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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/241 20180101AFI20240911BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240911BHJP
   F21S 43/243 20180101ALI20240911BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20240911BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240911BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240911BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240911BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240911BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240911BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20240911BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20240911BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20240911BHJP
【FI】
F21S43/241
F21S43/14
F21S43/243
F21W103:35
F21Y115:10
F21W103:20
F21W103:10
F21W103:55
F21W103:00
F21W103:45
F21W102:10
F21W102:30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020193422
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022082075
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩二
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/129761(WO,A1)
【文献】特開2016-001577(JP,A)
【文献】特開2017-228463(JP,A)
【文献】特開2018-045832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/241
F21S 43/14
F21S 43/243
F21W 103/35
F21Y 115/10
F21W 103/20
F21W 103/10
F21W 103/55
F21W 103/00
F21W 103/45
F21W 102/10
F21W 102/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、導光レンズとを有する発光ユニットを備え、
前記導光レンズは、前記光源から出射された光を内部へと入射する入射部と、前記入射部から入射した光を外部へと出射する出射部とを有し、
前記入射部は、前記光源から出射された光の光軸を中心に放射状に並ぶと共に、前記光の進行方向に向かって傾斜した複数の段差部を有し、
前記段差部は、前記光源から放射状に出射された光を平行化しながら前記導光レンズの内部へと入射する入射面と、前記入射面と隣接する接続面とが放射方向に交互に並んだ形状を有し、
前記入射面は、曲面により構成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記導光レンズは、前記光軸と直交する一の方向の寸法よりも、前記光軸及び前記一の方向と直交する他の方向の寸法が長くなる形状を有して、その中心軸が前記光軸と一致した状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記複数の段差部は、前記一の方向から前記他の方向に向かうに従って、それぞれの段差部における前記入射面と前記接続面との並び間隔が漸次長くなる形状を有することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記光源から放射状に出射された光のうち、前記一の方向において前記光軸から最も遠い入射面の端部に入射する光の前記光軸に対する角度と、前記他の方向において前記光軸から最も遠い入射面の端部に入射する光の前記光軸に対する角度とが略一致していることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記入射部は、前記光軸を挟んだ前記一の方向の両側において、前記光源から放射状に出射された光を平行化しながら前記導光レンズの内部へと入射する一対の入射面を有することを特徴とする請求項2~4の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記段差部は、前記入射面の放射方向における長さが前記光軸から離れるに従って漸次長くなる形状を有することを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記接続面は、前記光軸から離れる側において隣接する前記入射面に入射する光の前記光軸に対する角度よりも小さい角度で傾斜していることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記発光ユニットは、複数並んだ状態で設けられていることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記発光ユニットは、複数並んだ状態で互いの前記導光レンズが一体に形成されていることを特徴とする請求項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(LED)などの光源と、インナーレンズなどの導光レンズとを組み合わせたものが知られている(例えば、下記特許文献1,2を参照。)。
【0003】
しかしながら、LEDは、指向性(直進性)が高いといった反面、光が拡散し難いといった特性を持ち合わせている。このため、車両用灯具では、導光レンズの出射面(発光面)のうちLEDの正面中央の光軸周辺部分が他の部分よりも強く光る、いわゆる輝度(発光)ムラが生じ易くなっている。
【0004】
また、導光レンズの中には、光源から出射された光の光軸と直交する一の方向(例えば縦方向)の寸法よりも、光軸及び一の方向と直交する他の方向(例えば横方向)の寸法が長くなる横長の出射面(発光面)を有したものがある。
【0005】
この場合、光源から放射状に出射された光のうち、縦方向において相対的に狭い角度範囲の光が導光レンズに入射し、横方向において相対的に広い角度範囲の光が導光レンズに入射することになる。したがって、導光レンズの出射面(発光面)では、縦方向の方が横方向よりも強く光ることで、縦横比が大きくなる(横長になる)ほど、縦方向と横方向との輝度差が大きくなり、点灯時の見栄えが悪くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-222339号公報
【文献】特開2015-213025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 光源と、導光レンズとを有する発光ユニットを備え、
前記導光レンズは、前記光源から出射された光を内部へと入射する入射部と、前記入射部から入射した光を外部へと出射する出射部とを有し、
前記入射部は、前記光源から出射された光の光軸を中心に放射状に並ぶと共に、前記光の進行方向に向かって傾斜した複数の段差部を有し、
前記段差部は、前記光源から放射状に出射された光を平行化しながら前記導光レンズの内部へと入射する入射面と、前記入射面と隣接する接続面とが放射方向に交互に並んだ形状を有し、
前記入射面は、曲面により構成されていることを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記導光レンズは、前記光軸と直交する一の方向の寸法よりも、前記光軸及び前記一の方向と直交する他の方向の寸法が長くなる形状を有して、その中心軸が前記光軸と一致した状態で配置されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記複数の段差部は、前記一の方向から前記他の方向に向かうに従って、それぞれの段差部における前記入射面と前記接続面との並び間隔が漸次長くなる形状を有することを特徴とする前記〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記光源から放射状に出射された光のうち、前記一の方向において前記光軸から最も遠い入射面の端部に入射する光の前記光軸に対する角度と、前記他の方向において前記光軸から最も遠い入射面の端部に入射する光の前記光軸に対する角度とが略一致していることを特徴とする前記〔2〕又は〔3〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記入射部は、前記光軸を挟んだ前記一の方向の両側において、前記光源から放射状に出射された光を平行化しながら前記導光レンズの内部へと入射する一対の入射面を有することを特徴とする前記〔2〕~〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記段差部は、前記入射面の放射方向における長さが前記光軸から離れるに従って漸次長くなる形状を有することを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の車両用灯具
〕 前記接続面は、前記光軸から離れる側において隣接する前記入射面に入射する光の前記光軸に対する角度よりも小さい角度で傾斜していることを特徴とする前記〔1〕~〔〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〕 前記発光ユニットは、複数並んだ状態で設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〕 前記発光ユニットは、複数並んだ状態で互いの前記導光レンズが一体に形成されていることを特徴とする前記〔〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る車両用灯具の構成を示す断面図である。
図2】導光レンズの構成を示す正面図である。
図3】導光レンズの構成を示す側面図である。
図4】入射部の構成を示す斜視図である。
図5】入射部の構成を示す正面図である。
図6図5中に示す線分A-Aによる入射部の横断面において、入射部に入射した光の光路を示す断面図である。
図7図5中に示す線分B-Bによる入射部の縦断面において、入射部に入射した光の光路を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0012】
本発明の一実施形態として、例えば図1図7に示す車両用灯具1について説明する。
なお、図1は、車両用灯具1の構成を示す断面図である。図2は、導光レンズの構成を示す正面図である。図3は、導光レンズの構成を示す側面図である。図4は、入射部の構成を示す斜視図である。図5は、入射部の構成を示す正面図である。図6は、図5中に示す線分A-Aによる入射部の横断面において、入射部に入射した光の光路を示す断面図である。図7は、図5中に示す線分B-Bによる入射部の縦断面において、入射部に入射した光の光路を示す断面図である。
【0013】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0014】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、車両(図示せず。)の後端側の中央部に搭載されるハイマウントストップランプに本発明を適用したものである。
【0015】
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両後方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。
【0016】
具体的に、この車両用灯具1は、図1に示すように、前面が開口したハウジング2と、このハウジング2の開口を覆うカバー3とにより構成される灯体4を備え、車両のリアガラス5の内面に対向した状態で配置されている。なお、灯体4の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0017】
車両用灯具1は、複数(本実施形態では3つ)の発光ユニット6を備えている。複数の発光ユニット6は、灯体4の幅方向に並んだ状態で一体化された構造を有している。
【0018】
各発光ユニット6は、光源7と、導光レンズ8とを有している。したがって、本実施形態の車両用灯具1は、複数の発光ユニット6の各々対応した複数の光源7と、複数の発光ユニット6の各々対応した複数の導光レンズ8とを備えている。また、複数の導光レンズ8は、灯体4の幅方向に並んだ状態で一体に形成されている。
【0019】
光源7は、赤色光(以下、単に「光」という。)Lを発する発光ダイオード(LED)からなる。光源7は、LEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板9の一面(本実施形態では上面)側に、幅方向に等間隔に複数並んだ状態で実装されている。これにより、光源7は、灯体4の内側に、回路基板9と共に配置された状態で、光Lを上方の導光レンズ8に向けて放射状に出射する。
【0020】
なお、回路基板9は、上述したLEDを駆動する駆動回路が設けられた構成となっているが、LEDが設けられた実施基板と、駆動回路が設けられた回路基板とを別々に配置し、これら実装基板と回路基板とをハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、LEDが発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。
【0021】
なお、本実施形態では、導光レンズ8が前方に向かって傾斜して配置されている。これに合わせて、光源7から出射された光Lの光軸AXが前方に向かって傾斜するように光源7が配置されている。
【0022】
導光レンズ8は、図1図2及び図3に示すように、光源7から出射された光Lを導光させる光透過性部材からなる。光透過性部材には、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質のものを用いることができる。
【0023】
導光レンズ8は、光源7から出射された光Lが入射する入射部10と、入射部10から入射した光Lを導光させる第1の導光部11及び第2の導光部12と、第1の導光部11と第2の導光部12との間に位置して、第1の導光部11の内部で導光される光Lを第2の導光部12に向けて反射する反射部13と、第2の導光部12の内部で導光される光Lを外部(前方)に向けて出射する出射部14とを有している。
【0024】
第1の導光部11は、その下端側に位置する入射部10と、その上端側に位置する反射部13との間で、光Lを上方に向けて導光させる部分を構成している。第2の導光部12は、その後端側に位置する反射部13と、その前端側に位置する出射部14との間で、光Lを前方に向けて導光させる部分を構成している。
【0025】
また、導光レンズ8のうち、第1の導光部11は、カバー3に設けられた開口部3aの内側に位置し、第2の導光部12は、灯体4の外部へと露出している。
【0026】
導光レンズ8は、光源7から出射された光Lの光軸AXと直交する一の方向(本実施形態では縦方向)の寸法よりも、光軸AX及び一の方向と直交する他の方向(本実施形態ででは横方向)の寸法が長くなる横長形状を有している。また、導光レンズ8は、その中心軸BXが光軸AXと一致した状態で配置されている。
【0027】
本実施形態では、導光レンズ8の縦横比(縦:横)が3:4となる場合を例示している。なお、導光レンズ8の縦横比(縦:横)については、1:2程度まで横長とすることが可能である。
【0028】
入射部10は、図4及び図5に示すように、正面視で横長の矩形形状を有すると共に、光源7から出射された光Lの光軸AXを中心に放射状に並ぶと共に、光Lの進行方向に向かって傾斜した複数の段差部15を有している。
【0029】
段差部15は、光源7から放射状に出射された光Lを平行化(コリメート)しながら第1の導光部11(導光レンズ8)の内部へと入射する入射面16aと、入射面1aと隣接する接続面17とが放射方向(光軸AXと直交する方向)に交互に並んだ段差形状を有している。
【0030】
複数の段差部15は、縦方向(一の方向)から横方向(他の方向)に向かうに従って、それぞれの段差部15における入射面16aと接続面17との並び間隔が漸次長くなる形状を有している。また、各段差部15は、入射面16aの放射方向における長さが光軸AXから離れるに従って漸次長くなる形状を有している。
【0031】
入射面16aは、この入射面16aに入射した光Lが光軸AXと平行となるように制御された曲面により構成されている。
【0032】
これにより、段差部15では、図6に示す他の方向に沿った断面(横断面)において、光源7から放射状に出射された光Lを各入射面16aにより平行化(コリメート)しながら、第1の導光部11(導光レンズ8)の内部へと効率良く入射することが可能となっている。
【0033】
一方、接続面17は、光軸AXから離れる側において隣接する入射面16aに入射する光Lの光軸AXに対する角度よりも小さい角度で傾斜した傾斜面により構成されている。なお、接続面17については、平面に限らず、曲面であってもよい。
【0034】
これにより、段差部15では、光源7から放射状に出射された光Lを接続面17に入射させることなく、接続面17とは光軸AXから離れる側において隣接する入射面16aへと適切に入射させることが可能となっている。
【0035】
また、入射部10は、光軸AXを挟んだ縦方向(一の方向)の両側において、光源7から放射状に出射された光Lを平行化(コリメート)しながら、第1の導光部11(導光レンズ8)の内部へと入射する一対の入射面16bを有している。
【0036】
すなわち、これら一対の入射面16bは、図7に示す一の方向に沿った断面(縦断面)において、光源7から放射状に出射された光Lを平行化(コリメート)しながら、第1の導光部11(導光レンズ8)の内部へと入射する。
【0037】
入射部10では、光源7から放射状に出射された光Lのうち、縦方向(一の方向)において光軸AXから最も遠い入射面16bの端部に入射する光Lの光軸AXに対する角度と、横方向(他の方向)において光軸AXから最も遠い入射面16aの端部に入射する光Lの光軸AXに対する角度とが略一致している。
【0038】
すなわち、この入射部10は、光源7から放射状に出射された光Lのうち、光軸AXに対して同じ角度範囲θ(例えばθ=30°)となる光Lが入射するように設計されている。光軸AXに対して角度範囲θが30°となる光Lは、光源7から放射状に出射された光Lのうち、光軸AXの周辺部において比較的明るく(輝度が高く)、輝度ムラの少ない光である。
【0039】
入射部10では、この入射部10の縦横比の違いに合わせて、光軸AXに対して同じ角度範囲となる光Lが各入射面16a,16bに入射するように、光源7から各入射面16a,16bまでの光路長が調整されている。
【0040】
これにより、入射部10の縦横比の違いによる縦方向と横方向との入射部10に入射する光Lの輝度差を解消し、且つ、より均一な光Lを入射部10に入射させることが可能となっている。
【0041】
入射部10では、光源7から出射された光Lを平行化(コリメート)しながら、第1の導光部11(導光レンズ8)の内部へと入射する。したがって、第1の導光部11の内部に入射した光Lは、平行化した状態で上方の反射部13に向けて導光されることになる。
【0042】
反射部13は、図1及び図3に示すように、反射面13aを有している。反射面13aは、光源から出射された光Lの光軸AXに対して所定の角度(本実施形態では45°)で前方に向かって傾斜した傾斜面からなる。
【0043】
これにより、反射部13では、第1の導光部11の内部で導光される光Lを反射面13aにより前方の第2の導光部12に向けて反射する。したがって、第2の導光部12の内部に入射した光Lは、平行化した状態のまま前方の出射部14に向けて導光されることになる。
【0044】
出射部14は、図1図2及び図3に示すように、出射面14aを有している。出射面14aは、正面視で横長の矩形形状を有している。また、複数の導光レンズ8が横方向(他の方向)に並ぶことによって、各導光レンズ8の出射面14aが横方向(他の方向)に連続した出射面14aを構成している。
【0045】
出射面14aには、配光制御用の複数の拡散カット18が高さ方向(一の方向)及び幅方向(他の方向)に並んで設けられている。複数の拡散カット18は、正面視で矩形状であり、出射面14aから出射される光Lを幅方向(他の方向)に拡散させるように制御された曲面により構成されている。
【0046】
なお、拡散カット18については、上述した矩形状のものに必ずしも限定されるものではなく、その形状について適宜変更することが可能である。また、拡散カット18については、上述した幅方向(他の方向)に拡散させる場合に限らず、高さ方向(一の方向)に拡散させるように、その配向を制御することも可能である。
【0047】
これにより、出射部14では、第2の導光部12の内部で導光される光Lを拡散カット18により幅方向に拡散しながら、出射面14aから第2の導光部12(導光レンズ8)の外部(前方)へと出射する。
【0048】
出射部14では、この出射部14の縦横比の違いに合わせて、各入射面16a,16bから出射面14aまで導光される光Lの光路長が調整されている。すなわち、光軸AXに近いほど光路長が長くなり、光軸AXから離れるほど光路長が短くなっている。
【0049】
これにより、出射部14の縦横比の違いによる縦方向と横方向との出射部14から出射される光Lの輝度差を解消し、且つ、より均一な光Lを出射部14から出射することが可能となっている。したがって、出射部14では、発光ユニット6の発光面として、出射面14aをより均一に発光させることが可能である。
【0050】
以上のように、本実施形態の車両用灯具1では、上述した導光レンズ8の縦横比が異なる場合でも、この導光レンズ8の縦横比の違いに合わせて、発光ユニット6の発光面をより均一に発光させることができ、点灯時の見栄えを良くすることが可能である。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記導光レンズ8では、上述した入射部10と出射部14との間に位置する反射部13が第1の導光部11と第2の導光部12との間で光Lを反射する構成となっているが、このような反射部13を省略して、入射部10から平行化した状態で入射した光Lを出射部14へと直接導光させる構成としてもよい。
【0052】
また、上記導光レンズ8では、上述した入射部10及び出射部14が、正面視で横長の矩形形状を有した構成となっているが、正面視で楕円形状や長円形状を有する構成であってもよい。
【0053】
なお、上記実施形態では、車両用灯具として、ハイマウントストップランプに本発明を適用した場合を例示しているが、本発明が適用される車両用灯具については、上述したハイマウントストップランプに限らず、例えば、車両用前照灯(ヘッドランプ)、方向指示器(ターンランプ)、車幅灯(ポジションランプ)、補助前照灯(サブヘッドランプ)、前部(後部)霧灯(フォグランプ)、昼間点灯ランプ(DRL)、リッドランプ、尾灯(テールランプ)、ブレーキランプ(ストップランプ)、バックランプなどの車両用灯具に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0054】
また、上記光源7が発する光の色についても、白色光や赤色光、橙色光など、その用途に応じて適宜変更することも可能である。また、上記光源7については、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。
【0055】
また、本発明は、上述した車両用灯具に好適に用いられるものの、例えば一般照明など車両用灯具以外の用途に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…車両用灯具 2…ハウジング 3…カバー 4…灯体 5…リアガラス 6…発光ユニット 7…光源 8…導光レンズ 9…回路基板 10…入射部 11…第1の導光部 12…第2の導光部 13…反射部 14…出射部 15…段差部 16a,16b…入射面 17…接続面 18…拡散カット AX…光軸 BX…中心軸 L…光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7