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  • 特許-フィルタユニット取付枠 図1
  • 特許-フィルタユニット取付枠 図2
  • 特許-フィルタユニット取付枠 図3
  • 特許-フィルタユニット取付枠 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】フィルタユニット取付枠
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/00 20220101AFI20240911BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B01D46/00 C
B01D46/10 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020146710
(22)【出願日】2020-09-01
(65)【公開番号】P2022041485
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】榎本 康一
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-159107(JP,A)
【文献】特開2001-276542(JP,A)
【文献】特開2001-336815(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102847382(CN,A)
【文献】米国特許第3393498(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00
B01D 46/10
B01D 46/54
B01D 46/88
F24F 1/0073
F24F 1/035
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板、底板、並びに一対の側板で通気路を画成し、通気路に沿ってフィルタユニットの取付時にフィルタユニットと接するフィルタユニット当たり面を有し、前記一対の側板に、フィルタユニット固定部材と回動するハンドル部材とをそれぞれ有し、ハンドル部材と前記側板がハンドル軸により連結し、また、フィルタユニット固定部材とハンドル部材がフィルタユニット固定部材・ハンドル部材連結軸により連結し、ハンドル部材の回動に連動してフィルタユニット固定部材が動く、フィルタユニット取付枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気を吸気して室内に供給するための空調装置にあって、空調装置として組み込まれ、フィルタユニットを装着収納するためのフィルタユニット取付枠に関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置は、ビル等の建築物内の温度調整や外気取入れ時の清浄化に広く用いられており、住環境の改善には欠かせない存在となっている。係る空調装置は温度調節機能と送風機能とを有するものが普及しており、当該装置に組み込まれたフィルタユニット取付枠(ケーシングと称される場合もある)に塵埃等の濾過機能を持たせたフィルタユニットを装着する。空調装置の運転により濾別された塵埃はフィルタユニット内に蓄積され、所期の性能を満たさなくなった地点で当該フィルタユニットのみを交換するのが一般的である。
【0003】
このような装置構成として、実開昭59-131219号公報(以下、特許文献1)には、従来技術のフィルタユニット取付枠が開示されている。特許文献1のフィルタユニット取付枠は、天板、底板、並びに一対の側板で通気路を画成したフィルタユニット取付枠であり、フィルタユニット取付枠1にフィルタユニット2を装着固定するため、側板1bのそれぞれの内面には、ブラケット3によって通気路上下流方向と、これとは直角をなす方向とに回動自在に取付けられた、略「コ」字型のホルダ4が設けられている。このホルダ4に加え、フィルタユニット取付枠1の底板1cの内面には、フィルタユニット2を載置するため、ホルダ4と同様にブラケット3を用いて回動自在に支持体5が取付けられている。他方、フィルタユニット2の通気路上流側に相当する面には、プリーツ加工された濾材を立体的に収納した本体部分の濾過面より大きな押さえ枠6が取付けられ、当該押さえ枠6の対向する2辺には、合計4か所に挿通孔7が開口される。フィルタユニットの装着は、図1に破線で示すように、ホルダ4の両端部にねじ切りが施されており、フィルタユニット2に設けられた4つの挿通孔7に当該ホルダを挿通し、不図示のナットで固定する。この際、フィルタユニット2の本体底面が支持体5に載置され、フィルタユニット2を、フィルタユニット取付枠1の支持体5及びホルダ4で装着固定する構成となっている。
【0004】
しかし、特許文献1のフィルタユニット取付枠は、フィルタユニット取付枠にフィルタユニットを取付ける際、ナットでフィルタユニットを固定するため、フィルタユニットの取付、取外しに手間がかかるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭59-131219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、フィルタユニット取付枠にフィルタユニットを取付、及び取外しする際に簡便に着脱できる、フィルタユニット取付枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、「天板、底板、並びに一対の側板で通気路を画成し、通気路に沿ってフィルタユニットの取付時にフィルタユニットと接するフィルタユニット当たり面を有し、前記一対の側板に、フィルタユニット固定部材と回動するハンドル部材とをそれぞれ有し、ハンドル部材と前記側板がハンドル軸により連結し、また、フィルタユニット固定部材とハンドル部材がフィルタユニット固定部材・ハンドル部材連結軸により連結し、ハンドル部材の回動に連動してフィルタユニット固定部材が動く、フィルタユニット取付枠。」である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のフィルタユニット取付枠は、フィルタユニット取付枠の側板に有するフィルタユニット固定部材、及び回動するハンドル部材によりフィルタユニットを固定することができる。これにより、前記フィルタユニット取付枠は、ナットを用いず、フィルタユニット取付枠にフィルタユニットを取付けられることから、フィルタユニット取付枠にフィルタユニットを取付、及び取外しする際に簡便に着脱できるフィルタユニット取付枠である。また、従来技術のナットを用いてフィルタユニット取付枠にフィルタユニットを取付ける場合、目視でナットの締まり具合が分かりにくいためフィルタユニット取付枠がフィルタユニットを固定しているかどうか明確でなく、ナットを締めすぎたり、締めが足りなかったりすることでフィルタユニットがフィルタユニット取付枠に十分に固定できないことがある一方、本発明のフィルタユニット取付枠は目視でハンドル部材がフィルタユニットを固定しているかどうか明確であるため、ハンドル部材の状態によりフィルタユニットが固定されているかが容易に確認できるとともに、ナットでフィルタユニットを固定する従来技術と異なり誰が作業しても常に最適な力でフィルタユニットを固定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】背景技術を説明するため、従来のフィルタユニット取付枠とフィルタユニットとを一部透視的に示す斜視図である。
図2】本発明の好適な実施形態を説明するため、図1と同様に示す斜視図である。
図3】本発明のフィルタユニット取付枠における、フィルタユニット固定部材とハンドル部材を拡大した平面図である。
図4】本発明のフィルタユニット取付枠にフィルタユニットを取付けたときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施に好適な形態例について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、この発明の理解が容易になる程度に、具体的な形状、配置関係、数値的条件など特定条件を例示する。図2は、図1と同様に示す説明図である。同図中、既に説明した構成成分と同一の機能を有する構成成分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
【0011】
この図2の好適形態では、図1に示したフィルタユニット取付枠と同様の構成であり、図1に示すブラケット3、ホルダ4、支持体5、並びに挿通孔7の代わりに、フィルタユニット取付枠1の側板1bにフィルタユニット固定部材8とハンドル部材9とを配設している。フィルタユニット取付枠1にフィルタユニット2を取付け、固定する際に、フィルタユニット2の押さえ枠6とフィルタユニット固定部材8とを結合し、ハンドル部材9を回動することにより、ハンドル部材9の回動に連動してフィルタユニット固定部材8がフィルタユニット当たり面1d側へ移動し、フィルタユニット当たり面1dにフィルタユニット2を押し付け、ハンドル部材9をフィルタユニット2の押さえ枠6に固定することで、フィルタユニット取付枠1にフィルタユニット2を取付け、固定することができる。
【0012】
このとき、フィルタユニット2の押さえ枠6とフィルタユニット固定部材8とを結合する方法としては、例えば、図2に示しているようにフィルタユニット固定部材8の切り欠き部12を押さえ枠6に設けられたスリット(不図示)に引っ掛ける方法や、フィルタユニット2の両側面に設けられた突起部を1対のフィルタユニット固定部材8に設けられた穴にそれぞれ挿入し両側から挟み込む方法などが挙げられる。
【0013】
また、ハンドル部材9をフィルタユニット2の押さえ枠6に固定する方法としては、例えば、押さえ枠6に、ハンドル部材9を引掛け固定するためのハンドル引掛部10、同じくハンドル部材9に、押さえ枠6にハンドル部材9を引掛け固定するためのフィルタユニット引掛部11を設け、ハンドル引掛部10とフィルタユニット引掛部11とを結合する方法や、押さえ枠6にハンドル部材9を引掛けるホルダを設ける方法などが挙げられる。押さえ枠6にハンドル引掛部10、ハンドル部材9にフィルタユニット引掛部11を設けた場合、ハンドル引掛部10及びフィルタユニット引掛部11の形状は、例えば、ハンドル部材9のフィルタユニット引掛部11が突起を有し、ハンドル引掛部10がフィルタユニット引掛部11の突起を引掛る穴となっている形状や、ハンドル部材9のフィルタユニット引掛部11が穴となっていて、押さえ枠6のハンドル引掛部10が突起を有し、ハンドル引掛部10の突起をフィルタユニット引掛部11の穴に引掛る形状等が挙げられるが、ハンドル部材9を押さえ枠6に固定することができれば、ハンドル引掛部10及びフィルタユニット引掛部11の形状は、特に限定するものではない。なお、図2~4におけるハンドル引掛部10及びフィルタユニット引掛部11の形状は、フィルタユニット引掛部11が突起を有し、ハンドル引掛部10がフィルタユニット引掛部11の突起を引掛る穴となっている。
【0014】
次に、図3及び図4を参照し、好適形態例による作用について詳細に説明する。図3は、本発明のフィルタユニット取付枠1の側板1bに配設しているフィルタユニット固定部材8とハンドル部材9の説明図である。フィルタユニット固定部材8とハンドル部材9には、ハンドル部材9を回動させる際に、ハンドル部材9の回動に連動してフィルタユニット固定部材8が動き、フィルタユニット固定部材8がフィルタユニット当たり面1d側へ移動できるようにすることを目的として、ハンドル部材9が回動するための、またハンドル部材9とフィルタユニット取付枠1の側板1bとを連結するためのハンドル軸13、及び、フィルタユニット固定部材8とハンドル部材9とを連結するためのフィルタユニット固定部材・ハンドル部材連結軸14を有している。フィルタユニット固定部材8及びハンドル部材9の具体的な形状は、フィルタユニット2の固定ができれば特に限定するものではないが、一例として、平面形状が長方形のフィルタユニット固定部材8及びハンドル部材9を図示している。
【0015】
図4は、図2に示した本発明のフィルタユニット取付枠1にフィルタユニット2を取付けたときの説明図である。フィルタユニット取付枠1にフィルタユニット2を取付け、固定する際は、前述の通り、フィルタユニット取付枠1の側板1bに配設されているフィルタユニット固定部材8によりフィルタユニット2とフィルタユニット固定部材8とを結合し、また、同じくフィルタユニット取付枠1の側板1bに配設されている、ハンドル部材9を回動することにより、フィルタユニット固定部材8がフィルタユニット当たり面1d側へ移動し、フィルタユニット当たり面1dにフィルタユニット2を押し付け、ハンドル部材9をフィルタユニット2の押さえ枠6に固定することで、フィルタユニット取付枠1にフィルタユニット2を取付け、固定することができる。
【0016】
以上、本発明の好適形態について図面を参照して説明した。本発明は、以上に述べた特定の例示条件にのみ限定されるものではなく、この発明の目的の範囲内で任意好適な設計の変更または変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0017】
1:フィルタユニット取付枠、
1a:天板、1b:側板、1c:底板、1d:フィルタユニット当たり面
2:フィルタユニット、
3:ブラケット、
4:ホルダ、
5:支持体、
6:押さえ枠、
7:挿通孔、
8:フィルタユニット固定部材、
9:ハンドル部材、
10:ハンドル引掛部、
11:フィルタユニット引掛部、
12:切り欠き部、
13:ハンドル軸、
14:フィルタユニット固定部材・ハンドル部材連結軸、
図1
図2
図3
図4