(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】中継コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 31/06 20060101AFI20240911BHJP
H01R 13/41 20060101ALI20240911BHJP
H01R 13/04 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H01R31/06 Z
H01R13/41
H01R13/04 Z
(21)【出願番号】P 2020210181
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 勝三郎
(72)【発明者】
【氏名】萬谷 祐人
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-059597(JP,A)
【文献】実開平06-060986(JP,U)
【文献】特開2014-049399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/06
H01R 13/41
H01R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側から嵌合される複数の前雌端子と後側から嵌合される複数の後雌端子とを接続する中継コネクタであって、
左右方向に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部と、を含むハウジングと、
前記左右方向に延びる基部と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブと、前記基部から上下方向の同側にそれぞれ延設される複数の延設部と、各前記延設部の延設端から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブと、を含むバスバと、を備え、
各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部と、を含み、
各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部と、を含み、
前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部と、を含
み、
各前記第2保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面に配置され、対応する前記前被保持部をそれぞれ嵌合保持する第2保持溝を含み、
前記第2保持溝が、前記上下方向に対向し、前記前被保持部を前記上下方向に位置決め保持する一対の内壁面を含む形状に形成されている、中継コネクタ。
【請求項2】
各前記第1保持部が、前記中間壁部を貫通し、対応する前記後被保持部が圧入固定される圧入孔を含む、請求項1に記載の中継コネクタ。
【請求項3】
前記上下方向に見たときに、各前記前被保持部が、前記左右方向の両側に突出する一対の凸部を含んで十字状に形成されている、請求項
1に記載の中継コネクタ。
【請求項4】
各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面に配置され、対応する前記延設部が突き当てられる突き当て部を含む、請求項1~
3に記載の中継コネクタ。
【請求項5】
各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の前記壁面に配置され、対応する前記延設部を嵌合保持する第3保持溝を含み、
前記第3保持溝が、前記突き当て部としての溝底面と、前記左右方向に対向し対応する前記延設部を前記左右方向に位置決め保持する一対の内壁面と、を含む形状に形成されている、請求項
4に記載の中継コネクタ。
【請求項6】
前記バスバが、前記左右方向に並べて複数配置され、
前記ハウジングが、前記左右方向に並べて複数配置され、それぞれ対応する前記バスバを前記前側から挿入配置するバスバ収容部を含み、
各前記バスバ収容部が、前記左右方向に対向する一対の区画壁部と前記上下方向に対向する一対の壁部とによって区画されており、
前記左右方向に隣接する前記バスバ収容部に収容された前記バスバの前記基部どうしが、互いの間に介在する前記区画壁部を介して互いに絶縁されている、請求項1~
3に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記一対の区画壁部と前記一対の壁部の一方とを結合する一対のコーナ部に、対応する前記バスバの前記基部の前記左右方向の一対の突端をそれぞれ前後方向に挿入案内する一対の案内溝がそれぞれ形成されている、請求項
6に記載の中継コネクタ。
【請求項8】
前側から嵌合される複数の前雌端子と後側から嵌合される複数の後雌端子とを接続する中継コネクタであって、
左右方向に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部と、を含むハウジングと、
前記左右方向に延びる基部と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブと、前記基部から上下方向の同側にそれぞれ延設される複数の延設部と、各前記延設部の延設端から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブと、を含むバスバと、を備え、
各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部と、を含み、
各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部と、を含み、
前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部と、を含み、
各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面に配置され、対応する前記延設部が突き当てられる突き当て部を含み、
各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の前記壁面に配置され、対応する前記延設部を嵌合保持する第3保持溝を含み、
前記第3保持溝は、対応する前記延設部が突き当てられる突き当て部としての溝底面と、前記左右方向に対向し対応する前記延設部を前記左右方向に位置決め保持する一対の内壁面と、を含む形状に形成されている、中継コネクタ。
【請求項9】
前側から嵌合される複数の前雌端子と後側から嵌合される複数の後雌端子とを接続する中継コネクタであって、
左右方向に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部と、を含むハウジングと、
前記左右方向に延びる基部と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブと、前記基部から上下方向の同側にそれぞれ延設される複数の延設部と、各前記延設部の延設端から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブと、を含むバスバと、を備え、
各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部と、を含み、
各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部と、を含み、
前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部と、を含み、
前記バスバが、前記左右方向に並べて複数配置され、
前記ハウジングが、前記左右方向に並べて複数配置され、それぞれ対応する前記バスバを前記前側から挿入配置するバスバ収容部を含み、
各前記バスバ収容部が、前記左右方向に対向する一対の区画壁部と前記上下方向に対向する一対の壁部とによって区画されており、
前記左右方向に隣接する前記バスバ収容部に収容された前記バスバの前記基部どうしが、互いの間に介在する前記区画壁部を介して互いに絶縁されており、
前記一対の区画壁部と前記一対の壁部の一方とを結合する一対のコーナ部に、対応する前記バスバの前記基部の前記左右方向の一対の突端をそれぞれ前後方向に挿入案内する一対の案内溝がそれぞれ形成されている、中継コネクタ。
【請求項10】
前側から嵌合される複数の前雌端子と後側から嵌合される複数の後雌端子とを接続する中継コネクタであって、
左右方向に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部と、を含み、単一の部材で一体に形成されたハウジングと、
前記左右方向に延びる基部と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブと、前記基部から上下方向の同側にそれぞれ延設される複数の延設部と、各前記延設部の延設端から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブと、を含むバスバと、を備え、
各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部と、を含み、
各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部と、を含み、
前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部と、を含み、
各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面に配置され、対応する前記延設部を嵌合保持する第3保持溝を含む、中継コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているジョイントコネクタでは、前後方向の両側から抜き差しされる雌端子に対するバスバとして、板状の本体部と前記本体部の互いに対向する二辺から延設された複数の雄端子部とを有するバスバが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記バスバでは、本体部と複数の雄端子部とが同一平面上に配置されるため、バスバをハウジングに保持する保持力が弱くなる。そこで、保持力を高くするために、バスバを保持する部分の前後方向の長さを長くすることが考えられる。しかしながら、バスバを保持する部分の前後方向の長さを長くした場合、ジョイントコネクタ(中継コネクタに相当)が大型化する。
【0005】
本発明の目的は、小型で且つバスバを保持する保持力が高い中継コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の中継コネクタ(1)は、前側から嵌合される複数の前雌端子(91)と後側から嵌合される複数の後雌端子(92)とを接続する中継コネクタであって、左右方向(Y)に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部(SF)と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部(SB)と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部(16)と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部(H)と、を含むハウジング(2)と、前記左右方向に延びる基部(4)と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブ(5)と、前記基部から上下方向(Z)の同側にそれぞれ延設される複数の延設部(6)と、各前記延設部の延設端(61)から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブ(7)と、を含むバスバ(3)と、を備え、各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部(53)と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部(54)と、を含み、各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部(73)と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部(74)と、を含み、前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部(31)と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部(32)と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部(33)と、を含み、各前記第2保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面(16a)に配置され、対応する前記前被保持部をそれぞれ嵌合保持する第2保持溝(32)を含み、前記第2保持溝が、前記上下方向に対向し、前記前被保持部を前記上下方向に位置決め保持する一対の内壁面(32a)を含む形状に形成されている、中継コネクタである。
【0007】
このような構成によれば、ハウジングのバスバ保持部が、第1保持部、第2保持部及び第3保持部を含む。バスバにおいて、第1保持部に保持される後タブの後被保持部と、第2保持部で保持される前タブの前被保持部と、第3保持部で保持される延設部とが、クランク状に配置され、しかも、クランク状の部分どうしが基部を介して連結される。このため、小型でも、バスバを保持する保持力が高い中継コネクタを実現することができる。また、中間壁部において前挿入凹部側の壁面に配置される第2保持部としての第2保持溝に、前タブの前被保持部が嵌合保持される。第2保持溝の一対の内壁面によって、前被保持部が、上下方向に位置決め保持される。前被保持部を介して、バスバが、上下方向に位置決め保持される。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
(2)各前記第1保持部が、前記中間壁部を貫通し、対応する前記後被保持部が圧入固定される圧入孔(31)を含んでいてもよい。この構成によれば、後タブの後被保持部が、第1保持部としての圧入孔に圧入固定されるので、バスバが、特に前後方向に強固に固定される。
【0009】
(3)前記上下方向に見たときに、各前記前被保持部が、前記左右方向の両側に突出する一対の凸部(71a)を含んで十字状に形成されていてもよい。この構成によれば、十字状を呈する前被保持部を介して、バスバが、上下方向に強固に位置決め保持される。
(4)各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面に配置され、対応する前記延設部が突き当てられる突き当て部(33a)を含んでいてもよい。この構成によれば、延設部が、中間壁部の前挿入凹部側の壁面に配置される突き当て部(第3保持部)に突き当てられる。このため、延設部を介してバスバを前後方向に精度良く位置決め保持することができる。
(5)各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の前記壁面に配置され、対応する前記延設部を嵌合保持する第3保持溝(33)を含み、前記第3保持溝が、前記突き当て部としての溝底面(33a)と、前記左右方向に対向し対応する前記延設部を前記左右方向に位置決め保持する一対の内壁面(33b)と、を含む形状に形成されていてもよい。
【0010】
この構成によれば、中間壁部の前挿入凹部側の壁面に配置される第3保持部としての第3保持溝に、延設部が嵌合保持される。第3保持溝の一対の内壁面によって、延設部が左右方向に位置決め保持され、第3保持溝の溝底面によって、延設部が、前後方向に位置決め保持される。これにより、延設部を介して、バスバが、前後方向及び左右方向に位置決め保持される。
(6)前記バスバが、前記左右方向に並べて複数配置され、前記ハウジングが、前記左右方向に並べて複数配置され、それぞれ対応する前記バスバを前記前側から挿入配置するバスバ収容部(B)を含み、各前記バスバ収容部が、前記左右方向に対向する一対の区画壁部(18)と前記上下方向に対向する一対の壁部(11,17;12,17)とによって区画されており、前記左右方向に隣接する前記バスバ収容部に収容された前記バスバの前記基部どうしが、互いの間に介在する前記区画壁部を介して互いに絶縁されていてもよい。
この構成によれば、隣接するバスバの基部どうしの短絡が防止される。
(7)前記一対の区画壁部と前記一対の壁部の一方とを結合する一対のコーナ部(C)に、対応する前記バスバの前記基部の前記左右方向の一対の突端をそれぞれ前後方向(X)に挿入案内する一対の案内溝(30)がそれぞれ形成されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、バスバを前挿入凹部側から組み込むときに、バスバの基部の左右方向の一対の突端が、一対の区画壁の一対の案内溝によって挿入案内されるので、中継コネクタを容易に組み立てることができる。
(8)本発明の一実施形態の中継コネクタは、前側から嵌合される複数の前雌端子と後側から嵌合される複数の後雌端子とを接続する中継コネクタであって、左右方向に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部と、を含むハウジングと、前記左右方向に延びる基部と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブと、前記基部から上下方向の同側にそれぞれ延設される複数の延設部と、各前記延設部の延設端から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブと、を含むバスバと、を備え、各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部と、を含み、各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部と、を含み、前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部と、を含み、各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面に配置され、対応する前記延設部が突き当てられる突き当て部を含み、各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の前記壁面に配置され、対応する前記延設部を嵌合保持する第3保持溝を含み、前記第3保持溝は、対応する前記延設部が突き当てられる突き当て部としての溝底面と、前記左右方向に対向し対応する前記延設部を前記左右方向に位置決め保持する一対の内壁面と、を含む形状に形成されている、中継コネクタを提供する。
(9)本発明の一実施形態の中継コネクタは、前側から嵌合される複数の前雌端子と後側から嵌合される複数の後雌端子とを接続する中継コネクタであって、左右方向に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部と、を含むハウジングと、前記左右方向に延びる基部と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブと、前記基部から上下方向の同側にそれぞれ延設される複数の延設部と、各前記延設部の延設端から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブと、を含むバスバと、を備え、各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部と、を含み、各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部と、を含み、前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部と、を含み、前記バスバが、前記左右方向に並べて複数配置され、前記ハウジングが、前記左右方向に並べて複数配置され、それぞれ対応する前記バスバを前記前側から挿入配置するバスバ収容部を含み、各前記バスバ収容部が、前記左右方向に対向する一対の区画壁部と前記上下方向に対向する一対の壁部とによって区画されており、前記左右方向に隣接する前記バスバ収容部に収容された前記バスバの前記基部どうしが、互いの間に介在する前記区画壁部を介して互いに絶縁されており、前記一対の区画壁部と前記一対の壁部の一方とを結合する一対のコーナ部に、対応する前記バスバの前記基部の前記左右方向の一対の突端をそれぞれ前後方向に挿入案内する一対の案内溝がそれぞれ形成されている、中継コネクタを提供する。
(10)本発明の一実施形態の中継コネクタは、前側から嵌合される複数の前雌端子と後側から嵌合される複数の後雌端子とを接続する中継コネクタであって、左右方向に並んで配置され各前記前雌端子がそれぞれ挿入される複数の前挿入凹部と、前記左右方向に並んで配置され各前記後雌端子がそれぞれ挿入される複数の後挿入凹部と、前記前挿入凹部と前記後挿入凹部とを前後に仕切る中間壁部と、前記中間壁部に配置されるバスバ保持部と、を含み、単一の部材で一体に形成されたハウジングと、前記左右方向に延びる基部と、前記基部から前記後挿入凹部側へ延びる複数の後タブと、前記基部から上下方向の同側にそれぞれ延設される複数の延設部と、各前記延設部の延設端から対応する前記前挿入凹部側へそれぞれ延びる複数の前タブと、を含むバスバと、を備え、各前記後タブが、前記基部に隣接する後被保持部と、前記後挿入凹部に収容される後雄端子部と、を含み、各前記前タブが、前記延設部の前記延設端に隣接する前被保持部と、前記前挿入凹部に収容される前雄端子部と、を含み、前記バスバ保持部が、各前記後タブの前記後被保持部をそれぞれ保持する複数の第1保持部と、各前記前タブの前記前被保持部をそれぞれ保持する複数の第2保持部と、各前記延設部をそれぞれ保持する複数の第3保持部と、を含み、各前記第3保持部が、前記中間壁部の前記前挿入凹部側の壁面に配置され、対応する前記延設部を嵌合保持する第3保持溝を含む、中継コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、小型でも高いバスバ保持力を得ることができる中継コネクタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の中継コネクタ及び雌端子の分解斜視図である。
【
図2】
図2Aは、第1バスバの斜視図であり、
図2Bは、第2バスバの斜視図である。
【
図3】
図3Aは、中継コネクタの斜視図であり、
図3は、中継コネクタの別角度からの斜視図である。
【
図8】
図8Aは、中継コネクタの断面図であり、
図4のVIIIA-VIIIA断面図に相当する。
図8Bは、
図8Aに対応する、ハウジングの断面図である。
【
図9】
図9Aは、中継コネクタの要部の正面拡大図であり、
図5の一部を拡大した図に相当する。
図9Bは、
図9Aに対応する、ハウジングの要部の正面拡大図である。
【
図12】
図12は、リテーナを用いる場合の中継コネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の一実施形態の中継コネクタ及び雌端子の分解斜視図である。
図1に示すように、中継コネクタ1は、前後方向Xの後側XBから(すなわち前側XFに向けて)嵌合される複数の前雌端子91と、前後方向Xの前側XFから(すなわち後側XBに向けて)嵌合される複数の後雌端子92とを接続する中継コネクタである。
【0015】
前雌端子91は、ランス93を有する角筒状の本体部94と、電線D1が接続される電線接続部95とを含む。後雌端子92は、ランス96を有する角筒状の本体部97と、電線D2が接続される電線接続部98とを含む。下記では、前後方向X、左右方向Y及び上下方向Zを直交する3方向として説明する。
中継コネクタ1は、ハウジング2と、左右方向Yに並べて配置された複数のバスバ3とを備える。
【0016】
まず、
図1、
図2A及び
図2Bを参照して、バスバ3を説明する。
図1に示すように、バスバ3は、上下2列に配列された上列バスバ3Uと下列バスバ3Lとを含む。
上列バスバ3Uは、互いに仕様の異なる複数種のバスバとして、例えば2種類の上列バスバ3Ua(
図2Aを参照)と上列バスバ3Ub(
図2Bを参照)とを含む。下列バスバ3Lは、互いに仕様の異なる複数種のバスバとして、例えば2種類の下列バスバ3Laと下列バスバ3Lbとを含む。上列バスバ3Ua、上列バスバ3Ub、下列バスバ3La及び下列バスバ3Lbを総称して言うときは、単にバスバ3と言う。
【0017】
図示の例では、一方の上列バスバ3Uaは、例えば6つが左右方向Yの左端位置から左右方向Yに並べて設けられている。また、他方の上列バスバ3Ubは、左右方向Yの右端位置に、例えば単一で設けられている。同様に、一方の下列バスバ3Laは、例えば6つが左右方向Yの左端位置から左右方向Yに並べて設けられている。また、他方の下列バスバ3Lbは、左右方向Yの右端位置に、例えば単一で設けられている。
【0018】
一方の上列バスバ3Uaと一方の下列バスバ3Laとは、上下対称な形状であり、共通の部材が向きを代えて用いられている。また、他方の上列バスバ3Ubと他方の下列バスバ3Lbとは、上下対称な形状であり、共通の部材が向きを代えて用いられている。
そこで、以下では、上列バスバ3U(3Ua,3Ub)を説明し、下列バスバ3L(3La,3Lb)については、説明を省略する。
【0019】
図2Aに示すように、一方の上列バスバ3Uaは、基部4と、2つの後タブ5と、2つの延設部6と、2つの前タブ7とを含む。
基部4は、左右方向Yに延びる矩形の板状部である。基部4は、後端縁4aと、前端縁4bと、左右方向Yの一対の突端4c(
図9Aも参照)とを含む。2つの後タブ5は、互いに左右方向Yに離隔しており、それぞれ基部4の後端縁4aから前後方向Xの後側XBに平行に延びている。
【0020】
各後タブ5は、角断面の片部であり、基端部51と、先端部52と、後被保持部53と、後雄端子部54とを含む。基端部51は、基部4に接続される。先端部52は、先細り状に形成されている。後被保持部53は、基部4の後端縁4aに隣接する部分であって、基端部51を含む部分である。具体的には、後被保持部53は、基端部51と、基端部51から左右方向Yの両側に突出する圧入突起51aとを含む。後雄端子部54は、後タブ5において、後被保持部53に対して先端部52側の部分であって、後雌端子92と嵌合接続される部分である。
【0021】
各延設部6は、基部4の前端縁4bから、上下方向Zの上側ZUに延びる片部である。各延設部6は、基部4と接続される基端61と、延設端62とを含む。
各前タブ7は、対応する延設部6の延設端62(上端に相当)から、それぞれ前後方向Xの前側XFに延びる。各前タブ7は、角断面の片部であり、基端部71と、先端部72と、前被保持部73と、前雄端子部74とを含む。基端部71は、対応する延設部6の延設端62に接続される。先端部72は、先細り状に形成されている。
【0022】
前被保持部73は、延設端62の前側XFに隣接する部分であって、基端部71を含む部分である。具体的には、前被保持部73は、基端部71と、基端部71から左右方向Yの両側に突出する一対の左右方向凸部71aとを含んで十字状に形成されている。前雄端子部74は、前タブ7において、前被保持部73に対して先端部72側の部分であって、前雌端子91と嵌合接続される部分である。
【0023】
図2Bに示すように、他方の上列バスバ3Ubは、基部4と、3つの後タブ5と、3つの延設部6と、3つの前タブ7とを含む。他方の上列バスバ3Ubは、一方の上列バスバ3Uaに対して、後タブ5、延設部6及び前タブ7の数を各一つ増加させた構成である。
次いで、ハウジング2を説明する。
図3Aは、中継コネクタ1の斜視図であり、
図3Bは、
図3Aとは別角度からの中継コネクタ1の視図である。
図4は、中継コネクタ1の平面図である。
図5は、中継コネクタ1の正面図である。
図6は、中継コネクタ1の側面図である。
図7は、中継コネクタ1の底面図である。
図8Aは、中継コネクタ1の断面図であり、
図4のVIIIA-VIIIA断面図に相当する。
図8Bは、
図8Aに対応する、ハウジング2の断面図である。
図9Aは、中継コネクタ1の要部の正面拡大図であり、
図5の一部を拡大した図に相当する。
図9Bは、
図9Aに対応する、ハウジング2の要部の正面拡大図である。
図10は、ハウジング2の平面図である。
図11は、ハウジング2の背面図である。
【0024】
図3A、
図3B、
図4~
図7を参照して、ハウジング2は、天壁部11と、底壁部12と、前壁部13と、後壁部14と、一対の側壁部15と、前後方向中間壁部16(
図8A及び
図8Bを参照)と、上下方向中間壁部17(
図8A及び
図8Bを参照)と、区画壁部18(
図9A及び
図9Bを参照)と、部分仕切り壁部19(
図9A及び
図9Bを参照)と、複数の前側バスバ収容部Fと、複数の後側バスバ収容部Bと、複数のバスバ保持部Hとを含む。ハウジング2は、絶縁性の合成樹脂材料で一体に成形されている。
【0025】
天壁部11は、前側部分11aと、後側部分11bと、中間凸部11cと、前係止孔11dと、後係止孔11eとを含む。底壁部12は、前側部分12aと、後側部分12bと、中間凸部12cと、前係止孔12dと、後係止孔12eとを含む。側壁部15は、前側部分15aと、後側部分15bと、中間凸部15cと、前側延設凸部15d、後側延設凸部15eと、各一対の係止突起15f,15gとを含む。
【0026】
天壁部11の中間凸部11cと、底壁部12の中間凸部12cと、側壁部15の中間凸部15cとは、互いに環状に連なっている。各前係止孔11d,12dと各後係止孔11e,12eには、前雌端子91のランス93と後雌端子92のランス96(
図1を参照)とがそれぞれ係止される。
前側バスバ収容部F、後側バスバ収容部B及びバスバ保持部Hは、それぞれ、バスバ3の数と同数で設けられている。
【0027】
前側バスバ収容部Fと、左右方向Yに並べて複数配置され、それぞれ対応するバスバ3を前側XFから挿入配置する。各前側バスバ収容部Fは、対応するバスバ3の前側部分(前タブ7の前雄端子部74)を収容する。各後側バスバ収容部Bは、対応するバスバ3の後側部分(後タブ5の後雄端子部54)を収容する。各バスバ保持部Hは、対応するバスバ3の前後方向Xの中間部分(後被保持部53、基部4及び前被保持部73)を保持する。
【0028】
前側バスバ収容部Fは、複数が左右方向Yに並ぶ列を形成し、且つ上下方向Zに並ぶ2列で(すなわち、上列前側バスバ収容部FUと下列前側バスバ収容部FLの2列で)配列されている。上列前側バスバ収容部FUと下列前側バスバ収容部FLを総称して言うときは、単に前側バスバ収容部Fと言う。
上列前側バスバ収容部FUは、一方の上列バスバ3Uaの前側部分を収容する一方の上列前側バスバ収容部FUaと、他方の上列バスバ3Ubの前側部分を収容する他方の上列前側バスバ収容部FUbとを含む。
【0029】
下列前側バスバ収容部FLは、一方の下列バスバ3Laの前側部分を収容する一方の下列前側バスバ収容部FLaと、他方の下列バスバ3Lbの前側部分を収容する他方の下列前側バスバ収容部FLbとを含む。
図5及び
図10に示すように、各前側バスバ収容部Fは、複数の前挿入凹部SFを内包する。各前挿入凹部SFは、前壁部13に開口している。前挿入凹部SFは、複数が左右方向Yに並ぶ列を形成し、且つ上下方向Zに並ぶ2列(上列前挿入凹部SFU及び下列前挿入凹部SFL)で配列されている。上列前挿入凹部SFUと下列前挿入凹部SFLとは、前側からみて、左右方向Yに延びる上下方向中間壁部17に対して上下に対称な形状に形成されている。上列前挿入凹部SFUと下列前挿入凹部SFLとを総称して言うときは、単に前挿入凹部SFと言う。
【0030】
図11に示すように、後側バスバ収容部Bは、複数が左右方向Yに並ぶ列を形成し、且つ上下方向Zに並ぶ2列で(すなわち、上列後側バスバ収容部BUと下列後側バスバ収容部BLの2列で)配列されている。上列後側バスバ収容部BUと下列後側バスバ収容部BLを総称して言うときは、単に後側バスバ収容部Bと言う。
上列後側バスバ収容部BUは、一方の上列バスバ3Uaの後側部分を収容する一方の上列後側バスバ収容部BUaと、他方の上列バスバ3Ubの後側部分を収容する他方の上列後側バスバ収容部BUbとを含む。
【0031】
下列後側バスバ収容部BLは、一方の下列バスバ3Laの後側部分を収容する一方の下列後側バスバ収容部BLaと、他方の下列バスバ3Lbの後側部分を収容する他方の下列後側バスバ収容部BLbとを含む。
後側バスバ収容部Bは、複数の後挿入凹部SBを内包する。後挿入凹部SBは、後壁部14に開口している。後挿入凹部SBは、左右方向Yに並ぶ列を形成し、且つ上下方向Zに並ぶ2列(上列後挿入凹部SBU及び下列後挿入凹部SBL)で配列されている。上列後挿入凹部SBUと下列後挿入凹部SBLとは、後側からみて、左右方向Yに延びる上下方向中間壁部17に対して上下に対称な形状に形成されている。上列後挿入凹部SBUと下列後挿入凹部SBLとを総称して言うときは、単に後挿入凹部SBと言う。
【0032】
上列前側バスバ収容部FUaと下列前側バスバ収容部FLaとは、上下に対称な形状であるので、下記では、上列前側バスバ収容部FUaに則して説明する。
図9A及び
図9Bに示すように、各上列前側バスバ収容部FUaは、左右方向Yに対向する一対の区画壁部18、18と、上下方向に対向する一対の壁部としての天壁部11及び上下方向中間壁部17と、前後方向中間壁部16の前壁面16aとで区画形成されている。一対の区画壁部18、18の間に、天壁部11から下側ZLである上下方向中間壁部17に向けて延びる部分仕切り壁部19が配置されている。
図5に示すように、一部の区画壁部18は、左右の側壁部15の内側に一体に形成されている。
【0033】
図5に示すように、左右方向Yに隣接する上列前側バスバ収容部FUに収容されるバスバ3Uどうし(具体的には、
図2Aを参照して基部4どうし。より具体的には、基部4の突端4cどうし)は、互いの間に介在する区画壁部18を介して互いに絶縁されている。
図9A及び
図9Bに示すように、部分仕切り壁部19と各区画壁部18との間に、上列前挿入凹部SFUがそれぞれ配置される。2つの上列前挿入凹部SFUは、部分仕切り壁部19によって、左右方向Yに部分的に仕切られている。2つの上列前挿入凹部SFUの下部が、互いに連通されている。2つの上列前挿入凹部SFUに対して上列バスバ3Uaの対応する前雄端子部74がそれぞれ収容配置される。
【0034】
各区画壁部18は、上下方向中間壁部17側に近い位置において、左右方向Yの両側に突出する凸部18a及び凸部18bを有している。また、部分仕切り壁部19は、下端部において、左右方向Yの両側に突出する凸部19a及び凸部19bを有している。
一対の区画壁部18と上下方向中間壁部17とを結合する一対のコーナ部Cに、一対の案内溝30が形成されている。一対の案内溝30は、対応するバスバ3の基部4の左右方向Yの一対の突端4cをそれぞれ前後方向X(
図9Aで紙面と直交する方向)に挿入案内する。一方の案内溝30は、一方の区画壁部18の凸部18bと上下方向中間壁部17との間に区画され、他方の案内溝30は、他方の区画壁部18の凸部18aと上下方向中間壁部17との間に区画されている。
【0035】
バスバ保持部Hは、第1保持部としての圧入孔31と、第2保持部としての第2保持溝32と、第3保持部としての第3保持溝33とを含む。
第1保持部としての圧入孔31は、前後方向中間壁部16を前後に貫通している。圧入孔31に対して後被保持部53が圧入固定される。
第2保持溝32は、前後方向中間壁部16の前壁面16aに形成され、左右方向Yに延びている。第2保持溝32は、前後方向中間壁部16を前後に貫通する貫通溝である。第2保持溝32は、前被保持部73を嵌合保持する。第2保持溝32は、上下方向Zに対向する一対の内壁面32aを含む。第2保持溝32の一対の内壁面32aが、前被保持部73を上下方向Zに位置決め保持する。
【0036】
第3保持溝33は、前後方向中間壁部16の前壁面16aに形成され、上下方向Zに延びている。第3保持溝33は、第2保持溝32の左右方向Yの中央部から上下方向中間壁部17まで上下方向Zに延びている。第2保持溝32と第3保持溝33とで、T字状を形成している。第3保持溝33は、一方の区画壁部18の凸部18bと部分仕切り壁部19の凸部19aとの間に配置される。また、第3保持溝33は、他方の区画壁部18の凸部18aと部分仕切り壁部19の凸部19bとの間に配置される。
【0037】
第3保持溝33は、延設部6を嵌合保持する。第3保持溝33は、溝底面33aと、左右方向Yに対向する一対の内壁面33bとを含む。溝底面33aは、延設部6が前側から突き当てられる突き当て部として機能し、延設部6を介してバスバ3を前後方向Xに位置決めする。一対の内壁面33bは、延設部6を左右方向Yに位置決め保持する。
本実施形態では、下記の作用効果を奏する。
【0038】
すなわち、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bに示すように、ハウジング2のバスバ保持部Hが、第1保持部(圧入孔31)、第2保持部(第2保持溝32)及び第3保持部(第3保持溝33)を含む。バスバ3において、第1保持部(圧入孔31)に保持される後タブ5の後被保持部53と、第2保持部(第2保持溝32)で保持される前タブ7の前被保持部73と、第3保持部(第3保持溝33)で保持される延設部6とが、クランク状に配置され(
図2Aも参照)、しかも、クランク状の部分どうしが基部4を介して連結される。このため、小型でも、バスバ3を保持する保持力が高い中継コネクタ1を実現することができる。
【0039】
また、後タブ5の後被保持部53が、第1保持部としての圧入孔31に圧入固定されるので、バスバ3が、特に前後方向Zに強固に固定される。
また、前後方向中間壁部16において前壁面16a(前挿入凹部SF側の壁面)に配置される第2保持部としての第2保持溝32に、前タブ7の前被保持部73が嵌合保持される。第2保持溝32の一対の内壁面32aによって、前被保持部73が、上下方向Zに位置決め保持される。これにより、前被保持部73を介して、バスバ3が、上下方向Zに位置決め保持される。
【0040】
上下方向Zに見たときに、前被保持部73が、左右方向Yの両側に突出する一対の左右方向凸部71a(
図2Aを参照)を含んで十字状に形成される。このため、十字状を呈する前被保持部73を介して、バスバ3が、上下方向Zに強固に位置決め保持される。
また、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bに示すように、バスバ3の延設部6が、前後方向中間壁部16の前壁面16aに配置される突き当て部(第3保持溝33の溝底面33a)に突き当てられる。このため、延設部6を介してバスバ3を前後方向XZ精度良く位置決め保持することができる。
【0041】
また、前後方向中間壁部16の前壁面16aに配置される第3保持部としての第3保持溝33に、バスバ3の延設部6が嵌合保持される。第3保持溝33の一対の内壁面33bによって、延設部6が左右方向Yに位置決め保持され、第3保持溝33の溝底面33a(突き当て部)によって、延設部6が、前後方向Xに位置決め保持される。これにより、延設部6を介して、バスバ3が、前後方向X及び左右方向Yに位置決め保持される。
【0042】
また、バスバ3を前側XFから挿入配置する前側バスバ収容部Fが、左右方向Yに対向する一対の区画壁部18と上下方向Zに対向する天壁部11及び上下方向中間壁部17(底壁部12及び上下方向中間壁部17)とによって区画されている。左右方向Yに隣接する前側バスバ収容部Fに収容されるバスバ3の基部4どうしは、互いの間に介在する区画壁部18を介して互いに絶縁されている。このため、隣接するバスバ3の基部4どうしの短絡が防止される。
【0043】
また、一対の区画壁部18と例えば上下方向中間壁部17とを結合する一対のコーナ部Cに、バスバ3の基部4の左右方向Yの一対の突端4cをそれぞれ前後方向Xに挿入案内する一対の案内溝30が形成されている。
このため、バスバ3を前挿入凹部SF側から組み込むときに、バスバ3の基部4の左右方向Yの一対の突端4cが、一対の案内溝30によって挿入案内されるので、中継コネクタ1を容易に組み立てることができる。
【0044】
また、バスバ3によれば、中継コネクタ1に好適に用いることができるバスバを提供することができ、中継コネクタ1に前記した作用効果を発揮させることができる。
また、
図12に示すようにリテーナ8を用いて、各雌端子(
図1を参照)を抜け止めしてもよい。
図13に示すように、リテーナ8は、第1壁部81と、一対の第2壁部82と、第3壁部83と、一対の弾性フック84とを含む。第1壁部81は、天壁部11の前側部分11a及び後側部分11b、底壁部12の前側部分12a及び後側部分12b(
図8Aを参照)をそれぞれ覆う。また、一対の第2壁部82は、各側壁部15の対応する部分を覆う。第3壁部83は、対応する雌端子の本体部94,97(
図1を参照)に係止される。弾性フック84は、対応する係止突起15f,15gに弾性的に乗り越え係止する。
【0045】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上列バスバ3U及び下列バスバ3Lの少なくとも一方が、単一仕様のバスバで構成されていてもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0046】
1 中継コネクタ
2 ハウジング
3 バスバ
4 基部
4c 突端
5 後タブ
6 延設部
7 前タブ
11 天壁部
12 底壁部
16 前後方向中間壁部
16a 前壁面
17 上下方向中間壁部
18 区画壁部
18a,18b 凸部
19 部分仕切り壁部
19a,19b 凸部
30 案内溝
31 圧入孔(第1保持部)
32 第2保持溝(第2保持部)
32a 内壁面
33 第3保持溝(第3保持部)
33a 溝底面(突き当て部)
33b 内壁面
53 後被保持部
54 後雄端子部
62 延設端
71 基端部
71a 左右方向凸部
73 前被保持部
74 前雄端子部
91 前雌端子
92 後雌端子
B 後側バスバ収容部
BLa,BLb(BL) 下列後側バスバ収容部
BUa,BUb(BU) 上列後側バスバ収容部
C コーナ部
F 前側バスバ収容部
FLa,FLb(FL) 下列前側バスバ収容部
FUa,FUb(FU) 上列前側バスバ収容部
H バスバ保持部
SB 後挿入凹部
SBL 下列後挿入凹部
SBU 上列後挿入凹部
SF 前挿入凹部
SFL 下列前挿入凹部
SFU 上列前挿入凹部
X 前後方向
XB 後側
XF 前側
Y 左右方向
Z 上下方向
ZU 上側
ZL 下側