(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2020212288
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 晃
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-048349(JP,A)
【文献】特開2006-098832(JP,A)
【文献】特開2013-020195(JP,A)
【文献】特開2007-140165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲の歌唱回数に応じた
楽曲のランキングを規定するためのテーマを決定する決定部と、
決定したテーマに基づいて規定された所定の
楽曲のランキングを取得する取得部と、
利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲について、前記所定の
楽曲のランキングにおける順位を特定する特定部と、
前記利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の曲名及び特定された前記順位を報知する報知部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
利用者のカラオケ歌唱を採点して採点結果を出力する採点部を有し、
前記特定部は、出力された採点結果が所定条件を満たした場合に前記所定の
楽曲のランキングにおける順位を特定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記所定の
楽曲のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて順位が特定された場合、所定のメッセージを報知することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記報知部は、所定のタイミングで、前記所定の
楽曲のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて、楽曲名を報知することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置は、カラオケ歌唱とゲームを組合せたコンテンツを提供することができる。カラオケ装置の利用者は、このようなコンテンツを用いることで、カラオケ歌唱をより楽しむことができる。
【0003】
ここで、カラオケ装置が提供するコンテンツとして、楽曲を最後まで歌いきることを目指す採点コンテンツがある(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「完唱!歌いきりまショー!!」、株式会社第一興商、[令和2年12月15日検索]、インターネット、<URL:https://www.clubdam.com/app/damStation/page.do?type=damstation&source=utaikirimasyo&subType=dscontents>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、カラオケ歌唱とゲームを組合せた新規なコンテンツを提供可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、楽曲の歌唱回数に応じたランキングを規定するためのテーマを決定する決定部と、決定したテーマに基づいて規定された所定のランキングを取得する取得部と、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲について、前記所定のランキングにおける順位を特定する特定部と、前記利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の曲名及び特定された前記順位を報知する報知部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラオケ歌唱とゲームを組合せた新規なコンテンツを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るカラオケ装置及びサーバ装置を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係るテーマの入力画面の例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る所定のランキングを示す図である。
【
図7A】第1実施形態に係る楽曲名及び順位の報知の例を示す図である。
【
図7B】第1実施形態に係る楽曲名及び順位の報知の例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係るテーマの入力画面の別例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図11】変形例1に係る楽曲名及び順位の報知の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1~
図8を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0010】
図1に示すように、カラオケ装置Kは、ネットワークNを介してサーバ装置Sと通信可能に接続されている。ネットワークNは、たとえば公衆電話回線網やインターネット回線等の伝送路である。
【0011】
サーバ装置Sは、各種情報を管理するコンピュータである。サーバ装置Sは、ネットワークNを介してカラオケ装置K以外の他のカラオケ装置(図示なし)とも通信可能となっている。
【0012】
本実施形態に係るサーバ装置Sは、履歴情報を記憶している。
【0013】
履歴情報は、あるカラオケ装置で行われた1回のカラオケ歌唱に関する様々な項目を含む情報である。履歴情報は、たとえば、カラオケ歌唱を行った場所(都道府県名、東日本、西日本のようなエリア名、カラオケ歌唱を行った店舗名)、カラオケ歌唱を行った日時、カラオケ歌唱を行った楽曲の楽曲識別情報、曲名、アーティスト名、楽曲のジャンル、リリース年度等である。楽曲識別情報は、個々の楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。
【0014】
たとえば、カラオケ装置Kにおいて、ある利用者がある楽曲のカラオケ歌唱を行ったとする。この場合、カラオケ装置Kは、履歴情報を生成し、サーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、受信した履歴情報を記憶する。なお、曲名やアーティスト名等、楽曲に関する情報は予めサーバ装置Sに記憶されている情報を利用できる。
【0015】
更に、本実施形態において、サーバ装置Sは、カラオケ装置Kからの要求に基づいて所定のランキングを生成し、カラオケ装置Kに送信する(詳細は後述)。
【0016】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。
図2に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0017】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20は、カラオケ本体10からの信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30は、カラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は、利用者のカラオケ歌唱に基づく歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0018】
図3に示すように、カラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0019】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0020】
楽曲データは、楽曲識別情報が付与されている。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータを含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、楽曲の主旋律を示すデータであり、利用者によるカラオケ歌唱を採点する際に使用される。また、記憶手段10aは、カラオケ演奏に合わせて楽曲の歌詞を表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータや、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データを楽曲毎に記憶する。
【0021】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50やサーバ装置Sとの通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0022】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0023】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示なし)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0024】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、決定部100、取得部200、特定部300、及び報知部400として機能する。
【0025】
(決定部)
決定部100は、楽曲の歌唱回数に応じたランキングを規定するためのテーマを決定する。
【0026】
ランキングは、カラオケ歌唱が可能な複数の楽曲を、歌唱回数が多い順に1位からn位まで並べたものである。テーマは、カラオケ歌唱が可能な複数の楽曲の中から、ランキングに含める楽曲を抽出するための条件である。具体的に、テーマは、履歴情報に含まれる各項目を用いることができる。
【0027】
たとえば、カラオケ装置Kの利用者が、リモコン装置50においてランキング・クイズを選択したとする。ランキング・クイズは、あるテーマに基づいて規定されたランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲を当てるクイズゲームである。所定順位は、7位まで、10位まで等、予め一の順位が設定されていてもよいし、ランキング・クイズの都度、利用者が任意の順位を指定してもよい。
【0028】
利用者はリモコン装置50等を介して、ランキング・クイズを行うテーマを選択する。たとえば、利用者が「全国」を選択した場合、決定部100は、ランキングを規定するためのテーマとして「全国」を決定する。決定部100は、決定されたテーマ「全国」をサーバ装置Sに送信する。
【0029】
なお、決定部100は、複数のテーマを決定してもよい。たとえば、利用者が「東日本限定」及び「アーティストA」を選択したとする。この場合、決定部100は、「東日本限定」及び「アーティストA」をテーマとして決定する。
【0030】
(取得部)
取得部200は、所定のランキングを取得する。
【0031】
所定のランキングは、決定したテーマに基づいて規定されたものである。所定のランキングは、たとえばサーバ装置Sで作成される。サーバ装置Sは、カラオケ装置Kから受信したテーマに基づいて、当該テーマを含む履歴情報を抽出する。サーバ装置Sは、抽出した履歴情報に含まれる楽曲識別情報に基づいて楽曲を特定する。サーバ装置Sは、特定した楽曲毎の歌唱回数を求めた後、歌唱回数の多い順に楽曲を並べることで所定のラインキングを規定する。サーバ装置Sは、規定した所定のランキングをカラオケ装置Kに送信する。取得部200は、受信した所定のランキングを取得する。
【0032】
(特定部)
特定部300は、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲について、所定のランキングにおける順位を特定する。
【0033】
ランキング・クイズを行う利用者は、テーマを入力した後、当該テーマに基づいて規定された所定のランキングに含まれる可能性のある楽曲を予想し、その楽曲のカラオケ歌唱を行う。
【0034】
ある楽曲のカラオケ歌唱が行われた場合、特定部300は、取得した所定のランキングを参照し、所定のランキングにおける、ある楽曲の順位を特定する。特定部300は、カラオケ歌唱が行われた楽曲の楽曲名、及び特定した順位を報知部400に出力する。
【0035】
なお、ランキング・クイズが選択された場合には、複数の楽曲のカラオケ歌唱を行う必要がある。そこで、カラオケ装置Kは、カラオケ演奏の時間を短縮(たとえば1コーラスのみ)する短縮モードを備えていてもよい。たとえば、利用者は、リモコン装置50を介し、ランキング・クイズの選択と併せて、短縮モードの選択を行う。この場合、カラオケ装置Kは、利用者が選曲した各楽曲について短縮モードでのカラオケ演奏を行う。このような短縮モードを利用することにより、カラオケ歌唱を行う回数を増やすことができる。
【0036】
(報知部)
報知部400は、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の曲名及び特定された順位を報知する。
【0037】
曲名及び順位の報知は様々な方法で行うことができる。たとえば、報知部400は、曲名及び順位を、表示装置30やリモコン装置50の表示画面に文字で表示させたり、スピーカ20から音声で放音させることができる。
【0038】
==カラオケ装置における処理について==
次に、
図4~7Bを参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理について述べる。
図4は、カラオケ装置Kにおける処理を示すフローチャートである。以下、利用者Uが1位から7位までの楽曲を当てるランキング・クイズを行う場合を例に説明する。
【0039】
利用者Uがランキング・クイズを選択した場合(ランキング・クイズを開始。ステップ10)、リモコン装置50は、たとえば
図5に示すようなテーマの入力画面を表示させる。
図5の例では、テーマとして、場所(全国、東日本限定、西日本限定、本店舗限定)及び歌手名が表示されている。なお、「本店舗」とは、カラオケ装置Kが設置されている店舗である。
【0040】
利用者Uはランキング・クイズを行うテーマとして「東日本限定」及び「アーティストA」を選択したとする。この場合、決定部100は、「東日本限定」及び「アーティストA」をテーマとして決定する(テーマを決定。ステップ11)。決定部100は、「東日本限定」及び「アーティストA」のテーマをサーバ装置Sに送信する(テーマをサーバ装置に送信。ステップ12)。
【0041】
サーバ装置Sは、履歴情報の中から、カラオケ歌唱を行った場所が「東日本」であり、且つ歌手が「アーティストA」である履歴情報を抽出する。サーバ装置Sは、抽出した履歴情報に含まれる楽曲識別情報に基づいて楽曲を特定し、楽曲毎の歌唱回数を求める。サーバ装置Sは、特定した楽曲を歌唱回数の多い順に並べることで、所定のランキングを規定する。サーバ装置Sは、規定した所定のランキングをカラオケ装置Kに送信する。
【0042】
取得部200は、所定のランキングを取得する(サーバ装置から所定のランキングを取得。ステップ13)。
【0043】
図6は、「東日本限定」及び「アーティストA」のテーマにより規定された所定のランキングである。
図6によれば、東日本に設置されている複数のカラオケ装置においてカラオケ歌唱が行われたアーティストAの楽曲のうち、最も歌唱回数が多い楽曲は楽曲X01であり、以下、楽曲X02、楽曲X03、・・・楽曲Xnの順となっている。
【0044】
ステップ13の後、利用者Uは、所定のランキングに含まれる楽曲を予想する。ここで、利用者Uが、ランキングに含まれている楽曲として楽曲X07を予想したとする。利用者Uは、リモコン装置50を介して楽曲X07を選曲する。カラオケ装置Kは、選曲された楽曲X07の伴奏データを記憶手段10aから読み出し、演奏手段10dを制御してカラオケ演奏を行わせる。利用者Uは、カラオケ演奏に合わせて楽曲X07のカラオケ歌唱を行う(楽曲のカラオケ歌唱。ステップ14)。
【0045】
利用者Uが楽曲X07のカラオケ歌唱を終了した後、特定部300は、所定のランキングを参照し、楽曲X07の順位を特定する(カラオケ歌唱した楽曲の順位を特定。ステップ15)。
図6の例によれば、楽曲X07は「7位」である。よって、特定部300は、楽曲X07の順位を「7位」と特定する。特定部300は、特定した順位及び楽曲の曲名を報知部400に出力する。
【0046】
報知部400は、ステップ15で特定された順位及び楽曲の曲名を報知する(順位及び曲名を報知。ステップ16)。
【0047】
図7A及び
図7Bは、楽曲名及び順位の報知の一例である。この例では、1位から7位までの楽曲を当てるランキング・クイズであるため、報知部400は、1位から7位までの順位と楽曲名を表示装置30等に表示させることで楽曲名及び順位の報知を行う。
【0048】
ここで、報知部400は、ランキング・クイズの開始直後(利用者Uがカラオケ歌唱を行っていない段階)、全て順位の楽曲名を「?」としたリストを表示させる(
図7A参照)。
【0049】
一方、特定部300から特定した順位「7位」及び楽曲の曲名X07が出力された場合、報知部400は、リストを更新し、7位の楽曲名を「楽曲X07」と表示させる(
図7B参照)。
【0050】
なお、特定された順位が8位以下の場合、報知部400は、楽曲名及び順位をリストの欄外に表示させることができる。また、報知部400は、順位を報知する代わりに、「ランキング圏外」といったように所定順位までに含まれない旨の報知を行ってもよい。或いは、報知部400は、所定順位までに含まれるかどうかによって、報知の態様を変更してもよい。たとえば、報知部400は、1位から7位までの楽曲については、表示装置30等の表示画面に表示させる一方、8位以下の楽曲についてはスピーカ20を介して音声で報知してもよい。
【0051】
カラオケ装置Kは、たとえば、所定のランキングにおける1位~7位の楽曲全てのカラオケ歌唱が行われるまで(ランキング・クイズ終了。ステップ17でYの場合)、ステップ14~ステップ16の処理を繰り返し行う。
【0052】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、楽曲の歌唱回数に応じたランキングを規定するためのテーマを決定する決定部100と、決定したテーマに基づいて規定された所定のランキングを取得する取得部200と、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲について、所定のランキングにおける順位を特定する特定部300と、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の曲名及び特定された順位を報知する報知部400と、を有する。
【0053】
このようなカラオケ装置Kによれば、任意のテーマに基づいて規定された所定のランキングを利用し、ランキングに含まれる楽曲や順位を当てるといったランキング・クイズを楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、カラオケ歌唱とゲームを組合せた新規なコンテンツを提供可能なカラオケ装置を提供することにある。
【0054】
なお、決定されたテーマが「全国」のみのような場合、所定のランキングに含まれる楽曲の数が膨大となる。よって、サーバ装置Sは、所定のランキングに含まれる楽曲の数をランキング・クイズで予め設定されている所定順位の数に制限してもよい。たとえば、1位から7位までの楽曲を当てるランキング・クイズの場合、サーバ装置Sは、歌唱回数の多い順に7曲をランキングとして規定することができる。
【0055】
また、サーバ装置Sで所定のランキングを規定する代わりに、カラオケ装置Kが所定のランキングを規定することも可能である。たとえば、サーバ装置Sは、各カラオケ装置から受信した履歴情報を定期的にカラオケ装置Kに配信することができる。この場合、カラオケ装置Kの取得部200は、配信された履歴情報を用いてサーバ装置Sと同様の処理を行うことにより、所定のランキングを規定することができる。或いは、決定されたテーマに「本店舗限定」が含まれる場合、カラオケ装置Kの取得部200は、カラオケ装置Kが設置されている店舗内で集計された最新のデータに基づいて、所定のランキングを規定することができる。
【0056】
また、サーバ装置Sは、履歴情報と併せて属性情報を記憶していてもよい。
【0057】
属性情報は、カラオケ歌唱を行った利用者に関する情報である。一の履歴情報には一の属性情報が紐付けられている。属性情報は、たとえば、履歴情報が示す楽曲のカラオケ歌唱を行った利用者の利用者識別情報、年齢、性別等である。利用者識別情報は、個々の利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。
【0058】
たとえば、カラオケ装置Kにおいて、利用者Uが楽曲X01のカラオケ歌唱を行ったとする。この場合、カラオケ装置Kは、履歴情報を生成した後、利用者Uの属性情報を紐付け、サーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、受信した履歴情報及び属性情報を記憶する。属性情報は、たとえば、利用者毎に予め登録されている個人情報や、カラオケ装置を利用する際に利用者が入力した情報を用いることができる。
【0059】
このように、履歴情報と併せて属性情報を記憶することにより、より細かいテーマの選択が可能となる。たとえば、リモコン装置50は、
図8に示すようなテーマの入力画面を表示させることができる。
図8の例では、テーマとして、
図5に示した場所及び歌手名の他に、年代、性別が表示されている。
【0060】
ここで、利用者がランキング・クイズを行うテーマとして「西日本限定」、「アーティストC」、「女性」、及び「20歳~29歳」を選択したとする。この場合、決定部100は、「西日本限定」、「アーティストC」、「女性」、及び「20歳~29歳」をテーマとして決定する。
【0061】
また、上記例では、利用者がテーマを選択する例について述べたが、決定部100は、テーマを自動的に決定することも可能である。たとえば、決定部100は、利用者の過去の歌唱履歴を参照し、カラオケ歌唱を行った回数の多いアーティスト名を特定し、当該アーティスト名をテーマとして決定することができる。或いは、決定部100は、利用者自身の属性情報「関西出身」、「女性」、及び「26歳」に基づいて「西日本限定」、「女性」、及び「20歳~29歳」をテーマとして決定することができる。
【0062】
利用者の過去の歌唱履歴や属性情報は、たとえばサーバ装置Sから取得することができる。具体的に、利用者は、カラオケ装置Kを利用するにあたり、リモコン装置50を介して自己の利用者IDを入力する。リモコン装置50は、サーバ装置Sに対して当該利用者IDを送信し、対応する歌唱履歴や属性情報を送信するよう要求することができる。カラオケ装置Kは、サーバ装置Sから送信された歌唱履歴や属性情報を取得することで、テーマの決定に用いることが可能となる。
【0063】
また、上記例では、利用者がランキング・クイズを選択する例について述べたが、通常のカラオケ歌唱において、予め決定されたテーマに規定された所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲のうち所定数の楽曲を利用者がカラオケ歌唱した場合に、カラオケ装置Kが当該利用者に対してランキング・クイズを推奨する構成としてもよい。たとえば、カラオケ装置Kの決定部100は予め「東日本限定」及び「アーティストA」をテーマとして決定し、取得部200はテーマ「東日本限定」及び「アーティストA」に基づいて規定された所定のランキングを取得し、利用者が当該所定のランキングの1位から7位までの楽曲のうち3曲をカラオケ歌唱した場合にランキング・クイズを推奨するものとする。ここで、利用者Uが、たまたま通常のカラオケ歌唱において楽曲X03、楽曲X05、楽曲X07を歌唱したとする。この場合、カラオケ装置Kは、利用者Uに対して、「東日本限定」及び「アーティストA」をテーマとした所定のランキングの1位から7位の楽曲のうち残りの4曲を当てるランキング・クイズを推奨する。
【0064】
<第2実施形態>
次に、
図9及び
図10を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、カラオケ歌唱の採点結果に応じて、所定のランキングにおける順位を特定する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0065】
[制御手段]
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、決定部100、取得部200、特定部300、報知部400、及び採点部500として機能する。
【0066】
(採点部)
採点部500は、利用者のカラオケ歌唱を採点して採点結果を出力する。
【0067】
カラオケ歌唱の採点は、公知の技術を利用することができる。たとえば、採点部500は、マイク40から入力された歌唱音声信号から、音高データ、音量データ等の歌唱音声データを抽出し、楽曲のリファレンスデータと比較することにより、カラオケ歌唱の採点を行う。採点結果は、たとえば100点を満点とする採点値として求めることができる。採点部500は、採点結果を特定部300に出力する。
【0068】
(特定部)
本実施形態に係る特定部300は、出力された採点結果が所定条件を満たした場合に所定のランキングにおける順位を特定する。所定条件は、所定のランキングにおける順位の特定を行うかどうかを判断するための基準である。採点結果が採点値で示される場合、所定条件は、たとえば「70点以上」、「80点以上」とすることができる。
【0069】
具体的に、ランキング・クイズを行う利用者がある楽曲のカラオケ歌唱を行った場合、採点部500は、そのカラオケ歌唱を採点して採点結果を出力する。特定部300は、出力された採点結果が所定条件を満たすかどうかを判断する。所定条件を満たす場合、特定部300は、取得した所定のランキングを参照し、所定のランキングにおけるある楽曲の順位を特定する。そして、報知部400は、楽曲の曲名及び特定された順位の報知を行う。
【0070】
一方、所定条件を満たさない場合、特定部300は、順位の特定を行わない。この場合、報知部400は、楽曲の曲名及び特定された順位の報知を行わない。
【0071】
なお、所定条件を満たさない場合、特定部300は、その旨の通知を報知部400に出力することができる。この場合、報知部400は、当該通知に基づいて、「しっかり歌いましょう」といった所定のメッセージを報知することができる。
【0072】
==カラオケ装置における処理について==
次に、
図10を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理について述べる。
図10は、カラオケ装置Kにおける処理を示すフローチャートである。以下、利用者Uが1位から7位までの楽曲を当てるランキング・クイズを行う場合を例に説明する。
【0073】
ステップ20からステップ24は、第1実施形態のステップ10からステップ14と同様である。
【0074】
利用者Uが楽曲X07のカラオケ歌唱を終了した後、採点部500は、利用者Uのカラオケ歌唱を採点して採点結果を出力する(カラオケ歌唱を採点。ステップ25)。
【0075】
特定部300は、ステップ25で出力された採点結果が所定条件を満たすかどうかを判断する。本実施形態において、所定条件は「70点以上」であるとする。また、利用者Uによる楽曲X07のカラオケ歌唱の採点結果が「85点」であったとする。この場合、特定部300は、採点結果が所定条件を満たすと判断する(ステップ26でYの場合)。
【0076】
特定部300は、所定のランキングを参照し、楽曲X07の順位を特定する(カラオケ歌唱した楽曲の順位を特定。ステップ27)。特定部300は、特定した順位及び楽曲の曲名を報知部400に出力する。
【0077】
報知部400は、ステップ27で特定された順位及び楽曲の曲名を報知する(順位及び曲名を報知。ステップ28)。
【0078】
カラオケ装置Kは、たとえば、所定のランキングにおける1位~7位の楽曲全てのカラオケ歌唱が行われるまで(ランキング・クイズ終了。ステップ29でYの場合)、ステップ24~ステップ28の処理を繰り返し行う。
【0079】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、利用者のカラオケ歌唱を採点して採点結果を出力する採点部500を有する。また、特定部300は、出力された採点結果が所定条件を満たした場合に所定のランキングにおける順位を特定する。このようなカラオケ装置Kによれば、コンテンツの趣向性を更に高めることができる。
【0080】
<変形例1>
報知部400は、所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて順位が特定された場合、所定のメッセージを報知することができる。所定のメッセージは、たとえば、「達成!」、「おめでとう」のような、ランキング・クイズを全て正解したことを示すメッセージである。
【0081】
ここで、上記実施形態の例において、利用者Uが所定のランキングにおける1位から7位の全ての楽曲のカラオケ歌唱を行ったとする。この場合、報知部400は、全ての順位の楽曲名をリストに表示させるとともに、「達成!」のメッセージを表示させることができる(
図11参照)。なお、報知部400は、スピーカ20を介し、所定のメッセージを音声で報知してもよい。
【0082】
このように、所定のメッセージを報知することにより、利用者はカラオケ装置が提供するコンテンツをより楽しむことができる。
【0083】
<変形例2>
報知部400は、所定のタイミングで、所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて、楽曲名を報知することができる。
【0084】
一般に、利用者はカラオケ装置を利用する際に利用時間を指定する。よって、利用時間内に所定のランキングに含まれる全ての楽曲のカラオケ歌唱を行えるとは限らない。
【0085】
そこで、特定部300は、予め指定した利用時間が到来した時点において、所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて順位が特定されていない場合、所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて、楽曲名を報知することができる。予め指定した利用時間が到来した時点は、所定のタイミングの一例である。また、所定のタイミングは、利用者が予め設定したランキング・クイズの制限時間が到来した時点や、利用者がランキング・クイズを途中で止める時点等であってもよい。
【0086】
なお、報知部400は、順位が特定できた楽曲名と、順位が特定できなかった楽曲名とを異なる態様で報知することができる。たとえば、楽曲名を表示させる場合、報知部400は、順位が特定できた楽曲名のフォントや色と、順位が特定できなかった楽曲名のフォントや色とを変えて表示させる。また、報知部400は、楽曲名と併せて、「残念!」、「達成ならず!」といったメッセージを報知してもよい。
【0087】
このように、所定のタイミングで楽曲名を報知することにより、利用者は所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲を把握することができる。
【0088】
一方、報知部400は、予め指定した利用時間が到来した時点において、所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて順位が特定されていない場合、利用時間を自動で延長するようにしてもよい。
【0089】
たとえば、利用者Uが指定した利用時間が到来した時点で、特定部300は、所定のランキングに含まれる1位から所定順位までの楽曲全てについて、順位が特定されたかどうかを確認する。全ての楽曲の順位が特定されていない場合、特定部300は、利用時間を自動で延長する。このような構成により、利用者は、緊張感をもってコンテンツを楽しむことができる。
【0090】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
100 決定部
200 取得部
300 特定部
400 報知部
500 採点部
K カラオケ装置