(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240911BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240911BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240911BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
G03G21/00 376
G03G21/00 386
B41J29/38 202
B41J29/42 F
H04N1/00 567H
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2020168466
(22)【出願日】2020-10-05
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】安宅 宏之
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-267570(JP,A)
【文献】特開2019-024183(JP,A)
【文献】特開2004-326041(JP,A)
【文献】特開2004-069820(JP,A)
【文献】特開2013-116572(JP,A)
【文献】国際公開第2016/052526(WO,A1)
【文献】特開2020-070161(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0196041(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/14
B41J 29/38
B41J 29/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた複数の定形サイズおよびユーザーが予め設定したカスタムサイズの画像形成用の用紙を収納可能な給紙トレイと、
ユーザーの設定を受け付ける操作部と、
前記操作部を通じて用紙サイズの設定を受け付ける用紙サイズ設定部と、
予め定められた設定画面を表示する表示部と、
外部機器から
画像形成指令および画像データを受信する通信部と、
前記画像データに基づき前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記操作部、前記用紙サイズ設定部、前記表示部、前記通信部および前記画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記用紙サイズ設定部
により前記カスタムサイズの用紙の設定を受け付けた場合
、前記カスタムサイズと略同一の前記定形サイズがあるか否かを判定し、
前記略同一の前記定形サイズがある
と判定した場合、前記カスタムサイズおよび前記略同一の定形サイズのどちらを優先すべきかの設定画面を前記表示部に表示させ、
前記操作部を通じてユーザーによって選択された
サイズを優先設定
として設定し、
前記通信部が
前記画像形成指令を
受信した場合、前記制御部は、
前記操作部を通じて受け付けた前記用紙サイズの設定および前記優先設定に基づき
用紙のサイズを選択し、前記画像形成部を制御して、選択されたサイズの用紙に画像を形成させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記定形サイズは、定形封筒サイズを含み、
前記通信部が
前記画像形成指令を
受信した場合、前記制御部は、前記画像形成指令に係る用紙のサイズと略同一の前記定形封筒サイズがあるか否かを判定し、
前記略同一の前記定形封筒サイズがある場合、前記画像形成指令に係る用紙のサイズおよび前記略同一の定形封筒サイズのどちらを優先すべきかの選択画面を前記表示部に表示させ、前記画像形成部を制御して、選択されたサイズの用紙に画像を形成させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通信部が
前記画像形成指令を
受信した場合、前記制御部は、前記画像形成指令で指定された前記
用紙サイズおよび前記優先設定に基づき、前記画像形成部を制御して、選択されたサイズの用紙に画像を形成させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの複写(コピー機能)機能を有する複写機や複写以外の機能をも含むMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)等の画像形成装置には、異なる種類のサイズおよびタイプの用紙を収容可能な給紙トレイを備えたものがある。
【0003】
このような画像形成装置において、ユーザーは操作パネルの用紙設定画面において、所望のサイズおよびタイプの用紙を設定し、パーソナルコンピュータ(PC)から所望のサイズおよびタイプの用紙である文書の印刷を開始するのが一般的である。
【0004】
しかしながら、自動用紙選択機能を有する画像形成装置において、定形サイズと略同一のカスタムサイズの用紙を印刷する場合、カスタムサイズではなく、定形サイズの用紙が自動的に選択されてしまうことがあった。
【0005】
従来、このようなカスタムサイズの用紙の設定に関連した発明として、不定形モードが選択されている場合であって、自動用紙選択が選択されている場合は、複写が実行できないことをアラートにより使用者に知らせることにより、誤操作を防止する複写装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、世界各国に出荷して使用される画像形成装置の場合、国によっては、まったく使用されない定形サイズの封筒(例えば、角2封筒など)がある。
【0008】
そのような定形サイズに近いカスタムサイズの用紙を印刷しようとすると、その国に馴染みのない定形サイズの封筒をセットすべき旨のメッセージが表示されることがあった。
【0009】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、給紙トレイにカスタムサイズの用紙が設定されている場合、従来よりも用紙設定の煩雑さを軽減してユーザーの利便性の高い画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明は、予め定められた複数の定形サイズおよびユーザーが予め設定したカスタムサイズの画像形成用の用紙を収納可能な給紙トレイと、用紙サイズの設定を受け付ける用紙サイズ設定部と、予め定められた設定画面を表示する表示部と、外部機器からユーザーの指令および画像データを受信する通信部と、前記画像データに基づき前記用紙に画像を形成する画像形成部と、前記用紙サイズ設定部、前記表示部、前記通信部および前記画像形成部を制御する制御部とを備え、前記用紙サイズ設定部は、前記カスタムサイズの用紙の設定を受け付けた場合、前記制御部は、前記カスタムサイズと略同一の前記定形サイズがあるか否かを判定し、前記略同一の前記定形サイズがある場合、前記カスタムサイズおよび前記略同一の定形サイズのどちらを優先すべきかの設定画面を前記表示部に表示させ、前記用紙サイズ設定部は、ユーザーによって選択された優先設定を受け付け、前記通信部が画像形成指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記用紙サイズの設定および前記優先設定に基づき、前記画像形成部を制御して、選択されたサイズの用紙に画像を形成させることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0011】
この発明において、「画像形成装置」は、例えば、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー機能)機能を有する複写機や複写以外の機能をも含むMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
「外部機器」は、この発明の画像形成装置と有線または無線のネットワークを介して接続されたパーソナルコンピューター(PC)やスマートフォン・タブレット等の携帯端末などの外部の情報処理装置である。
「予め定められた複数の定形サイズ」は、A4サイズやB5サイズなどの定形サイズである。
「カスタムサイズ」は、ユーザーによって予め定められた任意のサイズである。
「前記カスタムサイズと略同一の前記定形サイズ」は、用紙の縦横のサイズの違いが予め定められた範囲内(例えば、縦横1mm~数mmの範囲内等)にある場合を略同一のサイズとする。
【0012】
この発明の「表示部」は、操作パネル16によって実現されるが、操作パネル16を用いる代わりに、PC2等の外部機器と通信を行い、外部機器の表示部24によって実現するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、給紙トレイにカスタムサイズの用紙が設定されている場合、前記カスタムサイズと略同一の定形サイズの用紙があったとしても、ユーザーによって選択された優先設定に基づき選択されたサイズの用紙に画像が形成されるため、従来よりも用紙設定の煩雑さを軽減してユーザーの利便性の高い画像形成装置を実現できる。
【0014】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0015】
(2)この発明による画像形成装置において、前記定形サイズは、定形封筒サイズを含み、前記通信部が画像形成指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記画像形成指令に係る用紙のサイズと略同一の前記定形封筒サイズがあるか否かを判定し、前記略同一の前記定形封筒サイズがある場合、前記画像形成指令に係る用紙のサイズおよび前記略同一の定形封筒サイズのどちらを優先すべきかの選択画面を前記表示部に表示させ、前記画像形成部を制御して、選択されたサイズの用紙に画像を形成させるものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、給紙トレイにカスタムサイズの用紙が設定されている場合、前記カスタムサイズと紛らわしい定形サイズの用紙があったとしても、ユーザーによって選択された優先設定に基づき選択されたサイズの用紙に画像が形成されるため、従来よりも用紙設定の煩雑さを軽減してユーザーの利便性の高い画像形成装置を実現できる。
【0017】
(3)前記通信部が画像形成指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記画像形成指令で指定された前記原稿サイズおよび前記優先設定に基づき、前記画像形成部を制御して、選択されたサイズの用紙に画像を形成させるものであってもよい。
【0018】
このようにすれば、外部機器から受信した画像データの画像を形成する場合において、カスタムサイズの原稿と紛らわしい定形サイズの用紙があったとしても、ユーザーによって選択された優先設定に基づき選択されたサイズの用紙に画像が形成されるため、従来よりも用紙設定の煩雑さを軽減してユーザーの利便性の高い画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の実施形態1に係るおよびPCからなる画像形成システムの構成を示す説明図である。
【
図3】
図1のデジタル複合機のパネルユニットを示す説明図である。
【
図4】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示すPCの概略構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1のデジタル複合機による用紙時の用紙選択処理の概要を示すフローチャートである。
【
図7】
図1のデジタル複合機の給紙トレイの用紙サイズ設定テーブルの一例を示す説明図である。
【
図8】
図1のデジタル複合機の給紙トレイのカスタムサイズ設定テーブルの一例を示す説明図である。
【
図9】
図1のデジタル複合機の印刷時の用紙選択処理における用紙サイズの優先度を設定する優先サイズ設定画面の一例を示す説明図である。
【
図10】
図1のデジタル複合機による印刷時の用紙選択処理の概要を示すフローチャートである。
【
図11】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機による印刷時の用紙選択処理の概要を示すフローチャートである。
【
図12】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機による印刷時の用紙選択処理の概要を示すフローチャートである。
【
図13】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0021】
〔実施形態1〕
<デジタル複合機1の概略構成>
図1~
図4に基づき、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1について説明する。
図1は、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1およびPC2からなる画像形成システム100の構成を示す説明図である。また、
図2は、
図1のデジタル複合機1の平面図である。また、
図3は、
図1のデジタル複合機1の操作パネル16を示す説明図である。
【0022】
図1に示されるように、この発明の実施形態1に係る画像形成システム100は、ネットワーク3を介して接続されたデジタル複合機1およびPC2から構成される。
【0023】
デジタル複合機1は、外部機器等から取得した画像データをデジタル処理し、プリンタ機能、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0024】
デジタル複合機1は、操作部162やPC2等の外部機器からネットワーク3を介して受付けたユーザーからの指令および画像データに基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信等のジョブを実行する。
【0025】
PC2は、情報を処理する装置である。
ユーザーは、PC2から有線または無線のネットワーク3を経由してデジタル複合機1に画像形成に係る指令や画像データなどを出力する。
なお、
図1には、1台のPC2のみが示されているが、複数台のPC2が含まれていてもよい。
【0026】
ネットワーク3は、有線または無線のいずれであってもよく、また、LAN、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)、専用の通信回線などいずれのネットワークを利用してもよい。
【0027】
次に、
図4に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
図4は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0028】
図4に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、スキャナ11、画像形成部12、メモリ13、画像処理部14、用紙搬送部15、操作パネル16、給紙トレイ17および通信部18を備える。
【0029】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0030】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル16等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0031】
用紙サイズ設定部101は、給紙トレイ17の用紙サイズの設定を受け付ける部分である。
用紙サイズ設定部101は、受け付けた用紙サイズの設定を用紙サイズ設定テーブル(
図7)およびカスタムサイズ設定テーブル(
図8)に格納する。
また、用紙サイズ設定部101は、カスタムサイズか定形サイズのどちらを優先すべきかの優先サイズ設定(
図8のカスタムサイズ設定テーブル内)も受け付ける。
【0032】
スキャナ11は、原稿台に置かれた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
【0033】
画像形成部12は、スキャナ11によって取得された画像データ、あるいは、PC2から通信部18が受信した画像データに基づき、用紙上に画像を形成して出力する部分であり、出力制御部120、現像部121、転写部122および定着部123を備える。
【0034】
出力制御部120は、現像部121、転写部122および定着部123を制御して、コピー等の出力制御を行う部分である。
【0035】
現像部121は、帯電器により所定の電位に帯電した感光体ドラム上に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する部分である。
【0036】
転写部122は、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙搬送部15によって搬送された用紙上に転写する部分である。
【0037】
定着部123は、転写部122により画像が転写された用紙を加圧・加熱により定着する部分である。
【0038】
メモリ13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0039】
画像処理部14は、スキャナ11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、スキャナ11から入力された画像データを表示部161からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0040】
用紙搬送部15は、給紙カセットおよび手差トレイに格納された用紙を、所定の搬送路を経由して画像形成部12まで搬送する部分である。また、画像形成部12によって画像が形成された用紙を、所定の搬送路を経由して排紙トレイに排出する部分である。
【0041】
操作パネル16は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)を備えたユニットであり、表示部161および操作部162を備える。
【0042】
表示部161は、各種情報の表示を行う部分である。表示部161は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。制御部10は、表示部161を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0043】
操作部162は、タッチパネルを備え、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0044】
給紙トレイ17は、給紙カセット、手差しトレイ等の画像形成用の用紙を収納するトレイである。
【0045】
通信部18は、ネットワーク3を介して、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン・タブレット等の携帯端末等の情報処理装置やファクシミリ装置等との外部機器と通信をおこない、メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
また、通信部18は、外部機器から画像形成に係る指令や画像データを受信する。
【0046】
<PC2の概略構成>
次に、
図5に基づき、PC2の概略構成を説明する。
図5は、
図1に示すPC2の概略構成を示すブロック図である。
【0047】
図5に示されるように、この発明のPC2は、制御部20、メモリ21、画像処理部22、操作部23、表示部24および通信部25を備える。
【0048】
なお、制御部20、メモリ21、画像処理部22、表示部24および通信部25の構成は、それぞれ、
図4のデジタル複合機1の制御部10、メモリ13、画像処理部14、表示部161および通信部18と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0049】
操作部23は、PC2の操作を行うためのインターフェースである。
操作部23は、複数のキーの配列からなり、タッチパネル機能を有するものであってもよい。
ユーザーは操作部23を操作し、PC2に対する指令を実行することによって、デジタル複合機1に対する画像形成指令および画像データの送信指令を送ることができる。
【0050】
<この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の用紙選択処理の一例>
続いて、
図6~
図10に基づき、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の用紙選択処理の一例について説明する。
【0051】
図6は、
図1のデジタル複合機1の給紙トレイ17の設定時の処理の一例を示す説明図である。
【0052】
図6のステップS1において、操作パネル16の設定画面において用紙サイズ設定および給紙トレイ17が選択された場合(ステップS1)、ステップS2の判定を行う(ステップS2)。
【0053】
次に、ステップS2において、用紙サイズの選択項目からカスタムサイズが選択されたか否かを判定する(ステップS2)。
【0054】
図7は、
図1のデジタル複合機1の給紙トレイ17の用紙サイズ設定テーブルの一例を示す説明図である。
【0055】
図7の用紙サイズ設定テーブルには、ユーザーが設定した給紙トレイ17の用紙サイズ設定が記憶される。
【0056】
図7に示すように、用紙サイズ設定テーブルにおいて、トレイ1~トレイ4の各トレイのそれぞれについて、A3サイズやA4サイズ、カスタムサイズなどのサイズが設定される。
【0057】
図6のステップS2において、用紙サイズの選択項目からカスタムサイズが選択されなかった場合(ステップS2の判定がNoの場合)、ステップS3において、制御部10は、用紙サイズ設定テーブルの選択された給紙トレイに選択された定形用紙サイズ(A3サイズなど)を設定する(ステップS3)。
【0058】
一方、用紙サイズの選択項目からカスタムサイズが選択された場合(ステップS2の判定がYesの場合)、ステップS4において、制御部10は、定形サイズと略同一のカスタムサイズが設定されたか否かを判定する(ステップS4)。
【0059】
ここで、略同一のカスタムサイズとしては、定形サイズから縦横1mm~数mmの範囲内にあるなど、定形サイズから縦横の大きさが予め定められた範囲内にあるものを略同一のカスタムサイズとする。
【0060】
定形サイズと略同一のカスタムサイズが設定されていない場合(ステップS4の判定がNoの場合)、ステップS9において、制御部10は、用紙サイズ設定テーブルの選択された給紙トレイにカスタムサイズ(1~4)を設定し、カスタムサイズ設定テーブルで該当する番号のカスタムサイズ設定に指定サイズを設定する(ステップS9)。
【0061】
図8は、
図1のデジタル複合機1の給紙トレイ17のカスタムサイズ設定テーブルの一例を示す説明図である。
【0062】
図8のカスタムサイズ設定テーブルには、ユーザーが設定した給紙トレイ17の用紙のカスタムサイズが縦(mm)×横(mm)として設定される。
【0063】
一方、
図6のステップS4において、定形サイズと略同一のカスタムサイズが設定されている場合(ステップS4の判定がYesの場合)、ステップS5において、制御部10は、優先設定サイズ設定画面を表示する(ステップS5)。
【0064】
図9は、
図1のデジタル複合機1の印刷時の用紙選択処理における用紙サイズの優先度を設定する優先サイズ設定画面の一例を示す説明図である。
【0065】
ユーザーは、
図9に示すように、優先サイズ設定画面において、印刷時の用紙選択処理における用紙サイズの優先度を設定する。
【0066】
図9の例では、優先サイズとして、カスタムサイズと定形サイズの2つの項目があり、カスタムサイズが選択されている。
【0067】
次に、
図6のステップS6において、制御部10は、優先サイズ設定にカスタムサイズが選択されたか否かを判定する(ステップS6)。
【0068】
優先サイズ設定にカスタムサイズが選択された場合(ステップS6の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS7において、カスタム設定テーブルの優先設定にカスタムサイズを設定する(ステップS7)。
その後、制御部10は、ステップS9の処理を行う(ステップS9)。
【0069】
一方、優先サイズ設定に定形サイズが選択された場合(ステップS6の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS8において、カスタム設定テーブルの優先設定に定形サイズを設定する(ステップS8)。
その後、制御部10は、ステップS9の処理を行う(ステップS9)。
【0070】
図8のカスタムサイズ設定テーブルにおいて、カスタムサイズか定形サイズのどちらを優先すべきか、優先サイズ設定が記憶される。
【0071】
次に、
図10に基づき、
図1のデジタル複合機1による印刷時の用紙選択処理の流れについて説明する。
【0072】
図10および
図11は、
図1のデジタル複合機1による印刷時の用紙選択処理の概要を示すフローチャートである。
【0073】
制御部10は、通信部18がプリントデータを受信したとき、
図10に示すように、用紙選択処理を行う。
【0074】
図10のステップS11において、制御部10は、受信したプリントデータの文書の用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルにあるか否かを判定する(ステップS11)。
【0075】
受信したプリントデータの文書の用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルにある場合(ステップS11の判定がYesの場合)、ステップS12において、制御部10は、優先サイズ設定がカスタムサイズか否かを判定する(ステップS12)。
【0076】
優先サイズ設定がカスタムサイズである場合(ステップS12の判定がYesの場合)、ステップS13において、制御部10は、カスタムサイズで給紙トレイ17を検索する(ステップS13)。
その後、制御部10は、ステップS16の判定を行う(ステップS16)。
【0077】
一方、ステップS12の判定において、優先サイズ設定がカスタムサイズでない場合(ステップS12の判定がNoの場合)、ステップS14において、制御部10は、定形サイズで給紙トレイ17を検索する(ステップS14)。
その後、制御部10は、ステップS16の判定を行う(ステップS16)。
【0078】
また、ステップS11において、受信したプリントデータの文書の用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルにない場合(ステップS11の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS13において、文書の用紙サイズが用紙サイズ設定テーブルにあるか否かを判定する(ステップS13)。
【0079】
文書の用紙サイズが用紙サイズ設定テーブルにある場合(ステップS13の判定がYesの場合)、ステップS14において、制御部10は、定形サイズで給紙トレイ17を検索する(ステップS14)。
【0080】
一方、文書の用紙サイズが用紙サイズ設定テーブルにない場合(ステップS13の判定がNoの場合)、ステップS15において、制御部10は、文書の用紙サイズで給紙トレイ17を検索する(ステップS15)。
【0081】
次に、ステップS16において、制御部10は、該当の給紙トレイ17があるか否かを判定する(ステップS16)。
【0082】
該当の給紙トレイ17がある場合(ステップS16の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS19において、該当の用紙を給紙する(ステップS19)。
【0083】
一方、該当の給紙トレイ17がない場合(ステップS16の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS17において、指定の用紙サイズの用紙をセットするように表示部161に表示させる(ステップS17)。
【0084】
続いて、制御部10は、ステップS18において用紙がセットされると(ステップS18)、ステップS19において、該当の用紙を給紙する(ステップS19)。
【0085】
このように、給紙トレイ17にカスタムサイズの用紙が設定されている場合、前記カスタムサイズと紛らわしい定形サイズの用紙があったとしても、ユーザーによって選択された優先設定に基づき選択されたサイズの用紙に画像が形成されるため、従来よりも用紙設定の煩雑さを軽減してユーザーの利便性の高いデジタル複合機1を実現できる。
【0086】
(実施形態2)
次に、
図11および
図12に基づき、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1について説明する。
【0087】
図11は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1による印刷時の用紙選択処理の概要を示すフローチャートである。
【0088】
実施形態2に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図4)と同じであるため、説明を省略する。
【0089】
制御部10は、通信部18がプリントデータを受信したとき、
図11および
図12に示すように、用紙選択処理を行う。
【0090】
図11のステップS21において、制御部10は、受信したプリントデータの文書の用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルにあるか否かを判定する(ステップS21)。
【0091】
受信したプリントデータの文書の用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルにある場合(ステップS21の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS22において、優先サイズ設定がカスタムサイズか否かを判定する(ステップS22)。
【0092】
優先サイズ設定がカスタムサイズである場合(ステップS22の判定がYesの場合)、
図12のステップS29において、制御部10は、カスタムサイズで給紙トレイ17を検索する(
図12のステップS29)。
その後、制御部10は、ステップS30の判定を行う(ステップS30)。
【0093】
一方、
図11のステップS22の判定において、優先サイズ設定がカスタムサイズでない場合(ステップS22の判定がNoの場合)、
図12のステップS28において、制御部10は、定形サイズで給紙トレイ17を検索する(
図12のステップS28)。
その後、制御部10は、ステップS30の判定を行う(ステップS30)。
【0094】
また、
図11のステップS21において、印刷指令を受けた文書の用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルにない場合(ステップS21の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS23において、文書の用紙サイズが用紙サイズ設定テーブルにあるか否かを判定する(ステップS23)。
【0095】
文書の用紙サイズが用紙サイズ設定テーブルにある場合(ステップS23の判定がYesの場合)、制御部10は、
図12のステップS28において、制御部10は、定形サイズで給紙トレイ17を検索する(
図12のステップS28)。
【0096】
一方、文書の用紙サイズが用紙サイズ設定テーブルにない場合(ステップS23の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS24において、制御部10は、文書の用紙サイズが定形の封筒サイズと略同一サイズか否かを判定する(ステップS24)。
【0097】
文書の用紙サイズが定形の封筒サイズと略同一サイズである場合(ステップS24の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS25において、カスタムサイズまたは定形サイズの選択画面を表示部161に表示させる(ステップS25)。
【0098】
続くステップS26において、制御部10は、カスタムサイズが選択されたか否かの判定を行う(ステップS26)。
【0099】
カスタムサイズが選択された場合(ステップS26の判定がYesの場合)、
図12のステップS29において、制御部10は、カスタムサイズで給紙トレイ17を検索する(
図12のステップS29)。
【0100】
一方、定形サイズが選択された場合(ステップS26の判定がNoの場合)、
図12のステップS28において、制御部10は、定形サイズで給紙トレイ17を検索する(
図12のステップS28)。
【0101】
また、ステップS24において、文書の用紙サイズが定形の封筒サイズと略同一サイズでない場合(ステップS24の判定がNoの場合)、
図12のステップS27において、制御部10は、文書の用紙サイズで給紙トレイ17を検索する(
図12のステップS27)。
【0102】
次に、ステップS30において、制御部10は、該当の給紙トレイ17があるか否かを判定する(ステップS30)。
【0103】
該当の給紙トレイ17がある場合(ステップS30の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS33において、該当の用紙を給紙する(ステップS33)。
【0104】
一方、該当の給紙トレイ17がない場合(ステップS30の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS31において、指定の用紙サイズをセットするように表示部161に表示させる(ステップS31)。
【0105】
続いて、制御部10は、ステップS32において用紙がセットされると(ステップS32)、ステップS33において、該当の用紙を給紙する(ステップS33)。
【0106】
このように、前記カスタムサイズと紛らわしい定形封筒サイズの用紙があったとしても、選択画面を表示してユーザーによって選択されたサイズの用紙に画像が形成されるため、従来よりも用紙設定の煩雑さを軽減してユーザーの利便性の高いデジタル複合機1を実現できる。
【0107】
(実施形態3)
次に、
図13に基づき、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1について説明する。
【0108】
図13は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
実施形態1(
図4)との相違点は、
図13のデジタル複合機1が原稿サイズ検知センサ19を備える点である。
【0109】
実施形態1では、受信したプリントデータの文書の用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルおよび用紙サイズ設定テーブルにあるか否かを判定した。
【0110】
一方、実施形態3では、原稿サイズ検知センサ19を備えることにより、原稿台に置かれた原稿サイズを検知して、用紙サイズがカスタムサイズ設定テーブルおよび用紙サイズ設定テーブルにあるか否かを判定する。
【0111】
なお、原稿台だけでなく、手差しトレイに置かれた原稿のサイズを検知するようにしてもよい。
【0112】
このように、原稿台等に置かれた原稿をコピーする場合において、カスタムサイズの原稿と紛らわしい定形サイズの用紙があったとしても、ユーザーによって選択された優先設定に基づき選択されたサイズの用紙に画像が形成されるため、従来よりも用紙設定の煩雑さを軽減してユーザーの利便性の高いデジタル複合機1を実現できる。
【0113】
この発明の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0114】
1:デジタル複合機、 PC:2、 10,20:制御部、 11:スキャナ、 12:画像形成部、 13,21:メモリ、 14,22:画像処理部、 15:用紙搬送部、 16:操作パネル、 17:給紙トレイ、 18,25:通信部、 19:原稿サイズ検知センサ、 100:画像形成システム、 101:用紙サイズ設定部、 120:出力制御部、 121:現像部、 122:転写部、 123:定着部、 23,162:操作部、 24,161:表示部