(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】LED表示デバイス
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240911BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240911BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240911BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240911BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240911BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 338
G09F9/00 346D
G09F9/302 Z
G09F9/33
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2019571640
(86)(22)【出願日】2018-07-03
(86)【国際出願番号】 FR2018051643
(87)【国際公開番号】W WO2019008262
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-06-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-15
(32)【優先日】2017-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバン イヴァン-クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】デュポン ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】カプレ ステファヌ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ フーコー エメリック
(72)【発明者】
【氏名】ロッシーニ ウンベルト
(72)【発明者】
【氏名】ツェルノコフ アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】タンプリール フランソワ
【合議体】
【審判長】濱本 禎広
【審判官】田辺 正樹
【審判官】小島 寛史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0249069(US,A1)
【文献】国際公開第2017/089676(WO,A1)
【文献】特開2004-86172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0357315(US,A1)
【文献】特表2007-531321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイス(100)であって、少なくとも、
- 支持体(130)と、
- 第1および第2の給電導体エレメント(106、108)であって、前記少なくとも1つの第1の給電導体エレメント(108)が前記支持体(130)の面上に配置される、第1および第2の給電導体エレメント(106、108)と、
- それぞれが少なくとも1つのLED(105)を包含するいくつかのLEDモジュール(104)であって、各LEDは、p-n接合を形成する少なくとも2つの層(134、136)を包含し、各LEDモジュールは、それぞれが前記LEDモジュールの2つの対向する面上に配置される2つの給電パッド(110、112)を含み、前記2つの給電パッドのうちの1つが、前記LEDモジュールの前記LEDの発光面に対応する、いくつかのLEDモジュール(104)と、
を備え、
ここで、各LEDモジュールの前記2つの給電パッドが、前記LEDモジュールに給電するために、それぞれ、前記第1および第2の給電導体エレメントに接続され、
前記表示デバイスの明点の表示を生み出すことが意図された1つまたは複数のLEDモジュールが属する表示画素ゾーンの前記第1の給電導体エレメントによって形成されるホスト表面と、前記LEDモジュールのうちの1つのLEDモジュールの給電パッド(110)の、前記第1の給電導体エレメントとの接続表面との間の寸法の比が、2に等しいかそれより大きく、
各LEDモジュール(104)は、さらに、前記LEDモジュール(104)の前記LED(105)の命令回路(118)を包含し、
前記命令回路(118)は、前記LED(105)の前記p-n接合の前記層のうちの1つに、前記LED(105)によって発せられることが意図された光信号を表す信号を出力することが可能であり、前記命令回路(118)は、前記給電導体エレメント上において送信されることが意図された前記光信号を表すバイナリ信号の復調を実行することが可能であり、
前記
バイナリ信号は、PWMまたはBCMタイプのものである、
表示デバイス(100)。
【請求項2】
表示デバイス(100)であって、少なくとも、
- 支持体(130)と、
- 第1および第2の給電導体エレメント(106、108)であって、前記少なくとも1つの第1の給電導体エレメント(108)が前記支持体(130)の面上に配置される、第1および第2の給電導体エレメント(106、108)と、
- それぞれが少なくとも1つのLED(105)を包含するいくつかのLEDモジュール(104)であって、各LEDは、p-n接合を形成する少なくとも2つの層(134、136)を包含し、各LEDモジュールは、それぞれが前記LEDモジュールの2つの対向する面上に配置される2つの給電パッド(110、112)を含み、前記2つの給電パッドのうちの1つが、前記LEDモジュールの前記LEDの発光面に対応する、いくつかのLEDモジュール(104)と、
を備え、
ここで、各LEDモジュールの前記2つの給電パッドが、前記LEDモジュールに給電するために、それぞれ、前記第1および第2の給電導体エレメントに接続され、
前記表示デバイスの明点の表示を生み出すことが意図された1つまたは複数のLEDモジュールが属する表示画素ゾーンの前記第1の給電導体エレメントによって形成されるホスト表面と、前記LEDモジュールのうちの1つのLEDモジュールの給電パッド(110)の、前記第1の給電導体エレメントとの接続表面との間の寸法の比が、2に等しいかそれより大きく、
前記表示デバイス(100)は、
- それぞれの表示画素ゾーン(102)が、前記LEDモジュール(104)のうちの少なくとも1つおよび前記表示画素ゾーン(102)の前記LEDモジュール(104)のうち
の少なくとも1つのコントロール・デバイス(120)を、前記コントロール・デバイス(120)によって受信されることが意図された前記表示画素ゾーン(102)の命令信号の関数として含むいくつかの表示画素ゾーン(102)を含む表示平面と、
前記表示平面上に表示されることが意図された画像信号を受信することが可能であり、かつ前記表示画素ゾーン(102)の前記命令信号を出力することが意図された少なくとも1つの命令ユニット(122)を含む、前記表示デバイス(100)の入力/出力インターフェースと、
をさらに備え、
- 前記命令ユニット(122)は、前記表示画素ゾーン(102)の前記命令信号を、RF波によって送信することが可能な少なくとも1つの第1のアンテナ(124)に接続され、
- 各コントロール・デバイス(120)は、RF信号処理回路に結合された少なくとも1つの第2のアンテナ(126)を含み、関連付けられた前記表示画素ゾーン(102)の前記命令信号を受信すること、および受信した前記命令信号の関数として前記表示画素ゾーン(102)の前記LEDモジュール(104)のうちの前記少なくとも1つに、前記表示画素ゾーン(102)と関連付けられた前記画像信号の一部に対応する光信号を発する命令を与えることが可能であり、
前記コントロール・デバイス(120)は、前記第1の給電導体エレメントと前記第2の給電
導体エレメントとの間に配置されている、
表示デバイス(100)。
【請求項3】
前記LEDモジュール(104)は、前記ホスト表面上の前記LEDモジュールの密度が一様でないようにランダム態様で分配される、請求項1又は2に記載の表示デバイス(100)。
【請求項4】
前記第1および第2の給電導体エレメント(106、108)のそれぞれは、互いに実質的に平行に延びるいくつかの導体トラックを包含し、前記第1の給電導体エレメントの前記導体トラックは、前記第2の給電導体エレメントの前記導体トラックに対して実質的に直交して延びる、請求項1から3のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項5】
前記第1および第2の給電導体エレメント(106、108)のそれぞれは、単一の導電性の層を包含する、請求項1から3のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項6】
各LEDモジュール(104)は、互いに隣り合ってヘッド・トゥー・テールで配置される2つのLEDを包含する、請求項1から5のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項7】
表示デバイス(100)を製造するための方法であって、少なくとも、
- いくつかのLEDモジュール(104)を製造するステップであって、それぞれが少なくとも1つのLED(105)および前記LEDモジュールの少なくとも2つの対向する面に配置される2つの給電パッド(110、112)を包含し、前記対向する面のうちの1つが、前記LEDモジュールの前記LEDの発光面に対応する、ステップと、
- 支持体(130)を製造するステップであって、前記支持体の面上に少なくとも1つの第1の給電導体エレメント(108)が配置される、ステップと、
- 前記第1の給電導体エレメントが、前記LEDモジュールのうちの少なくとも一部のために、前記表示デバイスの明点の表示を生み出すことが意図された1つまたは複数のLEDモジュールが属する表示画素ゾーンの少なくとも1つのホスト表面を形成し、かつそれに対して前記LEDモジュールのそれぞれの前記2つの給電パッドのうちの1つが、前記ホスト表面と、前記LEDモジュールのうちの1つのLEDモジュールの給電パッド(110)の、前記第1の給電導体エレメント(108)との接続表面との間の寸法の比が2に等しいかそれより大きい電気接触を生み出すべく配置されるように、前記支持体上に前記LEDモジュールを転写するステップと、
- 前記LEDモジュール上において少なくとも1つの第2の給電導体エレメントを製造するステップであって、前記LEDモジュールが、前記第1および第2の給電導体エレメントの間に配置され、かつ前記2つの給電パッドが、それぞれ前記第1および第2の給電導体エレメントに接続されるように、前記少なくとも1つの第2の給電導体エレメントを製造するステップと、
を含み、
前記LEDモジュール(104)を製造するステップにおいて、各LEDモジュール(104)は、さらに、前記LEDモジュール(104)の前記LED(105)の命令回路(118)を包含し、前記命令回路(118)は、前記LED(105)が包含するp-n接合を形成する少なくとも2つの層(134、136)のうちの1つに、前記LED(105)によって発せられることが意図された光信号を表す信号を出力することが可能であり、
前記命令回路(118)は、前記給電導体エレメント上において送信されることが意図された前記光信号を表すバイナリ信号の復調を実行することが可能であり、
前記
バイナリ信号は、PWMまたはBCMタイプのものである、方法。
【請求項8】
表示デバイス(100)を製造するための方法であって、少なくとも、
- いくつかのLEDモジュール(104)を製造するステップであって、それぞれが少なくとも1つのLED(105)および前記LEDモジュールの少なくとも2つの対向する面に配置される2つの給電パッド(110、112)を包含し、前記対向する面のうちの1つが、前記LEDモジュールの前記LEDの発光面に対応する、ステップと、
- 支持体(130)を製造するステップであって、前記支持体の面上に少なくとも1つの第1の給電導体エレメント(108)が配置される、ステップと、
- 前記第1の給電導体エレメントが、前記LEDモジュールのうちの少なくとも一部のために、前記表示デバイスの明点の表示を生み出すことが意図された1つまたは複数のLEDモジュールが属する表示画素ゾーンの少なくとも1つのホスト表面を形成し、かつそれに対して前記LEDモジュールのそれぞれの前記2つの給電パッドのうちの1つが、前記ホスト表面と、前記LEDモジュールのうちの1つのLEDモジュールの給電パッド(110)の、前記第1の給電導体エレメント(108)との接続表面との間の寸法の比が2に等しいかそれより大きい電気接触を生み出すべく配置されるように、前記支持体上に前記LEDモジュールを転写するステップと、
- 前記LEDモジュール上において少なくとも1つの第2の給電導体エレメントを製造するステップであって、前記LEDモジュールが、前記第1および第2の給電導体エレメントの間に配置され、かつ前記2つの給電パッドが、それぞれ前記第1および第2の給電導体エレメントに接続されるように、前記少なくとも1つの第2の給電導体エレメントを製造するステップと、
を含み、
- それぞれの表示画素ゾーン(102)が、前記LEDモジュール(104)のうちの少なくとも1つおよび前記表示画素ゾーン(102)の前記LEDモジュール(104)のうち
の少なくとも1つのコントロール・デバイス(120)を、前記コントロール・デバイス(120)によって受信されることが意図された前記表示画素ゾーン(102)の命令信号の関数として含むいくつかの表示画素ゾーン(102)を含む表示平面を製造するステップと、
前記表示平面上に表示されることが意図された画像信号を受信することが可能であり、かつ前記表示画素ゾーン(102)の前記命令信号を出力することが意図された少なくとも1つの命令ユニット(122)を含む、前記表示デバイス(100)の入力/出力インターフェースを製造するステップと、
をさらに含み、
- 前記命令ユニット(122)は、前記表示画素ゾーン(102)の前記命令信号を、RF波によって送信することが可能な少なくとも1つの第1のアンテナ(124)に接続され、
- 各コントロール・デバイス(120)は、RF信号処理回路に結合された少なくとも1つの第2のアンテナ(126)を含み、関連付けられた前記表示画素ゾーン(102)の前記命令信号を受信すること、および受信した前記命令信号の関数として前記表示画素ゾーン(102)の前記LEDモジュール(104)のうちの前記少なくとも1つに、前記表示画素ゾーン(102)と関連付けられた前記画像信号の一部に対応する光信号を発する命令を与えることが可能であり、
前記コントロール・デバイス(120)は、前記第1の給電導体エレメントと前記第2の給電
導体エレメントとの間に配置されている、方法。
【請求項9】
前記LEDモジュールを転写するステップの間に、前記LEDモジュールの位置決めが、前記第1の給電導体エレメントの前記少なくとも1つのホスト表面上においてランダムまたは擬似ランダム態様で実行される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記支持体(130)上における前記LEDモジュール(104)の分散は、ランダムであり、前記LEDモジュールのスプレーによる投射、または溶液内における前記LEDモジュールの懸濁およびその後の前記支持体上における前記LEDモジュールの沈殿および前記LEDモジュールが分散された前記溶液の媒体からの除去を包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記LEDモジュール(104)の前記転写は、前記支持体の一部の上にいくつかのLEDモジュールを同時に転写することが可能な転写マシンを使用して擬似ランダム態様で実装される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2の給電導体エレメント(106、108)のそれぞれを製造することは、互いに実質的に平行に延びるいくつかの導体トラックのプリントによる堆積を包含し、前記第1および第2の給電導体エレメントのうちの第1の給電導体エレメントの前記導体トラックは、前記第1および第2の給電導体エレメントのうちの第2の給電導体エレメントの前記導体トラックに対して実質的に直交して延びている、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記LEDモジュール(104)を転写するステップと前記第2の給電導体エレメント(106)を製造するステップとの間に、
- 前記LEDモジュール、および前記LEDモジュールの側に位置し、前記LEDモジュールによって覆われない前記支持体の部分を覆う感光性樹脂(132)を堆積するステップと、
- 前記感光性樹脂を露光するステップであって、この露光のために使用される波長に関して透明な前記支持体を通じて当該露光を行うステップと、
- 前記感光性樹脂の残りの露光された部分が前記LEDモジュールの間に維持され、前記LEDモジュールの間に不動態化エレメントを形成するように、前記露光された樹脂を現像するステップと、
を実装することを包含する、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記LEDモジュールは、当該LEDモジュールが、それぞれ、少なくとも1つのマイクロマグネットを包含するように、および/または前記LEDモジュールの側面が、前記支持体上における前記LEDモジュールの分散の間に、前記LEDモジュールの前記発光面が光学的に透明な前記支持体の1つの側に配置されるような前記LEDモジュールの配置が選ばれるようにエッチングされるように製造される、請求項7から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記LEDモジュール(104)は、前記第1の給電導体エレメント(108)の前記ホスト表面上にランダムまたは擬似ランダム態様で分配されている、請求項1又は2に記載の表示デバイス(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、表示デバイスまたは画像投影デバイスに関する。特に、GaNで作られたLEDまたはマイクロLED(μLED)を含むスクリーンの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のスクリーンの大多数は、バックライトが結合された液晶を用いて製造され、LCD(液晶表示)スクリーンと呼ばれる。その種のスクリーンの液晶マトリクスは、TFT(薄膜トランジスタ)によって駆動される。
【0003】
別の、より効率的なスクリーンのための技術として、OLED(有機発光ダイオード)テクノロジが挙げられる。その画素命令原理は、LCDスクリーンの場合に使用されるもの(TFTテクノロジを使用して製造される命令回路)に類似している。
【0004】
また、たとえばGaN/InGaNに基づく構造を含むマイクロLED(またはμLED)を使用することも可能である。これらのμLEDは、LCDおよびOLEDスクリーンと比較して消費の減少を有することを可能にする(GaN/InGaN μLEDの効率は60%を超える)。これらのμLEDは、高電流密度に適応し、そのことが、通常106cd/m2となる高輝度を有することを可能にする。
【0005】
特許文献1は、μLEDおよびその命令エレクトロニクスからなるマイクロチップのアッセンブリによるスクリーンの製造のための方法を開示している。この方法を用いれば、TFTテクノロジではなく、バルク・テクノロジを使用して命令エレクトロニクスを製造できる。しかしながらこの方法は、それぞれが、1つの相互接続網上に4つの接続を含むマイクロチップの、非常に精密な転写を実行しなければならないという欠点を有し、必要な精度を前提とすると、それを実行することは困難である。この転写の実行に必要な持続時間もまた、転写を要するμLEDの数のために非常に重要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、LEDが接続される相互接続に関するLEDの位置決めおよび転写に関係のある制約の緩和を可能する構造を備えた表示デバイスを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのような表示デバイスを実現するために、少なくとも:
- 支持体と;
- 第1および第2の給電導体エレメントであって、少なくとも1つの第1の導体エレメントが支持体の面上に配される第1および第2の給電導体エレメントと;
- それぞれが少なくとも1つのLEDを包含するいくつかのLEDモジュールであって、各LEDは、p-n接合を形成する少なくとも2つの層を包含し、各LEDモジュールは、それぞれがLEDモジュールの2つの対向する面上に配される2つの給電パッドを含み、そのうちの1つが、LEDモジュールのLEDの発光面に対応するいくつかのLEDモジュールと;を含み、
ここで、各LEDモジュールの給電パッドが、LEDモジュールに給電するために、それぞれ、第1および第2の給電導体エレメントに接続され、かつ、
第1の導体給電エレメントとのLEDモジュールの給電パッドの接続表面が、LEDモジュールの給電パッドの接続表面と平行な平面内の第1の導体エレメントの表面に対応する第1の導体エレメントのホスト表面より有意に小さく、かつLEDモジュールの給電パッドとの電気的な接触をもたらすことが可能であることを特徴とする表示デバイスを提案する。
【0009】
また、少なくとも:
- 支持体と;
- 第1および第2の給電導体エレメントであって、少なくとも1つの第1の導体エレメントが支持体の面上に配される第1および第2の給電導体エレメントと;
- それぞれが少なくとも1つのLEDを包含するいくつかのLEDモジュールであって、各LEDは、p-n接合を形成する少なくとも2つの層を包含し、各LEDモジュールは、それぞれがLEDモジュールの2つの対向する面上に配される2つの給電パッドを含み、そのうちの1つが、LEDモジュールのLEDの発光面に対応するいくつかのLEDモジュールと;を含み、
ここで、各LEDモジュールの給電パッドが、LEDモジュールに給電するために、それぞれ、第1および第2の給電導体エレメントに接続され、かつ
表示デバイスの明点の表示を生み出すことが意図された1つまたは複数のLEDモジュールが属する表示画素ゾーンの第1の導体エレメントによって形成されるホスト表面と、LEDモジュールのうちの1つの給電パッドの、第1の導体エレメントとの接続表面の間の寸法の比が、2に等しいかそれより大きいことを特徴とする表示デバイスも提案する。
【0010】
この種のデバイスにおいては、ホスト表面の、給電パッドの寸法と比較して大きな影響を有する寸法を前提とすれば、第1の導体エレメントのホスト表面上におけるLEDモジュールの精密な位置決めを達成する必要がない。このホスト表面上にLEDモジュールを転写する異なる方法が、したがって、たとえば、ホスト表面上におけるLEDモジュールのランダム配置を生み出すように企図できる。LEDモジュールが電気的に接続される導体エレメントに関する画素モジュールの整列を達成する必要はない。
【0011】
LEDモジュールは、非決定性の態様で第1の導体エレメントのホスト表面上に位置決め、または転写してもよい。非決定性の位置決めまたは転写は、ここでは、実質的にランダムを意味する。非決定性の転写は、それによって支持体上におけるLEDモジュールの、多様な、したがって一様でない密度を導く可能性がある。それに加えて、所定の場所のLEDモジュールの密度が、前もってあらかじめ決定済みとなることはしばしば不可能でなく、たとえば、ポアソン法則タイプの統計的確率法則によって規定されることになる。
【0012】
LEDモジュールは、非拘束または非強制的な態様で第1の導体エレメントのホスト表面上に位置決め、または転写してもよい。非拘束または非強制的な位置決めまたは転写は、LEDモジュールの導体給電パッドが、そのLEDモジュールが転写される支持体の導体ホスト表面の寸法より小さい寸法の接触表面を有し、たとえばその比が、少なくとも2に等しいか、または少なくとも5に等しく、その結果、この位置決め方法によるLEDモジュールの位置決めの精度が緩和されるか、または非常に緩和された精度さえ有することが許され、LEDモジュールが、ホスト表面の様々な場所に位置決めされることが可能となり、その導体ホスト表面上におけるLEDモジュールのパッドの中心決めを確保することが必要でなくなることを意味する。この場合においては、LEDモジュールの密度が異なる導体ホスト表面について実質的に一様となることが可能であるが、ホスト表面上におけるLEDの位置決めは、変動することが可能であり、したがって、導体ホスト表面上における擬似ランダム位置決めという用語を使用できる。
【0013】
さらにまた、支持体上へのLEDモジュールの転写の動作の前、またはその間においてそれらの予備的な方向付けの技術が用いられるか否かに応じて、転写の間のモジュールの向きがランダムになったり、ランダムにならなかったりし得る。
【0014】
LEDという用語は、LEDまたはμLEDを意味するものとして使用される。
【0015】
第1の導体エレメントのホスト表面の寸法と、LEDモジュールの給電パッドの接続表面の寸法との間の比は、ホスト表面と接続表面の境界面に形成される平面内において、2に等しいかまたはそれより大きいものとし得る、または5に等しいかまたはそれより大きいものとし得る。
【0016】
第1の導体エレメントのホスト表面は、LEDモジュールの給電パッドとの電気接触をもたらすべく機能することが可能な第1の導体エレメントの導体材料の全表面に対応する。LEDモジュールとの電気的な接続を形成するべく機能することが可能でない導体材料は、このホスト表面の一部を形成しない。
【0017】
LEDモジュールは、第1の導体エレメントのホスト表面上にランダムまたは擬似ランダム態様で分配してもよく、デバイスを、以下で説明する方法の実装からの結果としてもたらすことが可能である。
【0018】
LEDモジュールは、ホスト表面上のLEDモジュールの密度が一様でないようにランダム態様で分配し得る。
【0019】
第1の導体エレメントのホスト表面と、LEDモジュールのうちの1つの給電パッドの接続表面の間の寸法の比は、2に等しいかまたはそれより大きい、あるいは、5に等しいかまたはそれより大きい。
【0020】
各LEDモジュールは、さらに、LEDモジュールのLEDの命令回路を包含し、命令回路は、LEDのp-n接合の層のうちの1つに、LEDによって発せられることが意図された光信号を表す信号を出力することが可能である。
【0021】
命令回路は、給電導体エレメント上において送信されることが意図された光信号のPWM(パルス幅変調)復調、または給電導体エレメント上において送信されることが意図された光信号を表すバイナリ信号の復調を実行することが可能である。
【0022】
復調は、PWMまたはBCM(バイナリ・コード変調)タイプのものとし得る。
【0023】
第1および第2の給電導体エレメントのそれぞれは、互いに実質的に平行に延びるいくつかの導体トラックを包含し、第1の給電導体エレメントの導体トラックは、第2の給電導体エレメントの導体トラックに対して実質的に直交して延び得る。この場合においては、第1の導体エレメントの導体トラックのうちの1つの、第2の導体エレメントの導体トラックのうちの1つとの重なりに対応する領域が、表示画素ゾーンを形成することが可能であり、それにおいて、この表示画素ゾーンに属するLEDモジュール(1つまたは複数)は、デバイスの明点の表示を生み出すことが意図され、かつたとえば、表示デバイスの画素を形成する。
【0024】
第1および第2の給電導体エレメントのそれぞれは、単一の導電性の平面または単一の導電性の層を包含し得る。
【0025】
各LEDモジュールは、互いに隣り合ってヘッド・トゥー・テール(頭尾構造)で配される2つのLEDを包含し得る。
【0026】
表示デバイスは、さらに、
- それぞれの表示画素ゾーンが、LEDモジュールのうちの少なくとも1つおよび前記表示画素ゾーンの前記少なくとも1つのLEDモジュールのコントロール・デバイスを、コントロール・デバイスによって受信されることが意図された表示画素ゾーンの命令信号の関数として含むいくつかの表示画素ゾーンを含む表示平面と、
- 表示平面上に表示されることが意図された画像信号を受信することが可能であり、かつ表示画素ゾーンの命令信号を出力することが意図された少なくとも1つの命令ユニットを含む、表示デバイスの入力/出力インターフェースと、
を包含し、ここで、
- 命令ユニットは、表示画素ゾーンの命令信号を、RF波によって送信することが可能な少なくとも1つの第1のアンテナに接続され、
- 各コントロール・デバイスは、RF信号処理回路に結合された少なくとも1つの第2のアンテナを含み、関連付けられた表示画素ゾーンの命令信号を受信すること、および受信した命令信号の関数として表示画素ゾーンのLEDモジュールのうちの前記少なくとも1つに、前記表示画素ゾーンと関連付けられた画像信号の一部に対応する光信号を発する命令を与えることが可能である。
【0027】
その種の、たとえば、μLEDスクリーンを形成する表示デバイスにおいては、LEDモジュールに命令を与えるコントロール・デバイスが、もはや有線態様で表示デバイスによって受信される画像信号を処理する命令ユニット(1つまたは複数)にリンクされることがなくなる。その種の構成は、LEDモジュールの命令信号に関する給電信号の運搬の相関を解くことを可能にし、そのことが、過度に高い減衰を生じさせる大きな影響を与えるような寸法を有する可能性のある導体エレメント上における命令信号の運搬を回避する。
【0028】
それに加えて、上記の構成は、表示エレメント(LEDモジュールおよびコントロール・デバイス)と表示器の上流にある信号処理エレメント(命令ユニット(1つまたは複数))の間における関係に、より大きな柔軟性を提供する。したがって、これらの種々の要素の互いに対する関係を容易に修正することが可能である。
【0029】
コントロール・デバイスは、LEDモジュールが命令回路を含まないときであってさえも、第2のアンテナ上で受信した信号からLEDモジュールを駆動することができる。
【0030】
LEDモジュールのそれぞれが、コントロール・デバイスを包含し得る。あるいは、各表示画素ゾーンが、いくつかのLEDモジュールおよび前記表示画素ゾーンのLEDモジュールと電気的に接続された共通のコントロール・デバイスを包含し得る。
【0031】
第2のアンテナは、2つの給電導体エレメントのうちの1つと同じ平面内に配置され得る。
【0032】
各コントロール・デバイスは、2つの給電導体エレメントの間に配置され、給電導体エレメントによって給電し得る。
【0033】
したがって、表示デバイス上に画像を表示するための方法を実装することが可能であり、当該方法は、少なくとも、
- 表示デバイスの表示平面上に表示されることが意図された画像信号を受信することと、
- 表示デバイスの少なくとも1つの命令ユニットによって画像信号を処理し、各表示画素ゾーンが、少なくとも1つのLEDを含む少なくとも1つのLEDモジュールを含むように、表示デバイスのいくつかの表示画素ゾーンの命令信号を決定することと、
- 命令信号を、RF波によって表示画素ゾーンに送信することと、
- 各表示画素ゾーンのコントロール・デバイスによって各命令信号を受信することと、
- 前記コントロール・デバイスによって、各表示画素ゾーンのLEDモジュールに、受信された命令信号の関数として前記表示画素ゾーンと関連付けされた画像信号の一部に対応する光信号を発する命令を与えることと、を含む。
【0034】
また、表示デバイスを製造するための方法も提案され、当該方法は、少なくとも、
- いくつかのLEDモジュールを製造することであって、それぞれが少なくとも1つのLEDおよびLEDモジュールの少なくとも2つの対向する面に配置される2つの給電パッドを包含し、対向する面のうちの1つが、前記LEDモジュールのLEDの発光面に対応する、いくつかのLEDモジュールを製造することと、
- 支持体を製造することであって、支持体の面上に少なくとも1つの第1の給電導体エレメントが配置される、支持体を製造することと、
- 支持体上にLEDモジュールを、第1の給電導体エレメントが、LEDモジュールのうちの少なくとも一部のために、少なくとも1つのホスト表面を形成し、かつそれに対して前記LEDモジュールのそれぞれの給電パッドのうちの1つが、給電パッドの接続表面が前記ホスト表面より有意に小さい電気的接触を生み出すべく配置されるように転写することと、
- LEDモジュール上において少なくとも1つの第2の給電導体エレメントを製造することであって、LEDモジュールが、第1および第2の給電導体エレメントの間に配置され、かつ2つの給電パッドが、それぞれ第1および第2の給電導体エレメントに接続されるように製造することと、を含む。
【0035】
また、表示デバイスを製造するための方法も提案され、当該方法は、少なくとも、
- いくつかのLEDモジュールを製造することであって、それぞれが少なくとも1つのLEDおよびLEDモジュールの少なくとも2つの対向する面に配置される2つの給電パッドを包含し、対向する面のうちの1つが、前記LEDモジュールのLEDの発光面に対応する、いくつかのLEDモジュールを製造することと、
- 支持体を製造することであって、支持体の面上に少なくとも1つの第1の給電導体エレメントが配置される、支持体を製造することと、
- 第1の給電導体エレメントが、LEDモジュールのうちの少なくとも一部のために、表示デバイスの明点の表示を生み出すことが意図された1つまたは複数のLEDモジュールが属する表示画素ゾーンの少なくとも1つのホスト表面を形成し、かつそれに対して前記LEDモジュールのそれぞれの給電パッドのうちの1つが、前記ホスト表面と第1の導体エレメントとのLEDモジュールのうちの1つの給電パッドの接続表面の間の寸法の比が2に等しいかそれより大きい電気接触を生み出すべく配置されるように、支持体上にLEDモジュールを転写することと、
- LEDモジュール上において少なくとも1つの第2の給電導体エレメントを製造することであって、LEDモジュールが、第1および第2の給電導体エレメントの間に配され、かつ2つの給電パッドが、それぞれ第1および第2の給電導体エレメントに接続されるように製造することと、を含む。
【0036】
LEDモジュールの転写のステップの間に、LEDモジュールの位置決めを、第1の導体エレメントの前記少なくとも1つのホスト表面上においてランダムまたは擬似ランダム態様で実行し得る。
【0037】
ホスト支持体上におけるLEDモジュールの分散は、ランダムであってもよく、LEDモジュールのスプレーによる投射、または溶液内におけるLEDモジュールの懸濁およびその後のホスト支持体上におけるLEDモジュールの沈殿およびLEDモジュールが分散された溶液の媒体からの除去を包含し得る。
【0038】
代替として、LEDモジュールの転写は、ホスト支持体の一部の上にいくつかのLEDモジュールを同時に転写することが可能な転写マシンを使用して擬似ランダム態様で実装し得る。
【0039】
第1および第2の給電導体エレメントのそれぞれの製造は、互いに実質的に平行に延びるいくつかの導体トラックのプリントによる堆積を包含してもよく、それにおいて、2つの給電導体エレメントのうちの第1のそれの導体トラックは、2つの給電導体エレメントのうちの第2のそれの導体トラックに対して実質的に直交して延びる。
【0040】
さらにこの方法は、LEDモジュールの転写と第2の給電導体エレメントの製造の間に、次の、
- LEDモジュール、およびLEDモジュールの側に位置し、LEDモジュールによって覆われないホスト支持体の部分を覆う感光性樹脂を堆積するステップと、
- 感光性樹脂を露光するステップであって、この露光のために使用される波長に関して透明なホスト支持体を通じて感光性樹脂を露光するステップと、
- 感光性樹脂の残りの露光された部分がLEDモジュールの間に維持され、LEDモジュールの間に不動態化エレメントを形成するように、露光された樹脂を現像するステップと、の実装を包含し得る。
【0041】
LEDモジュールは、それらが、それぞれ、少なくとも1つのマイクロマグネットを包含するように、および/またはLEDモジュールの側面が、ホスト支持体上におけるLEDモジュールの分散の間に、LEDモジュールの発光面が光学的に透明なホスト支持体の側に配置されるようなLEDモジュールの配置が選ばれるようにエッチングされるように、製造できる。
【0042】
本発明は、純粋に裏付けを与える目的のために以下のとおりの添付図面を参照して与えられ、かついかなる形においても限定することがない例示的な実施態様の説明を読むことによってより良好に理解されることになろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】第1の実施態様に従って本発明の本旨である表示デバイスの一部を略図的に示した説明図である。
【
図2】本発明に従った表示デバイスのLEDモジュールを略図的に示した説明図である。
【
図3A】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図3B】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図4A】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図4B】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図5】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図6】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図7A】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図7B】本発明に従った表示デバイスを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図8】本発明に従った表示デバイスのμLEDの一例を示した説明図である。
【
図9】ヘッド・トゥー・テールでマウントされる2つのLEDを包含するLEDモジュールを略図的に示した説明図である。
【
図10】LEDモジュールを製造するための方法を示した説明図である。
【
図11】LEDモジュールの電子命令回路を略図的に示した説明図である。
【
図12】予備的な方向付けを伴うLEDモジュールを製造するための方法のステップを示した説明図である。
【
図13A】予備的な方向付けを伴うLEDモジュールを略図的に示した説明図である。
【
図13B】予備的な方向付けを伴うLEDモジュールを略図的に示した説明図である。
【
図14】代替のLEDモジュールの転写を示した説明図である。
【
図15】LEDモジュールのランダム分散のシミュレーション曲線を示したグラフである。
【
図16】LEDモジュールのランダム分散のシミュレーション曲線を示したグラフである。
【
図17】LEDモジュールの電子命令回路の例示的な実施態様を示したブロック図である。
【
図18】LEDモジュールによる表示の間に獲得される信号を示したチャートである。
【
図19】LEDモジュールの電子命令回路の例示的な実施態様を示したブロック図である。
【
図20】表示する色によって差別化されたゾーンを含む表示デバイスを略図的に示した説明図である。
【
図21】LEDモジュールがRF信号によって通信される表示デバイスの一部を略図的に示した説明図である。
【
図22】RF信号によって通信されるLEDモジュールを略図的に示した説明図である。
【
図23】RF信号によって通信されるLEDモジュールを略図的に示した説明図である。
【
図24】表示デバイス内においてRF波により信号の送信を実行するエレメントを略図的に示した説明図である。
【
図25】別の実施態様に従った表示デバイスの一部を略図的に示した説明図である。
【
図26A】表示デバイス内において使用されるRFアンテナを示した説明図である。
【
図26B】表示デバイス内において使用されるRFアンテナを示した説明図である。
【
図27】別の実施態様に従った表示デバイスの一部を略図的に示した説明図である。
【
図28】特定の実施態様に従って画像を表示するための方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に説明する種々の図の中にある完全同一の、類似の、または均等な部品は、1つの図から次へ移ることをより容易にするために同じ参照番号を有する。
【0045】
図中の種々の部品は、図をより読み取りやすくするために必ずしも一様な縮尺に従って示されていない。
【0046】
異なる可能性(代替および実施態様)は、相互に排他的でないと理解されるべきであり、互いに結合されることもあり得る。
【0047】
ここでは、非決定性の、ランダムまたは擬似ランダム態様での転写支持体(たとえば、TFT構成要素を含むプレートまたは機能化されない支持プレート)上へのLEDの転写によって製造される表示デバイスを提案する。転写支持体は、たとえば、将来的にマトリクスとなる将来の行または列に対応する少なくとも1つの導体トラックを含む。
【0048】
最初に、第1の実施態様に従った表示デバイス100を略図的に示した
図1を参照する。
【0049】
デバイス100は、n×mの表示画素ゾーン102のマトリクスを形成する。表示画素ゾーン102は、デバイス100の表示平面の、その表示平面のほかの画像ポイントに関して個別に命令されるポイント画像を表示するために意図された領域に対応する。各表示画素ゾーン102は、その表示画素ゾーン102の発光を保証する1つまたは複数のLEDモジュール104を包含する(しかしながら、この後に説明するとおり、瑕疵のある表示画素ゾーンがLEDモジュールを包含しないこともある)。同じ表示画素ゾーン内に存在するすべてのLEDモジュール104は、同時に動作して対応する画像ポイントを表示する。ここで説明している第1の実施態様においては、各表示画素ゾーン102が、表示平面の画素に対応する。
図1においては、この画素のマトリクスの一部だけが示されており、6行6列の画素に分配された36画素のセットに対応する。
【0050】
LEDモジュール104は、それぞれLED105および電子命令回路118を含む。LED105は、たとえば、少なくとも1つの無機半導体、好都合にはGaN、および/またはInGaN、および/またはAlGaNで作製される。
図2に示すように、各LEDモジュール104は、一方の側にLED105を、他方の側に電子命令回路118を包含する。各LEDモジュール104の、電子命令回路118とLED105の間の境界面に平行な平面内における寸法は、特に、電子命令回路118の複雑性、すなわちこの回路118によって実装される機能の数およびタイプに依存することになるそれの嵩の関数として、マイクロLEDモジュールの場合であれば、たとえば、約1μm~100μmの間、または約5μm~100μmの間に含まれる。各LEDモジュール104の厚さは、たとえば、約2μm~10μmの間である。
【0051】
LED105は、多色光を発するか、またはそれに代えて単色光を発し得る。単色LED105が使用される場合、赤、緑、および青(および、オプションの白)色の光を発する異なるLED105が、各画素内にこれらの色のそれぞれの少なくとも1つのLED105を有するために好ましく転写される(瑕疵のある表示画素ゾーン102を除く)。
【0052】
LEDモジュール104は、この場合にデバイス100の表示画素ゾーン102内においてランダム態様で分配される。LEDモジュール104が分配される密度は、限られた数のゾーン102を除き、統計的に各表示画素ゾーン102が少なくとも1つのLEDモジュール104を包含するようなものとなる。しかしながら、各ゾーン102は、いくつかのLEDモジュール104を包含することが許される。
【0053】
各LEDモジュール104は、デバイス100の給電導体エレメント106、108に接続された2つの給電パッド110、112を包含する。
図2に示すように、各LEDモジュール104のLED105、および各LEDモジュール104の電子命令回路118は、いずれも、パッド110を介して導体エレメント108(第1の給電導体エレメントの一例)のうちの1つに接続され、パッド112を介して導体エレメント106(第2の給電導体エレメントの一例)のうちの1つに接続される。導体エレメント108は、LED105の発光を可能にするために、光学的に透明であるかまたは半透明である。
【0054】
図1においては、導体エレメント106が、第1の方向(
図1において水平方向)に沿って延びる導電性の行の形式で製造され、導体エレメント108は、第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向(
図1において垂直方向)に沿って延びる導電性の列を形成する。
【0055】
給電電位、すなわちVsuppは、たとえば、導体エレメント106上に印加されることが意図され、基準電位(たとえば、グラウンド)、すなわちVgroundは、導体エレメント108上に印加されることが意図される。各ゾーン102内において、LEDモジュール104のそれぞれは、このようにしてこの給電電位および基準電位に接続される。
【0056】
このように、ここでは、たとえば、非決定性の態様で転写支持体上に転写されるLEDの転写によって製造されるスクリーンが提案される。転写支持体は、上で説明した第1の実施態様にある場合と同様に、行または列の形式で導体エレメント106、108のうちの1つが形成されるプレートに対応させることが可能である。転写支持体は、また、電子命令エレメントを含むTFTプレートにも対応させてよい。
【0057】
この特定のLEDモジュール104の転写は、LEDモジュール104のホスト表面または接触表面の影響の大きな寸法、言い換えると、LEDモジュールの寸法、より特定的には各LEDモジュール上に存在する導体パッドの寸法と比較したときの、LEDモジュールの供給を可能にするべく意図された導電性のエレメント108の寸法に助けられて可能になる。実際、これらの導電性のエレメントの寸法が、実際にLEDモジュール104の寸法、したがって導電性のエレメント108の接触表面に相対する給電パッド110、112の寸法よりもはるかに大きいことを前提とすると、これらのホスト表面上においてLEDモジュール104の精密な位置決めを達成する必要がなくなる。これらは、接触表面と平行な平面内において、支持体上の接触表面のうちの1つの寸法と、LEDモジュールのうちの1つの2つの対向する面のうちの1つの寸法の間の比が2に等しいか、またはそれより大きくなるような、または5に等しいか、またはそれより大きくなるような、または10に等しいか、またはそれより大きくさえなるような寸法である。支持体上の接触表面は、LEDモジュール104のうちの1つとの電気的接触を生み出すために利用可能な表面に対応し、この表面は、オプションとして部分的に開口部が設けられるとすること、または電気的に接続される同電位の異なる表面からなるとすることが可能である。
【0058】
デバイス100を製造するための方法のステップを、
図3A~7Bを参照して説明する。
【0059】
第1の電極レベルが、最初に製造される(
図3Aおよび3B)。ここで説明している例においては、それらが、LED105の発光面側となることが意図された導体エレメント108である。透明の、たとえばガラスで作られた支持体130が使用される。次に、ITOの条片が、好ましくは連続平面または連続層からITOの条片間ゾーンのレーザ・エッチングを行うことによって、表示画素ゾーン102の所望のピッチに対応するピッチでエッチングされる。ITOのこれらの条片は、導体エレメント108を形成する。
【0060】
LEDモジュール104は、理想的には水-IPA混合物内に懸濁され、超音波攪拌によって懸濁状態で維持される。装置は、好適には、スペーサのランダム分散のために、液晶スクリーンに使用されるタイプのものとし得る。
【0061】
次に、LEDモジュール104が、たとえばスプレーによって、導体エレメント108上の瑕疵のあるゾーン102の数を最小化するようにランダムに分散される(
図4Aおよび4B)。1.10
6画素またはゾーン102のスクリーンのために、1.10
7個台のLEDモジュール104を含有する所定分量の溶液が計量分配されるが、それが瑕疵レベルを十数程度に保証しなければならない。LEDモジュール104と導体エレメント108の接続を確保するために直接金属-金属ボンディングを実行できる。
【0062】
ネガティブ・タイプの絶縁樹脂132が、好ましくはスプレーによって製造された構造全体に分配され、好ましくはその厚さがLEDモジュール104の厚さより厚い(
図5)。この樹脂は、周囲光のノンゼロ放射を伴う発光の間におけるLED105との良好なコントラストを獲得することをはじめ、LED105が発光していないときに黒色の表示平面を有するために好ましくは黒色である。
【0063】
透明の支持体130および導体エレメント108を通る露光は、LEDモジュール104上に存在する樹脂ではなく、LEDモジュール104の間の樹脂132を露光することを可能にする。樹脂132の現像は、次に、LEDモジュール104上に存在する露光されなかった樹脂の除去を可能にする(
図6)。樹脂の残りの部分は、LEDモジュール104の間における不動態化を保証する。
【0064】
最後に、他方の導体エレメント106が、たとえば、金属電極のプリントによって(先行する電極と垂直に)製造される。先行するステップにおいて堆積された樹脂132は、その後、プリントによる導体エレメント106の堆積に有利に働くスムージングの役割を保証する。
【0065】
このLEDモジュール104のランダム分散のプロセスにおいては、分布がポアソン法則に従う。1.10
6の表示画素ゾーン102の数を仮定し、ポアソン法則を使用すると、計量分配に必要なLEDモジュール104の数をデバイス100のために受け入れ可能な瑕疵の数の関数として評価することが可能である。瑕疵は、LEDモジュール104がまったくないか、または機能し得るLEDモジュール104がまったくない表示画素ゾーン102を意味すると解釈される。
図15に示されているグラフにおいて、100万個の表示画素ゾーン102を考えると、瑕疵のある表示画素ゾーン102を1つだけ有するためには、ホスト支持体上における1400万個台のLEDモジュール104の計量分配が必要になる(画素ゾーン当たりの平均のLEDモジュール104の数は、したがって14になる)。1000万個のLEDモジュールを分散することによって、約45の瑕疵のある表示画素ゾーン102が獲得される。また、表示画素ゾーン102内に位置することが可能なLEDモジュール104の最大数を、受け入れ可能な瑕疵の数の関数として推定することも可能である。したがって、
図16において、瑕疵のある表示画素ゾーン102を1つだけ受け入れるとき、表示画素ゾーン102が35個のLEDモジュール104を含むことがわかる。
【0066】
以下で説明する方法においては、LEDモジュール104が、支持体130および導体エレメント108上におけるスプレーによる分散の助けで分配される。代替として、液体内にLEDモジュール104を入れて、LEDモジュール104のコロイド懸濁液を得ることが可能である。この懸濁液が、支持体130および導体エレメント108の上に分配され、その後、沈殿に続くLEDモジュール104があった媒体の吸い上げによって導体エレメント108上にLEDモジュール104が配置される。
【0067】
LEDモジュール104のLED105は、たとえば、
図8に示すようになる。このLED105は、pドープされた半導体の層136に当接して配置されるnドープされた半導体の層134を包含し、このp-n接合を形成するスタックが、たとえばITOを含む2つの導体層138(透明であり、LED105の発光を可能にする)の間に配置される。層134、136の半導体は、たとえば、GaNである。層138は、導体エレメント106、108との接触を促進する。
【0068】
支持体上にランダム態様でLEDモジュール104を分配することによって、これらのLEDモジュール104のうちの一部が正しい意味で配置されず、言い換えると、それらの発光面が表示平面の正しい側にない。しかしながら、大量のLEDモジュール104の分散を考えると、統計的に充分な数の正しく方向付けされたLEDモジュール104が獲得される。反転したLEDモジュール104は、給電時に、これらのLEDモジュール104が、ほかの正しく方向付けされたLEDモジュール104の動作を擾乱しない逆バイアスされたダイオードを形成することから、電気的な問題を呈することがない。各LEDモジュール104が、CMOSタイプの命令回路118を包含するときは、この回路118のCMOSアーキテクチャが、逆バイアスが短絡回路を作り出さないようになっている。
【0069】
上記で説明した実施態様においては、分散されたLEDモジュール104が、LED105および命令回路118を包含する。代替においては、LEDモジュール104が命令回路118を含まず、一意に1つまたは複数のLED105を含むことが可能である。
【0070】
好適には、各LEDモジュール104は、互いに隣り合ってヘッド・トゥー・テールで配される2つのLED105を包含することが可能である。その種の構成を
図9に示すが、第1の面においては、第1のLED105aがnドープされた層134aを包含し、かつ第2のLED105bがpドープされた層136bを包含し、第1の面とは反対側の第2の面においては、第1のLED105aがpドープされた層136aを包含し、かつ第2のLED105bがnドープされた層134bを包含する。したがって、いずれの面(第1または第2)が導体エレメント108のうちの1つと接触していようと、LED105のうちの1つが機能することになる。
【0071】
図10との関係からLEDモジュール104を製造するための方法の一例を説明する。
【0072】
図10のステップ(a)においては、半導体基板142、たとえばシリコン内にCMOSテクノロジを使用して電子命令回路118のマトリクスが製造される。
【0073】
電子命令回路118のマトリクスの製造と並行して、LED105のマトリクスが、別の半導体基板144から、たとえばエピタキシによって製造される(ステップ(b))。
【0074】
次に、電子命令回路118のマトリクスがLED105のマトリクス上に転写される。この組み立ての間に、電子命令回路118とLED105の間の接触ピックアップが製造される。次に、基板142の半導体が薄化されて、次に命令回路118の側にパッド112が製造される。次に、成長基板144が取り除かれる(ステップ(c))。
【0075】
次に、エッチングおよびLEDモジュール104の単体化が実装される(ステップ(d))。これらのLEDモジュール104は、次に溶液内に配置することができる。
【0076】
電子命令回路118の例示的な実施態様を
図11に示す。この回路は、導体エレメント106に接続されることが意図された、たとえばITOの接点146と、LED105の間に接続されるMOSトランジスタTを包含する。接点146には、トランジスタTのゲートが接続される。また、回路118は、ここでは詳細を述べないが、LEDモジュール104によって受信されることが意図されたデータ信号の処理、およびLED105に給電するトランジスタTの駆動が意図された部品、CMOS148も包含する。部品148は、LED105の給電以外に回路118によって充足される機能がないとき、単純なCMOSトランジスタに対応し得る。この部品148は、導体エレメント108への接続が意図された、LED105の発光面の側に位置する、たとえばITOの第2の接点150に接続される。接点150は、LED105の相対する半導体層134および136から電気的に絶縁された導体バイア(ビア)152を通じて部品148に接続される。
【0077】
LEDモジュール104の分散の間に、適切な方向におけるLEDモジュール104の位置決めを助力すること、言い換えると、最大数のLED105の発光面がデバイス100の表示面に向かって回転されるようにLEDモジュール104を方向付けさせると好都合である。今後は、LEDモジュールの支持体上への転写の前/間にそれらの予備的な方向付けの技術を用いることが必要になるであろう。
【0078】
この正しい方向付け(向き付け)を助力するための第1の解決策は、LEDモジュール104内にマイクロマグネットを組み込むことであり得る。これらのマイクロマグネットは、その後、LEDモジュール104のランダム配置の間に正しい側のLEDモジュール104の組み立てを補助するべく働き得る。たとえば、
図10との関係から上記で説明した方法をステップ(c)の終了時に反復することによって、SiO
2等の誘電体152が、パッド112を包含する面上に堆積される。LED105と一体で一時的なハンドル151が作られるが、この一時的なハンドル151のボンディングは、基板142の薄化の前に実行することが可能である。次に、この誘電体152の平坦化が実装され、その後、この平坦化された誘電体上にマイクロマグネット154が配され、少なくとも1つのマイクロマグネット154が各LEDモジュール104と関連付けられるように分配される(
図12のステップ(a)参照)。マイクロマグネット154は、たとえば誘電体152と同じ性質の誘電体層156によって覆われ、その後、この誘電体層156および誘電体152を通して、たとえばダマシン処理法によって形成された導体バイア158を通じてパッド112の接点ピックアップが製造される(
図12のステップ(b))。次に、製造されたスタックのエッチングによってLEDモジュール104の単体化が実装され、一時的なハンドル151が除去される(
図12のステップ(c))。したがって、ダマシン処理法は、直接ボンディングに適応する表面を準備することを可能にする。このようにLEDモジュール104内にマイクロマグネット154を統合することによって、マイクロマグネット154が導体エレメント106の側に引き付けられ、それがLED105の発光面の正しい位置決めに有利に働くことから、これらのLEDモジュール104の位置決めが影響を受ける。
【0079】
このほかのLEDモジュール104の構成が、これらのモジュールの正しい方向付けに有利に働くことは可能である。たとえば、側面のうちの1つが導体エレメント108の側に配置されるようなLEDモジュール104の位置決めを回避するために、
図13Aおよび13Bに示されている形状等、言い換えるとエッチングされた部分を側面に包含する形状に従ってLEDモジュール104をエッチングすることが可能である。LEDモジュール104の上面は、接点110を包含し、それの周囲に、この接点をいくぶん浮き彫りにする絶縁体のエッチングが実行されている。この方法においては、手前で説明したスプレー方法による分散の後に、LEDモジュール104のボトムの面だけが、洗浄に耐える充分な接着を(バンデルワールス力によって)有することになる(可能性としては、わずかなHPによって補助される)。導体エレメント108に接着されなかったLEDモジュール104は、リサイクルされる。この構成においては、ポアソン法則によって予測されるLEDモジュール104の数の少なくとも6倍より多くの数のLEDモジュール104を分散させることが賢明である。LEDモジュール104の単一の分散は、LEDモジュール104のクラスタの形成が過密なゾーンにおいて、LEDモジュール104の形状に起因して付着することが可能でないクラスタが洗い去られるために、非決定性の部分が持ち上がることから非常に興味深い。
【0080】
導体エレメントによって形成されたホスト表面上におけるLEDモジュール104の分散または配置の別の態様を
図14に示す。
【0081】
LEDモジュール104は、一時的なハンドル160上に、それらの発光面がこのハンドル160に面して配されて転写される(
図14のステップ(a))。次に、このアセンブリがひっくり返され(
図14のステップ(b))、LEDモジュール104の一部が導体エレメント108上で取り外される(
図14のステップ(c))。位置決めの制約は、導体エレメント108の寸法がLEDモジュール104の寸法よりも大きいために緩和される。また、一時的なハンドルを、ひっくり返す前に引き伸ばすことが可能な可撓性基板の形式とすることも可能である。この場合においては、導体エレメント108のホスト表面上におけるLEDモジュールの位置決めが表示デバイスごとに異なるものとなり、したがって、ホスト表面上におけるLEDモジュールの位置決めが擬似ランダムと見做される。
【0082】
上記で説明した例においては、LEDモジュール104の分散が位置決めに関して非決定性の態様で実行され、可能性としては、LEDモジュールの予備方向付けのテクニックが実装されるときは、それらの方向付けが非ランダム態様で行われる。しかしながら、転写されるLEDモジュールよりはるかに大きい寸法のホスト表面を有するという事実が、強いられる整列の制約をこれらの寸法に起因して緩和し、たとえば、LEDモジュール104をホスト表面上に転写するマシンを介して決定性の転写ソリューションの実装も可能にする。このように、LEDモジュールが、そのLEDモジュールのパッドに類似するサイズの電気接点上に転写されなければならない場合より大きな転写表面を伴って加工することが可能である。たとえば、転写エレメント(『スタンプ』と呼ばれる)の寸法が5cm×5cmの転写マシンを用いて作業し、250μmのピッチでLEDモジュール104を転写すること、すなわち50,000個のLEDモジュール104を同時に転写することが可能である。ホスト表面に関する転写エレメントの位置決めは、厳密である必要がなく(+/-10μmで充分とし得る)、そのことが転写速度を稼ぎ、したがってこの方法のコストをより低くすることを可能にする。
【0083】
転写効率は100%ではない。少なくとも1つのLEDモジュール104(または、単色LEDモジュール104を用いて画素ゾーン当たり3色が望ましい場合には、3つのモジュール)を有することを確保するためには、表示画素ゾーン当たりの冗長性を作り出すことが必要になるであろう。転写効率が99%であると仮定すると、転写を二重にすれば、少なくとも1つのLEDモジュール104を有する画素が99.99%に達することが可能になる。この99.99%という数字は、転写効率が転写ごとに独立している場合に対応する。転写エレメントが、局所的に瑕疵を有する場合には、1つの転写から他への依存関係が存在し、この場合においては、二重の転写ステップが瑕疵を再複写するだけとなる可能性がある(同じ全体的な効率が、転写エレメントの2番目の通過後に獲得される)。この、転写エレメントの参照ポイントに局所的にリンクされた潜在的瑕疵をオフセットするために、転写エレメントのその固定された瑕疵がホスト支持体上において空間的に分配されるように、Nx、Nyの表示画素ゾーンのシフトを伴って転写冗長ステップをなし得る(Nxは、行内の画素ゾーンの数、Nyは、列の画素ゾーンの数)。
【0084】
さらに冗長性を増加してより良好な全体的な効率を達成することが必要な場合には、同じホスト・ゾーン上における転写エレメントの各通過をシフト可能である。10個の瑕疵/106個の表示画素ゾーンの効率を目標とするのであれば、転写効率が99%の場合には、ホスト表面上における3回の転写エレメントの通過で充分である。転写効率が96%の場合には、4回の通過で充分となり得る。通常、異なる通過ごとに、いくつかの画素によりシフト可能である。
【0085】
上記で説明したデバイス100においては、LEDモジュール104が、給電導体エレメント106、108に接続される給電パッド110、112を独自に包含し、それらの上にLEDモジュール104に給電する給電電圧が印加される。LEDモジュール104の接触パッドは給電パッド110、112だけであり、LEDモジュール104の駆動および命令を可能にするデータ信号は、専用のワイヤ接続によらずにLEDモジュールにもたらされなければならない。したがって、この例においては、これらの給電パッド110、112、およびこれらの導体エレメント106、108を通じて、変調信号の形式で命令信号がLEDモジュール104に送信され、それらをLEDモジュール104が解釈しなければならない。
【0086】
LEDの命令信号をもたらすこの他の方法、たとえばRF手段によること(または、赤外線手段さえ)が企図され得る。
【0087】
図17は、給電導体106、108上に存在する給電電圧の振幅変調によって送信されるデータおよび同期信号からモジュールのLED105のPWM(パルス幅変調)またはBCM(バイナリ・コード化変調)によって命令を具現化するために各LEDモジュール104の電子命令回路118内に実装される機能のブロック図を示している。
【0088】
このブロック図は、バイナリ・データのアドレッシングおよび書き込み機能を実行することを可能にする3チャンネル(RGB)を伴うLEDモジュール104に適したアーキテクチャを記述する。LEDモジュールは、したがって、
図11に示されている例に類似の、それぞれ独自の命令スイッチを伴う3つのLEDを含む。
【0089】
電源投入時に、ブロックPoR(パワー・オン・リセット)170が、3つのチャンネルのうちの1つ、たとえばチャンネルR(赤)の所定の瞬間をポイントする第1のデコーダ172、すなわちdecoder_1を初期化し、かつ3ラッチ・タイプの記憶エレメント、Latch_R、Latch_G、およびLatch_B内のRGBデータも、たとえば『0』に初期化する。
【0090】
復調器174、176が、それぞれ導体エレメント106、108から、それぞれ『POWER』および『GROUND』給電電圧の振幅変調によってデータおよび同期信号を含む給電信号を受信する。データ信号は『POWER+DATA_PULSE』と名付けられ、同期信号は『GROUND+CLK_PULSE』と名付けられる。これらの復調器174、176は、バイナリ信号(すなわち、DATA_PULSEおよびCLK_PULSE)を再構成するために、電力およびグラウンド電圧における変動を抽出することを可能にする。
【0091】
信号DATA_PULSEは、第2のデコーダ178の入力に渡され、それが、最終的にLED105の命令をイネーブルするデータ信号DATAを出力する。信号DATAは、3つのRGBチャンネルのために使用される3つのメモリ・エレメント180.1、180.2、180.3のうちの1つに、デコーダ172から到来する信号VALID_R、VALID_G、VALID_Bの関数として記憶される。アセンブリは、メモリ・エレメント180.1、180.2、および180.3に対する信号VALID_R、VALID_G、VALID_Bの送信を介してクロック信号CLK_PULSEの各パルスにおいて選択されるチャンネルを変更するデコーダ172によって同期される。
【0092】
図18は、この回路内において獲得される信号の時間経過図の一例を示している。CLK_PULSEを2パルス送信することが、一方においてRGBチャンネルの選択をインクリメントすることを可能にし、その後、時間窓を定義して、その間にDATA_PULSEのパルスを受信するか否かを判断するべく待機することを可能にする。パルスの受信がイエスであれば、選択されたチャンネル(R、G、またはB)に対応する記憶エレメント内に、たとえば1が書き込まれ、パルスの受信がNOであれば0が書き込まれる。
【0093】
この例においては、ラッチ・タイプ(単一のバイナリ値を記憶する)の各メモリ・ポイントに記憶される値が使用されて、『オール・オア・ナッシング』モード(LEDが、それぞれ給電電圧に接続されるか、または接続されないために、導通または非導通になる)でLED105の命令スイッチが直接コントロールされる。
【0094】
LED105の光の強度のコントロールを可能にするために、導通および非導通時間を制御することが必要になる。したがって、各メモリ・ポイント内に存在する値が、各画像フレームの過程で修正されなければならない。
【0095】
PWM(パルス幅変調)またはBCMアドレッシングは、1および0(1=オン、0=オフ)のみを書き込むことによってLED105のオン時間を変調することにより、LED105によって発光される平均輝度を変調することを可能にする。LED105が、作像時間全体を通じてオンであれば、これは最大コード、たとえば3ビットであれば111に対応する。これに対し、作像時間全体を通じてLED105がオフであれば、それが最小コード000に対応する。
【0096】
3アドレッシング・ビットを伴うこの例においては、最上位ビット(3番目)に関連付けられているオンまたはオフの持続時間が、最下位ビット(1番目)に関連付けられているオンまたはオフの持続時間の4倍に対応し、第2ビットに関連付けられているオンまたはオフの持続時間は、最下位ビットに関連付けられているオンまたはオフの持続時間の2倍に対応する。オンまたはオフの持続時間は、0と7の間に含まれる値を選択することによってエンコードしてもよい。
【0097】
ここでは、各画像の表示の間にLEDによって発せられる光度のコントロールが、LEDがオンとなる持続時間と、スクリーン上における画像の表示の合計持続時間の間の比を命令することによって実行される。その種のLEDの命令は、各画素の光度がバイナリ信号の形式でエンコードされるBCMタイプのバイナリ・ワードまたは情報(言い換えると、画像の表示のコントロールを可能にする特定の数のビットのバイナリ・コード)を使用して獲得してもよい。その種のバイナリ・ワードの各ビットは、そのビットの重要度に比例する持続時間にわたるLEDのスイッチ・オンまたはスイッチ・オフを駆動する。たとえば、最上位ビット(MSB)は、画像の表示の持続時間の半分の間(たとえば、50画像/秒の周波数において動作する表示デバイスの場合は10ミリ秒)にわたってLEDを駆動する。次のビット(すなわち、MSB-1)は、この持続時間の4分の1を表し、LSB(最下位ビット)に至るまでこの関係が続く。
【0098】
図1との関係から説明したようなマトリクス・タイプの表示デバイスの場合においては、それによって画素の各行が、フレームの過程で時間間隔の減少を伴って3回アドレスされると規定することが可能である。したがって、1番目の時間間隔は、3番目の間隔の4倍の長さにわたって持続し、2番目の時間間隔は、3番目の時間間隔の2倍の長さにわたって持続する。1番目、2番目、および3番目の時間間隔の過程において『ラッチ』メモリ・ポイント内に記憶される値は、それぞれ、1番目のビット(最上位)、2番目のビット、および3番目のビット(最下位)に対応する。
【0099】
モジュールが3つのLEDを含む場合においては、行の各アドレッシングの間に、3つのチャンネルのために3つの情報(それぞれのメモリ・ポイントlatch_R、latch_G、およびlatch_B内に記憶される値)の送信が実行される必要がある。それによって、CLK_PULSE上で6パルスを送信し、適用するコードに従ってDATA_PULSEの3パルスを適用するか否かによって画素モジュールの3チャンネルを連続的にアドレッシングすることが企図可能である。
【0100】
その種のプロトコルは、これが寸法の小さいLEDモジュール104の製造を可能にすることから極めて有利な非常にコンパクトな構造を有するという利点を提供する。
【0101】
このプロトコルにおいては、復調誤りがチャンネルの選択誤りまたは書き込みデータ誤りを導く可能性がある。データが誤りであれば、逆を言えばCLK_PULSEの検出における一度限りの誤りが、時間窓に関する誤りおよびアドレスされたチャンネルに関する誤りを生じさせることから、結果が制限される。この場合には、パワー・オン・リセットによって再初期化する必要がある。
【0102】
回路118の堅牢性を向上させるためには、チェイサ(サイクル・シーケンサ)の使用に代えて、個別にR、G、またはBチャンネルのアドレッシングを期するべく復調器174、176の出力にバイナリ・デコーダを配置することが可能である。しかしながらこれは、より多くの表面を必要とし、より多くのデータ(いずれのチャンネルがアドレスされているかを知ることを可能にする複雑なデータのタグ)の送信を必要とする。
【0103】
図17のブロック図の機能を実装する回路118の例示的な実施態様を
図19に示す。
【0104】
LEDモジュール内に存在する電子コントロール回路のこのほかの実施態様も企図することが可能である。たとえば、レジスタ・タイプの数ビットの記憶エレメントによって各単一式の記憶エレメント(ラッチ)を置換し、各レジスタ内に、所望の光の強度に対応する、たとえば上記同様に3ビットの数値を記憶できる可能性がある。この場合においては、フレームの過程で3行のアドレッシングを提供する必要がなく、単一行のアドレッシングが、3ビットの値を伝達することを可能にする。その後、各レジスタと対応するLEDの命令スイッチの間に、バイナリ値をLEDの時間的な命令信号に変換する命令回路を追加する必要がある。この種の代替実施態様は、光の強度の修正が望ましいときにのみレジスタの値を更新し、それによってエネルギ消費の低減が可能になることの企図を可能にするという利点がある。それに加えて、この後に説明するようなLEDモジュールを識別するためのデバイスに関連して、マトリクス・アーキテクチャ以外のアーキテクチャを企図することが可能である。
【0105】
LEDモジュール104がホスト支持体上にランダムに分配されており、表示画素ゾーン102当たりのLEDモジュール104の数が未知である場合には、デバイス100の製造後、かつそれの使用前に、最初の較正段階において、表示画素ゾーン102のLED105がオンのときの消費の読み取りを通じてそれらの数を決定することが可能になる。数がわかると、初期の望ましい光度に達するべく、表示コードが反比例態様で適合される。
【0106】
このほか、たとえば、n個のLEDモジュール104を含む表示画素ゾーン102の電流の調整または電圧の調整といった表示デバイス100の較正のためのアプローチが可能である。また、位置、色、および表示画素ゾーン102当たりのLEDモジュール104の数を決定する視覚的な検出を企図することも可能である。
【0107】
この較正があることから、各表示画素ゾーン102は、ゾーン102のそれぞれの中のLEDモジュール104の数によらず、同じ態様で動作する。
【0108】
代替においては、この較正を、LEDモジュール104の識別を介して実行できる。LEDモジュールの識別を使用する通信のプロセスは、異なる方法で、有線または無線手段(たとえば、RF通信)によって行い得る。
【0109】
モジュールの識別を用いた通信の方法の使用に先行して、各LEDモジュールは、識別子を受け取らなければならない。各LEDモジュールのこの『パーソナル化』は、ハードウエア構成要素上におけるアクションによって達成され得る:ROMのフラッシングによって、各LEDモジュール104に対してコードを割り当てるヒューズの焼き切りによって、またはLEDモジュール104のプログラミングによって実行可能である。
【0110】
識別を用いる通信プロシージャの間に、それらに一意的な識別コードを持たせることなく、LEDモジュール104を識別する統計的な特性を利用することも可能である。これは、記憶させる識別ビットの数を低減し、かつLEDモジュール104の複雑性を大きく下げることを可能にする。
【0111】
それを行うため、異なる識別コードを有する『n』個のLEDモジュール104が製造され、ランダムに分配されてデバイス100が製造される。各表示画素ゾーン102は、『n』のうちのあるアドレスを有するLEDモジュール104を1つまたは複数個有する。表示画素ゾーン102のLEDモジュール104との通信の間に、n個のアドレス・コードをスキャンすることによって、それらの数を明らかにし、応答のあったLEDモジュールが存在するアドレスを識別するために、LEDモジュール104の目録作成が実行される。したがって、冗長なLEDモジュール104をスイッチ・オフし、表示画素ゾーン当たり1つのアクティブなLEDモジュール104だけを維持することが可能になる。この手段によって、表示画素ゾーン102当たり単一のLEDモジュール104だけが存在することから、表示全体に均質な表示を有するために調整(電圧/電流/バイナリ・コード)を行う必要がなくなる。
【0112】
識別は、ソフトウエアを使用して実行可能である。したがって、コンピュータがインターネット網上で要求を送信し、ネットワーク上で一意的なアドレスを獲得する態様で表示画素ゾーン102と通信することが可能である。これは、通信プロトコル、デジタル電子エレメント、およびメモリを必要とする。
【0113】
LEDモジュール104の個別アドレッシングの利点は、表示デバイス100内における書き込みの方法の変更が可能なことである。実際、画像を表示するために、すべての行を順番にスキャンし、その一方で列バス上に存在するデータをリフレッシュしなければならないとすることに代えて、画素が特定のアドレスを有していれば、1つの画像から次の画像へと変更された画素のみをアドレスすることが可能になり、非常に低消費のデバイス100を得ることが可能になる。
【0114】
アドレス(個別または非個別)による識別は、特定のLEDモジュール104の非アクティブ化の可能性を提供し、そのことが冗長性の利用を可能にする。LEDモジュール104の分散が失敗であるか、または影響が過大である場合、それを非アクティブ化して同じ表示画素ゾーン102内に位置する別のもの(別のものがある場合)を選択することが可能である。
【0115】
上記で説明した例示的な実施態様においては、LED105の命令エレクトロニクスが、LEDモジュール104内に統合されている。代替において、または相補として、LEDモジュール104が接続されるデバイス100のホスト支持体の下に、たとえばCMOSテクノロジを使用して作られる電子命令回路を置くことが可能である。この場合には、裸のLEDが転写される。
【0116】
ホスト支持体は、単一色の赤、緑、または青の発光に適したLEDモジュール104を受け入れることがそれぞれ意図された区別されたゾーンに従って構造化し得る。このことは、これらの色のそれぞれに関連付けられたLEDモジュール104の堆積のためにステンシルに頼ることが可能であることから、LEDモジュール104の堆積の制約が緩和され、ホスト支持体の裏面に、TFT、ポリ・シリコン・タイプの表面の大きなMOSタイプの命令エレクトロニクスをボンディングすることによって、従来的な表示器アーキテクチャを維持することが可能になる。
図20は、その種の構成を略図的に示しており、それにおいては、LEDモジュール104の配置のために、異なる色用に区別されたホスト・ゾーン182が製造される。裏面にある命令エレクトロニクスが、符号184で示されている。
【0117】
命令エレクトロニクス184を製造するためのTFTテクノロジに代えて、ガラス・プレートを使用し、このプレートに対してMOSコントロール・モジュールをボンディングして表示画素ゾーン102をアドレスすることが可能である。
【0118】
モジュールのうちの1つが所望の色のうちの1つだけを表示することを強制するために、RGBモジュールの堆積の後に所望のモジュールと通信すること、または構成を(たとえば、ヒューズを焼き切るレーザによって)課することが可能である。これが給電導体エレメントの構造化と組み合わされて、大きな表面の、かつ可能性として大型TFTタイプ・テクニックの表面上における再構成が可能な表示デバイス100を有することを、単一タイプのRGBモジュールの製造/堆積だけで可能にする。
【0119】
コントローラは、それぞれがRGB発光を生み出すいくつかの表示画素ゾーンの信号、電流、または電圧の供給を管理することが可能である。このコントローラは、有線またはRFリンクによってデータを受信し、表示画素ゾーン当たりの情報を分配することが可能である。このソリューションは、コントロールされる表示画素ゾーンによって占められる表面と比較して、非常に小さいCMOSコントローラを有するという利点を提供する。
【0120】
次に、LEDモジュール104がRF信号によって通信する表示デバイス100の異なる実施態様を説明する。
【0121】
最初に、その種の表示デバイス100の一部を略図的に示した
図21を参照する。
【0122】
このデバイス100は、1つまたは複数の画像が表示されることが意図されている表示平面を包含する。この表示平面は、互いに独立にコントロールされるいくつかの表示画素ゾーン102に分割されている。
【0123】
各表示画素ゾーン102は、1つまたは複数のLEDモジュール104を包含する。各LEDモジュール104は、少なくとも1つのLED105を包含し、ここではそれがμLEDである。LED105は、それぞれ、GaN、および/またはInGaN、および/またはAlGaNの層によって形成されるp-n接合を含む。
【0124】
LEDモジュール104は、2つの給電導体エレメント106、108(
図21においては、106.1-106.6および108.1-108.8によって参照される)の間に介挿され、各LEDモジュール104は、そのLEDモジュール104の対向する2つの面114、116(それらのうちの一方が、そのLEDモジュール104のLED105の発光面に対応する)に配置された2つの給電パッド110、112を包含し、それが、それぞれ、給電電位(この例の場合はエレメント106)および基準電位(この例の場合はエレメント108)が印加される2つの給電導体エレメント106、108の一方および他方に接続される。LEDモジュール104のうちの1つのこの構成は、
図22から明らかである。この例においては、LED105の発光面が、導体エレメント108の側に位置する面114に対応する。
【0125】
一例として、LED105の発光面に当接して配される導体エレメント108は、ITO等の透明の導体材料を包含し得る。
【0126】
図21においては、給電導体エレメント106、108は、互いに直交して配置される導体トラックの形式で製造される。ここで説明している実施態様においては、行でレイアウトされた導体エレメント106のうちの1つと列でレイアウトされた導体エレメント108のうちの1つの各交点が、表示画素ゾーンを画定する。それによってこのレイアウトは、表示画素ゾーン102のマトリクスを形成する。それに加えて、各ゾーン102のLEDモジュール104(1つまたは複数)等のLEDモジュール104を同じ信号から、すなわち、それらが同じ画像ポイントを形成する光信号を表示するように命令することによって、各画素ゾーン102がデバイス100の表示平面の画素に対応する。
【0127】
ここでは、各LEDモジュール104が、命令回路118も包含する。この命令回路118は、LED105に対して発光する光信号を表す信号を出力し、モジュール104のLED105によって生み出される発光を命令することを可能にする電子エレメントを包含する。
【0128】
その種の命令回路118の例示的な実施態様を略図的に
図23に示す。この回路116は、LED105のスイッチ・オンまたはスイッチ・オフを命令する働きの第1のトランジスタT1、LED105に所望の電流を注入することを可能にするトランジスタT2、およびトランジスタT2のゲート上において所望の電圧を維持することを可能にするストレージ・キャパシタCを包含する。導体エレメント106から到来する電圧Vddが、導体エレメント106と接触しているLEDモジュール104の給電パッド112からトランジスタT2のドレインに印加される。トランジスタT2によって出力される電流が、LED105のp-n接合の層のうちの1つに印加される。LED105のp-n接合の層のうちの他方は、給電パッド110を介して導体エレメント108によって渡される電位を受け取る。
【0129】
命令信号は、コントロール・デバイス120から命令回路118に送信される。この実施態様においては、各LEDモジュール104は、このLEDモジュール104によって発せられる光信号を制御するためのコントロール・デバイス120を包含する。コントロール・デバイス120は、メモリ、受信メッセージのデコーダ、命令回路118によって適用される命令をシーケンシングのためのユニット等の電子回路を含み得る。コントロール・デバイス120は、導体エレメント106および108に接続された接続を介して好適に給電される。
【0130】
次に、デバイス100は、入力/出力インターフェースを包含し、入力において、デバイス100によって表示される画像信号S
imageを受信可能である。この入力/出力インターフェースは、
図24に示されている命令ユニット122を1つまたは複数含み、それが、画像信号S
imageから、またはこの信号S
imageの一部から、複数のLED105が一緒に画像信号S
imageに対応する光信号を発するように、異なる表示画素ゾーン102に送信する命令信号を決定する。
【0131】
これらの命令信号が、スクリーン上に表示する画像信号を受信するスクリーンのエレメントから有線接続を通じて各画素の命令回路まで送信される従来的なスクリーンとは異なり、デバイス100の当該または各命令ユニット122は、表示画素ゾーン102の命令信号を、RF波によって無線で、少なくとも1つの第1のアンテナ124を介してコントロール・デバイス120に送信する。これらの命令信号は、それぞれがコントロール・デバイス120のうちの1つに結合された第2のアンテナ126によって受信される。したがって、ここで説明している実施態様においては、各LEDモジュール104にそれ独自のコントロール・デバイス120が備えられるという事実に起因して、各LEDモジュール104が、命令信号を受信することを可能にするアンテナ126を包含し、それにより、コントロール・デバイス120内に含まれているRF信号処理回路による処理の実行後に、このLEDモジュール104のLED105のための所望の発光を獲得することが可能になる(
図24の略図参照)。
【0132】
概して言えば、RF手段によって伝播される命令信号は、異なるタイプの情報、たとえば受け側のコントロール・デバイス120の識別子、または受け側の表示画素ゾーン102のための所望のレベルの光度等を含み得る。命令信号は、所望のレベルの光度の時間的なシーケンスも含み得る。RF手段によって移行する情報は、オプションとしてエンコードすることが可能である。受け側のコントロール・デバイス120は、必要であれば、その情報をデコードし、その後、所望のレベルの光度または所望のシーケンスが獲得されるように、命令回路を駆動することが可能である。所望の光度のレベル(1つまたは複数)についての情報は、コントロール・デバイス120のメモリ内に記憶することができ、この情報は、たとえば、その所望の光度値を変更する必要が生じた場合に一意的に更新することが可能である。
【0133】
図24には、単一のアンテナ124が示されているが、それぞれがアンテナ124に接続され、デバイス100の一部の表示画素ゾーンだけの命令信号をRFによって送信するべく意図されたいくつかの命令ユニット122を有することは可能である。たとえば、それぞれが別個のアンテナ124に接続されたいくつかの命令ユニット122を有することが可能であり、これらの命令ユニットおよびこれらのアンテナ124は、約300μmに等しい距離で離隔され、これらの命令ユニット122およびこれらのアンテナ124のそれぞれは、300μm×300μmの寸法の方形を形成する領域内においてデバイス100内におけるRF送信を処理する。
【0134】
上記で説明した実施態様においては、各表示画素ゾーン102が、たとえば単色タイプのLED105を包含しているLEDモジュール104を包含する。代替においては、LEDモジュール104が、たとえばRGB、すなわち赤/緑/青のための3つのLEDを含むことが可能である。
【0135】
代替においては、各表示画素ゾーン102が、同じ光信号を表示することが意図されたいくつかのLEDモジュール104を包含し得る。
【0136】
代替として、各表示画素ゾーンが、いくつかの単色LEDモジュール104、たとえば、それぞれ赤、緑、および青の色を発することが可能な少なくとも3つのLEDモジュール104を包含し得る。この場合においては、異なる色の単色ダイオードのそれぞれによって発せられる光信号は、同じ命令信号(すべてのLEDに同じレベルの電流を要求すること、またはそれらのLEDに異なるレベルの電流を要求することが可能である)から、または表示画素ゾーンのLEDの色のそれぞれのために意図された異なる命令信号から定義できる。
【0137】
上記で説明した実施態様においては、LEDモジュール104のそれぞれがアンテナ126に結合されるコントロール・デバイス120を包含している。
【0138】
別の実施態様によれば、各コントロール・デバイス120をはじめ、各アンテナ126が、いくつかのLEDモジュール104と関連付けられることが可能である。
図25に、デバイス100の表示画素ゾーン102を示す。このゾーンは、いくつかのLEDモジュール104を含み、これらの異なるLEDモジュール104は、共通のコントロール・デバイス120と有線態様(符号128で示されているワイヤ)で結合される。したがって、このゾーン102に関連付けられた命令ユニット122は、コントロール・デバイス120に対するRF送信によって、これらのLEDモジュール104のための異なる命令信号を送信し、続いてコントロール・デバイス120が、有線接続によってLEDモジュール104に当該命令信号を送信する。
【0139】
図25に示されている例においては、コントロール・デバイスが、LEDモジュール104と同様に導体エレメント106、108の間に配されている。
【0140】
この実施態様は、たとえば、LEDモジュール104の密度から各LEDモジュール104が独自のアンテナ126を有することが、特に、送信される信号の特性によって課せられるアンテナ126の寸法のために可能でないときに使用される。
【0141】
それに加えて、コントロール・デバイス120は、第2のアンテナ上で受信した信号からLEDモジュール104を駆動することが、そのLEDモジュールが命令回路を含まないときでさえ可能である。
【0142】
上記で説明した実施態様においては、アンテナ126を、2つの導体エレメント106、108のうちの1つと同じ平面内(手前で説明した例示的な実施態様における導体エレメント106と同じ平面内)に配置してもよい。この場合においては、アンテナ126を、平面アンテナの形式、または『パッチ』、開口が設けられる(
図26Aに示されている例)かまたは間隔が開けられたラインの形式(
図26Bに示されている例)で製造可能である。
【0143】
図27に示されている別の実施態様によれば、LEDモジュール104を伴う表示平面内に配置されず、この表示平面の背後に配置されるコントロール・デバイス120を有することもまた可能であり、この場合は、これらのコントロール・デバイス120とLEDモジュール104の間に有線リンクを伴う。
【0144】
代替実施態様によれば、LEDモジュール104が、導体エレメント106、108を通じて給電されず、たとえばRFIDまたはNFCタイプの通信を使用してリモート給電されることが可能である。
【0145】
上記で説明した例示的な実施態様においては、導体エレメント106、108が、それぞれ、異なる方向に沿って延びるいくつかの導体トラックに対応する。代替として、導体エレメント106、108が、それぞれ、デバイス100のすべてのLEDモジュール104に共通するか、またはLEDモジュール104のサブアセンブリに共通する導体平面に対応することが可能である。
【0146】
上記で説明したRF通信は、各LEDモジュール104またはLEDモジュール104のグループ、たとえば同じ表示画素ゾーン102のそれらに関連付けられた識別コードを頼ることが可能である。
【0147】
デバイス100によって実装される表示方法の組織チャートを
図28に示す。
【0148】
ステップ200においては、デバイス100の表示平面上に表示されることが意図された画像信号が、デバイス100によって、それの入力/出力インターフェースを介して受信される。
【0149】
ステップ202においては、受信された画像信号が、命令ユニット122(1つまたは複数)によって処理され、それがデバイス100の異なる表示画素ゾーン102に送信される命令信号を決定する。
【0150】
ステップ204においては、命令ユニット122(1つまたは複数)によって計算された命令信号が、アンテナ124(1つまたは複数)を介してRF波によって表示画素ゾーン102に送信される。
【0151】
ステップ206においては、命令信号がアンテナ126(1つまたは複数)を介して、命令ユニット122(1つまたは複数)によってアドレスされた各表示画素ゾーン102内に存在するコントロール・デバイス120(1つまたは複数)によって受信される。
【0152】
その後、ステップ208においては、LEDモジュール104が、それらに送信された命令信号に対応する光信号を表示するべくコントロール・デバイス120によって命令される。
【0153】
当業者は、本発明のこのほかの実施態様を企図することが可能であろう。とりわけ、上記で説明した実施態様は、それぞれが2つの導体給電エレメントの間に配されたLEDモジュールを含んでいるが、それらの2つの導体エレメントが同じ基板上、LEDモジュールと同じ側に位置決めされる表示デバイスを企図することは完全に可能である(その種の表示デバイスの例示的な実施態様が、仏国特許出願公開第3 044 467号明細書に説明されている)。
【符号の説明】
【0154】
100 表示デバイス、デバイス
102 表示画素ゾーン
104 LEDモジュール
105 LED
106 導体エレメント
108 導体エレメント
110 パッド、給電パッド、接点
112 パッド
114 LEDモジュールの面
116 LEDモジュールの面
118 電子命令回路、命令回路、回路
120 コントロール・デバイス
122 命令ユニット
124 第1のアンテナ
126 第2のアンテナ
130 支持体
132 絶縁樹脂
134 層
136 層
138 導体層
142 半導体基板
144 半導体基板
146 接点
148 部品
150 接点
151 ハンドル
152 導体バイア、誘電体
154 マイクロマグネット
156 誘電体層
158 導体バイア
160 ハンドル
172 デコーダ
174 復調器
176 復調器
178 第2のデコーダ
180.1 メモリ・エレメント
180.2 メモリ・エレメント
180.3 メモリ・エレメント
182 ホスト・ゾーン
184 命令エレクトロニクス
C キャパシタ
T トランジスタ
T1 トランジスタ
T2 トランジスタ