(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】電源用半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
G05F 1/56 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
G05F1/56 310Q
G05F1/56 320C
(21)【出願番号】P 2020149605
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 康平
(72)【発明者】
【氏名】牧 慎一朗
【審査官】間宮 嘉誉
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-039946(JP,A)
【文献】特開2017-045096(JP,A)
【文献】特開2007-089239(JP,A)
【文献】特開2011-083130(JP,A)
【文献】特開平10-224997(JP,A)
【文献】特開平11-312966(JP,A)
【文献】米国特許第05978195(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された出力トランジスタと、前記出力トランジスタを制御する制御回路とを備えた電源用半導体集積回路であって、
第1の異常状態を検出する第1異常検出回路と、
前記第1の異常状態とは異なる第2の異常状態を検出する第2異常検出回路と、
前記第1異常検出回路の出力と前記第2異常検出回路の出力を遅延する遅延回路と、
前記遅延回路の出力を取り込んで保持するラッチ回路と、
を備え、
前記遅延回路は、遅延用コンデンサを充電するための定電流源と、前記遅延用コンデンサを放電するためのスイッチ手段と、前記遅延用コンデンサの充電電圧と所定の電圧を比較する電圧比較回路とを備え
、
前記遅延用コンデンサの充電電圧の上限を規制する電圧上限規制手段を備えていることを特徴とする電源用半導体集積回路。
【請求項2】
前記第1異常検出回路は前記出力端子のショート状態を検出する回路であり、前記第1異常検出回路の出力又は前記第2異常検出回路の出力の異常を示す状態への変化に応じて前記スイッチ手段がオフされることで前記遅延用コンデンサの充電を開始し、前記電圧比較回路が前記遅延用コンデンサの充電電圧が前記所定の電圧に達したと判定したときに出力が変化し、その出力が前記ラッチ回路に取り込まれることで前記スイッチ手段がオンされて前記遅延用コンデンサを放電するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電源用半導体集積回路。
【請求項3】
前記電圧上限規制手段は、前記遅延用コンデンサの充電側端子と接地点との間に接続されたトランジスタであり、該トランジスタの制御端子には、前記制御回路を含む内部回路が動作している場合に所定の電圧が印加されることを特徴とする請求項
1または2に記載の電源用半導体集積回路。
【請求項4】
電源用半導体集積回路がオフ時にコンデンサを放電することを特徴とする請求項
3に記載の電源用半導体集積回路。
【請求項5】
前記第2異常検出回路は前記出力端子のオープン状態を検出する回路であり、
前記出力トランジスタと並列に設けられ前記出力トランジスタに流れる電流に縮小比例した電流が流れる第1トランジスタおよび第2トランジスタを備え、
前記第1異常検出回路は、前記第1トランジスタに流れる電流を変換した電圧と所定の比較電圧とを比較して大小を判定する第1電圧比較回路を備え、
前記第2異常検出回路は、前記第2トランジスタに流れる電流を変換した電圧と所定の比較電圧とを比較して大小を判定する第2電圧比較回路を備え、
予め設定されたショート異常検出電流値よりも大きな電流が前記第1トランジスタに流れた際に前記第1電圧比較回路がショート異常を判定する信号を出力し、予め設定されたオープン異常検出電流値よりも小さな電流が前記第2トランジスタに流れた際に前記第2電圧比較回路がオープン異常と判定する信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の電源用半導体集積回路。
【請求項6】
前記第1異常検出回路による検出結果を外部へ出力するための第1出力端子と、
前記第2異常検出回路による検出結果を外部へ出力するための第2出力端子と、
前記遅延回路における遅延時間が予め設定された所定の時間範囲に入っているか検出する遅延時間異常検出回路を備え、前記遅延時間異常検出回路が遅延時間の異常を検出した場合に前記第1出力端子および前記第2出力端子より異常を検出したことを示す信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の電源用半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電圧を変換するシリーズレギュレータのような電圧レギュレータまたは電源装置の電圧をそのまま負荷へ供給したり遮断したりする電源スイッチを構成する電源用半導体集積回路(電源用IC)に利用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電圧入力端子と出力端子との間に設けられたトランジスタを制御して所望の電位の直流電圧を出力する電源装置としてシリーズレギュレータ(以下、レギュレータと略す)がある。
車載用のレギュレータでは、一般にコネクタによってカーナビなどの車載電子機器がレギュレータに接続される。そのため、車体の振動でコネクタが外れて電源の出力端子がオープンになったり、負荷としての電子機器の内部でショートが発生したりすることがある。それ故、車載用のレギュレータには、このような異常な状態を検出する機能が求められている。
【0003】
そこで、例えば
図6に示すように、出力端子のオープン状態を検出するオープン異常検出用コンパレータCMP1と、ショート状態を検出するショート異常検出用コンパレータCMP2と、オープン異常検出回路とショート異常検出回路の出力を遅延する遅延回路DLYとを設け、遅延回路で遅延した信号で異常検出信号Err_op,Err_scを生成して出力端子より出力するように構成したレギュレータ用半導体集積回路(レギュレータ用IC)に関する発明が提案されている(特許文献1、2)。遅延回路を設けているのは、動作開始時に出力端子に接続されているコンデンサCoに向かってラッシュ電流が流れ込むことにより、ショート異常検出回路から誤って異常検出信号が出力されてしまうのを回避するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-45096号公報
【文献】特開2018-55545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6に示されている遅延回路を備えたレギュレータ用ICにおいては、出力端子OUTの負荷デバイスが未接続の状態から接続状態に移行する際に、遅延設定用のコンデンサCdが接続された外部端子CDの電圧VCDがかなり高い電圧に上昇しているため、
図7(A)に示す期間Tdのように放電時間が不足して、出力端子のオープン状態の解消を検出できなくなり、ショート異常検出信号Err_scに誤検出パルスEP1が出るという課題がある。また、負荷デバイスのショート状態からショートが解消された状態に移行する際にも、同様に遅延設定用のコンデンサの放電時間が不足してショート解消の検出ができなくなり、
図7(B)に示すようにオープン異常検出信号Err_opに誤検出パルスEP2が出るという課題があることが明らかになった。なお、同様な課題は、上記レギュレータ用ICと類似の構成を有し、電源装置(電池等)の電圧をそのまま負荷へ供給したり遮断したりする電源スイッチ用ICにおいても発生する。
【0006】
この発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、出力端子のショート異常やオープン異常のような2以上の異常を検出する回路と異常検出信号を遅延する遅延回路とを備えたレギュレータ用ICや電源スイッチ用ICのような電源用ICにおいて、異常状態が解消された際に、異常検出信号に誤検出パルスが生じないようにすることにある。
本発明の他の目的は、遅延設定用のコンデンサが外部端子から外れる等の異常が発生したことを検出して外部へ異常検出信号を出力することができる電源用IC(レギュレータ用IC、電源スイッチ用IC)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された出力トランジスタと、前記出力トランジスタを制御する制御回路とを備えた電源用半導体集積回路であって、
第1の異常状態を検出する第1異常検出回路と、
前記第1の異常状態とは異なる第2の異常状態を検出する第2異常検出回路と、
前記第1異常検出回路の出力と前記第2異常検出回路の出力を遅延する遅延回路と、
前記遅延回路の出力を取り込んで保持するラッチ回路と、
を備え、
前記遅延回路は、遅延用コンデンサを充電するための定電流源と、前記遅延用コンデンサを放電するためのスイッチ手段と、前記遅延用コンデンサの充電電圧と所定の電圧を比較する電圧比較回路とを備え、
前記遅延用コンデンサの充電電圧の上限を規制する電圧上限規制手段を備えているように構成したものである。
【0008】
上記のような構成を有する電源用半導体集積回路によれば、遅延回路は、遅延用コンデンサの充電電圧が所定の電圧に達したと判定したときに電圧比較回路の出力が変化し、その出力がラッチ回路に取り込まれることで遅延用コンデンサを放電するため、遅延用コンデンサの充電電圧が高くなり過ぎないようにすることができ、それによって、例えば出力端子のショート異常やオープン異常のような2以上の異常を検出する回路と異常検出信号を遅延する遅延回路とを備えたレギュレータ用ICや電源スイッチ用ICのような電源用ICにおいて、異常状態が解消された際に、異常検出信号に誤検出パルスが生じないようにすることができる。
また、電圧上限規制手段(クランプ回路)により遅延用コンデンサの充電電圧の上限を規制することができるため、遅延用コンデンサの放電に要する時間を短縮することができ、それによって異常検出信号の誤検出パルスを防止することができる。
【0009】
ここで、望ましくは、前記第1異常検出回路は前記出力端子のショート状態を検出する回路であり、前記第1異常検出回路の出力又は前記第2異常検出回路の出力の異常を示す状態への変化に応じて前記スイッチ手段がオフされることで前記遅延用コンデンサの充電を開始し、前記電圧比較回路が前記遅延用コンデンサの充電電圧が前記所定の電圧に達したと判定したときに出力が変化し、その出力が前記ラッチ回路に取り込まれることで前記スイッチ手段がオンされて前記遅延用コンデンサを放電するように構成する。
【0010】
さらに、望ましくは、前記電圧上限規制手段は、前記遅延用コンデンサの充電側端子と接地点との間に接続されたトランジスタであり、該トランジスタの制御端子には、前記制御回路を含む内部回路が動作している場合に所定の電圧が印加されるように構成する。
かかる構成によれば、電源用ICがオフされるなどして内部回路の動作が停止した際に、トランジスタ(P-MOS)の制御端子(ゲート端子)の電圧が下がって当該トランジスタがオン状態にされることによって、遅延用コンデンサの充電電荷を速やかに放電することができ、その後に電源用ICがオンされた際における誤動作を回避することができる。また、電源用半導体集積回路がオフ時にコンデンサを放電するようにすると良い。
【0011】
また、望ましくは、前記第2異常検出回路は前記出力端子のオープン状態を検出する回路であり、
前記出力トランジスタと並列に設けられ前記出力トランジスタに流れる電流に縮小比例した電流が流れる第1トランジスタおよび第2トランジスタを備え、
前記第1異常検出回路は、前記第1トランジスタに流れる電流を変換した電圧と所定の比較電圧とを比較して大小を判定する第1電圧比較回路を備え、
前記第2異常検出回路は、前記第2トランジスタに流れる電流を変換した電圧と所定の比較電圧とを比較して大小を判定する第2電圧比較回路を備え、
予め設定されたショート異常検出電流値よりも大きな電流が前記第1トランジスタに流れた際に前記第1電圧比較回路がショート異常を判定する信号を出力し、予め設定されたオープン異常検出電流値よりも小さな電流が前記第2トランジスタに流れた際に前記第2電圧比較回路がオープン異常と判定する信号を出力するように構成する。
上記のような構成によれば、出力端子のショート状態を検出する回路とオープン状態を検出する回路とを備えた電源用ICにおいて、ショート異常やオープン異常の状態が解消された際に、異常検出信号に誤検出パルスが生じないようにすることができる。
【0012】
また、望ましくは、前記第1異常検出回路による検出結果を外部へ出力するための第1出力端子と、
前記第2異常検出回路による検出結果を外部へ出力するための第2出力端子と、
前記遅延回路における遅延時間が予め設定された所定の時間範囲に入っているか検出する遅延時間異常検出回路を備え、前記遅延時間異常検出回路が遅延時間の異常を検出した場合に前記第1出力端子および前記第2出力端子より異常を検出したことを示す信号を出力するように構成する。
かかる構成によれば、遅延設定用のコンデンサが外部端子から外れる等の異常が発生したことを検出して外部へ異常検出信号を出力することができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、出力端子のショート異常やオープン異常のような2以上の異常を検出する回路と異常検出信号を遅延する遅延回路とを備えたレギュレータ用ICや電源スイッチ用ICのような電源用ICにおいて、異常状態が解消された際に、異常検出信号に誤検出パルスが生じないようにすることができる。また、遅延設定用のコンデンサが外部端子から外れる等の異常が発生したことを検出して外部へ異常検出信号を出力することができる電源用IC(レギュレータ用IC、電源スイッチ用IC)を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明を適用したレギュレータICの一実施形態を示す回路構成図である。
【
図2】
図1の実施形態のレギュレータICの各部の電圧の変化を示すもので、(A)はオープン異常が発生しその後オープンが解消された場合のタイミングチャート、(B)はショート異常が発生しその後ショートが解消された場合のタイミングチャートである。
【
図3】
図1の実施形態のレギュレータICの変形例を示す回路構成図である。
【
図4】
図3の変形例のICにおいてオープン状態からショート状態へ移行した場合の各電圧の変化を示すもので、(A)は外部端子に遅延用コンデンサが接続されている場合のタイミングチャート、(B)は遅延用コンデンサが外れるなど遅延回路に異常がある場合のタイミングチャートである。
【
図5】(A)は一般的な電源スイッチICの構成例を示す回路構成図、(B)はオープン異常検出回路およびショート異常検出回路を有する電源スイッチICに本発明を適用した場合のICの構成例を示す回路構成図である。
【
図6】オープン異常検出回路とショート異常検出回路を備えた従来のレギュレータICの一例を示す回路構成図である。
【
図7】
図6の従来のレギュレータICの各部の電圧の変化を示すもので、(A)はオープン異常が発生しその後オープンが解消された場合のタイミングチャート、(B)はショート異常が発生しその後ショートが解消された場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した直流電源装置としてのシリーズレギュレータの一実施形態を示す。なお、
図1において、一点鎖線で囲まれた部分は、単結晶シリコンのような半導体チップ上に半導体集積回路(レギュレータIC)10として形成され、該レギュレータIC10の出力端子OUTにコンデンサCoが接続されて安定な直流電圧を供給する直流電源装置として機能する。
【0016】
本実施形態のレギュレータIC10においては、
図1に示すように、直流電圧VDDが印加される電圧入力端子INと出力端子OUTとの間に、PチャンネルMOSトランジスタからなる電圧制御用のトランジスタQ1が接続され、出力端子OUTと接地電位GNDが印加されるグランドラインとの間には、出力電圧Voutを分圧するブリーダ抵抗R1,R2が直列に接続されている。
【0017】
この出力分圧用の抵抗R1,R2により分圧された電圧VFBが、上記電圧制御用のトランジスタQ1のゲート端子を制御する誤差増幅回路としての誤差アンプ11の非反転入力端子にフィードバックされている。そして、誤差アンプ11は、出力のフィードバック電圧VFBと所定の参照電圧Vrefとの電位差に応じて電圧制御用のトランジスタQ1を制御して、出力電圧Voutが所望の電位になるように制御する。
【0018】
また、本実施形態のレギュレータIC10には、上記誤差アンプ11の反転入力端子に印加される参照電圧Vrefを発生するための基準電圧回路12と、誤差アンプ11や基準電圧回路12に動作電流を流すバイアス回路13と、上記電圧制御用トランジスタQ1のゲート端子に接続され出力電流を制限するためのカレントリミット回路14と、チップの温度が所定温度以上に上昇した場合に誤差アンプ11の動作を停止させてトランジスタQ1をオフさせるサーマルシャットダウン回路15とが設けられている。CEは、ICの動作をオン/オフする信号が入力される外部端子である。
【0019】
基準電圧回路12は、直列の抵抗およびツェナーダイオードなどで構成することができる。バイアス回路13には、外部のマイコン(CPU)などから外部端子CEに入力される制御信号に応じて、誤差アンプ11へのバイアス電流を供給したり遮断したりする機能が設けられている。カレントリミット回路14は、負荷の異常などで出力電流が増加して出力電圧が低下し誤差アンプ11がトランジスタQ1により多くの電流を流すようにゲート電圧を下げようとしたときに、所定以上にドレイン電流が大きくならないようにクランプをかけることで出力電流Ioを制限する。
【0020】
さらに、本実施形態のレギュレータIC10においては、上記電圧制御用のトランジスタQ1と並列に、Q1とカレントミラー回路を構成するトランジスタQ2,Q3が設けられ、これらのトランジスタQ2,Q3の制御端子としてのゲート端子に、電圧制御用のトランジスタQ1のゲート端子に印加される電圧と同一の電圧が印加されている。これにより、Q2,Q3には、素子のサイズ比Nに応じて、Q1のドレイン電流に比例した電流(1/Nの電流)が流れるようにされている。トランジスタQ1を同一サイズのトランジスタをN個だけ並列形態に接続して構成し、Q2,Q3はそれぞれ1個のトランジスタで構成する場合には、素子の個数に比例した電流が流れるように設定される。
【0021】
また、本実施形態のレギュレータIC10には、チップの外部にて電流-電圧変換するための抵抗Ropを接続するための外部端子P1と、抵抗Rscを接続するための外部端子P2とが設けられ、上記カレントミラー・トランジスタQ2のドレイン端子は外部端子P1に接続され、カレントミラー・トランジスタQ3のドレイン端子は外部端子P2に接続されている。さらに、外部端子P1に反転入力端子が接続され非反転入力端子に参照電圧Vref1が印加されたオープン異常検出用のコンパレータCMP1と、外部端子P2に非反転入力端子が接続され反転入力端子に参照電圧Vref1が印加されたショート異常検出用のコンパレータCMP2とが設けられている。
【0022】
上記外付け抵抗Ropは、電圧制御用のトランジスタQ1に比較的小さなオープン異常の検出電流が流れたときに、抵抗の両端子間電圧が参照電圧Vref1と同一の値となるように抵抗値が設定される。一方、上記外付け抵抗Rscは、電圧制御用のトランジスタQ1に比較的大きなショート異常の検出電流が流れたときに、抵抗の両端子間電圧が参照電圧Vref1と同一の値となるように抵抗値が設定される。
このように、本実施形態では、外付け抵抗Rop,Rscでオープン異常とショート異常を検出する電流値を設定するため、使用するシステムに応じて検出電流値(しきい値)を任意に設定できるとともに、コンパレータCMP1とCMP2に用いられる参照電圧Vref1として同一の電圧値を用いることができ、参照電圧を生成する回路を簡略化することができる。
【0023】
また、本実施形態のレギュレータIC10には、ラッシュ電流に起因する誤検出信号を防止するため、コンパレータCMP1とCMP2の出力を遅延する抵抗や容量などからなる遅延回路16と、該遅延回路16の出力を取り込んで保持するラッチ回路17と、上記コンパレータCMP1とCMP2の出力の論理和をとるNORゲートG1と、NORゲートG1の出力と上記ラッチ回路17の出力の論理和をとって遅延回路16に入力するORゲートG2と、上記ラッチ回路17の出力と遅延する前のコンパレータCMP1,CMP2の出力との論理積をとるANDゲートG3,G4が設けられている。
【0024】
さらに、上記ANDゲートG3の出力がゲート端子に入力されるNチャンネルMOSトランジスタQ5と、上記ANDゲートG3の出力がゲート端子に入力されるN-MOSトランジスタQ6とが設けられている。そして、レギュレータICには、オープンドレイン形式で外部のCPU等へ信号を出力するための外部端子P3とP4とが設けられており、上記トランジスタQ5のドレイン端子が外部端子P3に接続され、上記トランジスタQ6のドレイン端子が外部端子P4に接続されている。
【0025】
本実施形態のレギュレータICは、出力端子に向かって比較的大きな電流が流れたことをもってショート状態発生と判定する。一方、ICの起動時には、出力端子のコンデンサCoに向かって比較的大きなラッシュ電流(突入電流)が流れる。しかるに、本レギュレータICのショート異常検出用のコンパレータCMP2では、このラッシュ電流とショート異常発生時に出力端子に向かって流れる電流とを区別できないため、遅延回路16を設けない場合には、コンパレータCMP2の出力に、ラッシュ電流の検出に伴う誤検出パルスが出てしまうのを回避することができない。そこで、遅延回路16を設けることで、ラッシュ電流の検出に伴う誤検出信号が出ないように構成している。
【0026】
遅延回路16は、定電流源I1と、該定電流源I1と直列に接続されたスイッチ・トランジスタQsと、定電流源I1とトランジスタQsとの接続ノードN1の電位と所定の参照電圧Vref1とを入力とするコンパレータCMP3とから構成されており、トランジスタQsのゲート端子に上記ORゲートG2の出力電圧が入力されている。また、接続ノードN1に接続された外部端子CDを備え、該端子CDに上記定電流源I1によって充電される外付けコンデンサCdを接続することによって、チップサイズを増加させることなく遅延時間を大きくすることができるように構成されている。
【0027】
また、ノードN1と接地点との間にはP-MOSトランジスタQcが接続されており、このトランジスタQcはそのゲート端子に所定のバイアス電圧Vbが印加されており、P-MOSのしきい値電圧をVthpとすると、ノードN1の電位が(Vb+Vthp)以上に上昇するとオン状態になって電流を流すことで、クランプ手段として動作する。そのため、ノードN1の電位が閾値を超えてどんどん上昇して、オープンからショートあるいはショートからオープンに変化した際にコンデンサCdの放電に要する時間が伸びるのを防止することができる。なお、外部端子CEがロウレベルにされると、ICの動作が停止されることでクランプ用のトランジスタQcのゲート端子がロウレベルに変化してQcがオンされることによって、コンデンサCdの電荷を速やかに放電させることができる。
【0028】
一方、上記遅延回路16は、コンパレータCMP1,CMP2の出力が共にロウレベルである通常の動作状態では、NORゲートG1の出力がハイレベルとなり、ORゲートG2によりトランジスタQsのゲート端子にハイレベルが印加されていてオンの状態にあり、コンデンサCdは放電された状態になっている。そして、コンパレータCMP1がオープン状態を検出するかコンパレータCMP2がショート状態を検出して、いずれか一方のコンパレータの出力がハイレベルに変化すると、NORゲートG1の出力がロウレベルとなり、直前のラッチ回路17の出力がロウレベルであるため、ORゲートG2の出力がロウレベルに変化してトランジスタQsがオフされる。
【0029】
すると、コンデンサCdが徐々に充電されて、接続ノードN1の電位が次第に上昇して行く。そして、所定の時間が経過して接続ノードN1の電位がコンパレータCMP3の参照電圧Vref2よりも高くなると、コンパレータCMP3の出力がロウレベルからハイレベルに変化する。そして、このハイレベルがラッチ回路17に取り込まれて、ラッチ回路17の出力がハイレベルに変化する。これにより、オープン状態を検出しているときは、ANDゲートG3の出力がハイレベルに変化してトランジスタQ5がオンにされて、外部端子P3がハイレベルからロウレベルに変化する。
【0030】
また、ショート異常を検出しているときは、ANDゲートG4の出力がハイレベルに変化してトランジスタQ6がオンにされて、外部端子P4がハイレベルからロウレベルに変化する。なお、遅延回路16の遅延時間は、ラッシュ電流が流れる期間よりも若干長い時間に設定される。上記のように遅延回路16およびANDゲートG3,G4を設けたことで、ラッシュ電流の検出に伴う誤検出パルスが出ないようになる。
上記ラッチ回路17は、NORゲートG1の出力がリセット端子に入力されており、オープン状態またはショート状態が解除されて、コンパレータCMP1,CMP2の出力が共にロウレベルになりNORゲートG1の出力がハイレベルに変化するとリセットされて、出力がロウレベルに変化する。すると、ANDゲートG3,G4の出力がハイレベルに変化して、トランジスタQ5,Q6がオフにされて、外部端子P3,P4がハイレベルに変化し、異常検出を出力しない状態になる。
【0031】
次に、本実施形態のレギュレータIC10の動作について、
図2のタイミングチャートを用いて説明する。なお、
図2(A)は、出力端子OUTの負荷デバイスが未接続の状態から接続状態に移行した場合のタイミングを、
図2(B)は、負荷デバイスのショート状態からショートが解消された状態に移行した場合のタイミングを示している。
【0032】
図2(A)に示すように、タイミングt1で出力端子OUTから負荷デバイスが外され通常状態からオープン状態に変わると、出力電流Ioが流れなくなることで外部端子P1の電圧Vp1が立ち下がり、オープン異常検出用のコンパレータCMP1の出力がハイレベルに変化する。すると、遅延回路16のトランジスタQsがオフされて、外部端子CDの外付けコンデンサCdが充電されてその電圧VCDが徐々に上がる。
そして、VCDがコンパレータCMP3のしきい値である電圧Vref2に達すると、CMP3の出力がハイレベルに変化してそれがラッチ回路17に取り込まれてその出力LATCH_OUTがハイレベルに変化するとともにオープン異常検出信号Err_opが立ち下がる(タイミングt2)。このとき、ラッチ回路17の出力LATCH_OUTのハイレベルへの変化によって、ORゲートG2の出力がハイレベルに変化してトランジスタQsがオンされるため、外部端子CDの外付けコンデンサCdが放電されてその電圧VCDが下がる。
【0033】
その後、タイミングt3で、出力端子に負荷デバイスが接続されてオープン状態が解消されると、出力コンデンサCoを充電するために短時間に大きな出力電流(ラッシュ電流)Ioが流れる。すると、カレントミラー・トランジスタQ2,Q3にもこれに比例した電流が流れて、外部端子P1,P2の電圧Vp1,Vp2が急に上昇するため、ショート異常検出用のコンパレータCMP2がVp2の上昇を検出してその出力がハイレベルに変化する。
【0034】
それによって、遅延回路16のトランジスタQsがオフされて、外部端子CDの外付けコンデンサCdが充電されてその電圧VCDが徐々に上がるが、VCDがコンパレータCMP3のしきい値である電圧Vref2に達する前に、トランジスタQsがオンされてコンデンサCdの電荷が放電され、VCDの電位が下がる。その結果、コンパレータCMP3の出力がハイレベルに変化することがなく、外部端子P4から出力されるショート異常検出信号Err_scが誤ってハイレベルに変化するのが防止される。また、電圧VCDはクランプ用のトランジスタQcによって電圧上昇が抑えられているため、コンデンサCdの放電に要する時間を短くすることができる。
【0035】
なお、オープン異常検出用のコンパレータCMP2は、ラッシュ電流が流れたタイミングt3でその出力がロウレベルに変化して、ANDゲートG3の出力がロウレベルに変化することでトランジスタQ5がオフされて、オープン異常検出信号Err_opがハイレベルに変化する。また、オープン異常検出用のコンパレータCMP2の出力がロウレベルに変化したタイミングでラッチ回路17がリセットされてその出力がロウレベルに変化して、ANDゲートG3の出力がロウレベルに保持され、オープン異常検出信号Err_opがハイレベルを維持することとなる。
【0036】
図2(B)に示す負荷デバイスのショート状態からショートが解消された状態に移行する場合は、タイミングt11で負荷デバイスのショート状態が発生すると、出力電流Ioが急激に増大して外部端子P2の電圧Vp2が上昇し、ショート異常検出用のコンパレータCMP2の出力がハイレベルに変化する。すると、遅延回路16のトランジスタQsがオフされて、外部端子CDの外付けコンデンサCdが充電されてその電圧VCDが徐々に上がる。
【0037】
そして、外部端子CDの電圧VCDがコンパレータCMP3のしきい値である電圧Vref2に達すると、CMP3の出力がハイレベルに変化してそれがラッチ回路17に取り込まれてその出力LATCH_OUTがハイレベルに変化するとともにショート異常検出信号Err_scが立ち下がる(タイミングt12)。このとき、ラッチ回路17の出力LATCH_OUTのハイレベルへの変化によって、ORゲートG2の出力がハイレベルに変化してトランジスタQsがオンされるため、外部端子CDの外付けコンデンサCdが放電されてその電圧VCDが下がる。
【0038】
その後、タイミングt13で、出力端子に接続されていた負荷デバイスのショート状態が解消されると、出力電流Ioが急激に減少する。すると、カレントミラー・トランジスタQ2,Q3に流れていた電流も減少し、外部端子P1,P2の電圧Vp1,Vp2が低下するため、オープン異常検出用のコンパレータCMP1がVp1の低下を検出してその出力がハイレベルに変化する。
【0039】
それによって、遅延回路16のトランジスタQsがオフされて、外部端子CDの外付けコンデンサCdが充電されてその電圧VCDが徐々に上がるが、VCDはコンパレータCMP3のしきい値である電圧Vref2に達する前に、トランジスタQsがオンされてコンデンサCdの電荷が放電され、VCDの電位が下がる。そのため、コンパレータCMP3の出力がハイレベルに変化することがなく、外部端子P3から出力されるオープン異常検出信号Err_opが誤ってハイレベルに変化するのが防止される。また、電圧VCDはクランプ用のトランジスタQcによって電圧上昇が抑えられているため、コンデンサCdの放電に要する時間を短くすることができる。
【0040】
なお、ショート異常検出用のコンパレータCMP2は、出力電流が減少したタイミングt13でその出力がロウレベルに変化して、ANDゲートG3の出力がロウレベルに変化することでトランジスタQ6がオフされて、ショート異常検出信号Err_scがハイレベルに変化する。また、ショート異常検出用のコンパレータCMP2の出力がロウレベルに変化したタイミングでラッチ回路17がリセットされてその出力がロウレベルに変化して、ANDゲートG3の出力がロウレベルに保持され、ショート異常検出信号Err_scがハイレベルを維持することとなる。
以上説明したように、上記実施形態のレギュレータICによれば、負荷デバイスが未接続の状態から接続状態に移行した場合も、負荷デバイスがショート状態からショートが解消された状態に移行した場合も、ショート異常検出信号Err_scやオープン異常検出信号Err_opに誤検出パルスが出るのを防止することができる。
【0041】
(変形例)
次に、前記実施形態のレギュレータICの変形例について、
図3および
図4を用いて説明する。
図3には、変形例のレギュレータICの構成が示されている。
図3に示す変形例は、遅延時間異常検出回路18やORゲートG5,G6を設けることによって、外部端子CDのコンデンサCdが外れるなどして遅延時間が異常に長くなったような場合に、異常検出信号Err_op,Err_scによって異常状態を出力するように構成したものである。なお、
図3には、
図1にはないコンデンサの記号Csが示されているが、このコンデンサCsは外部端子CDに寄生する容量を示したものである。
【0042】
遅延時間異常検出回路18は、定電流源I2と、該定電流源I2と直列に接続された放電用のトランジスタQ9と、定電流源I2とトランジスタQ9との接続ノードN2に接続されたコンデンサC3と、ノードN2の電位に所定のオフセット電圧Voffを付加した電位と遅延回路16の接続ノードN1の電位とを比較するコンパレータCMP4と、コンパレータCMP4の出力を取り込んで保持するラッチ回路LTとから構成されており、トランジスタQ9のゲート端子に前記ORゲートG2の出力電圧が入力されている。また、ラッチ回路LTは、遅延回路16と共通のNORゲートG1の出力によってリセット可能に構成されている。
また、ANDゲートG3,G4の後段に、一方の入力端子にそれぞれ上記遅延時間異常検出回路18のラッチ回路LTの出力が入力されるORゲートG5,G6が設けられている。
【0043】
定電流源I2とコンデンサC3は、基準となる遅延時間Tsdを生成する回路であり、基準遅延時間Tsdは、Tsd=C3×(Vref2-Voff)÷I2で表わされる。コンパレータCMP4は、この基準遅延時間Tsd と遅延回路16の遅延時間Tdとを比較して異常か否かを判定するもので、端子CDにコンデンサCdが接続されていないときに端子CDの電圧VCDがVref2に達するまでに要する時間をT1、端子CDにコンデンサCdが接続されているときに端子CDの電圧VCDがVref2に達するまでに要する時間をT2とすると、T2>Tsd>T1の関係を満足するように、I1,Cd,I2,C3の値を設定する。
【0044】
上記のような構成を有する遅延時間異常検出回路18においては、遅延回路16の遅延時間TdがTd>Tsdの場合はコンパレータCMP4の出力がロウレベル(コンデンサCd有り)となり、Td<Tsdの場合はコンパレータCMP4の出力がハイレベル(コンデンサCd無し)となる。そして、このコンパレータCMP4の出力がラッチ回路LTに取り込まれて保持され、トランジスタQ5,Q6のゲート端子を制御するORゲートG5,G6に供給される。
【0045】
図4(A)には、端子CDにコンデンサCdが接続されている場合における各信号の変化の様子が、
図4(B)には、端子CDにコンデンサCdが接続されていない場合における各信号の変化の様子が示されている。表1には、
図3のレギュレータICにおける異常検出信号Err_op,Err_scと各状態との関係が示されている。
【表1】
【0046】
図4からも分かるように、コンデンサCdが有る場合には、前記実施例のレギュレータICと同様に、通常状態ではトランジスタQ5,Q6がオフ状態にされて、異常検出信号Err_op,Err_scは共にハイレベルを出力する。そして、オープン異常が発生してコンパレータCMP1がオープン異常を検出するとErr_opがロウレベル,Err_scがハイレベルを出力する。
また、コンデンサ無しの場合は、遅延時間異常検出回路18の出力によってORゲートG5,G6の出力が共にハイレベルになって、トランジスタQ5,Q6が共にオン状態にされて、異常検出信号Err_op,Err_scは共にロウレベルを出力する。従って、これらの信号を受けるCPUは、異常検出信号Err_op,Err_scが共にロウレベルであるときは、遅延用のコンデンサCdが外れていると判断することができる。
【0047】
また、上記実施形態においては、本発明をレギュレータICに適用した例を示したが、本発明は、
図5(A)に示すような電源装置(電池等)の電圧をそのまま負荷へ供給したり遮断したりする電源スイッチ用IC20にも適用することができる。
図5(A)に示す電源スイッチ用ICは、レギュレータICにおける誤差アンプの代わりにゲート制御回路21を備えており、ゲート制御回路21はコントロール端子CEがハイレベルかロウレベルかに応じて出力トランジスタQ1をフルオンの状態またはフルオフの状態に制御するように設計される。
図5(B)に、本発明を
図5(A)の電源スイッチ用ICに適用した実施例を示す。
図5(B)と同様にして、
図3に示すレギュレータICの変形例の構成を、
図5(A)の電源スイッチ用ICに適用することも可能である。このような電源スイッチ用IC20においても、上記実施形態で説明したのと同様な効果が得られる。
【0048】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施例においては、外部端子CDの電位をクランプするクランプ手段として1個のMOSトランジスタQcを使用したものを示したが、例えばダイオードあるいはオペアンプなどを用いたクランプ回路として構成しても良い。また、前記実施例では、クランプ手段(Qc)とラッチ回路17を設けているが、クランプ手段(Qc)のみ備えラッチ回路17を省略した構成も可能である。
【0049】
さらに、前記実施形態においては、レギュレータIC10や電源スイッチ用IC20の内部回路を構成するトランジスタとしてMOSトランジスタを使用したものを示したが、MOSトランジスタの代わりにバイポーラ・トランジスタを使用するようにしてもよい。また、遅延用コンデンサCdは、外付け素子でなくICチップ上に形成されたものであっても良い。
また、前記実施例においては、異常検出回路としてショート異常検出回路とオープン異常検出回路を備え、それらの検出信号を共通の1つの遅延回路で遅延可能に構成したものについて説明したが、ショート異常検出回路とオープン異常検出回路の組み合わせに限定されず、例えばショート異常検出回路と出力電圧を監視する回路など他の異常検出回路を備えたレギュレータICまたは電源スイッチICに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0050】
10…レギュレータIC、11…誤差アンプ、12…基準電圧回路、13…バイアス回、14…カレントリミット回路、15…サーマルシャットダウン回路、16…遅延回路、17…ラッチ回路、18…遅延時間異常検出回路、CMP1…オープン異常検出用コンパレータ、CMP2…ショート異常検出用コンパレータ、Q1…電圧制御用トランジスタ(出力トランジスタ)、Q2,Q3…カレントミラー・トランジスタ、Qc…クランプ用トランジスタ、Cd…遅延用コンデンサ