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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/50 20220101AFI20240911BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20240911BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20240911BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240911BHJP
【FI】
H05B45/50
H05B45/345
H05B45/37
H05B45/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023124834
(22)【出願日】2023-07-31
(65)【公開番号】P2024066433
(43)【公開日】2024-05-15
【審査請求日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2022174788
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504174434
【氏名又は名称】レボックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(74)【代理人】
【識別番号】100135862
【弁理士】
【氏名又は名称】金木 章郎
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 進志
(72)【発明者】
【氏名】幅崎 智靖
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 恒行
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章仁
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-082434(JP,A)
【文献】特開2020-205201(JP,A)
【文献】特開2020-107526(JP,A)
【文献】特開2009-016460(JP,A)
【文献】特開2017-112053(JP,A)
【文献】特開2011-009701(JP,A)
【文献】特開2020-161383(JP,A)
【文献】特開2011-100720(JP,A)
【文献】特開2020-038772(JP,A)
【文献】登録実用新案第3234266(JP,U)
【文献】特開2019-061854(JP,A)
【文献】特開2017-168351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/50
H05B 45/345
H05B 45/37
H05B 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給電力を出力する電源を有する電源装置と、
前記電源装置と互いに離隔して配置可能であり、ケーブルによって電気的に前記電源装置と接続可能であり、前記ケーブルを介して前記電源装置から出力された前記供給電力が供給される照明装置と、を備え、
前記照明装置は、各々が少なくとも1つの光源部を有する複数の光源制御基板を有し、
前記電源装置は、前記複数の光源制御基板の各々の前記光源部に前記供給電力を共通して出力し、
前記複数の光源制御基板の各々は、前記供給電力に関する情報を取得する取得部を有し、前記取得部によって取得された取得結果を前記電源装置に前記ケーブルを介して出力し、
前記電源装置は、電源制御部を有し、
前記電源制御部は、前記複数の光源制御基板の各々から出力された複数の取得結果に含まれる複数の取得電圧値のうちの最も小さい取得電圧値と目標電圧値とを比較した結果に応じて、前記複数の光源制御基板の各々の前記光源部に共通して出力する前記供給電力を新たに決定し、
前記目標電圧値は、冗長電圧値を含み、
前記冗長電圧値は、前記光源部の電位特性のばらつきを含めて決定されている、照明システム。
【請求項2】
前記複数の光源制御基板の各々は、
前記複数の光源制御基板の各々が有する前記光源部を駆動するための駆動電流を前記供給電力から生成する電流生成部を、さらに有し、
前記複数の光源制御基板の各々において、
前記取得部は、前記光源部と前記電流生成部との間において、供給電力に関する情報を取得する、請求項に記載の照明システム。
【請求項3】
前記複数の光源制御基板が、前記照明装置において、所定の方向に沿って配置され、
前記照明装置は、前記ケーブルが電気的に接続されるケーブル接続部を有し、
前記複数の光源制御基板は、
前記ケーブル接続部に最も近くに配置される最近位置光源制御基板と、
前記ケーブル接続部から最も遠くに配置される最遠位置光源制御基板と、
を含み、
前記ケーブルは、
前記電源装置からの供給電力を前記複数の光源制御基板の各々に供給するための電源供給線は、前記電源装置から前記光源制御基板までの前記電源供給線の長さが、前記最近位置光源制御基板から前記最遠位置光源制御基板に向かうに従って長くなる、請求項に記載の照明システム。
【請求項4】
前記電源供給線が、直列に接続された直列接続供給線を含む、請求項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記照明装置は、長尺な形状を有し、
前記複数の光源制御基板が、前記照明装置の長手方向に沿って配置された、請求項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記複数の光源制御基板の各々は、
前記複数の光源制御基板の各々の前記光源部から発する光の明るさを前記複数の光源制御基板ごとに調整する、請求項に記載の照明システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記電源装置と前記複数の光源制御基板の各々との間において、供給電力に関する情報を前記複数の光源制御基板ごとに取得する、請求項に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力を低下させることを目的とした照明装置が知られている。例えば、発光ダイオードを常時に点灯させずに時分割に点灯させることで、消灯状態の時間を設けて、全体として消費電力を低下させる照明装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、発光ダイオードの駆動回路を2つ設けて、一方の駆動回路は、定電流駆動のみをし、他方の駆動回路は、定電流かつパルス駆動をする照明装置がある(例えば、特許文献2参照)。この照明装置もパルス駆動することで消灯状態の時間を設け、全体として消費電力を低下させる照明装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-319707
【文献】特開2012-69826号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した照明装置は、消灯状態の時間を設けて制御する装置であったため、常に対象物を照明するわけでない。例えば、対象物の検査などの目的で照明するときに、検査の内容によっては、常時に点灯させていなければいけない場合があり、従来の照明装置は、適切に対象物を照明することができなかった。このため、対象物を適宜に照明しつつ消費電力を低減できる照明装置が望まれている。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、電源から光源に供給する供給電圧を稼働状況に応じて制御できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による照明システムの特徴は、
供給電力を出力する電源を有する電源装置と、
前記電源装置と互いに離隔して配置可能であり、ケーブルによって電気的に前記電源装置と接続可能であり、前記ケーブルを介して前記電源装置から出力された前記供給電力が供給される照明装置と、を備え、
前記照明装置は、各々が少なくとも1つの光源部を有する複数の光源制御基板を有し、
前記電源装置は、前記複数の光源制御基板の各々の前記光源部に前記供給電力を共通して出力し、
前記複数の光源制御基板の各々は、前記供給電力に関する情報を取得する取得部を有し、前記取得部によって取得された取得結果を前記電源装置に前記ケーブルを介して出力し、
前記電源装置は、電源制御部を有し、
前記電源制御部は、前記複数の光源制御基板の各々から出力された複数の取得結果に含まれる複数の取得電圧値のうちの最も小さい取得電圧値と目標電圧値とを比較した結果に応じて、前記複数の光源制御基板の各々の前記光源部に共通して出力する前記供給電力を新たに決定し、
前記目標電圧値は、冗長電圧値を含み、
前記冗長電圧値は、前記光源部の電位特性のばらつきを含めて決定されている、ことである。
【発明の効果】
【0008】
電源から光源に供給する供給電圧を稼働状況に応じて制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態による照明装置100の構成を示す斜視図である。
図2】照明装置100の機能を示す機能ブロック図である。
図3】電源電圧供給部120、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182B及び定電流回路基板150の構成を示す概略図である。
図4】制御部140による電源電圧供給部120の電源電圧の制御の処理を示すフローチャートである。
図5】電源電圧の制御の過程を示すテーブルである。
図6】第2の実施の形態による照明装置200の構成を示す斜視図である。
図7】照明部200Bの光学系の構成を示す斜視図である。
図8】照明装置200の機能を示す機能ブロック図である。
図9】電源部200Aの電源222と照明部200Bのn個の発光基板250との具体的な構成を示す概略図である。
図10】発光基板250の基板制御部290による制御の処理を示すフローチャートである。
図11】電源部200Aの主制御部240による制御の処理を示すフローチャートである。
図12】電源電圧の制御の過程を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
以下では、本実施の形態の概要について、第1の態様~第12の態様として説明する。
【0011】
<<第1の態様>>
第1の態様の一つの目的は、簡素な構成でかつ稼働状態に応じた電源電圧を調整して照明できる照明装置を提供することである。
【0012】
例えば、検査用などの照明装置は、長時間に亘って使用される場合が多い。このため、長時間に亘ってLEDなどの発光素子や各種の電子部品などが発熱した状態が継続する場合がある。また、検査条件によっては、発光強度を大きくする必要がある場合もある。このため、発熱によって発光素子や電子部品などの寿命が短くなる可能性が生ずる。
【0013】
一方、発光状態を安定化させるために、電源電圧を積極的に大きくして発光素子などに供給して、対象物を照明する場合も想定される。
【0014】
このようなことから、照明装置の稼働条件や稼働状態に応じた適切な供給電圧を光源に適宜に供給できる照明装置が望まれている。
【0015】
第1の態様によれば、
光を発する少なくとも1つの光源部(後述する発光部180など)と、
前記光源部に供給電圧を供給する電源(後述する電源電圧供給部120など)と、
前記光源部に供給された供給電圧に関する情報を取得する取得部(後述する赤色用電圧検出部170R、緑色用電圧検出部170G、青色用電圧検出部170Bなど)と、
前記取得部によって取得された取得情報に基づいて、前記電源から前記光源部に供給する供給電圧を決定し、決定した供給電圧を前記電源に指示する制御部(後述する制御部140など)と、を備える照明装置が提供される。
【0016】
第1の態様による照明装置は、光源部と電源と取得部と制御部とを備える。
【0017】
光源部は、光を発する少なくとも1つの発光素子や発光体などを有する。
【0018】
電源は、光源部に供給電圧を供給する。
【0019】
取得部は、光源部に供給された供給電圧に関する情報を取得する。取得部は、電源から出力された直後の供給電圧(上流側や高電位側の電圧)を取得してもよい。また、取得部は、電源から出力された直後の供給電圧そのものを取得せずに、供給電圧に関する電圧や電流などの情報を取得すればよい。例えば、供給電圧が供給された後、光源部などの各種の光学素子や回路部品などを経た後の電圧(下流側や低電位側の電圧)や電流などの情報を取得してもよい。取得部は、供給電圧に基づく電圧や電流などの情報を取得してもよい。供給電圧を制御することができる情報であればよい。
【0020】
制御部は、まず、取得部によって取得された取得情報に基づいて、電源から光源部に供給する供給電圧を決定する。制御部は、取得情報に基づいて、供給電圧を大きくすべきか、小さくすべきか、維持すべきかを判断する。制御部は、供給電圧を変化させる場合には、供給電圧の変化量や最終的な目標とする供給電圧を決定する。さらに、制御部は、最終的な目標とする供給電圧を電源に指示する。電源は、この指示に応じて、最終的な目標とする供給電圧を光源部に供給するように動作する。
【0021】
このように、光源部に供給された供給電圧に関する情報を取得して、電源に対して指示をするので、照明装置の稼働条件や稼働状態に応じた適切な供給電圧を光源に供給することができる。
【0022】
<<第2の態様>>
発光素子や電子部品などが発熱した状態が継続した場合には、発光素子や電子部品などの寿命が短くなる可能性が生ずる。このようなことから、少しでも低電力化して発光素子や電子部品などの寿命を長くできる照明装置が望まれる。
【0023】
第2の態様は、第1の態様において、
前記制御部は、前記取得情報に含まれる取得電圧値が目標電圧値(例えば、後述するVdsとVrとVmとの和など)以上である場合には、前記供給電圧よりも小さい新たな供給電圧(例えば、後述する電源電圧値など)を示す供給電圧情報を前記電源に供給する。
【0024】
過剰な供給電圧が光源に供給されていた場合には、供給電圧を小さくして、発熱を抑えるとともに、消費電力を小さくできる。
【0025】
<<第3の態様>>
さらに、必要最低限の電源電圧で発光素子や電子部品などを駆動できればよい照明装置も望まれる。
【0026】
第3の態様は、第2の態様において、
前記目標電圧値は、前記光源部の駆動に必要な最小駆動電圧(例えば、後述するVfとdsとVrの和など)よりも大きい。
【0027】
最小駆動電圧とすることで、供給電圧必要最小限に小さくして、発熱を十分に抑えるとともに、消費電力を有効に小さくできる。
【0028】
<<第4の態様>>
さらにまた、発光素子や電子部品などに供給している電源電圧が適切か否かを判断できる照明装置も望まれる。
【0029】
第4の態様は、第3の態様において、
前記制御部は、前記新たな供給電圧にした後に、前記取得部によって取得された取得情報に含まれる取得電圧値が前記目標電圧値以上であるか否かを判断する(例えば、後述するステップS325など)。
【0030】
照明装置の安定した稼働状態を確認しながら、供給電圧を変更することができる。
【0031】
<<第5の態様>>
また、電源電圧を調節する場合に、直ちに変更するのではなく、稼働状態などを逐次判断して、電源電圧が適切か否かを判断できる照明装置も望まれる。
【0032】
第5の態様は、第4の態様において、
前記制御部は、前記取得情報に含まれる取得電圧値が前記目標電圧値以上である場合には、前記供給電圧を調整電圧(例えば、後述する0.1ボルトなど)だけ小さくした電圧(例えば、後述する減少途中電源電圧値)を前記新たな供給電圧とする。
【0033】
供給電圧を徐々に変更することができ、照明装置の稼働状態を確認しながら、安定した状態を保ちつつ供給電圧を変更することができる。
【0034】
<<第6の態様>>
発光素子などの光源部から発する光の明るさを所望するものにしつつ、電源電圧を調整できる照明装置も望まれる。
【0035】
第6の態様は、第5の態様において、
前記光源部を駆動するための駆動電流を前記供給電圧から生成する電流生成部を、さらに備える。
【0036】
供給電圧の制御とは別に、電流生成部を有するので、光源部から発する光の明るさを一定に保ちつつ、供給電圧を変更することができる。
【0037】
<<第7の態様>>
第7の態様の一つの目的は、簡素な構成でかつ稼働状態に応じた電源電圧を調整して照明できる照明装置を提供することである。
【0038】
複数の光源部を有する照明装置の場合には、全ての光源部に供給する電源電圧を別個に独立して調整できれば、複数の光源部の各々の稼働状態に応じた適切な供給電圧を、複数の光源部ごとに供給して、複数の光源部の全体を最適化することができる。
【0039】
しかしながら、複数の光源部の各々に供給する電源電圧を別個に調整するために、複数の光源部ごとに別個に電源を設けるとともに、別個に配線する必要が生ずる。このため、照明装置の構造が極めて複雑になるとともに、製造作業やメンテナンス作業が煩雑にならざるを得ない。
【0040】
このため、複数の光源部を有する照明装置の場合に、少なくとも1つの光源部の稼働状態に応じて、複数の光源部に供給する電源電圧を共通して調整したとしても、部分的に最適化することができる。このように、簡素な構成を維持しつつ、電源電圧を部分的に最適化できる照明装置が望まれている。
【0041】
第7の態様によれば、
光を発する複数の光源部(後述する発光部280など)と、
前記複数の光源部に供給電圧を共通して供給する電源(後述する電源電圧供給部220など)と、
前記複数の光源部に供給された供給電圧に関する情報を前記複数の光源部ごとに取得する取得部(後述する電圧検出部270など)と、
前記複数の光源部の各々から発する光の明るさを前記複数の光源部ごとに調整するための制御部であって、前記取得部によって前記複数の光源部に対応して取得された複数の取得情報に基づいて、前記電源から前記複数の光源部に供給する供給電圧を決定し、決定した供給電圧を前記電源に指示する制御部(後述する主制御部240など)と、を備える照明装置が提供される。
【0042】
第7の態様による照明装置は、複数の光源部と電源と取得部と制御部とを備える。
【0043】
複数の光源部は、光を発する複数の発光素子や発光体などを有する。
【0044】
電源は、複数の光源部に供給電圧を共通して供給する。例えば、電源は、複数の光源部に並列に接続され、電源からの供給電圧を共通して供給する。
【0045】
取得部は、複数の光源部に供給された供給電圧に関する情報を複数の光源部ごとに取得する。取得部は、電源から出力された直後の供給電圧(上流側や高電位側の電圧)を取得してもよい。また、取得部は、電源から出力された直後の供給電圧そのものを取得せずに、供給電圧に関する電圧や電流などの情報を取得すればよい。例えば、供給電圧が供給された後、光源部などの各種の光学素子や回路部品などを経た後の電圧(下流側や低電位側の電圧)や電流などの情報を取得してもよい。取得部は、供給電圧に基づく電圧や電流などの情報を取得してもよい。供給電圧を制御することができる情報であればよい。
【0046】
取得部は、供給電圧に関する情報を複数の光源部ごとに別個に取得する。
【0047】
制御部は、複数の光源部の各々から発する光の明るさを複数の光源部ごとに調整する。
【0048】
制御部は、まず、取得部によって複数の光源部に対応して取得された複数の取得情報に基づいて、電源から複数の光源部に共通して供給する供給電圧を決定する。制御部は、複数の取得情報に基づいて、供給電圧を大きくすべきか、小さくすべきか、維持すべきかを判断する。制御部は、供給電圧を変化させる場合には、供給電圧の変化量や最終的な目標とする供給電圧を決定する。さらに、制御部は、最終的な目標とする供給電圧を電源に指示する。電源は、この指示に応じて、最終的な目標とする供給電圧を光源部に供給するように動作する。
【0049】
少なくとも一つの光源部について供給電圧を調整することで、簡素な構成を維持しつつ、電源電圧を部分的に最適化することができる。
【0050】
<<第8の態様>>
複数の光源部のうち最適化すべき光源部を見つけて、電源電圧を部分的に的確に最適化できる照明装置が望まれている。
【0051】
第8の態様は、第7の態様において、
前記制御部は、各々が、前記複数の取得情報の各々に含まれる複数の取得電圧値のうちの最も小さい取得電圧値(例えば、後述する最小電圧値など(ステップS315、S1119))に応じて、前記供給電圧を決定する。
【0052】
最も小さい取得電圧値に応じて供給電圧を決定することで、過度に供給電圧を変更することなく、供給電圧を調整でき、電源電圧を部分的に的確に最適化できる。
【0053】
<<第9の態様>>
複数の光源部が、例えば、互いに異なる色の光を発する照明装置が望まれている。
【0054】
第9の態様は、第8の態様において、
前記複数の光源部の各々は、互いに波長域が異なる光を発する少なくとも1つの光源素子(例えば、後述する赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bなど)を有する。
【0055】
互いに波長域が異なる光を発する少なくとも1つの光源素子についても、最適化すべき光源素子を見つけて、供給電圧を調整でき、電源電圧を部分的に的確に最適化できる。
【0056】
<<第10の態様>>
複数の光源部が、例えば、同じ色の光を発する照明装置が望まれている。
【0057】
第10の態様は、第8の態様において、
前記複数の光源部の各々は、波長域が同じ光を発する少なくとも1つの光源素子(例えば、後述するLED282など)を有する。
波長域が同じ光を発する少なくとも1つの光源素子についても、最適化すべき光源素子を見つけて、供給電圧を調整でき、電源電圧を部分的に的確に最適化できる。
【0058】
<<第11の態様>>
供給電圧に関する情報を稼働状態に応じて取得できる照明装置が望まれている。
【0059】
第11の態様は、第8の態様において、
前記取得部は、前記電源と前記複数の光源部の各々との間において、供給電圧に関する情報を前記複数の光源部ごとに取得する(例えば、後述するステップS1013など)。
【0060】
電源と複数の光源部の各々との間において、供給電圧に関する情報を取得するので、複数の光源部ごとの稼働状態を的確に判断することができる。
【0061】
<<第12の態様>>
発光素子などの光源部から発する光の明るさを所望するものにしつつ、電源電圧を調整できる照明装置も望まれる。
【0062】
第12の態様は、第8の態様において、
前記複数の光源部の各々を駆動するための駆動電流を前記供給電圧から生成する複数の電流生成部(例えば、後述する定電流供給部260など)を、さらに備え、
前記取得部は、前記光源部と前記電流生成部との間において、供給電圧に関する情報を前記複数の光源部ごとに取得する(例えば、後述するADC272など)。
【0063】
供給電圧の制御とは別に、電流生成部を有するので、光源部から発する光の明るさを一定に保ちつつ、供給電圧を変更することができる。
【0064】
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0065】
<<<<第1の実施の形態>>>>
第1の実施の形態による照明装置100は、電源部(電源電圧供給部120)と操作部130と照明部180(赤色発光部180R、緑色発光部180G、青色発光部180B)とが、一体になった構造を有する。第1の実施の形態による照明装置は、単体で照明装置として機能する。
【0066】
LEDなどの発光素子は、環境温度や経年変化などによって、駆動に要する電圧が変化していく場合がある。このため、経年変化などを考慮したマージンを設けた場合には、電流生成用のFETの発熱が問題となる。
【0067】
さらに、大電流が必要な電流制御の場合には、低照度から安定して発光素子などを駆動するためには、リニア方式の定電流回路を用いるのが好ましい。また、リニア方式の定電流回路は、一定の電流を生成できるFETを用いるのが好ましいが、FETは、発熱しやすいという問題も生ずる。
【0068】
<<照明装置100の構成の概略>>
図1は、第1の実施の形態による照明装置100の構成を示す斜視図である。
【0069】
<筐体102>
照明装置100は、筐体102を有する。筐体102は、略直方体状の形状を有する。筐体102は、出射口104と、液晶ディスプレイ106と、スイッチ108a~108dとを有する。筐体102の前面に、出射口104と、液晶ディスプレイ106と、スイッチ108a~108dとが設けられている。
【0070】
<出射口104>
出射口104は、略円筒状の形状を有する。出射口104は、略円状の出射面104aを有する。出射面104aは、後述する赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bから発せられた光を出射する。
【0071】
赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bから発せられた光は、照明装置100の内部で光路が調整され、照明装置100から同じ光路に沿って進むように出射される。
【0072】
出射口104には、ファイバーなどの導光体(図示せず)が接続される。導光体を介して出射口104から出射された光が案内される。導光体は可撓性を有するものが好ましい。
【0073】
<液晶ディスプレイ106>
液晶ディスプレイ106には、照明装置100の状態を示す各種の状態情報や、照明装置100の状態を設定するための各種の設定情報などが表示される。
【0074】
<スイッチ108a~108d>
スイッチ108a~108dは、操作者によって操作されることができる。スイッチ108aの操作によって、液晶ディスプレイ106に表示された設定項目や値を選択することができる。また、スイッチ108aの操作によって、調光値の大きさが入力されたり、各種設定が行われたりすることができる。なお、調光値については、後述する。スイッチ108bの操作によって、光源の点灯状態又は消灯状態を切り替える。スイッチ108cの操作によって、メニュー画面が液晶ディスプレイ106に表示される。スイッチ108dの操作によって、照明装置100の電源のオン又はオフが制御される。
【0075】
<<<照明装置100の機能>>>
図2は、照明装置100の機能を示す機能ブロック図である。照明装置100は、電源電圧供給部120と、操作部130と、制御部140と、定電流回路基板150と、発光部180とを有する。
【0076】
<<電源電圧供給部120>>
電源電圧供給部120は、制御部140や、定電流回路基板150や、赤色発光部180Rや、緑色発光部180Gや、青色発光部180Bなどに所定の電源電圧を供給する。電源電圧の供給により、制御部140や、定電流回路基板150や、赤色発光部180Rや、緑色発光部180Gや、青色発光部180Bなどが駆動される。
【0077】
電源電圧供給部120は、後述する制御部140から発せられた指示や情報などに従って、電源電圧の値を変更することができる。
【0078】
<<操作部130>>
操作部130は、操作者が操作できる部材や部品などである。操作者が操作することができ、操作に応じて各種のコマンドや情報を入力できるものであればよい。
【0079】
操作部130は、スイッチ108aと、スイッチ108bと、スイッチ108cと、スイッチ108dとを有する。
【0080】
操作者が操作部130を操作することによって、調光値が設定される。調光値は、以下で説明するように、発光部から発する光の明るさを定めるための値である。
【0081】
<調光及び調光値>
調光とは、赤色発光部180Rや緑色発光部180Gや青色発光部180Bから発する光の明るさを調整することを意味する。なお、赤色発光部180Rから発する光の明るさを変え、緑色発光部180Gから発する光の明るさを変え、青色発光部180Bから発する光の明るさを変えることで、光の色の混ざり具合(色合い)を変更することも調光に含まれる。
【0082】
調光値とは、赤色発光部180Rや緑色発光部180Gや青色発光部180Bから発する光の明るさを定めるための値をいう。以下では、赤色発光部180Rを制御するための調光値を赤色調光値と称し、緑色発光部180Gを制御するための調光値を緑色調光値と称し、青色発光部180Bを制御するための調光値を青色調光値と称する。
【0083】
調光値が小さいと、暗い光が発せられ、調光値が大きいと、明るい光が発せられる。調光値は、アナログ値でもデジタル値でもよい。アナログ値の場合には、電圧の大きさによって、調光値を示すことができる。デジタル値の場合には、所定の量子化ビット数で表現可能な範囲の数値によって、調光値を示すことができる。
【0084】
<<制御部140>>
制御部140は、プロセッサ(CPU(中央処理装置)など)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、I/O(入出力)、I/F(通信インターフェース装置)などを有する。ROMには、後述する制御部処理などの処理を実行するためのプログラムや定数などが記憶される。RAMには、プログラムが実行されたときに用いる変数の値が一時的に記憶される。
【0085】
I/Oを介して、後述するADC(アナログデジタル変換器)やDAC(デジタルアナログ変換器)などで用いる各種のデジタルデータが入出力される。
【0086】
I/Fを介して、照明装置100が外部の制御装置(図示せず)などと接続されたときに、各種のコマンドやデータが入出力される。
【0087】
制御部140は、調光値からDAC値に変換するための調光値テーブルを参照して、赤色調光値に対応する赤色DAC値を読み出し、緑色調光値に対応する緑色DAC値を読み出し、青色調光値に対応する青色DAC値を読み出す。調光値テーブルを参照することで、赤色調光値を赤色DAC値に変換し、緑色調光値を緑色DAC値に変換し、青色調光値を青色DAC値に変換することができる。DAC値は、発光部180に供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、発光部180から発する光の明るさを指定するための値である。
【0088】
<<定電流回路基板150>>
定電流回路基板150は、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとに定電流を供給するための回路基板である。定電流回路基板150は、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとは、互いに独立して構成される。
【0089】
<赤色用定電流供給部160R、緑色用定電流供給部160G、青色用定電流供給部160B>
定電流回路基板150は、赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとを有する。赤色用定電流供給部160Rは、赤色発光部180Rに定電流を供給する。緑色用定電流供給部160Gは、緑色発光部180Gに定電流を供給する。青色用定電流供給部160Bは、青色発光部180Bに定電流を供給する。
【0090】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとは、定電流回路基板150において、互いに独立して構成される。赤色用定電流供給部160Rは、定電流を生成して赤色発光部180Rのみに供給する。緑色用定電流供給部160Gは、定電流を生成して緑色発光部180Gのみに供給する。青色用定電流供給部160Bは、定電流を生成して青色発光部180Bのみに供給する。
【0091】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとは、安定して定電流を生成できればよく、リニア方式の電源であればよい。赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとの具体的な構成は、後述する。
【0092】
以下では、赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとを、特に区別する必要がない場合には、単に定電流供給部160と称する。
【0093】
<赤色用電圧検出部170R、緑色用電圧検出部170G、青色用電圧検出部170B>
定電流回路基板150は、赤色用電圧検出部170Rと緑色用電圧検出部170Gと青色用電圧検出部170Bとを有する。
【0094】
赤色用電圧検出部170Rは、赤色発光部180Rに供給された電圧を検出する。具体的には、赤色用電圧検出部170Rは、赤色発光部180Rの低電位側の電圧を検出する。
【0095】
緑色用電圧検出部170Gは、緑色発光部180Gに供給された電圧を検出する。具体的には、緑色用電圧検出部170Gは、緑色発光部180Gの低電位側の電圧を検出する。
【0096】
青色用電圧検出部170Bは、青色発光部180Bに供給された電圧を検出する。具体的には、青色用電圧検出部170Bは、青色発光部180Bの低電位側の電圧を検出する。
【0097】
赤色発光部180Rに供給された電圧と、緑色発光部180Gに供給された電圧と、青色発光部180Bに供給された電圧とから、電源電圧供給部120から赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとに供給された電源電圧が適切か否かを判断することができる。判断の詳細は、後述する。
【0098】
以下では、赤色用電圧検出部170Rと緑色用電圧検出部170Gと青色用電圧検出部170Bとを、特に区別する必要がない場合には、単に電圧検出部170と称する。
【0099】
<<発光部180>>
発光部180は、赤色発光部180R、緑色発光部180G、青色発光部180Bを有する。
【0100】
赤色発光部180Rは、赤色の光を発する。例えば、赤色発光部180Rは、光の発光強度が最大となるピーク波長が、622nmの光を発する。赤色発光部180Rは、単色の光を発するLEDが好ましい。赤色発光部180Rは、赤色の光を発するLED(Light-emitting diode)が好ましい。
【0101】
緑色発光部180Gは、緑色の光を発する。例えば、緑色発光部180Gは、光の発光強度が最大となるピーク波長が、520nmの光を発する。緑色発光部180Gは、単色の光を発するLEDが好ましい。緑色発光部180Gは、緑色の光を発するLEDが好ましい。
【0102】
青色発光部180Bは、青色の光を発する。例えば、青色発光部180Bは、光の発光強度が最大となるピーク波長が、450nmの光を発する。青色発光部180Bは、単色の光を発するLEDが好ましい。青色発光部180Bは、青色の光を発するLEDが好ましい。
【0103】
以下では、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとを、特に区別する必要がない場合には、単に発光部180と称する。
【0104】
<<具体的な構成>>
図3は、電源電圧供給部120、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182B及び定電流回路基板150の具体的な構成を示す概略図である。なお、赤色発光部180Rの一例として赤色LED182Rを用い、緑色発光部180Gの一例として緑色LED182Gを用い、青色発光部180Bの一例として青色LED182Bを用いるものとする。なお、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bを、特に区別する必要がない場合には、単にLED182と称する。
【0105】
<電源122>
電源電圧供給部120は、電源122を有する。電源122は、例えば、スイッチング電源からなる。電源122は、一定の直流の電源電圧を出力する。電源122は、赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとに共通して接続される。電源122からの電源電圧は、赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとに共通して供給される。赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとには同じ電圧値の電源電圧が供給される。
【0106】
<赤色用定電流供給部160R、緑色用定電流供給部160G、青色用定電流供給部160Bの具体的構成>
赤色用定電流供給部160Rは、主に、
DAC162Rと
オペアンプ164Rと
FET(Field-effect transistor)166Rと
センス抵抗168Rとを有する。
【0107】
緑色用定電流供給部160Gは、主に、
DAC162Gと
オペアンプ164Gと
FET166Gと
センス抵抗168Gとを有する。
【0108】
青色用定電流供給部160Bは、主に、
DAC162Bと
オペアンプ164Bと
FET166Bと
センス抵抗168Bとを有する。
【0109】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bを、このように互いに独立した構成としたことにより、赤色LED182Rに供給する電流と、緑色LED182Gに供給する電流と、青色LED182Bに供給する電流とを互いに別個に制御することができる。
【0110】
すなわち、照明装置100は、赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとに電源122から電源電圧を共通して供給するとともに、赤色LED182Rに供給する電流と、緑色LED182Gに供給する電流と、青色LED182Bに供給する電流とを互いに別個に制御する。
【0111】
DAC162RとDAC162GとDAC162Bとは、同等の性能及び機能を有する。DAC162Rは、赤色DAC値を示すデジタル信号を、赤色LED182R用のアナログ信号に変換する。赤色DAC値は、赤色LED182R用のアナログ信号の電圧値に対応する。DAC162Gは、緑色DAC値を示すデジタル信号を、緑色LED182G用のアナログ信号に変換する。緑色DAC値は、緑色LED182G用のアナログ信号の電圧値に対応する。DAC162Bは、青色DAC値を示すデジタル信号を、青色LED182B用のアナログ信号に変換する。青色DAC値は、青色LED182B用のアナログ信号の電圧値に対応する。
【0112】
赤色DAC値は、赤色LED182Rに供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、赤色LED182Rから発する光の明るさを指定するための値である。緑色DAC値は、緑色LED182Gに供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、緑色LED182Gから発する光の明るさを指定するための値である。青色DAC値は、青色LED182Bに供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、青色LED182Bから発する光の明るさを指定するための値である。
【0113】
以下では、特に区別する必要がない場合には、DAC162RとDAC162GとDAC162Bとを単にDAC162と称する。
【0114】
オペアンプ164Rとオペアンプ164Gとオペアンプ164Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、オペアンプ164Rとオペアンプ164Gとオペアンプ164Bとを単にオペアンプ164と称する。
【0115】
FET166RとFET166GとFET166Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、FET166RとFET166GとFET166Bとを単にFET166と称する。
【0116】
センス抵抗168Rとセンス抵抗168Gとセンス抵抗168Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、センス抵抗168Rとセンス抵抗168Gとセンス抵抗168Bとを単にセンス抵抗168と称する。
【0117】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとを単に定電流供給部160と称する。
【0118】
定電流供給部160の定電流回路は、いわゆる吸い込み型と称される。すなわち、定電流供給部160の外部(電源122)から電源電圧がLED182に供給される。
【0119】
DAC162は、制御部140のI/Oに通信可能に接続されている。DAC162は、I/Oを介してCPUから出力されたDAC値を示すデジタル信号をアナログ信号(調光電圧)に変換する。調光値から変換されたDAC値は、アナログ信号の電圧値に対応する。
【0120】
DAC162は、制御部140のI/Oに通信可能に接続されている。DAC162は、I/Oを介してCPUから出力された調光値を示すデジタル信号をアナログ信号(調光電圧)に変換する。前述したように、調光値は、LED182から発する光の明るさを定めるための値をいう。調光値は、アナログ信号の電圧値に対応する。
【0121】
DAC162によって変換されたアナログ信号は、オペアンプ164に供給される。オペアンプ164の仮想短絡の機能により、オペアンプ164のプラス側の端子の電位とマイナス側の端子の電位は、同じ電位になる。センス抵抗168の高電位側の端子は、オペアンプ164のマイナス側の端子に電気的に接続されている。DAC162によって変換されたアナログ信号の電圧は、センス抵抗168の高電位側の端子と低電位側の端子とに印加される。LED182に供給される電流は、アナログ信号の電圧値をセンス抵抗168の抵抗値で除した値となる。
【0122】
前述したように、調光値から変換されたDAC値は、アナログ信号の電圧値に対応する。調光値が小さければ、アナログ信号の電圧値も小さくなり、それに応じて、LED182に供給される電流値も小さくなり、LED182から暗い光が発せられる。一方、調光値が大きければ、アナログ信号の電圧値も大きくなり、それに応じて、LED182に供給される電流値も大きくなり、LED182から明るい光が発せられる。
【0123】
FET166は、ドレイン端子とソース端子との間の電位差の変化を吸収するように動作する。具体的には、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差が大きくなると、FET166での電力消費が多くなり、FET166の発熱が大きくなる。FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差が小さくなると、FET166での電力消費が少なくなり、FET166の発熱が小さくなる。
【0124】
LED182を安定させて駆動するためには、様々な要因による変動を想定して、電源122の電源電圧の電圧値を大きめにするのが好ましい。しかしながら、電源122の電源電圧の電圧値を過剰に大きくすると、FET166の発熱が大きくなり、不安定になりやすくなり好ましくない。
【0125】
したがって、LED182の駆動に必要な電流を供給しつつ、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差を下げることで、FET166の発熱を抑えることができる。すなわち、LED182の駆動に必要な電流値の電流を供給しつつ、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差が小さくなるように、電源122の電源電圧の電圧値を調整すればよい。
【0126】
電源122からの電源電圧の電圧値は、
LED182の高電位側の端子と低電位側の端子との間の電位差Vfと、
FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差Vdsと、
センス抵抗168の高電位側の端子と低電位側の端子との間の電位差Vrと、
の総和となる。
【0127】
さらに、第1の実施の形態では、各種の変動などを想定して、安定化のために、マージンとして冗長電圧値Vmを考慮する。冗長電圧値Vmの具体的な値は、照明条件や使用環境のほか、LED182やFET166の特性などに応じて適宜に定めればよい。
【0128】
すなわち、VfとVdsとVrとVmとの総和が、電源122からの電源電圧の電圧値となるように、電源122を制御することで、LED182を安定して駆動しつつ、FET166の発熱を抑えることできるとともに、電源122やFET166の消費電力を少なくできる。
【0129】
<赤色用電圧検出部170R、緑色用電圧検出部170G、青色用電圧検出部170Bの具体的構成>
赤色用電圧検出部170Rは、主に、ADC172Rを有する。ADC172Rは、赤色LED182Rの低電位側の端子とFET166のドレイン端子とを接続する接続線124Rの電圧値を検出する。前述したように、ADC172Rは、定電流回路基板150に設けられている。ADC172Rは、接続線124Rのうちの定電流回路基板150側での電圧を検出する。
【0130】
ADC172Rの出力端子は、制御部140のI/Oに通信可能に接続されている。ADC172Rは、検出した電圧値をデジタル信号に変換する。ADC172Rは、制御部140のI/Oを介して、変換したデジタル信号を制御部140のCPUに供給する。制御部140のCPUは、ADC172Rが検出した電圧値を取得することができる。ADC172Rが検出した電圧値は、VdsとVrとVmとの和の値である。すなわち、制御部140のCPUは、LED182Rの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値を取得する。
【0131】
緑色用電圧検出部170Gは、主に、ADC172Gを有する。緑色用電圧検出部170Gは、赤色用電圧検出部170Rと同様の構成を有する。したがって、制御部140のCPUは、ADC172Gが検出した電圧値を取得することができる。ADC172Gが検出した電圧値は、VdsとVrとVmとの和の値である。
【0132】
青色用電圧検出部170Bは、主に、ADC172Bを有する。青色用電圧検出部170Bも赤色用電圧検出部170Rと同様の構成を有する。したがって、制御部140のCPUは、ADC172Bが検出した電圧値を取得することができる。ADC172Bが検出した電圧値は、VdsとVrとVmとの和の値である。
【0133】
前述したように、ADC172Rが検出する電圧値は、LED182Rの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値(VdsとVrとVmとの和)である。ADC172Gが検出する電圧値は、LED182Gの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値(VdsとVrとVmとの和)である。ADC172Bが検出する電圧値は、LED182Bの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値(VdsとVrとVmとの和)である。以下では、簡便のため、ADC172R、ADC172G及びADC172Bが検出する電圧値を、LED低電位電圧値と称する。
【0134】
<<電源電圧の制御の処理>>
図4は、制御部140による電源電圧供給部120の電源電圧の制御の処理を示すフローチャートである。なお、電源電圧供給部120の電源電圧の具体的な制御の過程は、図5で説明する。この電源電圧の制御は、オートボルテージ処理とも称される。
【0135】
最初に、制御部140のCPUは、LED低電位電圧を検出するタイミングであるか否かを判断する(ステップS311)。
【0136】
LED低電位電圧を検出するタイミングは、例えば、照明装置100が起動されたときや、調光値などの照明条件が変更されたときや、操作者によって操作部130の所定の操作がされたときや、起動してから所定の時間が経過したときなどにすることができる。
【0137】
制御部140のCPUは、LED低電位電圧を検出するタイミングであると判断したときには(YES)、ADC172Rによって、赤色LED182RのLED低電位電圧値(以下、赤色電圧値と称する)を検出し、ADC172Gによって、緑色LED182GのLED低電位電圧値(以下、緑色電圧値と称する)を検出し、ADC172Bによって、青色LED182BのLED低電位電圧値(以下、青色電圧値と称する)を検出する(ステップS313)。
【0138】
次に、制御部140のCPUは、検出した赤色電圧値と緑色電圧値と青色電圧値とのうちで、最も小さい電圧値(以下、最小電圧値と称する)を決定する(ステップS315)。
【0139】
次に、制御部140のCPUは、電源電圧値を決定する(ステップS319)。制御部140のCPUは、例えば、その時点で電源122に指示している電源電圧値から0.1ボルトだけ減少させた値を新たな電源電圧値として決定する。減少させる電圧値は、0.1ボルトには限られない。減少させる電圧値は、電源122やLED182やFET166の特性や使用環境などに応じて適宜に定めればよい。また、減少させる電圧値は、一定の値である必要はなく、状況に応じて適宜に値を変更するようにしてもよい。
【0140】
制御部140のCPUは、ステップS319で決定した新たな電源電圧値を電源122に指示する(ステップS323)。
【0141】
次に、制御部140のCPUは、所定の時間だけ経過したか否かを判断する(ステップS324)。所定の時間は、電源の電源電圧値を変更したときに、電源電圧値が安定するのに要する時間にするのが好ましい。すなわち、電源122から出力される電源電圧値が安定するまで待機する。
【0142】
制御部140のCPUは、所定の時間だけ経過していないと判断したときには(NO)、ステップS324に処理を戻す。
【0143】
制御部140のCPUは、所定の時間だけ経過したと判断したときには(YES)、ステップS315で決定した最小電圧値が目標電圧値に到達したか否かを判断する(ステップS325)。目標電圧値は、VdsとVrとVmとの和であり、実測値ではなく仕様によって決定できる一定の値である。最小電圧値が目標電圧値に到達したか否かは、最小電圧値が、所定の範囲に含まれているか否かを判断する。例えば、最小電圧値が、目標電圧値~目標電圧値+0.1ボルトの範囲に含まれているか否かを判断する。最小電圧値が、所定の範囲に含まれていれば、最小電圧値が目標電圧値に到達したと判断する。
【0144】
制御部140のCPUは、最小電圧値が目標電圧値に到達していないと判断したときには(NO)、ステップS313に処理を戻す。
【0145】
制御部140のCPUは、最小電圧値が目標電圧値に到達したと判断したときには(YES)、本サブルーチンを終了する。
【0146】
赤色電圧値と緑色電圧値と青色電圧値とを繰り返し検出して、検出結果に応じて、最小電圧値が目標電圧値に到達したか否かを判断することで、電源122の電源電圧の状態を確認しながら、電源122の電源電圧を徐々に減少させることができる。
【0147】
ステップS315の処理が、繰り返し実行されるたびに、ステップS313の処理で検出した赤色電圧値と緑色電圧値と青色電圧値とのうちで、最も小さい電圧値を決定する。例えば、前回、検出したときには、青色電圧値が最も小さい電圧値であったが、今回、検出したときには、赤色電圧値が最も小さい電圧値となる場合もある。環境や使用状況などによって、電圧値が変動する場合がある。このため、ADC172で検出するたびに、赤色電圧値と緑色電圧値と青色電圧値とのうちで、最も小さい電圧値となるものを選択する。このように処理をすることで、電源122の状態を判断して、電源電圧値を安定して減少させることができる。
【0148】
<<電源電圧の制御の具体例>>
図5は、電源電圧の制御の過程を示すテーブルである。
【0149】
以下では、赤色調光値、緑色調光値、青色調光値の各々は、操作者が所望する色あいとなる一定の値であり、操作者の操作や演算処理などによって変更されないものとする。したがって、以下では、赤色LED182Rの明るさ、緑色LED182Gの明るさ、青色LED182Bの明るさは、一定である。
【0150】
以下では、図5に示すように、電源122の電源電圧は、16ボルトであり、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bには、16ボルトが共通して供給される。
【0151】
図5に示すように、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電圧値(電位差)Vdsは、1ボルトであり、センス抵抗168の高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値(電位差)Vrは、0.5ボルトであり、冗長電圧Vmは、0.5であるとする。これらは、実測値ではなく、仕様によって一義的に決定できる一定の値である。VdsとVrとVmとの和は、2.0(=1.0+0.5+0.5)ボルトとなる。VdsとVrとVmとの和が、前述したステップS327で使用する目標電圧値である。
【0152】
<第1回目の電圧制御>
図5に示すように、第1回目の電圧制御では、電源電圧値は初期値の16ボルトである。
【0153】
ADC172Rが検出した赤色のADコンバータ検出電圧1は、4ボルトであり、ADC172Gが検出した緑色のADコンバータ検出電圧1は、3ボルトであり、ADC172Bが検出した青色のADコンバータ検出電圧1は、5ボルトである。前述した図4のステップS313の処理を実行することによって、赤色のADコンバータ検出電圧1と緑色のADコンバータ検出電圧1と青色のADコンバータ検出電圧1とを検出する。
【0154】
検出した赤色のADコンバータ検出電圧1と緑色のADコンバータ検出電圧1と青色のADコンバータ検出電圧1とのうち、最も小さい最小電圧値は、緑色のADコンバータ検出電圧1の3ボルトである。前述した図4のステップS315の処理を実行することによって、最小電圧値が決定される。
【0155】
この時点での新たな電源電圧値1は、この時点の電源電圧値である16ボルトから0.1ボルトを減算した15.9ボルトとなる。前述した図4のステップS323の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値1)15.9ボルトが電源122に指示される。
【0156】
<第2回目の電圧制御>
図5に示すように、第2回目の電圧制御では、電源電圧値は初期値の15.9ボルトである。
【0157】
ADC172Rが検出した赤色のADコンバータ検出電圧2は、3.9ボルトであり、ADC172Gが検出した緑色のADコンバータ検出電圧2は、2.9ボルトであり、ADC172Bが検出した青色のADコンバータ検出電圧2は、4.9ボルトである。前述した図4のステップS313の処理を実行することによって、赤色のADコンバータ検出電圧2と緑色のADコンバータ検出電圧2と青色のADコンバータ検出電圧2とを検出する。
【0158】
検出した赤色のADコンバータ検出電圧2と緑色のADコンバータ検出電圧2と青色のADコンバータ検出電圧2とのうち、最も小さい最小電圧値は、緑色のADコンバータ検出電圧2の2.9ボルトである。前述した図4のステップS315の処理を実行することによって、最小電圧値が決定される。
【0159】
この時点での新たな電源電圧値2は、この時点の電源電圧値である15.9ボルトから0.1ボルトを減算した15.8ボルトとなる。前述した図4のステップS323の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値2)15.8ボルトが電源122に指示される。
【0160】
<第3回目の電圧制御>
図5に示すように、第3回目の電圧制御では、電源電圧値は初期値の15.8ボルトである。
【0161】
ADC172Rが検出した赤色のADコンバータ検出電圧3は、3.8ボルトであり、ADC172Gが検出した緑色のADコンバータ検出電圧3は、2.8ボルトであり、ADC172Bが検出した青色のADコンバータ検出電圧3は、4.8ボルトである。前述した図4のステップS313の処理を実行することによって、赤色のADコンバータ検出電圧3と緑色のADコンバータ検出電圧3と青色のADコンバータ検出電圧3とを検出する。
【0162】
検出した赤色のADコンバータ検出電圧3と緑色のADコンバータ検出電圧3と青色のADコンバータ検出電圧3とのうち、最も小さい最小電圧値は、緑色のADコンバータ検出電圧3の2.8ボルトである。前述した図4のステップS315の処理を実行することによって、最小電圧値が決定される。
【0163】
この時点での新たな電源電圧値3は、この時点の電源電圧値である15.8ボルトから0.1ボルトを減算した15.7ボルトとなる。前述した図4のステップS323の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値3)15.7ボルトが電源122に指示される。
【0164】
この後、同様に、電源122の電源電圧を0.1ずつ減少させつつ、赤色のADコンバータ検出電圧(LED低電位電圧値)と緑色のADコンバータ検出電圧(LED低電位電圧値)と青色のADコンバータ検出電圧(LED低電位電圧値)とを検出する。
【0165】
<第n-1回目の電圧制御>
図5に示すように、第n-1回目の電圧制御では、電源電圧値は初期値の15.2ボルトである。
【0166】
ADC172Rが検出した赤色のADコンバータ検出電圧n-1は、3.2ボルトであり、ADC172Gが検出した緑色のADコンバータ検出電圧n-1は、2.2ボルトであり、ADC172Bが検出した青色のADコンバータ検出電圧n-1は、4.2ボルトである。前述した図4のステップS313の処理を実行することによって、赤色のADコンバータ検出電圧n-1と緑色のADコンバータ検出電圧n-1と青色のADコンバータ検出電圧n-1とを検出する。
【0167】
検出した赤色のADコンバータ検出電圧n-1と緑色のADコンバータ検出電圧n-1と青色のADコンバータ検出電圧n-1とのうち、最も小さい最小電圧値は、緑色のADコンバータ検出電圧n-1の2.2ボルトである。前述した図4のステップS315の処理を実行することによって、最小電圧値が決定される。
【0168】
この時点での新たな電源電圧値n-1は、この時点の電源電圧値である15.2ボルトから0.1ボルトを減算した15.1ボルトとなる。前述した図4のステップS323の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値n-1)15.1ボルトが電源122に指示される。
【0169】
<第n回目の電圧制御>
図5に示すように、第n回目の電圧制御では、電源電圧値は初期値の15.1ボルトである。
【0170】
ADC172Rが検出した赤色のADコンバータ検出電圧nは、3.1ボルトであり、ADC172Gが検出した緑色のADコンバータ検出電圧nは、2.1ボルトであり、ADC172Bが検出した青色のADコンバータ検出電圧nは、4.1ボルトである。前述した図4のステップS313の処理を実行することによって、赤色のADコンバータ検出電圧nと緑色のADコンバータ検出電圧nと青色のADコンバータ検出電圧nとを検出する。
【0171】
検出した赤色のADコンバータ検出電圧nと緑色のADコンバータ検出電圧nと青色のADコンバータ検出電圧nとのうち、最も小さい最小電圧値は、緑色のADコンバータ検出電圧nの2.1ボルトである。前述した図4のステップS315の処理を実行することによって、最小電圧値が決定される。
【0172】
この時点での新たな電源電圧値nは、この時点の電源電圧値である15.1ボルトから0.1ボルトを減算した15ボルトとなる。前述した図4のステップS323の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値n)15ボルトが電源122に指示される。
【0173】
目標とする最終的な電源電圧値を決定して、直ちに最終的な電源電圧値に制御するのではなく、少しずつ(0.1ボルトずつ)電源電圧を減少させ、赤色電圧値と緑色電圧値と青色電圧値とを検出した結果を確認しながら、最終的な電源電圧値にする。このようにすることで、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bを安定した状態に保ちつつ、電源122の電源電圧を変更することができる。
【0174】
FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差で消費される電位差を減少させることができ、FETの発熱を抑えることができるとともに、照明装置100の消費電力を低下させることができる。
【0175】
<<第1の実施の形態の変形例1>>
前述した第1の実施の形態では、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとの3つの発光部を有する構成を示したが、単一の発光部のみを有してもよい。例えば、白色の光を発する単一の発光部を有するように構成してもよい。単一の発光部を有する場合には、複数の発光部の低電位電圧値の比較は、できないが、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差で消費される電位差を減少させることはできる。検出した電圧値を最小電圧値として扱って、電源122の電源電圧を減少させればよい。
【0176】
<<第1の実施の形態の変形例2>>
前述した第1の実施の形態では、赤色発光部180Rは、1つの赤色LED182Rのみを有し、緑色LED182Gは、1つの緑色LED182Gのみを有し、青色LED182Bは、1つの青色LED182Bのみを有する構成を示した。しかしながら、これに限られず、赤色発光部180Rは、複数の赤色LED182Rを有し、緑色LED182Gは、複数の緑色LED182Gを有し、青色LED182Bは、複数の青色LED182Bを有するように構成してもよい。赤色LED182Rの数と、緑色LED182Gの数と、青色LED182Bの数とは、同じも異なっていてもよい。照明する対象物や、照明条件などに応じて、適宜に定めればよい。
【0177】
<<第1の実施の形態の変形例3>>
第1の実施の形態では、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとの3色の発光部を有する構成を示したが、これに限られず、他の波長の光を発する光源部を有する構成にしてもよい。例えば、白色、紫外光、赤外光などの光を発するようにしてもよい。より具体的には、光の発光強度が最大となるピーク波長が365nm、405nm、460nm、525nm、570nm、623nm、730nm、850nm、940nm、1050nm、1100nm、1200nm、1300nm、1450nm、1550nm、1650nmの光を発するLEDや、白色光を発するLEDなどを有する構成にしてもよい。
【0178】
<<<<第2の実施の形態>>>>
<<照明装置200の構成の概略>>
図6は、第2の実施の形態による照明装置200の構成を示す斜視図である。
【0179】
第1の実施の形態による照明装置100に対して、第2の実施の形態による照明装置200は、電源部200A(電源電圧供給部220及び操作部230)と、照明部200B(発光部280など)とが、別体になった構造を有する。電源部200Aと照明部200Bとは、ケーブル200Cによって電気的に接続される。ケーブル200Cを介して、各種のコマンドや情報などが電源部200Aと照明部200Bとの間で送受信される。
【0180】
このように、電源部200Aと照明部200Bとは、ケーブル200Cで接続される。ケーブル200Cの長さは、照明装置200の使用環境によって異なる。例えば、ケーブル200Cの長さは、最短で1メートルとなり、最長で50メートルとなることが想定される。このため、第1の実施の形態による照明装置100とは異なり、第2の実施の形態による照明装置200は、ケーブル200Cによる電源電圧の電圧降下を無視することができない場合が生ずる。このため、ケーブル200Cによって生ずる電圧降下に応じて、電源部200Aの電源電圧を適宜に変更できる照明装置200が好ましい。
【0181】
さらに、照明部200Bが長尺である場合には、照明部200Bの内部でも、電源から最も離れた位置の光学素子でも、電源電圧の電圧降下を無視することができない場合が生ずる。したがって、長尺な照明部200Bでも、電圧降下に応じて、電源部200Aの電源電圧を適宜に変更できる照明装置200が好ましい。
【0182】
また、第2の実施の形態による照明装置200は、電源部200Aと照明部200Bとケーブル200Cとによって構成される。例えば、故障や使用条件の変更などにより、いずれかのみを交換する必要が生ずる場合もある。交換により、電源部200Aや照明部200Bの光学素子や回路部品の電気的な特性が変わることで、電源部200Aの電源電圧を変える必要が生ずる。このような場合にも、電源部200Aの電源電圧を適宜に変更できる照明装置200が好ましい。電源部200Aと照明部200Bとの組み合わせが変更されても、明るさや特性が変わらない照明装置200を提供することができる。
【0183】
さらに、大電流が必要な照明部200Bの電流制御の場合には、低照度から安定して発光素子などを駆動するためには、リニア方式の定電流回路を用いるのが好ましい。また、リニア方式の定電流回路は、一定の電流を生成できるFETを用いるのが好ましいが、FETは、発熱しやすいという問題も生ずる。
【0184】
さらにまた、発光素子を駆動するための電源は、高効率のスイッチング電源を用いるのが好ましい。このスイッチング電源を最適な電圧に調整を行うことで、発熱を最低限に抑えることができる照明装置を提供することができる。
【0185】
<<照明部200Bの光学系>>
図7は、照明部200Bの光学系の構成を示す斜視図である。
【0186】
照明部200Bは、筐体202を有する。筐体202の内部には、光学系として、複数の発光基板250と、複数のLED282と、ロッドレンズ204と、ディフューザレンズ(拡散板)206とを主に有する。第2の実施形態の照明部200Bは、複数の発光基板250を有する。発光基板250の数は、照明する領域の大きさなどに応じて適宜に定めればよい。発光基板250の各々には、複数のLED282が搭載されている。例えば、26個のLED282が、発光基板250の各々に搭載されている。
【0187】
<筐体202>
筐体202は、照明部200Bの各種の部品を収納する。筐体202は、長尺な溝状の形状を有する。
【0188】
<発光基板250>
発光基板250は、アルミ基板によって構成され、薄板状の長尺な長方形状の形状を有する。発光基板250の各々には、複数のLED282が搭載されている。複数のLED282は、発光基板250の長手方向に沿って直線状(L1)に配置されている。
【0189】
<LED282>
LED282は、照明部200Bから光を発するための光源である。LED282は、所定の波長の光を発する。LED282は、例えば、白色などの可視光や赤外などの光を発する。
【0190】
<ロッドレンズ204>
ロッドレンズ204は、LED282から発せられた光を集光する集光レンズである。ロッドレンズ204は、アクリル製で、長尺で中実な円柱状の形状を有する。なお、ロッドレンズ204は、ガラスや他の樹脂で成形されもよい。また、ロッドレンズ204は、光を集光できれば中空な円筒状の形状を有してもよい。
【0191】
ロッドレンズ204は、LED282から離隔した位置に、かつ、LED282が並ぶ方向L1とロッドレンズ204の中心軸線L2とが平行になるように配置されている。
【0192】
<ディフューザレンズ206>
ディフューザレンズ(拡散レンズ)206は、ロッドレンズ204を透過する光を拡散させるための拡散板である。ディフューザレンズ206の全体は、薄板状又はフィルム状の長尺な形状を有する。
【0193】
ディフューザレンズ206は、長手方向に沿って配置されている。具体的には、ディフューザレンズ206が、ロッドレンズ204から離隔した位置に、かつ、ディフューザレンズ206の中心軸線L3がロッドレンズ204の中心軸線L2と平行になるように配置されている。
【0194】
ディフューザレンズ206の表面には、微小なレンズアレイが形成されている。ディフューザレンズ206は、レンズアレイの拡散機能により、入射した光を所望する拡散角(配光角)で光を屈折させて拡散整形する。ディフューザレンズ206は、一定の方向の拡散を他の方向よりも強く拡散する。具体的には、ディフューザレンズ206は、長さ方向(長手方向)の拡散は、幅方向(短手方向)よりも強く拡散する。
【0195】
LED282から発せられた光は、ロッドレンズ204に入射して集光される。ロッドレンズ204によって集光された光は、ディフューザレンズ206に入射する。長さ方向(長手方向)成分の光は、ディフューザレンズ206の表面に形成されたレンズアレイの形状や大きさに応じて拡散され、ディフューザレンズ206から出射される。
【0196】
このように、幅方向(短手方向)成分は、ロッドレンズ204によって集光された光となり、長さ方向(長手方向)成分は、ディフューザレンズ206によって拡散された光となり、照明部200Bから出射される。
【0197】
<<<照明装置200の機能>>>
図8は、照明装置200の機能を示す機能ブロック図である。照明装置200は、電源部200Aと照明部200Bとを有する。
【0198】
<<電源部200A>>
電源部200Aは、電源電圧供給部220と、操作部230と、主制御部240とを有する。
<電源電圧供給部220>
電源電圧供給部220は、電源部200Aの主制御部240や、ケーブル200Cを介して、照明部200Bの定電流供給部260や、発光部280や基板制御部290などに所定の電源電圧を供給する。電源電圧の供給により、主制御部240や、発光基板250や、発光部280などが駆動される。
【0199】
電源電圧供給部220は、後述する主制御部240から発せられた指示や情報などに従って、電源電圧の値を変更することができる。
【0200】
<操作部230>
操作部230は、操作者が操作できる部材や部品などである。操作者が操作することができ、操作に応じて各種のコマンドや情報を入力できるものであればよい。
【0201】
操作者が操作部230を操作することによって、調光値が設定される。調光値は、以下で説明するように、発光部から発する光の明るさを定めるための値である。
【0202】
<調光及び調光値>
調光とは、発光部280から発する光の明るさを調整することを意味する。調光値とは、発光部280から発する光の明るさを定めるための値をいう。
【0203】
調光値が小さいと、暗い光が発せられ、調光値が大きいと、明るい光が発せられる。調光値は、アナログ値でもデジタル値でもよい。アナログ値の場合には、電圧の大きさによって、調光値を示すことができる。デジタル値の場合には、所定の量子化ビット数で表現可能な範囲の数値によって、調光値を示すことができる。
【0204】
<主制御部240>
主制御部240は、プロセッサ(CPU(中央処理装置)など)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、I/F(通信インターフェース装置)など(図示せず)を有する。ROMには、後述する制御部処理などの処理を実行するためのプログラムや定数などが記憶される。RAMには、プログラムが実行されたときに用いる変数の値が一時的に記憶される。
【0205】
電源部200Aがケーブル200Cによって照明部200Bと接続されたときには、I/Fを介して、電源部200Aと照明部200Bとの間で、各種のコマンドやデータが送受信される。
【0206】
前述した調光値は、電源部200Aから照明部200Bに送信される。照明部200Bの複数の発光基板250の各々の制御部は、電源部200Aから送信された調光値に応じて、発光部280から発する光の明るさを制御する。詳細は、後述する。
【0207】
照明部200Bの複数の発光基板250の各々の電圧検出部270が検出した電圧値は、照明部200Bから電源部200Aに送信される。主制御部240は、複数の発光基板250の各々の発光部280に供給された電圧を受信し、発光部280に供給された電源電圧が適切か否かを判断することができる。詳細は、後述する。
【0208】
<<照明部200B>>
照明部200Bは、複数の発光基板250を有する。発光基板250の数は、照明する対象の長さに応じて適宜に定めればよい。
【0209】
<<発光基板250>>
複数の発光基板250の各々は、
定電流供給部260と、
電圧検出部270と、
発光部280と、
基板制御部290と、
を有する。定電流供給部260と、電圧検出部270と、発光部280と、基板制御部290とは、複数の発光基板250の各々で、同等の性能及び機能を有する。以下では、照明部200Bは、n個(nは1以上の整数)の発光基板250を有するものとする。以下では、区別する必要がない場合には、単に発光基板250と称する。
【0210】
<定電流供給部260>
発光基板250は、定電流供給部260を有する。すなわち、定電流供給部260は、発光基板250に搭載されている。定電流供給部260は、発光部280に定電流を供給する。定電流供給部260は、安定して定電流を生成できればよく、リニア方式の電源が好ましい。定電流供給部260の具体的な構成は、後述する。
【0211】
<電圧検出部270>
発光基板250は、電圧検出部270を有する。電圧検出部270は、発光部280に供給された電圧を検出する。具体的には、電圧検出部270は、発光部280の高電位側の電圧を検出する。
【0212】
<発光部280>
発光部280は、所定の波長の光を発する。例えば、発光部280は、白色の光を発する。具体的には、発光部280は、少なくとも1つのLED282(図9参照)が好ましい。発光部280は、直列に接続された複数のLED282がより好ましい。例えば、発光部280は、白色の光を発する直列に接続された複数のLED282が好ましい。直列に接続された複数のLED282は、高電位側に位置するLED282と、低電位側に位置するLED282とを有する。
【0213】
第1の実施の形態による照明装置100は、定電流回路基板150と発光部180とは別体に構成されているが、第2の実施の形態による照明装置200は、発光基板250は、発光部280を有する。すなわち、発光部280は、発光基板250に一体に設けられている。
【0214】
<基板制御部290>
基板制御部290は、プロセッサ(CPU(中央処理装置)など)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、I/O(入出力)、I/F(通信インターフェース装置)などを有する。ROMには、後述する基板制御部290の処理などの処理を実行するためのプログラムや定数などが記憶される。RAMには、プログラムが実行されたときに用いる変数の値が一時的に記憶される。
【0215】
I/Oを介して、後述するADC(アナログデジタル変換器)やDAC(デジタルアナログ変換器)などで用いる各種のデジタルデータが入出力される。
【0216】
照明部200Bがケーブル200Cによって電源部200Aと接続されたときには、I/Fを介して、照明部200Bと電源部200Aとの間で、各種のコマンドやデータが送受信される。
【0217】
<<具体的な構成>>
図9は、電源部200Aの電源222と照明部200Bのn個の発光基板250との具体的な構成を示す概略図である。なお、発光部280の一例としてLED282を用いるものとする。
【0218】
<電源222>
電源電圧供給部220は、電源222を有する。電源222は、例えば、スイッチング電源からなる。電源222は、一定の直流の電源電圧を出力する。電源222は、n個の発光基板250の全てに並列に接続される。電源222からの電源電圧は、n個の発光基板250の各々のLED282に共通して供給される。n個の発光基板250の各々のLED282には同じ電圧値の電源電圧が供給される。前述したように、発光部280は、直列に接続された複数のLED282を有する。電源222の電源電圧は、複数のLED282のうちの最も高電位側に配置されたLED282の高電位側の端子に印加される。
【0219】
<定電流供給部260の具体的構成>
定電流供給部260は、主に、
DAC262と
オペアンプ264と
FET(Field-effect transistor)266と
センス抵抗268と
を有する。
【0220】
定電流供給部260は、n個の発光基板250の各々に設けられている。定電流供給部260を、n個の発光基板250ごとに、互いに独立した構成としたことにより、n個の発光基板250の各々に設けられた複数のLED282に供給する電流を、発光基板250ごとに互いに別個に制御することができる。
【0221】
電源222からの電源電圧は、複数のLED282に、n個の発光基板250に共通して供給される。一方、複数のLED282に供給する電流は、n個の発光基板250ごとに定電流供給部260によって互いに別個に制御されて供給される。
【0222】
定電流供給部260の定電流回路は、いわゆる吸い込み型と称される回路である。すなわち、定電流供給部260の外部である電源部200Aの電源222から、電源電圧が照明部200BのLED282に供給される。
【0223】
<DAC262>
DAC262は、通信I/Fを介して、電源部200Aの主制御部240と通信可能に接続されている。DAC262は、通信I/Fを介して主制御部240から出力された調光値を示すデジタル信号をアナログ信号(調光電圧)に変換する。前述したように、調光値は、LED282から発する光の明るさを定めるための値をいう。調光値は、アナログ信号の電圧値に対応する。
【0224】
DAC262によって変換されたアナログ信号は、オペアンプ264に供給される。オペアンプ264の仮想短絡の機能により、オペアンプ264のプラス側の端子の電位とマイナス側の端子の電位は、同じ電位になる。センス抵抗268の高電位側の端子は、オペアンプ264のマイナス側の端子に電気的に接続されている。DAC262によって変換されたアナログ信号の電圧は、センス抵抗268の高電位側の端子と低電位側の端子とに印加される。LED282に供給される電流は、アナログ信号の電圧値をセンス抵抗268の抵抗値で除した値となる。
【0225】
前述したように、調光値は、アナログ信号の電圧値に対応する。調光値が小さければ、アナログ信号の電圧値も小さくなり、それに応じて、LED282に供給される電流値も小さくなり、LED282から暗い光が発せられる。一方、調光値が大きければ、アナログ信号の電圧値も大きくなり、それに応じて、LED282に供給される電流値も大きくなり、LED282から明るい光が発せられる。
【0226】
FET266は、ドレイン端子とソース端子との間の電位差の変化を吸収するように動作する。具体的には、FET266のドレイン端子とソース端子との間の電位差が大きくなると、FET266での電力消費が多くなり、FET266の発熱が大きくなる。FET266のドレイン端子とソース端子との間の電位差が小さくなると、FET266での電力消費が少なくなり、FET266の発熱が小さくなる。
【0227】
また、LED282を安定させて駆動するためには、様々な要因による変動を想定して、電源222の電源電圧の電圧値を大きめにするのが好ましい。しかしながら、電源222の電源電圧の電圧値を過剰に大きくすると、FET266のドレイン端子とソース端子との間の電位差が大きくなり、FET266の発熱が大きくなり好ましくない。
【0228】
したがって、LED282の駆動に必要な電流を供給しつつ、FET266のドレイン端子とソース端子との間の電位差を小さくことで、FET266の発熱を抑えることができる。すなわち、LED282の駆動に必要な電流を供給しつつ、FET266のドレイン端子とソース端子との間の電位差が小さくなるように、電源222の電源電圧の電圧値を調整すればよい。
【0229】
電源222からの電源電圧の電圧値は、
複数のLED282のうちの最も高電位側のLED282の高電位側の端子と、最も低電位側のLED282の低電位側の端子との間の電位差Vfと、
FET266のドレイン端子とソース端子との間の電位差Vdsと、
センス抵抗268の高電位側の端子と低電位側の端子との間の電位差Vrと、
の総和となる。
【0230】
さらに、第2の実施の形態でも、各種の変動などを想定して、安定化のために、マージンとして冗長電圧値Vmを考慮する。冗長電圧値Vmの具体的な値は、照明条件や使用環境のほか、LED182やFET166の特性などに応じて適宜に定めればよい。
【0231】
すなわち、VfとVdsとVrとVmとの総和が、電源222からの電源電圧の電圧値となるように、電源222を制御することで、LED282を安定して駆動しつつ、FET266の発熱を抑えることできるとともに、電源122やFET166の消費電力を少なくできる。
【0232】
<電圧検出部270の具体的構成>
電圧検出部270は、主に、ADC272を有する。ADC272は、電源222と、複数のLED282のうちの最も高電位側のLED282の高電位側の端子とを接続する接続線224の電圧値を検出する。前述したように、ADC272は、発光基板250に設けられている。ADC272は、接続線224のうちの発光基板250に位置する部分の電圧を検出する。
【0233】
前述したように、照明部200Bは、ケーブル200Cによって電源部200Aに接続されている。ADC272の出力端子は、通信I/Fを介して、電源部200Aの主制御部240と通信可能に接続される。
【0234】
ADC272は、検出した電圧値をデジタル信号に変換する。ADC272は、基板制御部290の通信I/Fと電源部200Aの通信I/Fとを介して、変換したデジタル信号を、電源部200Aに供給する。電源部200Aの主制御部240のCPUは、ADC272が検出した電圧値を取得することができる。ADC272が検出した電圧値は、VfとVdsとVrとVmとの和の値である。すなわち、電源部200Aの主制御部240のCPUは、複数のLED282のうちの高電位側のLED282の高電位側の端子の電圧値(以下、LED高電位電圧値と称する)を取得する。
【0235】
n個の発光基板250の各々のADC272が検出した電圧値が、電源部200Aの主制御部240に送信される。電源部200Aの主制御部240のCPUは、n個の発光基板250の各々のADC272が検出した電圧値を取得することができる。
【0236】
<<発光基板250の基板制御部290における処理>>
図10は、発光基板250の基板制御部290による制御の処理を示すフローチャートである。この処理は、複数の発光基板250の各々で同様に実行される。なお、具体的な制御の過程は、図12で説明する。
【0237】
最初に、基板制御部290のCPUは、電圧検出コマンドを電源部200Aの主制御部240から受信したか否かを判断する(ステップS1011)。
【0238】
電源部200Aの主制御部240は、LED高電位電圧を検出するタイミングであると判断したときには、電圧検出コマンドを照明部200Bに送信する。LED高電位電圧を検出するタイミングは、例えば、照明装置200が起動されたときや、調光値などの照明条件が変更されたときや、操作者によって操作部230の所定の操作がされたときや、起動してから所定の時間が経過したときなどにすることができる。
【0239】
基板制御部290のCPUは、電圧検出コマンドを電源部200Aの主制御部240から受信したと判断したときには(YES)、ADC272によって、LED282のLED高電位電圧値を検出する(ステップS1013)。
【0240】
次に、基板制御部290のCPUは、基板制御部290が搭載されている発光基板250を識別するための基板識別情報と、ADC272によって検出したLED高電位電圧値とを電源部200Aに送信し(ステップS1015)、本サブルーチンを終了する。基板識別情報は、n個の発光基板250ごとに割り当てられた互いに異なる情報である。基板識別情報は、n個の発光基板250を互いに識別できる情報であればよい。
【0241】
基板制御部290のCPUは、ステップS1011の判断処理で、電圧検出コマンドを電源部200Aの主制御部240から受信していないと判断したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0242】
<<主制御部240における処理>>
図11は、電源部200Aの主制御部240による制御の処理を示すフローチャートである。なお、具体的な制御の過程は、図12で説明する。この制御は、電源電圧のオートボルテージ処理とも称される。
【0243】
最初に、主制御部240のCPUは、発光基板250を識別するための基板識別情報と、ADC272によって検出した検出電圧値(LED高電位電圧値)とを照明部200Bから受信するか否かを判断する(ステップS1111)。
【0244】
主制御部240のCPUは、基板識別情報と検出電圧値とを照明部200Bから受信すると判断したときには(YES)、基板識別情報と検出電圧値とを受信する(ステップS1113)。
【0245】
次に、主制御部240のCPUは、基板識別番号ごとに検出電圧値をRAMに記憶させる(ステップS1115)。
【0246】
次に、主制御部240のCPUは、n個の発光基板250の全てについて、検出電圧値を受信したか否かを判断する(ステップS1117)。
【0247】
主制御部240のCPUは、n個の発光基板250の全てについて、検出電圧値を受信していないと判断したときには(NO)、ステップS1113に処理を戻す。
【0248】
主制御部240のCPUは、n個の発光基板250の全てについて、検出電圧値を受信したと判断したときには(YES)、受信したn個の発光基板250の検出電圧値(LED高電位電圧値)のうち、最も小さい電圧値(以下、最小電圧値と称する)を決定する(ステップS1119)。
【0249】
次に、主制御部240のCPUは、電源電圧値を決定する(ステップS1123)。主制御部240のCPUは、例えば、その時点の電源電圧値の値から0.1ボルトだけ減少させた値を新たな電源電圧値として決定する。減少させる電圧値は、0.1ボルトには限られない。減少させる電圧値は、LED282やFET266の特性などに応じて適宜に定めればよい。
【0250】
主制御部240のCPUは、ステップS1123で決定した電源電圧値を電源222に指示する(ステップS1127)。
【0251】
次に、制御部240のCPUは、所定の時間だけ経過したか否かを判断する(ステップS1128)。所定の時間は、電源の電源電圧値を変更したときに、電源電圧値が安定するのに要する時間にする。すなわち、電源電圧値が安定するまで待機する。
【0252】
制御部240のCPUは、所定の時間だけ経過していないと判断したときには(NO)、ステップS1128に処理を戻す。
【0253】
制御部240のCPUは、所定の時間だけ経過したと判断したときには(YES)、ステップS1119で決定した最小電圧値が目標電圧値に到達したか否かを判断する(ステップS1129)。目標電圧値は、VfとVdsとVrとVmとの和であり、実測値ではなく仕様によって決定できる一定の値である。最小電圧値が目標電圧値に到達したか否かは、最小電圧値が、所定の範囲に含まれているか否かを判断する。例えば、最小電圧値が、目標電圧値~目標電圧値+0.1ボルトの範囲に含まれているか否かを判断する。最小電圧値が、所定の範囲に含まれていれば、最小電圧値が目標電圧値に到達したと判断する。
【0254】
制御部240のCPUは、最小電圧値が目標電圧値に到達していないと判断したときには(NO)、ステップS1113に処理を戻す。
【0255】
制御部240のCPUは、最小電圧値が目標電圧値に到達したと判断したときには(YES)、本サブルーチンを終了する。
【0256】
n個の発光基板250の検出電圧値を繰り返し受信して、検出結果に応じて、最小電圧値が目標電圧値に到達したか否かを判断することで、電源222の電源電圧の状態を確認しながら、電源222の電源電圧を徐々に減少させることができる。
【0257】
ステップS1119の処理が、繰り返し実行されるたびに、ステップS1113の処理で受信したn個の発光基板250の検出電圧値のうちで、最も小さい電圧値を決定する。例えば、前回、検出したときには、第nの発光基板250の検出電圧値が最も小さい電圧値であったが、今回、検出したときには、第3の発光基板250の検出電圧値が最も小さい電圧値となる場合もある。環境や使用状況などによって、電圧値が変動する場合がある。このため、ADC272で検出するたびに、n個の発光基板250の検出電圧値のうちで、最も小さい電圧値となるものを選択する。このように処理をすることで、電源222の状態を判断して、電源電圧値を安定して減少させることができる。
【0258】
<<電源電圧の制御の具体例>>
図12は、電源電圧の制御の過程を示すテーブルである。
【0259】
以下では、調光値は、操作者の操作や演算処理などによって変更されないものとする。したがって、以下では、複数のLED282から発せられる光の明るさは、一定である。
【0260】
図12に示すように、電源222の当初の電源電圧は、48ボルトであり、n個の発光基板250のすべてのLED282には、48ボルトが共通して供給される。
【0261】
図12に示すように、VfとVdsとVrとVmとは、以下の電圧値であるとする。複数のLED282のうちの最も高電位側のLED282の高電位側の端子と、最も低電位側のLED282の低電位側の端子との間の電位差Vfは、35ボルトである。FET266のドレイン端子とソース端子との間の電圧値(電位差)Vdsは、2ボルトである。センス抵抗268の高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値(電位差)Vrは、0.5ボルトである。冗長電圧Vmは、1ボルトである。これらは、実測値ではなく、仕様によって一義的に決定できる一定の値である。VfとVdsとVrとVmとの和は、38.5(=35+2.0+0.5+1)ボルトとなる。VfとVdsとVrとVmとの和が、前述したステップS327で使用する目標電圧値である。
【0262】
<第1回目の電圧制御>
図12に示すように、第1回目の電圧制御では、電源電圧値1は初期値の48ボルトである。
【0263】
図12に示すように、第1の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧1は、46ボルトであり、第2の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧1は、45ボルトであり、第3の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧1は、44ボルトであり、第4の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧1は、44ボルトであり、第nの発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧1は、42ボルトである。前述した図11のステップS1113~S1117の処理を実行することによって、n個の発光基板250のすべてについて、ADコンバータ検出電圧1(LED高電位電圧値)を受信する。すなわち、電源部200Aは、n個のLED高電位電圧値を受信する。
【0264】
第1回目の電圧制御では、受信したn個のADコンバータ検出電圧1のうち、最も小さい最小電圧値は、第nの発光基板250のADコンバータ検出電圧1の42ボルトである。前述した図11のステップS1119の処理を実行することによって、最小電圧値1が決定される。
【0265】
この時点での電源222の新たな電源電圧値1は、この時点の電源電圧である48ボルトから0.1ボルトを減算した47.9ボルトとなる。前述した図11のステップS1123の処理を実行することによって電源電圧値が決定される。前述した図11のステップS1127の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値1)47.9ボルトが電源222に指示される。
【0266】
<第2回目の電圧制御>
図12に示すように、第2回目の電圧制御では、電源電圧値2は初期値の47.9ボルトである。
【0267】
図12に示すように、第1の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧2は、45.9ボルトであり、第2の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧2は、44.9ボルトであり、第3の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧2は、43.9ボルトであり、第4の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧2は、43.9ボルトであり、第nの発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧2は、41.9ボルトである。前述した図11のステップS1113~S1117の処理を実行することによって、n個の発光基板250のすべてについて、ADコンバータ検出電圧2(LED高電位電圧値)を受信する。すなわち、電源部200Aは、n個のLED高電位電圧値を受信する。
【0268】
第2回目の電圧制御では、受信したn個のADコンバータ検出電圧2のうち、最も小さい最小電圧値は、第nの発光基板250のADコンバータ検出電圧2の41.9ボルトである。前述した図11のステップS1119の処理を実行することによって、最小電圧値2が決定される。
【0269】
この時点での電源222の新たな電源電圧値2は、この時点の電源電圧である47.9ボルトから0.1ボルトを減算した47.8ボルトとなる。前述した図11のステップS1123の処理を実行することによって電源電圧値が決定される。前述した図11のステップS1127の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値2)47.8ボルトが電源222に指示される。
【0270】
<第3回目の電圧制御>
図12に示すように、第3回目の電圧制御では、電源電圧値3は初期値の47.8ボルトである。
【0271】
図12に示すように、第1の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧3は、45.8ボルトであり、第2の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧3は、44.8ボルトであり、第3の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧3は、43.8ボルトであり、第4の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧3は、43.8ボルトであり、第nの発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧3は、41.8ボルトである。前述した図11のステップS1113~S1117の処理を実行することによって、n個の発光基板250のすべてについて、ADコンバータ検出電圧3(LED高電位電圧値)を受信する。すなわち、電源部200Aは、n個のLED高電位電圧値を受信する。
【0272】
第3回目の電圧制御では、受信したn個のADコンバータ検出電圧3のうち、最も小さい最小電圧値は、第nの発光基板250のADコンバータ検出電圧3の41.8ボルトである。前述した図11のステップS1119の処理を実行することによって、最小電圧値3が決定される。
【0273】
この時点での電源222の新たな電源電圧値3は、この時点の電源電圧である47.8ボルトから0.1ボルトを減算した47.7ボルトとなる。前述した図11のステップS1123の処理を実行することによって電源電圧値が決定される。前述した図11のステップS1127の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値3)47.7ボルトが電源222に指示される。
【0274】
この後、同様に、電源222の電源電圧を0.1ずつ減少させつつ、n個の発光基板250のすべてについて、ADコンバータ検出電圧(LED高電位電圧値)を受信する。
【0275】
<第k-1回目の電圧制御>
図12に示すように、第k-1回目の電圧制御では、電源電圧値k-1は初期値の44.7ボルトである。
【0276】
図12に示すように、第1の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧k-1は、42.7ボルトであり、第2の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧k-1は、41.7ボルトであり、第3の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧k-1は、40.7ボルトであり、第4の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧k-1は、40.7ボルトであり、第nの発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧k-1は、38.7ボルトである。前述した図11のステップS1113~S1117の処理を実行することによって、n個の発光基板250のすべてについて、ADコンバータ検出電圧k-1(LED高電位電圧値)を受信する。すなわち、電源部200Aは、n個のLED高電位電圧値を受信する。
【0277】
第k-1回目の電圧制御では、受信したn個のADコンバータ検出電圧k-1のうち、最も小さい最小電圧値は、第nの発光基板250のADコンバータ検出電圧k-1の38.7ボルトである。前述した図11のステップS1119の処理を実行することによって、最小電圧値k-1が決定される。
【0278】
この時点での電源222の新たな電源電圧値k-1は、この時点の電源電圧である44.7ボルトから0.1ボルトを減算した44.6ボルトとなる。前述した図11のステップS1123の処理を実行することによって電源電圧値が決定される。前述した図11のステップS1127の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値k-1)44.6ボルトが電源222に指示される。
【0279】
<第k回目の電圧制御>
図12に示すように、第k回目の電圧制御では、電源電圧値kは初期値の44.6ボルトである。
【0280】
図12に示すように、第1の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧kは、42.6ボルトであり、第2の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧kは、41.6ボルトであり、第3の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧kは、40.6ボルトであり、第4の発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧kは、40.6ボルトであり、第nの発光基板250のADC272が検出したADコンバータ検出電圧kは、38.6ボルトである。前述した図11のステップS1113~S1117の処理を実行することによって、n個の発光基板250のすべてについて、ADコンバータ検出電圧k(LED高電位電圧値)を受信する。すなわち、電源部200Aは、n個のLED高電位電圧値を受信する。
【0281】
第k回目の電圧制御では、受信したn個のADコンバータ検出電圧kのうち、最も小さい最小電圧値は、第nの発光基板250のADコンバータ検出電圧kの38.6ボルトである。前述した図11のステップS1119の処理を実行することによって、最小電圧値kが決定される。
【0282】
この時点での電源222の新たな電源電圧値kは、この時点の電源電圧である44.6ボルトから0.1ボルトを減算した44.5ボルトとなる。前述した図11のステップS1123の処理を実行することによって電源電圧値が決定される。前述した図11のステップS1127の処理を実行することによって新たな電源電圧値(電源電圧値k)44.5ボルトが電源222に指示される。
【0283】
第k回目の電圧制御により、最小電圧値38.6が、38.5ボルト(目標電圧値)~38.6ボルト(目標電圧値+0.1ボルト)の範囲に含まれ、図11のステップS1129の条件を満たす。これにより、電源222の電源電圧の制御が完了する。
【0284】
目標とする最終的な電源電圧値を決定して、直ちに最終的な電源電圧値に制御するのではなく、少しずつ(0.1ボルトずつ)電源電圧を減少させ、n個の発光基板250の検出電圧値を検出した結果を確認しながら、最終的な電源電圧値にする。このようにすることで、n個の発光基板250を安定した状態に保ちつつ、電源222の電源電圧を変更することができる。
【0285】
FET266のドレイン端子とソース端子との間の電位差で消費される電位差を減少させることができ、FET266の発熱を抑えることができるとともに、照明装置200の消費電力を低下させることができる。
【0286】
<<ケーブル200Cの長さ及び接続線224の長さと電圧降下>>
<ケーブル200Cの長さと電圧降下>
図6に示したように、電源部200Aと照明部200Bとは、ケーブル200Cで接続される。ケーブル200Cの長さは、照明装置200の使用環境に応じて、最短で1メートルから最長で50メートルにまで、様々な長さとなり得る。このため、ケーブル200Cに生ずる電源電圧の電圧降下を無視できない場合がある。例えば、電源部200Aから48ボルトの電源電圧をケーブル200Cを介して照明部200Bに供給する場合に、ケーブル200Cの長さが50メートルとしたときには、ケーブル200Cによる電圧降下は、約4~5ボルトと想定される。
【0287】
<接続線224の長さと電圧降下>
また、照明部200Bは、長尺な形状を有する。照明部200Bの筐体202は、第1の端部207Aと第2の端部207Bとを有する。複数の発光基板250は、第1の端部207Aと第2の端部207Bとの間に、筐体202の長手方向に沿って配置される。例えば、複数の発光基板250は、筐体202内で、直線状に直列に配置される(図7参照)。
【0288】
ケーブル200Cは、照明部200Bの筐体202の第1の端部207Aに設けられたコネクタ208(図6参照)に接続される。複数の発光基板250の各々に電源電圧を供給するために、筐体202内で、接続線224が、コネクタ208から複数の発光基板250の各々に電気的に接続される。
【0289】
図9に示すように、コネクタ208から、第1の発光基板250のLED282(C1)までの接続線224-1は、接続線210-1と分岐点BR-1を介した接続線212-1とからなる。同様に、コネクタ208から、第2の発光基板250のLED282(C2)までの接続線224-2は、接続線210-1及び210-2と分岐点BR-2を介した接続線212-2とからなる。コネクタ208から、第n-1の発光基板250のLED282(Cn-1)までの接続線224-(n-1)は、接続線210-1~210-(n-1)と分岐点BR-(n-1)を介した接続線212-(n-1)とからなる。コネクタ208から、第nの発光基板250のLED282(Cn)までの接続線224-nは、接続線210-1~210-nと分岐点BR-nを介した接続線212-nとからなる。このように、コネクタ208から離れるに従って、直列に接続される接続線210-1~接続線210-nの存在によって、接続線224-nは長くなる。
【0290】
接続線224-1~224-nによって、電源部200Aからの電源電圧が、第1の発光基板250~第nの発光基板250に電気的には並列に供給される。しかしながら、筐体202の内部では、接続線224-1~224-nのうちの接続線210-1~接続線210-nが直列に接続されており、コネクタ208から離れるに従って、接続線224-nが長くなり、電圧降下が大きくなる。
【0291】
また、照明部200Bの長手方向の長さは、照明対象物の大きさなどに応じて、最大で4メートルになる場合がある。したがって、コネクタ208と、コネクタ208から最も離れた位置の発光基板250とを電気的に接続する接続線224の長さは、約4メートルとなり得る。照明部200Bの長手方向の長さに応じて、発光基板250の数が増える。このため、発光基板250が増えるに従って、接続線224-nは長くなる。この場合の接続線224による電圧降下は、約1ボルトと想定される。
【0292】
このため、電源部200Aから、電源部200Aから最も離れた位置の発光基板250までの、電源電圧を供給するための配線の長さは、最長の場合には、約54メートルとなる。このときの電圧降下は、約5~6ボルト(=4~5ボルト+1ボルト)と想定される。なお、前述した冗長電圧値Vmとは別に電圧降下分を予め考慮しておくことで、ケーブル200Cの長さ及び接続線224の長さの相違などの様々な使用環境などに応じて、照明部200Bに安定して電源電圧を供給することができる。
【0293】
図10及び図11に示した電源電圧の制御(オートボルテージ制御)を実行しない場合には、電源部200Aから、電源部200Aから最も離れた位置の発光基板250までの、電源電圧を供給するための配線の長さが最長となった場合を仮定して、電圧降下分の約5~6ボルトをマージンとして、電源部200Aから出力する電源電圧を設定する必要がある。言い換えれば、電源部200Aは、常に、約5~6ボルトの電圧が余分に出力する必要がある。
【0294】
これに対して、図10及び図11に示した電源電圧の制御(オートボルテージ制御)を実行することにより、ADC172Rが検出した電圧値が最も低い発光基板250が稼働できる電源電圧値まで、電源電圧値を安定して減少させることができる。このようにして、必要最低限の電源電圧を照明部200Bに供給することができる。
【0295】
<<<<本実施の形態の概要2>>>>
以下では、本実施の形態の概要について、第13の態様~第16の態様として説明する。
【0296】
<<第13の態様>>
第13の態様は、第1の態様~第12の態様において、
前記光源部(例えば、前述した照明部200Bなど)は、前記少なくとも一つの光源を有する複数の光源制御基板(例えば、前述した発光基板250など)を有し、
前記複数の光源制御基板が、所定の方向に沿って配置され、
前記複数の光源制御基板は、前記電源に最も近くに配置される最近位置光源制御基板(例えば、前述した第1の発光基板250など)と、前記電源から最も遠くに配置される最遠位置光源制御基板(例えば、前述した第nの発光基板250など)と、
前記電源からの供給電圧を前記複数の光源制御基板の各々に供給するための電源供給線(例えば、前述した接続線224-1~224-nなど)と、を含み、
前記電源から前記光源制御基板までの前記電源供給線の長さが、前記最近位置光源制御基板から前記最遠位置光源制御基板に向かうに従って長くなる。
【0297】
<<第14の態様>>
第14の態様は、第13の態様において、
前記電源供給線が、直列に接続された直列接続供給線(例えば、前述した接続線210-1~210-nなど)を含む。
【0298】
<<第15の態様>>
第15の態様は、第14の態様において、
前記光源部(例えば、前述した照明部200Bなど)は、長尺な形状を有し、
前記複数の光源制御基板が、長手方向に沿って配置された。
【0299】
<<第16の態様>>
第16の態様は、第13の態様において、
前記光源部と前記電源とが互いに離隔して配置可能であり、
前記電源からの供給電圧を前記光源部に供給するための接続供給線(例えば、前述したケーブル200Cなど)によって前記光源部と前記電源とが電気的に接続可能である。
【0300】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、第1の実施の形態及び第2の実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【符号の説明】
【0301】
100 照明装置
120 電源電圧供給部
160R、160G、160B 定電流供給部
170R、170G、170B 電圧検出部
180 発光部
200 照明装置
220 電源電圧供給部
260 定電流供給部
270 電圧検出部
280 発光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12