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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】封止装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
B65B51/10 M
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023216332
(22)【出願日】2023-12-21
(65)【公開番号】P2024089669
(43)【公開日】2024-07-03
【審査請求日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/047185
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(31)【優先権主張番号】63/468,137
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2023/023241
(32)【優先日】2023-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2023/029740
(32)【優先日】2023-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(31)【優先権主張番号】63/535,389
(32)【優先日】2023-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2023/032562
(32)【優先日】2023-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(74)【代理人】
【識別番号】100126413
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 太亮
(72)【発明者】
【氏名】林 裕義
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-177704(JP,A)
【文献】特開2018-199494(JP,A)
【文献】特開2013-193774(JP,A)
【文献】特開平11-348908(JP,A)
【文献】登録実用新案第3152023(JP,U)
【文献】特開2000-062707(JP,A)
【文献】実開昭62-092239(JP,U)
【文献】特開2010-254302(JP,A)
【文献】特開2002-128028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と該開口部の外周縁を形成する縁部とを有する容器の前記開口部を蓋体で封止するための封止装置であって、
前記容器の前記縁部を露出させた状態で前記容器を保持する保持体を有する保持部と、
前記縁部に前記蓋体を接合するための接合体を有する接合力付与部と、を備え、
前記蓋体の位置を予め定められた空間に案内する案内体を備えた位置決め部を有し、
前記案内体は、前記接合の所定の位置から前記保持体に向かって複数個垂れ下がっており、
前記蓋体の位置が前記空間に案内された場合に、複数の前記案内体が前記蓋体から離れる方向の力を前記蓋体から受け、且つ、前記蓋体を前記空間内に位置させるように複数の前記案内体が前記蓋体の外形に応じた位置に配置されており、
前記保持部は、予め枚葉に形成された蓋体を前記保持体の前記開口部に向かい合うように配置させることができるように形成されており、
前記接合は、前記予め枚葉に形成された蓋体を前記容器に接合させる、
ことを特徴とする封止装置。
【請求項2】
前記保持部に保持された前記容器及び該容器の上に位置する前記蓋体を介して前記接合体と前記保持体とが接触する接近位置となる状態と、前記接合体と前記保持体とが前記接近位置より互いに離れた離間位置となる離間状態とが形成可能となるように、前記接合と前記保持部の少なくとも一方を変位させる移動部を備えており、
前記移動部が前記接近位置となる状態を形成することを契機として前記接合が前記蓋体を前記容器に接合させるように構成されている、請求項1に記載の封止装置。
【請求項3】
前記蓋体の位置が前記空間に案内された場合に、複数の前記案内体が複数の前記案内体で前記蓋体を把持することができるように構成されている、請求項1に記載の封止装置。
【請求項4】
前記蓋体の位置が前記空間に案内された場合に、前記案内体が前記蓋体に接触することができるように構成されている、請求項1に記載の封止装置。
【請求項5】
前記接合体には、前記蓋体と前記容器との接触部にエネルギーを付与するエネルギー付与部が設けられている、請求項1に記載の封止装置。
【請求項6】
前記エネルギー付与部は、電気エネルギー、振動エネルギー及び熱エネルギーからなる群から選ばれたうちの少なくとも1種類のエネルギーを付与する、請求項5に記載の封止装置。
【請求項7】
前記蓋体が挿入可能に形成された挿入部と、
前記挿入部から挿入された前記蓋体を前記空間に向けて搬送する搬送部と、を有する請求項1に記載の封止装置。
【請求項8】
前記保持部は、表面と裏面との間を貫通する貫通孔を有し、且つ前記貫通孔に前記容器を挿入可能に形成された挿入部と、前記挿入部の下方に位置し、且つ前記容器の底部に接触し且つ前記底部を支持する支持部と、を備え、
前記接近位置となる状態と前記離間状態との遷移に伴い、前記支持部と前記底部との接触位置の高さ方向の位置が変動する、請求項2に記載の封止装置。
【請求項9】
前記位置決め部が柔軟性を有する材料で形成されている、請求項1に記載の封止装置。
【請求項10】
前記位置決め部が耐熱性を有する材料で形成されている、請求項1に記載の封止装置。
【請求項11】
前記蓋を積み重ねた蓋集合体を収容する格納部と、
前記格納部から、前記蓋体を個別に分散する分取器と、
前記分取器で分取された前記蓋体を前記保持部に向けて移送する移送部と、を有し、
前記容器を前記保持部に配置されたことを契機として、前記蓋体が前記格納部から、前
記移送部を経由して前記容器の上に配置される、請求項1に記載の封止装置。
【請求項12】
前記格納部は複数個設けられており、
少なくとも1つの前記格納部に収容された蓋体の寸法は、他の1つの前記格納部に収容された蓋体の寸法と異なっており、
前記保持部に配置される前記容器の大きさに応じて、前記移送部から前記容器の上に配置される蓋体を格納した前記格納部が選択され、且つ、選択された前記格納部から前記移送部を経由して前記容器の上に前記蓋体が配置される、
請求項11に記載の封止装置。
【請求項13】
前記移送部は、前記格納部から送られた前記蓋体を一時的に留置する待機部を有しており、
前記容器を前記保持部に配置されたことを契機として、前記待機部に配置された前記蓋体が前記容器の上に配置され、前記格納部から前記蓋体が前記移送部の前記待機部に送り込まれる、請求項11に記載の封止装置。
【請求項14】
前記格納部は下端に開口を有し、
前記分取器は、前記格納部の下端の前記開口から、前記蓋体を取り出すように構成されている、請求項11に記載の封止装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に蓋体を封止するための封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ファストフード店などの各種店舗において、コーヒーや炭酸飲料などの各種飲料、総菜などの食料品をはじめとする飲食料品を容器に収容して提供することが広く行われている(いかにおいては、上記した各種の飲食料品のことを「内容物」と称することがある。)。また、従来は、予め容器に内容物を収容した状態のものを店舗に陳列して提供したり、購入者からの注文に応じて店員がその場で容器に内容物を収容して提供するといったことが行われている。近年は、このような従来から行われている提供の方法に加えて、購入者が容器に内容物を収容して持ち帰るといった提供の方法も行われてきている。
【0003】
一般に、容器に収容した状態で内容物を提供する場合には、内容物を収容した容器に蓋をすることが多く行われている、容器に蓋をする態様も種々あり、その中の一つの態様として、熱を加えて容器に蓋体を接合するヒートシール法や、超音波を加えることにより容器と蓋とを接合する超音波溶着法などが知られている。これらの方法によると、容器の開口部の周縁に形成された縁部に蓋体が接合されるため、容器は内部が密封された状態となる。このように、蓋体を容器の縁部に接合して容器内を密封した状態にするためには、容器に蓋体を接合して封止するための封止装置を用いて行うことが一般的である。従来から知られている封止装置としては、例えば下記に示す特許文献1に記載されているものが挙げられる。この特許文献1に記載されている封止装置(シール装置)は、容器の縁部に対して蓋材としてのフィルム部材をヒートシールすることで容器に蓋材を接合し、容器を密封するためのものである。このシール装置は、装置本体と、容器を支持する支持部と、支持部で支持された容器にフィルム部材をヒートシールするための熱圧板とを備えている。支持部は、装置本体の前面よりも前側に繰り出した位置(装置本体よりも外側の位置)と、装置本体内における熱圧板の下方の位置との間でスライド移動することができるように構成されている。この支持部は、容器を支持させるときは装置本体よりも外側に位置しており、支持された容器に蓋体をシールするときは、熱圧板の下方の位置までスライド移動する。そして、この位置で熱圧板によって蓋体が容器にシールされると、支持部は熱圧板の下方の位置から装置本体よりも外側の位置までスライド移動するといった動作を行う。飲料等を購入した購入者は、装置本体よりも外側に位置する支持部から容器を取り、持ち帰ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3152023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に記載されているシール装置は、ロール状に巻かれたフィルムの長尺体が一方側のローラ(能動ローラ)に設けられ、このロール状に巻かれたフィルムの先端が他方側のローラ(受動ローラ)に取り付けられており、受動ローラが回転することによって能動ローラに設けられたフィルムが順次繰り出されて受動ローラに巻き取られるといった構成になっている。容器にフィルムをシールする部位は能動ローラと受動ローラとの間にあり、この部位によって長尺体のフィルムから容器の大きさ及び形状に応じた態様への切断と容器へのヒートシールを行うように構成されている。
【0006】
しかしながら、このようにフィルムの長尺体を所定の大きさ及び形状に切断するとともに、容器に対してヒートシールすることにより容器内を封止する封止装置の場合には、受動ローラに巻き取られるのは所定形状等にくり抜かれた状態のフィルムの長尺体である。この受動ローラに巻き取られるフィルムの長尺体は最終的に廃棄するしかなく、蓋体を抜き取った後のフィルムのロスが非常に大きいという問題があった。また、特許文献1に開示されているシール装置の場合には、容器にフィルムをヒートシールする際にフィルムの長尺体から切断して提供するので、フィルムを切断したときに、切断片などのようなフィルムを切断することによって発生するごみが容器内に入り、内容物に混入する虞もあった。
【0007】
また、特許文献1に記載されているシール装置は、容器にフィルムをヒートシールする機構に加えて、フィルムを切断する機構も必要になる。そのため、シール装置の構成が複雑になりがちであるだけでなく、例えば、店員などがシール装置の内部の点検や清掃を行う際、該店員などがフィルムを切断する機構に誤って触れてしまい、ケガをする虞もあった。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、蓋体を形成する素材のロスを大きく低減することができ、かつ容器内へのゴミの混入も防ぐことができ、さらには装置全体の構成を簡単にすることが可能な封止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記に示す(1)から(14)に係る発明を要旨とする。
(1)開口部と該開口部の外周縁を形成する縁部とを有する容器の前記開口部を蓋体で封
止するための封止装置であって、
前記容器の前記縁部を露出させた状態で前記容器を保持する保持体を有する保持部と、
前記縁部に前記蓋体を接合するための接合体を有する接合力付与部と、を備え、
前記蓋体の位置を予め定められた空間に案内する案内体を備えた位置決め部を有し、
前記案内体は、前記接合の所定の位置から前記保持体に向かって複数個垂れ下がっており、
前記蓋体の位置が前記空間に案内された場合に、複数の前記案内体が前記蓋体から離れる方向の力を前記蓋体から受け、且つ、前記蓋体を前記空間内に位置させるように複数の前記案内体が前記蓋体の外形に応じた位置に配置されており、
前記保持部は、予め枚葉に形成された蓋体を前記保持体の前記開口部に向かい合うように配置させることができるように形成されており、
前記接合は、前記予め枚葉に形成された蓋体を前記容器に接合させる、
ことを特徴とする封止装置。
(2)前記保持部に保持された前記容器及び該容器の上に位置する前記蓋体を介して前記接合体と前記保持体とが接触する接近位置となる状態と、前記接合体と前記保持体とが前記接近位置より互いに離れた離間位置となる離間状態とが形成可能となるように、前記接合と前記保持部の少なくとも一方を変位させる移動部を備えており、前記移動部が前記接近位置となる状態を形成することを契機として前記接合が前記蓋体を前記容器に接合させるように構成されている、上記(1)に記載の封止装置、
(3)前記蓋体の位置が前記空間に案内された場合に、複数の前記案内体が複数の前記案内体で前記蓋体を把持することができるように構成されている、上記(1)に記載の封止装置。
(4)前記蓋体の位置が前記空間に案内された場合に、前記案内体が前記蓋体に接触することができるように構成されている、上記(1)に記載の封止装置。
(5)前記接合体には、前記蓋体と前記容器との接触部にエネルギーを付与するエネルギー付与部が設けられている、上記(1)に記載の封止装置。
(6)前記エネルギー付与部は、電気エネルギー、振動エネルギー及び熱エネルギーからなる群から選ばれたうちの少なくとも1種類のエネルギーを付与する、上記(5)に記載の封止装置。
(7)前記蓋体が相違乳可能に形成された挿入部と、前記挿入部から挿入された前記蓋体を前記空間に向けて搬送する搬送部と、を有する上記(1)に記載の封止装置。
(8)前記保持部は、表面と裏面との間を貫通する貫通孔を有し、且つ前記貫通孔に前記容器を挿入可能に形成された挿入部と、前記挿入部の下方に位置し、且つ前記容器の底部に接触し且つ前記底部を支持する支持部と、を備え、前記接近位置となる状態と前記離間状態との遷移に伴い、前記支持部と前記底部の接触位置のうち高さ方向の位置が変動する、上記(2)記載の封止装置。
(9)前記位置決め部が柔軟性を有する、上記(1)に記載の封止装置。
(10)前記位置決め部が耐熱性を有する材料で形成されている、上記(1)に記載の封止装置。
(11)前記蓋を積み重ねた蓋集合体を収容する格納部と、前記格納部から前記蓋体を個別に分散する分取器と、前記分取器で分散された前記蓋体を前記保持部に向けて移送する移動部と、前記分取器で分取された前記蓋体を前記保持部に向けて移送する移送部と、を有し、前記容器を前記保持部に配置されたことを契機として、前記蓋体が前記格納部から、前記移送部を経由して前記容器の上に配置される、上記(1)に記載の封止装置。
(12)前記格納部は複数設けられており、少なくとも1つの前記格納部に収容された蓋体の寸法は、前記保持部に配置される前記格納部に収容された蓋体の寸法と異なっており、前記保持部に配置される前記容器の大きさに応じて、前記移送部から前記容器の上に配置される蓋体を格納した前記格納部が選択され、且つ、選択された前記格納部から前記移送部を経由して前記容器の上に前記蓋体が配置される、上記(11)に記載の封止装置。
(13)前記移送部は、前記格納部から送られた前記蓋体を一時的に留置する待機部を有しており、前記容器を前記保持部に配置されたことを契機として前記待機部に配置された前記蓋体が前記容器の上に配置され、前記格納部から前記蓋体が前記移送部の前記待機部に送り込まれる、上記(11)に記載の封止装置。
(14)前記格納部は下端に開口を有し、前記分取器は、前記格納部の下端の前記開口から、前記蓋体を取り出すように構成されている、上記(11)に記載の封止装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、構成を複雑にすることなく、蓋体を確実に容器に接合し、該容器を密封することができる。また、本発明によれば、蓋体を容器に接合する際にも、容器の中へのゴミの混入などの虞を大きく低減することができ、さらには蓋体を形成する素材のロスも大きく低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る封止装置の第1の実施の形態であって、保持治具の一実施例を模式的に示す斜視図である。
図2】第1の実施の形態に係る封止装置の保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図3図2のA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図4図4Aは、変形例1に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図4Bは、図4AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図5図5Aは、変形例3に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図5Bは、図5AのC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図6】変形例4に係る保持治具の一実施例を模式的に示す断面図である。
図7】変形例5に係る保持治具の一実施例を模式的に示す断面図である。
図8図8A図8Bは、変形例6に係る保持治具の一実施例を模式的に示す断面図である。
図9図9Aは、変形例7に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図9Bは、変形例7に係る保持治具の一実施例を模式的に示す側面図である。
図10】本発明の封止装置に係る第1の実施の形態を示す外観斜視図である。
図11】第1の実施の形態に係る封止装置であって、蓋体格納部をとった状態の外観斜視図である。
図12図11に示す封止装置の分解斜視図である。
図13図13(a)は接合力付与部の構成を示す外観斜視図、図13(b)は接合力付与部の構成を示す平面図である。
図14】変形例8に係る保持治具の一実施例を模式的に示す斜視図である。
図15図15Aは、変形例8に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図15Bは、変形例8に係る保持治具の一実施例を模式的に示す側面図である。
図16】第1の実施の形態に係る封止装置の縦断面図である。
図17】第1の実施の形態に係る封止装置の縦断面図である。
図18】第1の実施の形態における接合力付与部の作用について説明するための説明図である。
図19】本発明に係る封止装置の第2の実施の形態を表す外観斜視図である。
図20図20Aは、変形例8に係る保持治具の一実施例を示す平面図である。図20Bは、図20AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。
図21図21は、変形例8に係る保持治具の一実施例を示す平面図である。
図22図22Aは、変形例7に係る保持治具の一実施例を示す平面図、図22Bは、変形例7に係る保持治具の一実施例を示す側面図である。
図23】第2の実施の形態に係る封止装置の動作を説明するための説明図である。
図24】第2の実施の形態に係る封止装置の内部構成を説明するための説明図である。
図25】第2の実施の形態に係る封止装置の分解斜視図である。
図26図26(a)は、第3の実施の形態に係る封止装置の外観斜視図である。図26(b)は、第3の実施の形態に係る封止装置の平面図である。
図27】第3の実施の形態に係る封止装置の内部構成を示す斜視図である。
図28】第3の実施の形態に係る封止装置の分解斜視図である。
図29】第3の実施の形態に係る封止装置の挿入部及び接合力付与部の構成を示す斜視図である。
図30図30Aは、変形例8に係る保持治具の一実施例を示す平面図である。図30Bは,図30AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。
図31図31Aは、変形例8に係る保持治具の一実施例を示す平面図である。図31Bは、
図32図32Aは、変形例8に係る保持治具の一実施例を示す平面図である。図32Bは、図32AのG-G線縦断面を示す縦断面図である。
図33】第3の実施の形態に係る封止装置の挿入部及び接合力付与部の側面図である。
図34図34Aは、第3の実施の形態に係る封止装置の挿入部前面側から見た場合の斜視図である。図34Bは、封止装置の挿入部を後面側から見た場合の斜視図である。図34Cは挿入部の側面図である。
図35】変形例10に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図36】保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図37】保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図38】保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図39】保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図40図40Aは、変形例8に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図40Bは、図40AのH-H線縦断面の状態を模式的に示す平面図である。図40Cは、変形例8に係る保持治具の一実施例における使用時の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図41図41Aは、変形例8に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図41Bは、図41AのI-I線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図41Cは、図41AのJ-J線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図42図42A図42Bは、変形例8に係る保持治具の一実施例を模式的に示す断面図である。
図43図43Aは、変形例9に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図43Bは、変形例9に係る保持治具の一実施例を模式的に示す図である。
図44】変形例10に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図45図45Aは、変形例11に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図45Bは、図45AのK-K線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図46図46Aは、変形例12に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図46Bは、図46AのL-L線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図46Cは、図46AのM-M線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図47図47Aは、変形例13に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図47Bは、変形例13に係る保持治具の一実施例を模式的に示す側面図である。
図48図48Aは、変形例14に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図48Bは、変形例14に係る保持治具の一実施例を模式的に示す図である。
図49図49Aは、変形例15に係る保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図49Bは,図49AのN-N線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図50図50Aは、第3の実施の形態に係る封止装置の接合力付与部の構成を表す外観斜視図である。図50Bは、接合力付与部の構成を表す正面図である。
図51】変形例16に係る保持治具の一実施例を模式的に示す斜視図である。
図52図52Aは、保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。図52Bは、図52Aに示す保持治具の側面図である。図52Cは、蓋体の位置決めをしている保持治具を模式的に示す図である。
図53】本発明に係る封止装置の第4の実施の形態を示す外観斜視図である。
図54】本発明に係る封止装置の第4の実施の形態を示す外観斜視図である。
図55】第4の実施の形態に係る封止装置の内部構成を模式的に示す斜視図である。
図56】第3の実施の形態に係る封止装置の変形例を示す斜視図である。
図57】第2の実施の形態に係る封止装置の変形例を示す斜視図である。
図58】蓋体格納部の構成を模式的に示す斜視図である。
図59】蓋体格納部の構成を模式的に示す斜視図である。
図60】蓋体格納部の作用効果を説明するための説明図である。
図61】蓋体格納部の断面構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る封止装置の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能及び構成を有する部分については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
以下の説明は、本発明に係る封止装置の好適な具体例である。したがって、本発明の内容は、以下において説明する実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。また、以下の説明において図面を用いて説明する際、図面にX軸、Y軸、Z軸が示されているときは、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(前側が+X方向、後側が-X方向)、Y軸方向を左右方向(右側が+Y方向、左側が-Y方向)とし、これに基づき説明を行う。また、各図において示す封止装置、及び封止装置を構成する各部材の大きさなどの大小比率は便宜上の記載であり、実施の大小比率を限定するものではない。また、下記において詳細に説明する各部の構成については、それぞれの実施の形態及び変形例等において適用することに限定されるものではなく、他の実施の形態及び変形例等に適宜適用してよい。
【0014】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る封止装置1001の第1の実施の形態について説明する。本発明に係る封止装置1001は、開口部と該開口部の外周縁を形成する縁部とを有する容器の開口部を蓋体で封止するためのものであり、容器の縁部を露出させた状態で容器を保持するための保持体としての保持治具を有する保持部1003と、容器の開口部の周縁に形成された縁部に蓋体を接合するための接合体を有する接合力付与部1004と、を備えており、保持部1003は、予め枚葉に形成された蓋体を保持体の開口部に向かい合うように配置された蓋体を容器に接合させるように構成したものである。
【0015】
本実施の形態に係る封止装置1001の構成を図10から図13図16から図18に示す。図10等に示すように、本実施の形態に係る封止装置1001は、容器に蓋体を封止する者(以下においては「使用者」と言う。)が手動で容器の封止を行うように構成されている。この封止装置1001は、筐体1002、保持部1003、接合力付与部1004、移動部1005及び蓋体格納部1006を備えている。筐体1002は、封止装置1001のベースとなる部材である。筐体1002は、鉄やステンレス等のような従来から知られている材質の金属板を成形することにより形成されている。本実施の形態に係る封止装置1001においては、筐体1002は、底板1007、右側板1008、左側板1009、後部板1010等が例えば溶接や折り曲げ成形等のような従来から公知の方法によって形成されているが、筐体1002の成形の仕方は上記したものに限定されず、他の方法により筐体1002を成形してもよい。底板1007は、封止装置1001の下部1015に位置している板状の部材であり、前後左右の4箇所に貫通孔が形成されている。これら4つの貫通孔は、例えば、ゴム足などを取り付けることができるようになっている。右側板1008、左側板1009及び後部板1010は、底板1007から立設するように形成されている。また、右側板1008と後部板1010、左側板1009と後部板1010は、互いに接合等により一体化されている。筐体1002は、これら底板1007、右側板1008、左側板1009及び後部板1010により囲まれた収納空間1011を有している。この収容空間は、封止装置1001を構成する各種の部品や部材を配置し、取り付けるための空間である。また、右側板1008及び左側板1009の上端は、該上端が内向き方向へと折り曲げられている。この折り曲げられた部分には、案内レールが取り付けられる。なお、後部板1010には、封止装置1001に給電するためのプラグソケット(図示せず)を取り付けることができるようになっている。
【0016】
また、筐体1002には、ロック部材1012が設けられている。ロック部材1012は、後述する接合力付与部1004を構成するレバーが図7A中のA方向へ回動することを規制したり、規制を解除したりするための部材である。このロック部材1012は、接合力付与部1004に形成されている係止突起が前後方向に移動することを可能とする移動空間1013を有し、その移動空間1013を囲むように上部1014、下部1015、側部1016及び後部1017を備えている。また、このロック部材1012には、前方には係止突起との係合を解除する係止解除部1018が形成されている。
【0017】
保持部1003は、容器の縁部を露出させた状態で容器を保持するためのものであり、少なくとも一部が収納空間1011内に位置するように配置されている。この保持部1003は、保持治具10と、この保持治具10を支持するための保持ベース板1019とから構成されている。保持ベース板1019は、左右方向の両端部分を折り曲げ形成した板状の部材である。この保持ベース板1019は、折り曲げられた左端部分が筐体1002の左側板1009にねじ止め等の方法により固定され、右端部分が筐体1002の右側板1008にねじ止め等の方法により固定されることで、筐体1002に取り付けられている。保持ベース板1019は、上に保持治具10を取付固定することができるようになっている。なお、保持ベース板1019は左右方向の両端部分を折り曲げ形成することで形成してもよいし、それ以外の他の方法で形成してもよい。
【0018】
次に、保持治具10の構成について説明する。なお、保持治具10の構成については、変形例等も含めて説明する。第1の実施形態にかかる封止装置1001の保持治具10(以下においては、「第1の実施形態に係る保持治具10」と言うことがある。)は、図1図2及び図3等に示すように、保持体11を有する。保持治具10は、その平面視上、矩形状に形成されているが、これは一例であり、他の形状であることを禁止するものではない。保持治具10の外周形状は、その平面視上、矩形状以外に、円形状、舌片状、楕円形状、多角形状等いずれでもよい。例えば、図39に示す例では、保持治具10の外周形状は、その平面視上、舌片状に形成されている。図1図2では、説明の便宜上、後述する受け材13と変位子14との間に隙間が生じているように記載されているが、変位子14の変位に伴い隙間が生じた状態が形成される場合、受け材13と変位子14とが接触した状態が形成される場合(隙間がない場合)のいずれも生じうる。このことは、図4から図5等についても同様である。
【0019】
(保持対象物)
保持治具10は、保持対象物を保持する用途で使用可能なものである。したがって保持治具10は、いわゆる容器保持具や容器支持具として使用可能な構造体を含む概念である。保持対象物とは、保持治具10で保持される物であり、容器や、容器と蓋を重ねた積層物、容器と蓋の一体物等を例示することができる。保持対象物には、保持治具の貫通孔の上端縁部で保持される物や、保持治具の貫通孔の周面部で保持される物が含まれる。
【0020】
(ベース板)
図1の例では、保持治具10では、ベース板12の上に保持体11を備える。この例では、保持体11は、後述する複数の変位子14と受け材13をベース板12の上面(板上面)に配置している。ただし、このことは、保持治具10がベース板12を備える場合に限定するものではない。保持体11が分解されず、すなわち後述する複数の変位子14の組み合わせが個々に分解されず、変位子14が保持体11から離脱しないようにすることができれば、ベース板12は省略されてもよい。ベース板12の材質は特に限定されないが、金属、プラスチック、木、ガラス、セラミック等特に限定されないが、強度に優れた観点からは、ベース板12は金属製であることが好ましい。ベース板12には、後述する貫通孔16に対応した位置に補助孔17が形成されている。図1の例では、補助孔17は、貫通孔16の大きさが拡大状態で、保持治具10の平面視上、貫通孔16の周面部16Aの形状におおむね内接する形状に形成されている。貫通孔16の大きさが小さくなるように貫通孔16の大きさが変動するにつれ、保持治具10の平面視上、補助孔17の縁部17Aは貫通孔16の外側に位置するようになる。
【0021】
(保持体)
保持体11は、貫通孔16を有しており、貫通孔16の少なくとも一部を形成する複数の変位子14を有する。図1の例では、複数の変位子14で貫通孔16が形成される。また、図1の例では、保持体11は、貫通孔16に向かう方向を内側とした場合に変位子14よりも外側に受け材13を備える。より詳しくは、図1の例では、保持体11は、複数の変位子14で構成された環状構造体15を備え、さらに環状構造体15の外側に受け材13を備えている。なお、図1は、保持治具10は、変位子14を非環状に配置されてもよい。また、例えば、保持治具10の一例であり、貫通孔16が変位子14と変位しない非変位部材との組み合わせで構成されてもよい。この例では変位子14は非環状に配置されることになる。
【0022】
(貫通孔)
保持体11の貫通孔16は、後述するように変位子14の変位に応じて大きさを変更できるように形成されている。貫通孔16は、保持対象物Mを通じる機能を有する程度の径を有する。貫通孔16は、周面部16Aと上端縁部16Bを有する。保持対象物Mが、封止装置の説明で図11を参照しながら後述するように上側を開口させた本体部210と底部220を有し内部に本体部210と底部220で囲まれた空間230を形成し且つ本体部210の上端(上縁部250)側に外側に向かって延び出たフランジ部240を有する容器200である場合、本体部210の外周面210A(容器200の外周面)に対して周面部16Aが向かい合い、フランジ部240に対して上端縁部16Bが向かい合う。なお、フランジ部240は、平坦形状でもカール形状でもよい。以下の説明において容器を用いて説明する場合には、保持対象物が上記したような容器200であり、本体部210の形状が上端から下端に向かって先細りした形状であり、容器200の本体が上面側を開口したものである場合を用いて説明を続ける。なお、上端縁部16Bは、保持治具10に対して容器200をおおむね上下方向に通じることを想定した場合に、貫通孔16の上側の端縁を形成する部分を示す。保持治具10に対して容器200を差し入れる場合には、上端縁部18B側から貫通孔16を貫通するように容器200が差し入れられることが好適である。
【0023】
貫通孔16の大きさは、変位子14の変位に応じて所定の範囲で変更される。貫通孔16の大きさが拡大状態である場合は、予め定められる。拡大状態は、保持対象物Mの大きさや変位子14の配置等の条件に応じて定められた状態として貫通孔16の大きさを大きくした場合の状態である。例えば図1の例では、変位子14が規制壁部21に接する位置に変位した場合の貫通孔16の大きさとなる。また、貫通孔16の大きさが縮小状態である場合についても、予め定められる。縮小状態は、保持対象物Mの大きさや変位子14の配置等の条件に応じて定められた状態として貫通孔16の大きさを小さくした場合の状態である。例えば後述の変形例1で参照する図4の例では、後述する弾性部材22が自然長となるまでに変位子14が変位した場合の貫通孔16の大きさとなる。また、例えば、保持対象物Mが、下方向に向かって先細りした形状を有する容器200である場合、保持対象物Mと縮小状態の関係について、容器200の下端の大きさよりもやや大きな大きさが貫通孔16の縮小状態に対応する貫通孔16の大きさに定められてよい。保持対象物Mの大きさと拡大状態の関係について、容器200の上端(フランジ部240を除く)の大きさよりもやや大きな大きさが、貫通孔16の拡大状態に対応する貫通孔16の大きさとして定められてよい。なお、貫通孔16の大きさが変更される場合、変更の前後で互いに相似した形状となるように貫通孔16の大きさが変更されてもよいし、非相似となるように貫通孔16の大きさが変更されてもよい。なお、貫通孔16の大きさが縮小状態となる場合には、貫通孔16の大きさがおおむねゼロになる場合も含まれる。
【0024】
(貫通孔の大小の特定)
貫通孔16の大小は、貫通孔16の中央CT(図1図3においては一点鎖線で示す。図2においては点で示す)と変位子14の位置を揃え、1つの貫通孔16を前方に配置して他の貫通孔16を後方に配置した状態を想定した場合に、他の貫通孔16が露出している場合には、1つの貫通孔16よりも他の貫通孔16が小さく、1つの貫通孔と他の貫通孔16が一致している場合には、1つの貫通孔16と他の貫通孔16が同じ大きさであり、他の貫通孔16が露出せず且つ1つの貫通孔16に対して同じでもない場合には、1つの貫通孔16よりも他の貫通孔16が大きいものとする。貫通孔16と補助孔17,18との大小については、貫通孔16の最大の内接円の直径と、補助孔17,18の直径の大小で定められるものとする。
【0025】
(変位子)
保持治具10において、図1図2等の例では、複数の変位子14は、環状に配置されている。ここに、環状に配置されているとは、所定位置を基準位置(図2の例では、貫通孔16の中央CT)とした場合に、基準位置の周囲を取り巻くように配置されている状態を示す。環状に配置されている場合には、基準位置から離れる方向(保持治具10の厚み方向を法線とする面に沿って基準位置から外側に広がる方向)を視線方向とした場合に、隣り合う複数の変位子14がオーバーラップしている場合が含まれるものとする。変位子14とは、外部から押圧力や電気や磁気等の作用を受けて位置の移動や回転などの運動をする物(変位しうる素片)を示す。変位子14としては、移動子や回転子等を例示することができる。移動子は、位置の移動をする有形物である。回転子は、回転移動する有形物である。変位子14は、その少なくとも一部が貫通孔16から認識できるように配置される場合が存在していればよく、貫通孔16の大きさが所定の大きさである場合に貫通孔16に露出しないものが複数の変位子14の一部(いくつか)に存在することが禁止されない。
【0026】
(変位子のレイアウト)
変位子14のレイアウトについては、図1図2等の例では、基準位置から離れる方向を視線方向とした場合に、隣り合う複数の変位子14がオーバーラップしており、また隣り合う変位子14が互いに接触している。そして、環状に配置された変位子14は全体として環状構造体15を形成している。環状構造体15は内側に貫通部(Z軸方向に沿った方向に貫通した部分)が形成されており、この貫通部が貫通孔16となっている。したがって、複数の変位子14が貫通孔16を形成している。ただし、このことは、変位子14の配置が環状とされることで形成された貫通部で貫通孔16を形成している場合に限定するものでない。例えば、図37に示すように、貫通孔16が変位子14と壁部53で形成されている場合が排除されない。図37は、第1の実施形態にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図37では、破線で示すように、変位子14が矢印SL方向にスライド移動するにともない露出領域ERの大きさが変動しており、露出領域ERの大きさの変動に応じて貫通孔16の大きさが変動している。
【0027】
また、図1図2の例では、保持体11の平面視上(保持治具10の平面視上)、貫通孔16の形状がおおむね正多角形状(図2では、正十二角形)となるように複数の変位子14が環状に配置されているが、複数の変位子14の配置(レイアウト)は、この例に限定されない。例えば、図36に示すように、貫通孔16の形状が長方形に近い形状になるように複数の変位子14が配置されてもよいし、貫通孔16の形状が正多角形以外の多角形となるように複数の変位子14が配置されてもよい。図36の例では、4つの変位子14が配置されて貫通孔16が矩形状に形成されている。また、この例では、変位子14は保持治具10の平面視上おおむね直角三角形の形状に形成されており、貫通孔16に面した端面側の一辺の長さLBのほうが、この一片とおおむね直角に伸びる一辺の長さLAよりも長くなっている。変位子14が矢印SL方向にスライド移動するにともない露出領域ERの大きさが破線で示すように変動しており、露出領域ERの大きさの変動に応じて貫通孔16の大きさが変動する。また、後述するように変位子14の側面を湾曲形状とした場合には、複数の変位子14で貫通孔16が円形となるように複数の変位子14が配置されてよい。
【0028】
(変位子の露出領域)
変位子14の面(図1の例では側面14Aのうちの第1の側面14A1)のうち、貫通孔16の周面部16Aを形成する領域は、貫通孔16に向かって露出する露出領域ERとなっている。貫通孔16の大きさに応じて露出領域ERの大きさが定められる。少なくとも一部の変位子14では、変位子14が変位方向Tに変位することに伴って、貫通孔16の周面部16Aに露出した変位子14の露出領域ERが変動する。図1の例では、貫通孔16の大きさが小さくなるほど、貫通孔16を形成する変位子14の露出領域ERが減少する。また、変位子14の露出領域ERの減少に伴い、変位子14の面のうち隣接する変位子14に接した状態となり隣接する変位子14で被覆される領域(被覆領域CR)は増加する。貫通孔16の大きさが大きくなるほど、変位子14の露出領域ERは増加する。また、変位子14の露出領域ERの増加に伴い、変位子14の面のうち隣接する変位子14で被覆される領域(被覆領域CR)は減少する。このように、保持治具10においては、それぞれの変位子14が変位方向Tに変位することに伴って、貫通孔16の周面部16Aに露出したそれぞれの変位子14の露出領域ERが変動する。なお、図1は、一例であり、貫通孔16の大きさを変更できれば、一部の変位子14について露出領域ERの大きさが変動しないことを禁止するものではない。
【0029】
(変位子の形状)
図1図2等の例では、個々の変位子14の形状は、いずれも平面視上において三角形の形状を有しており、所定の厚みを有する三角板状に形成されている。また、複数の変位子14は、おおむね均一に形成されている。ただし、このことは、変位子14の形状を図1図2等の例に限定するものではない。図1図2等の例は、複数の変位子14の少なくとも一部が他の変位子14に対して異なる形状を有することを禁止するものではない。たとえば、図38に示すように、貫通孔16を形成する複数の変位子14の形状として、三角形状、台形状、湾曲部を有する形状が存在してもよい。図38では、変位子14TRPが保持体11の平面視上、台形となっており、変位子14TRPを除く他の変位子14が、保持体11の平面視上、三角形となっている。
【0030】
(変位子の大きさ)
図1図2等の例では、複数の変位子14の大きさは、おおむね均一に形成されている。ただし、このことは複数の変位子14のうち少なくとも一部の変位子14の大きさが異なる場合を禁止するものではない。
【0031】
(変位子の材質)
変位子14の材質は特に限定されないが、金属、プラスチック、木、ガラス、セラミック等特に限定されないが、擦り動きに優れた点及び成形容易性に優れる観点からは、変位子14の材質はプラスチックであることが好ましい。変位子14がプラスチック製である場合、変位子14は、緩衝性を備えることが好ましく、この観点からは、変位子14は、多孔質高分子材料で構成されていることが好ましい。多孔質高分子材料は、発泡性高分子材料等を例示することができる。なお、プラスチックは、弾性を有するものでもよいし、弾性の乏しいものでもよい。変位子14が弾性変形容易である場合、変位子14の側面を湾曲形状とされても、複数の変位子14で貫通孔16が円形となるように複数の変位子14が配置されてもスムーズに貫通孔16の大きさが変更可能となる。また、変位子14の強度と擦り動く際の摩擦による摩耗の少なさに優れる観点からは、変位子14の材質は、金属(合金を含む)であることが好ましい。変位子14の材質が金属である場合、変位子14の材質は、具体的に、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス等を例示することができる。錆の発生を生じにくくする観点からは、変位子14の材質は、アルミニウム合金やステンレスであることが好ましい。
【0032】
(変位子の変位方向)
図1の例に示す個々の変位子14は、ベース板12の上面(板上面)を摺動する。したがって、変位子14は、ベース板12の面方向(XY平面方向)に変位する。このとき、保持体11の平面視上、変位子14ごとに、変位子14の変位方向Tが予め定められている。変位子14の変位方向Tは、変位子14の形状及び配置に応じて定められる。図1図2の例では、それぞれの変位子14の変位方向Tは、変位子14の底辺140の向きに応じて定められる。この例では、変位子14を形成する三角形の底辺140の延びる方向に沿った方向を変位方向Tとして、変位子14は、変位方向Tに沿って直線的に変位する。このとき、このような方向が変位方向Tとされていることで、後述するように隣り合う変位子14を連動させることができる。図1の例は、変位子14は、変位方向Tに沿って直線的に変位しているが、変位方向Tは直線的である場合に限定されない。例えば、変位子14は円弧状などの変位をするように構成されていてもよい。なお、変位子14が平面視上、三角形の形状を呈している場合において、底辺140として、図1図2等の例では3つの辺のうち最も短い辺に定められているが、これは説明の便宜上の定めであり、これに限定されるものではない。円弧状の変位をする場合には、変位子14は、ゴム等の弾性的に変形可能な材料を用いられることが好ましい。
【0033】
(隣り合う変位子の連動)
隣り合う変位子14は、上記したように連動している。連動するとは、1つの変位子14の変位に伴いそれに隣接する変位子14も変位することを示すものとする。連動させる構造は特に限定されるものではないが、図1の例では、隣り合う変位子14の配置構造で実現されている。図1の例では、隣り合う変位子14が互いにその側面14A(第1の側面14A1)で接触している。そして、隣り合う変位子14のうちの一方の変位子14が他方の変位子14に対して押圧力を与える。この押圧力の作用で他方の変位子14が変位する。
【0034】
図1の例に示す例では、隣り合う変位子14のうちの一方の変位子14がその一方の変位子14に対応する後述するガイド部20に沿って移動する場合に他方の変位子14に対して押圧力を与え、他方の変位子14がその押圧力に基づいてその他方の変位子14に対応するガイド部20に沿って移動する。図1の例では、一方の変位子14が変位方向Tに沿って移動する際、他方の変位子14に対して、他方の変位子14のガイド部20の延びる方向に対して斜め方向に押圧するように押圧力を作用させることができる。このため、他方の変位子14は一方の変位子14から受けた押圧力によりガイド部20に沿って変位するようになる。なお、ガイド部20に沿って変位する場合は、ガイド部20と変位子14とが接触しながら移動する場合のみに限定されるものではなく、ガイド部20の機能を失わない範囲で、ガイド部20と変位子14とが部分的に接触して移動する場合、一時的にガイド部20と変位子14とが離れる瞬間がある場合が含まれてよい。
【0035】
(隣り合う変位子の摺動)
隣り合う変位子14は、互いに摺動する。このとき、それぞれの変位子14に対して定められる変位方向Tに沿って互いに摺動する。隣り合う変位子14は互いにその側面14A(図1では第1の側面14A1)で接触しており、それらの側面14Aが互いに擦れ合うように隣り合う変位子14がそれぞれに定められた変位方向Tに沿って変位する。なお、2つの物について摺動するという概念には、2つの物が滑らかに滑り動く場合と、2つの物が摩擦しながら動く場合が含まれる。隣り合う変位子14が摺動する場合には、隣り合う変位子14の間に摩擦力が作用していることが好適である。この場合、隣り合う変位子14の摺動する方向の摩擦力よりも隣り合う変位子14の摺動する方向とは異なる方向への摩擦力が大きいことが好ましい。また、隣り合う変位子14が摺動する場合には、隣り合う変位子14が常に接触した状態で摺動する場合のみならず、隣り合う変位子14が離間する瞬間が存在する場合も含まれる。
【0036】
また、隣り合う変位子14は、図3に示すように、いずれもベース板12上に配置され、隣り合う変位子14が互いに上下方向に重なり合うことが避けられている。これにより、隣り合う変位子14の厚みを揃えることで、図1に示すように、貫通孔16の上端縁部16Bに、貫通孔16の周方向に沿った凹凸が形成されることを避けることができる。なお、図1の例では、貫通孔16の上端縁部16Bでは、隣り合う変位子14の上面14Bの位置が揃っている。このように構成されていることで、後述する封止装置に保持治具10を用いられた場合に、保持治具10における貫通孔16の上端縁部16Bと容器200のフランジ部240との上下方向の接触位置がおおむね均一化し、容器200を後述する押圧体310におおむね同じタイミングで押し当てることができる。
【0037】
(受け材)
図1の例では、保持体11は、環状構造体15の外側に受け材13が設けられている。受け材13は、後述する規制構造19を有する構造体として機能することができる。受け材13は、環状に形成されており、受け材13の外周面13Aは、保持体11の外周面11Aに応じた形状に形成されている。受け材13の内周面13Bは、環状構造体15の外周面15Aに対応した形状に形成されている。受け材13は、ベース板12上に固定されており、受け材13の内周面13Bに向かい合うように環状構造体15が形成されていることで、環状構造体15がベース板12に対して位置ずれすることを抑制することができ、したがって、変位子14がベース板12に対して位置ずれすることを抑制することができる。
【0038】
(受け材の材質)
受け材13の材質は、特に限定されないが、製造容易性の観点からは変位子14と同じ材質であることが好ましい。
【0039】
図1図2等の例では受け材13は一つの部材で形成されているが、複数の部分に分割された分割体を組み合わせた組み合わせ構造体で受け材13が形成されてもよい(図示しない)。
【0040】
(規制構造)
保持体11は、規制構造19を備える。規制構造19は、変位方向Tを規制する構造(変位方向規制構造)である。規制構造19は、少なくとも一部の変位子14の変位方向Tを規制する。規制構造19は、図1図2に示す例では、ガイド部20を有している。図1図2の例では、ガイド部20は、受け材13に形成されている。この例に示すガイド部20は、変位子14が第1の位置から第2の位置まで直線的な変位となるように変位方向Tを規制する。
【0041】
(第1の位置及び第2の位置)
第1の位置は、図2に示すように、貫通孔16の大きさが予め定められた拡大状態になっている場合に定められる変位子14の位置(例えば、図2において実線で示された変位子14の位置)である。第2の位置は、貫通孔16の大きさが予め定められた縮小状態になっている場合に定められる変位子14の位置(例えば、図2において破線で示された変位子14の位置)である。なお、規制構造19がガイド部20を有する場合は、規制構造19の一実施例であり、規制構造19はこれに限定されない。第1の実施形態の説明では、説明の便宜上、規制構造19が、ガイド部20を有する構造である場合を例として説明を続ける。
【0042】
(ガイド部)
ガイド部20は、少なくとも一部の変位子14に対して設けられていればよく、図1の例では、変位子14ごとに設けられている。ガイド部20は、変位子14の変位方向を限定するように変位子14の動きを規制する。図1図2の例では、ガイド部20は、それぞれの変位子14に対応して設けられ変位子14を所定方向に案内する。ガイド部20は、受け材13のうち変位子14の一側面(底辺140の位置に形成された第2の側面14A2)に向き合うガイド壁部23で形成される。ガイド部20は、変位子14の変位方向Tがその変位子14に対応するガイド部20のガイド壁部23の壁面に沿った方向となるように、変位子14の移動を案内する。図1図2の例では、ガイド部20を形成するガイド壁部23の壁面方向と、変位子14の形状となる三角形の底辺の延びる方向(第2の側面14A2の面方向)とが揃えられている。この例では、隣り合う変位子14の底辺の向き(第2の側面14A2の面方向)が異なっているため、それぞれの変位子14に対応するガイド壁部23の壁面方向も互いに異なっている。ガイド部20の長さは、変位子14の変位範囲(変位子14の位置が第1の位置から第2の位置に変位するまで移動した場合における変位子14の移動範囲)におおむね揃っているか、変位範囲よりも大きいことが好ましい。なお、図1の例は、ガイド部20の一例であり、変位子14の変位方向Tを規制できれば、ガイド部20の構成は限定されない。
【0043】
(規制壁部)
保持体11は、図1図2の例に示すように、少なくとも1つの変位子14の変位距離を規制する規制壁部21を有することが好ましい。規制壁部21は、変位子14が所定の位置まで変位した場合に変位子14に接触する壁面21Aを有する。例えば、規制壁部21は、変位子14が、第1の位置まで変位方向Tに移動した場合に、変位子14の第1の側面14A1が規制壁部21の壁面21Aに接触し、第2の位置に向かう方向とは逆向きに第1の位置からさらに変位方向Tに移動することが規制される。したがって、規制壁部21は、変位子14の変位距離を規制する。
【0044】
図1図2の例では、規制壁部21は、受け材13に形成されており、規制壁部21の端縁をガイド部20の端縁と共有している。規制壁部21の壁面21Aとガイド部20のガイド壁部23の壁面のなす角が鋭角となっている。この例において、受け材13は、保持部材の平面視上、変位子14ごとに規制壁部21とガイド壁部23とを形成するおおむねV字型の壁部24を形成している。そして、V字型の壁部24が、変位子14の配置に対応するように環状に並ぶように形成されている。なお、図1図2の例では、規制壁部21の端縁とガイド部20の端縁の位置に、受け材13の平面視上、C字型に湾曲した湾曲壁面部25が形成されている。湾曲壁面部25により、規制壁部21の端縁とガイド部20の端縁の位置に変位子14の角(頂点141)が接触することを避けることができる。
【0045】
[1-2 作用及び効果]
第1の実施形態によれば、変位子14の変位に伴い貫通孔16の周面部16Aを形成する変位子14の露出領域ERが変わり、貫通孔16の大きさを変更することができる。保持対象物Mとしてサイズの異なる複数種類の容器200に対しても、同じ保持治具10で容器200と貫通孔16の上端縁部16Bとが接触でき、貫通孔16の上端縁部16Bで容器200を支持することができる。
【0046】
また、第1の実施形態の保持治具10によれば、変位子14の変位に伴い貫通孔16の大きさを変動できることで、容器200の本体部210の大きさ自体に変動がある場合に対応することができる。
【0047】
例えば、保持対象物Mが容器200であり、その容器200が、上側を開口させた本体部210と底部220を有し内部に空間230を形成しており且つ本体部210の上端側に外側に向かって延び出たフランジ部240を有する場合、保持治具10は、保持対象物Mを貫通孔16で保持したとき、本体部210の外周面210A(容器200の外周面)に対して周面部16Aが向かい合い、フランジ部240に対して上端縁部16Bが向かい合う。本体部210の外周面210Aの形状が下側に向かって先細りしたテーパー状である場合、本体部210の横断面の大きさについては、フランジ部240の近傍の大きさよりも、本体部210の下側部(底部220に近い部分)の大きさのほうが小さい。保持治具10の貫通孔16の内側に容器200を配置し、保持治具10を上方向に移動させた場合、本体部210の外周面210Aの大きさが、保持治具10の貫通孔16が縮小状態となる場合の貫通孔16の大きさよりも小さいうちは、保持治具10のみが上方向に引き上げられる。やがて、本体部210の外周面210Aの大きさが、保持治具10の貫通孔16が縮小状態となる場合の貫通孔16の大きさに一致すると、保持治具10の貫通孔16と本体部210の外周面210Aが接触する。容器200の重さが所定の重さ以上であると、保持治具10は、容器200の本体部210に接触しながらも容器200の本体部210に対して上方向に摺動する。このとき、容器200は、保持治具10とともに上方向に移動してもよいし、移動しなくてもよい。保持治具は、容器200の本体部210に接触しながらも上方向に擦り動きながら、容器200の本体部210の大きさに応じた変位子14の変位により貫通孔16の大きさが変更される(拡大する)。そして、保持治具10が上方向に移動する最中に、保持治具10の貫通孔16の上端縁部16Bが容器200のフランジ部240に接触すると、保持治具10は、容器200を保持して容器200とともに上方向に移動する。このように、保持治具10によれば、貫通孔16の大きさが変動できることで、容器200の本体部210の大きさ自体に変動がある場合にも保持治具10の上端縁部16Bをフランジ部240に接触させた状態とすることができる。
【0048】
次に第1の実施形態の変形例について述べる。なお、以下に述べる変形例は、矛盾しない限り、相互に組み合わせられてもよい。例えば、変形例1と変形例3とを組み合わせてもよい。
【0049】
[1-3 変形例]
(変形例1)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図4A図4Bに示すように、保持体11は、少なくとも1つの変位子14を付勢する弾性部材22を備えてもよい。この実施形態を、第1の実施形態の変形例1と称呼する。図4Aは、第1の実施形態の変形例1にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図4Bは、図4AのB-B線縦断面の状態を示す断面図である。
【0050】
(弾性部材)
図4Aに示す保持部材においては、環状に配置された変位子14から選ばれた複数の変位子14(図4Aでは3つの変位子14)のそれぞれについて、変位子14に対応する規制壁部21の壁面21Aにおける内側領域の所定位置から奥方に向かって穿かれた穴部26が形成されている。そして、その穴部26に弾性部材22が配置されている。
【0051】
図4Aの例では、弾性部材22の配置数は、保持部材において3つ配置されているが、これは一例であり、少なくとも1つ配置されていればよい。また、弾性部材22の配置位置も特に限定されるものではない。
【0052】
(弾性部材の材質)
弾性部材22としては、図4Bに示すように、巻きばねが採用されている。ただし、これは、弾性部材22の一例であり、弾性部材22としては、ばねの他にも、ゴム、ウレタン等を採用されてよい。また、弾性部材22は、これらの組み合わせであってもよい。また、弾性部材22に替えて磁石の組み合わせが用いられることも禁止されない。
【0053】
(作用及び効果)
第1の実施形態の変形例1においては、変位子14が第1の位置に配置されている場合、弾性部材22は、変位子14を第2の位置に向けて変位させるように矢印P方向に変位子14を付勢する(変位子14を規制壁部21から離れる方向に押し出す)。したがって、露出領域ERが増加した状態(貫通孔16の大きさが大きくなる状態)である場合には、弾性部材22は、露出領域ERが減少した状態(貫通孔16の大きさが小さくなる状態)となるように変位子14を付勢する。変位子14が第2の位置に配置されている場合には、弾性部材22の長さは自然長となっており、変位子14は弾性部材22からの押圧力が解除された状態となる。したがって、露出領域ERが減少した状態である場合には、変位子14は、弾性部材22から受けていた付勢力から解放される。すなわち、変位子14は規制壁部21から離れる方向に押し出す力を受ける状態から解放される。このように、弾性部材22は、貫通孔16の周面部16Aに露出したそれぞれの変位子14の露出領域ERが増加した場合に露出領域ERが減少するように変位子14を付勢する。そして、弾性部材22による付勢により、容器200の大きさに貫通孔16の大きさを追従させることができる。
【0054】
第1の実施形態の変形例1の保持治具10によれば、貫通孔16に容器200を配置した際に、容器200の本体部210の外周面210Aが変位子14を第2の位置から変位させて容器200が貫通孔16をおし広げても、容器200を貫通孔16から取り除くことで弾性部材22の復元力に伴い変位子14の位置を第2の位置に戻すことができる。
【0055】
(変形例2)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、保持体11は、少なくとも1つの変位子14の移動を制御する制御機構を備えてもよい。制御機構は、機械的な構造であっても、電気的な構造であってもよい。機械的な構造としては、ギアによる変位子14の移動の制御構造を例示することができる(図示しない)。また、電気的な構造としては、磁力の電気的制御による変位子14の移動の制御構造を例示することができる(図示しない)。
【0056】
(変形例3)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図5A図5Bに示すように、保持体11は、規制壁部21に第1の溝部27を有し、その規制壁部21に接触する変位子14に、第1の溝部27に対応した位置に第2の溝部28が形成されていてもよい。この場合、図5A図5Bに示すように、第1の溝部27と第2の溝部28に共通しており且つ第1の溝部27と第2の溝部28に埋め込まれた規制棒29が設けられる。この実施形態を、第1の実施形態の変形例3と称呼する。図5Aは、第1の実施形態の変形例3にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図5Bは、図5AのC-C線縦断面の状態を示す断面図である。
【0057】
(第1の溝部と第2の溝部)
図5Aに示す保持部材においては、環状に配置された変位子14から選ばれた複数の変位子14(図5Aでは変位子14の配列方向に沿って1つおきに6個の変位子14)のそれぞれについて、第1の溝部27は、それぞれの変位子14に対応する規制壁部21の壁面21Aにおける上端の所定位置から受け材13の上面13Cに沿って壁面21Aから離れる方向に上面13Cの内側領域に向かって延びている。
【0058】
第2の溝部28は、それぞれの変位子14の側面14A(第1の側面14A1)における上端の所定位置から変位子14の上面14Bの内側領域に向かって延びている。壁面21Aにおける第1の溝部27の位置と側面14Aにおける第2の溝部28の位置が向かいあう位置となっており、第2の溝部28の溝底部28Aと第1の溝部27の溝底部27Aの位置がおおむね一致している。
【0059】
図5Aの例では、第1の溝部27の延びる方向は、第2の溝部28の延びる方向に一致している。また、第1の溝部27と第2の溝部28の延びる方向は、いずれもその第2の溝部28を形成した変位子14の変位方向Tに一致している(図4の例では、第2の溝部28の延びる方向と、変位子14の底辺140の延びる方向が揃っている)。
【0060】
(規制棒)
第1の溝部27と第2の溝部28には、規制棒29が埋め込まれている。規制棒29は、第1の溝部27と第2の溝部28に共通したものとなっている。規制棒29の材質は特に限定されるものではないが、変位子14の位置を安定化させるためには、規制棒29は剛性を有するものであることが好ましい。この観点からは、規制棒29は金属製であることが好ましい。規制棒29は、第1の溝部27と第2の溝部28に共通する部材であれば、棒状態とは異なる部材であってもよい。例えば、規制棒29として使用可能な部材として、湾曲状の部材や、板状の部材が用いられてもよい。
【0061】
(作用及び効果)
第1の実施形態の変形例1においては、第1の溝部27と第2の溝部28と規制棒29を有していることで、変位子14の側面14Aと規制壁部21の壁面21Aとの向かい合う位置が、規制壁部21の壁面21Aの面方向にずれにくくなる。
【0062】
(変形例4)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図6に示すように、保持体11は、貫通孔16の周面部16Aが傾斜面30を形成していてもよい。この実施形態を第1の実施形態の変形例4と称呼する。図6は、第1の実施形態の変形例4にかかる保持治具10の一実施例を説明するための断面図である。図6は、貫通孔16の中央CTを通過する断面図である。なお、図6においては、説明の便宜上、断面図においては、断面の位置に現れる部分のみを示し、その他の断面の位置から外れた部分についての記載を省略している。このことは図7図8A図8Bについても同様であるものとする。変位子14のうち露出領域ERに対応する部分が貫通孔16の周面部16Aを形成することから、第1の実施形態の変形例4は、少なくとも変位子14のうち露出領域ERに対応する部分が傾斜面(露出領域ERの傾斜面は貫通孔16の周面部の傾斜面となる)を形成していることで実現することができる。
【0063】
(周面部の傾斜面)
傾斜面30は、貫通孔16の上端縁部16Bから下方向に向かうにつれて、貫通孔16の内側に向かって(図6の例では中央CTに向かって)下り傾斜している。周面部16Aの傾斜面30の傾斜角度αは、特に限定されないが、上記したように保持対象物Mが容器200であり、容器200の本体が下方向に向かって先細りした形状を有する場合には、本体の先細りした形状に対応した傾斜となるように傾斜面30の傾斜角度αが定められていることが好適である。
【0064】
第1の実施形態の変形例4によれば、所定の傾斜角度αを有する傾斜面30が周面部16Aに形成されていることで、容器200の傾斜を避けた状態で容器200の本体部210の外周面210Aが貫通孔16の周面部16Aにフィットされやすくなり、保持治具10に対して容器200を傾斜させた状態で容器200が保持治具10に保持される状態が形成されにくくなる。容器200の傾斜とは、図11に示す容器200の中心BCT(図11においては容器200の中心BCTを一点鎖線で示す)が上下方向(Z軸方向)に対して傾斜していることを示す。
【0065】
(変形例5)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図7に示すように、保持体11は、貫通孔16の上端縁部16Bに突起31が設けられてもよい。この実施形態を第1の実施形態の変形例5と称呼する。図7は、第1の実施形態の変形例5にかかる保持治具10の一実施例を説明するための断面図である。図7は、貫通孔16の中央を通過する断面図である。変位子14が貫通孔16を形成することから、第1の実施形態の変形例5は、変位子14の上面14Bに突起を形成していることで実現することができる。
【0066】
図1等の例では変位子14のうち露出領域ERに対応する部分が貫通孔16の周面部16Aを形成することから、第1の実施形態の変形例5は、変位子14のうち露出領域ERに対応する部分の上端の位置で上面14Bに突起が形成されていることで、変位子14の上面14Bのうち貫通孔16の上端縁部16Bに対応した位置に突起31を形成することができる(すなわち、変位子14の上面14Bの所定位置に形成された突起が貫通孔16の上端縁部16Bの突起31に対応する)。
【0067】
第1の実施形態の変形例5によれば、変位子14の上面の所定位置に突起が形成されることで、貫通孔16の上端縁部16Bに突起31が設けられた状態を形成できる。そして、保持治具10が貫通孔16の上端縁部16Bに突起31を有していることで、後述する封止装置300において保持治具10と押圧体310との間で容器200と蓋290に押圧力が負荷された場合に、保持治具10の突起31と押圧体310との間の位置に押圧力の作用を集中させることができ、容器200と蓋290に対して局所的に強い力を及ぼすことができる。
【0068】
(変形例6)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図8A図8Bに示すように、保持体11は、変位子14の下面14Cに貫通孔16の周面部16Aに沿って延出された延出部32が形成されていてもよい。この実施形態を第1の実施形態の変形例6と称呼する。図8A図8Bは、第1の実施形態の変形例6にかかる保持治具10の一実施例を説明するための断面図である。図8A図8Bは、貫通孔16の中央CTを通過する断面図である。
【0069】
(延出部)
延出部32は、変位子14の側面14Aの下端縁と含む下面14Cの所定部分から側面14Aに沿って下方向に延び出た部分で構成されている。変位子14の側面14Aの下端縁のうち延出部32が形成されている位置は、変位子14の側面14Aのうち少なくとも貫通孔16の周面部16Aを形成する位置、すなわち露出領域ERを形成する位置であり、その位置から下方向に延び出た部分として延出部32が形成される。
【0070】
なお、ベース板12の補助孔17については、図8A図8Bに示すように、延出部32が形成された部分を避けて形成されており、補助孔17の大きさは、貫通孔16よりも大きくなっている。
【0071】
第1の実施形態の変形例6によれば、貫通孔16に延出部32が形成されていることで、容器200と貫通孔16の周面部16Aとの接触面積を拡大することが可能となり、容器200を保持治具10に安定的に保持させることが容易となる。
【0072】
ただし、保持対象物Mが容器200である場合において、容器200が、その本体部210が下方向に向かって先細りした形状を有する場合には、貫通孔16に延出部32が形成されていることで、保持治具10に対して容器200を傾斜した状態で容器200が保持治具10に保持される状態のほうが、接触面積が拡大しやすくなることも考えられる。そこで、第1の実施形態の変形例6は、上記した第1の実施形態の変形例4を組み合わせられていることが好ましい。この場合、図8Bに示すように、貫通孔16の周面部16Aが傾斜面30となっており、保持体11は、変位子14の下面14Cに周面部16Aの傾斜面30に沿って延出された延出部32が形成されることとなる。この場合、容器200の傾斜を避けた状態で容器200の本体部210を貫通孔16の周面部16Aにさらにフィットさせやすくなる。
【0073】
(変形例7)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図9A図9Bに示すように、保持体11の上面11Bの少なくとも一部を覆うように、保護板33が設けられていてもよい。この場合、保護板33は、変位子14の上面14Bの少なくとも一部を覆うことが好ましい。この実施形態を第1の実施形態の変形例7と称呼する。図9Aは、第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10の一実施例を説明するための平面図である。図9Bは、第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10の一実施例を説明するための側面図である。
【0074】
(保護板)
保護板は、保持体11の上面11B側を保護する。保護板33には、ベース板12と同様に、補助孔18が設けられており、図9Aの例では、図9Bに示すように、保護板33の補助孔18とベース板12の補助孔17の間の位置に貫通孔16が形成されている。保護板33の補助孔18の大きさは、貫通孔16の大きさが拡大状態である場合の貫通孔16の大きさよりも大きいことが好適である。これにより、保護板33の補助孔18の内側に変位子14の上面14Bの少なくとも一部が露出するようになるため、貫通孔16の上端縁部16Bを露出させた状態が形成され、保持対象物Mがフランジ部240を有する容器200の場合に、容器200のフランジ部240を貫通孔16の上端縁部16Bに確実に接触させることができる。
【0075】
保護板33の材質は、特に限定されないが、剛性を強める観点からは、金属であることが好ましい。
【0076】
(固定部材)
保護板33に対しては、保護板33の位置を固定する固定部材38が、図22に示すように、前記保護板に対して着脱自在に取り付けられていることが好ましい。図22の例では、着脱自在な固定部材38として、第1固定部材38Aが設けられている。図22は、第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10の一実施例を説明するための平面図である。第1固定部材38Aは、4隅のうち3か所に設けられている。残り1箇所ついては、第2固定部材38Bが、設けられている。この第2固定部材38Bは、第1固定部材38Aのように容易に着脱できるように設けられていないことが好適である。第1固定部材38Aとしては、着脱自在に取り付け可能なネジ等を例示することができる。第2固定部材38Bとしては、カシメ止めを行うためのリベット等を例示することができる。
【0077】
なお、この場合、保護板33は、保持体11の上面側で保持体11に接着されていないことが好ましい。このような場合、固定部材38が取り外された状態で、保護板33が、保護板33の厚み方向を法線とする平面方向に変位可能となるように構成されるようになる。図22の例では、第1固定部材38Aが取り外された状態で、保護板33が、保護板33の厚み方向を法線とする平面方向に、第2固定部材38Bを中心とした回転変位可能(図22中、保護板33の回転方向について、矢印SL方向で示す)となるように構成される。
【0078】
(変形例8)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図14に示すように、位置決め構造35が設けられていてもよい。この実施形態を第1の実施形態の変形例8と称呼する。図14は、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を説明するための斜視図である。
【0079】
(位置決め構造)
位置決め構造35は、保持治具10の貫通孔16に接触する保持対象物を第1保持対象物とした場合に、第1保持対象物の上側(図14においては+Z方向側)で第1保持対象物の上側に搭載される(第1保持対象物の上に重なり合う場合を含む)第2保持対象物の位置(平面方向の位置)を規定する機能を有する構造である。この場合、保持対象物Mは、第1保持対象物と第2保持対象物を有するようになる。なお、第2保持対象物の平面方向の位置とは、保持治具10の厚み方向(図14においてはZ軸方向)を法線とする平面(図14ではXY平面)の面方向を示すものとする。
【0080】
位置決め構造35の位置は特に限定されないが、図14の例では、保持体11に位置決め構造35が設けられている。図14の例では、位置決め構造35は、複数の凸片34の組み合わせで構成されている。凸片34は、変位子14の上面14Bから上方向に立ち上がるように設けられている。凸片34の立ち上がり方向は、真上方向でもよいし、斜め上方向でもよい。図14の例では、凸片34の立ち上がり方向は、貫通孔16の中央から離れる方向(外側方向)に向けてやや斜め上方向に立ち上がる方向となっている。
【0081】
凸片34は、第2保持対象物を第1保持対象物に重ねた場合に、第2保持対象物の大きさに応じて矢印K1方向に広がることができることが好ましい。この場合、様々な寸法の第2保持対象物について、第1保持対象物に対する第2保持対象物の位置を規定することが容易となる。これは、例えば凸片34が、金属やプラスチックなど可撓性を有する材料で構成されていることで実現することができる。耐熱性の観点からは、凸片34は金属製であることが好ましい。これは図15等を用いて後述するスライド部材36についても同様である。図14では、凸片34は針金状の金属部材で形成されている。ただし、これらは一例であり、凸片34の材質及び形状を限定するものではない。
【0082】
また、凸片34は、立ち上がり方向に沿って(図14においては矢印K2方向に沿って)進退可能に構成されていることが好ましい。進退可能とは、進出状態と退出状態とを形成することが可能であることを示す。進出状態とは、凸片34が変位子14の上面14Bからさらに上側の延び出た状態を示す。退出状態とは、凸片34が変位子14の上面14Bからさらに下側に沈み込んだ状態を示す。これは、例えば、凸片34の基端側の位置で変位子14に孔を穿設し、孔の内部に弾性材料を配置して、弾性材料と凸片34を接続し、凸片34の伸縮に応じて進出状態と退出状態が形成されるようにすることで、具体的に実現することができる。
【0083】
(位置決め構造の他例)
(他の例1)
図14では、位置決め構造35が変位子14に設けられていたが、位置決め構造35が設けられる位置及び構造はこれに限定されない。例えば、既述した第1の実施形態の変形例7に示すように、保持治具10が保護板33を有している場合には、図15A図15Bに示すように、保護板33の上面側に位置決め構造35が設けられていてもよい。このような位置決め構造35を他の例1と称呼する場合がある。図15Aは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を説明するための平面図である。図15Bは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を説明するための側面図(図15Aに示す保持治具10の側面図)である。図15A図15Bに例示された位置決め構造35は、他の例1の一実施例であり、他の例1の内容は、図15A図15Bに限定されるものではない。
【0084】
図15A図15Bに示す保持治具10では、保護板33の上面側(+Z方向側)で、貫通孔16の周囲の所定位置に、スライド部材36とレール37の組み合わせが複数組設けられている。スライド部材36は、レール37から上方向に立ち上がった凸状に形成されており、スライド部材36の下側でレール37に取り付けられている。スライド部材36は、レール37のレール面に沿ってスライド移動可能に構成されている。レール37は、保護板33上に固定されている。レール37のスライド方向(図15A図15Bにおいて矢印K3に沿った方向)の両端は、スライド部材36が抜け出ることを抑制されるように構成されることが好ましい。具体的には、例えば、レール37の両端が閉鎖されていることが好ましい。この場合、スライド部材36の移動範囲を規制することが容易となる。このように構成されている場合においても、様々な寸法の第2保持対象物について、第1保持対象物に対する第2保持対象物の位置を規定することが容易となる。スライド部材36は、貫通孔16の中心方向に向かってバネや緩衝材などの弾性部材等で付勢されていることが好ましい。この場合、複数のスライド部材36が弾性部材で繋がっていてもよいし、個々のスライド部材36に対して弾性部材が繋がっていてもよい。
【0085】
(他の例2)
図15A図15Bでは、位置決め構造35の全体が保護板33の上の領域に設けられていたが、位置決め構造35が設けられる位置及び構造はこれに限定されない。図20A図20B等に示すように、スライド部材36が、保護板33から貫通孔16の上側縁部18Bの位置まで延び出るように構成されていてもよい。このような位置決め構造35の例を他の例2と称呼する場合がある。図20Aは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図20Bは、図20AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。図20A図20Bに例示された位置決め構造35は、他の例2の一実施例であり、他の例2の内容は、図20A図20Bに限定されるものではない。
【0086】
図20A図20Bの例に示す保持治具10では、図15に示す例と同様に、位置決め構造35は、レール37とスライド部材36を備える。スライド部材36は、貫通孔16に近い方の端面部(内端面部36B)が傾斜面を有しており、内端面部36Bの上端部36Cから下端部36Aに向かって下り傾斜する。なお、内端面部36Bの下端部36A側には、変位子14に向かって下垂れした下垂部41が形成されている。下垂部41の下端が下端部36Aとなっている。下端部36Aと変位子14の上面14Bとの間に隙間が存在する場合、隙間の大きさは、保持対象物Mの厚みより小さいことが好ましい。下端部36Aと変位子14の上面14B(貫通孔16の上端縁部16B)との離間距離は、できるかぎりゼロに近いことが好ましい。ただし、このことは、下端部36Aと変位子14の上面14Bとの間に隙間が生じることを規制しない。上端部36Cは、保持治具10の平面視上、第1保持対象物及び第2保持対象物のいずれよりも外側に位置するように形成されていることが好適である。
【0087】
スライド部材36には、スライド部材36を貫通孔16の内側方向(図20Aの例では中央CTに向かう方向)に付勢する付勢構造40が設けられていることが好ましい。付勢構造40としては、図20Bに示すように弾性部材39を例示することができる。なお、図20Aについては、説明の便宜上、弾性部材39の記載を省略している。弾性部材39は、ばね、ゴム等を例示することができる。
【0088】
付勢構造40は、図20A図20Bの例に限定されない。例えば、図21に示すように構成されてもよい。図21は、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。この例では、貫通孔16の周方向に隣り合う2つのスライド部材36が弾性部材39で繋げられている。この場合においても、弾性部材39の弾性力の作用で、スライド部材36を貫通孔16の内側方向に付勢することができる。
【0089】
(他の例3)
位置決め構造35は、図30A図30B図31図32A及び図32Bに示すような構造を有してもよい。このような位置決め構造35の例を他の例3と称呼する場合がある。図30Aは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図30Bは、図30AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。図31図32Aは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の他の一実施例を示す平面図である。図30Bは、図32AのG-G線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。図30A図30B図31図32A及び図32Bに例示された位置決め構造35は、いずれも他の例3の一実施例であり、他の例3の構成は、図30A図30B図31図32A及び図32Bに限定されるものではない。
【0090】
図30A図30Bの例に示す保持治具10では、保護板33の上面側(+Z方向側)に位置決め構造35が設けられている。位置決め構造35は、複数の回転部材43を備える。この例に示す保持治具10では、回転部材43に応じて支軸42を備えられている。また、この例に示す保持治具10では、保護板33の上の領域に、支軸42を配置させている。支軸42は、回転部材43を支えている。この例では、支軸42は、支軸42の上端側の部分で構成される頭部47から回転部材43の軸受け48の孔部48Aを貫通し、保護板33に到達する構造となっている。図30A図30Bの例では、支軸42は、保護板33に固定されている。支軸42の先端42A側(-Z方向側)の所定部分が保護板33に進出しており、支軸42のうち保護板33に進出した部分が、保護板33に固定されている。このとき、支軸42のうち保護板33に進出した部分を保護板33に固定する方法は、特に限定されない。例えば、支軸42の先端(下端)から所定の位置(上側に向かった所定の位置)までの外周面の部分にネジ構造を形成して(いわゆる半ネジ)、保護板33にネジ構造を形成した部分の少なくとも一部を螺合させることで支軸42のうち保護板33に進出した部分が保護板33に固定されてよい。
【0091】
(回転部材)
図30A図30Bの例では、回転部材43は、支軸42を軸として回転可能になっている。また、回転部材43は、上下に貫通した孔部48Aを有する軸受け48と、軸受け48の外周面の上端側の所定位置に繋がっており且つ軸受け48から離れる方向に延び出たアーム44と、アーム44の先端部44Aから下垂するピン45を有する。回転部材43の配置は、前述した第2保持対象物の位置を規定する機能を発揮できれば特に限定されない。図30Aの例では、貫通孔16の外側で隣り合うように2つの回転部材の組み合わせが2組(回転部材43Aと回転部材43Bの組み合わせ、及び回転部材43Cと回転部材43Dの組み合わせ)(すなわち4つの回転部材43)配置されている。1組の回転部材43の組み合わせ(回転部材43Aと回転部材43Bの組み合わせ)と他の1組の回転部材43の組み合わせ(回転部材43Cと回転部材43Dの組み合わせ)は、貫通孔16の外周に沿った位置において貫通孔16の中央CTを挟んで反対側の位置(図30Aの例では、-X方向側と+X方向側)となるように配置されている。それぞれの回転部材43、43の組み合わせは、一方の回転部材43の回転方向K4と他方の回転部材43の回転方向K4が互い逆向きになるように構成されている。例えば、回転部材43Aと回転部材43Bの組み合わせを例とすると、回転部材43Aが+K4方向に回転すると回転部材43Bが-K4方向に回転する。回転部材43Aが-K4方向に回転すると回転部材43Bが+K4方向に回転する。これにより、回転部材43Aと回転部材43Bは、それぞれのピン45が互いに近づくように回転することができ、また、それぞれのピン45が互い遠ざかるように回転することができる。回転方向K4が互い逆向きになるような回転動作を行うことができる点は、回転部材43Cと回転部材43Dの組み合わせについても同様である。
【0092】
(ギア)
回転方向K4が互い逆向きになるような回転動作を行うための構造は、特に限定されない。図30Aの例では、ギア46,46のかみ合い構造によって実現されている。例えば、回転部材43A、43Bの組み合わせを例とした場合に、回転部材43Aの軸受け48の下端側にギア46が固定されており、回転部材43Bの軸受け48の下端側にもギア46が固定されている。回転部材43A、43Bに配置されたギア46、46がかみ合うことで、互いに逆向きに回転するように構成される。ギア46の構成は、回転部材43Cと回転部材43Dの組み合わせについても同様である。
【0093】
回転部材43においては、ピン45が設けられているが、ピン45の下端(先端45A)は、保護板33の上面よりも下側且つ変位子14の上面14Bよりもやや上側に位置していることが好適である。
【0094】
また、ピン45は、アーム44との接続部分から先端45Aに向かって中央CTに向かって斜め下方向に延び出ているが、これは一例である。例えば、ピン45は、鉛直下向きに延び出ていてもよい。また、ピン45は、部分的又は全体に屈曲又は湾曲していてもよい。
【0095】
(アームの回転範囲)
回転部材43におけるアーム44の回転範囲(矢印K3方向に沿った回動角度の最大値)は特に限定されない。例えば、保持治具10の平面視上、ピン45の先端45Aが保護板33の補助孔18の形成領域内に収まる範囲となる範囲でアーム44の回転範囲が定められてもよい。また、ピン45の先端45Aが保護板33の補助孔18の形成領域外に出るような範囲でアーム44の回転範囲が定められてもよい。アーム44の先端部44Aが最も中央CTに近づいた位置となった場合におけるアーム44の位置は、特に限定されない。図30A図31図32A等の例では、回転部材43,43の組み合わせごとに位置決めがなされている。例えば、回転部材43Aのアーム44と回転部材43Bのアーム44の位置決めについては、前述した第2保持対象物を第1保持対象物の上側に配置する際に、回転部材43Aのアーム44と回転部材43Bのアーム44が第2保持対象物の大きさに応じてそれぞれ+K4方向、-K4方向に沿った方向に回転できるように、回転部材43Aのアーム44と回転部材43Bのアーム44の位置決めがなされている。なお、図30A図31図32A等の例では、第1保持対象物を貫通孔16の上端縁部16Bで保持する場合についても、回転部材43Aのアーム44と回転部材43Bのアーム44は、第1保持対象物の大きさに応じてそれぞれ+K4方向、-K4方向に沿った方向に回転できる。アーム44の位置決めは、回転部材43Cのアーム44と回転部材43Dのアーム44についても同様である。
【0096】
回転部材43は、アーム44の先端部44Aが貫通孔16の中央CTに近づく方向に回転するように、付勢されていることが好ましい。この場合、第1保持対象物及び第2保持対象物を保持治具10で保持した場合に、アーム44の先端部44Aが貫通孔16の中央CTから遠ざかるように回転部材43が回転しても、第1保持対象物及び第2保持対象物を保持治具10から取り除かれることで、回転部材43は、アーム44の先端部44Aが貫通孔16の中央CTに近づく方向に回転し、おおむね元の位置に戻ることができる。
【0097】
(逃げ部)
ピン45の先端45Aが保護板33の補助孔18の形成領域外に出るような範囲でアーム44の回転範囲が定められている場合には、図31図32A等に示すような逃げ部49が形成されていることが好ましい。この場合、ピン45の先端45Aが保護板33の上面よりも下側に位置していたとしても、回転部材43の回転に伴ってピン45の先端45Aが保護板33に衝突してしまう虞を避けることができる。図31図32Aの例では、逃げ部49は、保持治具10の平面視上、円弧状の切り込み部で形成されているが、これは一例であり、逃げ部49の構造はこのような例に限定されるものではない。また、逃げ部49の大きさは、第1保持対象物や第2保持対象物の大きさ等の条件に応じて適宜定められよい。
【0098】
(延出部)
位置決め構造35には、図32A図32Bの例に示すように、回転部材43に支軸42から離れる方向に延び出た延出部として第1延出部50と第2延出部51とが設けられていることが好ましい。図32A等の例では、第1延出部50と第2延出部51は、ギア46の外周端に形成されており、ギア46の歯よりも外側に突出した部分となっている。第1延出部50は、後述する突部材410に接触した場合にアーム44の先端部44Aが貫通孔16の中央CTから離れる方向に回転するような位置に形成されている。第2延出部51は、アーム44の先端部44Aが貫通孔16の中央CTに近づく方向に回転する場合に、回転規制部材52に接触するような位置に形成されている。したがって回転規制部材52は、第2延出部51に接触できるような位置に配置されている。回転部材43のアーム44の先端部44Aが貫通孔16の中央CTに近づく方向に回転する場合に、回転部材43の回転は第2延出部51と回転規制部材52との接触する位置で停止することができる。図32Aの例では、第1延出部50と第2延出部51は、回転部材43B、43Dに設けられており、回転部材43A、43Cはギア46の動きを介して回転部材43B、43Dの回転動作に連動するため、回転部材43A、43Cの回転範囲は回転部材43B、43Dの回転の規制に応じて規制される。
【0099】
(他の例3の位置決め構造の作動機構)
上記他の例3に説明した位置決め構造35を有する保持治具10によれば、保持治具10に第1保持対象物を配置した場合に、回転部材43、43の組み合わせを構成するそれぞれの回転部材43は、互いのピン45の位置が離れるように互いに逆向きに回転する。例えば、回転部材43Aのピン45が+K4方向に回転し、回転部材43Bのピン45が-K4方向に回転する。また、回転部材43Cのピン45が+K4方向に回転し、回転部材43Dのピン45が-K4方向に回転する。図30A図31及び図32A等の例では、回転部材43,43の組み合わせにおいて回転部材43はギア46で連動するため、第1保持対象物の外径に応じた位置でそれぞれの回転部材は同時に停止する。
【0100】
そして第1保持対象物の上側に第2保持対象物を配置すると、複数の回転部材(図30A図31及び図32A等の例では回転部材43A、43B、43C、43D)に設けられた複数のピン45によって第1保持対象物のおおむね直上の位置に誘導される。こうして、他の例3に説明した位置決め構造35を有する保持治具10によれば、位置決め構造35が回転部材を有することによって第2保持対象物の位置決めを実現することができる。
【0101】
なお、変形例8で説明した位置決め構造35は、保持治具10とは異なる保持治具に適用されてもよい。例えば、保持治具として、保持治具10と異なり、貫通孔の径が特定の径に定められているもの(定径タイプと呼ぶ)を準備し、定径タイプの保持治具に対して位置決め構造35が設けられていてもよい。
【0102】
(他の例4)
位置決め構造35は、図40A及び図40Bに示すような構造を有してもよい。このような位置決め構造35の例を他の例4と称呼する場合がある。図40Aは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図40Bは、図40AのH-H線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。図40A図40Bに例示された位置決め構造35は、他の例4の一実施例であり、他の例4の構成は、図40A図40Bに示す例に限定されるものではない。なお、図40に示す変形例10にかかる保持治具10の例では、受け材13が省略されているがこれは一例である。図40B図40Cにおいて、符号71は、受け材13の省略に応じて生じる隙間空間である。
【0103】
(ピン)
図40A図40Bの例に示す保持治具10では、ここに示す例では、保持体11に位置決め構造35が設けられている。図40Aの例では、位置決め構造35は、複数のピン55の組み合わせを有する。ピン55は、柱状に形成されており、ピン55の長手方向がおおむね保持体11の上下方向に沿うように配置されていることが好ましい。ただし、これは一例であり、ピン55の長手方向は、上下方向に沿う方向でもよいし、上下方向に対して斜めの方向でもよい。また、保持体11の平面視上、ピン55は、変位子14の上面14B内の所定位置に配置されており、変位子14とともに変位する。また、ピン55は、上端55Aが変位子14の上面14Bよりも上側に位置することができるように配置されている。なお、ピン55は、それぞれが同じ長さとなるように形成してもよいし、異なる長さとなるように形成しても良い。
【0104】
(出し入れ口)
位置決め構造35では、変位子14は、ピン55の上端55A側の所定部分を上下に挿通させる出し入れ口57となる開口が形成されている。出し入れ口57の大きさは、おおむねピン55の外周面の大きさよりもやや大きい寸法に形成されている。ピン55は、出し入れ口57から上下方向に変位となっている。
【0105】
(取付穴)
位置決め構造35では、変位子14は、変位子14の下面14Cの所定位置に、後述する受け部材60を取り付けるための取付穴58が設けられている。
【0106】
(受け部材)
位置決め構造35では、受け部材60が設けられている。受け部材60が取付穴58にはめ込まれている。また、図40の例では、受け部材60は、固定部材59で変位子14に固定されている。固定部材59としては、ネジ等を例示することができる。受け部材60は、その上面を開口させ且つその開口から内部に(奥方に向かって)空間61を形成した形状に形成されている。保持体11の平面視上、受け部材60の開口62が出し入れ口57に位置している。
【0107】
(上下動機構)
他の例4では、ピン55の上下動を行う上下動機構が設けられている。上下動機構は、特に限定されるものではないが、構造の簡易性の観点からは、ピン55を上方向に付勢力を付与する付勢構造(ピン用付勢構造63と称呼することがある)が採用されていることが好ましい。ピン用付勢構造63としては、ピン55に付勢力を作用させることができる構造であれば特に限定されないが、図40に示すような構造を例示することができる。ピン用付勢構造63は、下方向の押圧力によってピン55が下方向に押し下げられた後、押圧力が解除された場合に、ピン55が上方向に移動するように構成されたものを例示することができる。図40Bに示す例では、ピン用付勢構造63は、弾性部材56を有する。弾性部材56は、ピン55の下端55Bと受け部材60の空間61の底面64との間に配置されており、弾性部材56の下端が、底面64上に配置され、弾性部材56の上端が、ピン55の下端に配置されている。弾性部材56としては、図40Bの例では巻きバネ等のバネ材が用いられているが、これは一例である。弾性部材56は、ピン55が下方向に押し下げられた状態で、上方向にピン55を付勢する。
【0108】
他の例4によれば、第2保持対象物を配置すると複数のピン55で第2保持対象物の一が定められる。例えば、第2保持対象物が蓋である場合、蓋の外周縁がピン55に接触して、ピン55の位置に応じて蓋の位置が定められる。また、他の例4によれば、ピン55に対して下方向に押圧力が負荷された場合に、図40Cに示すように下方向(図40Bにおいて矢印FD方向)に押し下げられることができる。図40Cは、ピン55が下方向に押し下げられた状態の例を示す断面図である。ピン55が下方向に押し下げられた状態では弾性部材56からピン55に対して上方向に応力が付与されており、ピン55に対して下方向に負荷された押圧力が取り除かれた場合、弾性部材56からピン55に付与された上方向の付勢力により、ピン55が上方向に押し上げられる。したがって他の例4によれば、保持治具を設けた後述するシーリング装置において、押圧体が第2保持対象物を第1保持対象物に押しあてるように押圧体と保持治具との離間距離が近づけようとする場合に、ピン55が下方向に押し下げられることができるため、ピン55が押圧体と保持治具10との接近を邪魔してしまう虞を抑制することができる。
【0109】
(上側移動規制構造)
他の例4においては、ピン55が上方向に押し上げられる場合に、図42Aに示すように、ピン55が押し上げられる上限位置を規定する上側移動規制構造67が設けられてもよい。図42では、上側移動規制構造67は、ピン55の下端側にピン55の長手方向を視線方向として外側方向に広がる鍔部65を形成し、鍔部65の外径と受け部材60の開口62の径を出し入れ口57の径よりも大きくすることで庇部66を形成することで構成される。このような上側移動規制構造67によれば、ピン55が上方向に押し上げられても、ピン55の鍔部65が出し入れ口57の下側で変位子14の下面14Cのうち庇部66に接触した状態となると、ピン55の上方向への変位が停止する。
【0110】
(他の例5)
位置決め構造35では、図41A図41B及び図41Cに示すような構造を有してもよい。このような位置決め構造35の例を他の例5と称呼する場合がある。図41Aは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図41Bは、図41AのI-I線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。図41Cは、図41CのJ-J線縦断面の状態を模式的に示す縦断面図である。図41A図41B、及び図41Cに例示された位置決め構造35は、他の例5の一実施例であり、他の例5の構成は、図41A図41B、及び図41Cに示す例に限定されるものではない。なお、図41に示す変形例10にかかる保持治具10の例では、受け材13が省略されているがこれは一例である。図41Bにおいて、符号71は、受け材13の省略に応じて生じる隙間空間である。
【0111】
図41A図41B、及び図41Cの例に示す保持治具10では、保持体11に位置決め構造35が設けられている。図41の例では、位置決め構造35は、他の例4と同様に、複数のピン55の組み合わせ、受け部材60及び弾性部材56を有する。ピン55の形状は、他の例4と同様でよいため、説明を省略する。他の例5では、他の例4と同様に、保持体11の平面視上、ピン55は、変位子14の上面14B内の所定位置に、上下方向に変位可能に配置されている。
【0112】
(出し入れ用貫通孔)
位置決め構造35では、変位子14は、ピン55の上端55A側の所定部分を上下に挿通させる出し入れ口57を形成する出し入れ用貫通孔(第1の出し入れ用貫通孔68)が形成されている。第1の出し入れ用貫通孔68は、保持体11の平面視上、長形状に形成された、いわゆる長孔状となっており、図41の例では面取り長方形状に形成されている。第1の出し入れ用貫通孔68の長手方向は、変位子の変位方向に整合していることが好ましい。この場合、変位子14の変位が生じても変位子14に連動してピン55が移動することを抑制することができる。
【0113】
また、位置決め構造35では、ベース板12においてもピン55を上下に挿通させる出し入れ口57を形成する出し入れ用貫通孔(第2の出し入れ用貫通孔69)が形成されている。保持体11の平面視上、第2の出し入れ用貫通孔69は、第1の出し入れ用貫通孔68に対しておおむね重なる位置となるように位置合わせされている。ピン55は、第1の出し入れ用貫通孔68及び第2の出し入れ用貫通孔69の両方を挿通した状態で上下方向に変位可能となるように取り付られている。
【0114】
(受け部材)
位置決め構造35では、受け部材60が設けられている。受け部材60は、第4の例でも示すように、その上面を開口させ且つその開口62から内部に(奥方に向かって)空間61を形成した形状に形成されている。保持体11の平面視上、受け部材60の開口62が第2の出し入れ用貫通孔69の位置におおむね重なり合うような位置となるように受け部材60が位置あわせされている。受け部材60は、ベース板12の底面に取り付けられている。また、図40の例では、受け部材60は、固定部材59でベース板12に固定されている。固定部材59としては、ネジ等を例示することができる。
【0115】
(上下動機構)
他の例5では、ピン55の上下動を行う上下動機構が設けられている。他の例5における上下動機構は、他の例4と同様に構成されてよい。すなわち、他の例5における上下動機構は、ピン55を上方向に付勢力を付与するピン用付勢構造63が採用されていることが好ましい。図41B図41Cに示す例では、ピン用付勢構造63は、弾性部材56を有する。弾性部材56は、ピン55の下端55Bと受け部材60の空間61の底面64との間に配置されており、弾性部材56の下端が、底面64上に配置され、弾性部材56の上端が、ピン55の下端55Bに配置されている。弾性部材56としては、図40Bの例では巻きバネ等のバネ材が用いられているが、これは一例である。弾性部材56は、ピン55が下方向に押し下げられた状態で、上方向にピン55を付勢する(上方向に応力を負荷する)。したがって、図41に示すように、ピン用付勢構造63は、下方向の押圧力によってピン55が下方向に押し下げられた後、押圧力が解除された場合に、ピン55が上方向に移動するように構成される。
【0116】
他の例5によれば、第2保持対象物を配置すると複数のピン55で第2保持対象物の一が定められる。例えば、第2保持対象物が蓋である場合、蓋の外周縁がピン55に接触して、ピン55の位置に応じて蓋の位置が定められる。
【0117】
(上側移動規制構造)
他の例5においては、ピン55が上方向に押し上げられる場合に、図42Bに示すように、ピン55が押し上げられる上限位置を規定する上側移動規制構造67が設けられてもよい。図42では、上側移動規制構造67は、ピン55の下端55B側にピン55の長手方向を視線方向として外側方向に広がる鍔部65を形成し、さらに庇部70を形成することで構成される。他の例5における庇部70は、鍔部65の外径と受け部材60の開口62の径を出し入れ口57のうちの第2の出し入れ用貫通孔69の径よりも大きくすることで、ベース板12の底面に形成される。このような上側移動規制構造67によれば、ピン55が上方向に押し上げられても、ピン55の鍔部65が第2の出し入れ用貫通孔69の下側でベース板12の底面の庇部70に対応した部分に接触した状態となると、ピン55の上方向への変位が停止する。
【0118】
(変形例9)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図43A図43Bに示すように、弾性部材72を変位子14に取り付けた構成を備えてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例9と称呼する。図43Aは、第1の実施形態の変形例9にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図43Bは、ベース板12の上面12A上に配置された変位子14に弾性部材72を取り付ける構造の一実施例を模式的に説明するための要部を示す図である。
【0119】
図43A図43Bに示す変形例9にかかる保持治具10の例では、受け材13が省略されているが、これは一例である。また、ここに示す一例では、隣り合う変位子14に対して向かい合う面(互いに接する可能性がある面)(第1の側面14A1)を除く面(第2の側面14A2)の所定位置に掛け止め部材73が設けられている。図43の例では、変位子14のうち底辺140に対応する部分の面(第2の側面14A2)に掛け止め部材73が設けられている。掛け止め部材73の形状は、図43の例では、頭部73Aと胴部73Bを有するネジ状に形成されている。また、弾性部材72は両端に取り付け部として例えば図43A図43Bには環状部74A、74Bが設けられており、弾性部材72の一方端側の環状部74Aが掛け止め部材73に掛け止めされている。環状部74A、74Bは、一例であり、弾性部材72を変位子に取り付けることができる構造であれば特に限定されない。また、図43A図43Bには、弾性部材72として、巻きバネ等のバネ材が例示されている。ベース板12の所定位置にも掛け止め部材75が設けられており、弾性部材72の他方端側の環状部74Bが掛け止め部材75に掛け止めされている。図43の例では、ベース板12の上の掛け止め部材75の位置は、図43Aの破線で示すように貫通孔16が広がるように変位子14が変位した場合に、弾性部材72が延ばされるような位置に定められる。この場合、貫通孔16が拡がるように変位子14が変位する(図43Aの例では、中央CTの位置から離れるように変位子14が移動する)に伴って、弾性部材72が延ばされ、弾性部材72に復元力(元の長さに戻ろうとする力)が生じ、変位子14に対して貫通孔16が狭まるように(貫通孔16が拡がる前の状態に対応した位置に変位子14が戻るように)、弾性部材72から変位子14に対して応力が負荷される。
【0120】
(変形例10)
第1の実施形態の変形例9にかかる保持治具10においては、図44に示すように、弾性部材72を変位子14に取り付けた位置とベース板12の上の掛け止め部材75の位置は、貫通孔16が広がるように変位子14が変位した場合に、弾性部材72が縮められるような位置に定められてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例10と称呼する。図44は、第1の実施形態の変形例10にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。この場合、図44の破線で示すように、貫通孔16が広がるように変位子14が変位するに伴って、弾性部材72が縮められ、それに伴い弾性部材の復元力が生じ、変位子14に対して貫通孔16が狭まるように、弾性部材72から変位子14に応力が負荷される。なお、図44に示す変形例10にかかる保持治具10の例では、受け材13が省略されているがこれは一例である。
【0121】
(変形例11)
第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10においては、図45A図45Bに示すように、変位子14の上面14Bにおける保護板33の補助孔18の内側に露出した露出領域内に段差77が形成されてもよい。このような形態を第1の実施形態の変形例11と称呼する。図45Aは、第1の実施形態の変形例11にかかる保持治具10の一実施例を模式的に示す平面図である。図45Bは、図45AのK-K線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【0122】
変形例7にかかる保持治具10においては、変位子14の上面14Bに段差77が形成され、段差77を境界として変位子14の上面14Bが、段差77の下側部78の領域AR1と段差77の上側部79の領域AR2に区分されている。変位子14のうち段差77の下側に対応する部分である下側部78にあたる上面14Bの部分(領域AR1の部分)の位置は、保護板33の下面33B(底面)位置よりも下側の位置となっている。また、変形例7にかかる保持治具10においては、図45A図45Bに示すように、変位子14のうち段差77の上側に対応する部分である上側部79にあたる上面14Bの部分(領域AR2の部分)の位置が、保護板33の下面33B(底面)位置よりも上側の位置となっている。このような段差77が設けられていることで、変位子14が貫通孔16を広げるように変位した場合(図45Aにおいて、例えば破線で示す変位子14の位置から実線で示す変位子14の位置に矢印FH方向に変位した場合)に、変位子14の段差77が保護板33の内側面33Cに接触する位置で変位子14の変位を停止させることができ、貫通孔16の大きさの上限を規定することができる。また、変位子14の上側部79の上面14Bの位置は、保護板33の上面33Aの位置におおむね揃えられていることが好ましい。
【0123】
保持治具10の平面視上、段差77は、補助孔18の縁形状に整合するような形状に形成されていることが好ましい。
【0124】
また、ベース板12には上面12A側における変位子14よりも外側の所定位置に、保護板33を固定するためのボス孔81を有するボス部80が立設されている。保護板33は、ボス部80の上面80Aに支えられるように配置されている。ボス部80は、保護板33とベース板12との間の距離を確保するスペーサとして機能することができる。保護板33にはボス部80に対応する位置に固定部材82を挿通するための孔部83が設けられている。ネジ等の固定部材82は、孔部83を挿通し、ボス孔81に嵌めこまれている。変位子14のうち下側部78に対応する部分の少なくとも一部は、図45Bに示すように、保護板33とベース板12との間に挟まれており、変位子14が上下方向に移動すること(上下方向にぐらつくこと)が規制される。
【0125】
なお、図45A図45Bに示す変形例11にかかる保持治具10の例では、受け材13が省略されているがこれは一例である。
【0126】
(変形例12)
第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10においては、図46A図46B及び図46Cに示すように、変位子14の下面14C側に変位子14の変位方向を規制する変位ガイド構造85が設けられてもよい。このような形態を第1の実施形態の変形例12と称呼する。図46Aは、第1の実施形態の変形例12にかかる保持治具10の一実施例を模式的に示す平面図である。図46Bは、図46AのL-L線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図46Cは、図46AのM-M線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図46Aにおいて、矢印FH方向に沿って変位子14が外側方向に(図46Aにおいて中央CTから離れる方向に)変位した場合の変位子14の例を破線で示す。また、図46Cにおいて、矢印FH方向に沿って変位子14が外側方向に(図46Aにおいて中央CTから離れる方向に)変位した場合の変位子14の例を破線で示す。
【0127】
(変位ガイド構造)
変位ガイド構造85は、ベース板12に設けられた長孔部86と、変位子14の下面14C側に設けられた脚部87を有する。長孔部86は、その長手方向が変位子14の変位方向(図46A図46Cの例では、矢印FHの方向(この方向は変位子14ごとに特定される))におおむね揃えられているように形成されていることが好ましい。脚部87は、長孔部86に対応した位置に複数の脚材88を有しており、複数の脚材88は、おおむね長孔部86の長手方向に沿って並べられている。図46Bの例では、2つの脚材88が長孔部86の長手方向に沿って並べられている。脚材88の形状は長孔部86の長手方向に沿って変位可能であれば特に限定されないが、図46Aから図46Cの例では脚材88は、柱状体に形成されている胴部88Bを有し、胴部88Bの下端に鍔部88Aを形成している。脚材88の上端側は、変位子14に固定されている。図46Aから図46Cの例では、脚材88の胴部88Bには、その上端から下側に向かった所定の部分にネジ溝が形成されている。また、変位子14の下面14C(底面)には、胴部88Bのうちネジ溝の形成部分の少なくとも一部が嵌めつけられている(螺合されている)。変位ガイド構造85が設けられている場合、脚部87は長孔部86内の空間を、図46Cに示すように矢印FH方向に変位することができ、変位子14の変位をこの方向に規制することができるようになる。
【0128】
(リング材)
脚部87は、胴部88Bの周囲を周回するように配置されたリング材89が設けられていることが好ましい。リング材89は脚材88の鍔部88Aと変位子14の下面14Cとの間に配置されている。また、リング材89は胴部88Bの周囲で回転可能に設けられている。このようなリング材89が設けられている場合、脚部87は長孔部86内の空間をよりなめらかに、図46Cに示すように矢印FH方向に変位することができることができるようになる。
【0129】
(変形例13)
第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10においては、図47A図47Bに示すように、保持治具10の外周部10Aを取り巻き且つ外周部10Aを被覆するように緩衝性を有する被覆材90(外周被覆材)が設けられてもよい。このような形態を第1の実施形態の変形例13と称呼する。図47A図47Bは、第1の実施形態の変形例13にかかる保持治具10の一実施例を模式的に示すそれぞれ平面図、側面図である。
【0130】
第1の実施形態の変形例13にかかる保持治具10では、被覆材90の材質は、緩衝性を有するものであれば特に限定されないが、ゴム材、シリコン材、ウレタン材等を例示することができる。図47A等にも示すように、被覆材90は、保持治具10の外周部10A及び保持治具10の上面側(図47Aの例では保護板33の上面33A)の端縁からやや上面の内側(保持治具10の平面視上における内側)の所定位置まで被覆していることが好ましい。また、被覆材90は、さらに保持治具10の下面側(図47Aの例ではベース板12の下面12B)の端縁からやや下面の内側(保持治具10の平面視上における内側)の所定位置まで被覆していることが好ましい。なお、保持治具10においては、被覆材90は、保護板33とベース板12に接触し、変位子14には非接触となるように設けられている。このため、被覆材90が、変位子14の変位を妨げる虞が低減されている。
【0131】
変形例13にかかる保持治具10によれば、被覆材90が設けられていることで、保持治具10が落下して他の物に接触した場合に他の物を傷つける虞をより低減することができ、また、保持治具10の破損の虞を低減することができる。変形例13にかかる保持治具10によれば、保持治具10を運搬する場合等においても、保持治具10の破損の虞を低減することができる。
【0132】
(変形例14)
第1の実施形態にかかる保持治具10においては、図48A図48Bに示すように、変位子14の少なくとも一部について、変位子14に溝92が設けられてもよい。このような形態を第1の実施形態の変形例14と称呼する。図48Aは、第1の実施形態の変形例14にかかる保持治具10の一実施例を模式的に示すそれぞれ平面図である。図48Bは、ベース板12の上面12Aに変位子14を配置した状態の一実施例を模式的に示す図である。
【0133】
(溝)
第1の実施形態の変形例14にかかる保持治具10においては、変位子14には、側面14A、上面14B及び下面14Cの少なくとも一つの面の少なくとも一部に、溝92が形成されている。
【0134】
図48A図48Bの例では、変位子14の上面14Bに溝92として第1の溝93が形成されている。第1の溝93は、上面14Bのうち貫通孔16の上端縁部16Bに対応する部分から外れた部分に形成されていることが好ましい。上端縁部16Bに汚れ物質が付着しても汚れ物質を外側に流れやすくする観点からは、第1の溝93の長手方向が変位子14の変位方向に沿って延びていることが好ましい。
【0135】
また、図48A図48Bの例では、変位子14の側面14Aに溝92として第2の溝94が形成されている。変位子14の側面14Aには、なだらかに凸状に湾曲した凸状山形部95が上下方向に複数並ぶように形成され、隣り合う凸状山形部95の間に第2の溝部が形成されていることが好ましい。この場合、第2の溝94は、側面14Aにおいて横方向に延びる横溝として形成されている。また、側面14Aのうち貫通孔16を形成する面には第2の溝94の形成が避けられていることが好ましい。
【0136】
(変形例15)
第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10では、保持体11の上面11Bの少なくとも一部を覆うように、保護板33が設けられていていた。このような第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具10においては、図49A図49Bに示すように、保護板33の所定の位置に、保護板33の厚み方向(図49A図49Bでは上下方向)に保護板33を貫通する小貫通部96が設けられてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例15と称呼する。図49Aは、第1の実施形態の変形例14にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。図49Bは、第1の実施形態の変形例14にかかる保持治具10の一実施例を示す平面図である。なお、図49A図49Bの例では、受け材13が省略されているがこれは一例である。図49Bにおいて、符号71は、受け材13の省略に応じて生じる隙間空間である。
【0137】
(小貫通部)
小貫通部96は、保護板33を貫通する部分であり且つ1つの変位子よりも開口サイズが小さい部分となっている。小貫通部96について1つの変位子よりも開口サイズが小さいとは、保持治具10の平面視上、小貫通部96から変位子14の上面14Bが完全に露出することがない程度に小貫通部96の大きさが小さいことを示す。少なくとも一部の小貫通部96は、保持治具10の平面視上、変位子14の上面14Bの少なくとも一部に重なりあうことができるような位置に配置されている。また、小貫通部96のレイアウトは、保持治具10の平面視上、配置された全ての変位子14が少なくとも一つの小貫通部96を介して変位子14の上面14Bの少なくとも一部を上方に露出させることができるようなレイアウトであることが好ましい。小貫通部96は、図49Aの例では円孔として形成されているが、これは一例である。小貫通部96は、非円形状の孔でもよいし、スリット状に形成されてもよい。保持治具10が小貫通部96を備えることで、保持治具10の内部で変位子14に汚れが付着しても、水などの洗浄液を保持治具10の上面側から注ぐことで小貫通部96を通って変位子14の上面14Bに洗浄液等を流れ込ませることができ、変位子14を効果的に洗浄することができる。
【0138】
(目隠し板)
第1の実施形態の変形例15にかかる保持治具10においては、小貫通部96を上面側から覆う目隠し板97が設けられていることが好ましい。目隠し板97は、保護板33に対して取り外し自在に設けられていることが好ましい。このような目隠し板97が設けられていることで、保持治具10の上面からゴミなどが小貫通部96に落下する虞を抑制することができる。目隠し板97の材質は特に限定されないが、軽量性の観点からはプラスチックが好ましく、強度の観点からは金属材料が好ましい。また、目隠し板97の形状は、小貫通部96を覆うことができるような形状であれば特に限定されないが、保護板33に対して相対的に保護板33の面方向に位置ずれ等の移動が生じにくいようにする観点からは、図49A図49Bに示すように、おおむね保護板33の形状と同様の形状であることが好ましい。
なお、保持治具10においては、図51に示すように、外周縁部分を弾性力のある部材で全体的に囲むように設けると、誤って保持治具を落下させた場合などに保持治具10が破損する虞や、使用者などの足の上に落下してけがをするという事態を防止することがk脳になる。
【0139】
(接合力付与部1004)
接合力付与部1004は、容器の周縁部に蓋体を封止して、容器を密封するためのものである。図1等に示すように、この接合力付与部1004は、容器の周縁部に蓋体を接合するための接合体としてのヒータ1020と、カバー体1021と、操作部1022とを備えている。ヒータ1020は、ヒータ本体1023と、板状部材1024と、ヒータ本体1023及び板状部材1024の間に設けられた押圧力付与部材としてのバネ部材(図示せず)とを有している。ヒータ本体1023は、本実施の形態では円形状に形成されているが、ヒータ本体1023の形状及び大きさは、封止する対象物である容器及び蓋体の形状及び大きさに伴って任意に変更してよい。ヒータ本体1023には、該ヒータ本体1023に給電するためのリード線が接続されており、リード線を介して給電され、所定温度まで加熱することができるようになっている。板状部材1024は、ヒータ本体1023の上方に位置するように設けられている円板状に形成された部材である。バネ部材は、ヒータ本体1023と板状部材1024との間に設けられている。このバネ部材は、ヒータ本体1023による押圧力を増加させるためのものである。つまり、バネ部材は、ヒータ本体1023が蓋体及び容器を押圧する時に板状部材1024を介して駆動モータからの押圧力により圧縮変形し、その圧縮変形した時の圧縮力により、これら蓋体及び容器の縁部を押圧する押圧力を増加させるためのものである。このバネ部材の圧縮力は、押圧時以外の通常時における長さを調節することにより、ヒータ本体1023による蓋体及び容器に対する押圧力の大きさを調節することができるようになっている。
【0140】
カバー体1021は、ヒータ1020の周囲(少なくともヒータ1020の前方)を覆うように形成されたカバー状の部材である。このカバー体1021は、使用者が加熱されたヒータ本体1023に誤って触れることを防止するとともに、加熱時のヒータ本体1023から放射される熱を遮断することにより、使用者が封止装置1001を使用するときに感じる熱に対する心理的な負担を軽減することができるようになっている。なお、このカバー部材は、従来から知られている素材を任意に選択して用いることができるが、ヒータ1020の近くに設けるものであることから、ヒータ1020から放射される熱の影響を受けにくい材料を用いることが好ましい。
【0141】
操作部1022は、ラック1025、ピニオン1026及びレバー1027を備えている。ラック1025は、一端がヒータ1020の板状部材1024と連結しており、上下方向(Z軸方向)へスライド移動することができるように構成されている。ピニオン1026は、回転の中心部分でレバー1027と連結し、外周縁に形成された歯はラック1025の歯と噛み合うように配置されている。レバー1027は、一端が軸部材を介してピニオン1026と連結し、他端は使用者が把持することができるように構成されている。これらラック1025、ピニオン1026及びレバー1027は、従来から公知のものを任意に選択して使用することができ、材質も従来から知られているものを任意に選択して用いてよい。
【0142】
接合力付与部1004には、係止突起1028が形成されている。この係止突起1028は、接合力付与部1004から側方に突出形成されている部材であり、レバー1027の回動捜査に伴って回動することができるように構成されている。すなわち、この係止突起1028は、レバー1027の回動により回転するピニオン1026の回転中心から径方向外側にずれた位置に設けられており、レバー1027を回動させると、ピニオン1026の回転動作に伴って回動するようになっている。また、この係止突起1028は、ロック部材1012の移動空間1013内であって、上部の裏面(天井面)と接触しやすい位置に配置されている。すなわち。この係止突起1028は、移動空間1013内においては、レバー1027の回動に伴って回動しようとすると、上部の天井面に接触するようになっている。そのため、封止装置1001においては、係止突起1028がそれ以上の回動を行うこと、言い換えるとレバー1027の回動操作をそれ以上行うことを規制するようになっている。この係止突起1028は、係合解除部においては上部の天井面とは接触することなく回動することができるようにもなっている。そのため、レバー1027の回動が規制されることなく操作することができるようになっている。
【0143】
また、接合力付与部1004には、保持治具10が上記した位置決め構造を有する場合に、この位置決め構造の開閉動作を行うための開閉部材を設けてもよい。この開閉部材は、前後方向に延びる棒状の部材であり、ヒータ1020の左右両側に一つずつ、ペアとなるように設けられている。この開閉部材は、後端から所定距離までは所定の間隔を有し、前方の所定位置からは前端へ近づくにつれて徐々にその間隔が狭くなるように形成されている。
【0144】
(移動部1005)
移動部1005は、接合力付与部1004を待機位置と該待機位置よりも前方である操作可能位置との間で移動させるためのものである。この移動部1005は、筐体1002の右側板及び左側板に取付固定されている案内レールと、その案内レールにスライド移動可能に取り付けられ、接合力付与部1004に設けられている移動体とから構成されている。接合力付与部1004は、移動部1005における案内レールに沿って移動体が前後方向へとスライド移動することによって、待機位置と操作可能位置との間をスムーズにスライド移動することができるようになっている。
【0145】
(蓋体格納部1006)
蓋体格納部1006は、封止装置1001において容器に接合する前の枚葉に形成された蓋体を予め格納しておくためのものである。この蓋体格納部1006は、筐体1002の右側板及び左側板に取付固定された状態で、押圧力付与部の上方に蓋体を格納するための格納スペースが位置するように設けられている。本実施の形態に係る封止装置1001においては、この蓋体格納部1006には複数の格納スペースが形成されている。これら複数の格納スペースは、例えば蓋体の大きさや容器に入れる内容物が冷たい飲料と温かい飲料のどちらか等によって分類してもよいし、同じ種類の蓋を複数の格納スペースに格納するようにしてもよい。また、蓋体格納部1006の構成は図1等で示したような構成に限定されるものではなく、格納スペースの数や大きさは任意に決定してよい。
【0146】
次に、本実施の形態に係る封止装置1001の作用効果について説明する。この封止装置1001は、通常は接合力付与部1004が待機位置に位置しており、保持部1003は容器等が配置されていない状態である。そして、使用者が容器に蓋体を封止する際は、保持治具10の貫通孔に容器を挿入し、該容器を保持させる、その際、使用者は、容器の下端部を保持治具10の上方から差し込み、容器の上端部に形成されている周縁部の下端が保持治具10を構成する変位子の内側端部に当接させる。つまり、容器は、該容器の周縁部の下端が保持治具10の変位子と当接するまで差し込まれる。このとき、変位子は、容器がある程度差し込まれると外周面と接触し、その後は容器の外周面と接触しながら、且つ貫通孔の径を拡大させながら容器の挿入を許容する。そして、保持治具10は、容器の周縁部の下端が変位子の内側端部に当接する位置まで達すると、その位置で容器を保持するようになる。
【0147】
使用者は、保持治具10によって容器が保持された状態になった後に、その保持された容器の上に蓋体を載置する。このとき、例えば上記した変形例に示すように保持治具10が位置決め構造を有している場合には、容器の上に蓋体を載置するときに、蓋体を載置する位置を正確に決めることができる。また、位置決め構造を有している場合には、その位置決め構造によって、蓋体が容器に対してその位置に位置した状態を保持することも可能になる。
【0148】
次に、使用者は、接合力付与部1004を待機位置から操作可能位置へ移動させる。このとき、使用者は、接合力付与部1004を構成するレバー1027を把持し、待機位置から操作可能位置へと(後方から前方へと)移動させる。それによって、接合力付与部1004は、移動部1005によって待機位置から操作可能位置へとスムーズにスライド移動することができる。なお、接合力付与部1004が待機位置にある場合、及び接合力付与部1004が待機位置と操作可能位置との中間に位置する場合には、使用者がレバー1027をA方向に回動させようとすると、その回動操作によって接合力付与部1004の係止突起1028がロック部材1012の上部の天井面に当接する。そのため、レバー1027の回動操作に伴う係止突起1028の回動が規制され、レバー1027の回動が規制されることになる。このことで、レバー1027の回動操作によるヒータ1020の下降動作が規制されるため、蓋体と容器とをヒートシールする箇所以外での位置でヒータ1020が下降するといった動作が規制されるので、封止装置1001の誤操作による該封止装置1001の損傷や使用者のケガの発生などを防止することができる。
【0149】
そして、接合力付与部1004が待機位置から操作可能位置へと到達すると、係止突起1028はロック部材1012の係合解除部に位置することになる。この位置では、係止突起1028がロック部材1012により係止されて該係止突起1028の回動動作が規制されることがなく、回動動作が可能な状態となる。そのため、ピニオン1026を介して係止突起1028と連結しているレバー1027も回動動作を行うことが可能な状態となる。使用者は、接合力付与部1004を待機位置から操作可能位置まで移動させたのちにレバー1027を回動させると、該レバー1027の回動に伴ってレバー1027と連結しているピニオン1026が回転動作を開始する。そして、ピニオン1026が回転動作を開始すると、該ピニオン1026と噛み合っているラック1025が、該ピニオン1026の回転動作に伴って上下方向への動作を開始する。この場合、使用者は、レバー1027を図7中のA方向へと回動させるため、ピニオン1026はB方向に回転する。そのため、ピニオン1026と噛み合っているラック1025は、図中のC方向、すなわち下方向へと移動することになる。ラック1025には、板状部材1024を介してヒータ1020が取り付けられているので、ラック1025が下方向へと移動すると、その移動に伴ってヒータ1020も下方向へと移動する。操作可能位置では、ヒータ1020の下方には蓋体を載置した状態にある容器が位置している。そのため、ヒータ1020は、下方に位置する蓋体と容器を押圧することになる。
【0150】
ヒータ1020は、予め所定温度(例えば170℃から200℃、ただし、この温度に限定されない)に加熱されているので、蓋体を押圧するときには、押圧力を付与するだけなく蓋体及び容器の周縁部を加熱して、シールすることになる。このとき、ヒータ1020は、バネ部材を備えていることで、押圧力をより増大させることができる。
【0151】
ヒータ1020によって蓋体を容器にヒートシールする時間は任意に決定することができる。封止装置1001は、例えば、ヒータ1020が蓋体と容器との押圧を開始してから所定時間経過すると、例えばランプの色を変えたり音声メッセージを流す等により、使用者に容器の封止が完了したことを伝える。使用者は、その表示(報知)等を見て、レバー1027を上記A方向とは逆の方向へと操作する。使用者によってレバー1027がこの方向へ回動すると、レバー1027と連結しているピニオン1026が回転し、ピニオン1026と噛み合っているラック1025が上方向へと移動する。このラック1025の移動によって、該ラック1025と連結しているヒータ1020が上昇し容器のシールが完了する。その後は、使用者は、レバー1027を当初の位置まで回動させた後に接合力付与部1004を操作可能位置から待機位置まで移動させ、その後に保持治具10に保持されている蓋体によって封止された容器(蓋体付き容器)を取り出して、飲食に供する。
【0152】
本実施の形態に係る封止装置1001によれば、容器に対する蓋体の位置決めを精度よく行うことができ、封止後に蓋体の位置ずれが生じるのを大幅に低減することが可能になる。また。本実施の形態に係る封止装置1001は、枚葉の蓋体を用いて容器を封止するので、ロール状に巻かれた蓋体を形成するための長尺体を順次打抜きながら容器を封止する場合に比べて、蓋体を形成する際のロスを大きく低減することも可能になる。さらに、本実施の形態に係る封止装置1001によれば、上記した長尺体を封止装置1001にセットするための構成や、長尺体を所定形状及び大きさに切断するための構成を封止装置1001に設けなくてもよいので、封止装置1001を小型化することが可能になる。そのため、例えば店舗などに設置する場合などのように、限られたスペースに設置する場合においても非常に有利となる。また、本実施の形態に係る封止装置1001は、内容物を入れた容器を保持する保持治具10は移動せず、接合力付与部1004が待機位置と操作可能位置との間でスライド移動するように構成しているので、容器内の内容物が揺れることで容器の外に飛び出ることを防止することができる。そのため、封止装置1001の保持治具10周辺に内容物が付着して汚れが生じたりすることを大幅に低減することができ、且つ蓋体のヒートシールもより確実に行うことが可能になる。
【0153】
次に本発明に係る第2の実施の形態について図19図23から図25に基づいて説明する。本実施の形態に係る封止装置1001は、ベース部1051、保持部、接合力付与部1004、移動部1005及び蓋体格納部を備えている。なお、本実施の形態に係る封止装置1001において、保持部を構成する保持治具10及び蓋体格納部については、先に説明したのと同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
【0154】
(ベース部1051)
ベース部1051は、封止装置1001の土台となる部分である。このベース部1051は、底板部1052、右側板1053、左側板1054及び上板部1055が溶接等によって一体化されて構成されている。また、上板部1055には、保持部が取付固定されるように形成されており、取付固定された保持治具10の貫通孔が開口形成されている箇所に対応する箇所には、上板部1055の板厚方向に貫通する貫通部が形成されている。また、上板部1055は、該上板部1055の左右方向の端部よりも内側に右側板1053及び左側板1054が接合一体化されており、上板部1055における右側板1053よりも右側に位置する端部及び左側板1054よりも左側に位置する端部には、移動部1005を構成する案内レールが設けられている。この案内レールに沿って、接合力付与部1004が前後方向にスライド移動することができるようになっている。なお、本実施の形態に係る封止装置1001は、ベース部1051の底板部1052の長手方向(前後方向)の長さが固定されており変化しないように形成されているが、底板部1052の一端側(例えば前側)の端部及び/又は該底板部1052の他端側(例えば後ろ側)の端部の部分が所定長さだけ伸長するように構成してもよい。底板部1052をこのように構成することで、封止装置1001を設置する際の安定性をより向上させることができ、使用者がより安定した状態で安心して封止装置1001を利用することが可能になる。
【0155】
接合力付与部1004は、ヒータ1020と、駆動モータ1056と、連結部材1057と、カバー体とを備えている。ヒータ1020の構成については、先の実施の形態において説明したのと同様であるから、ここでの説明は省略する。駆動モータ1056は、接合体としてのヒータ1020を容器の上に位置する蓋体を介して保持治具10と接触する接近位置と、ヒータ1020と保持治具10とが接近位置よりも互いに離れた離間状態となる離間位置との間で移動するための駆動力を付与するためのものである。この駆動モータ1056は、ヒータ1020を離間位置と接近位置との間で移動することができる出力を有するものであれば、従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。
【0156】
連結部材1057は、駆動モータ1056とヒータ1020との間に設けられており、駆動モータ1056による駆動力をヒータ1020に伝達し、ヒータ1020を離間位置と接近位置との間で移動させるためのものである。本実施の形態に係る封止装置1001では、連結部材1057は、一端部が駆動モータ1056の駆動軸と連結して他端部が駆動軸から所定距離離れた位置に設けられている第1連結部材1058、一端部が第1連結部材1058と連結する第2連結部材1059、一端部が第2連結部材1059の他端部と連結し、他端部がヒータ1020の板状部材と連結する第3連結部材1060とから構成されている。本実施の形態に係る封止装置1001は、これら第1連結部材1058、第2連結部材1059及び第3連結部材1060を備えることによって、駆動モータ1056の駆動軸の回転運動をヒータ1020が上下方向にスライド移動するような直線運動に変換して、さらに押圧力を付与することができるように構成されている。
【0157】
カバー体は、上カバー体1061と下カバー体1062とを備えており、ヒータ1020、駆動モータ1056及び連結部材1057を収容することができるように構成されている。上カバー体1061は、全面に把手1063が取り付けられており、使用者が封止装置1001を使用するときに握ることができるように構成されている。また、下カバー体1062は、上カバー体1061の下に位置するものであり、前面に操作部を構成する操作パネル1064が設けられている。この操作パネル1064は、封止装置1001の電源の投入及び遮断をはじめ、ヒータ1020本体の設定温度やシール時間など、各種の設定を行うことができるようになっている。なお、この操作パネル1064は、従来から公知のものを任意に選択して採用してよく、例えばボタン式の操作パネル1064であってもよいし、タッチパネル方式の操作パネル1064であってもよい。また、操作パネル1064には、上記した以外の態様のものを適宜用いてもよい。
【0158】
(移動部1005)
移動部1005は、先の実施の形態において説明したのと同様、案内レールと移動体とから構成されている。案内レールは、上板部1055の左右方向の両端にそれぞれ設けられており、移動体は、案内レールに対してスライド移動可能に取り付けられている。
【0159】
上記した通り、ヒータ1020等は、上カバー体1061及び下カバー体1062の内部に収容配置されている。この接合力付与部1004において、駆動モータ1056が駆動を開始する契機、すなわちヒータ1020が離間位置から接近位置へ移動するのを開始する契機としては、例えば使用者が接合力付与部1004を待機位置から操作可能位置まで移動させ、且つ操作可能位置に所定時間(例えば0.5秒から1.5秒)だけ位置していることが挙げられる。なお、上記した契機は一例であり、他の条件によってヒータ1020が離間位置から接近位置まで移動する契機となるように設定してもよい。
【0160】
本実施の形態に係る封止装置1001によれば、使用者が容器を保持部、具体的には保持治具10にセットして該容器を保持治具10により保持させる。次に、容器の上に蓋体を載置する。このとき、封止装置1001は、保持治具10により容器が保持されているので、容器に対する蓋体の位置決めが精度よく行われる。特に、保持治具1010が位置決め構造を有している場合には、特にその位置決め精度を向上させることができる。次に、使用者が上カバー体1061の把手1063を前後方向前側に向かって引っ張ることで、待機位置に位置していた接合力付与部1004が操作可能位置まで移動する。このとき、接合力付与部1004は、移動部1005における案内レールを移動体がスライド移動するので、スムーズに移動させることができる。
【0161】
封止装置1001は、接合力付与部1004が操作可能位置まで移動していることをセンサやリミットスイッチ等の検知手段(図示せず)により検知し、さらにその検知された状態が所定時間を経過したと判断されると、接合力付与部1004の駆動モータ1056が駆動を開始する、このときの駆動モータ1056は、駆動軸を所定量だけ回転させる。駆動モータ1056が駆動軸を回転させると、この駆動軸と連結している第1連結部材1058は、駆動軸と連結する一端部を中心に回動動作を行うようになる。このように、第1連結部材1058が回動動作を開始すると、該第1連結部材1058と連結している第2連結部材1059は、第1連結部材1058の回動動作を直線運動に変換することを行う。そして、第2連結部材1059と連結している第3連結部材1060は、上下方向にスライド移動する直線運動を行う。このようにして第3連結部材1060が上下方向に直線運動を行うことによって、ヒータ1020が上下方向に移動することができるようになる。また、容器に蓋体を接合するときにヒータ1020が押圧する力も、上記した連結部材1057によって駆動モータ1056の力を伝達することができる。
【0162】
そして、駆動モータ1056の駆動の開始に伴ってヒータ1020が下降動作を開始する。次に、ヒータ1020のヒータ1020本体が蓋体と容器とを押圧及び加熱を開始する。ヒータ1020本体が蓋体及び容器を押圧することが可能な位置まで下降したか否かについては、例えば駆動モータ1056の回転量をコントロールしたり、ヒータ1020本体の位置を検知するセンサ等(図示せず)によって検知したりすることによって行うことができる。そして、押圧及び加熱を開始してから所定時間(例えば1秒から5秒。ただし、この時間に限定されるものではない。)を経過すると、駆動モータ1056は先ほどとは逆方向に回転を行い、ヒータ1020本体を上昇させる。そして、蓋体が接合された容器は、使用者が把手1063を握って前後方向の後方向へと押して接合力付与部1004が後退することによって、取り出すことができる状態になる。このとき、接合力付与部1004が後退するのに伴って、蓋体が接合された容器(蓋体付き容器)が上昇する機構を設けることもできる。このような機構を設けることにより、使用者が蓋体付き容器を取り出しやすくすることができる。最後に、使用者は、蓋体付き容器を保持治具10から取り出して、飲食を行う。
【0163】
このように、本実施の形態に係る封止装置1001によれば、使用者は、ただ把手1063を握って待機位置から操作可能位置へと引っ張る動作や、操作可能位置から待機位置へと押す動作を行うだけでよく、封止装置1001は、使用者によるこれらの動作が行われると容器に蓋体を接合して封止する。そのため、非常に簡単な操作で蓋体を容器に接合し、容器を封止することが可能になる。また、本実施の形態に係る封止装置1001でも、先の実施の形態に係る封止装置1001について説明したのと同様の効果を得ることが可能になる。また、本実施の形態に係る封止装置1001は、保持部の上方を接合力付与部1004が前後方向に移動する構成としているので、内容物が収容された状態の容器を保持する保持部が移動しないように構成されている。そのため、本実施の形態に係る封止装置1001によれば、封止部と近接した位置に保持部(ひいては保持部に保持されている容器)を位置させたとき等に容器及び内容粒が揺れることを防止することができ、この移動に伴って容器の内容物が容器の外に飛び出て保持部の周囲などを汚すことなども大きく低減することができ、衛生的にも良好な状態を維持することが可能になる。
【0164】
本実施の形態に係る封止装置1001においては、蓋体格納部1006を図57から図60に示すものを用いてもよい。図57等に示すのは、本発明に係る封止装置1001の第2の実施の形態の変形例である。この封止装置1001の蓋体格納部1006は、図25から図28等にも示すように、第1ローラ2001、第2ローラ2002及びこれら第1ローラ2001と第2ローラ2002とを連動させるための連動部材2003を備えている。この蓋体格納部1006は、複数の蓋体を積み重ねた状態で格納する格納スペースとを有し、上記した第1ローラ2001、第2ローラ2002及び連動部材2003などは格納スペースの下方に配置されている。すなわち、これら第1ローラ2001等は、蓋体を積み重ねた蓋体群の下方に位置していることになる。これらまた、蓋体群が格納スペース内に格納されている状態の時は、蓋体群のうち最下端に位置する蓋体は、第1ローラ2001及び第2ローラ2002に接触した状態で格納されるようになっている。図28等に示すように、これら第1ローラ2001及び第2ローラ2002は、第1ローラ2001の高さ位置が第2ローラ2002よりも高い位置となるように設けられている。また、第1ローラ2001は、第2ローラ2002よりも大径となるように形成されている。これら第1ローラ2001及び第2ローラ2002をこのように形成して配置することで、蓋体との接触抵抗を増加させることができる。この蓋体格納部2006は、格納スペースに格納されている蓋体群を構成する蓋体を1枚ずつ取り出すことができる。すなわち、格納スペースに格納されている蓋体群のうち、最も下に位置する蓋体Lを引き出して取り出そうとする場合、この最も下に位置する蓋体Lは、該蓋体Lの裏面が少なくとも第1ローラ2001と密に接触しているので、引っ張り出される蓋体Lの動きに合わせて第1ローラ2001も回転動作を行う。第1ローラ2001が回転動作を行うと、該第1ローラ2001と第2ローラ2002との間で連動するように設けられている連動部材2003も動作を開始し、その連動部材2003の動きによって第2ローラ2002も回転動作を開始する。即ち、蓋体Lを引っ張り出す動作を行うと、その動作に伴って第1ローラ2001と第2ローラ2002とが連動部材2003を介して回転動作を開始することになる。また、第2ローラ2002は、引っ張り出される動作を行っている蓋体Lが引き出された後に最も下に位置することになる蓋体L(引っ張り出される蓋体Lの最上部に位置する蓋体)の裏面と接触するので、第2ローラ2002が回転動作を開始すると、該第2ローラ2002と蓋体Lとの間に生じる摩擦抵抗によって前方へ押し出されるように動作する。そして、先に引っ張り出されていた蓋体Lが格納スペースから取り出されると、この蓋体Lの動作により行われていた第1ローラ2001及び第2ローラ2002の回転動作も停止する。したがって、次に引き出される蓋体が格納スペースから若干前方に飛び出た状態で、前方への動きが止められることになる。このように、この蓋体格納部1006によれば、格納スペースに格納された蓋体群のうち、最も下に位置する蓋体Lは該格納スペースから若干前方に飛び出た状態で待機することになるので、次に蓋体Lを取り出そうとする際に一枚の蓋体のみを摘んで取り出す動作が容易に行えるようになり、取り扱い性が大幅に向上する。
【0165】
次に、本発明に係る封止装置の第3の実施形態について、図26から図29図33図34図50図51に基づいて説明する。本実施の形態に係る封止装置1001は、筐体1002、保持部1003、接合力付与部1004、操作部1005を備えている。なお、この封止装置1001については、筐体1002の上面に多量の蓋体を格納する蓋体格納部を設けることもできるが、ここでは省略する。なお、本実施の形態に係る封止装置1001においては、保持部1003を構成する保持部材1の構成、及び操作部1005を構成する操作パネル1030の構成は先に説明したのと同様であるから、ここでの説明は省略する。筐体1002は、封止装置1001における保持部1003、接合力付与部1004、操作部1005を構成する各種制御部品1033を収容する収容空間1011を有している。また、本実施の形態に係る筐体1002は、上カバー体1027の一端が背面において蝶番等の部品で背面板と接合されており、蝶番によって後ろ側に開くことができるように構成されている。また、本実施の形態に係る封止装置1001は、接合力付与部1004が一つのユニット化されたモジュールとして構成されており、この接合力付与部1004のみを交換することができるように構成されている。このように構成することにより、例えば封止装置のメンテナンスや故障対応などにはこの接合力付与部1004のユニット化モジュールを交換することのみでよくなるので、作業の効率化を大きく進めることが可能になる。
【0166】
また、本実施の形態に係る封止装置1001は、蓋体を挿入する挿入部1071を有している。この挿入部1071は、挿入口1035を有しており、この挿入口1035の後方には駆動ローラ及び従動ローラが設けられている。この駆動ローラはモータの回転軸と連結しており、モータの回転により回転動作を行うことができるように構成されている。また、従動ローラは、周面が駆動ローラの周面と接触するように設けられており、駆動ローラが回転しているときは、該駆動ローラの回転力を受けて回転動作を行うように構成されている。この挿入部1071は、使用者が蓋体を挿入すると、例えばセンサ部材などによって蓋体が挿入されたことを検知する。このセンサ部材による検知結果により、モータが回転軸を回転させる動作を開始し、それに伴って駆動ローラ及び従動ローラも回転動作を開始する。このとき、使用者が挿入口に挿入した蓋体は、先端が駆動ローラ及び従動ローラとが接触し合っている部分に差し掛かると、これら駆動ローラ及び従動ローラにより筐体内部へと取り込まれるように構成されている。
【0167】
接合力付与部1004は、先に説明した駆動モータ1056及び駆動モータ1056の駆動力をヒータ本体1015に伝達する連結部材1057の構成は先に説明したのと同様であるから、ここでの説明は省略する。また、この接合力付与部1004には、案内体としての位置決め部材が設けられている点が先に説明した点と相違する。この位置決め部材1072は、前記接合力付与部における所定の位置から前記保持体に向かって複数個(本実施の形態では4個)垂れ下がって形成されている。複数の前記案内体で前記蓋体を把持し、且つ前記蓋体を前記空間内に位置させるように、複数の前記案内体の配置が定められている。例えばヒータ本体1023に近接した位置において該ヒータ本体1023の前後左右の4箇所に位置するように設けられている。また、これら4本の位置決め部材1072は、例えば左右方向に位置し合う位置決め部材1072同士がバネ部材等によって、互いの距離が短いところで所定位置に位置するようになっている。この互いの距離は、蓋体の直径よりも小さい距離であることが好ましい。また、このように構成することで、挿入部1071から挿入された蓋体が搬送されたときに、蓋体の外形に追随して、互いの位置決め部材同士の間隔が拡縮するように構成されていることが好ましい。なお、この位置決め部材1072は、例えば金属材料を用いて形成することもできるが、金属材料以外にも例えば耐熱性を有する樹脂材料やさらには柔軟性お有する樹脂材料などを用いることもできる。なお、位置決め部材1072の素材として金属材料を用いる場合には、奥側に位置する位置決め部材1072には例えば樹脂材料で形成された部材を巻き付ける等しておくことが好ましい。このように構成することで、挿入部1071から挿入された蓋体が奥側の位置決め部材1072に当たったときに、その当たった衝撃で蓋体がはね返ることおそれを低減することができ、それによる位置決め精度の低下を防止することが可能になる。
【0168】
また、図面では図示していないが、ヒータ本体1023と蓋体との間には、耐熱性を有するシート材料を配置させておき、ヒータ本体1023を蓋体に押し当てる時には常にこのシート材料を介して行うようにしてもよい。このようにすることで、蓋体を加熱して接合させる際に、蓋体の表面などから発生するおそれのあるごみがヒータ本体1023の蓋体と向き合う面に付着することを防止することができる。また、蓋体によっては、ヒータ本体1023から加えられる熱によって、ヒータ本体の面に貼りつくおそれもあるところ、このようなシート材料を介在させることによって、張り付きのおそれも解消することが可能になる。
【0169】
保持部1003には、容器の底を支持する支持部1073が設けられている。支持部1073は、保持部材1が筐体1002の内部へ収容される際に、上下方向への移動も連動して行われるように構成されている。即ち、筐体1002の右側板の内面にはスロープ部1074が設けられており、このスロープ部1074に形成された溝1075の中を支持部1073の突起1076が通過することによって、保持部1003の前後方向の移動に伴って支持部が上下方向にも移動することができるようになっている。この支持部1036は、保持部材1が筐体1002の外に位置するときは、該保持部材1に近接する高い位置に位置し、保持部材1が筐体1002の内部に移動するにしたがって順次高さ位置が低くなり、保持部材が筐体1002の内部に位置するときは最下端部に位置するように動作するようになっている。
【0170】
本実施の形態に係る封止装置は、保持治具10の貫通部に容器を挿入すると、支持部に設けられているセンサ部材(図示せず)が検知し、動作を開始する。この動作は、まずは保持部を筐体内へ引き込む動作である。その際、支持部は、スロープ部によって相対的な上方から下方の位置へと移動しつつ、保持部は筐体1002内に引き込まれる。その後、使用者が蓋体を挿入口へ挿入すると、挿入口のモータが駆動を開始して駆動ローラ及び従動ローラの回転により蓋体が筐体内へ引き込まれる。この蓋体は、位置決め部材により容器上の所定位置に位置決めされた状態で配置される。そして、ヒータ本体1023が下降して蓋体を容器にヒートシールにより接合する。その後、ヒータ本体1023は上昇し、保持部は筐体内から筐体外へと押し出される。その際、支持部はスロープ部に沿って、先ほどとは逆に相対的に下方の位置から上方の位置へと上昇する。それに伴って、支持部によって底部が支持された容器も上昇し、使用者が手に取りやすい状態となる。
【0171】
図52に示すのは、保持部1003の変形例である。この保持部1003は、先に説明した実施の形態の封止装置についてそれぞれ適用可能である。この保持部1002は、容器の径(大きさ)が一定の場合に使用されるものである。この場合、容器の上に蓋体を使用者が載せて位置決めを行う。その際、この変形例にかかる保持部1003によれば、容器が挿入される開口部の周辺4箇所に位置決め部が設けられているので、簡単に蓋体の位置決めを行うことができ、かつその位置決め精度も向上させることが可能である。なお。位置決め部の数や形状、大きさは任意であり、これに限定されるものではない。
【0172】
次に、本発明に係る封止装置の第4の実施の形態について、図53から図55に基づいて説明する。本実施の形態に係る封止装置は、複数の格納部を有しており、これらの格納部に格納された蓋体を搬送する搬送機構を(移送部1082)を有する点が、先に説明した封止装置と異なる。この封止装置としては、1つの格納部を備えている態様と、3つの格納部を備えている態様を例示するが、格納部の数は1つまたは3つに限定されるものではなく、3つ未満でも3つより多くてもよい。また、この封止装置は、蓋体を分取する分取器1081を備えている。この分取器1081は、本実施の形態では吸盤を用いており、この吸盤が上下動するように構成されている。分取器1081は、蓋体を分取する分取位置と待機する待機位置との間で移動することができるように構成されている。通常は、この分手記は待機位置に位置しており、蓋体を分取するときに待機位置から分取位置まで移動して、上方に位置する蓋体に吸盤を押し当てる。そして、吸盤を蓋体に押し当てた後、分取位置から待機位置まで下降する。そのとき、分取器1081となる吸盤は、蓋体を吸引しているため、加工するときには吸引された蓋体とともに移動する。吸引された蓋体は、格納部の下方であって分取器1081の待機位置よりも上方に位置する移動部の上に載せられる。分取器1081は、移動部の上に蓋体が載置されると、吸引した状態を解除して、待機位置まで移動する。なお、分取器1081を移動させる部材としては、例えばプランジャなどが挙げられるが、プランジャ以外の従来から公知の物を任意に選択して用いてよい。
【0173】
移送部1082は、移送ベルト1083と、移送ベルト1083を回転させるモータとを備えている。移送ベルト1083上に蓋体が載置されると、モータは駆動を開始して移送ベルト1083を動作させるようになっている。移送ベルト1083は、それぞれの格納部の下方の位置から接合力付与部1004の近傍の位置まで蓋体を移送することができるようになっており、分取器1081によって蓋体が載置されると、その載置された蓋体を接合力付与部1004の近傍まで移送するようになっている。なお、移送部1082によって移送される蓋体は、接合力付与部1004の近傍の所定位置でいったん待機し、その後に接合力付与部1004の下方に移動した容器の上に載置するように構成してもよいし、所定位置で待機することなく、直接接合力付与部1004の下方に移動した容器の上に載置するように構成してもよい。ただし、内容物の入った容器を保持治具で保持させてから蓋体が容器に接合された蓋体付き容器の状態で使用者が取り出すまえの時間を短縮させる観点からは、移送部1082によって移送される蓋体が、接合力付与部1004の近傍の所定位置まで予め移送されており、いったん待機した状態としておくことが好ましい。
【0174】
この移送部1082は、それぞれの蓋体格納部に対して一つだけ設けてもよいし、それぞれの格納部に対して一つずつ別個に設けてもよい。格納部が複数個ある場合は、例えば大きさや形状の異なる蓋体が格納されることもある。そのような場合は、使用者がどの大きさ・形状の蓋体を必要とするか予測できないこともあるため、それぞれの格納部に対して移送部1082を一つずつ別個に設けることが好ましい。一方、複数の格納部に一種類の蓋体を格納させる場合には、複数の格納部に対して一つの移送部1082を設けることでもよい。このように、蓋体格納部の数と移送部1082の数は、必ずしも一対一の関係にすることが必須ではなく、必要に応じて変更してよい。
【0175】
以上、本発明に係る封止装置について詳細に説明したが、上記したのは本発明に係る封止装置の具体的な態様を説明したに過ぎないものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜片越してもよい。また、上記した各実施の形態に係る封止装置及び変形例に係る封止装置及び保持治具等については、それぞれの実施の形態にのみ適用されるものではなく、各実施の形態に係る構成を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0176】
本発明に係る封止装置は、以下に示す技術的思想を包含するものである。
(1)開口部と該開口部の外周縁を形成する縁部とを有する容器の前記開口部を蓋体で封止す
るための封止装置であって、
前記容器の前記縁部を露出させた状態で前記容器を保持する保持体を有する保持部と、
前記縁部に前記蓋体を接合するための接合体を有する接合力付与部と、を備え、
前記保持部は、予め枚葉に形成された蓋体を前記保持体の前記開口部に向かい合うように配置させることができるように形成されており、
前記接合は、前記予め枚葉に形成された蓋体を前記容器に接合させる、ことを特徴とする封止装置。
(2)前記保持部に保持された前記容器及び該容器の上に位置する前記蓋体を介して前記接合体と前記保持体とが接触する接近位置となる状態と、前記接合体と前記保持体とが前記接近位置より互いに離れた離間位置となる離間状態とが形成可能となるように、前記接合と前記保持部の少なくとも一方を変位させる移動部を備えており、前記移動部が前記接近位置となる状態を形成することを契機として前記接合が前記蓋体を前記容器に接合させるように構成されている、上記(1)に記載の封止装置。
(3)前記蓋体の位置を予め定められた空間に案内する案内体を備えた位置決め部を有す
る、上記(1)又は(2)に記載の封止装置。
(4)前記案内体は、前記接合の所定の位置から前記保持体に向かって複数個垂れ下がっており、
複数の前記案内体で前記蓋体を把持し、且つ前記蓋体を前記空間内に位置させるように、複数の前記案内体の配置が定められている、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の封止装置。
(5)前記接合体には、前記蓋体と前記 容器との接触部にエネルギーを付与するエネルギー付与部が設けられている、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の封止装置。
(6)前記エネルギー付与部は、電気エネルギー、振動エネルギー及び熱エネルギーからなる群から選ばれたうちの少なくとも1種類のエネルギーを付与する、上記(5)に記載の封止装置。
(7)前記蓋体が挿入可能に形成された挿入部と、
前記挿入部から挿入された前記蓋体を前記空間に向けて搬送する搬送部と、を有する上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の封止装置。
(8)前記保持部は、表面と裏面との間を貫通する貫通孔を有し、且つ前記貫通孔に前記容器を挿入可能に形成された挿入部と、前記挿入部の下方に位置し、且つ前記容器の底部に接触し且つ前記底部を支持する支持部と、を備え、
前記接近位置となる状態と前記離間状態との遷移に伴い、前記支持部と前記底部との接触位置の高さ方向の位置が変動する、上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の封止装置。
(9)前記保持部は、前記容器を挿入可能な挿入部が該保持部の表面と裏面との間を貫通形成されており、前記位置決め部が前記挿入部の周囲に形成されている、上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の封止装置。
(10)前記位置決め部が柔軟性を有する材料で形成されている、上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の封止装置。
(11)前記位置決め部が耐熱性を有する材料で形成されている、上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の封止装置。
(12)前記蓋を積み重ねた蓋集合体を収容する格納部と、
前記格納部から、前記蓋体を個別に分取する分取器と、
前記分取器で分取された前記蓋体を前記保持部に向けて移送する移送部と、を有し、
前記容器を前記保持部に配置されたことを契機として、前記蓋体が前記格納部から、前記移送部を経由して前記容器の上に配置される、上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の封止装置。
(13)前記格納部は複数個設けられており、
少なくとも1つの前記格納部に収容された蓋体の寸法は、他の1つの前記格納部に収容された蓋体の寸法と異なっており、
前記保持部に配置される前記容器の大きさに応じて、前記移送部から前記容器の上に配置される蓋体を格納した前記格納部が選択され、且つ、選択された前記格納部から前記移送部を経由して前記容器の上に前記蓋体が配置される、
上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の封止装置。
(14)前記移送部は、前記格納部から送られた前記蓋体を一時的に留置する待機部を有しており、
前記容器を前記保持部に配置されたことを契機として、前記待機部に配置された前記蓋体が前記容器の上に配置され、前記格納部から前記蓋体が前記移送部の前記待機部に送り込まれる、上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の封止装置。
(15)前記格納部は下端に開口を有し、
前記分取器は、前記格納部の下端の前記開口から、前記蓋体を取り出すように構成されている、(1)から(14)のいずれか1つに記載の封止装置。
【符号の説明】
【0177】
1001 封止装置
1002 筐体
1003 保持部
1004 接合力付与部
1005 移動部
1006 蓋体格納部
1007 底板
1008 右側板
1009 左側板
1010 後部板
1011 収納空間
1012 ロック部材
1013 移動空間
1014 上部
1015 下部
1016 側部
1017 後部
1018 係止解除部
1019 保持ベース板
1020 ヒータ
1021 カバー体
1022 操作部
1023 ヒータ本体
1024 板状部材
1025 ラック
1026 ピニオン
1027 レバー
1028 係止突起
1051 ベース部
1052 底板部
1053 右側板
1054 左側板
1055 上板部
1056 駆動モータ
1057 連結部材
1058 第1連結部材
1059 第2連結部材
1060 第3連結部材
1061 上カバー体
1062 下カバー体
1063 把手
1064 操作パネル
1071 挿入部
1072 位置決め部材
1073 支持部
1074 スロープ部
1075 溝
1076 突起
1081分取器
1082 移送部
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