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特許7553940ユーザ端末、防災システムム、ユーザ端末プログラムおよびユーザ端末を用いた連携方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】ユーザ端末、防災システムム、ユーザ端末プログラムおよびユーザ端末を用いた連携方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 90/00 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
G06Q90/00 310
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020141281
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036857
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2023-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】520323089
【氏名又は名称】株式会社ビットピープス
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】如南 友博
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-204713(JP,A)
【文献】特開2016-207187(JP,A)
【文献】特開2015-135609(JP,A)
【文献】特開2016-012243(JP,A)
【文献】国際公開第2015/046310(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが接続された通信網に通信可能に接続され、且つ、スタッフに携帯されると共に表示部が設けられたユーザ端末であって、
害の種別を含む災害情報に応じて、前記スタッフが実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報が、前記サーバ又は前記ユーザ端末の記録部に記録されており、
前記災害情報を取得する取得手段と、
前記災害情報に対応した前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に前記順序で表示する行動表示手段と、
前記スタッフからの入力により取得され、且つ、前記行動の終了の情報を含む終了情報を取得する入力取得手段と、
前記終了情報を前記サーバに送信する送信手段と、
前記サーバから他のユーザ端末の終了情報の取得に基づいて、前記行動情報に基づいた、他のユーザ端末の進捗状況を含む他端末進捗情報を前記表示部に表示する他端末表示手段とからなり、
前記行動表示手段は、前記終了情報の取得に基づいて、次順の前記行動情報を前記表示部に表示するものである、ユーザ端末。
【請求項2】
複数種の前記行動情報が予め登録されており、
前記スタッフが複数のグループに分けられており、且つ、それらのグループ毎に異なる種類の前記行動情報が対応している、請求項1記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記行動情報が、前記行動毎に予め設定された所要時間を含む所要時間情報を備えており、
前記行動表示手段が、前記行動に要している行動時間を含む行動時間情報をさらに表示するものである、請求項2記載のユーザ端末。
【請求項4】
前記行動情報および/または他端末行動情報が所定の条件を満たすと、前記行動情報の代わりに、他端末の行動情報を前記表示部に表示する表示切替手段を備えている、請求項3記載のユーザ端末。
【請求項5】
複数の枠が積層された枠状図形と、それらの枠にそれぞれ配置される複数の棒状図形とを前記表示部に表示する図形表示手段を備えており、
前記枠状図形は、施設における複数の階を表すものであり、
前記図形表示手段は、前記階に対して予め設定された量を含む量情報を取得し、前記量の大きさを前記棒状図形の長さとして表示するものである、請求項1、2、3あるいは4のいずれかに記載のユーザ端末。
【請求項6】
請求項1、2、3、4あるいは5のいずれかに記載のユーザ端末と、
それらのユーザ端末と通信可能に接続されたサーバとからなり、
前記サーバが前記ユーザ端末に前記災害情報を送信する災害情報送信手段を備えている、防災システム。
【請求項7】
前記災害に関する外部からの情報を取得し、前記サーバに送信する外部情報取得装置をさらに備えている、請求項6記載の防災システム。
【請求項8】
前記災害の種別が火災であり、
前記災害情報が火災情報であり、
前記外部情報取得装置が火災報知器である、請求項7記載の防災システム。
【請求項9】
前記災害の種別が火災であり、
前記外部情報取得装置が、火災報知器に設けられた前記火災に基づいて発光する発光部を監視する監視装置であり、
前記災害情報が、前記監視装置が前記発光部の画像に基づいて、前記発光部の色の変化および/または点灯の有無を含む発光情報である、請求項7記載の防災システム。
【請求項10】
サーバが接続された通信網に通信可能に接続され、且つ、スタッフに携帯されると共に表示部が設けられたユーザ端末のプログラムであって、
害の種別を含む災害情報に応じて、前記スタッフが実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報が、前記サーバ又は前記ユーザ端末の記録部に記録されており、
コンピュータに、
前記災害情報を取得させ、
前記災害情報に対応した所定の順序の前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示させ、
前記スタッフから入力されるものであり、且つ、前記表示部に表示された行動情報の実行終了の情報を含む終了情報を取得させ、
前記終了情報を前記サーバに送信させ、
他のユーザ端末で表示されている前記行動情報を含む他端末行動情報を前記サーバから取得し、前記表示部に表示させ、
前記サーバから他のユーザ端末の前記終了情報を取得し、その終了情報に基づいて、他端末の進捗状況を含む他端末進捗情報を前記表示部に表示させ、
前記終了情報の取得に基づいて、次順の前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示させる、ユーザ端末プログラム。
【請求項11】
サーバが接続された通信網に通信可能に接続され、且つ、スタッフに携帯されると共に表示部が設けられたユーザ端末を用いた連携方法であって、
害の種別を含む災害情報に応じて、前記スタッフが実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報が、前記サーバ又は前記ユーザ端末の記録部に記録されており、
前記災害情報を取得し、
前記災害情報に対応した前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示し、
前記スタッフから入力されるものであり、且つ、前記表示部に表示された行動情報の実行終了の情報を含む終了情報を取得し、
前記終了情報を前記サーバに送信し、
前記サーバから他のユーザ端末の前記終了情報を取得し、その終了情報に基づいて、他端末の進捗状況を含む他端末進捗情報を前記表示部に表示し、
前記終了情報の取得に基づいて、次順の前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示する、ユーザ端末を用いた連携方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時に従うべきマニュアル等を表示するユーザ端末、防災システムム、ユーザ端末プログラムおよびユーザ端末を用いた連携方法に関する。さらに詳しくは、災害時に、宿泊施設、病院および高齢化施設などの施設スタッフが従うべきマニュアル等を表示するユーザ端末、防災システム、ユーザ端末プログラムおよびユーザ端末を用いた連携方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、施設の災害対応責任者である防火管理者や防災管理者は、災害への対応として、例えば、BCP(事業継続計画)や災害対策マニュアルなどを作成している。そして災害対応責任者は、例えば、スタッフに防災に対する資料などを準備したり、防災のための訓練などを実施したりしている。
【0003】
災害時のスタッフの行動に関連する技術として、例えば特許文献1がある。その特許文献1には、異状を覚知したとき、自衛組織隊員へ迅速に事態を伝達して招集し、隊員が連携して初期対応できるようにするための支援システムが開示されている。
その支援システムは、自動警報設備と接続された支援装置と隊員が携帯する端末とを備えている。異状を覚知すると、支援装置は端末に、異状発生情報を伝達すると共に自衛活動への参加要請を表示する。そして支援システムは、参加応答のあった端末を携帯する隊員の属性に応じて組織を自動的に編成し、役割を隊員に通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-41470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
宿泊施設、病院および高齢化施設などの24時間稼働している施設では、防災への高度な対応が求められている。
しかし、それらの施設では、高齢化や労働人口の減少によって人手不足の傾向にある。一般的に、そのような施設では、スタッフの人員的な余力に乏しい。特に、夜間のスタッフの人数は、大きく削減される傾向にある。このため、災害発生時には、スタッフの負担は大きくなることが予想される。
【0006】
一方で、特定のスタッフが被災する確率は、一般的に低い傾向にあるから、災害に対するスタッフのモチベーション・練度を維持するのは難しいと考えられる。
例えば、宿泊施設等で外国人スタッフの人数が多い場合、コミュニケーションを取が取りづらく、災害に対するモチベーション・練度を維持させるのは難しい傾向にある。
すなわちスタッフに災害時に従うべきマニュアル等の理解度を高めさせるのは煩雑である。
【0007】
そこで本発明は、災害時においてスタッフの負担を軽減し、訓練時においてマニュアル等の理解度を高めさせる、ユーザ端末、防災システムム、ユーザ端末プログラムおよび連携方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明のユーザ端末は、サーバが接続された通信網に通信可能に接続され、且つ、スタッフに携帯されると共に表示部が設けられたユーザ端末であって、災害等の種別を含む災害情報に応じて、前記スタッフが実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報が、予め登録された記録部に記録されており、前記災害情報を取得する取得手段と、前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に前記順序で表示する行動表示手段と、前記スタッフからの入力により取得され、且つ、前記行動の終了の情報を含む終了情報を取得する入力取得手段と、前記終了情報を前記サーバに送信する送信手段と、前記サーバから他のユーザ端末の終了情報を取得し、その終了情報の取得に基づいて、他端末の終了情報を含む他端末進捗情報を前記表示部に表示する他端末表示手段とからなり、前記行動表示手段は、前記終了情報の取得に基づいて、次順の前記行動情報を前記表示部に表示するものであることを特徴としている。
【0009】
・「災害情報」とは、災害等の種別を含む情報であり、例えば、災害の種別の他、災害の発生、発生位置、発生規模、発生時刻に対応する情報、さらに予想される災害の発生、予想発生位置、予想発生規模、予想発生時刻に対応する情報、さらに官公庁、メディア、地域から発せられる災害に対する注意報、警告などの情報を含む概念である。
また例えば、災害としては、災害対策基本法に定義されているような、暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害が相当する。さらに、一般的には災害とは言えないが、ここでは疫病、侵入者、不審者による被害を災害に含む。
・「行動情報」とは、災害時にスタッフがとるべき行動を示す情報であり、例えば、避難誘導をせよ等をスタッフに知覚させる文字情報、音声情報、画像情報および動画情報などを含む概念である。
・「終了情報」とは、行動の終了についてスタッフがユーザ端末に対して行う入力に基づいて得られる情報を含み、終了情報に換算できる情報を含む概念である。例えば、単に行動が終了したことを示す情報ばかりでなく、スタッフに火災か非火災かを判断させることにより行動情報で設定された行動が終了する場合、スタッフにより入力される火災/非火災の情報を終了情報としてもよい。
その入力の方法としては、例えば、ユーザ端末の画面へのスタッフによる接触、ユーザ端末に設けたボタンなどのスタッフによる操作、ユーザ端末のマイクから得られる終了を示すスタッフの発声の検出、ユーザ端末のカメラから得られる終了を示すスタッフの特定の動きの検出、ユーザ端末に内蔵された加速度検出器、ジャイロセンサから得られるユーザ端末に対して行われるスタッフによる特定の動作の検出や、これらの検出の組み合わせなど、ユーザ端末により検出できるものであればよい。
・「他端末進捗情報」とは、他のユーザ端末における終了情報を含み、その終了情報に基づいて得られる他のユーザ端末の行動、その行動に予め設定されている所要時間、前記行動に要している行動時間、所要時間に対する行動時間の割合など他のユーザ端末の進捗情報に換算できる値、情報を含む概念である。
【0010】
・「取得手段」とは、実施形態ではU1(図4参照)が対応する。
・「行動表示手段」とは、実施形態ではU2、U3、U6(図4参照)が対応する。
・「入力取得手段」とは、実施形態ではU4(図4参照)が対応する。
・「送信手段」とは、実施形態ではU5(図4参照)が対応する。
・「他端末表示手段」とは、実施形態ではU7、U8(図8参照)が対応する。
【0011】
(2)このようなユーザ端末は、複数種の前記行動情報が予め登録されており、前記スタッフが複数のグループに分けられており、且つ、それらのグループ毎に異なる種類の前記行動情報が対応しているのが好ましい。
【0012】
(3)また、前記行動情報が、前記行動毎に予め設定された所要時間を含む所要時間情報を備えており、前記行動表示手段が、前記行動に要している行動時間を含む行動時間情報をさらに表示するものであるのが好ましい。
・「所要時間情報」とは、行動毎に予め設定された所要時間であり、その時間に換算できる量を含む概念である。
・「行動時間情報」とは、行動に要した時間であり、その時間に換算できる量を含む概念である。
【0013】
(4)また、前記行動情報および/または他端末行動情報が所定の条件を満たすと、前記行動情報の代わりに、他端末の行動情報を前記表示部に表示する表示切替手段を備えているのが好ましい。
・「表示切替手段」とは、実施形態ではU10、U11、U12、U13(図11参照)が対応する。
【0014】
(5)また、複数の枠が積層された枠状図形と、それらの枠にそれぞれ配置される複数の棒状図形とを前記表示部に表示する図形表示手段を備えており、前記枠状図形は、施設における複数の階を表すものであり、前記図形表示手段は、前記階に対して予め設定された量を含む量情報を取得し、前記量の大きさを前記棒状図形の長さとして表示するものであるのが好ましい。
・「図形表示手段」とは、実施形態ではU17、U18(図13参照)対応する。
・「予め設定された量を含む量情報」とは、例えば、本実施形態では、ホテルにおいて災害時に安否が未確認な宿泊者数で、それに換算できる情報である。その他、宿泊している子供の数、避難ができていない人数などが予め設定される。また例えば、介護施設・病院における量としては、自力で避難できない人数、車椅子で避難する人数などが予め設定される。
【0015】
(6)本発明の防災システムは、上述のユーザ端末と、それらのユーザ端末と通信可能に接続されたサーバとからなり、前記サーバが前記ユーザ端末に前記災害情報を送信する災害情報送信手段を備えていることを特徴としている。
・「災害情報送信手段」とは、実施形態ではS1(図4参照)が対応する。
【0016】
(7)このような防災システムは、前記災害に関する外部からの情報を取得し、前記サーバに送信する外部情報取得装置をさらに備えているのが好ましい。
・「災害に関する外部からの情報」とは、例えば、官公庁、メディア、地域から発せられる情報や、ホテル内に設置された監視カメラ、侵入者を検知する警報装置からの情報や、火災報知器による出火元の情報、さらにカメラ画像による火災現場の映像情報などであり、それらに変換できる情報を含む。
【0017】
(8)また、前記災害の種別が火災であり、前記災害情報が火災情報であり、前記外部情報取得装置が火災報知器であるものが好ましい。
【0018】
(9)また、前記災害の種別が火災であり、前記外部情報取得装置が、火災報知器に設けられた前記火災に基づいて発光する発光部を監視する監視装置であり、前記災害情報が、前記監視装置が前記発光部の画像に基づいて、前記発光部の色の変化および/または点灯の有無を含む発光情報であるものが好ましい。
・「発光情報」とは、色の変化や点灯の有無を検知するセンサの検出値、色の変化や点灯の前後で得られる画像を比較して得られる情報などを含み、それらに換算できる量を含む概念である。
【0019】
(10)本発明のユーザ端末プログラムは、サーバが接続された通信網に通信可能に接続され、且つ、スタッフに携帯されると共に表示部が設けられたユーザ端末のプログラムであって、災害等の種別を含む災害情報に応じて、前記スタッフが実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報が、予め登録された記録部に記録されており、コンピュータに、前記災害情報を取得させ、所定の順序の前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示させ、前記スタッフから入力されるものであり、且つ、前記表示部に表示された行動情報の実行終了の情報を含む終了情報を取得させ、前記終了情報を前記サーバに送信させ、他のユーザ端末で表示されている前記行動情報を含む他端末行動情報を前記サーバから取得し、前記表示部に表示させ、前記サーバから他のユーザ端末の前記終了情報を取得し、その終了情報に基づいて、他端末の進捗状況を含む他端末進捗情報を前記表示部に表示させ、前記終了情報の取得に基づいて、次順の前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示させることを特徴としている。
【0020】
(11)本発明のユーザ端末を用いた連携方法は、サーバが接続された通信網に通信可能に接続され、且つ、スタッフに携帯されると共に表示部が設けられたユーザ端末を用いた連携方法であって、災害等の種別を含む災害情報に応じて、前記スタッフが実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報が、予め登録された記録部に記録されており、前記災害情報を取得し、所定の順序の前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示し、前記スタッフから入力されるものであり、且つ、前記表示部に表示された行動情報の実行終了の情報を含む終了情報を取得し、前記終了情報を前記サーバに送信し、前記サーバから他のユーザ端末の前記終了情報を取得し、その終了情報に基づいて、他端末の進捗状況を含む他端末進捗情報を前記表示部に表示し、前記終了情報の取得に基づいて、次順の前記行動情報を前記記録部から取得し、前記表示部に表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明のユーザ端末、防災システムム、ユーザ端末プログラムおよび連携方法は、災害時および訓練時において、施設などのスタッフに適切な行動を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の防災システムの概略を示す模式図である。
図2図2は防災システムの一実施形態を示す機能ブロック図である。
図3図3aはユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す概略図、図3bはサーバのハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図4図4はサーバおよびユーザ端末の処理の流れの一実施形態を示すフローチャートである。
図5図5は行動情報データベースのデータ構造を示す概略図である。
図6図6は避難誘導グループの端末の表示部に表示される画面の一実施形態を示す概略図である。
図7図7aは初期消火グループの端末の表示部に表示される画面の一実施形態を示す概略図、図7bは消防連絡グループの端末の表示部に表示される画面の一実施形態を示す概略図である。
図8図8はサーバ、ユーザ端末および他グループのユーザ端末の処理の流れの一実施形態を示すフローチャートである。
図9図9は防災システムの変形例における主要な構成を示す概略図である。
図10図10は第2実施形態の防災システムの主要な構成を示す機能ブロック図である。
図11図11はユーザ端末における表示切替の処理の流れの一実施形態を示すフローチャートである。
図12図12は第3実施形態の防災システムの主要な構成を示す機能ブロック図である。
図13図13はサーバおよびユーザ端末の処理の流れの一実施形態を示すフローチャートである。
図14図14は安否確認データベースのデータ構造を示す概略図である。
図15図15は各階における安否の不明者数を表示する画面の一実施形態を示す概略図である。
図16図16は各階における部屋別の宿泊客の安否の状態を表示する画面の一実施形態を示す概略図である。
図17図17はユーザ端末を用いた連携方法の流れの一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1.概略説明]
(防災システム10)
まず、図1を用いて本発明の防災システムの概略を説明する。図1に示す防災システム10は、主に本発明のユーザ端末1と、そのユーザ端末1にインターネットまたはイントラネット(通信網)など22を介して通信可能に接続されたサーバ23とからなる。
【0024】
以後の説明において、災害がホテルで起こると想定し、その災害として火災を想定して説明をする。そのホテルのスタッフ26の全員がユーザ端末1をそれぞれ所持している。
本実施形態では、スタッフ26は3つのグループに分かれている。それらのグループは、例えば、避難誘導グループ26a、初期消火グループ26bおよび消防連絡グループ26cである。
なおスタッフ26の全員が携帯するのではなく、各グループのリーダ的なスタッフ26がユーザ端末1を携帯するようにしてもよい。
【0025】
本実施形態では、グループ毎に、火災時に行うべき一連の行動が予め設定されている。各グループのユーザ端末1の表示部1a(図2参照)には、グループ毎に行うべき行動3a(図5の行動情報3a参照)が順番に表示される。各グループは表示された行動を実行し、その行動が終了すると、ユーザ端末1を介して行動が終了したこと(図2の終了情報4a参照)をサーバ23に送信する。1つの行動が終了すると、次にすべき行動が表示部1aに表示される。
【0026】
また他のグループの行動の終了についての情報(図2の他端末の終了情報6a)は、サーバ23から取得する。このため各グループは、火災時において、相互に進捗状況を把握することができる。
【0027】
本実施形態では、防災システム10として、外部情報取得装置29をさらに備えている。外部情報取得装置29としては、例えば、火災報知器25および外部機器24が相当する。それらの火災報知器25および外部機器24はネットワーク22に接続されている。本実施形態では、外部機器24は、例えば、官公庁、メディア、地域から発せられる情報などを受信する機器や、ホテル内に設置された監視カメラ、侵入者を検知する警報装置などである。例えば、火災報知器25による出火元の情報、さらにカメラ画像による火災現場の映像は、ユーザ端末1を介して、スタッフ26で共有することができる。
【0028】
[2.各構成]
(ユーザ端末1)
まず、図2の機能ブロック図を用いて本発明の一実施形態に係るユーザ端末を説明する。ユーザ端末1は、取得手段2と、行動表示手段3と、入力取得手段4と、送信手段5と、他端末表示手段6とを備えている。
ユーザ端末1は、表示部1aを備えている。本実施形態においては、例えばスマートフォンである。なお、装着もしくは着用出来るコンピュータとしてのウェアラブルコンピュータ、携帯電話、タブレット型端末、パソコン(パーソナルコンピュータ)などでもよい。本実施形態では、ユーザ端末1は避難誘導グループ26a(図1参照)のスタッフに携帯されている。
ここで、避難誘導グループ26a(図1参照)のスタッフが携帯しているユーザ端末1と、他のグループで携帯されているユーザ端末の構造は同じであるが、それらを区別して説明するため、他のグループで携帯されているユーザ端末に符号1bを付している。
【0029】
(表示部1a)
表示部1aとしては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、有機EL(EL:Electroluminescence)などの画像を表示する装置が用いられる。
なお、図示しない投影装置を設けて、画像を投影可能な壁などを表示部1aとして利用してもよい。
【0030】
(取得手段2)
取得手段2は、サーバ23から災害情報2aを取得する。災害情報2aは、災害等の種別を含む情報である。災害情報2aの取得は、ユーザ端末1にスタッフ26が取るべき行動を表示させる引き金となる。
【0031】
(行動表示手段3)
行動表示手段3は、行動情報3aを予め登録された記録部31aから取得し、表示部1aに表示する。なお本実施形態では、記録部31aはユーザ端末1に内蔵されている。行動情報3aは、災害情報2aの種別毎に設定されている(図5参照)。行動表示手段3は、スタッフ26が前記行動を終えると、後述する終了情報4aの取得に基づいて、次の行動に対応する行動情報3aを記録部31aから取得し、表示部1aに表示する。本実施形態では、複数の行動情報3aが行動情報データベース(以後、行動情報DBという。)28として、記録部31aに記録されている。
【0032】
(入力取得手段4)
入力取得手段4は、表示部1aに表示されたスタッフに入力させる画面部16b(図6参照)を介して、スタッフ26の入力に基づいて行動情報3aの実行終了の情報を含む終了情報4aを取得する。
【0033】
(送信手段5)
送信手段5は、入力取得手段4により取得した終了情報4aをサーバ23に送信する。
【0034】
(他端末表示手段6)
他端末表示手段6は、例えば他のグループのユーザ端末(以下、他端末という。)1b、1bの行動情報3aの終了の情報である他端末の終了情報6aを含む他端末進捗情報6cをサーバ23から取得し、表示部1aに表示する。本実施形態では、他端末の終了情報6aに対応する他端末の行動情報6bを記録部31aから取得し、他端末進捗情報6cとしている。
【0035】
(サーバ23)
サーバ23は、本実施形態においては、例えばパソコン(パーソナルコンピュータ)である。
サーバ23は、サーバ取得手段7と、サーバ送信手段8と、災害情報送信手段9とを備えている。さらにサーバ23は記録部31bを備えている。本実施形態では、災害情報2aはサーバ23の記録部31bに記録されている。
【0036】
(サーバ取得手段7)
サーバ取得手段7は、ユーザ端末1から終了情報4aを取得する。さらに他端末1b、1bから終了情報4b、4bを取得する。
【0037】
(サーバ送信手段8)
サーバ送信手段8は、他端末の終了情報6aをユーザ端末1に送信する。本実施形態では、他端末の終了情報6aは終了情報4b、4bと同じ情報である。なお、他端末の終了情報6aとして、単に行動の終了を示す情報や、何番目の行動が終了したのかを示す情報に変換したものでもよい。
【0038】
(災害情報送信手段9)
災害情報送信手段9は、外部情報取得装置29からの情報の取得に基づいて、災害等の種別を含む災害情報2aをサーバ23の記録部31bから取得し、ユーザ端末1に送信する。本実施形態では、外部情報取得装置29からの情報に対応した災害情報2aをまとめたデータベース28a(図3参照)が記録部31bに記録されている。本実施形態では、災害情報2aは火災の発生、発生場所、発生時刻などを示す情報である。
【0039】
[3.ハードウェア構成]
次に図3aおよび図3bを用いて、それぞれユーザ端末1およびサーバ23のハードウェア構成を説明する。
【0040】
(ユーザ端末1のハードウェア構成)
図3aに示すように、本実施形態のユーザ端末1では、例えばスマートフォンを用いている。
そのスマートフォンはCPU30を備えたものである。そのCPU30には、メモリ(以下、記録部という。)31aと、記録デバイス32などを接続/読み込むための接続ポート33と、ネットワークを介して外部と通信するための通信回路34とがバスライン35を介して接続されている。メモリ31aには、行動情報DB28、さらには本発明のシステムを処理するためのユーザ端末プログラム36、36a、ブラウザプログラム37、さらにはOS38(オペレーティングシステム)が記録されている。
【0041】
本実施形態では、ユーザ端末プログラム36は、OS38およびブラウザプログラム37の機能を利用して協働して動作する。なお、ユーザ端末プログラム36として、ブラウザプログラム37、OS38を利用せず、単独で動作するようにしてもよい。行動情報DB28、ユーザ端末プログラム36、ブラウザプログラム37およびOS38は、例えばダウンロードにより通信回路34を介して、または接続ポート33を通してデバイス32によりメモリ31aにインストールされる。
【0042】
(サーバ23のハードウェア構成)
次いで、サーバ23のハードウェア構成を説明する。サーバ23のハードウェア構成は、前述のユーザ端末1のハードウェア構成とほぼ同じであるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
サーバ23のメモリ31bには、サーバプログラム39、39aがインストールされている。また災害情報データベース(以下、災害情報DBという。)17、安否確認データベース(以下、安否確認DBという。)44が記録されている。
【0043】
上述したハードウェア構成では、図2に示す機能を、例えば、CPU30とユーザ端末プログラム36/サーバプログラム39を用いて実現するようにしているが、その一部または全部をマイコンなどの論理回路、あるいは、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を用いてシーケンス制御してもよい。
【0044】
[4.プログラム]
(行動情報3aを取得するフローチャート)
図4および図8は、防災システム10のユーザ端末1で用いられるユーザ端末プログラム36およびサーバ23で用いられるサーバプログラム39のそれぞれの処理の一実施形態を示すフローチャートである。
図4は主に行動情報3aを取得するフローチャートである。
【0045】
(S1)サーバ23のCPU30(図3参照)は、火災報知器25(図1参照)から火災発生の情報を受信する。次いで、記録部31bから災害情報DB17を参照して、災害情報2aを取得し、ユーザ端末1に送信する。本実施形態における災害情報2aは、火災の発生時刻・場所などの情報である。
【0046】
(U1)ユーザ端末1のCPU30は、サーバ23から送信された災害情報2aを取得する。
【0047】
(U2)次いで、行動情報DB28を参照し、災害情報2aに対応する行動情報3aを取得する。
【0048】
(行動情報DB28のデータ構造)
図5に行動情報DB28のデータ構造を示す。図に示している行動情報DB28は、災害情報2a毎に行動の順番28aおよび行動情報3aからなるシートが用意されている。図には災害情報2aとして火災の場合の行動情報3aを主に示している。
【0049】
行動情報DB28は、スタッフ26が取るべき行動の順番28aと、その順番28aに対応する行動28bと、その行動に必要な所要時間15cとからなる。行動28bと所要時間15cは行動情報3aに相当する。なお行動情報DB28をサーバ23の記録部31bや、外部の他の記録装置に保管してもよい。
【0050】
例えば、避難誘導グループ26aに予め設定された順番28aおよび行動28bを列挙する。
(1)火災信号の確認
(2)消防ベスト/チェーンカッター/担架をもって発報現場へ急行
(3)消火器の拾得
(4)煙があればマスクの着用
(5)火元の部屋の確認
(6)マスターキーの所持を確認、ドアの熱さを確認、ゆっくり開けること
(7)部屋番号の入力、火災/非火災の入力
(8)負傷者の有無の確認
(9)負傷者を担架で移送
(10)各客室へ避難の呼びかけ
(11)負傷者を屋外階段踊り場/フロントに降ろす
(11)歩行困難な宿泊者の安否確認
(12)避難判断を行う
(13)消火ポンプ停止スイッチを押す
【0051】
(U3)図4に戻って、行動情報3aを表示部1aに表示する。例えば、避難誘導グループ26aが行うべき7番目の行動である「部屋番号の入力・火災/非火災の入力」を表示部1aに表示した画面を以下に説明する。
【0052】
(避難誘導画面11)
図6は避難誘導グループ26aのユーザ端末1で表示される画面の一実施形態を示す概略図である。図6には避難誘導画面11が示されている。避難誘導画面11は、上端付近に配置される共通画面部12と、避難誘導グループ画面部(自グループ画面部)13と、共通画面部12と自グループ画面部13の間に設けられた他グループ画面部14とからなる。
【0053】
(共通画面部12)
共通画面部12は、各グループが共通して把握すべき情報を示している。本実施形態では、例えば、共通画面部12は、避難誘導画面11の幅方向に帯状に設けられている。その共通画面部12の左端付近には、安否が不明な人数を示す画面部12aが表示されている。共通画面部12の中央付近には、火災が発生してからの時間を示す画面部12bと、その画面部12bの下方に負傷者数を示す画面部12cとが表示されている。そして共通画面部12の右端付近には、災害の種別が火災であることを示す画面部12dと、その画面部12dの下方に初期消火に成功したこと等の重要事項を示す画面部12eとが表示されている。これらの画面部12d、12eは点灯して表示され、それぞれ火災であること/初期消火に成功したことを示す。
なお、画面部12aとして、ホテル内に残っている人数(または避難できていない人数)を示してもよい。
【0054】
(自グループ画面部13)
自グループ画面部13は、避難誘導画面11の中央付近から下端までの大きな画面部である。自グループ画面部13は、その上端付近に設けられると共に自グループ画面部13の状況を簡略的に表示している簡略画面部15と、避難誘導グループ26aの行動情報3aを示す行動画面部16とからなる。
【0055】
(簡略画面部15)
本実施形態では、例えば、簡略画面部15の左端付近には、グループを示すイラスト画像15aが配置されている。なおグループ名やその略称などグループを把握できる表示であればよい。
簡略画面部15の中央付近には、行動情報3aを簡略化した簡略行動名15bが表示されている。簡略行動名15bは行動情報DB28に記録されている(図示せず)。
簡略画面部15の右端付近には、行動28bに要している時間(行動時間情報)15cが表示されている。その行動28bに要している時間のカウントは、新たな行動情報3aを取得した際にスタートする。
さらに行動時間情報15cの右方には、所要時間(所要時間情報)15dと、その所要時間情報15dを囲うように配置された円グラフ15eとが表示されている。その円グラフ15eは、円周長さを所要時間情報15dとして、所要時間情報15dに対する行動時間情報15cの比を円弧の長さで示している。
【0056】
(行動画面部16)
行動画面部16は、行動情報3aを表示する行動表示画面部16aと、スタッフ26の入力により行動の終了の情報を取得するための終了画面部16bとを備えている。
行動表示画面部16aには、避難誘導グループ26aのスタッフがすべき行動が示されている。
終了画面部16bには、本実施形態では、部屋番号の入力欄16cと、火災/非火災かを選択するボタン部16dとが表示されている。
行動画面部16の下端付近には、一連の行動の進捗を示す進捗情報16eが表示されている。本実施形態では、7/14とあり全14行動の中の7番目の行動であることを示している。
【0057】
(他グループ画面部14)
他グループ画面部14は、他のグループの行動の状況を示すものであり、上下に2段で設けられている。上段の他グループ画面部14は初期消火グループ26bに対応しており、下段は消防連絡グループ26cに対応している。
他グループ画面部14は、グループが異なる他は、自グループ画面部13の簡略画面部15とほぼ同じなので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
他グループ画面部14の下端縁には、棒グラフ14aが設けられている。画面の幅を行動の全数として示し、棒グラフの長さは全数に対する現在の行動数の比を棒グラフの長さで示している。
【0058】
(他のグループの表示)
図7aおよび図7bは、それぞれ他のグループのユーザ端末1b、1bで表示される画面の一実施形態を示す概略図である。
図7aは初期消火グループ26bの画面11a、図7bは消防連絡グループ26cの画面11bを示している。
これらの画面11a、11bは前述の避難誘導画面11とほぼ同じであるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。行動表示画面部16aの下方には、イラスト画面部16fが表示されている。イラスト画面部16fは、行動を促したり、行動のために必要な手順・知識などをイラスト、写真あるいは動画で説明したりするものである。
【0059】
(初期の表示)
ユーザ端末1、1b、1bのそれぞれの表示部1aには、初期表示として、順番28aが一番目である行動情報3aが表示される。
【0060】
(U4)図4に戻って、スタッフによる部屋番号の入力、そして非火災または火災についての選択により、部屋番号、非火災/火災からなる終了情報4aを取得する。これにより7番目の行動である「部屋番号の入力・火災/非火災の入力」が終了する。
なお終了情報4aとして、順番28a、行動28bおよび所要時間15cの全部または一部を加えた情報としてもよい。
【0061】
(U5)取得した終了情報4aをサーバ23に送信する。
【0062】
(S2)サーバ23のCPU30は、終了情報4aを取得する。
【0063】
(S3)取得した終了情報4aは、他グループのユーザ端末1bに送信される。なお本実施系他では、取得した終了情報4aをサーバ23の記録部31bに記録する。
【0064】
(U6)避難誘導グループ26aの行動が全て終了していない場合、次の行動情報3aをユーザ端末1の記録部31aから取得する(U2)。全ての行動が終了している場合、処理を終了する。
【0065】
(他端末の行動情報6aを取得するフローチャート)
図8は、主にユーザ端末1が他端末の行動情報6bを取得するフローチャートである。
(T1)他グループのユーザ端末1bのCPU30は、終了情報4bをサーバ23に送信する。
【0066】
(S2)サーバ23のCPU30は、終了情報4bを取得する。本実施形態では、取得した終了情報4bを記録部31bに記録する。
本実施形態では、例えば、初期消火グループ26bにおける終了情報4aは、初期消火の失敗/成功を選択するボタン部16dからの入力情報である(図7a参照)。さらに消防連絡グループ26cにおける終了情報4aは、行動に対する確認ボタン部16dからの入力情報である(図7b参照)。
【0067】
(S3)他端末の終了情報6aをユーザ端末1に送信する。他端末の終了情報6aは、単に行動が終了したことを示す情報ばかりでなく、行動の結果としてスタッフ26に初期消火の失敗/成功の結果を入力させる場合、スタッフにより入力される失敗/成功の結果の情報を他端末の終了情報6aとしてもよい。
【0068】
(U7)ユーザ端末1のCPU30は、他端末の終了情報6aを取得する。本実施系形態では、他端末の終了情報6aの取得に基づいて、記録部31aを参照し、他端末の行動情報6bとして、行動28bおよび所要時間情報15cを取得する。他端末の行動情報6bにより他端末進捗情報6cが構成される。例えば、所要時間15cに対する行動時間15dの割合などである。
なお、例えば、サーバ23の記録部31bに行動情報DB28を記録しておき、ユーザ端末1の代わりに、サーバ23で他端末の行動情報6b(行動28bおよび所要時間情報15c)を取得してもよい。取得した他端末の行動情報6bは、サーバ送信手段8によりユーザ端末1に送信される。
【0069】
(U8)他端末進捗情報6cは、ユーザ端末1の表示部1aに表示される。本実施形態では、他端末進捗情報6cに基づいて、他グループ画面部14を表示する。具体的には、イラスト画像15a、簡略行動名15b、行動時間15c、所要時間情報15d、円グラフ15e、棒グラフ14a(図6参照)である。
【0070】
(U9)他のグループの全ての行動が終了していない場合、サーバ23から他端末1bの終了情報6aの取得を待つ。全ての行動が終了している場合、処理を終了する。
【0071】
[5.他の実施形態]
次に、本発明の防災システム10の変形例を説明する。変形例における防災システムは、前述した防災システム10とほぼ同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
(変形例)
図9は防災システムの変形例における主要な構成を示す概略図である。図9に示す変形例は、第1実施形態に対し、外部情報取得装置29としてカメラ付きの監視装置を用いている点で異なる。
【0073】
(火災報知器25)
火災報知器25は、例えば、ホテルの場所に対応させた複数の発光部25aを備えている従来公知のものである。火災報知器25は、発光部25aの発光により、対応する場所で火災が発生したことを知らせる。
ここで、発光部25aの火災を示す発光としては、消灯から点灯に変化するもの、発光色が、例えば緑から赤に変化するものなどである。
【0074】
(監視装置29)
監視装置29は、例えば、従来公知のカメラ装置を備えており、取付具29aなどで火災報知器25の正面に配置され、発光部25aの発光の具合を確認する。発光部25aの発光を確認すると、通信ユニット29bを介して、サーバ23に災害情報2aを送信する。
監視装置29は、カメラ装置から取得される画像を解析し、火災を示す発光部25aの発光を認識する。例えば、予め発光部25aの発光の前後の画像を用意しておき、現在の画像における発光部25aと比較し、火災を示す発光であるかどうかを判断する。
【0075】
(その他)
火災報知器25の発光部25aが発光ランプではなく、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELなどの画像を表示する画面である場合、画像の変化を判断する。
発光の有無または画像の変化は、複数の教師データを用いて、機械学習により判断するようにしてもよい。
火災報知器25は、それ自体で、火災の発生を外部に送信する別個の送信ユニットを備えている場合がある。しかしながら、火災報知器25は通信規格の統一が図られていない場合が多い。さらに防災システム10と火災報知器25をリンクさせるためのシステムの変更などの手間が生じる。監視装置29によれば、火災報知器25の発光部25aを監視しているので、システム変更などの手間が生じない。
【0076】
<第2実施形態>
次に、本発明の防災システム10の他の実施形態を説明する。他の実施形態における防災システムは、前述した防災システム10とほぼ同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0077】
(防災システム20)
図10は第2実施形態の防災システムの主要な構成を示す機能ブロック図である。図10に示す防災システム20は、第1実施形態とほぼ同様の構成に加え、さらに表示切替手段21を備えている。なお第1実施形態と重複する部分の図示は省略している。
【0078】
(表示切替手段21)
表示切替手段21は、行動情報3aおよび/または他端末進捗情報6cが所定の条件27(図3の表示切替条件を参照)を満たすと、行動情報3aの代わりに、他端末の行動情報6bをユーザ端末1の表示部1aに表示する。
【0079】
(表示切替プログラム40)
図11は、ユーザ端末1で用いられる表示切替プログラム40の処理の一実施形態を示すフローチャートである。
【0080】
(U10)ユーザ端末1のCPU30は、行動情報3aおよび/または他端末進捗情報6cを所定のタイミングで取得する。
【0081】
(U11)行動情報3aおよび/または他端末進捗情報6cが表示切替条件27(図3参照)を満たしているか判断する。
表示切替条件27で定めている項目の一例を以下に列挙する。これらの項目を満たしているかどうかを判断する。
(条件a)自グループ(避難誘導グループ26a)の全ての行動が終了している。
(条件b)他のグループの行動時間が所要時間を超えている。
(条件c)他のグループから助けて欲しい旨の要請がある。
(条件d)避難誘導グループ26aが他グループを助ける判断をしている。
(条件e)避難誘導グループ26aが他グループを助けない判断をしている。
【0082】
(U12)表示を切り替えるかどうかを判断する。例えば、条件(e)を満たす場合、表示は切り替えない。表示を切り替えない場合は、工程U10に戻る。
一方で、例えば、他のグループの行動時間が所要時間を超えており(条件b)、他のグループから助けて欲しい旨の要請があり(条件c)および避難誘導グループ26aが他グループを助ける判断をしている(条件d)を全て満たす場合には、表示を切り替える。
なお、単に、他のグループから助けて欲しい旨の要請(条件c)があれば、表示を切り替えてもよい。表示切替条件27は、施設の状況に応じて、変更してもよい。
【0083】
(U13)表示を切り替える。例えば、避難誘導グループ26aの表示部1aの避難誘導画面11(図6参照)を初期消火グループ26bの画面11a(図7a参照)に切り替える。なお、少なくとも、行動情報3aを表示する行動表示画面部16aと、スタッフ26の入力により行動の終了の情報を取得するための終了画面部16bとを初期消火グループ26bのものと切り替える。
【0084】
(U14)初期消火グループ26bのすべき行動の終了としての終了情報4aの入力に基づいて、避難誘導グループ26aの画面表示の切り替えを終了する。そして元の避難誘導画面11に戻る。
【0085】
<第3実施形態>
(防災システム41)
図12は第3実施形態の防災システムの主要な構成を示す機能ブロック図である。図12に示す防災システム41は、第1実施形態とほぼ同様の構成に加え、さらに図形表示手段42を備えている。なお第1実施形態と重複する部分の図示は省略している。
【0086】
(図形表示手段42)
図形表示手段42は、ホテルの各階に予め設定されている量情報42aをサーバ23の記録部31bから取得し、その量の大きさを棒グラフの長さとして表示部1aに表示する。本実施形態では、量情報42aは、各階の安否が不明な宿泊者数である。設定されている量情報42aが複数ある場合は、ユーザ端末1を操作することにより、切り替えるようにしてもよい。
【0087】
(図形表示のためのプログラム)
図13は、ユーザ端末1で用いられるプログラム36aおよびサーバ23で用いられるサーバプログラム39aのそれぞれの処理の一実施形態を示すフローチャートである。
【0088】
(U15)ユーザ端末1のCPU30は、スタッフ26(図12参照)の入力に基づいて、安否確認が取れた宿泊者の情報4cを取得する。ここではグル―プを問わず、安保確認をしたスタッフ26が入力していく。宿泊者の情報4cとは、例えば、宿泊者、安否の状況、部屋番号などである。
【0089】
(U16)取得した宿泊者の情報4cをサーバ23に送信する。
【0090】
(S4)サーバのCPU30は、量情報42aを取得し、記録部31bの安否確認データベース(安否確認DBという)44(図3参照)に記録する。
【0091】
(安否確認DB44のデータ構造)
図14に安否確認DB44のデータ構造を示す。図に示している安否確認DB44は、宿泊者識別番号(以下、宿泊者IDという。)44a、安否の状況44b、部屋番号44c、宿泊階44dのデータが記録されている。
宿泊者ID44aは、宿泊者を特定するための情報であればよく、宿泊者の氏名、住所または電話番号に加え、それらに紐付けられた識別番号などを含む情報である。
安否の状況44bは、例えば、本実施形態では、〇印は避難している/避難完了を示し、×印は安否不明を示し、△印は避難できないことを示しており、それらに換算できる値・文字列の情報であればよい。
部屋番号44cおよび宿泊階44dは、数値、部屋名、階数を含み、それらに換算できる値・文字列の情報であればよい。
【0092】
(S5)図13に戻って、安否確認DB44を参照し、量情報42aを取得し、ユーザ端末1に量情報42aを送信する。本実施形態における量情報42aは、各階における安否が不明な宿泊者数、さらに部屋番号44c毎の安否の状況44bの情報である。
【0093】
(U17)ユーザ端末1は、量情報42aを取得する。本実施形態では、サーバ23から所定のタイミングで量情報42aを取得する。例えば0.1秒毎に取得する。
【0094】
(U18)各階の宿泊者の全数をほぼ画面の全幅の長さとし、各階の安否不明者数を全幅の長さに対する比で表した長さの棒グラフを形成し、表示部1aに表示する。
【0095】
(安否確認画面45)
図15は、各階における安否の不明者数を表示する画面の一実施形態を示す概略図である。図に示す安否確認画面45は、例えば、避難誘導画面11(図6参照)における画面部12aにタッチすることにより切り替わる画面である。なお、避難誘導画面11をスライドさせるなど、安否確認画面45を表示する方法は、従来公知の方法が用いられる。
安否確認画面45は、上端の共通画面部12と、中央の大部分を占める安否画面部46と、その下方の簡略画面部15と、下端の他グループ画面部14とからなる。
本実施形態では、共通画面部12の画面部12aの代わりに、報知機画面部45aが表示されている。報知機画面部45aをタッチすると、火災報知器25(図1参照)の今の様子を表した画面部45b(二点鎖線参照)が表示される。例えば、火災報知器25の画面部45bから火災の発生現場を確認することができる。その画像は、例えば、カメラ付きの監視装置29により得ることができる。
さらに本実施形態では、共通画面部12の下端縁には棒グラフ14a(図6参照)が表示されている。
【0096】
(全安否画面46)
全安否画面46は、複数の枠が積層された枠状図形46aと、それらの枠にそれぞれ配置される複数の棒状図形46bとからなる。枠状図形46aは、ホテル施設における階を表している。棒状図形46bは、その長さの短長により、安否不明者の数を表している。図において、棒状図形46bは斜線で示されている。さらに4階の画面部46cが細かな点で表現されているが、火災が発生した階であることを示している。具体的には、赤系統の色で表示されている。図では出火元を特定する情報46dとして、「南で火災」の文字が表示されている。出火元を特定する情報46dは、場所を特定する情報、例えば、部屋名、部屋番号などでもよい。
さらに、本実施形態では、全安否画面46の4階に相当する枠状図形46aをタッチすると、4階の各部屋の状況を表示する画面に切り替わる。
【0097】
(階安否画面47)
図16は、階安否画面47を示している。階安否画面47は、特定の階における部屋別の宿泊客の安否の状態を表示している。本実施系形態では、4階を表示している。
階安否画面47は、上端に設けられ、且つ、全安否画面46(図15参照)で選択した4階の画面部46cと、その下方に配置されている階見取図画面部48と、その下方に配置されている各部屋の安否の状態を示す部屋安否画面部49とからなる。
【0098】
(階見取図画面部48)
階見取図画面部48は、選択した階、ここでは4階の見取図を示している。その見取図には、例えば、部屋番号、部屋名などが記載されている。図では、右下の部屋に火元位置を示す図形48aが表示されている。
【0099】
(部屋安否画面部49)
部屋安否画面部49は、部屋番号毎に宿泊客の安否の状態の一覧を表示している。人型図形49aは、避難済みであることを示している。横棒は、宿泊客がいないことを示している。けが人図形49bは、けが人がいることを示している。クエスチョンマーク図形49cは、安否の確認が取れていないことを示している。
【0100】
[6.連携方法50]
(連携方法50)
次に図17を用いて、本発明の連携方法について説明する。図17は連携方法50を示す概略工程図である。連携方法50は、第1実施形態とほぼ同様の構成を備えているので、第1実施形態と重複する部分の説明は同じ符号を付して、その説明を省略する。
連携方法50は、準備工程(R0)と、災害情報を取得する工程(R1)と、行動情報を表示する工程(R2)と、行動の終了を取得する工程(R3)と、終了情報をサーバに送信する工程(R4)と、他端末の進捗状況を表示する工程(R5)と、次の行動情報を表示する工程(R6)とからなる。
【0101】
(R0)災害等の種別を含む災害情報2aに応じて、スタッフ26が実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報3aが、予め登録された記録部31aに記録されている。
【0102】
(R1)サーバ23から災害情報2aを取得する。
【0103】
(R2)災害情報2aに対応した行動情報3aを記録部31bから取得し、表示部1aに表示する。
【0104】
(R3)スタッフ26から入力されるものであり、且つ、1a表示部に表示された行動情報3aの実行終了の情報を含む終了情報4aを取得する。
【0105】
(R4)終了情報4aをサーバに送信する。
【0106】
(R5)サーバ23から他端末1bの終了情報6aを取得し、その終了情報6aに基づいて、他端末の進捗状況を含む他端末進捗情報6cを表示部1aに表示する。
【0107】
(R6)終了情報4aの取得に基づいて、次順の行動情報3aを記録部31aから取得し、表示部1aに表示する。
【0108】
[7.その他]
表示部1aに表示される文字情報は、日本語の他に、英語、中国語、韓国語などの外国語に変換できるようにしてもよい。
災害情報DB17には、訓練用の災害情報2aが記録されている。サーバ23に特定の入力をすることで、訓練用の災害情報2aがユーザ端末1に送信される。
本実施形態では、火災報知器25からサーバ23に火災の発生の情報を送信しているが、外部機器24から災害の発生および/またはその恐れに繋がる情報を送信してもよい。
外部情報取得装置29へ災害などの情報を送信する機器が、ユーザ端末1であってもよい。スタッフ26が施設内などで不審者を発見した場合に、その情報をサーバ23に送信する。これにより、不審者の情報をスタッフ26間で共有することができる。なお不審者の発見の他、初期の災害の発見についても同様に、ユーザ端末1を介してスタッフ26によりサーバ23に情報を送信するようにしてもよい。
上述した表示部1aに表示される画面部の位置は、図に示している以外の位置であってもよい。
上述した実施形態では、火災の場合について、3つのグループを設けていたが、1、2あるいは4以上のグループを設けてもよい。さらに他の災害についても同様にグループ分けしてもよい。
前述の実施形態に、変形例、他の実施形態、その他として記載した事項を、それぞれを適宜に組み合わせて用いることができる。
【0109】
[8.まとめ]
(1)本発明のユーザ端末1は、サーバ23が接続された通信網22に通信可能に接続され、且つ、スタッフ26に携帯されると共に表示部1aが設けられたユーザ端末であって、災害等の種別を含む災害情報2aに応じて、スタッフ26が実行すべき行動を含む順序付けられた複数の行動情報3aが、予め登録された記録部31aに記録されており、災害情報2aを取得する取得手段2と、行動情報3aを記録部31aから取得し、表示部1aに前記順序で表示する行動表示手段3と、スタッフ26からの入力により取得され、且つ、行動の終了の情報を含む終了情報4aを取得する入力取得手段4と、終了情報4aをサーバ23に送信する送信手段5と、サーバ23から他のユーザ端末1bの終了情報4bの取得に基づいて、他のユーザ端末1bの終了情報4bを含む他端末進捗情報6cを表示部1aに表示する他端末表示手段6とからなり、行動表示手段3は、終了情報4aの取得に基づいて、次順の行動情報3aを表示部1aに表示するものであることを特徴とする。
ユーザ端末1は、災害現場・訓練時において情報の共有を容易にする。また、災害現場・訓練時においてスタッフに適切な行動を促すことができる。さらに騒音、言い間違いなどのミスを防止する。さらに従前のような紙媒体のマニュアルが手元になくてもよい。
【0110】
(10)(11)ユーザ端末プログラム36、ユーザ端末を用いた連携方法50についても、上の(1)で述べたのと同様な作用・効果を奏する。
【0111】
(2)このようなユーザ端末1が、複数種の行動情報3aが予め登録されており、スタッフ26が複数のグループに分けられており、且つ、それらのグループ毎に異なる種類の行動情報3aが対応している場合は、グループ間の情報の共有を容易にする。
【0112】
(3)また行動情報3aが、行動毎に予め設定された所要時間を含む所要時間情報15dを備えており、行動表示手段3が、行動に要している行動時間を含む行動時間情報15cをさらに表示する場合は、スタッフが自身の進捗状況を確認しながら、災害時の対応をすることができる。
【0113】
(4)また行動情報3aおよび/または他端末行動情報6bが、所定の条件を満たすと、行動情報3aの代わりに、他端末の行動情報を表示部1aに表示する表示切替手段21を備えている場合は、所定の条件に基づいて、災害時において、スタッフを集中的に運用することができる。
【0114】
(5)また複数の枠が積層された枠状図形46aと、それらの枠にそれぞれ配置される複数の棒状図形46bとを表示部1aに表示する図形表示手段42を備えており、枠状図形46aは、施設における複数の階を表すものであり、図形表示手段42は、階の所定の状態における量42aを棒状図形46bの長さの短長として表示する場合は、階毎に状況を把握するのが容易になる。
【0115】
(6)本発明の防災システム10は、ユーザ端末1と、それらのユーザ端末と通信可能に接続されたサーバ23とからなり、サーバ23が災害情報2aを取得し、ユーザ端末1に送信する災害情報送信手段9を備えていることを特徴としている。このため、サーバを介して情報を容易に共有することができる。
【0116】
(7)このような防災システム10が、災害に関する外部からの情報を取得し、サーバ23に送信する外部情報取得装置29をさらに備えている場合は、気象情報などの外部からの情報に基づいて防災システムを動かすことができる。
【0117】
(8)また防災システム10が、災害の種別が火災であり、災害情報2aが火災情報であり、外部情報取得装置29が火災報知器25である場合は、火災報知器からの信号に基づいて、防災システムを動かすことができる。
【0118】
(9)また防災システム10が、災害の種別が火災であり、外部情報取得装置29が、火災報知器25に設けられた火災に基づいて発光する発光部25aを監視する監視装置29であり、災害情報2aが、監視装置29が発光部25aの画像に基づいて、発光部25aの色および点灯の有無を含む発光情報である場合は、火災報知器25から容易に情報を集めて、防災システムを動かすことができる。
【符号の説明】
【0119】
1 ユーザ端末
1a 表示部
1b 他のグループのユーザ端末
2 取得手段
2a 災害情報
3 行動表示手段
3a 行動情報
4 入力取得手段
4a 終了情報
4b 終了情報
4c 宿泊者の情報
5 送信手段
6 他端末表示手段
6a 他端末の終了情報
6b 他端末の行動情報
6c 他端末進捗情報
7 サーバ取得手段
8 サーバ送信手段
9 災害情報送信手段
10 防災システム
11 避難誘導画面
11a 初期消火グループの画面
11b 消防連絡グループの画面
12 共通画面部
12a 画面部
12b 画面部
12c 画面部
12d 画面部
12e 画面部
13 避難誘導グループ画面部
14 他グループ画面部
14a 棒グラフ
15 簡略画面部
15a イラスト画像
15b 簡略行動名
15c 行動時間(行動時間情報)
15d 所要時間(所要時間情報)
15e 円グラフ
16 行動画面部
16a 行動表示画面部
16b 終了画面部
16c 入力欄
16d ボタン部
16e 進捗情報
16f イラスト画面部
17 災害情報データベース(災害情報DB)
18
19
20 防災システム
21 表示切替手段
22 通信網
23 サーバ
24 火災報知器
24a 発光部
25 外部機器
26 スタッフ
26a 避難誘導グループ
26b 初期消火グループ
26c 消防連絡グループ
27 表示切替条件
28 行動情報データベース(行動情報DB)
28a 順番
28b 行動
29 外部情報取得装置
29a 取付具
30 CPU
31a メモリ(ユーザ端末の記録部)
31b メモリ(サーバの記憶部)
32 記録デバイス
33 接続ポート
34 通信回路
35 バスライン
36 ユーザ端末プログラム
36a ユーザ端末プログラム
37 ブラウザプログラム
38 OS
39 サーバプログラム
39a サーバプログラム
40 表示切替プログラム
41 防災システム
42 図形表示手段
42a 量情報
44 安否確認データベース(安否確認DB)
44a 宿泊者識別番号(宿泊者ID)
44b 安否の状況
44c 部屋番号
44d 宿泊階
45 安否確認画面
45a 報知機画面部
45b 画面部
46 安否画面部
46a 枠状図形
46b 棒状図形
46c 画面部
46d 出火元を特定する情報
47 階安否画面
48 階見取図画面部
48a 火元位置を示す図形
49 部屋安否画面部
49a 人型図形
49b けが人図形
49c クエスチョンマーク図形
50 連携方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17