IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドギーマンハヤシ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-設置型グルーミング装置 図1
  • 特許-設置型グルーミング装置 図2
  • 特許-設置型グルーミング装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】設置型グルーミング装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
A01K13/00 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021563919
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(86)【国際出願番号】 JP2020045229
(87)【国際公開番号】W WO2021117629
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2019222214
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】林 明雄
(72)【発明者】
【氏名】沖 政志
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4926796(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0020640(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0039558(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状ブラシと、前記ブラシを着脱可能に取り付けるための本体と、を具備する設置型グルーミング装置であって、
前記本体の背面が、平面状部分及び凹状部分を有し、
前記凹状部分が、互いに隣接する湾曲状凹部及び略V字状凹部を有すること、
を特徴とする設置型グルーミング装置。
【請求項2】
前記略V字状凹部の角度が75~100°であること、
を特徴とする請求項1に記載の設置型グルーミング装置。
【請求項3】
前記本体を略円柱状の被設置部に固定するために前記背面に着脱可能に取り付けられる略アーム状固定具を具備し、
前記固定具は、前記本体と前記固定具との間に前記被設置物を挟んだ状態で、前記本体を前記被設置物に固定可能であること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の設置型グルーミング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫等のペットが自らグルーミングできるブラシを含む設置型グルーミング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫等のペットは、毛を梳いて手入れをする通称グルーミングと呼ばれる手入れがなされる。これは元来、馬の毛並みを整えたり、ノミや寄生虫を除去したりするために行われていたが、近年は屋内にてペットを飼うため、抜け毛の対策とメンタルケアとの理由からグルーミングは頻繁に行われ、ブラシの種類も多様化している。
【0003】
ここで、例えば特許文献1(特開2018-088861号公報)には、ペットのグルーミングにおいて、人力によらず自動にて対応できる装置を提供することを目的としたグルーミングボールが提案されている。
【0004】
より具体的には、「略円弧状となるブリスルを備え、垂直に設置される円筒形ブラシであって、該円筒形ブラシはペットによる加圧を感知することにより、連結された駆動部の回転機構が作動し、時計回りの回転と反時計回りの回転との其々1基ずつの円筒形ブラシを備え、且つ水平に設置される円筒形ブラシは、伝達ロッドと伝達アームとにより昇降可能とすることを特徴とするペットブラッシュ。」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-088861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のペットブラッシュ(グルーミングボール)は、電動モーター等の駆動部は加圧センサを必要としていることから構造が複雑であり、また、ベースプレートを有していることから床等に配置しなければならず場所をとるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、かつ場所を取らずに壁等の被設置部に簡便かつ容易に設置することができ、ペットが自らグルーミング可能な設置型グルーミング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
略円筒状ブラシと、前記ブラシを着脱可能に取り付けるための本体と、を具備する設置型グルーミング装置であって、
前記本体の背面が、平面状部分及び凹状部分を有し、
前記凹状部分が、互いに隣接する湾曲状凹部及び略V字状凹部を有すること、
を特徴とする設置型グルーミング装置、を提供する。
【0009】
このような構成を有する本発明の設置型グルーミング装置は、平面状部分を有することから、平面状の壁等の被設置部に当接させることができ、また、凹状部分を有することから、壁の角部や略円柱等の被設置部にも当接させることができることから、種々の被設置部に簡便かつ容易に設置することができ、ペットが自らグルーミングすることが可能である。
【0010】
また、上記本発明の設置型グルーミング装置においては、前記略V字状凹部の開き具合(角度)が75~100°であること、が好ましい。
【0011】
更に、上記本発明の設置型グルーミング装置は、前記本体を略円柱状の被設置部に固定するために前記背面に着脱可能に取り付けられる略アーム状固定具を具備し、前記固定具は、前記本体と前記固定具との間に前記被設置物を挟んだ状態で、前記本体を前記被設置物に固定可能であること、が好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な構造で、かつ場所を取らずに壁等の被設置部に簡便かつ容易に設置することができ、ペットが自らグルーミング可能な設置型グルーミング装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る設置型グルーミング装置1の構成を示す概略図であり、(a)は設置型グルーミング装置1の斜視図、(b)は設置型グルーミング装置1の本体4を背面4aからみた斜視図、(c)は本体4を上方からみた平面図である。
図2】設置型グルーミング装置1を被設置部に設置する場合の態様を説明するための概略図である。
図3】設置型グルーミング装置1を被設置部に設置する場合の態様を説明するための別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の代表的な実施形態に係る設置型グルーミング装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0015】
ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る設置型グルーミング装置1の構成を示す概略図である。図1の(a)に示すように、設置型グルーミング装置1は、略円筒状ブラシ2と、ブラシ2を着脱可能に取り付けるための本体4と、を具備している。
【0016】
略円筒状ブラシ2は、略半円筒状の基部2aと、基部2aに設けられた無数の略線状乃至は略針状の長さを有する突起部2bと、を有しており、本体4に着脱可能に取り付けられるものである。この略円筒状ブラシ2は、例えば可撓性及び柔軟性を有する樹脂又はゴム等で構成されている。
【0017】
本体4は、厚みを有する板状で略半円環状の上端部6a及び下端部6bを有し、背面4aが、上端部6a及び下端部6bを接続する両側の平面状部分8と、平面状部分8の間に連続して位置する凹状部分10を有している。この本体4は、例えば剛性を有する樹脂等で一体成形により構成されている。
【0018】
そして、凹状部分10は、上端部6aと下端部6bとの間において、互いに隣接乃至は連続して湾曲状凹部10a及び略V字状凹部10bを有している。本体4の下方部には、平面状部分8及び略V字状凹部10bにわたって固定具12が設けられているが、これについては後述する。
【0019】
湾曲状凹部10aは、上端部6aに臨んでおり、滑らかな湾曲状であってもよいが、図1の(b)及び(c)に示すように、多角形状に形成されていて実質的に湾曲状の構成となっていてもよい。
【0020】
また、略V字状凹部10bは、本体4の背面4aの略中央領域から下端部6bまで設けられており、その角度αは、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限はないが、例えば75~100°であればよく、特に80~95°であることが好ましい。
【0021】
次に、設置型グルーミング装置1を被設置部に設置する場合の態様(本体4の部分)について説明する。図2の(a)に示すように、本体4の背面4aの両側の平面状部分8に両面テープ14を貼付することにより、平面状の壁等の平面状部を被設置部として、平面状部分8を当接・貼付させて本実施形態の設置型グルーミング装置1を設置することができる。
【0022】
また、図2の(b)に示すように、略V字状凹部10bに両面テープ14を貼付することにより、壁等の角部を被設置部として、略V字状凹部10bを当接・貼付させて本実施形態の設置型グルーミング装置1を設置することができる。
【0023】
更に、図3に示すように、本実施形態の設置型グルーミング装置1は、例えばキャットポール等の略円柱状(棒状)の被設置部にも取り付けて設置することが可能である。前述のように、本体4の下方部には、平面状部分8及び略V字状凹部10bにわたって固定具12が設けられている。
【0024】
本実施形態においてこの固定具12は、本体4に一体成形により内蔵するように連結して形成されており、この連結は、例えばプラモデルのパーツのように、本体4に部分的に連結されており、ハサミやニッパで切り取ることにより取り外すことのできる構成となっている(図3の(a))。
【0025】
固定具12は、主要部12a及び両側の端部12bで構成された厚みを有するアーム状の形状を有しており、その主要部12aは、本体4を構成する略V字状凹部10bと略同一の角度及び形状を踏襲し、端部12bは、本体4を構成する平面状部分10aの形状を踏襲している。
【0026】
被設置部である略円柱状(棒状)のキャットポール16に取り付ける場合には、本体4の背面4aの凹状部分10にキャットポール16を当接し、固定具12と本体4とでこのキャットポール16を挟むようにして、固定具12を本体4の平面状部分8にビス等で止めればよい(図3の(b))。
【0027】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0028】
1・・・設置型グルーミング装置
2・・・ブラシ
2a・・・基部
2b・・・突起部
4・・・本体
4a・・・背面
6a・・・上端部
6b・・・下端部
8・・・平面状部分
10・・・凹状部分
10a・・・湾曲状凹部
10b・・・略V字状凹部
12・・・固定具
14・・・両面テープ
16・・・キャットポール
図1
図2
図3