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特許7553854情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240911BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023078060
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2020071834の分割
【原出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2023090940
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 真治
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-003361(JP,A)
【文献】特開平11-184931(JP,A)
【文献】特開2019-148992(JP,A)
【文献】特開2019-036143(JP,A)
【文献】特開2005-234662(JP,A)
【文献】特開2015-210601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得処理部と、
前記利用者から注文を受け付けた商品の提供状況を取得する施設取得処理部と、
前記画像取得処理部により取得される前記撮像画像と前記施設取得処理部により取得される前記商品の提供状況とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定処理部と、
を備え、
前記空席判定処理部は、
前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれる場合に、前記利用対象を在席と判定し、
前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれない場合に、前記利用者が注文した前記商品の提供が完了しているか否かに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記空席判定処理部は、前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれず、かつ前記利用者が注文した前記商品の提供が完了している場合に、前記利用対象を空席と判定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記空席判定処理部は、前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれず、かつ前記利用者が注文した前記商品の提供が完了していない場合に、前記利用対象を在席と判定する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記施設取得処理部は、さらに、施設の利用金額の決済が完了しているか否かを示す決済状況を取得し、
前記空席判定処理部は、前記撮像画像と前記決済状況と前記商品の提供状況とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する、
請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記空席判定処理部は、
前記撮像画像における前記利用エリアに、前記利用者、前記利用者が所有する利用者物品、及び予約席であること示す表示媒体が含まれず、かつ前記利用者が注文した前記商品の提供が完了している場合に、前記利用対象を空席と判定し、
前記撮像画像における前記利用エリアに、前記利用者、前記利用者が所有する利用者物品、及び予約席であること示す表示媒体が含まれず、かつ前記利用者が注文した前記商品の提供が完了していない場合に、前記利用対象を在席と判定する、
請求項1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、
前記利用者から注文を受け付けた商品の提供状況を取得する施設取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像と前記施設取得ステップにより取得される前記商品の提供状況とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定ステップと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する情報処理方法であって、
前記空席判定ステップにおいて、
前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれる場合に、前記利用対象を在席と判定し、
前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれない場合に、前記利用者が注文した前記商品の提供が完了しているか否かに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する、
情報処理方法。
【請求項7】
施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、
前記利用者から注文を受け付けた商品の提供状況を取得する施設取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像と前記施設取得ステップにより取得される前記商品の提供状況とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための情報処理プログラムであって、
前記空席判定ステップにおいて、
前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれる場合に、前記利用対象を在席と判定し、
前記撮像画像における前記利用エリアに前記利用者が含まれない場合に、前記利用者が注文した前記商品の提供が完了しているか否かに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店などの施設において、カメラ、センサなどにより利用者の有無を検出してテーブルの座席が空席であるか否かを判定する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-133847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、座席に人がいる場合には在席と判定し、座席に人がいない場合には空席と判定するため、以下の問題が生じる場合がある。例えば、利用者が料理を取りに行ったり、トイレに行ったりするなど一時的に席を離れた場合に、座席に人がいない状態になるため空席と判定されてしまう。これにより、施設のスタッフは、利用者が利用中のテーブル(利用対象)に他の利用者を案内してしまう問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、施設の利用対象が空席であるか否かを正確に判定することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得処理部と、施設の利用金額の決済に関する決済情報、施設が提供する商品の注文に関する注文情報、及び施設の予約に関する予約情報の少なくともいずれかを含む施設情報を取得する施設取得処理部と、前記画像取得処理部により取得される前記撮像画像と前記施設取得処理部により取得される前記施設情報とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定処理部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報処理方法は、施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、施設の利用金額の決済に関する決済情報、施設が提供する商品の注文に関する注文情報、及び施設の予約に関する予約情報の少なくともいずれかを含む施設情報を取得する施設取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像と前記施設取得ステップにより取得される前記施設情報とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する方法である。
【0008】
本発明に係る情報処理プログラムは、施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、施設の利用金額の決済に関する決済情報、施設が提供する商品の注文に関する注文情報、及び施設の予約に関する予約情報の少なくともいずれかを含む施設情報を取得する施設取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像と前記施設取得ステップにより取得される前記施設情報とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設の利用対象が空席であるか否かを正確に判定することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る情報処理システムで使用される予約情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る情報処理システムで使用される注文情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る情報処理システムで使用される決済情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る利用エリアの撮像画像の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る利用エリアの撮像画像の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る利用エリアの撮像画像の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る情報処理システムで使用される空席情報の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る情報処理装置で実行される空席判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、本発明の実施形態に係る情報処理装置で実行される空席判定処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施形態に係る情報処理装置で実行される空席判定処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[情報処理システム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と施設端末2と撮像装置3とを含む。情報処理装置1、施設端末2、及び撮像装置3は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0013】
撮像装置3は、被写体の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。撮像装置3は、デジタル画像データを通信網N1を通じて情報処理装置1に送信する通信機能を備えている。撮像装置3は、1台であってもよいし複数台であってもよい。具体的には、撮像装置3は、施設内に設置され、施設の利用者が利用するテーブル(利用対象)を含む所定の利用エリアを撮像する。例えば、撮像装置3は、施設内の天井に設置され、施設に配置される一又は複数のテーブルを含む利用エリアを撮像する。撮像装置3は、所定のフレームレートで利用エリアを撮像して、画像データを情報処理装置1に送信する。前記利用エリアは、例えば一つのテーブルと当該テーブルに付属する複数の椅子とを含む所定のエリアである。また、前記利用エリアは、例えば施設内の全体のエリアであってもよい。本発明では、撮像装置3に、施設に既設のカメラを適用することも可能である。
【0014】
施設端末2は、施設に配置され、施設のスタッフの操作を受け付け可能である。施設端末2は、施設の予約に関する予約情報を管理する予約管理機能と、利用者の商品の注文に関する注文情報を管理する注文管理機能と、利用者の利用金額の決済(会計)に関する決済情報を管理する決済管理機能とを備える。施設端末2は、前記予約情報、前記注文情報、及び前記決済情報の少なくともいずれかを含む施設情報を情報処理装置1に送信する。施設端末2は、前記各管理機能に加えて、予約処理を実行する予約機能、注文処理を実行する注文機能、決済処理を実行する決済機能などを備えてもよい。施設端末2は、POS端末であってもよい。
【0015】
情報処理装置1は、撮像装置3により撮像される利用エリアの撮像画像と、施設端末2から取得する前記施設情報とに基づいて、判定対象のテーブルが空席であるか否かを判定する。情報処理装置1は、複数の施設に関する施設情報を提供する施設情報提供サイト(例えば予約サイト)としての機能を備えてもよい。施設は、例えば飲食店である。なお、本発明の利用対象は、テーブルに限定されず、部屋(個室)、椅子(座席)、カウンターなどであってもよい。また本発明の施設は、飲食店に限定されず、遊技場、劇場、カラオケ店などであってもよい。以下の実施形態では、施設の一例として飲食店を挙げて説明する。例えば、情報処理装置1は、飲食店の所定のテーブルについて、空席であるか又は在席であるかを判定して、判定結果(空席状況)を出力する。また例えば、情報処理装置1は、利用者端末(不図示)に表示される予約サイトにおいて飲食店の空席状況を表示させる。情報処理装置1は、予約サイトにおいて利用者の要求に応じて飲食店の予約を実行する予約機能を備えてもよい。
【0016】
本実施形態では、情報処理装置1単体が本発明に係る情報処理システムに相当するが、本発明に係る情報処理システムは、情報処理装置1、施設端末2、及び撮像装置3のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、情報処理装置1、施設端末2、及び撮像装置3のうち複数の構成要素が協働して後述する各種の空席判定処理(図9等参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る情報処理システムとして捉えることが可能である。例えば、本発明に係る情報処理システムは、情報処理装置1及び施設端末2により構成されてもよい。
【0017】
[施設端末2]
図1に示されるように、施設端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバーコンピューターである。なお、施設端末2は、1台のコンピューターに限らず、複数台のコンピューターが協働して動作するコンピューターシステムであってもよい。また、施設端末2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0018】
通信I/F24は、施設端末2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して情報処理装置1及び撮像装置3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0019】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0020】
記憶部22は、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、飲食店の予約に関する予約情報D1、飲食店が提供する商品(料理、ドリンクなど)の注文に関する注文情報D2、飲食店での利用者の利用金額の決済に関する決済情報D3などのデータが記憶される。図2は予約情報D1の一例を示す図であり、図3は注文情報D2の一例を示す図であり、図4は決済情報D3の一例を示す図である。
【0021】
予約情報D1は、飲食店の予約状況に関する情報であり、飲食店ごとに対応付けて記憶部12に記憶される。図2には、特定の飲食店に対応する予約情報D1を示している。図2に示されるように、予約情報D1には、「予約者名」、「人数」、「来店日」、「来店予定時刻」、「利用時間」、「テーブル番号」などの情報が含まれる。「予約者名」は、予約を行った利用者(予約者)の氏名である。「人数」は、来店する予定の利用人数である。「来店日」は、利用者が来店する予定の日である。「来店予定時刻」は、利用者が来店する予定の時刻である。「利用時間」は、利用者が飲食店(テーブル)を利用可能な時間である。「テーブル番号」は、利用者が利用するテーブルなどの利用対象を識別するための情報であり、テーブル席、個室、カウンター席などの番号が登録される。例えば、施設端末2において実行される予約処理又は配席処理において割り当てられるテーブルの番号が「テーブル番号」に登録される。
【0022】
ここで、「来店予定時刻」及び「利用時間」は、対応するテーブルの利用可能時間を表している。例えば、テーブル番号「1」のテーブルT1については2020年4月30日の18時から2時間(すなわち18時~20時)が利用可能時間となっており、テーブル番号「2」のテーブルT2については2020年4月30日の18時30分から2時間(すなわち18時30分~20時30分)が利用可能時間となっており、テーブル番号「3」のテーブルT3については2020年4月30日の19時から2時間(すなわち19時~21時)が利用可能時間となっている。また、利用可能時間の終了時刻は、利用者がテーブルを利用可能な限度時刻(利用可能終了時刻)を表している。例えば、テーブルT1の利用可能終了時刻は「20時」であり、テーブルT2の利用可能終了時刻は「20時30分」であり、テーブルT3の利用可能終了時刻は「21時」である。
【0023】
なお、予約情報D1に、利用者が予約した商品の内容(料理コースなど)が含まれてもよい。予約情報D1は、利用者端末(不図示)からの新規予約又は予約変更が受け付けられるごとに登録又は変更される。
【0024】
注文情報D2は、利用者から受け付けた商品の注文に関する情報である。図3に示されるように、注文情報D2には、テーブル番号、利用人数、注文番号、注文商品、提供状況などの情報が含まれる。前記テーブル番号は、注文を受け付けたテーブルを識別する識別情報である。前記利用人数は、テーブルを利用する利用者の人数である。前記利用人数の情報は、例えば、テーブルに配置される注文端末(不図示)、飲食店のスタッフが操作する操作端末(不図示)、予約情報D1(図2参照)などから取得される。前記注文番号は、利用者の注文を識別する識別情報である。制御部21は、例えば利用者から注文を受け付けた順、すなわち注文端末から注文を受け付けた順に番号(注文番号)を注文情報D2に登録する。前記注文商品は、注文内容を示す情報である。前記注文商品には、飲食店が提供可能な商品のうち利用者に選択された商品(料理、ドリンクなど)の商品名が登録される。各注文商品には、前記注文番号が関連付けられる。
【0025】
前記提供状況は、利用者から注文を受け付けた商品を利用者に提供したか否かを識別する情報である。例えば、制御部21は、注文情報D2に登録された注文商品の情報を厨房端末に出力して、厨房スタッフに調理指示を行う。厨房スタッフが注文商品の調理を完了すると、接客スタッフが注文商品を利用者のテーブルに配膳する。接客スタッフが注文商品をテーブルへ配膳して完了操作などを行うと、制御部21は、注文商品の提供が完了したことを示す情報(「完了」)を提供状況に登録する。一方、利用者から注文を受け付けて未だ注文商品の配膳が完了していない場合には、制御部21は、注文商品の提供が完了していないことを示す情報(「未完了」)を提供状況に登録する。図3に示す例では、テーブルT1において、料理M1~M3の提供が完了していることを示し、テーブルT2において、料理M4,M5の提供が完了していないことを示し、テーブルT3において、料理M8の提供が完了していないことを示している。すなわち、テーブルT1は商品の提供が完了していることを示し、テーブルT2,T3は商品の提供が完了していないことを示している。注文情報D2の各情報は、利用者、スタッフなどの操作により適宜更新される。
【0026】
決済情報D3は、テーブルごとの利用者の利用金額に関する情報である。図4に示されるように、決済情報D3には、テーブル番号、利用金額、決済状況などの情報が含まれる。前記テーブル番号は、利用者が利用するテーブルを識別する識別情報である。前記利用金額は、テーブルの利用者の利用代金(請求金額)を示す。前記決済状況は、テーブルに対応する利用金額の決済が完了したか否かを識別する情報である。例えば、テーブルT1の利用者が食事を終えて会計操作を行った場合に、制御部21は、テーブルT1の決済状況に「完了」を登録する。テーブルT2,T3について利用者が未だ会計操作を行っていない場合には、制御部21は、テーブルT2,T3の決済状況に「未完了」を登録する。決済情報D3の各情報は、利用者による会計操作により適宜更新される。
【0027】
なお、施設端末2の他の実施形態として、予約情報D1、注文情報D2、及び決済情報D3の一部又は全部が、施設端末2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。また、予約情報D1、注文情報D2、及び決済情報D3の一部又は全部が、情報処理装置1に記憶されてもよい。
【0028】
さらに、記憶部22には、制御部21に各種の処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、施設端末2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。また、前記制御プログラムは、外部機器から通信網N1を介してダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0029】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより施設端末2を制御する。
【0030】
具体的に、制御部21は、図1に示すように、予約処理部211、注文処理部212、決済処理部213などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0031】
予約処理部211は、利用者からの予約の要求に基づいて飲食店の予約処理を実行する。具体的には、予約処理部211は、利用者から検索条件を取得すると、検索条件を満たす飲食店の検索結果を利用者に提示し、利用者から任意の飲食店の予約要求を受け付けると当該飲食店の予約処理を実行する。例えば、利用者が予約サイトにおいて、来店日、人数、及び利用時間(来店予定時刻)を入力すると、予約処理部211は、これらの検索条件を満たす飲食店を検索し、検索結果において利用者から任意の飲食店の予約要求を受け付けると、当該飲食店の予約を完了させる。また、予約処理部211は、例えば飲食店のスタッフによる配席操作に基づいて、利用者(予約者)に対してテーブルを割り当てる。予約処理部211は、予約処理が完了するごとに予約情報D1(図2参照)を登録する。
【0032】
注文処理部212は、利用者から商品(料理、ドリンクなど)の注文を受け付ける。例えば、注文処理部212は、テーブルに配置される注文端末(不図示)に表示される注文画面において利用者から商品を選択する操作を受け付ける。注文処理部212は、利用者から商品の注文を受け付けると、注文番号及び注文商品の情報を、利用者が利用するテーブルのテーブル番号に関連付けて注文情報D2(図3参照)に登録する。
【0033】
また、注文処理部212は、利用者から受け付けた注文の情報(注文情報)を厨房端末に出力する。具体的には、注文処理部212は、利用者が注文した商品の注文内容と、当該利用者が利用するテーブルのテーブル番号と、注文番号とを含む注文情報を厨房端末に出力する。注文情報には、注文日時(受付日時)が含まれてもよい。また、注文処理部212は、前記注文内容、前記テーブル番号、及び注文番号を含む注文票を厨房端末から出力(印刷又は表示)させる。
【0034】
また、注文処理部212は、注文された商品の提供状況を判定して注文情報D2に登録する。具体的には、注文処理部212は、注文商品が利用者に提供された場合に、注文情報D2の提供状況に「完了」を登録し、注文商品が利用者に提供されていない場合に、注文情報D2の提供状況に「未完了」を登録する(図3参照)。
【0035】
決済処理部213は、利用者から会計操作を受け付けた場合に、利用金額についての決済処理を行う。例えば、決済処理部213は、決済サーバー(不図示)に利用者の決済用認証情報(決済サーバーを利用して電子決済を行うために必要な認証情報)、利用金額(請求金額)、及び飲食店の識別情報を送信して、請求金額についての決済処理を行う。
【0036】
また決済処理部213は、利用金額の決済状況を判定して決済情報D3に登録する。具体的には、決済処理部213は、利用金額の決済処理が完了した場合に、決済情報D3の決済状況に「完了」を登録し、利用金額の決済処理が完了していない場合に、決済情報D3の決済状況に「未完了」を登録する(図4参照)。
【0037】
[情報処理装置1]
図1に示されるように、情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、及び通信I/F14などを備えるサーバーコンピューターである。なお、情報処理装置1は、1台のコンピューターに限らず、複数台のコンピューターが協働して動作するコンピューターシステムであってもよい。また、情報処理装置1で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。情報処理装置1は、本発明の情報処理システムの一例である。
【0038】
通信I/F14は、情報処理装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して施設端末2及び撮像装置3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0039】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0040】
記憶部12は、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。記憶部12には、制御部11に後述の空席判定処理(図9等参照)を実行させるための空席判定プログラム(情報処理プログラム)などの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記空席判定プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、情報処理装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0041】
ここで、飲食店では、例えばスタッフが、利用者をテーブルに案内する前に箸箱、注文端末などをテーブルに設置(セッティング)する。また、スタッフは、テーブルの利用者から料理の注文を受け付けると、注文された料理を利用者のテーブルに配膳する。さらに、スタッフは、利用者が食事及び会計を終えて退店すると、他の利用者をテーブルに案内するために、テーブルに置かれた器(皿、コップ)などを片付けて、箸箱、注文端末などを再度セッティングする。セッティングされたテーブルは空席と判断されて、案内可能(又は予約可能)なテーブルに登録される。飲食店では、より多くの利用者を案内するために、各テーブルについて、利用者が利用中であるか(在席であるか)又は退店したか(空席であるか)を正確に判定することが求められる。本実施形態に係る情報処理システム100は、飲食店のテーブルが空席であるか否かを正確に判定することが可能である。
【0042】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより情報処理装置1を制御する。
【0043】
具体的に、制御部11は、図1に示されるように、画像取得処理部111、利用者判定処理部112、施設取得処理部113、空席判定処理部114、算出処理部115、出力処理部116などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記空席判定プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記空席判定プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0044】
画像取得処理部111は、撮像装置3により撮像される、飲食店に配置されるテーブルを含む所定の利用エリアAR1の撮像画像TP1を取得する。図5には、撮像画像TP1の一例を示している。例えば、撮像装置3は、飲食店に配置される1つのテーブルと当該テーブルに付属する4つの椅子を含む利用エリアAR1を撮像する。画像取得処理部111は、本発明の画像取得処理部の一例である。
【0045】
利用者判定処理部112は、撮像画像TP1に基づいて利用エリアAR1に利用者(人物)が含まれるか否かを判定する。具体的には、利用者判定処理部112は、画像取得処理部111により取得される撮像画像TP1を画像解析して人物を抽出する。利用者判定処理部112は、人物を抽出した場合に利用エリアAR1に利用者が含まれると判定し、人物を抽出しない場合に利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定する。なお、記憶部12には人物の特徴に関する特徴データが予め登録されており、利用者判定処理部112は、撮像画像TP1と前記特徴データとを照合することにより利用者の有無を判定する。
【0046】
なお、利用者判定処理部112は、撮像画像TP1に飲食店のスタッフが含まれる場合には、スタッフを除外して利用者の有無を判定する。具体的には、利用者判定処理部112は、撮像画像TP1において、人物がテーブルから所定範囲内に所定時間滞在する場合、又は、人物が椅子に着席している場合に、利用エリアAR1に利用者が含まれると判定する。また、利用者判定処理部112は、撮像画像TP1に、所定時間滞在しない人物、予め登録された端末(スタッフ用端末)を所持する人物、又は、予め登録された服(制服)を着用する人物が含まれる場合に、当該人物をスタッフと判定して、利用者の有無の判定対象から除外してもよい。
【0047】
施設取得処理部113は、飲食店の予約に関する予約情報D1(図2参照)、飲食店が提供する商品(料理、ドリンクなど)の注文に関する注文情報D2(図3参照)、及び飲食店での利用者の利用金額の決済に関する決済情報D3(図4参照)の少なくともいずれかを含む施設情報を取得する。具体的には、施設取得処理部113は、施設端末2から予約情報D1、注文情報D2、及び決済情報D3の少なくともいずれかを取得する。例えば、情報処理装置1が予約情報に基づいてテーブルの空席判定処理を行う場合、施設取得処理部113は施設端末2から予約情報D1を取得する。また例えば、情報処理装置1が注文情報に基づいてテーブルの空席判定処理を行う場合、施設取得処理部113は施設端末2から注文情報D2を取得する。また例えば、情報処理装置1が決済情報に基づいてテーブルの空席判定処理を行う場合、施設取得処理部113は施設端末2から決済情報D3を取得する。情報処理装置1は、予約情報D1、注文情報D2、及び決済情報D3を組み合わせてテーブルの空席判定処理を行ってもよい。
【0048】
空席判定処理部114は、画像取得処理部111により取得される撮像画像TP1と施設取得処理部113により取得される施設情報とに基づいて、テーブル(利用対象)が空席であるか否かを判定する。空席判定処理部114は、本発明の空席判定処理部の一例である。
【0049】
具体的には、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者が含まれず、かつ現在時刻が利用者の予約情報D1に対応する利用可能終了時刻を経過している場合に、テーブルを空席と判定する。例えば図2に示す予約情報D1において、利用者A1は来店予定時刻が18時であり利用時間が2時間であるため、利用者A1がテーブルT1を利用可能な利用可能時間は18時から20時であり、利用可能終了時刻は20時である。このため、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者A1が含まれず、かつ現在時刻が利用可能終了時刻の「20時」を経過している場合に、テーブルT1を空席と判定する。ここで、現在時刻が利用可能終了時刻の「20時」を過ぎているにもかかわらず、利用者A1が利用エリアAR1に含まれる場合には、制御部11は、利用可能時間が経過したことをテーブルT1の注文端末、スタッフの携帯端末などに通知してもよい。
【0050】
また、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者が含まれず、かつ現在時刻が利用可能終了時刻を経過していない場合には、テーブルを在席と判定する。例えば、18時から20時までテーブルT1を利用可能な利用者A1が、19時の時点でテーブルT1の利用エリアAR1に含まれない場合、利用者A1は一時的に離席している可能性がある。このため、空席判定処理部114は、利用エリアAR1に利用者A1が含まれず、かつ現在時刻が利用可能終了時刻の「20時」を経過していない場合には、テーブルT1を空席と判定せず、在席と判定する。
【0051】
上記の構成では、空席判定処理部114は、予約情報D1から特定される利用可能終了時刻に基づいてテーブルの空席判定処理を行っているが、他の実施形態として、空席判定処理部114は、前記施設情報に含まれる利用可能終了時刻に基づいて前記空席判定処理を行ってもよい。例えば、利用者(所謂ウォークイン客)が予約をしないで飲食店に来店した場合には、当該利用者の利用可能終了時刻は、来店時刻に、飲食店で設定されている時間制(例えば、2時間制、3時間制)の利用時間を加えた時刻となる。例えば、利用者A4が3時間制の飲食店に予約をしないで19時に来店した場合には、利用者A4の利用可能終了時刻は22時となる。この場合、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者A4が含まれず、かつ現在時刻が利用可能終了時刻「22時」を経過している場合に、利用者A4が利用するテーブルを空席と判定する。
【0052】
また、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者が含まれず、かつ利用者が注文した商品の提供が完了している場合に、テーブルを空席と判定する。例えば図3に示す注文情報D2では、テーブル番号「1」のテーブルT1に対応する料理M1,M2,M3の提供が完了しているため、利用者判定処理部112がテーブルT1に対応する利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定した場合には、空席判定処理部114は、テーブルT1を空席と判定する。
【0053】
これに対して、テーブル番号「2」のテーブルT2に対応する料理M4,M5の提供が完了していないため、利用者判定処理部112がテーブルT2に対応する利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定した場合であっても、空席判定処理部114は、テーブルT2を空席と判定しない又は在席と判定する。テーブルT3についてもテーブルT2と同様に、空席判定処理部114は、テーブルT3を空席と判定しない又は在席と判定する。
【0054】
ここで、例えば、料理の提供が完了した後に利用者が当該料理の食事の途中に一時的に離席することも考えられる。この場合には、空席判定処理部114は、テーブルを空席と判定しない又は在席と判定することが適切である。そこで、他の実施形態として、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者が含まれず、かつ利用者が注文した商品の提供が完了している場合であって、利用者に商品を提供してから所定時間が経過した場合に、テーブルを空席と判定する。また、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者が含まれず、かつ利用者が注文した商品の提供が完了している場合であって、利用者に商品を提供してから所定時間が経過していない場合には、テーブルを在席と判定する。これにより、利用者がテーブルを一時的に離席した場合に当該テーブルを空席と判定することを回避することができる。
【0055】
なお、前記所定時間は、商品の内容又は種別に応じて設定されてもよい。例えば、制御部11は、食事の時間が多くかかる料理(鍋料理、定食メニューなど)、利用者が利用時間の序盤に注文する料理などについては、前記所定時間を1時間に設定する。一方、制御部11は、食事の時間が多くかからない料理、利用者が利用時間の終盤に注文する料理(デザートなど)は前記所定時間を30分に設定する。
【0056】
また、空席判定処理部114は、撮像画像TP1における利用エリアAR1に利用者が含まれず、かつ利用者に対応する利用金額の決済が完了している場合に、テーブルを空席と判定する。例えば図4に示す決済情報D3では、テーブル番号「1」のテーブルT1に対応する利用金額の決済処理が完了しているため、利用者判定処理部112がテーブルT1に対応する利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定した場合には、空席判定処理部114は、テーブルT1を空席と判定する。
【0057】
これに対して、テーブル番号「2」のテーブルT2に対応する利用金額の決済処理は完了していないため、利用者判定処理部112がテーブルT2に対応する利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定した場合であっても、空席判定処理部114は、テーブルT2を空席と判定しない又は在席と判定する。テーブルT3についてもテーブルT2と同様に、空席判定処理部114は、テーブルT3を空席と判定しない又は在席と判定する。
【0058】
また、空席判定処理部114は、利用者から注文を受け付ける前は、撮像画像TP1に基づいてテーブルが空席であるか否かを判定し、利用者から注文を受け付けた後は、撮像画像TP1と、前記注文情報及び前記決済情報の少なくともいずれかとに基づいて、テーブルが空席であるか否かを判定する。
【0059】
例えば、利用者から注文を受け付ける前においては、撮像画像TP1の利用エリアAR1に、利用者が所有する物品(所有者物品)、及び、予約席のテーブルに予め設置される席札、予約プレートなどの予約表示媒体の少なくともいずれかが含まれる場合に、空席判定処理部114は、テーブルを空席ではない(例えば在席)と判定する。
【0060】
例えば、制御部11が利用者から注文を受け付ける前において、利用者判定処理部112が利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定し、かつ制御部11が利用エリアAR1の撮像画像TP1において利用者物品(スマートフォン31、鞄32)(図6参照)、又は、予約表示媒体(予約プレート33)(図7参照)を抽出した場合には、空席判定処理部114は、利用者がテーブルを利用中と判断して在席と判定する。
【0061】
一方、例えば、制御部11が利用者から注文を受け付けた後において、利用者判定処理部112が利用エリアAR1に利用者、利用者物品、及び予約表示媒体が含まれないと判定し、かつ利用者が注文した商品の提供が完了している場合、又は、利用者に対応する利用金額の決済が完了している場合には、空席判定処理部114は、利用者がテーブルを利用中でないと判断して空席と判定する。また例えば、制御部11が利用者から注文を受け付けた後において、利用者判定処理部112が利用エリアAR1に利用者、利用者物品、及び予約表示媒体が含まれないと判定し、かつ利用者が注文した商品の提供が完了していない場合、又は、利用者に対応する利用金額の決済が完了していない場合には、空席判定処理部114は、利用者がテーブルを利用中と判断して在席と判定する。
【0062】
算出処理部115は、飲食店に配置されるテーブルごとに空席判定処理部114が判定した結果(空席、在席)に基づいて飲食店の空席数を算出する。具体的には、算出処理部115は、空席と判定されたテーブルの合計数を飲食店の空席数として算出する。例えば、空席判定処理部114は、飲食店に配置されるテーブルT1~T5のそれぞれについて空席又は在席を判定して、判定結果を空席情報D4(図8参照)に登録する。空席情報D4は、記憶部12に記憶される。空席判定処理部114は、リアルタイムに空席情報D4を更新する。算出処理部115は、空席情報D4に登録された空席の数を合計して飲食店の空席数を算出する(図8参照)。
【0063】
出力処理部116は、飲食店のテーブルの空席状況を出力する。具体的には、出力処理部116は、テーブルが空席であるか又は在席であるかを示す情報を飲食店の店舗端末又は利用者端末に提示する。
【0064】
また、出力処理部116は、算出処理部115により算出される空席数の情報を出力してもよい。具体的には、出力処理部116は、算出処理部115により算出される空席数を、予約サイトにおいて飲食店の空席状況として表示させる。また、出力処理部116は、前記予約サイトにおいて、飲食店のテーブルごとに「空席」、「在席(又は満席)」を表示させてもよい。これにより、利用者は、飲食店を予約するための情報を取得することができる。また、出力処理部116は、算出処理部115により算出される空席数を、飲食店の店舗端末(不図示)に表示させてもよい。これにより、飲食店のスタッフは、テーブルの空席状況を容易に把握することができる。
【0065】
[空席判定処理]
以下、図9を参照しつつ、情報処理装置1の制御部11によって実行される空席判定処理について説明する。例えば、情報処理装置1の制御部11は、撮像装置3が飲食店の所定の利用エリアAR1を撮像することにより前記空席判定プログラムの実行を開始することによって、前記空席判定処理の実行を開始する。なお、制御部11は、利用エリアAR1に複数のテーブルが含まれる場合に、テーブルごとに前記空席判定処理を個別に並行して実行してもよい。
【0066】
なお、本発明は、前記空席判定処理に含まれる一又は複数のステップを実行する空席判定方法の発明として捉えることができる。前記空席判定方法は、本発明の情報処理方法の一例である。
【0067】
なお、ここで説明する前記空席判定処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記空席判定処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記空席判定処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記空席判定処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0068】
ステップS11において、制御部11は、撮像装置3により撮像される利用エリアAR1の撮像画像TP1を取得する。例えば、制御部11は、飲食店に配置される一つのテーブルと4つの椅子とを含む利用エリアAR1の撮像画像TP1を撮像装置3から取得する。前記ステップS11は、本発明の取得ステップの一例である。
【0069】
次にステップS12において、制御部11は、撮像画像TP1に基づいて利用エリアAR1に利用者(人物)が含まれるか否かを判定する。なお、制御部11は、上述のように、飲食店のスタッフを除外して利用者の有無を判定する。制御部11は、撮像画像TP1から人物の画像を抽出した場合に利用エリアAR1に利用者が含まれると判定し、撮像画像TP1から人物を抽出しない場合に利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定する。制御部11が利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定した場合(S12:No)、処理はステップS13に移行する。一方、制御部11が利用エリアAR1に利用者が含まれると判定した場合(S12:Yes)、処理はステップS16に移行する。なお、テーブルを複数の利用者で利用する場合には、制御部11は、利用エリアAR1に少なくとも一人の利用者が含まれる場合に、利用エリアAR1に利用者が含まれると判定し、利用エリアAR1に一人の利用者も含まれない場合に、利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定する。
【0070】
ステップS13において、制御部11は、施設情報の一例である決済情報D3(図4参照)を取得する。具体的には、制御部11は、記憶部12から前記利用者が利用するテーブルに対応する決済情報D3を取得する。ステップS13は、本発明の施設取得ステップの一例である。
【0071】
ステップS14において、制御部11は、決済情報D3に基づいて、前記利用者に対応する利用金額の決済処理が完了したか否かを判定する。制御部11が前記決済処理が完了したと判定した場合(S14:Yes)、処理はステップS15に移行する。一方、制御部11が前記決済処理が完了していないと判定した場合(S14:No)、処理はステップS16に移行する。
【0072】
ステップS15において、制御部11は前記テーブルを空席と判定する。例えば、利用エリアAR1に利用者が含まれず(S12:No)、決済処理が完了している場合(S14:Yes)に、制御部11は、当該テーブルを空席と判定する。その後、処理はステップS17に移行する。ステップS15は、本発明の空席判定ステップの一例である。
【0073】
これに対して、ステップS16では、制御部11は、テーブルを在席と判定する。例えば、利用エリアAR1に利用者が含まれる場合(S12:Yes)、決済処理が完了していない場合(S14:No)に、制御部11は、当該テーブルを在席と判定する。その後、処理はステップS17に移行する。ステップS17は、本発明の空席判定ステップの一例である。
【0074】
ステップS17において、制御部11は、テーブルの空席状況を出力する。例えば、制御部11は、飲食店のテーブルが空席であるか又は在席であるかを示す情報を飲食店の店舗端末又は利用者端末に提示する。制御部11は、飲食店の空席数の情報(例えば合計空席数)を店舗端末又は利用者端末に提示してもよい。以上のようにして、制御部11は、空席判定処理を実行する。
【0075】
前記空席判定処理の他の例として、図9に示すステップS13において、制御部11は、施設情報の一例である予約情報D1(図2参照)を取得してもよい。図10には、前記空席判定処理の他の例を示している。図10では、図9に示す処理と同一の処理については同一のステップ番号を示し、その説明を省略する。
【0076】
具体的には、図10に示すステップS23において、制御部11は、記憶部12から利用者に対応する予約情報D1を取得し、予約情報D1に基づいて利用可能終了時刻を取得する。そして、ステップS24において、制御部11は、現在時刻が利用可能終了時刻を経過したか否かを判定する。制御部11が現在時刻が利用可能終了時刻を経過したと判定した場合(S24:Yes)、処理はステップS15に移行する。一方、制御部11が現在時刻が利用可能終了時刻を経過していないと判定した場合(S24:No)、処理はステップS16に移行する。
【0077】
また、前記空席判定処理の他の例として、図9に示すステップS13において、制御部11は、施設情報の一例である注文情報D2(図3参照)を取得してもよい。図11には、前記空席判定処理の他の例を示している。図11では、図9に示す処理と同一の処理については同一のステップ番号を示し、その説明を省略する。
【0078】
具体的には、図11に示すステップS33において、制御部11は、施設情報の一例である注文情報D2(図3参照)を取得してもよい。具体的には、制御部11は、記憶部12から利用者が利用するテーブルに対応する注文情報D2を取得する。そして、ステップS34において、制御部11は、利用者が注文した商品の提供が完了したか否かを判定する。制御部11が利用者が注文した商品の提供が完了したと判定した場合(S34:Yes)、処理はステップS15に移行する。一方、制御部11が利用者が注文した商品の提供が完了していないと判定した場合(S34:No)、処理はステップS16に移行する。
【0079】
制御部11は、図9図11に示す各空席判定処理を適宜組み合わせることも可能である。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、施設における利用者が利用する利用対象(テーブルなど)を含む利用エリアAR1を撮像した撮像画像TP1と、決済情報D3、注文情報D2、及び予約情報D1の少なくともいずれかを含む施設情報とに基づいて、前記テーブルが空席であるか否かを判定する。これにより、例えば利用エリアAR1に利用者が含まれない場合であっても、現在時刻が利用可能終了時刻を経過していない場合、利用者が注文した商品の提供が完了していない場合、又は、利用金額の決済が完了していない場合には、テーブルを空席と判定せず在席と判定する。
【0081】
また、例えば利用エリアAR1に利用者が含まれない場合であって、かつ現在時刻が利用可能終了時刻を経過した場合、利用者が注文した商品の提供が完了した場合、又は、利用金額の決済が完了した場合には、テーブルを空席と判定する。
【0082】
このように、情報処理システム100は、撮像画像TP1及び前記施設情報に基づいてテーブルが利用者により利用中であるか否かを判断する構成を備えることにより、当該テーブルが空席であるか否かを正確に判定することが可能となる。
【0083】
本発明の情報処理システム100は、上述の実施形態に限定されない。情報処理システム100は、以下に示す形態であってもよい。
【0084】
他の実施形態として、算出処理部115は、撮像画像TP1に基づいてテーブルの第1空席値を算出し、予約情報D1、注文情報D2及び決済情報D3の少なくともいずれかを含む施設情報に基づいてテーブルの第2空席値を算出してもよい。前記空席値は、テーブルが空席である可能性が高い程、高い値が算出される。例えば、利用者判定処理部112が撮像画像TP1に基づいて利用エリアAR1に利用者が含まれないと判定した場合に、算出処理部115は、対応するテーブルの第1空席値を「0.6」と算出する。また、例えば、制御部11が撮像画像TP1に基づいて利用エリアAR1に利用者物品(スマートフォン31)が含まれる判定した場合に、算出処理部115は、対応するテーブルの第1空席値を「0.1」と算出する。
【0085】
また例えば、算出処理部115は、利用者が注文した料理の提供が完了した場合に、対応するテーブルの第2空席値を「0.7」と算出する。また例えば、利用者に対応する利用金額の決済が完了した場合に、算出処理部115は、対応するテーブルの第2空席値を「0.8」と算出する。
【0086】
そして、空席判定処理部114は、算出処理部115により算出される前記第1空席値及び前記第2空席値に基づいてテーブルの利用状況を判定してもよい。例えば、空席判定処理部114は、前記第1空席値及び前記第2空席値の合計値が「1.0」以上の場合にテーブルを空席と判定し、当該合計値が「0.9」以下の場合にテーブルを在席と判定する。
【0087】
ここで、例えばテーブルに料理を含まない皿(空皿)が置かれている場合、スタッフは皿の片付け、テーブル及び椅子の清掃など次の利用者をテーブルに案内するための作業(セッティング)を行う必要がある。前記テーブルのセッティングが完了していない場合、スタッフは、当該テーブルに次の利用者を案内することができない。そこで、他の実施形態として、空席判定処理部114は、利用エリアAR1に利用者が含まれず、現在時刻が利用可能終了時刻を経過した場合、利用者が注文した商品の提供が完了した場合、又は、利用金額の決済が完了した場合、かつ利用エリアAR1のテーブルに空皿が含まれる場合には、前記テーブルを準備席と判定してもよい。前記テーブルが準備席と判定された場合には、制御部11は、前記テーブルを、利用者の案内又は予約を許可しない状態(準備席)に設定する。なお、空席判定処理部114は、その後に利用エリアAR1に空皿が含まれなくなり、利用エリアAR1(テーブル)の所定位置に設置品(例えば箸箱、注文端末)が置かれた場合に前記セッティングが終了したと判断して、前記テーブルを準備席から空席に切り替えてもよい。
【0088】
この場合に、算出処理部115は、空席のテーブルの空席値を「1」とした場合に、前記準備席の空席値を「0.5」として算出してもよい。これにより、例えば飲食店において前記準備席が2席存在する場合に、算出処理部115は、2つの準備席の合計の空席数を「1」として算出する。
【0089】
本発明の他の実施形態として、出力処理部116は、利用エリアAR1に利用者が含まれなくなった時点、すなわち利用者がテーブルの椅子を離席した時点で、離席したことを示す情報を店舗端末に通知してもよい。また、出力処理部116は、店舗端末に表示されるフロアレイアウト(テーブル配置図)において、利用者が離席したテーブルの表示態様を変更(点滅表示、点灯表示など)してもよい。
【0090】
また、出力処理部116は、前記フロアレイアウトにおいて、空席と判定されたテーブルの表示態様を変更(点滅表示、点灯表示など)してもよい。これにより、飲食店のスタッフは、テーブルの空席状況をリアルタイムで把握することができる。
【0091】
なお、本発明に係る情報処理システムは、施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得処理部と、施設の利用金額の決済に関する決済情報、施設が提供する商品の注文に関する注文情報、及び施設の予約に関する予約情報の少なくともいずれかを含む施設情報を取得する施設取得処理部と、前記画像取得処理部により取得される前記撮像画像と前記施設取得処理部により取得される前記施設情報とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定処理部と、を備えるシステムとして捉えてもよい。
【0092】
また、本発明に係る情報処理方法は、施設における利用者が利用する利用対象を含む利用エリアを撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、施設の利用金額の決済に関する決済情報、施設が提供する商品の注文に関する注文情報、及び施設の予約に関する予約情報の少なくともいずれかを含む施設情報を取得する施設取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像と前記施設取得ステップにより取得される前記施設情報とに基づいて、前記利用対象が空席であるか否かを判定する空席判定ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する方法として捉えてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 :情報処理装置
2 :施設端末
3 :撮像装置
100 :情報処理システム
111 :画像取得処理部
112 :利用者判定処理部
113 :施設取得処理部
114 :空席判定処理部
115 :算出処理部
116 :出力処理部
211 :予約処理部
212 :注文処理部
213 :決済処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11