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特許7553935混合割合判定方法および混合割合判定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】混合割合判定方法および混合割合判定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
G01N21/27 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020119036
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022015886
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000129183
【氏名又は名称】株式会社カワタ
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】清水 健吾
(72)【発明者】
【氏名】谷口 真一
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-201335(JP,A)
【文献】特開2018-116391(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0260610(US,A1)
【文献】特開2008-123329(JP,A)
【文献】特開2018-023602(JP,A)
【文献】特開2019-060805(JP,A)
【文献】田中 久ほか,“フェノール樹脂成形品のマテリアルリサイクル技術の開発”,成形加工,2001年,第13巻, 第3号,PP.194-199
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
G01N 21/84-21/958
G01J 3/00- 4/04
G01J 7/00- 9/04
G06T 7/00- 7/90
B29B 7/80
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに外観が異なる複数種類の粉粒体を混合した混合材料を撮影機器で撮影して、前記混合材料の画像を取得する撮影工程と、
前記撮影工程で取得した画像を粉粒体単位で領域分割する領域分割工程と、
前記領域分割工程で分割された各画像領域をその輪郭の形状から同定する同定工程と、
前記同定工程で同定された各画像領域の輪郭の凹凸度を算出する凹凸度算出工程と、
前記凹凸度算出工程で算出された凹凸度を用いて各画像領域の種別を判定し、その判定結果から、特定の種類の前記粉粒体の混合割合を判定する判定工程と、を含む、混合割合判定方法。
【請求項2】
前記領域分割工程前に、前記撮影工程で取得した前記画像を二値化する二値化工程、をさらに含む、請求項1に記載の混合割合判定方法。
【請求項3】
前記撮影工程で取得する前記画像は、カラー画像であり、
前記二値化工程前に、
前記撮影工程で取得したカラーの前記画像をグレースケール画像に変換するグレースケール工程と、
前記グレースケール工程後、前記グレースケール画像を平均化する平均化工程と、
前記平均化工程後の前記グレースケール画像を用いて、前記撮影工程で取得したカラーの前記画像から背景のむらを除去するむら除去工程と、をさらに含む、請求項2に記載の混合割合判定方法。
【請求項4】
前記領域分割工程前に、前記二値化工程で二値化された前記画像における一定面積以下の領域の白黒を反転させる反転工程、をさらに含む、請求項2または3に記載の混合割合判定方法。
【請求項5】
前記反転工程後であって前記同定工程前に、前記領域分割工程で分割された各画像領域に対してパディングを行うパディング工程、をさらに含む、請求項4に記載の混合割合判定方法。
【請求項6】
前記撮影工程において、前記混合材料に対して前記撮影機器側から照明光を照射する、請求項1~5のいずれか一項に記載の混合割合判定方法。
【請求項7】
前記混合材料を所定の機器に投入する投入工程、をさらに含み、
前記撮影工程では、前記投入工程で前記所定の機器に投入される前記混合材料を前記撮影機器で撮影する、請求項1~6のいずれか一項に記載の混合割合判定方法。
【請求項8】
前記混合材料は、樹脂のバージン材と粉砕材とを含み、
前記判定工程では、前記凹凸度算出工程で算出された凹凸度が所定未満である輪郭の画像領域を前記バージン材と判定し、前記凹凸度算出工程で算出された凹凸度が所定以上である前記画像領域を前記粉砕材と判定する、請求項1~7のいずれか一項に記載の混合割合判定方法。
【請求項9】
前記撮影工程で取得した前記画像に対して予め指定された確認色に該当する画素を抽出して、前記確認色の総画素数から前記確認色の総面積を求め、前記確認色の総面積に基づき前記確認色の粉粒体の混合割合を推定する推定工程、をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の混合割合判定方法。
【請求項10】
内部を観察するための観察窓を有し、互いに外観が異なる複数種類の粉粒体を混合した混合材料が内部に供給される観察部と、
前記観察部に供給される前記混合材料を前記観察窓を通して撮影する撮影機器と、
前記撮影機器で撮影された画像を解析する解析処理部と、を含み、
前記解析処理部は、
前記画像を粉粒体単位で領域分割する領域分割処理と、
前記領域分割処理で分割された各画像領域をその輪郭の形状から同定する同定処理と、
前記同定処理で同定された各画像領域の輪郭の凹凸度を算出する凹凸度算出処理と、
前記凹凸度算出処理で算出された凹凸度を用いて各画像領域の種別を判定し、その判定結果から、特定の種類の前記粉粒体の混合割合を判定する判定処理と、を実行する、混合割合判定装置。
【請求項11】
前記混合材料は、樹脂のバージン材と粉砕材とを含み、
前記解析処理部は、
前記判定処理において、前記凹凸度算出処理で算出された凹凸度が所定未満である輪郭の画像領域を前記バージン材と判定し、前記凹凸度算出処理で算出された凹凸度が所定以上である前記画像領域を前記粉砕材と判定する、請求項10に記載の混合割合判定装置。
【請求項12】
前記解析処理部は、
前記撮影機器で撮影された前記画像に対して予め指定された確認色に該当する画素を抽出して、前記確認色の総画素数から前記確認色の総面積を求め、前記確認色の総面積に基づき前記確認色の粉粒体の混合割合を推定する推定処理、をさらに実行する、請求項10または11に記載の混合割合判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合割合判定方法および混合割合判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂成形品を製造する成形機には、ペレット状のバージン材や再利用のための粉砕材、顔料などの粉粒体を所定の割合で混合した材料が投入される。混合材料の投入方式には、たとえば、複数種類の粉粒体を予め混合したものを成形機に投入する方式や、複数種類の粉粒体を混合しながら成形機に投入する方式がある。
【0003】
いずれの方式であっても、粉粒体の偏析や分離、配合精度のばらつきのため、成形機に投入される直前の混合材料において、粉粒体が所定の割合で混合されているかが確実ではない。混合材料における粉粒体の混合割合は、樹脂成形品の品質にかかわることであり、その混合割合が所定の割合になっていることを判定できれば、異常時に不良品を多く生産してしまう前に調製または停止することが可能となり、樹脂成形品の生産の歩留まりに寄与する。
【0004】
そのため、互いに色の異なる複数種類の粉粒体から構成される混合材料を撮影して、複数の撮影画像を取得し、その複数の撮影画像の全体に含まれる画素数の合計値に対して1種類の粉粒体の色を有する画素数の合計値が占める割合を実測面積比率として算出し、実測面積比率に基づいて粉粒体の混合割合を判定する手法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-60805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、その手法では、同色の異種粉粒体(複数種類の粉粒体)を区別することができない。バージン材とリサイクル材である粉砕材とを混合した材料が樹脂成形に用いられることがあり、その混合材料では、粉粒体の混合割合を判定することが困難である。
【0007】
本発明の目的は、同色の異種粉粒体が混合された材料における特定の種類の粉粒体の混合割合を判定できる、混合割合判定方法および混合割合判定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る混合割合判定方法は、互いに外観が異なる複数種類の粉粒体を混合した混合材料を撮影機器で撮影して、混合材料の画像を取得する撮影工程と、撮影工程で取得した画像を粉粒体単位で領域分割する領域分割工程と、領域分割工程で分割された各画像領域をその輪郭の形状から同定する同定工程と、同定工程における同定結果から、特定の種類の粉粒体の混合割合を判定する判定工程とを含む。
【0009】
この方法によれば、混合材料に同色で形状が異なる粉粒体が含まれていても、特定の種類の粉粒体の混合割合を判定することができる。
【0010】
その方法は、内部を観察するための観察窓を有し、互いに外観が異なる複数種類の粉粒体を混合した混合材料が内部に供給される観察部と、観察部に供給される混合材料を観察窓を通して撮影する撮影機器と、撮影機器で撮影された画像を解析する解析処理部とを含み、解析処理部は、画像を粉粒体単位で領域分割する領域分割処理と、領域分割処理で分割された各画像領域をその輪郭の形状から同定する同定処理と、同定処理による同定結果から、特定の種類の粉粒体の混合割合を判定する判定処理とを実行する、混合割合判定装置で実施することができる。
【0011】
領域分割工程前に、撮影工程で取得した画像を二値化する二値化工程がさらに含まれてもよい。
【0012】
また、撮影工程で取得する画像は、カラー画像であり、二値化工程前に、撮影工程で取得したカラーの画像をグレースケール画像に変換するグレースケール工程と、グレースケール工程後、グレースケール画像を平均化する平均化工程と、平均化工程後のグレースケール画像を用いて、撮影工程で取得したカラーの画像から背景のむらを除去するむら除去工程とがさらに含まれてもよい。
【0013】
領域分割工程前に、二値化工程で二値化された画像における一定面積以下の領域の白黒を反転させる反転工程がさらに含まれてもよい。
【0014】
反転工程後であって同定工程前に、領域分割工程で分割された各画像領域に対してパディングを行うパディング工程がさらに含まれてもよい。
【0015】
撮影工程では、混合材料に対して撮影機器側から照明光が照射されてもよい。この構成では、混合材料で反射した照明光(反射光)が撮影機器に入射し、撮影機器に入射した反射光の像が混合材料の撮影画像として取得される。
【0016】
本発明の他の局面に係る混合割合判定方法は、互いに外観が異なる複数種類の粉粒体を混合した混合材料を撮影機器で撮影して、混合材料のカラー画像を取得する撮影工程と、撮影工程で取得したカラー画像をグレースケール画像に変換するグレースケール工程と、グレースケール工程後、グレースケール画像の各画素の輝度を取得し、その取得した輝度の分散値または積算値を算出する評価値算出工程と、評価値算出工程で算出した分散値または積算値から、特定の種類の粉粒体の混合割合を判定する判定工程とを含む。
【0017】
この方法によれば、混合材料に同色で種類が異なる粉粒体が含まれている場合に、それらの粉粒体の形状に依らず、特定の種類の粉粒体の混合割合を判定することができる。
【0018】
その方法は、内部を観察するための観察窓を有し、互いに外観が異なる複数種類の粉粒体を混合した混合材料が内部に供給される観察部と、観察部に供給される混合材料を観察窓を通して撮影する撮影機器と、撮影機器で撮影されたカラー画像を解析する解析処理部とを含み、解析処理部は、カラー画像をグレースケール画像に変換するグレースケール処理と、グレースケール処理後、グレースケール画像の各画素の輝度を取得し、その取得した輝度の分散値または積算値を算出する評価値算出処理と、評価値算出処理で算出した分散値または積算値から、特定の種類の粉粒体の混合割合を判定する判定処理とを実行する、混合割合判定装置で実施することができる。
【0019】
撮影工程では、混合材料に対して撮影機器側と反対側から照明光が照射されてもよい。この構成では、混合材料を透過した照明光(透過光)が撮影機器に入射し、撮影機器に入射した透過光の像が混合材料の撮影画像として取得される
【0020】
混合材料を所定の機器に投入する投入工程がさらに含まれて、撮影工程では、投入工程で所定の機器に投入される混合材料が撮影機器で撮影されてもよい。これにより、混合材料が所定の機器に投入される直前に、その投入される混合材料における特定の種類の粉粒体の混合割合を判定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、同色で形状が異なる粉粒体など、同色で種類の異なる粉粒体が混合された材料における特定の種類の粉粒体の混合割合を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る混合割合判定装置が組み込まれたシステムの構成を図解的に示す図である。
図2図1に示される混合割合判定装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3A】穴埋め処理後の白黒画像の一例を示す図である。
図3B】粉粒体単位で領域分割された白黒画像の一例を示す図である。
図3C】凹凸度が所定未満であるワーク(バージン材)の一例を示す図である。
図3D】凹凸度が所定以上であるワーク(バージン材)の一例を示す図である。
図3E】バージン材面積比と粉砕材の混合割合との関係の一例を示す図である。
図4】警報出力判定処理の流れを示すフローチャートである。
図5図1に示される混合割合判定装置の機能的構成の他の例を示すブロック図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る混合割合判定装置が組み込まれたシステム2の構成を図解的に示す図である。
図7図6に示される混合割合判定装置の機能的構成を示すブロック図である。
図8A】グレースケール画像の一例を示す図である。
図8B】輝度値の分散値と粉砕材の混合割合との関係の一例を示す図である。
図9図6に示される混合割合判定装置の機能的構成の他の例を示すブロック図である。
図10】成形機上に機上混合機が設けられたシステムの構成を図解的に示す図である。
図11】粉砕材の混合割合が10%、30%および50%の各場合における輝度値の積算値の分布の例(輝度値積算分布例)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0024】
<樹脂成形品製造設備>
図1は、本発明の一実施形態に係る混合割合判定装置1が組み込まれた製造設備2の構成を図解的に示す図である。
【0025】
混合割合判定装置1は、樹脂成形品を製造する製造設備2に組み込まれて、その製造に使用される混合材料中の特定の種類の粉粒体の混合割合を判定する装置である。混合材料は、バージン材や粉砕材、顔料などの複数種類の粉粒体を所定の割合で混合した材料である。システム2には、混合割合判定装置1以外に、各種の粉粒体を計量して混合する計量混合装置3と、計量混合装置3から混合材料を輸送する輸送装置4と、輸送装置4により輸送される混合材料が投入される射出成形機などの成形機5とが含まれる。
【0026】
計量混合装置3は、原料供給部11、計量部12および混合部13を備えている。
【0027】
原料供給部11には、それぞれ異種の粉粒体を貯留する複数の原料ホッパ21が設けられている。各原料ホッパ21には、図示されない原料タンクから原料である粉粒体が気力輸送により供給される。また、各原料ホッパ21には、スクリューフィーダ22が設けられている。原料ホッパ21内に貯留された粉粒体は、スクリューフィーダ22の動作により、原料ホッパ21から排出される。
【0028】
計量部12には、計量ホッパ23が設けられており、各原料ホッパ21から排出される粉粒体は、計量ホッパ23に受け取られる。計量ホッパ23の下部は、先細り形状に形成され、計量ホッパ23には、その下端の排出口を開閉するゲートシャッタ24が設けられている。また、計量ホッパ23には、計量ホッパ23内に貯留された粉粒体の質量を計測するためのロードセル25が設けられている。
【0029】
ゲートシャッタ24が閉じられた状態で、計量対象の粉粒体を貯留する原料ホッパ21のスクリューフィーダ22の動作が開始されると、その原料ホッパ21から排出される粉粒体が計量ホッパ23内に貯留されていく。計量ホッパ23内に貯留されている粉粒体がロードセル25により計量されつつ、原料ホッパ21のスクリューフィーダ22の動作が継続され、ロードセル25により定量が計量されると、スクリューフィーダ22の動作が停止される。各原料ホッパ21のスクリューフィーダ22が順次にその動作を制御されることにより、計量ホッパ23内には、所定の割合(比率)で配合された複数種類の粉粒体が貯留される。この状態でゲートシャッタ24が開かれると、計量ホッパ23内に貯留されている複数種類の粉粒体が排出口から排出される。
【0030】
混合部13は、計量部12の下方に配置されている。混合部13は、混合容器31と、混合容器31内に設けられ、モータ32により駆動される撹拌翼33と、混合容器31の底面に形成された排出口を開閉するシャッタバルブ34とを備えている。
【0031】
シャッタバルブ34が閉じられた状態で、計量部12の計量ホッパ23の排出口から排出される粉粒体が混合容器31に受け取られて、その粉粒体が混合容器31内に貯留される。モータ32が駆動されて、撹拌翼33が回転することにより、混合容器31内の複数種類の粉粒体が混ぜ合わされる。混合容器31内の粉粒体が十分に混ざり合うと、シャッタバルブ34が開かれる。シャッタバルブ34が開かれることにより、その混合された複数種類の粉粒体からなる混合材料が混合容器31の排出口から排出される。
【0032】
輸送装置4は、混合容器31の下方に配置される供給ホッパ41を備えている。混合容器31の排出口から排出される混合材料は、供給ホッパ41に受けられる。供給ホッパ41の下部は、先細り形状に形成され、その下端の排出口には、輸送管42の一端がゲート43を介して接続されている。輸送管42の他端は、成形機5の上方に配置されたローダホッパ44に接続されている。
【0033】
ゲート43が開かれた状態で、ローダホッパ44内の空気が吸い出されると、供給ホッパ41内に貯留されている混合材料が輸送管42を通してローダホッパ44に気力輸送される。ローダホッパ44に輸送された混合材料は、ローダホッパ44から成形機5に投入される。
【0034】
<混合割合判定装置>
混合割合判定装置1は、観察窓58を有する観察部51、光源52、撮影機器53および解析処理部54を備えている。
【0035】
観察部51は、ローダホッパ44と成形機5との間に介在されて、ローダホッパ44から成形機5に投入される混合材料を通過させる空間55を内部に有している。観察部51は、その空間55を挟んで互いに平行をなして対向する表板56および裏板57を備えている。表板56および裏板57は、たとえば、同一の構成であり、透光性の板状体(樹脂板、ガラス板)からなる。表板56および裏板57は、その周縁部で互いに接合されており、それらの上端部間および下端部間に、それぞれ混合材料を導入する導入口および排出口が形成されている。また、表板56および裏板57の各周縁部に囲まれる中央部には、光を遮る部材が配置されておらず、表板56の中央部は、観察部51内を通過する混合材料を外部から観察可能にする観察窓58として機能する。
【0036】
光源52は、略矩形板状をなし、表板56に対して裏板57と反対側から対向して配置されている。光源52の中央部は、矩形状の開口として形成されるか、または、その開口を無色透明の導光板で閉塞した構成とされている。光源52の周縁部には、複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)をライン状に並べたLEDアレイおよび各LEDの光を表板56に向けて反射させる反射板などが配置されており、光源52は、その表板56に向けて出射される光(照明光)により少なくとも表板56の観察窓58内の全域を照明可能に構成されている。
【0037】
撮影機器53は、レンズおよび撮像素子を備え、所定のフレームレートでカラー静止画像を連続して撮影可能なカメラである。撮影機器53は、光源52に対して観察部51側と反対側に離れた位置において、その光軸が観察窓58に対して直交し、光源52の中央部および観察窓58を通して観察部51内を通過する混合材料を撮影可能に配置されている。なお、拡大縮小レンズや偏光板といった他の光学部品が併用されてもよい。
【0038】
解析処理部54は、撮影機器53で撮影された画像を解析する装置であり、その解析のためのプログラムに従って動作するコンピュータからなる。コンピュータには、CPUおよびメモリが内蔵されている。メモリには、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが含まれる。
【0039】
図2は、混合割合判定装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【0040】
混合割合判定装置1は、たとえば、輸送装置4により計量混合装置3から輸送される混合材料が成形機5に投入される期間における所定期間、光源52からの照明光で観察窓58内を通過する混合材料が照明される。これと並行して、撮影機器53により、観察窓58内を通過する混合材料が一定のフレームレートで撮影される。撮影機器53には、混合材料で反射した照明光(反射光)が入射し、解析処理部54では、撮影機器53に入射した反射光の像が混合材料の撮影画像(静止画像)として取得される。この工程が撮影工程の一例である。そして、解析処理部54では、一定のフレームレートで取得される混合材料の撮影画像がメモリ(揮発性メモリ)に記憶される(S1:画像記憶)。
【0041】
解析処理部54では、メモリに記憶された各撮影画像に対して、以降で説明する各処理が行われる。
【0042】
第1の処理として、照明むらなどによる背景のむらを除去する処理が行われる(S2:背景むら除去)。この背景むらを除去する処理では、まず、カラー画像である撮影画像がグレースケール画像に変換される。この変換の手法は、公知であり、ここでの説明を省略する。次に、グレースケール画像を平均化する平均化処理(平均フィルタ処理)が行われる。平均化処理では、平均化フィルタが用いられ、たとえば、グレースケール画像の各画素が注目画素とされて、注目画像を中心とする所定領域に含まれる各画素の輝度値の平均値が算出される。そして、その平均値で注目画素の輝度値が置き換えられる。この平均化処理により、ノイズによる画素間の輝度値の差を小さくすることができる。そして、撮影画像の輝度値から平均化処理後のグレースケール画像の輝度値が差し引かれ、その減算値に撮影画像の各画素の平均輝度値が加えられることにより、背景むらが除去された画像が得られる。
【0043】
第2の処理として、光源52の照明光による照明の光量不足などを補間する処理に起因するガウスノイズを除去する処理が行われる(S3:ノイズ除去)。このガウスノイズを除去する処理では、たとえば、メディアンフィルタ、ガウシアンフィルタまたは平均化フィルタなどが使用される。これらの各フィルタについては、公知であるので、ここでの説明を省略する。
【0044】
第3の処理として、ガウスノイズが除去された撮影画像を白黒画像に変換する二値化処理が行われる(S4:二値化)。ここでは、たとえば、単純二値化の手法が採用され、撮影画像の各画素について、輝度値が一定の閾値以上であれば、当該画素が白画素(たとえば、白データ「255」)に変換され、輝度値が一定の閾値未満であれば、当該画素が黒画素(黒データ「0」)に変換される。
【0045】
第4の処理として、二値化処理後の撮影画像(白黒画像)に含まれる粉粒体の「欠け」を補修する穴埋めの処理が行われる(S5:穴埋め)。この穴埋め処理が行われる工程は、判定工程であり、その穴埋め処理では、まず、ラベリング処理が行われる。ラベリング処理は、たとえば、縦横の4方向または縦横斜めの8方向に連続する白画素に同じ番号を割り振る処理である。次に、同じ番号が割り振られた部分の面積が算出されて、一定面積以下の部分について、その部分に含まれる白画素が黒画素に反転される。図3Aには、穴埋め処理後の白黒画像の一例が示されている。
【0046】
第5の処理として、穴埋め処理後の白黒画像を粉粒体(ワーク)単位に領域分割する処理が行われる(S6:ワークの領域分割)。この領域分割の処理が行われる工程は、領域分割工程の一例であり、その処理では、たとえば、Watershed変換アルゴリズムが使用される。まず、白黒画像内に白画素が集合した領域(分割対象領域)を収縮させる収縮処理(Erosion)が行われる。次に、収縮処理後の各分割対象領域の中心付近の領域を確定させるため、距離変換処理が行われる。距離変換処理では、分割対象領域の各画素について、背景(黒画素の領域)から遠い画素が白くなり、背景から近い画像が黒くなるように輝度値が変換され、さらに中心付近の領域が残るように二値化される。その後、全画像領域から、中心付近の領域(前景)でも背景でもない領域が抽出される。また、中心付近の領域に対してラベリング処理が行われる。そして、各分割対象領域について、その中心から前景でも背景でもない領域までの各画素を白画素とされる。これにより、図3Bに示されるように、粉粒体単位で領域分割された白黒画像が得られる。
【0047】
第6の処理として、ワークを同定する処理が行われる(S7:ワークの同定)。この処理が行われる工程は、同定工程の一例であり、その処理では、領域分割の処理後の白黒画像において、まず、ラベリング処理により、白画素が集合した領域(ワーク)に番号が割り振られて、各ワークが個別に識別される。次に、各ワークについて、ワークが外接する矩形の各頂点の座標が取得されて、その矩形領域の画像が切り抜かれる。そして、その切り抜かれた画像に対して、ワークの周囲の画素の輝度値を「0」とするゼロパディング処理が行われる。このゼロパディング処理が行われる工程は、パディング工程の一例である。また、矩形領域内の画像に複数の白画素の集合領域が存在する場合には、それらのうちで最大面積の領域以外の画素の輝度値が「0」にされる。
【0048】
第7の処理として、同定された各ワークの輪郭の凹凸度が算出される(S8:凹凸度算出)。凹凸度は、たとえば、ワークの実際の周囲長とワークの包絡周囲長(粒子の凸部端点を直線で結んだ線)とが測定されて、その測定された周囲長を包絡周囲長で除算することにより求められる。
【0049】
第8の処理として、ワーク(粉粒体)の種別を判定する処理が行われる(S9:ワーク種別判定)。このワーク種別判定の処理が行われる工程が判定工程の一例であり、その処理では、凹凸度が所定未満であるワークと凹凸度が所定以上であるワークとが分けられる。そして、図3Cに示されるように、凹凸度が所定未満であるワークは、バージン材であると判定され、図3Dに示されるように、凹凸度が所定以上であるワークは、粉砕材と判定される。
【0050】
第9の処理として、粉砕材の混合割合を判定する処理が行われる(S10:混合割合判定)。この処理では、粉砕材の混合割合を算出するため、バージン材をワークとして切り抜かれた矩形領域および粉砕材をワークとして切り抜かれた矩形領域のピクセル総数に対するバージン材を表すワーク(白画素)のピクセル総数の比率がバージン材面積比として算出される。解析処理部54のメモリ(不揮発性メモリ)には、図3Eに示されるように、バージン材面積比と粉砕材の混合割合との関係が予め求められて記憶されている。このメモリに記憶されている関係に基づいて、バージン材面積比に応じた粉砕材の混合割合が求められて、その混合割合を判定するための一連の処理が終了される。
【0051】
図4は、警報出力判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
解析処理部54では、粉砕材の混合割合が判定されると(ステップS11)、その混合割合が所定範囲内の値であるか否かが判断される(ステップS12)。
【0053】
粉砕材の混合割合が所定範囲内の値である場合(ステップS12のYES)、粉砕材の混合割合は正常であるとして、警報出力判定処理が終了される。
【0054】
一方、粉砕材の混合割合が所定範囲内の値でない場合(ステップS12のNO)、粉砕材の混合割合が異常であるとして、その異常を報知する警報(表示、音)が出力されて(ステップS13)、警報出力判定処理が終了される。
【0055】
なお、混合材料には顔料や添加剤を含むマスターバッチと呼ばれる粉粒体が含まれる場合もあり、主材に対して異色であることが多い。そのような異色の粉粒体に対して、解析処理部54では、図5に示されるように、前述のステップS2~S9までの処理と並行して、ステップS14,S15の処理を実行することにより、混合割合を判定することができる。
【0056】
すなわち、撮影画像に対して指定された特定の色(確認色)が抽出される(ステップS14:確認色抽出)。確認色は、操作者が入力するか、予め記憶させておくなどして解析処理部54が参照できる状態にしておく。また、確認色を持つ粉粒体の実際の混合割合と、撮影画像に対する確認色の画素数比率との関係を示す基本となる較正直線を予め作成しておく。この較正直線は、予備実験や試運転を通じて求めるなどの方法で取得し、記憶しておく。解析処理部54は、撮影画像に対して確認色に該当する画素を抽出し、確認色の総画素数を算出する。そして、撮影画像の総画素数に対する確認色の画素数比率を求める(S15:指定色の面積比算出)。確認色の総面積比率と較正直線とを比較し、確認色の総面積に基づき確認色の粉粒体の混合割合を推定する。
【0057】
これにより、混合材料にバージン材および粉砕材のみならず異色の粉粒体が含まれている場合であっても、別途混合割合を求めることができる。なお、異色の粉粒体が含まれていない場合や必要が無い場合は確認色の比率を求める工程は省略してもよい。
【0058】
<作用効果>
以上のように、バージン材と粉砕材とが同色かつ形状が異なり、それらの粉粒体が混合材料に含まれていても、特定の種類の粉粒体の一例としての粉砕材の混合割合を判定することができる。
【0059】
<他の実施形態>
図6は、本発明の他の実施形態に係る混合割合判定装置101が組み込まれたシステム2の構成を図解的に示す図である。図6において、図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
【0060】
混合割合判定装置101は、前述の実施形態に係る混合割合判定装置1と同様、樹脂成形品を製造するシステム2に組み込まれて、その製造に使用される混合材料中の特定の種類の粉粒体の混合割合を判定する装置である。混合割合判定装置101では、光源52が観察部51に対して撮影機器53と反対側に配置されて、その反対側からの照明光で観察部51内を通過する混合材料が照射されて、混合材料を透過した照明光(透過光)が撮影機器53に入射し、解析処理部54では、撮影機器53に入射した透過光の像が混合材料の撮影画像(静止画像)として取得される。
【0061】
図7は、混合割合判定装置101の機能的構成を示すブロック図である。
【0062】
混合割合判定装置101は、たとえば、輸送装置4により計量混合装置3から輸送される混合材料が成形機5に投入される期間における所定期間、光源52からの照明光で観察窓58内を通過する混合材料が照射される。これと並行して、撮影機器53により、観察窓58内を通過する混合材料が一定のフレームレートで撮影される。この工程が撮影工程の一例である。撮影機器53には、混合材料で反射した照明光(反射光)が入射し、解析処理部54では、撮影機器53に入射した反射光の像が混合材料の撮影画像(静止画像)として取得される。そして、解析処理部54では、一定のフレームレートで取得される混合材料の撮影画像がメモリ(揮発性メモリ)に記憶される(S21:画像記憶)。
【0063】
解析処理部54では、メモリに記憶された各撮影画像に対して、以降で説明する各処理が行われる。
【0064】
第1の処理として、カラー画像である撮影画像がグレースケール画像に変換される(S22:グレースケール化)。この工程は、グレースケール工程の一例である。この変換の手法は、公知であり、ここでの説明を省略する。図8Aには、グレースケール画像の一例が示されている。
【0065】
第2の処理として、グレースケール画像から光源52の照明光が混合材料に反射した反射光に起因するガウスノイズを除去する処理が行われる(S23:ノイズ除去)。このガウスノイズを除去する処理では、たとえば、メディアンフィルタ、ガウシアンフィルタまたは平均化フィルタなどが使用される。これらの各フィルタについては、公知であるので、ここでの説明を省略する。
【0066】
第3の処理として、ガウスノイズが除去されたグレースケール画像の各画素の輝度値が取得され、分散の定義式に従って、輝度値の分散値が算出される(S24:輝度の分散値取得)。この工程が分散値算出工程の一例である。
【0067】
第4の処理として、輝度値の分散値から粉砕材の混合割合を判定する処理が行われる(S25:混合割合判定)。この処理が行われる工程は、判定工程の一例である。解析処理部54のメモリ(不揮発性メモリ)には、図8Bに示されるように、輝度値の分散値と粉砕材の混合割合との関係が記憶されている。この関係は、たとえば、粉砕材の混合割合が複数の所定値に調整された基準材料を用意し、基準材料を個別に観察部51内に入れて、撮影機器53で観察窓58を通して基準材料を撮影し、前述の第1~第3の処理を行って、各混合割合に対応する輝度値の分散値を求めることにより、予め求められている。メモリに記憶されている関係に基づいて、輝度値の分散値に応じた粉砕材の混合割合が求められて、その混合割合を判定するための一連の処理が終了される。
【0068】
そして、図4に示される警報出力判定処理が実行されて、粉砕材の混合割合が所定範囲内の値でない場合には(ステップS12のNO)、粉砕材の混合割合が異常であるとして、その異常を報知する警報が出力されて(ステップS13)、警報出力判定処理が終了される。
【0069】
なお、混合材料には顔料や添加剤を含むマスターバッチと呼ばれる粉粒体が含まれる場合もあり、主材に対して異色であることが多い。そのような異色の粉粒体に対して、解析処理部54では、図9に示されるように、前述のステップS22~S24までの処理と並行して、ステップS26,S27の処理を実行することにより、混合割合を判定することができる。
【0070】
すなわち、撮影画像に対して指定された特定の色(確認色)が抽出される(ステップS26:確認色抽出)。解析処理部54は、撮影画像に対して確認色に該当する画素を抽出し、確認色の総画素数を算出する。そして、撮影画像の総画素数に対する確認色の画素数比率を求める(S27:指定色の面積比算出)。確認色の総面積比率と較正直線とを比較し、確認色の総面積に基づき確認色の粉粒体の混合割合を推定する。なお、確認色および較正直線については、図5を参照して説明したとおりである。
【0071】
これにより、混合材料にバージン材および粉砕材のみならず異色の粉粒体が含まれている場合であっても、別途混合割合を求めることができる。なお、異色の粉粒体が含まれていない場合や必要が無い場合は確認色の比率を求める工程は省略してもよい。
【0072】
<作用効果>
この実施形態によっても、バージン材と粉砕材とが同色であり、それらの粉粒体が混合材料に含まれていても、特定の種類の粉粒体の一例としての粉砕材の混合割合を判定することができる。
【0073】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0074】
たとえば、前述の各実施形態では、混合割合判定装置1,101が計量混合装置3を備えるシステム2に組み込まれた例を取り上げたが、混合割合判定装置101は、図10に示されるように、成形機201上に機上混合機202を設けたシステム203に組み込まれてもよい。機上混合機202は、複数の原料ホッパ204から混合部205に粉粒体(バージン材、粉砕材)が供給されて、その供給された複数の粉粒体を混合部205で混合してなる混合材料が混合部205から成形機201に投入される構成である。また、混合割合判定装置1についても、成形機201上に機上混合機202を設けたシステム203に組み込まれてもよい。
【0075】
また、混合割合判定装置1では、光源52が観察部51に対して撮影機器53側に配置されて、撮影機器53には、混合材料での反射光が入射し、解析処理部54では、撮影機器53に入射した反射光の像が混合材料の撮影画像として取得されるとした。これに限らず、混合割合判定装置101と同様に、光源52が観察部51に対して撮影機器53と反対側に配置されて、その反対側からの照明光で観察部51内を通過する混合材料が照明されて、混合材料を透過した透過光が撮影機器53に入射し、解析処理部54では、撮影機器53に入射した透過光の像が混合材料の撮影画像として取得されてもよい。この場合、解析処理部54では、前述の処理と白黒を反転した内容の処理が行われる。
【0076】
さらに同様に、混合割合判定装置101では、光源52が観察部51に対して撮影機器53と反対側に配置されて、その反対側からの照明光で観察部51内を通過する混合材料が照明されて、混合材料を透過した透過光が撮影機器53に入射し、解析処理部54では、撮影機器53に入射した透過光の像が混合材料の撮影画像として取得されるとしたが、混合割合判定装置1と同様に、光源52が観察部51に対して撮影機器53側に配置されて、撮影機器53には、混合材料での反射光が入射し、解析処理部54では、撮影機器53に入射した反射光の像が混合材料の撮影画像として取得されてもよい。
【0077】
図7および図9に示されるステップS24において、輝度の分散値ではなく積算値を取得してもよい。これにより、図11のような積算分布が得られる。横軸は画素の輝度値(たとえば0~255)を示し、縦軸は全画素数に対して各輝度までの0からの積算数を割合で示している。この積算分布では、粉砕材の割合に応じて分布形状が異なることがわかる。この場合、たとえば、積算分布の中で混合割合に応じて輝度の差が大きく出る積算の画素数(%、縦軸の位置)を選び、その位置における輝度を予め準備しておいた基準値と比較することで混合割合を推定することができる。基準値となるデータは既知の混合割合となるサンプルを複数作成して撮影することで取得することができる。一例を挙げると、未知の混合割合である対象画像に対して図11のような積算輝度分布を取得し、積算の画素数が30%となる縦軸の位置における輝度を読み取る。このとき、予め画素数が30%となる条件で取得した基準値における輝度と比較することで対象画像の混合割合を推定することができる。
【0078】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1:混合割合判定装置
5,201:成形機(所定の機器)
51:観察部
53:撮影機器
54:解析処理部
58:観察窓
101:混合割合判定装置
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11