように連結されており、
図12Aに示すロック可能位置と、
図12Bに示すロック解除可能位置との間で回転する部材である。
第1ロック解除レバー72は、クッション回動軸62の外周面に取り付けられた第1付勢バネ77によって、ロック解除可能位置側からロック可能位置側へ付勢されている。
また、第1ロック解除レバー72は、シート幅方向においてロック部材70及び被ロック部材71とは異なる位置に配置されており、かつ、シート幅方向において被ロック部材71と並ぶ位置に配置されている。
【0050】
第1ロック解除レバー72には、当接部72aと、第1クッション用ケーブル65の一端が取り付けられるケーブル取り付け部72bと、ケーブル取り付け部72bとはクッション回動軸62を間に挟んで反対側に配置され、ロック部材70を押圧するための押圧部72cと、がそれぞれ形成されている。
詳しく述べると、押圧部72cは、ロック部材70を位置保持部材74を介して間接的に押圧する構成となっており、第1クッション用ケーブル65による牽引に伴って、
図12Bに示すように、ロック部材70をロック可能位置からロック解除可能位置へ押圧するものである。
【0051】
第2ロック解除レバー73は、クッションフレーム20の外側面にレバー回動軸76を介して回動可能となるように連結されており、
図13Aに示すロック可能位置と、
図13Bに示すロック解除可能位置との間で回転する部材である。
第2ロック解除レバー73は、クッションフレーム20の下端に取り付けられた第2付勢バネ78によって、ロック解除可能位置側からロック可能位置側へ付勢されている。
第2ロック解除レバー73には、第2クッション用ケーブル66の一端が取り付けられるケーブル取り付け部73aと、ケーブル取り付け部73aとはレバー回動軸76を間に挟んで反対側に配置され、ロック部材70を移動させるために嵌合突起70bに嵌合する嵌合溝73bと、がそれぞれ形成されている。
【0052】
位置保持部材74は、クッションフレーム20の外側面にロック回動軸75を介して回動可能となるように連結されており、
図12A,Bに示すように、当接部74aが当接突起71bに当接する保持位置と、当接部74aが当接突起71bに当接しない位置となる保持解除位置との間で回転する部材である。
位置保持部材74は、ロック回動軸75の外周面に取り付けられた第3付勢バネ79によって、保持解除位置側から保持位置側へ付勢されている。
また、位置保持部材74は、シート幅方向においてロック部材70及び被ロック部材71とは異なる位置に配置されており、かつ、シート幅方向においてロック部材70と並ぶ位置に配置されている。
【0053】
位置保持部材74には、被ロック部材71(当接突起71b)に当接することで被ロック部材71の位置を保持するための当接部74aと、ロック部材70(嵌合突起70b)を押し出すための押出し部74bと、がそれぞれ形成されている。
なお、位置保持部材74のうち、第3付勢バネ79の自由端が取り付けられる部分には、凹み部74cが形成されており、当該自由端の組み付け剛性を確保している。
【0054】
なお、
図16に示すように、ロック部材70及び位置保持部材74を重ね合わせたときの厚さをT1、被ロック部材71及び第1ロック解除レバー72を重ね合わせたときの厚さをT2としたときに、T1及びT2が同じ厚さとなるように設定されている。
【0055】
上記構成において、
図12Aに示すように、クッションロック装置60では、構成部品の製品誤差を考慮して、ロック部材70と被ロック部材71の間に僅かな隙間Cが形成されている。そして、位置保持部材74が被ロック部材71の位置を保持する配置となっている。
そのため、車両走行時にシートクッションが揺れてしまう(ガタついてしまう)ことを抑制可能な乗り物用シートSを実現できる。
また、クッションロック装置60では、外部から荷重を受けて位置保持部材74が第3付勢バネ79の付勢力に抗して保持位置から保持解除位置側へ移動してしまったとき、代わりとしてロック部材70(係合部70a)と、被ロック部材71(被係合部71a)とが係合するように構成されている。
そのため、位置保持部材74を保持位置から保持解除位置側へ逃がすことができるため、位置保持部材74を必要以上に大型化する必要がなくなる。
【0056】
また上記構成において、
図12Aに示すように、被ロック部材71の当接突起71b、補助突起71cは、それぞれ被ロック部材71の一部が切り欠かれて形成された被係合部71a,71dに近接した位置に配置されている。
そのため、当接突起71b、補助突起71cを利用して被ロック部材71のうち剛性が低くなった部分を補強することができる。
【0057】
また上記構成において、
図12Aに示すように、第1ロック解除レバー72及び第2ロック解除レバー73は、上下方向において異なる位置に配置されており、ロック部材70を間に挟むように配置されている。また、第1ロック解除レバー72は、第2ロック解除レバー73よりも上方位置に配置されている。
そのため、従来と比較してコンパクトな配置によってクッションロック装置60の大型化を抑制することができる。
【0058】
また上記構成において、
図12Aに示すように、第1ロック解除レバー72のうち、押圧部72cが形成された部分が、幅狭となるように形成されている。
そのため、押圧部72cが形成された部分において極力剛性を確保しながらも、他の構成部品との干渉を抑制することが可能な設計となっている。
【0059】
また上記構成において、
図2、
図12Aに示すように、第2ロック解除レバー73は、クランク形状となっており、具体的には、第2ロック解除レバー73のうち、嵌合溝73bが、シート幅方向においてレバー回動軸76が取り付けられた部分よりも外側に配置されている。
そのため、第2ロック解除レバー73を含む構成部品をコンパクトに配置できる。
【0060】
また上記構成において、
図5に示すように、クッションロック装置60は、クッション回動軸62とロック回動軸75を連結するためにクッションフレーム20の側面に沿って延びている軸連結部材80をさらに備えている。そのため、シンプルな構成で補強することができる。
軸連結部材80は、平板形状からなり、クッション回動軸62を軸支する第1軸支持部80aと、ロック回動軸75を軸支する第2軸支持部80bと、第2軸支持部80bよりも第1軸支持部80a側近接した部分において切り欠かれた切り欠き部80cと、を有している。
【0061】
<クッションロック装置の動作>
次に、クッションロック装置60の具体的な動作について
図12A,B-
図15A,Bに基づいて説明する。
まずは、「着座可能状態」において
図1に示す「リクラ用操作レバー54」が操作されたときのクッションロック装置60の動作について
図12A,Bに基づいて説明する。
図6に示すように着座可能状態においてクッションロック装置60がロック状態にあるとき、
図12Aに示すように、ロック部材70が被ロック部材71に係合した係合位置に配置されている。詳しく述べると、ロック部材70の係合部70aと、被ロック部材71の被係合部71aとの間に僅かな隙間Cが形成された状態で、ロック部材70と被ロック部材71が係合されている。
【0062】
このとき、第1ロック解除レバー72及び第2ロック解除レバー73はロック可能位置に配置されている。
詳しく述べると、第1ロック解除レバー72は、第1付勢バネ77によって付勢され、かつ、被ロック部材71の当接突起71bに当接することでロック可能位置に配置されている。また第2ロック解除レバー73は、第2付勢バネ78によって付勢され、かつ、ロック部材70の嵌合突起70bに嵌合することでロック可能位置に配置されている。言い換えれば、第2ロック解除レバー73(嵌合溝73b)が、ロック部材70の位置を保持している。
位置保持部材74は、被ロック部材71の係合位置を保持する保持位置に配置されている。詳しく述べると、位置保持部材74は、第3付勢バネ79によって付勢され、かつ、被ロック部材71の当接突起71bに当接することで保持位置に配置されている。
【0063】
そして、着座可能状態においてリクラ用操作レバー54が操作されたとき、
図12Bに示すように、第1ロック解除レバー72が、第1クッション用ケーブル65によって牽引されて、第1付勢バネ77の付勢力に抗してロック可能位置からロック解除可能位置へ回転移動する。
その結果、第1ロック解除レバー72(押圧部72c)が、位置保持部材74を介してロック部材70を押圧することとなり、ロック部材70が係合位置から係合解除位置へ回転移動する。
詳しく述べると、位置保持部材74は、第1ロック解除レバー72に押圧されて、保持位置から保持解除位置へ移動する。このとき、位置保持部材74(押出し部74b)がロック部材70の嵌合突起70bを押し出すことで、ロック部材70を回転移動させることができる。
なお、ロック部材70(嵌合突起70b)の回転移動に伴って、第2ロック解除レバー73についても第2付勢バネ78の付勢力に抗してロック可能位置からロック解除可能位置へ回転移動する。
上記一連の動作によって、着座可能状態においてクッションロック装置60のロック状態、すなわちロック部材70と被ロック部材71のロック状態が解除される。
【0064】
次に、「着座可能状態」において
図1に示す「クッション用操作レバー64」が操作されたときのクッションロック装置60の動作について
図13A,Bに基づいて説明する。
図6に示すように着座可能状態においてクッションロック装置60がロック状態にあるとき、
図13Aに示すように、ロック部材70が被ロック部材71に係合した係合位置に配置されている。
【0065】
そして、着座可能状態においてクッション用操作レバー64が操作されたとき、
図13Bに示すように、第2ロック解除レバー73が、第2クッション用ケーブル66によって牽引されて、第2付勢バネ78の付勢力に抗してロック可能位置からロック解除可能位置へ回転移動する。
その結果、第2ロック解除レバー73(嵌合溝73b)が、ロック部材70(嵌合突起70b)を引っ張ることとなり、ロック部材70が係合位置から係合解除位置へ回転移動する。
なお、ロック部材70(嵌合突起70b)の回転移動に伴って、位置保持部材74についても第3付勢バネ79の付勢力に抗して保持位置から保持解除位置側へ回転移動する。詳しく述べると、位置保持部材74は、被ロック部材71を保持しない中間位置へ回転移動する。
上記一連の動作によっても、着座可能状態においてクッションロック装置60のロック状態、すなわちロック部材70と被ロック部材71のロック状態が解除される。
【0066】
次に、「チップアップ状態」において
図1に示す「リクラ用操作レバー54」が操作されたときのクッションロック装置60の動作について
図14A,Bに基づいて説明する。
図9に示すようにチップアップ状態においてクッションロック装置60がロック状態にあるとき、
図14Aに示すように、ロック部材70が被ロック部材71に係合した係合位置に配置されている。詳しく述べると、ロック部材70の係合部70aと、被ロック部材71に設けられた被係合部71dとが係合されている。
【0067】
このとき、第1ロック解除レバー72及び第2ロック解除レバー73はロック可能位置に配置されている。
詳しく述べると、第1ロック解除レバー72は、第1付勢バネ77によって付勢され、かつ、被ロック部材71の当接突起71bに当接することでロック可能位置に配置されている。また第2ロック解除レバー73は、第2付勢バネ78によって付勢され、かつ、ロック部材70の嵌合突起70bに嵌合することでロック可能位置に配置されている。言い換えれば、第2ロック解除レバー73(嵌合溝73b)が、ロック部材70の位置を保持している。
位置保持部材74は、被ロック部材71の係合位置を保持する保持位置に配置されている。詳しく述べると、位置保持部材74は、第3付勢バネ79によって付勢され、かつ、被ロック部材71の補助突起71cに当接することで保持位置に配置されている。
【0068】
そして、チップアップ状態においてリクラ用操作レバー54が操作されたとき、
図14Bに示すように、第1ロック解除レバー72が、第1クッション用ケーブル65によって牽引されて、第1付勢バネ77の付勢力に抗してロック可能位置からロック解除可能位置へ回転移動する。
このとき、第1ロック解除レバー72(押圧部72c)が空振りするため、ロック部材70と被ロック部材71のロック状態を解除することができない。
すなわち、チップアップ状態においてリクラ用操作レバー54が操作されたときには、クッションロック装置60のロック状態は解除されず、リクライニング装置50のロック状態のみが解除されることとなる。
【0069】
次に、「チップアップ状態」において
図1に示す「クッション用操作レバー64」が操作されたときのクッションロック装置60の動作について
図15A,Bに基づいて説明する。
図9に示すようにチップアップ状態においてクッションロック装置60がロック状態にあるとき、
図15Aに示すように、ロック部材70が被ロック部材71に係合した係合位置に配置されている。
【0070】
そして、着座可能状態においてクッション用操作レバー64が操作されたとき、
図15Bに示すように、第2ロック解除レバー73が、第2クッション用ケーブル66によって牽引されて、第2付勢バネ78の付勢力に抗してロック可能位置からロック解除可能位置へ回転移動する。
その結果、第2ロック解除レバー73(嵌合溝73b)が、ロック部材70(嵌合突起70b)を引っ張ることとなり、ロック部材70が係合位置から係合解除位置へ回転移動する。
このとき、位置保持部材74は、嵌合溝73bの回動範囲とは異なる位置に配置されているため、保持位置に配置されたままの状態となる。
上記一連の動作によって、チップアップ状態においてクッションロック装置60のロック状態、すなわちロック部材70と被ロック部材71のロック状態が解除される。
【0071】
<乗り物用シートの第2実施形態>
次に、乗り物用シートの第2実施形態について、
図17、
図18に基づいて説明する。
なお、上述した乗り物用シートSと重複する内容については説明を省略する。
第2実施形態に係る乗り物用シートS2は、乗り物用シートSと比較して、オットマン装置90をさらに備えている点が主に異なっている。
【0072】
オットマン装置90は、公知な装置からなり、
図17に示すように、シートクッション2の前端部分に取り付けられており、シート幅方向においてリクラ用操作レバー54とレール用操作レバー4cの間に配置されている。
オットマン装置90は、シート幅方向に延びてシートクッション2の前端部分に軸支されるオットマン回動軸91と、シートクッション2に対してオットマン回動軸91を回動中心として回動する脚支持部材92と、脚支持部材92を可動させるための不図示の可動ユニットと、から主に構成されている。
脚支持部材92は、シートクッション2の内部に格納された
図17に示す格納位置と、格納位置からシートクッション2よりも前方側に展開された
図18に示す展開位置との間で回動可能となっている。
脚支持部材92は、シートクッション2の前端部分に支持された支持側端部92aと、支持側端部92aよりもシート幅方向において幅広となるように形成された展開側端部92bと、から主に構成されている。
【0073】
上記構成により、シートアレンジが可能であって、オットマン装置90をコンパクトに配置した乗り物用シートを実現することができる。
【0074】
<乗り物用シートの第3実施形態>
次に、第3実施形態の乗り物用シートS3について、
図19A,B~
図24A,Bに基づいて説明する。
乗り物用シートS3では、乗り物用シートS2と比較して、レール装置104、クッションフレーム120、クッションロック装置160、軸連結部材180の構成が主に異なっている。
【0075】
レール装置104は、
図19A,B~
図20に示すように、ロアレール104aと、アッパレール104bと、ロアレール104aに対してアッパレール104bを摺動不能にロックする不図示のロック装置と、当該ロック装置のロック状態を解除するために操作されるレール用操作レバー104cと、レール用操作レバー104cを格納するための凹形状の格納プレート104dと、格納プレート104d内部に軸支され、レール用操作レバー104cの回動軸となるレバー回動軸104eと、レール用操作レバー104cをロック位置側に付勢する不図示の付勢バネと、から主に構成されている。
格納プレート104dは、シートクッション102の前端部分に形成された格納凹部102aに格納されており、また、
図20に示す取付ワイヤ125に取り付けられている。
【0076】
レール用操作レバー104cは、レバー回動軸104eを中心としてシートクッション102(格納プレート104d)に格納されたロック位置と、補助バネの付勢力に抗してシートクッション102よりも前方に突出させたロック解除位置との間で回動する部材である。
レール用操作レバー104cの前面には、乗員が指を掛けて把持するための矩形状の貫通穴105が形成されている。
貫通穴105は、縦断面略L字形状の貫通穴であって、レール用操作レバー104cの前面からシート後方に向かって延びており、レール用操作レバー104c内部の所定位置で屈曲して下方に向かってさらに延びており、レール用操作レバー104cの底面まで達するように形成されている。
【0077】
上記のように、レール用操作レバー104cに貫通穴105が形成されることで、乗員が指を掛けて把持し易くなり、レール装置104の操作性を向上させることができる。
特に、乗り物用シートS3がリアシート(ミドルシート)である場合には、フロントシートに着座している乗員が手を伸ばして貫通穴105に指を掛けることができ、そのままレール用操作レバー104cを操作することが可能になる。具体的には、乗員がレール用操作レバー104cに指を掛けたまま、乗り物用シートS3をシート前方に引くことで乗り物用シートS3を容易に前方移動させることができる。当然ながら、シート後方に押し出すことで乗り物用シートS3を後方移動させることもできる。
【0078】
クッションフレーム120は、
図20~
図22に示すように、左右のサイドフレーム121と、前方連結フレーム122と、後方連結フレーム123と、パンフレーム124と、から主に構成されている。
【0079】
後方連結フレーム123は、縦断面略矩形状のフレーム部材からなり、左右のサイドフレーム121の下端に設けられた切り欠き部(切り欠き穴)121aに嵌め込まれ、当該切り欠き部121aに溶接で固定されている。
後方連結フレーム123は、縦断面U字形状の第1フレーム部123aと、縦断面U字形状の第2フレーム部123bとを有している。
第1フレーム部123aと、第2フレーム部123bとが上下方向で重なることで、閉断面構造が形成されている。また、第1フレーム部123aが、第1フレーム部123aよりも下方に位置する第2フレーム部123bの内部に嵌め込まれている。
第1フレーム部123a、第2フレーム部123bそれぞれの幅方向の中央部分には、上下方向において互いに近づく方向に窪んだ補強凹部123cが形成されている。
補強凹部123cは、シート幅方向に沿って延びている。
【0080】
パンフレーム124は、前方連結フレーム122の上面と、後方連結フレーム123の上面とに架け渡されて、溶接で取り付けられている。
詳しく述べると、パンフレーム124の後端部が、後方連結フレーム123の上面のうち、補強凹部123cが形成された部分に対応する位置に取り付けられており、補強凹部123cを跨って延びている。
【0081】
上記のように、後方連結フレーム123は、閉断面構造を有しており、さらに補強凹部123cを有しているため、パンフレーム124の支持剛性を向上させることができる。
一般にパンフレーム124を支持するにあたって、前方連結フレーム122よりも後方連結フレーム123の方が剛性を必要とするため、上記構成であれば、パンフレーム124を好適に支持することができる。
【0082】
クッションロック装置160は、
図23A,B~
図24A,Bに示すように、ロック部材170と、被ロック部材171と、第1ロック解除レバー172及び第2ロック解除レバー173と、を備えている。
また、クッションロック装置160は、着座可能状態のときにロック部材170と被ロック部材171の間に隙間Cが形成された状態を保持するために、被ロック部材171の位置を保持する位置保持部材174をさらに備えている。
さらに、クッションロック装置160は、クッション回動軸162と、ロック回動軸175と、サイドフレーム121に設けられた補助突起121bとを連結する軸連結部材180をさらに備えている。
上記構成のうち、クッションロック装置60と比較して、第1ロック解除レバー172及び軸連結部材180の形状が主に異なっている。
【0083】
第1ロック解除レバー172は、略U字形状に折り返されたプレート部材からなり、クッションフレーム120の外側面にクッション回動軸162を介して回動可能となるように連結されており、
図24Aに示すロック可能位置と、
図24Bに示すロック解除可能位置との間で回転する部材である。
第1ロック解除レバー172は、シート幅方向においてロック部材70及び被ロック部材71とは異なる位置に配置されており、かつ、シート幅方向において位置保持部材174と同じ位置に配置されている。
【0084】
詳しく述べると、第1ロック解除レバー172は、クッションフレーム120の外側面にクッション回動軸162を介して連結されるレバー本体部172Aと、レバー本体部172Aの上端部が折り返されて形成され、レバー本体部172Aと間隔を空けながら対向しているレバー折り返し部172Bと、レバー本体部172A及びレバー折り返し部172Bを連結するレバー連結部172Cと、から主に構成されている。
レバー本体部172Aには、当接部172aと、押圧部172cとが形成されている。また、レバー折り返し部172Bには、ケーブル取り付け部172bと、クッション回動軸162を挿通させるための軸挿通穴172dとが形成されている。
【0085】
上記のように、第1ロック解除レバー172では、位置保持部材174に作用するレバー本体部172Aと、第1クッション用ケーブル165を掛け止めするケーブル取り付け部172bとをシート幅方向に位置を異ならせて(ずらして)配置している。
そのため、クッションロック装置160のシート前後方向の大型化を一層抑制することができる。
【0086】
軸連結部材180は、
図23A,Bに示すように、段差形状を有するプレート部材からなり、クッションフレーム120(サイドフレーム121)の外側面に沿って延びている。
軸連結部材180は、ロック部材170、被ロック部材171、第1ロック解除レバー172、第2ロック解除レバー173及び位置保持部材174をシート幅方向の外側から覆うように取り付けられている。
詳しく述べると、軸連結部材180は、第1ロック解除レバー172のうち、レバー本体部172A及びレバー折り返し部172Bの間に挟まれて配置されている。
【0087】
軸連結部材180は、その上方部分に配置され、クッション回動軸62を軸支する第1軸支持部180aと、第1軸支持部180aよりも下方位置に配置され、ロック回動軸175を軸支する第2軸支持部180bと、第2軸支持部180bよりも前方位置に配置され、補助突起121bに取り付けられる突起連結部180cと、を有している。
また、軸連結部材180の中央部分には、シート幅方向の外側に突出し、第1軸支持部180aの外周に沿って延びている湾曲形状の補強リブ180dが形成されている。
なお、補強リブ180dは、被ロック部材171の当接突起171bとの干渉を抑制するための逃げ部としても機能する。
【0088】
上記のように、軸連結部材180は、ロック部材170、被ロック部材171、第1ロック解除レバー172、第2ロック解除レバー173及び位置保持部材174を外側から覆っている。そのため、クッションロック装置160のこれら構成部品の支持剛性を高めることができる。
【0089】
クッションロック装置160の具体的な動作については、上述したクッションロック装置60の動作と基本的に同じである。
参考として、「着座可能状態」において
図19Aに示すリクラ用操作レバー154が操作されたときのクッションロック装置160の動作についてのみ、説明することとする。
着座可能状態においてクッションロック装置160がロック状態にあるとき、
図24Aに示すように、ロック部材170が被ロック部材171に係合した係合位置に配置されている。詳しく述べると、ロック部材170の係合部170aと、被ロック部材171の被係合部171aとの間に僅かな隙間が形成された状態で、ロック部材170と被ロック部材171が係合されている。
【0090】
このとき、第1ロック解除レバー172及び第2ロック解除レバー173はロック可能位置に配置されている。
詳しく述べると、第1ロック解除レバー172は、第1付勢バネ177によって付勢され、かつ、被ロック部材171の当接突起171bに当接することでロック可能位置に配置されている。また第2ロック解除レバー173は、第2付勢バネ178によって付勢され、かつ、ロック部材170の嵌合突起170bに嵌合することでロック可能位置に配置されている。言い換えれば、第2ロック解除レバー173(嵌合溝173b)が、ロック部材170の位置を保持している。
位置保持部材174は、被ロック部材171の係合位置を保持する保持位置に配置されている。詳しく述べると、位置保持部材174は、第3付勢バネ179によって付勢され、かつ、被ロック部材171の当接突起171bに当接することで保持位置に配置されている。
【0091】
そして、着座可能状態においてリクラ用操作レバー154が操作されたとき、
図24Bに示すように、第1ロック解除レバー172が、第1クッション用ケーブル165によって牽引されて、第1付勢バネ177の付勢力に抗してロック可能位置からロック解除可能位置へ回転移動する。
その結果、第1ロック解除レバー172(押圧部172c)が、位置保持部材174を介してロック部材170を押圧することとなり、ロック部材170が係合位置から係合解除位置へ回転移動する。
詳しく述べると、位置保持部材174は、第1ロック解除レバー172に押圧されて、保持位置から保持解除位置へ移動する。このとき、位置保持部材174(押出し部174b)がロック部材170の嵌合突起170bを押し出すことで、ロック部材170を回転移動させることができる。
なお、ロック部材170(嵌合突起170b)の回転移動に伴って、第2ロック解除レバー173についても第2付勢バネ178の付勢力に抗してロック可能位置からロック解除可能位置へ回転移動する。
上記一連の動作によって、着座可能状態においてクッションロック装置160のロック状態、すなわちロック部材170と被ロック部材171のロック状態が解除される。
【0092】
<その他の実施形態>
上記実施形態において、乗り物用シートSのシート前方に収納フロアが形成されているが、特に限定されることなく、乗り物用シートSの後方に収納フロアが形成されていても良い。
その場合、シート本体が収納フロアに収納されたときにシートバック1とシートクッション2の上下方向の位置関係が逆の配置になることが望ましい。
【0093】
上記実施形態において、シート本体の収納状態とは、特許請求の範囲の移動状態に相当するものとして説明されたが、特に限定されることなく、本実施形態のチップアップ状態等が移動状態に相当するものとしても勿論良い。
【0094】
上記実施形態において、
図2に示すように、支持ベース30がレール装置4を介して車体フロアに固定されているが、特に限定されることなく、レール装置4を不要として直接車体フロアに固定される等、適宜変更しても良い。
または、車体フロア上に固定された不図示の支持ブラケット(支持部材)を支持ベース30の代わりとして採用しても良い。
【0095】
上記実施形態において、
図2、
図5に示すように、ロック部材70がシートクッション2側に取り付けられ、被ロック部材71がシートバック1側に取り付けられているところ、特に限定されることなく、ロック部材70がシートバック1側に取り付けられ、被ロック部材71がシートクッション2側に取り付けられていても良い。
【0096】
上記実施形態において、
図12Aに示すように、着座可能状態において位置保持部材74が、被ロック部材71のロック位置を保持しているが、特に限定されることなく、代わりにロック部材70のロック位置を保持する構成としても良い。そのほか、位置保持部材74が、ロック部材70及び被ロック部材71の両方のロック位置を保持する構成にしても良い。
【0097】
上記実施形態において、
図12Aに示すように、位置保持部材74(当接部74a)は、被ロック部材71(当接突起71b)に当接する構成となっているところ、当接部74aの当接面において公知なコーティング剤を塗布することや、別途ゴム部材を装着することとしても良い。
その場合、位置保持部材74のうち、ロック部材70(嵌合突起70b)に当接する押出し部74bの当接面や、第1ロック解除レバー72(当接部72a)に当接する部分の当接面においても、コーティング剤を塗布する等しておくと望ましい。
【0098】
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる収納可能な乗り物用シートについて説明したが、特に限定されることなく、電車、バス等の乗り物用シートのほか、飛行機、船等の乗り物用シートとしても利用することができる。
【0099】
本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用シートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0100】
S,S2,S3 乗り物用シート
1 シートバック
1a,2a クッションパッド
1b,2b 表皮
2,102 シートクッション
102a 格納凹部
3 ヘッドレスト
4,104 レール装置
4a,104a ロアレール
4b,104b アッパレール
4c,104c レール用操作レバー
104d 格納プレート
104e レバー回動軸
105 貫通穴
5 アームレスト
6 バックル
10 バックフレーム
11 連結ブラケット
20,120 クッションフレーム
21,121 サイドフレーム
121a 切り欠き部
121b 補助突起
22,122 前方連結パイプ(前方連結フレーム)
23,123 後方連結パイプ(後方連結フレーム)
123a 第1フレーム部
123b 第2フレーム部
123c 補強凹部
24,124 パンフレーム
25,125 取付ワイヤ
25a ワイヤ本体部
25b,25c ワイヤ取り付け部
30 支持ベース(支持部材)
31 サイドベース部
32 第1ベース連結部
33 第2ベース連結部
34 補強ベース部
40 ベースカバー
41 カバー突出部
42 カバー収容凹部
50 リクライニング装置
51 リクライニング本体
52 バック回動軸
53 渦巻きバネ
54,154 リクラ用操作レバー
55 リクラ用ケーブル
60,160 クッションロック装置
61 ロック本体
62,162 クッション回動軸
63 渦巻きバネ
64 クッション用操作レバー
65,165 第1クッション用ケーブル
66 第2クッション用ケーブル
70,170 ロック部材
70a,170a 係合部
70b,170b 嵌合突起
71,171 被ロック部材
71a,71d,171a 被係合部
71b,171b 当接突起(被当接部)
71c 補助突起
72,172 第1ロック解除レバー
172A レバー本体部
172B レバー折り返し部
172C レバー連結部
72a,172a 当接部
72b,172b ケーブル取り付け部
72c,172c 押圧部
172d 軸挿通穴
73,173 第2ロック解除レバー
73a ケーブル取り付け部
73b,173b 嵌合溝
74,174 位置保持部材
74a 当接部
74b,174b 押出し部
75,175 ロック回動軸
76 レバー回動軸
77,177 第1付勢バネ
78,178 第2付勢バネ
79,179 第3付勢バネ(付勢部材)
80,180 軸連結部材
80a,180a 第1軸支持部
80b,180b 第2軸支持部
80c,180c 切り欠き部
180d 補強リブ
90 オットマン装置
91 オットマン回動軸
92 脚支持部材
92a 支持側端部
92b 展開側端部
C 隙間
T1,T2 厚さ