(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】ノートブック型コンピュータ、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240911BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240911BHJP
G09G 5/08 20060101ALI20240911BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09F9/00 366G
G09G5/08 N
G09G5/37 310
(21)【出願番号】P 2024005575
(22)【出願日】2024-01-17
【審査請求日】2024-01-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 裕行
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-069388(JP,A)
【文献】特開2017-033116(JP,A)
【文献】特開2015-095085(JP,A)
【文献】国際公開第2008/084798(WO,A1)
【文献】特開2002-132385(JP,A)
【文献】米国特許第10176556(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00
G09F 9/00
G09G 5/08
G09G 5/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを備える第1筐体と、
キーボードを備える第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを接続し、前記第1筐体を回転させる回転軸を有する接続部と、
前記キーボードへの入力が有効な状態において、前記回転軸回りの前記第1筐体の回転の角度である第1角度
と前記回転軸回りの前記第2筐体の回転の角度である第2角度とを取得し、前記第1角度
と前記第2角度との差に基づいて、
前記第2筐体に対する前記第1筐体の開き角度を算出し、前記開き角度が所定の角度範囲に属するか否かを判定し、前記開き角度が前記所定の角度範囲に属する場合に前記ディスプレイに表示される画面を回転させる処理部と、
を有するノートブック型コンピュータ。
【請求項2】
前記
所定の角度範囲は
、180°を含
む、
請求項1記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1角度が、前記ディスプレイの表示面が鉛直上向きであることを示す
他の角度範囲に属しており、かつ、前記開き角度が前記
所定の角度範囲に属するか否かを判定し、前記第1角度が前記
他の角度範囲に属しており、かつ、前記開き角度が前記
所定の角度範囲に属する場合に前記画面を回転させる、
請求項
2記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項4】
前記処理部は、前記画面の回転では、前記画面の中心を通る、前記画面と垂直な軸の回りに、前記画面を180°回転させる、
請求項1記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項5】
前記処理部は、前記画面に表示されるカーソルに対する、ポインティングデバイスによるユーザの操作入力を受け付けると、前記画面の回転に応じて、前記操作入力による前記カーソルの移動方向を補正する、
請求項1記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項6】
コンピュータが、
キーボードへの入力が有効な状態において、ディスプレイを備える第1筐体と前記キーボードを備える第2筐体とを接続する接続部であって、前記第1筐体を回転させる回転軸を有する前記接続部の前記回転軸回りの前記第1筐体の回転の角度である第1角度
と前記回転軸回りの前記第2筐体の回転の角度である第2角度とを取得し、
前記第1角度
と前記第2角度との差に基づいて、
前記第2筐体に対する前記第1筐体の開き角度を算出し、
前記開き角度が所定の角度範囲に属するか否かを判定し、前記開き角度が前記所定の角度範囲に属する場合に前記ディスプレイに表示される画面を回転させる、
制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
キーボードへの入力が有効な状態において、ディスプレイを備える第1筐体と前記キーボードを備える第2筐体とを接続する接続部であって、前記第1筐体を回転させる回転軸を有する前記接続部の前記回転軸回りの前記第1筐体の回転の角度である第1角度
と前記回転軸回りの前記第2筐体の回転の角度である第2角度とを取得し、
前記第1角度
と前記第2角度との差に基づいて、
前記第2筐体に対する前記第1筐体の開き角度を算出し、
前記開き角度が所定の角度範囲に属するか否かを判定し、前記開き角度が前記所定の角度範囲に属する場合に前記ディスプレイに表示される画面を回転させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノートブック型コンピュータ、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイおよびキーボードを備えたノートブック型コンピュータが利用されている。ノートブック型コンピュータは、ノートPC(Personal Computer)や、ラップトップPCなどとも言われる。ノートブック型コンピュータには、タブレットに変形可能な、いわゆる2in1タイプのものがある。また、ノートブック型コンピュータには、キーボードを着脱可能なものもある。
【0003】
ここで、コンピュータに接続されるディスプレイ上の画面は、ユーザの操作入力に応じて回転させることが可能である。例えば、画面上の第1表示領域内に、追加情報を入力可能な第2表示領域を、第1表示領域を基準に所定角度傾けて表示する情報処理装置の提案がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画面の回転のためにユーザによる手動の設定を強いると、ユーザが設定方法を知らなかったり、操作に慣れていなかったりする場合に、画面の回転に手間取ることがある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、画面回転機能を容易に使用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、ノートブック型コンピュータが提供される。ノートブック型コンピュータは、第1筐体と第2筐体と接続部と処理部とを有する。第1筐体は、ディスプレイを備える。第2筐体は、キーボードを備える。接続部は、第1筐体と第2筐体とを接続し、第1筐体を回転させる回転軸を有する。処理部は、キーボードへの入力が有効な状態において、回転軸回りの第1筐体の回転の角度である第1角度と回転軸回りの第2筐体の回転の角度である第2角度とを取得し、第1角度と第2角度との差に基づいて、第2筐体に対する第1筐体の開き角度を算出し、開き角度が所定の角度範囲に属するか否かを判定し、開き角度が所定の角度範囲に属する場合にディスプレイに表示される画面を回転させる。
【0008】
また、1つの態様では、コンピュータが実行する制御方法が提供される。また、1つの態様では、コンピュータによって実行されるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面では、画面回転機能を容易に使用可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施の形態のノートブック型コンピュータを説明する図である。
【
図2】第2の実施の形態のノートPCのハードウェア例を示す図である。
【
図7】画面回転角0°の場合の表示例を示す図である。
【
図10】第1の表示制御例を示すフローチャートである。
【
図11】第2の表示制御例を示すフローチャートである。
【
図12】第3の表示制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、第1の実施の形態のノートブック型コンピュータを説明する図である。
【0014】
ノートブック型コンピュータ10は、第1筐体10aおよび第2筐体10bを有する。第1筐体10aは、ディスプレイ11およびセンサ12を備える。第2筐体10bは、キーボード13を備える。ノートブック型コンピュータ10は、処理部14を更に有する。処理部14は、第1筐体10aに含まれてもよいし、第2筐体10bに含まれてもよい。また、ノートブック型コンピュータ10は、第1筐体10aおよび第2筐体10bを接続する接続部15を有する。接続部15は、例えばヒンジである。第1筐体10aおよび第2筐体10bは、接続部15の回転軸の回りに回転させることができ、折り畳んだり開いたりすることができる。
【0015】
ディスプレイ11は、画像を表示する表示装置である。ディスプレイ11は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(OEL:Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。
【0016】
センサ12は、例えばディスプレイ11の傾きの角度を検出する。センサ12は、例えば加速度センサである。センサ12は、水平方向を0°とし、ディスプレイ11の水平方向に対する傾きの角度を検出する。より具体的には、接続部15の回転軸をαとする。回転軸αと垂直な水平方向の軸をβとする。また、回転軸αと垂直なディスプレイ11の軸をγとする。この場合、ディスプレイ11の傾きの角度は、軸βに対する軸γの回転軸α回りの角度θに相当する。
【0017】
なお、
図1では、回転軸αと平行な軸xと、軸βと平行な水平方向の軸yと、鉛直方向の軸zとにより、ノートブック型コンピュータ10を観察する向きが表されている。
【0018】
キーボード13は、ユーザの操作入力を受け付ける入力装置である。第2筐体10bは、キーボード13に加えて、タッチパッドなどのポインティングデバイスを備えてもよい。また、ノートブック型コンピュータ10には、マウスなどのポインティングデバイスが接続されてもよい。
【0019】
処理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサである。ただし、処理部14は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの特定用途の電子回路を含んでもよい。プロセッサは、記憶部に記憶されたプログラムを実行する。複数のプロセッサの集合を「マルチプロセッサ」または単に「プロセッサ」と言うことがある。なお、図示を省略しているが、ノートブック型コンピュータ10は、処理部14の処理に用いられるデータを記憶する上記記憶部を有する。記憶部には、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体メモリや、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性ストレージが用いられる。
【0020】
ここで、ノートブック型コンピュータ10は、いわゆる2in1タイプのコンピュータである。すなわち、ノートブック型コンピュータ10は、第1筐体10aの背面(ディスプレイ11とは反対側の面)および第2筐体10bの背面(キーボード13とは反対側の面)とを合わせた状態では、タブレットとして利用可能である。ノートブック型コンピュータ10をタブレットに変形した状態は、タブレットモードと呼ばれる。例えば、処理部14は、第1筐体10aと第2筐体10bとの相対的な角度を取得し、当該相対的な角度に基づいてタブレットモードを検出し得る。処理部14は、タブレットモード以外の場合にキーボード13への入力を有効とする。処理部14は、タブレットモードではキーボード13への入力を無効にする。
【0021】
また、処理部14は、ディスプレイ11における画面の表示を制御する。具体的には、処理部14は、キーボード13への入力が有効な状態において、回転軸α回りの第1筐体10aの回転の角度θ(すなわち、傾きの角度θ)を取得し、当該角度θに基づいて、ディスプレイ11に表示される画面を回転させる。ここで、画面は、ディスプレイ11に表示される画像である。
【0022】
例えば、センサ12は、角度θを継続的に検出し、ユーザが第1筐体10aを比較的大きく回転させたイベントに応じて、回転後の角度θを処理部14に通知する。処理部14は、センサ12からの当該通知に応じて、画面を回転させるか否かを判定する。
【0023】
処理部14が取得する角度θに対して、画面を回転させる角度範囲Rは予め定められる。例えば、当該角度範囲Rを示す情報が、ノートブック型コンピュータ10の記憶部に予め保持される。当該角度範囲Rは、例えば180°前後に定められる。一例として、当該角度範囲Rは、約160°~約200°であるものとする。
【0024】
図1では、θ=θ1の場合およびθ=θ2の場合の画面の表示例が示されている。
【0025】
θ1は、角度範囲Rの最小角度よりも小さい角度である。この場合、処理部14は、画面回転なしとする。すなわち、画面の回転角度は0°である。なお、θが角度範囲Rに属さず、かつ、タブレットモードでない場合、処理部14は、ユーザの設定に応じて画面の回転を行える。
【0026】
θ2は、角度範囲Rに属する角度である。例えば、θ2=180°である。この場合、処理部14は、ディスプレイ11に表示される画面を、自動的に180°回転させる。画面の回転軸は、当該画面の中心を通る、当該画面と垂直な軸である。これにより、ディスプレイ11に表示される画面は、画面回転なしの場合と比べて、上下左右が反転される。
【0027】
このように、ノートブック型コンピュータ10によれば、キーボード13への入力が有効な状態において、接続部15における回転軸α回りの第1筐体10aの回転の角度θが取得され、当該角度θに基づいて、ディスプレイ11に表示される画面が回転される。
【0028】
これにより、ノートブック型コンピュータ10は、ユーザにより画面回転機能を容易に使用可能にできる。例えば、ユーザは、ノートブック型コンピュータ10をテーブルなどに置き、第1筐体10aをθ=180°程度に回転させることで自身と対面する相手ユーザに見せながら、ディスプレイ11の画面の内容を相手ユーザに説明することがある。この場合、対面する相手ユーザにとっては、画面の向きが逆になっていると画面の内容を見づらくなる。そこで、ノートブック型コンピュータ10は、第1筐体10aの回転の角度θに基づいて、ディスプレイ11に表示される画面を自動的に回転させることで、ユーザに画面回転のための操作を強いることなく、画面回転機能を容易に使用可能にできる。
【0029】
なお、上記の説明では、角度θの基準を水平方向の軸β(あるいは軸y)とした。一方、軸βは、軸αと垂直な、第2筐体10bに固定された軸と考えられてもよい。その場合、例えば、第2筐体10bは、軸βと水平方向に固定された軸yとの角度φを検出するセンサ(例えば加速度センサ)を備えてもよい。そして、処理部14は、角度θ(第1角度)と角度φ(第2角度)とに基づいて、ディスプレイ11に表示される画面を回転させてもよい。この場合、処理部14は、例えば角度θと角度φとの差が所定の角度範囲Rに属する場合に、ディスプレイ11に表示される画面を自動的に180°回転させてもよい。
【0030】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0031】
図2は、第2の実施の形態のノートPCのハードウェア例を示す図である。
【0032】
ノートPC100は、プロセッサ101、RAM102、SSD103、媒体リーダ104、通信インタフェース105、GPU106、センサ107,109、入力インタフェース108、LCD110、キーボード120およびタッチパッド130を有する。プロセッサ101は、第1の実施の形態の処理部14に対応する。
【0033】
プロセッサ101は、プログラムの命令を実行する演算装置である。プロセッサ101は、例えばCPUである。プロセッサ101は、SSD103に記憶されたプログラムやデータの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。なお、プロセッサ101は複数のプロセッサコアを含んでもよい。また、ノートPC100は複数のプロセッサを有してもよい。以下で説明する処理は複数のプロセッサまたはプロセッサコアを用いて並列に実行されてもよい。また、複数のプロセッサの集合を「マルチプロセッサ」または単に「プロセッサ」と言うことがある。また、プロセッサは、「プロセッサ回路(processor circuitry)」と呼ばれてもよい。
【0034】
RAM102は、プロセッサ101が実行するプログラムやプロセッサ101が演算に用いるデータを一時的に記憶する揮発性の半導体メモリである。なお、ノートPC100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
【0035】
SSD103は、OS(Operating System)やミドルウェアやアプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアのプログラム、および、データを記憶する不揮発性の記憶装置である。なお、ノートPC100は、HDDなどの他の種類の記憶装置を備えてもよく、複数の不揮発性の記憶装置を備えてもよい。
【0036】
媒体リーダ104は、記録媒体20に記録されたプログラムやデータを読み取る読み取り装置である。記録媒体20として、例えば、半導体メモリを使用できる。記録媒体20は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)などでもよい。磁気ディスクには、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDが含まれる。光ディスクには、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)が含まれる。
【0037】
媒体リーダ104は、例えば、記録媒体20から読み取ったプログラムやデータを、RAM102やSSD103などの他の記録媒体にコピーする。読み取られたプログラムは、例えば、プロセッサ101によって実行される。なお、記録媒体20は可搬型記録媒体であってもよく、プログラムやデータの配布に用いられることがある。また、記録媒体20やSSD103を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体と言うことがある。
【0038】
通信インタフェース105は、ネットワーク30に接続され、ネットワーク30を介して他の情報処理装置と通信する。通信インタフェース105は、スイッチやルータなどの有線通信装置に接続される有線通信インタフェースでもよいし、基地局やアクセスポイントなどの無線通信装置に接続される無線通信インタフェースでもよい。
【0039】
GPU106は、プロセッサ101からの命令に従って、LCD110に画像を出力する。LCD110は、画像を表示する表示装置である。LCD110は、OELディスプレイなど、他の種類のディスプレイでもよい。
【0040】
センサ107は、LCD110を備える第1筐体に設けられる、当該第1筐体またはLCD110の傾きの角度を検出する加速度センサである。
【0041】
入力インタフェース108は、キーボード120およびタッチパッド130に接続される。キーボード120およびタッチパッド130は、ユーザの操作入力を受け付ける入力装置である。入力インタフェース108は、キーボード120およびタッチパッド130から入力信号を取得し、プロセッサ101に出力する。ノートPC100は、タッチパネルやトラックボールなどのタッチパッド130以外のポインティングデバイスを備えてもよい。また、入力インタフェース108は、マウスやデジタイザなどに接続されてもよく、マウスやデジタイザなどから入力信号を取得してもよい。
【0042】
センサ109は、キーボード120を備える第2筐体に設けられる、当該第2筐体またはキーボード120の傾きの角度を検出する加速度センサである。
【0043】
なお、プロセッサ101、RAM102、SSD103、媒体リーダ104、通信インタフェース105、GPU106および入力インタフェース108それぞれは、第1筐体に設けられてもよいし、第2筐体に設けられてもよい。
【0044】
【0045】
ノートPC100は、第1筐体100a、第2筐体100bおよびヒンジ140を有する。第1筐体100aは、センサ107およびLCD110を備える。第2筐体100bは、センサ109およびキーボード120を備える。ヒンジ140は、第1筐体100aおよび第2筐体100bを接続する接続部である。第1筐体100aおよび第2筐体100bは、ヒンジ140の回転軸の回りに回転可能である。第1筐体100aおよび第2筐体100bの傾きの角度は、当該回転軸の回りの回転角度に相当する。
【0046】
なお、第1筐体100aおよび第2筐体100bは、ヒンジ140を介して着脱可能であってもよい。また、ノートPC100は、いわゆる2in1タイプのコンピュータであり、タブレットとして利用することもできる。更に、ノートPC100は、ヒンジ140の回転軸回りにおける、第1筐体100aおよび第2筐体100bの回転角度を検出する、センサ107,109以外の検出機構を備えてもよい。
【0047】
ユーザは、ノートPC100をテーブルなどに置き、ノートPC100のLCD110の画面とキーボード120のキー面とが平坦になるように第1筐体100aを開くことで、LCD110に表示される画面を対面する相手に見せることができる。そこで、ノートPC100は、このようなノートPC100の使用状態を検出し、LCD110に表示される画面を、相手が見易いように自動的に回転する機能を提供する。
【0048】
【0049】
ノートPC100は、記憶部150、角度取得部160および表示制御部170を有する。記憶部150には、RAM102やSSD103の記憶領域が用いられる。角度取得部160および表示制御部170は、プロセッサ101がRAM102に記憶されるプログラムを実行することで実現される。
【0050】
記憶部150は、角度取得部160および表示制御部170の処理に用いられる各種のデータを記憶する。
【0051】
角度取得部160は、センサ107,109で検出された角度を取得し、記憶部150に格納する。例えば、センサ107,109は、第1筐体100aまたは第2筐体100bの傾きの角度が比較的大きく変化したイベントを検出し、変化後の角度を割り込みとして角度取得部160に通知する。例えば、センサ107,109は、それぞれ第1筐体100aおよび第2筐体100bの傾きの角度を継続的に検出し、一定時間内に閾値以上の角度変化があった場合に、当該傾きの角度が大きく変化したことを検出し得る。角度取得部160は、通知された角度を取得し、当該角度を基にノートPC100の開き角度を計算して、表示制御部170に供給する。例えば、角度取得部160は、センサ107から取得した角度、および、センサ109から取得した角度の差を、ノートPC100の開き角度として求めることができる。
【0052】
表示制御部170は、LCD110による画像の表示を制御する。表示制御部170は、画面回転部171およびカーソル補正部172を有する。
【0053】
画面回転部171は、角度取得部160から供給された開き角度に基づいて、LCD110に表示される画面を自動的に回転させる。
【0054】
カーソル補正部172は、画面回転部171による画面の回転に応じて、タッチパッド130またはマウスで操作されるカーソルの移動方向を補正する。当該カーソルは、マウスカーソルとも言われる。
【0055】
【0056】
テーブル200は、第1筐体100aおよび第2筐体100bの姿勢と、センサ107,109それぞれで検出される角度(方向角)と、ノートPC100の開き角度との関係を示す。
【0057】
図5にはx,y,z軸が示されている。x軸は、ヒンジ140の回転軸と平行な方向の軸である。y軸は、x軸と垂直な水平方向の軸である。z軸は、x軸およびy軸と垂直な鉛直方向の軸である。
【0058】
また、第1筐体100aに付された矢印は、LCD110の画面(LCD面)と垂直な方向である。第2筐体100bに付された矢印は、キーボード120の裏面(KB(KeyBoard)裏面)と垂直な方向である。
【0059】
水平方向に対し、x軸(ヒンジ140の回転軸)回りのLCD面の回転角度(LCD面の方向角)は、第1筐体100aの傾きの角度θに相当する。また、水平方向に対し、y軸回りのKB裏面の回転角度(KB裏面の方向角)は、第2筐体100bの傾きの角度φに相当する。例えば、LCD面およびKB裏面が地面方向(鉛直下向きの方向)を向いている場合に、センサ107,109は、それぞれ0°を検出する。
【0060】
例えばLCD面の方向角0°かつKB裏面の方向角0°の場合、すなわち、ノートPC100の開き角度が0°-0°=0°の場合は、ノートPC100の閉状態に相当する。
【0061】
また、例えばLCD面の方向角約120°かつKB裏面の方向角0°の場合、すなわち、ノートPC100の開き角度が120°-0°=120°の場合は、ノートPC100の第1開状態に相当する。第1開状態はノートPC100の標準の使用状態であり、クラムシェルモードと言われる。第1開状態に対応する開き角度の範囲を示す情報は、記憶部150に予め保持される。
【0062】
また、例えばLCD面の方向角180°かつKB裏面の方向角0°の場合、すなわち、ノートPC100の開き角度が180°-0°=180°の場合は、ノートPC100の第2開状態に相当する。第2開状態は、ユーザがノートPC100を全開にして対面する相手にLCD110の画面を見せる使用状態であり、画面上下反転モードと言われる。第2開状態に対応する開き角度の範囲を示す情報は、記憶部150に予め保持される。
【0063】
更に、LCD面の方向角約120°かつKB裏面の方向角約120°の場合、第1筐体100aの裏面と第2筐体100bの裏面とが合わさる。この場合、第2筐体100bの回転は第1筐体100aとは逆方向となり、第1筐体100aの傾きの角度を+120°とすると、第2筐体100bの傾きの角度は-240°となる。そして、これらの角度に基づくノートPC100の開き角度が120°-(-240°)=360°の場合は、ノートPC100の第3開状態に相当する。第3開状態は、ユーザがノートPC100をタブレットとして使用する使用状態であり、タブレットモードと言われる。
【0064】
第3開状態(タブレットモード)では、プロセッサ101は、キーボード120に対するユーザの操作入力を無効とする。第1開状態(クラムシェルモード)および第2開状態(画面上下反転モード)では、プロセッサ101は、キーボード120に対するユーザの操作入力を有効とする。
【0065】
画面回転部171は、開き角度に基づいて、ノートPC100が第2開状態(画面上下反転モード)であることを検出すると、LCD110に表示される画面を回転する。
【0066】
【0067】
画面回転部171による画面回転の回転軸Hは、LCD110の画面の中心M1を通る、当該画面と垂直な軸である。
【0068】
図7は、画面回転角0°の場合の表示例を示す図である。
【0069】
例えば、第1開状態(クラムシェルモード)では、ノートPC100を操作するユーザが画面を見易い様に、鉛直上方向が画面の上方向に対応し、鉛直下方向が画面の下方向に対応するように、画面回転なし、すなわち、画面回転角0°で当該画面が表示される。
【0070】
【0071】
テーブル210は、画面回転部171による開き角度に応じた画面回転の制御のパターンを示す。
【0072】
例えば、開き角度0°~約160°は、前述のクラムシェルモード(第1開状態)に相当する。クラムシェルモードでは、画面回転は0°またはユーザの手動設定に応じた方向となる。
【0073】
例えば、開き角度180°前後、すなわち、開き角度約160°~約200°は、前述の画面上下反転モード(第2開状態)に相当する。画面上下反転モードでは、画面回転は、180°に自動回転となる。画面回転を180°に自動回転させることを「上下反転」と表記することがある。
【0074】
例えば、開き角度200°~360°は、前述のタブレットモード(第3開状態)に相当する。タブレットモードでは、画面回転は、第1筐体100aに内蔵のセンサ107(すなわち、LCD角度センサ)よる回転となる。例えば、タブレットモードでは、画面回転部171は、第1筐体100aに内蔵のセンサ107で検出された角度(x,y,z軸の各軸回りの角度)に基づいてLCD110に表示される画面を回転させる。
【0075】
【0076】
図9(A)は、画面上下反転モードにおいて、カーソルC1の移動方向の補正が行われる場合の例を示す。カーソル補正部172は、画面上下反転モードの場合に、LCD110の画面に表示されるカーソルC1に対し、例えばタッチパッド130に対する矢印A1の方向へのユーザの操作入力を受け付ける。すると、カーソル補正部172は、矢印A1の方向と同じ方向を示す矢印B1の方向へカーソルC1を移動させる。
【0077】
図9(B)は、画面上下反転モードにおいて、カーソルC1の移動方向の補正が行われない場合の例を示す。カーソルC1の移動方向の補正を行わない場合、タッチパッド130に対する矢印A1の方向へのユーザの操作入力に対して、カーソルC1は、矢印A1とは逆の矢印B2の方向へ移動されることになる。
【0078】
このように、カーソル補正部172は、タッチパッド130やマウスなどによるカーソルの移動方向の補正を行うことで、画面上下反転モードで画面が180°回転されている場合でも、ユーザがカーソルC1を違和感なく操作可能になるように支援できる。
【0079】
次に、ノートPC100の処理手順を説明する。
【0080】
図10は、第1の表示制御例を示すフローチャートである。
【0081】
(S10)センサ107は、LCD面の方向角について、閾値を超える角度変化のイベントを検出し、当該イベントにおける変化後の方向角θを角度取得部160に通知する。また、センサ109は、KB裏面の方向角について、閾値を超える角度変化のイベントを検出し、当該イベントにおける変化後の方向角φを角度取得部160に通知する。角度取得部160は、センサ107から通知された方向角θを取得する。また、角度取得部160は、センサ109から通知された方向角φを取得する。なお、ステップS10では、センサ107およびセンサ109の何れか一方が角度変化を検出することもあるし、両方が角度変化を検出することもある。角度取得部160は、最新の方向角θと最新の方向角φの差、すなわち、ノートPC100の開き角度を算出し、画面回転部171に出力する。
【0082】
(S11)画面回転部171は、ステップS10で算出された、方向角θと方向角φの差、すなわち、ノートPC100の開き角度が上下反転モード(画面上下反転モード)の角度範囲内であるか否かを判定する。当該開き角度が上下反転モードの角度範囲内の場合、ステップS12に処理が進む。当該開き角度が上下反転モードの角度範囲に含まれない場合、ステップS13に処理が進む。
【0083】
(S12)画面回転部171は、LCD110に表示される画面を、回転軸Hの回りに180°回転させる。また、カーソル補正部172は、カーソル移動方向の補正を開始する。そして、ステップS10に処理が進む。ステップS10へ進むと、角度取得部160は、センサ107,109から角度変化のイベントに応じた変化後の角度の通知を待機する。
【0084】
(S13)画面回転部171は、開き角度に対応するモード、すなわち、クラムシェルモードおよびタブレットモードに応じた画面回転制御を行う。具体的には、画面回転部171は、テーブル210で示される画面回転パターンに従って、クラムシェルモードおよびタブレットモードでの画面回転制御を行う。そして、ステップS10に処理が進む。ステップS10へ進むと、角度取得部160は、センサ107,109から角度変化のイベントに応じた変化後の角度の通知を待機する。
【0085】
ノートPC100は、次の手順によりLCD110の画面の表示制御を行ってもよい。
【0086】
図11は、第2の表示制御例を示すフローチャートである。
【0087】
ここで、第2の表示制御例は、前述のステップS10~S13のうち、ステップS10,S11に代えて、ステップS10a,S11aを実行する点が第1の表示制御例と異なる。そこで、下記では、ステップS10a,S11aを主に説明し、ステップS12,S13の説明を省略する。ステップS12,S13の次はステップS10aとなる。
【0088】
(S10a)センサ107は、LCD面の方向角について、閾値を超える角度変化のイベントを検出し、当該イベントにおける変化後の方向角θを角度取得部160に通知する。角度取得部160は、センサ107から通知された方向角θを取得する。角度取得部160は、方向角θを画面回転部171に出力する。
【0089】
(S11a)画面回転部171は、LCD面の方向角θが鉛直上向き方向の角度範囲内であるか否かを判定する。方向角θが鉛直上向き方向の角度範囲内の場合、ステップS12に処理が進む。方向角θが鉛直上向き方向の角度範囲に属さない場合、ステップS13に処理が進む。
【0090】
なお、鉛直上向き方向の角度範囲は、例えば、80°~100°などのように予め定められ、当該角度範囲を示す情報が記憶部150に予め格納される。また、この場合、ステップS13において、画面回転部171は、
図8の画面回転パターンにおける画面上下反転モードを検出してもよいし、画面上下反転モードに相当する角度範囲をクラムシェルモードとみなして画面回転を制御してもよい。
【0091】
このように、画面回転部171は、KB裏面の方向角φを用いずに、LCD面の方向角θ、すなわち、第1筐体100aの傾きの角度θのみを基に、当該角度θが鉛直上向き方向に対応するか否かによってステップS12の画面回転を行ってもよい。
【0092】
更に、ノートPC100は、次の手順によりLCD110の画面の表示制御を行ってもよい。
【0093】
図12は、第3の表示制御例を示すフローチャートである。
【0094】
ここで、第3の表示制御例は、第1の表示制御例のステップS10~S13のうち、ステップS10,S11に代えて、ステップS10b,S11bを実行する点が第1の表示制御例と異なる。そこで、下記では、ステップS10b,S11bを主に説明し、ステップS12,S13の説明を省略する。ステップS12,S13の次はステップS10bとなる。
【0095】
(S10b)センサ107は、LCD面の方向角について、閾値を超える角度変化のイベントを検出し、当該イベントにおける変化後の方向角θを角度取得部160に通知する。また、センサ109は、KB裏面の方向角について、閾値を超える角度変化のイベントを検出し、当該イベントにおける変化後の方向角φを角度取得部160に通知する。角度取得部160は、センサ107から通知された方向角θを取得する。また、角度取得部160は、センサ109から通知された方向角φを取得する。なお、ステップS10bでは、センサ107およびセンサ109の何れか一方が角度変化を検出することもあるし、両方が角度変化を検出することもある。角度取得部160は、最新の方向角θと最新の方向角φの差、すなわち、ノートPC100の開き角度を算出し、画面回転部171に出力する。また、角度取得部160は、センサ107から通知された方向角θも画面回転部171に出力する。
【0096】
(S11b)画面回転部171は、LCD面の方向角θが鉛直上向き方向の角度範囲内であり、かつ、方向角θと方向角φの差、すなわち、ノートPC100の開き角度が上下反転モードの角度範囲内であるか否かを判定する。LCD面の方向角θが鉛直上向き方向の角度範囲内であり、かつ、方向角θと方向角φの差、すなわち、ノートPC100の開き角度が上下反転モードの角度範囲内である場合、ステップS12に処理が進む。それ以外の場合、ステップS13に処理が進む。
【0097】
このように、画面回転部171は、第1の表示制御例のステップS11の条件および第2の表示制御例のステップS11aの条件を組み合わせて用いることもできる。これにより、例えば、ユーザがノートPCを全開にして壁に立てかけた上で、外付けのキーボードを用いて操作するような使用状態において、ノートPC100は、画面の自動回転を抑制し、不要な画面回転を行わないように制御できる。
【0098】
以上説明したように、ノートPC100は、第1筐体100aと第2筐体100bとヒンジ140とプロセッサ101とを有する。第1筐体100aは、LCD110を備える。第2筐体100bは、キーボード120を備える。ヒンジ140は、第1筐体100aと第2筐体100bとを接続し、第1筐体100aを回転させる回転軸を有する。プロセッサ101は、キーボード120への入力が有効な状態において、ヒンジ140の回転軸回りの第1筐体100aの回転の角度である第1角度(θ)を取得し、第1角度に基づいてLCD110に表示される画面を回転させる。
【0099】
これにより、ノートPC100は、ユーザにより画面回転機能を容易に使用可能にできる。例えば、ユーザは、ノートPC100をテーブルなどに置き、第1筐体100aをθ=180°程度に回転させることで自身と対面する相手ユーザにLCD110の画面を見せながら、当該画面の内容を相手ユーザに説明することがある。この場合、対面する相手ユーザにとっては、画面の向きが逆になっていると画面の内容を見づらくなる。そこで、ノートPC100は、第1筐体100aの回転の角度θに基づいて、LCD110に表示される画面を自動的に回転させることで、ユーザに画面回転のための操作を強いることなく、画面回転機能を容易に使用可能にできる。なお、ヒンジ140は、第1の実施の形態の接続部15の一例である。
【0100】
例えば、
図11の第2の表示制御例で説明したように、プロセッサ101は、第1角度(θ)が、LCD110の表示面が鉛直上向きであることを示す第1角度範囲に属するか否かを判定し、第1角度が第1角度範囲に属する場合に、画面を回転させてもよい。
【0101】
これにより、ノートPC100は、ユーザにより画面回転機能を容易に使用可能にできる。
図11の第2の表示制御例におけるステップS11aの判定に用いられる角度範囲は、第1角度範囲の一例である。
【0102】
また、
図10の第1の表示制御例で説明したように、プロセッサ101は、ヒンジ140の回転軸回りの第2筐体100bの回転の第2角度を更に取得してもよい。プロセッサ101は、第1角度と第2角度との差に基づいて、第2筐体100bに対する第1筐体100aの開き角度を算出してもよい。そして、プロセッサ101は、開き角度が180°を含む所定の第2角度範囲に属するか否かを判定し、開き角度が第2角度範囲に属する場合に画面を回転させてもよい。
【0103】
これにより、ノートPC100は、第1筐体100aが全開にされた状態を適切に検出して、ユーザにより画面回転機能を容易に使用可能にできる。
図8の画面上下反転モードに対応する開き角度の範囲は、第2角度範囲の一例である。センサ109により検出される角度φは、第2角度に相当する。
【0104】
また、
図12の第3の表示制御例で説明したように、プロセッサ101は、第1角度が、LCD110の表示面が鉛直上向きであることを示す第1角度範囲に属しており、かつ、開き角度が第2角度範囲に属するか否かを判定してもよい。プロセッサ101は、第1角度が第1角度範囲に属しており、かつ、開き角度が第2角度範囲に属する場合に画面を回転させてもよい。
【0105】
これにより、ノートPC100は、不要な画面回転を抑制し、ユーザにより画面回転機能を容易に使用可能にできる。
【0106】
また、プロセッサ101は、第1角度に基づく画面の回転では、当該画面の中心を通る、画面と垂直な軸(
図6の回転軸H)の回りに、画面を180°回転させる。
【0107】
これにより、ノートPC100は、ユーザと対面する相手が見易いように画面の表示を行える。
【0108】
更に、プロセッサ101は、画面に表示されるカーソルに対する、ポインティングデバイスによるユーザの操作入力を受け付けると、画面の回転に応じて、当該操作入力によるカーソルの移動方向を補正する。例えば、画面の180°回転に対して、補正しない場合のカーソルの移動方向は、画面表示上、操作方向に対して180°回転した方向となる。このため、プロセッサ101は、操作方向に対して180°回転した方向を更に180°回転した方向を補正後のカーソルの移動方向とする。こうして、プロセッサ101は、
図9で例示したように、プロセッサ101は、画面回転後において、ユーザが実際に操作入力した移動方向と一致するようにカーソルの移動方向を補正することができる。
【0109】
これにより、ノートPC100は、画面回転が行われた場合において、ユーザによるカーソルの移動操作に対するカーソルの移動方向に違和感が発生することを抑え、ユーザが当該カーソルを直感的に操作可能になるように支援することができる。
【0110】
なお、第1の実施の形態の情報処理は、処理部14にプログラムを実行させることで実現できる。また、第2の実施の形態の情報処理は、プロセッサ101にプログラムを実行させることで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体20に記録できる。
【0111】
例えば、プログラムを記録した記録媒体20を配布することで、プログラムを流通させることができる。また、プログラムを他のコンピュータに格納しておき、ネットワーク経由でプログラムを配布してもよい。コンピュータは、例えば、記録媒体20に記録されたプログラムまたは他のコンピュータから受信したプログラムを、RAM102やSSD103などの記憶装置に格納し(インストールし)、当該記憶装置からプログラムを読み込んで実行してもよい。
【符号の説明】
【0112】
10 ノートブック型コンピュータ
10a 第1筐体
10b 第2筐体
11 ディスプレイ
12 センサ
13 キーボード
14 処理部
15 接続部
【要約】
【課題】画面回転機能を容易に使用可能にする。
【解決手段】ノートブック型コンピュータ10は、第1筐体10aと第2筐体10bと処理部14と接続部15とを有する。第1筐体10aは、ディスプレイ11を備える。第2筐体10bはキーボード13を備える。接続部15は、第1筐体10aと第2筐体10bとを接続し、第1筐体10aを回転させる回転軸を有する。処理部14は、キーボード13への入力が有効な状態において、接続部15の回転軸回りの第1筐体10aの回転の角度である第1角度を取得する。処理部14は、第1角度に基づいて、ディスプレイ11に表示される画面を回転させる。
【選択図】
図1