(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】りん
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
A47G33/00 Z
(21)【出願番号】P 2020191740
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】309028732
【氏名又は名称】有限会社四津川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】四津川 晋
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3208528(JP,U)
【文献】特開2009-240770(JP,A)
【文献】特開2017-106992(JP,A)
【文献】登録実用新案第3147723(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放したりん本体と、りん本体上に載置される蓋体とを備え、蓋体は、
持ち手部を上方に突出して有するとともに、下面側から内部をくり抜いて空洞を形成してあり、空洞内における持ち手部の直下の位置から連結具で連結して吊り下げた打撃部を有し、連結具は、蓋体に対して打撃部を移動可能に連結するものであり、蓋体をりん本体上に載置したときに打撃部がりん本体内に隠れることを特徴とするりん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、りんに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の住宅では仏間を設けることが少なくなり、仏壇は小型の簡易的なものが主流となっている。仏壇が小型化するのに伴って、仏壇に置いて用いられるりんも小型化している。りんには、りんを打ち鳴らすためのりん棒がセットで用いられるが、小型の仏壇ではりん棒の置き場所に困っている。また、小型のりんを通常のりん棒で叩くと、りん棒からりんに直接的に力が伝わるためりんが大きく揺れたり、りん棒がりんに当たったときに弾かれずにりんに接触した状態に維持されたりすることで、うまく鳴らせない不都合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、小型のりんでも大きな音で鳴らすことのできるりんの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるりんは、上部が開放したりん本体と、りん本体上に載置される蓋体とを備え、蓋体は、持ち手部を上方に突出して有するとともに、下面側から内部をくり抜いて空洞を形成してあり、空洞内における持ち手部の直下の位置から連結具で連結して吊り下げた打撃部を有し、連結具は、蓋体に対して打撃部を移動可能に連結するものであり、蓋体をりん本体上に載置したときに打撃部がりん本体内に隠れることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明によるりんは、上部が開放したりん本体と、りん本体上に載置される蓋体とを備え、蓋体は、持ち手部を上方に突出して有するとともに、下面側から内部をくり抜いて空洞を形成してあり、空洞内における持ち手部の直下の位置から連結具で連結して吊り下げた打撃部を有し、連結具は、蓋体に対して打撃部を移動可能に連結するものであり、蓋体をりん本体上に載置したときに打撃部がりん本体内に隠れるようにしたので、りん打ち具を別途用意する必要がなく、りん本体と蓋体とが合わさってすっきりとした見栄えのする意匠にできる。りんを鳴らすときは、蓋体を持ち上げて打撃部を振り子のように揺らしてりん本体に衝突させることで、手の力がりん本体に直接伝わらないのでりん本体がほとんど揺れず、しかも打撃部がりん本体に当たった瞬間にりん本体から離れるので、小型のりんでも大きな音で鳴らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明のりん打ち具及びりんの第1実施形態を示す正面図である。
【
図3】同りん打ち具及びりんの使用状態を示す正面図である。
【
図4】本発明のりん打ち具の第2実施形態を示す平面図である。
【
図5】本発明のりん打ち具の第3実施形態を示す縦断面図である。
【
図6】本発明のりん打ち具の第4実施形態を示す斜視図である。
【
図7】本発明のりん打ち具の第5実施形態を示す正面図である。
【
図8】本発明のりん打ち具の第6実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~3は、本発明のりん打ち具及びりんの第1実施形態を示している。このりんは、
図1,2に示すように、上部が開放した椀型のりん本体1と、りん本体1の上に載置される蓋体2とを備え、蓋体2がりん打ち具を兼ねるものとなっている。このりんは、りん本体1の外径が4cm弱と小型の物となっている。
【0008】
りん本体1は、銅などの金属を削りだし又は鋳造して形成してある。蓋体2は、木を削りだして形成してあり、上部に持ち手部3が一体に設けてある。蓋体2は、外径がりん本体よりも一回り大きくなっている。このりんは、りん本体1と蓋体2とが合わさって、笠を被ったどんぐりをイメージさせる外観となっている。
【0009】
図2に示すように、蓋体2の下面の中央部には、可撓性を有する紐状体(連結具)5で連結して金属製の打撃部4が吊り下げて設けてある。打撃部4は、りん本体1と同じ金属を削りだして形成してあり、蓋体2をりん本体1上に載せた状態で、打撃部4がりん本体1内に隠れている。紐状体5は、例えば組紐を用いることができる。
【0010】
りんを鳴らすときは、
図3に示すように、持ち手部3を指でつまんで蓋体2を持ち上げ、打撃部4を振り子のようにゆらしてりん本体1に衝突させる。これにより、手の力がりん本体1に直接伝わらないのでりん本体1がほとんど揺れず、しかも打撃部4がりん本体1に当たった瞬間にりん本体1から離れるので、小型のりんでも大きな音で鳴らすことができる。
【0011】
図4は、本発明のりん打ち具6の第2実施形態を示している。このりん打ち具6は、金属や石などで形成した球状の打撃部4と、それよりも小さい球状の持ち手部3を備え、打撃部4と持ち手部3とが可撓性を有する紐状体5で連結してある。紐状体5は、曲がりやすいやわらかいものを使用している。
本実施形態のりん打ち具6も、第1実施形態と同様に、持ち手部3を持って打撃部4を振り子のように揺らしてりん本体1に衝突させることで、小型のりんでも大きな音で鳴らすことができる。
【0012】
図5は、本発明のりん打ち具6の第3実施形態を示している。このりん打ち具6は、第2実施形態と同様に、球状の打撃部4と球状の持ち手部3を可撓性を有する紐状体5で連結してある。紐状体5は、形態を維持することのできるやや硬いものを用いている。
そして、
図5(a)に示すものは、打撃部4をりん本体1の内底面の中央部に設けた凹部11に上方から嵌めることで、りん打ち具6を自立させられるようにしてある。
図5(b)に示すものは、打撃部4をりん本体1の内底面の中央部に設けた凸部12に上方から嵌めることで、りん打ち具6を自立させられるようにしてある。
本実施形態のりん打ち具6も、第1実施形態と同様に、持ち手部3を持って打撃部4を振り子のように揺らしてりん本体1に衝突させることで、小型のりんでも大きな音で鳴らすことができる。また、りん打ち具6を置くための専用のスペースが不要であり、しかも自立しているので手に取りやすく、使い勝手がよい。
【0013】
図6は、本発明のりん打ち具6の第4実施形態を示している。りん打ち具6自体は、第3実施形態と同様である。
図6(a)は、りん打ち具6と別に設けたリング状の支持具13に打撃部4を載せることで、りん打ち具6を自立させられるようにしている。
図6(b)は、りん打ち具6と別に設けた支持具13の突起14を打撃部4に設けた穴に差し込むことで、りん打ち具6を自立させられるようにしている。
【0014】
図7は、本発明のりん打ち具6の第5実施形態を示している。
図7(a)に示すものは、棒状の持ち手部3の先端部に、リング(連結具)7を介して打撃部4を移動可能に連結してある。
図7(b)に示すものは、棒状の持ち手部3の先端部に、S字フック(連結具)8を介して打撃部4を移動可能に連結してある。
図7(c)に示すものは、棒状の持ち手部3の先端部に、鎖(連結具)9を介して打撃部4を移動可能に連結してある。
図7(d)に示すものは、棒状の持ち手部3の先端部に、関節のように動くベアリング(連結具)10を介して打撃部4を移動可能に連結してある。
本実施形態のりん打ち具6は、持ち手部3を持って打撃部4をりん本体1に衝突させると、持ち手部3からりん本体1に直接力が伝わらないのでりん本体1がほとんど揺れず、しかも打撃部4がりん本体1に当たった瞬間にりん本体1から離れるので、小型のりんでも大きな音で鳴らすことができる。
【0015】
図8は、本発明のりん打ち具6の第6実施形態を示している。このりん打ち具6は、持ち手部3がリング状に形成されており、その持ち手部3に打撃部4が鎖9を介して移動可能に連結してある。
【0016】
以上に述べたように本発明によるりん打ち具2,6(第1~第6実施形態)は、持ち手部3と、打撃部4と、持ち手部3と打撃部4とを繋ぐ連結具5,7,8,9,10とから成り、連結具5,7,8,9,10は、持ち手部3に対して打撃部4を移動可能に連結するものであるため、持ち手部3を持って打撃部4を振り子のように揺らしてりん本体1に衝突させることで、手の力がりん本体1に直接伝わらないのでりん本体1がほとんど揺れず、しかも打撃部4がりん本体1に当たった瞬間にりん本体1から離れるので、小型のりんでも大きな音で鳴らすことができる。
さらに、本発明のりん打ち具(第1実施形態)2は、持ち手部3がりん本体1上に載置される蓋体2に一体成形されており、蓋体2をりん本体1上に載置すると打撃部4がりん本体1内に隠れるようにしたので、りん打ち具2を置くためのスペースが不要で、りん本体1と蓋体2とが合わさってすっきりとした見栄えのする意匠にでき、また、手に取りやすく使い勝手が良い。
本発明のりん(第1実施形態)は、上部が開放したりん本体1と、りん本体1上に載置される蓋体2とを備え、蓋体2は、下面の中央部より連結具5で連結して吊り下げた打撃部4を有し、連結具5は、蓋体2に対して打撃部4を移動可能に連結するものであり、蓋体2をりん本体1上に載置したときに打撃部4がりん本体1内に隠れるようにしたので、りん打ち具を別途用意する必要がなく、りん本体1と蓋体2とが合わさってすっきりとした見栄えのする意匠にできる。りんを鳴らすときは、蓋体2を持ち上げて打撃部4を振り子のように揺らしてりん本体1に衝突させることで、手の力がりん本体1に直接伝わらないのでりん本体1がほとんど揺れず、しかも打撃部4がりん本体1に当たった瞬間にりん本体1から離れるので、小型のりんでも大きな音で鳴らすことができる。
【0017】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。持ち手部の材質、形状は、適宜変更することができる。りん本体及び打撃部の材質、形状、大きさは、適宜変更することができる。持ち手部と打撃部とを連結する連結具は、持ち手部に対して打撃部を移動可能に連結するものであればよく、その具体的な構造は問わない。
【符号の説明】
【0018】
1 りん本体
2 蓋体(りん打ち具)
3 持ち手部
4 打撃部
5 紐状体(連結具)
6 りん打ち具
7 リング(連結具)
8 S字フック(連結具)
9 鎖(連結具)
10 ベアリング(連結具)