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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】情報処理装置および宛先確認方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20240911BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240911BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240911BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H04N1/32 037
G06F3/0482
H04N1/00 350
H04M1/00 S
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020174092
(22)【出願日】2020-10-15
(65)【公開番号】P2022065481
(43)【公開日】2022-04-27
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】中林 亮
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-066829(JP,A)
【文献】特開2008-104019(JP,A)
【文献】特開2005-184516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32
G06F 3/0482
H04N 1/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
情報を送信する宛先を選択するための宛先選択画面を表示する表示部と、
前記操作部によって前記情報を送信するための送信機能が選択された場合に、前記宛先選択画面を前記表示部に表示させる宛先選択処理部と、
前記宛先選択画面に表示された宛先のうち、前記操作部によって選択された宛先を取得する選択宛先取得部と、
前記取得された宛先の個数を確認する選択宛先数確認部と、
前記操作部によって情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認する送信開始要求確認部と、
前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し前記表示部に表示させる確認画面生成部と
前記宛先選択画面において、前記選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、前記宛先選択画面の同一画面内で隣接して表示されている宛先が選択されているか否かを判定する表示位置判定部とを備え
前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記表示位置判定部によって、前記選択された複数の宛先の中に、隣接して表示されている少なくとも2つの宛先が含まれていると判定された場合に、前記確認画面生成部が、前記宛先一覧確認画面を生成して前記表示部に表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
操作部と、
情報を送信する宛先を選択するための宛先選択画面を表示する表示部と、
前記操作部によって前記情報を送信するための送信機能が選択された場合に、前記宛先選択画面を前記表示部に表示させる宛先選択処理部と、
前記宛先選択画面に表示された宛先のうち、前記操作部によって選択された宛先を取得する選択宛先取得部と、
前記取得された宛先の個数を確認する選択宛先数確認部と、
前記操作部によって情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認する送信開始要求確認部と、
前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し前記表示部に表示させる確認画面生成部と、
前記宛先選択画面が、複数のページに分割して構成され、各ページに、複数の宛先の情報が所定の間隔をあけて配列表示されている場合、前記宛先選択画面において、前記選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、異なるページに表示されている宛先で、前記宛先選択画面の同一表示位置に表示されている宛先が選択されているか否かを判定する表示位置判定部とを備え
前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記表示位置判定部によって、前記選択された複数の宛先の中に、前記同一表示位置に表示されている少なくとも2つの宛先が含まれていると判定された場合に、前記確認画面生成部が、前記宛先一覧確認画面を生成して前記表示部に表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記宛先選択画面には、選択可能な複数の宛先の情報を、所定の間隔をあけて配列表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記宛先一覧確認画面には、前記選択された宛先の情報と、前記選択された宛先への送信の許可および不可を選択するための領域を表示することを特徴とする請求項1~2の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記宛先一覧確認画面の前記選択された宛先への送信の許可を選択するための領域が選択入力された場合に、前記情報を、前記選択された複数の宛先に送信することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記宛先一覧確認画面の前記選択された宛先への送信の不可を選択するための領域が選択入力された場合に、前記情報を送信する宛先の選択を再度やり直せるようにすることを特徴とする請求項またはに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記選択された複数の宛先の中に、同報送信を認めない宛先が含まれている場合に、前記確認画面生成部が、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記同報送信を認めない宛先には、社外と判断される宛先が含まれ、前記選択された複数の宛先の中に、社外の宛先が含まれている場合、前記確認画面生成部が、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させ、
前記選択された宛先が、同一社内と見なせる宛先のみからなる場合、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させないことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記選択された複数の宛先が、誤選択された可能性のない場合は、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させないで、前記情報を、前記選択された複数の宛先に送信することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
宛先確認方法であって、
情報を送信するための送信機能が選択された場合に、前記情報を送信する宛先を選択するための宛先選択画面を表示させる宛先選択処理ステップと、
前記宛先選択画面に表示された宛先のうち、選択された宛先を取得する選択宛先取得ステップと、
前記取得された宛先の個数を確認する選択宛先数確認ステップと、
前記情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認する送信開始要求確認ステップと、
前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し表示させる確認画面生成ステップと
前記宛先選択画面において、前記選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、前記宛先選択画面の同一画面内で隣接して表示されている宛先が選択されているか否かを判定する表示位置判定ステップとを備え
前記確認画面生成ステップは、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記表示位置判定ステップで、前記選択された複数の宛先の中に、隣接して表示されている少なくとも2つの宛先が含まれていると判定された場合に実行されることを特徴とする宛先確認方法。
【請求項11】
宛先確認方法であって、
情報を送信するための送信機能が選択された場合に、前記情報を送信する宛先を選択するための宛先選択画面を表示させる宛先選択処理ステップと、
前記宛先選択画面に表示された宛先のうち、選択された宛先を取得する選択宛先取得ステップと、
前記取得された宛先の個数を確認する選択宛先数確認ステップと、
前記情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認する送信開始要求確認ステップと、
前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成して表示させる確認画面生成ステップと、
前記宛先選択画面が、複数のページに分割して構成され、各ページに、複数の宛先の情報が所定の間隔をあけて配列表示されている場合、前記宛先選択画面において、前記選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、異なるページに表示されている宛先で、前記宛先選択画面の同一表示位置に表示されている宛先が選択されているか否かを判定する表示位置判定ステップとを備え
前記確認画面生成ステップは、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記表示位置判定ステップで、前記選択された複数の宛先の中に、前記同一表示位置に表示されている少なくとも2つの宛先が含まれていると判定された場合に実行されることを特徴とする宛先確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置に関し、特に、入力された画像データ等の情報を、複数の宛先の他の情報処理装置に送信する機能を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原稿台に載置された原稿を読み取り、読み取られた原稿の画像データを、ファクス機能によりファクシミリ装置に送信したり、画像データを電子メールに添付して所定の宛先の情報処理装置に送信したりする画像形成装置が利用されている。
また、ユーザーによって、1つまたは複数の送信宛先を選択する入力操作がされた後、送信開始キーが押し下げられた場合に、各宛先に対して、画像データの送信が行われる。
【0003】
たとえば、特許文献1には、ファクシミリ送信の際の送信条件の設定や、アドレス帳画面を利用してユーザーが1つのアドレスを選択する操作をした後、スタートキーを押し下げることによって、原稿読取処理を開始させ、宛先確認設定がなされている場合に、宛先確認画面を表示させ、OKキーがONされた場合、読み取った画像データを選択された宛先に送信する画像送信装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、送信する電子メールの編集を終了した後、電子メールの宛先を列挙して目視確認するための画面を表示させ、操作者が宛先ごとにチェック入力を行う宛先確認処理をした場合に、電子メールをメールサーバー装置に送信させるメール誤送信防止装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-34843号公報
【文献】特開2018-156509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、原稿読取処理を開始させた後や、電子メールの編集を終了した後に、必ず宛先確認画面を表示させる場合には、誤入力した宛先に誤って送信してしまうことを未然に防止できるが、宛先を確認する必要がない場合も含め、ユーザーは、常に設定入力した宛先を確認し、確認したことを示す入力操作をする必要があり、ユーザーの操作負担が大きい場合があった。
【0007】
また、従来、ユーザーは、複数の宛先がリスト形式で配列された送信先選択画面を見ながら、マウス等を利用して、画像データや電子メールを送信する宛先を選択する操作を行うことがある。
このリスト形式で配列された複数の宛先の表示間隔が非常に狭い場合、ユーザーは所望の宛先を選択したつもりでも、隣接する他の宛先が誤って選択される場合があった。
もし、初期設定として、宛先確認をしないものとする設定がなされていた場合に、隣接する他の宛先が誤って選択された場合は、ユーザーが意図しない送信先に画像データ等を誤送信してしまっていた。
【0008】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、ユーザーが画像データ等の情報の送信先を選択するときに、送信先が誤って選択された可能性がある場合に、宛先確認画面を表示させて、ユーザーが送信先の誤選択を容易に確認でき、画像データの誤送信を未然に防止し、ユーザーの操作負担を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、操作部と、情報を送信する宛先を選択するための宛先選択画面を表示する表示部と、前記操作部によって前記情報を送信するための送信機能が選択された場合に、前記宛先選択画面を前記表示部に表示させる宛先選択処理部と、前記宛先選択画面に表示された宛先のうち、前記操作部によって選択された宛先を取得する選択宛先取得部と、前記取得された宛先の個数を確認する選択宛先数確認部と、前記操作部によって情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認する送信開始要求確認部と、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合に、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させる確認画面生成部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供するものである。
【0010】
また、前記宛先選択画面には、選択可能な複数の宛先の情報を、所定の間隔をあけて配列表示することを特徴とする。
【0011】
また、前記宛先一覧確認画面には、前記選択された宛先の情報と、前記選択された宛先への送信の許可および不可を選択するための領域を表示することを特徴とする。
【0012】
また、前記宛先一覧確認画面の前記選択された宛先への送信の許可を選択するための領域が選択入力された場合に、前記情報を、前記選択された複数の宛先に送信することを特徴とする。
【0013】
また、前記宛先一覧確認画面の前記選択された宛先への送信の不可を選択するための領域が選択入力された場合に、前記情報を送信する宛先の選択を再度やり直せるようにすることを特徴とする。
【0014】
また、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記選択された複数の宛先のいずれかが、誤選択された可能性のある場合に、前記確認画面生成部が、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0015】
また、前記宛先選択画面において、前記選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、前記宛先選択画面の同一画面内で隣接して表示されている宛先が選択されているか否かを判定する表示位置判定部をさらに備え、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記表示位置判定部によって、前記選択された複数の宛先の中に、隣接して表示されている2つの宛先が含まれていると判定された場合に、前記確認画面生成部が、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0016】
また、前記宛先選択画面が、複数のページに分割して構成され、各ページに、複数の宛先の情報が所定の間隔をあけて配列表示されている場合、前記宛先選択画面において、前記選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、異なるページに表示されていた宛先で、前記宛先選択画面の同一表示位置に表示されている宛先が選択されているか否かを判定する表示位置判定部をさらに備え、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記表示位置判定部によって、前記選択された複数の宛先の中に、前記同一表示位置に表示されている2つの宛先が含まれていると判定された場合に、前記確認画面生成部が、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0017】
また、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記選択された複数の宛先の中に、同報送信を認めない宛先が含まれている場合に、前記確認画面生成部が、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0018】
また、前記同報送信を認めない宛先には、社外と判断される宛先が含まれ、前記選択された複数の宛先の中に、社外の宛先が含まれている場合、前記確認画面生成部が、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させ、前記選択された宛先が、同一社内と見なせる宛先のみからなる場合、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させないことを特徴とする。
【0019】
また、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、前記選択された複数の宛先が、誤選択された可能性のない場合は、前記宛先一覧確認画面を前記表示部に表示させないで、前記情報を、前記選択された複数の宛先に送信することを特徴とする。
【0020】
また、この発明は、宛先確認方法であって、情報を送信するための送信機能が選択された場合に、前記情報を送信する宛先を選択するための宛先選択画面を表示させる宛先選択処理ステップと、前記宛先選択画面に表示された宛先のうち、選択された宛先を取得する選択宛先取得ステップと、前記取得された宛先の個数を確認する選択宛先数確認ステップと、前記情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認する送信開始要求確認ステップと、前記取得された宛先の個数が複数で、前記情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合に、前記選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、前記宛先一覧確認画面を表示させる確認画面生成ステップとを備えることを特徴とする宛先確認方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、宛先選択画面に表示された宛先のうち選択された宛先の個数が複数で、情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合に、選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、宛先一覧確認画面を表示させるので、ユーザーが画像データ等の情報の宛先を選択するときに、情報の宛先が誤って選択された可能性がある場合に、ユーザーが、宛先を誤って選択したか否かを容易に確認できる。
また、情報の宛先が誤って選択された可能性がある場合にのみ、宛先一覧確認画面を表示させ、情報の宛先が誤って選択された可能性が少ない場合には、宛先一覧確認画面を表示させないようにすることで、ユーザーが選択した宛先を確認する場合のユーザーの操作負担を軽減することができる。
さらに、ユーザーが、表示された宛先一覧確認画面を見て、宛先を誤って選択したか否かを確認した後、たとえば、誤って選択した宛先を削除することによって、情報の誤送信を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明の画像形成装置の一実施例の構成ブロック図である。
図2】この発明の画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。
図3】この発明の画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。
図4】この発明の画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。
図5】この発明の画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。
図6】この発明の画像形成装置の記憶部に記憶される選択入力位置座標の一実施例の説明図である。
図7】この発明において、宛先選択画面に表示される宛先情報の表示領域の一実施例の説明図である。
図8】この発明において、宛先選択画面(1ページ目)の一実施例の説明図である。
図9】この発明において、宛先選択画面(2ページ目)の一実施例の説明図である。
図10】この発明において、宛先一覧確認画面の一実施例の説明図である。
図11】この発明において、宛先一覧確認画面の一実施例の説明図である。
図12】この発明において、画像送信宛先確認処理の一実施例のフローチャートである。
図13】この発明において、画像送信宛先確認処理の一実施例のフローチャートである。
図14】この発明における宛先選択画面(1ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図である。
図15】この発明における宛先選択画面(1ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図である。
図16】この発明における宛先選択画面(2ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図である。
図17】この発明における宛先選択画面(2ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図である。
図18】この発明における宛先一覧確認画面の一実施例の説明図である。
図19】この発明における宛先一覧確認画面の一実施例の説明図である。
図20】この発明における宛先選択画面(1ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図である。
図21】この発明における宛先選択画面(1ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図である。
図22】この発明における宛先選択画面(1ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図である。
図23】この発明における宛先一覧確認画面の一実施例の説明図である。
図24】この発明における宛先一覧確認画面の一実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
また、この発明は、情報処理装置であるが、画像、図形、文字などの情報を送信する機能を有する情報送信装置、サーバや他の情報処理装置と通信する情報通信装置、ファクシミリ送信装置、携帯端末などに適用可能であり、さらに、画像データの入力、画像形成、および印刷処理などの機能を有する画像処理装置や画像形成装置などにも適用可能である。
以下には、情報処理装置に相当する装置の1つである画像形成装置についての実施形態を説明する。
【0024】
<画像形成装置の構成>
図1に、この発明の画像形成装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
画像形成装置(以下、MFP:Multifunction Peripheral、複合機とも呼ぶ)1は、画像データを処理する装置であり、たとえば、複写(コピー)機能、印刷機能、原稿読取(スキャン)機能、原稿編集機能、原稿保存機能、原稿送信(ファクス、スキャナ、インターネットFax)機能、通信機能などを備えた電子機器である。
以下の実施例では、この発明の画像形成装置1は、特に、印刷機能、原稿読取(スキャン)機能、原稿送信機能を備えるものとして説明するが、これ以外の機能を備えてもよい。
【0025】
図1において、この発明の画像形成装置(MFP)1は、主として、制御部11、操作部12、表示部13、画像処理部14、通信部15、宛先選択処理部21、選択宛先取得部22、選択宛先数確認部23、送信開始要求確認部24、表示位置判定部25、確認画面生成部26、機能実行部27、記憶部50を備える。
画像処理部14は、後述するように、主に、画像入力部、画像形成部、画像出力部から構成される。
【0026】
制御部11は、操作部や画像処理部などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等の不揮発性メモリに予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の画像形成機能、確認画面生成機能などを実行する。
【0027】
また、上記構成要素のうち、宛先選択処理部21、選択宛先取得部22、選択宛先数確認部23、確認画面生成部26は、CPUが、所定のプログラムに基づいてそれぞれの処理を実行する機能ブロックである。
【0028】
操作部12は、画像形成装置のユーザーが所定の入力操作をするための入力装置である。たとえば、文字などの情報の入力や、機能の選択入力をする部分であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどが用いられる。
ユーザーが操作するキーとしては、動作開始キー、機能選択キー、設定キーなどがある。
ユーザーは、たとえば、タッチパネルや読み取り動作の開始キーを入力する操作をすることによって、原稿の読み取りを実行させたり、画像データ等の情報の送信を開始させる送信開始キーを入力する操作をすることによって、所定の宛先に情報を送信する動作を開始させたりする。
また、タッチパネルや所定の選択キーを入力する操作をすることによって、読み取った原稿の画像データの送信先を選択入力したり、画像データの保存先(保存フォルダ)を変更したり、画像データを削除したりする。
【0029】
表示部13は、情報を表示する部分であり、各機能の実行に必要な情報や、機能の実行の結果などを、利用者に知らせるために表示する。たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられ、操作部12としてタッチパネルが用いられる場合は、表示部13とタッチパネルとが重ね合わせて配置される。
表示部13には、たとえば、画像形成装置の印刷等に利用する設定項目の設定や、原稿読取機能等を実行するのに必要な情報や、選択した機能の操作画面などが、文字、記号、図形、画像、アイコン、アニメーション、動画等を用いて、表示される。
【0030】
また、この発明では、特に、入力された画像データ等の情報を送信する宛先をユーザーが選択するための画面(以下、宛先選択画面と呼ぶ)や、ユーザーによって選択された宛先の情報を確認するための画面(以下、宛先一覧確認画面と呼ぶ)が表示される。
以下の実施例では、操作部12としてタッチパネルが用いられ、表示部13に宛先選択画面等が表示された場合、ユーザーが画面にタッチすることによって、入力操作をするものとする。
【0031】
画像処理部14は、画像形成装置の主要な機能である画像形成機能を実行する部分であり、主に、画像入力部、画像形成部、および、画像出力部からなる。
主として、画像入力部は、所定の画像データを入力する部分であり、画像形成部は、入力された画像データを印刷等することのできる情報に変換する部分であり、画像出力部は、形成された印刷情報等を印刷用紙等に出力する部分である。
【0032】
画像入力部は、画像や文字図形等が記載された原稿の画像データを入力する部分であり、たとえば、原稿台等に載置された原稿を読み取る部分である。
画像入力部としては、情報が記載された原稿を読み取るスキャナ(読取装置)を用いる。
画像形成装置1は、原稿を読み取るために、原稿が載置される原稿載置台(原稿台)と、原稿を抑える原稿カバーとを備える。
また、画像形成装置1は、複数枚の原稿を載置して、複数の原稿を1枚ずつ自動的に搬送して読み取る自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えてもよい。
【0033】
画像情報を入力する方法には種々の方法があるが、たとえば、画像等が記載された原稿をスキャナで読み取り、原稿の画像データ(以下、入力文書データと呼ぶ)を、記憶部50に記憶する。
【0034】
また、たとえば、USBメモリなどの外部の記憶媒体を接続するインターフェースが、画像入力部に該当する。
入力したい画像情報などの電子データファイルを、USBメモリなどの外部の記憶媒体に保存しておき、USBメモリ等をUSB端子などの入力インターフェースに接続し、操作部12で所定の入力操作を行うことによって、USBメモリ等に保存された所望の電子データファイルを読み出して、記憶部50に、入力文書データとして記憶してもよい。
【0035】
画像形成部は、たとえば、入力文書データを記録媒体に印刷する場合、一般的に、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、及び定着の各工程を連続的に実施して、入力文書データを記録媒体に形成する。
現像工程では、トナーカートリッジからトナーを現像装置に補給し、帯電した感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が現像され、静電潜像に対応したトナー像が形成される。感光体ドラムの表面に形成されたトナー像は転写装置によって記録媒体上に転写され、その後、定着装置によって加熱されることにより記録媒体上に定着させられる。また、画像形成部は、入力文書データを転送や表示できる形態の情報に変換する。
【0036】
画像出力部は、形成された入力文書データを出力する部分であり、たとえば、プリンターに相当し、読み取られた原稿の入力文書データを、所定の印刷用紙(紙媒体)に印刷する。
ただし、入力文書データの出力は、印刷に限るものではなく、スキャンされた原稿の入力文書データの記憶、スキャンされた原稿の入力文書データのFAX送信なども含まれる。
たとえば、読み取られた原稿の入力文書データをUSBメモリなどの外部の記憶媒体へ記憶すること、インターネットなどのネットワークを介して他の情報処理装置やサーバへ入力文書データを送信すること、特定の保存フォルダに分類保存することも、画像出力に相当する。
【0037】
通信部15は、ネットワークまたは電話回線を介して、他の通信装置とデータ通信をする部分である。
たとえば、パソコン、携帯端末、サーバ、ファクシミリ装置などの情報処理装置から転送されてきた電子データファイルを受信する。
また、この発明の画像形成装置1で生成された入力文書データを、画像形成装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリなど)に転送したり、ネットワークまたは電話回線を介して、原稿を入力したユーザー所有のパソコンやサーバなどの情報処理装置に送信したりする。
【0038】
ネットワークとしては、インターネットなどの広域通信網や、LANなど、既存のあらゆる通信網を用いることができ、通信形態は、有線通信および無線通信のどちらを用いてもよい。
【0039】
また、選択された送信先の情報処理装置が1台の場合は、通信部15が、画像データをその1台の情報処理装置に送信するが、選択された送信先の情報処理装置が複数の場合は、通信部15が、同じ画像データを、選択された複数の情報処理装置に送信する。
特に、この発明では、複数の送信先が選択された場合において、送信先が誤って選択された可能性がある場合に、宛先一覧確認画面を表示させて、ユーザーによって送信を許可することを意味する入力操作がされた場合に、通信部15が、同じ画像データを、選択された複数の情報処理装置に送信する。
【0040】
宛先選択処理部21は、操作部12によって、入力された画像データ等の情報の送信機能が選択された場合に、宛先選択画面を表示部13に表示させる部分である。
宛先選択画面には、後述するように、選択可能な複数の宛先の情報が、所定の間隔をあけて配列表示される。
また、ユーザーが、宛先選択画面に表示された複数の宛先のうち、所望の宛先を選択入力した場合に、その宛先が表示されている位置の情報(表示位置情報)を取得する。
たとえば、操作部12にタッチパネルが利用されている場合、ユーザーがタッチパネル12に接触した表示位置の情報を取得する。
宛先選択画面には、複数の宛先の情報として、たとえば、送信先名称が表示されるが、各宛先の情報が表示されている領域は、予め固定的に設定されている。
宛先選択画面は、たとえば、後述する図6図8図9に示すような画面である。
【0041】
ユーザーは、タッチパネル12に接触することで、図6などの宛先選択画面に表示された複数の送信先のうち、画像データを送信したい宛先を選択入力する。
接触した位置の情報は、表示画面に対する位置座標に変換され、選択入力位置座標52として、記憶部50に記憶される。
また、宛先選択画面に表示される複数の宛先の情報は、記憶部50に予め設定記憶されている送信先情報51から取得される。
送信先情報51と選択入力位置座標52は、それぞれ、後述する図2および図3に示すような情報である。
【0042】
選択宛先取得部22は、宛先選択画面に表示された宛先のうち、操作部12によって選択された宛先の情報を取得する部分である。
各宛先の情報が表示されている領域を特定する位置座標は予め決まっているので、記憶された選択入力位置座標52が属する領域を確認することによって、ユーザーが選択した宛先を取得する。
たとえば、ユーザーが接触入力した位置の座標(選択入力位置座標)が、「US004」という送信先名称が表示されている領域に属する場合、ユーザーが選択した宛先として、「US004」が取得される。
【0043】
上記した各送信先の情報が表示されている領域を特定する位置座標は、表示項目位置情報53として、記憶部50に予め記憶されているものとする。
また、取得された宛先は、後述する記憶部50の選択宛先情報54に記憶される。
ユーザーによって選択される宛先は、1つの場合もあれば、複数の場合もある。
複数の宛先が選択された場合は、選択されたすべての宛先が、選択宛先情報54に追加記憶される。
また、取得された1つの宛先を、記憶部50の選択宛先情報54に記憶した場合、選択された宛先の個数を計数する選択宛先数55(N)に、1を加算する。
表示項目位置情報53と選択宛先情報54は、それぞれ、後述する図4および図5に示すような情報である。
【0044】
選択宛先数確認部23は、ユーザーによって選択され、選択宛先取得部22によって取得された宛先の個数を確認する部分である。
上記したように、選択された宛先の個数を記憶した選択宛先数55を読み出し、選択された宛先の個数を確認する。
後述するように、原則として、選択宛先数55が、2以上の場合に、宛先一覧確認画面を表示させる。
【0045】
また、選択宛先数55が2以上であって、表示位置が近い宛先が選択されている場合など、誤選択の可能性がある場合に、宛先一覧確認画面を表示させる。
このように、宛先一覧確認画面を表示させる状況を、誤入力の可能性がある場合に限定することによって、画像データの送信に至るまでの操作手順を簡略化し、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0046】
送信開始要求確認部24は、操作部12によって、画像データ等の情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認する部分である。
たとえば、送信開始キーが押し下げられたことや、表示部13に表示された送信開始を意味する表示領域を選択する操作がされたことを確認する。
一般的に、情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認した場合、その情報の送信を開始する。
ただし、この発明では、情報の送信を開始させる入力操作がされたことを確認した後、宛先の誤選択の可能性がある場合には、実際に情報の送信を開始する前に、宛先一覧確認画面を表示させる。
【0047】
表示位置判定部25は、宛先選択画面において、選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、宛先選択画面の同一画面内で隣接して表示されている宛先が選択されているか否かを判定する部分である。
上記のように取得された宛先の個数が複数で、情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、表示位置判定部25によって、選択された複数の宛先の中に、隣接して表示されている2つの宛先が含まれていると判定された場合に、後述する確認画面生成部26が、選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させる。
【0048】
また、選択可能な宛先が多数ある場合は、全部の宛先を1つのページに表示すると、各宛先が見にくくなり、選択し難くなる。
そこで、宛先選択画面が、複数のページに分割して構成され、各ページに、複数の宛先の情報が所定の間隔をあけて配列表示される場合がある。
【0049】
このように、宛先選択画面が、複数のページに分割して構成され、各ページに、複数の宛先の情報が所定の間隔をあけて配列表示されている場合、表示位置判定部25は、宛先選択画面において、選択された複数の宛先の情報が表示されている位置を特定する表示位置情報を取得し、異なるページに表示されていた宛先で、宛先選択画面の同一表示位置に表示されている宛先が選択されているか否かを判定する。
【0050】
取得された宛先の個数が複数で、情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、表示位置判定部25によって、選択された複数の宛先の中に、同一表示位置に表示されている複数の宛先が含まれていると判定された場合に、確認画面生成部26が、選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させる。
【0051】
確認画面生成部26は、ユーザーによって選択された宛先の情報を確認するための画面(以下、宛先一覧確認画面、又は単に、確認画面とも呼ぶ)を生成し、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させる部分である。
たとえば、上記のように取得された宛先の個数が複数で、情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合に、選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させる。
宛先一覧確認画面は、後述する図10図11に示すような画面である。
【0052】
宛先一覧確認画面には、たとえば、後述するように、選択された宛先の情報のリストと、選択された宛先への送信の許可および不可を選択するための領域が表示される。
ユーザーは、この画面に表示される宛先の情報を見て、意図した送信先が選択されているか否かを確認する。
宛先一覧確認画面において、選択された宛先への送信の許可を選択するための領域が選択入力された場合に、機能実行部27によって、入力された画像データ等の情報が、選択された複数の宛先に送信される。
一方、宛先一覧確認画面の選択された宛先への送信の不可を選択するための領域が選択入力された場合に、入力された情報を送信する宛先の選択を再度やり直すようにする。
【0053】
また、取得された宛先の個数が複数で、情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、選択された複数の宛先のいずれかが、誤選択された可能性のある場合に、確認画面生成部26が、選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成して表示部13に表示させるようにしてもよい。
【0054】
ただし、取得された宛先の個数が複数で、情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、選択された複数の宛先が、誤選択された可能性のない場合は、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させないで、入力された画像データ等の情報を、選択された複数の宛先に送信するようにしてもよい。
【0055】
さらに、後述するように、取得された宛先の個数が複数で、情報の送信を開始させる入力操作が確認された場合であって、さらに、選択された複数の宛先の中に、同報送信を認めない宛先が含まれている場合に、確認画面生成部26が、選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、宛先一覧確認画面を表示部に表示させるようにしてもよい。
【0056】
この場合、上記の同報送信を認めない宛先には、たとえば、社外と判断される宛先が含まれ、選択された複数の宛先の中に、社外の宛先が含まれている場合、確認画面生成部26が、選択された宛先の情報を確認するための宛先一覧確認画面を生成し、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させるようにしてもよい。
一方、選択された宛先が、同一社内と見なせる宛先のみからなる場合、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させないようにして、入力された画像データ等の情報を、選択された複数の宛先に送信するようにしてもよい。
【0057】
機能実行部27は、操作部12によって選択された機能を実行する部分である。
たとえば、原稿読取機能が選択されている状態で、機能を開始させる実行キーが入力された場合に、現在設定されている設定項目の内容で、選択された原稿読取機能が実行される。
【0058】
また、コピー機能が選択されている状態で、実行キーが入力された場合、画像入力部によって原稿を読み取り、画像形成部によって読み取られた画像データに基づいて印刷する画像を印刷用紙に形成し、画像出力部によって原稿の画像が形成された印刷用紙を出力するというような一連の動作が実行される。
また、画像データの送信先が選択され、ファクス機能が選択されている状態で、実行キーが入力された場合、送信する原稿を読み取った後に、読み取られた原稿の画像データが、通信部によって選択されている宛先にファクス送信される。
【0059】
情報処理装置に相当する画像形成装置では、機能実行部27によって実行される機能には、たとえば、原稿を複写するコピー機能、原稿を読み取り記憶する原稿読取機能(スキャン記憶機能)、原稿を読み取り送信する原稿送信機能(スキャン送信機能)、ファクス機能、ファイル印刷機能、OCR機能などが含まれる。
【0060】
記憶部50は、この発明の画像処理装置の各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶する部分であり、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子、HDD、SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
記憶部50には、たとえば、送信先情報51、選択入力位置座標52、表示項目位置情報53、選択宛先情報54、選択宛先数55、宛先選択画面情報61、確認画面情報62などが記憶される。
図2から図5に、記憶部50に記憶される情報の一実施例の説明図を示す。
【0061】
送信先情報51は、画像データ等の情報を送信する相手先である情報処理装置に関する宛先情報を、予め記憶したものである。
送信先情報51は、主として、画像形成装置のユーザーや管理担当者によって、設定入力される。
【0062】
図2に、送信先情報51の一実施例の説明図を示す。
図2において、送信先情報51は、送信先名称と、電話番号と、メールアドレスとからなるものを示している。
送信先名称は、送信相手先である情報処理装置を識別するための情報であり、装置名や、相手先の会社名などが、設定入力される。
電話番号は、主に、ファクシミリによる送信を行う場合に必要となる情報であり、相手先がファクシミリの受信ができない場合は、設定しなくてもよい。
メールアドレスは、主に、電子メールの送信を行う場合に必要となる情報であり、相手先が電子メールの受信ができない場合は、設定しなくてもよい。
送信先情報51は、上記の情報に限るものではなく、たとえば、IPアドレス、FTPアドレス、共有フォルダ―アドレスなどを、設定記憶してもよい。
【0063】
宛先選択画面には、たとえば、送信先情報51から取得した送信先名称が表示される。電話番号やメールアドレスが設定されている場合は、これらの情報を表示してもよい。
送信先情報51に、複数の送信相手先が記憶されている場合は、原則として、1つのページに、それらの送信先名称が配列して表示される。
ただし、記憶されている送信相手先の数が非常に多い場合に、1つのページにすべての送信先名称を表示すると、見にくく選択もしにくいので、宛先選択画面を複数のページに分割して、1つのページには所定数の送信先名称のみを表示するものとする。
【0064】
選択入力位置座標52は、ユーザーが、タッチパネル12に対して接触入力した位置の情報である。
図3に、選択入力位置座標52の一実施例の説明図を示す。
図3において、選択入力位置座標52は、表示画面Dに対する座標(Xa、Ya)からなるものを示している。
たとえば、表示画面Dにおいて、基準となる原点の位置座標(X0、Y0)を、画面の左上とし、画面の横方向をX軸、画面の縦方向をY軸とするXY座標系で、ユーザーが接触入力した位置座標(Xa、Ya)を取得する。
【0065】
後述するように、表示項目位置情報53を利用して、この選択入力位置座標52と、宛先選択画面に表示された送信先名称の領域の座標との関係から、ユーザーが選択した宛先を取得する。
図6に、宛先選択画面と、選択入力位置座標の一実施例の説明図を示す。
図6では、10個の送信先名称の領域(US001からUS010)が表示された宛先選択画面と、ユーザーが接触入力した位置である選択入力位置座標(Xa、Ya)との関係を示している。
図6において、選択入力位置座標(Xa、Ya)は、送信先名称(US001)の表示領域の中にあるので、ユーザーが選択した宛先が、「US001」と判断され、選択宛先として、「US001」が取得される。
【0066】
表示項目位置情報53は、表示部13に表示される表示項目の表示位置を予め設定した情報である。
図4に、表示項目位置情報53の一実施例の説明図を示す。
図4の表示項目位置情報53は、宛先選択画面に表示される表示項目である送信先名称の表示位置情報を記憶したものである。
ここでは、一実施例として、「US001」から「US020」までの送信先名称と、その送信先名称が表示される領域を特定する座標情報とを対応付けて記憶した情報を示している。
表示位置情報としては、送信先名称が表示される領域の左上の頂点P1と右下の頂点P4の位置座標を記憶している。
【0067】
たとえば、選択番号01の送信先名称「US001」の表示位置情報は、左上の頂点P1の位置を示す左上位置情報が(X11、Y11)であり、右下の頂点P4の位置を示す右下位置情報が(X41、Y41)であり、この2つの頂点を対角とする長方形領域が、送信先名称「US001」の表示領域である。ここで記載しているX11の“11”というのは位置を示すラベルであって、位置を示すための数値ではない。
【0068】
図7に、宛先選択画面に表示される宛先情報の表示領域の一実施例の説明図を示す。
図8に、宛先選択画面(1ページ目)の一実施例の説明図を示す。
図9に、宛先選択画面(2ページ目)の一実施例の説明図を示す。
【0069】
図7では、図8に示した1ページ目の宛先選択画面の送信先名称「US001」の表示領域付近の拡大図と、図9に示した2ページ目の宛先選択画面の送信先名称「US011」の表示領域付近の拡大図を示している。
図8に示すように、送信先名称「US001」は、1ページ目の宛先選択画面に表示されるが、図9に示すように、送信先名称「US011」は、2ページ目の宛先選択画面に表示されるものとする。
【0070】
図7の1ページ目の送信先名称「US001」の表示領域は、図4の表示項目位置情報53の「US001」に対応する表示位置情報を利用して表示したものであり、2つの頂点P1(X11、Y11)、P4(X41、Y41)を対角とし、4つの頂点(P1、P2、P3、P4)で囲まれた長方形領域が、「US001」の表示領域である。
同様に、1ページ目の送信先名称「US003」の表示領域も、図4の表示項目位置情報53の「US003」に対応する表示位置情報を利用して表示したものであり、2つの頂点P1(X13、Y13)、P4(X43、Y43)を対角とし、4つの頂点(P1、P2、P3、P4)で囲まれた長方形領域が、「US003」の表示領域である。
【0071】
図7の2ページ目の送信先名称「US011」の表示領域は、図4の表示項目位置情報53の「US011」に対応する表示位置情報を利用して表示したものであるが、「US001」と「US011」は、表示されるページが異なるが、ページ内の表示位置は同じである。
すなわち、2ページ目に表示される送信先名称「US011」の表示領域は、「US001」と同じ2つの頂点P1(X11、Y11)、P4(X41、Y41)を対角とし、4つの頂点(P1、P2、P3、P4)で囲まれた長方形領域である。
同様に2ページ目に表示される送信先名称「US013」の表示領域は、「US003」と同じ2つの頂点P1(X13、Y13)、P4(X43、Y43)を対角とし、4つの頂点(P1、P2、P3、P4)で囲まれた長方形領域である。
【0072】
詳細は後述するが、同じページに隣接して表示される「US001」と「US003」の間隔がかなり狭い場合において、ユーザーが送信先名称「US001」を選択しようとした場合に、隣接して表示されている送信先名称「US003」を誤って選択してしまう可能性がある。
【0073】
また、後述するように、1ページ目に表示される「US008」と、2ページ目に表示される「US018」の表示位置が同一である場合において、ユーザーが送信先名称「US018」を選択しようとした場合に、ページの切替操作をするときに、誤って、切替操作領域の近くに表示されている1ページ目の送信先名称「US008」を誤って選択してしまう可能性がある。
この発明では、このように、誤入力の可能性がある場合に、選択された宛先の確認画面を表示して、ユーザーに選択した宛先の確認を要求し、ユーザーが意図しない宛先に、画像データが送信されることを防止する。
【0074】
上記した図4の表示項目位置情報53は、一実施例であり、これに限るものではなく、宛先選択画面を複数のページに分割して表示する場合で、各ページの送信先名称の表示位置を同一とする場合は、1ページ分の送信先名称が表示される領域を特定する座標情報のみを記憶しておけばよい。
【0075】
選択宛先情報54は、宛先選択画面を利用して、ユーザーが選択した画像データの送信の相手先(宛先)に関する情報を記憶したものである。
図5に、選択宛先情報54の一実施例の説明図を示す。
図5の選択宛先情報54では、選択された宛先の選択番号と、送信先名称と、その送信先名称に対応付けられた表示位置情報とからなるものを示している。
これらの情報は、上記した図4の表示項目位置情報53から取得したものである。
たとえば、ユーザーが、宛先選択画面で宛先を選択入力するごとに、その宛先に関する情報が、選択宛先情報54に追加記憶される。
【0076】
選択された宛先は、1つの場合もあれば、複数の場合もある。
宛先が選択されるごとに、選択された宛先の数が、選択宛先数55(N)に記憶される。
図5では、5つの宛先が選択された状態を示しており、選択宛先数55(N)には、5が記憶される。
【0077】
選択宛先情報54に記憶される表示位置情報は、選択された複数の宛先の表示位置が隣接する位置関係にあるか、あるいは、選択された複数の宛先が同一位置に表示されるものであるか否かを確認するのに利用される。
ただし、選択宛先情報54としては、送信先名称のみを記憶してもよく、送信先名称に対応付けられた表示位置情報は、必要な場合に、表示項目位置情報53から取得してもよい。
【0078】
選択宛先数55は、上記したように、選択宛先情報54に記憶された宛先の数である。選択宛先数55は、後述するように、確認画面を表示するか否かを判断する条件として利用される。
【0079】
宛先選択画面情報61は、宛先選択画面に表示される情報とその表示位置を記憶した情報であり、宛先選択画面の生成に利用される。
宛先選択画面情報61には、たとえば、ページ番号、送信先情報の送信先名称、ページ切替のための情報(前画面、次画面)、送信開始などと、これらの情報の表示位置が含まれる。
【0080】
宛先選択画面情報61を利用して、たとえば、図8図9に示したような宛先選択画面が生成され、表示部13に表示される。
図8の宛先選択画面では、1ページ目の表示であることを示すページ番号(ページ1)が表示され、10個の送信先名称(US001からUS010)が所定の位置に配列して表示され、表示ページを切り替えるための「前画面」と「次画面」という表示領域が表示され、送信開始を入力するための表示領域が表示されている。
ただし、1ページ目の表示では、「前画面」を表示しないか、あるいは、「前画面」を選択できないように表示してもよい。
1ページ目が表示されている状態で、「次画面」の領域が選択された場合、図9のような2ページ目が表示される。
【0081】
図9の宛先選択画面では、2ページ目の表示であることを示すページ番号(ページ2)が表示され、次の10個の送信先名称(US011からUS020)が所定の位置に配列して表示され、ページを切り替えるための「前画面」と「次画面」という表示領域が表示され、送信開始を入力するための表示領域が表示されている。
ただし、2ページ目が最後の表示である場合は、「次画面」を表示しないか、あるいは、「次画面」を選択できないように表示してもよい。
また、宛先選択画面は、図8図9に限るものではなく、表示される項目、表示位置、レイアウト、大きさ、色などは、必要に応じて変更してもよい。
【0082】
確認画面情報62は、宛先一覧確認画面に表示される情報とその表示位置を記憶した情報であり、宛先一覧確認画面の生成に利用される。
確認画面情報62には、たとえば、選択された宛先の送信先名称、選択宛先数、送信許可及び送信不可を意味する情報などと、これらの情報の表示位置が含まれる。
確認画面情報62を利用して、たとえば、図10図11に示したような宛先一覧確認画面が生成され、表示部13に表示される。
【0083】
図10の宛先一覧確認画面では、ユーザーによって選択された宛先リストと、送信許可を意味する「送信する」の表示領域と、送信不可を意味する「送信しない」の表示領域とが表示されている。
ユーザーがこの画面表示を見て、選択された宛先が、意図した宛先か否かを確認する。
選択された宛先が意図した宛先である場合に、「送信する」の表示領域を選択入力することによって、各宛先に、画像データの送信が開始される。
一方、ユーザーがこの画面表示を見て、選択された宛先に意図した宛先がない場合や、意図しない宛先が含まれている場合は、「送信しない」の表示領域を選択入力することによって、画像データの送信が中止され、たとえば、再度、宛先を選択する状態に戻る。
【0084】
図11の宛先一覧確認画面では、主に、ユーザーによって選択された宛先の件数と、送信許可を意味する「送信する」の表示領域と、送信不可を意味する「送信しない」の表示領域とが表示されている。
ユーザーがこの画面表示を見て、選択された宛先の件数が意図した宛先数に一致している場合に、「送信する」の表示領域を選択入力することによって、各宛先に、画像データの送信が開始される。
一方、ユーザーがこの画面表示を見て、選択された宛先の件数が意図した宛先数でない場合は、「送信しない」の表示領域を選択入力することによって、画像データの送信が中止され、たとえば、再度、宛先を選択する状態に戻る。
ただし、図11の宛先一覧確認画面において、選択された宛先の詳細内容を確認できるように表示してもよい。
【0085】
宛先一覧確認画面としては、図10または図11のいずれかを表示すればよい。
また、宛先一覧確認画面は、選択された宛先の情報を確認するための画面であるので、図10図11に限るものではなく、たとえば、送信先名称以外にも登録されている電話番号やメールアドレスなどを表示してもよい。
【0086】
<画像送信宛先確認処理の実施例>
以下に、画像形成装置に入力された画像データを、所定の宛先に送信しようとする場合に、ユーザーが所望の宛先を選択入力し、送信開始キーが入力された後、送信先が誤って選択された可能性がある場合に、宛先一覧確認画面を表示させて、ユーザーに、選択入力された宛先の確認を要求する画像送信宛先確認処理について説明する。
ここでは、画像データを送信する場合について説明するが、送信される情報は、画像データに限るものではなく、画像を含まない情報や、文字、図形、記号などが含まれる書面データなどでもよい。
【0087】
(実施例1)
ここでは、ユーザーによって選択された宛先が複数の場合に、確認画面を表示させ、ユーザーの送信許可を意味する入力があった場合に、画像データを送信する実施例を示す。
一般的に、複数の宛先を選択して画像送信する場合、1つの宛先のみを選択して画像送信する場合よりも、誤選択が多いと考えられるので、選択宛先数Nが複数の場合に、必ず確認画面を表示させて、ユーザーに選択入力された宛先の確認を要求することで、画像データが意図しない宛先に誤送信されることを防止する。
送信すべき画像データは、画像形成装置にすでに記憶されているものとする。また、選択宛先数Nの初期値は、ゼロとする。
【0088】
図12に、画像送信宛先確認処理の一実施例のフローチャートを示す。
図12のステップS1において、画像送信機能が選択されたか否かをチェックし、画像送信機能が選択された場合に、ステップS2に進み、そうでない場合は、ステップS1をループする。
たとえば、表示部に、所定の機能選択画面を表示させ、その画面内に表示されているファクシミリ送信とか、メール送信というような画像送信を伴う機能の表示領域を、ユーザーが選択入力した場合に、ステップS2に進む。
【0089】
ステップS2において、宛先選択処理部21が、記憶部50から、送信先情報51を取得する。
送信先情報51は、たとえば、上記した図2に示すような情報である。
ステップS3において、送信先情報51と表示項目位置情報53を利用して、宛先選択画面情報61を生成し、表示部13に、宛先選択画面を表示する。
たとえば、送信先情報51から送信先名称を取り出して、複数の送信先名称を配列した図8に示すような宛先選択画面を表示する。
ユーザーは、表示された宛先選択画面を見て、所望の宛先を選択入力する。
【0090】
ステップS4において、ユーザーの行う入力操作をチェックする。
ここでは、宛先の選択入力か、あるいは、送信開始の入力のいずれかが入力されるものとする。
ステップS5において、宛先の選択入力がされた場合は、ステップS6に進み、そうでない場合は、ステップS8に進む。
【0091】
ステップS6において、選択入力された宛先に関する情報を、選択宛先情報54に追加記憶する。
ここでは、まず、宛先選択処理部21によって、ユーザーが選択入力した位置の座標(選択入力位置座標)を取得し、図4に示したような表示項目位置情報53を利用して、選択入力位置座標が、どの表示位置情報の領域に属するかを判断する。
選択入力位置座標が属する表示位置情報の領域に対応する送信先名称を、選択入力された宛先として取得する。
また、選択宛先取得部22が、選択入力された宛先に関する情報として、送信先名称と、その送信先名称に対応する表示位置情報とを、選択宛先情報54に記憶する。
【0092】
図14に、実施例1において、宛先選択画面(1ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図を示す。
図14の宛先選択画面には、10個の送信先名称(US001からUS010)が表示されており、このうち、送信先名称の「US008」が選択入力された状態を示している。
このとき、図14に示すように、送信先名称「US008」に関する情報が、選択宛先情報54に記憶される。たとえば、送信先名称「US008」と、その表示位置情報P1(X18,Y18)、P4(X48,Y48)が、選択宛先情報54に記憶される。
【0093】
ただし、この実施例1の場合は、複数選択された場合の宛先同士の近さは判断しないので、選択入力された宛先に関する情報として、送信先名称のみを、選択宛先情報54に記憶してもよい。
【0094】
ステップS7において、選択宛先数Nに1を加算する(N=N+1)。
その後、次の宛先選択をチェックするために、ステップS4に戻る。
ユーザーが、複数の宛先を選択する場合は、ステップS4からステップS7までの処理を繰り返す。
【0095】
2つ目の宛先を選択するときに、2ページ目に表示される宛先を選択する場合は、たとえば、図15図16に示したような操作をする。
図15に、実施例1において、宛先選択画面(1ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図を示す。
図16に、実施例1において、宛先選択画面(2ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図を示す。
まず、図15において、ユーザーが2ページ目に表示される宛先を選択する場合、表示されるページの切替を行うために、1ページ目の宛先選択画面の「次画面」の表示領域を選択入力する。
【0096】
宛先選択処理部21が、「次画面」の表示領域が選択入力されたことを確認した場合、送信先情報51と表示項目位置情報53を利用して、2ページ目の宛先選択画面を生成し、表示部13に表示させる。
図16に示すように、2ページ目の宛先選択画面が表示された場合、ユーザーは、所望の宛先を選択入力する。
図16の宛先選択画面には、10個の送信先名称(US011からUS020)が表示されており、このうち、送信先名称の「US018」が選択入力された状態を示している。
このとき、図16に示すように、送信先名称「US018」に関する情報が、選択宛先情報54に追加記憶される。すなわち、送信先名称「US018」と、その表示位置情報P1(X18,Y18)、P4(X48,Y48)が、選択宛先情報54に追加記憶される。
【0097】
3つ目以降の宛先を選択するときも、同様に、必要ならば、ページ切替操作を行って、所望の宛先を選択入力すればよい。
たとえば、ユーザーが5つの宛先を選択した場合は、図5に示すような選択宛先情報54が記憶され、選択宛先数Nは5となる。
【0098】
ステップS8において、送信開始を意味する選択入力がされた場合は、ステップS9に進み、そうでない場合は、ステップS4に戻る。
たとえば、図16のように、送信先名称の「US018」を選択入力して、すべての宛先の選択が終了した場合は、宛先選択画面の送信開始キーの表示領域を選択入力する。
図17に、送信開始キーの表示領域を選択入力した場合の宛先選択画面(2ページ目)と、選択宛先情報の一実施例の説明図を示す。
【0099】
ステップS9において、選択宛先数確認部23が、選択宛先数Nが、2以上であるか否かをチェックし、選択宛先数Nが2以上の場合、ステップS11に進み、そうでない場合は、ステップS10に進む。
【0100】
ステップS10において、選択宛先数Nが1であれば、機能実行部27が、その選択された1つの宛先に、画像データを送信する。
その後、ステップS1に戻る。
この実施例では、選択された宛先が1つの場合は、誤入力の可能性は少ないと考えられるので、ユーザーの操作負担を軽減するために、確認画面を表示させずに、ユーザーが送信開始キーを選択入力した後、直ちに、画像送信を開始する。
【0101】
なお、図示していないが、選択宛先数Nがゼロの場合は、宛先がまだ選択されていないので、たとえば、宛先が選択されていないことを示す警告表示をして、少なくとも1つの宛先を選択入力してもらうために、ステップS4に戻ればよい。
【0102】
ステップS11において、確認画面生成部26が、選択宛先情報54を利用して、確認画面情報62を生成し、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させる。
図18図19に、宛先一覧確認画面の一実施例の説明図を示す。
図18図19の宛先一覧確認画面は、図17に示したように、2つの宛先が選択された状態で、送信開始キーの表示領域が選択入力された後に、表示部13に表示される画面である。
【0103】
図18では、図10と同様に、ユーザーによって選択された宛先リストと、送信許可を意味する「送信する」の表示領域と、送信不可を意味する「送信しない」の表示領域とが表示されている。
図19では、図11と同様に、主に、ユーザーによって選択された宛先の件数と、送信許可を意味する「送信する」の表示領域と、送信不可を意味する「送信しない」の表示領域とが表示されている。
ただし、図19の宛先一覧確認画面においても、選択された宛先の詳細内容を確認できるように表示してもよい。
【0104】
図18図19の宛先一覧確認画面のうち、どちらかの画面が表示される。
どちらを表示するかは、ユーザーが、予め設定記憶しておけばよい。
たとえば、選択された宛先の内容を確認したい場合は、ユーザーは、図18の宛先一覧確認画面を表示するように設定すればよい。
あるいは、選択された宛先の数を確認したい場合は、ユーザーは、図19の宛先一覧確認画面を表示するように設定すればよい。
ユーザーは、宛先一覧確認画面を見て、宛先の情報を確認した後、送信許可か、あるいは、送信不可(キャンセル)のどちらかを意味する入力をすることが要求される。
【0105】
ステップS12において、ユーザーの入力をチェックする。
ユーザーの入力は、送信許可か、あるいは、送信不可(キャンセル)のどちらかとする。
ステップS13において、送信許可が入力された場合は、ステップS14に進み、そうでない場合は、たとえば、ステップS3に戻る。
ただし、送信不可(キャンセル)が入力された場合は、処理を終了してもよい。
【0106】
ステップS14において、選択宛先数Nが2以上なので、機能実行部27が、選択された複数の宛先のそれぞれに、画像データを送信する。
その後、ステップS1に戻る。
【0107】
以上のように、複数の宛先が選択された場合は、1つの宛先のみを選択する場合よりも、誤選択が多いと考えられるので、複数の宛先が選択されたときは、必ず確認画面を表示させて、ユーザーに選択入力された宛先の確認を要求することによって、ユーザーが意図しない宛先に、画像データが誤送信されてしまうことを少なくすることができる。
【0108】
(実施例2)
ここでは、ユーザーによって選択された宛先が複数の場合において、さらに、選択された複数の宛先の中に、選択された宛先の表示領域の位置が同一位置のものが含まれるか、あるいは、選択された宛先の表示領域の位置がかなり近いものが含まれている場合に、確認画面を表示させ、ユーザーの送信許可を意味する入力があった場合に、画像データを送信する実施例を示す。
【0109】
選択された2つの宛先の表示領域の位置がかなり近いか否かは、たとえば、2つの宛先の表示領域が隣接しているか否かで判断する。
図8に示したように、たとえば、宛先US001と宛先US003の表示領域は、隣接しているので、宛先US001と宛先US003の表示領域の位置はかなり近いと判断する。
また、宛先US001と宛先US002の表示領域は、隣接しているので、宛先US001と宛先US002の表示領域の位置はかなり近いと判断する。
一方、宛先US001と宛先US004の表示領域は、隣接していないので、宛先US001と宛先US004の表示領域の位置は近くないと判断する。
【0110】
同様の考え方によれば、図8に示した宛先US005の表示領域は、宛先US003、宛先US006、および宛先US007の表示領域と隣接しているので、宛先US003、宛先US006、および宛先US007の表示領域の位置と、かなり近いと判断する。一方、宛先US005の表示領域は、宛先US004や宛先US008の表示領域と隣接していないので、宛先US005の表示領域は、宛先US004や宛先US008の表示領域の位置とは近くないと判断する。
【0111】
一般的に、複数の宛先を選択する場合、配列された多数の宛先の表示領域のうち、隣接する宛先の表示領域どうしの間隔が狭い場合に、誤選択が多い。
すなわち、隣接する2つの宛先が、選択された宛先に含まれている場合には、誤選択された可能性がある。
【0112】
また、宛先選択画面が複数ページに分割されている場合、ページを切り替える操作をする必要がある。
切り替える前のページに表示されている宛先Aと、切り替えた後のページに表示されている宛先Bとは、異なる宛先であるが、表示部13の宛先選択画面内では、同じ位置に表示されているものがあり、ページを切り替える操作が意図しないものであった場合は、宛先の誤選択がされる場合がある。
すなわち、異なるページの同じ位置に表示される2つの宛先が、選択された宛先に含まれている場合には、誤選択された可能性がある。
【0113】
以上のように、選択宛先数Nが複数の場合であって、隣接する2つの宛先が選択された宛先に含まれている場合や、異なるページの同じ位置に表示される2つの宛先が選択された宛先に含まれている場合には、誤選択の可能性があるので、必ず確認画面を表示させて、ユーザーに選択入力された宛先の確認を要求することで、画像データが意図しない宛先に誤送信されることを防止する。
【0114】
この実施例でも、送信すべき画像データは、画像形成装置にすでに記憶されているものとする。また、選択宛先数Nの初期値は、ゼロとする。
図13に、画像送信宛先確認処理の一実施例のフローチャートを示す。
図13のフローチャートにおいて、図12のフローチャートのステップと同じ処理をするステップには、図12と同じステップ番号を付与している。
図13では、ステップS21とステップS22が追加される点が、図12と異なる。
【0115】
図13において、ステップS1からステップS10までの処理は、上記した図12と同じ処理を行う。
すなわち、図12と同様に、画像送信機能が選択された場合には、送信先情報を取得して、宛先選択画面を表示して、ユーザーに所望の宛先を選択入力してもらう。
ユーザーが、1又は複数の宛先を入力した後、送信開始キーを入力した場合、ステップS9に進む。
【0116】
ステップS9において、選択宛先数確認部23が、選択宛先数Nが、2以上であるか否かをチェックし、選択宛先数Nが2以上の場合、ステップS21に進み、そうでない場合は、ステップS10に進む。
ステップS10において、選択宛先数Nが1であれば、機能実行部27が、その選択された1つの宛先に、画像データを送信する。
その後、ステップS1に戻る。
【0117】
ステップS21において、選択された複数の宛先の表示位置情報をチェックし、選択された宛先同士の近さの判断処理を行う。
すなわち、誤入力の可能性がある近くに表示された宛先が、選択された宛先の中に含まれているか否かを判断する。
【0118】
近さの判断処理は、上記したように、たとえば、選択された宛先同士が、隣接しているか否かで判断すればよい。選択された宛先の中に、隣接している2つの宛先がある場合、近い宛先があると判断し、その2つの宛先を誤入力の可能性のある宛先として記憶する。
【0119】
あるいは、各宛先が選択されたときに取得された位置座標(選択入力位置座標52)を、それぞれ記憶しておき、すべての宛先について、2つの宛先同士の選択入力位置座標を比較して、両座標の距離が所定値よりも短い場合に、その2つの宛先は隣接もしくは異なるページの同じ位置に表示されており、同様に、選択された宛先の中に、近い宛先があると判断し、その2つの宛先を誤入力の可能性のある宛先として記憶してもよい。
【0120】
ステップS22において、選択された宛先の中に、近いと判断された宛先がある場合は、ステップS11に進み、そうでない場合は、ステップS14に進む。
図13のステップS11からステップS14までの処理も、上記した図12と同じ処理である。
【0121】
すなわち、ステップS11において、選択宛先情報54を利用して、確認画面情報62を生成し、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させる。
ステップS12において、ユーザーの入力をチェックして、ステップS13において、送信許可が入力された場合は、ステップS14に進み、そうでない場合は、ステップS3に戻る。
ステップS14において、選択された複数の宛先のそれぞれに、画像データを送信する。その後、ステップS1に戻る。
【0122】
上記したこの実施例では、選択された宛先の中に、近いと判断された宛先がある場合は、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させるが、選択された宛先の中に、近いと判断された宛先がない場合は、宛先一覧確認画面を表示部13に表示させずに、直ちに、選択された複数の宛先のそれぞれに、画像データを送信する。
【0123】
したがって、表示位置が近い隣接する宛先が、選択された宛先に含まれている場合など、ユーザーが誤って宛先を選択した可能性がある場合に、宛先一覧確認画面を表示させて、ユーザーに選択された宛先の確認を要求するので、画像データの誤送信を防止することが可能となる。
一方、宛先の選択操作をするときに、ユーザーが誤って宛先を選択した可能性がない場合には、宛先一覧確認画面を表示させずに、直ちに、画像データを送信するので、ユーザーの操作負担を軽減できる。
【0124】
以下に、図14から図19と、図20から図24を利用して、ユーザーが誤って宛先を選択した可能性がある場合に、宛先一覧確認画面を表示する2つの具体例を示す。
ユーザーの入力操作は、タッチパネルに対する接触で行うものとする。
【0125】
(実施例2の具体例1)
ここでは、ユーザーが図14から図17に示す一連の操作をした場合に、図18または図19の宛先一覧確認画面を表示する具体例を示す。
ユーザーは、画像データの宛先として、「US018」を選択するつもりであったとする。
宛先「US018」は、2ページ目の宛先選択画面で表示されるものとし、宛先「US018」を選択するには、ページの切替操作が必要であるとする。
【0126】
図14に示すように、宛先選択画面では、宛先「US008」の表示領域と「次画面」の表示領域とが異なるページに表示されているが、かなり近い位置関係にあるとする。
なお、1ページ目の宛先「US008」と、2ページ目の「US018」の表示領域は、同一の表示位置とする。
図14から図17において、太い枠線で囲んだ表示領域が、ユーザーによって選択入力されたとする。
【0127】
まず、図14において、1ページ目の宛先選択画面が表示されている状態では、ユーザーが意図する宛先「US018」は表示されていないので、ページの切替操作をする必要がある。
そこで、ユーザーは、「US018」を選択するために、「次画面」が表示されている領域を選択入力しようとする。
【0128】
(1つ目の選択入力:「US008」、ユーザーが意図しない選択)
ここで、ユーザーは、「次画面」を選択入力したつもりであるが、先に、「次画面」の左横にある宛先「US008」の表示領域に接触してしまい、その後、「次画面」の表示領域に接触したとする。
ユーザーが宛先「US008」の表示領域に接触したことにより、図14に示すように、宛先選択情報の送信先名称には、「US008」が記憶される。このとき、選択入力数Nは、1となる。
【0129】
(2つ目の選択入力:「次画面」)
次に、図15に示すようにユーザーが「次画面」の表示領域に接触したことが検出されると、ページが切り替えられ、図16に示すように、表示部13には、2ページ目の宛先選択画面が表示される。
2ページ目の宛先選択画面には、ユーザーが選択しようとする「US018」が表示されている。
【0130】
(3つ目の選択入力:「US018」)
「US008」の表示領域への接触と、「次画面」の表示領域への接触とが短時間に行われたとすると、ユーザーが誤って宛先「US008」を選択してしまったことに気づかずに、表示画面は、2ページ目の宛先選択画面に切り替わってしまう。
表示された2ページ目の宛先選択画面を見ると、選択しようとする「US018」が表示されているので、ユーザーは、図16に示すように、宛先「US018」の表示領域に接触する。
すなわち、ユーザーは、意図した送信先である宛先「US018」を選択入力する。
これにより、ユーザーが宛先「US018」の表示領域に接触したことが検出されると、図16に示すように、宛先選択情報の送信先名称には、「US018」が追加記憶される。
このとき、選択入力数Nは、2となる。
【0131】
(4つ目の選択入力:「送信開始」)
ユーザーが選択しようとした宛先が「US018」のみであった場合、宛先の選択が終了したので、選択した宛先に画像データを送信するために、図17に示すように、ユーザーは、「送信開始」キーの表示領域を選択入力する。
【0132】
送信開始キーの表示領域が選択入力されたことが検出されると、上記したように、選択入力数Nが2なので、図13のステップS21に進み、選択された宛先同士の近さを判断する。
上記したように、たとえば、図4の表示項目位置情報によれば、「US008」と「US018」の表示領域の表示位置は同一なので、選択された2つの宛先(「US008」と「US018」)は、近いと判断される。
したがって、図13のステップS22の判断によって、ステップS11に進み、宛先一覧確認画面を生成して表示する。
【0133】
ここで、選択された宛先は、「US008」と「US018」の2つなので、図18または図19の宛先一覧確認画面を表示する。
ユーザーは、たとえば、図18の宛先一覧確認画面を見て、送信先に意図しない宛先「US008」が含まれていることが確認できるので、宛先を訂正するために、「送信しない」の表示領域を選択入力すればよい。
あるいは、図19の宛先一覧確認画面を見て、ユーザーが選択した宛先は1件のはずなのに、2件の宛先が選択されていることが確認できるので、宛先を訂正するために、「送信しない」の表示領域を選択入力すればよい。
【0134】
このように、ページの切替操作を伴う宛先の選択入力操作で、誤って宛先を選択した可能性がある場合に、宛先一覧確認画面が表示されるので、画像データの誤送信を防止することが可能となる。
【0135】
(実施例2の具体例2)
ここでは、ユーザーが図20から図22に示す一連の操作をした場合に、図23または図24の宛先一覧確認画面を表示する具体例を示す。
ユーザーは、画像データの宛先として、宛先「US003」を選択するつもりであったとする。
図20に示すように、宛先選択画面では、宛先「US001」の表示領域と宛先「US003」の表示領域とが隣接し、かなり近い位置関係にあるとする。
また、図20から図22において、太い枠線で囲んだ表示領域が、ユーザーによって選択入力されたとする。
【0136】
ユーザーは、宛先「US003」を選択するために、宛先選択画面の「US003」が表示されている領域を選択入力しようとする。
ここで、ユーザーは、「US003」を選択入力したつもりであるが、先に、「US003」の上にある宛先「US001」の表示領域に接触してしまい、その後、「US003」の表示領域に接触したとする。
【0137】
(1つ目の選択入力:「US001」、ユーザーが意図しない選択)
ユーザーが宛先「US001」の表示領域に接触したことにより、図20に示すように、宛先選択情報の送信先名称には、「US001」が記憶される。このとき、選択入力数Nは、1となる。
【0138】
(2つ目の選択入力:「US003」)
次に、ユーザーが宛先「US003」の表示領域に接触したことにより、図21に示すように、宛先選択情報の送信先名称には、「US003」が追加記憶される。このとき、選択入力数Nは、2となる。
「US001」の表示領域への接触と、「US003」の表示領域への接触とが短時間に行われたとすると、ユーザーは、誤って宛先「US001」を選択してしまったことに気づかない可能性がある。
【0139】
(3つ目の選択入力:「送信開始」)
ユーザーが選択しようとした宛先が「US003」のみであった場合、宛先の選択が終了したので、選択した宛先に画像データを送信するために、図22に示すように、ユーザーは、「送信開始」キーの表示領域を選択入力する。
【0140】
送信開始キーの表示領域が選択入力されたことが検出されると、上記したように、選択入力数Nが2なので、図13のステップS21に進み、選択された宛先同士の近さを判断する。
上記したように、たとえば、図4の表示項目位置情報によれば、「US001」と「US003」の表示領域は、その領域の座標の比較から距離が近く隣接していると判断できるので、選択された2つの宛先(「US001」と「US003」)は、近いと判断される。
したがって、図13のステップS22の判断によって、ステップS11に進み、宛先一覧確認画面を生成して表示する。
【0141】
ここで、選択された宛先は、「US001」と「US003」の2つなので、図23または図24の宛先一覧確認画面を表示する。
ユーザーは、たとえば、図23の宛先一覧確認画面を見て、送信先に意図しない宛先「US001」が含まれていることが確認できるので、宛先を訂正するために、「送信しない」の表示領域を選択入力すればよい。
あるいは、図24の宛先一覧確認画面を見て、ユーザーが選択した宛先は1件のはずなのに、2件の宛先が選択されていることが確認できるので、宛先を訂正するために、「送信しない」の表示領域を選択入力すればよい。
【0142】
このように、同一ページ内の宛先の選択入力操作でも、誤って宛先を選択した可能性がある場合に、宛先一覧確認画面が表示されるので、画像データの誤送信を防止することが可能となる。
【0143】
(実施例3)
上記した実施例では、選択された宛先が2つ以上の場合に、宛先一覧確認画面を表示させるものについて説明した。
ただし、選択された宛先が1つの場合でも、誤選択が起こる可能性の高い場合は、誤送信を未然に防止する観点からは、宛先一覧確認画面を表示させたほうがよい場合もある。
【0144】
たとえば、表示部13に表示される宛先の数が非常に多く、隣接する宛先の表示領域の間隔がかなり狭い場合、あるいは、携帯端末などの表示画面のように表示部の表示画面が非常に小さいため、各宛先の表示領域そのものが小さく、隣接する宛先の表示領域の間隔もかなり狭い場合などでは、隣接する宛先を誤選択してしまう可能性がある。
また、接触入力した位置が、意図した宛先の表示領域内であるが、その表示領域の端部付近であった場合も、隣接する宛先の表示領域の間隔がかなり狭い場合では、誤って選択された可能性がある場合もある。
【0145】
このような場合に、ユーザーが「送信開始」キーの表示領域を選択入力した後、宛先一覧確認画面を表示せずに、直ちに、選択された1つの宛先に画像データを送信すると、誤送信してしまう可能性がある。
そこで、たとえば、表示項目位置情報53の各宛先の表示位置情報を確認して、隣接する宛先の表示領域の間隔が、所定の距離よりも短く設定されている場合は、宛先が選択された場合には、選択された宛先の数に関係無く、宛先の数が1つでも、常に、宛先一覧確認画面を表示させるようにする。
隣接する宛先の表示領域の間隔と比較する所定の距離としては、たとえば、指の幅に相当する長さ(たとえば、1cm)や、ユーザーが接触入力した位置である選択入力位置座標(Xa、Ya)が各宛先の表示領域の外枠に近い場合(つまり、ユーザーが接触入力した位置が各宛先の表示領域の真ん中に近い場合には、宛先一覧確認画面を表示させない)などを予め設定すればよい。
【0146】
(実施例4)
複数の宛先が選択された場合は、同じ画像データを、これらの選択された複数の宛先に送信するいわゆる同報送信が行われる。
同じ画像データを同報送信する場合は、ユーザーが決めた同報送信してもよい相手先が選択されるが、ユーザーが宛先を1つずつ選択する場合には、誤って宛先を選択する可能性もある。
【0147】
上記した実施例では、主として、選択操作のミスが起こる可能性のある場合に、宛先一覧確認画面を表示させるようにするものを示した。
しかし、宛先の選択操作は正しく行なわれたが、ユーザーによって選択された宛先そのものが、同報送信すべきでない相手先である場合には、誤送信を未然に防止する観点から、宛先一覧確認画面を表示させたほうがよい場合もある。
【0148】
同報送信の判断は、本来、ユーザー自身が判断すべきものであるが、たとえば、社内の宛先への同報送信は認めるが、社外の宛先を含む同報送信は認めないというルールがある場合、選択された複数の宛先に社外の宛先が含まれている場合は、その同報送信を行わないか、あるいは、宛先一覧確認画面を表示させてユーザーに選択された宛先の確認を要求するようにしてもよい。
選択された複数の宛先に同報送信してもよいか否かの判断は、たとえば、次のようにしてすることができる。
【0149】
画像形成装置が設置されている会社の名称(発信元名称と呼ぶ)を、記憶部50に予め記憶しておく。
さらに、送信先情報51に送信先名称を設定登録するときに、宛先が同じ会社の関連部署や、社内と見なせる会社や支店等の場合には、その宛先の送信先情報51の送信先名称には、発信元名称そのものを含ませて設定するか、発信元名称の一部分の文字列を含ませて、予め設定しておく。
たとえば、発信元名称が「ASDF株式会社」に設定されている場合、社内と見なせる宛先には、「ASDF」の文字列を含む送信先名称(たとえば、ASDF支店、ASDF第1企画部など)を、設定する。
【0150】
この場合において、もし、ユーザーによって選択された複数の宛先が、すべて「ASDF」を含む場合は、正当な同一社内と見なせる宛先のみが選択されていると判断し、この同報送信を認め、ユーザーの操作負担を軽減するという観点からは、宛先一覧確認画面を表示させずに、直ちに、画像データの同報送信を開始してもよい。
【0151】
ただし、選択された複数の宛先の中に、「ASDF」の文字列を含まない宛先を含む場合は、選択された宛先に社外の宛先が含まれていると考えて、同報送信は認められないので、宛先一覧確認画面を表示させ、ユーザーに宛先の確認を要求する。
これにより、たとえば、社内の秘密情報を含む画像データを、誤って、社外の宛先に同報送信してしまうことを防止することができる。
【0152】
また、送信先情報51に、送信先のメールアドレスを設定登録する場合、@マークの後ろに記載されているドメイン名で、宛先が社内か否かを判断してもよい。
この場合、画像形成装置が設置されている会社のメールアドレス(発信元アドレスと呼ぶ)のドメイン名と、社内と見なせる会社や支店等のメールアドレスのドメイン名とを、一致させておく必要がある。
たとえば、発信元アドレスが「zxcvbn@aaa.co.jp」であり、このドメイン名が「aaa.co.jp」である場合、送信先情報51に設定登録する社内と見なせる宛先のメールアドレスのドメイン名も、すべて「aaa.co.jp」にする。
【0153】
この場合において、もし、ユーザーによって選択された複数の宛先のメールアドレスのドメイン名が、すべて「aaa.co.jp」である場合は、正当な同一社内と見なせる宛先のみが選択されていると判断し、この同報送信を認め、ユーザーの操作負担を軽減するという観点からは、宛先一覧確認画面を表示させずに、直ちに、画像データの同報送信を開始してもよい。
【0154】
一方、選択された複数の宛先の中に、「aaa.co.jp」を含まないメールアドレスを持つ宛先が含まれている場合は、選択された宛先に社外の宛先が含まれていると考えて、同報送信は認められないので、宛先一覧確認画面を表示させ、ユーザーに宛先の確認を要求する。
これにより、たとえば、社内の秘密情報を含む画像データを、誤って、社外の宛先に同報送信してしまうことを防止することができる。
【符号の説明】
【0155】
1 画像形成装置(MFP)、
11 制御部、
12 操作部、
13 表示部、
14 画像処理部、
15 通信部、
21 宛先選択処理部、
22 選択宛先取得部、
23 選択宛先数確認部、
24 送信開始要求確認部、
25 表示位置判定部、
26 確認画面生成部、
27 機能実行部、
50 記憶部、
51 送信先情報、
52 選択入力位置座標、
53 表示項目位置情報、
54 選択宛先情報、
55 選択宛先数、
61 宛先選択画面情報、
62 確認画面情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図17
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